JP2016182092A - 植物栽培装置 - Google Patents

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あゆみ 三好
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Abstract

【課題】低コストで精度の高い栽培実験や研究を効率良く促進させることができる植物栽培装置を提供する。
【解決手段】装置本体11の内部に、所定の最小株数の植物を収納する最小限の範囲で外部から区画された生育空間12が形成され、生育空間12に植物を収納したままの状態で、該植物の重量を測定可能な重量測定手段を備える。重量測定手段は、植物を含む前記装置本体11の培養槽13である被測定部の重量を植物の重量ごと測定する重量センサ21と、測定器21による測定値から植物以外の前記被測定部自体の重量分を減算して植物のみの重量を算出する演算部(コントロールユニット100)とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、植物の生育に影響を与える各要素を調整可能な環境条件下にて、所定の最小株数の植物を育成するための植物栽培装置に関する。
従来より、植物の最適な育成環境を見出すための実験に使用される研究用の植物育成装置について、様々な提案がなされている。従来の植物育成装置では、例えば特許文献1,2に開示されているように、通常はいわゆるチャンバー(恒温恒湿槽)を備えており、チャンバー内部に複数株の植物を入れて実験を行うことが一般的であった。
このような植物育成装置において、植物の育成に関する検証方法の代表例として重量測定が知られている。かかる重量測定には様々な方法があり、例えば特許文献3には、育苗トレーに対する給水量を自動的に調節する指標として、構造が簡単な天秤計りを用いて育苗トレーの重量を測定する技術が開示されている。
特許第3982897号公報 特許第5034030号公報 特開平11−89451号公報
前述した従来の植物育成装置では、植物を例えば1株等の最小株数で育成を検証する場合に、チャンバー内に複数株を収納すると、個体間で相互作用が働いてしまい単体としての検証には適さないという問題があった。このような個体間の相互作用を防ぐために、チャンバー内を何らかの形で1株ごとのエリアに区切ると、一部の植物に対して光や風が遮られてしまうことがあり、植物の置かれている環境の均一性が確保できなくなる虞があった。
また、チャンバー内を複数のエリアに区切ることなく、株の配置間隔を広げる場合は、限られたチャンバー内に僅かな株数しか収納することができないという問題が生じる。しかも、チャンバーは、植物を複数株まとめて収納できる大きさであるため、限られたスペースに多くの装置を設置するにも限界があった。
また、チャンバー内の環境条件は、収納した植物の株数に関わらず、原則として同じ温度や湿度等と一律にしか調整できなかった。従って、多くの環境条件を設定して栽培実験を行う場合には、多くの装置を用意して同時並行して実験するか、一つの実験が終わってから次の環境条件を設定し、時間的にシリーズで実験することになる。そのため、余計にコストがかかるだけでなく、実験に時間がかかるという問題があった。
さらに、従来の植物育成装置では、植物の重量を測定する際には、チャンバー内から植物を取り出さなければならなかった。そのため、重量測定による検証作業に時間がかかり面倒なだけでなく、植物を取り出す際に根や葉が欠損することも多く、検証の精度が損なわれる可能性もあった。また、特許文献3に開示された重量測定は、植物自体の湿重量や乾重量を測定できるものではなかった。
本発明は、以上のような従来の技術の有する問題点に着目してなされたものであり、植物を最小単位で育成するに際し、植物単体の能力や人工的に制御された環境下での栽培を検証することができ、また、省スペース化の要請にも応じることができ、しかも、植物の検証方法の一つである重量測定について、装置から植物を取り出したりすることなく、容易かつ正確な測定ないし検証が可能となる植物栽培装置を提供することを目的としている。
前述した目的を達成するための本発明の要旨とするところは、以下の各項の発明に存する。
[1]植物の生育に影響を与える各要素を調整可能な環境条件下にて、所定の最小株数の植物を育成するための植物栽培装置(10)において、
装置本体(11)の内部に、所定の最小株数の植物を収納する最小限の範囲で外部から区画された生育空間(12)が形成され、
前記生育空間(12)に植物を収納したままの状態で、該植物の重量を測定可能な重量測定手段(21,100)を備えることを特徴とする植物栽培装置(10)。
[2]前記重量測定手段(21,100)は、
植物を含む前記装置本体(11)の一部または全部である被測定部の重量を植物の重量ごと測定する測定器(21)と、
前記測定器(21)による測定値から植物以外の前記被測定部自体の重量分を減算して植物のみの重量を算出する演算部(100)と、を備えることを特徴とする前記[1]に記載の植物栽培装置(10)。
[3]前記測定器(21)は、植物の栽培中における所定のタイミングで重量を測定し、
前記演算部(100)は、前記測定器(21)の測定値から前記被測定部自体の重量分を減算して、植物の生育中の湿重量を算出することを特徴とする前記[2]に記載の植物栽培装置(10)。
[4]前記測定器(21)は、植物の栽培開始時における重量を測定し、その測定値を初期重量として記憶しておき、
前記演算部(100)は、植物の栽培中における所定のタイミングでの前記測定器(21)の測定値から前記初期重量を減算して、植物の生育に伴う湿重量の増加分を算出することを特徴とする前記[3]に記載の植物栽培装置(10)。
[5]前記生育空間(12)に植物を収納したままの状態で、該植物を乾燥させる加熱器(22)を備え、
前記演算部(100)は、前記加熱器(22)による植物の乾燥後における前記測定器(21)の測定値から前記被測定部自体の重量分を減算して、植物の乾燥後の乾重量を算出することを特徴とする前記[3]または[4]に記載の植物栽培装置(10)。
[6]前記測定器(21)は、植物の栽培開始前に前記被測定部に未だ植物の生育に必要な養液を含めない状態で、該被測定部から養液の重量分を除いた重量を測定し、その測定値を空重量として記憶しておき、
前記加熱器(22)は、植物の栽培終了時に前記被測定部から前記養液を外部へ排出した後に、植物を乾燥させ、
前記演算部(100)は、前記加熱器(22)による植物の乾燥後における前記測定器(21)の測定値から前記空重量分を減算して、植物の乾燥後の乾重量を算出することを特徴とする前記[5]に記載の植物栽培装置(10)。
[7]前記演算部(100)は、前記湿重量を算出した直後に前記乾重量を算出すると共に、前記湿重量から前記乾重量を減算して、植物の水分含量を算出することを特徴とする前記[5]または[6]に記載の植物栽培装置(10)。
次に、前述した解決手段に基づく作用を説明する。
前記[1]に記載の植物栽培装置(10)は、植物を所定の最小株数だけ育成するものであり、一つの装置本体(11)の内部に、所定の最小株数の植物を収納する最小限の範囲で外部から区画された一連の生育空間(12)が形成される。この生育空間(12)において、植物の生育に影響を与える各要素が調整された環境条件に制御される。これにより、植物を育成するための多様な環境条件を簡易かつ低コストで実現することができる。
生育空間(12)は、植物を所定の最小株数だけ収納する最小限の範囲に設定されるから、装置全体を極力小型化することが可能となる。これにより、植物を最小株数の単位で効率良く栽培実験や研究を進めることができるだけでなく、限られたスペース内でも、より多くの装置による環境条件の設定が可能となり、また、装置自体の価格やエネルギー消費も抑えることができる。
生育空間(12)は、基本的には閉鎖系となるが、前述した植物の生育に影響を与える各要素である水分や二酸化炭素(空気)等を、装置本体(11)の外部から供給するように構成すると良い。これにより、装置本体(11)自体をいっそう小型化することが可能となる。また、生育空間(12)における余分な水分や空気等は、外部に排出できるように構成する。
