JP2016169321A - 非水系インクジェットインク組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】普通紙への記録において十分な画像の光学濃度を得ることができると共に、顔料濃度を上げた場合であっても吐出安定性及び保存安定性が良好な非水系インクジェットインク組成物を提供する。【解決手段】本発明に係る非水系インクジェットインク組成物は、顔料と、非水系溶剤と、界面活性剤とを含有し、前記界面活性剤として、HLB値が1.0以上6.0以下のアセチレングリコール系界面活性剤を含むことを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、不揮発性溶剤を主成分とする非水系インクジェットインク組成物に関する。
近年、インクジェット記録用ヘッドのノズルから吐出させた微小なインクの液滴によって画像や文字を記録するインクジェット記録装置が急速に普及している。このようなインクジェット記録装置による画像等の記録に用いるインクとしては、色材(例えば、顔料や染料)を有機溶剤及び水の混合物に溶解ないし分散させた水系インクや、色材を有機溶剤に溶解ないし分散させた非水系インク等、種々のものが用いられている。
このようなインクの中でも、グリコールエーテル系溶剤をベースとした非水系インクは、インク低吸収性の記録媒体(例えば、塩化ビニルフィルム)に対して乾燥性や耐水性の良好な優れた画像を記録できるという点で広く用いられている。また、エステル系溶剤や炭化水素系溶剤をベースとした非水系インクも、臭気の点では難があるが乾燥性が優れる点で広く用いられ、また、より沸点の高い溶剤は揮発性の低い非水系インクとして普通紙にも用いられている。
ところで、揮発性の低い非水系インクを用いて普通紙上に記録した場合、普通紙上の溶剤がいつまでも揮発せずに残留し、その残留した溶剤成分が普通紙の内部に染み込むことによって記録物の裏側から記録部分が透けて見え、そのために裏抜けが発生したり、残留した溶剤成分が記録部分から滲んだりするという問題があった。
このような問題に対して、例えば特許文献1には、不揮発性溶剤を主成分とする非水系インク組成物の溶剤組成を工夫することによって、普通紙上での裏抜けや油滲みの問題とノズルの目詰まりの問題を同時に解決できることが開示されている。
特開2004−002666号公報
しかしながら、上述の特許文献1に記載の非水系インク組成物では、溶剤組成を工夫することにより、普通紙上での裏抜けや油滲み、放置による信頼性悪化の改善は見られるものの、特に高発色の画像を得るために顔料濃度を上げた際に、ノズルの目詰まりが発生してインクの吐出安定性や保存安定性が損なわれやすいという課題があった。
そこで、本発明に係る幾つかの態様は、上述の課題の少なくとも一部を解決することで、普通紙への記録において十分な画像の光学濃度を得ることができると共に、顔料濃度を上げた場合であっても吐出安定性及び保存安定性が良好な非水系インクジェットインク組成物を提供するものである。
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することができる。
[適用例1]
本発明に係る非水系インクジェットインク組成物の一態様は、
顔料と、非水系溶剤と、界面活性剤とを含有し、
前記界面活性剤として、HLB値が1.0以上6.0以下のアセチレングリコール系界面活性剤を含むことを特徴とする。
適用例1の非水系インクジェットインク組成物によれば、十分な画像の光学濃度を得るために顔料濃度を上げた場合であっても、HLB値が1.0以上6.0以下のアセチレングリコール系界面活性剤(以下、「特定アセチレングリコール系界面活性剤」ともいう。)が顔料表面に吸着して立体障害が大きくなるため、顔料の分散安定性が向上する。そのため、インク中での顔料の凝集が低減し、チキソ性が低下する。そして、チキソ性が低下すると、せん断速度による粘度差が小さくなるため、顔料濃度を上げた場合であってもインクの連続吐出安定性を確保することができる。また、特定アセチレングリコール系界面活性剤を含有することで、顔料自体の濡れ性が高くなり、非水系溶剤と親和しやすくなるため、顔料の分散安定性が増し、長期保存安定性が向上する。
[適用例2]
適用例1の非水系インクジェットインク組成物において、
前記非水系溶剤が、50%留出点が280℃以下の非極性有機溶剤と、50%留出点が300℃以上の極性有機溶剤とを含み、
前記非水系溶剤中の前記非極性有機溶剤と前記極性有機溶剤との合計含有量が、60.0質量%以上であることができる。
適用例2の非水系インクジェットインク組成物によれば、50%留出点が280℃以下の非極性有機溶剤を含有することで、普通紙に記録されたインクから溶剤成分が速やかに蒸発するので、裏抜けや油滲みを効果的に抑制できる。また、50%留出点が300℃以上の極性有機溶剤を含有することで、インクの乾燥性が高くなり過ぎることを抑制できる。そして、これらの溶剤の合計含有量が非水系溶媒中に60.0質量%以上であることで、インク乾燥性が適度となるためにノズル近傍でのノズル目詰まりを生じ難いものとすることができる。
[適用例3]
適用例1または適用例2の非水系インクジェットインク組成物において、
20℃でのレオメーターによるせん断粘度測定において、せん断速度が20[1/s]時と50[1/s]時のせん断粘度の差が、0.60[mPa・s]以下であることができる。
適用例3の非水系インクジェットインク組成物によれば、せん断速度によるせん断粘度の差が十分に小さいため、凝集している顔料に力を加えると容易に解れ、インクの吐出安定性がより向上する。
[適用例4]
