JP2016169957A - インクジェット法を用いた検査方法および検査装置 - Google Patents

インクジェット法を用いた検査方法および検査装置 Download PDF

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Abstract

【課題】少量の試料でも、短時間に高感度および高精度で複数の試料の検査が可能なインクジェット法を用いた検査方法、およびこれを実施する検査装置を提供する。【解決手段】本発明に係るインクジェット法を用いた検査方法は、被検体を含む第1の溶液を、インクジェット法で吐出させることにより基板上に塗布する第1の工程と、抗体を含む第2の溶液を、インクジェット法で吐出させることにより基板上に塗布する第2の工程と、を有し、第1の溶液と第2の溶液は、基板上の同じ位置に塗布され、抗体と被検体とを基板上で反応させることにより、被検体を定量する。【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット法を用いた検査方法、およびこれを実施する検査装置に関する。
免疫学的測定法(以下イムノアッセイという)は、物理・化学的測定法の1つであり、抗原の抗体に対する結合能力を利用して試料液体中に含まれる物質を定量的に測定する方法である。例えば、機器分析を用いて定量分析を行う場合には、目的とする物質の磨砕抽出の後に煩雑な精製操作が必要となるが、イムノアッセイでは簡単な前処理のみで測定が可能である。このように、操作が簡単で短時間で分析結果がわかるだけでなく、高価な分析機器や試薬を必要としないため、イムノアッセイは汎用されている。
その中でもエライザ(ELISA)法は、抗原または抗体を、支持体、例えば、ポリスチレンよりなるマイクロプレートの底面に吸着固定し、そのウェル内で抗原抗体反応を行う方法として広く用いられている。しかしながら、この手動による方法では、機器分析ほどではないものの前処理が必要であり、また、反応操作に熟練を要すること、更には検査専用の器具などが必要なことから、大規模な検査機関でしか利用できなかったり、一度に検査できる検体数を増やすことができない。
そこで、より簡易な方法として、抗原抗体反応を平板の膜面上で行う、いわゆるクロマト法が用いられている。クロマト法は、測定対象物である被検体と、被検体中に含まれる特定の物質に特異的に反応する抗原または抗体とをまず反応させ、平板の膜面上を移動させながら、事前に膜面上の中間部分に固相化しておいた測定対象物に対する抗原もしくは抗体とを反応させることにより、測定対象物の有無を判別するものである。しかし、精度の良い検査結果を得るためには、再現性良く、一定量の抗原や抗体を正確に所定の膜面上に固相化させることが難しく、反応に時間がかかるという欠点がある。
このクロマト法において、平板の膜面上に抗原もしく抗体をあらかじめ固相化する方法は極めて重要であり、精度の良い検査結果を得るためには、再現性良く、一定量の抗原や抗体を正確に所定の膜面上に固相化する必要がある。そこで、インクジェットを用いる方法が検討されている。
これまでに検討されてきたものとして、例えば、特許文献1には、インクジェット法によりタンパク質溶液を液滴として固相に付着させる方法が開示されており、この方法によりタンパク質が基板上に安定に固定され、かつこのタンパク質の機能・活性が失活することなく安定に保持される旨が記載されている。また、特許文献2にも、インクジェットを用いた反応性材料の固定化技術が開示されている。
さらに、特許文献3には、印字機構にピエゾ素子を有するインクジェット方式の印刷機を使用し、抗体や抗原を固相化するに際して、ニトロセルロース膜等のように蛋白質吸着能を有する膜もしくは担体を用いることが開示されている。
また、特許文献4には、抗原抗体反応により標的物質を検出するためのチップであって、該チップは標的物質の検出が認識される判定領域を1又は2以上有し、それぞれの判定領域が、標的物質と抗原抗体反応を起こす検出用タンパク質を固定化した固定化領域を独立して2以上備える、標的物質検出用チップが開示されている。
特開2005−069988号公報 特開2001−116750号公報 特開平09−54093号公報 特開2010−008109号公報
しかしながら、これらの技術は、測定に使用する試料及び試薬を減らすと検出感度が低下するため、定量分析を行うためには、更なる感度および精度の向上が望まれている。
そこで、本発明に係る幾つかの態様は、上述の課題の少なくとも一部を解決することで、少量の試料でも、短時間に高感度および高精度で複数の試料の検査が可能なインクジェット法を用いた検査方法、およびこれを実施する検査装置を提供することにある。
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することができる。
[適用例1]
本発明に係るインクジェット法を用いた検査方法の一態様は、
被検体を含む第1の溶液を、インクジェット法で吐出させることにより基板上に塗布する第1の工程と、
抗体を含む第2の溶液を、インクジェット法で吐出させることにより前記基板上に塗布する第2の工程と、を有し、
