JP2016171115A - 磁性素子および磁性素子の製造方法 - Google Patents

磁性素子および磁性素子の製造方法 Download PDF

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昭彦 中村
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Abstract

【課題】高温環境下でも、内部に入り込んだ水分を容易に放出させることが可能な磁性素子および磁性素子の製造方法を提供する。【解決手段】磁性素子10は、全体積に対して60体積%〜80体積%の範囲内の体積占有率の磁性粉末を含み、全体積に対して12体積%以上の体積占有率のバインダー樹脂を含み、さらに全体積に対して8体積%以上の体積占有率の空孔を含むコア20と、導線を巻回することにより形成されると共にコア20に埋設されるコイルと、を有している。【選択図】図1

Description

本発明は、磁性素子および磁性素子の製造方法に関する。
たとえばインダクタ等の磁性素子には、特許文献1に示すようなタイプが存在している。特許文献1に示すタイプの磁性素子は、空芯コイルと、この空芯コイルを内包するコアを備えていて、コアは磁性体粉末と樹脂の混合物から構成されている。また、空芯コイルの端末は、端子電極に電気的に接続されている。
特開2007−081305号公報
ところで、上述した特許文献1に開示のような磁性素子には吸湿性がある。そのため、吸湿性に対して対策を施さないと、たとえば260度といった高温の半田リフローの際に、磁性素子の内部に入り込んだ水分が気化し、それによってコアに体積膨張が生じたり、コアに割れが生じる等の不具合がある。特に、コイルを形成するために、融着層を備える導線を用いる場合があるが、融着層を備える導線は吸湿性に富むため、かかる問題が顕著となる。そして、上述のようなコアの体積膨張や、コアの割れが生じてしまうと、磁性素子のインダクタンスが低下してしまう等の不具合が発生する。
そこで、特に半田リフローによって実装される磁性素子では、MSL(モイスチャレベル;Moisture Sensitivity Level)試験により、製品外観や製品インダクタンス変化率を計測することが求められている。
一方で、近年、磁性素子に対しては、MSLに対する要求も厳しくなっており、たとえばMSL試験において、レベル1といった、外部環境に時間制限なしで放置しても良いものが要求されている。しかしながら、特許文献1に開示の磁性素子では、このような磁性素子を実現するのは困難である。すなわち、高温の半田リフロー時に、内部に入り込んでいる水分が、磁性素子から容易に放出される磁性素子を実現することは、特許文献1に基づいては実現できない。
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、高温環境下でも、内部に入り込んだ水分を容易に放出させることが可能な磁性素子および磁性素子の製造方法を提供しよう、とするものである。
上記課題を解決するために、本発明の第1の観点は、全体積に対して60体積%〜80体積%の範囲内の体積占有率の磁性粉末を含み、全体積に対して12体積%以上の体積占有率のバインダー樹脂を含み、さらに全体積に対して8体積%以上の体積占有率の空孔を含むコアと、導線を巻回することにより形成されると共に、コアに埋設されるコイルと、を有することを特徴とする磁性素子が提供される。
また、本発明の磁性素子の他の側面は、上述の発明に加えて更に、磁性粉末と、バインダー樹脂と、空孔の体積占有率の合計を100体積%としたときに、バインダー樹脂の体積占有率は、全体積に対して12体積%〜32体積%の範囲内であり、空孔の体積占有率は、全体積に対して8体積%〜28体積%の範囲内である、ことが好ましい。
さらに、本発明の磁性素子の他の側面は、上述の発明に加えて更に、バインダー樹脂は、シリコン樹脂、エポキシ樹脂のうちのいずれかである、ことが好ましい。
また、本発明の磁性素子の他の側面は、上述の発明に加えて更に、ガス透過係数が600cm3 ・mm/(m2 ・sec・atm)以上である、ことが好ましい。
さらに、本発明の磁性素子の他の側面は、上述の発明に加えて更に、磁性粉末の体積占有率は、65体積%〜75体積%の範囲内である、ことが好ましい。
さらに、本発明の磁性素子の他の側面は、上述の発明に加えて更に、コイルの端末に電気的に接続され、コアの外周面に取り付けられると共に、外部の実装基板に対して電気的に接続される状態で取り付けられる端子部を備える、ことが好ましい。
また、本発明の第2の観点によると、磁性素子の製造方法であって、磁性粉末を分母、バインダー樹脂を分子としたときの体積占有率の比率が、3/20〜8/15の範囲内で磁性粉末とバインダー樹脂とを添加して混合物を形成する混合工程と、金型の筒状部の内部にコイルをセットし、さらにコイルに対して電気的に接続される端子部が成形後のコアから露出する状態でセットすると共に、金型の筒状部の内部に混合物を充填する充填工程と、充填工程で充填された混合物を圧縮してコアを成形する圧縮成形工程と、を備え、圧縮成形工程では、混合物を圧縮する圧力の調整によって、コアに対する空孔の体積占有率が8体積%〜28体積%の範囲内に収まるようにコアを成形する、ことを特徴とする磁性素子の製造方法が提供される。
