JP2016179666A - 空気噴射部材とこれを用いたフィルムの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】フィルムにより均一な熱量を加える。【解決手段】空気噴射部材は、一方向に搬送されるフィルム3の表面に加熱空気を吹き付ける。空気噴射部材は、加熱空気が流通可能なダクト17と、ダクト17の側壁18を貫通しフィルム3の表面と対向する噴射孔12と、ダクトの側壁18の内面20に設けられた整流部材25と、を有し、整流部材25は、ダクト17の内部及び噴射孔12と連通する整流流路26を形成する。【選択図】図6

Description

本発明は、空気噴射部材とこれを用いたフィルムの製造方法に関し、特に空気噴射部材の構成に関する。
二軸延伸ポリプロピレンフィルムや二軸延伸ポリエステルフィルム等に代表される二軸延伸フィルムが知られている。二軸延伸フィルムの製造工程では、一般に、押出機によって固体原料が溶融可塑化され、Tダイから溶融状態の樹脂材が薄く幅広いシート状に吐出され、樹脂材が成形ロールによって冷却固化される。冷却固化された樹脂材は、縦延伸装置と横延伸装置を用いてそれぞれの方向に延伸される。
このようなフィルム製造工程で用いられる横延伸装置においては、フィルムは幅方向両端部をクリップで把持されながら、熱処理装置(以下、テンターオーブンと称する)の内部を搬送される。本明細書では、フィルムの搬送方向をMD(Machine Direction)方向と称し、MD方向と直交するフィルムの幅方向をTD(Transverse Direction)方向と称する。フィルムはテンターオーブンの内部で、ダクトに設けられた噴射孔から吹き出す熱風を吹き付けられて加熱される。その状態で、対向するクリップの間隔をTD方向に対して広げることで、フィルムのTD方向に対する延伸が行われる。
テンターオーブンは、例えば予熱、加熱、保温、冷却をそれぞれ行う領域毎に仕切られた複数の温調ゾーンを有しており、各温調ゾーンに、空気を噴射するための複数の空気噴射部材が、MD方向に沿って配置されている。空気噴射部材としてはダクトが一般に用いられる。空気噴射部材は、フィルムを挟んで上下に対向して配置されている。空気噴射部材のフィルムの表面に対向する面(噴射孔形成面)に、複数の噴射孔が設けられている。空気はフィルムの表面に対して垂直な方向からフィルムに吹き付けられる。特に、フィルムを加熱しながら延伸する前にフィルムの予熱を行う予熱ゾーンは、他の温調ゾーンに比べて、フィルムの表面に対する熱伝達効率を高めること、及びTD方向にもMD方向にも均一な熱量を加えることが要求されている。
特許文献1、2には、TD方向に間欠的に配置された多数の噴射孔を備える空気噴射部材が開示されている。特許文献3にはTD方向に均一な熱量を加えるため、TD方向に延びるスリット型の噴射孔を備える空気噴射部材が開示されている。
特開2009−255511号公報 国際公開第2008/114586号 特開2010−158800号公報
機械工学便覧 基礎編α4 流体工学37〜40頁
空気噴射部材を構成するダクトは通常側壁が薄く、従って、側壁を貫通する噴射孔の流路長は極めて短い。このため、加熱空気は噴射孔を通る際に縮流(流路断面が縮小する現象)や渦などを生じやすく、縮流、渦などが存在した状態でフィルムに衝突する可能性がある。このような流れの乱れた加熱空気がフィルムに衝突すると、フィルムに均一な熱量を加えることが困難となる。
