JP2016196026A - 熱間鍛造用金型及び熱間鍛造方法 - Google Patents

熱間鍛造用金型及び熱間鍛造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 タービンブレードに使用される難加工性材であっても、ラジアル鍛造機を用いて容易にせぎりを行うことが可能な熱間鍛造用金型と熱間鍛造方法を提供する。【解決手段】 棒状の鍛造素材をラジアル鍛造により熱間鍛造する熱間鍛造用金型であって、前記熱間鍛造用金型は、前記鍛造素材を挟み込むための一対の半割状押圧面を有し、前記各半割状押圧面は前記鍛造素材を取り囲むように連続した凸形状をなし、前記各半割状押圧面は、粗加工面と、該粗加工面よりも曲率半径が大きい凸形状の仕上げ加工面とを有する熱間鍛造用金型。【選択図】 図1

Description

本発明は、熱間鍛造用金型及び熱間鍛造方法に関するものである。
例えば、タービンブレードを製造するにあたっては、丸棒状の熱間鍛造素材を所望の直径まで鍛伸して、更に、続く型打ち鍛造でニアネットシェイプのタービンブレード素材となるように、タービンブレードの根部や翼部となる部分の体積を確保すべく、所望の丸棒形状の荒地を成形する。この荒地の形状については、例えば、特開昭63−238942号公報(特許文献1)の図2に、根部となる部分が太く(体積が大きく)、翼部先端に向けて次第に細くなる形状の荒地が示されている。
この荒地の具体的な製造方法としては、例えば、丸棒状の熱間鍛造素材を所望の直径までラジアル鍛造を行って長尺の丸棒材とし、所定の寸法に切断し、更に別な自由鍛造装置で所望の荒地形状に鍛造される。
タービンブレードを型打ち鍛造する場合、根部、翼部となる部分や、ボス部と呼ばれる突起がタービンブレードの翼部に設けられることもあり、タービンブレード用の荒地では、体積と寸法の調整が重要となる。もし、体積計算が間違っていたり、或いは、寸法に間違いがあると、型打ち鍛造時の型彫り面内に十分に荒地が満肉せず、型打ち鍛造後のニアネットシェイプのタービンブレード素材の一部が欠寸する問題が生じる。タービンブレードの材質はNi基の超耐熱合金や、Ti合金等の高価な合金であるため、型打ち鍛造後のニアネットシェイプのタービンブレード素材の一部が欠寸するような不良が起きると、その損害は小さくはない。
そのため、荒地の製造時に「せぎり」と呼ばれる加工溝を設けて、型打ち鍛造時の型彫り面内に十分満肉するように荒地成形時に加工を行うことが好ましい。しかしながら例えば、特開昭60−250843号公報(特許文献2)に示されるように、せぎりの形成は特別な治具を用意してプレス装置で順次丸棒状の素材に加工溝を設けることになる。
特開昭63−238942号公報 特開昭60−250843号公報
特許文献2で示されるせぎりを行う治具の形状は、その押圧面は平坦、且つ同じ幅で形成されており、難加工性材に所望の溝を形成するには不向きである。更に、せぎりで成形される溝は、幅が細く垂直に深い溝となっている。材料の深さ方向に垂直な溝が形成されると、鍛造素材をタービンブレード長さまで伸長する熱間鍛造時に、かぶり疵の発生が問題となる。
本発明の目的は、タービンブレードに使用される難加工性材であっても、ラジアル鍛造機を用いて容易にせぎりを行うことが可能な熱間鍛造用金型と熱間鍛造方法を提供することである。
本発明は上述した課題に鑑みてなされたものである。
すなわち本発明は、棒状の鍛造素材をラジアル鍛造により熱間鍛造するための熱間鍛造用金型であって、
