JP2016168610A - 鋼の連続鋳造方法 - Google Patents

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直道 岩田
Naomichi Iwata
直道 岩田
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Koichi Tsutsumi
康一 堤
鍋島 誠司
Seiji Nabeshima
誠司 鍋島
三木 祐司
Yuji Miki
祐司 三木
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Abstract

【課題】表面割れの発生し易い中炭素鋼などの溶鋼を連続鋳造するに際し、鋳片に形成されるオシレーションマークに起因する表面割れを抑制する鋼の連続鋳造方法を提供する。【解決手段】連続鋳造用鋳型を鋳造方向に振動させながら鋳型内に注入された溶鋼11を引き抜き、鋳片を製造する。鋳型は、鋳型長辺1の内壁面に、熱伝導率が鋳型とは異なる金属が、内壁面に設けられた円形凹溝に充填されて形成された複数個の異種金属充填部3をそれぞれ独立して有する。異種金属充填部3の充填厚みH(mm)と異種金属充填部3の直径d(mm)とは下記(2)式の関係を満たす。振動の振幅S(mm)及び周波数f(回/分)と異種金属充填部3の鋳造方向における中心間の距離PH(mm)とは下記(3)式の関係を満たす。0.5≦H≦d (2)S/2×≦PH≦1000×Vc/f (3)【選択図】 図6

Description

本発明は、連続鋳造用鋳型での凝固シェルの不均一冷却に起因する鋳片表面割れを防止するとともに、鋳片に形成されるオシレーションマークに起因する鋳片表面割れも防止する鋼の連続鋳造方法に関する。
鋼の連続鋳造においては、鋳型内に注入された溶鋼は水冷式鋳型によって冷却され、鋳型との接触面で溶鋼が凝固して凝固層(「凝固シェル」という)が生成される。凝固シェルが、鋳型下流側に設置した水スプレーや気水スプレーによって冷却されながら、内部の未凝固層とともに鋳型下方に連続的に引き抜かれ、水スプレーや気水スプレーによる冷却によって中心部まで凝固して鋳片が製造されている。
鋳型内における冷却が不均一になると、凝固シェルの厚みが鋳片の鋳造方向及び鋳片幅方向で不均一となる。凝固シェルには、凝固シェルの収縮や変形に起因する応力が作用する。凝固初期においては、この応力が凝固シェルの薄肉部に集中し、この応力によって凝固シェルの表面に割れが発生する。この割れは、その後の熱応力や連続鋳造機のロールによる曲げ応力及び矯正応力などの外力により拡大し、大きな表面割れとなる。表面割れは、次工程の圧延工程において鋼製品の表面欠陥となる。従って、鋼製品の表面欠陥の発生を防止するためには、鋳片表面を溶削するまたは研削して、鋳片段階でその表面割れを除去することが必要となる。
鋳型内の不均一凝固は、特に、炭素含有量が0.08〜0.17質量%の鋼(「中炭素鋼」という)で発生しやすい。中炭素鋼では、凝固時に包晶反応が起こる。鋳型内の不均一凝固は、この包晶反応によるδ鉄(フェライト)からγ鉄(オーステナイト)への変態時の体積収縮による変態応力に起因すると考えられている。つまり、この変態応力に起因する歪みによって凝固シェルが変形し、この変形により凝固シェルが鋳型内壁面から離れる。鋳型内壁面から離れた部位は鋳型による冷却が低下し、この鋳型内壁面から離れた部位(この鋳型内壁面から離れた部位を「デプレッション」という)の凝固シェル厚みが薄くなる。凝固シェル厚みが薄くなることで、この部分に上記応力が集中し、表面割れが発生すると考えられている。
特に、鋳片引き抜き速度を増加した場合には、凝固シェルから鋳型冷却水への平均熱流束が増加する(凝固シェルが急速冷却される)のみならず、熱流束の分布が不規則で且つ不均一になることから、鋳片表面割れの発生が増加傾向となる。具体的には、鋳片厚みが200mm以上のスラブ連続鋳造機においては、鋳片引き抜き速度が1.5m/min以上になると表面割れが発生しやすくなる。
従来、上記中炭素鋼のような包晶反応を伴う鋼種の鋳片表面割れを防止する目的で、結晶化しやすい組成のモールドパウダーを使用することが試みられている(例えば、特許文献1を参照)。結晶化しやすい組成のモールドパウダーを用いると、モールドパウダー層の熱抵抗が増大し、凝固シェルが緩冷却されることになる。緩冷却によって凝固シェルに作用する応力が低下し、表面割れが少なくなるからである。しかし、モールドパウダーによる緩冷却効果のみでは、十分な不均一凝固の改善は得られず、変態量が大きい鋼種では割れの発生を防止することはできない。
