JP2016199470A - ヒトキマーゼ活性阻害剤および高血圧症の予防治療剤 - Google Patents

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秀則 浦田
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理恵子 黒田
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吉男 平野
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Abstract

【課題】新規ヒトキマーゼ活性阻害剤の提供。【解決手段】式(A)で表される化合物及び/又はそのピリリニウム体を有効成分として含有するヒトキマーゼ活性阻害剤。(一般式(A)中、R1〜R4は、それぞれ独立に水酸基又はメトキシ基を示し、X1は水酸基又は−OG基を示す。なお、Gは糖鎖を示す。)一般式(A)で表される化合物が、ケルセチン、ケルシトリン、イソケルシトリン又は、イデインであるヒトキマーゼ活性阻害剤。【選択図】なし

Description

本発明は、ヒトキマーゼの活性を阻害する薬剤に関する。
近年、ヒト組織局所におけるアンジオテンシンIIの産生に非アンジオテンシン依存の経路が見出され、特にヒトマスト細胞ヒトキマーゼ(ヒトキマーゼ)によるアンジオテンシンII産生経路に関して注目されている(例えば、非特許文献1参照)。
ヒトキマーゼは、主に心臓、皮膚、血管壁、腸管等に存在し、何らかの刺激によって心臓等から放出され、アンジオテンシンIをアンジオテンシンIIに変換する。アンジオテンシンIIは心血管の肥大や再構築に深く関与していることが知られており、ヒトキマーゼがアンジオテンシンIIの産生を介して心臓・血管病変に深く関与することが示唆されている。そのため、ヒトキマーゼの活性を阻害するヒトキマーゼ活性阻害剤は、心臓におけるアンジオテンシンIIの局所産生を阻害することによって、各種心臓疾患の治療剤として利用できる可能性を有する。
また、ヒトキマーゼは、高血圧症、臓器障害、動脈硬化などにも関与すると考えられており、ヒトキマーゼ活性阻害剤は、このような疾病の予防治療効果も期待される。
これまで、いくつかのヒトキマーゼ活性阻害剤が報告されている。ヒトキマーゼ活性阻害作用を有する物質として、トリアジン誘導体(特許文献1)、置換アミノピリミジニルアセトアミド誘導体(特許文献2)、ベンズイミダゾール誘導体(特許文献3)等が報告されている。
特開平8-208654号公報 特開2003-104984号公報 特開2001-199983号公報
J.Biol.Chem 1990;265:222348−22357,J.Biol.Chem.1991;266:17173−17179
一方、これまで開示されているヒトキマーゼ阻害剤化合物は活性が不十分であったり、不安定なものであるものも多いのが実状である。
かかる状況下、本発明の目的は、新規のヒトキマーゼ活性阻害剤を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、下記の発明が上記目的に合致することを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、以下の発明に係るものである。
<1> 下記一般式(A)で表される化合物を有効成分として含有するヒトキマーゼ活性阻害剤。

(一般式(A)中、R1〜R4は、それぞれ独立に水酸基又はメトキシ基を示し、X1は水酸基又は−OG基を示し、Gは糖鎖を示す。)
<2> X1が、水酸基、ラムノース残基またはグルコース残基である前記<1>に記載のヒトキマーゼ活性阻害剤。
<3> 一般式(A)で表される化合物が、ケルセチン、ケルシトリンまたはイソケルシトリンである前記<1>または<2>記載のヒトキマーゼ活性阻害剤。
<4> 下記一般式(B)で表される化合物を有効成分として含有するヒトキマーゼ活性阻害剤。