前記第1の溶液と前記第2の溶液は、前記基板上の同じ位置に塗布され、
前記抗体と前記被検体とを前記基板上で反応させることにより、前記被検体を定量する。
適用例1の態様によれば、インクジェット法により第1の溶液と第2の溶液とを基板上の同じ位置に塗布しているため、少量の試料でも、短時間に高感度および高精度で複数の試料の検査が可能となる。
[適用例2]
適用例1のインクジェット法を用いた検査方法において、
前記第1の溶液と前記第2の溶液とが、複数回の吐出によって前記基板上で混合されることができる。
[適用例3]
適用例1または適用例2のインクジェット法を用いた検査方法において、
前記基板の被着面は撥水領域を備えることができる。
[適用例4]
適用例1ないし適用例3のいずれか一例のインクジェット法を用いた検査方法において、
前記基板は透明であることができる。
[適用例5]
適用例1ないし適用例4のいずれか一例のインクジェット法を用いた検査方法において

前記抗体は、粒子に付着されていることができる。
[適用例6]
適用例1ないし適用例5のいずれか一例のインクジェット法を用いた検査方法において、
前記粒子の粒子径が10nm以上1μm以下であることができる。
[適用例7]
適用例1ないし適用例6のいずれか一例のインクジェット法を用いた検査方法において、
前記反応は、加熱手段により加熱されながら行われることができる。
[適用例8]
適用例1ないし適用例7のいずれか一例のインクジェット法を用いた検査方法において、
前記第1および第2の溶液を吐出させる方式が、電歪素子を用いたヘッドを用いる方式であることができる。
[適用例9]
適用例1ないし適用例8のいずれか一例のインクジェット法を用いた検査方法において、
前記第1の溶液と前記第2の溶液とは、異なるノズルより吐出させることができる。
[適用例10]
適用例1ないし適用例9のいずれか一例のインクジェット法を用いた検査方法において、
更に、洗浄液、試薬溶液、増幅溶液および検出溶液からなる群より選択される少なくとも一種である第3の溶液を、前記第1および第2の溶液を塗布した位置と同じ位置に塗布する第3の工程を有することができる。
[適用例11]
本発明に係るインクジェット法を用いた検査装置の一態様は、
被検体を含む第1の液体をインクジェット法により基板上に吐出する第1のノズルと、
抗体を含む第2の液体をインクジェット法により前記基板上に吐出する第2のノズルとを備え、
前記第1のノズルと前記第2のノズルは、前記第1の溶液と前記第2の溶液とが、前記基板上の同じ位置に吐出されるように構成される。
本実施の形態に用いる検査装置の構成を示す図。 液滴吐出ヘッドの構成を示す図。 基板上にアレイ状に配置された溶液を示す上面図。 基板上に溶液を吐出する様子を示す図。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は、下記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形例も含む。
1.インクジェット法を用いた検査方法および検査装置
本発明の一実施形態に係るインクジェット法を用いた検査方法は、被検体を含む第1の溶液を、インクジェット法で吐出させることにより基板上に塗布する第1の工程と、抗体を含む第2の溶液を、インクジェット法で吐出させることにより基板上に塗布する第2の工程と、を有し、第1の溶液と第2の溶液は、基板上の同じ位置に塗布され、抗体と被検体とを基板上で反応させることにより、被検体を定量する。
以下、本実施の形態に係るインクジェット法を用いた検査方法について、これを実施可能な装置の構成、基板、検査方法の順に詳細に説明する。
1.1.検査装置
本実施の形態に係る検査方法が実施されるインクジェット法を用いた検査装置は、被検体を含む第1の液体をインクジェット法により基板上に吐出する第1のノズルと、抗体を含む第2の液体をインクジェット法により基板上に吐出する第2のノズルとを備え、第1のノズルと第2のノズルは、第1の溶液と第2の溶液とが、基板上の同じ位置に吐出されるように構成される。なお、ここにおいて、「基板上の同じ位置」とは、基板上で第1の溶液の液滴と第2の溶液の液滴とが接触できる領域をさす。本実施の形態に係る検査装置としては、例えば、図1に示す液滴吐出装置が挙げられる。
図1は、本実施の形態の検査装置として用いる液滴吐出装置の構成を示す図である。
図1に示すように、液滴吐出装置は、液滴吐出部100、ステージ(作業台)101、Y方向駆動軸102、X方向ガイド軸104、ステージ駆動モータ105、基台106、制御部107を備えて構成され、ステージ101上には、基板108が載置されている。この基板108上に、被検体を含む第1の溶液と抗体を含む第2の溶液をインクジェット法で吐出させることにより基板上に塗布し、第1の溶液と第2の溶液とを混合して抗体と被検体とを基板上で反応させる。
Y方向駆動軸102には、Y方向駆動モータ103が接続されている。Y方向駆動モータ103は、例えばステッピングモータ等であり、制御部107からY軸方向に対向する動作信号が供給されると、Y方向駆動軸102を回転させる。Y方向駆動軸102が回転させられると、液滴吐出部100はY方向に移動する。
