図1〜図6に示すように、パチンコ遊技機1には、遊技場の島構造に取り付けられる外枠(図示略)に開閉枠2(内枠2)が開閉自在に装着され、開閉枠2に開閉扉3が開閉自在に装着されている。開閉扉3に窓3aが形成され、その窓3aに透明板3bが装着されている。開閉枠2の左端部に開閉扉3の左端部が鉛直軸心回りに回動自在に支持され、開閉扉3の右端部に、開閉扉3を開閉枠2に施錠するキーシリンダ3cが装着されている。開閉枠2に遊技盤4が装着され、遊技盤4(遊技盤4と透明板3bとの間)に遊技球が流下可能な遊技領域4aが形成され、その遊技領域4aが開閉扉3により開閉される。
開閉扉3には、窓3aの下側に遊技球を貯留する貯留皿5が設けられ、貯留皿5に遊技者が操作可能な演出ボタンSW6aと十字ボタンSW6bとエンターボタンSW6c(「SW」はスイッチを意味する)とを有する演出操作装置6が装着され、貯留皿5の右下側に遊技者が操作可能な発射ハンドル7が装着されている。発射ハンドル7が回動操作されると、貯留皿5から発射位置に導入された遊技球が発射され、貯留皿5に複数の遊技球が貯留されている場合には、複数の遊技球が約0.6 秒間隔で連続発射される。発射された遊技球は2本のガイドレール8a,8bにより形成された発射通路8を通って、その発射通路8の下流端(上端)から遊技領域4aの上部に導入される。
図2〜図7に示すように、遊技領域4aには、多数の障害釘10と、非開閉式の第1始動口11(所定領域11)と、開閉式の第2始動口12aを有する第2始動口装置12と、ゲート13と、開閉式の大入賞口14aを有する大入賞口装置14と、複数(4つ)の非開閉式の一般入賞口15(15α)と、振分ユニット16(振分装置16、スタート安定化装置16)が、夫々遊技球が通過(入球・入賞)可能に図示の配置で設けられている。多数の障害釘10は、それらの後端を遊技盤4に挿入状に固定して設けられている。
第1始動口11、ゲート13、複数の一般入賞口15には、夫々、そこに入賞した遊技球を検出する第1始動口SW11a、ゲートSW13a、複数の一般入賞口SW15aが付設されている。内側のガイドレール8aには、発射通路8の下流端を通過する遊技球に接触して動かされる可動片8cが設けられ、その可動片8cの動きによって、遊技領域4aに発射された遊技球を検出する発射球検出SW8dが設けられている。
第2始動口装置12は、第2始動口12aと、第2始動口12aを開閉する開閉部材12bと、第2始動口12aに入賞した遊技球を検出する第2始動口SW12cと、開閉部材12bを開閉駆動する第2始動口SOL12d(「SOL」はソレノイドアクチュエータを意味する)とを有し、第2始動口12aは、開閉部材12b及び第2始動口SOL12dによって、通常は遊技球が入賞し難い(入賞不可能な)閉状態となり、この閉状態と遊技球が入賞し易い開状態とに作動し得る。
大入賞口装置14は、大入賞口14aと、大入賞口14aを開閉する開閉部材14bと、大入賞口14aに入賞した遊技球を検出する大入賞口SW14cと、開閉部材14bを開閉駆動する大入賞口SOL14dとを有し、大入賞口14aは、開閉部材14b及び大入賞口SOL14dによって、通常は遊技球が入賞し難い(入賞不可能な)閉状態となり、この閉状態と遊技球が入賞し易い開状態とに作動し得る。
遊技球が入賞口11,12a,14a,15の何れかに入賞した場合、遊技球1個の入賞につき入賞口11,12a,14a,15毎に設定された数(数個〜10数個)の遊技球が賞球として貯留皿5に払出される。遊技球が始動口11,12aの何れかに入賞した場合に大当り抽選が行われ、その大当り抽選に当選した場合、大入賞口14aが開放する大当り遊技が発生する。遊技球がゲート13を通過した場合に当り抽選が行われ、その当り抽選に当選した場合、第2始動口12aが開放する補助遊技が発生する。
遊技領域4aに発射された遊技球は、入賞口11,12a,14a,15の何れかに入賞すると、そこから遊技領域4a外へ排出されて回収され、また、入賞口11,12a,14a,15の何れにも入賞しないと、最終的に、遊技領域4aの下端部に設けた排出口9から遊技領域4a外へ排出されて回収される。
遊技盤4にはセンタ役物20が取り付けられ、そのセンタ役物20に遊技演出用の画像表示器21(液晶表示器21)及び可動役物22が付設されている。センタ役物20は、その枠体20aが遊技盤4に比較的大きく形成されたセンタ開口部(図示略)に嵌合装着され、センタ役物20の下部には遊技球が転動する中央ステージ20bが設けられている。中央ステージ20bは皿状に湾曲した断面形状をなし、中央ステージ20bを転動する遊技球は、その中央ステージ20bの左右2つの最下部近傍の前側に形成された左右2つの落下開口20cの何れかから前方へ出て落下する。
遊技盤4の後側に液晶ユニット23(図4〜図6参照)が設けられ、その液晶ユニット23の矩形枠状の液晶ベース24に画像表示器21が取り付けられると共に、その液晶ベース24が可動役物22を収容した状態で遊技盤4に固定されている。画像表示器21は、画面をパチンコ遊技機1の前側からセンタ役物20の枠体20aの内側を通して視認可能に配置され、その画像表示器21には主に遊技演出が表示される。可動役物22は、画像表示器21に表示される所定の遊技演出の一環として作動して、役物部材(図示略)を画像表示器21の画面前側において動作させる。
遊技盤4の左下部に遊技表示盤25が設けられ、その遊技表示盤25は、第1特別図柄表示器25a、第2特別図柄表示器25b、普通図柄表示器25c、第1特別図柄保留ランプ25d、第2特別図柄保留ランプ25e、普通図柄保留ランプ25fを備えている。
第1特別図柄表示器25aには第1特別図柄が変動可能に表示され、第1特別図柄保留ランプ25dには第1特別図柄保留数が表示され、その第1特別図柄保留数は4未満の場合に第1始動口11に遊技球が入賞する毎に1加算される。第2特別図柄表示器25bには第2特別図柄が変動可能に表示され、第2特別図柄保留ランプ25eには第2特別図柄保留数が表示され、その第2特別図柄保留数は4未満の場合に第2始動口12aに遊技球が入賞する毎に1加算される。
第1,第2特別図柄が変動停止状態で、第1特別図柄保留数が1以上の場合、第2特別図柄保留数が0の場合には、第1特別図柄保留数が1減算されて第1特別図柄が変動開始され、その後の停止図柄で大当り抽選の結果が表示される。第1,第2特別図柄が変動停止状態で、第2特別図柄保留数が1以上の場合、第1特別図柄保留数に関わらず、第2特別図柄保留数が1減算されて第2特別図柄が変動開始され、その後の停止図柄で大当り抽選の結果が表示される。
普通図柄表示器25cには普通図柄が変動可能に表示され、普通図柄保留ランプ25fには普通図柄保留数が表示され、その普通図柄保留数は4未満の場合にゲート13を遊技球が通過する毎に1加算される。普通図柄が変動停止状態で、普通図柄保留数が1以上の場合、普通図柄保留数が1減算されて普通図柄が変動開始され、その後の停止図柄で当り抽選の結果が表示される。
また、遊技盤4には、ガイドレール8aの内側であって、遊技領域4a1のうち遊技球が流下しない領域に状態表示器28が設けられている。具体的に、状態表示器28は、後述の振分ユニット16の下側において、ガイドレール8aに近接させ、後述の張出部材47の配置を利用して、張出部材47と一体的に、或いは張出部材47の近傍に配置されている。この状態表示器28には、第1,第2特別図柄、及び普通図柄の状態(変動の有無)と、第1,第2特別図柄保留数、及び普通図柄保留数が表示される。
パチンコ遊技機1の制御系について説明する。
図7に示すように、制御装置30は、遊技制御基板31、払出制御基板32、演出制御基板33、画像制御基板34、ランプ制御基板35を備え、これら制御基板31〜35に夫々CPUとROMとRAMを含むコンピュータを備えて構成され、演出制御基板33は更にRTC(「RTC」はリアルタイムクロックを意味する)を備えている。
遊技制御基板31のコンピュータは、第1,第2始動口SW11a,12c、ゲートSW13a、大入賞口SW14c、複数の一般入賞口SW15a、発射球検出SW8d、後述の2つの第1球検出SW55,56、後述の第2球検出SW57からの信号、払出制御基板32からの制御情報を受けて情報処理を行い、第2始動口SOL12d、大入賞口SOL14d、図柄表示器25a〜25c、図柄保留ランプ25d〜25fを制御し、払出制御基板32、演出制御基板33に制御情報を出力し、また、外部出力基板36から遊技機1外の遊技場に設置されたホールコンピュータHCに遊技機情報を出力する。
払出制御基板32のコンピュータは、遊技制御基板31からの制御情報、払出球検出SW32b、球有り検出SW32c、満タン検出SW32dからの信号を受けて情報処理を行い、払出モータ32aを制御し、遊技制御基板31に制御情報を出力する。演出制御基板33のコンピュータは、遊技制御基板31、画像制御基板34、ランプ制御基板35からの制御情報、演出操作装置6(演出ボタンSW6a、十字ボタンSW6b、エンターボタンSW6c)からの信号を受けて情報処理を行い、状態表示器28を制御し、画像制御基板34、ランプ制御基板35に制御情報を出力する。
画像制御基板34のコンピュータは、演出制御基板33からの制御情報を受けて情報処理を行い、遊技演出用の画像表示器21、スピーカ38を制御し、演出制御基板33に制御情報を出力する。ランプ制御基板35のコンピュータは、可動役物22(原点SW)からの信号、演出制御基板33からの制御情報を受けて情報処理を行い、遊技演出用の枠ランプ39a、盤ランプ39b、可動役物22(電動モータ)を制御し、演出制御基板33に制御情報を出力する。
払出制御基板32に発射制御基板37が接続され、その発射制御基板37に設けられた発射制御回路37aが、発射ハンドル7(図示略のタッチセンサ、発射ボリューム等)からの信号を受けて、球送りSOL7a、発射SOL7bを制御する。これにより、遊技者が発射ハンドル7を回動操作すると、約0.6 秒間隔で、球送りSOL7aにより貯留皿5に貯留された遊技球が発射位置に導入されると共に、発射SOL7bにより発射位置に導入された遊技球が発射されるが、発射ハンドル7の操作量を調節することにより、遊技球をその発射強度を調節して遊技領域4aに発射させることができる。
遊技領域4aについて説明する。
図2〜図6に示すように、遊技領域4aは、センタ役物20の左側にある左遊技領域4a1と、センタ役物20の右側にある右遊技領域4a2と、センタ役物20の下部及びその下側にある下遊技領域4a3とを有し、左遊技領域4a1に、振分ユニット16が設けられ、右遊技領域4a2に、第2始動口12a、ゲート13が設けられ、下遊技領域4a3に、第1始動口11、大入賞口14a、複数の一般入賞口15が設けられている。
左遊技領域4a1を流下する遊技球は、振分ユニット16を通過(流下)して、更に下遊技領域4a3を流下して、第1始動口11、一般入賞口15に入球可能であり、一方、第2始動口12a、ゲート13、大入賞口14aには基本的に入球不可能である。右遊技領域4a2を流下する遊技球は、第2始動口12a、ゲート13に入球可能で、更に下遊技領域4a3を流下して、大入賞口14a、一般入賞口15に入球可能であり、一方、第1始動口11には基本的に入球不可能である。
前記のように、遊技者は、発射ハンドル7の操作量を調節することにより、遊技球をその発射強度を調節して遊技領域4aに発射させることができ、依って、遊技球が左遊技領域4a1を流下するように、遊技球を比較的弱い弱発射強度で発射させる所謂「左打ち」、及び遊技球が右遊技領域4a2を流下するように、遊技球を比較的強い強発射強度で発射させる所謂「右打ち」の何れかの打ち方を選択して遊技を行うことができる。尚、遊技領域4aに発射された遊技球が、センタ役物20の頂部20dをその左側から右側へ超えないと、左遊技領域4a1を流下する(つまり「左打ち」を行う)ことになり、頂部20dをその左側から右側へ超えると、その頂部20dの近傍から右方へ下りながら延びる領域移動通路20eを通って、右遊技領域4a2を流下する(つまり「右打ち」を行う)ことになる。
図2〜図6、図8〜図16を参照して、「左打ち」により遊技球が流下する左遊技領域4a1、振分ユニット16、下遊技領域4a3の中央部及び左部について説明する。先ず、左遊技領域4a1には障害釘10が設けられておらず、左遊技領域4a1の上部に発射通路8の下流端が臨み、左遊技領域4a1の下部に振分ユニット16が設けられている。
図2〜図6、図8に示すように、左遊技領域4a1の上部は、その内周側端縁が、センタ役物20に設けられた第1,第2傾斜壁20f,20gにより仕切られている。第1傾斜壁20fは、センタ役物20に設けられた頂部20cから左下方へ傾斜状に延び、第2傾斜壁20gは、第1傾斜壁20fの左下端から第1傾斜壁20fよりも緩やかに左下方へ傾斜状に延びている。