本発明はフィルムにより均一な熱量を加えることができる空気噴射部材と、これを用いたフィルムの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、一方向に搬送されるフィルムの表面に加熱空気を吹き付ける空気噴射部材に関する。空気噴射部材は、加熱空気が流通可能なダクトと、ダクトの側壁を貫通しフィルムの表面と対向する噴射孔と、ダクトの側壁の内面に設けられた整流部材と、を有し、整流部材は、ダクトの内部及び噴射孔と連通する整流流路を形成する。
ダクトを流通する加熱空気はまず整流部材に流入し、そこで整流されて噴射孔に流入する。従って、噴射孔から噴射される加熱空気に縮流や渦などが生じにくくなり、フィルムにより均一な熱量を加えることができる。
本発明の他の実施態様は、フィルムを一方向に搬送しながら、フィルムの表面に空気噴射部材から加熱空気を吹き付けてフィルムを加熱する工程を含むフィルムの製造方法に関する。空気噴射部材は、加熱空気が流通可能なダクトと、ダクトの側壁を貫通しフィルムの表面と対向する噴射孔と、ダクトの側壁の内面に設けられた整流部材と、を有し、整流部材は、ダクトの内部及び噴射孔と連通する整流流路を形成する。
本発明によれば、フィルムにより均一な熱量を加えることができる空気噴射部材と、これを用いたフィルムの製造方法を提供することができる。
本発明が適用されるテンターオーブンの模式的側方断面図である。 テンターオーブンの内部の模式的斜視図である。 空気噴射部材の模式的斜視図である。 空気噴射部材の噴射孔の配置例を示す平面図である。 空気噴射部材の噴射孔の他の配置例を示す平面図である。 一実施形態に係る整流部材の概念図である。 他の実施形態に係る整流部材の概念図である。 噴流を説明する概念図である。 噴流の速度分布を説明する概念図である。 整流部材の効果を説明する概念図である。 (x+t)/dと熱伝達率の関係を示すグラフである。 様々な実施例と比較例における熱伝達率を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に、本実施形態の空気噴射装置を備えるテンターオーブンの、TD方向に平行な断面図を示す。図2に、図1に示すテンターオーブンの内部の模式的斜視図を示す。図3に空気噴射部材の模式的斜視図を示す。
フィルムの製造工程においてフィルムの熱処理を行うテンターオーブン15は、ハウジング16と、MD方向(一方向)に搬送されるフィルム3の表面に空気を吹き付ける空気噴射装置1と、搬送されるフィルム3のTD方向の両側をそれぞれ把持してフィルム3をTD方向に延伸するためのクリップ6と、を備えている。空気噴射装置1及びクリップ6はハウジング16に収容されている。
空気噴射装置1は、搬送されるフィルム3の両面に加熱空気をそれぞれ吹き付ける上下一対の空気噴射部材7と、各空気噴射部材7に所定の温度の加熱空気を供給する加熱空気供給流路8と、加熱空気供給流路8内に配置されて各空気噴射部材7に空気を送るためのファン9と、を備えている。一対の空気噴射部材7は、フィルム3を間に挟んで互いに対向する位置に配置されている。各空気噴射部材7は加熱空気を噴射する複数の噴射孔12を備えている。フィルム3の表面に吹き付けられる空気による押圧力をフィルム3の両面で等しくするために、一対の空気噴射部材7には、複数の噴射孔12が同一のパターンで配置されている。
空気噴射装置1に供給されるフィルム3は、TD方向における両端がクリップ6によって把持されながらMD方向に搬送される。MD方向に搬送されるフィルム3を挟んで上下に配置された一対の空気噴射部材7の噴射孔12から熱風が噴射される。熱風がフィルム3の表面に吹き付けられることでフィルム3が加熱される。図2に示すように、複数対の空気噴射部材7がMD方向に配置されており(図2には下側の空気噴射部材7のみを示している)、フィルム3はMD方向に搬送されながらこれらの空気噴射部材7によって加熱される。