このような植物栽培装置(10)で栽培する植物の育成に関する検証方法の一つとして、植物の重量測定が重要である。本植物栽培装置(10)では、生育空間(12)に植物を収納したままの状態で、該植物の重量を測定可能な重量測定手段(21,100)を備えている。よって、装置本体(11)内から植物を取り出したりすることなく、植物の栽培中にそのままの状態でも容易に重量を測定することができる。かかる測定結果に基づいて植物の生育の良否を把握することが可能となる。
前記重量測定手段(21,100)は、例えば前記[2]に記載したように、具体的には測定器(21)と演算部(100)とから構成すると良い。植物栽培装置(10)が備える測定器(21)によって、植物を含む装置本体(11)の一部または全部である被測定部の重量が植物の重量ごと測定される。これにより、植物を栽培中の状態のままで重量を測定できるが、測定器(21)による測定値には、植物のみならず被測定部の重量も含まれている。
そこで、演算部(100)によって、前記測定器(21)による測定値から植物以外の前記被測定部自体の重量分を減算して植物のみの重量を算出すれば良い。ここで被測定部自体の重量分は、予め植物の栽培開始前に測定器(21)で測定しておく。このように植物自体の重量を容易に算出して検証することができる。なお、被測定部は、装置本体(11)において植物を直接支えて、測定器(21)により重量が計測される部位であるが、装置本体(11)ごと全て被測定部として植物と共に計測するようにしても良い。
前記[3]に記載の植物栽培装置(10)によれば、前記測定器(21)は、植物の栽培中における所定のタイミングで重量を測定し、前記演算部(100)は、前記測定器(21)の測定値から前記被測定部自体の重量分を減算して、植物の生育中の湿重量を算出する。かかる湿重量は、植物の栽培中において何時でも所定のタイミングで繰り返し測定することができる。よって、植物の栽培中における湿重量を随時把握することができる。
前記[4]に記載の植物栽培装置(10)によれば、植物全体の湿重量ではなく、その増加分だけを検証することができる。すなわち、先ず前記測定器(21)により、植物の栽培開始時における重量を測定し、その測定値を初期重量として記憶しておく。そして、前記演算部(100)により、植物の栽培中における所定のタイミングでの前記測定器(21)の測定値から前記初期重量を減算して、植物の生育に伴う湿重量の増加分を算出する。よって、植物の栽培中における湿重量の変化の推移を容易に検証することができる。
ところで、植物の重量測定には、栽培中の湿重量だけでなく、乾燥された後の乾重量も対象となり、前記[7]に記載したように、湿重量から乾重量を減算することで、当該時点における植物の水分含量も把握することができる。このような植物の水分含量は、植物の生育度合い(結果)をより正確に検証する上で、重要な判断材料として活用することができる。
前記[5]に記載の植物栽培装置(10)によれば、生育空間(12)に植物を収納したままの状態で、植物を乾燥させる加熱器(22)を備えており、植物の乾重量を測定する際に乾燥させることができる。かかる乾燥により、植物の組織を破壊することになるので、乾燥時に植物の栽培は終了することになる。
植物を十分に乾燥させた後、未だ植物を装置本体(11)内から取り出すことなく、そのままの状態で測定器(21)により、乾燥した植物を被測定部ごと重量を測定する。そして、前記演算部(100)により、植物の乾燥後における測定器(21)の測定値から被測定部自体の重量分を減算して、植物の乾燥後の乾重量を算出する。乾重量も、植物の栽培終了時における生育結果の良否を検証するデータとして活用することができる。
さらに具体的な乾重量の測定としては、前記[6]に記載したように、前記測定器(21)により、植物の栽培開始前に被測定部に未だ植物の生育に必要な養液を含めない状態で、該被測定部から養液の重量分を除いた重量を測定し、その測定値を空重量として記憶しておく。
その後、前記加熱器(22)を、植物の栽培終了時に前記被測定部から養液を外部へ排出した後に作動させ、養液を含まない生育空間(12)にて植物を乾燥させる。そして、前記演算部(100)により、加熱器(22)による植物の乾燥後における測定器(21)の測定値から前記空重量分を減算して、植物の乾燥後の乾重量を算出する。かかる工程により、より正確な植物の乾重量の測定が可能となり、前記[7]に記載した植物の水分含量もいっそう正確に把握することができる。
本発明に係る植物栽培装置によれば、植物を最小株数で育成するに際し、他の植物の影響を受けにくい人工的に制御された環境下での栽培実験や研究を、安価に短い期間で、しかも高い精度で効率良く行うことが可能となり、植物の種類に見合った最適な環境条件を容易に解明することができる。これにより、植物工場や施設栽培の発展に寄与することができる。
また、植物の最小株数に応じて小型化したことにより、限られたスペース内でも、同時に多くの装置ごとに環境条件の設定が可能となり、省スペース化の要請にも応じることができると共に、装置自体の価格やエネルギー消費も抑えることができる。
しかも、植物の検証方法の一つである重量測定について、装置から植物を取り出したりすることなく、容易かつ正確な測定ないし検証が可能となる。
本発明の実施の形態に係る植物栽培装置を模式的に表した縦断面図である。 本発明の実施の形態に係る植物栽培装置の制御系の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態に係る植物栽培装置における栽培ないし重量測定を示すフローチャートである。 本発明の別の実施の形態に係る植物栽培装置を概念的に示す説明図である。
以下、図面に基づき、本発明を代表する実施の形態を説明する。
最初に、図1によって、本実施の形態に係る植物栽培装置10の全体構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る植物栽培装置10の要部を模式的に表した縦断面図である。植物栽培装置10は、植物の生育に影響を与える各要素を調整可能な環境条件下にて、所定の最小株数の植物を育成するための装置である。
図1に示すように、植物栽培装置10は、一つの装置本体11の内部に、所定の最小株数の植物を収納する最小限の範囲で外部から区画された一連の生育空間12を形成するように構成されている。ここで「所定の最小株数」とは、植物の種類ごとに適宜定められる数であり、必ずしも1株のみに限定されるものではない。例えば、予め定めた最小限の容積ないし形状に定められた生育空間12に対して、比較的大きく成長する植物では1株だけが適する。これより小さい植物では、1株または2株、1株から3株、1株から4株、あるいは1株から5株程度が適するが、この数の限りではなく、生育空間12において予想される植物の占有率等に基づき適宜設定される。
また「最小限の範囲」とは、前述した最小株数の植物が、自然な生育形態で収まる最小限の容積ないし形状であり、かかる範囲(スペース)で生育空間12は外部から区画される。このように生育空間12を内部とする装置本体11全体の外形は、特に限定されるものではない。例えば、円筒状、直方体、球形、卵形、紡錘形等の様々な外形が考えられるが、本実施の形態では、図1に示すように、下部が円筒形で上部が丸味を帯びたカプセル型を採用している。
装置本体11の内部の生育空間12では、植物の生育に影響を与える各要素が調整された環境条件に制御される。ここで各要素とは、植物の光合成に必要な水分、光、二酸化炭素や、栄養素、温度、湿度等と多岐に亘るが、本実施の形態における制御対象は、光、水分である養液、空気中の二酸化炭素、空気の温度および湿度等が該当する。これらの各要素は、植物の生理に合うよう制御されることで、互いに相関を保ちながら植物の育成を促進する。