X軸方向ガイド軸104は、基台106に固定されている。また、ステージ101には、ステージ駆動モータ105が接続されている。ステージ駆動モータ105は、例えばステッピングモータ等であり、制御部107からX軸方向に対応する駆動信号が供給されると、ステージ101をX方向に移動させる。すなわち、ステージ101をX方向に駆動し、液滴吐出部100をY方向に駆動することによって、液滴吐出部100を基板108上の所望の場所に自在に移動させることができる。なお、液滴吐出部100および基板108を相対的に移動させる手段としては、上記構成に限られず適宜変更可能である。
制御部107は、吐出させる溶液の吐出タイミング、吐出回数等を制御する為の駆動信号を液滴吐出部100に供給する。また、制御部107は、Y方向駆動モータ103及びステージ駆動モータ105のそれぞれに対して、これらの動作を制御する為の駆動信号を供給する。
次いで、液滴吐出部100の構成例について説明する。図2は、液滴吐出ヘッドの構成を示す図である。このような液滴吐出ヘッド30が液滴吐出部100内に、ノズル321が基板108と対向するよう内蔵される。この液滴吐出ヘッドは、いわゆる静電駆動方式である。
図2(A)に示すように、液滴吐出ヘッド30は、カバーガラス31と加圧室基板32と電極基板33とによって構成されている。また、図2(B)に示すように、加圧室基板32には、タンク(図示せず)から供給される液体の受領口323と、加圧室322とノズル321が連通するように形成されている。加圧室322の壁の一部には振動板が設けられており、この振動板と対向する側であって、流路とは反対側に、空隙を介して電極334(対向電極)が設けられている。振動板と対向電極334に電位差を与えると、振動板は、対向電極334に静電圧力により引き付けられて、加圧室に負圧を発生させる。この電位差を解除した際に、振動板の復元力により、加圧室内の液体を微少粒径の液滴にしてノズル321から吐出させる。
上記ノズル321から基板108上に各溶液を吐出させることにより、基板108上に複数の溶液の液滴を塗布することができる(図3参照)。図3は、基板108上にアレイ状に配置された溶液を示す上面図である。
なお、液滴吐出部100に液滴吐出ヘッド30を複数内蔵させて、ヘッド毎に個別にタンクを接続する構成が好ましい。個別にタンクを配置することにより、多種の吐出溶液を塗布することが可能となり、後述する検査方法に用いる各種溶液をヘッド毎に塗布することが可能となる。なお、1つのタンクを複数のヘッドに共通に配置してもよい。タンクを共通とすれば、同一の被検体溶液を基板108上に吐出することができる。
図2においては、液滴吐出ヘッド30として、印字機構部分が静電駆動方式のヘッドを例示したが、これに限らず、電歪素子(ピエゾ素子)を用いたピエゾ方式、気泡方式のヘッドも採用することができるが、被検体と反応させる抗体の分解・変質等を防止するため、瞬間的な発熱を併有しない静電駆動方式またはピエゾ方式のヘッドを採用することが好ましい。静電駆動方式またはピエゾ方式を用いた吐出では、熱を発生することもなく、また、サーマルヘッドのように熱源に付着することもないため、熱に弱い抗原や抗体が劣化することが防止される。
また、液滴吐出ヘッド30は、複数色のインクを噴射し、各色ごとに多数のノズルを備えるフルカラー印刷用のシリアル型ヘッドであることが好ましい。例えば、液滴吐出ヘッド30の基板108と対向する面に形成されたノズル面(図示せず)に溶液を吐出するノズル(ノズル開口)を複数設け、所定方向に複数配列されることでノズル列を構成してもよい。この場合には、複数のノズル列を設けることにより、1ノズル列ずつ異なる溶液を充填することができる。
このように、複数のノズル321を備える構成の場合には、そのうちの1つを、被検体を含む第1の溶液をインクジェット法により基板上に吐出する第1のノズル(図示せず)とし、別の1つを抗体を含む第2の溶液をインクジェット法により基板108上に吐出する第2のノズル(図示せず)に割り当てることができる。また、それ以外のノズルを、抗体と被検体との反応物を洗浄する洗浄液や、試薬溶液、増幅溶液、検出溶液などの第3の溶液をインクジェット法により基板108上に吐出するノズルに割り当てることができる。なお、インクジェット法を用いずに他の溶液を吐出することも可能であるが、安定して溶液を定量吐出をさせる観点から、第3の溶液もインクジェットのヘッドから吐出されることが好ましい。
本実施の形態の検査装置として用いる液滴吐出装置では、液滴吐出部100を複数のノズル321を備える構成とすることにより、多種の被検体や各種溶液を基板108上に吐出することができ、作業効率を向上させることが可能となる。
なお、本実施の形態で用いる液滴吐出装置では、基板108が搭載されるステージ101に加熱手段110が接続されている(図1参照)。かかる構成部分を図4の模式図を参照しながら説明する。図4は、本実施の形態の液滴吐出装置の要部断面図である。
