JP2016177062A - 画像形成装置 - Google Patents

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Kenji Sugiura
健治 杉浦
芳賀 浩吉
Kokichi Haga
浩吉 芳賀
熊谷 直洋
Naohiro Kumagai
直洋 熊谷
成一 小暮
Seiichi Kogure
成一 小暮
純平 藤田
Junpei Fujita
純平 藤田
一樹 與五澤
Kazuki Yogosawa
一樹 與五澤
石井 宏一
Koichi Ishii
宏一 石井
武英 水谷
Takehide Mizutani
武英 水谷
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雄二 和田
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Abstract

【課題】二次転写不良や白抜け状の異常画像の発生を抑える。【解決手段】電源制御部200に対し、画像情報に基づいて中間転写ベルト31の表面における単位面積あたりのトナー付着量を把握させるようにした。そして、トナー付着量の把握結果が多くなるにつれて、重畳電圧からなる二次転写バイアスにおける単位時間あたりの平均電位と、ピークツウピークにおける二つのピーク値のうち、二次転写ニップ内でトナーに対して中間転写ベルト31側からシート搬送ベルト41側に向かう転写方向の静電気力をより大きく付与する方の転写ピーク値とをそれぞれ、静電気力をより大きくする値に変化させ、且つ他方の逆ピーク値を転写方向とは逆方向の静電気力をより小さくする値に変化させるようにした。【選択図】図5

Description

本発明は画像形成装置に関するものである。
従来より、トナー像を担持する像担持体とニップ形成部材との当接による転写ニップに転写電流を流すための転写バイアスとして、直流電圧に交流電圧を重畳した重畳電圧からなるものを用いる画像形成装置が知られている。
例えば、特許文献1に記載の画像形成装置は、像担持体たる中間転写ベルトとニップ形成部材たるニップ形成ローラとの当接による二次転写ニップに挟み込んだ記録シートに対し、中間転写ベルト上のトナー像を二次転写する。そして、その二次転写の際、二次転写ニップに転写電流を流すために、二次転写バイアスとして、直流電圧に交流電圧を重畳した重畳電圧からなるものを二次転写電源から出力する。
本発明者らは、かかる構成の画像形成装置において、転写バイアスの直流成分を中間転写ベルト上の単位面積あたりのトナー付着量によっては、転写不良や点状の白抜け異常画像を引き起こしてしまうことを実験によって見出した。
上述した課題を解決するために、本発明は、画像情報に基づいて、像担持体の移動する表面にトナー像を形成するトナー像形成手段と、前記表面に当接して転写ニップを形成するニップ形成部材と、前記転写ニップに転写電流を流すための転写バイアスとして、直流電圧に交流電圧を重畳した重畳電圧からなるものを出力する転写電源とを備え、前記転写ニップに挟み込んだ記録シートに前記像担持体上のトナー像を転写する画像形成装置において、前記像担持体の表面における単位面積あたりのトナー付着量を把握する付着量把握手段を設けるとともに、前記付着量把握手段によって把握されるトナー付着量が多くなるにつれて、前記重畳電圧における単位時間あたりの平均電位と、前記重畳電圧のピークツウピークにおける二つのピーク値のうち、前記転写ニップ内でトナーに対して前記像担持体側から前記ニップ形成部材側に向かう転写方向の静電気力をより大きく付与する方のピーク値である転写ピーク値とをそれぞれ、前記静電気力をより大きくする値に変化させ、且つ他方のピーク値である逆ピーク値を変化させないか、あるいは転写方向とは逆方向の静電気力をより小さくする値に変化させるように、前記転写電源からの出力を制御する制御手段を設けたことを特徴とするものである。
本発明によれば、転写不良や白抜け状の異常画像の発生を抑えることができるという優れた効果がある。
実施形態に係るプリンタを示す概略構成図。 同プリンタにおけるK用の画像形成ユニットを拡大して示す拡大構成図。 同プリンタの中間転写ベルトの横断面を部分的に示す拡大断面図。 同中間転写ベルトを部分的に拡大して示す拡大平面図。 同プリンタにおける二次転写電源の電気回路の要部を、二次転写裏面ローラや二次転写ニップ裏打ちローラなどとともに示すブロック図。 中間転写ベルトとして、同プリンタのものとは異なり、単層構造のものを用いた構成における二次転写ニップ及びその周囲を示す拡大構成図。 実施形態に係るプリンタにおける二次転写ニップ及びその周囲構成を示す拡大断面図。 同二次転写電源から出力される二次転写バイスの波形を示すグラフ。 試作機の二次転写電源から実際に出力させたデューティ=85%の二次転写バイアスの波形を示すグラフ。 試作機の二次転写電源から実際に出力させたデューティ=90%の二次転写バイアスの波形を示すグラフ。 試作機の二次転写電源から実際に出力させたデューティ=70%の二次転写バイアスの波形を示すグラフ。 試作機の二次転写電源から実際に出力させたデューティ=50%の二次転写バイアスの波形を示すグラフ。 試作機の二次転写電源から実際に出力させたデューティ=30%の二次転写バイアスの波形を示すグラフ。 試作機の二次転写電源から実際に出力させたデューティ=10%の二次転写バイアスの波形を示すグラフ。 デューティの定義を説明するためのグラフ。 中間転写ベルト上の単位面積あたりのトナー付着量をベタ画像20%相当にするテスト画像を出力した場合におけるテスト画像の種類と画像濃度再現率と直流成分電流値との関係を示すグラフ。 中間転写ベルト上の単位面積あたりのトナー付着量をベタ画像100%相当にするテスト画像を出力した場合におけるテスト画像の種類と画像濃度再現率と直流成分電流値との関係を示すグラフ。 中間転写ベルト上の単位面積あたりのトナー付着量をベタ画像200%相当にするテスト画像を出力した場合におけるテスト画像の種類と画像濃度再現率と直流成分電流値との関係を示すグラフ。 同プリンタの二次転写バイアスの直流成分における出力目標電流値及び中間転写ベルト上のトナー付着量の経時変化を説明するためのタイミングチャート。
以下、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式のカラープリンタ(以下、単にプリンタという)の実施形態について説明する。なお、本発明は、その適用分野がプリンタに限定されるものではなく、複写機、ファクシミリ、複写機能及びFAX機能を有する複合機などにも、本発明の適用が可能である。
まず、実施形態に係るプリンタの基本的な構成について説明する。図1は、実施形態に係るプリンタを示す概略構成図である。同図において、実施形態に係るプリンタは、イエロー(Y),マゼンダ(M),シアン(C),ブラック(K)のトナー像を形成するための四つのトナー像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kを備えている。また、転写ユニット30、光書込ユニット80、定着装置90、給送カセット100、レジストローラ対101なども備えている。
四つのトナー像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、互いに異なる色のY,M,C,Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっており、寿命到達時に交換される。Kトナー像を形成するためのトナー像形成ユニット1Kを例にすると、これは、図2に示されるように、潜像担持体たるドラム状の感光体2K、ドラムクリーニング装置3K、除電装置、帯電装置6K、現像装置8K等を備えている。これらの装置が共通の保持体に保持されてプリンタ本体に対して一体的に脱着することで、それらを同時に交換できるようになっている。
感光体2Kは、ドラム基体の表面上に有機感光層が形成されたものであって、駆動手段によって図中時計回り方向に回転駆動される。帯電装置6Kは、帯電バイアスが印加される帯電ローラ7Kを感光体2Kに接触あるいは近接させながら、帯電ローラ7Kと感光体2Kとの間に放電を発生させることで、感光体2Kの表面を一様帯電せしめる。実施形態では、トナーの正規帯電極性と同じマイナス極性に一様帯電せしめる。帯電バイアスとしては、直流電圧に交流電圧を重畳したものを採用している。帯電ローラ7Kは、金属製の芯金の表面に導電性弾性材料からなる導電性弾性層が被覆されたものである。帯電ローラ等の帯電部材を感光体2Kに接触あるいは近接させる方式に代えて、帯電チャージャーによる方式を採用してもよい。
一様帯電せしめられた感光体2Kの表面は、後述する光書込ユニット80から発せられるレーザー光によって光走査されてK用の静電潜像を担持する。このK用の静電潜像は、Kトナーを用いる現像装置8Kによって現像されてKトナー像になる。そして、後述する中間転写ベルト31上に一次転写される。
ドラムクリーニング装置3Kは、一次転写工程(後述する一次転写ニップ)を経た後の感光体2K表面に付着している転写残トナーを除去する。回転駆動されるクリーニングブラシローラ4K、片持ち支持された状態で自由端を感光体2Kに当接させるクリーニングブレード5Kなどを有している。回転するクリーニングブラシローラ4Kで転写残トナーを感光体2K表面から掻き取ったり、クリーニングブレードで転写残トナーを感光体2K表面から掻き落としたりする。
上記除電装置は、ドラムクリーニング装置3Kによってクリーニングされた後の感光体2Kの残留電荷を除電する。この除電により、感光体2Kの表面が初期化されて次の画像形成に備えられる。
現像装置8Kは、現像剤担持体たる現像ロール9Kを収容する現像部12Kと、K現像剤を撹拌搬送する現像剤搬送部13Kとを有している。そして、現像剤搬送部13Kは、第1スクリュー部材10Kを収容する第1搬送室と、第2スクリュー部材11Kを収容する第2搬送室とを有している。それらスクリュー部材は、それぞれ、軸線方向の両端部がそれぞれ軸受けによって回転自在に支持される回転軸部材と、これの周面に螺旋状に突設せしめられた螺旋羽根とを具備している。
第1スクリュー部材10Kを収容している第1搬送室と、第2スクリュー部材11Kを収容している第2搬送室とは、仕切り壁によって仕切られているが、仕切壁におけるスクリュー軸線方向の両端部には、それぞれ両搬送室を連通させる連通口が形成されている。第1スクリュー部材10Kは、螺旋羽根内に保持しているK現像剤を、回転駆動に伴って回転方向に撹拌しながら、図中の紙面に直交する方向の奥側から手前側に向けて搬送する。第1スクリュー部材10Kと、後述する現像ロール9Kとは互いに向かい合う姿勢で平行配設されているため、このときのK現像剤の搬送方向は、現像ロール9Kの回転軸線方向に沿った方向でもある。そして、第1スクリュー部材10Kは、現像ロール9Kの表面に対してK現像剤をその軸線方向に沿って供給していく。
第1スクリュー部材10Kの図中手前側端部付近まで搬送されたK現像剤は、仕切壁の図中手前側端部付近に設けられた連通開口を通って、第2搬送室内に進入した後、第2スクリュー部材11Kの螺旋羽根内に保持される。そして、第2スクリュー部材11Kの回転駆動に伴って、回転方向に撹拌されながら、図中手前側から奥側に向けて搬送されていく。
第2搬送室内において、ケーシングの下壁にはトナー濃度センサーが設けられており、第2搬送室内のK現像剤のKトナー濃度を検知する。Kトナー濃度センサーとしては、透磁率センサーからなるものが用いられている。Kトナーと磁性キャリアとを含有するK現像剤の透磁率は、Kトナー濃度と相関関係があるため、透磁率センサーは、Kトナー濃度を検知していることになる。
本プリンタは、Y,M,C,K用の現像装置の第2収容室内にY,M,C,Kトナーをそれぞれ個別に補給するためのY,M,C,Kトナー補給手段を備えている。そして、プリンタの制御部は、RAMに、Y,M,C,Kトナー濃度検知センサーからの出力電圧値の目標値であるY,M,C,K用のVtrefを記憶している。Y,M,C,Kトナー濃度検知センサーからの出力電圧値と、Y,M,C,K用のVtrefとの差が所定値を超えた場合には、その差に応じた時間だけY,M,C,Kトナー補給手段を駆動する。これにより、Y,M,C,K用の現像装置における第2搬送室内にY,M,C,Kトナーが補給され、K現像剤のKトナー濃度が所定の範囲内に維持される。
