JP2016190599A - 車両のピラー構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】側方からの衝突が生じたときに、センターピラーの車室側への侵入量を低減すると共に、他の部材の車室側への侵入量も低減することによって、車両の側面全体における良好な衝突安全性を確保可能な車両のピラー構造を提供すること。【解決手段】車両のピラー構造1は、センターピラー103の車両幅方向外側部において、ロアヒンジ5より下方における前後方向全幅に亘って形成される溝部2と、フロントドア115内に配置され、上下位置がロアヒンジ5と重複して配置されるドアビーム3と、上下方向に延在し、側方からの衝突の際にドアビーム3又はロアヒンジ5が受ける衝撃を溝部2に伝達可能なブラケット4と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、車両のピラー構造、特に側方からの衝突が生じたときに、センターピラーの車室側への侵入量を低減すると共に、他の部材の車室側への侵入量も低減することによって、車両の側面全体における良好な衝突安全性を確保することのできる車両のピラー構造に関する。
側方からの衝突の際に、ロアヒンジより下方に配置されるドアビームの端部が、センターピラーの下端部に形成される脆弱部に対して直接押し込まれるように形成された車両のピラー構造が知られている(特許文献1参照)。
特許第5131065号公報
上述した従来の車両のピラー構造について、センターピラーの下方に形成される脆弱部の変形はドアビームによって促される。
しかしながら、従来の車両のピラー構造の適用車種の車高が低く、かつ衝突体に係る車種の車高が高い場合は、側方からの衝突の際に通常であればドアビームで受けられていた荷重が、ドアビームの下方への配置によって受けられず、フロントドアが乗員室側に大きく変形する可能性があった。
つまり、従来の車両のピラー構造では、脆弱部の配置とドアビームの下方への配置とによって、センターピラーの所望の位置の変形は実現可能であるが、フロントドアにおける侵入量が高くなる可能性があった。
よって、本発明が解決しようとする課題は、側方からの衝突が生じたときに、センターピラーの車室側への侵入量を低減すると共に、他の部材の車室側への侵入量も低減することによって、車両の側面全体における良好な衝突安全性を確保することのできる車両のピラー構造を提供することである。
前記課題を解決するための手段として、本発明に係る車両のピラー構造は、センターピラーの車両幅方向外側部において、ロアヒンジより下方における前後方向全幅に亘って形成される脆弱部と、フロントドア内に配置され、上下位置が前記ロアヒンジと重複して配置されるドアビームと、上下方向に延在し、車両の側方からの衝突の際に前記ドアビーム又は前記ロアヒンジが受ける衝撃を前記脆弱部に伝達可能な伝達部材と、を備える。
更に、本発明に係る車両のピラー構造において、前記車両を側方視したときに、前記伝達部材は、上端部が前記ドアビーム又は前記ロアヒンジと重複し、下端部が前記脆弱部に重複する又は前記脆弱部の上部に接することが好ましい。
本発明に係る車両のピラー構造において、前記センターピラーの内面部において、前記ロアヒンジの取付高さ位置から前記脆弱部の形成高さ位置まで延在する補強部材が設けられ、前記車両の側方からの衝突の際に、前記センターピラーは補強部材の上端部と前記脆弱部とにおいて変形することが好ましい。
本発明に係る車両のピラー構造において、前記脆弱部は、前記センターピラーの外面における前後方向全幅に亘って形成される溝部であることが好ましい。
本発明に係る車両のピラー構造において、前記脆弱部は、前記センターピラーの下端部近傍に後端部が配置され、該後端部から前側上方に向かって傾斜して形成され、前記車両を側方視したときに、前記伝達部材は、前記ドアビームと前記脆弱部とに重複して配置されることが好ましい。
本発明によると、車両に対して側方から衝突が生じる場合、上下位置が重複しているドアビーム及びロアヒンジに対して荷重が入力されると、入力された荷重をロアヒンジより下方に形成される脆弱部に伝達部材が伝達することになる。これにより、ドアビーム及びロアヒンジからセンターピラーに対して荷重が入力されると共に、伝達部材からセンターピラーの脆弱部に対して荷重が入力される。この複数箇所に分散された荷重の入力によって、センターピラーが変形することによる乗員室側への侵入量が低減される。
更に、本発明によると、センターピラーの下部を変形させるためにドアビームの後端部をセンターピラーの下端部近傍まで延在させる必要は無く、ドアビームとしての正常な機能を発揮することのできる位置にドアビームを配置すれば良い。
