JP2016190418A - 原盤の製造方法、光学体、光学部材、および表示装置 - Google Patents

原盤の製造方法、光学体、光学部材、および表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】回折光が抑制された光学体をより大面積で製造可能な原盤を提供する。【解決手段】円筒または円柱形状の基材を含む原盤本体の外周面に、所定の範囲で周期性を有しない制御信号により変調されたレーザを照射することで、凹凸の平均周期が可視光波長以下であるミクロ凹凸構造を前記原盤本体の周方向および軸方向にランダムに形成するステップと、前記原盤本体の外周面上にエッチングレジスト層を形成するステップと、前記エッチングレジスト層に対して、凹凸の平均周期が可視光波長より大きいマクロ凹凸構造を形成するステップと、前記エッチングレジスト層および前記原盤本体をエッチングすることで、前記基材の外周面上に前記ミクロ凹凸構造と、前記マクロ凹凸構造とを重畳して形成するステップと、を含む原盤の製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、原盤の製造方法、光学体、光学部材、および表示装置に関する。
一般的に、テレビなどの表示装置、およびカメラレンズなどの光学素子では、表面反射を減少させ、かつ透過光を増加させるために、光の入射面に反射防止処理が施されている。このような反射防止処理としては、例えば、凹凸の平均周期が可視光波長以下であるミクロ凹凸構造(例えば、モスアイ構造など)が表面に形成された光学体を光の入射面に積層させることが提案されている。
このようなミクロ凹凸構造を有する表面では、入射光に対して屈折率が緩やかに変化するため、反射の原因となる急激な屈折率の変化が発生しない。したがって、このようなミクロ凹凸構造を光の入射面の表面に形成することにより、広い波長帯域にわたって入射光の反射を防止することができる。
凹凸の平均周期がナノメートルオーダーであるミクロ凹凸構造を形成する方法として、例えば、下記の特許文献1には、ナノメートルサイズの島状微粒子を保護マスクに用いてドライエッチングを行う方法が開示されている。また、下記の特許文献2および3には、アルミニウム膜の陽極酸化法を用いて、該アルミニウム膜にマイクロメートル未満の複数の凹部を形成することが開示されている。さらに、下記の特許文献4には、電子ビームリソグラフィを用いて、凹凸の平均周期が所定の波長以下であるミクロ凹凸構造を形成することが開示されている。
また、下記の特許文献5〜7には、所定の波長よりも大きな表面粗さを有する基板上に、所定の波長以下の周期で規則的に配列されたミクロ凹凸構造を形成した構造体が開示されている。特許文献5〜7に開示された構造体では、このような粗面にミクロ凹凸構造を規則的に配列して形成することで、反射防止特性の入射角依存性を低減させることができる。
さらに、下記の特許文献8には、上述したようなミクロ凹凸構造が形成された光学体を大面積にて製造する方法として、ロール状モールドを用いたナノインプリント法が開示されている。具体的には、特許文献8には、外周面にミクロ凹凸構造が形成されたロール状モールドを元型として、樹脂フィルム等に回転しながら押圧することで、ミクロ凹凸構造が転写された光学体を大面積にて製造可能であることが開示されている。また、特許文献8には、このようなロール状モールドの外周面にミクロ凹凸構造を形成する方法として、レーザ光による光反応型または熱反応型リソグラフィが開示されている。
特開2012−1000号公報 特許第4916597号公報 特開2009−288337号公報 特開2009−128541号公報 特許第4794351号公報 特許第5105771号公報 特許第5201913号公報 特開2014−43068号公報
しかし、上記の特許文献5〜7に開示されるような周期的なミクロ凹凸構造を有する光学体では、高強度の外光が照射された場合、ミクロ凹凸構造の周期性に起因する回折光が発生するという問題点があった。
また、ミクロ凹凸構造が形成された光学体を大面積で製造するために、特許文献8に開示されるように、レーザ光によるリソグラフィにてロール状モールドにミクロ凹凸構造を形成する場合、ランダムなミクロ凹凸構造を形成することは困難であった。これは、レーザ光によるリソグラフィでは、ロール状モールドを回転させながら軸方向に動かし、一周ごとに露光を行うため、露光の軌跡による周期性が生じてしまうためである。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、回折光が抑制された光学体を大面積で製造可能な原盤の製造方法、該原盤により製造された光学体、該光学体を備える光学部材、および該光学体を備える表示装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、円筒または円柱形状の基材を含む原盤本体の外周面に、所定の範囲で周期性を有しない制御信号により変調されたレーザを照射することで、凹凸の平均周期が可視光波長以下であるミクロ凹凸構造を前記原盤本体の周方向および軸方向にランダムに形成するステップと、前記原盤本体の外周面上にエッチングレジスト層を形成するステップと、前記エッチングレジスト層に対して、凹凸の平均周期が可視光波長より大きいマクロ凹凸構造を形成するステップと、前記エッチングレジスト層および前記原盤本体をエッチングすることで、前記基材の外周面上に前記ミクロ凹凸構造と、前記マクロ凹凸構造とを重畳して形成するステップと、を含む原盤の製造方法が提供される。
前記制御信号の1ビットに対応する前記原盤本体の周方向に対する前記レーザの照射距離は、0.2μm以下であってもよい。
前記原盤本体の軸方向に対する前記レーザの照射位置の間隔は、75nm以上350nm以下であってもよい。
前記エッチングレジスト層は、前記原盤本体の外周面上に形成された無機レジスト層と、前記無機レジスト層上に形成された有機レジスト層とを含んでもよい。
前記有機レジスト層をマスクとする前記無機レジスト層へのエッチングと、前記無機レジスト層をマスクとする前記原盤本体へのエッチングとは、異なるガスを用いたドライエッチングで行われてもよい。
前記ドライエッチングは、少なくともフッ素原子を含み、炭素原子、フッ素原子、酸素原子および水素原子のうち少なくとも2つ以上を含むガスを用いた垂直異方性エッチングであってもよい。
前記有機レジスト層は、溶媒にて希釈された有機レジストを微粒子化して噴霧することにより形成されてもよい。
前記原盤本体は、前記基材と、前記基材の外周面上に形成された基材レジスト層とで構成されており、前記ミクロ凹凸構造は、前記基材レジスト層に形成され、前記無機レジスト層は、前記ミクロ凹凸構造を包埋するように前記基材レジスト層上に形成され、前記基材レジスト層は、前記無機レジスト層と同時にエッチングされてもよい。
前記基材レジスト層のエッチングレートは、前記無機レジスト層のエッチングレートと異なってもよい。
前記原盤本体は、前記基材で構成されており、前記ミクロ凹凸構造は、前記基材に形成されてもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、上記の製造方法により製造された原盤を用い、樹脂基材に対して前記原盤の外周面に形成された前記ミクロ凹凸構造および前記マクロ凹凸構造を転写した、光学体が提供される。
光学体のヘイズ値は、20%以上であってもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、上記の光学体を基板表面に積層した、光学部材が提供される。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、上記の光学体を表示面上に積層した、表示装置が提供される。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、樹脂基材の表面に形成され、凹凸の平均周期が可視光波長より大きいマクロ凹凸構造と、前記マクロ凹凸構造に重畳され、凹凸の平均周期が可視光波長以下であるランダムに形成されたミクロ凹凸構造とを備え、ヘイズ値が20%以上である光学体と、前記光学体を表示面上に積層した表示パネルと、を備える表示装置が提供される。
本発明によれば、レーザ光によるリソグラフィを用いて、原盤に対してミクロ凹凸構造をランダムに形成することが可能である。
