JP2016167591A - 半導体装置およびその作製方法、ならびに電子機器 - Google Patents

半導体装置およびその作製方法、ならびに電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】電気特性の良好なトランジスタを提供する。または、電気特性の安定したトランジスタを提供する。または、集積度の高い半導体装置を提供する。
【解決手段】第1の絶縁体と、酸化物半導体と、第2の絶縁体と、第1の導電体と、前記第1の導電体の側壁に形成される第3の絶縁体と、前記酸化物半導体の上面、前記酸化物半導体の側面、および前記第3の絶縁体の側面と接する、第2の導電体および第3の導電体と、前記第2の導電体の側面および前記第3の導電体の側面と接する第4の絶縁体と、前記第4の絶縁体、前記第2の導電体および前記第3の導電体の上面に接する第5の絶縁体と、を有し、前記第4の絶縁体の上面は概略平坦な領域を有前記酸化物半導体は、前記第1の導電体と重なる第1の領域と、前記第1の領域よりも抵抗の低い第2の領域と、を有する半導体装置。
【選択図】図1

Description

本発明の一態様は、トランジスタおよび半導体装置、ならびにそれらの製造方法に関する。
なお、本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。本明細書等で開示する発明の一態様の技術分野は、物、方法、または、製造方法に関するものである。または、本発明の一態様は、プロセス、マシン、マニュファクチャ、または、組成物(コンポジション・オブ・マター)に関するものである。
なお、本明細書等において半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装置全般を指す。表示装置(液晶表示装置、発光表示装置など)、照明装置、電気光学装置、蓄電装置、記憶装置、半導体回路、撮像装置および電子機器などは、半導体装置を有する場合がある。
近年は、酸化物半導体を用いたトランジスタが注目されている。酸化物半導体膜は、スパッタリング法などを用いて成膜できるため、大型の表示装置を構成するトランジスタに用いることができる。また、酸化物半導体膜を用いたトランジスタは、高い電界効果移動度を有するため、駆動回路を一体形成した高機能の表示装置を実現できる。また、非晶質シリコン膜を用いたトランジスタの生産設備の一部を改良して利用することが可能であるため、設備投資を抑えられるメリットもある。
酸化物半導体を用いたトランジスタは、非導通状態において極めてリーク電流が少ないことが知られている。例えば、酸化物半導体を用いたトランジスタの極めてリーク電流が少ないという特性を応用した低消費電力のCPUなどが開示されている(特許文献1参照。)。
特開2012−257187号公報
微細なトランジスタを提供することを課題の一とする。または、寄生容量の小さいトランジスタを提供することを課題の一とする。または、周波数特性の高いトランジスタを提供することを課題の一とする。
電気特性の良好なトランジスタを提供することを課題の一とする。または、電気特性の安定したトランジスタを提供することを課題の一とする。または、消費電力の少ないトランジスタを提供することを課題の一とする。または、信頼性の良好なトランジスタを提供することを課題の一とする。または、新規なトランジスタを提供することを課題の一とする。または、これらのトランジスタの少なくとも一つを有する半導体装置を提供することを課題の一とする。
なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、これらの課題の全てを解決する必要はないものとする。なお、これら以外の課題は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面、請求項などの記載から、これら以外の課題を抽出することが可能である。
本発明の一態様は、第1の絶縁体と、第1の絶縁体上の酸化物半導体と、酸化物半導体上の第2の絶縁体と、第2の絶縁体上の第1の導電体と、第1の導電体の側面に隣接する第3の絶縁体と、酸化物半導体の側面、および第3の絶縁体の側面と接する、第2の導電体および第3の導電体と、第2の導電体の側面および第3の導電体の側面と接する第4の絶縁体と、第4の絶縁体、第2の導電体および第3の導電体の上面に接する第5の絶縁体と、を有する半導体装置である。ここで、第4の絶縁体の上面は概略平坦化される領域を有し、第2の導電体および第3の導電体の上端の高さは、第4の絶縁体の上端の高さと概略一致し、第4の絶縁体は、過剰酸素を有し、酸化物半導体は、第1の導電体と重なる第1の領域と、第1の領域よりも抵抗の低い第2の領域と、を有し、第1の絶縁体および第5の絶縁体は、第4の絶縁体よりも酸素透過性が低い。
ここで、上記構成において、第3の絶縁体を側壁絶縁層や、側壁絶縁膜、あるいはサイドウォールと呼ぶ場合がある。また、上記構成において、半導体装置は、トランジスタを有することが好ましく、第1の導電体は、該トランジスタのゲート電極として、第2の導電体および第3の導電体は該トランジスタのソース電極またはドレイン電極として、第2の絶縁体は該トランジスタのゲート絶縁体(ゲート絶縁膜、あるいはゲート絶縁層と呼ぶ場合がある)として、機能することが好ましい。
また、上記構成において、第4の絶縁体は、第1の絶縁体に達する開口部を有し、開口部には、第5の絶縁体が配置され、開口部は、酸化物半導体、第2の絶縁体および第2の導電体の四方を囲んで配置されることが好ましい。また、第5の絶縁体は、第4の絶縁体よりも水素透過性が低いことが好ましい。
また、上記構成において、第1の絶縁体および第5の絶縁体のうち少なくともいずれか一は、酸素およびアルミニウムを有することが好ましい。また、上記構成において、第2の領域は、第3の絶縁体と重なる領域を有してもよい。また、上記構成において、第2の領域は、タングステン、アルミニウム、チタン、マグネシウム、バナジウム、アンチモン、ヒ素、および硫黄のうち、少なくともいずれか一を含んでもよい。
また、上記構成において、半導体装置は、第6の絶縁体を有し、第6の絶縁体は凸部を有し、酸化物半導体は、凸部上に接して形成されることが好ましい。ここで、酸化物半導体は、第1の膜と、第1の膜の上面に接する第2の膜と、第2の膜の上面に接する第3の膜と、を有することが好ましい。ここで、第2の膜の電子親和力は、第1の膜および第3の膜の電子親和力よりも大きく、第1の導電体は、第2の絶縁体を介して第2の膜の側面と面する領域を有し、凸部の高さと第1の膜の厚さの和は、第3の膜の厚さと第2の絶縁体の厚さの和よりも大きいことが好ましい。また、第2の導電体および第3の導電体は、第2の膜の上面、または第3の膜の上面のいずれかに接することが好ましい。
また、上記構成において、第4の絶縁体は、第5の絶縁体と混合する第3の領域を有してもよい。また、第3の領域は、過剰酸素を有してもよい。
または、本発明の一態様は、基板上に第1の絶縁体を形成し、その後、第1の絶縁体上に酸化物半導体を形成し、その後、酸化物半導体上に第2の絶縁体を形成し、その後、第2の絶縁体上に第1の導電体を形成し、その後、酸化物半導体膜に第1の元素を添加し、その後、第1の導電体上および酸化物半導体上に第3の絶縁体を成膜し、その後、第3の絶縁体をエッチングすることにより第1の電極の側面に第4の絶縁体を形成し、その後、第1の導電体および第4の絶縁体上に第2の導電体を成膜し、その後、第2の導電体上に第5の絶縁体を成膜し、その後、化学機械研磨法を用いて第5の絶縁体の表面を平坦化しながら第2の導電体が有する第1の領域および第5の絶縁体が有する第2の領域の両方を含む領域を除去することにより、第3の導電体、第4の導電体および第6の絶縁体を形成し、第1のトランジスタを形成する。その後、第6の絶縁体上に第7の絶縁体を形成する、半導体装置の作製方法である。ここで、第1の領域および第2の領域は第1の導電体と重なり、第3の導電体および第4の導電体の上端の高さは、第6の絶縁体の上端の高さと概略一致し、第1の導電体は、第1のトランジスタのゲート電極として機能し、第3の導電体および第4の導電体は、第1のトランジスタのソース電極またはドレイン電極として機能し、第1の絶縁体および第7の絶縁体は、第6の絶縁体よりも水素透過性が低く、第1の絶縁体および第7の絶縁体の少なくともいずれか一は、酸化アルミニウムまたは窒化シリコンを有する。
ここで、上記構成において、第4の絶縁体を側壁絶縁層、あるいは側壁絶縁膜と呼ぶ場合がある。また、上記構成において、第1の元素は、タングステン、アルミニウム、チタン、マグネシウム、バナジウム、アンチモン、ヒ素、および硫黄のうち、少なくともいずれか一を含んでもよい。
または、本発明の一態様は、基板上に第1の絶縁体を形成し、その後、第1の絶縁体上に酸化物半導体を形成し、その後、酸化物半導体上に第2の絶縁体を形成し、その後、第2の絶縁体上に第1の導電体を成膜し、その後、第1の導電体上に第3の絶縁体を成膜し、その後、第3の絶縁体の一部を除去することにより、第4の絶縁体を形成し、その後、第1の導電体の一部を除去することにより、第2の導電体を形成し、その後、酸化物半導体に第1の元素を添加し、その後、第4の絶縁体上に第5の絶縁体を成膜し、その後、第5の絶縁体の一部を除去することにより第1の導電体の側壁に第6の絶縁体を形成し、その後、第6の絶縁体上に第3の導電体を成膜し、その後、第3の導電体上に第7の絶縁体を成膜し、化学機械研磨法を用いて第7の絶縁体の表面を平坦化しながら第3の導電体が有する第1の領域および第7の絶縁体が有する第2の領域の両方を含む領域を除去することにより、第4の導電体、第5の導電体、および第8の絶縁体を形成し、第1のトランジスタを形成し、その後、第6の絶縁体、第4の導電体および第5の導電体上に第9の絶縁体を形成する、半導体装置の作製方法である。ここで、第1の領域および第2の領域は第2の導電体と重なり、第1の絶縁体および第9の絶縁体は、第8の絶縁体よりも水素透過性が低く、第1の絶縁体および第9の絶縁体の少なくともいずれか一は、酸素およびアルミニウムを有することが好ましい。
ここで、上記構成において、第6の絶縁体を側壁絶縁層、あるいは側壁絶縁膜と呼ぶ場合がある。また、上記構成において、第1の元素は、タングステン、アルミニウム、チタン、マグネシウム、バナジウム、アンチモン、ヒ素、および硫黄のうち、少なくともいずれか一を含んでもよい。
微細なトランジスタを提供することができる。または、寄生容量の小さいトランジスタを提供することができる。または、周波数特性の高いトランジスタを提供することができる。電気特性の良好なトランジスタを提供することができる。または、電気特性の安定したトランジスタを提供することができる。または、消費電力の少ないトランジスタを提供することができる。または、信頼性の良好なトランジスタを提供することができる。または、新規なトランジスタを提供することができる。または、これらのトランジスタの少なくとも一つを有する半導体装置を提供することができる。
なお、これらの効果の記載は、他の効果の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、これらの効果の全てを有する必要はない。なお、これら以外の効果は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面、請求項などの記載から、これら以外の効果を抽出することが可能である。
本発明の一態様に係る半導体装置を示す上面図および断面図。 本発明の一態様に係る半導体装置を示す上面図および断面図。 本発明の一態様に係る半導体装置を示す断面図。 本発明の一態様に係る半導体装置を示す断面図。 本発明の一態様に係る半導体装置を示す上面図。 本発明の一態様に係る半導体装置を示す断面図。 本発明の一態様に係る半導体装置の作製方法例を示す図。 本発明の一態様に係る半導体装置の作製方法例を示す図。 本発明の一態様に係る半導体装置の作製方法例を示す図。 本発明の一態様に係る半導体装置の作製方法例を示す図。 本発明の一態様に係る半導体装置の作製方法例を示す図。 本発明の一態様に係る半導体装置の作製方法例を示す図。 本発明の一態様に係る半導体装置の作製方法例を示す図。 本発明の一態様に係る半導体装置の作製方法例を示す図。 本発明の一態様に係る半導体装置の作製方法例を示す図。 本発明の一態様に係る半導体装置の作製方法例を示す図。 本発明の一態様に係る半導体装置の作製方法例を示す図。 本発明の一態様に係る半導体装置の作製方法例を示す図。 本発明の一態様に係る半導体装置の作製方法例を示す図。 本発明の一態様に係る半導体装置を示す上面図および断面図。 エネルギーバンド構造を説明する図。 本発明の一態様に係る半導体装置を示す断面図。 本発明の一態様に係る半導体装置を示す断面図。 本発明の一態様に係る半導体装置を示す断面図。 本発明の一態様に係る半導体装置を示す断面図。 本発明の一態様に係る半導体装置の作製方法例を示す図。 CAAC−OSの断面におけるCs補正高分解能TEM像、およびCAAC−OSの断面模式図。 CAAC−OSの平面におけるCs補正高分解能TEM像。 CAAC−OSおよび単結晶酸化物半導体のXRDによる構造解析を説明する図。 CAAC−OSの電子回折パターンを示す図。 In−Ga−Zn酸化物の電子照射による結晶部の変化を示す図。 本発明の一態様に係る半導体装置を示す断面図。 本発明の一態様に係る半導体装置を示す断面図。 本発明の一態様に係る半導体装置を示す断面図。 本発明の一態様に係る半導体装置を示す断面図。 本発明の一態様に係る半導体装置の回路図。 本発明の一態様に係る半導体装置の回路図。 CPUの構成例を示すブロック図。 記憶素子の一例を示す回路図。 撮像装置の一例を説明する図。 撮像装置の一例を説明する図。 撮像装置の一例を説明する図。 画素の構成例を説明する図。 画素の構成例を説明する図。 撮像装置の一例を示す回路図。 撮像装置の構成例を示す断面図。 撮像装置の構成例を示す断面図。 表示装置の一例を説明するブロック図及び回路図。 表示装置の一例を説明するブロック図。 表示装置の一例を説明する図。 表示装置の一例を説明する図。 表示モジュールの一例を説明する図。 RFタグの一例を説明するブロック図。 RFタグの使用例を説明する図。 リードフレーム型のインターポーザを用いたパッケージの断面構造を示す斜視図。 電子機器の一例を説明する図。 成膜装置の一例を示す上面図。 成膜装置の一例を示す断面図。 本発明の一態様に係る半導体装置を示す断面図。 本発明の一態様に係る半導体装置を示す断面図。
実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
また、図面などにおいて示す各構成の、位置、大きさ、範囲などは、発明の理解を容易とするため、実際の位置、大きさ、範囲などを表していない場合がある。このため、開示する発明は、必ずしも、図面などに開示された位置、大きさ、範囲などに限定されない。例えば、実際の製造工程において、エッチングなどの処理により層やレジストマスクなどが意図せずに目減りすることがあるが、理解を容易とするために省略して示すことがある。
また、図面において、発明の理解を容易とするため、一部の構成要素の記載を省略する場合がある。また、一部の隠れ線などの記載を省略する場合がある。
本明細書等における「第1」、「第2」などの序数詞は、構成要素の混同を避けるために付すものであり、工程順または積層順など、なんらかの順番や順位を示すものではない。また、本明細書等において序数詞が付されていない用語であっても、構成要素の混同を避けるため、特許請求の範囲において序数詞が付される場合がある。また、本明細書等において序数詞が付されている用語であっても、特許請求の範囲において異なる序数詞が付される場合がある。また、本明細書等において序数詞が付されている用語であっても、特許請求の範囲などにおいて序数詞を省略する場合がある。
また、本明細書等において「電極」や「配線」の用語は、これらの構成要素を機能的に限定するものではない。例えば、「電極」は「配線」の一部として用いられることがあり、その逆もまた同様である。さらに、「電極」や「配線」の用語は、複数の「電極」や「配線」が一体となって形成されている場合なども含む。
なお、本明細書等において「上」や「下」の用語は、構成要素の位置関係が直上または直下で、かつ、直接接していることを限定するものではない。例えば、「絶縁体A上の電極B」の表現であれば、絶縁体Aの上に電極Bが直接接して形成されている必要はなく、絶縁体Aと電極Bとの間に他の構成要素を含むものを除外しない。
また、ソースおよびドレインの機能は、異なる極性のトランジスタを採用する場合や、回路動作において電流の方向が変化する場合など、動作条件などによって互いに入れ替わるため、いずれがソースまたはドレインであるかを限定することが困難である。このため、本明細書においては、ソースおよびドレインの用語は、入れ替えて用いることができるものとする。
また、本明細書等において、XとYとが接続されている、と明示的に記載されている場合は、XとYとが電気的に接続されている場合と、XとYとが機能的に接続されている場合と、XとYとが直接接続されている場合とが、本明細書等に開示されているものとする。したがって、所定の接続関係、例えば、図または文章に示された接続関係に限定されず、図または文章に示された接続関係以外のものも、図または文章に記載されているものとする。
また、本明細書等において、「電気的に接続」には、「何らかの電気的作用を有するもの」を介して接続されている場合が含まれる。ここで、「何らかの電気的作用を有するもの」は、接続対象間での電気信号の授受を可能とするものであれば、特に制限を受けない。よって、「電気的に接続する」と表現される場合であっても、現実の回路においては、物理的な接続部分がなく、配線が延在しているだけの場合もある。
なお、チャネル長とは、例えば、トランジスタの上面図において、半導体(またはトランジスタがオン状態のときに半導体の中で電流の流れる部分)とゲート電極とが互いに重なる領域、またはチャネルが形成される領域(「チャネル形成領域」ともいう。)における、ソース(ソース領域またはソース電極)とドレイン(ドレイン領域またはドレイン電極)との間の距離をいう。なお、一つのトランジスタにおいて、チャネル長が全ての領域で同じ値をとるとは限らない。即ち、一つのトランジスタのチャネル長は、一つの値に定まらない場合がある。そのため、本明細書では、チャネル長は、チャネルの形成される領域における、いずれか一の値、最大値、最小値または平均値とする。
チャネル幅とは、例えば、半導体(またはトランジスタがオン状態のときに半導体の中で電流の流れる部分)とゲート電極とが互いに重なる領域、またはチャネルが形成される領域における、ソースとドレインとが向かい合っている部分の長さをいう。なお、一つのトランジスタにおいて、チャネル幅がすべての領域で同じ値をとるとは限らない。即ち、一つのトランジスタのチャネル幅は、一つの値に定まらない場合がある。そのため、本明細書では、チャネル幅は、チャネルの形成される領域における、いずれか一の値、最大値、最小値または平均値とする。