本発明によると、磁性素子において、高温環境下でも、内部に入り込んだ水分を容易に放出させることが可能となる。
本発明の一実施の形態の磁性素子の構成を示す斜視図である。 図1の磁性素子の内部構成を透過的に示す斜視図である。 図1の磁性素子の構成を示す側断面図である。 本実施の形態のコアにおいて、磁性粉末、バインダー樹脂および空孔の体積占有率を示す三元図である。 本実施の形態の磁性素子のコアを形成するための金型である。 ガス透過係数を測定する測定装置の構成の概略を示す図であり、その一部を断面で示す側面図である。
以下、本発明の一実施の形態に係る磁性素子10について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、XYZ直交座標系を用いて説明することがあるものとし、X方向は図3における端子部40を結ぶ方向とし、図3における右側をX1側、左側をX2側とする。また、図1における端子部40の幅方向をY方向とし、図1における左手前側をY1側、右奥側をY2側とする。また、図1における磁性素子10の厚み方向をZ方向とし、上側をZ1側、下側をZ2側とする。
<1.磁性素子10の構成について>
図1は、本実施の形態の磁性素子10の構成を示す斜視図である。図2は、本実施の形態の磁性素子10の内部構成を透過的に示す斜視図である。図3は、本実施の形態の磁性素子10の構成を示す側断面図である。
図1から図3に示すように、磁性素子10は、コア20と、コイル30と、端子部40とを有している。本実施の形態における磁性素子10は、コア20の内部にコイル30が埋め込まれた、コイル封入型の磁性素子である。そのため、コア20を成型する際には、金型100(図5参照)の上側ダイ101と下側ダイ102とによって形成される筒状部Pにコイル30を設置し、さらに上側ダイ101と下側ダイとの間に端子部40またはコイル30の端末を挟み込む状態とした後に、筒状部に磁性粉末とバインダー樹脂との混合物を充填することで、コア20が加圧成形される。
コイル30は、導線31を巻回することにより構成される。図1〜図3に示す構成では、導線31は丸線であり、その導線31の端末31aが、コア20の内部から外部に突出している。
このコイル30を構成する導線31は、銅のような金属導体部と、その金属導体部を覆うエナメル等のような絶縁層と、絶縁層を覆う融着層とを備えている。融着層は、巻回により導線31が重ねられた状態で、隣り合う導線31同士を融解させる部分である。それにより、隣り合う導線31同士が固着され、コイル30が解けようとするのが防止される。
なお、融着層は、加熱することにより導線31同士を融着させるタイプ(例として融着層がポリアミド系樹脂から構成されているもの)、アルコール等のような溶剤を付着させることによって導線31同士を融着させるタイプ(例として融着層が可溶ポリアミド系樹脂から構成されているもの)等があるが、導線31同士が融着するものであれば、いずれのタイプを用いても良い。かかる融着層を備える導線31を用いたコイル30は、融着層を備えるため、融着層を備えない導線を用いたコイルと比較して、吸湿性が高い状態となっている。
端子部40は、コア20の外面に取り付けられる部分であり、外部の実装基板に対して電気的に接続される部分である。そのため、端子部40には、コア20の側面に位置する側面取付部41と、コア20の底面に位置する底面実装部42とを有している。また、端子部40には、端子用切欠部43も設けられている。端子用切欠部43は、端末31aが位置するように、端子部40を切り欠いた部分である。この端子用切欠部43に端末31aを位置させた状態で、端子部40は、端末31aに対して電気的に接続される。図1から図3に示す構成では、端子部40はコア20の外面において、たとえば半田付けやレーザ溶接等の手法によって、端末31aに対して電気的に接続されている。
なお、図2に示すように、端子部40の一部は、コア20の内部に入り込んだ埋込部44を有しているが、そのような埋込部44を有する構成を採用しなくても良い。
なお、以上は、磁性素子10の構成の一例であるが、そのような図1〜図3に示す構成を採用しなくても良い。たとえば、融着層を備えない導線においても、絶縁層が吸湿性を備えるため、同様の問題が生じる場合がある。また、コア20も吸湿性を備えている。そのため、融着層が存在しない導線を用いたコイルが、コアの内部に埋め込まれた構成を用いた場合や、コアの内部にコイルを埋め込んでいない非埋め込みタイプのコアを用いた場合でも、本発明を適用することは勿論可能である。
<2.コア20の組成について>
次に、コア20の組成について、以下に説明する。本実施の形態のコア20は、磁性粉末とバインダー樹脂とを混合した混合物である。
磁性粉末は、具体的には軟磁性金属粉末であり、たとえば磁気特性や入手し易さ等の観点からFe系金属粉末が好ましいが、その中でも、Fe−Si−Al系粉末(センダスト)、Fe−Ni系粉末(パーマロイ)、Fe−Co系粉末(パーメンジュール)、Fe−Si−Cr系粉末、Fe−Si系のケイ素鋼、Fe系アモルファス粉末等が挙げられる。また、2種類以上の上記の磁性粉末による混合物でも良い。
