JP2016201241A - 高周波誘導加熱コイル - Google Patents

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潤二 己之上
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Abstract

【課題】ワークの焼入範囲が限定されているものの、各ワーク毎に焼入範囲が微妙に相違する場合でも良好に誘導加熱することができる高周波誘導加熱コイルを提供することである。
【解決手段】空洞9,14を有する直線導体6,7の一端が、高周波電力を導くリード導体2,3と連続しており、他端6a,7aの近傍に第1接続部15、第2接続部16が設けられている。第1接続部15,第2接続部16には、空洞9,14と連通する長孔17,20が設けられている。空洞29を有する接続導体8が、第1接続部15と第2接続部16を接続して一連の電気通路を構成し、空洞9,29,14が一連の冷却液流路を構成する。接続導体8は、直線導体6,7の長手方向に沿った異なる位置で固定できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、ワークの焼入範囲が限定されているものの、各ワーク毎に焼入範囲が微妙に相違する場合に使用される高周波誘導加熱コイルに関するものである。特に、車両に使用されるドライブシャフトを高周波焼入する際に使用される高周波加熱コイルに関するものである。
従来、ワーク(鉄鋼材料)を高周波誘導焼入する場合には、加熱工程において、ワークに誘導加熱コイルを近接対向させ、誘導加熱コイルに高周波電流を供給し、ワークの表面に高周波の誘導電流を励起させて誘導加熱していた。これにより、ワークは高周波誘導加熱されて昇温する。
ところで、ワークの長さが相違する場合には、ワークの長さに応じた別の高周波加熱コイルが必要である。そのため、高周波加熱コイルはワークに応じて一品一様に異なる長さのものを用意しなければならず、不経済である上に、高周波焼入装置に装着した高周波加熱コイルを交換する手間も掛かる。
そこで、従来、特許文献1に開示されているようなワークの長手方向に沿って高周波加熱コイルが相対移動する移動焼入方法が提案されている。移動焼入方法では、長さが短い高周波加熱コイルと、冷却ジャケットを隣接させ、ワークに対して高周波加熱コイルと冷却ジャケットを相対移動させる。そして、高周波加熱コイルでワークを部分的に順に誘導加熱し、焼入温度まで昇温した部位に冷却ジャケットが近接し、冷却ジャケットから冷却液が噴射され、焼入温度まで昇温した部位が順に急冷される。これにより、ワークは、順に誘導加熱され、遅れて順に冷却されて全長(焼入範囲)に渡って焼入される。
特公昭63−46126号公報
ところで、ワークの焼入範囲が限定されているものの、各ワーク毎に焼入範囲が微妙に相違する場合がある。例えば、製造誤差によって、各ワーク毎に焼入範囲の長さが1〜2ミリ程度相違する場合がある。本件出願人は、移動焼入によってこのようなワークも良好に高周波誘導焼入できるものと考えていた。ところが、実際に移動焼入を実施してみると、形成された硬化層が仕様を満たしていない場合があることが判明した。具体的には、車両に使用されるドライブシャフトを高周波焼入する際に、焼き割れが生じた。
ドライブシャフトにはクリップ溝が設けられており、クリップ溝にクリップを装着することにより、高速ジョイントの内輪をドライブシャフトに固定する。そして、このクリップ溝の手前の部位まで硬化層を形成するために高周波誘導焼入を実施しようとしても、移動焼入では加熱の微調整ができず、焼き割れが生じたり、強度不足になり易いことが判明した。
高周波誘導加熱による加熱量を微調整するには、高周波電力の出力を加減する方法と、ワークと高周波加熱コイルの相対移動速度を微調整する方法とが考えられる。しかし、本件出願人は加熱量の微調整の試行錯誤を繰り返したが、いずれの方法によっても適切に加熱量を微調整することはできなかった。その結果、クリップ溝部分が過加熱状態になったり、加熱不足状態となった。過過熱状態になると、割れが生じ易くなり、加熱不足状態になると、強度や耐摩耗性が不足する。