現像部12K内に収容されている現像ロール9Kは、第1スクリュー部材10Kに対向しているとともに、ケーシングに設けられた開口を通じて、感光体2Kにも対向している。また、現像ロール9Kは、回転駆動される非磁性パイプからなる筒状の現像スリーブと、これの内部にスリーブと連れ回らないように固定されたマグネットローラとを具備している。そして、第1スクリュー部材10Kから供給されるK現像剤をマグネットローラの発する磁力によってスリーブ表面に担持しながら、スリーブの回転に伴って、感光体2Kに対向する現像領域に搬送する。
現像スリーブには、トナーと同極性であって、感光体2Kの静電潜像の電位よりも絶対値が大きく、且つ感光体2Kの一様帯電電位よりも絶対値が小さな現像バイアスが印加されている。これにより、現像スリーブと感光体2Kの静電潜像との間には、現像スリーブ上のKトナーを静電潜像に向けて静電移動させる現像ポテンシャルが作用する。また、現像スリーブと感光体2Kの地肌部との間には、現像スリーブ上のKトナーをスリーブ表面に向けて移動させる地肌ポテンシャルが作用する。それら現像ポテンシャル及び地肌ポテンシャルの作用により、現像スリーブ上のKトナーが感光体2Kの静電潜像に選択的に転移して、静電潜像をKトナー像に現像する。
図1において、Y,M,C用のトナー像形成ユニット1Y,M,Cにおいても、K用のトナー像形成ユニット1Kと同様にして、感光体2Y,2M,2C上にY,M,Cトナー像が形成される。トナー像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの上方には、潜像書込手段たる光書込ユニット80が配設されている。この光書込ユニット80は、パーソナルコンピュータ等の外部機器から送られてくる画像情報に基づいてレーザーダイオードから発したレーザー光により、感光体2Y,2M,2C,2Kを光走査する。この光走査により、感光体2Y,2M,2C,2K上にY,M,C,K用の静電潜像が形成される。なお、光書込ユニット80は、光源から発したレーザー光Lを、ポリゴンモータによって回転駆動したポリゴンミラーで主走査方向に偏光せしめながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体に照射するものである。LEDアレイの複数のLEDから発したLED光によって光書込を行うものを採用してもよい。
トナー像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの下方には、無端状の中間転写ベルト31を張架しながら図中反時計回り方向に無端移動せしめる転写装置としての転写ユニット30が配設されている。転写ユニット30は、像担持体たる中間転写ベルト31の他に、駆動ローラ32、二次転写裏面ローラ33、クリーニングバックアップローラ34、4つの一次転写ローラ35Y,35M,35C,35Kなどを有している。また、ベルトクリーニング装置37、濃度センサー40なども有している。
中間転写ベルト31は、そのループ内側に配設された駆動ローラ32、二次転写裏面ローラ33、クリーニングバックアップローラ34、及び4つの一次転写ローラ35Y,35M,35C,35Kによって張架されている。そして、駆動手段によって図中反時計回り方向に回転駆動される駆動ローラ32の回転力により、同方向に無端移動せしめられる。
4つの一次転写ローラ35Y,35M,35C,35Kは、無端移動せしめられる中間転写ベルト31を感光体2Y,2M,2C,2Kとの間に挟み込んでいる。これにより、中間転写ベルト31のおもて面と、感光体2Y,2M,2C,2Kとが当接するY,M,C,K用の一次転写ニップが形成されている。一次転写ローラ35Y,35M,35C,35Kには、一次転写電源によってそれぞれ一次転写バイアスが印加されている。これにより、感光体2Y,2M,2C,2K上のY,M,C,Kトナー像と、一次転写ローラ35Y,35M,35C,35Kとの間に転写電界が形成される。Y用の感光体2Y表面に形成されたYトナーは、感光体2Yの回転に伴ってY用の一次転写ニップに進入する。そして、転写電界やニップ圧の作用により、感光体2Y上から中間転写ベルト31上に一次転写される。このようにしてYトナー像が一次転写せしめられた中間転写ベルト31は、その後、M,C,K用の一次転写ニップを順次通過する。そして、感光体2M,2C,2K上のM,C,Kトナー像が、Yトナー像上に順次重ね合わせて一次転写される。この重ね合わせの一次転写により、中間転写ベルト31上には4色重ね合わせトナー像が形成される。なお、一次転写ローラ35Y,35M,35C,35Kに代えて、転写チャージャーや転写ブラシなどを採用してもよい。
転写ユニット30の下方には、二次転写ニップ裏打ちローラ36、シート搬送ベルト(一般的には二次転写ベルトや転写部材などとも呼称される)41などを具備するシート搬送ユニット38が配設されている。無端状のシート搬送ベルト41は、そのループ内側に配設された二次転写ニップ裏打ちローラ36などの複数のローラによって張架された状態で、二次転写ニップ裏打ちローラ36の回転駆動によって図中時計回り方向に回転せしめられる。そして、二次転写ニップ裏打ちローラ36により、中間転写ベルト31の周方向における全域のうち、二次転写裏面ローラ33に対する掛け回し領域に当接している。つまり、転写ユニット30の二次転写裏面ローラ33と、シート搬送ユニット38の二次転写ニップ裏打ちローラ36とは、互いの間に中間転写ベルト31及びシート搬送ベルト41を挟み込んでいる。これにより、中間転写ベルト31のおもて面と、ニップ形成部材たるシート搬送ベルト41のおもて面とが当接する二次転写ニップが形成されている。シート搬送ベルト41のループ内に配設された二次転写ニップ裏打ちローラ36は接地されているのに対し、中間転写ベルト31のループ内に配設された二次転写裏面ローラ33には、二次転写電源39によって二次転写バイアスが印加される。これにより、二次転写裏面ローラ33と、二次転写ニップ裏打ちローラ36との間に、マイナス極性のトナーを二次転写裏面ローラ33側から二次転写ニップ裏打ちローラ36側に向けて静電移動させる二次転写電界が形成される。なお、ニップ形成部材として、シート搬送ベルト41の代わりに、二次転写ローラを用い、これを中間転写ベルト31に直接当接させてもよい。
転写ユニット31の下方には、記録シートPを複数枚重ねた紙束の状態で収容している給送カセット100が配設されている。この給送カセット100は、紙束の一番上の記録シートPに給紙ローラ100aを当接させており、これを所定のタイミングで回転駆動させることで、その記録シートPを給送路に向けて送り出す。給送路の末端付近には、レジストローラ対101が配設されている。このレジストローラ対101は、給送カセット100から送り出された記録シートPをローラ間に挟み込むとすぐに両ローラの回転を停止させる。そして、挟み込んだ記録シートPを二次転写ニップ内で中間転写ベルト31上の4色重ね合わせトナー像に同期させ得るタイミングで回転駆動を再開して、記録シートPを二次転写ニップに向けて送り出す。二次転写ニップで記録シートPに密着せしめられた中間転写ベルト31上の4色重ね合わせトナー像は、二次転写電界やニップ圧の作用によって記録シートP上に一括二次転写されてフルカラートナー像となる。このようにして表面にフルカラートナー像が形成された記録シートPは、二次転写ニップを通過すると、中間転写ベルト31から曲率分離する。更に、シート搬送ベルト41を掛け回している分離ローラ42の曲率によってシート搬送ベルト41から曲率分離する。
なお、ニップ形成部材たるシート搬送ベルト41を中間転写ベルト31に当接させて二次転写ニップを形成する構成に代えて、次のような構成を採用してもよい。即ち、ニップ形成部材たるニップ形成ローラを中間転写ベルト31に当接させて二次転写ニップを形成する構成である。
二次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト31には、記録シートPに転写されなかった転写残トナーが付着している。これは、中間転写ベルト31のおもて面に当接しているベルトクリーニング装置37によってベルト表面からクリーニングされる。中間転写ベルト31のループ内側に配設されたクリーニングバックアップローラ34は、ベルトクリーニング装置37によるベルトのクリーニングをループ内側からバックアップする。
濃度センサー40は、中間転写ベルト31のループ外側に配設されている。そして、中間転写ベルト31の周方向における全域のうち、駆動ローラ32に対する掛け回し箇所に対して、所定の間隙を介して対向している。この状態で、中間転写ベルト31上に一次転写されたトナー像が自らとの対向位置に進入した際に、そのトナー像の単位面積あたりのトナー付着量(画像濃度)を測定する。
二次転写ニップよりもシート搬送方向の下流側には、定着装置90が配設されている。この定着装置90は、ハロゲンランプ等の発熱源を内包する定着ローラ91と、これに所定の圧力で当接しながら回転する加圧ローラ92とによって定着ニップを形成している。定着装置90内に送り込まれた記録シートPは、その未定着トナー像担持面を定着ローラ91に密着させる姿勢で、定着ニップに挟まれる。そして、加熱や加圧の影響によってトナー像中のトナーが軟化さしめられて、フルカラー画像が定着せしめられる。定着装置90内から排出された記録シートPは、定着後搬送路を経由した後、機外へと排出される。
実施形態に係るプリンタは、モノクロ画像を形成する場合に、転写ユニット30におけるY,M,C用の一次転写ローラ35(Y,M,C)を支持している支持板の姿勢をソレノイド等の駆動によって変化させる。これにより、Y,M,C用の一次転写ローラ35(Y,M,C)を、感光体2(Y,M,C)から遠ざけて、中間転写ベルト31のおもて面を感光体2(Y,M,C)から離間させる。このようにして、中間転写ベルト31をブラック用の感光体2Kだけに当接させた状態で、4つのトナー像形成ユニット1(Y,M,C,K)のうち、ブラック用の画像形成ユニット1Kだけを駆動して、Kトナー像をブラック用の感光体2K上に形成する。なお、本発明は、カラー画像を形成する画像形成装置に限らず、モノクロ画像だけを形成する画像形成装置にも適用が可能である。
図3は、中間転写ベルト31の横断面を部分的に示す拡大断面図である。中間転写ベルト31は、ある程度の屈曲性を有し且つ剛性の高い材料からなる無端ベルト状の基層31aと、これのおもて面上に積層された柔軟性に優れた弾性材料からなる弾性層31bとを具備している。弾性層31bには、粒子31cが分散せしめられていて、それらの粒子31cが自らの一部を弾性層31bの表面から突出させた状態で、図4に示されるように、ベルト面方向に密集して並んでいる。それら複数の粒子31cにより、複数の凸がベルト面に形成されている。
基層31aの材料としては、樹脂中に、電気抵抗を調整するための充填材や添加材などからなる電気抵抗調整材を分散させたものを例示することができる。その樹脂としては、難燃性の観点からすると、例えば、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、ETFE(エチレン・四フッ化エチレン共重合体)などのフッ素系樹脂や、ポリイミド樹脂またはポリアミドイミド樹脂等が好ましい。また、機械強度(高弾性)や耐熱性の観点からすると、特にポリイミド樹脂又はポリアミドイミド樹脂が好適である。
樹脂中に分散せしめる電気抵抗調整材としては、金属酸化物やカーボンブラック、イオン導電剤、導電性高分子材料などを例示することができる。金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化珪素等が挙げられる。分散性を向上させるために、前記金属酸化物に予め表面処理を施したものを用いても良い。カーボンブラックとしては、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ガスブラック等が挙げられる。また、イオン導電剤としては、テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩が挙げられる。アルキルサルフェート、グルセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アルコールエステル、アルキルベタイン、過塩素酸リチウム等でもよい。それらのイオン導電剤を二種類以上混合して使用してもよい。なお、本発明を適用可能な電気抵抗調整材は、これまで例示したものに限られるものではない。