これらの中でも、必要な磁気的特性を得るためには、Fe−Si−Cr系粉末を用いることが好ましい。なお、磁性粉末の粒径は、5μm〜30μmであることが好ましい。また、磁性粉末の粒子形状は特に限定されず、略球状、扁平形状など、使用目的に応じて選定すればよい。
また、バインダー樹脂としては、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、PES(ポリエーテルサルフォン)樹脂、PAI(ポリアミドイミド)樹脂、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂、フェノール樹脂等が挙げられるが、これら以外の樹脂をバインダー樹脂として用いても良い。この中でも、入手のし易さや耐熱性等の観点から、シリコン樹脂やエポキシ樹脂が好適である。
また、コア20を形成した場合、磁性粉末がコア20に占める体積占有率は、磁性粉末とバインダー樹脂と空孔との合計を100体積%とした場合において、次の(1)から(3)の条件を満たすことが好ましい。
(1)磁性粉末の体積占有率は、60体積%〜80体積%の範囲内であることが好ましい。コア20に占める磁性粉末の割合(体積占有率)が60体積%よりも小さい場合、製品インダクタンス(Ls)も判定基準値より低くなり、好ましくない。
また、コア20に占める磁性粉末の割合が80体積%よりも大きくなる場合、後述する(2)および(3)の条件から、バインダー樹脂の割合が12体積%よりも小さくなるか、または空孔の割合が8体積%よりも小さくなる。この場合において、コア20に占める磁性粉末の割合が80体積%よりも大きく、かつバインダー樹脂の割合が12体積%よりも小さくなる場合には、成形体であるコア20のハンドリングが不能な程に、強度が低下してしまい、好ましくない。
また、コア20に占める磁性粉末の割合が80体積%よりも大きく、かつ空孔の割合が8体積%よりも小さくなる場合には、コア20の外観にクラックを発生させてしまい、好ましくない。かかるクラックの発生は、融着層やコア20によって吸湿された水分が、MSL試験での約260度への加熱時には体積の大きな蒸気となるが、その蒸気が外部に放出され難くなるためである。
以上から、磁性粉末の割合は、60体積%〜80体積%の範囲内であることが好ましい。
なお、磁性粉末の割合が、65体積%〜75体積%の範囲内であると、一層好ましい。この場合には、磁性粉末の割合が60体積%の場合よりも製品インダクタンス(Ls)の値を約1.5倍程度に大きくすることができる。また、バインダー樹脂と空孔のうち少なくとも一方の体積占有率については、それぞれの許容範囲内の下限より大きな値とすることができ、それによってガス透過性およびコア20の成形体の強度の内の少なくとも一方を、一層良好なものとすることができる。
(2)上記の(1)を満たす状態において、バインダー樹脂がコア20に占める割合は、12体積%〜32体積%の範囲内であることが好ましい。コア20に占めるバインダー樹脂の割合が32体積%を超えると、必然的に、磁性粉末の割合が60体積%よりも小さくなるか、または空孔の割合が8体積%よりも小さくなる。ここで、バインダー樹脂の割合が32体積%を超え、かつ磁性粉末の割合が60体積%よりも小さくなる場合には、上述のように製品インダクタンス(Ls)も判定基準値より低くなり、好ましくない。また、バインダー樹脂の割合が32体積%を超え、かつ空孔の割合が8体積%よりも小さくなる場合には、上述のように成形体のコア20の外観にクラックを発生させてしまい、好ましくない。さらに加えて、クラックの発生により、インダクタンス値(L)の変化率が許容値よりも大きくなってしまう、という問題も生じる。
また、コア20に占めるバインダー樹脂の割合が12体積%よりも小さくなる場合には、上述のように成形体であるコア20のハンドリングが不能な程に、強度が低下してしまい、好ましくない。これは、上記で述べた、コア20に占める磁性粉末の割合が80体積%よりも大きく、かつバインダー樹脂の割合が12体積%よりも小さくなる場合の他に、コア20に占める磁性粉末の割合が60体積%〜80体積%の範囲内であっても、同様に強度が低下してしまい、好ましくない状態となっている。
以上から、バインダー樹脂の割合は、12体積%〜32体積%の範囲内であることが好ましい。
(3)上記の(1)と(2)を満たす状態において、コア20の空孔率は、8体積%〜28体積%の範囲内であることが好ましい。空孔の割合が8体積%よりも小さければ、上記と同様に成形体のコア20の外観にクラックを発生させてしまい、好ましくない。また、クラックが成形体のコア20に生じることにより、インダクタンス値(L)の変化率が、許容値よりも大きくなってしまう。これは、上記で述べた、コア20に占める磁性粉末の割合が80体積%よりも大きく、かつ空孔の割合が8体積%よりも小さくなる場合の他に、コア20に占める磁性粉末の割合が60体積%〜80体積%の場合であっても、同様に強度が低下してしまい、好ましくない状態となっている。
なお、空孔の割合が8体積%よりも小さい場合には、コア20をガスが透過するガス透過係数が低下するので、上述のようにコア20の内部で蒸気が発生しても、その蒸気を外部に逃がし難くなっている。