そこで本発明は、ワークの焼入範囲が限定されているものの、各ワーク毎に焼入範囲が微妙に相違する場合でも良好に誘導加熱することができる高周波誘導加熱コイルを提供することを目的としている。
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、高周波電流が通電され、ワークの誘導加熱部位に高周波の誘導電流を励起させて誘導加熱する高周波誘導加熱コイルであって、一対の中空のリード導体と、一対の中空の直線導体と、中空の接続導体を有し、前記一対の直線導体は、所定の間隔を置いて平行に対向配置されており、両直線導体の間にワークの誘導加熱部位を配置可能であり、一方のリード導体と一方の直線導体とが連結されており、他方のリード導体と他方の直線導体とが連結されており、一方の直線導体における一方のリード導体が連結された部位から離間した部位に第一接続部が設けられており、他方の直線導体における他方のリード導体が連結された部位から離間した部位に第二接続部が設けられており、第一接続部と第二接続部が前記接続導体で接続されており、前記接続導体は、第一接続部で一方の直線導体の長手方向に沿って接続位置を変更可能であり、且つ、第二接続部で他方の直線導体の長手方向に沿って接続位置を変更可能であり、前記一対のリード導体と、一対の直線導体と、接続導体は、一連の電気通路を構成すると共に、前記中空部分同士が接続されて冷却液流路を構成していることを特徴とする高周波誘導加熱コイルである。
請求項1に記載の発明では、一対の中空のリード導体と、一対の中空の直線導体と、中空の接続導体を有し、これらが一連の電気通路を構成している。よって、高周波電源側から供給された高周波電流が、リード導体から直線導体と接続導体に流れる。その結果、直線導体に近接対向するワークを高周波誘導加熱することができる。
また、一対のリード導体と、一対の直線導体と、接続導体は、一連の冷却液流路を構成している。そのため、リード導体、直線導体、及び接続導体内に冷却液を循環供給することができる。その結果、リード導体、直線導体、及び接続導体の加熱焼損を抑制することができる。
接続導体は、第一接続部で一方の直線導体の長手方向に沿って接続位置を変更可能であり、且つ、第二接続部で他方の直線導体の長手方向に沿って接続位置を変更可能である。そのため、一方の直線導体及び他方の直線導体における高周波電流が流れる部分の長さを微調整することができる。
請求項2に記載の発明は、第一接続部と第二接続部には、それぞれ各直線導体の内部と連通する長孔が設けられており、各長孔は直線導体の長手方向に延びており、各長孔の開口が、前記接続導体によって外部と遮断されていると共に接続導体の内部と連通していることを特徴とする請求項1に記載の高周波誘導加熱コイルである。
請求項2に記載の発明では、第一接続部と第二接続部には、それぞれ各直線導体の内部と連通する長孔が設けられており、各長孔は直線導体の長手方向に延びており、各長孔の開口が、前記接続導体によって外部と遮断されると共に接続導体の内部と連通しているので、第一接続部と第二接続部に接続導体を接続すると、両直線導体と接続導体とが電気的に接続すると共に、連続した冷却液流路が形成される。そして、第一接続部と第二接続部に対する接続位置を長孔の長さの範囲で微調整することにより冷却液流路を確保することができる。また、長孔の開口は、接続導体によって外部と遮断されているので、冷却液が外部に流出しない。
ワークは車両用のドライブシャフトであり、前記車両用ドライブシャフトは、クリップ溝を備えた歯車部を有しており、前記歯車部を誘導加熱部位とすることができる(請求項3)。
本発明は、高周波誘導加熱コイルの各直線導体における高周波電流が流れる部分の長さを微調整することができるので、焼入対象のワークの誘導加熱範囲を微調整することができる。