以上説明したように本発明によれば、回折光が抑制された光学体を大面積で製造可能な原盤を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る製造方法により製造される原盤を模式的に示した斜視図である。 同実施形態に係る原盤を厚み方向に切断した際の断面形状を模式的に示す断面図である。 同実施形態に係る原盤に対してレーザ光による露光を行う露光装置を説明する説明図である。 露光装置においてレーザ光の変調に用いられる制御信号を説明する説明図である。 比較例に係るレジスト層の潜像パターンを示す模式図である。 同実施形態に係るレジスト層の潜像パターンの一例を示す模式図である。 同実施形態に係るレジスト層の潜像パターンの他の例を示す模式図である。 同実施形態に係る原盤の製造方法の一工程を説明する断面図である。 同実施形態に係る原盤の製造方法の一工程を説明する断面図である。 同実施形態に係る原盤の製造方法の一工程を説明する断面図である。 同実施形態に係る原盤の製造方法の一工程を説明する断面図である。 同実施形態に係る原盤の製造方法の一工程を説明する断面図である。 同実施形態に係る原盤の製造方法の一工程を説明する断面図である。 同実施形態に係る原盤の製造方法の一工程を説明する断面図である。 同実施形態に係る原盤を用いて光学体を製造する転写装置を説明する説明図である。 同実施形態に係る光学体よりも散乱効率が低い光学体を内部反射体に積層させた場合の入射光の進路を示した説明図である。 同実施形態に係る光学体を内部反射体に積層させた場合の入射光の進路を示した説明図である。 試験例1〜4に係る評価サンプルのSEMによる観察画像である。 実施例1に係る光学体の表面を倍率50000倍で観察したSEM画像である。 実施例1および比較例1に係る光学体の正反射分光測定の結果を示すグラフ図である。 実施例1および2、比較例1に係る光学体の回折光の分光測定の結果を示すグラフ図である。 光学体を表示面に貼り合せた表示装置または表示板において、防眩性を評価する方法を説明する説明図である。 光学体を貼付した表示板における蛍光灯の光の反射像画像である。 光学体を貼付した表示装置における蛍光灯の光の反射像画像である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.原盤について>
[1.1.原盤の構造]
まず、図1および図2を参照して、本発明の一実施形態に係る製造方法によって製造される原盤について説明する。図1は、本実施形態に係る製造方法により製造される原盤を模式的に示した斜視図である。また、図2は、本実施形態に係る原盤を厚み方向に切断した際の断面形状を模式的に示す断面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る原盤1は、外周面にマクロ凹凸構造11およびミクロ凹凸構造13が重畳形成された基材10からなる。
基材10は、例えば、円筒形状の部材である。ただし、基材10の形状は、図1で示すように内部に空洞を有する中空の円筒形状であってもよく、内部に空洞を有しない中実の円柱形状であってもよい。また、基材10の材料は、特に限定されず、溶融石英ガラスまたは合成石英ガラスなどの石英ガラス(SiO)を用いることができる。基材10の大きさは、特に限定されるものではないが、例えば、軸方向の長さが100mm以上であってもよく、外径が50mm以上300mm以下であってもよく、厚みが2mm以上50mm以下であってもよい。
マクロ凹凸構造11は、凹凸の平均周期が可視光波長よりも大きい凹凸構造である。また、ミクロ凹凸構造13は、凹凸の平均周期が可視光波長以下である凹凸構造であり、マクロ凹凸構造11に重畳形成されている。また、ミクロ凹凸構造13の凹凸の二次元配置は、基材10の軸方向および周方向にランダムに(すなわち、周期性を有しないように)形成される。なお、マクロ凹凸構造11およびミクロ凹凸構造13の具体的な構造については、図2を参照して後述する。
ここで、原盤1は、ロールツーロール(roll−to−roll)方式のナノインプリント用の原盤である。このような原盤1の外周面を樹脂基材等に押圧することによって、外周面に形成されたマクロ凹凸構造11およびミクロ凹凸構造13が樹脂基材等に転写される。これにより、原盤1は、マクロ凹凸構造11およびミクロ凹凸構造13が転写された転写物を高い生産効率で大面積に製造することができる。なお、本実施形態に係る原盤1により、マクロ凹凸構造11およびミクロ凹凸構造13が転写された転写物は、例えば、反射防止フィルムなどの光学体として使用することができる。
次に、図2を参照して、原盤1の外周面上に形成されるマクロ凹凸構造11およびミクロ凹凸構造13について、より詳細に説明する。
図2に示すように、マクロ凹凸構造11は、基材10の厚み方向に凹である谷部113と、基材10の厚み方向に凸である山部111と、を有する。マクロ凹凸構造11の凹凸の平均周期は、可視光波長よりも大きく(例えば、830nm超)、好ましくは、1μm以上100μm以下である。ここで、マクロ凹凸構造11における凹凸の周期とは、図2に示すように、互いに隣り合う谷部113、113間、または山部111、111間の距離P1を表す。マクロ凹凸構造11は、より具体的には、凹凸の平均周期が1μm以上100μm以下である防眩(アンチグレア)構造であってもよい。
ミクロ凹凸構造13は、マクロ凹凸構造11に対して重畳形成された凹凸構造であり、基材10の厚み方向に凹である凹部133と、相隣接する凹部133、133の間に位置する凸部131と、を有する。
ここで、ミクロ凹凸構造13の凹凸はランダムに形成される。具体的には、ミクロ凹凸構造13の凹凸の周期および振幅は、ランダムに形成される。ただし、ミクロ凹凸構造13の凹凸の周期は、平均すると、可視光波長以下(例えば、830nm以下)であり、好ましくは、100nm以上350nm以下である。また、ミクロ凹凸構造13の凹凸の振幅は、例えば、0nmより大きく600nm以下の範囲にて形成される。
なお、ミクロ凹凸構造13における凹凸の周期とは、図1に示すように、互いに隣り合う凸部131、131の頂点間、または、互いに隣り合う凹部133、133の底面の中心間の距離P2を表す。また、ミクロ凹凸構造13の凹凸の振幅は、凸部131の頂点と、凹部133の底点との高さの差を表す。
このような原盤1の凹凸構造が転写された光学体は、ミクロ凹凸構造13の凹凸の周期がランダムであるため、強い外光が照射された場合にミクロ凹凸構造13の周期性に起因して発生する回折光を抑制することができる。また、原盤1により製造された光学体は、様々な周期の凹凸を有するミクロ凹凸構造13が形成されているため、広い範囲の波長に対して均一な反射防止特性を備えることができる。さらに、原盤1により製造された光学体は、様々な振幅の凹凸を有するミクロ凹凸構造13が掲載されているため、単一の振幅の凹凸からなるミクロ凹凸構造13よりも反射防止特性を向上させることができる。
特に、上述した原盤1により製造された光学体は、広い範囲の波長帯域の光を含み、高強度である太陽光の反射防止に効果的である。そのため、原盤1により製造された光学体は、例えば、屋外で使用される車載の表示装置およびメータパネル等の表示板に対する反射防止フィルムとして好適に用いることができる。
また、原盤1により製造された光学体は、マクロ凹凸構造11による高い防眩特性と、ランダムに形成されたミクロ凹凸構造13による高い反射防止特性とを併せ持つことができる。そのため、原盤1により製造された光学体は、内部反射光および散乱光などを極力抑制することが要求されるカメラ鏡筒内または分光計内の迷光防止フィルムとして好適に用いることができる。
[1.2.原盤の露光方法]
次に、図3〜図5Cを参照して、上記で説明した本実施形態に係る原盤に対して、ランダムなミクロ凹凸構造に対応する潜像を形成するための露光方法について説明する。
本実施形態に係る原盤1において、ミクロ凹凸構造13に対応する潜像は、レーザ光を用いたリソグラフィによって形成される。以下では、まず、図3を参照して、本実施形態に係る原盤に対して、レーザ光による露光を行う露光装置200について説明する。図3は、本実施形態に係る原盤に対してレーザ光による露光を行う露光装置を説明する説明図である。
図3に示すように、露光装置200は、レーザ光源201と、第1ミラー203と、フォトダイオード(Photodiode:PD)205と、集光レンズ207と、電気光学偏向素子(Electro Optic Deflector:EOD)209と、コリメータレンズ211と、制御機構230と、第2ミラー213と、移動光学テーブル220と、スピンドルモータ225と、ターンテーブル227とを備える。また、原盤1の基材10は、外周面にレジスト層が成膜された状態でターンテーブル227上に載置される。
レーザ光源201は、基材10の外周面に成膜されたレジスト層を露光するためのレーザ光20を発振する光源であり、例えば、400nm〜500nmの青色光帯域の波長のレーザ光を発する半導体レーザである。レーザ光源201から出射されたレーザ光20は、平行ビームのまま直進し、第1ミラー203で反射される。また、第1ミラー203にて反射されたレーザ光20は、集光レンズ207によって電気光学偏向素子209に集光された後、コリメータレンズ211によって、再度、平行ビーム化される。平行ビーム化されたレーザ光20は、第2ミラー213によって反射され、移動光学テーブル220上に水平に導かれる。
第1ミラー203は、偏光ビームスプリッタで構成され、偏光成分の一方を反射させ、偏光成分の他方を透過させる機能を有する。第1ミラー203を透過した偏光成分は、フォトダイオード205によって光電変換され、光電変換された受光信号は、レーザ光源201に入力される。これにより、レーザ光源201は、入力された受光信号によるフィードバックに基づいてレーザ光20の変調を行うことができる。
電気光学偏向素子209は、レーザ光20の照射位置を制御することが可能な素子である。露光装置200は、電気光学偏向素子209により、移動光学テーブル220上に導かれるレーザ光20の照射位置を変化させることが可能である。