適用例1ないし適用例3のいずれか一例の非水系インクジェットインク組成物において、インク組成物中における前記顔料の含有量と前記特定アセチレングリコール系界面活性剤の含有量との比([顔料の含有量]/[特定アセチレングリコール系界面活性剤の含有量])が、0.1以上3未満であることができる。
インク組成物中における顔料と特定アセチレングリコール系界面活性剤との含有比率が前記範囲内にあると、特定アセチレングリコール系界面活性剤が顔料の表面に十分に吸着されるため、インク組成物の吐出安定性及び保存安定性がさらに良好となる。
[適用例5]
適用例1ないし適用例4のいずれか一例の非水系インクジェットインク組成物において、前記顔料の含有量が、インク組成物の全質量に対して、5.0質量%以上15.0質量%以下であることができる。
適用例5の非水系インクジェットインク組成物によれば、顔料濃度を通常濃度よりも上げた場合であっても、特定アセチレングリコール系界面活性剤の作用により、連続吐出安定性が向上し、長期保存安定性も良好となる。また、前記範囲内の顔料濃度であると、十分な画像の光学濃度を得ることができる。
[適用例6]
適用例2ないし適用例5のいずれか一例の非水系インクジェットインク組成物において、前記非極性有機溶剤として、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素及び芳香族炭化水素よりなる群から選択される少なくとも1種を含むことができる。
[適用例7]
適用例2ないし適用例6のいずれか一例の非水系インクジェットインク組成物において、前記極性有機溶剤として、大豆油メチル、大豆油イソブチル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、イソパルミチン酸、イソステアリン酸、イソアラキン酸、イソヘキサコ酸、イソステアリン酸イソプロピル、リノール酸メチル、リノール酸イソブチル及びトール油イソブチルよりなる群から選択される少なくとも1種を含むことができる。
以下に本発明の幾つかの実施形態について説明する。以下に説明する実施形態は、本発明の一例を説明するものである。本発明は以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形形態も含む。なお以下で説明される構成の全てが本発明の必須の構成であるとは限らない。
本発明において「画像」とは、ドット群から形成されるパターンを示し、パターンは印字パターンや、絵や模様などのパターン、ベタパターンも含める。
本発明において「非水系(インクジェット)インク組成物」とは、有機溶剤を主要な溶媒として、水を主要な溶媒としないインクのことをいう。好ましくは、インク組成物中の水の含有量が3質量%以下であり、より好ましくは1質量%以下であり、さらに好ましく0.05質量%未満であり、一層好ましくは0.01質量%未満、さらに一層好ましくは0.005質量%未満、最も好ましくは0.001質量%未満であることをいう。あるいは、実質的に水を含有しないインク組成物としてもよい。「実質的に含有しない」とは、意図的に含有させないことを指し、不純物や不可避的に含まれる場合を排除するものではない。
1.非水系インクジェットインク組成物
本実施形態に係る非水系インクジェットインク組成物(本明細書において、単に「インク組成物」ともいう。)は、顔料と、非水系溶剤と、界面活性剤とを含有し、前記界面活性剤として、HLB値が1.0以上6.0以下のアセチレングリコール系界面活性剤を含むことを特徴とする。以下、本実施形態に係るインク組成物に含まれる成分及び含まれ得る成分について詳細に説明する。
1.1.顔料
本実施形態で用いられる顔料としては、無機顔料及び有機顔料のいずれも使用すること
ができる。
有機顔料としては、例えば、アゾ顔料(例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等)、多環式顔料(フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリレン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサンジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロニ顔料等)、染料レーキ(例えば、塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ等)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料等が挙げられる。また、無機顔料としては、カーボンブラック、二酸化チタン、シリカ、アルミナ等が挙げられる。これらの顔料は、1種単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
特に黒色インク用の顔料としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック類;銅、鉄、酸化チタン等の金属類または金属酸化物;オルトニトロアニリンブラック等の有機顔料を挙げることができる。より高い画像の光学濃度が得られる点で、JIS K6221に準じて測定されるジブチルフタレート(DBP)吸収量が80cm/100g〜140cm/100g、かつ、JIS K6217に準じて測定される窒素吸着比表面積が100m/g〜200m/gのカーボンブラック顔料が好ましい。