そこで、包晶反応を伴う鋼種の鋳片表面割れを防止する目的として、特許文献2には、連続鋳造用鋳型の内壁面に、銅よりも熱伝導率が低い複数個の部位がそれぞれ独立して形成された連続鋳造用鋳型を用いることで、凝固初期の凝固シェルの不均一冷却よる表面割れ及び包晶反応を伴う中炭素鋼でのδ鉄からγ鉄への変態に起因する凝固シェル厚みの不均一による表面割れを効果的に防止できる旨が記載されている。
特開2005−297001号公報 国際公開第2014/002409号公報
鋼の連続鋳造では、上下方向の振動を鋳型に与えつつ溶鋼を鋳型に注入し、鋳型内の溶鋼表面にモールドパウダーを投入しており、該モールドパウダーが溶融して形成される溶融スラグを凝固シェルと鋳型内壁との間に流入させ、振動と溶融スラグとによって凝固シェルが鋳型に焼き付くことを防止している。振動によって、先端部が変形を受けることになる凝固シェルを鋳型から引き抜いて得られる鋳片の表面には、オシレーションマークと呼ばれる周期的な凹凸面が形成される(図6(B)及び(C)における凝固シェル11a参照)。
オシレーションマークの凹凸面の頂部と谷部との差が大きくなると、鋳型の出口に向かうにつれて、鋳型内壁と凝固シェルとの間隔が局所的に増加または減少し、鋳造方向において凝固シェルの凝固が不均一となり、凹凸面の隣接する頂部(または谷部)間の縦割れが発生し易くなる。また。凹部の谷部は、その他の部分よりも鋳片の幅が小さくなり、連続鋳造時の矯正帯において応力が集中して掛かりやすく、鋳片の横割れの起点となり、凹部の谷部には横割れが発生し易くなる。特許文献2には、オシレーションマークに起因する問題は考慮されておらず、特許文献2の連続鋳造用鋳型を用い、特許文献1に記載されているようにモールドパウダーの組成を適宜変更したとしても、特に、中炭素鋼の溶鋼を連続鋳造するに際し、前述のオシレーションマークに起因した鋳片の表面割れを効果的に抑制する技術が確立されていないというのが実情である。
本発明は上記実情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、特に、中炭素鋼などの表面割れの発生し易い鋼種の溶鋼を連続鋳造するに際し、鋳片に形成されるオシレーションマークに起因する表面割れを抑制する鋼の連続鋳造方法を提供することである。
上記課題を解決するための本発明の要旨は以下の通りである。
[1]連続鋳造用鋳型内に溶鋼を注入しつつ、前記連続鋳造用鋳型を鋳造方向に振動させながら前記溶鋼を引き抜いて、鋳片を製造する鋼の連続鋳造方法であって、前記連続鋳造用鋳型は、メニスカスよりも上方の任意の位置から、前記メニスカスよりも、鋳片引き抜き速度Vc(m/分)から下記の(1)式で求まる長さR(mm)以上下方の位置までの、水冷式銅鋳型の内壁面の範囲に、鋳型の熱伝導率に対して熱伝導率が80%以下あるいは125%以上である金属が、前記内壁面に設けられた円形凹溝または擬似円形凹溝に充填されて形成された、直径2〜20mmまたは円相当径2〜20mmの複数個の異種金属充填部をそれぞれ独立して有し、前記異種金属充填部の充填厚みH(mm)と前記異種金属充填部の直径または円相当径d(mm)とは下記の(2)式の関係を満たすものであり、前記連続鋳造用鋳型の振動の振幅S(mm)及び周波数f(回/分)と前記異種金属充填部の鋳造方向における中心間の距離PH(mm)とは下記の(3)式の関係を満たすことを特徴とする鋼の連続鋳造方法。
R=2×Vc×1000/60 (1)
0.5≦H≦d (2)
S/2≦PH≦1000×Vc/f (3)
[2]前記異種金属充填部の間隔P(mm)と前記異種金属充填部の直径または円相当径dとは下記の(4)式の関係を満たすことを特徴とする[1]に記載の鋼の連続鋳造方法。
P≧0.2×d (4)
[3]前記溶鋼は、炭素含有量が0.08〜0.17質量%である中炭素鋼であることを特徴とする[1]または[2]に記載の鋼の連続鋳造方法。
本発明によれば、鋳型内壁に形成された複数の凹溝に、鋳型とは異なる熱伝導率を有する異種金属が充填された鋳型を用いて、鋳型中の異種金属充填部の中心間の距離に応じて、振動条件を適正化することで、オシレーションマークの凹凸面の頂部と谷部との差を低減し、隣接する頂部間の縦割れや凹部の谷部での横割れのない鋳片を製造することができる。