(一般式(B)中、R5〜R8は、それぞれ独立に水酸基又はメトキシ基を示し、X2は水酸基又は−OG基を示し、Gは糖鎖を示す。)
<5> X2が、水酸基またはガラクトース残基である前記<4>に記載のヒトキマーゼ活性阻害剤。
<6> 一般式(B)で表される化合物が、イデインである前記<4>または<5>に記載のヒトキマーゼ活性阻害剤。
<7> 前記<1>から<6>のいずれかに記載のヒトキマーゼ活性阻害剤を含有する高血圧症の予防治療剤。
本発明のヒトキマーゼ活性阻害剤は、ヒトキマーゼに対して選択的、且つ、優れた阻害作用を示し、アンジオテンシンIIに起因する各種疾患の予防と治療に用いられる医薬として有効である。
以下、本発明について例示物等を示して詳細に説明するが、本発明は以下の例示物等に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変更して実施できる。
本発明は、下記一般式(A)で表される化合物、及び/又は一般式(B)で表される化合物を有効成分として含有するヒトキマーゼ活性阻害剤に関する。
なお、一般式(A)で表される化合物と一般式(B)で表される化合物は、フラバノン骨格またはフラバノン類似骨格を有し、当該骨格の同等の位置に、同様の官能基によって置換されている点で共通する。
一般式(A)中のR1〜R4は、それぞれ独立に水酸基又はメトキシ基を示し、X1は水酸基又は−OG基を示す。ここで、Gは糖鎖であり、詳細は後述する。
一般式(B)中、R5〜R8は、それぞれ独立に水酸基又はメトキシ基を示し、X2は水酸基又は−OG基を示す。ここで、Gは糖鎖であり、詳細は後述する。
上記一般式(A)において、R1〜R4を構成する水酸基又はメトキシ基の数の制限はないが、水酸基が3以上であり、より好ましくは4(すべて水酸基)である。
また、一般式(B)において、R5〜R8を構成する水酸基又はメトキシ基の数の制限はないが、水酸基が3以上であり、より好ましくは4(すべて水酸基)である。
上記一般式(A)及び一般式(B)において、X1、X2は、水酸基又は−OG基である。X1、X2が−OG基である場合、糖鎖は酸素原子を介してグリコシド結合している。
該糖鎖の構造及び該糖鎖を構成する糖の種類には特に限定はない。糖鎖を構成する糖の数には特に限定はないが、通常は1〜4、好ましくは1又は2である。なお、糖鎖の数が1である場合はいわゆる単糖残基である。糖鎖を構成する糖は、五炭糖でもよく、六炭糖でもよい。
上記糖鎖に含まれている水酸基は、他の基により修飾されていてもよい。例えば、上記水酸基は、後述のようにエステル化されていてもよく、アルコキシ化されていてもよい。
上記糖鎖を構成する糖として具体的には、リボース、グルコース、マンノース、ガラクトース、ラムノース、キシロース、アラビノース、グルクロン酸、ルチノース、ソフォロース、ゲンチオビオース、ザンブビオース、ラチロース、ラミナリビオノース、ゲンチオトリオース、ロビノビオース等が挙げられる。
上記糖は、有機酸が単独又は複数エステル化結合した糖(有機酸結合糖)でもよい。該有機酸の結合位置には特に限定はない。該有機酸の結合位置として具体的には、例えば、糖の2位、3位、及び6位の1又は2以上が挙げられる。上記有機酸の種類及び構成には特に限定はない。上記有機酸は芳香族有機酸でもよく、脂肪族有機酸でもよい。
ヒトキマーゼ阻害活性に優れる点で、一般式(A)において、X1が、水酸基、ラムノース残基またはグルコース残基であることが好ましい。この場合、R1〜R4を構成する水酸基又はメトキシ基の数の制限はないが、水酸基3以上が好ましい。
すなわち、本発明のヒトキマーゼ活性阻害剤として、特に以下に化学式を示すケルセチン(quercetin)、ケルセチン配糖体、ケルセチン誘導体のいずれかを有効成分として含有することが好ましい。この中でも、特にケルセチン(quercetin)及びケルシトリン(quercitrin)、イソケルシトリン(isoquercitrin)のいずれかを有効成分として含有することが好ましい。
一般式(A)で表せる化合物は、人工的に合成品でも、天然物由来のものでもよい。
天然物を原料とする場合には、原料動植物から、公知の抽出方法によって得られる抽出物をそのまま用いてもよいし、さらに分離精製を行ってもよい。
一般式(A)で表せる化合物として好適な化合物の一つであるケルセチンを含有する天然物として、例えば、柑橘類、タマネギ、ソバ、リンゴ、緑茶、ブロッコリー、モロヘイヤヤナギタデ等が挙げられる。また、同様に好適な化合物の一つであるケルシトリンを多く含む天然物として、ドクダミ、イチョウ、ヤナギタデ等が挙げられる。また、同様に好適な化合物の一つであるイソケルシトリンを多く含む天然物として、マンゴー、タンポポ、ヤナギタデ等が挙げられる。
これらの原料植物における使用できる部位としては特に制限はなく、例えば、地上部、根部、実等が挙げられる。
また、一般式(B)で表される化合物において、X2が、水酸基またはガラクトース残基であることが好ましく、以下に化学式を示すイデイン(cyanidin 3-O-galactoside)であることが特に好ましい。