本実施形態に係るインク組成物中の顔料の含有量は、所望に応じて適宜設定でき、特に限定されるものではないが、その下限値は、十分な画像の光学濃度を得る観点から、インク組成物の全質量に対して、好ましくは5.0質量%以上、より好ましくは6.0質量%以上、特に好ましくは7質量%以上である。その上限値は、インクの連続印字安定性を確保する観点から、インク組成物の全質量に対して、好ましくは15.0質量%以下、より好ましくは14.0質量%以下、特に好ましくは13.0質量%以下である。
顔料の平均粒径は、インクの連続吐出安定性及び保存安定性の観点から、好ましくは300nm以下、より好ましくは150nm以下、特に好ましくは100nm以下である。ここで、顔料の平均粒径は、例えば動的光散乱式粒度分布測定装置「LB−500」(株式会社堀場製作所製)等により測定することができる。
また、インク組成物中での顔料の分散安定性を向上させるために、顔料分散剤を添加してもよい。顔料分散剤としては、例えば、ヒノアクトKF1−M、T−6000、T−7000、T−8000、T−8350P、T−8000E(いずれも武生ファインケミカル株式会社製)等のポリエステル系高分子化合物、ソルスパース11200、13940、18000、20000、24000、28000、32000、32500、33500、34000、35200、37500(いずれもLUBRIZOL社製)、Disperbyk−161、162、163、164、166、180、190、191、192、2091、2095(いずれもビックケミー・ジャパン社製)、フローレンDOPA−17、22、33、G−700(いずれも共栄社化学株式会社製)、アジスパーPB821、PB711(いずれも味の素株式会社製)、LP4010、LP4050、LP4055、POLYMER400、401、402、403、450、451、453(いずれもEFKAケミカルズ社製)等が挙げられる。顔料分散剤の含有割合は、使用する顔料に応じて適宜選択することができるが、インク組成物中の顔料の含有量100質量部に対して、好ましくは5質量部以上200質量部以下、より好ましくは30質量部以上120質量部以下である。
1.2.非水系溶剤
本実施形態に係るインク組成物は、非水系溶剤を含有する。非水系溶剤としては、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素等の非極性有機溶剤;エステル系溶剤、ア
ルコール系溶剤、エーテル系溶剤、高級脂肪酸等の極性有機溶剤が挙げられる。
脂肪族炭化水素としては、例えばパラフィン、イソパラフィンが挙げられる。脂環式炭化水素としては、例えばシクロヘキサン、シクロオクタン、シクロデカン等が挙げられる。芳香族炭化水素としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレン、テトラリン等が挙げられる。このような非極性有機溶剤としては、市販品も用いてもよく、IPソルベント1016、IPソルベント1620、IPクリーンLX(以上全て、出光興産株式会社製の商品名)、Isopar(アイソパー)G、Isopar L、Isopar H、Isopar M、Exxsol D40、Exxsol D80、Exxsol D100、Exxsol D130、Exxsol D140(以上全て、Exxon社製の商品名)、NSクリーン100、NSクリーン110、NSクリーン200、NSクリーン220(以上全て、JX日鉱日石エネルギー株式会社の商品名)、ナフテゾール160、ナフテゾール200、ナフテゾール220、AF−4、AF−6、AF−7(以上全て、JX日鉱日石エネルギー株式会社の商品名)等の脂肪族炭化水素や脂環式炭化水素系溶剤、ソルベッソ200(Exxon社製の商品名)、日石クリーンソルG(アルキルベンゼン、JX日鉱日石エネルギー株式会社製)等の芳香族炭化水素系溶剤が挙げられる。
エステル系溶剤としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソペンチル、酢酸第二ブチル、酢酸アミル、酢酸メトキシブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、カプリル酸メチル、ラウリル酸メチル、ラウリル酸イソプロピル、ラウリル酸ヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソオクチル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、オレイン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、リノール酸メチル、リノール酸イソブチル、リノール酸エチル、リノール酸イソブチル、イソステアリン酸イソプロピル、大豆油メチル、大豆油イソブチル、トール油メチル、トール油イソブチル、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、モノカプリン酸プロピレングリコール、トリ2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等が挙げられる。
アルコール系溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、1−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、イソアミルアルコール、3−メチル−2−ブタノール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、4−メチル−2ペンタノール、アリルアルコール、1−ヘキサノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、イソミリスチルアルコール、イソパルミチルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール等が挙げられる。