前記熱間鍛造用金型は、前記鍛造素材を挟み込むための一対の半割状押圧面を有し、
前記各半割状押圧面は、前記鍛造素材を取り囲むように連続した、凸形状をなし、
前記各半割状押圧面は、曲面形状の粗加工面と、押圧面が平坦状の仕上げ加工面とを有する熱間鍛造用金型である。
好ましくは、熱間鍛造用金型は、粗加工面から仕上げ加工面に向かって、曲面形状の押圧面の曲率半径が徐々に大きくなる徐変部を有する熱間鍛造用金型である。
好ましくは、前記各半割状押圧面は、せぎり加工用である熱間鍛造用金型である。
前記せぎり加工用の熱間鍛造用金型には、前記鍛造素材の長手方向に押圧面が複数個形成されていることが好ましい。
また、本発明は、棒状の鍛造素材をラジアル鍛造により熱間鍛造する熱間鍛造方法であって、前記熱間鍛造に用いる金型は、前記鍛造素材を挟み込むための一対の半割状押圧面を有し、
前記各凸形状押圧面は、前記鍛造素材を取り囲むように連続してなり、曲面形状の粗加工面と、平坦状の仕上げ加工面とを有し、
前記鍛造素材を熱間鍛造温度に加熱する鍛造素材加熱工程と、
前記加熱された鍛造素材を回転させつつ、対向配置された2つの前記熱間鍛造用金型の前記各半割状押圧面で鍛造素材を押圧することにより、鍛造素材にせぎりを行う熱間鍛造工程、
を含む熱間鍛造方法である。
更に前記熱間鍛造方法において、前記棒状の鍛造素材がNi基超耐熱合金またはTi合金であることが好ましい。
本発明の熱間鍛造方法は、タービンブレード用の荒地製造に好適である。
本発明によれば、例えばタービンブレードに使用される難加工性材であっても、ラジアル鍛造機を用いて容易にせぎりを行うことができる。
本発明の熱間鍛造用金型の一例を示す模式図である。 本発明の熱間鍛造用金型の一例を示す模式図である。 伸長部の一例を示す模式図である。 ラジアル鍛造機の模式図である。 本発明の熱間鍛造用金型を用いて熱間鍛造を行ったときの鍛造素材を押圧する場所の一例を示す模式図である。 本発明の熱間鍛造用金型を用いて熱間鍛造を行ったときの鍛造素材を押圧する場所の一例を示す模式図である。
前述の特許文献2では、せぎりを行う対象物は連接棒と言う小さな製品である。一方で、タービンブレードは今後益々大型化が進み、その材質も難加工性材として知られるNi基超耐熱合金やTi合金である。特にこれらの合金の中には、熱間鍛造可能な温度の幅が僅かしかないものもあり、背切り用の治具を用いて自由鍛造していては、鍛造素材の温度が低下してしまう。そのため、素材の重量にもよるが、例えば、40〜60インチのタービンブレード用の場合では多くの再加熱を行わないといけなくなる。タービンブレードの大型化が進むと、再加熱の回数は更に増加してしまう。
この課題に対しては、ラジアル鍛造機を用いてせぎりを行うことができれば、非常に有効となるが、通常、ラジアル鍛造機は金敷と呼ばれる、押圧面が平坦な金型を使用しているため、従来の金敷を用いたラジアル鍛造機ではせぎりを行うことは不可能であった。
本発明は、これを可能とするもので、最大の特徴は、ラジアル鍛造機を用いて大型のタービンブレード用の荒地成形にも適用できる、熱間鍛造用金型の従来にない新規な形状にある。以下に本発明で用いる熱間鍛造用金型について説明する。