図4に示すように、液滴吐出部100のノズル321の下部に基板108が配置されている。この基板108は、ステージ101上にはめ込まれ、固定されている。ステージ101の裏面には、加熱ヒーター110として加熱素子110Aが接続され、配線110Bによって外部電源(図示せず)と接続されている。加熱素子110Aは、加熱手段として用いられているものであれば、特に制限されず使用可能である。例えば、加熱素子110Aとして金属を用いた抵抗発熱体などが使用可能であるが、抗原抗体反応の至適温度、例えば、37℃を維持できる程度に加温し、高温になり過ぎない程度に制御可能であるものが好ましい。
このように、本実施の形態で用いる液滴吐出装置では、加熱ヒーター110によりステージ101を介して基板108を加温し、ノズル321から基板108上に吐出された溶液350aを加温することができる。このため、基板108上の、後述する抗原抗体反応や、その他の発色および発色停止反応などを促進することが可能となる。なお、加熱素子110Aの代わりに圧電素子を用いてもよい。圧電素子を用いた場合には、圧電振動により、各溶液の混合および反応を促進することが可能となる。
1.2.基板
次に、本実施の形態に係るインクジェット法を用いた検査方法において使用する基板について説明する。
本実施の形態で使用する基板108としては、例えばガラス基板などを用いることができる。また、基板108は、その表面(被着面)に撥水領域(図示せず)を備えることが好ましい。後述するように、本実施の形態で用いる第1および第2の溶液は水系の溶液であるため、基板108が表面に撥水領域を備える場合には、図4に示すように、ノズル321から吐出されることにより塗布された溶液350aの基板108表面との接触角が大きくなり、抗原抗体反応などの各反応が促進される。
基板として、
接触角が大きくなり過ぎると、溶液が球状になって混合しにくくなるため、接触角は150°を超えないことが好ましい。また、撥水領域は、基板108の全面に形成されてもよく、部分的に形成されることにより、基板108の被着面に撥水領域と浸水領域を備える構成としてもよい。例えば、被検体を含む第1の溶液と抗体を含む第2の溶液とを基板108上の浸水領域に塗布し、そこで反応させる構成としてもよい。浸水領域では、塗布された溶液の接触角が90°以下になり、濡れ性があるため、各溶液が撥水領域にはみ出た場合であっても、浸水領域に戻りやすくなる。このため、被検体を含む第1の溶液と抗体を含む第2の溶液との抗原抗体反応をはじめとする各反応が確実に行われる。
基板108の撥水領域は、例えば、撥水性を有する金属アルコキシドの分子膜を成膜し、その後、乾燥処理、アニール処理等を経て形成することができる。また、例えば、ガラス基板の表面をシリコーンで撥水処理してもよい。被着面に撥水領域と浸水領域を備える基板を形成する場合には、例えば、フッ素樹脂などを用いたプラズマで撥水処理した後、この基板上に5mm程度の円形の穴の開いたマスクを被せて酸素プラズマで円形部分の浸水処理を行い、マスクをはがして、円形の浸水領域と、それ以外の撥水領域を有する基板を形成してもよい。また、撥水処理した基板表面に、セルロースナノ粒子をインクジェット法を用いて塗布し、その後乾燥することによって浸水領域を形成してもよい。
なお、基板108は透明であってもよい。基板108が透明の場合には、後述するプレートリーダーで吸光度を測定しなくても、各溶液の発色の程度が裏面より目視で識別できるため、短時間で反応結果の概要を知ることが可能となる。
1.3.第1の溶液
次に、本実施の形態に係るインクジェット法を用いた検査方法において使用する第1の溶液について説明する。第1の溶液は、第2の溶液に含まれる抗体と特異的に反応する被検体を含む。
例えば、直接競合阻害ELISA法では、農薬などの被検体、およびそのハプテンと酵素との結合体(酵素標識ハプテン)が、それらに対する抗体と競合的に反応した後、抗体と結合した酵素標識ハプテンの酵素活性を利用して農薬濃度を測定するものであり、測定時の反応ステップが少なく高感度で精確さに優れる検査方法である。通常、抗体は96ウェルプレートの各ウェルなどの担体に固相化され、そこに被検体が分注されてウェル中で反応されるが、本実施の形態に係るインクジェット法を用いた検査方法では、抗体を担体に固相化させずに、被検体を含む第1の溶液が塗布された位置と同じ位置にインクジェット法で吐出させることにより基板上に塗布し、基板上で第1の溶液と第2の溶液を反応させることにより、被検体を定量する。
被検体を含む第1の溶液としては、例えば、野菜中に含まれる農薬を定量する場合には、野菜をジューサで1分間粉砕均一化することにより得られる液体を、そのまま、もしくは、必要により濾過したり水で希釈することにより得られる。従来より用いられている方法では、粉砕均一化した試料にメタノールなどの有機溶媒を加えて振とう抽出し、その後ろ過するなどの前処理が必要である。これに対し、インクジェット法を用いる場合には、前処理せずに、粉砕均一化をそのまま用いることができるため、検査の手間を省き、短時間で検査することが可能となる。
第1の溶液の粘度は、例えば、グリセリンなどを添加することにより、1mPa・s以上100mPa・s以下に調整されることが好ましい。溶液の粘度が1mPa・sより小さい場合には吐出が不安定となり、定量吐出が困難となる。また、溶液の粘度が100mPa・sを超えると、環境温度によって吐出量がばらつきやすくなる。好ましくは、溶液の粘度は2mPa・s以上20mPa・s以下であり、より好ましくは3mPa・s以上10mPa・s以下である。