連続鋳造用鋳型の一部を構成する鋳型長辺を内壁面側から視た図である。 図1に示す異種金属充填部が形成された鋳型長辺の部位を示す図である。 図1に示す鋳型長辺の三つの断面における熱抵抗の変化を概念的に示す図である。 図1とは別の形態の異種金属充填部が形成された鋳型長辺の部位を示す説明図である。 熱伝導比と鋳片表面割れ長さ(mm/m)との関係を示すグラフである。 図1に示す鋳型長辺の内壁近傍に形成される凝固シェルを示す図である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態の一例を説明する。連続鋳造用鋳型は、スラブ鋳片を鋳造するための連続鋳造用鋳型の例であり、一対の鋳型長辺と一対の鋳型短辺とを組み合わせて構成される。図1は、そのうちの鋳型長辺を内壁面側から見た図である。鋳型長辺1における定常鋳造時のメニスカスの位置よりも距離Q(距離Qは任意の値)離れた上方の位置から、メニスカスよりも距離R離れた下方の位置までの内壁面の範囲には円形凹溝が複数設けられ、該円形凹溝には、鋳型の熱伝導率よりも低いあるいは高い熱伝導率となる金属(以下、「異種金属」と記す)が充填され、異種金属充填部3が複数形成されている。なお、「メニスカス」とは「鋳型内溶鋼湯面」を意味する。
図示を省略してある鋳型短辺にも、鋳型長辺と同様に、その内壁面側に異種金属充填部が形成されるものとして、以降、鋳型短辺についての説明は省略する。但し、スラブ鋳片においては、その形状に起因して長辺面側の凝固シェルに応力集中が起こりやすく、長辺面側で表面割れが発生しやすい。よって、スラブ鋳片用の連続鋳造用鋳型の鋳型長辺には、異種金属充填部を設置することが必要となるが、鋳型短辺には、必ずしも、異種金属充填部を設置する必要はない。
図2は、図1に示す鋳型長辺の異種金属充填部が形成された部位の拡大図で、(A)は内壁面側から見た部位の図であり、(B)は、(A)のBB線断面図である。異種金属充填部3は、鋳型長辺1の内壁面側にそれぞれ独立して加工された、直径dが2〜20mmの円形凹溝2の内部に、鍍金手段や溶射手段などによって、鋳型の熱伝導率に対して熱伝導率が80%以下あるいは125%以上である異種金属が、厚みHを有するべく充填されて形成されたものである。符号5は冷却水流路、符号6はバックプレートである。全ての異種金属充填部3同士の間隔Pは特に同じである必要はないが、後述する熱抵抗の変動を確実に周期的なものとするべく、全ての異種金属充填部3同士の間隔Pは同じとすることが望ましい。なお、以下、異種金属の熱伝導率が鋳型の熱伝導率に対して80%以下である場合を説明している。
図1及び図2では、異種金属充填部3の鋳型長辺1の内壁面における形状が円形であるが、円形とする必要はない。例えば楕円形のような、所謂「角」を有していない、円形に近い形状である限り、どのような形状であっても構わない。但し、円形に近い形状の場合でも、後述する通り、この円形に近い形状の異種金属充填部3の面積から求められる円相当径は2〜20mmの範囲内とする。
図3は、鋳型長辺の三箇所の位置における熱抵抗の変化を概念的に示す図である。熱抵抗が鋳型よりも大きい異種金属充填部3を、メニスカスの位置を含むメニスカス近傍の連続鋳造用鋳型の幅方向及び鋳造方向に複数設置することにより、メニスカス近傍の鋳型幅方向及び鋳造方向における連続鋳造用鋳型の熱抵抗が規則的且つ周期的に増減する。これによって、メニスカス近傍、つまり、凝固初期での凝固シェルから連続鋳造用鋳型への熱流束が規則的且つ周期的に増減する。この熱流束の規則的且つ周期的な増減により、δ鉄からγ鉄への変態によって発生する応力や熱応力が低減し、これらの応力によって生じる凝固シェルの変形が小さくなる。凝固シェルの変形が小さくなることで、凝固シェルの変形に起因する不均一な熱流束分布が均一化され、且つ、発生する応力が分散されて個々の歪量が小さくなる。その結果、凝固シェル表面における表面割れの発生が防止される。なお、熱抵抗が鋳型長辺1よりも低くなる異種金属充填部3を設置しても、連続鋳造用鋳型の熱抵抗を規則的且つ周期的に増減させ得る。
初期凝固への影響を勘案すれば、異種金属充填部3を、メニスカスから、定常鋳造時の鋳片引き抜き速度Vc(m/分)に応じて、下記の(1)式から算出される距離R(mm)以上メニスカスよりも下方の位置まで設置することとする。
R=2×Vc×1000/60 (1)
すなわち、距離Rは、凝固開始した後の鋳片(凝固シェル)が異種金属充填部3の設置された範囲を通過する時間に関係しており、凝固開始後から少なくとも2秒間、鋳片は、異種金属充填部3の設置された範囲内に滞在することが好ましい。鋳片が凝固開始後から少なくとも2秒間、異種金属充填部3の設置された範囲に存在するためには、メニスカスよりも(1)式で求まる距離R以上下方に異種金属充填部3が設置されている必要がある。
