JP2016200257A - アジャスタ装置およびフロントフォーク - Google Patents
アジャスタ装置およびフロントフォーク Download PDFInfo
- Publication number
- JP2016200257A JP2016200257A JP2015082308A JP2015082308A JP2016200257A JP 2016200257 A JP2016200257 A JP 2016200257A JP 2015082308 A JP2015082308 A JP 2015082308A JP 2015082308 A JP2015082308 A JP 2015082308A JP 2016200257 A JP2016200257 A JP 2016200257A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- rod
- cap
- cylinder
- front fork
- suspension spring
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Axle Suspensions And Sidecars For Cycles (AREA)
- Fluid-Damping Devices (AREA)
Abstract
【課題】 操作部を取付対象であるキャップの中心に容易に配置できるアジャスタ装置、およびこのアジャスタ装置を備えるフロントフォークを提供する。【解決手段】 アジャスタ装置Aが、懸架ばねS1の一端(図2中上端)を支えるロッド4と、このロッド4の反懸架ばね側端(図2中上端)に設けられる螺子部4aと、この螺子部4aに螺合する操作部6と、ロッド4が軸方向に移動自在に挿入されてロッド4の回り止めをする回り止め部7とを有する。【選択図】 図2
Description
本発明は、アジャスタ装置およびフロントフォークに関する。
従来、フロントフォークに利用されるアジャスタ装置は、フロントフォークに収容されるばねの初期荷重を調節したり、フロントフォークに収容されるダンパの減衰力を調節したりする目的で利用される(例えば、特許文献1,2)。
例えば、特開2011−58547号公報に記載のフロントフォークは、図5に示すように、テレスコピック型のフォーク本体8と、このフォーク本体8内に設けられるダンパと、このダンパ内を加圧するコイルスプリングS3と、静止時におけるコイルスプリングS3の圧縮量を調節するアジャスタ9とを備える。アジャスタ9は、フォーク本体8の上端を塞ぐキャップ部材80の軸心線yに対して偏心した位置に設けられ、このアジャスタ9の外周にコイルスプリングS3の上端を支えるバネ受90が螺合している。このバネ受90は、キャップ部材80の軸心部に設けられ、アジャスタ9を回転したときキャップ部材80に対して回転しないようになっている。よって、アジャスタ9を操作するとバネ受90が上下してコイルスプリングS3の圧縮量を変更できる。
しかしながら、上記従来のフロントフォークでは、アジャスタ9がキャップ部材80の軸心線yに対して偏心した位置に設けられるので、キャップ部材80に方向性(向き)ができる。このようにキャップ部材80に方向性ができると、フロントフォークを車両に組み付けた際にキャップ部材80の向きが一定になるのが外観上好ましい。よって、フロントフォークを組み立てる際、キャップ部材80を取り付けたフォーク本体8を回転してキャップ部材80の向きを合わせる必要が生じ、組立作業が煩雑になる。
そうかといって、従来のフロントフォークのアジャスタ9をそのままキャップ部材80の軸心部にずらすと、駆動対象であるバネ受90が軸心線yからずれる。このような偏心したバネ受90でコイルスプリングS3を圧縮すると、コイルスプリングS3に均一に力がかからず、バネ受90が変形したり、コイルスプリングS3が座屈して所望の弾性力を得られなくなったりする虞がある。また、特開2010−223413号公報に記載のフロントフォークのように、ダンパにおけるロッド内に挿入されるプッシュロッドが駆動対象である場合には、構造上、駆動対象をダンパの軸心線から偏心させた位置に設けるのが困難である。