なお、トランジスタの構造によっては、実際にチャネルの形成される領域におけるチャネル幅(「実効的なチャネル幅」ともいう。)と、トランジスタの上面図において示されるチャネル幅(「見かけ上のチャネル幅」ともいう。)と、が異なる場合がある。例えば、ゲート電極が半導体膜の側面を覆う場合、実効的なチャネル幅が、見かけ上のチャネル幅よりも大きくなり、その影響が無視できなくなる場合がある。例えば、微細かつート電極が半導体の側面を覆うトランジスタでは、半導体の上面に形成されるチャネル領域の割合に対して、半導体の側面に形成されるチャネル領域の割合が大きくなる場合がある。その場合は、見かけ上のチャネル幅よりも、実効的なチャネル幅が大きくなる。
このような場合、実効的なチャネル幅の、実測による見積もりが困難となる場合がある。例えば、設計値から実効的なチャネル幅を見積もるためには、半導体の形状が既知という仮定が必要である。したがって、半導体の形状が正確にわからない場合には、実効的なチャネル幅を正確に測定することは困難である。
そこで、本明細書では、見かけ上のチャネル幅を、「囲い込みチャネル幅(SCW:Surrounded Channel Width)」と呼ぶ場合がある。また、本明細書では、単にチャネル幅と記載した場合には、囲い込みチャネル幅または見かけ上のチャネル幅を指す場合がある。または、本明細書では、単にチャネル幅と記載した場合には、実効的なチャネル幅を指す場合がある。なお、チャネル長、チャネル幅、実効的なチャネル幅、見かけ上のチャネル幅、囲い込みチャネル幅などは、断面TEM像などを解析することなどによって、値を決定することができる。
なお、トランジスタの電界効果移動度や、チャネル幅当たりの電流値などを計算して求める場合、囲い込みチャネル幅を用いて計算する場合がある。その場合には、実効的なチャネル幅を用いて計算する場合とは異なる値をとる場合がある。
なお、半導体の不純物とは、例えば、半導体を構成する主成分以外をいう。例えば、濃度が0.1原子%未満の元素は不純物と言える。不純物が含まれることにより、例えば、半導体のDOS(Density of State)が高くなることや、キャリア移動度が低下することや、結晶性が低下することなどが起こる場合がある。半導体が酸化物半導体である場合、半導体の特性を変化させる不純物としては、例えば、第1族元素、第2族元素、第13族元素、第14族元素、第15族元素、および酸化物半導体の主成分以外の遷移金属などがあり、特に、例えば、水素(水にも含まれる)、リチウム、ナトリウム、シリコン、ホウ素、リン、炭素、窒素などがある。酸化物半導体の場合、例えば水素などの不純物の混入によって酸素欠損を形成する場合がある。また、半導体がシリコンである場合、半導体の特性を変化させる不純物としては、例えば、酸素、水素を除く第1族元素、第2族元素、第13族元素、第15族元素などがある。
また、本明細書において、「平行」とは、二つの直線が−10°以上10°以下の角度で配置されている状態をいう。従って、−5°以上5°以下の場合も含まれる。また、「略平行」とは、二つの直線が−30°以上30°以下の角度で配置されている状態をいう。また、「垂直」および「直交」とは、二つの直線が80°以上100°以下の角度で配置されている状態をいう。従って、85°以上95°以下の場合も含まれる。また、「略垂直」とは、二つの直線が60°以上120°以下の角度で配置されている状態をいう。
なお、本明細書等において、計数値および計量値に関して「同一」、「同じ」、「等しい」または「均一」(これらの同意語を含む)などと言う場合は、明示されている場合を除き、プラスマイナス20%の誤差を含むものとする。
また、本明細書において、フォトリソグラフィ工程を行った後にエッチング工程を行う場合は、特段の説明がない限り、フォトリソグラフィ工程で形成したレジストマスクは、エッチング工程終了後に除去するものとする。
また、本明細書等において、高電源電位VDD(以下、単に「VDD」または「H電位」ともいう)とは、低電源電位VSSよりも高い電位の電源電位を示す。また、低電源電位VSS(以下、単に「VSS」または「L電位」ともいう)とは、高電源電位VDDよりも低い電位の電源電位を示す。また、接地電位をVDDまたはVSSとして用いることもできる。例えばVDDが接地電位の場合には、VSSは接地電位より低い電位であり、VSSが接地電位の場合には、VDDは接地電位より高い電位である。
なお、「膜」という言葉と、「層」という言葉とは、場合によっては、または、状況に応じて、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」という用語に変更することが可能な場合がある。または、例えば、「絶縁膜」という用語を、「絶縁層」という用語に変更することが可能な場合がある。
また、本明細書において、結晶が三方晶または菱面体晶である場合、六方晶系として表す。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の半導体装置の構造例について、説明する。
<構成例>
図1(A)は、本発明の一態様の半導体装置の上面図を示す。図1(B)は、図1(A)に示す一点鎖線L1−L2の断面と、一点鎖線W1−W2の断面とを示す。図1(B)に示す半導体装置は、基板101と、基板101上の絶縁体102と、絶縁体102上のトランジスタ100と、トランジスタ100を覆う絶縁体110と、絶縁体110上の絶縁体111と、を有する。
トランジスタ100は、絶縁体103上の酸化物層104と、酸化物層104上の絶縁体105と、絶縁体105上の導電体106と、導電体106の側壁に形成される絶縁体108と、酸化物層104の側面および絶縁体108の側面に接する導電体109aおよび導電体109bと、を有する。絶縁体108は、導電体106の側面に隣接することが好ましい。
導電体106は、トランジスタ100の第1のゲート電極として、導電体109aおよび導電体109bは、トランジスタ100のソース電極またはドレイン電極として、絶縁体105はトランジスタ100のゲート絶縁体として、それぞれ機能することが好ましい。
ここで酸化物層104は単層、または複数の層で形成することができる。例えば、図1(B)に示すように、酸化物層104は酸化物層104a、酸化物層104b、および酸化物層104cの3層で形成することが好ましい。酸化物層104bは酸化物層104aの上に接して形成され、酸化物層104cは酸化物層104b上に接して形成される。
酸化物層104aおよび酸化物層104cは、酸化物層104bよりも絶縁体に近い。よって、ゲート電圧を印加すると、酸化物層104a、酸化物層104b、酸化物層104cのうち、酸化物層104bにチャネルが形成されやすい。よって本明細書等において、酸化物層104aおよび酸化物層104cを絶縁体と呼ぶ場合がある。
図1(B)に示すトランジスタ100は、絶縁体103上の酸化物層104aと、酸化物層104aの上面に接する酸化物層104bと、酸化物層104bの上面に接する酸化物層104cと、酸化物層104c上の絶縁体105とを有する。また、絶縁体108は絶縁体105の上面に接する領域を有する。また、絶縁体108の下面は、導電体106の下面と概略一致する。また、導電体109aおよび導電体109bは、酸化物層104bの上面に接する領域を有する。
またトランジスタ100は、酸化物層104において、絶縁体108と重なる領域と、導電体109aおよび導電体109bと重なる領域に、酸化物層104の主成分と異なる金属元素131が含まれている。金属元素131は、絶縁体105、酸化物層104、および絶縁体103の、それぞれの一部にも含まれる場合がある。金属元素131が含まれる領域135の端部を、一例として図1(B)に破線で示している。図1(B)において領域135は、領域135の端部を示す破線よりも上側に形成される。
なお、酸化物層104において、領域135はトランジスタ100のソース領域またはドレイン領域として機能できる。よって、酸化物層104の領域135に挟まれた領域がチャネル形成領域として機能できる。
図1(B)に示すように、絶縁体110の上端の高さと、導電体109aおよび導電体109bの上端の高さは、概略一致することが好ましい。また、絶縁体110、導電体109a、導電体109b、絶縁体108、および絶縁体107の上面は、一続きの平坦な平面をなすことが好ましく、該平面上に絶縁体111が形成されている。
また図1等において、酸化物層104は酸化物層104a及び酸化物層104cのうちいずれかを有さない構造としてもよい。
図1(B)に示すように、絶縁体103は凸部を有してもよい。その場合には、酸化物層104は該凸部の上部に接して形成されることが好ましい。ここで、該凸部の高さと酸化物層104aの厚さの和を、酸化物層104cの厚さと酸化物層104bの厚さの和よりも大きくすることにより、トランジスタ100の特性を向上させることができる場合がある。
図59(A)には、図1(B)に示す断面のうち、一点鎖線L1−L2に対応する断面における変形例を示す。本発明の一態様の半導体装置は、図59(A)に示す例のように、導電体106上に絶縁体107を有さなくてもよい。また、図1(B)等に示すように導電体106上に絶縁体107を有することがより好ましい。トランジスタ100が絶縁体107を有することにより、トランジスタ100の作製工程を安定化させることができる場合がある。作製工程を安定化させることにより、トランジスタ100の特性を向上させることができる。
また、トランジスタ100は、絶縁体102上の絶縁体118および導電体117と、を有してもよい。図1(B)に示す例では、導電体117は、絶縁体118を埋めるように形成される。絶縁体118を埋めるように形成されるまた、絶縁体103は、絶縁体118上に形成される。ここで導電体117はトランジスタ100の第2のゲート電極として機能することが好ましい。第2のゲート電極の電位は、トランジスタ100の第1のゲーと同電位としてもよいし、接地電位(GND電位)や、任意の電位としてもよい。また、第2のゲート電極の電位を第1のゲート電極と連動させず独立して変化させることで、トランジスタのしきい値電圧を変化させることができる。
酸化物層104を挟んで導電体106および導電体117を設けることで、更には、導電体106および導電体117を同電位とすることで、酸化物層104においてキャリアの流れる領域が膜厚方向においてより大きくなるため、キャリアの移動量が増加する。この結果、トランジスタ100のオン電流が大きくなると共に、電界効果移動度が高くなる。
したがって、トランジスタ100は、占有面積に対して大きいオン電流を有するトランジスタである。すなわち、求められるオン電流に対して、トランジスタ100の占有面積を小さくすることができる。よって、集積度の高い半導体装置を実現することができる。
また、第1のゲート電極と第2のゲート電極は導電層で形成されるため、トランジスタの外部で生じる電界が、チャネルが形成される半導体層に作用しないようにする機能(特に静電気などに対する電界遮蔽機能)を有する。なお、第2のゲート電極を半導体層よりも大きく形成し、第2のゲート電極で半導体層を覆うことで、電界遮蔽機能を高めることができる。
導電体106および導電体117は、それぞれが外部からの電界を遮蔽する機能を有するため、導電体106の上方および導電体117の下方に生じる荷電粒子等の電荷が酸化物層104のチャネル形成領域に影響しない。この結果、ストレス試験(例えば、ゲートに負の電荷を印加する−GBT(Gate Bias−Temperature)ストレス試験)の劣化が抑制される。また、導電体106および導電体117は、ドレイン電極から生じる電界が半導体層に作用しないように遮断することができる。よって、ドレイン電圧の変動に起因する、オン電流の立ち上がり電圧の変動を抑制することができる。なお、この効果は、導電体106および導電体117に電位が供給されている場合において顕著に生じる。
なお、BTストレス試験は加速試験の一種であり、長期間の使用によって起こるトランジスタの特性変化(経年変化)を短時間で評価することができる。特に、BTストレス試験前後におけるトランジスタのしきい値電圧の変動量は、信頼性を調べるための重要な指標となる。BTストレス試験前後において、しきい値電圧の変動量が少ないほど、信頼性が高いトランジスタであるといえる。
また、導電体106および導電体117を有し、且つ導電体106および導電体117を同電位とすることで、しきい値電圧の変動量が低減される。このため、複数のトランジスタ間における電気特性のばらつきも同時に低減される。
また、第2のゲート電極を有するトランジスタは、ゲートに正の電荷を印加する+GBTストレス試験前後におけるしきい値電圧の変動も、第2のゲート電極を有さないトランジスタより小さい。
また、第2のゲート電極側から光が入射する場合に、第2のゲート電極を、遮光性を有する導電膜で形成することで、第2のゲート電極側から半導体層に光が入射することを防ぐことができる。よって、半導体層の光劣化を防ぎ、トランジスタのしきい値電圧がシフトするなどの電気特性の劣化を防ぐことができる。
また、図1(B)に示す断面のうち、一点鎖線L1−L2に対応する断面においては、絶縁体108の端部315は、導電体117の端部316よりも外側に位置するが、図60(A)に示すように、端部315と端部316の位置が概略一致してもよい。または、図60(B)に示すように、端部315が端部316よりも内側に位置してもよい。
また、本発明の一態様の半導体装置は、絶縁体111上の絶縁体112と、絶縁体110、絶縁体111および絶縁体112を埋めるように形成されるコンタクトプラグ113a、コンタクトプラグ113b、およびコンタクトプラグ113cと、絶縁体112上の導電体114a、導電体114b、および導電体114cを有してもよい。導電体114a、導電体114b、および導電体114cは、例えば引き回しの配線等に用いることができる。
また、本発明の一態様の半導体装置は、基板101と絶縁体102との間に、半導体素子等を有してもよい。
図2(A)は、本発明の一態様の半導体装置の上面図を示す。図2(B)は、図2(A)に示す一点鎖線L1−L2の断面と、一点鎖線W1−W2の断面とを示す。図2において、半導体装置はトランジスタ100を有する。図2に示す半導体装置は、トランジスタ100が有する絶縁体108の構造が図1と異なる。図1(B)では、絶縁体108の下面は、導電体106の下面と概略一致するのに対し、図2(B)では、絶縁体108の下面は、酸化物層104cの下面と概略一致する。また、図1(B)では絶縁体108は絶縁体105の上面に接するのに対し、図2(B)では絶縁体108は酸化物層104bの上面に接する。また、酸化物層104cおよび絶縁体105の端部は、図1(B)では絶縁体108の端部と概略一致するのに対し、図2(B)では導電体106の端部と概略一致する。
ここで、図2(B)に示すように、トランジスタ100は酸化物層104b等の側面に接する絶縁体108bを有してもよい。
また、図3(A)に示すように、酸化物層104cの端部が絶縁体108の端部よりも外側に位置していてもよい。図3(A)に示すトランジスタ100において、酸化物層104cの端部は、絶縁体108の端部より外側に位置する。また、酸化物層104cの端部は、導電体109aや、導電体109bの端部の外側に位置する。
また、図59(B)に示すように、酸化物層104cの端部と、絶縁体105の端部と、が導電体109aや、導電体109bの端部の外側に位置していてもよい。また、酸化物層104cの端部と絶縁体105の端部は概略揃っていてもよいし、図59(B)に示すように揃っていなくてもよい。
また、図59(C)に示すように、絶縁体105の端部が絶縁体108の外側に位置し、かつ導電体109aや、導電体109bの端部よりも内側に位置していてもよい。また、図59(C)では、酸化物層104cの端部は、導電体109aや導電体109bの端部の外側に位置する例を示すが、内側に位置してもよい。
また、酸化物層104cの端部は、導電体109aの端部、および導電体109bの端部より外側に位置してもよい。この場合には、導電体109aおよび導電体109bは、絶縁体103との間に、酸化物層104cを有する。
また、図4に示すように、酸化物層104cの端部が酸化物層104bと概略一致してもよい。
<構成要素の説明>
[酸化物層104]
酸化物層104は、酸化物層104a、酸化物層104b、および酸化物層104cを積層した構成を有することが好ましい。
酸化物層104として、例えば、インジウム(In)を含む酸化物半導体を用いることが好ましい。酸化物半導体は、例えば、インジウムを含むと、キャリア移動度(電子移動度)が高くなる。また、酸化物半導体は、元素Mを含むと好ましい。
元素Mは、好ましくは、アルミニウム、ガリウム、イットリウムまたはスズなどである。そのほかの元素Mに適用可能な元素としては、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、マグネシウムなどがある。ただし、元素Mとして、前述の元素を複数組み合わせても構わない場合がある。元素Mは、例えば、酸素との結合エネルギーが高い元素である。元素Mは、例えば、酸化物半導体のエネルギーギャップを大きくする機能を有する元素である。また、酸化物半導体は、亜鉛を含むと好ましい。酸化物半導体は亜鉛を含むと結晶化しやすくなる場合がある。
ただし、酸化物層104は、インジウムを含む酸化物に限定されない。酸化物層104は、例えば、亜鉛スズ酸化物、ガリウムスズ酸化物、酸化ガリウムなどの、インジウムを含まず、亜鉛を含む酸化物、ガリウムを含む酸化物、スズを含む酸化物などであっても構わない。
酸化物層104は、例えば、エネルギーギャップが大きい酸化物半導体を用いる。酸化物層104に用いる酸化物半導体のエネルギーギャップは、例えば、2.5eV以上4.2eV以下、好ましくは2.8eV以上3.8eV以下、さらに好ましくは3eV以上3.5eV以下である。
酸化物半導体は、スパッタリング法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法(MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法、ALD(Atomic Layer Deposition)法、熱CVD法またはPECVD(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition)法を含むがこれに限定されない)、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法またはPLD(Pulsed Laser Deposition)法を用いて成膜すればよい。プラズマCVD法は、比較的低温で高品質の膜が得られる。MOCVD法、ALD法、または熱CVD法などの、成膜時にプラズマを用いない成膜方法を用いると、被形成面にダメージが生じにくく、また、欠陥の少ない膜が得られる。