図1は本発明の熱間鍛造用金型1の側面模式図と熱間鍛造用金型1の仕上げ加工面断面図(A−A断面図)、粗加工面断面図(C−C断面図)及び仕上げ加工面と粗加工面の中間に位置する場所の断面図(B−B断面図)である。なお、本発明では、対向する2方向から押圧するラジアル鍛造機を用いるものである。図1では、C−C断面図で示す位置からB−B断面図で示す位置の手前までは、断面図で示す半割状押圧面の曲率半径が徐々に広がって行き、B−B断面図からA−A断面図で示す位置(底部)までの押圧面の平坦面の幅はほぼ同じとしている。なお、本発明で言う「仕上げ加工面」とは、前記のA−A断面図で示す位置(底部)を含んで、押圧面が平坦な場所を仕上げ加工面とする。
図1に示す熱間鍛造用金型1は2つで一対となり、例えば、図4に示すように熱間鍛造用金型1が鍛造素材21を挟み込むように対向配置され、且つ、一対の2つの熱間鍛造用金型1が共働してせぎりを行う。具体的には、図1で示す熱間鍛造用金型が2つ1組(一対)となって、鍛造素材(図1では図示せず)を挟み込む半割状押圧面2を有しており、この半割状押圧面で鍛造素材を挟み込むように押圧する。ラジアル鍛造機に備えられた把持機構により、鍛造素材は把持されると共に鍛造素材の間欠的な回転が行われることになる。
各半割状押圧面2は図1の側面模式図に示すように、前記鍛造素材を取り囲むように連続した断面が凸形状をなす。半割状とすることで共働する2つの熱間鍛造用金型の押圧面に鍛造素材を挟み込むものである。また、「鍛造素材を取り囲むように連続した」とは、図4に示すように鍛造素材21の周囲を粗加工面、仕上げ加工面で取り囲むような形状を言う。半割状押圧面2は平坦面を凹状に形成したように形成されており、その押圧面は側面(図1の側面模式図)から見ると円弧状に見える。そして、半割状押圧面2は、仕上げ加工面4と粗加工面3とを有している。仕上げ加工面4は凹状(円弧状)の底部辺りに形成されており、粗加工面3は、その仕上げ加工面の両側(凹状(円弧状)の両端側)に形成されている。そして、仕上げ加工面4の底部から両方の曲面形状の粗加工面3に向かって粗加工面同士の間隔が広がって行き、2つの熱間鍛造用金型が鍛造素材を押圧したときに鍛造素材を連続した凸形状で押圧可能な形状となっている。この形状を有する熱間鍛造用金型1で鍛造素材を熱間鍛造すると、熱間鍛造用金型に形成された凸形状の粗加工面から鍛造素材に接触していき、せぎりに必要な溝を順次形成することができる。そのため、本発明で言う「凸形状」とは、上記の各断面図方向からみたときの形状を指す。つまり、鍛造素材の長手方向に垂直な方向から見たときの断面である。
また、前記各半割状押圧面2は、押圧面が曲面形状の粗加工面3と、押圧面が平坦状の仕上げ加工面4とを有する。これは、鍛造素材が粗加工面から鍛造を開始するときに、難加工性の鍛造素材であっても所定の深さの溝が形成可能なように、鍛造の初期段階では接触面積を少なくして効率よく溝加工が行えるようにしたものである。そして、鍛造が進んで行くと、次第に仕上げ加工面での押圧が順次開始され、溝の幅を広げると共に、鍛造の後半で平坦状の仕上げ面でせぎりの形状を整えていく。
本発明の場合、粗加工面の押圧面と仕上げ加工面の押圧面とは、形状が異なるため、粗加工面の端部に形成された曲面形状断面の曲率半径を徐々に大きくする徐変部を仕上げ加工面の手前まで形成していき、例えば、徐変部の稜線を機械加工で除去して平坦部を形成する方法、或いは、徐変部の稜線上に肉盛溶接と機械加工によって広い面積の平坦部を形成する方法、或いは、徐変部の稜線を機械加工で除去した平坦部を形成肉盛溶接等で広い面積の平坦部を形成するのが良い。このうち、平坦部の面積を広げる方法を採用するのが良い。これは、平坦部はせぎり加工の最終段階でその形状を整える目的であるため、平坦部の接触面積が小さくなると、意図しない深さの溝が形成されるおそれがあるためである。せぎりを行う鍛造の最終段階では、加工する鍛造素材への接触面積を広げて加工量を減少させると共に、加工溝の形状調整を行える押圧面形状とした方が良いためである。