したがって、運転者等の使用者が操作するアジャスタ9等の操作部と、バネ受90またはプッシュロッド等の駆動対象が偏心して設けられる従来のアジャスタ装置では、キャップ部材80等の取付対象の中心に操作部を設けるのが難しい。
そこで、本発明は、操作部を取付対象の中心に容易に配置できるアジャスタ装置およびフロントフォークの提供を課題とする。
上記課題を解決する請求項1,2に記載の発明では、懸架ばねの一端を支えるロッドの反懸架ばね側端に設けた螺子部に操作部を螺合するとともに、前記ロッドを回り止め部に挿入して前記操作部と前記ロッドの共回りを防いでいる。このため、ロッドと操作部を同軸に設けられる。
請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の構成を備えるとともに、アウターチューブと前記アウターチューブに出入りするインナーチューブとを有する筒部材と、前記筒部材の一方側開口部を塞ぐ環状のキャップとを備える。そして、前記操作部が前記キャップの中心に回転自在に挿入されている。このため、取付対象であるキャップに方向性ができないので、フロントフォークの組立作業を容易にできる。
請求項4に記載の発明では、請求項3に記載の構成を備えるとともに、前記ロッドが前記アウターチューブに連結されるシリンダ内に移動自在に挿入され、前記回り止め部が前記シリンダに固定される。このため、キャップの構造を複雑にせずに回り止め部を取り付けられる。
本発明のアジャスタ装置およびフロントフォークによれば、操作部を取付対象の中心に容易に配置できる。
以下に本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。いくつかの図面を通して付された同じ符号は、同じ部品か対応する部品を示す。
図1に示すように、本発明の第一の実施の形態に係るフロントフォークFは、一対の脚部fs,fdを備え、これら脚部fs,fdの間に二輪車または三輪車等の鞍乗型車両の前輪Wを挟んで支える。一対の脚部fs,fdは、ともに、アウターチューブ1と、このアウターチューブ1に出入りするインナーチューブ2とを有して構成されるテレスコピック型の筒部材Tを備える。そして、両脚部fs,fdのアウターチューブ1が車体側ブラケットB1で連結され、両脚部fs,fdのインナーチューブ2の図1中下部に車輪側ブラケットB2がそれぞれ固定される。車体側ブラケットB1は、車体の骨格となる車体フレーム(図示せず)に連結され、車輪側ブラケットB2は、前輪Wの車軸に連結される。このため、路面凹凸による衝撃が前輪Wに入力されると、アウターチューブ1にインナーチューブ2が出入りして、フロントフォークFが伸縮する。
また、フロントフォークFは、車体を弾性支持し、路面凹凸による衝撃を吸収する懸架ばねS1(図2)と、衝撃吸収に伴う懸架ばねS1の伸縮運動を抑制する減衰力発生要素(図示せず)とを備える。上記懸架ばねS1は、メインスプリングとも称されるコイルばねである。本実施の形態において、一方の脚部fsのみが懸架ばねS1を備え、他方の脚部fdは懸架ばねS1を備えない。なお、両脚部fs,fdの筒部材T内には、それぞれ気体が封入されており、フロントフォークFが収縮すると圧縮されて弾性力を発揮し、エアばねとして機能する。このため、フロントフォークFの全体のばね特性は、懸架ばねS1のばね特性とエアばねのばね特性の合成の特性となる。
図示しない減衰力発生要素は、周知のように、作動油等の流体の流れに抵抗を与えるバルブ、オリフィス等である。本実施の形態において、他方の脚部fdのみが減衰力発生要素を備え、一方の脚部fsは減衰力発生要素を備えない。減衰力発生要素は、多くの場合、上記流体が封入されてフロントフォークFの伸長時または収縮時に加圧される部屋と、上記流体が通る通路等とともに利用される。さらに、減衰力発生要素は、高性能なほど加工精度が要求されるとともに、部品数が多く複雑な構造を有する部材であり、高価になり易い。本実施の形態においては、このような減衰力発生要素を片方の脚部fdに集約しているので、減衰力発生要素を含まない方の脚部fsの構成を極めて簡易にできる。また、両方の脚部fs,fdで重複する部品をなるべく削減できる。したがって、フロントフォークFの軽量化とコストの低減が可能になる。
