JP2016196555A - ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents

ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】タイヤビードフィラーは高硬度であることが求められている。そのためカーボンブラックの粒径や配合量を調整していたが、加工性、硬度およびその温度依存性を高次にバランスすることは困難であった。【解決手段】天然ゴムを50〜80質量部およびスチレン−ブタジエン共重合体ゴムを20〜50質量部含むジエン系ゴム100質量部に対し、窒素吸着比表面積(N2SA)が25〜85m2/gであるカーボンブラックを60〜90質量部、熱硬化性樹脂を1〜20質量部、および特定の構造を有するスルフィド化合物を前記カーボンブラックに対して0.1〜5質量%配合してなるゴム組成物によって上記課題を解決した。【選択図】なし

Description

本発明は、ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤに関するものであり、詳しくは、加工性を損なうことなく、高硬度を有し、かつ硬度の温度依存性を抑制し得るゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤに関するものである。
近年の空気入りタイヤには、さらなる高速操縦安定性が求められ、この点を満たすためにビードフィラーに関しては高硬度であることが求められている。従来、高硬度化を図るために小粒径のカーボンブラックを使用したり、カーボンブラックの配合量を増加させる手法があるが、加工性が悪化してしまう。また高硬度化を図る別の方法として、熱硬化性樹脂を配合する手法があるが、硬度の温度依存性(例えば高温時に硬度が低下する現象)が発生するという問題点があった。
このように、加工性、硬度およびその温度依存性を高次にバランスすることは当業界において困難な事項とされている。
なお、下記特許文献1には、特定の構造を有するスルフィド化合物を含有するゴム・カーボンブラック用カップリング剤が提案されている。しかし特許文献1には、特定の組成を有するジエン系ゴムに対し、特定の窒素吸着比表面積(NSA)を有するカーボンブラックおよび熱硬化性樹脂を特定量で配合し、さらに該スルフィド化合物を配合して、加工性を損なうことなく、高硬度を有し、かつ硬度の温度依存性を抑制しようとする技術思想は何ら開示または示唆されていない。
特開2013−23610号公報
本発明の目的は、加工性を損なうことなく、高硬度を有し、かつ硬度の温度依存性を抑制し得るゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供することにある。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、特定の組成を有するジエン系ゴムに対し、特定の窒素吸着比表面積(NSA)を有するカーボンブラック、熱硬化性樹脂および特定の構造を有するスルフィド化合物を特定量で配合することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成することができた。
すなわち本発明は以下のとおりである。
1.天然ゴムおよび/または合成イソプレンゴムを50〜80質量部およびスチレン−ブタジエン共重合体ゴムを20〜50質量部含むジエン系ゴム100質量部に対し、窒素吸着比表面積(NSA)が25〜85m/gであるカーボンブラックを60〜90質量部、熱硬化性樹脂を1〜20質量部、および下記式(I)で表されるスルフィド化合物を前記カーボンブラックに対して0.1〜5質量%配合してなるゴム組成物。
Figure 2016196555
(式中、Rは、水素原子、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状のアルキル基もしくはアルケニル基、または炭素数3〜6の環状のアルキル基もしくはアルケニル基を表わす。Aは、O、S、NH、またはNRを表わす。Rは、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状のアルキル基もしくはアルケニル基、または炭素数3〜6の環状のアルキル基もしくはアルケニル基を表わす。nは1〜6の整数を表し、xは1〜4の整数を表す。)
2.前記式(I)で表されるスルフィド化合物において、xが2であることを特徴とする前記1に記載のゴム組成物。
3.前記熱硬化性樹脂に対し、硬化剤を5〜15質量%配合してなることを特徴とする前記1または2に記載のゴム組成物。
4.前記1〜3のいずれかに記載のゴム組成物をビードフィラーに使用した空気入りタイヤ。