基層31aの前駆体となる塗工液(硬化前の液体の樹脂中に電気抵抗調整材を分散せしめたもの)には、必要に応じて、分散助剤、補強材、潤滑材、熱伝導材、酸化防止剤などを添加してもよい。中間転写ベルト31として好適に装備されるシームレスベルトの基層31aに含有される電気抵抗調整材の添加量は、好ましくは表面抵抗で1×10〜1×1013[Ω/□]、体積抵抗で1×10〜1×1012[Ω・cm]となる量とされる。但し、機械強度の観点から、成形膜が脆く割れやすくならない範囲の量を選択して添加することが必要である。つまり、樹脂成分(ポリイミド樹脂前駆体、ポリアミドイミド樹脂前駆体など)と電気抵抗調整材との配合率を適正に調整した塗工液を用いて、電気特性(表面抵抗及び体積抵抗)と機械強度のバランスがとれたシームレスベルトを製造して用いることが好ましい。電気抵抗調整材の含有量は、カーボンブラックの場合には、塗工液中の全固形分の10〜25[wt%]がよく、更に好ましくは15〜20[wt%]である。また、金属酸化物の場合の含有量は、塗工液中の全固形分の1〜50[wt%]がよく、更に好ましくは10〜30[wt%]である。含有量が前述した範囲よりも少ないと十分な効果が得られず、また含有量が前述した範囲よりも多いと中間転写ベルト31(シームレスベルト)の機械強度が著しく低下するので、実使用上好ましくない。
基層31aの厚みは、特に制限されるものではなく、状況に応じて適宜選択することができるが、30μm〜150μmが好ましく、40μm〜120μmがより好ましく、50μm〜80μmが特に好ましい。基層31aの厚みが、30μm未満であると、亀裂によりベルトが裂けやすくなり、150μmを超えると、曲げによってベルトが割れることがあることがある。一方、基層31aの厚みが前述した特に好ましい範囲であると、耐久性の点で有利になる。
ベルト走行安定性を高めるためには、基層31aの層厚ムラをできるだけ少なくすることが好ましい。基層31aの厚みを調整する方法は、特に制限されるものではなく、状況に応じて適宜選択することができる。例えば、接触式や渦電流式の膜厚計での計測や膜の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で測定する方法が挙げられる。
中間転写ベルト31の弾性層31bは、上述したように、分散せしめられた複数の粒子31cによる複数の凸形状を表面に有している。弾性層31bを形成するための弾性材料としては、汎用の樹脂・エラストマー・ゴムなどを例示することができる。特に、柔軟性(弾性)に優れた弾性材料を用いることが好ましく、エラストマー材料やゴム材料が好適である。エラストマー材料としては、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリエーテル系、ポリウレタン系、ポリオレフィン系、ポリスチレン系、ポリアクリル系、ポリジエン系、シリコーン変性ポリカーボネート系などを例示することができる。フッ素系共重合体系等の熱可塑性エラストマーなどでもよい。また、熱硬化性の樹脂としては、ポリウレタン系、シリコーン変性エポキシ系、シリコーン変性アクリル系の樹脂等を例示することができる。また、ゴム材料としては、イソプレンゴム、スチレンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム等を例示することができる。更には、クロロスルホン化ポリエチレン、フッ素ゴム、ウレタンゴム、ヒドリンゴム等を例示することもできる。これまで例示した材料の中から、所望の性能が得られる材料を適宜選択することが可能である。特に、表面に凹凸のある記録シート、例えばレザック紙などの表面凹凸に追従させるためには、できるだけ柔らかい材料を選択することが好ましい。また、粒子31cを分散せしめることから、熱可塑性のものよりも熱硬化性のものの方が好ましい。熱硬化性のものの方が、その硬化反応に寄与する官能基の効果により樹脂粒子との密着性に優れ確実に固定化することが可能だからである。加硫ゴムも同様の理由により好ましい材料の1つである。
弾性層31bを構成する弾性材料の中でも、耐オゾン性、柔軟性、粒子との接着性、難燃性付与、耐環境安定性などの観点から、アクリルゴムが最も好ましい。アクリルゴムは一般的に市販されているものでよく、特定の製品に限定されるものではない。しかし、アクリルゴムの各種架橋系(エポキシ基、活性塩素基、カルボキシル基)の中ではカルボキシル基架橋系のものがゴム物性(特に圧縮永久歪み)及び加工性の点で優れているので、カルボキシル基架橋系のものを選択することが好ましい。カルボキシル基架橋系のアクリルゴムに用いられる架橋剤としては、アミン化合物が好ましく、多価アミン化合物が最も好ましい。このようなアミン化合物として、具体的には脂肪族多価アミン架橋剤、芳香族多価アミン架橋剤などを例示することができる。更に、脂肪族多価アミン架橋剤としては、ヘキサメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンカーバメイト、N,N’−ジシンナミリデン−1,6−ヘキサンジアミンなどを例示することができる。また、芳香族多価アミン架橋剤としては、4,4’−メチレンジアニリン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジアニリン等が挙げられる。4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ジアニリン、2,2’−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、4,4’−ジアミノベンズアニリド等でもよい。更には、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、1,3,5−ベンゼントリアミン、1,3,5−ベンゼントリアミノメチル等でもよい。
架橋剤の配合量の適正範囲は、アクリルゴム100重量部に対し、好ましくは0.05〜20重量部、より好ましくは0.1〜5重量部である。架橋剤の配合量が少なすぎると、架橋が十分に行われないため、架橋物の形状維持が困難になる。これに対し、含有量が多すぎると、架橋物が硬くなりすぎて、架橋ゴムとしての弾性などが損なわれる。
弾性層31bに用いるアクリルゴムには、上述した架橋剤の架橋反応を促進する狙いで、架橋促進剤を配合してもよい。架橋促進剤の種類は特に限定されるものではないが、前述した多価アミン架橋剤と組み合わせて用いることができるものであることが好ましい。このような架橋促進剤としては、グアニジン化合物、イミダゾール化合物、第四級オニウム塩、第三級ホスフィン化合物、弱酸のアルカリ金属塩などが挙げられる。グアニジン化合物としては、1,3−ジフェニルグアニジン、1,3−ジオルトトリルグアニジンなどが挙げられる。イミダゾール化合物としては、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾールなどが挙げられる。第四級オニウム塩としては、テトラn−ブチルアンモニウムブロマイド、オクタデシルトリ―n−ブチルアンモニウムブロマイドなどが挙げられる。多価第三級アミン化合物としては、トリエチレンジアミン、1,8−ジアザ‐ビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)などが挙げられる。第三級ホスフィン化合物としては、トリフェニルホスフィン、トリ−p−トリルホスフィンなどが挙げられる。弱酸のアルカリ金属塩としては、ナトリウムまたはカリウムのリン酸塩、炭酸塩などの無機弱酸塩あるいはステアリン酸塩、ラウリル酸塩などの有機弱酸塩が挙げられる。
架橋促進剤の使用量の適正範囲は、アクリルゴム100重量部あたり、好ましくは0.1〜20重量部、より好ましくは0.3〜10重量部である。架橋促進剤が多すぎると、架橋時に架橋速度が早くなりすぎたり、架橋物表面ヘの架橋促進剤のブルームが生じたり、架橋物が硬くなりすぎたりする場合がある。これに対し、架橋促進剤が少なすぎると、架橋物の引張強さが著しく低下したり、熱負荷後の伸び変化または引張強さ変化が大きすぎたりする場合がある。
アクリルゴムの調製にあたっては、ロール混合、バンバリー混合、スクリュー混合、溶液混合などの適宜の混合方法を採用することが可能である。配合順序は特に限定されないが、熱で反応や分解しにくい成分を充分に混合した後、熱で反応しやすい成分あるいは分解しやすい成分として、例えば架橋剤などを、反応や分解が起こらない温度で短時間に混合すればよい。
アクリルゴムは、加熱することによって架橋物とすることができる。好ましい加熱温度は、130〜220℃であり、より好ましくは140℃〜200℃である。また、好ましい架橋時間は、30秒〜5時間である。加熱方法としては、プレス加熱、蒸気加熱、オーブン加熱、熱風加熱などのゴムの架橋に用いられる方法を適宜選択すればよい。また、一度架橋した後に、架橋物の内部まで確実に架橋させるために、後架橋を行ってもよい。後架橋の時間は、加熱方法、架橋温度、形状などによって異なるが、好ましくは1〜48時間である。後架橋を行う際の加熱方法、加熱温度については、適宜選択することが可能である。選択した材料に、電気特性を調整するための電気抵抗調整剤、難燃性を得るための難燃剤、必要に応じて、酸化防止剤、補強剤、充填剤、架橋促進剤などの材料を適宜含有させてもよい。さらに、電気特性を調整するための電気抵抗調整剤として、すでに述べた各種材料を使用することができる。但し、カーボンブラックや金属酸化物などは柔軟性を損なうため、使用量を抑えることが好ましく、イオン導電剤や導電性高分子を用いることも有効である。また、それらを併用しても構わない。
ゴム100重量部に対しは、種々の過塩素酸塩やイオン性液体を0.01部〜3部添加するのが好ましい。イオン導電剤の添加量が0.01部以下であると、抵抗率を下げる効果が得られない。また、添加量が3部以上であると、ベルト表面へ導電剤がブルーム又はブリードする可能性が高くなってしまう。
電気抵抗調整材の添加量については、弾性層31bの抵抗値を、表面抵抗で1×10〜1×1013[Ω/□]、体積抵抗で1×10〜1×1012[Ω・cm]の範囲にするように調整することが好ましい。また、近年の電子写真方式の画像形成装置に求められるような、凹凸シートへの高いトナー転写性を得るために、弾性層31bの23℃50%RH環境下でのマイクロゴム硬度値を35以下にするように柔軟性を調整することが好ましい。マルテンス硬度、ビッカース硬度など、いわゆる微小硬度での計測は、測定部位のバルク方向の浅い領域、すなわち表面近傍のごく限られた領域の硬度しか測定していなのでベルト全体としての変形性能は評価できない。このため、例えば中間転写ベルト31全体としての変形性能が低い構成のものに、最表面に柔軟な材料を用いた場合、微小硬度値を低くしてしまう。このような中間転写ベルト31は変形性能が低い、すなわち凹凸シートへの追従性が悪いので、結果として近年の画像形成装置に求められる凹凸シートへの転写性能を十分に発揮することができなくなってしまう。よって、中間転写ベルト31全体の変形性能を評価することが可能なマイクロゴム硬度を測定して中間転写ベルト31の柔軟性を評価することが好ましい。
弾性層31bの層厚は、200μm〜2mmが好ましく、400μm〜1000μmがより好ましい。層厚が200μmよりも小さいと、記録シートの表面凹凸への追従性や転写圧力の低減効果を低くしてしまうので好ましくない。また、層厚が2mmよりも大きいと、弾性層31bが自重によって撓み易くなって走行性を不安定にしたり、ベルトを張架しているローラへの掛け回しでベルトに亀裂を発生させ易くなったりするので好ましくない。なお、層厚の測定方法としては、断面を走査型顕微鏡(SEM)で観察することによって測定する方法を例示することができる。
弾性層31bの弾性材料に分散せしめる粒子31cとしては、平均粒子径が100μm以下であり、真球状の形状をしており、有機溶剤に不溶であり、且つ3%熱分解温度が200℃以上である樹脂粒子を用いる。粒子31cの樹脂材料に特に制限はないが、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ゴムなどを例示することができる。これらの樹脂材料からなる粒子の母体表面を異種材料で表面処理してもよい。ゴムからなる球状の母体粒子の表面に硬い樹脂をコートしてもよい。また、母体粒子として、中空のものや、多孔質のものを用いてもよい。