図3は空気噴射部材の部分拡大図を示している。空気噴射部材7は加熱空気が流通可能なダクト17を有している。ダクト17は、ダクト17の側壁18を貫通しフィルムの表面に対向する複数の噴射孔12を有している。ダクト17の噴射孔12が配置された側壁18は噴射孔形成面19を形成している。噴射孔形成面19は平面形状を有し、フィルムと対向し、かつフィルムの表面と平行に位置している。ダクト17の一端には、ファンから供給される加熱空気の供給口20が設けられている。噴射孔12は円形の流路断面を有しているが、矩形その他の流路断面を有していてもよい。
図4に、噴射孔形成面上の噴射孔の配置例を示す。噴射孔12はTD方向に延びる複数(本実施形態では3列)の噴射孔列R1,R2,R3を形成している。各々の噴射孔列R1,R2,R3はTD方向に等間隔に配置された複数の噴射孔12からなっている。複数の噴射孔列はMD方向に配列している。第1列と第3列の噴射孔列R1,R3はTD方向に関し同じ位置に噴射孔12が設けられ、第2列の噴射孔列R2は第1列と第3列の噴射孔列R1,R3に対して、噴射孔12の配列ピッチの1/2だけTD方向にずれている。図示の実施形態では噴射孔12の配列ピッチは30mmであり、噴射孔12の直径は25mmである。従って、噴射孔12はTD方向のほぼ全域に存在しており、TD方向にほぼ均一に加熱空気を噴射することができる。
図5に、噴射孔形成面上の噴射孔の他の配置例を示す。複数の噴射孔12は隣接する辺22同士が全長で重なるように配置された複数の同一の正三角形21の各頂点23に位置している。複数の噴射孔12、すなわち正三角形21の各頂点23は、MD方向に互いに重ならないように配置されている。正三角形21の3つの辺がそれぞれMD方向に対してなす3つの角度のうち最小の角度をθとすると、角度θは以下の関係を満たすことが望ましい。ここでnは噴射孔列の数である。
Figure 2016179666
式(1)が満たされるとき、複数の噴射孔12のTD方向の間隔x、すなわち全ての噴射孔12をTD方向と平行な直線上にMD方向に投影して得られる噴射孔12の中心位置の間隔は全て等しくなる。間隔xは式(2)によって表される。ここでWは正三角形の一辺の長さである。
Figure 2016179666
図6は、空気噴射部材の整流部材の概念図であり、図6(a)は整流部材が形成されたダクトの側壁の内面(噴射孔形成面の裏面)の斜視図を、図6(b)は図6(a)の6b−6b線に沿った、各整流部材の断面図を示している。整流部材25はダクト17の側壁18の内面20から突き出す円筒形状の突起である。整流部材25には、その軸方向中心位置をダクト17の厚さ方向に貫通する貫通孔である整流流路26が設けられ、整流流路26はダクト17の内部及び噴射孔12と連通している。整流部材25は溶接、ねじ止めなどの方法でダクト17に固定されているが、ダクト17と一体形成されてもよい。整流流路26の流路長xは、整流部材25の、ダクト17の側壁18の内面20からの突出長さに等しい。整流部材25は個々の噴射孔12に対応して設けられているが、一つの整流部材25が複数の整流流路26を有していてもよい。整流流路26は噴射孔12と同一の中心軸C及び同一の流路断面を有している。具体的には整流流路26と噴射孔12は直径dの円形の流路断面を有し、かつこれらの中心軸Cが一致している。従って、整流部材25の整流流路26と噴射孔12は均一な断面を有する一つの直線状の流路を形成している。