1.4.第2の溶液
次に、本実施の形態に係るインクジェット法を用いた検査方法において使用する、抗体を含む第2の溶液について説明する。第2の溶液は、第1の溶液に含まれる被検体と特異的に反応する抗体を含む。
第2の溶液は、抗体を、蒸留水などの水系溶媒に所定の濃度となるように添加することにより調製される。用いられる抗体は、第1の溶液に含まれる被検体と特異的に反応する抗体であればどのようなものでも使用可能であるが、モノクローナル抗体を用いることが好ましい。例えば、被検体として農産物中の農薬を対象とした場合、農産物に由来する夾雑物の影響により、農産物の残留農薬の測定は誤差が生じやすい。そこで、被検体である農薬と高い反応性を示すモノクローナル抗体を用いると、夾雑物の影響を受けにくくなり、更に感度および精度を向上させることが可能となる。
また、抗体が基板に付着しやすくなるように、抗体をポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン等の微粒子に付着されていることが好ましい。この場合、微粒子の直径は、インクジェット法により吐出可能な大きさであることが好ましく、例えば、微粒子の直径
が10nm以上1μm以下であることが好ましい。微粒子の直径が10nm未満の場合は、微粒子に固定化される抗体がばらつきやすくなり、1μmを超えるとインクジェットでの吐出が不安定になりやすい。微粒子の直径は、好ましくは15nm以上500nm以下であり、より好ましくは20nm以上300nm以下である。なお、抗体の微粒子への固定化は、例えば、抗体と、吸着又は固相である微粒子の官能基との共有結合によって行われる。
第2の溶液の粘度は、第1の溶液と同様に、例えば、グリセリンなどを添加することにより、1mPa・s以上100mPa・s以下に調整されることが好ましい。溶液の粘度が1mPa・sより小さい場合には吐出が不安定となり、定量吐出が困難となる。また、溶液の粘度が100mPa・sを超えると、環境温度によって吐出量がばらつきやすくなる。好ましくは、液体の粘度は2mPa・s以上20mPa・s以下であり、より好ましくは3mPa・s以上10mPa・s以下である。
1.5.第3の溶液
次に、本実施の形態に係るインクジェット法を用いた検査方法において、上記第1および第2の溶液以外の第3の溶液を用いてもよい。
第3の溶液としては、例えば、抗原抗体反応後の未反応物質を洗浄除去するための、洗浄液としてのイオン交換水や、抗原または抗体を発色させる発色液および発色反応を停止させる反応停止薬などがあげられる。また、PCR法(ポリメラーゼ連鎖反応法)を用いた検査法の場合には、DNAを増幅させるための増幅溶液があげられる。その他、各種検出物質を含む検出溶液を用いてもよい。
また、第3の溶液においても、第1および第2の溶液と同様に、例えば、グリセリンなどを添加することにより、1mPa・s以上100mPa・s以下に粘度が調整されることが好ましい。
なお、上記各種溶液は、自分で調製することも可能であるが、市販キットを用いてもよい。市販キットとしては、例えば、農薬用としては、残留農薬測定ELIZAキット Smart Assayシリーズ(ホリバ・バイオテクノロジー社製)、EnviroGard残留農薬キット(SDI社製)、RaPIDAssay残留農薬キット(SDI社製)、TubeKit残留農薬キット(Beacon社製)などがあげられる。これらの市販キットを用いることにより、より簡便に検査を行うことが可能となる。
1.6.検査方法
次に、本実施の形態に係るインクジェット法を用いた検査方法について説明する。
本実施の形態に係るインクジェット法を用いた検査方法は、被検体を含む第1の溶液を、インクジェット法で吐出させることにより基板上に塗布する第1の工程と、抗体を含む第2の溶液を、インクジェット法で吐出させることにより基板上に塗布する第2の工程と、を有し、第1の溶液と第2の溶液は、基板上の同じ位置に塗布され、抗体と被検体とを基板上で反応させることにより、被検体を定量することによって行われる。
本実施の形態に係るインクジェット法を用いた検査方法では、第1および第2の工程において、溶液を基板上に塗布する方法としてインクジェット法を用いているため、短時間に、基板上に多種の溶液を小面積に塗布することができる。このため、一度に検査できる検体数を増やすことが可能となる。検体数を増やすことにより、例えば、一度に複数種の被検体を検査できるだけでなく、複数種の抗体を用いたり、異なる希釈倍率とした希釈列を作ることが可能となる。このように、インクジェット法を用いることにより、複数種の
被検体に対して、複数種の試薬、各種濃度で一度に検査することが可能となる。
また、マイクロピペットを使用してサンプル瓶やマイクロプレートに溶液を分注する場合には混合・振とう工程が必要であるが、インクジェット法を用いる場合には、別途混合・振とう工程を行うことなく、第1の溶液と第2の溶液とを、均一に混ぜることが可能となる。更に、インクジェット法を用いることにより、少量の試料で検査でき、更には、1回の吐出で形成されるドットの大きさを適宜調節できるため、短時間に、高感度および高精度で複数の試料の定量的な検査が可能となる。
