JP2016199866A - 橋桁の免震構造 - Google Patents

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小林 薫
Kaoru Kobayashi
薫 小林
雅也 平林
Masaya Hirabayashi
雅也 平林
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【課題】地震後のメンテナンス作業を軽減することができる橋桁の免震構造を実現する。
【解決手段】地震によって支持構造物10上で橋桁20が揺れた場合、支持構造物10の凹部11と橋桁20の凸部21の間に介装されている緩衝部材30が変形し、緩衝部材30の袋体内で粘性流体が移動することによって、橋桁20が揺動する移動エネルギーを効率よく吸収し、その橋桁20の揺れを抑えるようにした。また、橋桁20が揺動する移動エネルギーが大きく、緩衝部材30の変形だけでは橋桁20の移動エネルギーを吸収しきれない場合には、橋桁20を傾斜面13に沿って迫り上がらせるようにして、支持構造物10に伝わる橋桁20の移動エネルギーを最小限にするようにした。そして、地震が治まった後に緩衝部材30が復元することに伴い、凸部21が凹部11内の元の位置に戻ることによって、橋桁20を所定の配置に復元させるようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、橋脚や橋台などの支持構造物に支持されている橋桁の免震構造に関する。
従来、大規模地震に備えた取り組みとして、橋桁が橋脚や橋台などの支持構造物から逸脱して落橋するのを防ぐ対策が講じられている。
例えば、橋桁の移動を制限するためのストッパー(例えば鋼角ストッパー)を、橋桁と橋桁を支持する支持構造物との間に設置し、橋桁が支持構造物から逸脱するのを防ぐ技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
また、橋桁と橋桁を支持する支持構造物との間に免震ゴム支承を設置し、橋桁を弾性支持するようにして支持構造物からの逸脱を防ぐ技術が知られている(例えば、非特許文献1参照。)。
特開2002−167711号公報(図6)
横浜ゴム株式会社ホームページ、[平成27年3月19日検索]、インターネット<URL:https://www.yrc.co.jp/industrial/products/bridge_construction_05.html>
しかしながら、上記特許文献1のようなストッパーを用いた場合に、地震により振動した橋桁の慣性力がストッパーを介して支持構造物に伝わり、支持構造物に大きな反力が作用することがあり、ストッパーや支持構造物などがダメージを受けてしまったときには、地震後に損傷した箇所の復旧工事が必要になる。
また、上記非特許文献1のような免震ゴム支承を用いた場合に、地震による橋桁の揺動が大きく、免震ゴム支承が弾性変形し過ぎて地震後に復元しないときには、ダメージを受けたものを交換するなどの復旧工事が必要になる。
本発明の目的は、地震後のメンテナンス作業を軽減することができる橋桁の免震構造を提供することである。
上記目的を達成するため、この発明は、
支持構造物に支持されている橋桁の免震構造であって、
前記支持構造物の上部には、水平な底面と、前記底面の外縁から外側に向かって上り傾斜する傾斜面とを有する凹部が設けられ、前記凹部はその水平断面が前記底面側ほど小さな多角形あるいは円形を呈するように形成されており、
前記橋桁の下部には、下方に突き出た突起体の先端側に、その水平断面が前記凹部の水平断面と相似形を呈するとともに、前記凹部の傾斜面と同じ傾斜角度の傾斜面を有して、前記凹部内で移動可能となる凸部が設けられており、
前記凹部と前記凸部の間に、変形可能な袋体内に粘性流体が封入されている緩衝部材が介装されているようにした。
かかる構成の橋桁の免震構造は、地震動によって支持構造物上で橋桁が揺れた場合、支持構造物の凹部と橋桁の凸部の間に介装されている緩衝部材が変形し、緩衝部材の袋体内で粘性流体が移動することによって、橋桁が揺動する移動エネルギーを効率よく吸収し、その橋桁の揺れを抑えることができる。また、緩衝部材によって橋桁を支持構造物に衝突させないようにして、橋桁や支持構造物が損傷するのを防ぐことができる。
また、橋桁が揺動する移動エネルギーが大きく、緩衝部材の変形だけでは橋桁の移動エネルギーを吸収しきれない場合には、その移動エネルギーを逃がすように、橋桁を凹部の傾斜面に沿って迫り上がらせるようにして、支持構造物に伝わる橋桁の移動エネルギーを最小限にすることで、支持構造物が損傷するのを防ぐことができる。また、地震が治まると、凹部の傾斜面に沿って迫り上がった橋桁は自重によってその傾斜面を滑り下りることができる。