左遊技領域4a1の上部には、遊技球が接触して流下方向を変えられる複数(3つ)の塊状の障害凸部40,41,42が設けられ、これら複数の障害凸部40,41,42は、互いに遊技球が通過可能な間隔を空けて、また、第1,第2傾斜壁20f,20g、及び、左遊技領域4a1の上部の外周側端縁を仕切るガイドレール8a,8bに対しても、遊技球が通過可能な間隔を空けて配置されている。これら複数の障害凸部40,41,42は遊技盤4に固定的に設けられている。
左遊技領域4a1の上部は、その下側部分において、左遊技領域4a1の下部との境界に向かって下窄みとなり、その境界及び境界近傍に、左遊技領域4a1の上部を流下した全ての遊技球を通過させて、略同一位置から略垂直に落下させるように左遊技領域4a1の下部へ導入する通過通路43が形成されている。この通過通路43は、センタ役物20に第2傾斜壁20gの左下端から下方へ延びるように設けられた縦壁20hと、遊技盤4に固定的に設けられた翼形状の案内壁44の上側縦壁44aにより10数mm(例えば、約13〜15mm)の左右幅で形成されている。
図2〜図6、図9〜図13に示すように、振分ユニット16は、左遊技領域4a1の下部に、その左右略全幅にわたって設けられ、左遊技領域4a1の上部を流下して通過通路43から左遊技領域4a1の下部に導入された遊技球、つまり左遊技領域4a1を流下する遊技球は全て振分ユニット16を通過(流下)する。
振分ユニット16は、「左打ち」を行うことにより、所定個(約18個)の遊技球が左遊技領域4a1に発射されると、そのうちの1個の遊技球が第1始動口11に入賞可能に複数の遊技球を振り分ける、つまり、複数の遊技球を第1始動口11へ誘導可能な側と第1始動口11以外へ誘導可能な側とに約1:17の比率で振り分け可能で、遊技球の第1始動口11への入賞を安定させて行うスタート安定化装置16である。
振分ユニット16は、左遊技領域4a1を流下する遊技球を導入可能な第1の導入口50aを有し、その第1の導入口50aから導入された遊技球を誘導可能に設けられた第1の誘導通路50と、左遊技領域4a1を流下する遊技球を導入可能な第2の導入口51aを有し、その第2の導入口51aから導入された遊技球を誘導可能に設けられた第2の誘導通路51と、第1の誘導通路50内に上流側から下流側へ段階的に設けられた複数の振分手段52〜54(1段目の第1振分手段52、2段目の第2振分手段53、3段目の第3振分手段54)であって、第1の誘導通路50により誘導される複数の遊技球を段階的に振り分け可能で、第1始動口11へ誘導可能な側と第1始動口11以外へ誘導可能な側(第1始動口11へ誘導可能でない側)とに夫々振り分け可能な複数の振分手段52〜54とを備えている。
第1の導入口50aは、振分ユニット16の上方へ10数mm(例えば、約13〜15mm)の左右幅で開口するように形成されて、通過通路43の下方に配置され、通過通路43を通過した殆どの遊技球は第1の導入口50aから第1の誘導通路50に導入される。第2の導入口51aは、第1の導入口50aの左下側において振分ユニット16の上方へ10数mm(例えば、約13〜15mm)の左右幅で開口するように形成され、第1の導入口50aに入球しない遊技球は全て第2の導入口51aから第2の誘導通路51に導入される。
案内壁44の上側縦壁44aの下端と第1の導入口50aの左端との間に、通過通路43に左側から臨むサイド通路口45が、10数mm(例えば、約13〜15mm)の上下幅で形成され、第1の導入口50aに入球しない遊技球は、このサイド通路口45を通って、振分ユニット16の後述のベース上部61と、案内壁44の下側傾斜壁44b及び内側のガイドレール8aにより形成された案内通路46により第2の導入口51aに案内される。
第1の誘導通路50は、第1の導入口50aから下流側へ延びる導入通路50bと、導入通路50bからその下流側へ左右に分岐して延びる第1アウト通路50c及び第1セーフ通路50dと、第1セーフ通路50dからその下流側へ左右に分岐して延びる第2アウト通路50e及び第2セーフ通路50fと、第2セーフ通路50fからその下流側へ左右に分岐して延びる第3アウト通路50g及び第3セーフ通路50hとを有する。
第2の誘導通路51は第1の誘導通路50の左側に設けられ、第2の誘導通路51の下流端が振分ユニット16の下方へ開口している。第1の誘導通路50において、第1アウト通路50cの下流端が第2の誘導通路51に接続され、第2,第3アウト通路50e,50gの下流端が振分ユニット16の下方へ夫々開口し、第3セーフ通路50hの下流端が振分ユニット16の下部において右方へ開口している。
第1振分手段52(上流側振分手段52)は、非電動式(メカ式)の振分手段52であり、その振分部材70が導入通路50b(第1の誘導通路50のうち第2振分手段53よりも上流側にある上流側通路部50b)内に設けられ、その導入通路50bにより誘導される複数の遊技球を、第1アウト通路50c(第2,第3振分手段53,54と第1始動口11へ誘導可能でない側)と第1セーフ通路50d(第2,第3振分手段53,54と第1始動口11へ誘導可能な側)とに1:1の比率で振り分ける。
第1振分手段52は、第1の誘導通路50の導入通路50b(第1振分手段52)よりも下流側において遊技球が滞留しないように予防する第1滞留予防手段52となり、第2振分手段53による遊技球の正常な振り分けを行わせ得るように機能する。
第2振分手段53(振分手段53)は、非電動式の振分手段53であり、その振分部材80等が第1セーフ通路50d(第1の誘導通路50のうち第1振分手段52よりも下流側且つ第3振分手段54よりも上流側にある通路部50d)内に設けられ、その第1セーフ通路50dにより誘導される複数の遊技球を、第2アウト通路50e(第3振分手段54と第1始動口11へ誘導可能でない側)と第2セーフ通路50f(第3振分手段54と第1始動口11へ誘導可能な側)とに2:1の比率で振り分ける。
第2振分手段53は、第1の誘導通路50の第1セーフ通路50d(第2振分手段53)よりも下流側において遊技球が滞留しないように予防する第2滞留予防手段53となり、第3振分手段54による遊技球の正常な振り分けを行わせ得るように機能する。
第3振分手段54(下流側振分手段54)は、非電動式の振分手段54であり、その振分部材80等が第2セーフ通路50f(第1の誘導通路50のうち第2振分手段53よりも下流側にある下流側通路部50f)内に設けられ、その第2セーフ通路50fにより誘導される複数の遊技球を、第3アウト通路50g(第1始動口11へ誘導可能でない側)と第3セーフ通路50h(第1始動口11へ誘導可能な側)とに2:1の比率で振り分ける。
振分ユニット16は、第1振分手段52により第1アウト通路50cへ振り分けられた遊技球と第1セーフ通路50dへ振り分けられた遊技球を夫々検出する左右2つの第1球検出SW55,56と、第2振分手段53により第2セーフ通路50fへ振り分けられた遊技球を検出する第2球検出SW57とを備えている。
振分手段52〜54による所期の振り分けが行われているか否かを判断するために、第1球検出SW55,56と遊技制御基板31のコンピュータにより、第1の導入口50aから第1の誘導通路50に導入された遊技球及びその数を検知可能な第1検知手段58が構成され、第1始動口SW11aと第1球検出SW55,56と第2球検出SW57と遊技制御基板31のコンピュータにより、第1振分手段52により第1アウト通路50cへ振り分けられた遊技球及びその数、第1振分手段52により第1セーフ通路50dへ振り分けられた遊技球及びその数、第2振分手段53により第2セーフ通路50fへ振り分けられた遊技球及びその数、第3振分手段54により第3セーフ通路50hへ振り分けられた(つまり第1始動口11に入賞した)遊技球及びその数を検知可能な第2検知手段59が構成されている(図7参照)。
遊技制御基板31又は演出制御基板33のコンピュータ(又はホールコンピュータHC)により、第1,第2検知手段58,59による検知情報に基づいて、詳しくは、第1検知手段58により検知された遊技球の数、及び第2検知手段59により検知された遊技球の数に基づいて、第1の導入口50aから第1の誘導通路50に導入された複数の遊技球が予め決められた割合(約1/18)で第1始動口11へ誘導されたか否かを判断可能に構成されている。
振分ユニット16は、互いに連結されたケース状のベース上部61とベース下部62を含み、これら61,62によって第1,第2の誘導通路50(50a〜50h),51を形成するベース部材60を有し、センタ役物20とベース部材60とが連結され一体化されて遊技盤4に取り付けられている。
ベース上部61とベース下部62は、夫々、後ケース部61a,62aと、後ケース部61a,62aの前側を覆い、且つ誘導通路50,51内を透視可能な透明又は半透明な前ケース部61b,62bとを有する。
ベース上部61に、第1の誘導通路50の導入口50a、導入通路50b、第1アウト通路50c及び第1セーフ通路50dの一部が形成されて、第1振分手段52、第1球検出SW55,56が装着され、ベース下部61に、第1の誘導通路50の第1アウト通路50c及び第1セーフ通路50dの一部、第2アウト通路50e、第2セーフ通路50f、第3アウト通路50g、第3セーフ通路50h、第2の誘導通路51が形成されて、第2,第3振分手段53,54、第2球検出SW57が装着されている。ここで、振分ユニット16において、透明な前ケース部61b,62bの裏面側を遊技球が流下するように、誘導通路50,51を形成することで、遊技領域4a1において障害釘10を有する釘打ち領域を減少させることができる。
第1振分手段52について詳しく説明する。
図9〜図12等に示すように、第1振分手段52は、導入通路50b内に、且つ第1の導入口50aの下方に配置されて、ベース上部61に前後方向の軸心回りに回動自在に支持された振分部材70と、振分部材70の下側に位置するようにベース上部61(前ケース部61b)に形成された回動規制部71と、ベース上部61(後ケース部61a)に取り付けられた固定磁石72と、振分部材70に取り付けられた可動磁石73とを有する。
振分部材70は、案内羽根70aと左右の切換羽根70b,70cとを有し、右切換羽根70cが回動規制部71に係合した状態で、振分部材70がアウト振分位置になって、左切換羽根70bを第1アウト通路50c側に張り出して、案内羽根70aを上方斜め右側に向けた右傾斜姿勢になり、左切換羽根70bが回動規制部71に係合した状態で、振分部材70がセーフ振分位置になって、右切換羽根70cを第1セーフ通路50d側に張り出して、案内羽根70aを上方斜め左側に向けた左傾斜姿勢になる。
振分部材70がアウト振分位置にあるときに、導入通路50bを流下する遊技球は案内羽根70aに接触して第1アウト通路50cに案内され、左切換羽根70bを押動しながら落下し、振分部材70をアウト振分位置からセーフ振分位置に回動させて切り換える。振分部材70がセーフ振分位置にあるときに、導入通路50bを流下する遊技球は案内羽根70aに接触して第1セーフ通路50dに案内され、右切換羽根70cを押動しながら落下し、振分部材70をセーフ振分位置からアウト振分位置に回動させて切り換える。
このように、導入通路50bを遊技球が1個流下する毎に、振分部材70がアウト振分位置からセーフ振分位置へ、又はセーフ振分位置からアウト振分位置へ切り換えられ、つまり、第1振分手段52は、導入通路50bにより誘導される複数の遊技球を第1アウト通路50cと第1セーフ通路50dとに1:1の比率で振り分ける。
固定磁石72と可動磁石73とは互いに反発するように、そして、振分部材70が案内羽根70aを上方へ向けた中立位置にあるときに、その反発力が最大になるように、つまり磁石72,73が最接近するように配設されている。この磁石72,73によって、振分部材70は、中立位置よりもアウト振分位置側へ位置するときには、アウト振分位置へ回動付勢され、中立位置よりもセーフ振分位置側へ位置するときには、セーフ振分位置へ回動付勢される。依って、振分部材70は、アウト振分位置又はセーフ振分位置への切り換えられると、その位置に確実に停止し、ガタつかないように安定的に保持される。
第2振分手段53について詳しく説明する。