結果として、車両の側面全体における良好な衝突安全性を確保可能な車両のピラー構造を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態が適用され得る車両における側部を示す斜視図である。 図2は、図1に示した車両の一部を示す側面概略図である。 図3は、図2に示すA−A断面における断面概略図である。 図4は図3に示した車両のピラー構造においてドアビーム及びブラケットを排除した断面概略図であり、図4(a)は衝突前の断面概略図であり、図4(b)は衝突の際の断面概略図である。 図5は図2に示した車両のピラー構造のセンターピラー及びフロントドアの上下方向に沿った切断面において溝部を排除した断面概略図であり、図5(a)は衝突前の断面概略図であり、図5(b)は衝突の際の断面概略図である。 図6は図2に示した車両のピラー構造においてセンターピラー及びフロントドアを上下方向に沿った切断面を示す断面概略図であり、図6(a)は衝突前の断面概略図であり、図6(b)は衝突の際の断面概略図である。
以下に、本発明の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
まず、図1を参照しつつ、本発明が適用され得る車両について説明する。更に、図2及び図3を参照しつつ、本発明に係る車両のピラー構造の一実施形態について詳述する。
なお、図1は、本発明の一実施形態が適用され得る車両における側部を示す斜視図である。図2は、図1に示した車両の一部を示す側面概略図である。図3は、図2に示すA−A断面における断面概略図である。
(本発明が適用可能な車両の概要)
図1に示すように、車両100は、その側部において、アッパーサイドフレーム101と、フロントピラー102と、センターピラー103と、リアピラー104とを備える。なお、図1に示す車両100は、左側部のみを示している。
アッパーサイドフレーム101は、車両100の前部の左右両側においてそれぞれ前後方向に延在する一対のフレーム状部材である。なお、図示しないが、アッパーサイドフレーム101の前端部にはラジエータを保持する枠状のラジエータパネルが取付けられる。
フロントピラー102は、アッパーサイドフレーム101の後端部に接続され、車両100の乗員室における左右両側の前端部にそれぞれ配置される一対のフレーム状部材である。フロントピラー102は、略上下方向に延在する部位と、後側上方に向かって延在する部位とを有する。アッパーサイドフレーム101は、フロントピラー102における上下方向に延在する部位の上端部又はその近傍に固定的に接続される。
フロントピラー102において、車両100幅方向の内側には左右に渡される板状のトーボードパネル105が取付けられる。更に、アッパーサイドフレーム101の下面部又は側面部からフロントピラー102の前面部に対して、リンフォースメントのための補剛部材106が配設されている。トーボードパネル105の左右両下端部から、乗員室の底面を構成するフロアパネル(図示せず)に対して板状のトルクボックス107が固定的に配置されている。
センターピラー103は、フロントピラー102より後方において、乗員室における左右両側にそれぞれ配置され、上下方向に延在する一対のフレーム状部材である。更に、リアピラー104は、センターピラー103より後方において、乗員室における左右両側の後端部にそれぞれ配置され、上下方向に延在する一対のフレーム状部材である。車両100の前後方向において、センターピラー103は、フロントピラー102とリアピラー104との略中央部に配置される。
フロントピラー102、センターピラー103及びリアピラー104の上部は、車両100の左右両側においてそれぞれ前後方向に延在する一対のルーフサイドレール108によって接続されている。一対のルーフサイドレール108の間には、乗員室の天井面を構成するルーフパネル(図示せず)の補強のために、左右方向に延在するルーフクロスメンバ109が渡されている。
フロントピラー102、センターピラー103及びリアピラー104の下部は、車両100の左右両側においてそれぞれ前後方向に延在する一対のサイドシル110によって接続されている。フロアパネル(図示せず)は、一対のサイドシル110の間に渡されることになる。
フロントピラー102において、車両100幅方向の外側にはフロントドアのドアヒンジ(図示せず)が取付けられ、該ドアヒンジにフロントドア(図示せず)が乗員室に対して開閉可能に取付けられる。センターピラー103において、車両100幅方向の外側にはリアドアのドアヒンジ(図1には図示せず)が取付けられ、該ドアヒンジにリアドア(図示せず)が乗員室に対して開閉可能に取付けられる。