そして、地震が治まった後に緩衝部材が復元することに伴い、凸部が凹部内の元の位置に戻ることによって、橋桁を所定の配置に復元させることができる。
つまり、このような橋桁の免震構造であれば、地震によって橋桁や支持構造物が損傷するのを防ぐことができるとともに、地震が治まった後、橋桁を支持構造物上での所定の配置に復元させることができるので、ずれた橋桁を所定位置に戻すような復旧工事が不要になり、地震後のメンテナンス作業を軽減することができる。
また、望ましくは、
前記凸部の傾斜面と前記凹部の傾斜面の少なくとも一方に平滑性を有する第1の板状部材が設けられ、
前記緩衝部材の表面の一部に、前記第1の板状部材と対向して対を成すように、平滑性を有する第2の板状部材が設けられているようにした。
例えば、凸部の傾斜面に第1の板状部材が設けられ、緩衝部材の表面の一部に第1の板状部材と対向して対を成す第2の板状部材が設けられていれば、支持構造物の凹部内で橋桁の凸部が移動する際、第1の板状部材と第2の板状部材とが滑らかに摺接するので、橋桁がスムーズに移動することができる。
また、凹部の傾斜面に第1の板状部材が設けられ、緩衝部材の表面の一部に第1の板状部材と対向して対を成す第2の板状部材が設けられていれば、緩衝部材が変形する際に、第1の板状部材と第2の板状部材とが滑らかに摺接するので、緩衝部材の表面(袋体)が凹部と擦れないようにすることができる。
また、望ましくは、
前記凹部の傾斜面の傾斜角度は、前記底面からの仰角が1°以上20°以下であるようにした。
凹部の傾斜面の傾斜角度が1°以上20°以下であれば、その傾斜面に沿って橋桁が好適に迫り上がったり滑り下りたりすることができる。
例えば、凹部の傾斜面の傾斜角度が1°未満であると、傾斜面に沿って橋桁が迫り上がることでは移動エネルギーを吸収しきれないことがあり、橋桁の凸部が支持構造物の凹部から抜け出してしまう虞がある。
また、凹部の傾斜面の傾斜角度が20°を超えると、傾斜面に沿って橋桁が迫り上がることができず、支持構造物に負荷がかかることになる虞がある。
なお、凹部の傾斜面の傾斜角度が6°以上12°以下であれば、より好適に橋桁が傾斜面を迫り上がったり滑り下りたりすることができる。
本発明によれば、支持構造物に支持されている橋桁において、地震後のメンテナンス作業を軽減することができる。
本実施形態の橋桁の免震構造を示す断面図である。 本実施形態の橋桁の免震構造を分解して示す斜視図である。 支持構造物の凹部内で移動する橋桁の凸部に関する説明図であり、支持構造物に対して橋桁が図中左方へ移動した状態(a)と、支持構造物に対して橋桁が図中右方へ移動した状態(b)を示している。 橋桁の凸部が凹部の傾斜面に沿って迫り上がった状態(a)と、橋桁の凸部が凹部の傾斜面に沿って滑り下りた状態(b)を示している。 橋桁の免震構造の変形例を示す断面図である。
以下、図面を参照して、本発明に係る橋桁の免震構造の実施形態について詳細に説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
図1は、橋桁の免震構造100を示す断面図である。図2は、橋桁の免震構造100を分解して示す斜視図である。
橋桁の免震構造100は、橋脚や橋台などの支持構造物10に支持されている橋桁20が、地震時に支持構造物10から逸脱するのを防ぐための構造体である。なお、支持構造物10と橋桁20の間には、沓90が配設されている。
本実施形態の橋桁の免震構造100は、例えば図1、図2に示すように、支持構造物10の上部に設けられている凹部11と、橋桁20の下部の突起体20aに設けられている凸部21と、支持構造物10の凹部11と橋桁20の凸部21の間に介装される緩衝部材30等を備えた構造を有している。
支持構造物10の凹部11は、水平な底面12と、その底面12の外縁から外側に向かって上り傾斜する傾斜面13とを有しており、その凹部11の水平断面が底面12側ほど小さな正多角形(本実施形態では正四角形)を呈するようになっている。
つまり、この凹部11は、その内部空間が四角錐台形状を呈するように形成されており、底面12が正四角形(正方形)を呈し、4つの傾斜面13がそれぞれ台形を呈している。
この凹部11の傾斜面13の傾斜角度は、底面12からの仰角が1°以上20°以下であることが好ましく、より好ましくは6°以上12°以下である。
橋桁20の下部には、下方に突き出た突起体20aが設けられており、この突起体20aの先端側に凸部21が設けられている。
橋桁20の凸部21は、その水平断面が支持構造物10の凹部11の水平断面と相似形(本実施形態では正四角形)を呈するとともに、凹部11の傾斜面13と同じ傾斜角度の傾斜面23を有している。