図9〜図11、図13等に示すように、第2振分手段53は、第1セーフ通路50d内に配置されて、ベース下部62に前後方向の軸心回りに回動自在に支持された振分部材80と、第1セーフ通路50dを流下する遊技球から動力を得て振分部材80を作動させる振分作動機構81とを有する。振分部材80は、上方に向く鉛直姿勢になって、第2アウト通路50eを開け第2セーフ通路50fを閉じるアウト振分位置になり、上方斜め左側に向く左傾斜姿勢になって、第2アウト通路50eを閉じ第2セーフ通路50fを開けるセーフ振分位置になる。
振分部材80がアウト振分位置にあるときに、第1セーフ通路50dを流下する遊技球は第2アウト通路50eに案内され、振分部材80がセーフ振分位置にあるときに、第1セーフ通路50dを流下する遊技球は振分部材80上を転動して第2セーフ通路50fに案内される。
振分部材80がアウト振分位置にあるとき、第1セーフ通路50dを遊技球が2個流下すると、振分部材80がセーフ振分位置に切り換えられ、振分部材80がセーフ振分位置にあるとき、第1セーフ通路50dを遊技球が1個流下すると、振分部材80がアウト振分位置に切り換えられるように、つまり、第1セーフ通路50dにより誘導される複数の遊技球を第2アウト通路50eと第2セーフ通路50fとに2:1の比率で振り分けるように、振分作動機構81が振分部材80を作動させる。
振分作動機構81は、振分部材80に固定的に設けられたウエイト82と、同じく振分部材80に固定的に設けられた作動アーム83と、振分部材80の上側に設けられ、ベース下部62に前後方向の軸心回りに回動自在に支持された回動部材84と、ベース上部61(後ケース部61a)に取り付けられた固定磁石85と、回動部材84に取り付けられた3つの可動磁石86とを有する。
ウエイト82は、振分部材80の軸部分から径方向外側へ延びるように設けられ、振分部材80がセーフ振分位置からアウト振分位置へ向かう方向(右回り方向)のモーメントを常時発生させる。作動アーム83は、振分部材80の軸部分から径方向外側へ回動部材84の方へ延びて、回動部材84に作動的に係合可能に設けられている。
回動部材84は、第1セーフ通路50dに臨むベース下部62の後面壁に形成された円形穴に回動自在に嵌合された円板部84aと、円板部84aに固定的に設けられ、円板部84aの中央部分から前方へ突出して第1セーフ通路50d内(振分部材80よりも上流側)に配置されたボス部84b及び3つの羽根部84cと、円板部84aに固定的に設けられ、円板部84aの外周部分から後方へ突出して作動アーム83の先端部分に係合可能な係合部84dとを有する。
円板部84a及びボス部84bは、その中心を回動部材84の回動中心に一致させて設けられ、3つの羽根部84cは、回動部材84の回動中心回りに120度間隔おきに、且つボス部84bから径方向外側へ突出するように設けられている。遊技球は、第1セーフ通路50dにおいて、ボス部84bの右側を流下するように誘導される。
回動部材84は、3つの羽根部84cの何れか1つをボス部84bから右方へ延びる水平姿勢にして所定の停止位置になり、このとき、第1セーフ通路50d(ボス部84bの右側)を流下する遊技球は、その1つの羽根部84cを押動しながら落下して、回動部材84を右回りに120度回動させて次の所定の停止位置に切り換える。つまり、第1セーフ通路50dを遊技球が1個流下する毎に、回動部材84が120度回動して、第1セーフ通路50dを遊技球が3個流下すると、回動部材84は1回転する。
係合部84dが作動アーム83に係合していない状態で、振分部材80がアウト振分位置になり、回動部材84が所定の3つの停止位置のうちの1の特定停止位置へその前の停止位置から切り換えられるときに、係合部84dが作動アーム83に係合して、振分部材80がアウト振分位置からセーフ振分位置へ切り換えられ、回動部材84が特定停止位置からその次の停止位置から切り換えられるときに、係合部84dが作動アーム83から係合解除して、振分部材80がセーフ振分位置からアウト振分位置へ切り換えられる。
このように、第1セーフ通路50dを遊技球が3個流下すると、回動部材84は1回転するが、その3個の遊技球のうちの1個の遊技球だけが、回動部材84を特定停止位置へ、即ち振分部材80をセーフ振分位置へ切り換えて、第2セーフ通路50fに振り分けられ、残り2個の遊技球は第2アウト通路50eに振り分けられ、つまり、第2振分手段53は、第1セーフ通路50dにより誘導される複数の遊技球を第2アウト通路50eと第2セーフ通路50fとに2:1の比率で振り分ける。
固定磁石85と3つの可動磁石86の各々とは互いに吸着するように、そして、回動部材84が所定の各停止位置にあるときに、固定磁石85と対応する1つの可動磁石86の吸着力が最大になるように、つまり固定磁石85と1つの可動磁石86が最接近するように配設されている。この磁石85,86によって、第1セーフ通路50dを遊技球が1個流下する毎に、回動部材84が所定の停止位置から次の所定の停止位置に120度回動して確実に切り換えられると共に、その位置に確実に停止し、ガタつかないように安定的に保持される。
図9〜図11、図13等に示すように、第3振分手段54は、第2セーフ通路50f内に配置されて、第2振分手段53と基本的に同じ構成である。故に、第3振分手段54の詳細については、第2振分手段53と同一符号を付し説明を省略する。
図2〜図6、図14に示すように、振分ユニット16の下側において、遊技盤4には、左遊技領域4a1と下遊技領域4a3とを仕切るように、前方へ張り出す張出部材47が設けられ、張出部材47の上端部には遊技球が転動する左サイドステージ47aが形成されている。左サイドステージ47aは、振分ユニット16の下端部に比較的接近した位置に、右下がり傾斜状に設けられ、振分ユニット16の第1の誘導通路50のうちのアウト通路50c,50e,50g、第2の誘導通路51を通って、振分ユニット16の下側へ排出された遊技球を全て受け止めて右下方へ誘導し、その右端部から後方へ、中央ステージ20bの左端部に乗せるように誘導する。
図2〜図6、図15に示すように、下遊技領域4a3の中央部及び左部には、中央ステージ20bの左右2つの落下開口20c間の下側に第1始動口11が配置され、第1始動口11よりも下方位置に3つの一般入賞口15が配置され、第1始動口11よりも下方位置且つ3つの一般入賞口15よりも上方位置に複数の障害釘10が配置されている。これら障害釘10のうちの幾つかが、その傾きを変えて、遊技球が一般入賞口15に入賞し易く又は入賞し難くなるように調整できる調整釘10になっている。
特に、第1始動口10の直下に配置された一般入賞口15αは遊技盤4の前面に開口し、その一般入賞口15αに対して断面皿状の入賞ステージ48aを形成する張出部材48が設けられている。遊技球が入賞ステージ48aに乗ると、その入賞ステージ48aにより一般入賞口15αへ誘導される。遊技球が入賞ステージ48aに乗るルートは、一般入賞口15αの左上側を通る左ルートと右上側を通る右ルートとがあり、各ルートに対して、遊技球が入賞ステージ48aに乗り易く又は乗り難くなるように調整できる2本の調整釘10が設けてられている。
また、下遊技領域4a3の中央部には、中央ステージ20bの左右2つの落下開口20cの下側に、遊技球が接触して流下方向を変えられる2つの障害凸片49が設けられている。これら2つの障害突片49は、緩傾斜のハ字状に設けられ、遊技球が障害凸片49に乗り一般入賞口15αから遠ざかる外側へ案内され易くなる。
振分ユニット16には、その第3セーフ通路50hから排出された遊技球を導入して第1始動口11へ誘導可能な内部通路を形成する誘導通路管65が付設され、その始動口誘導通路65は、その内部通路を透視可能に透明又は半透明に形成されている。誘導通路管65は、中央ステージ20bの左部の上方近傍に且つ中央ステージ20bの左部に沿って右下がり傾斜状に配設され、センタ役物20(振分ユニット16)と連結され一体化されて遊技盤4に取り付けられている。
誘導通路管65の内部通路の下流端は、誘導通路管65の右端部分に下方へ開口するように形成され、つまり、内部通路の下流端からは遊技球が略垂直に落下するように放出される。ここで、下遊技領域4a3の中央部には、誘導通路管65の内部通路の下流端の左右両端の近傍から下方へ延びる左右2つのガイド片66が配置され、これらガイド片66によって、内部通路の下流端から放出された遊技球は非常高い割合で第1始動口11に入賞する。但し、2つのガイド片66の下端と第1始動口11の左右両端との間に、遊技球が通過可能な左右2つの10数mm(例えば、約13〜15mm)の通過可能口67が形成されている。
こうして、図16に示すように、振分ユニット16において、第1の導入口50aから第1の誘導通路50に導入された遊技球は、第1振分手段52により1/2 の割合で第2振分手段53へ誘導可能な側へ振り分けられ、第1,第2振分手段52,53によりトータル1/6 の割合で第3振分手段54へ誘導可能な側へ振り分けられ、第1〜第3振分手段52〜54によりトータル1/18の割合で第1始動口11へ誘導可能な側へ振り分けられて誘導され、一方、第1〜第3振分手段52〜54によりトータル17/18 の割合で第1始動口11へ誘導可能な側へ振り分けられなかった遊技球、及び、第2の導入口51aから第2の誘導通路51に導入された遊技球は、中央ステージ20bへ導かれる。
次に、図2〜図6、図17〜図19を参照して、「右打ち」により遊技球が流下する右遊技領域4a2、下遊技領域4a3の右部について説明する。先ず、右遊技領域4a2の上部は領域移動通路20eから連続して延びる鉛直に近い通路状に形成され、右遊技領域4a2の下部に第2始動口装置12とゲート13を含む始動ユニット90が設けられている。右遊技領域4a2の通路状の上部には障害釘10が設けられておらず、右遊技領域4a2の下部には始動ユニット90の上部右側に複数の障害釘10が設けられている。
始動ユニット90は、右遊技領域4a2の下部に、その左右略全幅にわたって設けられ、右遊技領域4a2の上部を流下してきた遊技球は、右遊技領域4a2の下部において複数の障害釘10に案内され、その殆どの遊技球が始動ユニット90に導入される。
つまり、始動ユニット90は、「右打ち」を行うことにより、右遊技領域4a2に発射された殆どの遊技球がゲート13を通過して第2始動口装置12の第2始動口12aに入賞可能に導く、つまり、遊技球のゲート13への通過と第2始動口12aへの入賞を安定させて行うスタート安定化装置90である。
始動ユニット90は、右遊技領域4a2を流下する遊技球を導入可能な導入口91aを有し、その導入口91aから導入された遊技球を誘導可能に設けられた誘導通路91を備え、その誘導通路91は、上半部において遊技球を左斜め下方へ誘導し、下半部において遊技球を右斜め下方へ誘導する。
導入口91aは、始動ユニット90の上方へ、その導入口91aの左右両端の直上に配置され左右2つの障害釘10を介して10数mm(例えば、13〜15mm)の左右幅で開口するように形成されている。ここで、導入口91aの右端の直上に配置された障害釘10と、その上側に配置された障害釘10により、遊技球が通過可能な10数mm(例えば、約13〜15mm)の通過可能口95が形成され、この通過可能口95を遊技球が左側から右側へ通過すると、その遊技球は誘導通路91に導入されずに、その右側を流下する。
ゲート13は、誘導通路91内に、且つ導入口91aの直下に配置され、第2始動口装置12は、誘導通路91の下流端近傍の下側に配置されている。第2始動口装置12において、開閉部材12bは前後に進退(出没)するベロ式の開閉部材に構成され、開閉部材12bが進出して第2始動口12aを閉じ、このとき、誘導通路91により誘導され第2始動口12aの上側にある遊技球は、開閉部材12b上を転動して誘導通路91の下流端から下遊技領域4a3の方へ放出され、開閉部材12bが退入して第2始動口12aを開け、このとき、誘導通路91により誘導され第2始動口12aの上側にある遊技球は、第2始動口12aに入賞する。
始動ユニット90は、ケース状のベース部材92を有し、センタ役物20とベース部材92とが連結され一体化されて遊技盤20に取り付けられている。ベース部材92は、後ケース部92aと、後ケース部92aの前側を覆い、且つ誘導通路91を透視可能な透明又は半透明な前ケース部92bとを有する。ベース部材92に、誘導通路91が形成されると共に、第2始動口装置12及びゲート13が装着されている。
下遊技領域4a3の右部には、大入賞口14aと1つの一般入賞口15が左右に並設状に配置され、これら大入賞口14aと一般入賞口15よりも上方位置に複数の障害釘10が配置されている。これら複数の障害釘10は、右遊技領域4a2を流下してきた遊技球を大入賞口14aの方へ誘導し易い配置になっているが、これら障害釘10のうちの幾つかが、その傾きを変えて、遊技球が大入賞口14aに入賞し易く又は入賞し難くなるように調整できる調整釘10に、また、遊技球が一般入賞口15に入賞し易く又は入賞し難くなるように調整できる調整釘10になっている。