上述したように、「基板上の同じ位置」とは、基板108上で第1の溶液の液滴と第2の溶液の液滴とが接触できる領域をさす。つまり、基板上108に塗布された第1の溶液の液滴と第2の溶液の液滴とが、接触することにより1つの液滴となって混合し、反応可能な領域をさす。
本実施の形態に係るインクジェット法を用いた検査方法においては、第1の工程と第2の工程は、同時に行っても、また、どちらの工程を先に行ってもよい。第1の工程と第2の工程を同時に行う場合には、溶液を基板上に塗布すると同時に第1の溶液と第2の溶液とを均一に混合することが可能となり、第1および第2の溶液の塗布と同時に抗原抗体反応が開始され、より検査時間を短くすることが可能となる。
また、第1の工程と第2の工程において、1ドットの量がそれぞれ1pl以上10μl以下であることが好ましい。1ドットの量が1pl未満ではドットが霧状になりやすく、安定な吐出が困難になり、10μlを超えると第1の溶液と第2の溶液との混合が不安定になりやすい。より好ましくは、1ドットの量は10pl以上1μlで以下ある。このように、マイクロピペットを使用してサンプル瓶やマイクロプレートに溶液を分注する場合には、溶液量が多くなり、手動のためばらつきも大きくなるが、インクジェット法を用いた場合には溶液量が少なくてすみ、ばらつきも小さくなる。
また、第1の溶液と第2の溶液とが、複数回の吐出によって基板上で混合されてもよい。複数回の吐出することにより、基板上の第1の溶液と第2の溶液とを、より均一に混合することが可能となる。
本実施の形態に係るインクジェット法を用いた検査方法では、抗原抗体反応が加熱手段により加熱されながら行われてもよい。上述したように、加熱手段により加熱することにより、抗原抗体反応が促進される。また、その他の反応時にも加熱することにより、その他の発色および発色停止反応などを促進することが可能となる。なお、各反応は、加熱手段による加熱だけでなく、圧電素子などを用いて圧電振動しながら行われてもよい。また、反応促進のために、光を照射してもよい。
更に、洗浄液、試薬溶液、増幅溶液および検出溶液からなる群より選択される少なくとも一種である第3の溶液を、第1および第2の溶液を塗布した位置と同じ位置に塗布する第3の工程を有してもよい。第3の工程を有することにより、同じ装置での操作が可能となり、検査が容易となる。なお、第3の工程では、インクジェット法を用いずに他の溶液を塗布することも可能であるが、安定して溶液を定量吐出をさせる観点から、第3の溶液もインクジェットのヘッドから吐出されることが好ましい。
第3の工程において、例えばイオン交換水を洗浄液として用いる場合には、基板に対して一定量のイオン交換水を吐出させ、基板を移動させることにより行ってもよい。
これらの工程を経た反応物を、例えば、発色試薬を用いて発色させた場合には、例えば
、プレートリーダーにより特定の波長における吸光度を測定し、検量線との比較により濃度を測定することができる。
以上により、本実施の形態に係るインクジェット法を用いた検査方法では、インクジェット法を用いることにより、一度に複数種および濃度の異なる被検体を、高感度および高精度で検出することができる。このため、検体数を増やすことが難しいイムノアッセイにおいて、少量の試料で簡易に、また精度良く検査を行うことができ、更には、短時間でかつ低コストで行うことができる。これにより、例えば従来は分析できなかった微量かつ多数の被検体を同時に検出することが可能となり、タンパク質間相互作用及びタンパク質と他の分子との相互作用の解析を容易に行うことができる。また、医療現場において、短時間で病気の予防及び診断のために利用すること等も可能になる。更に、一度に多数の試料を測定可能なため、測定対象が多い残留農薬の分析を短時間で行うことが可能となる。
2.実施例
以下、本発明を実験例および比較例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに何ら限定されるものではない。本実施例では、競合式酵素免疫測定法を用いた残留農薬を検査する被検体として、トマトを用いた。使用するトマトは、可食部を細切りし、ジューサで1分間粉砕均一化した後、必要に応じて孔径5μmのメンブランフィルターで濾過することによりトマト果汁として用いた。トマト果汁は、予め、残留農薬が検出されないことを確認して用いた。
2.1.検量線作成用標準液の調製
下記市販キット1〜4に含まれている農薬試薬を用いて、4種の農薬(アセタミプリド、イソキサンチオン、チアメトキサム、マラチオン)の検量線作成用標準液を調製した。まず、上記トマト果汁を5g試験管に入れ、農薬試薬を20ppbの濃度になるように添加し、次に、この混合液に下記市販キット1〜4に含まれている酵素複合体液を加えて等量混合希釈し、検量線作成用標準液とした。検査装置として、ピエゾ素子のヘッドを用いたインクジェットプリンターPX−G930(セイコーエプソン株式会社製)を用い、得られた検量線作成用標準液を4つのインク容器にそれぞれ入れ、各インク容器にグリセリンを添加し、溶液の粘度を4mPa・sに調整して吐出量を定量化した。なお、市販キット1〜4としては、残留農薬測定ELIZAキット Smart Assayシリーズ(ホリバ・バイオテクノロジー社製)の96ウェルプレート仕様を用いた。