本発明の実施形態に係る高周波誘導加熱コイルの斜視図である。 図1の高周波誘導加熱コイルの分解斜視図である。 図2の接続導体の底面図である。 高周波誘導加熱装置の系統図である。 ワークであるドライブシャフトの側面図であり、クリップ溝からクリップが外されている状態を示す。 ワークであるドライブシャフトの歯車部に高周波誘導加熱コイルが近接対向配置されている状態を示す側面図であり、(a)は、接続導体の位置を微調整する前の状態を示し、(b)は、接続導体の位置を微調整した後の状態を示し、(c)は、接続導体をスリット溝に対向させた状態を示す。 (a)は、直線導体と接続導体の接続状態を示す断面図であり、(b)は、(a)よりも直線導体の端部側に接続導体が接続されている状態を示す断面図であり、(c)は、(a)よりも直線導体の端部とは反対側に接続導体が接続されている状態を示す断面図である。 (a)は、図6(a)に示す状態でワークを高周波誘導加熱した結果得られた焼入パターンを示すワークの断面図であり、(b)は、図6(b)に示す状態でワークを高周波誘導加熱した結果得られた焼入パターンを示すワークの断面図であり、(c)は、クリップ溝に加熱コイルの端部を対向させた状態でワークを高周波誘導加熱した結果得られた焼入パターンを示すワークの断面図である。 (a)は、図8(a)のA−A矢視図であり、(b)は、図8(b)のB−B矢視図であり、(c)は、図8(c)のC−C矢視図である。 (a)は、高周波誘導加熱コイルの直線導体の変形例を示す部分斜視図であり、(b)は、(a)の平面図であって、対応する接続導体の冷却液通路の開口を仮想的に示しており、接続導体の冷却液通路の開口が直線導体の開口の中央部分に位置している状態を示しており、(c)は、(a)の平面図であって、対応する接続導体の冷却液通路の開口を仮想的に示しており、接続導体の冷却液通路の開口が直線導体の開口の縁付近に位置している状態を示している。
以下、図面を参照しながら説明する。
図1に示す高周波誘導加熱コイル1(以下、単に加熱コイル1と称する。)は、図4に示す高周波誘導加熱装置10に装着されて使用される。図4に示す様に、高周波誘導加熱装置10は、高周波発振器12、変圧器13、加熱コイル1等を有する。
高周波発振器12は、商用電源11から供給される交流電力を高周波電力に変換し、変圧器13の一次側へ出力する高周波電源を構成する。
変圧器13は、一次側に供給された高周波電力を変換し、二次側に出力する。
加熱コイル1は、リード導体2,3、小円弧状導体4,5、直線導体6,7、接続導体8を有する。リード導体2,3、小円弧状導体4,5、直線導体6,7、接続導体8は、銅又は銅合金等の良導体で形成された中空の管部材である。加熱コイル1の各導体の横断面は四角形(正方形又は長方形)であるのが好ましい。
加熱コイル1は、リード導体2、小円弧状導体4、直線導体6、接続導体8、直線導体7、小円弧状導体5、リード導体3の順で連続又は接続されている。すなわち、加熱コイル1の端部は、リード導体2,3で構成されており、リード導体2,3は、変圧器13の二次側と接続されている。
また、リード導体2,3には、図示しない冷却液供給源から冷却液が循環供給される配管が接続されており、冷却液は、リード導体2,3、小円弧状導体4,5、直線導体6,7、及び接続導体8を流通する。すなわち、各導体の内部は、冷却液を流通させる冷却液通路を構成する。そして、各導体が連続又は接続されることにより、一連の冷却液通路が形成されている。直線導体6,7(図2)、接続導体8(図3)の内部には、各々空洞9,14,29が形成されており、冷却液は空洞9,14,29内を流通する。
すなわち、加熱コイル1は通電可能であると共に、各導体の内部が連通して一連の冷却液通路が構成され、冷却液が流通可能である。
小円弧状導体4,5は、円弧形状を呈しており、小円弧状導体4はリード導体2と直線導体6の間に設けられており、小円弧状導体5はリード導体3と直線導体7の間に設けられている。
直線導体6の一端側は小円弧状導体4と連続しており、他端側である端部6aには第1接続部15が設けられている。端部6aは閉じており、空洞9は端部6aで袋小路状態になっている。第1接続部15は、直線導体6の端部6a付近の側面に設けられている。すなわち、第1接続部15は、後述のワーク(ドライブシャフト41)に対向する面とは相違する面(例えば図2で見て上面)に設けられている。第1接続部15は、図2に示す様に、長孔17と、ねじ穴18,19とで構成されている。
長孔17は、直線導体6の内部(空洞9)と外部とを連通させる貫通孔である。長孔17は、直線導体6の長手方向に沿って延びている。ねじ穴18,19は直線導体6の側面(上面)に設けられた有底のタップ穴であり、直線導体6の内部(図2に示す空洞9)とは連通していない。ねじ穴18,19は、長孔17の長手方向の両側に配置されている。すなわち、ねじ穴18,19と長孔17は、同一直線上に配置されている。