なお、実際の粗加工面は、例えば肉盛溶接などで粗加工面の曲面形状を形成したり、その後に手作業で形状を機械加工したりする場合もあるため、必ずしも同一曲率半径の凸部が形成されない場合がある。そのため、本発明でいう「曲面形状」とは、肉盛溶接や機械加工による誤差を含み、曲率を持った凸状のものであれば良く、その曲率はおおよその形状から求めれば良い。また、鍛造素材を押圧する部分が曲率を持った凸状であればよく、その押圧する部分の曲率を本発明に従って構成すればよい。
また、実際の仕上げ加工面は、例えば肉盛溶接などで補修を行ったり、その後に手作業で形状を機械加工したりする場合もあるため、必ずしも凹凸が殆ど無い平坦形状とならない場合がある。そのため、本発明でいう「平坦状」とは、肉盛溶接や機械加工による誤差を含み、過剰な凹凸がないものであれば良く、その形状はおおよその形状から求めれば良い。
上述したように、本発明の熱間鍛造用金型1はせぎり加工用に好適である。なお、図2に示すようにせぎり加工用の半割状押圧面2を鍛造素材の長手方向に複数個形成しても良い。これは、例えば、2ヶ所同時にせぎりによる加工溝を形成する場合、1つの金型に複数個のせぎり加工用の半割状押圧面2を形成しておく方が、生産性向上に有利であるからである。特に、タービンブレードに用いられる合金の材質は難加工性材であることから、熱間鍛造が可能な温度域内でできるだけ短時間で鍛造を終了させることが好ましいためである。この複数個所への同時せぎり加工は、タービンブレードの翼部に設けられるボス部となる部分に対して用いるのが有効である。
なお、この複数個所同時せぎり鍛造が可能となるのも、本発明の熱間鍛造用金型に形成する押圧面の接触面積が、小さな面積から次第に大きな面積となるようにして、それをラジアル鍛造機と組み合せて初めて実現できたものである。
この図2に示す構造の熱間鍛造用金型においても、E−E断面図で示す位置(底部)を含んで、押圧面が平坦な場所を(F−F断面図の位置からE−E断面図の位置まで)を仕上げ加工面とする。
なお、せぎり鍛造終了後には鍛造素材を伸長して所定の荒地形状とする。その場合に用いる熱間鍛造用金型11には鍛造素材を伸長する伸長部7を備えている。前記の伸長部7に設ける鍛伸用押圧面には、図3に示すように押圧面が平坦状(鍛造素材2の長手方向に沿って平坦状であり、鍛造素材2を挟み込むように曲がっている)に形成されている。鍛伸用の鍛伸部7は、鍛造素材を挟み込むための一対の半割状押圧面12を有し、各半割状押圧面12は鍛造素材を取り囲むように連続した凸形状をなし、各半割状押圧面12は、略平坦状の粗加工面13と、仕上げ加工面14とを有するものである。基本的な構成は前記のせぎり加工に適した熱間鍛造用金型と同じであり、図3に示す鍛伸用の熱間鍛造用金型11も2つで1組(一対)となる。鍛造素材の鍛伸は、1組の鍛伸用の熱間鍛造用金型11が共働して鍛造素材(図示せず)の直径を細くするように、ラジアル鍛造機に備えられた把持機構により鍛造素材は把持されると共に、鍛造素材の回転が行われることになる。また、この鍛造素材の回転と共に、把持された鍛造素材はその長手方向に移動して行き、鍛造素材の長手方向も伸長させる。