本実施の形態において、本発明は減衰力発生要素を含まない脚部fsに具現化されている。なお、他方の減衰力発生要素を含む脚部fdは、上記の限りではなく、如何なる周知の構成を採るとしてもよいので、ここでの詳細な説明を省略する。また、本発明は、減衰力発生要素を含まない脚部に限定して利用される発明ではなく、以下詳細に説明する脚部fsに減衰力発生要素を追加してもよい。
図2に示すように、本発明が具現化される脚部fsは、アウターチューブ1とインナーチューブ2とを有する上記筒部材Tと、アウターチューブ1の図2中上側開口を塞ぐキャップ5と、アウターチューブ1の内側に設けられるシリンダ3と、インナーチューブ2内に収容される上記懸架ばねS1と、シリンダ3内に挿入されて懸架ばねS1の図2中上端を支えるロッド4と、キャップ5に取り付けられてロッド4の図2中上端部外周に螺合する操作部6と、ロッド4が軸方向に移動自在に挿入されてロッド4の回り止めをする回り止め部7とを備える。そして、ロッド4と、操作部6と、回り止め部7とを備えてアジャスタ装置Aが構成されており、フロントフォークFに荷重がかかっていないとき(無荷重時)に懸架ばねS1にかかる荷重(初期荷重)をアジャスタ装置Aで調節できるようになっている。
筒部材Tにおいて、アウターチューブ1とインナーチューブ2の重複部の間に形成される筒状隙間(符示せず)には、図2中上下一対の環状の軸受20,10が設けられている。そして、これら軸受20,10でインナーチューブ2が軸支され、アウターチューブ1内を円滑に摺動できる。インナーチューブ2内には、油が貯留されるとともに、その油面Oの上側に気体が封入されている。インナーチューブ2には、上記油を筒状隙間に導く孔2aが形成されているので、上記油で軸受20,10の摺動面を潤滑できる。なお、インナーチューブ2の円滑な摺動が可能であれば、油を廃するとしてもよい。この場合には、フロントフォークFの更なる軽量化が可能になる。
また、筒部材Tにおいて、アウターチューブ1の図2中上側開口がキャップ5で塞がれ、インナーチューブ2の図2中下側開口が車輪側ブラケットB2で塞がれ、アウターチューブ1とインナーチューブ2の重複部の間に形成される筒状隙間の図2中下側開口がオイルシール11とダストシール12で塞がれる。このため、筒部材T内の油と気体が外気側に漏れるのを防いで、筒部材Tの内側を密閉空間にできる。
つづいて、図3に示すように、アウターチューブ1は、その図3中上部に、内周に雌螺子加工が施されるナット部1aを備える。このナット部1aの下側には、ナット部1aよりも内径の小さい部分が設けられており、アウターチューブ1の内周におけるナット部1aの下側に、図3中上側を向く環状の段差1bが形成される。この段差1bには、環状のワッシャである支持部材13が積層され、当該支持部材13は、ナット部1aに螺合するキャップ5と段差1bとの間に挟まれて固定される。また、本実施の形態において、支持部材13におけるキャップ5に当接する部分と、段差1bに当接する部分が図中上下に向かい合う。このため、キャップ5を捻じ込んだときにかかる軸方向の力で、支持部材13が変形するのを抑制できる。
上記キャップ5は環状である。このキャップ5の外周には、雄螺子加工が施されており、上記ナット部1aに螺合できる。また、この雄螺子加工部分よりも上側に周方向に沿う環状の溝が形成されており、この溝に環状のOリング50が嵌る。このOリング50は、キャップ5の外周面とアウターチューブ1の内周面に密着してキャップ5とアウターチューブ1の間を塞ぎ、油と気体が外気側に漏れるのを防ぐ。
また、キャップ5は、その中心部を軸方向に貫通する取付孔5aを有しており、この取付孔5aを利用して操作部6をキャップ5に取り付けられる。キャップ5の内周は、図3中下側に向けて二段階に拡径される。キャップ5において、最も小さい内径を有する部分を小内径部5b、次に小さい内径を有する部分を中内径部5c、最も大きい内径を有する部分を大内径部5dとする。すると、このキャップ5の内周において、小内径部5bと中内径部5cとの境界部分は、小内径部5bから中内径部5cにかけて徐々に拡径する円錐台状のスロープ5eとなっている。そして、操作部6の図3中上側からキャップ5を被せたとき、懸架ばねS1の弾性力がロッド4を介して操作部6に作用して、操作部6がスロープ5eに押し付けられ、抜け止めされるようになっている。