一般式(B)の化合物は、人工的に合成品でも、天然物由来のものでもよい。天然物を原料とする場合には、原料動植物から、公知の抽出方法によって得られる抽出物をそのまま用いてもよいし、さらに分離精製を行ってもよい。
一般式(B)で表せる化合物として好適な化合物の一つであるイデインを含む天然物として各種紅葉植物が挙げられ、具体的にはペニシタン、コゴメウツギ、ナツツバキ、ホツツジ、ヤナギタデ等が挙げられる。これらの原料植物における使用できる部位としては特に制限はなく、例えば、地上部、根部、実等が挙げられる。
ここで、ヤナギタデ又はその栽培品種は、上記一般式(A)又は一般式(B)で表されるヒトキマーゼ活性を有する化合物を多種含むため、好適な原材料の一つである。ヤナギタデ又はその栽培品種としては、通常、マタデ、ホンタデとも呼ばれるヤナギタデ、好ましくは、その栽培品種である紅タデ(ムラサキタデ)、アザブタデ、ホソバタデ等が用いられ、特に好ましいものは紅タデである。
そのため、ヤナギタデをそのまま、あるいは公知の方法(例えば、特許5186628号公報)で分離精製して、本発明のヒトキマーゼ活性阻害剤として好適に使用することができる。
なお、ヤナギタデに含まれる成分である下記化学式で表されるタデオナール(ポリコジアール)もヒトキマーゼ活性阻害作用を有する。
本発明のヒトキマーゼ活性阻害剤において、有効成分である上記一般式(A)又は一般式(B)で表されるヒトキマーゼ活性を有する化合物は、単独でも2種以上で含有されていてもよい。
ヒトキマーゼ活性を有する化合物の中でも、ケルシトリン、イソケルシトリン及びイデインは特にキマーゼ活性阻害作用が大きい。そのため、本発明のヒトキマーゼ活性阻害剤は、ケルシトリン、イソケルシトリン及びイデインのいずれかを少なくとも含有することが好ましい。
また、これらの化合物は、医学的に許容される塩として含有されていてもよく、その塩の形態としては、特に制限はないが、例えば、アルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩など)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩など)、無機塩(酢酸塩、アンモニウム塩など)、有機アミン塩(ジベンジルアミン塩、グルコサミン塩、エチレンジアミン塩、ジエチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、ジエタノールアミン塩、テトラメチルアンモニア塩など)、アミノ酸塩(グリシン塩、リジン塩、アルギニン塩、オルニチン塩、アスパラギン塩など)などが挙げられる。
本発明のヒトキマーゼ活性阻害剤は、経口で投与することができる。また、注射等で非経口投与してもよい。
本発明のヒトキマーゼ活性阻害剤に含まれる有効成分である上記化合物の濃度は、ヒトキマーゼ活性阻害作用が発現すればよく特に限定はなく、対象となる化合物の種類と必要な活性阻害作用とを勘案して、適宜使用量が決定される。
本発明のヒトキマーゼ阻害剤は、1日1回投与も可能であるが、適当な間隔を2〜3回に分けて投与することもできる。さらに、注射剤として用いる場合には、投与注射による段階投与、点滴等による持続投与で行なうことが可能である。
(ヒトキマーゼ活性阻害剤の応用薬剤)
本発明のヒトキマーゼ活性阻害剤は、アンジオテンシン変換酵素とは独立にアンジオテンシンI(AI)からアンジオテンシンII(AII)を産生する酵素である、ヒトキマーゼの活性を阻害することにより、ヒトキマーゼの酵素活性に由来する疾患を予防治療することができる。ヒトキマーゼの酵素活性増加と関連する疾患としては、高血圧症と関連臓器障害、糖尿病と関連臓器障害、動脈硬化性血管疾患、心不全、心筋梗塞後心筋リモデリング、術後瘢痕形成、炎症性腸疾患等が挙げられる。
そのため、本発明のヒトキマーゼ活性阻害剤は、上述した各種臨床病態の予防・治療剤として使用でき、高血圧症の予防治療剤はその好適な応用例のひとつである。
(ヒトキマーゼ活性阻害剤の形態)
本発明のヒトキマーゼ活性阻害剤は、その有効量を薬学的に許容される担体とともに配合し、固形製剤又は液状製剤として経口又は非経口的に投与することができる。剤形は通常の経口投与または非経口投与に使用されるものならどのような剤形でもよい。
経口投与または非経口投与に利用される剤形としては、具体的には、固形製剤として、粉末剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、トローチ等が挙げられる。また、液状製剤として内用液剤、外用液剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤、注射液、輸液等が例示され、これら剤形やその他の剤形が目的に応じて適宜選択される。
固形製剤において、主剤である本発明のヒトキマーゼ活性阻害剤に、賦形剤、結合剤、崩壊剤、潤沢剤、矯味剤、安定化剤などの補助剤を用いてもよい。主剤と補助剤の比率は目的に応じて適宜選択される。