図7は、空気噴射部材の整流部材の他の実施形態を示す概念図であり、図7(a)はダクトの側壁の内面(噴射孔形成面の裏面)の斜視図を、図7(b)は図7(a)の7b−7b線に沿った、各整流部材の断面図を示している。互いに対向する2つの整流部材125の間に、複数の噴射孔12と連通するスリット状の整流流路126が形成されている。本実施形態は図5に示す噴射孔12の配置パターンに基づいており、整流流路は図5に示す噴射孔列R1,R2,R3,R4等に沿って延びている。図示は省略するが、図4に示す噴射孔12の配置パターンの場合は、整流流路は図4に示す噴射孔列R1,R2,R3に沿って延びるように構成することができる。
ここで、整流部材25,125の効果について説明する。一般に噴流が平面(以下、衝突平面という)に衝突したときの挙動は図8のように模式化される(非特許文献1を基に作成している)。衝突平面の影響を受けない噴流の領域は自由噴流領域と呼ばれる。衝突平面に衝突した噴流はその周囲に広がり、壁面噴流領域を形成する。自由噴流領域の下流側の壁面噴流領域に囲まれた領域は衝突噴流領域と呼ばれる。衝突噴流領域の中心に存在するよどみ点は最も熱伝達率が高く、壁面噴流領域では熱伝達率は低い。
図9には噴流の速度分布の模式図を示す(非特許文献1を基に作成している)。噴流は噴射孔12のすぐ下流では、ほぼ噴射孔12と同じ面積の速度分布が均一な領域を有している。その下流域では噴流と周囲空気の攪拌が進み、噴流の外周部で速度が低下する。速度が減少しない領域はポテンシャルコアと呼ばれる。ポテンシャルコアは下流側に向かって徐々に縮小し最終的に消滅する。その下流側では、噴射孔12から離れるに従い噴流の中心速度が低下し、噴流は発達領域(遷移領域)を経て完全発達領域(噴流の速度分布が噴射孔12からの距離によらず相似形となる領域)に至る。ポテンシャルコアはよどみ点を含み、熱伝達率が最も高い。従って、フィルムに効率よく熱を伝えるには、ポテンシャルコアの領域(断面積)をできるだけ維持しながら噴流をフィルム3に衝突させることが重要である。
噴流の熱伝達率を上げるためには噴射孔12とフィルム3の間の距離を小さくするのが効果的である。しかし、噴射孔12とフィルム3間の距離が短いと風圧が大きくなり、その結果、フィルムのバタつき、フィルムと噴射孔12の接触など、フィルムの製造上好ましくない問題を引き起こす可能性がある。そのため、噴射孔12とフィルム3の間の距離を一定に保ちつつ、ポテンシャルコアの領域をできるだけ維持することが重要となる。
図10(a)は従来の空気噴射部材の噴射孔12の近傍における噴流の状態を示す。噴射孔12の付近では空気流が乱れ、図示のように縮流が生じやすい。ダクト17の肉厚は一般に小さいため、縮流は噴射孔12の下流側で生じる傾向がある。このため、縮流の状態、すなわちポテンシャルコアの領域が縮小した状態で、ないしポテンシャルコアの領域が乱れた状態で噴流がフィルム3に衝突する可能性がある。その結果、フィルム3に伝達される熱量がTD方向に関してばらつきやすくなる。
図10(b)は本実施形態の空気噴射部材7の噴射孔12の近傍における噴流の状態を示す。本実施形態では噴射孔12の上流側に整流部材25が設けられている。整流部材25の整流流路26に流入した空気は整流流路26を形成する壁面27から剥離し、図10(a)と同様に縮流を生じる可能性がある。しかし、整流流路26を流れる過程で空気流が壁面27と再衝突し、直進性が回復され、より均一な速度分布で噴射孔12に到達する。この結果、噴射孔12の近傍でポテンシャルコアの大きな領域が形成され、下流側においてもポテンシャルコアが維持されやすい。フィルム3の表面上においてポテンシャルコアの領域が増加し、フィルム3に伝達される熱量がTD方向に関して均一化される。