なお、空孔の割合が28体積%を超えると、磁性粉末の割合が60体積%よりも小さくなってしまうか、またはバインダー樹脂の割合が12体積%よりも小さくなってしまう。そのため、空孔の割合が28体積%を超えないことが好ましい。
以上のような状態を纏めると、図4に示す状態となる。図4は、コア20において、磁性粉末、バインダー樹脂および空孔の体積占有率を示す三元図である。この図4において、ハッチングした領域の内部であれば、コア20は、製品インダクタンス(Ls)が判定基準値よりも高くなる。またガス透過係数も基準値よりも高くなり、コア20の外観におけるクラックの発生が抑えられる。さらに、コア20の外観におけるクラックの発生を抑えることにより、インダクタンス値(L)の変化率も許容値よりも小さくなる。また、成形後のコア20について、ハンドリングが可能な程度の強度が得られる。
次に、本実施の形態のコア20の製造方法について説明する。まず、磁性粉末と、バインダー樹脂とを混合してバインダー樹脂を磁性粉末にコーティングする(混合工程に対応)。このとき、上述した磁性粉末とバインダー樹脂の体積占有率に基づいて、磁性粉末を分母、バインダー樹脂を分子としたときの体積占有率の比率が、3/20〜8/15の範囲内で磁性粉末とバインダー樹脂とを添加して混合物を形成する。
かかる磁性粉末とバインダー樹脂とを混合する場合、プラネタリーミキサー等を用いて、均一に混合されるように分散するようにすることが好ましい。
また、予め導線31を巻回することで形成されたコイル30と、金属板を打ち抜いて形成された端子部40とをそれぞれ別途作成する。その後、コイル30の端末と、端子部40とを電気的に導通する状態で接合させて半製品を作る。そのために、たとえばコイル30の端末と端子部40とを半田付けにて接合しても良く、レーザ溶接等の溶接によって接合しても良い。次に、金型の筒状部Pに、上記半製品をセットする。金型は、たとえば図5に示す構成のものが挙げられる。図5は、本実施の形態の磁性素子10のコア20を形成するための金型100である。図5に示す金型100は、上側ダイ101と、下側ダイ102と、上側パンチ103と、下側パンチ104とを備えている。上側ダイ101と下側ダイ102とは、貫通孔が形成されている。
このセットの後に、端子部40またはコイル30の端末を挟むように、下側ダイ102に対して上側ダイ101を降下させて、端子部40を挟み込む状態とする。その後に、下側パンチ104が上側ダイ101と下側ダイ102とで囲まれた筒状部Pの下方側に位置する状態とする。その後に、磁性粉末とバインダー樹脂との混合物を充填する(充填工程に対応)。
続いて、筒状部Pの上方側から、上側パンチ103を挿入して、磁性粉末を加圧成形する(圧縮成形工程に対応)。このときの加圧力を調整することにより、混合物の内部に存在する空孔の体積占有率を調整することができる。本実施の形態では、混合物を圧縮する圧力の調整によって、コア20に対する空孔の体積占有率が8体積%〜28体積%の範囲内に収まるように成形する。また、別の手法としては、どのぐらいの質量の混合物を筒状部Pに充填するのかは予め判明しているので、その混合物に対して、上側パンチ103と下側パンチ104とが筒状部P内部の目標位置まで移動させることによっても、空孔の体積占有率を調整することができる。
このようにして、加圧成形によってハンドリングが可能な程度に成形したコア20が形成される。なお、この加圧成形工程の後に、成形後のコア20を加熱する熱硬化工程を行う。
また、加圧成形工程の後(熱硬化工程を行う場合には熱硬化工程の後)に、端子部40を、場合によってはコイル30の端末と一緒に、コア20の底面側に向かうように折り曲げる。さらに、端子部40が底面に対して面的に位置するように折り曲げる。それにより、SMD(Surface Mount device)タイプの磁性素子10が形成される。
次に、本実施の形態のコア20における、実施例について説明する。
(実施例A)
実施例Aでは、磁性粉末として、Fe−Si−Cr系粉末とFe系アモルファス粉末の混合粉末を用い、さらにバインダー樹脂としてシリコン樹脂である信越化学社製のKR−251(商品名)を用い、これらをプラネタリーミキサーによって混合することにより混合物を得た。その後に、金型を用いて、混合物を加圧成形することで、コア20を有する磁性素子10を得た。このとき、コイル30は、絶縁層がポリアミドイミド、融着層がエポキシ系樹脂を材質とする住友電気工業株式会社製の融着銅線を用いており、そのコイルを内径4.5mm、外径8.0mmとなる状態で16.5回巻回して形成した。なお、このときのコア20は、縦が10mm、横が10mm、厚みが5mmとなっている。
このとき、磁性粉末の体積占有率と、シリコン樹脂の体積占有率と、空孔の体積占有率とを種々変更して、測定を行った。このとき、コア20の密度、ガス透過係数、製品インダクタンス(Ls)の各項目を測定した。製品インダクタンス(Ls)の判定基準値は7であり、製品インダクタンス(Ls)が7以上の場合には合格(表1の丸印)、製品インダクタンス(Ls)が7より小さい場合には不合格(表1のバツ印)とした。なお、成形体のコア20の体積は、その寸法をノギスで測定して算出している。また、成形体のコア20の重量は、電子天秤を用いて測定している。同じくバインダー樹脂の重量も電子天秤を用いて測定している。