凝固開始した後の鋳片が異種金属充填部3の設置された範囲内に滞在する時間を2秒以上確保することで、異種金属充填部3による熱流束の周期的な変動の効果が十分に得られ、表面割れの発生しやすい高速鋳造時や中炭素鋼の鋳造時でも、鋳片表面割れの防止効果が得られる。異種金属充填部3による熱流束の周期的な変動の効果を安定して得る上では、鋳片が異種金属充填部3の設置された範囲を通過する時間として4秒以上を確保することがより好ましい。
一方、異種金属充填部3の上端部の位置はメニスカスよりも上方である限りどこの位置であっても構わず、従って、距離Qはゼロを超えた任意の値で構わない。但し、鋳造中にメニスカスは上下方向に変動するので、異種金属充填部3の上端部が常にメニスカスよりも上方位置となるように、メニスカスよりも10mm程度上方位置まで、望ましくは20mm程度上方位置まで、異種金属充填部3を設置することが好ましい。なお、メニスカスの位置は、鋳型長辺銅板1の上端から60〜150mm下方位置とするのが一般的であり、これに応じて異種金属充填部3の設置範囲を決めればよい。
異種金属充填部3の形状は、円形または円形に近いものとする。以下、円形に近いものを「擬似円形」と称す。異種金属充填部3の形状が擬似円形の場合には、異種金属充填部3を形成させるために鋳型長辺1の内壁面に加工される溝を「擬似円形溝」と称す。擬似円形とは、例えば楕円形や、角部にRが形成された長方形など、角部を有していない形状であり、更には、花びら模様のような形状であっても構わない。鋳型銅板表面に縦溝或いは格子溝を施し、この溝に異種金属を充填した場合には、異種金属と銅との境界面及び格子部の直交部において、異種金属と銅との熱歪差による応力が集中し、鋳型銅板表面に割れが発生するという問題が起こる。これに対して、本発明のように、異種金属充填部3の形状を円形または擬似円形とすることで、異種金属と銅との境界面は曲面状となることから、境界面で応力が集中しにくく、鋳型銅板表面に割れが発生しにくいという利点が発現する。
異種金属充填部3の直径または円相当径は2〜20mmであることが必要である。2mm以上とすることで、異種金属充填部3における熱流束の低下が十分となり、上記効果を得ることができる。また、2mm以上とすることで、異種金属を鍍金手段や溶射手段によって円形凹溝2や擬似円形凹溝(図示せず)の内部に充填することが容易となる。一方、異種金属充填部3の直径または円相当径を20mm以下とすることで、異種金属充填部3における熱流束の低下が抑制され、つまり、異種金属充填部3によって、凝固遅れが抑制されて、その位置での凝固シェルへの応力集中が防止され、鋳片の表面割れ発生を防止することができる。即ち、直径または円相当径が20mmを超えると表面割れが発生することから、異種金属充填部3の直径または円相当径は20mm以下にすることが必要である。なお、異種金属充填部3の形状が擬似円形の場合は、この擬似円形の円相当径dは下記の(5)式で算出される。
円相当径d=(4×C/π)1/2 (5)
(5)式において、Cは異種金属充填部3の面積(mm)である。
図1では、鋳造方向または鋳型幅方向に同一形状の異種金属充填部3を設置しているが、本発明では、必ずしも、同一形状の異種金属充填部3を設置する必要はない。また、異種金属充填部3の直径または円相当径が2〜20mmの範囲内であれば、直径の異なる異種金属充填部3を鋳造方向または鋳型幅方向に設置しても構わない。この場合も、鋳型内での凝固シェルの不均一冷却に起因する鋳片表面割れを防止することが可能となる。
異種金属充填部3の充填厚みHは0.5mm以上とする必要がある。充填厚みHを0.5mm以上とすることで、異種金属充填部3における熱流束の低下が十分となり、熱流束の周期的な変動の効果を得ることができる。また、充填厚みHは異種金属充填部3の直径または円相当径d(mm)以下にする必要がある。充填厚みを異種金属充填部3の直径または円相当径と同等、またはそれらよりも小さくするので、鍍金手段や溶射手段による円形凹溝及び擬似円形凹溝への異種金属の充填が容易となり、且つ、充填した異種金属と鋳型銅板との間に隙間や割れが生じることもない。異種金属と鋳型銅板との間に隙間や割れが生じた場合には、充填した異種金属の亀裂や剥離が生じ、鋳型寿命の低下、鋳片の割れ、更には拘束性ブレークアウトの原因となる。すなわち、異種金属充填部3の充填厚みHは、下記の(2)式を満足することが必要である。