以上の説明は空気流が縮流する場合を対象としているが、噴射孔12を通る空気が渦を伴うこともある。このような場合であっても、整流部材25を設けることで渦の規模が縮小し、空気流の直進性が増加する。従って、フィルム3の表面上においてポテンシャルコアの領域が増加し、フィルム3に伝達される熱量がTD方向に関して均一化される。
整流効果を得るためには、整流流路の流路長xがある程度長いことが望ましい。一方、整流流路の流路長xが長すぎると整流流路が助走区間として機能し、図10(c)に示すように噴射孔12に到達したときに発達領域または完全発達領域が形成される。その結果、ポテンシャルコアが形成されにくくなる。
整流部材25の流路長xの好ましい範囲は、整流部材25の流路長xとダクト17の肉厚tの合計値を噴射孔12の直径dで規準化した値(x+t)/dで規定することが好ましい。図6に示す噴射孔12の配列パターンを対象に(x+t)/dと熱伝達率の相関を数値解析で求めた。数値回析は気流解析ソフトウェアー「Solid works Flow simulation」(solid works社製)を用いた。空気が壁面から剥離する挙動はレイノルズ数によって異なるため、レイノルズ数が10以上となる流れ場を対象とした。フィルム3の送り速度は160m/minとし、噴射孔12からの空気の吹き出し風速が20m/sとなるように、ファン9の空気供給量を設定した。フィルム3の初期温度は20℃とした。図11に、噴射孔12とフィルム3間の熱伝達率を算出した結果を示す。0.3≦(x+t)/d≦4の範囲で熱伝達率が向上し、0.3≦(x+t)/d≦0.6の範囲で熱伝達率が極大となる。以上のことから、整流部材25の流路長xと、ダクト17の肉厚tと、噴射孔12の直径dの関係は0.3≦(x+t)/d≦4の関係を満たすことが望ましく、0.3≦(x+t)/d≦0.6の関係を満たすことがより望ましい。
上記の解析と同様な条件にて、熱伝達率を実験で測定した。(x+t)/dは0.5とした。図4に示す噴射孔12を備えた空気噴射部材7に図6に示す整流部材25を設けた場合を実施例1、設けない場合を比較例1としている。図5に示す噴射孔12を備えた空気噴射部材7に図6に示す整流部材25を設けた場合を実施例2、設けない場合を比較例2としている。図5に示す噴射孔12を備えた空気噴射部材7に図7に示す整流部材125を設けた場合を実施例3としている。図12に、噴射孔12とフィルム3間の熱伝達率を算出した結果を示す。実施例1は比較例1に対し熱伝達率が15%程度高い。実施例2も比較例2に対し熱伝達率が15%程度高い。これより、噴射孔12の配列パターンによらず整流部材25の効果が実験で確認された。実施例3では実施例2と同程度の熱伝達率が得られており、スリット形状の整流流路(実施例3)が噴射孔12と同軸の整流流路(実施例2)と同等の熱伝達率改善効果があることが確認された。
1 空気噴射装置
3 フィルム
6 クリップ
7 空気噴射部材
12 噴射孔
15 テンターオーブン
17 ダクト
25,125 整流部材
26,126 整流流路
本発明は、一方向に搬送されるフィルムの表面に加熱空気を吹き付ける空気噴射部材に関する。空気噴射部材は、加熱空気が流通可能なダクトと、ダクトの側壁を貫通しフィルムの表面と対向する噴射孔と、を有している。一つの形態では、空気噴射部材はダクトの側壁の内面の、噴射孔が設けられた部位から突き出す整流部材を有し、整流部材は、該整流部材を貫通し、ダクトの内部及び噴射孔と連通する整流流路を形成する。他の形態では、空気噴射部材はダクトの側壁の内面の、噴射孔の列を挟んだ部位からそれぞれ突き出す2つの整流部材を有し、2つの整流部材の間に、ダクトの内部及び複数の噴射孔と連通するスリット状の整流流路が形成されている。