エーテル系溶剤としては、ジエチルグリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル等が挙げられる。
高級脂肪酸としては、イソアラキン酸、イソヘキサコ酸、イソノナン酸、イソミリスチン酸、ヘキサデカン酸、イソパルミチン酸、オレイン酸、イソステアリン酸等が挙げられる。
これらの非水系溶剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本実施形態で用いられる非水系溶剤は、50%留出点が280℃以下の非極性有機溶剤と、50%留出点が300℃以上の極性有機溶剤とを含み、前記非水系溶剤中の前記非極性有機溶剤と前記極性有機溶剤との合計含有量が、60.0質量%以上であることが好ましい。50%留出点が280℃以下の非極性有機溶剤を含有することで、普通紙に記録されたインク組成物から溶剤成分が速やかに蒸発するので、裏抜けや油滲みを効果的に抑制できる。また、50%留出点が300℃以上の極性有機溶剤を含有することで、インクの乾燥性が高くなり過ぎることを抑制できる。そして、これらの溶剤の合計含有量が非水系溶媒中に60.0質量%以上であることで、インク乾燥性が適度となる(すなわち、インクが乾燥し過ぎることを防げる)ためにノズル近傍でのノズル目詰まりを生じ難いものとすることができる。
50%留出点は、JIS K0066「化学製品の蒸留試験方法」に準じて測定することができ、重量で50%の溶剤が揮発したときの温度を意味する。非水系溶剤中には、50%留出点が280℃以下の非極性有機溶剤と50%留出点が300℃以上の極性有機溶剤とを合わせて60.0質量%以上含んでいれば、50%留出点が280℃を超える非極性有機溶剤や50%留出点が300℃未満の極性有機溶剤が含まれていてもよい。
50%留出点が280℃以下の非極性有機溶剤は、非水系溶剤の全質量に対して、10.0質量%以上含んでいることが好ましく、20.0質量%以上含んでいることがより好ましい。50%留出点が280℃以下の非極性有機溶剤の含有割合が前記範囲であることで、普通紙に記録されたインク組成物から溶剤成分が速やかに蒸発するので、裏抜けや油滲みを効果的に抑制できる。
50%留出点が300℃以上の極性有機溶剤は、非水系溶剤の全質量に対して、10.0質量%以上含んでいることが好ましく、15.0質量%以上含んでいることがより好ましい。50%留出点が300℃以上の極性有機溶剤の含有割合が前記範囲であることで、インクが乾燥し過ぎることを防げるため、ノズルの目詰まりを生じ難いものとすることができる。
50%留出点が300℃以上の極性有機溶剤としては、例えば大豆油メチル、大豆油イソブチル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、イソパルミチン酸、イソステアリン酸、イソアラキン酸、イソヘキサコ酸、イソステアリン酸イソプロピル、リノール酸メチル、リノール酸イソブチル、トール油イソブチル等が挙げられる。
本実施形態に係る非水系インクジェットインク組成物中の非水系溶剤の含有量は、特に限定されるものではないが、インク組成物の全質量に対して、好ましくは50.0質量%以上、より好ましくは60.0質量%以上、特に好ましくは70.0質量%以上である。
1.3.特定アセチレングリコール系界面活性剤
本実施形態に係る非水系インクジェットインク組成物は、HLB値が1以上6以下のアセチレングリコール系界面活性剤(特定アセチレングリコール系界面活性剤)を含有する。特定アセチレングリコール系界面活性剤を含有することで、十分な画像の光学濃度を得るために顔料濃度を上げた場合であっても、特定アセチレングリコール系界面活性剤が顔料表面に吸着して立体障害が大きくなるため、顔料の分散安定性が向上する。そのため、インク組成物中での顔料の凝集が低減し、チキソ性が低下する。そして、チキソ性が低下すると、せん断速度による粘度差も小さくなる。この理由としては、凝集している顔料に力が加わったときに動きやすくなるためであり、小さな力でも凝集している顔料が容易に
解れるので、粘度差が小さくなるものと考えられる。凝集している顔料が小さな力でも解れやすいということは、インクが動きやすくなるということでもあり、これが吐出安定性に繋がる。すなわち、小さな力でもインクを吐出することができるので、顔料濃度を上げた場合であってもインクの連続吐出安定性を確保することができるようになる。また、特定アセチレングリコール系界面活性剤を含有することで、顔料自体の濡れ性が高くなり、非水系溶剤と親和しやすくなるために、顔料の分散安定性が増し、長期保存安定性が向上する。
ここで、本発明におけるHLB値は、デービスらが提唱した化合物の親水性を評価する値であり、例えば文献「J.T.Davies and E.K.Rideal,“Interface Phenomena”2nd ed.Academic Press,New York 1963」中で定義されているデービス法により求められる数値で、下記式(1)によって算出される値をいう。
HLB値=7+Σ[1]+Σ[2] ・・・・・(1)
(上記式において、[1]は親水基の基数を表し、[2]は疎水基の基数を表す。)