装置本体11にて生育空間12を区画する各面壁11aは、例えば、アクリルやポリカーボネート等の合成樹脂、あるいはアルミニウムやその合金等の金属によって構成されている。かかる各面壁11aの材質には、光触媒作用のある酸化チタン等を混合させれば、表面における雑菌の繁殖を抑制でき、表面の汚れを防ぐことができる。
また、各面壁11aの外面は遮光材で覆うと良い。ここで遮光材の材質は、外部からの光を透過させないものであれば何でも良いが、断熱材を兼ねるものにすると良い。具体的には例えば、発泡スチロールや塩化ビニール等の断熱性に優れた合成樹脂が適している。なお、各面壁11a自体を、遮光性や断熱性を有する材質によって形成することもできる。
さらに、各面壁11aの内面には反射材を設けると良い。ここで反射材としては、後述する光照射部20から照射された光を反射できるものであれば何でも良いが、具体的には例えば、白色反射シートや鏡面反射シートを各面壁11aの内面に貼り付けたり、白色塗料や光反射塗料を各面壁11aの内面に塗布して構成することができる。
装置本体11の下部には、上面側が生育空間12に開口した養液槽13が設けられている。養液槽13は、例えば、底が円板形で周壁が円形断面の底浅の槽として形成され、その材質は、前記装置本体11の各面壁11aと同様に合成樹脂や金属等が用いられる。養液槽13の内部は、水耕栽培用の養液で満たされるが、他に土壌栽培用の土や培地栽培用に固形培地等を充填しても良い。この種の植物栽培装置10において、最も扱いやすい栽培方法は水耕栽培であり、本実施の形態では、一般的な湛液型水耕(DFT)を採用している。
ここで養液とは、植物が成長するために必要な栄養素(必須元素)を溶かした水溶液である。栄養素としては、例えば、窒素(N)リン(P)、カリウム(K)等があり、これらはイオン化された状態で水に溶けている。養液は、育成する植物の種類に応じて、また目標とする育成結果を得るために、各栄養素の濃度、pH(水素イオン濃度)、EC(電気伝導度)等が異なる様々な種類が存在する。
養液槽13には、本体装置11の面壁11aを貫通して外部から養液を供給するための給液管14と、不要な養液を外部へ排出するための排液管15が接続されている。給液管14や排液管15の途中には、それぞれ開閉可能なバブル(例えば電磁弁等)が設けられ、給液管14の途中には、送液用の電動ポンプ等も配設されている。なお、給液管14や排液管15は、断熱材を外周に被覆する等して断熱すると良い。
装置本体11の面壁11aにおいて養液槽13の上方には、生育空間12に外部から空気(二酸化炭素)を供給するための給気管16が接続されている。また、装置本体11の天井部には、生育空間12の空気を外部へ排出するための排気管17も接続されている。給気管16や排気管17の途中には、それぞれ開閉可能なバブル(例えば電磁弁等)が設けられ、給気管16の途中には、送風用の電動ポンプや送風ファン等も配設されている。なお、給気管16や排気管17も、断熱材を外周に被覆する等して断熱すると良い。
また、装置本体11の底部において養液槽13の下方には、重量センサ21が設けられており、この重量センサ21上に養液槽13は載置されている。ここで重量センサ21は、荷重や質量を測定できる感圧センサの一種であり、その構成は一般的であるので詳細な説明は省略する。重量センサ21の測定対象は、装置本体11のうち、その一部をなす養液槽13と栽培する植物である。よって、重量センサ21の測定値からは、装置本体11の各面壁11aや後述する光照射部20やカメラ23等の付属物の重量は除かれる。
重量センサ21は、植物を含む装置本体11の一部または全部である「被測定部」として養液槽13の重量を植物の重量ごと測定する「測定器」に相当する。ただし、他の実施の形態として、例えば、重量センサ21を、装置本体11の外部下側に設けて、該装置本体11の付属物を含む全ての重量を測定するように構成しても良い。かかる場合には、装置本体11の全部が「被測定部」に相当することになる。何れにせよ測定器である重量センサ21は、後述する演算部と共に、生育空間12に植物を収納したままの状態で、該植物の重量を測定可能な重量測定手段を構成する。なお、測定器は、重量センサ21に限られることなく、他の重量測定可能な手段によって構成しても良い。
重量センサ21の下方には、後述する演算部の機能を実現するコントロールユニット100が設けられており、重量センサ21による測定値は、コントロールユニット100に出力される。かかるコントロールユニット100は、詳しくは後述するが、生育空間12における環境条件を制御するものである。なお、コントロールユニット100は、防水性のケースに密閉した状態で、重量センサ21の下方に配設されるが、必ずしも装置本体11の内部に設ける必要はなく、装置本体11の外部に設けても良い。
また、装置本体11の面壁11aにおいて養液槽13の上方には、周方向に配置されたヒーター22が設けられている。ここでヒーター22は、生育空間12の植物に向かって熱を発するものであり、例えば、通電により発熱するフィルム状のヒーター22が適している。具体的には、自己温度制御機能を持ったPTCインクと導電ペーストをエッチングして回路を形成したヒーター22を採用すると良いが、その構成は一般的であるので詳細な説明は省略する。
ヒーター22は、生育空間12に植物を収納したままの状態で、該植物を乾燥させる「加熱器」に相当するものである。かかるヒーター22によって、例えば80℃で植物を重量変化がなくなるまで通風乾燥させる。ヒーター22の通電は、後述のコントロールユニット100によって制御されるが、ヒーター22にPTCを用いることなく、加熱時の温度制御に関してもコントロールユニット100によって制御するように構成しても良い。なお、加熱器は、ヒーター22に限られることなく、他の重量測定可能な手段によって構成しても良い。
装置本体11の天井部には、下方に位置する植物に対して光を照射する光照射部20が設けられている。ここで光照射部20は、それ自体が光源として構成される場合と、外部の光源から導光された光を照射する場合があるが、何れの場合も、下方に向けて光を照射する状態に配置される。光照射部20自体が光源となる場合は、具体的には例えば、LED(発光ダイオード)、小型の蛍光灯や白熱灯、そのほか有機EL(エレクトロルミネッセンス)等により構成すると良い。
特にLEDは、他の光源に比べて小型化が可能であり、低消費電力であり、長寿命である等の利点を有するため、光源として適している。LEDには、様々な発光色を発するものがあり、例えば、赤色光、青色光、緑色光、白色光、遠赤光等の複数の発光色のものを所定の割合(例えば発光面積の比)で適宜組み合わせ、互いに異なる分光分布(ナロー、ブロード、波長合成)や光量(光量子束密度)の種類を用意すると良い。
植物の生育に光が必要なのは、植物が光合成を行うためであるが、植物の主な集光色素であるクロロフィルaやクロロフィルbで最も吸収されやすい波長は、400〜500nm付近の青色光と、600〜700nm付近の赤色光である。これらの波長域の光が、光合成にとって有効であることが知られている。よって、この2つの波長域の光をメインとした照射を行うように、光源の発光色を制御すると良い。
また、外部に光源がある場合は、例えば、太陽光等の自然光を光ファイバーによって光照射部20まで導光して照射するように構成したり、あるいは、外部にあるLED等からの人工光を光ファイバーによって光照射部20まで導光して照射するように構成しても良い。光照射部20とは別に外部光源がある場合には、太陽光やLED等の光をレンズ等から成る集光機により効率的に集め、この集光した光を、光ファイバーで光照射部20まで導くことになる。ここで光ファイバーの光を出射する先端部が、主として光照射部20に相当することになる。
次に、生育空間12に設けられた制御系の構成要素について説明する。ここで制御系の構成要素とは、生育空間12における環境条件の制御に関与するものである。図1中では図示省略したが、装置本体11内にある養液槽13内の適所には、養液の水温を検出する温度センサが設けられている。温度センサ自体の構成は、一般的であるので省略するが、温度センサは、後述するコントロールユニット100に、検出した養液の水温の測定値を出力するように設定されている。