移動光学テーブル220は、ビームエキスパンダ(Beam expader:BEX)221と、対物レンズ223とを備える。移動光学テーブル220に導かれたレーザ光20は、ビームエキスパンダ221により所望のビーム形状に整形された後、対物レンズ223を介して、基材10の外周面に成膜されたレジスト層に照射される。
ここで、ターンテーブル227により基材10を回転させ、レーザ光20を基材10の軸方向に移動させながら、レジスト層へレーザ光20を照射することにより、基材10に対してスパイラル状に露光が行われる。なお、レーザ光20の移動は、移動光学テーブル220を矢印R方向へ移動することによって行われる。
また、露光装置200は、レーザ光20による照射位置を制御するための制御機構230を備える。制御機構230は、フォーマッタ231と、ドライバ233とを備え、レーザ光20の照射を制御する。また、ドライバ233は、フォーマッタ231が生成した制御信号に基づいてレーザ光源201の出力を制御する。
本実施形態に係る露光装置200では、フォーマッタ231が生成するレーザ光20の制御信号、ターンテーブル227の回転数、および移動光学テーブル220の送りピッチなどを制御することにより、ミクロ凹凸構造13に対応する潜像を基材10の軸方向および周方向にランダムに形成することができる。
続いて、図4〜図5Cを参照して、ミクロ凹凸構造13に対応する潜像を軸方向および周方向にランダムにするための露光装置200の制御方法を説明する。図4は、露光装置200においてレーザ光の変調に用いられる制御信号を説明する説明図である。また、図5Aは、比較例に係るレジスト層の潜像の二次元パターンを示す模式図であり、図5Bおよび図5Cは、本実施形態に係るレジスト層の潜像の二次元パターンの一例を示す模式図である。なお、図5A〜図5Cでは、黒色で示した部分が露光により形成された潜像に対応している。
本実施形態に係る原盤の製造方法では、フォーマッタ231が生成する制御信号として、図4に例示する周期的な制御信号Aではなく、図4に例示する所定の範囲で周期性を有しない制御信号Bが用いられる。
ここで、図4に示すような一定周期の矩形波である制御信号Aを用いてレーザ光20を制御して原盤を露光した場合、例えば、図5Aに示すような潜像パターンが形成される。具体的には、図5Aでは、基材10の軸方向(トラック方向)および周方向(ドット方向)に周期的に矩形形状の潜像が形成された潜像パターンが示されている。
一方、図4に示すような所定の範囲で周期性を有しない制御信号Bを用いてレーザ光20を制御して原盤を露光した場合、例えば、図5Bに示すような潜像パターンを形成することができる。具体的には、図5Bでは、基材10の軸方向(トラック方向)および周方向(ドット方向)にランダムな長さおよび間隔で潜像が形成された潜像パターンが示されている。
なお、制御信号Bは、所定の範囲でランダムであれば(周期性を有していなければ)よく、信号すべてがランダムである必要はない。すなわち、制御信号Bは、所定の範囲内でランダムである信号が一定周期で繰り返される信号であってもよい。このような信号としては、例えば、疑似ランダム信号(Pseudo Random Bit Sequence:PRBS)を例示することができる。
ここで、所定の範囲とは、例えば、疑似ランダム信号のランダム長を表す。なお、疑似ランダム信号は、設定されたランダム長内ではランダム性が確保されているものの、マクロな範囲では設定されたランダム長を繰り返している。そのため、疑似ランダム信号の設定したランダム長が過度に短い場合、形成された潜像にてランダム長周期の周期性が見られ、ミクロ凹凸構造13を転写した光学体で回折光が発生してしまうことがある。したがって、疑似ランダム信号のランダム長は、十分に長いことが好ましく、好ましい長さとしては、2の23乗以上である。
また、このような所定の範囲で周期性を有しない制御信号Bを用いてレーザ光20を制御して原盤を露光した場合、形成される潜像の深さをランダムにすることができる。これは、レーザ光20の照射時間が十分長い場合には、レジスト層の下層まで潜像が形成されるものの、レーザ光20の照射時間が短い場合、レーザ光20の時間積分値が小さくなるため、レジスト層の下層まで潜像が形成されず、浅い潜像が形成されるためである。潜像が浅い場合、基材10にミクロ凹凸構造13を形成する際のエッチングにて、ミクロ凹凸構造13の凹凸の振幅が小さくすることができる。よって、このような制御信号Bによれば、基材10に形成されるミクロ凹凸構造13の凹凸の振幅をランダムにすることができる。
また、露光装置200は、ターンテーブル227の回転数、および移動光学テーブル220の送りピッチなどを制御することにより、基材10の軸方向に対するレーザ光20の照射位置の間隔(すなわち、トラックピッチ)を75nm以上350nm以下とすることが好ましい。
基材10の軸方向に対するレーザ光20の照射位置の間隔が過大に広くなった場合、基材10の軸方向において、レーザ光20によるスパイラル状の露光の軌跡に起因した周期性が生じてしまう可能性がある。また、このような場合、原盤1に形成されるミクロ凹凸構造13の凹凸の密度が低下するため、原盤1を用いて製造した光学体の反射防止特性が低下する可能性がある。
そこで、露光装置200は、基材10の軸方向に対するレーザ光20の照射位置の間隔を350nm以下に狭めることで、原盤1に形成されるミクロ凹凸構造13の凹凸の密度を向上させ、製造される光学体の光学特性を向上させることが好ましい。また、露光装置200は、レーザ光20の照射により形成される潜像を隣接トラック間で重なるようにすることで、ミクロ凹凸構造13を隣接トラック間で連続した構造体として形成することが好ましい。このような場合、露光装置200は、潜像パターンから露光の軌跡に起因した周期性を除去することができる。
ただし、基材10の軸方向に対するレーザ光20の照射位置の間隔を過度に狭めた場合、トラックごとの潜像がつながり、可視光波長よりも大きなサイズの潜像が形成されることで、ミクロ凹凸構造13の凹凸の周期が可視光波長よりも大きくなる可能性がある。そのため、基材10の軸方向に対するレーザ光20の照射位置の間隔は、75nm以上とすることが好ましい。
また、露光装置200は、制御信号Bの周波数、およびターンテーブル227の回転数などを制御することにより、制御信号の1ビットに対応する基材10の周方向に対するレーザ光の照射距離(すなわち、1ビットの露光長さ)を0.2μm以下とすることが好ましい。
所定の範囲で周期性を有しない制御信号を用いてレーザ光20を制御する場合、制御信号によっては、基材10の周方向における潜像同士の間隔が大きくなることがある。このような場合、原盤1に形成されるミクロ凹凸構造13の凹凸の密度が低下するため、原盤1を用いて製造した光学体の反射防止特性が低下する可能性がある。また、制御信号によっては、基材10の周方向に可視光波長よりも大きい潜像が形成されることがある。このような場合、原盤1に形成されるミクロ凹凸構造13の凹凸の周期が可視光波長よりも大きくなり、反射防止特性が低下する可能性がある。
そこで、露光装置200は、制御信号の1ビットに対応する基材10の周方向に対するレーザ光20の照射距離を0.2μm以下に制御し、潜像同士の間隔が大きくなったり、基材10の周方向に長い潜像が形成されたりしないようにすることが好ましい。このような場合、露光装置200は、光学体の反射防止特性をさらに向上させることが可能なミクロ凹凸構造13に対応する潜像を原盤1に形成することができる。
なお、制御信号の1ビットに対応する基材10の周方向に対するレーザ光20の照射距離は、特に下限値は限定されない。ただし、基材10の外周面に成膜されたレジストの解像性、制御信号を生成するフォーマッタ231の能力等を考慮すると、基材10の周方向に対するレーザ光20の照射距離は、例えば、40nm以上であってもよい。
さらに、露光装置200は、レーザ光20を制御する制御信号中に、レーザ光20の連続照射距離が閾値を超える信号が含まれている場合、フォーマッタ231を制御することで、該閾値を超える信号が出力されないようにすることが好ましい。このような場合、露光装置200は、可視光波長よりも大きい潜像を形成しないように露光を制御することができるため、光学体の反射防止特性を低下させるようなミクロ凹凸構造13に対応する潜像が原盤に形成されることを防止することができる。
なお、上述したような所定の範囲で周期性を有しない制御信号B、および好ましい露光条件を用いて原盤1を露光した場合、例えば、図5Cに示すような潜像パターンを形成することができる。具体的には、図5Cでは、基材10の軸方向(トラック方向)に連続的に一部がつながり、かつ基材10の周方向(ドット方向)に細かく分割された潜像が形成された潜像パターンが示されている。
以上にて説明した露光方法によれば、露光装置200は、基材10の外周面に成膜されたレジスト層に対して、ミクロ凹凸構造13に対応し、基材10の軸方向および周方向にランダムな潜像を形成することができる。
[1.3.原盤の製造方法]