本実施形態で用いられる特定アセチレングリコール系界面活性剤は、デービス法により算出されたHLB値が1.0以上6.0以下の範囲内であり、HLB値の下限値は、好ましくは2.0以上、より好ましくは3.0以上である。HLB値が前記範囲内にあると、特定アセチレングリコール系界面活性剤が顔料(特に油溶性顔料)の表面に吸着しやすくなるため、顔料の分散安定性が向上する。その結果、インク組成物中において上述したような作用効果が得られやすくなり、インクの連続吐出安定性や長期保存安定性が向上する。HLB値が6.0を超えるアセチレングリコール系界面活性剤を添加すると、顔料の表面に吸着するよりも、優先的に非水系溶媒中で親水基部分を中心に向けた逆ミセルを形成してしまう。その結果、インク組成物中において上述したような作用効果が得られ難く、インクの連続吐出安定性や長期保存安定性の向上が見られない。
アセチレングリコール系界面活性剤とは、アセチレン基を中央に持ち、左右対称の構造をした非イオン性界面活性剤のことをいう。特定アセチレングリコール系界面活性剤は、嵩高く、非常に安定な分子構造を有しており、分子量も小さい。そのため、特定アセチレングリコール系界面活性剤が顔料の表面に吸着すると、顔料の分散安定性を効果的に高めることができる。特定アセチレングリコール系界面活性剤の具体例としては、サーフィノール104シリーズ(HLB値:4)、サーフィノール61(HLB値:6)、サーフィノール420(HLB値:4)、サーフィノールDF110D(HLB値:3)、サーフィノールSEシリーズ(HLB値:6)サーフィノール82(HLB値:4)(以上、日信化学工業株式会社製、製品名)等が挙げられる。特定アセチレングリコール系界面活性剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態に係る非水系インクジェットインク組成物中の特定アセチレングリコール系界面活性剤の含有量は、特に限定されるものではないが、その下限値は、顔料の分散安定性向上の観点から、インク組成物の全質量に対して、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1.0質量%以上である。その上限値は、インクの連続印字安定性を確保する観点から、インク組成物の全質量に対して、好ましくは15.0質量%以下、より好ましくは10.0質量%以下である。特定アセチレングリコール系界面活性剤の含有量の上限値が15.0質量%を超える場合、インク組成物中で特定アセチレングリコール系界面活性剤の分子集合体(例えばミセル)が形成され、それが粒子のような振る舞いをすることで吐出不良が発生する場合がある。
また、インク組成物中に含まれる特定アセチレングリコール系界面活性剤の含有量は、インク組成物中に含まれる顔料の含有量に応じて適宜調整することが好ましい。具体的に
は、インク組成物中における顔料の含有量と特定アセチレングリコール系界面活性剤の含有量との比([顔料の含有量]/[特定アセチレングリコール系界面活性剤の含有量])が、好ましくは0.1以上3.0未満、より好ましくは0.5以上2.8以下、特に好ましくは1以上2.5以下である。インク組成物中における顔料と特定アセチレングリコール系界面活性剤との含有比率が前記範囲内にあると、特定アセチレングリコール系界面活性剤が顔料の表面に十分に吸着することができ、また過剰の特定アセチレングリコール系界面活性剤による不具合(分子集合体形成による吐出不良)を抑制できるため、インク組成物の吐出安定性及び保存安定性がさらに良好となる。
1.4.その他の成分
本実施形態に係るインク組成物には、さらに上記以外の成分を添加してもよい。このような成分としては、例えば、樹脂、キレート剤、防腐剤、粘度調整剤、溶解助剤、酸化防止剤、防黴剤等が挙げられる。
1.4.1.樹脂
本実施形態に係るインク組成物は、上述の顔料を記録媒体に定着させるための樹脂(以下、「定着樹脂」ともいう。)を含有してもよい。
定着樹脂としては、アクリル樹脂、スチレンアクリル樹脂、ロジン変性樹脂、フェノール樹脂、テルペン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、セルロースアセテートブチレート等の繊維系樹脂、ビニルトルエン−α−メチルスチレン共重合体樹脂等が挙げられる。これらの中でも、アクリル樹脂及び塩化ビニル樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種の樹脂であることが好ましい。これらの定着樹脂を含有することにより、記録媒体への定着性を向上でき、また耐擦性も向上する。
本実施形態に係るインク組成物中における定着樹脂の固形分含有量は、好ましくは0.05質量%以上15質量%以下、より好ましくは0.1質量%以上10.0質量%以下である。定着樹脂の含有量が前記範囲内であると、記録媒体に対する優れた定着性が得られる。
<アクリル樹脂>
アクリル樹脂としては、従来公知の重合性モノマーからなる共重合体を使用することができる。重合性モノマーとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のメタクリル酸エステル類;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、マレイン酸モノn−ブチル、フマル酸モノn−ブチル、イタコン酸モノn−ブチル等のカルボキシ基含有モノマーの他、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル類、アミド基含有モノマー、グリシジル基含有モノマー、シアノ基含有モノマー、水酸基含有アリル化合物、三級アミノ基含有モノマー、アルコキシシリル基含有モノマー等を単独または複数組み合わせて用いることができる。