図2及び図3に示す車両のピラー構造1は、図1において破線の円で囲んだ部位に適用することができる。以下に、図2及び図3を参照しつつ、基本実施形態である車両のピラー構造1について説明する。
(基本実施形態の概要)
図2に示す車両のピラー構造1は、溝部2と、ドアビーム3と、ブラケット4と、を備える。
溝部2は、センターピラー103の車両幅方向外側部において、リアドアをセンターピラー103に取付けるための下側のヒンジ、つまりロアヒンジ5よりも更に下方に形成される。なお、溝部2は、本発明における脆弱部の一例である。
図2に示すようにセンターピラー103とサイドシル110とは連続的に接続されている。センターピラー103及びサイドシル110は、いずれもフレーム状の筒体であり、屈曲又は湾曲された複数枚の鋼板の縁部をスポット溶接等によって固定することにより形成される。スポット溶接部位は鋼板が重ね合わされた状態で、サイドシル110の下側、サイドシル110の上側からセンターピラー103の前方側、及び、サイドシル110の上側からセンターピラー103の後方側において、それぞれフランジ部111として突出することとなる。
センターピラー103及びサイドシル110は、各フランジ部111から車両100の幅方向外側に向かって***し、外側面が形成されることによって、筒体となっている。サイドシル110の上側とセンターピラー103の前方側とに亘って形成されるフランジ部111から***する傾斜面部を前方***部112とし、サイドシル110の上側とセンターピラー103の後方側とに亘って形成されるフランジ部111から***する傾斜面部を後方***部113とする。
また、センターピラー103及びサイドシル110の各フランジ部111の間に形成される車両100の幅方向外側への突出面部を、外面部114とする。なお、本実施形態においては、センターピラー103とサイドシル110とは外側面が連続しているので、両フレーム状部材の外側面を一様に外面部114とする。図2に示すように、センターピラー103の外面部114は、前方***部112と後方***部113との間に渡されるように形成される板状部位である。
本実施形態においては、溝部2は、センターピラー103の下部における前方***部112から、センターピラー103とサイドシル110との接続部位における後方***部113までに亘って、外面部114に形成される凹部である。図2に示すように、溝部2は、センターピラー103の下端部近傍の後方***部113に接続されるように一端部が配置され、該一端部から前側上方に向かって前方***部112に接続されるように傾斜して形成されている。
溝部2の位置、大きさ及び形状等については、後述のブラケット4を介して溝部2に荷重が伝達されたときに、溝部2がセンターピラー103の変形の起点の一つとなり得る限り、特に制限されない。
ロアヒンジ5は、板状部材を折曲して形成され、固定部51と突出部52とを有する。
固定部51は、ボルト及びナット等の締結部材6によって外面部114に対して固定される部位である。
突出部52は、車両100の幅方向外側に向かって突設され、車両100の上下方向に沿ったリアドアの回動軸等が適宜に取付けられる部位である。
本実施形態では、センターピラー103の内面部に補強部材7が設けられている。補強部材7は、車両100の前後方向において前方***部112から後方***部113まで延在し、車両100の上下方向においてロアヒンジ5の上方部位から溝部2の上方部位まで延在している。補強部材7は、剛性を有する板状部材であり、センターピラー103においてロアヒンジ5の取付位置の裏側に、ロアヒンジ5の固定用の締結部材6によって固定的に配置される。本実施形態における補強部材7は、少なくともロアヒンジ5の取付高さ位置から溝部2の形成高さ位置まで延在していれば良い。
ドアビーム3とブラケット4とは、図2において一点鎖線で輪郭のみを示したフロントドア115の内部に設けられる部材であり、基本的には乗員室内外に対して露出しない位置に配置される。
ドアビーム3は、剛性を有する円筒状部材であり、フロントドア115の側方からの衝突安全性、車種によっては前方からの衝突安全性も向上させることができる。本実施形態において、ドアビーム3における後端部の一部の上下位置がロアヒンジ5と重複するように配置されている。
ブラケット4は、上下方向に延在し、側方からの衝突の際にドアビーム3が受ける衝撃を溝部2に伝達可能な部材である。また、ブラケット4は、位置決めされたドアビーム3をフロントドア115の内部に固定するための板状部材であり、衝撃を伝達可能なように高剛性を有する。なお、ブラケット4は、本発明における伝達部材の一例である。
