JP2016176013A - 蓄熱材マイクロカプセル造粒物 - Google Patents

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Abstract

【課題】蓄熱材マイクロカプセル分散液から乾燥工程を経ることなく蓄熱材マイクロカプセル成分を取り出し、簡便な工程で蓄熱材マイクロカプセル造粒物を提供する。【解決手段】蓄熱材を内包する蓄熱材マイクロカプセル分散液に有機高分子凝集剤を添加して分散媒と蓄熱材マイクロカプセル成分を分離せしめ、この蓄熱材マイクロカプセル成分を分取してバインダー成分と混合した後に成型してなる蓄熱材マイクロカプセル造粒物。蓄熱材マイクロカプセルの皮膜がメラミンホルマリン樹脂である蓄熱材マイクロカプセル造粒物。【選択図】なし

Description

本発明は、蓄熱材マイクロカプセル造粒物に関するものである。
近年、熱エネルギーを有効に利用することにより、省エネルギー化を図ることが求められている。その有効な方法として、物質の相変化に伴う潜熱を利用して蓄熱を行う方法が考えられてきた。相変化を伴わない顕熱のみを利用する方法に比べ、融点を含む狭い温度域に大量の熱エネルギーを高密度に貯蔵できるため、蓄熱材容量の縮小化がなされるだけでなく、蓄熱量が大きい割に大きな温度差が生じないため、熱損失を少量に抑えられる利点を有する。
蓄熱材の熱交換効率を高めるために、蓄熱材をマイクロカプセル化する方法が提案されている。一般に蓄熱材をマイクロカプセル化する方法としては、複合エマルジョン法によるカプセル化法(例えば、特許文献1参照)、蓄熱材粒子の表面に液中で熱可塑性樹脂を形成する方法(例えば、特許文献2参照)、蓄熱材粒子の表面でモノマーを重合させ被覆する方法(例えば、特許文献3参照)、界面重縮合反応によるポリアミド皮膜マイクロカプセルの製法(例えば、特許文献4参照)等の方法を用いることができる。
上記のマイクロカプセル化する方法では多くの場合、蓄熱材マイクロカプセルは媒体に分散した状態で得られる。この分散液の状態のまま各種分野で使用することも可能であるが、分散媒と蓄熱材マイクロカプセルを分離して蓄熱材マイクロカプセル成分を固形物として取り出すことにより、内包された潜熱蓄熱材の相状態に関係なく固形状態を保つことができる。そのため、より広範囲の用途での利用が可能となる。更には、得られた蓄熱材マイクロカプセルを結着剤とともに複数個固着せしめて、飛散しにくい大きさまで造粒した蓄熱材マイクロカプセル造粒物が提案されている(例えば、特許文献5及び6参照)。
蓄熱材マイクロカプセル分散液において、分散媒と蓄熱材マイクロカプセル成分を分離して蓄熱材マイクロカプセル成分を固形物として取り出す方法としては、スプレードライヤー、ドラムドライヤー、フリーズドライヤーなどの各種乾燥装置により分散媒を除去して乾燥させる方法が提案されている(例えば、特許文献7参照)。しかし、これらの方法は大型の装置が必要なためその設置場所の制限を受けることがあり、また、多大なエネルギーを消費することから、その生産コストの上昇が避けられなかった。また、乾燥が不均一となることによる品質のばらつきが生じ、その耐久性においても悪影響が生じることが知られている。
特開昭62−1452号公報 特開昭62−149334号公報 特開昭62−225241号公報 特開平2−258052号公報 特開平2−222483号公報 特開2001−303032号公報 特開2006−213914号公報
本発明は、蓄熱材マイクロカプセル造粒物に関するものであり、蓄熱材マイクロカプセル分散液から乾燥工程を経ることなく蓄熱材マイクロカプセル成分を取り出し、簡便な工程で蓄熱材マイクロカプセル造粒物を提供することを課題としている。
下記本発明によって、上記課題が解決できる。
(1)蓄熱材を内包する蓄熱材マイクロカプセル分散液に有機高分子凝集剤を添加して分散媒と蓄熱材マイクロカプセル成分を分離せしめ、この蓄熱材マイクロカプセル成分を分取してバインダー成分と混合した後に成型してなる蓄熱材マイクロカプセル造粒物。
(2)蓄熱材マイクロカプセルの皮膜がメラミンホルマリン樹脂である(1)記載の蓄熱材マイクロカプセル造粒物。