つまり、凸部21は、その下面22側ほど小さな断面を呈する四角錐台形状に形成されており、下面22が正四角形(正方形)を呈し、4つの傾斜面23がそれぞれ台形を呈している。
特に、橋桁20の凸部21は、凹部11内で移動可能となるように、支持構造物10の凹部11の内部空間よりも小さな四角錐台形状に形成されている。
そして、凸部21が凹部21内に配置された状態で、凸部21の下面22は凹部11の底面12と平行向きになり、凸部21の傾斜面23は凹部11の傾斜面13と平行向きになる。なお、凸部21の下面22と凹部11の底面12とが摺接しないように、下面22と底面12との間には僅かな隙間が設けられるようになっている。
緩衝部材30は、袋体内に粘性流体が封入されてなる変形可能なクッション材であり、支持構造物10の凹部11と橋桁20の凸部21の間に挟まれた状態で、その外周面が凹部11の傾斜面13側に密着し、その内周面が凸部21の傾斜面23側に密着するように変形する。なお、図2に示した緩衝部材30の形状は、凹部11と凸部21に挟まれた状態での一形態を示すものである。
袋体は、変形可能な材料であって、内部に封入した粘性流体が染み出ない材料からなる、例えば浮き輪やタイヤチューブのような部材である。この袋体の素材としては、ゴムなどの樹脂材料や、布の表面を樹脂コーティングした材料などを用いることができる。
粘性流体は、例えば、瀝青材やシリコーンオイルなどを用いることができる。
この緩衝部材30が押圧されて変形する際、緩衝部材30の袋体内で粘性流体が移動するようになっている。
また、橋桁20の凸部21の傾斜面23には、平滑性を有する第1の板状部材40が設けられている。
第1の板状部材40は、傾斜面23の形状に応じて形成された台形状の薄板であり、例えば、ステンレスなどの金属製の薄板や、FRP(Fiber Reinforced Plastics)などの樹脂製の薄板を用いることができる。ここでは、4つの傾斜面23を覆うため、4枚の第1の板状部材40が凸部21に貼付されている。なお、第1の板状部材40の表面の摩擦抵抗を減らすために、フッ素コーティング等の公知の表面処理を施すことが好ましい。
また、緩衝部材30の表面の一部には、平滑性を有する第2の板状部材50が、第1の板状部材40と対を成して設けられている。
第2の板状部材50は、第1の板状部材40よりも小さな薄板であり、第1の板状部材40と対向する緩衝部材30の内周面に貼付されている。この第2の板状部材50も、第1の板状部材40と同様に、ステンレスなどの金属製の薄板や、FRP(Fiber Reinforced Plastics)などの樹脂製の薄板を用いることができる。なお、第2の板状部材50の表面の摩擦抵抗を減らすために、フッ素コーティング等の公知の表面処理を施すことが好ましい。
次に、本実施形態の橋桁の免震構造100の免震の仕組みについて説明する。
地震による振動が支持構造物10に支持されている橋桁20に作用し、橋桁20が支持構造物10上で揺れた場合、例えば、図3(a)(b)に示すように、支持構造物10の凹部11内で橋桁20の凸部21が左右方向や前後方向に移動する。図3(a)では支持構造物10に対して橋桁20が図中左方へ移動した状態を示し、図3(b)では支持構造物10に対して橋桁20が図中右方へ移動した状態を示している。
このとき、橋桁20が移動した側で、緩衝部材30が凹部11の傾斜面13に向けて押し潰され、その反対側で緩衝部材30が膨らむように変形する。このような緩衝部材30の変形によって、橋桁20が揺動する移動エネルギーを吸収している。
特に、緩衝部材30の袋体内で粘性流体が移動することによって、橋桁20の移動エネルギーを効率よく吸収することが可能になっている。
また、支持構造物10の凹部11内で橋桁20の凸部21が左右方向や前後方向に移動する際、凸部21の傾斜面23に貼付されている第1の板状部材40と、緩衝部材30の内周面に貼付されている第2の板状部材50とが滑らかに摺接するようになっているので、橋桁20はスムーズに移動することができ、その移動する橋桁20が緩衝部材30の表面に過大な負荷をかけないようになっている。
このように、橋桁20が支持構造物10上で揺れた場合、支持構造物10の凹部11と橋桁20の凸部21の間に介装されている緩衝部材30が変形し、緩衝部材30の袋体内で粘性流体が移動することによって、橋桁20が揺動する移動エネルギーを効率よく吸収するようになっている。
つまり、この免震構造100における緩衝部材30は、橋桁20の揺れを抑えるダンパーとしての機能を有している。