養液の水温を調整する構成要素(被制御機器)としては、加温器や冷却器が考えられる。これら制御対象となる構成要素は、本実施の形態では、養液槽13内に直接設けることなく、装置本体11の外部にある養液生成ユニット140に設けられている。かかる養液生成ユニット140で水温等を調整した養液を、前記給液管14を通して装置本体11内の養液槽13に供給するように構成している。
養液槽13では、さらに水感センサを設けてオーバーフローを検知可能として、養液の供給ないし排出量の調整や、養液を一定量に保つ制御も行っている。さらに、養液中の各栄養素の濃度、pH(水素イオン濃度)、EC(電気伝導度)等を検知して、センシングデータを出力する各種センサを設け、それぞれの要素についてもフィードバック制御を行うように構成しても良い。
また、装置本体11内には、養液槽13の上方に位置する各面壁11aの内側等の適所に、生育空間12の空気に関するセンシングデータを出力する温度センサ、湿度センサ、二酸化炭素センサ等が設けられている。これらのセンサ自体の構成も、一般的であるので省略するが、各種センサもコントロールユニット100に信号線を介して接続され、検出した測定値をコントロールユニット100に出力するように設定されている。
空気の温度を調整する構成要素としては、前記養液の水温制御と同様に加温器や冷却器が考えられる。また、湿度を調整する構成要素として加湿器が、二酸化炭素濃度を調整する構成要素として炭酸ガス発生器も考えられる。これらも、装置本体11内に設けることなく、後述の空気生成ユニット130として装置本体11の外部に設け、温度等の環境条件を調整した空気を、前記給気管16を通して生育空間12に供給するように構成している。さらに、装置本体11内には、必要に応じて風量センサを設け、前記給気管16からの空気の吹き出し量を検知し、空気の供給ないし排出量(送風量)の制御を行っても良い。
また、光の環境条件に関するセンシングデータを出力する照度センサや、光量(光量子束密度)センサ等も、装置本体11内にてスペース的に余裕のある適所に設けられている。これらの光に関する各種センサ自体の構成も、一般的であるので省略するが、各種センサは、前記温度センサ等と同様に、コントロールユニット100に信号線を介して接続され、検出した測定値(センシングデータ)をコントロールユニット100に出力するように設定されている。
さらに、装置本体11内の適所には、植物の育成状況を検出するためのカメラ23や、植物の成長に応じて変化する値(例えば生体電位等)を検出するためのセンサ等も設けても良い。ここでカメラ23は、生育空間12における植物の様子を撮影できる位置に配置され、具体的には例えばCCDカメラ等が適している。かかるカメラ23は、USBポートを介して給電すると共に、適宜撮影した画像データをコントロールユニット100に送信するように構成すると良い。画像データは、植物の生育状態に関する栽培記録として保存され活用される。なお、装置本体11内の植物を直接観察できるように、各面壁11aの適所に必要に応じて開閉可能な窓部を設けても良い。
次に、本実施の形態に係る植物栽培装置10の制御系について、図2を参照して説明する。図2は、植物栽培装置10の制御系の構成を示すブロック図である。
植物栽培装置10は、前記装置本体11に付帯する制御系の構成として、コントロールユニット100のほか、光源ユニット120、空気生成ユニット130、養液生成ユニット140等を備えている。また、コントロールユニット100は、LAN、インターネット、あるいは電話回線等の通信回線を介して、外部のコンピュータ200とも接続されている。
図2において、コントロールユニット100は、前記装置本体11の生育空間12における環境条件を制御するものであり、前述したように前記装置本体11の底部に配設されている。コントロールユニット100は、例えば、CPU、RAM、ROM、インターフェース等から構成されたマイクロコンピュータから構成されている。かかるコントロールユニット100は、各種制御を実行するための制御プログラムを作成する手段、前記各センサからのセンシングデータや制御プログラム等を記憶するメモリ、センシングデータや制御プログラム等を表示する表示部等を備えている。
コントロールユニット100は、光源ユニット120、空気生成ユニット130、養液生成ユニット140に、それぞれ含まれる被制御機器のほか、入力操作を行うスイッチ等の操作手段101、前述した各種センサ等に、通信I/Fを介して通信可能に接続されている。すなわち、コントロールユニット100は、各センサからのセンシングデータの受信、被制御機器との間で制御信号の送信や電源の供給等を行うように設定されている。また、コントロールユニット100は、通信回線を介して外部のコンピュータ200との間で、センシングデータの送信や制御信号の送受を行うように設定されている。
ここでセンシングデータとしては、養液の水温、養液の供給量、空気の温度や湿度、二酸化炭素濃度、送風量、照度、光量のほか、実際に設けたセンサに応じて、養液中の各栄養素の濃度、pH(水素イオン濃度)、EC(電気伝導度)、スペクトル、画像データ等が該当する。また、制御信号としては、加温器や冷却器の制御信号、送風手段や電動ポンプの制御信号、そのほか各種の被制御機器のON/OFFや稼働出力に関する制御信号等が該当する。
コントロールユニット100の操作手段101によって、育成する植物の種類や状態等に応じた被制御機器の設定値として、目標とする養液の水温、養液の供給量、空気の温度や湿度、二酸化炭素濃度、送風量、照度、光量等の具体的な値を適宜入力することができる。ここで入力された設定値は、通信回線を介してコンピュータ200にも送信され、該コンピュータ200にあるメモリにも保存される。
コントロールユニット100は、操作手段101から入力された、あるいはコンピュータ200から送信された被制御機器の設定値を受信すると、これを時系列にメモリに保存する。この設定値と前記センシングデータ(測定値)に基づいて、各被制御機器へ制御信号を送信して制御する。なお、設定値は、植物栽培装置10における植物栽培の開始日から相対的な経過日数(時間)ごとに適宜定めることができる。
また、操作手段101は、植物の重量測定のタイミング等に関する入力操作を受け付け、コントロールユニット100に入力する。ここでコントロールユニット100の制御プログラムには、前述した環境条件の制御に関する機能のほか、前記重量センサ21の測定値から植物以外の前記養液槽13(被測定部)自体の重量分を減算して植物のみの重量を算出する「演算部」の機能も含まれている。よって、コントロールユニット100は、重量センサ21と共に「重量測定手段」を構成する。
次いで、養液生成ユニット140について説明する。
養液生成ユニット140は、前記養液槽13内に供給する養液を生成して貯えるタンク141のほか、タンク141に対して養液を供給する補給手段、タンク141内で養液を混ぜる撹拌手段、タンク141内の養液の水温を調整する加温器および冷却器、生成した養液を養液槽13へ送る給液管14等を含む送出手段等を、必要に応じて備えている。これらの被制御機器は、前記コントロールユニット100に接続され、コントロールユニット100からの制御信号に応じて制御される。
ここでタンク141は、断熱材で覆われており、給水手段、補給手段、送出手段には、その経路の途中に電磁弁や電動ポンプ、フィルター等が設けられている。送出手段からは、流量調整弁を介して所定量の養液が送出されるように構成されている。送出手段の給液管14の下流端は、前記養液槽13に接続されている。
加温器は、タンク141の内の養液を加温するものであり、具体的には例えば、タンク141内に配されたラジエーター(例えば加熱管等)に加熱水の供給経路から加熱水が供給されることにより、タンク141内の養液を加温するように構成されている。ここで加熱水は、例えば、別途設置されたヒートポンプ給湯機等によって加熱されたものが随時供給される。