直線導体7の一端側は小円弧状導体5と連続しており、他端側である端部7aには第2接続部16が設けられている。端部7aは閉じており、空洞14は端部7aで袋小路状態になっている。第2接続部16は、直線導体7の端部7a付近の側面に設けられている。すなわち、第2接続部16は、後述のワーク(ドライブシャフト41)に対向する面とは相違する(例えば図2で見て上面)に設けられている。第2接続部16は、図2に示す様に、長孔20と、ねじ穴21,22とで構成されている。
長孔20は、直線導体7の内部(空洞14)と外部とを連通させる貫通孔である。長孔20は、直線導体7の長手方向に沿って延びている。ねじ穴21,22は直線導体7の側面(上面)に設けられた有底のタップ穴であり、直線導体7の内部(図2に示す空洞14)とは連通していない。ねじ穴21,22は、長孔20の長手方向の両側に配置されている。すなわち、ねじ穴21,22と長孔20は、同一直線上に配置されている。
直線導体6と直線導体7は、平行に対向配置されている。直線導体6における小円弧状導体4が接続された端部と、直線導体7における小円弧状導体5が接続された端部とが対向している。また、直線導体6における小円弧状導体4が接続された端部から第1接続部15までの長さは、直線導体7における小円弧状導体5が接続された端部から第2接続部16までの長さと同じである。本実施例では、直線導体6と直線導体7の長さ(両端部間長さ)は同じであるが、必ずしも両直線導体の長さは一致していなくてもよい。
接続導体8は、本体部30と、第1端部23,第2端部24を有する。本体部30は半円弧形状を呈する管状部材であり、本体部30の両端には第1端部23,第2端部24が設けられている。
第1端部23は、フランジ部25,26を有する。フランジ部25,26は、本体部30の一端において、本体部30と直交する方向の両側に配置されている。フランジ部25,26には、スリット状の固定部27,28が設けられている。固定部27,28は、フランジ部25,26を貫通している。
第2端部24も、第1端部23と同様の構成を有している。すなわち、第2端部24は、フランジ部31,32を有し、フランジ部31,32には、各々スリット状の固定部33,34が設けられている。
本体部30の内部には空洞29が形成されている。空洞29の第1端部23側の端部は、開口35を構成し、第2端部24側の端部は、開口36を構成している。
図3に示す様に、開口35は、固定部27,28の間に配置されており、開口35,固定部27,28は、一直線上に並んでいる。同様に、開口36は、固定部33,34の間に配置されており、開口36,固定部33,34は、一直線上に並んでいる。
開口35,固定部27,28の列と、開口36,固定部33,34の列は平行である。また、第1端部23と第2端部24の間隔は、直線導体6と直線導体7の間隔と一致している。
直線導体6の第1接続部15と接続導体8の第1端部23が、ねじ37,38で固定されている。すなわち、ねじ37は、接続導体8のフランジ部25の固定部27を貫通し、直線導体6のねじ穴18に螺合しており、ねじ38は、接続導体8のフランジ部26の固定部28を貫通し、直線導体6のねじ穴19に螺合している。そのため、直線導体6の長孔17と接続導体8の開口35(空洞29)が連通している。開口35の直径は、長孔17の長手方向の長さよりも小さい。図示していないが、第1接続部15の長孔17の周囲にはシール部材が配置されている。このシール部材によって、長孔17と開口35の間の液密が確保されている。
同様に、直線導体7の第2接続部16と接続導体8の第2端部24が、ねじ39,40で固定されている。その結果、直線導体7の長孔20と接続導体8の開口36(空洞29)が連通している。開口36の直径は、長孔20の長手方向の長さよりも小さい。図示していないが、第2接続部16の長孔20の周囲にはシール部材が配置されている。このシール部材によって、長孔20と開口36の間の液密が確保されている。
直線導体6,7に対する接続導体8の固定位置は、容易に変更可能である。すなわち、ねじ37〜40を緩め、第1接続部15,第2接続部16に対する接続導体8の固定を解除し、接続導体8を直線導体6,7の長手方向に移動させて、再度ねじ37〜40を締め付ける。これにより、直線導体6に対する接続導体8の接続位置を、例えば図7(a)に示す状態から図7(b)に示す状態に変更することができる。また、図7(c)に示す状態に変更することもできる。