本発明によれば、特定の組成を有するジエン系ゴムに対し、特定の窒素吸着比表面積(NSA)を有するカーボンブラック、熱硬化性樹脂および特定の構造を有するスルフィド化合物を特定量で配合したので、加工性を損なうことなく、高硬度を有し、かつ硬度の温度依存性を抑制し得るゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供することができる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明で使用されるジエン系ゴムは、天然ゴム(NR)および/または合成イソプレンゴム(IR)とスチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)とを必須成分とする。NRおよび/またはIRの配合量は、ジエン系ゴム全体を100質量部としたときに50〜80質量部であることが必要であり、60〜75質量部であることが好ましい。またSBRの配合量は、ジエン系ゴム全体を100質量部としたときに20〜50質量部であることが必要であり、25〜40質量部であることが好ましい。NRおよび/またはIRと、SBRの配合量が上記範囲を外れると本発明の効果を奏し難い。なお、上記以外の他のジエン系ゴムを用いることができ、例えばブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、その分子量やミクロ構造はとくに制限されず、アミン、アミド、シリル、アルコキシシリル、カルボキシル、ヒドロキシル基等で末端変性されていても、エポキシ化されていてもよい。
(カーボンブラック)
本発明で使用するカーボンブラックは、窒素吸着比表面積(NSA)が25〜85m/gである必要がある。窒素吸着比表面積(NSA)が25m/g未満であると、硬度が悪化し、逆に85m/gを超えると加工性が悪化する。本発明の効果がさらに向上するという観点から、窒素吸着比表面積(NSA)は25〜80m/gであることがさらに好ましい。なお、窒素吸着比表面積(NSA)はJIS K6217−2に準拠して求めた値である。
(熱硬化性樹脂)
本発明で使用される熱硬化性樹脂としては、ノボラック型フェノール系樹脂が好適であり、具体的には、ノボラック型フェノール樹脂、ノボラック型クレゾール樹脂、ノボラック型レゾルシン樹脂、オイル変性フェノール樹脂のいずれかあるいはそれらの混合物が挙げられる。
本発明で使用するノボラック型フェノール系樹脂は、市販されているものを利用することができ、例えば田岡化学工業(株)製スミカノール610、620、インドスペック社製ペナコライトレジンB−18−S、住友ベークライト(株)製スミライトレジンPR−YR−170等が挙げられる。
また硬度を高めるという観点から硬化剤を前記熱硬化性樹脂と併用するのが好ましい。硬化剤としてはとくに制限されないが、例えばヘキサメチレンテトラミン、HMMM(ヘキサメトキシメチロールメラミンの部分縮合物)、PMMM(ヘキサメチロールメラミンペンタメチルエーテルの部分縮合物)、ヘキサエトキシメチルメラミン、パラ−ホルムアルデヒドのポリマー、メラミンのN−メチロール誘導体等が挙げられ、本発明の効果の観点から、ヘキサメチレンテトラミン、HMMMおよびPMMMからなる群から選択された1種以上が好ましい。
硬化剤の配合量は、前記熱硬化性樹脂に対し、例えば5〜15質量%であり、5〜10質量%が好ましい。
(スルフィド化合物)
本発明で使用されるスルフィド化合物は、前記特許文献1に開示されている。具体的には、下記式(I)で表される。
Figure 2016196555
(式中、Rは、水素原子、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状のアルキル基もしくはアルケニル基、または炭素数3〜6の環状のアルキル基もしくはアルケニル基を表わす。Aは、O、S、NH、またはNRを表わす。Rは、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状のアルキル基もしくはアルケニル基、または炭素数3〜6の環状のアルキル基もしくはアルケニル基を表わす。nは1〜6の整数を表し、xは1〜4の整数を表す。)
本発明で使用されるスルフィド化合物は、スルフィド部の両末端に、芳香族縮合複素環がアルキレン基を介して結合した左右対称の構造(ビス体構造)を有している。
当該化合物としては、例えば、
ビス(ベンズイミダゾリル−2)メチルスルフィド、
2,2’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)エチルスルフィド、
2,2’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)エチルジスルフィド、
2,2’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)エチルトリスルフィド、
2,2’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)エチルテトラスルフィド、
3,3’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)プロピルトリスルフィド、
3,3’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)プロピルテトラスルフィド、
4,4’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)ブチルジスルフィド、
4,4’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)ブチルトリスルフィド、
4,4’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)ブチルテトラスルフィド、