また、前述のように取付孔5aは、キャップ5の中心部に設けられ、アウターチューブ1の軸心を通る直線xが取付孔5aの軸心を通るように設計される。また、キャップ5の内周における中内径部5bと大内径部5cの境界部分は、図3中下側を向く段差5fになっている。そして、この段差5fにより、シリンダ3の図3中上側からキャップ5を被せたとき、シリンダ3の上端部が大内径部5d内に挿入されるが、中内径部5c内に挿入されないようになっている。また、シリンダ3の外径は大内径部5dの内径に略符合するので、シリンダ3がアウターチューブ1の中心に配置され、シリンダ3の軸心を直線xが通る。
上記シリンダ3は、筒状であり、シリンダ3の図3中上部外周に周方向に沿う環状の溝3aが形成されている。この溝3aには、環状のスナップリング30が嵌る。このようにスナップリング30がシリンダ3に取り付けられた状態において、スナップリング30の外周部分がシリンダ3の外周面から外側に突出して、突出部を構成する。そして、アウターチューブ1の段差1bに支持部材13を重ね、支持部材13の内側に図3中下側からシリンダ3を挿通し、支持部材13から図3中上側に突出させた溝3aにスナップリング30を嵌め、キャップ5をアウターチューブ1に螺合すると、スナップリング30がキャップ5と支持部材13との間に挟まれるので、アウターチューブ1にシリンダ3を連結できる。つまり、本実施の形態において、シリンダ3は、キャップ5および支持部材13を介してアウターチューブ1に連結される。また、本実施の形態において、シリンダ3はキャップ5に対して回り止めされている。この回り止めのための構成は、従来周知の如何なる構成を採ってもよいので、図示を省略する。
なお、シリンダ3とアウターチューブ1との連結方法は、適宜変更できる。例えば、シリンダ3とキャップ5とを螺子結合で連結してもよいが、この場合、螺子結合のための加工および組付が高価である。しかし、上記構成によれば、螺子結合によらずシリンダ3をアウターチューブ1に連結できるので、コストを低減できる。また、スナップリング30は、支持部材13をシリンダ3の外周に装着した後からでもシリンダ3に取り付けられるので、支持部材13として、例えば、環状の汎用ワッシャを利用できる。しかし、シリンダ3の図3中上部を外側に折り曲げたり、シリンダ3の外周にフランジを溶接、接着等で分離できないように固定したりして、シリンダ3にスナップリング30に替わる突出部を設けてもよい。この場合、支持部材13を半割にすれば組立可能であり、本実施の形態と同様に、螺子結合によらずシリンダ3をアウターチューブ1に連結してコストを低減できる。
また、本実施の形態において、キャップ5の図3中下側内周縁と、支持部材13の図3中上側内周縁が面取りされている。よって、キャップ5と支持部材13でスナップリング30を挟んだときに、スナップリング30よりも外周側でキャップ5と支持部材13が離間せず、当接できる。
つづいて、シリンダ3の図3中下側は、図2に示すように、インナーチューブ2の内側に出没自在に挿入されており、シリンダ3は、フロントフォークFの伸縮に伴いインナーチューブ2に出入りする。このインナーチューブ挿入側となるシリンダ3の図2中下端部は、外側に折り曲げられており、環状のばね受3bとなっている。また、このばね受3bよりも図2中上側に延びるインナーチューブ2の図2中上部の内径は、その下側の内径よりも大きく、インナーチューブ2の内周に図2中上側を向く段差2bが形成されている。そして、この段差2bに環状のばね受21を積層し、このばね受21よりも図2中上側に位置するインナーチューブ2の上端を内側に折り曲げて、この曲げ部2cと段差2bとの間にばね受21を挟んで固定する。
これら両ばね受21,3bは、図2中上下に向い合せに配置され、インナーチューブ2からシリンダ3が退出するフロントフォークFの伸長時に接近する。また、両ばね受21,3bの間には、伸切ばねS2が設けられている。この伸切ばねS2は、コイルばねであり、その図2中上端をインナーチューブ2に取り付けられるばね受21で支えられ、図2中下端をシリンダ3に設けられるばね受3bで支えられるようになっている。したがって、フロントフォークFの伸長に伴いインナーチューブ2からシリンダ3が退出していくと、両ばね受21,3bが伸切ばねS2を介して衝突する。そして、伸切ばねS2が最圧縮されると、それ以上の両ばね受21,3bの接近が阻止されて、フロントフォークFが伸び切った状態、即ち、最伸長状態となる。