冷却器は、タンク141の内の養液を冷却するものであり、具体的には例えば、タンク141内に配されたラジエーター(例えば冷却管等)に冷却水の供給経路から冷却水が供給されることにより、タンク141内の養液を冷却するように構成されている。ここで冷却水は、地下水や水道水を利用したり、例えば、別途設置されたヒートポンプ等によって冷却されたものが随時供給される。
このような冷却器および加温器によって、タンク141から養液槽13内に供給する養液の温度を、所定の範囲内で任意の設定温度(設定値)に制御できるように加温ないし冷却が可能に構成されている。養液生成ユニット140で生成された養液は、断熱された給液管14を介して養液槽13内に随時供給される。なお、養液生成ユニット140の適所(例えばタンク141内等)にも、前記装置本体11に設けた温度センサを必要に応じて設けても良い。
次いで、植物栽培装置10の空気生成ユニット130について説明する。
空気生成ユニット130は、装置本体11の生育空間12に供給する空気を調整して貯えるタンク131のほか、タンク131に対して空気(大気)を供給する給気手段、タンク131内の空気を撹拌する撹拌手段、タンク131内の空気の温度を調整する加温器および冷却器、湿度を調整する加湿器、炭酸ガス発生器、それに調整した空気を装置本体11内へ送る前記給気管16等を含む送出手段等を、必要に応じて備えている。これらの被制御機器は、前記コントロールユニット100に接続され、コントロールユニット100からの制御信号に応じて制御される。
ここでタンク131は、断熱材で覆われており、給気手段、送出手段には、その経路の途中に電磁弁や電動ポンプ、フィルター等が設けられている。送出手段からは、圧力調整弁を介して所定の流量で空気が送出されるように構成されている。送出手段の給気管16の下流端は、装置本体11に接続されている。また、加温器や冷却器は、前記養液生成ユニット140に設けたものと基本的に同様に構成されており、タンク131内の空気を加温ないし冷却して所望の設定温度に調整できるものである。
冷却器および加温器によって、タンク131から生育空間12に供給する空気の温度を、所定の範囲内で任意の設定温度(設定値)に制御できるように加温ないし冷却が可能に構成されている。また、一般的なシーズヒーターやパネルヒーターをタンク131内に直接配設して加温(または冷却)したり、ヒートポンプ等の温風(または冷風)により加温(または冷却)するように構成しても良い。なお、ペルチェ素子(熱電冷却素子)を利用した温度調整手段によって、一つの装置で加温ないし冷却を行うように構成しても良い。
加湿器は、図示省略したが前記タンク131内の空気を加湿するものであり、具体的には例えば、超音波式加湿器等が該当し、タンク131内の空気の湿度を任意の設定値に調整可能なものであれば良い。
炭酸ガス発生器は、図示省略したがタンク131内に炭酸ガスを供給するものであり、具体的には例えば、液化炭酸ガスボンベに取り付けた電磁弁、レギュレーターや圧力計等から構成され、炭酸ガスを任意の圧力ないし流量に調整して供給できるものであれば足りる。
次いで、植物栽培装置10の光源ユニット120について説明する。
光源ユニット120は、前記装置本体11の天井部に設けた光照射部20(LED)の点灯制御回路や電力供給用の電源装置等を、必要に応じて備えている。また、外部の光源から装置本体11内に光を導く場合には、光ファイバー等の導光のための手段等も、光源ユニット120の構成要素として捉えても良い。なお、点灯制御回路等の一部の構成要素は、装置本体11内にスペース的な余裕があれば、装置本体11内の適所に配置してもかまわない。
点灯制御回路や電源装置等は、前述したコントロールユニット100に接続され、コントロールユニット100からの制御信号に応じて光照射条件が制御される。ここで光照射条件とは、例えば、光照射部20がLEDからなる場合、点灯させるLEDの数ないし位置、点灯させるLEDの光量、LEDの点灯時間(暗闇時間、点滅サイクル周期等)、パルス制御等の様々な光の照射条件が該当する。
次いで、外部のコンピュータ200についても説明する。
コンピュータ200は、例えば、通常のパーソナルコンピュータからなり、前述したコントロールユニット100に通信回線を介して接続されている。ここでコンピュータ200に接続される植物栽培装置10の数は、1つに限られることなく、複数の植物栽培装置10,10…を接続しても良い。コンピュータ200に、複数の植物栽培装置10,10…を接続した場合は、各植物栽培装置10の生育環境における環境条件をまとめて同時に異なる状況下に制御することができる。
すなわち、コンピュータ200は、複数の植物栽培装置10ごとに各センサからのセンシングデータ等の各種情報を受信し、複数の植物栽培装置10をまとめて制御、監視、記録することができるように設定されている。コンピュータ200は、複数の植物栽培装置10における様々なデータを蓄積するデータベースを備えており、必要なデータを所定の形式で比較したり整理したものを表示することができるように設定されている。
以下、本実施の形態に係る植物栽培装置10の作用について説明する。
本植物栽培装置10では、一つの装置本体11の内部に、所定の最小株数の植物を収納する最小限の範囲で外部から区画された一連の生育空間12が形成される。かかる生育空間12では、植物の生育に影響を与える環境条件のセンシングのほか、所望の環境条件に制御することが可能であり、また、植物の生育状態を記録することができるオールインワンの実験装置の構築が容易となる。
これにより、植物を育成するための多様な栽培実験や研究を簡易かつ低コストで実施することができ、植物の種類に見合った最適な環境条件を容易に解明することが可能となる。しかも、生育空間12は、所定の最小株数の植物を収納するだけの最小限の範囲に設定されるから、植物栽培装置10全体の外形を極力コンパクトに構成することができる。
よって、植物を最小株数単位で効率良く栽培実験や研究を進めることができるだけでなく、ラックに収納し多段に配置できる等、限られたスペース内でも、より多く装置による環境条件の設定が可能となる。また、装置自体の価格やエネルギー消費も抑えることができる。さらに、小容積であることから、温度の制御や外界との断熱も容易となる。
本実施の形態では、生育空間12は基本的には閉鎖系となるが、植物の生育に影響を与える各要素である水分や空気(二酸化炭素)等を、装置本体11の外部にある養液生成ユニット140や空気生成ユニット130から供給している。これにより、装置本体11自体をよりいっそう小型化することが可能となる。しかも、本植物栽培装置10では、装置本体11内から植物を取り出したりすることなく、植物の栽培中にそのままの状態でも容易に重量を測定することができる。
また、装置本体11の各面壁11aを遮光材で覆った場合には、外部からの光の侵入を防ぐことができるので、生育空間12の光環境を光照射部20からの光だけに依存させることができる。従って、外部からの光の影響を受けることがなく、精度の高い所望の光照射制御が可能となる。例えば、狭いスペースに植物栽培装置10を密に並べたとしても、隣の植物栽培装置10からの光の影響を受けることを防止することができる。
さらに、前記遮光材を、断熱材を兼ねる材質により形成すれば、外部からの熱の侵入を防ぐことができるので、生育空間12の温度環境を空気生成ユニット130からの空気だけに依存させることができる。従って、外部の温度の影響を受けることがなく、より精度の高い所望の温度制御が可能となる。
図3は、植物栽培装置10による植物の栽培ないし重量測定の手順を示すフローチャートである。植物栽培装置10で植物の栽培を開始するに際して、先ず初期設定を行う(ステップS101)。すなわち、図2に示す操作手段101により、栽培する植物の種類に応じた栽培方法を選択し、所望の環境条件に合致する各種の設定値を入力する。例えば、養液の水温、養液の供給量、空気の温度や湿度、二酸化炭素濃度、送風量、照度、光量等の具体的な値を適宜入力する。