これまで例示した樹脂材料の中でも、滑性、トナーに対しての離型性、耐磨耗性などに優れているという観点から、シリコーン樹脂粒子が最も好ましい。樹脂材料を重合法などによって球状の形状に仕上げた粒子であることが好ましく、真球に近いものほど好ましい。また、粒子31cとしては、体積平均粒径が1.0μm〜5.0μmであり、且つ単分散粒子であるものを用いることが望ましい。単分散粒子は、単一粒子径の粒子ではなく、粒度分布が極めてシャープな粒子である。具体的には、±(平均粒径×0.5μm)以下の分布幅の粒子である。粒子31cの粒径が1.0μm未満であると、粒子31cによる転写性能の促進効果が十分に得られなくなる。これに対し、粒径が5.0μmよりも大きいと、粒子間の隙間が大きくなってベルト表面粗さを大きくしてしまうことから、トナーを良好に転写できなくなったり、中間転写ベルト31のクリーニング不良を発生させ易くなったりする。更には、樹脂材料からなる粒子31cは一般に絶縁性が高いことから、粒径が大きすぎると粒子31cの電荷により、連続プリント時にこの電荷の蓄積による画像乱れを引き起こし易くなる。
粒子31cとしては、特別に合成したものを用いても良いし、市販品を用いてもよい。粒子31cを弾性層31bに直接塗布して、ならすことにより容易に均一に整列させることができる。このようにすることで、粒子31c同士のベルト厚み方向の重なり合いをほぼなくすことができる。複数の粒子31cの弾性層31bの表面方向における断面の径は、できるだけ均一であることが望ましく、具体的には、±(平均粒径×0.5μm)以下の分布幅にすることが好ましい。このため、粒子31cの粉末として、粒径分布の小さなものを用いることが好ましいが、特定の粒径の粒子31cだけを選択的に弾性層31b表面に塗布することを実現する方法を採用すれば、粒径分布の比較的大きな粉末を用いることも可能である。なお、粒子31cを弾性層31b表面に塗布するタイミングは特に限定されず、弾性層31bの弾性材料の架橋前、架橋後の何れであってもよい。
粒子31cが分散せしめられた弾性層31bの表面方向において、粒子31が存在している部分と、弾性層31bの表面が露出している部分との投影面積比については、粒子31cが存在している部分の投影面積率を60%以上にすることが望ましい。60%に満たない場合には、トナーと弾性層31bの無垢の表面とを直接接触させる機会を増加させて良好なトナー転写性が得られなくなったり、ベルト表面からのトナークリーニング性を低下させたり、ベルト表面の耐フィルミング性を低下させたりする。なお、中間転写ベルト31として、弾性層31bに粒子31cを分散させていないものを用いることも可能である。
図4に示されるように、中間転写ベルト31の表面において、粒子31c同士の重なり合いは殆ど観測されない。粒子31cの弾性層31b表面における断面の径は、できるだけ均一であることが好ましく、具体的には、±(平均粒径×0.5)μm以下の分布幅となることが好ましい。このような分布幅を実現するためには、粒径分布の狭い粒子粉末を用いることが好ましいが、特定の粒径の粒子31cを選択的に表面に局在させる方法を採用して弾性層31bを形成すれば、粒径分布の広い粒子粉末を使用してもよい。
記録シートPとして、和紙のような表面凹凸に富んだものを用いたとする。この場合に、記録シートPの表面における複数の凹部にそれぞれトナーを良好に二次転写して、表面凹凸にならった画像濃度ムラの発生を抑えるためには、弾性層31bをある程度の柔軟性(弾性)に優れたものを採用する必要がある。そして、そのような弾性層31bを採用すると、弾性層31bの単体だけでは、張架するとすぐに伸びてしまうことから、実使用に耐えられない。このため、弾性層31bよりも剛性のある基層31aを設け、その基層31aの剛性によってベルト全体の伸びを長期間に渡って抑えることが必須の条件になる。
図5は、二次転写電源の電気回路の要部を、二次転写裏面ローラ33や二次転写ニップ裏打ちローラ36などとともに示すブロック図である。二次転写電源39は、直流電源110、着脱可能に構成された交流電源140、電源制御部200などを有している。直流電源110は、中間転写ベルト31の表面上のトナーに対して二次転写ニップ内でベルト側から記録シート側に向かう静電気力を付与するための直流電圧を出力するための電源である。そして、直流出力制御部111、直流駆動部112、直流電圧用トランス113、直流出力検知部114、出力異常検知部115、電気接続部221などを具備している。
交流電源140は、二次転写ニップ内に交番電界を形成するための交流電圧を出力する電源である。そして、交流出力制御部141、交流駆動部142、交流電圧用トランス143、交流出力検知部144、除去部145、出力異常検知部146、電気接続部242と、電気接続部243などを具備している。
電源制御部200は、直流電源110及び交流電源140を制御するものであり、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)などを有する制御装置からなる。直流出力制御部111には、電源制御部200から、直流電圧の出力の大きさを制御するDC_PWM信号が入力される。更に、直流出力検知部114によって検知された直流電圧用トランス113の出力値も入力される。そして、直流出力制御部111は、入力されたDC_PWM信号のデューティ比及び直流電圧用トランス113の出力値に基づいて、次のような制御を行う。即ち、直流電圧用トランス113の出力値をDC_PWM信号で指示された出力値にするように、直流駆動部112を介して直流電圧用トランス113の駆動を制御する。
直流駆動部112は、直流出力制御部111からの制御に従って、直流電圧用トランス113を駆動する。また、直流電圧用トランス113は、直流駆動部112によって駆動され、負極性の直流の高電圧出力を行う。なお、交流電源140が接続されていない場合には、電気接続部221と二次転写裏面ローラ33とがハーネス301によって電気的に接続されるので、直流電圧用トランス113は、ハーネス301を介して二次転写裏面ローラ33に直流電圧を出力(印加)する。一方、交流電源140が接続されている場合、電気接続部221と電気接続部242とがハーネス302によって電気的に接続されるので、直流電圧用トランス113は、ハーネス302を介して交流電源140に直流電圧を出力する。
直流出力検知部114は、直流電圧用トランス113からの直流高電圧の出力値を検知し、直流出力制御部111に出力する。また、直流出力検知部114は、検知した出力値をFB_DC信号(フィードバック信号)として電源制御部200に出力する。これは、環境や負荷によって転写性が落ちないように、電源制御部200においてDC_PWM信号のデューティを制御させるためである。本プリンタでは、二次転写電源39の本体に対して交流電源140が着脱可能であるため、交流電源140が接続されている場合と接続されていない場合とで、高電圧出力の出力経路のインピーダンスが変化する。このため、直流電源110が定電圧制御を行って直流電圧を出力した場合、交流電源140の有無に応じて出力経路中のインピーダンスが変化することにより分圧比が変化する。更に、二次転写裏面ローラ33に印加される高電圧が変化してしまうので、交流電源140の有無に応じて転写性が変化してしまう。
そこで、本プリンタでは、直流電源110が定電流制御を行って直流電圧を出力し、交流電源140の有無に応じて出力電圧を変化させるようになっている。これにより、出力経路中のインピーダンスが変化しても、二次転写裏面ローラ33に印加される高電圧を一定に保つことができ、交流電源140の有無によらず転写性を一定に保つことができる。更に、DC_PWM信号の値を変更せずに交流電源140を着脱することが可能になる。このように本プリンタでは、直流電源110を定電流制御するようになっているが、次のような構成を採用してもよい。即ち、交流電源140の着脱時にDC_PWM信号の値を変更するなどして、二次転写裏面ローラ33に印加される高電圧を一定に保つことができれば、直流電源110を定電圧制御する構成を採用してもよい。
出力異常検知部115は、直流電源110の出力ライン上に配置されており、電線の地絡等によって出力異常が発生した際には、リークなどの出力異常を示すSC信号を電源制御部200に出力する。これにより、電源制御部200による直流電源110からの高圧出力を停止するための制御を実施することが可能になる。
交流出力制御部141には、電源制御部200から、交流電圧の出力の大きさを制御するAC_PWM信号や、交流出力検知部144によって検知された交流電圧用トランス143の出力値が入力される。そして、交流出力制御部141は、入力されたAC_PWM信号のデューティ比、及び交流電圧用トランス143の出力値に基づいて、次のような制御を行う。即ち、交流電圧用トランス143の出力値がAC_PWM信号で指示された出力値となるように、交流駆動部142を介して交流電圧用トランス143の駆動を制御する。
交流駆動部142には、交流電圧の出力周波数を制御するAC_CLK信号が入力される。そして、交流駆動部142は、交流出力制御部141からの制御及びAC_CLK信号に基づいて、交流電圧用トランス143を駆動する。交流駆動部142は、AC_CLK信号に基づいて交流電圧用トランス143を駆動することで、交流電圧用トランス143によって生成される出力波形を、AC_CLK信号で指示された任意の周波数に制御することができる。
交流電圧用トランス143は、交流駆動部142によって駆動されて交流電圧を生成し、生成した交流電圧と直流電圧用トランス113から出力された直流の高電圧とを重畳して重畳電圧を生成する。交流電源140が接続されている場合、即ち、電気接続部243と二次転写裏面ローラ33とがハーネス301で電気的に接続されている場合、交流電圧用トランス143は、生成した重畳電圧を、ハーネス301を介して二次転写裏面ローラ33に印加する。なお、交流電圧用トランス143は、交流電圧を生成しない場合には、直流電圧用トランス113から出力された直流の高電圧を、ハーネス301を介して二次転写裏面ローラ33に出力(印加)する。二次転写裏面ローラ33に出力された電圧(重畳電圧又は直流電圧)は、その後、二次転写ニップ裏打ちローラ36を介して直流電源110内に帰還する。
交流出力検知部144は、交流電圧用トランス143の交流電圧の出力値を検知して交流出力制御部141に出力する。また、検出した出力値をFB_AC信号(フィードバック信号)として電源制御部200に出力する。これは、環境や負荷によって転写性を低下させないように、電源制御部200においてAC_PWM信号のデューティを制御するためである。なお、交流電源140は、定電圧制御を行うものであるが、定電流制御を行うものを用いてもよい。また、交流電圧用トランス143(交流電源140)が生成する交流電圧の波形については、正弦波、矩形波の何れであってもよいが、本プリンタでは、短パルス状矩形波を採用している。交流電圧の波形を短パルス状矩形波にすることで、より画像品質の向上を図ることが可能になるからである。
図6は、中間転写ベルト31として、本プリンタのものとは異なり、単層構造のものを用いた構成における二次転写ニップ及びその周囲を示す拡大構成図である。中間転写ベルト31として図示のような単層構造のものを用いた場合には、二次転写裏面ローラ33と二次転写ニップ裏打ちローラ36との間において、二次転写電流が次のように流れる。即ち、図中矢印で示されるように、二次転写電流がニップ中心位置(ベルト移動方向の中心位置)に集中して一直線状に流れることから、ニップ入口付近やニップ出口付近では二次転写電流がそれほど流れない。二次転写電流がこのように流れることで、二次転写ニップにおいて、トナーに二次転写電流を作用させている時間は比較的短時間になる。このため、トナーに対して、二次転写電流によって正規極性とは逆極性の電荷を過剰に注入してしまうことは殆どない。
図7は、実施形態に係るプリンタにおける二次転写ニップ及びその周囲構成を示す拡大断面図である。実施形態に係るプリンタにおいては、既に述べたように、中間転写ベルト31として、多層構造のものを用いている。かかる構成では、二次転写裏面ローラ33と二次転写ニップ裏打ちローラ36との間において、二次転写電流が次のように流れる。即ち、基層31aと弾性層31bとの界面で、二次転写電流がベルト周方向に広がりながら、ベルト厚み方向に流れる。これにより、二次転写電流がニップ中心位置だけでなく、ニップ入口やニップ出口の付近にまで回り込むようになることから、二次転写ニップにおいて、トナーに二次転写電流を作用させる時間が長時間になる。そして、トナーに対して、二次転写電流によって正規極性とは逆極性の電荷を過剰に注入してしまい易くなることで、トナーの正規極性の帯電量を大きく低下させたり、トナーを逆帯電させてしまったりして、二次転写性を阻害してしまう。この結果、画像濃度不足を引き起こし易くなってしまうことが解った。なお、本プリンタで用いられているような二層構造のベルトに限らず、三層以上の多層構造のベルトにおいても、同様の二次転写電流の回り込みにより、二次転写電流を阻害してしまうことも解った。