図20に示すように、遊技制御基板31の主にコンピュータにより、図示の各手段100〜106,112〜119が構成されている。
乱数更新手段100は、特別遊技を行うか否かを判定する為の16ビット構成の所謂ハード乱数である大当り乱数を、設定範囲(0 〜65535 )内で微小時間(0.1 μs )毎に順次更新し、また、特別遊技を行う場合に大当り図柄を判定(決定)する為の8 ビット構成の所謂ソフト乱数である大当り図柄乱数を、設定範囲(0 〜199 )内で微小時間(4 ms )毎に順次更新する。更に、特別遊技を行わない場合にリーチ状態にするか否かを判定する為のリーチ乱数と、特別図柄の変動パターン(変動時間)を判定(決定)する為の変動パターン乱数とを、夫々設定範囲(0 〜99)内で微小時間毎に順次更新する。
図柄情報取得手段101は、遊技球が第1始動口11に入賞したときに第1特別図柄保留数が4未満の場合に乱数取得条件が成立して、乱数更新手段100により更新された大当り乱数、大当り図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数を1組の第1特別図柄情報として取得する。また、遊技球が第2始動口12aに入賞したときに第2特別図柄保留数が4未満の場合に乱数取得条件が成立して、乱数更新手段100により更新された大当り乱数、大当り図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数を1組の第2特別図柄情報として取得する。
図柄情報取得手段101により取得された特別図柄情報が特別図柄情報記憶手段102に記憶(保留)され、特別図柄情報記憶手段102に記憶されている第1特別図柄情報の数が第1特別図柄保留数となり、特別図柄情報記憶手段102に記憶されている第2特別図柄情報の数が第2特別図柄保留数となる。
第1,第2特別図柄が変動停止状態で、第1,第2特別図柄保留数の何れかが1以上の場合、特別図柄を変動開始させる始動条件が成立して、この始動条件の成立毎に、特別図柄情報記憶手段102に記憶されている特別図柄情報が、順次1ずつ特別図柄情報判定手段103による判定に供して、特別図柄情報記憶手段102から消去(保留消化)される。ここで、複数の特別図柄情報が保留されている場合、それら複数の特別図柄情報は、図柄情報取得手段101により取得された順番で前記判定に供して保留消化され、但し、第1,第2特別図柄情報の両方が保留されている場合には、第2特別図柄情報が第1特別図柄情報よりも優先して前記判定に供して保留消化される。
特別図柄情報判定手段103において、大当り判定手段103aは、前記始動条件の成立により保留消化された当該特別図柄情報の大当り乱数に基づいて、遊技者に有利な特別遊技(大当り遊技、小当り遊技)を行うか否かを判定し、図柄判定手段103bは、大当り判定手段103aより大当り遊技を行うと判定された場合、当該特別図柄情報の大当り図柄乱数に基づいて、停止表示させる大当り図柄を判定(選択)して、当該大当り遊技中の大入賞口14aの開放パターン、つまり有利度合いの異なる複数の大当り遊技の何れを行うかを決定すると共に、当該大当り遊技終了後の遊技状態を決定する。
大当り判定手段103aは、具体的に、図21に示す大当り判定テーブルを用いて、「通常遊技状態」又は「時短遊技状態」が設定されている場合には、約1/320 の割合(低確率)で、また、「潜確遊技状態」又は「確変遊技状態」が設定されている場合には、約10/320の割合(高確率)で、当該特別図柄情報の大当り乱数が大当り特定値と一致すると、大入賞口14aを開放する特別遊技である大当り遊技を行うと判定する。また、設定されている遊技状態に関わらず、約3/320 の割合で、当該特別図柄情報の大当り乱数が小当り特定値と一致すると、特別遊技の一種である小当り遊技を行うと判定する。
図柄判定手段103bは、具体的に、大当り判定手段103aにより大当り遊技を行うと判定された場合、複数の大当り図柄(図22に示す大当り図柄A〜G,a〜d)の何れかを選択し、小当り遊技を行うと判定された場合、小当り図柄を選択し、特別遊技(大当り遊技、小当り遊技)を行わないと判定された場合、ハズレ図柄を選択する。大当り図柄の選択について、当該特別図柄情報が第1特別図柄情報である場合は、図22に示す第1図柄選択テーブルにより規定される選択率で図柄選択を行い、当該特別図柄情報が第2特別図柄情報である場合は、図22に示す第2図柄選択テーブルにより規定される選択率で図柄選択を行う。
特別図柄情報判定手段103において、リーチ判定手段103cは、大当り判定手段103aにより大当り遊技を行うと判定された場合、基本的に大当りになることを期待させるリーチ状態にするが、大当り判定手段103aにより大当り遊技を行わないと判定された場合、当該特別図柄情報のリーチ乱数に基づいて、大当りになることを期待させるリーチ状態にするか否かを判定する。
特別図柄情報判定手段103において、変動パターン判定手段103dは、大当り判定手段103a、図柄判定手段103bによる判定結果に基づいて選択された図柄(大当り図柄A〜G,a〜d、小当り図柄、ハズレ図柄の何れか)、リーチ判定手段103cによる判定結果(リーチ状態にするか否か)、変動パターン乱数等に基づいて、特別図柄の変動パターン(変動時間)を判定(決定)する。変動パターン判定手段103dが特別図柄の変動パターンを決定する具体的な処理については後で説明する。
特別図柄表示制御手段104は、第1特別図柄情報が保留消化されたことを契機に第1特別図柄の変動表示を開始させ、第2特別図柄情報が保留消化されたことを契機に第2特別図柄の変動表示を開始させ、変動パターン判定手段103dにより決定された変動パターンで特別図柄を変動表示させて、つまり当該変動パターンで規定される変動時間、特別図柄を変動表示させた後に、大当り判定手段103a、図柄判定手段103bによる判定結果を示す判定図柄を停止表示させる。
大当り判定手段103aにより大当り遊技を行うと判定された場合には、図柄判定手段103bにより選択された大当り図柄A〜G,a〜dの何れかを停止表示させ、小当り遊技を行うと判定された場合には、小当り図柄を停止表示させ、特別遊技(大当り遊技、小当り遊技)を行わないと判定された場合には、ハズレ図柄を停止表示させる。
特別遊技実行手段105は、大当り判定手段103aにより特別遊技(大当り遊技、小当り遊技)を行うと判定された場合、特別図柄表示制御手段104により、当該判定結果を示す判定図柄、つまり図柄判定手段103bにより選択された判定図柄(大当り図柄A〜G,a〜d、小当り図柄の何れか)が停止表示された後、その判定図柄に応じた開放パターンで大入賞口14aを開放する遊技者に有利な特別遊技(大当り遊技、小当り遊技)を行う。
図23に示すように、大当り遊技中の大入賞口14aの開放パターンは、大当り図柄の種類に応じて、16R(ラウンド)長期開放、8R長期開放、8R短期開放の何れに設定され、小当り遊技中の大入賞口14aの開放パターンは、大当り図柄F,G,dに対応する開放パターンと同様に、8R短期開放に設定される。
具体的に、16R(ラウンド)長期開放では、大入賞口14aが16Rにわたって開閉され、各ラウンドは、大入賞口14aを開放して開始後、大入賞口14aに遊技球が例えば10個入賞する、或いは例えば30秒経過するR終了条件が成立すると、大入賞口14aを閉塞して終了する。8R長期開放では、大入賞口14aが8Rにわたって開閉され、各ラウンドは開始後、16R長期開放と同様のR終了条件が成立すると終了する。8R短期開放では、大入賞口14aが8Rにわたって開閉され、各ラウンドは開始後、大入賞口14aに遊技球が例えば10個入賞する、或いは例えば0.1 秒経過するR終了条件が成立すると終了する。
事前判定手段106は、特別図柄情報記憶手段102に記憶されている特別図柄情報(即ち、後に特別図柄情報判定手段103による判定に供される特別図柄情報)に基づいて、具体的には、図柄情報取得手段101により特別図柄情報が取得された際、その特別図柄情報に対して、特別図柄情報判定手段103(大当り判定手段103a、図柄判定手段103b、リーチ判定手段103c、変動パターン判定手段103d)による判定と同等の判定(即ち、特別遊技を行うか否かの判定、大当り図柄A〜G,a〜d、小当り図柄、ハズレ図柄の決定、リーチ状態にするか否かの判定、特別図柄の変動パターンの決定)を事前に行う。
一方、乱数更新手段100は、補助遊技を行うか否かを判定する為の8 ビット構成のソフト乱数である当り乱数を、設定範囲(0 〜199 )内で微小時間(4 ms )毎に順次更新し、また、補助遊技を行うと判定した場合に当り図柄を判定(決定)する為の8 ビット構成の所謂ソフト乱数である当り図柄乱数を、設定範囲(0 〜9 )内で微小時間(4 ms )毎に順次更新する。
図柄情報取得手段101は、遊技球がゲート13を通過したときに普通図柄保留数が4未満の場合に乱数取得条件が成立して、乱数更新手段100により更新された当り乱数、及び当り図柄乱数を1組の普通図柄情報として取得する。図柄情報取得手段101により取得された普通図柄情報が普通図柄情報記憶手段112に記憶(保留)され、普通図柄情報記憶手段112に記憶されている普通図柄情報の数が普通図柄保留数となる。
普通図柄が変動停止状態で、普通図柄保留数が1以上の場合、普通図柄を変動開始させる始動条件が成立して、この始動条件の成立毎に、普通図柄情報記憶手段112に記憶されている普通図柄情報が、順次1ずつ普通図柄情報判定手段113による判定に供して、普通図柄情報記憶手段112から消去(保留消化)される。ここで、複数の普通図柄情報が保留されている場合、それら複数の普通図柄情報は、図柄情報取得手段101により取得された順番で前記処理に供して保留消化される。
普通図柄情報判定手段113において、当り判定手段113aが、前記始動条件の成立により保留消化された当該普通図柄情報の当り乱数に基づいて、遊技者に有利な補助遊技を行うか否かを判定し、補助遊技を行うと判定した場合、図柄判定手段113bが、当該普通図柄情報の当り図柄乱数に基づいて、停止表示させる当り図柄を判定(選択)して、当該補助遊技中の第2始動口12aの開放パターン、つまり有利度合いの異なる複数の補助遊技の何れを行うかを決定する。
具体的に、当り判定手段113aは、図24に示すように、「通常遊技状態」又は「潜確遊技状態」(「低作動モード」)が設定されている場合には、1/10の割合で、また、「時短遊技状態」又は「確変遊技状態」(「高作動モード」)が設定されている場合には、10/10 の割合で、補助遊技を行うと判定し、補助遊技を行うと判定すると、図柄判定手段113bは、図25に示すように、複数の当り図柄(当り図柄a,b)の何れかを図示の選択率により選択し、補助遊技を行わないと判定すると、ハズレ図柄を選択する。
普通図柄表示制御手段114は、普通図柄情報が保留消化されたことを契機に普通図柄の変動表示を開始させ、「通常遊技状態」又は「潜確遊技状態」(「低作動モード」)が設定されている場合には、12秒間、「時短遊技状態」又は「確変遊技状態」(「高作動モード」)が設定されている場合には、0.5 秒間、普通図柄を変動表示させた後、普通図柄判定情報手段113による判定結果を示す判定図柄を停止表示させる。
補助遊技実行手段115は、当り判定手段113aにより補助遊技を行うと判定された場合、普通図柄表示制御手段114により、当該判定結果を示す判定図柄、つまり図柄判定手段113bにより選択された判定図柄(当り図柄a,bの何れか)が停止表示された後、その判定図柄に応じた開放パターンで第2始動口12aを開放する遊技者に有利な補助遊技を行う。具体的に、図24、図25に示すように、補助遊技中の第2始動口12aの開放パターンは、当り図柄の種類、及び遊技状態(作動モード)に応じて図示のように設定される。
遊技状態制御手段116は、複数の遊技状態(図26に示す「通常遊技状態」「時短遊技状態」「潜確遊技状態」「確変遊技状態」)の何れかを択一的に設定し、その遊技状態で遊技を制御する。尚、電源投入時には前回の電源遮断時に設定されていた遊技状態を継続的に設定し、電源投入時に所謂RAMクリアが実行された場合には「通常遊技状態」を設定する。