つまり、本実施の形態において、シリンダ3に設けられるばね受3bと、インナーチューブ2に取り付けられるばね受21とで、フロントフォークFの伸び切りを規制する伸切規制部材が構成される。また、本実施の形態においては、ばね受(伸切規制部材)21,3bの間に伸切ばねS2が設けられており、圧縮されると弾性力を発揮する。この伸切ばねS2の弾性力により、ばね受21,3bが離間する方向に附勢され、フロントフォークFの伸長運動を抑制するので、伸切ばねS2で最伸長時の衝撃を緩和できる。なお、伸切ばねS2は、ゴム等の弾性体であるとしてもよい。また、フロントフォークFの最伸長時の衝撃を緩和し、車両の乗り心地を著しく悪化させないような配慮がなされていれば、伸切規制部材を構成する部品同士が直接当接するようにしてもよい。
つづいて、シリンダ3内に挿入されるロッド4の図2中下端部は、シリンダ3から突出し、このロッド4の図2中下端部に懸架ばね受40が取り付けられる。この懸架ばね受40は、ロッド4の図2中下端部が軽圧入される嵌合部40aと、この嵌合部40aの図2中上端から外側に延びる環状のフランジ40bとを備え、このフランジ40bで懸架ばねS1の図2中上端を支える。他方の懸架ばねS1の図2中下端は、車輪側ブラケットB2で支えられており、この車輪側ブラケットB2は、前述のように、インナーチューブ2に固定されている。つまり、本実施の形態において、懸架ばねS1は、懸架ばね受40と車輪側ブラケットB2とを介して、ロッド4とインナーチューブ2との間に介装される。
また、ロッド4の図2中上端は、前述のように、操作部6を介してキャップ5で支えられるので、フロントフォークFの伸縮に伴い懸架ばねS1が伸縮する。懸架ばねS1は圧縮されると弾性力を発揮し、フロントフォークFを伸長方向に附勢して車体を弾性支持する。そして、この懸架ばねS1の初期荷重は、アジャスタ装置Aにおける操作部6を操作して、シリンダ3内におけるロッド4の軸方向位置を変更すると調整できる。
図3,4に示すように、操作部6は、内周に雌螺子加工が施される筒部6aと、この筒部6aの図3中上側開口を塞ぐ頂部6bとを備えて有頂筒状に形成される。筒部6aの外周には、Oリング60が設けられ、筒部材T内に封入される油と気体が、操作部6とキャップ5との間から外気側に漏れないようになっている。また、操作部6の外周面は、キャップ5における小内径部5bから中内径部5cにかけての内周面に略符合する形状を有している。そして、操作部6において、中内径部5cに挿入される部分の外径が、小内径部5cの内径よりも大きくなっており、操作部6がキャップ5から図3中上側に抜けないようになっている。また、前述のように、取付孔5aの軸心を直線xが通るので、操作部6がキャップ5の中心部に設けられ、この操作部6の軸心を直線xが通る。
上記操作部6の操作により駆動される駆動対象であるロッド4は、柱状であり、外周に雄螺子加工が施される螺子部4aと、一端が螺子部4aに連なり他端に懸架ばね受40が嵌合する本体部4bとを有して構成される。螺子部4aは、操作部6の筒部6a内周に螺合し、ロッド4の軸心を直線xが通るようになっている。また、ロッド4が操作部6に螺合しているので、ロッド4がシリンダ3内で傾く心配がなく、ロッド4の倒れを防ぐための倒れ防止部材を省略できる。他方の本体部4bは、真円以外の一定の断面形状を有し、本実施の形態においては、真円の一部を切り取った断面D字状となっている。
また、上記ロッド4は、シリンダ3の内周に固定される環状の回り止め部7により回り止めされて、操作部6と共回りしないようになっている。具体的に説明すると、回り止め部7は、環状であり、その中心部にロッド4の本体部4bが挿通可能な孔7aが形成されている。回り止め部7の内周断面は、本体部4bの外周断面と略符合する形状を有する。よって、ロッド4は、回り止め部7に対して軸方向に移動できるが、軸回りの回転は阻止される。また、回り止め部7の外周には、周方向に沿う環状溝7bが形成されている。そして、シリンダ3に回り止め部7を挿入してからシリンダ3の一部を加締めて環状溝7bに押し込み、シリンダ3の内周に回り止め部7を固定する。なお、回り止め部7のシリンダ3への固定方法は、回り止め部7のシリンダ3に対する軸方向の移動と軸回りの回転が規制される限り、適宜変更できる。例えば、シリンダ3の周方向の一部を部分的に内周側に突出させて、当該突出部を環状溝7bに押し込んでもよく、回り止め部7の外周断面を真円以外の形状にして、シリンダ3における回り止め部7に対応する部分を回り止め部7の外周形状に合わせるように塑性変形させてもよい。