ブラケット4は、受力部41と伝達部42とを有する。図2に示すように車両100を側方視すると、受力部41がドアビーム3に重複すると共に、伝達部42が溝部2に重複している。
受力部41は、長手方向が上下方向に延在する板状部位であり、任意の部位でドアビーム3から衝撃を受ける。ブラケット4によるドアビーム3のフロントドア115への取付けによって、受力部41はドアビーム3に当接している部位である。伝達部42は、受力部41の下端部から前後方向に、かつ溝部2に向かって延在する板状部位であり、ドアビーム3から受力部41によって受けた衝撃を溝部2に伝達する。
なお、例えばブラケット4を溝部2まで延在させたときの強度、大きさ、及び重量のバランスと、フロントドア115内におけるブラケット4を配置可能な余剰のスペースとに鑑みて、採用可能なブラケット4の大きさが決定される。ブラケット4の大きさ及び配置に合わせて溝部2の上下位置及び形状等を設定すれば良い。
続いて示す図3には、衝突の際の車両の幅方向におけるドアビーム3、ブラケット4及びロアヒンジ5の位置関係を示している。
ドアビーム3及びブラケット4は、基本的にはフロントドア115の内装部分又は外装部分に対して固定される。これにより、仮にフロントドア115を閉扉状態にしてもドアビーム3及びブラケット4がセンターピラー103に直接当接することはなく、ある程度の距離で離れた状態が維持される。フロントドア115の内外装部分は鋼板及び樹脂部材等で形成されるので、側方からの衝突によって内外装部分が破断又は変形することがあるが、本実施形態におけるドアビーム3及びブラケット4は破断し難く形成することによってセンターピラー103に対して荷重を確実に入力可能となっている。
本実施形態に係る車両のピラー構造1は、衝突の際にドアビーム3及びブラケット4とフロントドア115の内面との間の間隙が圧縮された状態になると、車両の幅方向において、センターピラー103の外面部114からのドアビーム3及びブラケット4の突出距離と、外面部114からのロアヒンジ5の突出距離とは、略同一に設定されている。なお、本発明が適用される車種によってロアヒンジ5の大きさは決定されるので、外面部114からのロアヒンジ5の突出距離に応じて、ドアビーム3の径、及びブラケット4の厚み等を調整することによって、突出距離を揃えるのが良い。
上記突出距離が略同一となるように各部材が配置されていることによって、センターピラー103の外面部114に対して、車両の前後方向に沿って略均等に荷重が入力されることになる。詳述すると、衝突の際に衝突体Cによって押圧される部材、つまりドアビーム3、ブラケット4及びロアヒンジ5は、外面部114を前後方向に亘って一様に押圧することになる。ドアビーム3及びブラケット4は外面部114の前方***部112側を押圧すると共に、ロアヒンジ5は外面部114の後方***部113側を押圧する。
(第1比較例)
ここで、第1比較例として、上記ドアビーム3及び上記ブラケット4とロアヒンジ5との上下位置が重複せずに離れている場合について、図4を参照しつつ説明する。
図4は図3に示した車両のピラー構造においてドアビーム及びブラケットを排除した断面概略図であり、図4(a)は衝突前の断面概略図であり、図4(b)は衝突の際の断面概略図である。
図4(a)に示す第1比較例は、図2及び図3に示していたドアビーム3及びブラケット4が上側又は下側に位置変更されることによって、ドアビーム3及びブラケット4がロアヒンジ5と同一高さにおいて外面部114に押し込まれなくなった形態である。
この第1比較例におけるロアヒンジ5を衝突体Cが押圧すると、図4(b)に示すように、ロアヒンジ5が取付けられて成る部位である、センターピラー103の後方***部113側の外面部114のみが大きく変形する。このとき、前方***部112側の外面部114には荷重が入力されていないので、変形しない又は変形し難い。
なお、図示はしないが、図4に示す第1比較例に代えて、衝突体Cがロアヒンジ5を押圧せずに、上記ドアビーム3及び上記ブラケット4を押圧する場合では、センターピラー103の前方***部112側の外面部のみが大きく変形する。この場合、後方***部113側の外面部114には荷重が入力されていないので、変形しない又は変形し難い。
したがって、ドアビーム3及びブラケット4とロアヒンジ5とのいずれかが衝突体Cによって外面部114に押し込まれる場合、外面部114に対する荷重が前後方向で均一とならない。
この場合、例えば第1比較例に係るセンターピラー103の上下方向に沿った部位毎に、強度差を設けて変形容易な部位を形成していたとしても、センターピラー103に入力される荷重に前後方向で偏りが生じているので、車両の幅方向内側への意図する変形形態を得られない可能性がある。