5,5’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)ペンチルジスルフィド、
5,5’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)ペンチルトリスルフィド、
5,5’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)ペンチルテトラスルフィド、
6,6’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)ヘキシルジスルフィド、
6,6’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)ヘキシルトリスルフィド、
6,6’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)ヘキシルテトラスルフィド、
2,2’−ビス(1−メチルベンズイミダゾリル−2)エチルジスルフィド、
2,2’−ビス(4−メチルベンズイミダゾリル−2)エチルジスルフィド、
2,2’−ビス(5−メチルベンズイミダゾリル−2)エチルジスルフィド、
3,3’−ビス(1−メチルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(4−メチルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(5−メチルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
2,2’−ビス(1−エチルベンズイミダゾリル−2)エチルジスルフィド、
2,2’−ビス(4−エチルベンズイミダゾリル−2)エチルジスルフィド、
2,2’−ビス(5−エチルベンズイミダゾリル−2)エチルジスルフィド、
3,3’−ビス(1−エチルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(4−エチルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(5−エチルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(1−n−プロピルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(4−n−プロピルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(5−n−プロピルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(1−イソプロピルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(4−イソプロピルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(5−イソプロピルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(1−tert−ブチルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(4−tert−ブチルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(5−tert−ブチルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
2,2’−ビス(ベンズオキサゾリル−2)エチルジスルフィド、
2,2’−ビス(ベンズオキサゾリル−2)エチルトリスルフィド、
2,2’−ビス(ベンズオキサゾリル−2)エチルテトラスルフィド、
3,3’−ビス(ベンズオキサゾリル−2)プロピルジスルフィド、
4,4’−ビス(ベンズオキサゾリル−2)ブチルジスルフィド、
5,5’−ビス(ベンズオキサゾリル−2)ペンチルジスルフィド、
6,6’−ビス(ベンズオキサゾリル−2)ヘキシルジスルフィド、
2,2’−ビス(4-メチルベンズオキサゾリル−2)エチルジスルフィド、
2,2’−ビス(4-メチルベンズオキサゾリル−2)エチルトリスルフィド、
2,2’−ビス(4-メチルベンズオキサゾリル−2)エチルテトラスルフィド、
2,2’−ビス(5-メチルベンズオキサゾリル−2)エチルジスルフィド、
2,2’−ビス(5-メチルベンズオキサゾリル−2)エチルトリスルフィド、
2,2’−ビス(5-メチルベンズオキサゾリル−2)エチルテトラスルフィド、
3,3’−ビス(6-メチルベンズオキサゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(6-メチルベンズオキサゾリル−2)プロピルトリスルフィド、
3,3’−ビス(6-メチルベンズオキサゾリル−2)プロピルテトラスルフィド、
2,2’−ビス(ベンズチアゾリル−2)エチルジスルフィド、
2,2’−ビス(ベンズチアゾリル−2)エチルトリスルフィド、
2,2’−ビス(ベンズチアゾリル−2)エチルテトラスルフィド、
3,3’−ビス(ベンズチアゾリル−2)プロピルジスルフィド、
4,4’−ビス(ベンズチアゾリル−2)ブチルジスルフィド、
5,5’−ビス(ベンズチアゾリル−2)ペンチルジスルフィド、