また、ガス透過係数は、図6に示すような測定装置200を用いて測定した。図6は、ガス透過係数を測定する測定装置200の構成の概略を示す図であり、その一部を断面で示す側面図である。図6に示すように、測定装置200は、たとえば2つの型201,202を突き合わせることで、内部空間Sが形成される構成となっている。そのうちの一方の型201には、導入路201aと、その導入路201aよりも断面積の広い膨張空間201bとが設けられている。また、導入路201aの開口側には、加圧手段210を構成する加圧シリンジ211が連結されている。加圧手段210は加圧シリンジ211の他に、加圧シリンジ211に挿入されるピストン212も備えていて、ピストン212を押し込むことで加圧シリンジ211の内部の空気を、導入路201aを経て内部空間Sに導入可能としている。
また、他方の型202には、試験対象のコア(コア20Sとする。)が保持される保持空間202aが設けられ、さらに排気路202bも設けられている。保持空間202aは、膨張空間201bよりも広く設けられている。保持空間202aには、たとえばOリングのような一対のシール部材203が配置され、それら一対のシール部材203の間に、試験対象のコア20Sが挟持される。また、排気路202bの開口側には、気体補足手段220を構成する導入シリンダ221が連結されている。気体補足手段220は、導入シリンダ221の他に、導入シリンダ221に挿入されるピストン222も備えていて、導入シリンダ221内でピストン222が移動した量に基づいて、試験対象のコア20Sを透過した気体を計量可能となっている。
なお、ガス透過係数の計測においては、室内環境にて、行っている。
ここで、実施例Aでは、ガス透過係数の試験対象のコア20Sと、製品インダクタンス(Ls)の測定用のコアと、その他の試験(MSL試験および成形体強度に関する試験)を行ったコア20とでは、形状が異なっている。すなわち、ガス透過係数の測定のためには、測定装置200のような専用の測定装置での計測となるため、試験対象のコア20Sの直径は12mmであり、厚みは5mmとして測定を行った。しかしながら、MSL試験および成形体強度に関する試験では、本実施の形態のコア20と同一形状での試験が好ましいので、かかる本実施の形態のコアと同一形状のコア20にて、試験を行った。なお、製品インダクタンス(Ls)については、周知の測定方法にて測定を行った。
この実施例Aでは、気体として、大気を用いて計量を行った。また、測定圧力(大気圧との差圧)を0.5atm とし、その測定圧力を維持したままで10秒間の間に、導入シリンダ221に導入された気体を計量した。ガス透過係数は、cm3 ・mm/(m2 ・sec・atm)にて表される。
また、コア20に対してMSL試験も行った。MSL試験条件は、125℃試験槽に24Hr保存(水分除去)した後に、85℃‐85%試験槽に168Hr保存(吸水)して、Peak温度260度のリフロー炉に通過させる、というものである。具体的には、コア20の外観にクラックが発生した割合(クラック発生率)を測定し、さらにインダクタンス値(L)の変化率も測定した。なお、表1では、クラック発生率が0の場合には合格(表1の丸印)とし、クラック発生率が0よりも大きい場合には不合格(表1のバツ印)とした。また、インダクタンス値(L)の変化率については、−5%以内に収まっている場合には合格(表1の丸印)とし、インダクタンス値(L)の変化率が−5%以内に収まらない場合には不合格(表1のバツ印)とした。
また、コア20の成形体の強度も判定した。このコア20の成形体の強度は、コア20の成形体をハンドリング可能か否かにより判定した。すなわち、コア20をハンドリング可能な場合には合格(表1の丸印)とし、コア20をハンドリングするのが難しい場合には不合格(表1のバツ印)とした。
そして、上述の各項目に基づいて、まとめた結果が表1である。なお、表1においては、実施例A1〜A15については、上述したような、(1)磁性粉末の体積占有率が60体積%〜80体積%の範囲内であり、(2)バインダー樹脂であるシリコン樹脂の体積占有率が12体積%〜32体積%の範囲内であり、(3)空孔の体積占有率が8体積%〜28体積%の範囲内となっており、これらの体積占有率は、図4のハッチングで示す領域内に存在している。一方、比較例C1〜C9は、磁性粉末の体積占有率、シリコン樹脂の体積占有率、および空孔の体積占有率の少なくとも1つが、図4のハッチングで示す領域外に存在している。また、表1では、比較例C1〜C5以外にも、従来例PAについても掲載している。従来例PAも、図4のハッチングで示す領域外に存在している。
Figure 2016171115
なお、上記の表1においては、コア20,20Sの成形体に対して、磁性粉末の体積占有率A1は、次のように算出している。すなわち、仮にコア20,20Sの成形体のうち、磁性粉末の重量A2を磁性粉末の比重A3で除算することにより、磁性粉末の重量A2から、磁性粉末の体積A4を算出することができる。この磁性粉末の体積A4をコア20,20Sの体積Dで除算することにより、磁性粉末の体積占有率A1を算出することができる。