第1比較例に対して、本実施形態は、ドアビーム3及びブラケット4とロアヒンジ5とが重複する上下位置に設定されているので、特に図3に示したようにセンターピラー103の外面部114を前後方向に亘って一様に押圧可能である。つまり、外面部114に対して作用する荷重において前後方向での偏りが本実施形態の方が第1比較例よりも少ないので、車両の幅方向内側への変形形態をコントロールし易い。
更に衝突が進んだ場合のセンターピラー103の後方側の一部を、一点鎖線で図4(b)に示している。衝突の初期段階では、上述したようにロアヒンジ5のみに衝突体Cが当接すると、後方***部113側が変形する。この状態から衝突が進むに従って、センターピラー103の後方***部113だけでなく後側のフランジ部111も乗員室側に大きく変形する。つまり、第1比較例では、側方からの衝突が生じると、ロアヒンジ5によってセンターピラー103の後方側の変形量が大きくなるので、ロアヒンジ5の周辺部位で局所的にねじれたような状態となる。
(第2比較例)
更なる比較例として、ドアビーム3及びブラケット4とロアヒンジ5との上下位置は重複しているが、溝部2が形成されていない場合について、図5を参照しつつ説明する。
図5は図2に示した車両のピラー構造のセンターピラー及びフロントドアの上下方向に沿った切断面において溝部を排除した断面概略図であり、図5(a)は衝突前の断面概略図であり、図5(b)は衝突の際の断面概略図である。なお、図5に示すフロントドア115は、外板部分のみを示している。
図5(a)に示す第2比較例は、図2に示していた溝部2を設けていない形態である。この第2比較例においては、ドアビーム3及びブラケット4とロアヒンジ5とは上下位置が重複して配置されているので、外面部114に対して前後方向に亘って偏りの少ない荷重が入力される。
しかしながら、衝突体Cが押し込まれると図5(b)に示すように、ロアヒンジ5の上方に配置された補強部材7の上端縁部において、車両の幅方向内側への折曲変形又は屈曲変形を生じる。このとき、補強部材7の下方、つまりセンターピラー103の下端部近傍は断面積が大きく、変形し難く構成されているので、外面部114に上記溝部2を設けていない第2比較例では、変形が補強部材7の上端縁部又はその近傍の一箇所のみに生じ易い。
したがって、第2比較例のように上記溝部2等の脆弱部が設けられていない場合、外面部114に対する荷重が補強部材7の上端縁部等に集中する。これにより、センターピラー103の車両の幅方向内側への変形は大きくなってしまう。
(基本実施形態の変形形態)
ここで、図6を参照しつつ、図2及び図3に示した実施形態の変形形態について説明する。
なお、図6は図2に示した車両のピラー構造においてセンターピラー及びフロントドアを上下方向に沿った切断面を示す断面概略図であり、図6(a)は衝突前の断面概略図であり、図6(b)は衝突の際の断面概略図である。
図6(a)に示す本実施形態においては、図2及び図3に示したように、ドアビーム3及びブラケット4とロアヒンジ5とが上下位置が相互に重複するように配置されているので、外面部114に対して前後方向に亘って偏りの少ない荷重が入力される。
更に、衝突体Cが押し込まれると図6(b)に示すように、ロアヒンジ5の上方に配置された補強部材7の上端縁部において、車両の幅方向内側への折曲変形又は屈曲変形を生じる。これだけでなく、ロアヒンジ5及び補強部材7の下方に配置され、かつブラケット4の伝達部42の一部が上下位置で重複している溝部2において、車両の幅方向内側への折曲変形又は屈曲変形を生じる。つまり、補強部材7の上下端縁部の二箇所において外面部114が変形することとなる。
第2比較例では、センターピラー103の下端部近傍が変形し難かったので、一箇所のみの大きな外面部114の折曲変形又は屈曲変形が生じていた。
これに対して、本実施形態は、ドアビーム3及びブラケット4とロアヒンジ5とが重複する上下位置に設定されているだけでなく、溝部2及び溝部2に荷重を伝達するブラケット4を設けている。これにより、センターピラー103の外面部114を前後方向に亘って一様に押圧可能であるだけでなく、車両の幅方向内側へのセンターピラー103を二箇所で変形させることができる。
つまり、図6(b)において、図5(b)に示した第2比較例におけるセンターピラー103の変形量を破線で示している。図6(b)で明らかなように、第2比較例における一箇所のみのセンターピラー103の変形形態よりも、本実施形態における二箇所でのセンターピラー103の変形形態の方が、車両の幅方向内側への変形量が小さく、変形量をコントロールし易い。