本発明の蓄熱材マイクロカプセル造粒物は、蓄熱材マイクロカプセル分散液から分散媒を除去するための乾燥工程を必要とせず、少ない製造工程で簡便に得られる耐久性の高い蓄熱材マイクロカプセル造粒物である。
本発明のマイクロカプセルで内包される潜熱蓄熱材は相転移に伴う潜熱を利用して蓄熱する目的で用いられるものであり、融点あるいは凝固点を有する化合物であれば使用可能である。具体的な蓄熱材としては、テトラデカン、ヘキサデカン、オクタデカン、パラフィンワックス等の脂肪族炭化水素化合物(パラフィン類化合物)、パルミチン酸、ミリスチン酸等の脂肪酸類、ベンゼン、p−キシレン等の芳香族炭化水素化合物、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ステアリル、ミリスチン酸ミリスチル等のエステル化合物、ステアリルアルコール等のアルコール類等の化合物が挙げられる。好ましくは融解熱量が80kJ/kg以上の化合物で、化学的、物理的に安定でしかも安価なものが用いられる。これらは混合して用いても良いし、必要に応じ過冷却防止材、比重調節材、劣化防止剤等を添加することができる。また、融点の異なる2種以上の蓄熱材マイクロカプセルを混合して用いることも可能である。
本発明の蓄熱材マイクロカプセルの製法として物理的方法と化学的方法が知られているが、特に潜熱蓄熱材を蓄熱材マイクロカプセル化する方法としては、複合エマルジョン法によるカプセル化法(特開昭62−1452号公報)、蓄熱材粒子の表面に熱可塑性樹脂を噴霧する方法(特開昭62−45680号公報)、蓄熱材粒子の表面に液中で熱可塑性樹脂を形成する方法(特開昭62−149334号公報)、蓄熱材粒子の表面でモノマーを重合させ被覆する方法(特開昭62−225241号公報)、界面重縮合反応によるポリアミド皮膜蓄熱材マイクロカプセルの製法(特開平2−258052号公報)等に記載されている方法が用いられる。
本発明に係る蓄熱材マイクロカプセルの膜材としては、界面重合法、インサイチュー(in−situ)法、ラジカル重合法等の手法で得られるポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリ(メタ)アクリレート、ポリアミド、ポリアクリルアミド、エチルセルロース、ポリウレタン、アミノプラスト樹脂、又はゼラチンとカルボキシメチルセルロース若しくはアラビアゴムとのコアセルベーション法を利用した合成あるいは天然の樹脂が用いられるが、メラミンホルマリン樹脂、尿素ホルマリン樹脂、ポリアミド、ポリウレア、ポリウレタンウレアが好ましく、更に、物理的、化学的に安定なインサイチュー法によるメラミンホルマリン樹脂皮膜、尿素ホルマリン樹脂皮膜を用いた蓄熱材マイクロカプセルを使用することがより好ましく、メラミンホルマリン樹脂皮膜と用いた蓄熱材マイクロカプセルを使用することが特に好ましい。
本発明に係る蓄熱材マイクロカプセルの体積平均粒子径は0.5〜50μmの範囲であることが好ましく、更に好ましくは1〜20μmの範囲であることが好ましい。50μmより大きい体積平均粒子径では、機械的剪断力に極めて弱くなることがあり、0.5μmより小さい体積平均粒子径では、破壊は抑えられるものの、膜厚が薄くなり、耐熱性に乏しくなることがある。本発明で述べる体積平均粒子径とは、マイクロカプセル粒子の体積換算値の平均粒子径を表わすものであり、原理的には一定体積の粒子を小さいものから順に篩分けし、その50%体積に当たる粒子が分別された時点での粒子径を意味する。体積平均粒子径の測定は顕微鏡観察による実測でも算定可能であるが、市販の電気的、光学的粒子径測定装置を用いることにより自動的に測定可能であり、本発明における体積平均粒子径は米国コールター社製粒度測定装置マルチサイザーII型を用いて測定を行った。