また、バインダー樹脂の体積占有率B1は、次のように算出している。バインダー樹脂を磁性粉末に添加する場合、上記の磁性粉末の重量A2に対してのバインダー樹脂の添加量の重量パーセントB2を乗算することで、バインダー樹脂の重量B3を算出することができる。その後に、バインダー樹脂の重量B3をバインダー樹脂の比重B4で除算することにより、バインダー樹脂の体積B5を算出することができる。また、バインダー樹脂の体積B5をコア20,20Sの体積Dで除算することにより、バインダー樹脂の体積占有率B1を算出することができる。
また、空孔の体積占有率C1は、次のようにして求められる。すなわち、コア20,20Sの体積Dから、磁性粉末の体積A4とバインダー樹脂の体積B5を差し引くことで、空孔の体積C2が求められる。そして、空孔の体積C2をコア20,20Sの体積Dで除算することにより、空孔の体積占有率C1を算出することができる。
表1から明らかなように、実施例A1〜A15においては、上述した(1)〜(3)の全ての条件を満たしているが、これらの製品インダクタンス(Ls)、クラック発生率、インダクタンス値(L)の変化率、成形体強度については、その全てが合格(表1の丸印)となっている。
また、ガス透過係数は、クラック発生率と密接に関連しているが、実施例A1〜A15においては、ガス透過係数は最低でも681cm3 ・mm/(m2 ・sec・atm)となっており(実施例A15の場合)、600cm3 ・mm/(m2 ・sec・atm)を超えている。一方で、空孔の体積占有率が6体積%の場合(比較例CA4、CA6、CA8の場合)には、ガス透過係数は最大でも354cm3 ・mm/(m2 ・sec・atm)となっている(比較例CA4の場合)。そのため、空孔の体積占有率が8体積%以上である実施例A1〜A15と、空孔の体積占有率が8体積%より小さい比較例CA4、CA6、CA8の間には、顕著なガス透過係数の差があり、その差がクラック発生率に影響している、と考えられる。
なお、従来例PAにおいては、空孔の体積占有率は5体積%であり、最小となっている。そのため、ガス透過係数は、表1の中では最低の206cm3 ・mm/(m2 ・sec・atm)となっている。
ここで、表1においては、比較例CA5、CA7、CA9は、コア20の成形体強度が不合格(表1のバツ印)となっているが、その他の項目は、合格(表1の丸印)となっている。そのため、MSL試験でのクラック発生率を0とすることや、インダクタンス値(L)の変化率が許容値(表1では−5%)以下とすることを満たし、コア20の成形体強度は、その他の手法で担保する(たとえば補強材を付加する等)のであれば、これら比較例CA5、CA7、CA9も、好適なものとなる。
また、表1においては、比較例CA1〜CA3は、製品インダクタンス(Ls)が判定基準値(表1では7)よりも小さくなっており、この製品インダクタンス(Ls)が不合格となっている。しかし、その他の項目は合格(表1の丸印)となっている。そのため、MSL試験でのクラック発生率を0とすることや、インダクタンス値(L)の変化率が許容値(表1では−5%)以下とすることを満たし、製品インダクタンス(Ls)は低くても構わない場合には、これら比較例CA1〜CA3も、好適なものとなる。
(実施例B)
実施例Bでは、磁性粉末として、Fe−Si−Cr系合金とFe系アモルファス粉末を混合した粉末を用い、さらにバインダー樹脂としてエポキシ樹脂である日本ペルノックス社製の製品をベースとしたものを用い、これらをプラネタリーミキサーによって混合することにより混合物を得た。その後に、金型を用いて、混合物を加圧成形することで、コア20を有する磁性素子10を得た。このとき、磁性粉末の体積占有率と、エポキシ樹脂の体積占有率と、空孔の体積占有率とを種々変更して、測定を行った。なお、かかる実施例Bでの測定項目および判定基準は、上述した実施例Aと同様となっている。また、実施例Bでは、バインダー樹脂をエポキシ樹脂とした以外の条件は、表1の場合と同様となっている。表2に、その結果を示す。
Figure 2016171115
表2から明らかなように、実施例B1〜B15においては、上述した(1)〜(3)の全ての条件を満たしているが、これらの製品インダクタンス(Ls)、クラック発生率、インダクタンス値(L)の変化率、成形体強度については、その全てが合格(表2の丸印)となっている。
また、ガス透過係数は、実施例B1〜B15においては、ガス透過係数は最低でも654cm3 ・mm/(m2 ・sec・atm)となっており(実施例B13の場合)、600cm3 ・mm/(m2 ・sec・atm)を超えている。一方で、空孔の体積占有率が6体積%の場合(比較例CB4、CB6、CB8の場合)には、ガス透過係数は最大でも347cm3 ・mm/(m2 ・sec・atm)となっている(比較例CB6の場合)。そのため、空孔の体積占有率が8体積%以上である実施例B1〜B15と、空孔の体積占有率が8体積%より小さい比較例CB4、CB6、CB8の間には、顕著なガス透過係数の差があり、その差がクラック発生率に影響している、と考えられる。
なお、従来例PBにおいては、空孔の体積占有率は5体積%であり、最小となっている。そのため、ガス透過係数は、表2の中では最低の215cm3 ・mm/(m2 ・sec・atm)となっている。
以上より、表2の実験結果からは、表1と同様の結果が得られたことが判明した。