図26に示すように、「通常遊技状態」又は「時短遊技状態」が設定された場合、大当り判定手段103aにより大当り遊技を行うと判定される大当り確率が低確率(例えば、図21に示す約1/320 )に設定され、「潜確遊技状態」又は「確変遊技状態」が設定された場合、大当り確率が高確率(例えば、図21に示す約10/320)に設定される。また、「通常遊技状態」又は「潜確遊技状態」が設定された場合、第2始動口12aを作動させる第2始動口作動モードとして、第2始動口12aを開状態に作動させ難い低作動モードに設定され、「時短遊技状態」又は「確変遊技状態」が設定された場合、第2始動口12aを開状態に作動させ易い高作動モードが設定される。
尚、図24に示すように、低作動モードが設定されると、補助遊技を行うと判定される当り確率が1/10、普通図柄の変動時間が12秒、補助遊技中の第2始動口12aの始動口開放パターンが0.1 秒×1 回又は0.1 秒×1 回+5.6 秒×1 回に設定され、高作動モードが設定されると、当り確率が10/10 、普通図柄の変動時間が0.5 秒、始動口開放パターンが1.0 秒×6 回又は2.0 秒×3 回に設定される。
遊技状態制御手段116は、特別遊技実行手段105により大当り遊技が行われた場合、その大当り遊技終了後の遊技状態を図23に示すように設定変更する。大当り図柄A〜Eの何れかが停止表示されて、所謂「確変大当り」になった場合、先ず、当該大当り遊技終了後に「確変遊技状態」を設定する。その後、大当り図柄A,Bの停止からは、特別図柄表示器25a,25bで特別図柄が変動表示された回数(特別図柄変動回数)が10000 回を超えると、「確変遊技状態」から「通常遊技状態」へ設定変更する。
また、大当り図柄Cの停止からは、特別図柄変動回数が60回を超えると、大当り図柄Dの停止からは、特別図柄変動回数が40回を超えると、大当り図柄Eの停止からは、特別図柄変動回数が20回を超えると、夫々「確変遊技状態」から「潜確遊技状態」へ設定変更すると共に、特別図柄変動回数が10000 回を超えると、「潜確遊技状態」から「通常遊技状態」へ設定変更する。
大当り図柄Fが停止表示されて、所謂「突確大当り」になった場合、当該大当り遊技終了後に「確変遊技状態」を設定し、その後、特別図柄変動回数が10000 回を超えると、「確変遊技状態」から「通常遊技状態」へ設定変更する。大当り図柄Gが停止表示されて、所謂「突潜大当り」になった場合、当該大当り遊技終了後に「潜確遊技状態」を設定し、その後、特別図柄変動回数が10000 回を超えると、「潜確遊技状態」から「通常遊技状態」へ設定変更する。
大当り図柄a〜cの何れかが停止表示されて、所謂「時短大当り」になった場合、先ず、当該大当り遊技終了後に「時短遊技状態」を設定する。その後、大当り図柄aの停止からは、特別図柄変動回数が60回を超えると、大当り図柄bの停止からは、特別図柄変動回数が40回を超えると、大当り図柄cの停止からは、特別図柄変動回数が20回を超えると、夫々「時短遊技状態」から「通常遊技状態」へ設定変更する。
大当り図柄dが停止表示されて、所謂「突通大当り」になった場合、当該大当り遊技終了後に「通常遊技状態」を設定する。小当り図柄が停止表示されて、所謂「小当り」になった場合、当該小当り遊技終了後に当該小当り遊技開始前の遊技状態を設定する(即ち、遊技状態を設定変更しない)。
ここで、変動パターン判定手段103dが特別図柄の変動パターンを決定する具体的な処理について説明する。特別図柄の変動パターンを決定するために、複数の変動パターン決定テーブルが存在し、変動パターン判定手段103dは、現在の遊技状態に対応する変動パターン決定テーブルを用いて、大当り判定手段103a、図柄判定手段103bによる判定結果(判定図柄)、リーチ乱数(リーチ判定手段103cによる判定結果)、変動パターン乱数、及び第1,第2特別図柄保留数等に基づいて変動パターンを決定する。
「通常遊技状態」又は「潜確遊技状態」が設定されている場合には、図27に示す通常/潜確遊技状態用の変動パターン決定テーブルを用いて、また、「時短遊技状態」又は「確変遊技状態」が設定されている場合には、図28に示す時短/確変遊技状態用の変動パターン決定テーブルを用いて、変動パターンを決定する。
図27に示す通常/潜確遊技状態用の変動パターン決定テーブルを用いた場合、第1特別図柄の変動パターンについては、大当りとなる場合、その判定図柄(大当り図柄)、変動パターン乱数に応じて、変動パターン1〜4(変動時間;30,40,50,15 秒)の何れかを決定し、小当りとなる場合、変動パターン5(変動時間;15秒)を決定し、ハズレとなる場合、リーチ乱数、保留数(第1特別図柄保留数)、変動パターン乱数に応じて、変動パターン6〜9(変動時間;12,5,30,40秒)の何れかを決定する。
また、第2特別図柄の変動パターンについては、大当りとなる場合、その判定図柄(大当り図柄)、変動パターン乱数に応じて、変動パターン1〜3(変動時間;30,40,50秒)の何れかを決定し、小当りとなる場合、変動パターン5(変動時間;15秒)を決定し、ハズレとなる場合、リーチ乱数、変動パターン乱数に応じて、変動パターン7〜9(変動時間;5,30,40 秒)の何れかを決定する。
図28に示す時短/確変遊技状態用の変動パターン決定テーブルを用いた場合、第1特別図柄の変動パターンについては、大当りとなる場合、その判定図柄(大当り図柄)、変動パターン乱数に応じて、変動パターン1〜4(変動時間;30,40,50,15 秒)の何れかを決定し、小当りとなる場合、変動パターン5(変動時間;15秒)を決定し、ハズレとなる場合、リーチ乱数、変動パターン乱数に応じて、変動パターン11,8,9(変動時間;22,30,40秒)の何れかを決定する。
また、第2特別図柄の変動パターンについては、大当りとなる場合、その判定図柄(大当り図柄)、変動パターン乱数に応じて、変動パターン1〜3(変動時間;30,40,50秒)の何れかを決定し、小当りとなる場合、変動パターン5(変動時間;15秒)を決定し、ハズレとなる場合、リーチ乱数、保留数(第2特別図柄保留数)、変動パターン乱数に応じて、変動パターン12,13,8,9(変動時間;18,2,30,40秒)の何れかを決定する。
振分関連処理手段117は、振分ユニット16による遊技球の振り分けに関連する処理を行う。具体的には、図29(1)に示すように、第1検知手段58によって、第1の導入口50aから第1の誘導通路50に導入された遊技球の数NAを検知し、第2検知手段59によって、第1振分手段52により第1アウト通路50cへ振り分けられた遊技球の数NA1、第1セーフ通路50dへ振り分けられた遊技球の数NA2、第2振分手段53により第1の誘導通路50の第2セーフ通路50fへ振り分けられた遊技球の数NB、第1始動口11に入賞した遊技球の数NCを検知する。
そして、検知した遊技球の数NA,NA1,NA2,NB,NCを用いて、第1の導入口50aから第1の誘導通路50に導入された複数の遊技球が予め決められた割合(1/18)で第1始動口11へ誘導されたか否か、つまり、振分ユニット16により遊技球の正常な振り分けが行われているか否かを判断する。具体的には、図29(2)に示すように、NA1:NA2≒1:1であるか否か、NA:NB≒6:1であるか否か、NA:NC≒18:1であるか否か、NB:NC≒3:1であるか否か等の判定を定期的に行うことで判断する。
例えば、電源投入後最初に遊技球が第1始動口11に入賞した後、遊技球が第1始動口11に入賞する毎に、前記判断を行い、この場合、検知した遊技球の数NA,NA1,NA2,NB,NCについては、前記判断が設定回数(例えば、1回や10回)行われる毎に0にリセットしてもよいし、前記判断を行った回数に関わらずに一定時間(例えば、10分や1時間)経過する毎に0にリッセトしてもよいし、電源遮断時まで0にリッセトしないようにしてもよい。
図7に示す各種SW11a,12c,13a,15a,8d,55〜57や、図20に示す各種手段100〜106,112〜117による処理を受けて、コマンド出力手段118が、必要な制御情報をコマンドで演出制御基板32へ出力し、また、外部出力手段119が、必要な遊技機情報を外部のホールコンピュータHCへ出力する。
図20に示すように、演出制御基板33、画像制御基板34、ランプ制御基板35のコンピュータにより、図示の各手段120〜128が構成されている。コマンド受信手段120は、コマンド出力手段118により出力されたコマンドを受信し、そのコマンドに基づいて、演出制御手段121、エラー報知制御手段128が制御を行う。
演出制御手段121は、遊技の進行に応じて、所定の演出手段129(画像表示器21、可動役物22、スピーカ38、ランプ39a,39b)に遊技演出を行わせ、図柄変動演出制御手段122、特別遊技演出制御手段123、保留表示制御手段124、役物制御手段125、先読み演出制御手段126、振分演出制御手段126を備えている。
図柄変動演出制御手段122は、特別図柄情報判定手段103による判定結果に基づいて、特別図柄表示制御手段104により特別図柄表示器25a,25bに特別図柄が変動表示されているときに、当該特別図柄の変動パターン(変動パターン判定手段103dにより決定された変動パターン)に対応する図柄変動演出を、複数の図柄変動演出(図30(a)に示す図柄変動演出1,2,3・・・n)の中から選択して行わせる。
図31に示すように、図柄変動演出では、基本的に、画像表示器21に、(1)3組の演出図柄列21aが変動開始した後、先ず、(2)左側の演出図柄21a-1として「X」が変動停止し、次に、(3)右側の演出図柄21a-2として「Y」が変動停止し、最後に、(4)中央の演出図柄21a-3として「Z」が変動停止するように表示され、これら3つの停止図柄列「XZY」が、大当り判定手段103a、図柄判定手段103bによる判定結果を示す組み合わせ表示態様になる。
例えば、変動時間が比較的短い変動パターンに対応する図柄変動演出では、(3)「X」と「Y」が異なる演出図柄で停止して非リーチ状態になり、その後、(4)「Z」が停止して、「XZY」がハズレ表示態様になると、大当り及び小当り非当選になる。一方、変動時間が比較的長い変動パターンに対応する図柄変動演出では、(3)「X」と「Y」が同じ演出図柄で停止してリーチ状態になり、その後、発展演出、或いは、発展演出に移行しないノーマルリーチ演出が行われる。
発展演出、ノーマルリーチ演出は、夫々、大当りとなる大当り期待度が異なる複数の演出態様の何れかで行われ、発展演出、ノーマルリーチ演出の終了を以て、(4)「Z」が「X」「Y」と異なる演出図柄で停止して、「XZY」がハズレ表示態様になると、大当り及び小当り非当選になり、「XZY」が小当り表示態様になると、小当り当選になり、「Z」が「X」「Y」と同じ演出図柄で停止して、「XZY」が大当り表示態様になると、大当り当選になる。
図柄変動演出制御手段122は、遊技状態設定手段116により設定されている遊技状態に応じて、複数の演出モード(図32に示す「通常演出モード」「時短演出モード」「確変演出モード」「特殊演出モード」「先読み演出モード」)の何れかを択一的に設定し、その設定した演出モードに応じた図柄変動演出を行わせる。
基本的に、「通常遊技状態」のときに「通常演出モード」を、「時短遊技状態」のときに「時短演出モード」を、「確変遊技状態」のときに「確変演出モード」を、「潜確遊技状態」のときに「特殊演出モード」を夫々設定する。但し、突通大当りが行われた後、或いは、小当り遊技が行われた後に、「通常遊技状態」が設定される場合には、特別図柄変動回数が設定回数(例えば、1 〜60回の何れか)を超えるまで「特殊演出モード」を設定し、設定回数を超えると「通常演出モード」を設定する。
「通常演出モード」では「通常遊技状態」であることを示唆する図柄変動演出を、「時短演出モード」では「時短遊技状態」であることを示唆する図柄変動演出を、「確変演出モード」では「確変遊技状態」であることを示唆する図柄変動演出を行わせ、「特殊演出モード」では「通常遊技状態」と「潜確遊技状態」の何れかであることを示唆するが、その何れかの判別が難しい図柄変動演出を行わせる。「通常演出モード」を設定しているときに、後述の先読み演出制御手段126により、図柄変動演出制御手段122を介して先読み演出を行うと判定された場合、特別図柄が数回(1 〜4 回の何れか)変動表示される間、「通常演出モード」の代わりに「先読み演出モード」を設定する。
尚、各演出モードに応じた図柄変動演出は、他の演出モードに応じた図柄変動演出に対して、画像表示器21に表示される演出図柄の背景となる背景画像や、演出図柄の表示態様(演出図柄の柄、サイズ、変動方向等)を異ならせている。