そして、地震が静まった後、緩衝部材30が復元することに伴い、凸部21が凹部11内の元の位置に戻り、橋桁20が所定の配置(図1参照)に復元する。
また、より大きな地震によって支持構造物10上で橋桁20がより大きく揺れた場合、例えば、図4(a)に示すように、橋桁20の凸部21が凹部11の傾斜面13に沿って迫り上がる。図4(a)では支持構造物10に対して橋桁20が図中右方へ移動するとともに、図中右斜め上に迫り上がった状態を示している。
このように、橋桁20が揺動する移動エネルギーが大きく、袋体内で粘性流体が移動することによる緩衝部材30の変形だけでは橋桁20の移動エネルギーを吸収しきれない場合には、橋桁20の移動エネルギーの一部を橋桁20が凹部11の傾斜面13を上がるエネルギーに変換するようにして、支持構造物10に伝わる橋桁20の移動エネルギーを最小限にするようになっている。
つまり、この免震構造100における凹部11の傾斜面13および凸部21の傾斜面23は、橋桁20の揺れを支持構造物10に伝え難くするアイソレーターとしての機能を有している。
そして、その大きな地震が静まった後、図4(b)に示すように、傾斜面13に沿って迫り上がった橋桁20は自重によって傾斜面13を滑り下り、緩衝部材30が復元することに伴い、凸部21が凹部11内の元の位置に戻り、橋桁20が所定の配置(図1参照)に復元する。
なお、上述したように、凸部21の傾斜面23に貼付されている第1の板状部材40と、緩衝部材30の内周面に貼付されている第2の板状部材50とが滑らかに摺接するようになっているので、移動する橋桁20が緩衝部材30の表面に過大な負荷をかけないようにして、橋桁20が傾斜面13を迫り上がったり滑り下りたりすることが可能になっている。
特に、地震によって大きく揺れた橋桁20が、好適に傾斜面13を迫り上がったり滑り下りたりするように、第1の板状部材40や第2の板状部材50の素材(金属、樹脂など)の選定と、凹部11の傾斜面13の傾斜角度の設計がなされている。
例えば、傾斜面13の傾斜角度が同じ条件では、摩擦係数が低い素材ならなる第1の板状部材40や第2の板状部材50を用いれば、橋桁20が傾斜面13を迫り上がりやすくなり、摩擦係数が高い素材ならなる第1の板状部材40や第2の板状部材50を用いれば、橋桁20が傾斜面13を迫り上がり難くなる。
また、第1の板状部材40や第2の板状部材50の素材が同じ条件では、傾斜面13の傾斜角度が小さく0°寄りであれば、橋桁20が傾斜面13を迫り上がりやすくなり、傾斜面13の傾斜角度が大きく90°寄りであれば、橋桁20が傾斜面13を迫り上がり難くなる。
そして、想定する地震規模や、橋桁20の大きさや重量に応じて、第1の板状部材40や第2の板状部材50の素材と、凹部11の傾斜面13の傾斜角度を適正に設定して、橋桁20が好適に傾斜面13を迫り上がったり滑り下りたりするように調整されている。
以上のように、本実施形態の橋桁の免震構造100は、地震動によって支持構造物10上で橋桁20が揺れた場合、支持構造物10の凹部11と橋桁20の凸部21の間に介装されている緩衝部材30が変形し、緩衝部材30の袋体内で粘性流体が移動することによって、橋桁20が揺動する移動エネルギーを効率よく吸収し、その橋桁20の揺れを抑えることができる。また、緩衝部材30によって橋桁20を支持構造物10に衝突させないようにして、橋桁20や支持構造物30が損傷するのを防ぐことができる。
また、橋桁20が揺動する移動エネルギーが大きく、緩衝部材30の変形だけでは橋桁20の移動エネルギーを吸収しきれない場合には、その移動エネルギーを逃がすように、橋桁20を傾斜面13に沿って迫り上がらせるようにして、支持構造物10に伝わる橋桁20の移動エネルギーを最小限にすることで、支持構造物10が損傷するのを防ぐことができる。
そして、地震が治まった後に緩衝部材30が復元することに伴い、凸部21が凹部11内の元の位置に戻ることによって、橋桁20を所定の配置に復元させることができる。
特に、橋桁20の凸部21と支持構造物10の凹部11は、その水平断面形状が正多角形(ここでは正方形)を呈するように形成されているので、地震の震動方向によらず、橋桁20の凸部21は支持構造物10の凹部11内で好適に移動したり迫り上がったりすることが可能になっている。
凸部21が凹部11内で前後方向や左右方向あるいは斜め方向に移動したり迫り上がったりすることが可能になっていることにより、橋桁20が揺動する移動エネルギーを好適に逃がすことができ、また凸部21が凹部11内の元の位置に戻りやすくなっている。