CVD法およびALD法は、ターゲットなどから放出される粒子が堆積する成膜方法とは異なり、被処理物の表面における反応により膜が形成される成膜方法である。したがって、被処理物の形状の影響を受けにくく、良好な段差被覆性を有する成膜方法である。特に、ALD法は、優れた段差被覆性と、優れた厚さの均一性を有するため、アスペクト比の高い開口部の表面を被覆する場合などに好適である。ただし、ALD法は、比較的成膜速度が遅いため、成膜速度の速いCVD法などの他の成膜方法と組み合わせて用いることが好ましい場合もある。
CVD法およびALD法は、原料ガスの流量比によって、得られる膜の組成を制御することができる。例えば、CVD法およびALD法では、原料ガスの流量比によって、任意の組成の膜を成膜することができる。また、例えば、CVD法およびALD法では、成膜しながら原料ガスの流量比を変化させることによって、組成が連続的に変化した膜を成膜することができる。原料ガスの流量比を変化させながら成膜する場合、複数の成膜室を用いて成膜する場合と比べて、搬送や圧力調整に掛かる時間の分、成膜に掛かる時間を短くすることができる。したがって、トランジスタや半導体装置の生産性を高めることができる場合がある。
例えば、酸化物層104として、熱CVD法でInGaZnO(X>0)膜を成膜する場合には、トリメチルインジウム(In(CH)、トリメチルガリウム(Ga(CH)、およびジメチル亜鉛(Zn(CH)を用いる。また、これらの組み合わせに限定されず、トリメチルガリウムに代えてトリエチルガリウム(Ga(C)を用いることもでき、ジメチル亜鉛に代えてジエチル亜鉛(Zn(C)を用いることもできる。
例えば、酸化物層104として、ALD法で、InGaZnO(X>0)膜を成膜する場合には、In(CHガスとOガスを順次繰り返し導入してInO層を形成し、その後、Ga(CHガスとOガスを順次繰り返し導入してGaO層を形成し、更にその後Zn(CHガスとOガスを順次繰り返し導入してZnO層を形成する。なお、これらの層の順番はこの例に限らない。また、これらのガスを用いてInGaO層やInZnO層、GaInO層、ZnInO層、GaZnO層などの混合化合物層を形成しても良い。なお、Oガスに変えてAr等の不活性ガスでバブリングしたHOガスを用いても良いが、Hを含まないOガスを用いる方が好ましい。また、In(CHガスにかえて、In(Cガスやトリス(アセチルアセトナト)インジウムを用いても良い。なお、トリス(アセチルアセトナト)インジウムは、In(acac)とも呼ぶ。また、Ga(CHガスにかえて、Ga(Cガスやトリス(アセチルアセトナト)ガリウムを用いても良い。なお、トリス(アセチルアセトナト)ガリウムは、Ga(acac)とも呼ぶ。また、Zn(CHガスや、酢酸亜鉛を用いても良い。これらのガス種には限定されない。
酸化物半導体をスパッタリング法で成膜する場合、パーティクル数低減のため、インジウムを含むターゲットを用いると好ましい。また、元素Mの原子数比が高い酸化物ターゲットを用いた場合、ターゲットの導電性が低くなる場合がある。インジウムを含むターゲットを用いる場合、ターゲットの導電率を高めることができ、DC放電、AC放電が容易となるため、大面積の基板へ対応しやすくなる。したがって、半導体装置の生産性を高めることができる。
また、酸化物半導体をスパッタリング法で成膜する場合、ターゲットの原子数比は、In:M:Znが3:1:1、3:1:2、3:1:4、1:1:0.5、1:1:1、1:1:2、1:4:4、4:2:4.1などとすればよい。
なお、酸化物半導体をスパッタリング法で成膜すると、ターゲットの原子数比からずれた原子数比の酸化物半導体が成膜される場合がある。特に、亜鉛は、ターゲットの原子数比よりも成膜された膜の原子数比が小さくなる場合がある。具体的には、ターゲットに含まれる亜鉛の原子数比の40atomic%以上90atomic%程度以下となる場合がある。
酸化物層104aおよび酸化物層104cは、酸化物層104bを構成する酸素以外の元素のうち、1種類以上の同じ金属元素を含む材料により形成されることが好ましい。このような材料を用いると、酸化物層104aおよび酸化物層104bとの界面、ならびに酸化物層104cおよび酸化物層104bとの界面に界面準位を生じにくくすることができる。よって、界面におけるキャリアの散乱や捕獲が生じにくく、トランジスタの電界効果移動度を向上させることが可能となる。また、トランジスタのしきい値電圧のばらつきを低減することが可能となる。よって、良好な電気特性を有する半導体装置を実現することが可能となる。
酸化物層104aおよび酸化物層104cの厚さは、3nm以上100nm以下、好ましくは3nm以上50nm以下とする。また、酸化物層104bの厚さは、3nm以上200nm以下、好ましくは3nm以上100nm以下、さらに好ましくは3nm以上50nm以下とする。
また、酸化物層104bがIn−M−Zn酸化物(Inと元素MとZnを含む酸化物)であり、酸化物層104aおよび酸化物層104cもIn−M−Zn酸化物であるとき、酸化物層104aおよび酸化物層104cをIn:M:Zn=x:y:z[原子数比]、酸化物層104bをIn:M:Zn=x:y:z[原子数比]とすると、y/xがy/xよりも大きくなる酸化物層104a、酸化物層104c、および酸化物層104bを選択する。好ましくは、y/xがy/xよりも1.5倍以上大きくなる酸化物層104a、酸化物層104c、および酸化物層104bを選択する。さらに好ましくは、y/xがy/xよりも2倍以上大きくなる酸化物層104a、酸化物層104c、および酸化物層104bを選択する。より好ましくは、y/xがy/xよりも3倍以上大きくなる酸化物層104a、酸化物層104cおよび酸化物層104bを選択する。このとき、酸化物層104bにおいて、yがx以上であるとトランジスタに安定した電気特性を付与できるため好ましい。ただし、yがxの3倍以上になると、トランジスタの電界効果移動度が低下してしまうため、yはxの3倍未満であると好ましい。酸化物層104aおよび酸化物層104cを上記構成とすることにより、酸化物層104aおよび酸化物層104cを、酸化物層104bよりも酸素欠損が生じにくい層とすることができる。
なお、酸化物層104aがIn−M−Zn酸化物のとき、InおよびMの和を100atomic%としたとき、好ましくはInが50atomic%未満、Mが50atomic%より高く、さらに好ましくはInが25atomic%未満、Mが75atomic%より高くする。また、酸化物層104bがIn−M−Zn酸化物のとき、InおよびMの和を100atomic%としたとき、好ましくはInが25atomic%より高く、Mが75atomic%未満、さらに好ましくはInが34atomic%より高く、Mが66atomic%未満とする。また、酸化物層104cがIn−M−Zn酸化物のとき、InおよびMの和を100atomic%としたとき、好ましくはInが50atomic%未満、Mが50atomic%より高く、さらに好ましくはInが25atomic%未満、Mが75atomic%より高くする。なお、酸化物層104cは、酸化物層104aと同種の酸化物を用いても構わない。
例えば、InまたはGaを含む酸化物層104a、およびInまたはGaを含む酸化物層104cとして、In:Ga:Zn=1:3:2、1:3:4、1:3:6、1:6:4、または1:9:6などの原子数比のターゲットを用いて形成したIn−Ga−Zn酸化物や、In:Ga=1:9、または7:93などの原子数比のターゲットを用いて形成したIn−Ga酸化物を用いることができる。また、酸化物層104bとして、例えば、In:Ga:Zn=1:1:1または3:1:2などの原子数比のターゲットを用いて形成したIn−Ga−Zn酸化物を用いることができる。なお、酸化物層104aおよび酸化物層104bの原子数比はそれぞれ、誤差として上記の原子数比のプラスマイナス20%の変動を含む。
酸化物層104bは、酸化物層104aおよび酸化物層104cよりも電子親和力の大きい酸化物を用いる。例えば、酸化物層104bとして、酸化物層104aおよび酸化物層104cよりも電子親和力が0.07eV以上1.3eV以下、好ましくは0.1eV以上0.7eV以下、さらに好ましくは0.15eV以上0.4eV以下大きい酸化物を用いる。なお、電子親和力は、真空準位と伝導帯下端のエネルギーとの差である。
なお、インジウムガリウム酸化物は、小さい電子親和力と、高い酸素ブロック性を有する。そのため、酸化物層104cがインジウムガリウム酸化物を含むと好ましい。ガリウム原子割合[Ga/(In+Ga)]は、例えば、70%以上、好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上とする。
ただし、酸化物層104aまたは/および酸化物層104cが、酸化ガリウムであっても構わない。例えば、酸化物層104cとして、酸化ガリウムを用いると電極105aまたは電極105bと導電体106との間に生じるリーク電流を低減することができる。即ち、トランジスタ100のオフ電流を小さくすることができる。
酸化物層104aおよび酸化物層104cは、例えば酸化物層104bよりも電子親和力が小さいため、酸化物層104bよりも絶縁体に近い。よって、ゲート電圧を印加すると、酸化物層104a、酸化物層104b、酸化物層104cのうち、酸化物層104bにチャネルが形成されやすい。
また、チャネルが形成される半導体層に酸化物半導体を用いたトランジスタ(「OSトランジスタ」ともいう。)に安定した電気特性を付与するためには、酸化物半導体中の不純物及び酸素欠損を低減して高純度真性化し、酸化物層104bを真性または実質的に真性と見なせる酸化物半導体とすることが好ましい。例えば、酸化物層104bに過剰酸素を供給することにより、酸素欠損を低減できる場合がある。また、少なくとも酸化物層104b中のチャネル形成領域が真性または実質的に真性と見なせる酸化物半導体とすることが好ましい。
また、酸化物層104のうち、少なくとも酸化物層104bにCAAC−OS(C Axis Aligned Crystalline Oxide Semiconductor)を用いることが好ましい。なお、CAAC−OSについては、後の実施の形態で詳細に説明する。
ここで、CAACでない領域、あるいは、c軸配向を有する領域以外の領域、は少なくとも、酸化物層104bに用いる酸化物半導体膜全体の20%未満であることが好ましい。
CAAC−OSは誘電率異方性を有する。具体的には、CAAC−OSはa軸方向およびb軸方向の誘電率よりも、c軸方向の誘電率が大きい。チャネルが形成される半導体膜にCAAC−OSを用いて、ゲート電極をc軸方向に配置したトランジスタは、c軸方向の誘電率が大きいため、ゲート電極から生じる電界がCAAC−OS全体に届きやすい。よって、サブスレッショルドスイング値(S値)を小さくすることができる。また、半導体膜にCAAC−OSを用いたトランジスタは、微細化によるS値の増大が生じにくい。
また、CAAC−OSはa軸方向およびb軸方向の誘電率が小さいため、ソースとドレイン間に生じる電界の影響が緩和される。よって、チャネル長変調効果や、短チャネル効果、などが生じにくく、トランジスタの信頼性を高めることができる。
ここで、チャネル長変調効果とは、ドレイン電圧がしきい値電圧よりも高い場合に、ドレイン側から空乏層が広がり、実効上のチャネル長が短くなる現象を言う。また、短チャネル効果とは、チャネル長が短くなることにより、しきい値電圧の低下などの電気特性の悪化が生じる現象を言う。微細なトランジスタほど、これらの現象による電気特性の劣化が生じやすい。
[酸化物半導体膜のエネルギーバンド構造]
ここで、酸化物層104a、酸化物層104b、および酸化物層104cの積層により構成される酸化物層104の機能およびその効果について、図21(A)に示すエネルギーバンド構造図を用いて説明する。図21(A)は、図1(B)にA1−A2の一点鎖線で示した部位のエネルギーバンド構造を示している。すなわち、図21(A)は、トランジスタ100のチャネル形成領域のエネルギーバンド構造を示している。
図21(A)中、Ec382、Ec383a、Ec383b、Ec383c、Ec386は、それぞれ、絶縁体103、酸化物層104a、酸化物層104b、酸化物層104c、絶縁体105の伝導帯下端のエネルギーを示している。また、図21(B)は、酸化物層104aを用いない場合の一例を示す。
ここで、電子親和力は、真空準位と価電子帯上端のエネルギーとの差(「イオン化ポテンシャル」ともいう。)からエネルギーギャップを引いた値となる。なお、エネルギーギャップは、分光エリプソメータ(HORIBA JOBIN YVON社 UT−300)を用いて測定できる。また、真空準位と価電子帯上端のエネルギー差は、紫外線光電子分光分析(UPS:Ultraviolet Photoelectron Spectroscopy)装置(PHI社 VersaProbe)を用いて測定できる。
なお、原子数比がIn:Ga:Zn=1:3:2のターゲットを用いて形成したIn−Ga−Zn酸化物のエネルギーギャップは約3.5eV、電子親和力は約4.5eVである。また、原子数比がIn:Ga:Zn=1:3:4のターゲットを用いて形成したIn−Ga−Zn酸化物のエネルギーギャップは約3.4eV、電子親和力は約4.5eVである。また、原子数比がIn:Ga:Zn=1:3:6のターゲットを用いて形成したIn−Ga−Zn酸化物のエネルギーギャップは約3.3eV、電子親和力は約4.5eVである。また、原子数比がIn:Ga:Zn=1:6:2のターゲットを用いて形成したIn−Ga−Zn酸化物のエネルギーギャップは約3.9eV、電子親和力は約4.3eVである。また、原子数比がIn:Ga:Zn=1:6:8のターゲットを用いて形成したIn−Ga−Zn酸化物のエネルギーギャップは約3.5eV、電子親和力は約4.4eVである。また、原子数比がIn:Ga:Zn=1:6:10のターゲットを用いて形成したIn−Ga−Zn酸化物のエネルギーギャップは約3.5eV、電子親和力は約4.5eVである。また、原子数比がIn:Ga:Zn=1:1:1のターゲットを用いて形成したIn−Ga−Zn酸化物のエネルギーギャップは約3.2eV、電子親和力は約4.7eVである。また、原子数比がIn:Ga:Zn=3:1:2のターゲットを用いて形成したIn−Ga−Zn酸化物のエネルギーギャップは約2.8eV、電子親和力は約5.0eVである。
絶縁体103と絶縁体105は絶縁物であるため、Ec382とEc386は、Ec383a、Ec383b、およびEc383cよりも真空準位に近い(電子親和力が小さい)。
また、Ec383aは、Ec383bよりも真空準位に近い。具体的には、Ec383aは、Ec383bよりも0.07eV以上1.3eV以下、好ましくは0.1eV以上0.7eV以下、さらに好ましくは0.15eV以上0.4eV以下真空準位に近いことが好ましい。
また、Ec383cは、Ec383bよりも真空準位に近い。具体的には、Ec383cは、Ec383bよりも0.07eV以上1.3eV以下、好ましくは0.1eV以上0.7eV以下、さらに好ましくは0.15eV以上0.4eV以下真空準位に近いことが好ましい。
ここで、酸化物層104aと酸化物層104bとの間には、酸化物層104aと酸化物層104bとの混合領域を有する場合がある。また、酸化物層104bと酸化物層104cとの間には、酸化物層104bと酸化物層104cとの混合領域を有する場合がある。混合領域は、界面準位密度が低くなる。そのため、酸化物層104a、酸化物層104bおよび酸化物層104cの積層体は、それぞれの界面近傍において、エネルギーが連続的に変化する(連続接合ともいう。)バンド構造となる。
このとき、電子は、酸化物層104a中および酸化物層104c中ではなく、酸化物層104b中を主として移動する。したがって、酸化物層104aおよび酸化物層104bの界面における界面準位密度、酸化物層104bと酸化物層104cとの界面における界面準位密度を低くすることによって、酸化物層104b中で電子の移動が阻害されることが少なく、トランジスタ100のオン電流を高くすることができる。
また、酸化物層104aと絶縁体103の界面、および酸化物層104cと絶縁体105の界面近傍には、不純物や欠陥に起因したトラップ準位390が形成され得るものの、酸化物層104a、および酸化物層104cがあることにより、酸化物層104bと当該トラップ準位とを遠ざけることができる。
なお、トランジスタ100がs−channel構造を有する場合、酸化物層104bの全体にチャネルが形成される。したがって、酸化物層104bが厚いほどチャネル領域は大きくなる。即ち、酸化物層104bが厚いほど、トランジスタ100のオン電流を高くすることができる。例えば、20nm以上、好ましくは40nm以上、さらに好ましくは60nm以上、より好ましくは100nm以上の厚さの領域を有する酸化物層104bとすればよい。ただし、トランジスタ100を有する半導体装置の生産性が低下する場合があるため、例えば、300nm以下、好ましくは200nm以下、さらに好ましくは150nm以下の厚さの領域を有する酸化物層104bとすればよい。
また、トランジスタ100のオン電流を高くするためには、酸化物層104cの厚さは小さいほど好ましい。例えば、10nm未満、好ましくは5nm以下、さらに好ましくは3nm以下の領域を有する酸化物層104cとすればよい。一方、酸化物層104cは、チャネルの形成される酸化物層104bへ、隣接する絶縁体を構成する酸素以外の元素(水素、シリコンなど)が入り込まないようブロックする機能を有する。そのため、酸化物層104cは、ある程度の厚さを有することが好ましい。例えば、0.3nm以上、好ましくは1nm以上、さらに好ましくは2nm以上の厚さの領域を有する酸化物層104cとすればよい。
また、信頼性を高くするためには、酸化物層104aは厚く、酸化物層104cは薄いことが好ましい。例えば、10nm以上、好ましくは20nm以上、さらに好ましくは40nm以上、より好ましくは60nm以上の厚さの領域を有する酸化物層104aとすればよい。酸化物層104aの厚さを、厚くすることで、隣接する絶縁体と酸化物層104aとの界面からチャネルの形成される酸化物層104bまでの距離を離すことができる。ただし、トランジスタ100を有する半導体装置の生産性が低下する場合があるため、例えば、200nm以下、好ましくは120nm以下、さらに好ましくは80nm以下の厚さの領域を有する酸化物層104aとすればよい。