6,6’−ビス(ベンズチアゾリル−2)ヘキシルジスルフィド、
3,3’−ビス(4−メチルベンズチアゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(4−メチルベンズチアゾリル−2)プロピルトリスルフィド、
3,3’−ビス(4−メチルベンズチアゾリル−2)プロピルテトラスルフィド、
3,3’−ビス(5−エチルベンズチアゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(5−エチルベンズチアゾリル−2)プロピルトリスルフィド、
3,3’−ビス(5−エチルベンズチアゾリル−2)プロピルテトラスルフィド、
3,3’−ビス(6−n−プロピルベンズチアゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(6−n−プロピルベンズチアゾリル−2)プロピルトリスルフィド、
3,3’−ビス(6−n−プロピルベンズチアゾリル−2)プロピルテトラスルフィド、
3,3’−ビス(7−イソプロピルベンズチアゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(7−イソプロピルベンズチアゾリル−2)プロピルトリスルフィド、
3,3’−ビス(7−イソプロピルベンズチアゾリル−2)プロピルテトラスルフィド
等が挙げられる。なお、これらのスルフィド化合物は、1種または2種以上を組み合わせてもよい。
前記スルフィド化合物は、1,2−ジアミノベンゼン系化合物、2−アミノチオフェノール系化合物または2−アミノフェノール系化合物のいずれかと、チオジカルボン酸系化合物を、4N希塩酸中で反応させることによって、容易に合成することができ、特許文献1にその製造方法が詳細に開示されている。
前記スルフィド化合物において、分子内の芳香族縮合複素環がカーボンブラック表面と相互作用するとともに、分子内のスルフィド結合がゴム混練り時に切断され、生じたラジカルによってゴムとの相互作用がさらに高まる。とくに、前記式(I)で表されるスルフィド化合物において、xが2である場合に該効果が高まり、好ましい。
(ゴム組成物の配合割合)
本発明のゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量部に対し、窒素吸着比表面積(NSA)が25〜85m/gであるカーボンブラックを60〜90質量部、熱硬化性樹脂を1〜20質量部、および上記式(I)で表されるスルフィド化合物を前記カーボンブラックに対して0.1〜5質量%配合してなることを特徴とする。
前記カーボンブラックの配合量が60質量部未満であると硬度が低下し、逆に90質量部を超えると加工性が悪化する。
前記熱硬化性樹脂の配合量が1質量部未満であると、配合量が少な過ぎて本発明の効果を奏することができない。逆に20質量部を超えると硬度の温度依存性が悪化する。
前記スルフィド化合物の配合量が0.1質量%未満であると、配合量が少な過ぎて本発明の効果を奏することができない。逆に5質量%を超えると加工性が悪化する。
さらに好ましい前記カーボンブラックの配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、70〜85質量部である。
さらに好ましい前記熱硬化性樹脂の配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、5〜15質量部である。
さらに好ましい前記スルフィド化合物の配合量は、カーボンブラックに対し、0.5〜3質量%である。
(その他成分)
本発明におけるゴム組成物には、前記した成分に加えて、加硫又は架橋剤;加硫又は架橋促進剤;酸化亜鉛;老化防止剤;可塑剤;各種充填剤などのゴム組成物に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練して組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
また本発明のゴム組成物は、加工性を損なうことなく、高硬度を有し、かつ硬度の温度依存性を抑制し得ることから、タイヤビードフィラーに好適に用いられる。また本発明のゴム組成物は、従来の空気入りタイヤの製造方法に従って空気入りタイヤを製造することができる。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
実施例1〜4および比較例1〜9
サンプルの調製
表1に示す配合(質量部)において、加硫促進剤と硫黄を除く成分を1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーで5分間混練した後、加硫促進剤および硫黄を加えてさらに混練し、ゴム組成物を得た。次に得られたゴム組成物を所定の金型中で160℃、20分間プレス加硫して加硫ゴム試験片を得、以下に示す試験法で未加硫のゴム組成物および加硫ゴム試験片の物性を測定した。
ムーニー粘度:JIS K6300に準拠して、L形ローターを使用し、ムーニー粘度ML(1+4)100℃を求めた。結果は比較例1の値を100として指数表示した。指数が大きいほどムーニー粘度が低く、加工性が良好であることを示す。
硬度:JIS K6253に準拠して20℃および100℃にて測定した。結果は、比較例1の値を100として指数表示した。指数が大きいほど硬度が高いことを示す。