次に、図6〜図12を参照して、本実施形態に係る原盤の製造方法について説明する。図6〜図12は、本実施形態に係る原盤の製造方法の各工程を説明する断面図である。なお、以下の各工程は、公知の一般的な装置を使用することで実施が可能である。また、各工程における具体的な条件については、一般的な製造条件を適用することが可能であるため、数値等の詳細な記載は省略する。
まず、図6に示すように、例えば、洗浄済みの石英ガラスなどの基材10上に、基材レジスト層15が成膜される。基材10の形状は、例えば、円筒形状または円柱形状であってもよい。
基材レジスト層15は、有機系レジストまたは無機系レジストのいずれも使用することが可能である。有機系レジストとしては、例えば、ノボラック系レジスト、または化学増幅型レジストなどを用いることができる。また、無機系レジストとしては、例えば、タングステン(W)およびモリブデン(Mo)などの1種または2種以上の遷移金属を含む金属酸化物を用いることができる。ただし、基材レジスト層15は、熱反応リソグラフィを行うためには、金属酸化物を含む熱反応型レジストにて形成されることが好ましい。
基材レジスト層15に有機系レジストを使用する場合、基材レジスト層15は、スピンコーティング、スリットコーティング、ディップコーティング、スプレーコーティング、またはスクリーン印刷等を用いることで成膜することができる。また、基材レジスト層15に無機系レジストを使用する場合、基材レジスト層15は、スパッタ法を用いることで成膜することができる。なお、基材レジスト層15の膜厚としては、例えば、20nm以上100nm以下を使用することができる。
次に、図7に示すように、露光装置200により基材レジスト層15が露光され、基材レジスト層15にミクロ凹凸構造13に対応する潜像15Aが形成される。ここで、露光装置200は、上述した露光方法により基材レジスト層15を露光し、基材10の軸方向および周方向にランダムな潜像15Aを形成する。
なお、熱反応リソグラフィにより基材レジスト層15をパターニングする場合、露光装置200は、変調したレーザ光20を基材レジスト層15に対して照射する。これにより、レーザ光20が照射された基材レジスト層15の一部を熱反応により変性させることができるため、基材レジスト層15にミクロ凹凸構造13に対応する潜像15Aを形成することができる。
続いて、図8に示すように、潜像15Aが形成された基材レジスト層15上に現像液が滴下され、基材レジスト層15が現像される。これにより、基材レジスト層15にミクロ凹凸構造13が形成される。なお、図8では、基材レジスト層15がポジ型レジストであり、レーザ光20により露光された潜像15A部分が現像処理により除去された場合を示したが、本発明はこのような例示に限定されない。例えば、基材レジスト層15は、ネガ型レジストであってもよい。このような場合、現像処理により未露光部が除去されるため、レーザ光20にて露光された潜像15A部分が残存したパターンが基材レジスト層15に形成される。
次に、図9に示すように、ミクロ凹凸構造13を包埋するように、基材レジスト層15上に無機レジスト層17が成膜される。無機レジスト層17は、例えば、SiO、Si、DLC(Diamond Like Carbon)、WおよびMoなどの遷移金属、WおよびMoなどの1種または2種以上の遷移金属を含む金属酸化物などを用いて、スパッタ法などにより成膜することができる。なお、無機レジスト層17の膜厚としては、例えば、100nm以上1500nm以下を使用することができる。
本実施形態に係る原盤1の製造方法において、ミクロ凹凸構造13が形成された基材レジスト層15は、後述する工程において、基材レジスト層15上に成膜された無機レジスト層17と同時にエッチングされる。そのため、無機レジスト層17の材質は、エッチングレートが基材レジスト層15と異なるように選択されることが好ましい。例えば、基材レジスト層15が酸化タングステン等の金属酸化物である場合、無機レジスト層17は、SiO、Si、DLCなどであることが好ましい。
一方、無機レジスト層17のエッチングレートが基材レジスト層15のエッチングレートと同じである場合、無機レジスト層17および基材レジスト層15は均等にエッチングされるため、基材レジスト層15に形成されたミクロ凹凸構造13が消失してしまう。したがって、ミクロ凹凸構造13を基材10上に形成するためには、無機レジスト層17のエッチングレートは、基材レジスト層15のエッチングレートと異なることが好ましい。
続いて、図10に示すように、無機レジスト層17上に凹凸の平均周期が可視光波長よりも大きいマクロ凹凸構造11を表面に有する有機レジスト層19が成膜される。有機レジスト層19を形成する有機樹脂は、いかなる有機樹脂も使用可能であるが、例えば、ノボラック系樹脂、およびアクリル系樹脂などの有機樹脂を使用することができる。
ここで、有機レジスト層19は、希釈剤に溶解した有機樹脂を微粒子化して噴霧することにより成膜されることが好ましい。この方法によれば、マクロ凹凸構造11が表面に形成された有機レジスト層19をより薄膜で成膜することができるため、後段のエッチング工程におけるエッチングばらつきを抑制することができる。
具体的には、噴霧中に揮発する溶媒を含む希釈剤にて有機樹脂を希釈し、希釈した有機樹脂を無機レジスト層17上にスプレーコーター等によって噴霧することで有機レジスト層19を成膜することができる。なお、噴霧中に揮発する溶媒としては、アセトン、イソプロピルアルコール、ジメチルエーテル、および酢酸メチルなどの沸点が低い溶媒を使用することができる。また、有機樹脂の希釈率としては、質量比にて、有機樹脂1に対して、希釈剤10以上30以下(すなわち、希釈率10倍以上30倍以下)を使用することができる。
また、有機レジスト層19は、スピンコート法などの塗布法によって無機レジスト層17上に成膜された後に、粗面フィルムのインプリントによる転写、またはサンドブラスト処理などによりマクロ凹凸構造11が形成されてもよい。なお、スピンコート法などの塗布法によって有機レジスト層19を形成する場合、有機レジスト層19の膜厚としては、例えば、50nm以上2000nm以下を使用することができる。
続いて、図11に示すように、マクロ凹凸構造11が形成された有機レジスト層19をマスクにして、無機レジスト層17がエッチングされる。これにより、無機レジスト層17にマクロ凹凸構造11が形成される。本工程における無機レジスト層17のエッチングには、垂直異方性を有するドライエッチングを使用することが好ましく、例えば、反応性イオンエッチング(Reactive Ion Etching:RIE)を使用することが好ましい。一方、ウェットエッチング等の等方性を有するエッチングを使用した場合、無機レジスト層17に形成されるマクロ凹凸構造11の形状が大きく変化してしまう可能性があるため、好ましくない。
また、有機レジスト層19をマスクとする無機レジスト層17のエッチングには、少なくともフッ素原子を含み、炭素原子、フッ素原子、酸素原子および水素原子のうち少なくとも2つ以上を含むエッチングガスが用いられることが好ましい。具体的には、CHF、CH、CF、C、およびCなどのフッ化炭素ガスをエッチングガスとして使用することが可能である。また、上記のエッチングガスにOガス、Hガス、およびArガス等の添加ガスを添加することも可能である。
ここで、無機レジスト層17に形成されるマクロ凹凸構造11の凹凸の高さは、エッチングガスの種類および割合によって制御することが可能である。例えば、エッチングガスに添加するOガスの割合を増加させることにより、無機レジスト層17に形成されるマクロ凹凸構造11の凹凸の高さを減少させることができる。これは、エッチングガス中のOガスの割合が増加した場合、有機レジスト層19のエッチングレートが上昇するためである。
なお、本工程において、無機レジスト層17のエッチング後に、残存する有機レジスト層19を除去することを目的として、Oアッシング処理または有機溶剤による払拭処理が行われてもよい。
次に、図12に示すように、マクロ凹凸構造11が形成された無機レジスト層17、およびミクロ凹凸構造13が形成された基材レジスト層15をマスクにして、基材10がエッチングされる。これにより、基材10に対して、マクロ凹凸構造11およびミクロ凹凸構造13が重畳形成される。本工程における基材10のエッチングには、無機レジスト層17へのエッチングと同様に、垂直異方性を有するドライエッチングを使用することが好ましく、例えば、反応性イオンエッチング(RIE)を使用することが好ましい。一方、ウェットエッチング等の等方性を有するエッチングを使用した場合、ミクロ凹凸構造13が基材10に形成されない可能性が高いため、好ましくない。
また、無機レジスト層17および基材レジスト層15をマスクとする基材10のエッチングには、少なくともフッ素原子を含み、炭素原子、フッ素原子、酸素原子および水素原子のうち少なくとも2つ以上を含むエッチングガスが用いられることが好ましい。具体的には、CHF、CH、CF、C、およびCなどのフッ化炭素ガスをエッチングガスとして使用することが可能である。また、上記のエッチングガスにOガス、Hガス、およびArガス等の添加ガスを添加することも可能である。