なお、酸化物半導体中のシリコンは、キャリアトラップやキャリア発生源となる場合がある。したがって、酸化物層104bのシリコン濃度は低いほど好ましい。例えば、酸化物層104bと酸化物層104aとの間に、例えば、二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)において、1×1019atoms/cm未満、好ましくは5×1018atoms/cm未満、さらに好ましくは2×1018atoms/cm未満のシリコン濃度となる領域を有する。また、酸化物層104bと酸化物層104cとの間に、SIMSにおいて、1×1019atoms/cm未満、好ましくは5×1018atoms/cm未満、さらに好ましくは2×1018atoms/cm未満のシリコン濃度となる領域を有する。
また、酸化物層104bの水素濃度を低減するために、酸化物層104aおよび酸化物層104cの水素濃度を低減すると好ましい。酸化物層104aおよび酸化物層104cは、SIMSにおいて、2×1020atoms/cm以下、好ましくは5×1019atoms/cm以下、より好ましくは1×1019atoms/cm以下、さらに好ましくは5×1018atoms/cm以下の水素濃度となる領域を有する。また、酸化物層104bの窒素濃度を低減するために、酸化物層104aおよび酸化物層104cの窒素濃度を低減すると好ましい。酸化物層104aおよび酸化物層104cは、SIMSにおいて、5×1019atoms/cm未満、好ましくは5×1018atoms/cm以下、より好ましくは1×1018atoms/cm以下、さらに好ましくは5×1017atoms/cm以下の窒素濃度となる領域を有する。
なお、酸化物半導体に銅が混入すると、電子トラップを生成する場合がある。電子トラップは、トランジスタのしきい値電圧がプラス方向へ変動させる場合がある。したがって、酸化物層104bの表面または内部における銅濃度は低いほど好ましい。例えば、酸化物層104b、銅濃度が1×1019atoms/cm以下、5×1018atoms/cm以下、または1×1018atoms/cm以下となる領域を有すると好ましい。
上述の3層構造は一例である。例えば、酸化物層104aまたは酸化物層104cのない2層構造としても構わない。または、酸化物層104aの上もしくは下、または酸化物層104c上もしくは下に、酸化物層104a、酸化物層104bおよび酸化物層104cとして例示した半導体のいずれか一を有する4層構造としても構わない。または、酸化物層104aの上、酸化物層104aの下、酸化物層104cの上、酸化物層104cの下のいずれか二箇所以上に、酸化物層104a、酸化物層104bおよび酸化物層104cとして例示した半導体のいずれか一を有するn層構造(nは5以上の整数)としても構わない。
特に、本実施の形態に例示するトランジスタ100は、チャネル幅方向において、酸化物層104bの上面と側面が酸化物層104cと接し、酸化物層104bの下面が酸化物層104aと接して形成されている(図1(C)参照。)。このように、酸化物層104bを酸化物層104aと酸化物層104cで覆う構成とすることで、上記トラップ準位の影響をさらに低減することができる。
また、酸化物層104a、および酸化物層104cのバンドギャップは、酸化物層104bのバンドギャップよりも広いほうが好ましい。
本発明の一態様によれば、電気特性のばらつきが少ないトランジスタを実現することができる。よって、電気特性のばらつきが少ない半導体装置を実現することができる。本発明の一態様によれば、信頼性の良好なトランジスタを実現することができる。よって、信頼性の良好な半導体装置を実現することができる。
また、酸化物半導体のバンドギャップは2eV以上あるため、チャネルが形成される半導体膜に酸化物半導体を用いたトランジスタは、オフ電流を極めて小さくすることができる。具体的には、ソースとドレイン間の電圧が3.5V、室温(25℃)下において、チャネル幅1μm当たりのオフ電流を1×10−20A未満、1×10−22A未満、あるいは1×10−24A未満とすることができる。すなわち、オンオフ比を20桁以上150桁以下とすることができる。
本発明の一態様によれば、消費電力が少ないトランジスタを実現することができる。よって、消費電力が少ない半導体装置を実現することができる。
[絶縁体102]
絶縁体102は、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、酸化マグネシウム、窒化シリコン、酸化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウム、酸化タンタル、アルミニウムシリケートなどから選ばれた材料を、単層でまたは積層して用いる。また、酸化物材料、窒化物材料、酸化窒化物材料、窒化酸化物材料のうち、複数の材料を混合した材料を用いてもよい。
なお、本明細書中において、窒化酸化物とは、酸素よりも窒素の含有量が多い化合物をいう。また、酸化窒化物とは、窒素よりも酸素の含有量が多い化合物をいう。なお、各元素の含有量は、例えば、ラザフォード後方散乱法(RBS:Rutherford Backscattering Spectrometry)等を用いて測定することができる。
特に絶縁体102は、不純物の透過性が低い絶縁性材料を用いて形成することが好ましい。例えば、酸素の透過性が低いことが好ましい。また例えば、水素の透過性が低いことが好ましい。例えば、ホウ素、炭素、窒素、酸素、フッ素、マグネシウム、アルミニウム、シリコン、リン、塩素、アルゴン、ガリウム、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム、ランタン、ネオジム、ハフニウムまたはタンタルを含む絶縁材料を、単層で、または積層で用いればよい。例えば、不純物の透過性が低い絶縁性材料として、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウム、酸化タンタル、窒化シリコンなどを挙げることができる。また、絶縁体102として、絶縁性の高い酸化インジウム錫亜鉛(In−Sn−Zn酸化物)などを用いてもよい。
なお、絶縁体102は、インジウムを有する酸化物を有してもよい。また、絶縁体102は、インジウムおよび亜鉛を有する酸化物を有してもよい。また、絶縁体102は、インジウム、亜鉛、および元素Mを有する酸化物を有してもよい。絶縁体102がインジウムを有する酸化物、またはインジウムおよび亜鉛を有する酸化物、またはインジウム、亜鉛、および元素Mを有する酸化物を有することにより、酸素透過性を低くすることができる場合がある。
絶縁体102の形成方法は特に限定されず、スパッタリング法、CVD法、MBE法またはPLD法、ALD法、スピンコート法などの各種形成方法を用いることができる。絶縁体102および絶縁体110の厚さは、10nm以上500nm以下、好ましくは50nm以上300nm以下とすればよい。
例えば、熱CVD法を用いて、絶縁体102として酸化アルミニウムを成膜する場合には、溶媒とアルミニウム前駆体化合物を含む液体(TMAなど)を気化させた原料ガスと、酸化剤としてHOの2種類のガスを用いる。なお、トリメチルアルミニウムの化学式はAl(CHである。また、他の材料液としては、トリス(ジメチルアミド)アルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、アルミニウムトリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナート)などがある。
絶縁体102に不純物の透過性が低い絶縁性材料を用いることで、基板101側からの不純物の拡散を抑制し、トランジスタの信頼性を高めることができる。絶縁体111に不純物の透過性が低い絶縁性材料を用いることで、絶縁体112側からの不純物の拡散を抑制し、トランジスタの信頼性を高めることができる。
絶縁体102として、これらの材料で形成される絶縁体を複数積層して用いてもよい。
[絶縁体111および絶縁体110b]
また、絶縁体111および絶縁体110bは、不純物の透過性が低い絶縁性材料を用いて形成することが好ましい。例えば、絶縁体111および絶縁体110bは酸素の透過性が低いことが好ましい。また例えば、絶縁体111および絶縁体110bは水素の透過性が低いことが好ましい。また例えば、絶縁体111および絶縁体110bは水の透過性が低いことが好ましい。絶縁体111および絶縁体110bに用いることのできる材料や、絶縁体111および絶縁体110bの作製方法については、絶縁体102の記載を参照することができる。
絶縁体111および絶縁体110bの酸素透過性が低いことにより、酸化物層104bに供給される過剰酸素が外方へ拡散することを防ぐことができる場合がある。
[絶縁体103]
絶縁体103としては例えば、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム、窒化アルミニウムなどを用いればよく、積層または単層で形成する。絶縁体402および絶縁体412の形成には、スパッタリング法、CVD法(熱CVD法、MOCVD法、PECVD法等を含む)、MBE法、ALD法またはPLD法などを用いることができる。特に、当該絶縁膜をCVD法、好ましくはプラズマCVD法によって成膜すると、被覆性を向上させることができるため好ましい。またプラズマによるダメージを減らすには、熱CVD法、MOCVD法あるいはALD法が好ましい。
また、絶縁体103は電荷捕獲層を有してもよい。例えば図4(B)に示すように、絶縁体103を絶縁体103a、絶縁体103b、および絶縁体103cの積層構造とし、絶縁体103bとして酸化ハフニウム、酸化アルミニウム、酸化タンタル、アルミニウムシリケートなどを用いることにより、絶縁体103bを電荷捕獲層としてもよい。絶縁体103aおよび絶縁体103cとして例えば、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム、窒化アルミニウムなどを用いることができる。絶縁体103bに電子を注入することで、トランジスタのしきい値電圧を変動させることが可能である。絶縁体103bへの電子の注入は、例えば、トンネル効果を利用すればよい。導電体117に正の電圧を印加することによって、トンネル電子を絶縁体103bに注入することができる。
絶縁体103は、絶縁体102と同様の材料および方法を用いて形成することができる。また、酸化物層104中の水素濃度の増加を防ぐために、絶縁体103、の水素濃度を低減することが好ましい。具体的には、絶縁体103、中の水素濃度を、SIMSにおいて、2×1020atoms/cm以下、好ましくは5×1019atoms/cm以下、より好ましくは1×1019atoms/cm以下、さらに好ましくは5×1018atoms/cm以下とする。また、酸化物半導体中の窒素濃度の増加を防ぐために、絶縁体103、中の窒素濃度を低減することが好ましい。具体的には、絶縁体103、中の窒素濃度を、SIMSにおいて、5×1019atoms/cm未満、好ましくは5×1018atoms/cm以下、より好ましくは1×1018atoms/cm以下、さらに好ましくは5×1017atoms/cm以下とする。
また、絶縁体103、は、加熱により酸素が放出される絶縁体(「過剰酸素を含む絶縁体」ともいう。)を用いて形成することが好ましい。具体的には、TDS分析にて、酸素原子に換算した酸素の脱離量が1.0×1018atoms/cm以上、好ましくは3.0×1020atoms/cm以上である絶縁体を用いることが好ましい。
また、過剰酸素を含む絶縁体は、絶縁体に酸素を添加する処理を行って形成することもできる。酸素を添加する処理は、酸素雰囲気下による熱処理や、イオン注入装置、イオンドーピング装置またはプラズマ処理装置を用いて行うことができる。酸素を添加するためのガスとしては、16もしくは18などの酸素ガス、亜酸化窒素ガスまたはオゾンガスなどを用いることができる。なお、本明細書では酸素を添加する処理を「酸素ドープ処理」ともいう。酸素を添加する処理は例えば、絶縁体118の成膜後、絶縁体103の成膜後、酸化物層104eの成膜前、などに行えばよい。また、高密度プラズマ処理などを行ってもよい。高密度プラズマは、マイクロ波を用いて生成すればよい。高密度プラズマ処理では、例えば、酸素、亜酸化窒素などの酸化性ガスを用いればよい。または、酸化性ガスと、He、Ar、Kr、Xeなどの希ガスと、の混合ガスを用いてもよい。高密度プラズマ処理において、基板にバイアスを印加してもよい。これにより、プラズマ中の酸素イオンなどを基板側に引き込むことができる。高密度プラズマ処理は基板を加熱しながら行ってもよい。例えば、上記加熱処理の代わりに高密度プラズマ処理を行う場合、上記加熱処理の温度より低温で同様の効果を得ることができる。高密度プラズマ処理は例えば、絶縁体118の成膜後、絶縁体103の成膜後、酸化物層104eの成膜前、などに行えばよい。
ここで、例えば絶縁体103を成膜するための処理室と、高密度プラズマ処理を行うための処理室と、各チャンバー間を搬送するための基板処理室と、を有する、いわゆるマルチチャンバーの装置を用いることにより、絶縁体103の成膜と高密度プラズマ処理とを大気に暴露することなく連続して行うことで、膜中および界面への不純物の混入を低減することができるため好ましい。また、プロセス時間を短縮できるためコストの削減に繋がる場合がある。また、プロセスを簡略化できるため歩留まりが向上する場合がある。ここで例えば、基板処理室を減圧雰囲気とするとよい。
同様に例えば、絶縁体103を成膜するための処理室と、酸化物層104dを成膜するための処理室と、酸化物層104eを成膜するための処理室と、高密度プラズマ処理を行うための処理室と、各処理室間を搬送するための基板搬送室と、を有するマルチチャンバーの装置を用いることにより、絶縁体103の成膜と、高密度プラズマ処理と、酸化物層104dの成膜と、酸化物層104eの成膜と、を大気に暴露することなく連続して行うことができるため好ましい。
絶縁体103の厚さは、1nm以上50nm以下が好ましく、3nm以上30nm以下がより好ましく、5nm以上10nm以下がさらに好ましい。酸化物層104fの形成後に酸素ドープ処理を行ってもよい。また、絶縁体103の形成後に酸素ドープ処理を行ってもよい。また、絶縁体103の形成後に加熱処理を行ってもよい。本実施の形態では、絶縁体103として例えば酸化シリコンを形成する。
<構成例2>
図5(A)は半導体装置の上面図である。また、図6(A)は、図5に示す一点鎖線L1−L2の断面を、図6(B)は、図5(A)に示す一点鎖線W1−W2の断面を、それぞれ示す。図5(A)、図6(A)および(B)に示す半導体装置は、トランジスタ100の上方に位置する絶縁体111と、トランジスタ100の下方に位置する絶縁体102と、トランジスタ100の四方を囲む絶縁体110bと、を有する。絶縁体102、絶縁体111および絶縁体110bにより、トランジスタ100の六方が囲まれる。また、図6(A)において、絶縁体110bは、コンタクトプラグ113aやコンタクトプラグ113bよりも外側に位置する。また、図6(B)において、絶縁体110bは、コンタクトプラグ113cやコンタクトプラグ113dよりも外側に位置する。ここで、外側とは、例えばトランジスタ100を中心として、トランジスタ100からの距離がより長いことを指す。
また、図5(B)に示すように、絶縁体102、絶縁体111、および絶縁体110bが複数のトランジスタ100を囲む構造としてもよい。図5(B)にしめす半導体装置の上面において、2つのトランジスタ100が絶縁体110bに囲まれている。また、図示しないが、半導体装置の断面において、2つのトランジスタ100の上方に絶縁体111を有し、下方に絶縁体102を有する。よって、2つのトランジスタ100は、絶縁体102、絶縁体111および絶縁体110bにより、六方が囲まれる。また、半導体装置の上面において、絶縁体110bは閉じた形状を有することが好ましい。閉じた形状として、例えば多角形、円形、楕円形、および曲線と直線を繋ぎ合わせた閉曲線、等が挙げられる。例えば図5(A)に示すように四角形であってもよいし、図5(B)に示すように、四角形が丸い角部を有してもよい。
トランジスタ100は、水、水素または酸素の移動に伴って、特性が変動する場合がある。絶縁体102、絶縁体111および絶縁体110bにより、トランジスタ100の六方が囲まれるため、囲まれる領域の外側からのトランジスタ100への水素および水素の混入や、囲まれる領域の外へのトランジスタ100からの酸素の放出を抑制することができる。よって、トランジスタ100の特性の変動を抑制することができる。
なお、本実施の形態において、本発明の一態様について述べた。または、他の実施の形態において、本発明の一態様について述べる。ただし、本発明の一態様は、これらに限定されない。つまり、本実施の形態および他の実施の形態では、様々な発明の態様が記載されているため、本発明の一態様は、特定の態様に限定されない。例えば、本発明の一態様として、トランジスタ100などのトランジスタのチャネル形成領域、ソースドレイン領域などが、酸化物半導体を有する場合の例を示したが、本発明の一態様は、これに限定されない。場合によっては、または、状況に応じて、本発明の一態様における様々なトランジスタ、トランジスタのチャネル形成領域、または、トランジスタのソースドレイン領域などは、様々な半導体を有していてもよい。場合によっては、または、状況に応じて、本発明の一態様における様々なトランジスタ、トランジスタのチャネル形成領域、または、トランジスタのソースドレイン領域などは、例えば、シリコン、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム、炭化シリコン、ガリウムヒ素、アルミニウムガリウムヒ素、インジウムリン、窒化ガリウム、または、有機半導体などの少なくとも一つを有していてもよい。または例えば、場合によっては、または、状況に応じて、本発明の一態様における様々なトランジスタ、トランジスタのチャネル形成領域、または、トランジスタのソースドレイン領域などは、酸化物半導体を有していなくてもよい。
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1に示す半導体装置の作製方法について説明する。
<作製方法>
図7乃至図14を用いて、図1に示す半導体装置の作製方法を説明する。
基板101上に絶縁体102を成膜する。次に、絶縁体102上に絶縁体118を成膜する。次に、絶縁体118上にマスク301を形成する(図7(A)参照。)。
基板101として用いる材料に大きな制限はないが、少なくとも後の加熱処理に耐えうる程度の耐熱性を有していることが必要となる。例えばバリウムホウケイ酸ガラスやアルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板、セラミック基板、石英基板、サファイア基板などを用いることができる。