なお、この鍛伸用の熱間鍛造用金型の平坦状の押圧面も、鍛造の初期段階では接触面積を少なくして効率よく鍛伸して行き、その後、所定の形状に整えることが容易なように、粗加工面13に形成された略平坦状の押圧面の面幅を狭くしておき、前記仕上げ加工面14に形成された押圧面の面幅は前記粗加工面13よりも広くするのが好ましい。
前記のように、鍛伸用の熱間鍛造用金型11は、鍛造素材を長手方向に伸長しつつ、形状を整えるものであるため、その押圧面は平坦状となる。この平坦状の押圧面の面幅を過度に広げると鍛造に要する圧力が大きくなってしまうことがある。そのため、1度の打撃で効率よく鍛伸できるように平坦状の押圧面の面幅は接触面積を考慮し、鍛造機に適した面幅を選択することが好ましい。
次に、本発明の熱間鍛造用金型を用いて50インチのタービンブレード用の荒地の熱間鍛造方法について説明する。
図4はラジアル鍛造機の一例を示す模式図である。ラジアル鍛造機には図1で示す熱間鍛造用金型1が取り付けられている。熱間鍛造用金型1は、鍛造素材21を挟み込むために鍛造素材の対面にそれぞれ1つずつ設けられている。図4では既に鍛造素材21がラジアル鍛造機に把持されているが、鍛造素材は加熱炉(図示せず)にて所定の熱間鍛造温度に加熱され、ラジアル鍛造機に取り付けられたものである。
加熱温度は鍛造素材の材質によって異なり、例えば、Ni基超耐熱合金であれば950〜1150℃であり、Ti合金であれば800〜1000℃である。この他、析出強化型ステンレス鋼では900〜1200℃である。また、鍛造素材の形状は棒状である。棒状の鍛造素材は、鍛造装置やプレス装置で所定の形状に整えたものであれば良く、もし、丸棒状であれば、その直径はせぎりが行える熱間鍛造用金型1の粗加工面同士の幅と同等程度であることが好ましい。
そして、前述の鍛造素材のうち、所定の丸棒状鍛造素材をラジアル鍛造機に取り付けを行う。
熱間鍛造は、加熱された鍛造素材21を回転させつつ、対向配置された2つの熱間鍛造用金型1を1組(一対)とし、前記各半割状押圧面で鍛造素材を押圧することにより、鍛造素材にせぎり加工を行う。せぎりを行う熱間鍛造用金型の形状は図1に示すものである。このせぎり加工時は、先ず熱間鍛造用金型1の粗加工面3から熱間鍛造が開始される。本発明の熱間鍛造用金型は、仕上げ加工面4から粗加工面3に向かって粗加工面同士の間隔が広がって行き、2つの熱間鍛造用金型が鍛造素材を押圧したときに鍛造素材を連続した凸形状で押圧可能な形状を有するものである。また、最初に行うせぎり加工は、鍛造素材はその場で回転する(鍛造素材の長手方向の移動は行わない)。
このせぎり加工時の加工方法としては2通りの方法がある。1つ目の方法として、せぎり加工終了後の形状重視の方法から説明する。
対向する2方向からの熱間鍛造が開始されると、図5(A)に示すように、先ず、粗加工面3から鍛造素材の所定の位置の押圧が開始される。粗加工時の鍛造素材21と熱間鍛造用金型の接触(鍛造)位置を矢印で示している。そうすると、対向する2方向からの熱間鍛造でありながら、鍛造初期は共働して鍛造する2つ熱間鍛造用金型に形成された粗加工面が押圧を開始することから、鍛造開始時に鍛造素材を押圧している箇所は4ヶ所である。この4ヶ所が同時にせぎり加工を開始すると、接触面積が小さいため効率よく溝加工を行っていく。そして、順次仕上げ加工面に向かって熱間鍛造を行い、一対の熱間鍛造用金型に形成された仕上げ加工面で所定の形状に整えられていくことになる。仕上げ加工の最終段階では、図5(B)で示すように、鍛造素材21を仕上げ加工面の底部で熱間鍛造を行うときは押圧箇所は2ヶ所である。