前述のように、シリンダ3はキャップ5に対して回転できず、シリンダ3に固定される回り止め部7でロッド4の回転が阻止されているので、キャップ5内で操作部6を回転すると、ロッド4が回転軸方向(図3中上下)に移動する。具体的に説明すると、操作部6を正回転させると、ロッド4の螺子部4aが筒部6aから送り出されて、ロッド4が懸架ばねS1を圧縮しながら図3中下側に移動する。このため、当該操作で懸架ばねS1の初期荷重を高く調整できる。反対に、操作部6を逆回転させると、ロッド4の螺子部4aが筒部6aに捻じ込まれて、ロッド4が図3中上側に移動する。このとき、懸架ばねS1が伸長するので、当該操作で懸架ばねS1の初期荷重を低く調整できる。
このように、本実施の形態においては、操作部6と駆動対象であるロッド4が同軸上に設けられるので、取付対象であるキャップ5の中心に操作部6を容易に配置できる。当該構成によれば、キャップ5に方向性ができず、キャップ5を直線x周りに回転してどの位置で止めたとしても、キャップ5の外観が変わらない。よって、フロントフォークFを組み立てる際に、製品毎にキャップ5の向きを統一させるため、キャップ5を取り付けたアウターチューブ1を回転させずに済み、組立作業を容易にできる。
なお、本実施の形態において、操作部6に螺合する螺子部4aと、回り止め部7に挿通される本体部4bとが継ぎ目なく一体的に形成されている。しかし、螺子部4aと本体部4bを別体として形成してから螺合、嵌合、溶接、接着等で連結して一体化させてもよい。また、本実施の形態において、本体部4b全体が断面D字状の異形断面、即ち、真円以外の断面形状となっているが、回り止め部7に摺接する部分のみを異形断面にしてもよい。また、ロッド4における回り止め部7に摺接する部分の外周断面形状と回り止め部7の内周断面形状は、D字状に限られず、回り止め部7に対するロッド4の軸方向の移動を許容しつつ、軸回りの回転を阻止できる限り、適宜変更できる。
また、ロッド4の本体部4b外周には、回り止め部7よりも図3,4中上側に、周方向に沿う円弧状の溝4cが形成されており、この溝4cにスナップリング41が嵌合している。このようにスナップリング41が取り付けられた状態において、スナップリング41の外周部分がロッド4の外周面から外側に突出する。このため、ロッド4が図3,4中下側となる懸架ばねS1側に所定量前進すると、スナップリング41が回り止め部7に突き当たり、ロッド4の前進を規制して、螺子部4aが操作部6から完全に抜け出るのを防止する。つまり、本実施の形態において、回り止め部7がストッパとして機能するとともに、スナップリング41が回り止め部(ストッパ)7に突き当たるフランジ部材として機能する。しかし、ロッド4の移動を規制するための構成は、適宜変更でできる。例えば、ストッパおよびフランジ部材を回り止め部7およびスナップリング41と別に設ける場合には、スナップリング41を廃するとしてもよい。また、スナップリング41に替えて、本体部4bを径方向に貫通するピンをフランジ部材として利用してもよい。
以下、本実施の形態におけるフロントフォークFの作用効果について説明する。
本実施の形態において、ロッド4がアウターチューブ1に連結されるシリンダ3内に移動自在に挿入され、回り止め部7がシリンダ3に固定される。このため、キャップ5の構造を複雑にせずに回り止め部7を取り付けられる。また、本実施の形態のように、シリンダ3がインナーチューブ2に出入りする場合には、シリンダ3とインナーチューブ2に伸切規制部材を設けられるので、シリンダ3を伸切規制と回り止め部7の保持の両方に利用できる。なお、回り止め部7は、操作部6を回転したとき、ロッド4を支えてロッド4の回転を規制できればよく、シリンダ3以外に固定されていてもよい。例えば、回り止め部7がキャップ5またはアウターチューブ1に固定されてもよく、この場合には、シリンダ3を省略できる。