次に、特別遊技演出制御手段123は、特別遊技実行手段105により特別遊技が行われているときに、特別図柄表示制御手段104により当該特別遊技の開始にあたって停止表示された大当り図柄(小当り図柄)の種類に応じて、図30(b)に示す複数の特別遊技演出(特別遊技演出1,2,3・・・n)の中から選択した特別遊技演出を行わせ、特別遊技演出(特別遊技)の終盤に、図30(c)に示す複数のエンディング演出(エンディング演出1,2,3・・・n)の中から選択したエンディング演出を行わせる。
保留表示制御手段124は、特別図柄情報記憶手段102に第1特別図柄情報が記憶されている場合、その第1特別図柄保留数と相当数の第1保留図柄を画像表示器21に表示させ、特別図柄情報記憶手段102に第2特別図柄情報が記憶されている場合、その第2特別図柄保留数と相当数の第2保留図柄を画像表示器21に表示させる。
役物制御手段125は、特別図柄情報判定手段103による判定結果に基づいて、可動役物22を制御して、その可動部材を動作させることが可能である。具体的には、図柄変動演出制御手段122により複数の役物動作付き図柄変動演出の何れかが行われているときに、その図柄変動演出に基づいて決められたタイミングで決められた動作態様により可動部材を動作させる。
先読み演出制御手段126は、事前判定手段106による判定結果に基づいて、先読み演出を行うか否かを判定し、先読み演出を行うと判定した場合に、その先読み演出の対象とされた特別図柄情報に対して、その特別図柄情報が消化される前から、大当り期待度を高め得る先読み演出を行わせる。
例えば、先読み演出としては、図柄変動演出制御手段122が、特別図柄の複数変動にわたって、先読み演出を行わない際に表示する通常の背景画像とは異なる先読み背景画像を表示させて、保留されている特別図柄情報に基づいて大当りになることを遊技者に期待させる先読みゾーン演出を行わせたり(つまり、前記の「先読み演出モード」を設定したり)、保留表示制御手段124が、先読み演出を行わない際に表示する通常の保留図柄とは異なるデザイン(例えば色、形)の先読み保留図柄を表示させたりする。
振分演出制御手段127は、第1,第2検知手段58,59による検知情報に基づいて、第1の導入口50aから第1の誘導通路50への遊技球の導入に関する演出や、複数の振分手段52〜54のうちの少なくとも1の振分手段による遊技球の振り分けに関する演出を行わせることが可能である。
例えば、第1の導入口50aから第1の誘導通路50へ導入された遊技球が検知されると、導入演出を行わせ、第1振分手段52により遊技球が第1アウト通路50cへ振り分けられると、第1アウト振分演出を行わせ、第1振分手段52により遊技球が第1セーフ通路50dへ振り分けられると、第1セーフ振分演出を行わせ、第2振分手段53により遊技球が第2セーフ通路50fへ振り分けられると、第2セーフ振分演出を行わせ、第3振分手段54により遊技球が第3セーフ通路50hへ振り分けられる(つまり第1始動口11に入賞する)と、第3セーフ振分演出を行わせる。
具体的には、導入演出を第1アウト振分演出と第1セーフ振分演出で以て行い、図33に示すように、画像表示器21の一部(左部)に振分ユニット16に対応する表示部21bを設け、その表示部21bに、遊技球が第1アウト通路50cに振り分けられると、その振り分け時から一定期間、図33(1)に示す第1アウト振分演出を表示させ、遊技球が第1セーフ通路50dに振り分けられると、その振り分け時から一定期間、図33(2)に示す第1セーフ振分演出を表示させ、遊技球が第2セーフ通路50fに振り分けられると、その振り分け時から一定期間、図33(3)に示す第2セーフ振分出を表示させ、遊技球が第1始動口11に入賞すると、その入賞時から一定期間、図33(4)に示す第3セーフ振分演出を表示させる。
また、図33に示す表示と共に、或いは、図33に示す表示の代わりに、スピーカ38から、第1アウト振分演出として、第1アウト振分音声(例えば、「ブッ」)を出力し、第1セーフ振分演出として、第1セーフ振分音声(例えば、「ピッ」)を出力し、第2セーフ振分演出として、第2セーフ振分音声(例えば、「ピッピッ」)を出力し、第3セーフ振分演出として、第3セーフ振分音声(例えば、「ピコーン」)を出力してもよい。
尚、画像表示器21に振分ユニット16に対応する表示部21bを設けないで、振分ユニット16に表示器を設け(例えば、振分ユニット16の前面にEL表示器を設け)、その表示器に、前記の第1アウト振分、第1〜第3セーフ振分演出等、振分ユニット16による遊技球の誘導、振り分けに応じた演出を表示させてもよい。EL表示器とした場合、振分ユニット16において実際に誘導又は振り分けられている位置を指し示すような演出を表示させてもよい。
さて、振分演出制御手段127は、振分ユニット16による遊技球の誘導、振り分けに関する演出を、「通常遊技状態」又は「潜確遊技状態」が設定されているときには行わせるが、「時短遊技状態」又は「確変遊技状態」が設定されているときには行わせない。但し、「時短遊技状態」又は「確変遊技状態」が設定されているときにも行わせてもよい。
また、振分演出制御手段127は、振分ユニット16による遊技球の誘導、振り分けに関する演出を、特別図柄保留数(第1特別図柄保留数)に関わらず行わせるが、第1特別図柄保留数が4(設定数以上)の場合には行わせないようにしてもよい。
更に、振分演出制御手段127は、特別図柄情報判定手段103に基づいて、大当り期待度が高い特別図柄の変動が行われているとき、或いは、事前判定手段106による判定結果に基づいて、大当り期待度が高い特別図柄情報が保留されている場合、通常演出態様とは異なる特殊演出態様で、振分ユニット16による遊技球の誘導、振り分けに応じた演出を行わせてもよい。
例えば、図33に示す第1アウト振分演出、第1セーフ振分演出、第2セーフ振分演出、第3セーフ振分演出を通常演出態様での演出とすると、その通常演出態様の表示文字「アウト」「第1通過」「第2通過」「入賞」を、図34に示すように、「Lost 」「Good 」「Excellent」「大入賞」に変更した特殊演出態様で、第1アウト振分演出、第1セーフ振分演出、第2セーフ振分演出、第3セーフ振分演出を行わせる。
エラー報知制御手段128は、複数のエラーの少なくとも1つが発生した場合、そのエラー報知を演出手段129(画像表示器21、可動役物22、スピーカ38、ランプ39a,39b)に行わせる。
複数のエラーの1つが、振分ユニット16の第1の導入口50aから第1の誘導通路50に導入された複数の遊技球が予め決められた割合(1/18)で第1始動口11へ誘導されていない、つまり振分ユニット16により遊技球の正常な振り分けが行われていない振分エラーであり、その振分エラーが発生した場合、例えば、図35に示すように、その旨(「振分エラー発生」)を画像表示器21に表示させる。
以上説明したパチンコ遊技機1の作用・効果について説明する。
遊技者は、発射ハンドル7を操作して、「通常遊技状態」又は「潜確遊技状態」が設定されているときには、遊技球がセンタ役物20の左側の左遊技領域4a1を流下するように、遊技球を発射させる「左打ち」により遊技を行い、「時短遊技状態」又は「確変遊技状態」が設定されているとき、或いは特別遊技(特に、大入賞口13aが長期開放する大当り遊技)が行われているときには、遊技球がセンタ役物20の右側の右遊技領域4a2を流下するように、遊技球を発射させる「右打ち」により遊技を行う。
「左打ち」により発射された複数の遊技球は、先ず、左遊技領域4a1の上部を流下し、通過通路43を通過して、左遊技領域4a1の下部において、その殆どの遊技球が振分ユニット16の第1の導入口50aから第1の誘導通路50に導入されて、その第1の誘導通路50によって誘導され、第1の誘導通路50に導入されない遊技球が振分ユニット16の第2の導入口51aから第2の誘導通路51に導入されて、その第2の誘導通路51によって誘導される。
第1の誘導通路50において、第1の導入口50aから導入通路50bに導入された複数の遊技球は、先ず、第1振分手段52により、導入通路50bから分岐する第1アウト通路50cと第1セーフ通路50dとに1:1の比率で振り分けられ、第1セーフ通路50dに振り分けられた複数の遊技球は、次に、第2振分手段53により、第1セーフ通路50dから分岐する第2アウト通路50eと第2セーフ通路50fとに2:1の比率で振り分けられ、第2セーフ通路50fに振り分けられた複数の遊技球は、次に、第3振分手段54により、第2セーフ通路50fから分岐する第3アウト通路50gと第3セーフ通路50hとに2:1の比率で振り分けられる。
つまり、第1の誘導通路50により誘導される複数の遊技球のうち、トータル1/18の割合で第3セーフ通路50hに振り分けられた遊技球は、第3セーフ通路50hから誘導通路管65の内部通路を通って、第1始動口11に誘導され入賞する可能性が極めて高くなり、一方、トータル17/18 の割合で第3セーフ通路50hに振り分けられなかった遊技球、及び第2の誘導通路51より誘導された遊技球は、左サイドステージ47aから中央ステージ20bへ誘導されて、一般入賞口15に入賞可能な機会を与えられる。
このように、「左打ち」により第1始動口11を狙うことができ、第1特別図柄保留数が4未満のときに、遊技球が第1始動口11に入賞すると、第1特別図柄情報が取得され特別図柄情報記憶手段102に記憶され、特別図柄情報記憶手段102に記憶された第1特別図柄情報は第1特別図柄の変動開始毎に順次消化(消去)される。
一方、「右打ち」により開放した第2始動口12aを狙うことができ、第2特別図柄保留数が4未満のときに、遊技球が第2始動口12aに入賞すると、第2特別図柄情報が取得され特別図柄情報記憶手段102に記憶され、特別図柄情報記憶手段102に記憶された第2特別図柄情報は第2特別図柄の変動開始毎に順次消化(消去)される。
また、「右打ち」によりゲート13を狙うことができ、普通図柄保留数が4未満のときに、遊技球がゲート13を通過すると、普通図柄情報が取得され普通図柄情報記憶手段112に記憶され、普通図柄情報記憶手段112に記憶された普通図柄情報は、普通図柄の変動開始毎に順次消化(消去)される。ここで先ず、普通図柄情報の消化により当り抽選が行われ、その当り抽選で当選した場合、普通図柄表示器25cに当り図柄が変動停止後、第2始動口12aが開放する補助遊技が発生する。
「通常遊技状態」又は「潜確遊技状態」が設定されている場合には、「右打ち」を行っても第1始動口11への遊技球の入賞を殆ど期待できないうえ、第2始動口作動モードとして低作動モードが設定され、第2始動口12aへの遊技球の入賞も殆ど期待できないため、「左打ち」により所有の遊技球の数を減らしながら遊技を行うことになり、「時短遊技状態」又は「確変遊技状態」が設定されている場合には、第2始動口作動モードとして高作動モードが設定され、「右打ち」を行って第2始動口12aへの比較的多くの遊技球の入賞を期待できるため、「右打ち」により所有の遊技球の数を略維持して遊技を行うことができる。
特別図柄情報記憶手段102に記憶された特別図柄情報は特別図柄の変動開始毎に順次消化(消去)されるが、その際、特別図柄情報記憶手段102に複数の特別図柄情報が記憶されている場合には、それら複数の特別図柄情報は取得された順番で消化され、但し、第1,第2特別図柄情報の両方が記憶されている場合には、第2特別図柄情報が第1特別図柄情報よりも優先消化される。そして、この特別図柄情報の消化により大当り抽選が行われ、その大当り抽選で当選した場合、特別図柄表示器25a,25bに大当り図柄が変動停止後、大入賞口14aが開放する大当り遊技が発生する。
大当り遊技が発生すると、変動停止した大当り図柄の種類によって、当該大当り遊技中の大入賞口14aの開閉パターンとして、16R長期開放、8R長期開放、8R短期開放の何れかが選択実行される。「右打ち」を行うことにより、16R長期開放では、例えば約2000個の遊技球を獲得でき、8R長期開放では、例えば約1000個の遊技球を獲得できる。但し、 8R短期開放では、「右打ち」を行っても、遊技球を実質獲得できない。
ところで、従来のパチンコ遊技機では、本発明のような振分ユニット16がなく、第1始動口を狙うために「左打ち」が行われると、遊技球は左遊技領域において障害釘に接触して方向を変えながら流下するが、先ず、こうした遊技球の流下だけでは、また、左遊技領域を流下する遊技球を導入してセンタ役物の中央ステージ上へ誘導可能な誘導通路(ワープ通路)を設けても、この誘導通路は導入した遊技球を全てステージ上へ誘導するものであるので、遊技領域を流下する遊技球の誘導、振り分けに関して如何に斬新な構成にするかが課題となる。