図8は、実施形態に係るプリンタの二次転写電源39から出力される二次転写バイスの波形を示すグラフである。本プリンタのように、二次転写裏面ローラ33に対して二次転写バイアスを印加する構成において、二次転写ニップで中間転写ベルト31上のトナー像を記録シートPに二次転写するためには、二次転写バイアスとして次のような特性のものを採用する必要がある。即ち、時間平均の極性がトナーの帯電極性と同極性になるバイアスである。具体的には、図示のように、二次転写バイアスは、直流電圧と交流電圧との重畳により、周期的に極性を反転させる交番電圧からなるものであるが、時間平均(平均電位Vave)では、極性がトナーと同じマイナス極性になるバイアスになっている。このように、時間平均の極性がマイナス極性になる二次転写バイアスを採用することで、トナーを相対的に二次転写裏面ローラ33に対して反発させてベルト側から記録シートP側に静電移動させることが可能になる。なお、二次転写ニップ裏打ちローラ36に対して二次転写バイアスを印加する構成を採用した場合には、時間平均がトナーと逆極性になる二次転写バイアスを採用すればよい。かかる二次転写バイアスにより、トナーを相対的に二次転写ニップ裏打ちローラ36に向けて静電的に引き寄せることで、ベルト側から記録シートP側に移動させることが可能になるからである。
同図において、Tは、周期的に極性を反転させる二次転写バイアスの一周期を示している。同図において、Vtは、転写ピーク値を示している。この転写ピーク値Vtは、二次転写バイアスのピークツウピークにおける二つのピーク値のうち、二次転写転写ニップ内でトナーに対して中間転写ベルト31側からシート搬送ベルト41側に向かう転写方向の静電気力をより大きく付与する方のピーク値である。また、Vrは、もう一方のピーク値としての逆ピーク値である。二次転写バイアスがトナーの帯電極性とは逆のプラス極性になっているときには、ベルト側から記録シートP側へのトナーの静電移動が阻害される。これに対し、トナーの帯電極性と同極のマイナス極性になっているときには、ベルト側から記録シートP側へのトナーの静電移動が促進される。
同図におけるVoffは、二次転写バイアスの直流成分の値としてのオフセット電圧を示しており、これは、「(Vr+Vt)/2」の解と同じ値である。また、同図におけるVppは、ピークツウピーク値を示している。
二次転写バイスは、周期T内におけるデューティが50[%]を超える波形になっている。デューティは、波形における第1時間及び第2時間のうち、二次転写ニップで中間転写ベルト31側から記録シートP側へのトナーの静電移動を阻害する方の時間としての阻害時間を基準にした時間比である。本プリンタの場合、波形の周期T内において、二次転写バイアスの値が基線としてのゼロの線よりもプラス極性側に向けて立ち上がり始めた時点から、ゼロの線まで立ち下がった後、ゼロの線からマイナス極性側に向けて立ち下がり始める直前までが第1時間である。また、ゼロの線からからマイナス極性側に向けて立ち下がり始めた時点から、ゼロの線まで立ち上がった後、更にゼロの線からプラス極性側に向けて立ち上がり始める直前までが第2時間である。そして、それら第1時間と第2時間とのうち、第1時間において、ベルト側から記録シートP側へのトナーの静電移動を阻害することになるので、第1時間が阻害時間に相当する。よって、第1時間(プラス極性になっている時間)を基準にした周期Tにおける時間比がデューティである。第2時間をAで表すと、本プリンタにおける二次転写バイアスのデューティは、「(T−A)/T×100(%)」という式によって求められる。
同図におけるVaveは、二次転写バイアスの平均電位を示しており、「Vr×デューティ/100+Vt×(1−デューティ)/100」の解と同じ値である。また、Aは、第2時間(本例では周期Tから阻害時間を減じた時間)を示している。また、Tは、二次転写バイアスの交流成分の周期を示している。
図示のように、二次転写バイアスにおいて、プラス極性になっている時間は周期Tの半分よりも大きくなっている、即ち、デューティが50[%]を超えている。このような二次転写バイアスを採用すると、周期T内において、トナーに対してその帯電極性とは逆のプラス極性の電荷を注入する可能性のある時間を短くすることから、二次転写ニップ内での電荷注入によるトナー帯電量Q/Mの低下を抑えることが可能になる。これにより、トナー帯電量Q/Mの低下に起因する二次転写性の低下による画像濃度不足の発生を抑えることができる。なお、デューティが50[%]を超えていても、次のようにすることで、トナー像の二次転写が可能になる。即ち、0[V]を基準にしたプラス側のグラフ箇所の面積を、マイナス側のグラフ箇所の面積よりも小さくすることで、平均電位をマイナス極性にして、トナーを相対的にベルト側から記録シートP側に静電移動させることが可能になる。
図9は、本発明者らが実際の試作機の二次転写電源39から出力させた二次転写バイアスの波形を示すグラフである。同図において、転写ピーク値Vtは−4.8[kV]である。また、逆ピーク値Vrは1.2[kV]である。また、オフセット電圧Voffは−1.8[kV]である。また、平均電位Vaveは0.08[kV]である。また、ピークツウピーク値Vppは、6.0[kV]である。また、第2時間Aは、0.10[ms]である。また、周期Tは0.66[ms]である。また、デューティは、85[%]である。
本発明者らは、次のような条件のもとで、二次転写バイアスのデューティを様々に変化させながら、それぞれのデューティでテスト画像を印刷してみた。
・環境:27℃/80%
・記録シートPの種類:用紙:Mohawk Color Copy Gloss 270gsm(457mm×305mm)・・・いわゆるコート紙
・プロセス線速:630mm/s
・テスト画像:ブラックハーフトーン画像
・二次転写ニップ幅(ベルト移動方向の長さ):4mm
・転写ピーク値Vt:−4.8kV
・逆ピーク値Vr:1.2kV
・オフセット電位Voff:−1.8kV
・平均電位Vave:0.08kV
・ピークツウピーク値Vpp:6.0kV
・第2時間A:0.10ms
・周期T:0.66ms
・デューティ:90%、70%、50%、30%、10%
図10は、デューティを90%に設定した二次転写バイアスの実際の出力波形を示すグラフである。また、図11は、デューティを70%に設定した二次転写バイアスの実際の出力波形を示すグラフである。また、図12は、デューティを50%に設定した二次転写バイアスの実際の出力波形を示すグラフである。また、図13は、デューティを30%に設定した二次転写バイアスの実際の出力波形を示すグラフである。また、図14は、デューティを10%に設定した二次転写バイアスの実際の出力波形を示すグラフである。
この実験の結果を次の表1に示す。
Figure 2016177062
表1におけるランクは、テスト画像の画像濃度の再現性を評価した結果である。十分なハーフトーンの濃度が得られている状態をランク5と評価した。また、ランク5に比べてやや薄いが、問題のない濃さが得られている状態をランク4として評価した。また、ランク4に比べてさらに薄く、ユーザーに提供する画質としては問題となる状態をランク3として評価した。また、ランク3に比べてさらに薄い状態をランク2として評価した。また、全体的に白っぽい場合やそれよりも薄い状態をランク1として評価した。ユーザーに提供できる画質の許容レベルは、ランク4以上である。
デューティを10%や30%に設定した条件では、周期T内において、トナーに対して逆極性の電荷を注入するおそれのある時間を比較的長くするとから、トナーへの逆電荷の注入によるトナー帯電量Q/Mの低下が顕著に求められた。このため、表1に示されるように、ランク1という著しい画像濃度不足を認める結果になった。
一方、デューティを70%や90%に設定した条件では、周期T内において、トナーに対して逆極性の電荷を注入するおそれのある時間を比較的短くすることから、トナーへの逆電荷の注入によるトナー帯電量Q/Mの低下が有効に抑えられた。このため、表1に示されるように、ランク5という適正画像濃度を認める結果になった。
なお、図示のように、二次転写バイアスとして、周期T内で極性を交互に反転させるものを採用すると、トナーへの逆電荷の注入をより確実に抑えることが可能になる。記録シートPが帯電している場合であっても、逆電荷の注入を抑える極性の電界を相対的に二次転写ニップ内で作用させることができるからである。
記録シートPとして、前述したコート紙の代わりに、普通紙を用いて、同様の実験を行った。主要な実験条件は次の通りである。
・環境:27℃/80%
・記録シートPの種類:普通紙
・プロセス線速:630mm/s
・テスト画像:ブラックハーフトーン画像
・二次転写ニップ幅(ベルト移動方向の長さ):4mm
・転写ピーク値Vt:−4.8kV
・逆ピーク値Vr:1.2kV
・オフセット電位Voff:−1.8kV
・平均電位Vave:0.08kV
・ピークツウピーク値Vpp:6.0kV
・第2時間A:0.10ms
・周期T:0.66ms
・デューティ:90%、70%、50%、30%、10%
その結果、デューティと転写性のランクとの関係は、コート紙の場合と同様に、表1のようになった。
なお、通常、重畳電圧からなる二次転写バイアスの波形は、図9〜図14に示されるように、綺麗な矩形波にはならない。綺麗な矩形波であれば、波形の立ち上がり部から立ち下がり部までの時間を一周期内におけるトナー転写阻害時間として容易に特定することが可能である。しかし、綺麗な矩形波でない場合には、そのような特定ができない。即ち、一方のピーク値(例えば転写ピーク値Vt)から他方のピーク値(例えば逆ピーク値Vr)への立ち上がりや、他方のピーク値から一方のピーク値への立ち下がりに時間を要する(ゼロでない)場合には、前述のような特定ができない。そこで、綺麗な矩形波でない場合には、本発明を適用するにあたって、ディーティを次のように定義するとよい。即ち、二次転写バイアスの周期変動の波形で、ピークツウピークにおける一方のピーク値と他方のピーク値とのうち、二次転写ニップでベルト側から記録シート側へのトナーの静電移動をより阻害する方を阻害ピーク値として定義する。実施形態ではプラス側のピーク値が阻害ピーク値である。阻害ピーク値を他方のピーク値に向けてピークツウピーク値の30%の値だけシフトさせた位置を波形の基線とする。また、波形が帰省よりも阻害ピーク値側となる時間を阻害時間A’として定義する。より詳しくは、波形が基線から阻害ピーク値に向けて立ち上がり又は立ち下がり始めた時点から、基線まで立ち下がる又は立ち上がる直前までの時間を阻害時間A’として定義する。そして、阻害時間A’の周期Tにおける割合をデューティとすればよい。
具体的には、図15における「(阻害時間A’/周期T)×100%」の解をデューティとして求めればよい。実施形態では、マイナス極性のトナーを用い、且つ二次転写バイアスを二次転写裏面ローラ33に印加する構成になっていることから、逆ピーク値Vrが阻害ピーク値になる。そして、阻害時間A’は、基線から逆ピーク値Vrに向けて立ち上がり始めた時点から、基線まで立ち下がった後、更に転写ピーク値Vtに向けて立ち下がり始める直前までの時間になる。これに対し、マイナス極性のトナーを用い、且つ二次転写バイアスを二次転写ニップ裏打ちローラ36に印加する構成では、二次転写バイアスとして、0[V]の位置を基準にして図15の波形を反転させた波形のものを採用することになる。この場合、転写ピーク値Vtが阻害ピーク値になる。そして、阻害時間A’は、基線から転写ピーク値Vtに向けて立ち下がり始めた時点から、基線まで立ち上がった後、更に逆ピーク値Vrに向けて立ち上がり始める直前までの時間になる。
中間転写ベルト31として、本プリンタのように、最上層(弾性層31b)の素材に粒子31cを分散せしめたものを用いると、二次転写ニップ内におけるベルト表面とトナーとの接触面積を低減する。これにより、ベルト表面からのトナー離型性を向上させて、二次転写効率を高めることができる。しかしながら、規則的に並ぶ絶縁性の粒子31cの粒子間において、集中的に二次転写電流を流すことで、トナーに対して逆極性の電荷を注入し易くなる。このため、二次転写効率を高める狙いで粒子31cを分散させているにもかかわらず、却って二次転写効率を悪くしてしまうことになり兼ねない。そこで、高デューティの二次転写バイアスを採用することで、粒子31cによる二次転写効率の向上効果を確実に得ることが可能になる。