上記で得られた蓄熱材マイクロカプセル分散液から蓄熱材マイクロカプセル成分を固形状態で取り出す方法としては、スプレードライヤー、ドラムドライヤー、フリーズドライヤーなどの各種乾燥装置を用いて分散媒を除去し、粉体又はフレーク状の固形物として取り出すことが公知となっている。更に、得られた粉体又はフレーク状の固形物を各種結着樹脂や水などと混合して粘土状のものとし、押出型造粒法などの方法で造粒物を得ることも公知となっている。しかしながらこれらの方法では、各種乾燥装置により分散媒を除去する工程における加熱の偏りや過乾燥により、蓄熱材マイクロカプセルが損傷を受ける場合がある。また、更に造粒物とする場合には、粉体又はフレーク状の固形物をヘンシェルミキサーなどで撹拌しているところへ各種結着樹脂や水などを混合して粘土状のものとするが、この粉体又はフレーク状の固形物を撹拌することにより機械的なシェアがかかり、蓄熱材マイクロカプセルが損傷を受ける場合がある。これらの要因により蓄熱材マイクロカプセルが受けた損傷は、その後の工程で得られる造粒物の熱履歴耐久性の低下となって顕在化する。
本発明の蓄熱材マイクロカプセル造粒物を得る方法としては、水分散液の状態で作製される蓄熱材マイクロカプセル分散液に有機高分子凝集剤を添加して分散媒と蓄熱材マイクロカプセル成分を分離せしめ、分離した蓄熱材マイクロカプセル成分を濾取などの方法により分取し、バインダー(結着)成分等を加えて、押出型造粒、転動造粒、撹拌造粒など各種造粒法を用いて造粒することにより成型して造粒物を得ることができる。本発明の方法によれば、各種乾燥装置を用いて分散媒を除去して粉体又はフレーク状の固形物とする方法による加熱の偏りや過乾燥による蓄熱材マイクロカプセルの損傷や、粉体又はフレーク状の固形物を撹拌することによる蓄熱材マイクロカプセルの損傷を防いで、熱履歴耐久性の高い造粒物を得ることができる。
蓄熱剤マイクロカプセル分散液を蓄熱材マイクロカプセル成分と分散媒に分離させる場合に用いられる凝集剤としては、ポリ塩化アルミニウム、ポリ硫酸アルミニウム、硫酸バンド、塩化アルミニウム、鉄を含む硫酸アルミニウム、カリミョウバン、ポリ硫酸鉄、ポリ塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、塩化第二鉄等の無機凝集剤が知られている。しかし、一般に無機凝集剤は荷電中和作用による分離を引き起こすのみであり、有機高分子凝集剤の特長である架橋吸着作用によるフロックの形成がなされず、分離した蓄熱材マイクロカプセル成分を濾取などの方法により分取することが困難である。
本発明で用いられる有機高分子凝集剤としては、例えば、アニオン系であれば、ポリ(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリルアミドの共重合物、及びこれらのアルカリ金属塩等が挙げられる。ノニオン系であれば、ポリ(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。カチオン系であれば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド若しくはその四級アンモニウム塩やジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド若しくはその四級アンモニウム塩等のカチオン性モノマーからなるホモポリマー、あるいはこれらカチオン性モノマーと共重合可能なノニオン性モノマーとの共重合体、ポリジアリルアミン系ポリマー、ポリビニルアミジン系ポリマー等が挙げられる。また、いわゆる有機高分子凝集剤として公知のものに限らず、製紙工程用薬剤として歩留向上剤、紙力向上剤、表面サイズ剤、印刷適性向上剤、IJ耐水化剤として用いられる高分子薬剤も用いることができる。
本発明において、蓄熱剤マイクロカプセル分散液を蓄熱材マイクロカプセル成分と分散媒に分離させる場合に有機高分子凝集剤を用いることにより、蓄熱材マイクロカプセル成分がフロック状に分離することにより、濾取等の手段により容易に分取することが可能となる。また、分取した蓄熱材マイクロカプセル成分には一連の造粒工程において各種結着成分を混合するが、その結着成分は有機高分子物質である場合が多く、フロックとして取り出した蓄熱材マイクロカプセル成分と容易に混和するため、強力な撹拌操作が必要とならず、蓄熱材マイクロカプセルの損傷を最小限に抑制することができる。