なお、表2においても表1と同様に、比較例CB5、CB7、CB9は、コア20の成形体強度が不合格(表2のバツ印)となっているが、その他の項目は、合格(表2の丸印)となっている。そのため、MSL試験でのクラック発生率を0とすることや、インダクタンス値(L)の変化率が許容値(表2では−5%)以下とすることを満たし、コア20の成形体強度は、その他の手法で担保する(たとえば補強材を付加する等)のであれば、これら比較例CB5、CB7、CB9も、好適なものとなる。
また、表2においては、比較例CB1〜CB3は、製品インダクタンス(Ls)が判定基準値(表2では7)よりも小さくなっており、この製品インダクタンス(Ls)が不合格となっている。しかし、その他の項目は合格(表2の丸印)となっている。そのため、MSL試験でのクラック発生率を0とすることや、インダクタンス値(L)の変化率が許容値(表2では−5%)以下とすることを満たし、製品インダクタンス(Ls)は低くても構わない場合には、これら比較例CB1〜CB3も、好適なものとなる。
なお、上記の表1、表2の結果からすると、実施例A1〜A15、実施例B1〜B15におけるガス透過係数は、上記の測定条件において、500cm3 ・mm/(m2 ・sec・atm)以上となっており、比較例CA1〜CA9、比較例CB1〜CB9よりも格段にガス透過係数が高くなっている。なお、実施例A1〜A15、実施例B1〜B15におけるガス透過係数は、いずれも600cm3 ・mm/(m2 ・sec・atm)以上という条件を満たしており、さらに650cm3 ・mm/(m2 ・sec・atm)以上という条件も満たしている。また、実施例A1〜A15においては、ガス透過係数の最低値は681cm3 ・mm/(m2 ・sec・atm)となっており、いずれの実施例A1〜A15も、その最低値以上のガス透過係数となっている。また、実施例B1〜B15においては、ガス透過係数の最低値は654cm3 ・mm/(m2 ・sec・atm)となっており、いずれの実施例B1〜B15も、その最低値以上のガス透過係数となっている。
以上のような構成の磁性素子10によると、コア20は、当該コア20の全体積に対して60体積%〜80体積%の範囲内の体積占有率の磁性粉末を含み、コア20の全体積に対して12体積%以上の体積占有率のバインダー樹脂を含み、さらにコア20の全体積に対して8体積%以上の体積占有率の空孔を含んでいる。そして、このコア20には、導線31を巻回することにより形成されるコイル30が埋設されている。
そのため、たとえば半田リフローを行う場合のような高温環境下でも、コア20の内部に入り込んだ水分を容易に放出させることが可能となる。それにより、コア20に体積膨張が生じたり、コアにクラックが生じる等の不具合を防止することができる。特に、コイル30が融着層を備える導線31によって形成されている場合には、その融着層は吸湿性に富み、コア20やクラック等が生じやすいが、そのようなクラック等が生じるのを良好に防止可能となる。
したがって、本実施の形態の磁性素子10においては、MSL試験のレベル1のような、外部環境に時間制限なしで放置しても問題なく半田リフローを行える、という要求もクリアすることが可能な磁性素子を実現することが可能となる。
また、コア20においてクラック等の発生が防止されるので、磁性素子10のインダクタンスが低下してしまう等の不具合を防止可能となる。
また、本実施の形態では、コア20は、磁性粉末と、バインダー樹脂と、空孔の体積占有率の合計を100体積%としたときに、バインダー樹脂の体積占有率は、全体積に対して12体積%〜32体積%の範囲内であり、空孔の体積占有率は、全体積に対して8体積%〜28体積%の範囲内となっている。このため、実施例Aおよび実施例Bで述べたように、製品インダクタンス(Ls)は判定基準値よりも高くすることができ、またコア20のクラックの発生を抑えることができる。さらに、インダクタンス値(L)の変化率も低減でき、また成形体であるコア20の強度を確保することができる。
さらに、本実施の形態では、バインダー樹脂は、シリコン樹脂またはエポキシ樹脂となっている。このため、成形後のコア20の強度を確保することが可能となると共に、耐熱性も確保することができる。特に、シリコン樹脂は、エポキシ樹脂よりも耐熱性に優れているので、たとえば耐熱性が要求される車載用の電子部品等に用いられる場合には、一層好ましい。
また、本実施の形態では、実施例Aおよび実施例Bのいずれの磁性素子10も、ガス透過係数が600cm3 ・mm/(m2 ・sec・atm)以上となっている。このため、導線31の融着層やコア20等が水分を吸湿し、そのままの状態で半田リフローを何ら対策を施さなく行っても、コア20にクラック等が生じるのを防止可能となる。
さらに、本実施の形態では、磁性粉末の体積占有率は、65体積%〜75体積%の範囲内とするのが好ましい。この範囲とする場合には、実施例Aおよび実施例Bから明らかなように、磁性粉末の割合が60体積%の場合よりも製品インダクタンス(Ls)の値を約1.5倍程度に大きくすることができる。また、バインダー樹脂と空孔のうち少なくとも一方の体積占有率については、それぞれの許容範囲内の下限より大きな値とすることができ、それによってガス透過性およびコア20の成形体の強度の内の少なくとも一方を、一層良好なものとすることができる。