また、基板101としてシリコンや炭化シリコンなどを材料とした単結晶半導体基板、多結晶半導体基板、シリコンゲルマニウムなどを材料とした化合物半導体基板等を用いてもよい。また、SOI基板や、半導体基板上に歪トランジスタやFIN型トランジスタなどの半導体素子が形成されたものなどを用いることもできる。または、高電子移動度トランジスタ(HEMT:High Electron Mobility Transistor)に適用可能なヒ化ガリウム、ヒ化アルミニウムガリウム、ヒ化インジウムガリウム、窒化ガリウム、リン化インジウム、シリコンゲルマニウムなどを用いてもよい。すなわち、基板101は、単なる支持基板に限らず、他のトランジスタなどのデバイスが形成された基板であってもよい。この場合、トランジスタ100のゲート、ソース、またはドレインの少なくとも一つは、上記他のデバイスと電気的に接続されていてもよい。
なお、基板101として、可撓性基板(フレキシブル基板)を用いてもよい。可撓性基板を用いる場合、可撓性基板上に、トランジスタや容量素子などを直接作製してもよいし、他の作製基板上にトランジスタや容量素子などを作製し、その後可撓性基板に剥離、転置してもよい。なお、作製基板から可撓性基板に剥離、転置するために、作製基板とトランジスタや容量素子などとの間に剥離層を形成するとよい。
可撓性基板としては、例えば、金属、合金、樹脂もしくはガラス、またはそれらの繊維などを用いることができる。基板101に用いる可撓性基板は、線膨張率が低いほど環境による変形が抑制されて好ましい。基板101に用いる可撓性基板は、例えば、線膨張率が1×10−3/K以下、5×10−5/K以下、または1×10−5/K以下である材質を用いればよい。樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド(ナイロン、アラミドなど)、ポリイミド、ポリカーボネート、アクリル系樹脂などがある。特に、アラミドは、線膨張率が低いため、可撓性基板として好適である。
マスク301は、例えばレジストを用いてリソグラフィ法により作製してもよい。また、無機膜または金属膜からなるハードマスクを形成してもよい。レジストマスクの形成は、フォトリソグラフィ法、印刷法、インクジェット法等を適宜用いて行うことができる。レジストマスクを印刷法やインクジェット法などで形成するとフォトマスクを使用しないため、製造コストを低減できる。
フォトリソグラフィ法によるレジストマスクの形成は、感光性レジストにフォトマスクを介して光を照射し、現像液を用いて感光した部分(または感光していない部分)のレジストを除去して行なう。感光性レジストに照射する光は、KrFエキシマレーザ光、ArFエキシマレーザ光、EUV(Extreme Ultraviolet)光などがある。また、基板と投影レンズとの間に液体(例えば水)を満たして露光する、液浸技術を用いてもよい。また、前述した光に代えて、電子ビームやイオンビームを用いてもよい。なお、電子ビームやイオンビームを用いる場合には、フォトマスクは不要となる。なお、レジストマスクの除去は、アッシングなどのドライエッチング法または専用の剥離液などを用いたウェットエッチング法で行うことができる。ドライエッチング法とウェットエッチング法の両方を用いてもよい。
次に、マスク301を用いて、絶縁体118の一部を除去し、開口部306を形成する(図7(B)参照。)。絶縁体118の除去には、例えばドライエッチング等を用いればよい。
次に、絶縁体118の上面および開口部306内に導電体117dを成膜する(図7(C)参照。)。
次に、導電体117dの一部を除去することにより、導電体117を形成する(図7(D)参照。)。導電体117dの除去には、例えば化学的機械研磨(Chemical Mechanical Polishing:CMP)法などの研磨法を用いることが好ましい。あるいは、ドライエッチングを用いてもよい。例えば、エッチバックなどの手法を用いればよい。
ここで、CMP法とは、被加工物の表面を化学的・機械的な複合作用により、平坦化する手法である。一般的に研磨ステージの上に研磨布を貼り付け、被加工物と研磨布との間にスラリー(研磨剤)を供給しながら研磨ステージと被加工物とを各々回転または揺動させて、スラリーと被加工物表面との間での化学反応と、研磨布と被加工物との機械的研磨の作用により、被加工物の表面を研磨する方法である。
次に、絶縁体118および導電体117上に絶縁体103、酸化物層104d、酸化物層104eを順に成膜する。
次に、酸化物層104dおよび酸化物層104eに含まれる水分または水素などの不純物をさらに低減して、酸化物層104dおよび酸化物層104eを高純度化するために、加熱処理を行うことが好ましい。
例えば、減圧雰囲気下、窒素や希ガスなどの不活性雰囲気下、酸化性雰囲気下、又は超乾燥エア(CRDS(キャビティリングダウンレーザー分光法)方式の露点計を用いて測定した場合の水分量が20ppm(露点換算で−55℃)以下、好ましくは1ppm以下、好ましくは10ppb以下の空気)雰囲気下で、酸化物層104dおよび酸化物層104eに加熱処理を施す。なお、酸化性雰囲気とは、酸素、オゾンまたは窒化酸素などの酸化性ガスを10ppm以上含有する雰囲気をいう。また、不活性雰囲気とは、前述の酸化性ガスが10ppm未満であり、その他、窒素または希ガスで充填された雰囲気をいう。
また、加熱処理を行うことにより、不純物の放出と同時に絶縁体103に含まれる酸素を酸化物層104dおよび酸化物層104e中に拡散させ、当該酸化物半導体層に含まれる酸素欠損を低減することができる。なお、不活性ガス雰囲気で加熱処理した後に、脱離した酸素を補うために酸化性ガスを10ppm以上、1%以上または10%以上含む雰囲気で加熱処理を行ってもよい。なお、加熱処理は、酸化物層104dおよび酸化物層104eの形成後であればいつ行ってもよい。例えば、酸化物層104aおよび酸化物層104bの形成後に加熱処理を行ってもよい。また、後に行なう酸化物層104cの形成後に行なってもよい。
加熱処理に用いる加熱装置に特別な限定はなく、抵抗発熱体などの発熱体からの熱伝導または熱輻射によって、被処理物を加熱する装置であってもよい。例えば、電気炉や、LRTA(Lamp Rapid Thermal Anneal)装置、GRTA(Gas Rapid Thermal Anneal)装置等のRTA(Rapid Thermal Anneal)装置を用いることができる。LRTA装置は、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、キセノンアークランプ、カーボンアークランプ、高圧ナトリウムランプ、高圧水銀ランプなどのランプから発する光(電磁波)の輻射により、被処理物を加熱する装置である。GRTA装置は、高温のガスを用いて加熱処理を行う装置である。
加熱処理は、250℃以上650℃以下、好ましくは300℃以上500℃以下で行えばよい。処理時間は24時間以内とする。24時間を超える加熱処理は生産性の低下を招くため好ましくない。
なお、酸化物層104dの形成後または酸化物層104eの形成後に酸素ドープ処理を行ってもよい。
次に、酸化物層104e上にマスク302を形成する(図8(A)参照。)。マスク302についてはマスク301を参照する。その後、マスク302を用いて酸化物層104e、酸化物層104d、絶縁体103のそれぞれ一部を除去し、酸化物層104aおよび酸化物層104bを形成する(図8(B)参照。)。酸化物層104e、酸化物層104d、および絶縁体103の除去には例えばドライエッチングやウェットエッチングを用いることができる。
なお、導電体、半導体、絶縁体のエッチングをドライエッチング法で行う場合は、エッチングガスとしてハロゲン元素を含むガスを用いることができる。ハロゲン元素を含むガスの一例としては、塩素(Cl)、三塩化硼素(BCl)、四塩化珪素(SiCl)もしくは四塩化炭素(CCl)などを代表とする塩素系ガス、四フッ化炭素(CF)、六フッ化硫黄(SF)、三フッ化窒素(NF)もしくはトリフルオロメタン(CHF)などを代表とするフッ素系ガス、臭化水素(HBr)または酸素を適宜用いることができる。また用いるエッチング用ガスに不活性気体を添加してもよい。また、酸化物半導体をエッチングするためのエッチングガスとして、メタン(CH)、エタン(C)、プロパン(C)、またはブタン(C10)などの炭化水素系ガスと不活性ガスの混合ガスを用いてもよい。
また、ドライエッチング法としては、平行平板型RIE(Reactive Ion Etching)法や、ICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合型プラズマ)法、DF−CCP(Dual Frequency Capacitively Coupled Plasma:二周波励起容量結合型プラズマ)法などを用いることができる。所望の加工形状にエッチングできるように、エッチング条件(例えば、コイル型の電極に印加される電力量、基板側の電極に印加される電力量、基板側の電極温度など)を適宜調節すればよい。
次に、酸化物層104bの上面および側面や、酸化物層104aの側面、および絶縁体103上に酸化物層104f、絶縁体105d、導電体106d、および絶縁体107dを順に成膜する。その後、絶縁体107dの上面にマスク303を形成する(図8(C)参照。)。マスク303についてはマスク301を参照すればよい。
次に、マスク303を用いて絶縁体107dおよび導電体106dのそれぞれ一部をドライエッチング等を用いて除去し、絶縁体107および導電体106を形成する(図9(A)参照。)。
導電体106を形成するための導電性材料としては、アルミニウム、クロム、銅、銀、金、白金、タンタル、ニッケル、チタン、モリブデン、タングステン、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、マンガン、マグネシウム、ジルコニウム、ベリリウムなどから選ばれた金属元素を1種以上含む材料を用いることができる。また、リン等の不純物元素を含有させた多結晶シリコンに代表される、電気伝導度が高い半導体、ニッケルシリサイドなどのシリサイドを用いてもよい。導電体106として、これらの材料で形成される導電層を複数積層して用いてもよい。
また、導電体106に、インジウム錫酸化物(ITO:Indium Tin Oxide)、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、シリコンを添加したインジウム錫酸化物などの酸素を含む導電性材料、窒化チタン、窒化タンタルなどの窒素を含む導電性材料を適用することもできる。また、前述した金属元素を含む材料と、酸素を含む導電性材料を組み合わせた積層構造とすることもできる。また、前述した金属元素を含む材料と、窒素を含む導電性材料を組み合わせた積層構造とすることもできる。また、前述した金属元素を含む材料、酸素を含む導電性材料、および窒素を含む導電性材料を組み合わせた積層構造とすることもできる。導電体106の厚さは、10nm以上500nm以下が好ましく、20nm以上300nm以下がより好ましく、30nm以上200nm以下がさらに好ましい。本実施の形態では、導電層126として、窒化チタンとタングステンの積層を用いる。具体的には、厚さ10nmの窒化チタン上に厚さ150nmのタングステンを形成する。
導電体106の形成方法は特に限定されず、蒸着法、CVD法、スパッタリング法などの各種形成方法を用いることができる。
[金属元素131]
次に、導電体106および絶縁体107をマスクとして用いて金属元素131を導入する(図9(C)参照。)。なお、図9(C)では金属元素131を矢印で示している。金属元素131の導入は、イオン注入法やプラズマドーピング法などを用いて行なうことができる。図9(C)では、金属元素131が導入される領域135の端部を破線で示している。金属元素が導入される領域135の深さや、領域135に含まれる金属元素の濃度は、イオン注入法やプラズマドーピング法などの処理条件によって決定することができる。
金属元素131としては、金属元素を一または複数用いることが好ましい。例えば金属元素131として、タングステン、アルミニウム、チタン、マグネシウム、バナジウム、アンチモン、砒素、および硫黄などの元素のうち、一または複数を用いることができる。金属元素131のドーズ量は、1×1012ions/cm以上1×1016ions/cm以下、好ましくは1×1013ions/cm以上1×1015ions/cm以下とすればよい。金属元素131導入時の加速電圧は5kV以上50kV以下、好ましくは10kV以上30kV以下とすればよい。本実施の形態では、金属元素131としてタングステンを用いる。導電体106および絶縁体107をマスクとして用いて金属元素131を導入すると、自己整合により領域135をチャネル形成領域に隣接して形成することができる。
ここで金属元素131として、例えばタングステンやチタンなどの酸素と結合しやすい材料で形成すると、金属元素131の酸化物が形成されることにより、金属元素131を導入する領域において酸化物層104中の酸素欠損(「Vo」ともいう。)が増加する場合がある。なお、Voに水素が結合してVoHが形成されると、当該領域のキャリア密度が増加し、抵抗率が小さくなる。
金属元素131の導入後、加熱処理を行ってもよい。加熱処理は、好ましくは200℃以上500℃以下、より好ましくは300℃以上450℃以下、さらに好ましくは350℃以上400℃以下で行えばよい。当該加熱処理によってVoに水素が結合してVoHが形成されると、当該領域のキャリア密度がさらに増加し、抵抗率がさらに小さくなる。
このため、酸化物層104中の領域135は、酸化物層104の導電体106と重なる領域(チャネル形成領域)よりも、キャリア密度が高く、抵抗率が小さい。よって、酸化物層104中の領域135は、酸化物層104の導電体106と重なる領域(チャネル形成領域)よりも抵抗が低くなる場合がある。
本実施の形態では、金属元素131としてタングステンを用いる。また、イオン注入法により酸化物層104の一部に導入する。タングステンの導入により、酸化物層104に酸化タングステンが含まれる領域が形成される。
次に、絶縁体105d上、および絶縁体107上に絶縁体108dを成膜する(図9(C)参照。)。
次に、異方性ドライエッチング法により絶縁体108dをエッチングして、導電体106の側壁に絶縁体108を形成する。この時、絶縁体105dの、絶縁体108および導電体106のどちらにも重ならない領域もエッチングされ、絶縁体105が形成される。また、酸化物層104fの、絶縁体108および導電体106のどちらにも重ならない領域もエッチングされ、酸化物層104cが形成される。よって、絶縁体108の形成時に酸化物層104bの一部が露出する。
この時、露出した酸化物層104bの一部がエッチングされ、凸部を有する酸化物層104bが形成される場合がある。ここで、図20(A)および図20(B)に、酸化物層104bに凸部が形成されたトランジスタ100を示しておく。図20(A)は、トランジスタ100の平面図である。また、図20(B)は、図20(A)に示す一点鎖線L1−L2、および一点鎖線W1−W2における断面図である。
[絶縁体107および絶縁体108]
ここで絶縁体108dの一部を異方性ドライエッチング法によりエッチングして絶縁体108を形成する際には、絶縁体107はエッチングされないことが好ましい。あるいは、絶縁体107のエッチング速度は絶縁体108dのエッチング速度と比較して遅いことが好ましい。よって、絶縁体107は、例えば絶縁体108が有する主要元素と異なる主要元素を有することが好ましい。あるいは、例えば、絶縁体107は、例えば絶縁体108と組成が異なることが好ましい。絶縁体107の厚さは、5nm以上100nm以下が好ましく、10nm以上50nm以下がより好ましい。
ここで一例として、絶縁体108として酸化シリコン、または酸化窒化シリコンを用い、絶縁体107として窒化シリコン、または窒化酸化シリコンを用いる。絶縁体107の窒素の原子数比を絶縁体108よりも高くすることにより、絶縁体108のエッチング時に、絶縁体107のエッチング速度を遅くすることができる場合がある。
また、さらなる一例として、絶縁体108として酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコンまたは窒化シリコンを用い、絶縁体107として窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウムを用いることができる場合がある。
また、さらなる一例として、絶縁体108として酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコンまたは窒化シリコンを用いた場合に、絶縁体107として酸化物層104として用いることのできる材料が好ましい場合がある。
ここで、異方性ドライエッチング法により絶縁体108dをエッチングすることにより、導電体106の側壁以外にも絶縁体が形成される場合がある。例えば、酸化物層104bの側壁等に絶縁体が形成される場合がある。
次に、絶縁体103上、酸化物層104b上、および絶縁体107上に導電体109dを成膜する(図10(B)参照。)。ここで、導電体109dは絶縁体108の側面を覆うことが好ましい。導電体109dの厚さは、5nm以上500nm以下が好ましく、10nm以上200nm以下がより好ましく、15nm以上100nm以下がさらに好ましい。本実施の形態では、導電体109dとして厚さ20nmのタングステンを用いる。
または、導電体109dとして、厚さ5nmの酸化チタンと、酸化チタン上の厚さ20nmのタングステンと、タングステン上の厚さ5nmの酸化チタンと、の3層の積層を用いてもよい。
次に、マスクを用いて導電体109dの一部を除去し、導電体109eを形成する(図10(C)参照。)。その後、絶縁体110dを成膜する(図11(A)参照。)。
[導電体109aおよび導電体109b]
次に、基板101に対して上面を平坦にするように絶縁体110dおよび導電体109eの一部を除去することにより、導電体109aおよび導電体109bを形成する(図11(B)参照。)。ここで導電体109eの一部を除去することにより、導電体109dのうち、導電体106と重なる領域を除去することにより導電体109eを分離させ、導電体109aおよび導電体109bを形成することができる。
ここで、絶縁体110dや導電体109eの除去にはCMP法などの研磨法を用いることができる。あるいは、ドライエッチングを用いてもよい。例えば、エッチバックなどの手法を用いればよい。
絶縁体110dや導電体109eの除去にCMP法などの研磨法を用いる場合には、導電体109dや絶縁体110dの研磨速度は、試料の面内で分布を有する場合がある。この場合に、研磨速度が速い箇所においては、絶縁体107の露出時間が長くなる場合がある。導電体109eや絶縁体110dの研磨速度と比較して絶縁体107の研磨速度は遅いことが好ましい。絶縁体107の研磨速度が遅いことにより、導電体109dや絶縁体110dの研磨工程において、絶縁体585は、研磨のストッパー膜としての役割を果たすことができる。