つまり、せぎり加工の初期段階では一対の熱間鍛造用金型を用いて4ヶ所の鍛造(せぎり加工)を行い、最後の形状調整時は一対の熱間鍛造用金型を用いて2ヶ所の鍛造により、形状を整えることができる。また、粗加工面よりも接触面積が大きい凸形状の仕上げ加工面4で最終形状に効率よく成形することができる。しかも、矢印で示した仕上げ加工面の底部の形状で最終的な形状に整えることか可能であるため、最終仕上げ形状を重視する場合には好都合である。
もう一つの方法は、加工時間を短時間とする場合に適用する方法である。
対向する2方向からの熱間鍛造が開始されると、図6(A)に示すように、先ず、粗加工面3から鍛造素材の所定の位置の押圧が開始される。粗加工時の鍛造素材21と熱間鍛造用金型の接触(鍛造)位置を矢印で示している。そうすると、対向する2方向からの熱間鍛造でありながら、鍛造初期は共働して鍛造する2つ熱間鍛造用金型に形成された粗加工面が押圧を開始することから、鍛造開始時に鍛造素材を押圧している箇所は4ヶ所である。この4ヶ所が同時にせぎり加工を開始すると、接触面積が小さいため効率よく溝加工を行っていく。そして、順次仕上げ加工面に向かって熱間鍛造を行い、一対の熱間鍛造用金型に形成された仕上げ加工面4で所定の形状に整えられていくことになる。
前述のように、B−B断面図からA−A断面図で示す位置(底部)までは押圧面を平坦としていることから、仕上げ加工面の底部まで使用する仕上げ加工は行わず、図6(B)に示すように、仕上げ加工時も押圧する箇所を4ヶ所として仕上げ加工を終了させる。この場合であっても、粗加工面よりも接触面積が大きい凸形状の仕上げ加工面4で最終形状に効率よく成形することができ、且つ、押圧箇所を4ヶ所とすることで短時間でせぎり加工が行える。そのため、鍛造時間を短時間としたい場合には好都合である。
なお、この鍛造時間重視の方法を用いる場合、仕上げ加工面の底部(A−A断面図で示す位置)の曲率半径(図8で示す鍛造素材の長手方向に垂直方向から見たときの曲率半径)をせぎり加工した後の直径の曲率半径よりも小さく小さくしすることが重要である。但し、仕上げ加工面の底部は曲面形状としておき、熱間鍛造時に過度な応力集中を避けるようにすると良い。
前記のせぎり加工が終了すると、熱間鍛造用金型1を鍛伸用押圧面を有する熱間鍛造用金型11に交換する。この熱間鍛造用金型の交換時においては、鍛造素材を再度所定の鍛造温度に再加熱する。
交換した熱間鍛造用金型11は、前記鍛造素材を伸長する鍛伸用押圧面を有する伸長部7が設けてられている。鍛伸用押圧面は、図3に示す形状を有するものである。この鍛伸用押圧面を有する熱間鍛造用金型の、鍛造素材の長手方向から見た押圧面の形状も、図5(A)に示す前記せぎり加工を行った熱間鍛造用金型1と同様であるため、対向する2方向からの熱間鍛造が開始されると、先ず、粗加工面13から鍛造素材の所定の位置の押圧が開始される。そうすると、対向する2方向からの熱間鍛造でありながら、鍛伸(鍛造)初期は共働して鍛造する2つ(一対)の熱間鍛造用金型に形成された粗加工面が押圧を開始することから、鍛造開始時に鍛造素材を押圧している箇所は4ヶ所である。この4ヶ所が同時に鍛伸を開始すると、接触面積が小さいため効率よく鍛造素材を伸長していく。そして、鍛造素材はラジアル鍛造機によって間欠回転しつつ鍛造素材の長手方向に順次移動されて、順次仕上げ加工面に向かって熱間鍛造を行い、一対の熱間鍛造用金型に形成された仕上げ加工面で所定の形状に整えられていくことになる。