植物の種類や栽培方法に応じた各種の設定値等の入力データは、例えば、予めコンピュータ200に登録してある複数のパターンの中から呼び出し、コントロールユニット100にある表示部等で確認しながら選択できるようにしても良い。ここで設定値は、植物の栽培開始時に入力した値に限定されるわけではなく、植物の生長度合いに応じて途中で変更したり、あるいは植物の栽培開始日から相対的な経過日数(時間)ごとに、予め細かく定めることもできる。
このような初期設定の段階では、未だ植物を装置本体11内に収納していない。この段階で、植物栽培装置10の前述した被測定部を構成する養液槽13(養液を含む)自体の重量や、あるいは養液を含めない養液槽13のみの重量を、前記重量センサ21によって予め測定しておく。ここでの重量センサ21による測定値は、それぞれ「初期設定値」としてコントロールユニット100に出力され、記憶される。特に、初期設定値のうち、養液を含めない養液槽13のみの重量は「空重量」として、養液を含めた養液槽13の重量と区別される。なお、重量センサ21による各種測定値の記憶は、重量センサ21自体やコントロールユニット100に限られるものではなく、他の手段で記憶しても良い。
続いて、コントロールユニット100の制御により、前記初期設定に基づく生育空間12の環境制御を実行する(ステップS102)。コントロールユニット100は、操作手段101から入力された、あるいはコンピュータ200から呼び出された設定値を受信すると、これを時系列にメモリに保存する。また、コントロールユニット100は、一定時間ごとに前記各種センサから送信されたセンシングデータ(測定値)を取得し、環境条件に関する栽培記録として時系列にメモリに保存する。ここでの測定値は、コンピュータ200にも送信してデータベースに記録すると良い。
また、コントロールユニット100は、一定時間ごとに取得した前記カメラ23からの画像データも、植物の生育状態に関する栽培記録として、自身のメモリやコンピュータ200へ登録することができる。ここでコントロールユニット100やコンピュータ200に登録された画像データは、定点観測画像として表示することができる。なお、コンピュータ200では、植物栽培装置10の各センサ類が取得したデータの現在値や積算値の確認を行うことができるようにすると良い。
そして、コントロールユニット100は、各種センサからのセンシングデータ(測定値)と、それぞれ対応する被制御機器の前記設定値とを比較する。かかる比較結果に基づいて、目標とする設定値に実際の測定値を近づけるべく、各被制御機器に対して所定の制御信号を送信する。ここでの制御信号は、装置本体11の外部にある養液生成ユニット140、空気生成ユニット130、光源ユニット120に備えられた各被制御機器へ送信される。
このような環境条件の制御において、装置本体11の下部にある養液槽13内には、装置本体11の外部にある養液生成ユニット140によって生成された養液が供給される。養液生成ユニット140では、前記コントロールユニット100の制御により、前記操作手段101で設定された条件に合った養液が生成される。すなわち、養液生成ユニット140を構成するタンク141(図2参照)内には、水や各栄養素(養分)が必要量だけ供給されて撹拌され、所望の設定温度に調整される。
養液の温度制御に関して、コントロールユニット100は、前記操作手段101により定められた設定温度と、前記養液槽13内の温度センサから出力された測定値とを比較する。この比較結果に基づき、タンク141に設けた冷却器と加温器のどちらか一方を制御するのか決定し、温度センサからの測定値を設定温度に近づける制御信号を出力する。かかる制御信号に基づいて、冷却器または加温器はON/OFF制御される。
すなわち、養液槽13内の養液の水温の測定値が、設定値より低い場合は、冷却器をOFFとし加温器をONとすることに決定し、タンク141内で生成する養液の温度を上昇させる。一方、測定値が設定値よりも高い場合には、加温器をOFFとし冷却器をONとすることに決定し、タンク141内で生成する養液の温度を低下させる。なお、測定値が設定値と同じである場合は、加温器と冷却器の両方ともOFFとする。
このように養液生成ユニット140によって生成された養液は、タンク141から必要量だけ給液管14によって養液槽13内へ供給される。一方、養液槽13内で既存の古くなった養液は、排液管15等を介して随時排出される。かかる養液の給排量も、植物の種類や育成度合いに応じてコントロールユニット100によって制御され、養液槽13内の養液は一定量に保たれている。
また、装置本体11内の主要部を占める生育空間12には、装置本体11の外部にある空気生成ユニット130によって生成された空気が供給される。空気生成ユニット130では、前記コントロールユニット100の制御により、前記操作手段101で設定された条件に合った空気が生成される。
すなわち、図1に示すタンク131内には、空気(大気)や湿気、二酸化炭素が必要量だけ供給されて撹拌され、所望の設定温度に調整される。ここで空気の温度制御に関しては、前記養液生成ユニット140での養液の温度制御と同様に、タンク131に設けた冷却器と加温器のON/OFFによって、装置本体11内にある温度センサからの測定値を設定温度に近づけるように制御される。
空気の湿度制御に関しては、コントロールユニット100は、前記操作手段101により定められた設定湿度と、装置本体11内にある湿度センサから出力された測定値とを比較する。この比較結果に基づき、空気生成ユニット130にある加湿器のONまたはOFFを決定し、湿度センサからの測定値を設定湿度に近づける制御信号を出力する。かかる制御信号に基づいて、前記加湿器はON/OFF制御される。
すなわち、湿度の測定値が設定値より低い場合は、加湿器のONを決定し加湿器を作動させ湿度を上昇させる。一方、湿度の測定値が設定値以上の場合は、加湿器のOFFを決定し加湿器を停止させ湿度を低下させる。
その他、空気中の二酸化炭素濃度の制御に関しては、コントロールユニット100から出力された炭酸ガス設定濃度に関する制御信号に基づき、空気生成ユニット130にある炭酸ガス発生器をON/OFF制御する。これにより、装置本体11内にある二酸化炭素センサからの測定値を設定値に近づけることができる。
空気生成ユニット130によって生成された空気は、タンク131から必要量だけ給気管16を介して生育空間12へ供給される。ここで生育空間12の下方より空気を供給すれば、均一で安定した上昇気流を発生させることができる。装置本体11の天井部まで上昇した空気は、天井部に接続された排気管17から外部へ随時排出される。かかる上昇気流により、生育空間12の空気は常時循環され、植物の葉における二酸化炭素の吸収や蒸散を補助するだけでなく、温度センサおよび湿度センサに対して空気を淀みなく接触させることになり、生育空間12における正確な温度や湿度の検出を可能とする。
このような装置本体11における空気の給排量も、植物の種類や育成度合いに応じてコントロールユニット100によって制御される。具体的には例えば、給気管16の途中に設けた送風ファン等の送気手段をON/OFF制御することにより、任意の送風量に調整することが可能となる。なお、装置本体11は外気圧に対して陽圧に保たれることで、給気管16以外からの空気の侵入を防ぐことができる。
また、光照射部20による光照射条件は、装置本体11の外部にある光源ユニット120によって制御される。このように、光照射部20に関する制御系も、装置本体11の外部で別途ユニット化している。従って、装置本体11には、光照射部20等の必要最小限の構造しか設ける必要がなくなり、極力簡易化かつ小型化することが可能となる。特に、光照射部20を外部の光源から導光された光を照射するものとすれば、装置本体11自体には光源を設ける必要もなく、より簡易化かつ小型化することができる。外部の光源は、光源ユニット120に設けると良い。
このように、外部の光源から導光すれば、光源の大きさを装置本体11内の限られたスペースに収まるように限定する必要はなく、例えば、太陽光のほか、大型のハロゲンランプやメタルハライドランプ等を光源として用いることも可能となる。また、装置本体11の各面壁11aのうち生育空間12に接する内面に反射材を設ければ、光照射部20から出射された光が面壁11aの内面に吸収されることなく反射され、植物の光吸収率を高めることができる。