また、本実施の形態において、フロントフォークFは、アウターチューブ1と、アウターチューブ1に出入りするインナーチューブ2とを有する筒部材Tと、筒部材Tの図2中上側開口(一方側開口部)を塞ぐ環状のキャップ5とを備える。そして、操作部6がキャップ5の中心に回転自在に挿入される。このように、キャップ5の中心に操作部6を設けると、取付対象であるキャップ5に方向性ができないので、フロントフォークFの組立作業を容易にできる。
また、本実施の形態において、フロントフォークFは、懸架ばねS1と、懸架ばねS1の初期荷重を調節するアジャスタ装置Aとを備える。そして、アジャスタ装置Aは、懸架ばねS1の図2中上端(一端)を支えるロッド4と、ロッド4の図2,3中上端(反懸架ばね側端部)に設けられる螺子部4aと、螺子部4aに螺合する操作部6と、ロッド4が軸方向に移動自在に挿入されてロッド4の回り止めをする回り止め部7とを有する。当該アジャスタ装置Aによれば、ロッド4と操作部6を同軸に設けられるので、取付対象であるキャップ5の中心に操作部6を容易に配置できる。
以上、本発明の好ましい実施の形態を詳細に説明したが、特許請求の範囲から逸脱しない限り、改造、変形および変更が可能である。
A・・・アジャスタ装置、F・・・フロントフォーク、S1・・・懸架ばね、T・・・筒部材、1・・・アウターチューブ、2・・・インナーチューブ、3・・・シリンダ、4・・・ロッド、4a・・・螺子部、5・・・キャップ、6・・・操作部、7・・・回り止め部
Claims (4)
- 懸架ばねの一端を支えるロッドと、
前記ロッドの反懸架ばね側端に設けられる螺子部と、
前記螺子部に螺合する操作部と、
前記ロッドが軸方向に移動自在に挿入されて前記ロッドの回り止めをする回り止め部とを備える
ことを特徴とするアジャスタ装置。 - 懸架ばねと、
前記懸架ばねの初期荷重を調節するアジャスタ装置とを備え、
前記アジャスタ装置は、
前記懸架ばねの一端を支えるロッドと、
前記ロッドの反懸架ばね側端に設けられる螺子部と、
前記螺子部に螺合する操作部と、
前記ロッドが軸方向に移動自在に挿入されて前記ロッドの回り止めをする回り止め部とを有する
ことを特徴とするフロントフォーク。 - アウターチューブと、前記アウターチューブに出入りするインナーチューブとを有する筒部材と、
前記筒部材の一方側開口部を塞ぐ環状のキャップとを備え、
前記操作部は、前記キャップの中心に回転自在に挿入される
ことを特徴とする請求項2に記載のフロントフォーク。 - 前記ロッドは、前記アウターチューブに連結されるシリンダ内に移動自在に挿入され、
前記回り止め部は、前記シリンダに固定される
ことを特徴とする請求項3に記載のフロントフォーク。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015082308A JP2016200257A (ja) | 2015-04-14 | 2015-04-14 | アジャスタ装置およびフロントフォーク |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015082308A JP2016200257A (ja) | 2015-04-14 | 2015-04-14 | アジャスタ装置およびフロントフォーク |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016200257A true JP2016200257A (ja) | 2016-12-01 |
Family
ID=57424035
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015082308A Pending JP2016200257A (ja) | 2015-04-14 | 2015-04-14 | アジャスタ装置およびフロントフォーク |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2016200257A (ja) |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004044669A (ja) * | 2002-07-10 | 2004-02-12 | Showa Corp | 車両用の油圧緩衝器 |