直線導体6と接続導体8とが、図7(a),図7(b),図7(c)のいずれの位置関係であっても、第1接続部15と第1端部23の間において、直線導体6の空洞9と接続導体8の空洞29が連通している。すなわち、長孔17の長手方向の範囲で開口35が移動するので、空洞9,29は連通状態を保つことができる。直線導体7と接続導体8の位置関係についても、直線導体6と接続導体8の位置関係と同様に変更できる。よって、直線導体6,7に対して接続導体8の接続位置を変更しても、直線導体6,接続導体8,直線導体7は、一連の電気通路を構成すると共に、一連の冷却液流路を構成する。
高周波誘導加熱装置10(図4)で誘導加熱する対象のワークはドライブシャフト41(図5)である。ドライブシャフト41は、端部に歯車部42を備えている。歯車部42にはクリップ溝43が設けられている。クリップ溝43にクリップ44が装着され、歯車部42に図示しない高速ジョイントの内輪が固定される。ドライブシャフト41は、図示しない回転駆動装置で両端が支持されている。よって、ドライブシャフト41は、軸芯を中心に回転駆動される。
図5に示す様に、クリップ溝43は、歯車部42の途中の部位に設けられている。ドライブシャフト41の歯車部42の歯先には、クリップ溝43部分でエッジ部45が形成されている。エッジ部45はヒートマスが小さく、歯車部42を高周波誘導加熱するとエッジ部45が過熱状態になり易い。
そこで本実施例では、図6(a)に示す様に、ドライブシャフト41に加熱コイル1を近接対向配置する。図6(a)に示す状態では、直線導体6(7)がクリップ溝43部分に掛かっているが、接続導体8はクリップ溝43から若干離れている。この状態で歯車部42を高周波誘導加熱すると、ドライブシャフト41には図8(a)に示す様な硬化層L1が形成される。硬化層L1は、エッジ部45に達しておらず、エッジ部45は加熱不足であり、焼入されていない。そのため、図8(a)のA−A矢視図である図9(a)には、硬化層L1が表れていない。
そこで接続導体8を図6(b)に示す様に若干(例えば0.5mm〜2mm程度)クリップ溝43側へ移動させ、ドライブシャフト41に対してクリップ溝43から若干(例えば1mm程度)離れた位置まで対向させる様に配置する。すなわち、接続導体8はクリップ溝43には対向していない。この状態で高周波誘導加熱を実施すると、加熱コイル1には直線導体6,7における接続導体8が接続された部位まで高周波電流が流れ、ドライブシャフト41の歯車部42には、クリップ溝43から若干(例えば1mm程度)離れた部位まで高周波誘導電流が励起される。その結果、歯車部42には、図8(b)に示す様な硬化層L2が形成される。硬化層L2は、エッジ部45に形成されているが、クリップ溝43の底部43a及びコーナ部Cには硬化層L2が形成されていない。図8(b)のB−B矢視図である図9(b)で見ると、硬化層L2は、歯先部分から歯元部分にかけて、歯の輪郭に沿うように形成されている。
すなわち、エッジ部45には高周波誘導加熱された部位から伝熱されて適度に昇温して焼入温度に到達し、冷却工程を経て焼入される。ところがコーナ部Cは、エッジ部よりも熱容量(ヒートマス)が大きいため、焼入温度まで昇温せず、焼入されない。
図8(b)に示す状態では、歯車部42は、歯先のエッジ部45(端面)は焼入されて耐摩耗性が高まる。一方、歯車部42のクリップ溝43のコーナ部Cは、焼入されていないため、靱性が高く、曲げ疲労強度も強い状態が保たれている。
仮に、接続導体8を図6(c)に示す位置まで移動させて高周波誘導加熱を実施すると、ドライブシャフト41には図8(c)に示す様な硬化層L3が形成される。図6(c)では、接続導体8が歯車部42のクリップ溝43の際まで対向している。そのため、エッジ部45も高周波誘導加熱されてしまい、コーナ部も焼入温度を超えてしまう。その結果、硬化層L3が形成されてしまう。図8(c)のC−C矢視図である図9(c)で見ると、硬化層L3は、歯先から歯元まで歯の全領域に渡って形成されている。このようなドライブシャフト41では、歯元の靱性が低くなり、曲げ疲労強度も弱くなるため、コーナ部Cに亀裂Fが生じ易い。