0.5≦H≦d (2)
この場合、異種金属の充填厚みHは円形凹溝或いは擬似円形凹溝の深さ以下となる。充填厚みHの上限値は、円形凹溝の直径dで決まる。但し、充填厚みHが10.0mmを超えると上記効果は飽和するので、充填厚みHは、円形凹溝の直径d以下で且つ10.0mm以下とすることが好ましい。
また、異種金属充填部3同士の間隔Pは、異種金属充填部3の直径または円相当径dの0.2倍以上であることが好ましい。つまり、間隔Pは異種金属充填部3の直径または円相当径に対して下記の(4)式の関係を満足することが好ましい。
P≧0.2×d (4)
間隔Pが十分に大きく、異種金属充填部3における熱流束と鋳型内壁部(異種金属充填部3が形成されていない部位)の熱流束との差が大きくなり、上記効果を得ることができる。間隔Pの上限値は特に規定しないが、この間隔が大き過ぎると、異種金属充填部3の面積率が低下するので「2.0×d」以下にすることが好ましい。
銅鋳型内壁面に銅鋳型表面の保護のための鍍金層を設けた例を図4に示す。異種金属充填部3を形成させた銅鋳型内壁面に、凝固シェルによる磨耗や熱履歴による鋳型表面の割れを防止することを目的として、鍍金層4を設けることが好ましい。鍍金層4は一般的に用いられるニッケル系合金、例えばニッケル−コバルト合金(Ni−Co合金)などを鍍金することで十分である。鍍金層4の厚みhは2.0mm以下にすることが好ましい。鍍金層4の厚みhを2.0mm以下にすることで、熱流束に及ぼす鍍金層4の影響を少なくすることができ、異種金属充填部3による熱流束の周期的な変動の効果を十分に得ることができる。
特許文献2に記載されているように、鋳型内壁面に、複数個の異種金属充填部がそれぞれ独立して形成された鋳型を用いれば、熱流束の周期的な変動が生じ、鋳片表面割れの発生しやすい高速鋳造時や中炭素鋼の鋳造時においても、鋳片表面割れの防止効果が得られる。この熱流束の周期的な変動を生じさせるためには、異種金属の熱伝導率λは、鋳型(銅)の熱伝導率λcに対して80%以下あるいは125%以上である必要がある。熱伝導率λが、熱伝導率λcに対して80%よりも大きいあるいは125%より小さいと、異種金属充填部3による熱流束の周期的な変動の効果が不十分であるために、鋳片表面割れの発生しやすい高速鋳造時や中炭素鋼の鋳造時において、鋳片表面割れの防止効果が不十分になる。
異種金属としては、鍍金や溶射のしやすいNi(熱伝導率:約90W/(m・K))及びNi合金(熱伝導率:約40〜90W/(m・K))を用いることができるし、銅合金(熱伝導率:約100〜398W/(m・K))を用いることができる。また、Ni合金や銅合金以外の金属を使用することもできる。鋳型として、純銅(熱伝導率が398W/(m・K)程度)や前述の銅合金を採用してもよい。特に、鋳型内電磁攪拌を行う場合には、コイルからの溶鋼中への磁場強度を減衰させないために、銅以外の成分が数%加えられ、導電率が低くなった銅合金からなる鋳型を使用することとなり、銅合金の熱伝導率も純銅に比べて低下する。異種金属及び/または鋳型の金属を適宜選択することによって、異種金属の熱伝導率を鋳型(銅)の熱伝導率に対して80%以下あるいは125%以上に調整する。
<実験>
銅板に充填する円形凹溝に充填した異種金属の熱伝導率λと鋳型(銅)の熱伝導率λcと、連続鋳造で製造されたスラブの表面割れと、の関係を調査するべく鋼の連続鋳造を複数回行う実験を行った。実験の鋼の連続鋳造では、長辺長さ2.1m、短辺長さ0.25mの内面空間サイズを有し、異種金属充填部3が形成された水冷銅鋳型を用いている。水冷銅鋳型の上端から下端までの長さ(=鋳型長)は900mmであり、実験の鋼の連続鋳造では、メニスカスを鋳型上端より80mm下方の位置とし、メニスカスより30mm上方から、メニスカスよりも190mm下方の位置までの範囲(範囲長さ:(Q+R)=220mm)の鋳型内壁面に異種金属充填部3を形成している。
連続鋳造の各々では、鋳型の銅として銅合金を、異種金属としてNi合金を採用し、異種金属の熱伝導率λと銅合金の熱伝導率λcとが適宜変更された連続鋳造用鋳型を用いて、銅合金に対する異種金属の熱伝導率の比λ/λcを変更している。実験の全ての連続鋳造では、直径dが2〜20mmであり、前述の(1)及び(2)式を満たしているが、異種金属の熱伝導率が、銅合金に対して80%以下であることを満たす場合とそうでない場合とがある。