ここで、本発明の一態様において、例えばリソグラフィを用いてマスクを形成する場合には、リソグラフィのための装置の精度に応じて、マスクを形成する位置にずれが生じる場合がある。このような場合には導電体109aおよび導電体109bの端部と、絶縁体108の端部との間に距離が生じてしまう。一方、本発明の一態様においては、導電体109aおよび導電体109bを形成する際にはマスク等を用いる必要がない。よって、上面からみたトランジスタ100の面積をより小さくできる。トランジスタ100の面積を小さくすることにより、半導体装置が有する回路の集積化を実現することができる。
また、絶縁体110、導電体109a、導電体109b、絶縁体108、および絶縁体107の上面は、一続きの平坦な平面をなす。該平面上に絶縁体111を形成することにより、例えば、絶縁体111の被覆性が向上し、水素透過性をより低くできる場合があるため好ましい。また、絶縁体111のブロック能力が向上するため絶縁体111を薄くできる場合がある。絶縁体111を薄くすることにより、例えば絶縁体111にドライエッチング等を用いて開口部を設ける場合、エッチング時間を短くすることができる。エッチング時間が長すぎる場合には、例えばマスク幅の縮小が生じ、開口部が大きくなってしまう場合があり、微細化が難しい。エッチング時間を短くすることにより例えば、より微細な開口部を設けることができるため好ましい。
導電体109aおよび導電体109bとして、例えば、タングステン、ポリシリコン等の埋め込み性の高い導電性材料を用いることができる。また、当該材料の側面および底面を、チタン層、窒化チタン層またはこれらの積層からなるバリア層(拡散防止層)で覆ってもよい。また、例えば図3(B)に示すように、導電体109aを導電体109j、導電体109kおよび導電体109lの3層、導電体109bを導電体109m、導電体109n、および導電体109oの3層の積層構造としてもよい。ここで、導電体109jおよび導電体109mをバリア層とすることが好ましい。また、導電体109lおよび導電体109oをバリア層としてもよい。ここで導電体109aおよび導電体109bが電極として機能する場合には、バリア層も含めて電極という場合がある。
なお、導電体109aおよび導電体109bを、例えばタングステンやチタンなどの、酸化物層104から酸素を引き抜く性質を有する材料で形成すると、導電体109aおよび導電体109bと接する酸化物層104中のVoが増加する。よって、酸化物層104に形成された領域135のうち、導電体109aおよび導電体109bが接する領域のキャリア密度が増加し、抵抗率が小さくなる。なお、Voに水素が結合してVoHが形成されると、当該領域のキャリア密度がさらに増加し、抵抗率をさらに小さくなる。
このため、酸化物層104の中で、絶縁体108と重なる領域のキャリア密度よりも、導電体109aおよび導電体109bが接する領域のキャリア密度が高くなる場合がある。また、酸化物層104の中で、絶縁体108と重なる領域の抵抗率よりも、導電体109aおよび導電体109bが接する領域の抵抗率が小さくなる場合がある。また、酸化物層104の中で、絶縁体108と重なる領域の抵抗よりも、導電体109aおよび導電体109bが接する領域の抵抗が低くなる場合がある。
次に、絶縁体110や、導電体109aおよび導電体109b等の上に絶縁体111を成膜する(図12(A)参照。)。
本実施の形態では、絶縁体111として、スパッタリング法により酸化アルミニウムを形成する。また、スパッタリングガスとして酸素を含むガスを用いる。スパッタリング法により絶縁体111を形成すると、絶縁体111と絶縁体111の被形成面の界面およびその近傍に、両者が混ざり合う混合層が形成される。具体的には、絶縁体110と絶縁体111の界面およびその近傍に、混合層145が形成される。
また、混合層145には、スパッタリングガスの一部が含まれる。本実施の形態ではスパッタリングガスとして酸素を含むガスを用いるため、混合層145に酸素が含まれる。よって、混合層145は、過剰酸素を有する。
次に、加熱処理を行う。加熱処理は、好ましくは200℃以上500℃以下、より好ましくは300℃以上450℃以下、さらに好ましくは350℃以上400℃以下で行えばよい。なお、この時行う加熱処理の温度は、金属元素131の導入後に行う加熱処理の温度以下とする。
加熱処理により、混合層145に含まれる酸素が拡散する。ここで混合層145に含まれる過剰酸素は、絶縁体110、絶縁体103、絶縁体108、絶縁体105などを介して酸化物層104a、酸化物層104b、および酸化物層104cに拡散する。絶縁体111および絶縁体102として酸素を透過しにくい材料を用いることで、混合層145に含まれる過剰酸素を、絶縁体110、絶縁体103などを介して酸化物層104b中に効果的に拡散させることができる。混合層145に含まれる過剰酸素が拡散する様子を図12(B)に矢印で示す。
次に、絶縁体111上に絶縁体112を成膜する。その後、絶縁体112、絶縁体111および絶縁体110に、導電体109a等に達する開口部307を形成する(図13(A)参照。)。
次に、絶縁体112上、および開口部307内に導電体を成膜し、基板101に対して上面を平坦にするように該導電体の一部を除去することにより、コンタクトプラグ113a、コンタクトプラグ113b、およびコンタクトプラグ113cを形成する(図13(B)参照。)。該導電体の除去には例えばCMP法を用いることができる。
コンタクトプラグ113a、コンタクトプラグ113b、およびコンタクトプラグ113cとしては、例えば、タングステン、ポリシリコン等の埋め込み性の高い導電性材料を用いることができる。また、図示しないが、当該材料の側面および底面を、チタン層、窒化チタン層またはこれらの積層からなるバリア層(拡散防止層)で覆ってもよい。この場合、バリア層も含めて電極という場合がある。
絶縁体112は絶縁体103と同様の材料および方法で形成することができる。また、絶縁体112として、ポリイミド、アクリル系樹脂、ベンゾシクロブテン系樹脂、ポリアミド、エポキシ系樹脂等の、耐熱性を有する有機材料を用いることができる。また上記有機材料の他に、低誘電率材料(low−k材料)、シロキサン系樹脂、PSG(リンガラス)、BPSG(リンボロンガラス)等を用いることができる。なお、これらの材料で形成される絶縁体を複数積層させることで、絶縁体112を形成してもよい。
なおシロキサン系樹脂とは、シロキサン系材料を出発材料として形成されたSi−O−Si結合を含む樹脂に相当する。シロキサン系樹脂は置換基としては有機基(例えばアルキル基やアリール基)やフルオロ基を用いても良い。また、有機基はフルオロ基を有していても良い。
絶縁体112の形成方法は、特に限定されず、その材料に応じて、スパッタ法、SOG法、スピンコート、ディップ、スプレー塗布、液滴吐出法(インクジェット法など)、印刷法(スクリーン印刷、オフセット印刷など)などを用いればよい。絶縁体112の焼成工程と他の熱処理工程を兼ねることで、効率よくトランジスタを作製することが可能となる。
次に、試料表面に化学的機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)処理(「CMP処理」ともいう。)を行なう(図11(A)参照。)。CMP処理を行うことにより、試料表面の凹凸を低減し、この後形成される絶縁体や導電層の被覆性を高めることができる。
その後、絶縁体112上に導電体114a、導電体114b、および導電体114cを形成することにより、図1に示す半導体装置を作製することができる(図14参照。)。
なお、絶縁体118、絶縁体105d、絶縁体110dおよび絶縁体112の成膜は、絶縁体103の成膜方法を参照することができる。また、絶縁体118、絶縁体105、絶縁体110および絶縁体112には、絶縁体103として示した材料および構成を用いることができる。
また、導電体117d、導電体109d、コンタクトプラグ113a乃至c、および導電体114a乃至cの成膜は、導電体106dを参照することができる。また、導電体117、導電体109a、導電体109b、コンタクトプラグ113a乃至c、および導電体114a乃至cには、導電体106として示した材料および構成を用いることができる。
ここで、図9(B)においては、絶縁体108を形成する前に金属元素131を添加したが、図15(A)に示すように、図9(A)の後、金属元素131を添加する前に図15(A)に示すように絶縁体108dを成膜し、その後、図15(B)に示すように絶縁体108を形成し、その後、図15(C)に示すように金属元素131を添加してもよい。その後、絶縁体110、導電体109a、導電体109b、絶縁体111、絶縁体112、コンタクトプラグ113a、導電体114a等を形成し、図16に示す半導体装置を作製することができる。ここで、図16において、絶縁体108の下の領域と比較して、その外側の領域では金属元素131の濃度が高くなる場合がある。
<作製方法2>
次に、図2に示す半導体装置の作製方法を、図17乃至図19を用いて説明する。
図7(A)乃至図9(A)に示した方法を用いて、基板101上の絶縁体102、絶縁体118、導電体117、絶縁体103、酸化物層104a、酸化物層104b、酸化物層104f、絶縁体105d、導電体106、絶縁体107を形成する。その後、導電体106をマスクとして絶縁体105dおよび酸化物層104fの一部を除去し、絶縁体105および酸化物層104cを形成する(図17(A)参照。)。図17(A)において、酸化物層104c、絶縁体105、導電体106、および絶縁体107の側面は概略一致することが好ましい。
次に、導電体106および絶縁体107をマスクとして用いて金属元素131を導入する(図17(B)参照。)。図17(B)では金属元素131を矢印で示し、金属元素131が導入される領域135の端部を破線で示している。
次に、酸化物層104b上、絶縁体103上および絶縁体107上に絶縁体108dを成膜する(図17(C)参照。)。その後、異方性ドライエッチング法により導電体106の側壁に絶縁体108を形成する(図18(A)参照。)。ここで、異方性ドライエッチング法により絶縁体108dをエッチングすることにより、導電体106の側壁以外にも絶縁体が形成される場合がある。図18(A)には、酸化物層104bの側壁に絶縁体108bが形成される例を示す。
次に、図10(B)乃至図12(A)に示した方法を用いて、導電体109a、導電体109b、絶縁体110、および絶縁体111を形成する(図18(B)参照。)。
本実施の形態では、絶縁体111として、スパッタリング法により酸化アルミニウムを形成する。また、スパッタリングガスとして酸素を含むガスを用いる。スパッタリング法により絶縁体111を形成すると、絶縁体111と絶縁体111の被形成面の界面およびその近傍に、両者が混ざり合う混合層が形成される。具体的には、絶縁体110と絶縁体111の界面およびその近傍に、混合層145が形成される。
また、混合層145には、スパッタリングガスの一部が含まれる。本実施の形態ではスパッタリングガスとして酸素を含むガスを用いるため、混合層145に酸素が含まれる。よって、混合層145は、過剰酸素を有する層となる。
次に、加熱処理を行う。加熱処理は、好ましくは200℃以上500℃以下、より好ましくは300℃以上450℃以下、さらに好ましくは350℃以上400℃以下で行えばよい。なお、この時行う加熱処理の温度は、金属元素131の導入後に行う加熱処理の温度以下とする。
加熱処理により、混合層145に含まれる酸素が拡散する。ここで混合層145に含まれる過剰酸素は、絶縁体110、絶縁体103、絶縁体108などを介して酸化物層104a、酸化物層104b、および酸化物層104cに拡散する。絶縁体111および絶縁体102として酸素を透過しにくい材料を用いることで、混合層145に含まれる過剰酸素を、絶縁体110、絶縁体103などを介して酸化物層104b中に効率よく拡散させることができる。混合層145に含まれる過剰酸素が拡散する様子を図19(A)に矢印で示す。
その後、絶縁体112、コンタクトプラグ113a、導電体114a等を形成し、図2に示す半導体装置を作製することができる(図19(B)参照。)。
<構造体300>
図11(B)に示す導電体109aおよび導電体109bの形成において、基板101に対して上面を平坦にするように絶縁体110dおよび導電体109eの一部を除去する。絶縁体110dや導電体109eの除去にCMP法などの研磨法を用いる場合には、その研磨速度が試料の面内で分布を有する場合がある。このような場合、研磨速度が速い箇所においては過多な研磨が生じ、絶縁体108、絶縁体107、および導電体106の一部が除去される可能性がある。ここで、導電体106等の構造体を密に配置することにより、過多な研磨を抑制できる場合があり好ましい。
図22(A)は、トランジスタ100となる構造体100dを有する半導体装置のチャネル長方向の断面の一例を示す。ここで図22(A)において、絶縁体110dにおいて、構造体100dが設けられる領域と、構造体100dが設けられない領域との上面の高さの差を、長さ311とする。ここで長さ311は小さい方がより好ましい。長さ311を小さくすることにより、導電体109aおよび導電体109bの形成後に得られる絶縁体110の表面の平坦性を向上できる場合がある。
図22(B)に示す半導体装置はトランジスタ100となる構造体100dと、構造体300となる構造体300dと、を有する。構造体300dは、構造体100dに隣接する。半導体装置が構造体300を有することにより、絶縁体110dや導電体109dの除去工程において、過多な研磨を抑制できる場合があるため好ましい。
構造体100dは、導電体106を有することが好ましい。構造体300(構造体300d)は、トランジスタ100(構造体100d)と同じ構造を有してもよい。または、構造体300(構造体300d)は、トランジスタ100(構造体100d)の一部の構成要素のみを有してもよい。図23に示す例では、構造体300dは構造体100dの構成要素のうち、導電体109e、導電体106、絶縁体108、絶縁体107、絶縁体105、酸化物層104cを有し、酸化物層104bおよび酸化物層104aを有さない。
また図23において、構造体300dは、絶縁体103に凸部を有さない例を示す。あるいは、構造体300dの絶縁体103が有する凸部は、構造体100dの絶縁体103が有する凸部よりもその高さが小さい場合がある。ここで図23において、絶縁体110dにおいて、構造体100dが設けられる領域と、構造体300dが設けられる領域との上面の高さの差を、長さ314とする。半導体装置が構造体300dを有することにより、長さ314は図22(A)に示す長さ311よりも短くすることができるため好ましい。
構造体100dが有する導電体106と、構造体300dが有する導電体106の距離を長さ312とする。ここで例えば長さ312は、トランジスタ100のチャネル方向の断面における酸化物層104bの長さ313の0.5倍以上10倍以下、あるいは1倍以上5倍以下である。
また、構造体300は、半導体装置において、半導体素子として機能しなくてもよい。例えば、構造体300は、配線に接続しなくてもよい。また、半導体装置が有する回路において、該回路に入力される信号は構造体300へ電気的に接続していなくてもよい。なお、構造体300をダミーパターン、あるいはダミー素子と呼ぶ場合がある。
図24(A)は、2つの構造体100dを有する半導体装置の例を示す。図24(A)において絶縁体110dおよび導電体109dの一部を除去することにより、図24(B)に示すように、2つのトランジスタ100を得る。
ここで図24(A)において、2つの構造体100dが疎に存在する場合には、絶縁体110dおよび導電体109dの一部を除去することにより、図24(C)に示すように、2つのトランジスタ100の間の絶縁体110に凹部が形成される場合がある。この時、過多な研磨が生じて絶縁体108、絶縁体107、および導電体106の一部が除去されてしまう場合がある。
図25(A)に示すように構造体100dに隣接して構造体300dを一つ、または複数形成することにより、導電体109a、導電体109bおよび絶縁体110の形成時に過多な研磨を抑制できるため好ましい(図25(B)参照。)。また、絶縁体110の表面をより平坦にすることができるため好ましい。また、絶縁体110の上面と、導電体109aおよび導電体109bの上端とを概略一致させることができる場合があり、好ましい。
また、図25(C)には、構造体300が導電体109a、導電体109b、導電体106、絶縁体108、絶縁体107、絶縁体105、酸化物層104cを有し、酸化物層104bおよび酸化物層104aを有さない例を示す。構造体300dを一つ、または複数形成することにより、導電体109a、導電体109bおよび絶縁体110の形成時に過多な研磨を抑制できるため好ましい。
<作製方法3>
次に、図6に示す半導体装置の作製方法について、図26を用いて説明する。
図7(A)乃至図11(B)に示すように、基板101上に絶縁体102、導電体117、絶縁体118、絶縁体103、酸化物層104a、酸化物層104b、酸化物層104c、絶縁体105、導電体106、絶縁体107、絶縁体108、導電体109e、および絶縁体110等を形成する(図26(A)参照。)。
次に、絶縁体110、絶縁体103および絶縁体118に、絶縁体102に達する開口部308を形成する(図26(B)参照。)。
次に、絶縁体110上と開口部308内に絶縁体110bとなる絶縁体を形成する。その後、絶縁体110の上面が露出するように、該絶縁体の上面を基板101に平行になるように除去し、絶縁体110bを形成する。その後、図26(C)に示すように、絶縁体110および絶縁体110b上に絶縁体111を成膜することにより、図6に示す半導体装置を作製することができる。
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
(実施の形態3)
酸化物半導体は、単結晶酸化物半導体と、それ以外の非単結晶酸化物半導体とに分けられる。非単結晶酸化物半導体としては、CAAC−OS、多結晶酸化物半導体、nc−OS(nanocrystalline Oxide Semiconductor)、擬似非晶質酸化物半導体(a−like OS:amorphous like Oxide Semiconductor)、非晶質酸化物半導体などがある。
また別の観点では、酸化物半導体は、非晶質酸化物半導体と、それ以外の結晶性酸化物半導体とに分けられる。結晶性酸化物半導体としては、単結晶酸化物半導体、CAAC−OS、多結晶酸化物半導体、nc−OSなどがある。
非晶質構造の定義としては、一般に、準安定状態で固定化していないこと、等方的であって不均質構造を持たないことなどが知られている。また、結合角度が柔軟であり、短距離秩序性は有するが、長距離秩序性を有さない構造と言い換えることもできる。