粒子31cとしては、トナーの正規帯電極性とは逆極性の帯電性能を有するものを用いることができる。本プリンタでは、正帯電性のメラミン樹脂からなる粒子などである。かかる構成では、粒子31cの電荷により、粒子間で二次転写電流が集中する現象の発生を抑えて、トナーへの逆電荷の注入量をより低減することができる。
また、粒子31cとして、トナーの正規帯電極性と同極性の帯電性能を有するものを用いてもよい。本プリンタでは、負帯電性のシリコーン樹脂粒子(商品名:トスパール)などである。
中間転写ベルト31として、最上層としてウレタンやテフロン(登録商標)などからなる表面層を設けたものを用いてもよい。また、ポリイミドやポリアミドイミドなどの樹脂からなる層を複数積層したものを用いてもよい。何れのベルトを用いる場合であっても、高デューティの二次転写バイアスを採用することで、二次転写ニップでトナーに逆極性の電荷を注入してしまうことによる画像濃度不足の発生を抑えることができる。
次に、実施形態に係るプリンタの特徴的な構成について説明する。
既に述べたように、中間転写ベルト31として、基層31aの上に積層した弾性層31aを二次転写ニップで記録シートPの表面凹凸にならわせて柔軟に変形させるようにしたものを用いることで、次のような効果を奏することができる。即ち、記録シートPの表面凹部にもトナーを良好に二次転写して、表面凹部のトナー量を不足させることによる画像濃度ムラの発生を抑えることができる。更に、二次転写バイアスとして、直流電圧に交流電圧を重畳した重畳電圧からなるものを用いることで、二次転写ニップでトナーに逆極性の電荷を注入することによる画像濃度不足の発生を抑えることができる。
なお、特許文献1に記載の画像形成装置では、特許文献1に記載されているように、カーボン分散ポリイミドからなる単層構造の中間転写ベルトを用いており、二次転写ニップでその表面を記録シート表面の凹凸にならわせて柔軟に変形させることができない。このため、二次転写ニップで、記録シート表面の凹部と中間転写ベルト表面との間に微小間隙を形成してしまうことから、記録シート表面の凹部のトナー量を不足させ易くなる。そこで、記録シート表面の凹部にも十分量のトナーを転写するために、二次転写バイアスとして重畳電圧からなるものを用い、ベルト表面と記録シート表面の凹部との間でトナーを往復移動させる。この往復移動の際に、ベルト表面に付着しているトナー粒子に対して記録シート表面の凹部内から転位してくるトナー粒子をぶつけることで、凹部内に転位するトナー量を往復移動に伴って徐々に増やしていき、最終的に十分量のトナーを凹部内に転位させている。
これに対し、実施形態に係るプリンタでは、ニップ内で弾性層31bを柔軟に変形させて記録シートPの表面の凹部に良好に密着させる。このため、二次転写バイアスとして、重畳電圧からなるものでなく、直流電圧だけからなるものを用いても、凹部内に十分量のトナーを転位させることが可能である。ところが、既に述べたように、直流電圧だけからなる二次転写バイアスを用いると、コート紙や普通紙のように凹凸紙よりも表面平滑性に優れた記録シートPを用いると、二次転写ニップでトナーに逆極性の電荷を注入することによる画像濃度不足が発生する。この画像濃度不足は、凹部、非凹部の違いにかかわらず、画像全体でトナー量を不足させるものである。
このように、特許文献1に記載の画像形成装置が凹凸紙で良好な転写性を得るために重畳電圧からなる二次転写バイアスを用いているのに対し、本プリンタは普通紙で良好な転写性を得るために重畳電圧からなる二次転写バイアスを用いている。つまり、両者は、全く逆の特性の記録シートに対応するために、重畳電圧からなる二次転写バイアスを用いているのである。
特許文献1に記載の画像形成装置では、中間転写ベルト上のトナー付着量にかかわらず良好な転写性を発揮する狙いで、トナー付着量に応じて二次転写バイアスの特性を変化させている。基本的には、トナー付着量が多くなるにつれてより強い転写電界を形成するのであるが、そのために転写ピーク値Vtだけを大きくすると、ベルト側から記録シート表面凹部側へのトナー粒子の戻しが良好に行われなくなって、凹部内のトナー量を不足させてしまう。このため、トナー付着量が多くなるにつれて、転写ピーク値Vtの絶対値を大きくするとともに、逆ピーク値Vrも大きくして、ベルト側から記録シート表面凹部側にトナー粒子を確実に戻すようにしている。
本発明者らは、実施形態に係るプリンタにおいても、中間転写ベルト31上のトナー付着量が多くなるにつれてより強い転写電界を形成するようにしないと、転写不良による画像濃度不足を引き起こしてしまうことを実験によって見出した。ところが、そのために、特許文献1に記載の画像形成装置と同様に、トナー付着量が多くなるにつれて転写ピーク値Vtの絶対値及び逆ピーク値Vrの絶対値の両方をそれぞれ大きくすると、点状の白抜けという異常画像を引き起こしてしまうことが解った。
具体的には、本発明者らは、重畳電圧からなる二次転写バイアスの直流成分の転写電流値(直流成分電流値)と、中間転写ベルト上のトナー付着量と、画像濃度再現率との関係を示す実験を行った。トナー付着量と直流成分電流値との組み合わせを互いに異ならせた条件でテスト画像をテストプリントし、プリントされたテスト画像の画像濃度を測定して画像濃度再現率を調べたのである。直流成分電流値は、二次転写電源39が直流電圧を定電流制御で出力する際の出力目標値である。また、画像濃度再現率は、それぞれのトナー付着量について、最大の画像濃度が得られたときの画像濃度を最大値とし、その最大値に対する出力画像の画像濃度の割合を示すものである。
図16は、中間転写ベルト31上の単位面積あたりのトナー付着量をベタ画像20%相当にするテスト画像を出力した場合におけるテスト画像の種類と画像濃度再現率と直流成分電流値との関係を示すグラフである。テスト画像としては、次に列記する7種類を用いている。
・画像面積率=20[%]のKベタ画像
・画像面積率=20[%]のCベタ画像
・画像面積率=20[%]のMベタ画像
・画像面積率=20[%]のYベタ画像
・画像面積率=10[%]のYベタ画像と画像面積率=10[%]のMベタ画像との重ね合わせによるRベタ画像
・画像面積率=10[%]のYベタ画像と画像面積率=10[%]のCベタ画像との重ね合わせによるGベタ画像
・画像面積率=10[%]のCベタ画像と画像面積率=10[%]のMベタ画像との重ね合わせによるBベタ画像
なお、上述したRベタ画像、Gベタ画像、及びBベタ画像の3つは、それぞれ画像面積率としては10[%]であるが、画像面積率=10[%]の単色画像を二つ重ねたものであるので、トナー付着量はベタ面積率20%相当である。
図17は、中間転写ベルト31上の単位面積あたりのトナー付着量をベタ画像100%相当にするテスト画像を出力した場合におけるテスト画像の種類と画像濃度再現率と直流成分電流値との関係を示すグラフである。テスト画像としては、次に列記する7種類を用いている。
・画像面積率=100[%]のKベタ画像
・画像面積率=100[%]のCベタ画像
・画像面積率=100[%]のMベタ画像
・画像面積率=100[%]のYベタ画像
・画像面積率=50[%]のYベタ画像と画像面積率=50[%]のMベタ画像との重ね合わせによるRベタ画像
・画像面積率=50[%]のYベタ画像と画像面積率=50[%]のCベタ画像との重ね合わせによるGベタ画像
・画像面積率=50[%]のCベタ画像と画像面積率=50[%]のMベタ画像との重ね合わせによるBベタ画像
なお、上述したRベタ画像、Gベタ画像、及びBベタ画像の3つは、それぞれ画像面積率としては50[%]であるが、画像面積率=50[%]の単色画像を二つ重ねたものであるので、トナー付着量はベタ面積率100%相当である。
図18は、中間転写ベルト31上の単位面積あたりのトナー付着量をベタ画像200%相当にするテスト画像を出力した場合におけるテスト画像の種類と画像濃度再現率と直流成分電流値との関係を示すグラフである。テスト画像としては、次に列記する7種類を用いている。
・画像面積率=100[%]のYベタ画像と画像面積率=100[%]のMベタ画像との重ね合わせによるRベタ画像
・画像面積率=100[%]のYベタ画像と画像面積率=100[%]のCベタ画像との重ね合わせによるGベタ画像
・画像面積率=100[%]のCベタ画像と画像面積率=100[%]のMベタ画像との重ね合わせによるBベタ画像
なお、上述したRベタ画像、Gベタ画像、及びBベタ画像の3つは、それぞれ画像面積率としては100[%]であるが、画像面積率=100[%]の単色画像を二つ重ねたものであるので、トナー付着量はベタ面積率200%相当である。
図示のように、Y,M,C,K,R,G,Bの何れの色においても、記録シートP上で最大の画像濃度を得るためには、トナー付着量が多くなるほど、直流成分電流値を大きくする必要がある。換言すると、トナー付着量が比較的多いにもかかわらず、直流成分電流値を比較的低い値にしていると、画像濃度不足を発生させてしまう。
なお、Kベタ画像に対して他のベタ画像を重ねることはないが、R,G,B画像に対して他の単色ベタ画像を重ねて特殊な色表現をすることがある。このため、トナー付着量の最大値としては、ベタ面積300%相当である。図16において、トナー付着量=ベタ面積20%相当のKベタ画像に着目すると、直流成分電流値=80[−μA]という条件で最大画像濃度を得ることができる。しかし、直流成分電流値を80[−μA]それよりも大きくしていくと、画像濃度を最大画像濃度よりも低くしてしまう。これは、直流成分電流値を最大画像濃度が得られる値よりも大きくすると、二次転写ニップ内でトナーに逆極性の電荷を注入して転写不良を引き起こすからである。図18に示されるように、トナー付着量=ベタ面積200%相当のRベタ画像で最大画像濃度が得られる直流成分電流値は約120[−μA]であり、この値で固定すると、トナー付着量=ベタ面積20%相当のKベタ画像で画像濃度不足を引き起こしてしまう。前述したように、実際には、ベタ面積300%相当の画像も出力することがあり、その条件に合わせて直流成分電流値を設定すると、トナー付着量が比較的低い画像を出力した際の画像濃度不良はより深刻なものになる。
そこで、実施形態に係るプリンタにおいては、次のような制御を実施するように、電源制御部200を構成している。即ち、外部のパーソナルコンピュータ等から送られてくる画像情報に基づいて、中間転写ベルト31の周方向における全域のうち、二次転写ニップに進入する直前の領域におけるトナー付着量を把握する。そして、その把握結果に応じて、直流成分電流値(直流成分の定電流制御における出力目標電流値)を適切に補正する。具体的には、トナー付着量が多くなるにつれて、直流成分電流値(の絶対値)をより大きな値に補正する。かかる構成では、二次転写ニップ内でトナーに逆極性の電荷を注入することによる画像濃度不良の発生を有効に抑えつつ、トナー付着量にかかわらず良好な画像濃度を得ることができる。
なお、直流成分電流値を大きくするほど、転写ピーク値Vt、平均電位Vave、逆ピーク値Vrを何れも転写方向側であるマイナス極性側に大きな値にシフトさせることになる。つまり、実施形態に係るプリンタの電源制御部200は、トナー付着量が多くなるほど、転写ピーク値Vt、平均電位Vave、逆ピーク値Vrを何れも転写方向側であるマイナス極性側に大きな値にシフトさせている。転写ピーク値Vt及び平均電位Vaveだけでなく、逆ピーク値Vrも転写方向側に大きな値にシフトさせる点が、特許文献1に記載の画像形成装置と大きく異なっている。
特許文献1に記載の画像形成装置では、ベルト上のトナー付着量の増大に伴って転写ピーク値Vtをより大きな値にするために直流成分の電位の絶対値をより大きくすると、それに伴って逆ピーク値Vrの絶対値を小さくする。すると、二次転写ニップ内でトナーをベルト側から記録シート表面の凹部内に戻すことが困難になり、それに伴ってベルト面と凹部との間のトナーの往復移動が不十分になることによる凹部への転写不良を引き起こし易くなる。そこで、直流成分の電位の絶対値をより大きくするとともに、交流成分のピークツウピーク値Vppをより大きくして逆ピーク値Vrの増大を図っている。
