JP2016168578A - 流動床フライアッシュ中の重金属不溶化方法、及び重金属が不溶化された土木資材の製造方法 - Google Patents

流動床フライアッシュ中の重金属不溶化方法、及び重金属が不溶化された土木資材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】流動床フライアッシュ特有の性状を考慮しつつ、効果的に重金属の溶出を抑制することのできる、重金属不溶化方法を提供する。【解決手段】賦形剤以外の添加剤を用いることなく流動床フライアッシュを5mm以上の厚さになるよう層を形成した後、700〜1100℃の温度で焼成することを特徴とする、流動床フライアッシュ中の重金属不溶化方法。【選択図】なし

Description

本発明は、効果的に重金属を不溶化することのできる流動床フライアッシュ中の重金属不溶化方法、及び重金属が不溶化された土木資材の製造方法に関する。
近年、日本国内におけるエネルギー政策等の影響もあり、火力発電所で発生する石炭灰は、今後益々増大することが予想される。かかる石炭灰は、セメント・クリンカの原料として処理することが可能ではあるものの、その処理量はセメント・クリンカ自体の需要に大きく左右されるため、安定して処理できる新たな用途が望まれる。こうした石炭灰や焼却灰等の廃棄物には重金属が含まれている可能性が高いため、これら廃棄物を有効活用すべく、従来より廃棄物からの重金属の溶出を抑制して無害化を図る種々の技術が開発されている。
例えば、特許文献1には、廃棄物と、酸化鉄等の鉄系材料との混合物を、還元剤の存在下で加熱する技術が開示されている。また、特許文献2には、焼却灰を特定のアルカリ性物質の存在下、酸素含有率の異なるガス媒体と接触させながら異なる温度域で処理する技術が開示されている。さらに、特許文献3には、粉砕装置を用いて廃棄物を粉砕し、これを低酸素状態で焼成する技術が開示されている。
一方、石炭灰は、石炭の燃焼過程や燃焼方式等によっても、また回収される位置によっても、外観や粒子形状のみならず鉱物組成や化学組成等その性状は多種多様であるため、これに応じて重金属を有効に不溶化する技術も検討する必要がある。
国際公開第1996/005002号 特許第3676768号公報 特開2006−207909号公報
しかしながら、特許文献1〜2のように、還元剤やアルカリ性物質等の特定の剤を添加する方法では、重金属を揮発除去させるので、排ガス処理装置が必要となるなど処理工程の簡略化や低廉化を十分に図ることができず、また特許文献3のように粉砕処理や特定の雰囲気下での焼成処理を施しても、効果的に重金属の溶出を抑制できないおそれがある。しかも、無害化を図る石炭灰として、流動床フライアッシュを用いた場合、上記文献に記載の技術を採用したところで、十分な効果が得られないおそれがあるとともに、多岐にわたる不溶化剤を多量に用いることを余儀なくされるおそれもある。
したがって、本発明の課題は、流動床フライアッシュ特有の性状を考慮しつつ、効果的に重金属の溶出を抑制することのできる、重金属不溶化方法を提供することにある。
そこで本発明者らは、種々検討したところ、賦形剤以外の添加剤を要することなく流動床フライアッシュを用い、ある一定以上の厚さの層を形成した後、これを特定の温度で焼成することにより、流動床フライアッシュに含まれる重金属を効果的に不溶化できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、賦形剤以外の添加剤を用いることなく流動床フライアッシュを5mm以上の厚さになるよう層を形成した後、これを700〜1100℃の温度で焼成することを特徴とする、流動床フライアッシュ中の重金属不溶化方法を提供するものである。
また、本発明は、賦形剤以外の添加剤を用いることなく流動床フライアッシュを5mm以上の厚さになるよう層を形成した後、700〜1100℃の温度で焼成して、得られた焼成物に水、或いは水とともにセメント及び不溶化剤から選ばれる1種又は2種を添加することにより塊状化し、次いで養生することを特徴とする、土木資材の製造方法を提供するものである。