逆の見方をすると、本質的に安定な酸化物半導体の場合、完全な非晶質(completely amorphous)酸化物半導体と呼ぶことはできない。また、等方的でない(例えば、微小な領域において周期構造を有する)酸化物半導体を、完全な非晶質酸化物半導体と呼ぶことはできない。ただし、a−like OSは、微小な領域において周期構造を有するものの、鬆(「ボイド」ともいう。)を有し、不安定な構造である。そのため、物性的には非晶質酸化物半導体に近いといえる。
<CAAC−OS>
CAAC−OSは、c軸配向した複数の結晶部(「ペレット」ともいう。)を有する酸化物半導体の一つである。
透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)によって、CAAC−OSの明視野像と回折パターンとの複合解析像(「高分解能TEM像」ともいう。)を観察すると、複数のペレットを確認することができる。一方、高分解能TEM像ではペレット同士の境界、即ち結晶粒界(「グレインバウンダリー」ともいう。)を明確に確認することができない。そのため、CAAC−OSは、結晶粒界に起因する電子移動度の低下が起こりにくいといえる。
以下では、TEMによって観察したCAAC−OSについて説明する。図27(A)に、試料面と略平行な方向から観察したCAAC−OSの断面の高分解能TEM像を示す。高分解能TEM像の観察には、球面収差補正(Spherical Aberration Corrector)機能を用いた。球面収差補正機能を用いた高分解能TEM像を、特にCs補正高分解能TEM像と呼ぶ。Cs補正高分解能TEM像の取得は、例えば、日本電子株式会社製原子分解能分析電子顕微鏡JEM−ARM200Fなどによって行うことができる。
図27(A)の領域(1)を拡大したCs補正高分解能TEM像を図27(B)に示す。図27(B)より、ペレットにおいて、金属原子が層状に配列していることを確認できる。金属原子の各層の配列は、CAAC−OSの膜を形成する面(「被形成面」ともいう。)または上面の凹凸を反映しており、CAAC−OSの被形成面または上面と平行となる。
図27(B)に示すように、CAAC−OSは特徴的な原子配列を有する。図27(C)は、特徴的な原子配列を、補助線で示したものである。図27(B)および図27(C)より、ペレット一つの大きさは1nm以上のものや、3nm以上のものがあり、ペレットとペレットとの傾きにより生じる隙間の大きさは0.8nm程度であることがわかる。したがって、ペレットを、ナノ結晶(nc:nanocrystal)と呼ぶこともできる。また、CAAC−OSを、CANC(C−Axis Aligned nanocrystals)を有する酸化物半導体と呼ぶこともできる。
ここで、Cs補正高分解能TEM像をもとに、基板5120上のCAAC−OSのペレット5100の配置を模式的に示すと、レンガまたはブロックが積み重なったような構造となる(図27(D)参照。)。図27(C)で観察されたペレットとペレットとの間で傾きが生じている箇所は、図27(D)に示す領域5161に相当する。
また、図28(A)に、試料面と略垂直な方向から観察したCAAC−OSの平面のCs補正高分解能TEM像を示す。図28(A)の領域(1)、領域(2)および領域(3)を拡大したCs補正高分解能TEM像を、それぞれ図28(B)、図28(C)および図28(D)に示す。図28(B)、図28(C)および図28(D)より、ペレットは、金属原子が三角形状、四角形状または六角形状に配列していることを確認できる。しかしながら、異なるペレット間で、金属原子の配列に規則性は見られない。
次に、X線回折(XRD:X−Ray Diffraction)によって解析したCAAC−OSについて説明する。例えば、InGaZnOの結晶を有するCAAC−OSに対し、out−of−plane法による構造解析を行うと、図29(A)に示すように回折角(2θ)が31°近傍にピークが現れる場合がある。このピークは、InGaZnOの結晶の(009)面に帰属されることから、CAAC−OSの結晶がc軸配向性を有し、c軸が被形成面または上面に略垂直な方向を向いていることが確認できる。
なお、CAAC−OSのout−of−plane法による構造解析では、2θが31°近傍のピークの他に、2θが36°近傍にもピークが現れる場合がある。2θが36°近傍のピークは、CAAC−OS中の一部に、c軸配向性を有さない結晶が含まれることを示している。より好ましいCAAC−OSは、out−of−plane法による構造解析では、2θが31°近傍にピークを示し、2θが36°近傍にピークを示さない。
一方、CAAC−OSに対し、c軸に略垂直な方向からX線を入射させるin−plane法による構造解析を行うと、2θが56°近傍にピークが現れる。このピークは、InGaZnOの結晶の(110)面に帰属される。CAAC−OSの場合は、2θを56°近傍に固定し、試料面の法線ベクトルを軸(φ軸)として試料を回転させながら分析(φスキャン)を行っても、図29(B)に示すように明瞭なピークは現れない。これに対し、InGaZnOの単結晶酸化物半導体であれば、2θを56°近傍に固定してφスキャンした場合、図29(C)に示すように(110)面と等価な結晶面に帰属されるピークが6本観察される。したがって、XRDを用いた構造解析から、CAAC−OSは、a軸およびb軸の配向が不規則であることが確認できる。
次に、電子回折によって解析したCAAC−OSについて説明する。例えば、InGaZnOの結晶を有するCAAC−OSに対し、試料面に平行にプローブ径が300nmの電子線を入射させると、図30(A)に示すような回折パターン(「制限視野透過電子回折パターン」ともいう。)が現れる場合がある。この回折パターンには、InGaZnOの結晶の(009)面に起因するスポットが含まれる。したがって、電子回折によっても、CAAC−OSに含まれるペレットがc軸配向性を有し、c軸が被形成面または上面に略垂直な方向を向いていることがわかる。一方、同じ試料に対し、試料面に垂直にプローブ径が300nmの電子線を入射させたときの回折パターンを図30(B)に示す。図30(B)より、リング状の回折パターンが確認される。したがって、電子回折によっても、CAAC−OSに含まれるペレットのa軸およびb軸は配向性を有さないことがわかる。なお、図30(B)における第1リングは、InGaZnOの結晶の(010)面および(100)面などに起因すると考えられる。また、図30(B)における第2リングは(110)面などに起因すると考えられる。
上述したように、CAAC−OSは結晶性の高い酸化物半導体である。酸化物半導体の結晶性は不純物の混入や欠陥の生成などによって低下する場合があるため、逆の見方をするとCAAC−OSは不純物や欠陥(酸素欠損など)の少ない酸化物半導体ともいえる。
なお、不純物は、酸化物半導体の主成分以外の元素で、水素、炭素、シリコン、遷移金属元素などがある。例えば、シリコンなどの、酸化物半導体を構成する金属元素よりも酸素との結合力の強い元素は、酸化物半導体から酸素を奪うことで酸化物半導体の原子配列を乱し、結晶性を低下させる要因となる。また、鉄やニッケルなどの重金属、アルゴン、二酸化炭素などは、原子半径(または分子半径)が大きいため、酸化物半導体の原子配列を乱し、結晶性を低下させる要因となる。
酸化物半導体が不純物や欠陥を有する場合、光や熱などによって特性が変動する場合がある。例えば、酸化物半導体に含まれる不純物は、キャリアトラップとなる場合や、キャリア発生源となる場合がある。また、酸化物半導体中の酸素欠損は、キャリアトラップとなる場合や、水素を捕獲することによってキャリア発生源となる場合がある。
不純物および酸素欠損の少ないCAAC−OSは、キャリア密度の低い酸化物半導体である。具体的には、8×1011個/cm未満、好ましくは1×1011/cm未満、さらに好ましくは1×1010個/cm未満であり、1×10−9個/cm以上のキャリア密度の酸化物半導体とすることができる。そのような酸化物半導体を、高純度真性または実質的に高純度真性な酸化物半導体と呼ぶ。CAAC−OSは、不純物濃度が低く、欠陥準位密度が低い。即ち、安定な特性を有する酸化物半導体であるといえる。
<nc−OS>
nc−OSは、高分解能TEM像において、結晶部を確認することのできる領域と、明確な結晶部を確認することのできない領域と、を有する。nc−OSに含まれる結晶部は、1nm以上10nm以下、または1nm以上3nm以下の大きさであることが多い。なお、結晶部の大きさが10nmより大きく100nm以下である酸化物半導体を微結晶酸化物半導体と呼ぶことがある。nc−OSは、例えば、高分解能TEM像では、結晶粒界を明確に確認できない場合がある。なお、ナノ結晶は、CAAC−OSにおけるペレットと起源を同じくする可能性がある。そのため、以下ではnc−OSの結晶部をペレットと呼ぶ場合がある。
nc−OSは、微小な領域(例えば、1nm以上10nm以下の領域、特に1nm以上3nm以下の領域)において原子配列に周期性を有する。また、nc−OSは、異なるペレット間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、膜全体で配向性が見られない。したがって、nc−OSは、分析方法によっては、a−like OSや非晶質酸化物半導体と区別が付かない場合がある。例えば、nc−OSに対し、ペレットよりも大きい径のX線を用いた場合、out−of−plane法による解析では、結晶面を示すピークは検出されない。また、nc−OSに対し、ペレットよりも大きいプローブ径(例えば50nm以上)の電子線を用いる電子回折を行うと、ハローパターンのような回折パターンが観測される。一方、nc−OSに対し、ペレットの大きさと近いかペレットより小さいプローブ径の電子線を用いるナノビーム電子回折を行うと、スポットが観測される。また、nc−OSに対しナノビーム電子回折を行うと、円を描くように(リング状に)輝度の高い領域が観測される場合がある。さらに、リング状の領域内に複数のスポットが観測される場合がある。
このように、ペレット(ナノ結晶)間では結晶方位が規則性を有さないことから、nc−OSを、RANC(Random Aligned nanocrystals)を有する酸化物半導体、またはNANC(Non−Aligned nanocrystals)を有する酸化物半導体と呼ぶこともできる。
nc−OSは、非晶質酸化物半導体よりも規則性の高い酸化物半導体である。そのため、nc−OSは、a−like OSや非晶質酸化物半導体よりも欠陥準位密度が低くなる。ただし、nc−OSは、異なるペレット間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、nc−OSは、CAAC−OSと比べて欠陥準位密度が高くなる。
<a−like OS>
a−like OSは、nc−OSと非晶質酸化物半導体との間の構造を有する酸化物半導体である。a−like OSは、高分解能TEM像において鬆が観察される場合がある。また、高分解能TEM像において、明確に結晶部を確認することのできる領域と、結晶部を確認することのできない領域と、を有する。
鬆を有するため、a−like OSは、不安定な構造である。以下では、a−like OSが、CAAC−OSおよびnc−OSと比べて不安定な構造であることを示すため、電子照射による構造の変化を示す。
電子照射を行う試料として、a−like OS(試料Aと表記する。)、nc−OS(試料Bと表記する。)およびCAAC−OS(試料Cと表記する。)を準備する。いずれの試料もIn−Ga−Zn酸化物である。
まず、各試料の高分解能断面TEM像を取得する。高分解能断面TEM像により、各試料は、いずれも結晶部を有することがわかる。
なお、どの部分を一つの結晶部と見なすかの判定は、以下のように行えばよい。例えば、InGaZnOの結晶の単位格子は、In−O層を3層有し、またGa−Zn−O層を6層有する、計9層がc軸方向に層状に重なった構造を有することが知られている。これらの近接する層同士の間隔は、(009)面の格子面間隔(「d値」ともいう。)と同程度であり、結晶構造解析からその値は0.29nmと求められている。したがって、格子縞の間隔が0.28nm以上0.30nm以下である箇所を、InGaZnOの結晶部と見なすことができる。なお、格子縞は、InGaZnOの結晶のa−b面に対応する。
図31は、各試料の結晶部(22箇所から45箇所)の平均の大きさを調査した例である。ただし、上述した格子縞の長さを結晶部の大きさとしている。図31より、a−like OSは、電子の累積照射量に応じて結晶部が大きくなっていくことがわかる。具体的には、図31中に(1)で示すように、TEMによる観察初期においては1.2nm程度の大きさだった結晶部(「初期核」ともいう。)が、電子の累積照射量が4.2×10/nmにおいては2.6nm程度の大きさまで成長していることがわかる。一方、nc−OSおよびCAAC−OSは、電子の累積照射量が電子照射開始時から4.2×10/nmまでの範囲で、結晶部の大きさに変化が見られないことがわかる。具体的には、図31中の(2)および(3)で示すように、電子の累積照射量によらず、nc−OSおよびCAAC−OSの結晶部の大きさは、それぞれ1.4nm程度および2.1nm程度であることがわかる。
このように、a−like OSは、電子照射によって結晶部の成長が見られる場合がある。一方、nc−OSおよびCAAC−OSは、電子照射による結晶部の成長がほとんど見られないことがわかる。即ち、a−like OSは、nc−OSおよびCAAC−OSと比べて、不安定な構造であることがわかる。
また、鬆を有するため、a−like OSは、nc−OSおよびCAAC−OSと比べて密度の低い構造である。具体的には、a−like OSの密度は、同じ組成の単結晶の密度の78.6%以上92.3%未満となる。また、nc−OSの密度およびCAAC−OSの密度は、同じ組成の単結晶の密度の92.3%以上100%未満となる。単結晶の密度の78%未満となる酸化物半導体は、成膜すること自体が困難である。
例えば、In:Ga:Zn=1:1:1[原子数比]を満たす酸化物半導体において、菱面体晶構造を有する単結晶InGaZnOの密度は6.357g/cmとなる。よって、例えば、In:Ga:Zn=1:1:1[原子数比]を満たす酸化物半導体において、a−like OSの密度は5.0g/cm以上5.9g/cm未満となる。また、例えば、In:Ga:Zn=1:1:1[原子数比]を満たす酸化物半導体において、nc−OSの密度およびCAAC−OSの密度は5.9g/cm以上6.3g/cm未満となる。
なお、同じ組成の単結晶が存在しない場合がある。その場合、任意の割合で組成の異なる単結晶を組み合わせることにより、所望の組成における単結晶に相当する密度を見積もることができる。所望の組成の単結晶に相当する密度は、組成の異なる単結晶を組み合わせる割合に対して、加重平均を用いて見積もればよい。ただし、密度は、可能な限り少ない種類の単結晶を組み合わせて見積もることが好ましい。
以上のように、酸化物半導体は、様々な構造をとり、それぞれが様々な特性を有する。なお、酸化物半導体は、例えば、非晶質酸化物半導体、a−like OS、nc−OS、CAAC−OSのうち、二種以上を有する積層膜であってもよい。
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態4)
本実施の形態では、本明細書等に開示したトランジスタを用いた半導体装置の一例について説明する。
≪半導体装置の構造例≫
図32(A)乃至図32(C)は、半導体装置400の断面図である。半導体装置400は、トランジスタ100とトランジスタ281を有する。なお、トランジスタ100は上記実施の形態に示した他のトランジスタと置き換えが可能である。図32(A)はトランジスタ100とトランジスタ281のチャネル長方向の断面図であり、図32(B)はチャネル幅方向の断面図である。図32(C)は図32(A)におけるトランジスタ281の拡大図である。
半導体装置400は、基板401としてn型半導体を用いる。トランジスタ281は、チャネル形成領域283、高濃度p型不純物領域285、絶縁体286、導電体287、構造体288を有する。また、絶縁体286を介して構造体288と重なる領域に低濃度p型不純物領域284を有する。絶縁体286はゲート絶縁層として機能できる。導電体287はゲート電極として機能できる。トランジスタ281は、チャネル形成領域283が基板401の一部に形成される。
低濃度p型不純物領域284は、導電体287形成後、構造体288形成前に、導電体287をマスクとして用いて不純物元素を導入することにより形成することができる。すなわち、低濃度p型不純物領域284は、自己整合によって形成することができる。構造体288の形成後、高濃度p型不純物領域285を形成する。なお、低濃度p型不純物領域284は高濃度p型不純物領域285と同じ導電型を有し、導電型を付与する不純物の濃度が高濃度p型不純物領域285よりも低い。また、低濃度p型不純物領域284は、状況に応じて設けなくてもよい。
トランジスタ281は、素子分離層414によって他のトランジスタと電気的に分離される。素子分離領域の形成は、LOCOS(Local Oxidation of Silicon)法や、STI法(Shallow Trench Isolation)などを用いることができる。
トランジスタ281はpチャネル型のトランジスタとして機能できる。また、トランジスタ282上に絶縁体403が形成され、絶縁体403上に絶縁体404が形成されている。絶縁体403、および絶縁体404は、絶縁体111と同様の材料および方法で形成することができる。なお、絶縁体403および絶縁体404は、酸素、水素、水、アルカリ金属、アルカリ土類金属等の不純物の拡散を防ぐ機能を有する絶縁材料を用いて形成することが好ましい。なお、絶縁体403と絶縁体404のどちらか一方を省略してもよいし、絶縁層をさらに積層してもよい。
また、半導体装置400は、絶縁体404上に平坦な表面を有する絶縁体405を有する。絶縁体405は、絶縁体112と同様の材料および方法で形成することができる。また、絶縁体405表面にCMP処理を行ってもよい。
また、絶縁体405の上に、導電体413a、導電体413b、および導電体413cが形成されている。導電体413a、導電体413b、および導電体413cは、導電体109aと同様の材料および方法で作製することができる。
また、導電体413aはコンタクトプラグ406aを介して高濃度p型不純物領域285の一方と電気的に接続されている。導電体413bはコンタクトプラグ406bを介して高濃度p型不純物領域285の他方と電気的に接続されている。導電体413cはコンタクトプラグ406cを介して導電体287と電気的に接続されている。
また、導電体413a、導電体413b、および導電体413cを覆って絶縁体407を形成されている。絶縁体407は、絶縁体405と同様の材料および方法で形成することができる。また、絶縁体407の表面にCMP処理を行ってもよい。