なお、無機レジスト層17および基材レジスト層15をマスクとする基材10へのエッチングにおけるエッチングガスと、有機レジスト層19をマスクとする無機レジスト層17へのエッチングにおけるエッチングガスとは、異なるガス種を用いることが好ましい。これは、有機物(有機レジスト層19)をマスクに無機物(無機レジスト層17)をエッチングする工程と、主として無機物(無機レジスト層17および基材レジスト層15)をマスクに石英ガラス等(基材10)をエッチングする工程とでは、適切なエッチングレート比を得るために必要なエッチング条件が異なることが多いためである。
ここで、マクロ凹凸構造11が形成された無機レジスト層17は、基材レジスト層15と同時にエッチングされ、無機レジスト層17に形成されたマクロ凹凸構造11が基材10に形成される。また、基材レジスト層15に形成されたミクロ凹凸構造13は、以下の様態によって、マクロ凹凸構造11と重畳して、基材10に形成される。
具体的には、無機レジスト層17のエッチングレートが、基材レジスト層15のエッチングレートよりも遅い場合、基材レジスト層15のエッチングが先に進行するため、基材レジスト層15と接する基材10が先に露出する。そのため、ミクロ凹凸構造13の凹部に形成された無機レジスト層17をマスクにして、基材10のエッチングが進行する。したがって、基材10には、基材レジスト層15に形成されたミクロ凹凸構造13と凹凸の位置が反転したミクロ凹凸構造13がマクロ凹凸構造11に対して重畳形成される。
また、無機レジスト層17のエッチングレートが、基材レジスト層15のエッチングレートよりも速い場合、無機レジスト層17のエッチングが先に進行するため、無機レジスト層17と接する基材10が先に露出する。そのため、ミクロ凹凸構造13が形成された基材レジスト層15をマスクにして、基材10のエッチングが進行する。したがって、基材10には、基材レジスト層15に形成されたミクロ凹凸構造13と凹凸の位置が同一のミクロ凹凸構造13がマクロ凹凸構造11に対して重畳形成される。
なお、本工程において、マクロ凹凸構造11およびミクロ凹凸構造13が重畳形成された基材10に対して、さらに、残存した無機レジスト層17および基材レジスト層15を除去するための洗浄処理等が行われてもよい。
以上の工程により、本実施形態に係る原盤1が製造される。本実施形態に係る原盤の製造方法によれば、凹凸の平均周期が可視光波長よりも大きいマクロ凹凸構造11と、凹凸の平均周期が可視光波長以下であり、基材10の軸方向および周方向にランダムなミクロ凹凸構造13とが重畳形成された原盤1を製造することができる。
なお、無機レジスト層17は、単層で形成されてもよいが、複数層で形成されてもよい。無機レジスト層17が複数層で形成される場合、無機レジスト層17は、例えば、DLCおよびSiO、DLCおよび金属酸化物、金属酸化物およびSiなどの性質の異なるレジスト同士が積層されて形成されることが好ましい。これにより、基材10に対するエッチング条件の選択の幅を広げることができる。
また、上記では、ミクロ凹凸構造13が形成された基材レジスト層15を包埋するように無機レジスト層17を成膜し、無機レジスト層17および基材レジスト層15を同時にエッチングする方法を示したが、本発明は、かかる例示に限定されない。例えば、ミクロ凹凸構造13が形成された基材レジスト層15をマスクにして先に基材10をエッチングし、その後、ミクロ凹凸構造13が形成された基材10上に無機レジスト層17を成膜してもよい。このような場合、無機レジスト層17は、例えば、基材10上に成膜されたDLC層、およびDLC層上に成膜された金属酸化物(例えば、酸化タングステン)層の複数層にて形成されてもよい。
ただし、先に基材10をエッチングしてミクロ凹凸構造13を形成する場合、基材10に形成されたミクロ凹凸構造13の凹凸の高さは、基材レジスト層15に形成されたミクロ凹凸構造13の凹凸の高さよりも大きくなる。そのため、基材10上に形成されたミクロ凹凸構造13のアスペクト比が大きくなることで、無機レジスト層17の被覆率が低下し、無機レジスト層17に対するエッチングばらつきが生じやすくなるため好ましくない。
一方、ミクロ凹凸構造13が形成された基材レジスト層15上に無機レジスト層17を成膜する場合、基材レジスト層15に形成されたミクロ凹凸構造13の凹凸の高さは、小さくなり、アスペクト比も小さくなる。そのため、無機レジスト層17の被覆率が向上することにより、無機レジスト層17に対するエッチングばらつきが生じにくくなるため、好ましい。
<2.原盤を用いて製造される光学体について>
[2.1.光学体の製造方法]
続いて、本実施形態に係る原盤1を用いて製造される光学体について説明する。本実施形態に係る原盤1を用いて製造される光学体は、例えば、反射防止フィルム、迷光防止フィルムなどとして使用することができる。具体的には、光学体は、本実施形態に係る原盤1の外周面に形成されたマクロ凹凸構造11およびミクロ凹凸構造13を、ロールツーロール方式のナノインプリント法を用いて樹脂基材等に転写することで製造することができる。
以下では、図13を参照して、本実施形態に係る原盤1を用いて光学体を連続的に製造可能な転写装置について説明する。図13は、本実施形態に係る原盤を用いて光学体を製造する転写装置を説明する説明図である。
図13に示すように、転写装置300は、基材供給ロール301と、巻取ロール302と、ガイドロール303、304と、ニップロール305と、剥離ロール306と、塗布装置307と、光源309とを備える。また、転写装置300には、外周面に凹凸構造が形成された原盤1が設置されている。すなわち、図13に示す転写装置300は、ロールツーロール方式のナノインプリント転写装置である。
基材供給ロール301は、シート形態の樹脂基材3がロール状に巻かれたロールであり、巻取ロール302は、原盤1の凹凸構造が転写された樹脂層310を積層した光学体4を巻き取るロールである。また、ガイドロール303、304は、樹脂基材3または光学体4を搬送するロールである。ニップロール305は、樹脂層310が積層された樹脂基材3を原盤1に押圧するロールであり、剥離ロール306は、原盤1の凹凸構造が転写された樹脂層310を積層した光学体4を原盤1から剥離するロールである。
塗布装置307は、コーターなどの塗布手段を備え、光硬化樹脂組成物を樹脂基材3に塗布し、樹脂層310を形成する。塗布装置307は、例えば、グラビアコーター、ワイヤーバーコーター、またはダイコーターなどであってもよい。また、光源309は、光硬化樹脂組成物を硬化可能な波長の光を発する光源であり、例えば、紫外線ランプなどであってもよい。
なお、光硬化性樹脂組成物は、所定の波長の光が照射されることによって硬化する樹脂である。具体的には、光硬化性樹脂組成物は、アクリル樹脂アクリレート、エポキシアクリレートなどの紫外線硬化樹脂であってもよい。また、光硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、開始剤、フィラー、機能性添加剤、溶剤、無機材料、顔料、帯電防止剤、または増感色素などを含んでもよい。
転写装置300では、まず、基材供給ロール301からガイドロール303を介して、樹脂基材3が連続的に送出される。送出された樹脂基材3に対して、塗布装置307により光硬化樹脂組成物が塗布され、樹脂基材3に樹脂層310が積層される。また、樹脂層310が積層された樹脂基材3は、ニップロール305によって原盤1に押圧される。これにより、原盤1の外周面に形成された凹凸構造が樹脂層310に転写される。凹凸構造が転写された樹脂層310は、光源309から光を照射されることで硬化され、硬化した樹脂層310を積層した光学体4は、剥離ロール306により原盤1から剥離された後、ガイドロール304を介して巻取ロール302に送出され、巻き取られる。
このような転写装置300によれば、本実施形態に係る原盤1の外周面に形成されたマクロ凹凸構造11およびミクロ凹凸構造13が転写された光学体を大面積で連続的に製造することができる。
[2.2.光学体の適用例について]
続いて、図14A〜図14Bを参照して、本実施形態に係る原盤により製造された光学体の適用例について説明する。
本実施形態に係る光学体4は、例えば、表示装置または表示板などの表示面に積層される反射防止フィルムとして好適に使用することができる。なお、光学体4のヘイズ値は、20%以上であることが好ましく、40%以上であることがより好ましい。以下では、本実施形態に係る光学体4が反射防止フィルムとして好適である理由を説明する。
第1に、光学体4は、凹凸の平均周期が可視光波長以下の周期的なミクロ凹凸構造を備えることにより、高い反射防止特性を有する。したがって、光学体4は、表示面への入射光の反射を抑制することができるため、表示装置および表示板などに表示される文字および画像の視認性を向上させることができる。
第2に、光学体4は、凹凸の平均周期が可視光波長よりも大きいマクロ凹凸構造を表面に備えることにより、高い防眩特性を有する。したがって、光学体4は、表示装置または表示板などの表示面への外光などの映り込みを抑制することができるため、表示される文字および画像の視認性を向上させることができる。
第3に、光学体4は、好ましくは、20%以上のヘイズ値(すなわち、散乱効率)を有する。光学体4は、高い散乱効率を有することにより、表示装置および表示板と光学体4との界面で発生する内部反射光、および表示装置および表示板からの内部反射光を抑制することができる。また、光学体4のヘイズ値は、40%以上であることがより好ましい。なお、光学体4のヘイズ値の上限値は、特に定めず、100%であってもよい。