本発明の流動床フライアッシュ中の重金属不溶化方法によれば、特有の性状を有する流動床フライアッシュにおいて、重金属が溶出するのを効果的に低減することができる。したがって、かかる方法により得られる焼成物を用いれば、不溶化剤の使用量を削減して、土木資材を製造することができる。また、土木資材として十分に有効活用することもできるため、流動床フライアッシュの消費量増大に大いに寄与し得る。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の流動床フライアッシュ中の重金属不溶化方法は、賦形剤以外の添加剤を用いることなく流動床フライアッシュを用い、ある一定以上の厚さになるよう層を形成した後、700〜1100℃の温度で焼成することを特徴とする。
一般に、石炭灰における外観や物理的・化学的性質等の性状は、その種類によって相違するが、本発明では、流動床フライアッシュ、すなわち流動床燃焼方式により集塵装置において回収される石炭灰を用いる。流動床燃焼方式としては、具体的には、循環流動床燃焼方式、加圧式流動床燃焼方式が挙げられるが、炭素源をより多く含有することで重金属の不溶化を効果的に促進させ得ると考えられる観点から、強熱原料が5%以上の流動床フライアッシュが好ましく、さらに循環流動床燃焼方式により回収される強熱原料が10%以上の流動床フライアッシュを用いるのが好ましい。
流動床フライアッシュに含まれ得る重金属としては、第2種特定有害物質とされるホウ素(B)、六価クロム(Cr+6)、ヒ素(As)、フッ素(F)、セレン(Se)等が挙げられる。これら重金属は、種々の環境基準、例えば土壌の汚染に係る環境基準(以降、「土壌環境基準」とする)や、2011年に策定された、コンクリート用及び道路用のスラグ類のJISへ環境安全品質及びその検査方法を導入するための指針の付録である、『コンクリート用スラグ骨材に環境安全品質及びその検査方法を導入するための指針』に示す環境安全品質基準(港湾用途に限る)(以降、「港湾基準」とする)により、その量が制限されており、土壌環境基準では、地下水等の飲用としての利用への影響を考慮し、港湾基準値よりもより厳しい値が規定されている。流動床フライアッシュは、ホウ素(B)、六価クロム(Cr+6)、ヒ素(As)、フッ素(F)、セレン(Se)の含有量がこれらの溶出基準を超過する場合が多く、本発明の方法によりいずれの含有量も低減することが可能ではあるが、なかでもより効果的に含有量を低減することができる重金属として、六価クロム(Cr+6)、セレン(Se)が挙げられ、特に六価クロム(Cr+6)を顕著に低減することができる。
流動床フライアッシュを層状にする際は、かかる流動床フライアッシュを適宜、例えばトンネル炉で使用する搬送コンベア等の容器に充填した後、ブラシ或いは均し道具等を用いて手動で所望の厚さにすることができる。また、流動床フライアッシュを容器に充填する前又は充填する際に、かかる流動床フライアッシュを混練してもよい。さらに、流動床フライアッシュの水分量等の性状に応じ、層の形成の容易化を図る観点から、水を添加してもよい。水を添加する場合は、用いる流動床フライアッシュの性状によっても変動し得るが、流動床フライアッシュ100質量部に対し、水を好ましくは20〜100質量部添加し、より好ましくは60〜90質量部添加する。
ただし、流動床フライアッシュを容器に充填して層を形成する際、賦形剤以外の添加剤は使用しない。これにより、不要な生成物が生じるのを抑制しつつ、重金属の不溶化を効果的に促進させることができる。かかる賦形剤以外の添加剤としては、具体的には、例えば、鉄粉、硫酸塩、酸化カルシウム(水酸化カルシウム)、酸化マグネシウム等の不溶化剤;木くず燃料や炭化物等の可燃物、キレート、粘土等の吸着剤等が挙げられる。
なお、後述するように、重金属が不溶化された流動床フライアッシュを用いて効率的に土木資材を製造する観点から、予め流動床フライアッシュに固化材としてセメントを配合して層を形成してもよい。セメントを配合する場合は、水和してセメントが消失したり、加熱時に爆裂又は粉状化したりすることを防止する観点から、水を添加せずに層を形成することが好ましい。すなわち、本発明において添加剤とは、賦形剤を包含しない意味であるほか、かかるセメントのような固化材を包含しない意味でもある。