<イムノアッセイ市販キット HORIBA>
・市販キット1:アセタミプリド測定キット
・市販キット2:イソキサンチオン測定キット
・市販キット3:チアメトキサム測定キット
・市販キット4:マラチオン測定キット
2.2.被検体溶液の調製
2.2.1.実施例1
検量線作成用標準液と同様に、トマト果汁を5g試験管に入れ、農薬成分としてアセタミプリドを1ppbの濃度になるように添加し、次に、上記2.1.と同様に酵素複合体液を加えて等量混合希釈して被検体溶液を調製した。そして、インクジェットプリンターの別のインク容器に入れ、グリセリンを添加し、被検体溶液の粘度を4mPa・sに調整して吐出量を定量化した。
2.2.2.実施例2
実施例1において農薬成分として添加したアセタミプリドの代わりにイソキサンチオンを5ppbの濃度になるように添加した以外は実施例1と同様に調製して実施例2とした。
2.2.3.実施例3
実施例1において農薬成分として添加したアセタミプリドの代わりにチアメトキサムを添加した以外は実施例1と同様に調製して実施例3とした。
2.2.4.実施例4
実施例1において農薬成分として添加したアセタミプリドの代わりにマラチオンを100ppbの濃度になるように添加した以外は実施例1と同様に調製して実施例4とした。
2.2.5.実施例5
実施例1において農薬成分として添加したアセタミプリドの代わりに、アセタミプリドとチアメトキサムの混合物を添加した以外は実施例1と同様に調製して実施例5とした。
2.3.抗体溶液の調製
検量線作成用標準液および被検体溶液を入れた容器とは別のインク容器に、上記市販キット1に含まれている抗体溶液を入れ、グリセリンを添加し、被検体溶液の粘度を4mPa・sに調整して吐出量を定量化した。同様に、他の3つのインク容器には、上記市販キット2〜4に含まれている抗体溶液をそれぞれ入れ、グリセリンを添加し、各抗体溶液の粘度を4mPa・sに調整して吐出量を定量化した。
2.4.その他の溶液の調製
洗浄用のイオン交換水、発色液および反応停止薬を、検量線作成用標準液、被検体溶液および抗体溶液とは異なるインク容器に別々に入れた。これらのインク容器中の溶液には、検量線作成用標準液、被検体溶液および抗体溶液と同様に、グリセリンを添加して各溶液の粘度を4mPa・sに調整して吐出量を定量化した。
2.5.農薬の定量
2.5.1.検量線の作成
室温において、表面をシリコーンで撥水処理したガラス基板上に、インクジェット法により各抗体溶液を50μlになるドット数塗布した。塗布した抗体溶液上に、検量線作成用標準液を50μlになるドット数塗布し、その状態で30分間放置し、抗体溶液中の抗体と、検量線作成用標準液中の農薬成分とを抗原抗体反応させた。室温に放置している間に、基板上で反応した反応液の水分はほとんど蒸発した。次に、反応物上にインクジェット法によりイオン交換水を塗布して基板上の混合部分を洗浄し、未反応の農薬成分を除去した。その後、洗浄した反応物上に発色液をインクジェット法により塗布し、10分間放置して発色反応させた。そして、発色反応させた箇所に反応停止液をインクジェット法により塗布し、反応を停止させた。最後に、Thermo Scientific社製 Multiskan GOマイクロプレートスペクトロフォトメータにより450nmの波長における吸光度を測定し、検量線を作成した。
2.5.2.被検体溶液中の農薬成分の測定
検量線の作成と同様に、室温において、表面をシリコーンで撥水処理したガラス基板上に、インクジェット法により各抗体溶液を50μlになるドット数塗布した。塗布した抗体溶液上に、被検体溶液を50μlになるドット数塗布し、その状態で30分間放置し、抗体溶液中の抗体と、被検体溶液中の農薬成分とを抗原抗体反応させた。室温に放置している間に、基板上で反応した反応液の水分はほとんど蒸発した。次に、反応物上にインクジェット法によりイオン交換水を塗布して基板上の混合部分を洗浄し、未反応の農薬成分を除去した。その後、洗浄した反応物上に発色液をインクジェット法により塗布し、10分間放置して発色反応させた。そして、発色反応させた箇所に反応停止液をインクジェット法により塗布し、反応を停止させた。最後に、プレートリーダーにより450nmの波
長における吸光度を測定し、作成した検量線から濃度を算出し、希釈度を換算して試料中に含まれる農薬の濃度とした。同じ工程を3回行った。
2.6.1.比較例1
上記実施例1ではインクジェット法を用いて各溶液を吐出したが、比較例1で各溶液をマイクロピペットを用いて分注した。すなわち、上記実施例1と同様に被検体溶液を調製し、得られた被検体溶液を市販キット1の抗体プレートのウェルにマイクロピペットを用いて10μl入れ、室温で60分間インキュベートした。次に、ウェルプレートをイオン交換水で洗浄した。その後、各ウェルに発色液100μlを滴下し、10分間インキュベートし、更に反応停止液100μlを滴下して反応を停止させた。次にプレートリーダーにより各ウェルの450nmの波長における吸光度を測定し、予め作成した検量線から濃度を算出し、希釈度を換算して試料中に含まれる農薬の濃度とした。同じ工程を3回行った。なお、検量線の作成には、酵素複合体液を150μl使用した。