さらに、図14Aおよび図14Bを参照して、本実施形態に係る光学体4が内部反射を抑制する機構について説明する。図14Aは、本実施形態に係る光学体4よりも散乱効率が低い光学体4Aを内部反射体5に積層させた場合の入射光の進路を示した説明図である。また、図14Bは、本実施形態に係る光学体4を内部反射体5に積層させた場合の入射光の進路を示した説明図である。なお、内部反射体5とは、例えば、表示装置、表示板などである。
図14Aに示すように、光学体4Aが積層された内部反射体5では、光学体4Aの表面での散乱効率が低いため、強い入射光6Aが入射した場合、入射光6Aの一部が内部反射体5まで到達する。ここで、屈折率が異なる部材の界面では、反射が生じるため、入射光6Aの一部が光学体4Aと内部反射体5との界面51にて反射され、正反射光6Bが発生してしまう。したがって、本実施形態に係る光学体4よりも散乱効率が低い光学体4Aを積層した内部反射体5では、内部反射が十分に抑制できないため、十分に外光の映り込みを抑制することができない。
一方、図13Bに示すように、本実施形態に係る光学体4が積層された内部反射体5では、光学体4の表面での散乱効率が高いため、強い入射光6Aが入射した場合、入射光6Aのほぼすべてを表面で散乱させることができる。これにより、光学体4では、内部反射体5まで到達する入射光6Aを大きく減少させることができるため、光学体4Aと内部反射体5との界面51にて反射される正反射光6Bがほとんど発生しない。したがって、本実施形態に係る光学体4を積層した内部反射体5では、十分に外光の映り込みを抑制することができる。
なお、このような光学体4による内部反射の抑制効果は、屈折率が異なる部材が多数積層された液晶表示装置において、より効果的に発揮される。また、このような光学体4は、強い外光が入射し、表示面への外光の映り込みを抑制する要求が強い車載の表示装置または表示板において、より効果的に使用することができる。
以上にて、本実施形態に係る原盤、および該原盤により製造される光学体について詳細に説明した。
<3.実施例>
以下では、実施例および比較例を参照しながら、本実施形態に係る原盤について、さらに具体的に説明する。なお、以下に示す実施例は、本実施形態に係る原盤およびその製造方法の実施可能性および効果を示すための一条件例であり、本発明に係る原盤およびその製造方法が以下の実施例に限定されるものではない。
[3.1.露光方法の評価]
まず、露光条件を変更しながらレーザ光による露光を行い、本実施形態に係る露光方法によって、ランダムなミクロ凹凸構造を形成可能であることを確認した。
(試験例1)
まず、円筒形状の石英ガラスからなる基材(軸方向長さ480mm×外径直径132mm)の外周面に、酸化タングステンを含む材料にて、基材レジスト層をスパッタ法で約50〜60nm成膜した。次に、図3で示した露光装置により、レーザ光による熱反応リソグラフィを行い、基材レジスト層にランダムなミクロ凹凸構造に対応する潜像を形成した。続いて、露光した基材をNMD3(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド2.38質量%水溶液)(東京応化工業社製)にて現像処理し、基材レジスト層にミクロ凹凸構造を形成した。
なお、露光装置のレーザ光源としては、400nm〜500nmの青色光帯域の波長のレーザ光を発するレーザダイオードを用いた。また、レーザ光の制御信号としては、1秒当たりのビット数が50Mであり、PRBS信号発生器により生成したランダム長が2の23乗である疑似ランダム信号を使用した。また、円筒形基材の回転数を900rpmとし、基材の軸方向送り速度を1.5μm/秒として露光した。この時、露光パターンにおいて、制御信号の1ビットに対応するレーザ光の照射距離は、0.12μmであり、露光パターンのトラックピッチは、100nmであった。
(試験例2)
円筒形基材の回転数を300rpmとし、基材の軸方向送り速度を0.5μm/秒とした以外は、試験例1と同様の条件で露光した。この時、露光パターンにおいて、制御信号の1ビットに対応するレーザ光の照射距離は、0.041μmであり、露光パターンのトラックピッチは、100nmであった。
(試験例3)
基材の軸方向送り速度を2.76μm/秒とした以外は、試験例1と同様の条件で露光した。この時、露光パターンにおいて、制御信号の1ビットに対応するレーザ光の照射距離は、0.12μmであり、露光パターンのトラックピッチは、184nmであった。
(試験例4)
基材の軸方向送り速度を1.125μm/秒とした以外は、試験例1と同様の条件で露光した。この時、露光パターンにおいて、制御信号の1ビットに対応するレーザ光の照射距離は、0.12μmであり、露光パターンのトラックピッチは、75nmであった。
(ミクロ凹凸構造の評価結果)
上記で製造した試験例1〜4に係る評価サンプルを走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)にて20000倍で観察し、ランダムなミクロ凹凸構造が形成されていることを確認した。観察結果を表す画像を図15に示す。図15は、試験例1〜4に係る評価サンプルのSEMによる観察画像である。
図15における試験例1および2の観察画像を参照すると、制御信号の1ビットに対応するレーザ光の照射距離が0.2μm以下である場合、ランダムなミクロ凹凸構造が形成されていることがわかる。また、図15における試験例1、3および4の観察画像を参照すると、トラックピッチ(基材の軸方向に対するレーザの照射位置の間隔)が75nm以上350nm以下である場合、ランダムなミクロ凹凸構造が形成されていることがわかる。
ただし、試験例4の観察画像を参照すると、隣接トラック間での潜像の接続が増加することで、凹凸の周期が可視光波長以上の凹凸構造が増加している。このことから、トラックピッチは、75nm以上が好ましいことがわかる。また、レーザ光のスポット径は、おおよそ300nmであることから、トラックピッチが350nmを超える場合、隣接トラック間での潜像の接続が生じない可能性がある。そのため、トラックピッチは、350nm以下が好ましいことがわかる。
したがって、本実施形態に係る露光方法によれば、凹凸の平均周期が可視光波長以下であるミクロ凹凸構造を基材レジスト層上にランダムに形成することができることがわかる。
[3.2.原盤の評価]
続いて、以下の工程により、本実施形態に係る原盤を製造し、製造した原盤を用いて光学体を製造した。
(実施例1)
まず、円筒形状の石英ガラスからなる基材(軸方向長さ480mm×外径直径132mm)の外周面に、酸化タングステンを含む材料にて、基材レジスト層をスパッタ法で約50〜60nm成膜した。次に、図3で示した露光装置200により、レーザ光による熱反応リソグラフィを行い、基材レジスト層にランダムなミクロ凹凸構造に対応する潜像を形成した。
なお、露光装置のレーザ光源としては、400nm〜500nmの青色光帯域の波長のレーザ光を発するレーザダイオードを用いた。また、レーザ光の制御信号としては、1秒当たりのビット数が50Mであり、PRBS信号発生器により生成したランダム長が2の23乗である疑似ランダム信号を使用した。また、円筒形基材の回転数を900rpmとし、基材の軸方向送り速度を1.5μm/秒として露光した。この時、露光パターンにおいて、制御信号1ビットに対応するレーザ光の照射距離は、0.12μmであり、露光パターンのトラックピッチは、100nmであった。
続いて、基材をNMD3(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド2.38質量%水溶液)(東京応化工業社製)にて現像処理することにより、露光した部分の基材レジストを溶解させ、基材レジスト層にランダムなミクロ凹凸構造を形成した。
次に、ランダムなミクロ凹凸構造を形成した基材レジスト層上にSiOからなる無機レジスト層を1000nm成膜した。なお、無機レジスト層は、Siターゲットを用いた酸素添加スパッタにて成膜した。
続いて、アセトンのみからなる希釈剤にてノボラック系樹脂であるP4210(AZ社製)を質量比で20倍に希釈した溶液を用いて、スプレーコーティングにてP4210を無機レジスト層上に微粒子化しながら噴霧した。これにより、無機レジスト層上にマクロ凹凸構造を備える有機レジスト層を成膜した。
次に、有機レジスト層をマスクにして、CHFガス(30sccm)およびCFガス(30sccm)を用いて、ガス圧0.5Pa、投入電力200Wにて無機レジスト層を20分間エッチングした。続いて、無機レジスト層および基材レジスト層をマスクにして、CHFガス(30sccm)を用いて、ガス圧0.5Pa、投入電力200Wにて基材を120分間エッチングした。
以上の工程により、基材レジスト層に形成されたミクロ凹凸構造と、有機レジスト層に形成されたマクロ凹凸構造とが重畳形成された原盤を製造した。