得られる充填物の層の厚さは、用いる流動床フライアッシュの性状によっても変動し得るが、効果的に重金属を不溶化させる観点から、好ましくは7〜500mmであり、より好ましくは10〜300mmである。
なお、これらの層の厚さは、ノギスやメジャーにより測定される値を意味する。
充填物に水を添加して層を形成した場合は、焼成する前に、予め乾燥機等を用いて乾燥させるのが好ましい。これにより、充填物に残存する水分を可能な限り除去して層を形成することができ、加熱時に爆裂又は粉状化することを有効に防止し、重金属の不溶化を効果的に促進させることが可能となる。乾燥温度は、好ましくは60〜120℃であり、より好ましくは80〜110℃である。また、乾燥時間は、好ましくは12〜36時間であり、より好ましくは18〜24時間である。或いは、充填物に水を添加して層を形成した場合は、焼成する際に、700〜1100℃の焼成温度まで徐々に昇温させてもよい。昇温する時間は、好ましくは0.5〜36時間であり、より好ましくは1〜24時間である。
次いで、得られた層状の充填物を700〜1100℃の温度で焼成する。これにより、流動床フライアッシュに含まれ得る炭素源が、層状の充填物内で封じ込められたまま焼成されるので、効果的に不溶化させることができるものと考えられる。また、焼成温度が800〜1100℃、より好ましくは800〜1000℃であり、さらに好ましくは850〜950℃であれば、これらの溶出量を効果的に低減することができる。加えて、焼成温度が1100℃を超えると、焼成物が硬くなり、後述のセメントや不溶化剤の混練が困難となったり、予め流動床フライアッシュにセメントを混合した場合はセメントが消失したりするおそれがある。
より好ましい焼成温度としては、流動床フライアッシュの性状や重金属の種類によっても変動し得るが、例えば、重金属がセレン(Se)である場合、焼成温度は、好ましくは800〜1000℃であり、より好ましくは850〜1000℃である。重金属が六価クロム(Cr+6)である場合、焼成温度は、好ましくは700〜1000℃であり、より好ましくは700〜900℃である。重金属がフッ素(F)である場合、焼成温度は、好ましくは900〜1100℃であり、より好ましくは1000〜1100℃である。重金属がヒ素(As)である場合、焼成温度は、好ましくは700〜1000℃であり、より好ましくは800〜950℃である。重金属がホウ素(B)である場合、焼成温度は、好ましくは700〜1000℃であり、より好ましくは750〜950℃である。
焼成時間は、上記焼成温度によっても変動し得るが、好ましくは0.25〜4時間であり、より好ましくは0.5〜2時間である。
焼成雰囲気は、大気雰囲気であればよく、真空、Arガス等の不活性ガス等を用いることもできる。焼成装置としては、加圧する必要がないため、種々の大気雰囲気炉を用いることができ、例えばマッフル炉、トンネル炉を用いることもできる。したがって、本発明であれば、流動床フライアッシュに含まれる重金属を不溶化させるにあたり、簡略化された方法を実現することができる。
これにより、得られた焼成物は、流動床フライアッシュ中の重金属の溶出量を低減しており、従来より少ない不溶化剤を添加するのみで、埋立て処分や充填材、或いはフィラーとして用いることができる。
このようにして得られた焼成物は、流動床フライアッシュ中の重金属を有効に不溶化して、これを材料として用いることにより、コンクリート用の骨材、或いは路盤材、埋戻し材等の土木資材を得ることができる。また、得られた焼成物は、人工骨材や軽量骨材とは異なり強度が得られる配合や焼成温度としていないので、脆いものであるので埋立てや充填材、フィラーではなく塊状の土工資材として用いる場合には、少なくとも水を添加し養生することで強度を高める必要がある。