光源ユニット120では、コントロールユニット100から送信された光照射条件に関する制御信号に基づき、図1中の光照射部20の光量や点灯時間等が光照射条件に合致するように制御される。このような光照射条件は、一定に保つこともあれば、時間の経過と共に変化させることも考えられる。また、植物の生育を促進するには、単に光を連続的に照射するだけでなく、短いサイクルで点滅を繰り返すようなパルス照射も効果的であり、点滅サイクル周期等の制御も適宜行うようにすると良い。
以上のようにして、生育空間12の環境条件が整った段階で、装置本体11内に植物を収納する(ステップS103)。装置本体11内では、植物の根を養液槽13に植えるよう保持し、植物の茎や葉を生育空間12の上方に向けて展開させる。なお、植物を装置本体11内に予め収納してから、環境条件の制御を開始しても良い。
何れにせよ、装置本体11内に植物を収納した直後に、植物栽培装置10の被測定部を構成する養液槽13(養液を含む)の重量を、栽培開始時における植物の重量と合わせて測定する(ステップS104)。ここでの重量センサ21による測定値は、「初期重量」としてコントロールユニット100に出力され、記憶される。
このような植物栽培装置10によれば、必要最小限の生育空間12にて植物の生育に影響を与える各要素を低コストかつ安定して効率良く調整して、植物を栽培することが可能となる(ステップS105)。また、省スペース化の要請にも応じることができると共に、装置自体の価格も抑えることができ、精度の高い栽培実験や研究を効率良く促進させることが可能となる。
そして、生育空間12にて植物が生育すると、その生長に伴って植物自体の重量は増加する。このような植物の重量の変化を、重量センサ21によって所定のタイミングごとに測定することができる(ステップS106)。例えば、前記操作手段101によって、重量センサ21により検出される測定値を出力する重量測定のタイミングを設定しておくことができる。例えば、1日おき、あるいは2日おき等の所定のタイミングで重量測定を行うように設定すると良い。
これにより、植物の育成状況を所定のタイミングごとに把握することができる。植物の重量を把握することは、植物の育成に関する検証方法の一つとして重要である。かかる植物の重量の推移に基づいて植物の生育の良否を把握し、植物の種類ごとに栽培に最適な養液温度や光源の照度等の各種環境条件を検証することができる。よって、植物の種類に見合った最適な環境条件を容易に解明することができ、植物工場や施設栽培の発展に寄与する。
植物の重量測定には、栽培中の植物のそのままの状態における湿重量を算出するための前述した重量測定A(ステップS106)のほか、栽培終了時に植物を乾燥させた状態における乾重量を算出するための重量測定B(ステップS110)の2通りがある。ここで重量測定Aに関しては、前述したように栽培中に所定のタイミングで何度でも繰り返し行うことができ、この測定結果である測定値に基づいて、当該時点における植物の湿重量が前記コントロールユニット100によって算出される(ステップS107)。
前記重量測定Aによる測定値には、植物のみならず被測定部の重量も含まれている。ここで被測定部である養液槽13(養液を含む)の重量は、重量センサ21で予め測定されており、その測定値は「初期設定値」として記憶されている。よって、コントロールユニット100の機能である演算部により、栽培中の重量センサ21の測定値から植物以外の前記初期設定値が減算され、植物体のみの湿重量が算出される。これにより、植物の栽培中における湿重量を随時把握することができる。
また、植物全体の湿重量ではなく、栽培開始時からの増加分だけを検証することもできる。すなわち、重量センサ21により、栽培開始時における植物および被測定部(養液槽13(養液を含む))も予め測定されており、その測定値は「初期重量」として記憶されている。よって、前記演算部により、栽培中の重量センサ21の測定値から前記初期重量が減算され、植物の生育に伴う湿重量の増加分だけを算出することもできる。よって、植物が栽培中において、どのような推移で湿重量が変化するのかを容易に検証することができる。
何れの湿重量も、植物の栽培中において所定のタイミングで何回でも繰り返し測定ないし算出することができる。ここでの測定ないし算出の結果は、その変化の推移と共にグラフ化した処理データ等と共に、コントロールユニット100の表示部等に表示できるものとする。これにより、作業者はリアルタイムで植物体の育成状況を容易に把握することが可能となる。なお、植物の生育中における重量測定時には、養液槽13内の養液は栽培開始時と同じ一定量に制御されており、養液量の変化に伴う重量変動はないものとする。
また、植物の重量測定には、栽培中の湿重量の測定だけでなく、植物を乾燥させた後の乾重量の重量測定Bもある。ここで湿重量から乾重量を減算することにより、当該時点における植物の水分含量も把握することができる。ただし、植物を乾燥させると、その後の育成はもはや不可能となるため、植物の乾重量の測定は、栽培終了時に1回限り行うことができる(ステップS108)。
植物の乾重量を測定する際は(ステップS108でY)、生育空間12に植物を収納したままの状態で、該生育空間12にあるヒーター22を作動させる(ステップS109)。このとき、ヒーター22からの熱が植物の全体に満遍なく触れるように、植物の根の部位も養液の外に出す必要がある。例えば、養液槽13の排液管15を開いて、そのまま養液だけ外部へ排出すれば、養液を含まない生育空間12にて植物の全部位を空気に触れさせた状態で、効率良く乾燥させることができる。
乾燥時におけるヒーター22の加熱温度は、例えば80〜100度に設定され、3〜5時間以上の作動により乾燥完了と判断したり、あるいは重量センサ21の測定で重量変化がなくなるまで乾燥させる。このように植物を十分に乾燥させた後、未だ植物を装置本体11内から取り出すことなく、そのままの状態で重量センサ21により、乾燥した植物を被測定部(養液槽13(養液を含まず))ごと重量を測定する(ステップS110)。
そして、前記演算部100により、植物の乾燥後における重量センサ21の測定値から被測定部(養液槽13(養液を含まず))自体の重量分を減算して、植物の乾燥後の乾重量を算出する(ステップS111)。ここで被測定部(養液槽13(養液を含まず))自体の重量は、前述したように、予め重量センサ21により、初期設定値のうち空重量として測定され記憶されている。
このような工程によって、より正確な植物の乾重量の測定が可能となり、かかる乾重量も、植物の栽培終了時における生育結果の良否を検証するデータとして活用することができる。さらに、前述した植物の湿重量の測定ないし算出(ステップS106,S107)を行った直後に、続けて植物の乾燥および乾重量の測定ないし算出(ステップS109〜S111)を行えば、ほぼ同一時点における植物の湿重量と乾重量とを比較することが可能となる。
よって、前記演算部100により、前記湿重量を算出した直後に前記乾重量を算出すると共に、前記湿重量から前記乾重量を減算して、植物の栽培終了時における水分含量を算出することができる(ステップS112)。このような植物の水分含量は、植物の生育度合い結果をより正確に検証する上で、重要な判断材料として活用することができる。
前記実施の形態では、植物の乾重量の測定時に、養液を装置本体11外へ排出するようにしたが、他に例えば、養液はそのままで、養液外に植物の根を出した状態で乾燥させても良い。この場合は、乾燥した植物と被測定部(養液槽13(養液を含む))の重量を含む測定値から、被測定部の重量(初期設定値)を減算して乾重量を算出することになる。ただし、養液も乾燥して蒸発するため、乾燥後に養液を栽培開始時と同じ一定量まで補給してから、重量を測定する必要がある。