上記のアクリル樹脂としては、市販品を用いてもよく、例えばアクリペットMF(商品名、三菱レイヨン社製、アクリル樹脂)、スミペックスLG(商品名、住友化学社製、アクリル樹脂)、パラロイドBシリーズ(商品名、ローム・アンド・ハース社製、アクリル樹脂)、パラペットG−1000P(商品名、クラレ社製、アクリル樹脂)などが挙げられる。なお、本発明において、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸およびメタクリル酸
の両方を意味するものとし、(メタ)アクリレートとは、アクリレートおよびメタクリレートの両方を意味するものとする。
<塩化ビニル樹脂>
塩化ビニル樹脂としては、例えば、塩化ビニルと、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、アクリル酸、マレイン酸、ビニルアルコール等の他のモノマーとの共重合体が挙げられるが、これらの中でも塩化ビニル及び酢酸ビニルに由来する構成単位を含む共重合体(以下、「塩酢ビ共重合体」ともいう。)が好ましく、ガラス転移温度が60〜80℃である塩酢ビ共重合体がより好ましい。
塩酢ビ共重合体は、常法によって得ることができ、例えば懸濁重合によって得ることができる。具体的には、重合器内に水と分散剤と重合開始剤を仕込み、脱気した後、塩化ビニル及び酢酸ビニルを圧入し懸濁重合を行うか、塩化ビニルの一部と酢酸ビニルを圧入して反応をスタートさせ、残りの塩化ビニルを反応中に圧入しながら懸濁重合を行うことができる。
塩酢ビ共重合体は、その構成として、塩化ビニル単位を70〜90質量%含有することが好ましい。上記範囲であれば、インク組成物中に安定して溶解するため長期の保存安定性に優れる。さらには、吐出安定性に優れ、記録媒体に対して優れた定着性を得ることができる。
また、塩酢ビ共重合体は、塩化ビニル単位及び酢酸ビニル単位とともに必要に応じて、その他の構成単位を備えていても良く、例えばカルボン酸単位、ビニルアルコール単位、ヒドロキシアルキルアクリレート単位が挙げられ、とりわけビニルアルコール単位が好ましく挙げられる。前述の各単位に対応する単量体を用いることで得ることができる。カルボン酸単位を与える単量体の具体例としては、例えば、マレイン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、アクリル酸、メタクリル酸が挙げられる。ヒドロキシアルキルアクリレート単位を与える単量体の具体例としては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチルビニルエーテルなどが挙げられる。これらの単量体の含有量は、本発明の効果を損なわない限り限定されないが、例えば単量体全量の15質量%以下の範囲で共重合させることができる。
また、塩酢ビ共重合体は市販されているものを用いてもよく、例えば、ソルバインCN、ソルバインCNL、ソルバインC5R、ソルバインTA5R、ソルバインCL、ソルバインCLL(以上、日信化学工業株式会社製)などが挙げられる。
これらの樹脂の平均重合度は、特に限定されないが、好ましくは150〜1100、より好ましくは200〜750である。これらの樹脂の平均重合度が上記の範囲である場合、本実施形態に係るインク組成物中に安定して溶解するため、長期の保存安定性に優れる。さらには、吐出安定性に優れ、記録媒体に対して優れた定着性を得ることができる。なお、これらの樹脂の平均重合度は、比粘度を測定し、これから算出されるものであり、「JIS K6720−2」に記載の平均重合度算出方法に準じて求めることができる。
また、これらの樹脂の数平均分子量は、特に限定されないが、好ましくは10000〜50000、より好ましくは12000〜42000である。なお、数平均分子量は、GPCによって測定することが可能であり、ポリスチレン換算とした相対値として求めることができる。
1.4.2.その他
本実施形態に係るインク組成物は、上記の成分の他にも、エチレンジアミン四酢酸塩(
EDTA)等のキレート剤、防腐剤、粘度調整剤、溶解助剤、酸化防止剤、及び防黴剤など、所定の性能を付与するための物質を含有することができる。
1.5.物性
本実施形態に係るインク組成物は、インクジェット用インクとして用いる観点から、例えば組成や配合を調節することによって、粘度(20℃における粘度)を2.0mPa・s以上20.0mPa・s以下とすることが好ましく、3.0mPa・s以上15.0mPa・s以下とすることがより好ましい。これにより、インクジェット用インクの吐出安定性(吐出量の安定性、液滴の飛行特性等)や、吐出応答性(応答速度、高周波対応性(周波数特性)等)等を優れたものとすることができる。なお、インクジェット用インクの粘度は、振動式粘度計を用いた、JIS Z8809に準拠した測定により求めることができる。
また、本実施形態に係るインク組成物の20℃でのレオメーターによるせん断粘度測定において、せん断速度が20[1/s]時と50[1/s]時のせん断粘度の差が、0.60[mPa・s]以下であることが好ましく、0.50[mPa・s]以下であることがより好ましく、0.40[mPa・s]以下であることがさらに好ましく、0.30[mPa・s]以下であることが特に好ましい。せん断速度が20[1/s]時と50[1/s]時のせん断粘度の差が前記範囲内にあるインク組成物であれば、せん断速度による粘度差が十分に小さいために、凝集している顔料に小さな力を加えるだけで容易に解れるため、インクの吐出安定性がより向上する。
ここで、せん断粘度の測定方法としては、例えば粘弾性測定装置(Anton Paar社製、装置名「Physica MCR301」)に装着されたコーンプレート(直径75mm、角度1°)に充填して、20℃におけるせん断速度(10〜1000s−1)に対するせん断粘度を測定する方法が挙げられる。