しかも、多数の障害釘の中には、第1始動口に入賞した複数の遊技球のうち比較的多くの遊技球が接触する所謂寄釘や命釘等の調整釘が存在し、遊技場のスタッフは、その調整釘の傾きを変えて、遊技球が第1始動口に入賞し易く又は入賞し難くなるように調整できることから、その調整によって、また、遊技球の微妙な発射強度の違いによって、「左打ち」により遊技領域4aに発射された遊技球の数に対して第1始動口に入賞する遊技球の数の割合が安定しないという課題がある。
本パチンコ遊技機1によれば、左遊技領域4a1に振分ユニット16を設け、左遊技領域4a1を流下する遊技球は全て振分ユニット16を通過し、その振分ユニット16において、複数の遊技球が第1の導入口50aから第1の誘導通路50に導入され、その第1の誘導通路50により誘導される複数の遊技球が、第1振分手段52により第1アウト通路50cと第1セーフ通路50dとに振り分けられ、第1セーフ通路50dに振り分けられた複数の遊技球が、第2振分手段53により第2アウト通路50eと第2セーフ通路50fとに振り分けられ、第2セーフ通路50fに振り分けられた複数の遊技球が、第3振分手段54により第3アウト通路50gと第3セーフ通路50hとに振り分けられ、第3セーフ通路50hに振り分けられた複数の遊技球が第1始動口11へ誘導されるので、「左打ち」により遊技領域4aに発射された遊技球の斬新な誘導、振り分けを実現できる。
しかも、振分ユニット16において、殆どの遊技球は第1の誘導通路50に誘導されるように通過し、第1振分手段52では複数の遊技球が1:1の比率で第1アウト通路50cと第1セーフ通路50dとに振り分けられ、第2振分手段53では複数の遊技球が2:1の比率で第2アウト通路50eと第2セーフ通路50fとに振り分けられ、第3振分手段54では複数の遊技球が2:1の比率で第3アウト通路50gと第3セーフ通路50hとに振り分けられ、第3セーフ通路50hに振り分けられた殆どの遊技球が第1始動口11に入賞する。つまり、「左打ち」により遊技領域4aに発射された遊技球の数に対して第1始動口11に入賞する遊技球の数の割合が約1/18と安定するように遊技を行うことができる。
このように、「左打ち」により遊技領域4aに発射された遊技球の斬新な誘導、振り分けを実現でき、遊技領域4aに発射された遊技球の数に対して第1始動口11に入賞する遊技球の数の割合が安定する振分ユニット16であるが、次に、この振分ユニット16を設けた場合に、振分ユニット16における故障や不正等で、遊技球の誘導、振り分けが正常に行われなくなるという虞があり、その正常に行われなくなった遊技球の誘導、振り分けを如何に検知可能にするかが課題となる。
本パチンコ遊技機1によれば、第1検知手段58により、第1の導入口50aから第1の誘導通路50に導入された遊技球の数NAを検知し、第2検知手段59により、第1振分手段52により第1アウト通路50cに振り分けられた遊技球の数NA1、第1振分手段52により第1セーフ通路50dに振り分けられた遊技球の数NA2、第2振分手段53により第2セーフ通路50fへ振り分けられた遊技球の数NB、第3振分手段54により第3セーフ通路50hへ振り分けられた(第1始動口11に入賞した)遊技球の数NCを検知し、検知した遊技球の数NA,NA1,NA2,NB,NCに基づいて、第1の導入口50aから第1の誘導通路50に導入された複数の遊技球が予め決められた割合(1/18)で第1始動口11へ誘導されたか否かを判断することができるので、振分ユニット16により遊技球の誘導、振り分けが正常に行われなくなった場合、それに対して確実に迅速に対処可能になる。
また、振分ユニット16を設けた場合、その振分ユニット16を遊技盤4に如何に取り付けるかが課題となる。本パチンコ遊技機1によれば、振分ユニット16は、第1,第2の誘導通路50,51を形成するベース部材60と、ベース部材60に装着された第1〜第3振分手段52〜54を備え、センタ役物20とベース部材60とを一体化させて遊技盤4に取り付けたので、つまりは、振分ユニット16をセンタ役物20と共に遊技盤4に容易に確実に安定させて取り付けることが可能になる。
更に、振分ユニット16を設けた場合、その振分ユニット16による遊技球の誘導、振り分けに関する演出を如何に行わせるかが課題となる。本パチンコ遊技機1によれば、第1検知手段58による検知情報に基づいて、第1の導入口50aから第1の誘導通路50に遊技球が導入されると、導入演出(図33(1)(2))を行わせる。
また、第2検知手段59による検知情報に基づいて、第1振分手段52により遊技球が第1アウト通路50cへ振り分けられると、第1アウト振分演出(図33(1))を行わせ、第1振分手段52により遊技球が第1セーフ通路50dへ振り分けられると、第1セーフ振分演出(図33(2))を行わせ、第2振分手段53により遊技球が第2セーフ通路50fへ振り分けられると、第2セーフ振分演出(図33(3))を行わせ、第3振分手段54により遊技球が第3セーフ通路50hへ振り分けられる(つまり第1始動口11に入賞する)と、第3セーフ振分演出(図33(4))を行わせる。
つまり、振分ユニット16による遊技球の誘導・振り分けについて、遊技者に興味・関心を抱かせることができる。しかも、第1,第2検知手段58,59は、そもそも、第1の導入口50aから第1の誘導通路50に導入された複数の遊技球が予め決められた割合で第1始動口11へ誘導されたか否かを判断するためのものであり、その第1,第2検知手段58,59を有効活用して、前記の演出を行うことができ、演出性を高めることができる。
次に、実施例1を部分的に変更した実施例2〜7について説明する。尚、前記実施例と基本的に同じ又は類似するものについては、同じ又は類似する符号を付して適宜説明を省略する。
図36〜図41に示すように、実施例2のパチンコ遊技機1Aは、実施例1において、多数の障害釘10の一部配置を異ならせ、第1始動口11、第2始動口装置12、一般入賞口15α、振分ユニット16、始動ユニット90等を変更したものである。
図36、図37に示すように、パチンコ遊技機1Aの遊技領域4aには、多数の障害釘10と、非開閉式の第1始動口11A(所定領域11A)と、開閉式の第2始動口12Aaを有する第2始動口装置12Aと、ゲート13と、開閉式の大入賞口14aを有する大入賞口装置14と、複数(4つ)の非開閉式の一般入賞口15(15β)と、振分ユニット16A(振分装置16A、スタート安定化装置16A)と、始動ユニット90Aが、夫々遊技球が通過(入球・入賞)可能に図示の配置で設けられている。
図36〜図38に示すように、第1始動口11Aには第1始動口SW11Aaが付設され、第2始動口装置12Aは、第2始動口12Aa、開閉部材12Ab、第2始動口SW12Ac、第2始動口SOL12Adを有する。
左遊技領域4a1を流下する遊技球は、振分ユニット16Aを通過(流下)して、第1始動口11Aに入球可能で、更に下遊技領域4a3を流下して、一般入賞口15に入球可能であり、一方、第2始動口12Aa、ゲート13、大入賞口14aには基本的に入球不可能である。右遊技領域4a2を流下する遊技球は、第2始動口12Aa、ゲート13に入球可能で、更に下遊技領域4a3を流下して、大入賞口14a、一般入賞口15に入球可能であり、一方、第1始動口11Aには基本的に入球不可能である。
左遊技領域4a1の上部は、その下側部分において、左遊技領域4a1の下部との境界に向かって下窄みとなり、その境界及び境界近傍に、左遊技領域4a1の上部を流下した全ての遊技球を通過させて、左遊技領域4a1の下部へ導入する通過通路43Aが形成されている。この通過通路43Aは、センタ役物20に第2傾斜壁20gの左下端から下方へ延びるように設けられた縦壁20Ahと、遊技盤4に固定的に設けられた縦壁44Aにより10数mm(例えば、約13〜15mm)の左右幅で形成されている。
振分ユニット16Aは、左遊技領域4a1の下部に、その左右略全幅にわたって設けられ、左遊技領域4a1の上部を流下して通過通路43Aから左遊技領域4a1の下部に導入された遊技球、つまり左遊技領域4a1を流下する遊技球は全て振分ユニット16Aを通過(流下)する。
振分ユニット16Aは、「左打ち」を行うことにより、所定個(約18個)の遊技球が左遊技領域4a1に発射されると、平均して、そのうちの1個の遊技球が第1始動口11Aに入賞可能に複数の遊技球を振り分ける、つまり、遊技球の第1始動口11Aへの入賞を安定させて行うスタート安定化装置16Aである。
振分ユニット16Aは、左遊技領域4a1を流下する遊技球を導入可能な導入口50Aaを有し、その導入口50Aaから導入された遊技球を誘導可能に設けられた誘導通路50Aと、誘導通路50A内に上流側から下流側へ段階的に設けられた複数の振分手段52A〜54A(1段目の第1振分手段52A、2段目の第2振分手段53A、3段目の第3振分手段54A)であって、誘導通路50Aにより誘導される複数の遊技球を段階的に振り分け可能で、第1始動口11Aへ誘導可能な側と第1始動口11A以外へ誘導可能な側(第1始動口11Aへ誘導可能でない側)とに夫々振り分け可能な複数の振分手段52A〜54Aとを備えている。
導入口50Aaは、振分ユニット16Aの上方へ10数mm(例えば、約13〜15mm)の左右幅で開口するように形成されて、通過通路43の下流端に接続され、つまり、通過通路43Aを通過した全ての遊技球は導入口50Aaから誘導通路50Aに導入される。
誘導通路50Aは、導入口50Aaから下流側へ延びる導入通路50Abと、導入通路50Abからその下流側へ左右に分岐して延びる第1アウト通路50Ac及び第1セーフ通路50Adと、第1セーフ通路50Adからその下流側へ左右に分岐して延びる第2アウト通路50Ae及び第2セーフ通路50Afと、第2セーフ通路50Afからその下流側へ左右に分岐して延びる第3アウト通路50Ag及び第3セーフ通路50Ahとを有する。第1,第2,第3アウト通路50Ac,50Ae,50Ag、及び第3セーフ通路50Ahの下流端が振分ユニット16Aの下方へ開口している。
第1振分手段52Aは、非電動式の振分手段52Aであり、その振分部材70が導入通路50Ab内に設けられ、その導入通路50Abにより誘導される複数の遊技球を、第1アウト通路50Acと第1セーフ通路50Adとに1:1の比率で振り分ける。第1振分手段52Aは、誘導通路50Aの導入通路50Abよりも下流側において遊技球が滞留しないように予防する第1滞留予防手段52Aとなり、第2振分手段53Aによる遊技球の正常な振り分けを行わせ得るように機能する。
第2振分手段53Aは、非電動式の振分手段53Aであり、その振分部材80等が第1セーフ通路50Ad内に設けられ、その第1セーフ通路50Adにより誘導される複数の遊技球を、第2アウト通路50Aeと第2セーフ通路50Afとに2:1の比率で振り分ける。第2振分手段53Aは、誘導通路50Aの第1セーフ通路50Adよりも下流側において遊技球が滞留しないように予防する第2滞留予防手段53Aとなり、第3振分手段54Aによる遊技球の正常な振り分けを行わせ得るように機能する。
第3振分手段54Aは、電動式の振分手段54Aであり、その振分部材211等が第2セーフ通路50Af内に設けられ、その第2セーフ通路50Afにより誘導される複数の遊技球を、第3アウト通路50Agと第3セーフ通路50Ahとに平均して2:1の比率で振り分ける。
振分ユニット16Aは、導入口50Aaを通過した遊技球を検出する1つの第1球検出SW55Aと、第2振分手段53Aにより第2セーフ通路50Afへ振り分けられた遊技球を検出する第2球検出SW57Aとを備えている。
振分手段52A〜54Aによる所期の振り分けが行われているか否かを判断するために、第1球検出SW55Aと遊技制御基板31のコンピュータにより、導入口50Aaから誘導通路50Aに導入された遊技球及びその数を検知可能な第1検知手段58Aが構成され、第1始動口SW11Aaと第2球検出SW57Aと遊技制御基板31のコンピュータにより、第2振分手段53Aにより第2セーフ通路50Afへ振り分けられた遊技球及びその数、第3振分手段54Aにより第3セーフ通路50Ahへ振り分けられた(第1始動口11Aに入賞した)遊技球及びその数を検知可能な第2検知手段59Aが構成されている(図38参照)。
遊技制御基板31又は演出制御基板33のコンピュータ(又はホールコンピュータHC)により、第1,第2検知手段58A,59Aによる検知情報に基づいて、詳しくは、第1検知手段58Aにより検知された遊技球の数、及び第2検知手段59Aにより検知された遊技球の数に基づいて、導入口50Aaから誘導通路50Aに導入された複数の遊技球が予め決められた割合(約1/18)で第1始動口11Aへ誘導されたか否かを判断可能に構成されている。