また、上記で製造した原盤を用いて光学体を製造した。具体的には、図13で示した転写装置300にて、原盤の外周面に重畳形成されたミクロ凹凸構造およびマクロ凹凸構造を紫外線硬化樹脂に転写し、実施例1に係る光学体を製造した。なお、光学体の樹脂基材にはポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた。また、紫外線硬化樹脂は、メタルハライドランプにより、1000mJ/cmの紫外線を1分間照射することで硬化させた。
(実施例2)
露光時の基材の軸方向送り速度を2.76μm/秒とし、基材の軸方向におけるレーザ光の照射間隔を184nmとした以外は、実施例1と同様の方法で実施例2に係る原盤を製造した。また、実施例2に係る原盤を用いて、実施例1と同様の方法で光学体を製造した。
(比較例1)
基材の周方向に沿って円形のドットが約230nmのピッチごとに列(トラック)になって配列され、隣接するトラック同士の間隔が約150nmである六方格子状の周期的配列を露光パターンに用いた以外は、実施例1と同様の方法で比較例1に係る原盤を製造した。また、比較例1に係る原盤を用いて、実施例1と同様の方法で光学体を製造した。
(評価結果)
原盤に形成された凹凸構造が転写された光学体を評価することで、原盤に形成された凹凸構造を評価した。
まず、SEMを用いて、実施例1に係る光学体に形成された凹凸構造を観察した。その結果を図16に示す。図16は、実施例1に係る光学体の表面を倍率50000倍で観察したSEM画像である。なお、画像Aは、光学体を傾斜させずに観察したSEM画像であり、画像Bは、光学体を45度傾斜させて観察したSEM画像である。
図16の画像Aを参照すると、実施例1に係る光学体の表面には、可視光波長以下の大きさのミクロ凹凸構造がランダムに形成されていることがわかる。また、光学体を傾斜させて観察した図16の画像Bを参照すると、実施例1に係る光学体の表面に形成されたミクロ凹凸構造は、振幅(高さ)についてもランダムであることがわかる。
次に、実施例1および比較例1に係る光学体に対して、正反射分光測定を行い、光学体の反射防止特性を評価した。具体的には、光源からの光を直接サンプルに対して照射した後、サンプルからの反射光を球面ミラーにて集光し、集光した反射光を積分球へ導いて多重反射により均質化させて正反射分光を測定した。
実施例1および比較例1に係る光学体に対する正反射分光測定の結果を図17に示す。なお、それぞれの反射率測定には、分光光度計V550(日本分光社製)、および絶対反射率測定器ARV474S(日本分光社製)を用いた。図17は、実施例1および比較例1に係る光学体の正反射分光測定の結果を示すグラフ図である。
図17に示すように、実施例1に係る光学体では、凹凸の周期および振幅がランダムなミクロ凹凸構造が形成されているため、広い波長帯域において、比較例1に係る光学体よりも正反射分光の反射率が低くなっていることがわかる。したがって、実施例1に係る光学体は、比較例1に係る光学体に対して、反射防止特性が向上していることがわかる。
次に、実施例1および比較例1に係る光学体の正反射光の色調を測定し、視感反射率(Y)および反射色度(a,b)を算出した。ここで、正反射光の視感反射率(分光正視感反射率ともいう)は、正反射光の色をYxy表色系にて表した際の(Y,x,y)のうちのY値であり、正反射光の色の明度を表す。また、反射色度(a,b)は、正反射光の色調を表す。
すなわち、視感反射率(Y)が低いほど、正反射光の明度が低く、正反射が抑制されていることを示す。また、反射色度(a,b)が0に近いほど、反射光が色付いておらず、反射光が特定波長の光を選択的に反射していないことを表す。
実施例1および比較例1に係る光学体の正反射光の色調の測定結果を以下の表1に示す。正反射光の色調の測定には、ヘイズメータHM−150(村上色彩技術研究所社製)を用いた。
表1の結果を参照すると、実施例1に係る光学体は、比較例1に係る光学体に対して、視感反射率(Y)が低く、正反射光の色の明度が低くなっていることがわかる。すなわち、実施例1に係る光学体は、比較例1に係る光学体に対して、正反射を抑制することができることがわかる。
また、実施例1に係る光学体は、比較例1に係る光学体に対して、反射色度(a,b)が0に近く、広い波長帯域において、均一に正反射を抑制することができることがわかる。
さらに、実施例1および2、比較例1に係る光学体に対して、回折光の有無を評価した。具体的には、各光学体に対して、入射角75度で光を照射した場合の回折光の有無を評価した。なお、測定には、分光光度計V570(日本分光社製)を用い、ディテクタ角度は、光の入射方向から光学体の表面に対して垂直な方向に向かって5度回転させた方向とした。
実施例1および2、比較例1に係る光学体に対する回折光の分光測定の結果を図18に示す。図18は、実施例1および2、比較例1に係る光学体の回折光の分光測定の結果を示すグラフ図である。
図18に示すように、比較例1に係る光学体は、波長350nm近傍にて顕著に反射率が上昇しており、回折光が発生していることがわかる。一方、実施例1および2に係る光学体は、特定の波長において顕著に反射率が上昇する現象は見られず、回折光が抑制されていることがわかる。
以上の結果から、本実施形態に係る原盤を用いて製造された光学体は、凹凸の平均周期が可視光波長以下であるミクロ凹凸構造がランダムに形成されているため、良好な反射防止特性を有し、かつ回折光を抑制可能であることがわかる。
[3.3.光学体の適用例の評価]
続いて、図19〜図21を参照して、本実施形態に係る光学体を反射防止フィルムとして適用した場合の評価結果について説明する。具体的には、本実施形態に係る光学体を表示装置または表示板に貼付した場合に、表示面への外光の映り込みを防止することができるか否かを評価した。
まず、以下の条件で光学体を製造し、表示装置または表示板に貼り合せて実施例および比較例とした。
なお、表示装置としては、iPodTouch(登録商標)を用いた。また、表示板としては、2.0mm厚のポリカーボネート(PC)板に光学粘着シート(PANAC社製PDS1)を介して黒色に印刷されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを貼付したものを用いた。
(実施例3)
無機レジスト層に酸化タングステンを用い、噴霧による有機レジスト層の形成後、CFガス(30sccm)を用いて、ガス圧0.5Pa、投入電力200Wにて無機レジスト層を10分間エッチングした点を除いては実施例1と同様にして原盤を製造し、さらに光学体を製造した。製造した光学体は、光学粘着シート(PANAC社製PDS1)を介して表示装置または表示板に貼付した。
(実施例4)
噴霧による有機レジスト層の形成後、CHFガス(15sccm)およびCFガス(15sccm)を用いて、ガス圧0.5Pa、投入電力200Wにて無機レジスト層を20分間エッチングした。上記の有機レジスト層の形成および無機レジスト層のエッチングを1サイクルとして、該サイクルを7サイクル繰り返した点を除いては実施例1と同様にして原盤を製造し、さらに光学体を製造した。製造した光学体は、光学粘着シート(PANAC社製PDS1)を介して表示装置または表示板に貼付した。
(実施例5)
上記の有機レジスト層の形成および無機レジスト層のエッチングからなるサイクルの繰り返し回数を3回とした点を除いては実施例4と同様にして原盤を製造し、さらに光学体を製造した。製造した光学体は、光学粘着シート(PANAC社製PDS1)を介して表示装置または表示板に貼付した。
(実施例6)
実施例5に係る光学体をヘイズ値が45%である高ヘイズ粘着剤(試作品)を用いて表示装置または表示板に貼付した。
(比較例2)
ポリエチレンテレフタレートフィルムを基材に用い、ヘイズ値が18%のAG(Antiglare)層をウェットコーティングによって基材の片面に積層した。AG層上に、順にSiO(膜厚3nm)、Nb(膜厚20nm)、SiO(膜厚35nm)、Nb(膜厚35nm)、SiO(膜厚100nm)の多層薄膜をスパッタ法によって成膜することで反射防止層を形成した。以上の工程によって光学体を製造した。製造した光学体は、光学粘着シート(PANAC社製PDS1)を介して表示装置または表示板に貼付した。
(比較例3)
セルローストリアセテート(TAC)フィルムを基材に用い、ヘイズ値が9%のAGハードコート層をウェットコーティングによって基材の片面に積層した。次に、AGハードコート層上に、AGハードコート層よりも屈折率が低く、フィラーを含む樹脂層をウェットコーティングによって積層し、反射防止層を形成した。以上の工程によって光学体を製造した。製造した光学体は、光学粘着シート(PANAC社製PDS1)を介して表示装置または表示板に貼付した。
(比較例4)
比較例1において、基材レジスト層の現像処理後に基材レジスト層をマスクにして、CHFガスを用いて基材をエッチングし、基材の外周面にミクロ凹凸構造を形成した原盤を製造した。また、このようなミクロ凹凸構造のみが形成された原盤を用いて、実施例1と同様の方法で光学体を製造した。製造した光学体は、光学粘着シート(PANAC社製PDS1)を介して表示装置または表示板に貼付した。
(比較例5)
ポリエチレンテレフタレートフィルム上に、ヘイズ値が約23%のアンチグレア層と、ハードコート層とが積層された市販のディスプレイ用防眩フィルムを購入した。購入した防眩フィルムは、光学粘着シート(PANAC社製PDS1)を介して表示装置または表示板に貼付した。