ところが、実施形態に係るプリンタにおいて、同様にしてピークツウピーク値をより大きくすると、転写ピーク値Vtが、記録シート表面の凹部や凸部とそれらに密着している中間転写ベルト31との間の放電開始電圧を超えて、両者間で放電が発生し易くなる。そして、その放電により、点状の白抜けという異常画像が発生し易くなってしまう。そこで、実施形態に係るプリンタでは、トナー付着量の増大に伴って直流成分の絶対値をより大きくするのに伴って、交流成分のピークツウピーク値Vppについては一定の値を維持することで、逆ピーク値Vrの絶対値をより小さくしている。これにより、直流成分の絶対値をより大きくすることに伴う平均電位Vaveの絶対値の増大化をより顕著にすることで、ピークツウピーク値Vppを大きくする場合に比べて、より小さな転写ピーク値Vtで必要な平均電位Vaveを得る。つまり、より小さな転写ピーク値Vtで良好な転写性が得られるようになる。これにより、二次転写ニップ内での放電に起因する点状の白抜けという異常画像の発生を抑えることができる。
なお、トナー付着量が多くなるにつれて、転写ピーク値Vt及び逆ピーク値Vrの両方をそれぞれ転写方向への静電気力をより大きくする値にシフトさせる例について説明したが、次のようにしてもよい。即ち、逆ピーク値Vrについては、同じ値を維持してもよい。このようにしても、転写方向とは逆方向への静電気力をより大きくする値に逆ピーク値Vrをシフトさせる場合に比べて、二次転写ニップ内での放電に起因する点状の白抜けという異常画像の発生を抑えることができる。
実施形態に係るプリンタは、630[mm/sec]という非常に速い線速で、各色の感光体や中間転写ベルト31を駆動するようになっている。電源制御部200は、100[msec]が経過する毎に、中間転写ベルト31の周方向における全域のうち、次に100[msec]が経過するまでに二次転写ニップに進入する領域における単位面積あたりのトナー付着量を把握する。そして、その把握結果に基づいて、二次転写バイアスの直流成分の出力目標電流値を補正する。このとき、トナー付着量の基準である付着量基準値をベタ面積200%相当とし、トナー付着量の把握結果がベタ面積200%相当と同じであった場合には、出力目標電流値として、基準目標電流値と同じ値の114[−μA]を採用する。
また、電源制御部200は、トナー付着量の把握結果がベタ面積200%相当よりも少ない場合には、基準目標電流値(−114μA)に1未満の係数を乗算した結果と同じ値に出力目標電流値を補正する。このとき、1未満の係数については、トナー付着量の把握結果とベタ面積200%相当との差分に応じた値を用いる。これにより、トナー付着量の減少に伴って、平均電位Vaveと転写ピーク値Vtとを、転写方向の静電気力をより小さくする値に変化させるとともに、逆ピーク値Vrを転写方向とは逆方向の静電気力をより大きくする値に変化させる。
また、電源制御部200は、トナー付着量の把握結果がベタ面積200%相当以上である場合には、基準目標電流値(−114μA)に1よりも大きい係数を乗算した結果と同じ値に出力目標電流値を補正する。このとき、1よりも大きい係数については、トナー付着量の把握結果とベタ面積200%相当との差分に応じた値を用いる。これにより、トナー付着量の増加に伴って、平均電位Vaveと転写ピーク値Vtとを、転写方向の静電気力をより大きくする値に変化させるとともに、逆ピーク値Vrを転写方向とは逆方向の静電気力をより小さくする値に変化させる。
より詳しくは、電源制御部200は、前述の係数と、中間転写ベルト31上におけるベタ面積相当のトナー付着量[%]と、環境とを、次の表2に示される関係にするように、トナー付着量及び環境の組み合わせに応じた係数を選択する。このような選択を可能にするために、電源制御部200には、温湿度を検知する環境センサーの出力を入力している。
Figure 2016177062
表2に示されるように電源制御部200は、例えばトナー付着量=50[%]で且つ温度23℃相対湿度50%である場合には、係数として0.9を選択する。そして、基準目標電流値(−114μA)に対して0.9を乗算した値、即ち−102.6[μA]に出力目標電流値を補正する。このように、トナー付着量だけでなく、環境にも応じて係数を異ならせることが望ましい。
基準目標電流値の適正値は、記録シートの種類に応じて異なってくる。適正値は、二次転写ニップ内でトナーに逆極性の電荷を注入することによる二次転写不良の発生と、転写ピーク値Vtを過剰に大きくして二次転写ニップ内で放電を発生させることによる点状の白抜け異常画像の発生との両方を抑えることができる値である。記録シートPとして、普通紙や平滑紙を用いる場合には、電荷注入による二次転写不良を発生させ易くなるので、平均電位Vaveを比較的小さな値にする必要がある。転写ピーク値Vrを比較的小さな値にすれば、放電による白抜け異常画像の発生を抑えることができるとともに、平均電位Vaveを比較的小さな値にして電荷注入による二次転写不良の発生も抑えることができる。これに対し、記録シートPとして凹凸紙を用いる場合には、普通紙やコート紙を用いる場合に比べて、中間転写ベルト31上のトナー像と記録シート表面との密着性が悪くなる。このため、トナー像の全域のトナーに対して必要な二次転写電流を流すためには、平均電位Vaveをより大きくする必要があり、そうしないとシート表面の凹部や凸部で転写不良が発生する。
本プリンタは、タッチパネルやキーボードなどから構成される入力操作部に対してユーザーの入力操作が行われることにより、給紙カセット100内にセットされた記録シートの情報(シート情報)を取得することができる。つまり、入力操作部は、シート情報取得手段として機能している。電源制御部200は、入力操作部によって取得されたシート情報に応じて、基準目標電流値に乗算する係数として、異なった値のものを用いるようになっている。上述した114[−μA]という値は、記録シートPとして普通紙がセットされた場合における基準目標電流値である。入力操作部により、シート情報として凹凸紙の情報が入力された場合や、厚紙の情報が入力された場合には、基準目標電流値として、114[−μA]よりも大きな値を用いる。
図19は、二次転写バイアスの直流成分における出力目標電流値及び中間転写ベルト31上のトナー付着量の経時変化を説明するためのタイミングチャートである。同図において、記録シートPの表面に存在する黒塗りの部分は、画像のベタ画像部である。このベタ画像部は、1色のトナー層だけからなる場合もあるし、2色又は3色のトナー層が重なったものである場合もある。
二次転写ニップに記録シートPが進入していない状態では、中間転写ベルト31とシート搬送ベルト41とが直接接触していることに起因して、二次転写裏面ローラ33と二次転写ニップ裏打ちローラ36との間に二次転写電流が流れ易くなっている。このため、二次転写バイアスの直流成分の電位を比較的低い値にした状態で、二次転写電源200の直流電源110から出力される直流成分の電流値が出力目標電流値に維持される。この状態で電気抵抗の高い記録シートPが二次転写ニップに進入すると、二次転写電流が一気に流れ難くなることから、直流成分の出力を単純に定電流制御していると、所望の出力目標電流値を実現するために直流成分の電位を一気に上昇させる。そして、一時的に過剰な二次転写電流を流してしまうことがある。
そこで、電源制御部200は、二次転写ニップに記録シートPの先端が進入するタイミング(t0)よりも少し早いタイミング(t1)で、一時的に定電流制御を中断して、直流電源110から所定の高電圧を出力させる定電圧制御に切り替える。この切り替えにより、図示のように、タイミングt0からタイミングt1の区間で、出力目標電流を超える二次転写電流が直流電源110から出力されている。
その後、電源制御部200は、タイミングt1が到来した時点で、直流電源110からの出力制御を、定電圧制御から定電流制御に戻す。この直前まで、出力目標電流値よりも高い二次転写電流が直流電源110から出力されていることから、出力制御を定電流制御に戻した時点で、直流電源110からの出力電圧を下げるようになる。これにより、二次転写ニップに記録シートPが進入する際に一時的に過剰な二次転写電流を流してしまうことを回避することができる。
また、電源制御部200は、記録シートPの先端を二次転写ニップに進入させるタイミングt1よりも少し早いタイミングで、次の計算を行う。即ち、中間転写ベルト31の周方向における全域のうち、タイミングt1から100[msec]が経過するまでに二次転写ニップに進入する領域(以下、先頭領域という)におけるベタ面積相当トナー付着量[%]を計算する。具体的には、感光体2Y,2M,2C,2Kについて、前述の先頭領域に相当する領域に出力されるドット総数を累積し、各色の累積値を合計する。その累積値に対する所定の最大値(300%相当の値)の割合をベタ面積相当トナー付着量[%]として計算する。そして、その計算結果(トナー付着量の把握結果)に対応する直流成分の出力目標電流値を計算する。また、中間転写ベルト31について、前述の先頭領域に続く第二領域、これに続く第三領域・・・・についても、同様にしてベタ面積相当トナー量を計算し、その結果に対応する出力目標電流値を計算する。
その後、タイミングt1が到来すると、電源制御部200は、100[msec]が経過するまで、先頭領域について予め求めておいた出力目標電流値を用いて、直流電源100からの出力を定電流制御する。第二領域、第三領域・・・・についても同様にして、それぞれに対応する出力目標電流値で直流電源100からの出力を定電流制御する。
記録シートPの後端が二次転写ニップを抜け出る際には、二次転写ニップに電気抵抗の高い記録シートPが介在しなくなることから、二次転写電流が一気に流れ易くなる。このとき、直流電源110からの出力を単純に定電流制御していると、出力電圧を一気に下げて、一時的に二次転写電流の値を大きく低下させてしまう。
そこで、電源制御部200は、記録シートPの後端が二次転写ニップを抜け出るタイミングt3よりも少し早いタイミングt2で、直流電源110からの出力を定電流制御から、比較的低い電位に位置する定電圧制御に切り替える。そして、タイミングt3が到来した時点で、出力制御を定電圧制御から定電流制御に戻す。その少し前までの出力電流値と、出力目標電流値との差は僅かであるので、一時的に二次転写電流を大きく低下させてしまうことがなくなる。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
[態様A]
態様Aは、画像情報に基づいて、像担持体(例えば中間転写ベルト31)の移動する表面にトナー像を形成するトナー像形成手段(例えばトナー像形成ユニット1Y,1M,1C,1K、光書込ユニット80、転写ユニット30などからなるもの)と、前記表面に当接して転写ニップを形成するニップ形成部材(例えばシート搬送ベルト41)と、前記転写ニップに転写電流を流すための転写バイアス(例えば二次転写バイアス)として、直流電圧に交流電圧を重畳した重畳電圧からなるものを出力する転写電源(例えば二次転写電源39)とを備え、前記転写ニップに挟み込んだ記録シート(例えば記録シートP)に前記像担持体上のトナー像を転写する画像形成装置(例えばプリンタ)において、前記像担持体の表面における単位面積あたりのトナー付着量を把握する付着量把握手段(例えば電源制御部200)を設けるとともに、前記付着量把握手段によって把握されるトナー付着量が多くなるにつれて、前記重畳電圧における単位時間あたりの平均電位(例えば平均電位Vave)と、前記重畳電圧のピークツウピークにおける二つのピーク値のうち、前記転写ニップ内でトナーに対して前記像担持体側から前記ニップ形成部材側に向かう転写方向の静電気力をより大きく付与する方のピーク値である転写ピーク値(例えば転写ピーク値Vt)とをそれぞれ、前記静電気力をより大きくする値に変化させ、且つ他方のピーク値である逆ピーク値(例えば逆ピーク値Vr)を変化させないか、あるいは転写方向とは逆方向の静電気力をより小さくする値に変化させるように、前記転写電源からの出力を制御する制御手段(例えば電源制御部200)を設けたことを特徴とするものである。
かかる構成においては、像担持体上のトナー付着量が多くなるにつれて、転写バイアスの平均電位と転写ピーク値とをそれぞれ、トナーに対して転写方向に向かう静電気力をより大きくする値に変化させることで、転写方向の電界強度の増大を図る。これにより、トナー付着量が多くなっても、トナー像中の個々のトナー粒子に対してそれぞれ必要な転写電流を流して、転写不良の発生を抑える。但し、転写方向に向かう静電気力をより大きくする値に平均電位と転写ピーク値とを変化させても、同時に、転写方向とは逆方向の静電気力をより大きくする値に逆ピーク値を変化させると、前述の電界強度の増大化を阻害してしまう。これにより、前述の電界強度として必要な値を得るためには、転写方向の静電気力を更に大きくする値に転写ピーク値をシフトさせる必要がずる。すると、転写ピーク値を像担持体とニップ形成部材との間の放電開始電圧よりも大きくして、両者間での放電による点状の白抜け異常画像を発生させ易くなる。そこで、かかる異常画像の発生を抑えるために、像担持体上のトナー付着量が多くなるにつれて、転写方向とは逆方向の静電気力をより小さくする値に逆ピーク値を変化させるか、あるいは逆ピーク値を一定の値に維持する。これにより、点状の白抜け異常画像の発生を抑えることができる。以上のように、態様Aにおいては、転写不良や点状の白抜け異常画像の発生を抑えることができる。