土木資材を製造するにあたり、上記得られた焼成物に、水を単独で、或いは水とともに、セメント及び不溶化剤から選ばれる1種又は2種を添加、混練してスラリー化し、次いで養生する。または、得られた焼成物を、水を単独で、或いは水とともに、セメント及び不溶化剤から選ばれる1種又は2種を添加、混練して塊状化し、次いで養生する。上述したように、予め流動床フライアッシュにセメントを配合して、セメントや非水溶性の不溶化剤を焼成後に添加する必要がない場合は、得られた焼成物に水のみ、或いは不溶化剤の水溶液を添加すればよく、セメントの混合を省略して、さらなる簡略化を図ることもできる。焼成物に水を添加する場合、用いた流動床フライアッシュの性状や焼成条件、混練条件によっても変動し得るが、焼成物100質量部に対し、水を好ましくは20〜140質量部添加し、より好ましくは50〜120質量部添加する。養生期間としては、好ましくは1日以上であり、より好ましくは3日以上であり、さらに好ましくは7日以上である。また、養生する際の温度は、大気温度であればよく、具体的には、例えば0〜40℃であればよい。
なお、上記得られた養生物は、所望の土木資材に応じ、予め粉砕又は解砕するのが好ましい。粉砕又は解砕されてなる土工資材の粒度は、好ましくは0.1〜100mmであり、より好ましくは1〜50mmである。
用い得る水としては、特に限定されず、水道水、下水処理水、及び生コンクリートの上澄水等が挙げられる。
また用い得るセメントとしては、特に限定されず、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント、高炉セメント、シリカセメント、白色セメント、及びエコセメント等が挙げられる。
養生物の環境省告示18号法によるpHは、重金属の溶出を効果的に抑制する観点から、好ましくは10.5〜13.0であり、より好ましくは11.6〜12.8である。
用い得る不溶化剤としては、還元剤や吸着剤等が挙げられる。上記得られた焼成物は、すでに所望の重金属溶出量が低減されたものではあるが、さらに特定の重金属につき、確実に不溶化させたい場合に不溶化剤を用いるのが有効である。かかる還元剤としては、亜硫酸ナトリウム等の亜硫酸塩;硫酸鉄(II)、塩化鉄(II)等の鉄(II)塩;チオ硫酸ナトリウム、鉄粉等が挙げられる。吸着剤としては、Ca(OH)2やCaCO3や石膏等のカルシウム系物質;ゼオライト、シュベルマナイトや粘土鉱物;Mg−Al系やMg−Fe系等のハイドロタルサイト化合物のような層状複水酸化物;Ca−Al系水酸化物やエトリンガイトやモノサルフェート等のCa−Al系化合物;酸化鉄(ヘマタイト)や酸化ビスマス等の含水酸化物;水酸化マグネシウムや軽焼マグネシウム、焼成ドロマイト、酸化マグネシウム等のマグネシウム化合物;硫化鉄や鉄粉やシュベルマナイトやFe(OH)2等の鉄化合物;酸化ケイ素や酸化アルミニウムや酸化鉄等の混合物又は焼成物;セリウムや希土類元素を含む化合物が挙げられる。また、化学変化による不溶化を起こす物質として、リン酸水素カルシウム二水和物が挙げられる。
また、より不溶化を図ろうとする重金属の種類に応じ、上記不溶化剤やセメントの種類を適宜選択して用いるのも効果的である。例えば、不溶化を図ろうとする重金属がフッ素(F)である場合、不溶化剤としてCa(OH)2やリン酸水素カルシウム二水和物、酸化マグネシウム、各種セメント、各種鉄鋼スラグを添加すればよい。不溶化を図ろうとする重金属がセレン(Se)である場合、不溶化剤としてCa(OH)2を用い、かつセメントとして高炉セメントB種を用いて、これらを併せて添加するのが好ましい。不溶化を図ろうとする重金属が六価クロム(Cr+6)である場合、不溶化剤としてFeSO4・H2Oや各種鉄鋼スラグを添加するのが好ましい。不溶化を図ろうとする重金属がヒ素(As)である場合、不溶化剤としてFeSO4・H2OやCa(OH)2、酸化マグネシウムを添加するのが好ましい。不溶化を図ろうとする重金属がホウ素(B)である場合、セメントとして高炉セメントB種を用いるのが好ましい。