つまり、仕上げ加工の最終段階では、図5(B)で示すように、仕上げ加工面14で熱間鍛造を行うときは押圧箇所は2ヶ所である。この仕上げ加工面の底部の形状で最終的な形状に整える方法は、最終仕上げ形状を重視する場合には好都合である。
また、この鍛伸用押圧面による熱間鍛造においても、熱間鍛造時間を短時間にするには図6のように、熱間鍛造初期から熱間鍛造の最終段階まで押圧箇所を4ヶ所とすることで短時間で鍛造素材を伸長することができる。
このようにして、せぎりから鍛伸へと同じラジアル鍛造機を用いて連続して鍛造素材を所定の荒地形状に熱間鍛造が行えるため、従来のようにせぎり用の治具を用いた後に、別な鍛造機であらためて鍛伸を行うと言った、煩雑な工程を省略できる。そのため、再加熱回数を低減できるにもかかわらず、精度の高いタービンブレード用の荒地を製造することが可能となる。
本発明によれば、タービンブレードに使用される難加工性材であっても、ラジアル鍛造機を用いて容易にせぎりを行うことができる。また、前例のないラジアル鍛造機を用いた熱間鍛造方法によれば、鍛造材の再加熱の回数を飛躍的に低減させることができ、生産性を向上させ、省エネルギーにも極めて有効となる。
1 熱間鍛造用金型
2 半割状押圧面
3 粗加工面
4 仕上げ加工面
5 せぎり部
7 伸長部
11 熱間鍛造用金型(鍛伸用)
12 半割状押圧面(鍛伸用)
13 粗加工面(鍛伸用)
14 仕上げ加工面(鍛伸用)
21 鍛造素材

Claims (7)

  1. 棒状の鍛造素材をラジアル鍛造により熱間鍛造するための熱間鍛造用金型であって、
    前記熱間鍛造用金型は、前記鍛造素材を挟み込むための一対の半割状押圧面を有し、
    前記各半割状押圧面は、前記鍛造素材を取り囲むように連続した、凸形状をなし、
    前記各半割状押圧面は、曲面形状の粗加工面と、平坦状の仕上げ加工面とを有することを特徴とする熱間鍛造用金型。
  2. 前記熱間鍛造用金型は、前記粗加工面から仕上げ加工面に向かって、曲面形状の押圧面の曲率半径が徐々に大きくなる徐変部を有することを特徴とする請求項1に記載の熱間鍛造用金型。
  3. 前記各半割状押圧面は、せぎり加工用であることを特徴とする請求項1または2に記載の熱間鍛造用金型。
  4. 前記せぎり加工用の押圧面が、前記鍛造素材の長手方向に複数個形成されていることを特徴とする請求項3に記載の熱間鍛造用金型。
  5. 棒状の鍛造素材をラジアル鍛造により熱間鍛造する熱間鍛造方法であって、
    前記熱間鍛造に用いる金型は、前記鍛造素材を挟み込むための一対の半割状押圧面を有し、
    前記各凸形状押圧面は、前記鍛造素材を取り囲むように連続してなり、曲面形状の粗加工面と、平坦状の仕上げ加工面とを有し、
    前記鍛造素材を熱間鍛造温度に加熱する鍛造素材加熱工程と、
    前記加熱された鍛造素材を回転させつつ、対向配置された2つの前記熱間鍛造用金型の前記各半割状押圧面で鍛造素材を押圧することにより、鍛造素材にせぎりを行う熱間鍛造工程、
    を含むことを特徴とする熱間鍛造方法。
  6. 前記棒状の鍛造素材がNi基超耐熱合金またはTi合金であることを特徴とする請求項5に記載の熱間鍛造方法。
  7. 前記熱間鍛造材が、タービンブレード用の荒地であることを特徴とする請求項5または6に記載の熱間鍛造方法。
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