[態様B]
態様Bは、態様Aにおいて、前記像担持体として、無端状のベルト基体のおもて面上に、前記ベルト基体よりも弾性に優れた弾性層を設けたものを用いたことを特徴とするものである。かかる構成では、記録シートとして表面凹凸に富んだものを用いる場合であっても、転写ニップで像担持体の弾性層をシート表面凹凸にならわせて柔軟に変化させてシート表面凹部に弾性層を良好に密着させる。これによりシート表面凹部に対しても像担持体上のトナーを良好に転写して、表面凹凸にならった濃度ムラの発生を抑えることができる。
[態様C]
態様Cは、態様Bにおいて、前記弾性層として弾性表面層を設け、前記弾性表面層の材料に分散した複数の微粒子による複数の微小突起を前記弾性表面層の表面に設けたことを特徴とするものである。かかる構成では、弾性表面層の表面における複数の微小突起により、転写ニップ内で弾性表面層の表面とトナーとの接触面積を低減することで像担持体表面からのトナー離型性を高めて転写効率を向上させることができる。
[態様D]
態様Dは、態様Cにおいて、前記微粒子として、トナーの正規帯電極性とは逆極性の帯電性能を有するものを用いたことを特徴とするものである。かかる構成では、粒子の電荷により、粒子間で転写電流が集中する現象の発生を抑えて、トナーへの逆電荷の注入量をより低減することができる。
[態様E]
態様Eは、態様Cにおいて、前記微粒子として、トナーの正規帯電極性と同極性の帯電特性を有するものを用いたことを特徴とするものである。
[態様F]
態様Fは、態様Bにおいて、前記像担持体として、前記弾性層の上にコート層を積層したものを用いたことを特徴とするものである。かかる構成では、弾性層とコート層との界面で転写電流を像担持体表面方向に回り込ませたとしても、その回り込み起因するトナーへの逆電荷の注入による転写不良の発生を抑えることができる。
[態様G]
態様Gは、態様B〜Fの何れかにおいて、前記像担持体として、互いに直接重なり合う二つの樹脂層を設けたものを用いたことを特徴とするものである。かかる構成では、互いに直接重なり合う二つの樹脂層の界面で転写電流を像担持体表面方向に回り込ませたとしても、その回り込み起因するトナーへの逆電荷の注入による転写不良の発生を抑えることができる。
[態様H]
態様Hは、態様A〜Gの何れかにおいて、前記逆ピーク値を前記転写ピーク値とは逆極性の値にするように、前記制御手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、逆ピーク値を転写ピーク値と同じ極性にする場合に比べて、転写ニップ内でのトナーに対する逆極性の電荷注入量を低減することができる。
[態様I]
態様Iは、態様A〜Hの何れかにおいて、前記転写電源からの前記直流電圧の出力を所定の目標電流値になるように定電流制御し、前記付着量把握手段によるトナー付着量の把握結果に基づいて前記目標電流値を補正することで、トナー付着量に応じて前記平均電位、前記転写ピーク値、及び前記逆ピーク値を変化させるように、前記制御手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、直流電圧の出力の目標電流値を補正するという簡単な構成により、平均電位、転写ピーク値、及び逆ピーク値をそれぞれ所望の値に変化させることができる。
[態様J]
態様Jは、態様Iにおいて、前記把握結果が所定の基準付着量より少ない場合に、所定の基準目標電流値に1未満の係数を乗算した結果と同じ値に前記目標電流値を補正することで、前記平均電位、前記転写ピーク値、及び前記逆ピーク値を、転写方向の静電気力をより小さくする値に変化させるように、前記制御手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、基準目標電流値に1未満の係数を乗算するという簡単な構成により、平均電位、転写ピーク値、及び逆ピーク値をそれぞれ、転写電界の強度を適切に弱める値に補正することができる。
[態様K]
態様Kは、態様Jにおいて、前記把握結果が前記基準付着量よりも多い場合に、前記基準目標電流値に1より大きい係数を乗算した結果と同じ値に前記目標電流値を補正することで、前記平均電位、前記転写ピーク値、及び前記逆ピーク値を、転写方向の静電気力をより大きくする値に変化させるように、前記制御手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、基準目標電流値に1より大きい係数を乗算するという簡単な構成により、平均電位、転写ピーク値、及び逆ピーク値をそれぞれ、転写電界の強度を適切に強める値に補正することができる。
[態様L]
態様Lは、態様J又はKにおいて、前記像担持体の表面の移動方向における全域のうち、前記転写ニップに進入する直前の領域における単位面積あたりのトナー付着量を把握するように、前記付着量把握手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、1枚の記録シートにおいて、シート搬送方向におけるトナー付着量のばらつきが比較的大きい場合であっても、転写ニップ内のトナー付着量に見合った適切な転写電流制御を行うことができる。
[態様M]
態様Mは、態様J、K又はLの画像形成装置において、トナー像の形成対象となる記録シートの情報であるシート情報を取得するシート情報取得手段(例えば操作入力部)を設け、前記シート情報取得手段によって取得されたシート情報に応じて、前記目標電流値に乗算する、1未満の係数、及び1より大きい係数として、それぞれ異なった値のものを用いるように、前記制御手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、記録シートの種類にかかわらず、転写不良や点状の白抜け異常画像の発生を抑えることができる。
1Y,1M,1C,1K:トナー像形成ユニット(トナー像形成手段の一部)
30:転写ユニット(トナー像形成手段の一部)
31:中間転写ベルト(像担持体)
39:二次転写電源(転写電源)
41:シート搬送ベルト(ニップ形成部材)
80:光書込ユニット(トナー像形成手段の一部)
200:電源制御部(制御手段、付着量把握手段)
特許第5585870号公報

Claims (13)

  1. 画像情報に基づいて、像担持体の移動する表面にトナー像を形成するトナー像形成手段と、前記表面に当接して転写ニップを形成するニップ形成部材と、前記転写ニップに転写電流を流すための転写バイアスとして、直流電圧に交流電圧を重畳した重畳電圧からなるものを出力する転写電源とを備え、前記転写ニップに挟み込んだ記録シートに前記像担持体上のトナー像を転写する画像形成装置において、
    前記像担持体の表面における単位面積あたりのトナー付着量を把握する付着量把握手段を設けるとともに、
    前記付着量把握手段によって把握されるトナー付着量が多くなるにつれて、前記重畳電圧における単位時間あたりの平均電位と、前記重畳電圧のピークツウピークにおける二つのピーク値のうち、前記転写ニップ内でトナーに対して前記像担持体側から前記ニップ形成部材側に向かう転写方向の静電気力をより大きく付与する方のピーク値である転写ピーク値とをそれぞれ、前記静電気力をより大きくする値に変化させ、且つ他方のピーク値である逆ピーク値を変化させないか、あるいは転写方向とは逆方向の静電気力をより小さくする値に変化させるように、前記転写電源からの出力を制御する制御手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1の画像形成装置において、
    前記像担持体として、無端状のベルト基体のおもて面上に、前記ベルト基体よりも弾性に優れた弾性層を設けたものを用いたことを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項2の画像形成装置において、
    前記弾性層として弾性表面層を設け、前記弾性表面層の材料に分散した複数の微粒子による複数の微小突起を前記弾性表面層の表面に設けたことを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項3の画像形成装置において、
    前記微粒子として、トナーの正規帯電極性とは逆極性の帯電性能を有するものを用いたことを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項3の画像形成装置において、
    前記微粒子として、トナーの正規帯電極性と同極性の帯電特性を有するものを用いたことを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項2の画像形成装置において、
    前記像担持体として、前記弾性層の上にコート層を積層したものを用いたことを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項2乃至6の何れかの画像形成装置において、
    前記像担持体として、互いに直接重なり合う二つの樹脂層を設けたものを用いたことを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項1乃至7の何れかの画像形成装置において、
    前記逆ピーク値を前記転写ピーク値とは逆極性の値にするように、前記制御手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項1乃至8の何れかの画像形成装置において、
    前記転写電源からの前記直流電圧の出力を所定の目標電流値になるように定電流制御し、前記付着量把握手段によるトナー付着量の把握結果に基づいて前記目標電流値を補正することで、トナー付着量に応じて前記平均電位、前記転写ピーク値、及び前記逆ピーク値を変化させるように、前記制御手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。
  10. 請求項9の画像形成装置において、
    前記把握結果が所定の基準付着量より少ない場合に、所定の基準目標電流値に1未満の係数を乗算した結果と同じ値に前記目標電流値を補正することで、前記平均電位、前記転写ピーク値、及び前記逆ピーク値を、転写方向の静電気力をより小さくする値に変化させるように、前記制御手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。
  11. 請求項10の画像形成装置において、
    前記把握結果が前記基準付着量よりも多い場合に、前記基準目標電流値に1より大きい係数を乗算した結果と同じ値に前記目標電流値を補正することで、前記平均電位、前記転写ピーク値、及び前記逆ピーク値を、転写方向の静電気力をより大きくする値に変化させるように、前記制御手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。
  12. 請求項10又は11の画像形成装置において、
    前記像担持体の表面の移動方向における全域のうち、前記転写ニップに進入する直前の領域における単位面積あたりのトナー付着量を把握するように、前記付着量把握手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。
  13. 請求項10、11又は12の画像形成装置において、
    トナー像の形成対象となる記録シートの情報であるシート情報を取得するシート情報取得手段を設け、
    前記シート情報取得手段によって取得されたシート情報に応じて、前記目標電流値に乗算する、1未満の係数、及び1より大きい係数として、それぞれ異なった値のものを用いるように、前記制御手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。
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