実験では、鋳片表面割れを評価した。実験での熱伝導率比λ/λc(−)と鋳片表面割れ長さ(mm/m)の関係を図5に示す。鋳片に表面割れが発生する場合、表面割れは縦割れが多く、該縦割れの長さを測定している。カラーチェックによる目視で縦割れを確認し、鋳片長さに対する縦割れの長さで、鋳片表面割れを評価してある。図5のグラフから、熱伝導率比λ/λcが0.8(百分率で80%に相当)以下では、凝固シェル表面での表面割れの発生が抑えられていることがわかる。また、熱伝導率比λ/λcが1.25(百分率で125%)以上であれば、熱伝導率比λ/λcが0.8以下である場合と同様に、熱抵抗の周期的な変動が鋳型内壁に生じ、鋳片の表面割れの発生が抑えられる効果が期待できる。
本発明者らは、上記の連続鋳造用鋳型を用いる場合で、オシレーションマークに起因する鋳片の表面割れを効果的に抑制するべくオシレーションマークが形成される機構について鋭意検討した結果、異種金属充填部の中心間の距離に応じて、連続鋳造用鋳型に加える振動を調整することにより、オシレーションマークとなる凹凸面の頂部または谷部を、熱流束が周期的に変動する鋳型内壁部分に確実に接触させ、これにより、前記凝固シェル部分の頂部と谷部との差を低減し得ると考えた。
オシレーションマークの形成機構について説明する。鋳型長辺1の内壁近傍に形成される凝固シェル11aを図6に示す。鋼の連続鋳造方法では、冷却している鋳型に溶鋼11を注入し、鋳型の内壁近傍に凝固シェル11aを形成し、鋳型に上下方向に振動を加えつつ鋳型から未凝固の溶鋼11を有する凝固シェル11aを引き抜いて、鋼の鋳片を製造する。図6において、鋳型長辺1に振動が加えられていない初期状態の凝固シェル11aを(A)に示してあり、振動によって先端部が変形を受けた凝固シェル11aを(B)に、振動が続き、周期的な凹凸面が形成された凝固シェル11aを(C)に、示してある。
出口がダミーバーで閉じられた状態の鋳型に溶鋼11が注入され、図6(A)に示すように、冷却されている鋳型長辺1の内壁近傍で溶鋼11が凝固して凝固シェル11aが形成される。図示は省略してあるが、鋳型長辺1の内壁には、ナタネ油などの焼き付き防止剤がスプレーにより塗覆され、凝固シェル11aの内壁への焼き付きが防止されている。また、溶鋼11の表面にモールドパウダー21を投入することで、溶鋼11の表面には、モールドパウダーが溶融して溶融スラグ24の層が形成され、次いで、該溶融スラグ24の層の上には、半固体状(半溶融状)となる半溶融パウダー23の層が形成され、該半溶融パウダー23の層の上には、固体パウダー22の層が形成される。
図6(A)に示す状態で凝固シェル11aを鋳型から、鋳片引き抜き速度Vc(m/分)で引き抜くとともに、鋳型を振動させると、図6(B)に示すように、凝固シェル11aと鋳型長辺1の内壁との間に隙間が形成され、該隙間に溶融スラグ24が流入していくことになる。鋳型の振動によって、鋳型が下方へ向かう際の速度が、凝固シェル11aの引き抜き速度Vcよりも大きい場合が生じる。その際、溶融スラグ24のうち、高粘性部分が凝固シェル11aの先端部を押し曲げることになる。
先端部が押し曲げられた後、凝固シェル11aが鋳型から引き抜かれることになるが、鋳型を上下方向に動かす振動が繰り返され、再び先端部が押し曲げられ、図6(C)に示すように、凝固シェル11aに周期的な凹凸面が形成され、鋳片にオシレーションマークが形成されることになる。凹凸面において隣接する谷部(または頂部)の間隔sd(mm)は、振動の1周期T(分)の間に、凝固シェル11aが進行する長さ(mm)であり、引き抜き速度Vc(m/分)と周期T[=1/周波数f(回/分)](分)とを用いて、次の式で表される。
sd=1000×Vc/f (6)
凝固シェル11aの谷部または頂部が間隔sd(mm)下方に進む間に、異種金属充填部及び鋳型銅板の両方に接すれば、谷部または頂部の凝固シェル11aの部位が抜熱される際に、周期的な熱流束変動を受けるので、その部位での不均一凝固が改善され、凹凸面の頂部と谷部との差が低減され、延いては鋳片でのオシレーションマークに起因する表面割れの発生が抑えられる。異種金属充填部3の鋳造方向における中心間の距離PH[mm]が間隔sd[mm]以下となれば、振動の1周期T(分)の間に、谷部または頂部の凝固シェル11aの部位が異種金属充填部及び鋳型銅板の両方に確実に接することになる。PH≦sdの不等式の右辺に(6)式の右辺を代入すると、次の式が導かれる。
PH≦1000×Vc/f (7)