以上のように、本実施形態では、溝部2、ドアビーム3、ブラケット4、及びロアヒンジ5の位置、形状、大きさに応じて、センターピラー103の変形形態及び変形量のコントロールが可能である。
なお、本実施形態においては、補強部材7の上下端部の範囲内にドアビーム3の後端部とロアヒンジ5とが含まれるように配置すること、つまりドアビーム3の後端部及びロアヒンジ5が補強部材7と上下位置が重複するように配置することが好ましい。
このような配置によって、衝突体Cが押し込まれたドアビーム3及びロアヒンジ5が外面部114に対して荷重を入力すると、荷重が入力された裏面に配置される補強部材7が面として荷重を受けることができる。これにより、補強部材7の上下範囲内の外面部114が局所的な変形を抑制されつつ、面として乗員室側に押し込まれる。結果として、外面部114の前後方向及び上下方向における変形に偏りが生じない又は生じ難くなる。
本実施形態においては、図2に示すように、ドアビーム3の下部の一部と、ロアヒンジ5の上部の一部とが上下位置で重複するように配置されている。本実施形態では、従来のように、センターピラー103の下端部近傍を変形させるために、ドアビーム3の後端部をセンターピラー103の下部にまで延在させる必要は無い。
なお、ドアビーム3の後端部の位置が下方となり過ぎると、例えば本実施形態に係る車両のピラー構造1が車高の低い車両に適用され、衝突体が車高の高い車両である場合には、下げ過ぎたドアビーム3によって助手席又は運転席の乗員の保護が適切になされない可能性がある。
これに対して、ドアビーム3をある程度の高さ位置まで引き上げて配置可能な本実施形態は、ドアビーム3による乗員の保護性能も確保することができる。
したがって、本実施形態においては、センターピラー103の変形形態及び変形量のコントロールと、ドアビーム3等の他の部材による側方からの衝突安全性能の確保とを両立することによって、車両の側面全体における良好な衝突安全性を得ることができる。
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施形態について説明したが、この実施形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により、本発明は限定されることはない。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。
1:車両のピラー構造、2:溝部、3:ドアビーム、4:ブラケット、41:受力部、42:伝達部、5:ロアヒンジ、51:固定部、52:突出部、6:締結部材、7:補強部材、100:車両、101:アッパーサイドフレーム、102:フロントピラー、103:センターピラー、104:リアピラー、105:トーボードパネル、106:補剛部材、107:トルクボックス、108:ルーフサイドレール、109:ルーフクロスメンバ、110:サイドシル、111:フランジ部、112:前方***部、113:後方***部、114:外面部、115:フロントドア、C:衝突体

Claims (5)

  1. センターピラーの車両幅方向外側部において、ロアヒンジより下方における前後方向全幅に亘って形成される脆弱部と、
    フロントドア内に配置され、上下位置が前記ロアヒンジと重複して配置されるドアビームと、
    上下方向に延在し、車両の側方からの衝突の際に前記ドアビーム又は前記ロアヒンジが受ける衝撃を前記脆弱部に伝達可能な伝達部材と、を備える、
    車両のピラー構造。
  2. 前記車両を側方視したときに、前記伝達部材は、上端部が前記ドアビーム又は前記ロアヒンジと重複し、下端部が前記脆弱部に重複する又は前記脆弱部の上部に接する、
    請求項1に記載の車両のピラー構造。
  3. 前記センターピラーの内面部において、前記ロアヒンジの取付高さ位置から前記脆弱部の形成高さ位置まで延在する補強部材が設けられ、
    前記車両の側方からの衝突の際に、前記センターピラーは補強部材の上端部と前記脆弱部とにおいて変形する、
    請求項1又は2に記載の車両のピラー構造。
  4. 前記脆弱部は、前記センターピラーの外面における前後方向全幅に亘って形成される溝部である、
    請求項1〜3のいずれかに記載の車両のピラー構造。
  5. 前記脆弱部は、前記センターピラーの下端部近傍に後端部が配置され、該後端部から前側上方に向かって傾斜して形成され、
    前記車両を側方視したときに、前記伝達部材は、前記ドアビームと前記脆弱部とに重複して配置される、
    請求項1〜4のいずれかに記載の車両のピラー構造。
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