(評価方法)
まず、実施例3〜6、および比較例2〜5に係る光学体の各種光学特性を評価した。
光学体単体の各種光学特性としては、視感反射率(Y)、反射色度(a,b)、光沢度(20°、60°、75°)、全光線透過率、およびヘイズ値を測定した。これらの特性評価には、ヘイズメータHM−150(村上色彩技術研究所社製)を用いた。
以上の光学体単体での評価結果を表2に示す。
表2の結果を参照すると、実施例3〜6に係る光学体は、比較例2〜5に係る光学体に対して、視感反射率(Y)が低く、かつ光沢度も低いため、反射防止特性が高いことがわかる。また、実施例3〜6に係る光学体は、比較例2〜5と同等の全光線透過率を有しており、高い反射防止特性と、高い透明度とが両立していることがわかる。
次に、実施例3〜6、および比較例2〜5にて、光学体が貼付された表示装置または表示板の表示面において、外光の映り込みが抑制されているか否かを評価した。具体的には、光学体が表示面に貼付された表示板または表示装置の視感反射率(Y)および防眩性を評価した。
また、視感反射率(Y)は、ヘイズメータHM−150(村上色彩技術研究所社製)を用いて測定した。
防眩性は、図19で示す方法で評価した。図19は、光学体が表示面に貼付された表示板または表示装置の防眩性を評価する方法を説明する説明図である。
図19に示すように、防眩性は、5mm幅開口のスリット420を介して、蛍光灯410の光を評価サンプル400に映し、蛍光灯410の反射像のぼけ具合を目視にて判定することで評価した。さらに、蛍光灯410の反射像のぼけ具合を撮像装置430にて撮像し、撮像画像を取得した。
ぼけ具合の判定は、5がより良好であり、1が不良である以下の基準を用いた。
5:蛍光灯の光の輪郭が全く判別できない。
4:蛍光灯の光の輪郭がわずかに判別できる。
3:蛍光灯の光はぼやけるが、輪郭はほぼ判別できる。
2:蛍光灯の光はほとんどぼやけず、輪郭も判別できる。
1:蛍光灯の光は全くぼやけず、輪郭も明確に判別できる。
光学体が表示面に貼付された表示板または表示装置の評価結果を表3に示す。また、蛍光灯の反射像画像を図20および図21に示す。図20は、光学体を貼付した表示板における蛍光灯の光の反射像画像であり、図21は、光学体を貼付した表示装置における蛍光灯の光の反射像画像である。なお、図20および図21では、参考として、光学体を貼付していない表示板または表示装置における蛍光灯の光の反射像画像も併せて示した。
表3の結果を参照すると、実施例3〜6に係る光学体は、比較例2〜5に係る光学体に対して、表示板または表示装置に貼付した場合でも、視感反射率が低く、反射が抑制されていることがわかる。
また、図20および図21を参照すると、実施例3〜6に係る光学体は、比較例2〜5に係る光学体に対して、蛍光灯の光の映り込みが顕著に抑制されていることがわかる。
具体的には、比較例4に係る光学体は、ミクロ凹凸構造のみが形成されているため、反射防止特性は高いものの、ヘイズ値は低く、防眩特性は低い。したがって、例えば、強い光が入射した場合、光学体表面での反射は抑制できるものの、表示板または表示装置と、光学体との界面での内部反射光が発生するため、蛍光灯の光が映り込んでしまう。
また、比較例5に係る光学体は、ヘイズ値が高く、防眩特性が高いため、蛍光灯の光の輪郭は判別できなくなっている。ただし、比較例5に係る光学体は、反射防止層が形成されておらず、反射防止特性が低いため、蛍光灯の光が散乱し、全面が白っぽく光っているように視認されてしまう。
また、比較例2および3に係る光学体は、比較例4より防眩特性が高く、かつ反射防止層が形成されているため、蛍光灯の光の映り込みは、輪郭はわずかに判別できる程度に抑制されている。しかし、光学体表面での反射を抑制することはできても、表示板または表示装置と、光学体との界面での内部反射光を抑制することができないため、蛍光灯の光の映り込みが発生している。
一方、実施例3〜6は、高い反射防止特性、および高い防眩特性を有するため、比較例2〜5に対して、蛍光灯の光の映り込みが顕著に抑制されている。特に、光学体表面のヘイズ値が40%以上である実施例3および4は、視認できない程度に蛍光灯の光の映り込みが抑制されている。これは、光学体表面にて入射光が顕著に散乱されるため、視認可能な光強度を有する内部反射光が発生しないためと考えられる。
なお、光学体の光の入射面の裏面に接着剤にてヘイズ(散乱)効果を付与した実施例6は、実施例4に係る光学体よりも光学体全体でのヘイズ値は高いものの、内部反射光による光の映り込みは、実施例4よりも抑制されていなかった。これは、内部反射光による光の映り込みを抑制するためには、特に、光学体の光の入射面表面における散乱性(すなわち、光の入射面のヘイズ値)が重要であることを示していると考えられる。
以上の結果から、本実施形態に係る原盤により製造された光学体は、反射防止フィルムとして好適に使用することができ、特に、強い外光が照射される屋外環境下において、外光の映り込みを顕著に抑制できることがわかる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1 原盤
10 基材
11 マクロ凹凸構造
13 ミクロ凹凸構造
15 基材レジスト層
17 無機レジスト層
19 有機レジスト層
111 山部
113 谷部
131 凸部
133 凹部

Claims (15)

  1. 円筒または円柱形状の基材を含む原盤本体の外周面に、所定の範囲で周期性を有しない制御信号により変調されたレーザを照射することで、凹凸の平均周期が可視光波長以下であるミクロ凹凸構造を前記原盤本体の周方向および軸方向にランダムに形成するステップと、
    前記原盤本体の外周面上にエッチングレジスト層を形成するステップと、
    前記エッチングレジスト層に対して、凹凸の平均周期が可視光波長より大きいマクロ凹凸構造を形成するステップと、
    前記エッチングレジスト層および前記原盤本体をエッチングすることで、前記基材の外周面上に前記ミクロ凹凸構造と、前記マクロ凹凸構造とを重畳して形成するステップと、
    を含む原盤の製造方法。
  2. 前記制御信号の1ビットに対応する前記原盤本体の周方向に対する前記レーザの照射距離は、0.2μm以下である、請求項1に記載の原盤の製造方法。
  3. 前記原盤本体の軸方向に対する前記レーザの照射位置の間隔は、75nm以上350nm以下である、請求項1または2に記載の原盤の製造方法。
  4. 前記エッチングレジスト層は、前記原盤本体の外周面上に形成された無機レジスト層と、前記無機レジスト層上に形成された有機レジスト層とを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の原盤の製造方法。
  5. 前記有機レジスト層をマスクとする前記無機レジスト層へのエッチングと、前記無機レジスト層をマスクとする前記原盤本体へのエッチングとは、異なるガスを用いたドライエッチングで行われる、請求項4に記載の原盤の製造方法。
  6. 前記ドライエッチングは、少なくともフッ素原子を含み、炭素原子、フッ素原子、酸素原子および水素原子のうち少なくとも2つ以上を含むガスを用いた垂直異方性エッチングである、請求項5に記載の原盤の製造方法。
  7. 前記有機レジスト層は、溶媒にて希釈された有機レジストを微粒子化して噴霧することにより形成される、請求項4〜6のいずれか一項に記載の原盤の製造方法。
  8. 前記原盤本体は、前記基材と、前記基材の外周面上に形成された基材レジスト層とで構成されており、
    前記ミクロ凹凸構造は、前記基材レジスト層に形成され、
    前記無機レジスト層は、前記ミクロ凹凸構造を包埋するように前記基材レジスト層上に形成され、
    前記基材レジスト層は、前記無機レジスト層と同時にエッチングされる、請求項4〜7のいずれか一項に記載の原盤の製造方法。
  9. 前記基材レジスト層のエッチングレートは、前記無機レジスト層のエッチングレートと異なる、請求項8に記載の原盤の製造方法。
  10. 前記原盤本体は、前記基材で構成されており、
    前記ミクロ凹凸構造は、前記基材に形成される、請求項4〜7のいずれか一項に記載の原盤の製造方法。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の製造方法により製造された原盤を用い、樹脂基材に対して前記原盤の外周面に形成された前記ミクロ凹凸構造および前記マクロ凹凸構造を転写した、光学体。
  12. ヘイズ値が20%以上である、請求項11に記載の光学体。
  13. 請求項11または12に記載の光学体を基板表面に積層した、光学部材。
  14. 請求項11または12に記載の光学体を表示面上に積層した、表示装置。
  15. 樹脂基材の表面に形成され、凹凸の平均周期が可視光波長より大きいマクロ凹凸構造と、前記マクロ凹凸構造に重畳され、凹凸の平均周期が可視光波長以下であるランダムに形成されたミクロ凹凸構造とを備え、ヘイズ値が20%以上である光学体と、
    前記光学体を表示面上に積層した表示パネルと、
    を備える表示装置。

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