なお地球環境上の観点から自動車に対する低燃費化の要求が高まっており、ビードフィラー用ゴム組成物においては、低発熱化が求められている。そこで下記の如く発熱性についても評価を行った。
発熱性:(株)東洋精機製作所製粘弾性スペクトロメーターを用いて、初期歪=10%、振幅=±2%、周波数=20Hzの条件下でtanδ(60℃)を測定し、この値をもって発熱性を評価した。結果は比較例1の値を100として指数表示した。この数字が低いほど、低発熱性であることを示す。
結果を表1に併せて示す。
Figure 2016196555
*1:NR(STR20)
*2:SBR(日本ゼオン(株)製Nipol 1502、非油展品)
*3:カーボンブラック−1(東海カーボン(株)製シーストN、NSA=74m/g)
*4:カーボンブラック−2(新日化カーボン(株)製商品名ニテロン#300、NSA=117m/g)
*5:カーボンブラック−3(新日化カーボン(株)製商品名HTC#20、NSA=19m/g)
*6:ステアリン酸(日油(株)製ビーズステアリン酸)
*7:酸化亜鉛(正同化学工業(株)製酸化亜鉛3種)
*8:オイル(昭和シェル石油(株)製エキストラクト4号S)
*9:老化防止剤(住友化学(株)製アンチゲン6C)
*10:熱硬化性樹脂(住友ベークライト(株)製スミライトレジンPR−YR−170)
*11:硬化剤(大内新興化学工業(株)製ヘキサメチレンテトラミン)
*12:硫黄(鶴見化学工業(株)製金華印油入微粉硫黄(硫黄の含有量95.24質量%))
*13:加硫促進剤(FLEXSYS社製SANTOCURE TBBS)
*14:スルフィド化合物2EBZ(四国化成工業(株)製2,2’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)エチルジスルフィド)
*15:スルフィド化合物4EBZ(四国化成工業(株)製2,2’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)エチルテトラスルフィド)
上記の表1から明らかなように、実施例1〜4で調製されたゴム組成物は、特定の組成を有するジエン系ゴムに対し、特定の窒素吸着比表面積(NSA)を有するカーボンブラック、熱硬化性樹脂および特定の構造を有するスルフィド化合物を特定量で配合したので、比較例1のゴム組成物に比べ、加工性を損なうことなく、高硬度を有し、かつ硬度の温度依存性を抑制し得ることが分かる。また発熱性も良好である。
これに対し比較例2は、比較例1におけるカーボンブラックの配合量を増量した例であり、加工性および発熱性が悪化した。
比較例3は、比較例1におけるカーボンブラックの配合量を低減した例であり、硬度が低下した。
比較例4は、比較例1の処方において熱硬化性樹脂および硬化剤を配合した例であり、硬度は高くなるものの、硬度の温度依存性が悪化した。また発熱性も悪化した。
比較例5は、比較例4の処方において熱硬化性樹脂および硬化剤の配合量を増加させた例であり、硬度は高くなるものの、硬度の温度依存性が悪化した。また発熱性も悪化した。
比較例6は、比較例4の処方において硬化剤の配合量を増加させた例であり、硬度は高くなるものの、発熱性が悪化した。
比較例7は、カーボンブラックのNSAが本発明で規定する上限を超えているので、加工性および発熱性が悪化した。
比較例8は、カーボンブラックのNSAが本発明で規定する下限未満であるので、硬度が悪化した。
比較例9は、スルフィド化合物の配合量が本発明で規定する上限を超えているので、加工性が悪化した。

Claims (4)

  1. 天然ゴムおよび/または合成イソプレンゴムを50〜80質量部およびスチレン−ブタジエン共重合体ゴムを20〜50質量部含むジエン系ゴム100質量部に対し、窒素吸着比表面積(NSA)が25〜85m/gであるカーボンブラックを60〜90質量部、熱硬化性樹脂を1〜20質量部、および下記式(I)で表されるスルフィド化合物を前記カーボンブラックに対して0.1〜5質量%配合してなるゴム組成物。
    Figure 2016196555
    (式中、Rは、水素原子、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状のアルキル基もしくはアルケニル基、または炭素数3〜6の環状のアルキル基もしくはアルケニル基を表わす。Aは、O、S、NH、またはNRを表わす。Rは、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状のアルキル基もしくはアルケニル基、または炭素数3〜6の環状のアルキル基もしくはアルケニル基を表わす。nは1〜6の整数を表し、xは1〜4の整数を表す。)
  2. 前記式(I)で表されるスルフィド化合物において、xが2であることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 前記熱硬化性樹脂に対し、硬化剤を5〜15質量%配合してなることを特徴とする請求項1または2に記載のゴム組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物をビードフィラーに使用した空気入りタイヤ。
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