以上のような重量測定により、装置本体11内から植物を外に取り出したりすることなく、容易かつ正確な測定ないし検証が可能となる。特に、湿重量に関しては、所定のタイミングで繰り返し測定することができる。また、植物の重量のみならず、水分含量も検証することができる。このような植物の湿重量のほか、前記カメラ23から送信された植物の画像データ等に応じて、生育空間12における養液の温度を調整したり、空気の温度や湿度を調整したり、光照射部20の光照射条件を変更しても良い。
また、植物栽培装置10は、コントロールユニット100と通信回線を介して接続されたコンピュータ200によって単独でも制御できるが、図2に示すように、複数の植物栽培装置10を設置した上で、それぞれのコントロールユニット100に対し、コンピュータ200によりネットワークを構築すると良い。これにより、1台のコンピュータ200により複数の植物栽培装置10を集中的に管理することができ、また、遠隔制御することによって管理が容易となる。このように、多くの植物栽培装置10を備えた大規模な設備にも適用することができる。
さらに、別の実施の形態として、装置本体11を一体に構成することなく、複数のユニットを組み合わせて構成するセパレート構造としても良い。例えば図4に示すように、養液槽13を含む装置本体11の下半部11Aと、光照射部20を含む装置本体11の上半部11Bの2つのユニットに分割しておき、これらを組み合わせて、その内部に一連の生育空間12を形成するように構成する。
装置本体11を分割する各ユニットは、例えば、装置本体11に備わる機能別、または装置本体11での位置ごと、あるいは装置本体11内の植物の配置等に応じて、複数の部位(ブロック)に区分けした単位となる。かかるユニットの数は、装置本体11の上下2つに限定されるものではなく、他に例えば、光照射部20を含む天井部も別途分割したり、あるいは光照射部20を単独でユニットとして、装置本体11に対し着脱可能に構成しても良い。
ここで各ユニットは、それぞれ同種の部位ごとに異なる複数種類を用意しておき、その中から任意に選択して組み合わせることで、一つの装置本体11を構成すると良い。具体的には例えば、装置本体11内の下半部11Aについては、水耕栽培用や土壌栽培用のもの等の異なる種類が用意されている。また、上半部11Bは、様々な外形ないし容積の違い、光照射部20の違い、あるいはカメラ23の有無で異なる種類が用意されている。また、光照射部20も単独でユニットとした場合、その外部光源か内部光源かの違いや、光源の種類が違う異なるもの用意すると良い。
このように、各ユニットごとに、それぞれ複数種類ある中から、使用者の意図に合わせて任意の条件のものを適宜選択して組み合わせることにより、栽培する植物やその栽培方法に見合った装置本体11を容易に構成することが可能となる。従って、多様な環境条件を簡易かつ低コストで実現することができ、栽培実験や研究を効率良く促進させることが可能となり、植物工場や施設栽培の発展に寄与することができる。
また、各ユニットが対向する接合箇所には、互いに密閉状態に係合する凸部ないし凹部を設ける。このような組み合わせの構造により、各ユニットを容易に分離したり組み合わせることができる。特に、各ユニットは鉛直方向に重なる状態で組み合わされる場合、上方のユニットは、下方のユニットに対して自重により係合した状態に保持される。また、凸部や凹部の接触面にパッキンを設ければ、密閉度合いを高めることができ、より確実に組み合わせた状態に固定することができる。
そして、前述した別の実施の形態に係る構成より、次の発明概念が導かれる。
すなわち、植物の生育に影響を与える各要素を調整可能な環境条件下にて、所定の最小株数の植物を育成するための植物栽培装置10において、装置本体11における各部位に応じて互いに分割された複数のユニットを備え、各ユニットは着脱可能に組み合わされて、その内部に、所定の最小株数の植物を収納する最小限の範囲で外部から区画された一連の生育空間12を形成する。ここで各ユニットのうち少なくとも何れか一つは、それぞれ同種の部位ごとに異なる複数種類が用意され、その中から任意に選択されて組み合わされる。
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は前述したような実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。例えば、生育空間12の環境条件の一因として制御する各要素は、光、水分である養液、空気中の二酸化炭素、空気の温度および湿度に限られることなく、このうちの一部を植物の生育に支障を来さない範囲で省略したり、他に例えば、空気中の酸素量や風量等も制御するように構成しても良い。
また、前記コントロールユニット100も、他のユニットである光源ユニット120、空気生成ユニット130、養液生成ユニット140と同様に、装置本体11の外部に設けたり、あるいは、外部のコンピュータ200にて、コントロールユニット100の機能を兼用するように構成することもできる。
本発明に係る植物栽培装置は、植物に関する様々な栽培実験や研究を進めるための装置として幅広く利用することができる。
10…植物栽培装置
11…装置本体
11a…面壁
12…生育空間
13…養液槽
14…給液管
15…排液管
16…給気管
17…排気管
20…光照射部
21…重量センサ(測定器)
22…ヒーター(加熱器)
23…カメラ
100…コントロールユニット
101…操作手段
120…光源ユニット
130…空気生成ユニット
131…タンク
141…タンク
140…養液生成ユニット
200…コンピュータ

Claims (7)

  1. 植物の生育に影響を与える各要素を調整可能な環境条件下にて、所定の最小株数の植物を育成するための植物栽培装置において、
    装置本体の内部に、所定の最小株数の植物を収納する最小限の範囲で外部から区画された生育空間が形成され、
    前記生育空間に植物を収納したままの状態で、該植物の重量を測定可能な重量測定手段を備えることを特徴とする植物栽培装置。
  2. 前記重量測定手段は、
    植物を含む前記装置本体の一部または全部である被測定部の重量を植物の重量ごと測定する測定器と、
    前記測定器による測定値から植物以外の前記被測定部自体の重量分を減算して植物のみの重量を算出する演算部と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の植物栽培装置。
  3. 前記測定器は、植物の栽培中における所定のタイミングで重量を測定し、
    前記演算部は、前記測定器の測定値から前記被測定部自体の重量分を減算して、植物の生育中の湿重量を算出することを特徴とする請求項2に記載の植物栽培装置。
  4. 前記測定器は、植物の栽培開始時における重量を測定し、その測定値を初期重量として記憶しておき、
    前記演算部は、植物の栽培中における所定のタイミングでの前記測定器の測定値から前記初期重量を減算して、植物の生育に伴う湿重量の増加分を算出することを特徴とする請求項3に記載の植物栽培装置。
  5. 前記生育空間に植物を収納したままの状態で、該植物を乾燥させる加熱器を備え、
    前記演算部は、前記加熱器による植物の乾燥後における前記測定器の測定値から前記被測定部自体の重量分を減算して、植物の乾燥後の乾重量を算出することを特徴とする請求項3または4に記載の植物栽培装置。
  6. 前記測定器は、植物の栽培開始前に前記被測定部に未だ植物の生育に必要な養液を含めない状態で、該被測定部から養液の重量分を除いた重量を測定し、その測定値を空重量として記憶しておき、
    前記加熱器は、植物の栽培終了時に前記被測定部から前記養液を外部へ排出した後に、植物を乾燥させ、
    前記演算部は、前記加熱器による植物の乾燥後における前記測定器の測定値から前記空重量分を減算して、植物の乾燥後の乾重量を算出することを特徴とする請求項5に記載の植物栽培装置。
  7. 前記演算部は、前記湿重量を算出した直後に前記乾重量を算出すると共に、前記湿重量から前記乾重量を減算して、植物の水分含量を算出することを特徴とする請求項5または6に記載の植物栽培装置。
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