固形製剤における賦形剤の好適な例としては、例えば乳糖、D−マンニトール、デンプンなどが挙げられる。結合剤の好適な例としては、例えば、結晶セルロース、白糖、D−マンニトール、デキストリン、ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。崩壊剤の好適な例としては、例えば、デンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム等が挙げられる。また、必要に応じて防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤などの製剤添加物を用いてもよい。
また、液状製剤として用いる場合、溶媒としては有効成分である上記化合物の分散性を有し、生体安全性があるものが選択される。溶媒の好適な例としては、例えば、注射用水、エタノール、プロピレングリコールなどが挙げられる。
また、液状製剤は、主剤である本発明のヒトキマーゼ活性阻害剤と共に、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、抗酸化剤等の補助成分を含んでいてもよい。
溶解補助剤の好適な例としては、エタノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、安息香酸ベンジル、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムなどが挙げられる。懸濁化剤の好適な例としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カヒドロキシメチルセルロース等が挙げられる。緩衝剤の好適な例としては、リン酸塩、酢酸塩、炭酸塩等の緩衝液が挙げられる。抗酸化剤の好適な例としては、亜硫酸塩、アスコルビン酸塩などが挙げられる。
また、本発明のヒトキマーゼ活性阻害剤には、その活性阻害作用を抑制しない範囲で、公知の任意の成分を含有してもよい。例えば、安定剤や湿潤剤や乳化剤を加えたり、浸透圧調製剤またはpH調製剤として塩を補助薬として、適宜用いることができる。
さらに、本発明のヒトキマーゼ阻害剤は、種々の疾患の治療において、前記有効成分の他に、必要に応じて他の医薬として有効な成分を含有させることもできる。
上記固形製剤や液状製剤の製法は、一般的な医薬品の製法を適用することができる。
また、日常的に飲食することで、本発明のヒトキマーゼ阻害剤を摂取したい場合には、該食品、飲料に含有させて機能性食品としてもよい。ここでいう「機能性食品」とは、一般食品に加えて、健康食品、栄養補助食品、栄養機能食品、栄養保険食品等、健康の維持の目的で摂取する食品および/又は飲料を意味している。なお、機能性食品として製品化する場合には、食品に用いられる様々な添加剤、具体的には、着色料、保存料、増粘安定剤、酸化防止剤漂白剤、防菌防黴剤、酸味料、調味料、乳化剤、強化剤、製造用剤、香料等を添加していてもよい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を変更しない限り以下の実施例に限定されるものではない。
評価に使用した化合物は以下の通りである。
・ケルセチン(和光純薬工業)
・ケルシトリン(SIGMA)
・イソケルシトリン(SIGMA)
・イデイン(SIGMA)
・タデオナール(和光純薬工業)
<ヒトキマーゼ阻害活性の評価方法>
ヒトキマーゼ阻害活性の評価(in vitro)は、Eur J Biochem 268(22),5885-93(2001)に記載された方法を多少修飾変更を加えた以下に記述する方法で行った。この方法は、ヒトキマーゼ活性抑制に関する実験(in vitro)については、ヒトキマーゼの基質となるアンジオテンシンIをDnp/Nma修飾した基質を用い、キマーゼがこの基質を切断し、アンジオテンシンIIを産生すると蛍光発色する簡易的な方法である。以下に測定法の概要を記述する。
インキュベーションバッファーは100mM NaCl含有20mMリン酸緩衝液で総インキュベーション溶液量は100μLである。まず、食品抽出溶液(検定サンプル)を5μL加え、そこへ標準ヒトキマーゼ(SIGMA)が0.0012単位含まれるように調整し、室温で前インキュベーションを30分施行後、基質であるDnp/Nma修飾アンジオテンシンI(蛋白研にて依頼作成)を最終濃度が200μMになるように加え、37℃で30分インキュベーションする。0.5MNaOHを25μL加えてインキュベーションを終了した。産生されたDnpアンジオテンシンIIの発光蛍光(460nm)を測定し、標準DnpアンジオテンシンIIによって作成した標準曲線から産生量を計算した。阻害薬を加えないコントロールを対照として、検定サンプルのヒトキマーゼ阻害活性及び阻害率を求めた。
ケルセチン、ケルシトリン、イソケルシトリン及びイデイン、並びにタデオナール(参考例)をそれぞれ表1に示す濃度になるように添加して、上述の方法により、ヒトキマーゼ阻害活性率を評価した。
表1に示されるように、ケルセチン、ケルシトリン、イソケルシトリン、イデイン及びタデオナールはヒトキマーゼ活性を選択的に阻害する作用を有することが分かった。特にケルセチン、イソケルシトリン、イデインは、ヒトキマーゼ活性阻害作用に優れることが分かった。
本発明のヒトキマーゼ活性阻害剤は、アンジオテンシンIIに起因する各種疾患の予防・治療に用いられる医薬として有効である。