本発明の他の実施態様は、フィルムを一方向に搬送しながら、フィルムの表面に空気噴射部材から加熱空気を吹き付けてフィルムを加熱する工程を含むフィルムの製造方法に関する。空気噴射部材は、加熱空気が流通可能なダクトと、ダクトの側壁を貫通しフィルムの表面と対向する噴射孔と、を有している。一つの形態では、空気噴射部材はダクトの側壁の内面の、噴射孔が設けられた部位から突き出す整流部材を有し、整流部材は、該整流部材を貫通し、ダクトの内部及び噴射孔と連通する整流流路を形成する。他の形態では、空気噴射部材はダクトの側壁の内面の、噴射孔の列を挟んだ部位からそれぞれ突き出す2つの整流部材を有し、2つの整流部材の間に、ダクトの内部及び複数の噴射孔と連通するスリット状の整流流路が形成されている。
本発明は、一方向に搬送されるフィルムの表面に加熱空気を吹き付ける空気噴射部材に関する。空気噴射部材は、加熱空気が流通可能なダクトと、ダクトの側壁を貫通しフィルムの表面と対向する噴射孔と、を有している。一つの形態では、空気噴射部材はダクトの側壁の内面から突き出し噴射孔と同軸の円形の流路断面を有する整流部材を有し、整流部材は、該整流部材を貫通し、ダクトの内部及び噴射孔と連通する整流流路を形成する。他の形態では、空気噴射部材はダクトの側壁の内面の、噴射孔の列を挟んだ部位からそれぞれ突き出す2つの整流部材を有し、2つの整流部材の間に、ダクトの内部及び複数の噴射孔と連通するスリット状の整流流路が形成されている。

Claims (8)

  1. 一方向に搬送されるフィルムの表面に加熱空気を吹き付ける空気噴射部材であって、
    加熱空気が流通可能なダクトと、前記ダクトの側壁を貫通し前記フィルムの前記表面と対向する噴射孔と、前記ダクトの前記側壁の内面に設けられた整流部材と、を有し、
    前記整流部材は、前記ダクトの内部及び前記噴射孔と連通する整流流路を形成する、空気噴射部材。
  2. 前記整流部材は該整流部材を貫通する少なくとも1つの前記整流流路を有する、請求項1に記載の空気噴射部材。
  3. 前記整流流路と前記噴射孔は同軸で直径dの円形の流路断面を有し、前記整流流路の流路長をx、前記ダクトの肉厚をtとしたときに、0.3≦(x+t)/d≦4.0の関係を満たす、請求項2に記載の空気噴射部材。
  4. 0.3≦(x+t)/d≦0.6の関係を満たす、請求項3に記載の空気噴射部材。
  5. 互いに隣り合う2つの前記整流部材を有し、前記2つの整流部材の間に、複数の前記噴射孔と連通するスリット状の前記整流流路が形成されている、請求項1に記載の空気噴射部材。
  6. 各々が複数の前記噴射孔からなる複数の噴射孔列を有し、各噴射孔列を形成する複数の前記噴射孔は前記フィルムの搬送方向と直交する方向に配列し、前記複数の噴射孔列は前記フィルムの搬送方向に配列している、請求項1から5のいずれか1項に記載の空気噴射部材。
  7. 複数の前記噴射孔を有し、前記複数の噴射孔は、隣接する辺同士が全長で重なるように配置された複数の正三角形の各頂点に位置し、かつ前記フィルムの搬送方向に互いに重ならないように配置されている、請求項1から5のいずれか1項に記載の空気噴射部材。
  8. フィルムを一方向に搬送しながら、前記フィルムの表面に空気噴射部材から加熱空気を吹き付けて前記フィルムを加熱する工程を含むフィルムの製造方法であって、
    前記空気噴射部材は、加熱空気が流通可能なダクトと、前記ダクトの側壁を貫通し前記フィルムの前記表面と対向する噴射孔と、前記ダクトの前記側壁の内面に設けられた整流部材と、を有し、前記整流部材は、前記ダクトの内部及び前記噴射孔と連通する整流流路を形成する、フィルムの製造方法。
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