蓄熱剤マイクロカプセル分散液を、蓄熱材マイクロカプセル成分と分散媒に分離させる場合に添加する有機高分子凝集剤の添加割合は、蓄熱材マイクロカプセル固形分質量に対して、0.05〜20質量%の範囲が好ましく、0.1〜15質量%の範囲がより好ましい。20質量%超であると、最終的に得られる造粒物の蓄熱量の低下が生じることがある。また、0.1質量%未満であると、架橋吸着作用によるフロックの形成が十分になされず、分離した蓄熱材マイクロカプセル成分を濾取等の手段により容易に分取することができないことがある。
本発明の造粒物を得る工程で用いられる結着成分の具体例として、結着能及び皮膜形成能を有する公知の天然高分子物質、天然高分子変性品(半合成品)、及び合成品を用いることができる。
天然高分子物質としては、酸化でんぷん、リン酸エステル化でんぷん等の多糖類、並びにゼラチン、カゼイン、にかわ、及びコラーゲン等のタンパク質等が挙げられる。また、半合成品としては、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ビスコース、メチルセルロース、エチルセルロース、メチルエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等の繊維素誘導体が用いられる。
また、合成品としては、ポリビニルアルコール、部分アセタール化ポリビニルアルコール、アリル変性ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルエチルエーテル、及びポリビニルイソブチルエーテル等の変性ポリビニルアルコール、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリ(メタ)アクリル酸エステル部分けん化物、及びポリ(メタ)アクリルアマイド等のポリ(メタ)アクリル酸誘導体、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、及びビニルピロリドン酢酸ビニル共重合体の親水性高分子や、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、スチレンブタジエン共重合体、カルボキシ変性スチレンブタジエン共重合体、アクリロニトリルブタジエン共重合体、アクリル酸メチルブタジエン共重合体、及びエチレン酢酸ビニル共重合体等のラテックス類等、メラミンホルムアルデヒド初期縮合物、尿素ホルマリン初期縮合物等が挙げられるが、ポリウレタン系樹脂がその耐水性、柔軟性等の点で最も好ましい結着成分として挙げられる。
蓄熱材マイクロカプセル造粒物中の結着成分の添加割合は、蓄熱材マイクロカプセル固形分質量に対して、0.1〜20質量%の範囲が好ましく、0.5〜15質量%の範囲がより好ましい。20質量%超であると、蓄熱量の低下が生じることがあり、0.1質量%未満であると、結着能力の低下が生じることがある。
本発明で用いる造粒して成型する方法としては、転動造粒法、押出型造粒法、ロール圧縮造粒法、打錠造粒法等の各種造粒方法が用いられるが、蓄熱材マイクロカプセルの損傷のない装置、条件を選ぶ必要があり、好ましくは一定径の孔から連続的に成型物が押し出される押出型造粒方法が好ましい。粉体の形状は、球状、楕円形、立方体、直方体、円柱状、円錐状、桿状、正多面体、星形、筒型等如何なる形状でも良い。
(実施例)
以下、実施例によって本発明を更に詳しく説明する。なお、実施例中の部数や百分率は特にことわりがない限り質量基準である。
〈圧壊強度〉
卓上型材料試験機(株式会社オリエンテック製、STA−1150)を用いて、圧縮速度0.2mm/secにて圧壊強度を測定した。
〈熱履歴耐久性〉
温度制御が可能な恒温槽中に蓄熱材マイクロカプセル造粒物を入れ、相変化温度を挟む温度域として−10℃から60℃までを温度変化させ、(昇温に1時間、60℃で30分保持、降温に1時間、−10℃で30分保持のサイクルを1回として)、1000回の温度変化を与えた後の蓄熱量を測定し、温度変化を与える前の熱量との比(百分率)を熱履歴耐久性とした。数値が大きいほど、温度変化を与えた後での蓄熱性の保持性に優れていることを示す。なお、蓄熱量については示差走査熱量計(米国パーキンエルマー社製、PYRIS Diamond DSC)で測定される融解熱量により決定した。
(実施例1)