また、距離PHが振幅Sの半分よりも小さくなると、オシレーションの1周期の間で、凝固シェルが常に低熱伝導金属部または鋳型銅板部に接する結果、オシレーションマーク間の凸部の抜熱が周期的な熱流束変動を受けず、オシレーションマーク深さの低減効果が得られない。その結果、凝固シェルは、周期的な熱流束の変動を受けくい状態で冷却されることになるので、凹凸面の頂部と谷部との差を低減する効果が生じにくくなる。よって、距離PHは、振幅Sの半分以上となる必要があり、次の式が導かれる。
S/2×≦PH≦1000×Vc/f (3)
なお、距離PHを、間隔sdの0.6倍以下とすることがより好ましい。これにより、表面割れが発生し易い鋼種・鋳造条件においても、表面割れの無い鋳片を製造することが可能となる。
振動によって、図6(B)で示したように、溶融スラグ14が、凝固シェル11aと鋳型内壁との隙間へ流入するように、モールドパウダーからなる層に力が加わる。モールドパウダー(溶融スラグ)の物性(粘性など)や振動の条件(周波数fなど)によっては、溶融スラグが前記隙間に流入しなくなる虞がある。よって、実操業上は、実績のあるモールドパウダーや振動条件に合せて、(3)式で計算される中心間の距離PHとなる異種金属充填部3が複数形成されている鋳型を作製し、該鋳型を用いて鋼の連続鋳造を行うことが望ましい。距離PHが(3)式を満足すれば、間隔Pが(4)式を満たすか否かに拘わらず、凹凸面の頂部と谷部との差の低減効果が生じる。振動が、正弦波や非正弦波に基づくものであっても、凹凸面の頂部と谷部との差の低減効果は変わらない。
炭素量が0.08〜0.17質量%の亜包晶鋼の鋳片は、凝固時の包晶反応による変態収縮量が大きく、オシレーションマークの凹凸面に変態収縮に起因した応力が作用することで、凹凸面の頂部と谷部との差が大きくなりやすい。本発明に従った寸法の異種金属充填部が形成された連続鋳造用鋳型を、本発明に従い振動させて鋼の連続鋳造を行うことで、凹凸面の隣接する頂部(または谷部)の距離以下の間隔で、前記応力が分散され、凹凸面の頂部と谷部との差が低減される。よって、本発明は特に亜包晶領域の溶鋼の表面割れを低減するのに好適である。
本発明によれば、鋳型内壁に形成された凹溝に、鋳型とは異なる熱伝導率を有する異種金属が充填された鋳型を用いて、振動条件を適正化することで、オシレーションマークの凹凸面の頂部と谷部との差を低減し、隣接する頂部間の縦割れや鋳片の幅方向に沿って形成される谷部での横割れのない鋳片を製造することができる。
図1に示すように、内壁面に、円形状の異種金属充填部が複数形成された水冷銅鋳型を準備し、中炭素鋼(化学成分、C:0.05〜0.20質量%、Si:0.10〜0.30質量%、Mn:0.50〜1.20質量%、P:0.010〜0.030質量%、S:0.002〜0.010質量%、Al:0.020〜0.050質量%、残部Fe及びその他不可避的不純物)を、準備した水冷銅鋳型で鋳造し、鋳造後の鋳片の表面割れを調査する試験を行った。水冷銅鋳型は、長辺長さが2.1m、短辺長さが0.22mの内面空間サイズを有する。
使用した水冷銅鋳型の上端から下端までの長さ(=鋳型長)は950mmであり、定常鋳造時のメニスカス(鋳型内溶鋼湯面)の位置を、鋳型上端から100mm下方位置に設定した。先ず、鋳型上端より60mm下方の位置から鋳型上端より300mm下方の位置までの範囲(Q=20mmとし、Rを適宜変更)に、鋳型内壁面に円形凹溝の加工を施してある。次いで、この円形凹溝の内部に鍍金手段を用いて、異種金属として、ニッケル合金(熱伝導率:80(W/(m・K)))を充填し、異種金属充填部を形成することとした。
鋳型の材料としては、熱伝導率が約380(W/(m・K))となる銅とし、異種金属充填部3の直径d(mm)や、異種金属充填部3の充填厚みH、鋳造方向における中心間の距離PHなどを変更した水冷銅鋳型を用い、更には、鋳片引き抜き速度Vc(m/分)、鋳型に与える振動の振幅Sや周波数fを変更して、鋼の連続鋳造を複数回行った(No.1〜33)。モールドパウダーとしては、塩基度(質量%CaO)/(質量%SiO)が1.25、1300℃での粘度が1.3poiseのものを使用した。
No.1〜33において、製造されたスラブの表面割れを測定した。表面割れは、カラーチェックによる目視で確認し、鋳造方向に沿った縦割れ、鋳片幅方向に沿った横割れ、の両方の長さを測定し、合計長さ(mm)を、鋳造方向におけるスラブの長さ(m)で除算して、スラブの表面割れ長さ[mm/m]算出し、表面割れの尺度として求めた。また、スラブの幅方向において端と中央とで、スラブの厚みを測定し、両者の差が5mm以上ある場合には、バルジングが発生したと判断して、バルジングの発生有無を評価した。更には、レーザー距離計を用いて測定したスラブ表面の凹凸から頂部と谷部との差を測定した。