1.6.用途
本実施形態に係る非水系インクジェットインク組成物は、インクジェット記録に用いるインクである。インクジェット記録装置としては、特に限定されないが、ドロップオンデマンド型のインクジェット記録装置が好ましい。ドロップオンデマンド型のインクジェット記録装置には、記録ヘッドに配設された圧電素子を用いて記録を行う圧電素子記録方法を採用したもの、記録ヘッドに配設された発熱抵抗素子のヒーター等による熱エネルギーを用いて記録を行う熱ジェット記録方法を採用したもの等があるが、いずれの記録方法も採用することができる。また、本実施形態に係る非水系インクジェットインク組成物は、撥インク処理された吐出ノズル表面に対して不活性であるという利点を有するので、例えば撥インク処理された吐出ノズル表面を有するインクジェット記録用ヘッドから吐出させるインクジェット記録方法にも有利である。
本実施形態に係る非水系インクジェットインク組成物の用途は、特に制限されるものではないが、普通紙への記録において十分な画像の光学濃度を得ることができ、吐出安定性及び保存安定性が良好であることから、普通紙を用いた高速インクジェットプリンター用のインクとして適している。
2.実施例
以下、本発明を実施例および比較例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、実施例及び比較例中の「部」および「%」は、特に断らない限り質量基準である。
2.1.ブラック顔料分散液の調製
<ブラック顔料分散液1>
大豆油メチル13質量部、大豆油イソブチル15質量部、オレイン酸エチル10質量部、イソステアリルアルコール10質量部、炭化水素系溶剤(JX日鉱日石エネルギー株式会社製、AF−4)17質量部、炭化水素系溶剤(JX日鉱日石エネルギー社製、AF−6)15質量部を混合し、これに分散剤としてソルスパース13940(Lubrizol社製、商品名)5質量部を溶解し、さらにカーボンブラック(三菱化学株式会社製、MA−100)15質量部を添加してプレミックスした。その後、ビーズミルにて滞留時間約20分間で分散し、ブラック顔料分散液1を得た。
上記のカーボンブラック(三菱化学株式会社製、MA−100)につき、JIS K6221に準じてジブチルフタレート(DBP)吸収量を測定したところ、100cm/100gであった。また、JIS K6217に準じて窒素吸着比表面積を測定したところ、110m/gであった。
<ブラック顔料分散液2>
大豆油メチル10質量部、大豆油イソブチル13質量部、オレイン酸エチル10質量部、イソステアリルアルコール10質量部、炭化水素系溶剤(JX日鉱日石エネルギー株式会社製、AF−4)17質量部、炭化水素系溶剤(JX日鉱日石エネルギー株式会社製、AF−6)15質量部を混合し、これに分散剤としてソルスパース13940(Lubrizol社製、商品名)5質量部を溶解し、さらにカーボンブラック(東海カーボン株式会社製、SAF−HS)20質量部を添加してプレミックスした。その後、ビーズミルにて滞留時間約20分間で分散し、ブラック顔料分散液2を得た。
上記のカーボンブラック(東海カーボン株式会社製、SAF−HS)につき、JIS K6221に準じてジブチルフタレート(DBP)吸収量を測定したところ、130cm/100gであった。また、JIS K6217に準じて窒素吸着比表面積を測定したところ、142m/gであった。
2.2.インク組成物の調製
表1に記載の顔料濃度となるように上記で調製したいずれかのブラック顔料分散液をビーカーに秤り取り、そこに炭化水素系溶剤(JX日鉱日石エネルギー株式会社製、AF−4)、エステル系溶剤(花王株式会社製、商品名「エキセパールM−OL」、オレイン酸メチル)及び表1に記載の界面活性剤をさらに添加して十分に混合攪拌することにより、各インク組成物を調製した。
<せん断粘度差の測定(Δせん断粘度)>
上記で得られた各インク組成物を、粘弾性測定装置(Anton Paar社製、装置名「Physica MCR301」)に装着されたコーンプレート(直径75mm、角度1°)に充填して、20℃におけるせん断速度(10〜1000s−1)に対するせん断粘度を測定した。そして、せん断速度が20s−1時のせん断粘度とせん断速度が500s−1時のせん断粘度を求め、その差を評価した。
2.3.インク組成物の評価試験
<連続印字安定性>
セイコーエプソン株式会社製のインクジェットプリンター「PX−B700」を用いて、XeroxP紙A4サイズに常温で記録解像度600×600dpiのベタパターンを30枚連続で記録した。その30枚の記録物のうち、抜けが発生している記録物の枚数により連続印字安定性を評価した。評価基準は以下の通りである。
○:抜けが発生している記録物の枚数が10枚未満である。
△:抜けが発生している記録物の枚数が10枚以上20枚未満である。
×:抜けが発生している記録物の枚数が20枚以上である。
<OD>
セイコーエプソン株式会社製のインクジェットプリンター「PX−B700」を用いて、XeroxP紙A4サイズに常温で記録解像度600×600dpiのベタパターンを記録した。その記録物を乾燥させた後、記録物のODをスペクトロリーノ(グレタグマクベス社製)にて測定して評価した。評価基準は以下の通りである。
○:1.1以上。
△:1.0以上超1.1未満。
×:1.0未満。
<保存安定性>
上記で調製したインク組成物を密閉容器に入れ、70℃で9日間放置した。調製直後のインク組成物の粘度と放置後のインク組成物の粘度を、振動式粘度計を用いたJIS Z8809に準拠した方法により測定し、その変化率を求めた。評価基準は以下の通りである。