WO2013061357A1 (ja) * | 2011-10-24 | 2013-05-02 | 三菱電機株式会社 | ターボ用アクチュエータ |
JP2015047957A (ja) * | 2013-08-30 | 2015-03-16 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | 電動倍力装置 |
-
2015
- 2015-04-14 JP JP2015082308A patent/JP2016200257A/ja active Pending
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004044669A (ja) * | 2002-07-10 | 2004-02-12 | Showa Corp | 車両用の油圧緩衝器 |
WO2013061357A1 (ja) * | 2011-10-24 | 2013-05-02 | 三菱電機株式会社 | ターボ用アクチュエータ |
JP2015047957A (ja) * | 2013-08-30 | 2015-03-16 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | 電動倍力装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US9027719B2 (en) | Adjuster and shock absorber | |
JP6006109B2 (ja) | エアばね付ダンパ | |
US8459419B2 (en) | Fluid pressure shock absorber | |
JP2016200257A (ja) | アジャスタ装置およびフロントフォーク | |
JP2007146947A (ja) | 油圧緩衝器 | |
US8356386B2 (en) | Door closer | |
JP5506451B2 (ja) | 油圧緩衝器 | |
WO2018056099A1 (ja) | 緩衝器 | |
JP6132147B2 (ja) | ラックガイド装置 | |
EP2738025B1 (en) | Suspension device | |
CN111263865A (zh) | 缓冲器 | |
WO2017051715A1 (ja) | ショックアブソーバ | |
JP2016200256A (ja) | フロントフォーク | |
WO2018092327A1 (ja) | 緩衝器 | |
JP4740045B2 (ja) | 油圧緩衝器の減衰バルブ | |
JP2018004034A (ja) | 摩擦ダンパ | |
JP2016065591A (ja) | フロントフォーク | |
JP6810603B2 (ja) | シリンダ装置 | |
JP6246425B1 (ja) | 緩衝器 | |
JP2016142299A (ja) | 油圧緩衝器 | |
JP2016064727A (ja) | フロントフォーク | |
US20180180132A1 (en) | Mono-tube shock absorber | |
CN111051729B (zh) | 缓冲器 | |
JP6454239B2 (ja) | 単筒式ショックアブソーバ | |
WO2018105683A1 (ja) | フロントフォーク |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20180308 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20190128 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190212 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20190806 |