各連続鋳造で用いた鋳型や振動の条件、表面割れ指数、バルジングの発生有無及びオシレーションの頂部と谷部との差の結果を表1に示す。
Figure 2016168610
メニスカスから、メニスカスよりも(1)式で求まる長さ以上下方の位置までの範囲に、鋳型の熱伝導率に対して熱伝導率が80%以下の異種金属充填部金属が形成され、且つ、(2)式を満たし、異種金属充填部の直径dが2〜20mmである鋳型を用い、(3)式を満たしているNo.の連続鋳造の場合に、表1の「本発明例/比較例」の欄で、「本発明例」と記載し、いずれかを満たさない連続鋳造の場合には「比較例」と記載してある。なお、前述の実験によって、鋳型の熱伝導率に対して熱伝導率が80%以下の異種金属が充填された異種金属充填部3が形成された水冷銅鋳型は、鋳片の表面割れの発生を抑える効果を奏することがわかっており、本発明例で用いた鋳型は、異種金属充填部3の金属の熱伝導率が、鋳型の熱伝導率に対して80%以下である。
No.1〜9について、No.2〜8では、異種金属充填部の直径dが2〜20mmの範囲内となり、オシレーションマークの凹凸面の頂部と谷部との差が0.5mm以下となっている。一方で、No.1及び9では、直径dがその範囲外となっており、頂部と谷部との差が0.6mm以上となっている。
No.10及び11について、メニスカスから、メニスカスよりも(1)式で求まる長さR下方の位置までの範囲に形成されているNo.10では、頂部と谷部との差が0.45mmであるが、そうでないNo.11では、0.59mmとなり、0.6mmに近い値となっている。
No.12〜18について、No.13〜17では(2)式を満たし、頂部と谷部との差が0.5mm未満となっているが、そうでないNo.12及び18では、0.6mmを超えている。
No.19〜33について、No.21〜31では(3)式を満たし、頂部と谷部との差が0.5mm未満となっているが、そうでないNo.19、20及び32、33では、0.5mmを超えている。
本発明によって、鋳型内壁に形成された凹溝に、鋳型とは異なる熱伝導率を有する異種金属が充填された鋳型を用いて、振動条件を適正化することで、オシレーションマークの凹凸面の頂部と谷部との差を低減し、隣接する頂部間の縦割れや鋳片の幅方向に沿って形成される谷部での横割れのない鋳片を製造できることがわかった。
1 鋳型長辺
2 円形凹溝
3 異種金属充填部
4 鍍金層
5 冷却水流路
6 バックプレート
11 溶鋼
11a 凝固シェル
21 モールドパウダー
22 固体パウダー
23 半溶融パウダー
24 溶融スラグ

Claims (3)

  1. 連続鋳造用鋳型内に溶鋼を注入しつつ、前記連続鋳造用鋳型を鋳造方向に振動させながら前記溶鋼を引き抜いて、鋳片を製造する鋼の連続鋳造方法であって、
    前記連続鋳造用鋳型は、メニスカスよりも上方の任意の位置から、前記メニスカスよりも、鋳片引き抜き速度Vc(m/分)から下記の(1)式で求まる長さR(mm)以上下方の位置までの、水冷式銅鋳型の内壁面の範囲に、鋳型の熱伝導率に対して熱伝導率が80%以下あるいは125%以上である金属が、前記内壁面に設けられた円形凹溝または擬似円形凹溝に充填されて形成された、直径2〜20mmまたは円相当径2〜20mmの複数個の異種金属充填部をそれぞれ独立して有し、前記異種金属充填部の充填厚みH(mm)と前記異種金属充填部の直径または円相当径d(mm)とは下記の(2)式の関係を満たすものであり、
    前記連続鋳造用鋳型の振動の振幅S(mm)及び周波数f(回/分)と前記異種金属充填部の鋳造方向における中心間の距離PH(mm)とは下記の(3)式の関係を満たすことを特徴とする鋼の連続鋳造方法。
    R=2×Vc×1000/60 (1)
    0.5≦H≦d (2)
    S/2≦PH≦1000×Vc/f (3)
  2. 前記異種金属充填部の間隔P(mm)と前記異種金属充填部の直径または円相当径dとは下記の(4)式の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載の鋼の連続鋳造方法。
    P≧0.2×d (4)
  3. 前記溶鋼は、炭素含有量が0.08〜0.17質量%である中炭素鋼であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の鋼の連続鋳造方法。
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