さらに、本発明の磁性素子の発明は、磁性素子10は、端子部40を更に備えている。すなわち、端子部40は、端末31aに電気的に接続され、コア20の外周面に取り付けられると共に、外部の実装基板に対して電気的に接続される状態で取り付けられる。このため、磁性素子10をSMD(表面実装)タイプとすることができ、半田リフロー等を行うと、磁性素子10を実装基板に実装可能となる。
<変形例>
以上、本発明の一実施の形態について説明したが、本発明はこれ以外にも種々変形可能となっている。以下、それについて述べる。
上述の実施の形態では、磁性粉末と、バインダー樹脂と、空孔の3つの要素の体積占有率の合計は、コア20の体積の100体積%(全体積)となっている。しかしながら、上記の条件(1)〜(3)を満たすのであれば、これら3つの要素の体積占有率の合計は、100体積%よりも小さくても良い。すなわち、コア20は、上記の3つの要素以外の要素を有する構成であっても良い。
また、上述の実施の形態では、磁性粉末とバインダー樹脂の混合物を圧縮成形することによって、所望の空孔率を備えるコア20を形成している。しかしながら、コア20は、圧縮成形以外の製作方法によって形成しても良い。たとえば、耐熱性を備えつつも溶媒に可溶な溶媒可溶型ポリイミドを混合してコア20を加圧成形した後に、有機溶剤にて、溶媒可溶型ポリイミドを溶解させることにより、コア20に空孔を形成するようにしても良い。
また、上述の実施の形態では、磁性素子として、インダクタを例に挙げて説明している。しかしながら、磁性素子としては、トランス等に本発明を適用するようにしても良い。
10…磁性素子、20…コア、30…コイル、31…導線、31a…端末、40…端子部、41…側面取付部、42…底面実装部、43…端子用切欠部、44…埋込部、100…金型、101…上側ダイ、102…下側ダイ、103…上側パンチ、104…下側パンチ、200…測定装置、201…一方の型、201a…導入路、201b…膨張空間、202…他方の型、202a…保持空間、202b…排気路、203…シール部材、210…加圧手段、211…加圧シリンジ、212…ピストン、220…気体補足手段、221…導入シリンダ、222…ピストン、P…筒状部、S…内部空間

Claims (7)

  1. 全体積に対して60体積%〜80体積%の範囲内の体積占有率の磁性粉末を含み、全体積に対して12体積%以上の体積占有率のバインダー樹脂を含み、さらに全体積に対して8体積%以上の体積占有率の空孔を含むコアと、
    導線を巻回することにより形成されると共に、前記コアに埋設されるコイルと、
    を有することを特徴とする磁性素子。
  2. 請求項1記載の磁性素子であって、
    前記磁性粉末と、前記バインダー樹脂と、前記空孔の体積占有率の合計を100体積%としたときに、
    前記バインダー樹脂の体積占有率は、全体積に対して12体積%〜32体積%の範囲内であり、
    前記空孔の体積占有率は、全体積に対して8体積%〜28体積%の範囲内である、
    ことを特徴とする磁性素子。
  3. 請求項1または2記載の磁性素子であって、
    前記バインダー樹脂は、シリコン樹脂、エポキシ樹脂のうちのいずれかである、
    ことを特徴とする磁性素子。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の磁性素子であって、
    ガス透過係数が600cm3 ・mm/(m2 ・sec・atm)以上である、
    ことを特徴とする磁性素子。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の磁性素子であって、
    前記磁性粉末の体積占有率は、65体積%〜75体積%の範囲内である、
    ことを特徴とする磁性素子。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の磁性素子であって、
    前記コイルの端末に電気的に接続され、前記コアの外周面に取り付けられると共に、外部の実装基板に対して電気的に接続される状態で取り付けられる端子部を備える、
    ことを特徴とする磁性素子。
  7. 磁性素子の製造方法であって、
    磁性粉末を分母、バインダー樹脂を分子としたときの体積占有率の比率が、3/20〜8/15の範囲内で磁性粉末とバインダー樹脂とを添加して混合物を形成する混合工程と、
    金型の筒状部の内部にコイルをセットし、さらに前記コイルに対して電気的に接続される端子部が成形後のコアから露出する状態でセットすると共に、前記金型の筒状部の内部に前記混合物を充填する充填工程と、
    前記充填工程で充填された前記混合物を圧縮してコアを成形する圧縮成形工程と、
    を備え、
    前記圧縮成形工程では、前記混合物を圧縮する圧力の調整によって、前記コアに対する空孔の体積占有率が8体積%〜28体積%の範囲内に収まるように前記コアを成形する、
    ことを特徴とする磁性素子の製造方法。


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