蓄熱材マイクロカプセル分散液の作製:pHを4.5に調整した5%のスチレン−無水マレイン酸共重合体のナトリウム塩水溶液100gの中に、潜熱蓄熱材として融点28℃のn−オクタデカン80gを激しく撹拌しながら添加し、乳化を行った。次にメラミン6gと37%ホルムアルデヒド水溶液12g及び水20gを混合し、これをpH8に調整し、約80℃でメラミン−ホルマリン初期縮合物水溶液を調製した。この全量を上記乳化液に添加し70℃で2時間加熱撹拌を施してカプセル化反応を行った後、この分散液のpHを9に調整して70℃で1時間加熱撹拌を施してカプセル化を終了した。放冷後、pHを7に調整して蓄熱材マイクロカプセル分散液を得た。得られた蓄熱材マイクロカプセルの体積平均粒子径は2.3μmであった。
上記蓄熱材マイクロカプセル分散液に、有機高分子凝集剤として、ポリジアリルアミン系高分子(商品名:ハイマックスSC100、ハイモ(株)製)3gを水15mlで希釈した溶液を添加してよくかき混ぜ、数分間放置した。この段階で蓄熱材マイクロカプセル成分は凝集してフロックを形成し、分散媒である水と分離していた。このフロックを濾取により分取し、蓄熱材マイクロカプセルの凝集物を得た。得られた蓄熱材マイクロカプセル凝集物100質量部に、結着成分としてウレタンエラストマー分散液(第一工業製薬(株)製、商品名:スーパーフレックス(登録商標)200、固形分濃度30質量%)17質量部を加えて混合した後、押出型造粒装置により押出成型を行い、100℃で乾燥させて、短径方向平均径が1.9mm、長径方向平均径が5.3mmの蓄熱材マイクロカプセル造粒物を得た。
得られた蓄熱材マイクロカプセル造粒物の圧壊強度を測定したところ、圧壊強度を蓄熱材マイクロカプセル造粒物の圧縮方向投影断面積で除した値は3.0N/mmとなった。また、得られた蓄熱材マイクロカプセル造粒物の熱履歴耐久性は96%であった。
(実施例2)
造粒物を得るために加えた結着成分を水性ウレタン分散液(DIC(株)製、商品名:ハイドラン(登録商標)HW−920、固形分濃度50質量%)10質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、短径方向平均径が2.0mm、長径方向平均径が5.4mmの蓄熱材マイクロカプセル造粒物を得た。
得られた蓄熱材マイクロカプセル造粒物の圧壊強度を測定したところ、圧壊強度を蓄熱材マイクロカプセル造粒物の圧縮方向投影断面積で除した値は3.5N/mmとなった。また、得られた蓄熱材マイクロカプセル造粒物の熱履歴耐久性は97%であった。
(実施例3)
蓄熱材マイクロカプセル分散液の作製:pHを4.5に調整した5%のスチレン−無水マレイン酸共重合体のナトリウム塩水溶液100gの中に、潜熱蓄熱材として融点28℃のn−ヘキサデカン80gを激しく撹拌しながら添加し、乳化を行った。次にメラミン6gと37%ホルムアルデヒド水溶液12g及び水20gを混合し、これをpH8に調整し、約80℃でメラミン−ホルマリン初期縮合物水溶液を調製した。この全量を上記乳化液に添加し70℃で2時間加熱撹拌を施してカプセル化反応を行った後、この分散液のpHを9に調整して70℃で1時間加熱撹拌を施してカプセル化を終了した。放冷後、pHを7に調整して蓄熱材マイクロカプセル分散液を得た。得られた蓄熱材マイクロカプセルの体積平均粒子径は2.1μmであった。
上記蓄熱材マイクロカプセル分散液に、有機高分子凝集剤として、ポリビニルアミジン系高分子(商品名:ハイマックスSC700M、ハイモ(株)製)3gを水15mlで希釈した溶液を添加してよくかき混ぜ、数分間放置した。この段階で蓄熱材マイクロカプセル成分は凝集してフロックを形成し、分散媒である水と分離していた。このフロックを濾取により分取し、蓄熱材マイクロカプセルの凝集物を得た。得られた蓄熱材マイクロカプセル凝集物100質量部に、結着成分として水性ウレタン分散液(DIC(株)製、商品名:ハイドラン(登録商標)HW−920、固形分濃度50質量%)10質量部を加えて混合した後、押出式造粒装置により押出成型を行い、100℃で乾燥させて、短径方向平均径が2.1mm、長径方向平均径が5.4mmの蓄熱材マイクロカプセル造粒物を得た。
得られた蓄熱材マイクロカプセル造粒物の圧壊強度を測定したところ、圧壊強度を蓄熱材マイクロカプセル造粒物の圧縮方向投影断面積で除した値は3.5N/mmとなった。また、得られた蓄熱材マイクロカプセル造粒物の熱履歴耐久性は98%であった。