このように、上記焼成物を用いることにより、不溶化剤の種類や量を必要最小限に留めることができる。セメントは1100℃までの焼成温度であれば、ほとんど反応せず形態を変えないので、セメントを焼成前に混合しても、焼成後に混合するときと同様に不溶化剤の種類や量を必要最小限にとどめることができる。また、セメントは不溶化剤であると同時に固化材としても寄与するので、より強固な土工資材を得ることが可能となる。
上記水、セメント、及び不溶化剤のほか、さらにその他の成分として、ポリカルボン酸、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、メラミンスルホン酸ホルマリン縮合物、リグニンスルホン酸、及びこれらの塩等の減水剤;収縮低減剤、白華防止剤、アルカリ反応促進剤(例えば水ガラス、苛性ソーダ)、および硬化促進剤等のコンクリート用混和剤;シリカフューム、石灰石粉末、およびシリカ質粉末等のコンクリート用混和材を添加することもできる。
上記成分を添加、混練するにあたり、混練装置や混練方法は特に限定されず、慣用の装置や方法を用いることができる。また、塊状化する装置は、回転皿型造粒機やロールプレス機、押出成型機、アイリッヒミキサーやプローシェアーミキサー等が使用でき、粉砕装置や解砕装置は特に限定されず、慣用の装置や方法を用いることができる。さらに、養生方法も特に限定されず、湿空養生、水中養生、及び蒸気養生等を適宜用いることができる。次いで、必要に応じて風乾させ、所望の土木資材を得ることができる。
以下、本発明について、実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1:焼成物の製造]
表1に示す性状の流動床フライアッシュ(循環流動層型)を用いた。強熱原料は26%、CaO含有量は9.5%、SO3含有量は3.5%であった。なお、流動床フライアッシュにおける各重金属の含有量は、環境省告示19号法により測定した。
かかる流動床フライアッシュをステンレス製バットに充填し、手作業により、厚さ7mmの層を形成し、これをマッフル炉を用いて700℃の温度で1時間焼成した。得られた焼成物を粒度2mm以下にした後、環境省告示18号法により各重金属の溶出試験を行った。
土壌環境基準の各重金属の溶出量基準値とともに、結果を表1に示す。
[実施例2:焼成物の製造]
焼成温度を800℃とした以外、実施例1と同様にして焼成物を用いて試料を得た後、各重金属の溶出試験を行った。
結果を表1に示す。
[実施例3:焼成物の製造]
焼成温度を900℃とした以外、実施例1と同様にして焼成物を用いて試料を得た後、各重金属の溶出試験を行った。
結果を表1に示す。
[実施例4:焼成物の製造]
焼成温度を1000℃とした以外、実施例1と同様にして焼成物を用いて試料を得た後、各重金属の溶出試験を行った。
結果を表1に示す。
[実施例5:焼成物の製造]
焼成温度を1100℃、厚さ15mmとした以外、実施例1と同様にして焼成物を用いて試料を得た後、各重金属の溶出試験を行った。
結果を表1に示す。
[実施例6:土木資材の製造]
実施例4で得られた焼成物100質量部に対し、水80質量部、リン酸水素カルシウム二水和物5質量部を添加して3分間混練した後、得られた塊状物をポリ容器に入れて密封し、20℃で7日間養生した。養生終了後、風乾させて試料を得て、粒度2mm以下に粉砕した後、環境省告示18号法により各重金属の溶出試験を行った。
結果を表1に示す。
[実施例7:土木資材の製造]
実施例4で得られた焼成物100質量部に対し、水80質量部、Ca(OH)を8質量部を添加して3分間混練した後、得られた塊状物をポリ容器に入れて密封し、20℃で7日間養生した。養生終了後、風乾させて試料を得て、粒度2mm以下に粉砕した後、環境省告示18号法により各重金属の溶出試験を行った。
結果を表1に示す。
[実施例8:土木資材の製造]
実施例4で得られた焼成物100質量部に対し、水30質量部、太平洋セメント社製のマグネシウム・カルシウム化合物系不溶化剤「デナイト」6質量部を添加して3分間混練した後、得られた塊状物をポリ容器に入れて密封し、20℃で7日間養生した。養生終了後、風乾させて試料を得て、粒度2mm以下に粉砕した後、環境省告示18号法により各重金属の溶出試験を行った。
結果を表1に示す。