以上説明した様に、本実施形態の加熱コイル1では、ワークであるドライブシャフト41が多数あり、各ドライブシャフト41毎に歯車部42の長さが加熱コイル1の直線導体6,7の長さに対して微妙に相違していたとしても、直線導体6,7と接続導体8の接続位置を若干変更するだけでクリップ溝43のエッジ部45まで良好に高周波誘導加熱(焼入)することができる。
なお、加熱コイル1の接続導体8及び小円弧状導体4,5の半径は、ドライブシャフト41の直径よりも大きく、接続導体8及び小円弧状導体4,5は、直線導体6,7よりもドライブシャフト41から離間している。そのため、接続導体8及び小円弧状導体4,5は、高周波電流と冷却液を流通させるが、ドライブシャフト41の高周波誘導加熱にほとんど寄与していない。
また、小円弧状導体4,5は、必ずしも設ける必要はない。すなわち、直線導体6の一端は、リード導体2と直接接続されていてもよく、直線導体7の一端も、リード導体3と直接接続されていてもよい。
図10(a)〜図10(c)は、図2に示す直線導体6,7の第1接続部15,第2接続部16の変形例を示す。図10(a)に示す第1接続部50は、図2に示す直線導体6の第1接続部15の長孔17の代わりに大径孔51が設けられている。第1接続部50におけるその他の構成は、図2に示す直線導体6の第1接続部15と同じである。
図10(a)に示す直線導体6に接続導体8を接続すると、図10(b)に示す様に、大径孔51と接続導体8の開口35とが連通する。図10(b)では、大径孔51の中心と開口35の中心が一致している。そして、例えば、接続導体8を直線導体6の端部6a側に移動させて固定すると、図10(c)に示す様に、大径孔51に対して開口35の位置が直線導体6の端部6a側に移動する。しかし、図10(c)に示す状態においても、大径孔51と開口35とが連通しており、冷却液の通路が確保されている。直線導体7の第2接続部16(図2)も、図10(a)に示す直線導体6と同様に構成することができる。
1 高周波誘導加熱コイル
2、3 リード導体
6、7 直線導体
8 接続導体
15 第1接続部
16 第2接続部
17、20 長孔
29 接続導体の空洞
41 ドライブシャフト(ワーク)
42 歯車部(誘導加熱部位)
43 クリップ溝

Claims (3)

  1. 高周波電流が通電され、ワークの誘導加熱部位に高周波の誘導電流を励起させて誘導加熱する高周波誘導加熱コイルであって、
    一対の中空のリード導体と、一対の中空の直線導体と、中空の接続導体を有し、
    前記一対の直線導体は、所定の間隔を置いて平行に対向配置されており、
    両直線導体の間にワークの誘導加熱部位を配置可能であり、
    一方のリード導体と一方の直線導体とが連結されており、他方のリード導体と他方の直線導体とが連結されており、
    一方の直線導体における一方のリード導体が連結された部位から離間した部位に第一接続部が設けられており、
    他方の直線導体における他方のリード導体が連結された部位から離間した部位に第二接続部が設けられており、
    第一接続部と第二接続部が前記接続導体で接続されており、
    前記接続導体は、第一接続部で一方の直線導体の長手方向に沿って接続位置を変更可能であり、且つ、第二接続部で他方の直線導体の長手方向に沿って接続位置を変更可能であり、
    前記一対のリード導体と、一対の直線導体と、接続導体は、一連の電気通路を構成すると共に、前記中空部分同士が接続されて冷却液流路を構成していることを特徴とする高周波誘導加熱コイル。
  2. 第一接続部と第二接続部には、それぞれ各直線導体の内部と連通する長孔が設けられており、各長孔は直線導体の長手方向に延びており、各長孔の開口が、前記接続導体によって外部と遮断されていると共に接続導体の内部と連通していることを特徴とする請求項1に記載の高周波誘導加熱コイル。
  3. ワークは車両用のドライブシャフトであり、前記車両用ドライブシャフトは、クリップ溝を備えた歯車部を有しており、前記歯車部が誘導加熱部位であることを特徴とする請求項1又は2に記載の高周波誘導加熱コイル。
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