このように、本実施形態の橋桁の免震構造100であれば、地震によって橋桁20や支持構造物10が損傷するのを防ぐことができるとともに、地震が治まった後、橋桁20を支持構造物10上での所定の配置に復元させることができるので、ずれた橋桁20を所定位置に戻すような復旧工事が不要になり、地震後のメンテナンス作業を軽減することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではない。
例えば、図5に示すように、支持構造物10の凹部11の傾斜面13に、平滑性を有する第1の板状部材40が貼付され、緩衝部材30の表面(外周面)の一部に、平滑性を有する第2の板状部材50が、第1の板状部材40と対を成すように貼付されている橋桁の免震構造100であってもよい。
このような免震構造100であれば、前述した橋桁の免震構造100と同様の効果が得られることは勿論のこと、緩衝部材30が変形する際に、傾斜面13に貼付されている第1の板状部材40と、緩衝部材30の外周面に貼付されている第2の板状部材50とが滑らかに摺接するようになり、緩衝部材30の袋体が凹部11と擦れないようにして、緩衝部材30の外周面に過大な負荷をかけないようにすることができる。
また、橋桁20の凸部21の傾斜面23と支持構造物10の凹部11の傾斜面13にそれぞれ第1の板状部材40を貼付し、緩衝部材30の内周面と外周面のそれぞれに第1の板状部材40と対を成す第2の板状部材50を貼付してなる橋桁の免震構造100であってもよい。
このような免震構造100であれば、前述した橋桁の免震構造100と同様の効果が得られることは勿論のこと、橋桁20が移動する際や緩衝部材30が変形する際に、第1の板状部材40と第2の板状部材50とが滑らかに摺接するようになり、緩衝部材30の内周面と外周面に過大な負荷をかけないようにすることができる。
なお、以上の実施の形態においては、支持構造物10の凹部11の水平断面と、橋桁20の凸部21の水平断面が正四角形である場合を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、凹部11と凸部21の水平断面は他の正多角形でもよい。例えば、凹部11と凸部21の水平断面が正六角形である場合、凹部11と凸部21は六角錐台形状を呈する。
また、凹部11と凸部21の水平断面は円形でもよい。凹部11と凸部21の水平断面が円形である場合、凹部11と凸部21は円錐台形状を呈する。
また、以上の実施の形態においては、凸部21の下面22と凹部11の底面12とが摺接しないように下面22と底面12との間に隙間を設けるとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、下面22と底面12との間に複数のベアリング用の鋼球を配して、下面22と底面12との間に生じる摩擦を軽減するようにしてもよい。
また、下面22と底面12との間に生じる摩擦力を所望する値に調節可能な部材を、下面22と底面12との間に配して、地震により振動した橋桁20の揺れを止めやすくしてもよい。
また、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
10 支持構造物
11 凹部
12 底面
13 傾斜面
20 橋桁
20a 突起体
21 凸部
22 下面
23 傾斜面
30 緩衝部材
100 橋桁の免震構造

Claims (3)

  1. 支持構造物に支持されている橋桁の免震構造であって、
    前記支持構造物の上部には、水平な底面と、前記底面の外縁から外側に向かって上り傾斜する傾斜面とを有する凹部が設けられ、前記凹部はその水平断面が前記底面側ほど小さな多角形あるいは円形を呈するように形成されており、
    前記橋桁の下部には、下方に突き出た突起体の先端側に、その水平断面が前記凹部の水平断面と相似形を呈するとともに、前記凹部の傾斜面と同じ傾斜角度の傾斜面を有して、前記凹部内で移動可能となる凸部が設けられており、
    前記凹部と前記凸部の間に、変形可能な袋体内に粘性流体が封入されている緩衝部材が介装されていることを特徴とする橋桁の免震構造。
  2. 前記凸部の傾斜面と前記凹部の傾斜面の少なくとも一方に平滑性を有する第1の板状部材が設けられ、
    前記緩衝部材の表面の一部に、前記第1の板状部材と対向して対を成すように、平滑性を有する第2の板状部材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の橋桁の免震構造。
  3. 前記凹部の傾斜面の傾斜角度は、前記底面からの仰角が1°以上20°以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の橋桁の免震構造。
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