Claims (7)

  1. 下記一般式(A)で表される化合物を有効成分として含有することを特徴とするヒトキマーゼ活性阻害剤。

    (一般式(A)中、R1〜R4は、それぞれ独立に水酸基又はメトキシ基を示し、X1は水酸基又は−OG基を示し、Gは糖鎖を示す。)
  2. 1が、水酸基、ラムノース残基またはグルコース残基である請求項1に記載のヒトキマーゼ活性阻害剤。
  3. 一般式(A)で表される化合物が、ケルセチン、ケルシトリンまたはイソケルシトリンである請求項1または2に記載のヒトキマーゼ活性阻害剤。
  4. 下記一般式(B)で表される化合物を有効成分として含有することを特徴とするヒトキマーゼ活性阻害剤。

    (一般式(B)中、R5〜R8は、それぞれ独立に水酸基又はメトキシ基を示し、X2は水酸基又は−OG基を示し、Gは糖鎖を示す。)
  5. 2が、水酸基またはガラクトース残基である請求項4に記載のヒトキマーゼ活性阻害剤。
  6. 一般式(B)で表される化合物が、イデインである請求項4または5に記載のヒトキマーゼ活性阻害剤。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載のヒトキマーゼ活性阻害剤を含有することを特徴とする高血圧症の予防治療剤。
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