振分ユニット16Aは、互いに連結されたベース上部61Aとベース中央部62A、及びベース下部63Aを含み、これら61A〜63Aによって誘導通路50A(50Aa〜50Ah)を形成するベース部材60Aを有し、センタ役物20とベース部材60Aとが連結され一体化されて遊技盤4に取り付けられている。
ベース上部61Aに、誘導通路50Aの導入口50Aa、導入通路50Ab、第1アウト通路50Ac及び第1セーフ通路50Adの一部が形成されて、第1振分手段52A、第1球検出SW55Aが装着され、ベース中央部62Aに、誘導通路50Aの第1アウト通路50Ac及び第1セーフ通路50Adの一部、第2アウト通路50Ae、第2セーフ通路50Afの一部が形成されて、第2振分手段53A、第2球検出SW57Aが装着され、ベース下部63Aに、誘導通路50Aの第2セーフ通路50Afの一部、第3アウト通路50Ag、第3セーフ通路50Ahが形成されて、第3振分手段54Aが装着されている。
第1振分手段52Aは、実施例1の第1振分手段52と基本的に同じ構造であり、第2振分手段53Aは、実施例1の第1振分手段53と基本的に同じ構造である。故に、これら振分手段52A,53Aの詳細な説明については省略する。
第3振分手段54Aについて詳しく説明する。
図39、40に示すように、電動式の第3振分手段54Aには、導入口50Aaから誘導通路50Aに導入された遊技球が第3振分手段54Aへ到達する迄の時間を不規則にする為の不規則手段200が付設されており、先ず、この不規則手段200について説明する。
不規則手段200は、誘導通路50Aのうち第2球検出SW57Aよりも下流側且つ第3振分手段54Aよりも上流側の第2セーフ通路50Af内に設けられ、第2セーフ通路50Afにより誘導される複数の遊技球全てが通過する所謂クルーン200により構成されている。このクルーン200は、ベース下部63Aに一体的に設けられている。クルーン200は、第2球検出SW57Aの下側且つ右側に配置され、遊技球が回転しながら転動可能な環状の皿状部200aと、皿状部200aの外周に下端が繋がる円筒面状の内周壁部200bと、皿状部200aの中心側に形成されて皿状部200aから遊技球が落下可能な穴200cとを有する。
第2セーフ通路50Afにおいて、第2球検出SW57Aを通過し落下する遊技球を受止めて右方のクルーン200へ誘導する通路部50Af-1が通路形成部材200dにより形成され、その通路形成部材200dは、ベース下部63Aの一部を構成して、クルーン200と一体的に、つまりベース下部63Aに一体的に設けられている。通路部50Af-1により誘導されてきた遊技球は、その通路部50Af-1の下流端から、クルーン200の内周壁部200b内に、皿状部200aを回転しながら転動するように導入され、穴200cから落下すると第3振分手段54Aに到達する。
このクルーン200において、通路部50Af-1から内周壁部200b内に導入される複数の遊技球は、その個々の遊技球によって、その導入位置、導入速度等が多少異なり、また、場合によって、皿状部200aを水平から多少傾けておくことで、皿状部200aを転動している時間(内周壁部200b内に導入後に穴200cから落下する迄の時間)が異なることから、誘導通路50Aに導入された遊技球が第3振分手段54Aへ到達する迄の時間を不規則にすることができる。
図39〜図41に示すように、第3振分手段54Aは、外周が円形の底壁210aと円筒状の周壁210bとを有する器部材210と、器部材210に回転自在に装着された振分部材211と、振分部材211を回転させる駆動手段212とを備え、振分部材211による(振分部材211が一定時間(例えば、3秒)で1回転する)所定の振分動作を規則的に繰り返し行うように、駆動手段212により振分部材211を連続的に一定速度で回転させることにより、第2セーフ通路50Afにより誘導される複数の遊技球を、第3アウト通路50Agと第3セーフ通路50Ahとに平均して2:1の比率で振り分ける。
器部材210は、ベース下部63Aに一体的に設けられ、その中心(底壁210aの中心)がクルーン200の穴200cの直下に位置するように配置され、振分部材211は、所定太さの鉛直軸状に形成され、底壁210aの中心部を挿通してその上方へ突出するように設けられている。振分部材211にはその上端から所定角度(例えば、45度)の傾斜面211aが形成され、クルーン200の穴200cから落下する遊技球は、傾斜面211aに接触して底壁210a上の何れかの位置に乗るが、その位置は、傾斜面211aが遊技球と接触したときに向く方向によって決まり、つまり傾斜面211aの回転により可変になる。
底壁210aは、その上面側が2つの仕切壁210c,210dにより周方向に仕切られて、中心角度が約240度のアウトセクタ領域210eと、中心角度が約120度のセーフセクタ領域210fとに区画され、底壁210aには、アウトセクタ領域210eに臨むアウト穴210gと、セーフセクタ領域210fに臨むセーフ穴210hが形成されている。アウトセクタ領域210eに乗った遊技球はアウト穴210gから排出され、このアウトセクタ領域210e及びアウト穴210gにより第3アウト通路50Agが構成され、セーフセクタ領域210fに乗った遊技球はセーフ穴210hから排出され、このセーフセクタ領域210f及びセーフ穴210hにより第3セーフ通路50Ahが構成されている。
このように、一定速度で回転する振分部材211の傾斜面211aに接触した遊技球は、中心角度が約240度のアウトセクタ領域210eと中心角度が約120度のセーフセクタ領域210fとに平均して2:1の比率で振り分けられ、つまり、第2セーフ通路50Afにより誘導される複数の遊技球が、第3アウト通路50Agと第3セーフ通路50Ahとに平均して2:1の比率で振り分けられる。
張出部材47の左サイドステージ47aは、振分ユニット16Aの誘導通路50Aのうちのアウト通路50Ac,50Ae,50Agを通って、振分ユニット16Aの下側へ排出された遊技球を全て受け止めて右下方へ誘導し、その右端部から後方へ、中央ステージ20bの左端部に乗せるように誘導する。或いは、アウト通路50Agから排出された遊技球だけは、左サイドステージ47aに誘導されないで中央ステージ20bの左端部に誘導される。尚、左遊技領域4a1において、内側のガイドレール8a、振分ユニット16A、張出部材47で囲まれた領域部分は多少広く、そこには、遊技球が接触して流下方向を変えられる複数(2つ)の塊状の障害凸部220,221が設けられている。
下遊技領域4a3の中央部には、中央ステージ20bの左右2つの落下開口20Ac間の下側に一般入賞口15βが配置され、この一般入賞口15βよりも上方位置に複数の障害釘10が配置され、これら障害釘10のうちの幾つかが、その傾きを変えて、遊技球が一般入賞口15βに入賞し易く又は入賞し難くなるように調整できる調整釘10になっている。
また、下遊技領域4a3の中央部には、中央ステージ20bの左右2つの落下開口20Acの下側に、遊技球が接触して流下方向を変えられる2つの障害凸片49Aが設けられ、これら2つの障害凸片49Aの間に、同じく遊技球が接触して流下方向を変えられる中央障害凸片225が設けられている。2つの障害突片49Aは、緩傾斜のハ字状に設けられ、遊技球が障害凸片49Aに乗り一般入賞口15βから遠ざかる外側へ案内され易くなる。中央障害凸片225は、2つの障害凸片49A間を左右に仕切る鉛直状に設けられている。
振分ユニット16Aには、その第3セーフ通路50Ahから排出された遊技球を導入して第1始動口11Aへ誘導可能な内部通路を形成する誘導通路管65Aが付設され、その始動口誘導通路65Aは、その内部通路を透視可能に透明又は半透明に形成されている。誘導通路管65Aは、中央ステージ20bの上方近傍に且つ中央ステージ20bに沿って配設され、センタ役物20(振分ユニット16A)と連結され一体化されて遊技盤4に取り付けられている。
誘導通路管65Aの内部通路は、中央ステージ20bと同じような皿状に湾曲した断面形状をなし、つまり、誘導通路管65Aには、その内部通路に左右2つの最下部があり、これら2つの最下部間の内部通路に開口して、内部通路内の遊技球が入賞可能な第1始動口11Aが設けられ、また、これら2つの最下部の近傍に内部通路内の遊技球を排出可能な左右2つの排出口(図示略)が形成されている。
一方、中央ステージ20bの左右2つの最下部の後側近傍に、前記2つの排出口に繋がる左右2つの導出口226が形成され、つまり、誘導通路管65Aの内部通路内の遊技球は、第1始動口11Aに入賞しなかった場合、2つの排出口の何れかに導入され対応する2つの導出口226の何れから中央ステージ20bへ導出される。中央ステージ20bを転動する遊技球は、左右2つの落下開口20Acの何れかから前方へ出て落下する。
こうして、振分ユニット16Aにおいて、導入口50Aaから誘導通路50Aに導入された遊技球は、第1振分手段52Aにより1/2 の割合で第2振分手段53Aへ誘導可能な側へ振り分けられ、第1,第2振分手段52A,53Aによりトータル1/6 の割合で第3振分手段54Aへ誘導可能な側へ振り分けられ、第1〜第3振分手段52A〜54Aによりトータル約1/18の割合で第1始動口11Aへ誘導可能な側へ振り分けられて導かれ、一方、第1〜第3振分手段52A〜54Aによりトータル約17/18 の割合で第1始動口11Aへ誘導可能な側へ振り分けられなかった遊技球、及び、トータル約1/18の割合で第1始動口11Aへ誘導可能な側へ振り分けられても最終的に第1始動口11Aに入賞しなかった遊技球は、中央ステージ20bへ導かれる。
第2始動口装置12Aとゲート13を含む始動ユニット90Aは、右遊技領域4a2の下部に、その左右略全幅にわたって設けられ、右遊技領域4a2の上部を流下してきた遊技球は、右遊技領域4a2の下部において複数の障害釘10に案内され、その殆どの遊技球が始動ユニット90Aに導入される。
つまり、始動ユニット90Aは、「右打ち」を行うことにより、右遊技領域4a2に発射された殆どの遊技球がゲート13を通過して第2始動口装置12Aの第2始動口12Aaに入賞可能に導く、つまり、遊技球のゲート13への通過と第2始動口12Aaへの入賞を安定させて行うスタート安定化装置90Aである。
振分関連処理手段117は、具体的に、第1検知手段58Aによって、導入口50Aaから誘導通路50Aに導入された遊技球の数NAを検知し、第2検知手段59Aによって、第2振分手段53Aにより誘導通路50Aの第2セーフ通路50Afへ振り分けられた遊技球の数NBを検知し、第1始動口11に入賞した遊技球の数NCを検知する。
そして、検知した遊技球の数NA,NB,NCを用いて、導入口50Aaから誘導通路50Aに導入された複数の遊技球が予め決められた割合(約1/18)で第1始動口11Aへ誘導されたか否か、つまり、振分ユニット16Aにより遊技球の正常な振り分けが行われているか否かを判断する。具体的には、NA:NB≒6:1であるか否か、NA:NC≒18:1であるか否か、NB:NC≒3:1であるか否か等の判定を定期的に行って判断する。
ところで、振分ユニット16Aの導入口50Aaから誘導通路50Aに導入された複数の遊技球は6個に1個の割合で第3振分手段54Aまで誘導され、それら遊技球が誘導通路50Aに導入されてから第3振分手段54Aに到達すまでの時間が、その個々の遊技球によらずに略一定であると、第3振分手段54Aは、振分部材211が一定時間で1回転する所定の振分動作を規則的に繰り返し行う電動式であるので、次の課題が生じる。
即ち、遊技者は、ハンドル7を操作して、遊技球を発射させるタイミングを自由に変えられるため、第3振分手段54Aの振分部材211の動作を見て、その振分部材211が遊技球を第3セーフ通路50Ahへ振り分ける回転位置になるときに、遊技球が第3振分手段54Aに到達できるタイミングで、遊技球を発射させる狙い撃ちを行うこと、つまり振分手段52A〜54Aにより遊技球を第1始動口11Aへ誘導可能な側へ振り分ける割合を、所期の割合(約1/18) よりも高くするように故意に偏らせることが可能になる。
本発明のパチンコ遊技機1Aによれば、振分ユニット16Aの誘導通路50A(第2セーフ通路50Af)内に、誘導通路50Aに導入された遊技球が第3振分手段54Aへ到達する迄の時間を不規則にする為の不規則手段200(クルーン200)を設けたので、前記課題を改善し、つまり振分手段52A〜54Aにより遊技球を第1始動口11Aへ誘導可能な側へ振り分ける割合を、所期の割合(約1/18) よりも高くするように遊技者が故意に偏らせることが難しいものにすることができる。本発明のパチンコ遊技機1Aの他の作用、効果については、実施例1の作用、効果と基本的に同じである。