○:粘度の変化率が5%未満。
△:粘度の変化率が5%以上10%未満。
×:粘度の変化率が10%以上。
2.4.インク組成物の評価結果
各インク組成物の組成及び評価試験の結果を下表1に示す。
Figure 2016169321
なお、表1中で使用した成分のうち、化合物名以外で記載されているものについては以
下の通りである。
<顔料>
・カーボンブラック(MA−100)(商品名、三菱化学株式会社製)
・カーボンブラック(SAF−HS)(商品名、東海カーボン株式会社製)
<非水系溶剤(非極性有機溶剤)>
・炭化水素系溶剤(AF−4)(商品名、JX日鉱日石エネルギー株式会社製、ナフテン系溶剤、50%留出点:257.5℃)
・炭化水素系溶剤(AF−6)(商品名、JX日鉱日石エネルギー株式会社製、ナフテン系溶剤、50%留出点:315.5℃)
<非水系溶剤(極性有機溶剤)>
・大豆油メチル(エステル系溶剤、50%留出点:345.0℃)
・大豆油イソブチル(エステル系溶剤、50%留出点:356.5℃)
・オレイン酸メチル(商品名「エキセパールM−OL」、花王株式会社製、エステル系溶剤、50%留出点:334.0℃)
・オレイン酸エチル(エステル系溶剤、50%留出点:344.5℃)
・イソステアリルアルコール(アルコール系溶剤、50%留出点:301.0℃)
<分散剤>
・ソルスパース13940(商品名、LUBRIZO社製)
<界面活性剤>
・サーフィノール104PG50(商品名、日信化学工業株式会社製、プロピレングリコール含有アセチレングリコール系界面活性剤、HLB値:4)
・サーフィノール61(商品名、日信化学工業株式会社製、アセチレングリコール系界面活性剤、HLB値:6)
・サーフィノールDF100D(商品名、日信化学工業株式会社製、ジプロピレングリコール含有アセチレングリコール系界面活性剤、HLB値:3)
・サーフィノール465(商品名、日信化学工業株式会社製、アセチレングリコール系界面活性剤、HLB値:13)
・ニューコール723(商品名、日本乳化剤株式会社製、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル、HLB値:16.6)
・シルフェイスSAG503A(商品名、日信化学工業株式会社製、HLB値:11)
表1に示すように、実施例1〜9のインク組成物によれば、顔料濃度を高くするほど発色性(OD)に優れた画像が得られており、顔料濃度を高めた場合であっても、特定アセチレングリコール系界面活性剤を添加することで、連続吐出安定性が損なわれることなく、また保存安定性も良好となることがわかった。
一方、比較例1〜4のインク組成物によれば、特定アセチレングリコール系界面活性剤以外の界面活性剤を添加すると、連続吐出安定性、発色性(OD)、保存安定性の少なくとも1つの項目で良好な結果が得られないことがわかった。
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。

Claims (7)

  1. 顔料と、非水系溶剤と、界面活性剤とを含有し、
    前記界面活性剤として、HLB値が1.0以上6.0以下のアセチレングリコール系界面活性剤を含むことを特徴とする、非水系インクジェットインク組成物。
  2. 前記非水系溶剤が、50%留出点が280℃以下の非極性有機溶剤と、50%留出点が300℃以上の極性有機溶剤とを含み、
    前記非水系溶剤中の前記非極性有機溶剤と前記極性有機溶剤との合計含有量が、60.0質量%以上である、請求項1に記載の非水系インクジェットインク組成物。
  3. 20℃でのレオメーターによるせん断粘度測定において、せん断速度が20[1/s]時と50[1/s]時のせん断粘度の差が、0.60[mPa・s]以下である、請求項1または請求項2に記載の非水系インクジェットインク組成物。
  4. インク組成物中における前記顔料の含有量と前記アセチレングリコール系界面活性剤の含有量との比([顔料の含有量]/[アセチレングリコール系界面活性剤の含有量])が、0.1以上3.0未満である、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の非水系インクジェットインク組成物。
  5. 前記顔料の含有量が、インク組成物の全質量に対して、5.0質量%以上15.0質量%以下である、請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の非水系インクジェットインク組成物。
  6. 前記非極性有機溶剤として、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素及び芳香族炭化水素よりなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項2ないし請求項5のいずれか一項に記載の非水系インクジェットインク組成物。
  7. 前記極性有機溶剤として、大豆油メチル、大豆油イソブチル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、イソパルミチン酸、イソステアリン酸、イソアラキン酸、イソヘキサコ酸、イソステアリン酸イソプロピル、リノール酸メチル、リノール酸イソブチル及びトール油イソブチルよりなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項2ないし請求項6のいずれか一項に記載の非水系インクジェットインク組成物。
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