[比較例1:焼成物の製造]
流動床フライアッシュ(厚さ3mmの層)をそのままマッフル炉を用いて1000℃の温度で1時間焼成した。実施例1と同様に各重金属の溶出試験を行った。
結果を表1に示す。
[比較例2:土木資材の製造]
流動床フライアッシュを焼成することなく、かかる流動床フライアッシュ100質量部に対し、水50質量部、Ca(OH)を8質量部添加して3分間混練した後、得られた塊状物をポリ容器に入れて密封し、20℃で7日間養生した。養生終了後、風乾させて試料を得て、粒度2mm以下に粉砕した後、環境省告示18号法により各重金属の溶出試験を行った。
結果を表1に示す。
[比較例3:土木資材の製造]
流動床フライアッシュを焼成することなく、かかる流動床フライアッシュ100質量部に対し、水50質量部、「デナイト」を6質量部添加して3分間混練した後、得られた塊状物をポリ容器に入れて密封し、20℃で7日間養生した。養生終了後、風乾させて試料を得て、粒度2mm以下に粉砕した後、環境省告示18号法により各重金属の溶出試験を行った。
結果を表1に示す。
Figure 2016168578
表1の結果から明らかなように、流動床フライアッシュを容器に充填して厚さ7mmの層を形成し、上記温度で焼成した実施例1〜5は、厚さ3mmの層を形成した比較例1に比して、少なくとも六価クロム(Cr+6)の溶出量が土壌環境基準を満たすことができた。
なかでも実施例2〜5では、通常は多くの不溶化剤が必要とされるSeの溶出量を大きく低減することができ、特にリン酸水素カルシウム二水和物と水を加え混練し、7日間養生した実施例6、Ca(OH)と水を加え混練し、7日間養生した実施例7、デナイトと水を加え混練し、7日間養生した実施例8では、全ての項目で土壌環境基準をも満たすことができた。したがって、実施例6、実施例7、実施例8の養生物は、塊状の土工資材を得ることができる。
また、実施例4で得られた焼成物を用いて土工資材を製造する場合は、実施例7〜8のようにCa(OH)の添加のみ、或いは「デナイト」の添加のみで環境基準を満足することができたのに対し、比較例2および比較例3で流動床フライアッシュを焼成せずに不溶化剤を同量添加した場合は、土壌環境基準を超過してしまうことがわかる。なお、比較例1に示すように、流動床フライアッシュを厚さ3mmの層状として焼成すると、六価クロムの溶出が増え、土壌環境基準を満たさなかった。

Claims (6)

  1. 賦形剤以外の添加剤を用いることなく流動床フライアッシュを5mm以上の厚さになるよう層を形成した後、700〜1100℃の温度で焼成することを特徴とする、流動床フライアッシュ中の重金属不溶化方法。
  2. 不溶化される重金属が、少なくとも六価クロムを含む、請求項1に記載の流動床フライアッシュ中の重金属不溶化方法。
  3. 不溶化される重金属が、さらにセレンを含む、請求項2に記載の流動床フライアッシュ中の重金属不溶化方法。
  4. 不溶化される重金属が、さらにホウ素、ヒ素、フッ素から選ばれる1種又は2種以上を含む、請求項2に記載の流動床フライアッシュ中の重金属不溶化方法。
  5. 賦形剤以外の添加剤を用いることなく流動床フライアッシュを5mm以上の厚さになるよう層を形成した後、700〜1100℃の温度で焼成して、得られた焼成物に水、或いは水とともにセメント及び不溶化剤から選ばれる1種又は2種を添加し、次いで養生することを特徴とする、土木資材の製造方法。
  6. 得られた焼成物が、賦形剤以外の添加剤、及び水を用いることなく流動床フライアッシュにセメントを混合して5mm以上の厚さになるよう層を形成した後、700〜1100℃の温度で焼成したものであることを特徴とする、請求項5に記載の土木資材の製造方法。
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JP2020044458A (ja) * 2018-09-14 2020-03-26 株式会社神戸製鋼所 石炭灰の無害化方法

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