(実施例4)
造粒物を得るために加えた結着成分をポリビニルアルコール水溶液((株)クラレ製、商品名:PVA−235、固形分濃度30質量%)100質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、短径方向平均径が2.2mm、長径方向平均径が5.0mmの蓄熱材マイクロカプセル造粒物を得た。
得られた蓄熱材マイクロカプセル造粒物の圧壊強度を測定したところ、圧壊強度を蓄熱材マイクロカプセル造粒物の圧縮方向投影断面積で除した値は3.0N/mmとなった。また、得られた蓄熱材マイクロカプセル造粒物の熱履歴耐久性は97%であった。
(実施例5)
上記実施例3と同様にして調製した蓄熱材マイクロカプセル分散液に、有機高分子凝集剤として、商品名:T−DK205(星光PMC(株)製)3gを水15mlで希釈した溶液を添加してよくかき混ぜ、数分間放置した。この段階で蓄熱材マイクロカプセル成分は凝集してフロックを形成し、分散媒である水と分離していた。このフロックを濾取により分取し、蓄熱材マイクロカプセルの凝集物を得た。得られた蓄熱材マイクロカプセル凝集物100質量部に、結着成分としてウレタンエラストマー分散液(第一工業製薬(株)製、商品名:スーパーフレックス(登録商標)200、固形分濃度30質量%)17質量部を加えて混合した後、押出式造粒装置により押出成型を行い、100℃で乾燥させて、短径方向平均径が2.5mm、長径方向平均径が5.3mmの蓄熱材マイクロカプセル造粒物を得た。
得られた蓄熱材マイクロカプセル造粒物の圧壊強度を測定したところ、圧壊強度を蓄熱材マイクロカプセル造粒物の圧縮方向投影断面積で除した値は4.2N/mmとなった。また、得られた蓄熱材マイクロカプセル造粒物の熱履歴耐久性は96%であった。
(比較例1)
実施例1と同様にして調製した蓄熱材マイクロカプセル分散液に、凝集剤として、無機凝集剤であるポリ塩化アルミニウム10gを添加してよくかき混ぜ、数分間放置した。この段階で蓄熱材マイクロカプセル成分と分散媒である水とは分離していたが、蓄熱材マイクロカプセル成分はフロックを形成しておらず、濾取により分取することができなかった。
(比較例2)
実施例1と同様にして調製した蓄熱材マイクロカプセル分散液をスプレードライにより噴霧乾燥し、蓄熱材マイクロカプセル粉体を得た。得られた蓄熱材マイクロカプセル粉体100質量部に、結着成分として、ウレタンエラストマー分散液(第一工業製薬(株)製、商品名:スーパーフレックス(登録商標)200、固形分濃度30質量%)17質量部と適当量の添加水を加えて混合した後、押出式造粒装置により押出成型を行い、100℃で乾燥させて、短径方向平均径が2.0mm、長径方向平均径が5.1mmの蓄熱材マイクロカプセル造粒物を得た。
得られた蓄熱材マイクロカプセル造粒物の圧壊強度を測定したところ、圧壊強度を蓄熱材マイクロカプセル造粒物の圧縮方向投影断面積で除した値は0.5N/mmと低く、また、得られた蓄熱材マイクロカプセル造粒物の熱履歴耐久性は70%と十分な耐久性を示さなかった。
本発明による蓄熱材マイクロカプセル造粒物は、枕・ベッドパッド・シーツ・布団・毛布などの寝具、マイクロ波照射により加熱及び蓄熱する保温材、天井・壁・床などの建築材料、建築物の躯体蓄熱・空間充填式空調に加え、被服材料などの繊維加工物、電子部品やガス吸着材などの過熱抑制材及び/又は過冷抑制材、床暖房用、空調用途、道路や橋梁などの土木用材料、燃料電池や焼却炉などの廃熱利用設備、給湯蓄熱用途、産業用保温材料、農業用保温材料、家庭用品、健康用品、医療用材料など様々な利用分野に応用できる。

Claims (2)

  1. 蓄熱材を内包する蓄熱材マイクロカプセル分散液に有機高分子凝集剤を添加して分散媒と蓄熱材マイクロカプセル成分を分離せしめ、この蓄熱材マイクロカプセル成分を分取してバインダー成分と混合した後に成型してなる蓄熱材マイクロカプセル造粒物。
  2. 蓄熱材マイクロカプセルの皮膜がメラミンホルマリン樹脂である請求項1記載の蓄熱材マイクロカプセル造粒物。
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