2.6.2.実施例6
上記実施例1において、ピエゾ素子のヘッドを用いたプリンターの代わりにサーマルヘッドを使用した以外は、実施例1と同様に行った。
2.7.評価結果
実施例1〜5では、再現性10%以内で各農薬成分が検出された。これに対し、比較例1では、再現性は20%を超え、ばらつきの大きいものとなった。これは、比較例1は手動で行ったこと、更に、何回も希釈や抽出を行う必要があったためと考えられる。また、比較例1で必要としたサンプル量は実施例1〜5の100倍以上であり、測定結果が出るまで6時間要した。なお、実施例6では測定できなかった。これは、サーマルヘッドを用いたため、抗体が熱により失活したためと考えられる。
以上により、本発明は、検体数を増やすことが難しいイムノアッセイにおいて、少量の試料で簡易に、また精度良く検査を行うことができることから、一度に検査できる検体数を増やし、短時間でかつ低コストで検査することが可能となる。なお、本実施例では、検量線の作成と被検体溶液中の農薬成分の測定を別々に行ったが、一度の操作により行うこともできる。この場合には、更に検査時間の短縮が可能となる。
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
30…液滴吐出ヘッド、31…カバーガラス、32…加圧室基板、33…電極基板、100…液滴吐出部、101…ステージ、102…Y方向駆動軸、103…Y方向駆動モータ、104…X方向ガイド軸、105…ステージ駆動モータ、106…基台、107…制御部、108…基板、110…加熱ヒーター、110A…加熱素子、110B…配線、321…ノズル、322…加圧室、323…受領口、334…電極(対向電極)、350…溶液(液滴)、350a…溶液

Claims (11)

  1. 被検体を含む第1の溶液を、インクジェット法で吐出させることにより基板上に塗布する第1の工程と
    抗体を含む第2の溶液を、インクジェット法で吐出させることにより前記基板上に塗布する第2の工程と、を有し、
    前記第1の溶液と前記第2の溶液は、前記基板上の同じ位置に塗布され、
    前記抗体と前記被検体とを前記基板上で反応させることにより、前記被検体を定量する、インクジェット法を用いた検査方法。
  2. 請求項1において、
    前記第1の溶液と前記第2の溶液とが、複数回の吐出によって前記基板上で混合される、インクジェット法を用いた検査方法。
  3. 請求項1または請求項2において、
    前記基板の被着面は撥水領域を備える、インクジェット法を用いた検査方法。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、
    前記基板は透明である、インクジェット法を用いた検査方法。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、
    前記抗体は、粒子に付着されている、インクジェット法を用いた検査方法。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、
    前記粒子の粒子径が10nm以上1μm以下である、インクジェット法を用いた検査方法。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項において、
    前記反応は、加熱手段により加熱されながら行われる、インクジェット法を用いた検査方法。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項において、
    前記第1および第2の溶液を吐出させる方式が、電歪素子を用いたヘッドを用いる方式である、インクジェット法を用いた検査方法。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれか1項において、
    前記第1の溶液と前記第2の溶液とは、異なるノズルより吐出させる、インクジェット法を用いた検査方法。
  10. 請求項1ないし請求項9のいずれか1項において、
    更に、洗浄液、試薬溶液、増幅溶液および検出溶液からなる群より選択される少なくとも一種である第3の溶液を、前記第1および第2の溶液を塗布した位置と同じ位置に塗布する第3の工程を有する、インクジェット法を用いた検査方法。
  11. 被検体を含む第1の液体をインクジェット法により基板上に吐出する第1のノズルと、
    抗体を含む第2の液体をインクジェット法により前記基板上に吐出する第2のノズルとを備え、
    前記第1のノズルと前記第2のノズルは、前記第1の溶液と前記第2の溶液とが、前記基板上の同じ位置に吐出されるように構成される、インクジェット法を用いた検査装置。
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