また、絶縁体407上に絶縁体102が形成されている。絶縁体102上にトランジスタ100が形成されている。トランジスタ100上に絶縁体111が形成されている。絶縁体407よりも上層の構成については、上記実施の形態を参酌すれば理解できる。よって、本実施の形態での詳細な説明は省略する。また、導電体109bはコンタクトプラグ112dを介して導電体413bと電気的に接続されている。
<変形例1>
基板401の上にnチャネル型のトランジスタを設けてもよい。図33(A)および図33(B)は、半導体装置410の断面図である。半導体装置410は、半導体装置400にnチャネル型のトランジスタ282を付加した構成を有する。図33(A)はトランジスタ100、トランジスタ281、および、トランジスタ282のチャネル長方向の断面図であり、図33(B)はトランジスタ281の拡大図である。
トランジスタ282は、チャネル形成領域1283がウェル220に形成される。また、トランジスタ282は、チャネル形成領域1283、高濃度n型不純物領域1285、絶縁体286、導電体287、構造体288を有する。また、絶縁体286を介して構造体288と重なる領域に低濃度n型不純物領域1284を有する。
低濃度n型不純物領域1284は、導電体287形成後、構造体288形成前に、導電体287をマスクとして用いて不純物元素を導入することにより形成することができる。すなわち、低濃度n型不純物領域1284は、自己整合により形成することができる。構造体288の形成後、高濃度n型不純物領域1285を形成する。なお、低濃度n型不純物領域1284は高濃度n型不純物領域1285と同じ導電型を有し、導電型を付与する不純物の濃度が高濃度n型不純物領域1285よりも低い。また、低濃度n型不純物領域1284は、状況に応じて設けなくてもよい。
<変形例2>
トランジスタ100の上方に、さらにトランジスタ100を設けてもよい。図34は、半導体装置420の断面図である。半導体装置420は、半導体装置410上にトランジスタ100と同様の構成を有するトランジスタ100aを有する。また、トランジスタ100上には、絶縁体111aが設けられる。
トランジスタ100aは絶縁体112上に絶縁体407aを介して設けられる。また、図34には図示しないが、絶縁体112と、トランジスタ100aが有する絶縁体103aとの間に絶縁体102aを設けてもよい。絶縁体407a、絶縁体103a、絶縁体102aおよび絶縁体111aは、それぞれ絶縁体407、絶縁体103、絶縁体102および絶縁体111と同様の材料および方法で設けることができる。また、トランジスタ100aはトランジスタ100と同様に作製することができる。
また、半導体装置420は、容量素子141および容量素子142を有する。容量素子141を構成する一方の導電体413cは、導電体413aおよび導電体413bを形成するための導電層の一部を用いて、導電体413aおよび導電体413bと同じ層に設けることができる。また、容量素子141を構成する他方の導電体109cは、導電体109aおよび導電体109bを形成するための導電層の一部を用いて、導電体109aおよび導電体109bと同じ層に設けることができる。導電体109cと導電体413cに挟まれた絶縁層は、容量素子141の誘電体層として機能できる。
<変形例3>
図35(A)乃至図35(C)は半導体装置430の断面図である。半導体装置430は、半導体装置400が有するトランジスタ281を、Fin型のトランジスタ291に置き換えた構成を有する。トランジスタをFin型とすることにより、実効上のチャネル幅が増大し、トランジスタのオン特性を向上させることができる。また、チャネル形成領域に対するゲート電極の電界の寄与を高くすることができるため、トランジスタのオフ特性を向上させることができる。
また、半導体装置400と比較して、半導体装置430はトランジスタの上方に容量素子413を有する点が異なる。容量素子413は、導電体114bと、第2の導電体と、導電体114と第2の導電体に挟まれる絶縁体と、を有する。導電体114bは絶縁体112上に設けられる。また、導電体114bはコンタクトプラグ113bを介してトランジスタ100のドレイン電極またはソース電極として機能する導電体109bと接続し、導電体109bは、絶縁体407、絶縁体102、および絶縁体118の開口部に設けられるコンタクトプラグ、および導電体413b等を介して、トランジスタ291のゲート電極として機能する導電体287と接続する。
〔半導体回路〕
本明細書等に開示したトランジスタは、OR回路、AND回路、NAND回路、およびNOR回路などの論理回路や、インバータ回路、バッファ回路、シフトレジスタ回路、フリップフロップ回路、エンコーダ回路、デコーダ回路、増幅回路、アナログスイッチ回路、積分回路、微分回路、およびメモリ素子などの様々な半導体回路に用いることができる。
本実施の形態では、図36(A)乃至図36(E)を用いて、周辺回路および画素回路に用いることができるCMOS回路などの一例を示す。なお、本明細書などで参酌する回路図などにおいて、OSトランジスタを適用することが好ましいトランジスタの回路記号に「OS」を付している。
図36(A)に示すCMOS回路は、pチャネル型のトランジスタ281とnチャネル型のトランジスタ282を直列に接続し、且つ、それぞれのゲートを接続した、インバータ回路の構成例を示している。
図36(B)に示すCMOS回路は、pチャネル型のトランジスタ281とnチャネル型のトランジスタ282を並列に接続した、アナログスイッチ回路の構成例を示している。
図36(C)に示すCMOS回路は、トランジスタ281a、トランジスタ281b、トランジスタ282a、およびトランジスタ282bを用いたNAND回路の構成例を示している。NAND回路は、入力端子IN_Aと入力端子IN_Bに入力される電位の組み合わせによって、出力される電位が変化する。
〔記憶装置〕
図37(A)に示す回路は、トランジスタ289のソースまたはドレインの一方を、トランジスタ1281のゲートおよび容量素子257の一方の電極に接続した記憶装置の構成例を示している。また、図37(B)に示す回路は、トランジスタ289のソースまたはドレインの一方を、容量素子257の一方の電極に接続した記憶装置の構成例を示している。
図37(A)および図37(B)に示す回路は、トランジスタ289のソースまたはドレインの他方から入力された電荷を、ノード256に保持することができる。トランジスタ289にOSトランジスタを用いることで、長期間に渡ってノード256の電荷を保持することができる。
図37(A)ではトランジスタ1281として、pチャネル型のトランジスタを示しているが、nチャネル型のトランジスタを用いてもよい。例えば、トランジスタ1281として、トランジスタ281またはトランジスタ282を用いてもよい。また、トランジスタ1281としてOSトランジスタを用いてもよい。
ここで、図37(A)および図37(B)に示した半導体装置(記憶装置)について、詳細に説明しておく。
図37(A)に示す半導体装置は、第1の半導体を用いたトランジスタ1281と第2の半導体を用いたトランジスタ289、および容量素子257を有している。
トランジスタ289は、上記実施の形態に開示したOSトランジスタである。トランジスタ289のオフ電流が小さいことにより、半導体装置の特定のノードに長期にわたり記憶内容を保持することが可能である。つまり、リフレッシュ動作を必要としない、またはリフレッシュ動作の頻度が極めて少なくすることが可能となるため、消費電力の低い半導体装置となる。
図37(A)において、配線251はトランジスタ1281のソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、配線252はトランジスタ1281ソースまたはドレインの他方と電気的に接続される。また、配線253はトランジスタ289のソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、配線254はトランジスタ289のゲートと電気的に接続されている。そして、トランジスタ1281のゲート、トランジスタ289のソースまたはドレインの他方、および容量素子257の電極の一方は、ノード256と電気的に接続されている。また、配線255は容量素子257の電極の他方と電気的に接続されている。
図37(A)に示す半導体装置は、ノード256に与えられた電荷を保持可能という特性を有することで、以下に示すように、情報の書き込み、保持、読み出しが可能である。
〔書き込み動作、保持動作〕
情報の書き込みおよび保持について説明する。まず、配線254の電位を、トランジスタ289がオン状態となる電位にする。これにより、配線253の電位が、ノード256に与えられる。即ち、ノード256に所定の電荷が与えられる(書き込み)。ここでは、異なる二つの電位レベルを与える電荷(以下、「Lowレベル電荷」、「Highレベル電荷」という。)のどちらかが与えられるものとする。その後、配線254の電位を、トランジスタ289がオフ状態となる電位とすることで、ノード256に電荷が保持される。
なお、Highレベル電荷は、Lowレベル電荷よりもノード256に高い電位を与える電荷とする。また、トランジスタ1281にpチャネル型のトランジスタを用いる場合、Highレベル電荷およびLowレベル電荷は、どちらもトランジスタのしきい値電圧よりも高い電位を与える電荷とする。また、トランジスタ1281にnチャネル型のトランジスタを用いる場合、Highレベル電荷およびLowレベル電荷は、どちらもトランジスタのしきい値電圧よりもよりも低い電位である。すなわち、Highレベル電荷とLowレベル電荷は、どちらもトランジスタがオフ状態となる電位を与える電荷である。
トランジスタ289のオフ電流は極めて小さいため、ノード256の電荷は長期間にわたって保持される。
〔読み出し動作〕
次に情報の読み出しについて説明する。配線251に配線252の電位と異なる所定の電位(定電位)を与えた状態で、配線255に読み出し電位Vを与えると、ノード256に保持されている情報を読み出すことができる。
Highレベル電荷により与えられる電位をV、Lowレベル電荷により与えられる電位をVとすると、読み出し電位Vは、{(Vth−V)+(Vth+V)}/2とすればよい。なお、情報の読み出しをしないときの配線255の電位は、トランジスタ1281にpチャネル型のトランジスタを用いる場合はVより高い電位とし、トランジスタ1281にnチャネル型のトランジスタを用いる場合はVより低い電位とすればよい。
例えば、トランジスタ1281にpチャネル型のトランジスタを用いる場合、トランジスタ1281のVthが−2Vであり、Vを1V、Vを−1Vとすると、Vを−2Vとすればよい。ノード256に書き込まれた電位がVのとき、配線255にVが与えられると、トランジスタ1281のゲートにV+V、すなわち−1Vが印加される。−1VはVthよりも高いため、トランジスタ1281はオン状態にならない。よって、配線252の電位は変化しない。また、ノード256に書き込まれた電位がVのとき、配線255にVが与えられると、トランジスタ1281のゲートにV+V、すなわち−3Vが印加される。−3VはVthよりも低いため、トランジスタ1281がオン状態になる。よって、配線252の電位が変化する。
また、トランジスタ1281にnチャネル型のトランジスタを用いる場合、トランジスタ1281のVthが2Vであり、Vを1V、Vを−1Vとすると、Vを2Vとすればよい。ノード256に書き込まれた電位がVのとき、配線255にVが与えられると、トランジスタ1281のゲートにV+V、すなわち3Vが印加される。3VはVthよりも高いため、トランジスタ1281はオン状態になる。よって、配線252の電位が変化する。また、ノード256に書き込まれた電位がVのとき、配線255にVが与えられると、トランジスタ1281のゲートにV+V、すなわち1Vが印加される。1VはVthよりも低いため、トランジスタ1281はオン状態にならない。よって、配線252の電位は変化しない。
配線252の電位を判別することで、ノード256に保持されている情報を読み出すことができる。
図37(B)に示す半導体装置は、トランジスタ1281を有さない点が図37(A)に示した半導体装置と異なる。この場合も図37(A)に示した半導体装置と同様の動作により情報の書き込みおよび保持が可能である。
図37(B)に示す半導体装置における、情報の読み出しについて説明する。配線254にトランジスタ289がオン状態になる電位が与えられると、浮遊状態である配線253と容量素子257とが導通し、配線253と容量素子257の間で電荷が再分配される。その結果、配線253の電位が変化する。配線253の電位の変化量は、ノード256の電位(またはノード256に蓄積された電荷)によって、異なる値をとる。
例えば、ノード256の電位をV、容量素子257の容量をC、配線253が有する容量成分をCB、電荷が再分配される前の配線253の電位をVB0とすると、電荷が再分配された後の配線253の電位は、(CB×VB0+C×V)/(CB+C)となる。したがって、メモリセルの状態として、ノード256の電位がV1とV0(V1>V0)の2つの状態をとるとすると、電位V1を保持している場合の配線253の電位(=(CB×VB0+C×V1)/(CB+C))は、電位V0を保持している場合の配線253の電位(=(CB×VB0+C×V0)/(CB+C))よりも高くなることがわかる。
そして、配線253の電位を所定の電位と比較することで、情報を読み出すことができる。
以上に示した半導体装置は、酸化物半導体を用いたオフ電流の極めて小さいトランジスタを適用することで、長期にわたって記憶内容を保持することが可能となる。つまり、リフレッシュ動作が不要となるか、またはリフレッシュ動作の頻度を極めて低くすることが可能となるため、消費電力の低い半導体装置を実現することができる。また、電力の供給がない場合(ただし、電位は固定されていることが好ましい)であっても、長期にわたって記憶内容を保持することが可能である。
また、該半導体装置は、情報の書き込みに高い電圧が不要であるため、素子の劣化が起こりにくい。例えば、従来の不揮発性メモリのように、フローティングゲートへの電子の注入や、フローティングゲートからの電子の引き抜きを行わないため、絶縁体の劣化といった問題が全く生じない。即ち、本発明の一態様に係る半導体装置は、従来の不揮発性メモリで問題となっている書き換え可能回数に制限はなく、信頼性が飛躍的に向上した半導体装置である。さらに、トランジスタの導通状態、非導通状態によって、情報の書き込みが行われるため、高速な動作が可能となる。
〔CPU〕
本実施の形態では、上述したトランジスタを用いた半導体装置の一例として、CPUについて説明する。図38は、上述したトランジスタを一部に用いたCPUの構成例を示すブロック図である。
図38に示すCPUは、基板1190上に、ALU1191(ALU:Arithmetic logic unit、演算回路)、ALUコントローラ1192、インストラクションデコーダ1193、インタラプトコントローラ1194、タイミングコントローラ1195、レジスタ1196、レジスタコントローラ1197、バスインターフェース1198(Bus I/F)、書き換え可能なROM1199、およびROMインターフェース1189(ROM I/F)を有している。基板1190は、半導体基板、SOI基板、ガラス基板などを用いる。ROM1199およびROMインターフェース1189は、別チップに設けてもよい。もちろん、図38に示すCPUは、その構成を簡略化して示した一例にすぎず、実際のCPUはその用途によって多種多様な構成を有している。例えば、図38に示すCPUまたは演算回路を含む構成を一つのコアとし、当該コアを複数含み、それぞれのコアが並列で動作するような構成としてもよい。また、CPUが内部演算回路やデータバスで扱えるビット数は、例えば8ビット、16ビット、32ビット、64ビットなどとすることができる。
バスインターフェース1198を介してCPUに入力された命令は、インストラクションデコーダ1193に入力され、デコードされた後、ALUコントローラ1192、インタラプトコントローラ1194、レジスタコントローラ1197、タイミングコントローラ1195に入力される。
ALUコントローラ1192、インタラプトコントローラ1194、レジスタコントローラ1197、タイミングコントローラ1195は、デコードされた命令に基づき、各種制御を行なう。具体的にALUコントローラ1192は、ALU1191の動作を制御するための信号を生成する。また、インタラプトコントローラ1194は、CPUのプログラム実行中に、外部の入出力装置や、周辺回路からの割り込み要求を、その優先度やマスク状態から判断し、処理する。レジスタコントローラ1197は、レジスタ1196のアドレスを生成し、CPUの状態に応じてレジスタ1196の読み出しや書き込みを行なう。
また、タイミングコントローラ1195は、ALU1191、ALUコントローラ1192、インストラクションデコーダ1193、インタラプトコントローラ1194、およびレジスタコントローラ1197の動作のタイミングを制御する信号を生成する。例えばタイミングコントローラ1195は、基準クロック信号を元に、内部クロック信号を生成する内部クロック生成部を備えており、内部クロック信号を上記各種回路に供給する。
図38に示すCPUでは、レジスタ1196に、メモリセルが設けられている。レジスタ1196のメモリセルとして、上述したトランジスタや記憶装置などを用いることができる。
図38に示すCPUにおいて、レジスタコントローラ1197は、ALU1191からの指示に従い、レジスタ1196における保持動作の選択を行う。すなわち、レジスタ1196が有するメモリセルにおいて、フリップフロップによるデータの保持を行うか、容量素子によるデータの保持を行うかを、選択する。フリップフロップによるデータの保持が選択されている場合、レジスタ1196内の記憶素子への、電源電圧の供給が行われる。容量素子におけるデータの保持が選択されている場合、容量素子へのデータの書き換えが行われ、レジスタ1196内のメモリセルへの電源電圧の供給を停止することができる。
図39は、レジスタ1196として用いることのできる記憶素子の回路図の一例である。記憶素子730は、電源遮断で記憶データが揮発する回路701と、電源遮断で記憶データが揮発しない回路702と、スイッチ703と、スイッチ704と、論理素子706と、容量素子707と、選択機能を有する回路720と、を有する。回路702は、容量素子708と、トランジスタ709と、トランジスタ710と、を有する。なお、記憶素子730は、必要に応じて、ダイオード、抵抗素子、インダクタなどのその他の素子をさらに有していても良い。
ここで、回路702には、上述した記憶装置を用いることができる。記憶素子730への電源電圧の供給が停止した際、回路702のトランジスタ709のゲートには接地電位(0V)、またはトランジスタ709がオフする電位が入力され続ける構成とする。例えば、トランジスタ709のゲートが抵抗等の負荷を介して接地される構成とする。
スイッチ703は、一導電型(例えば、nチャネル型)のトランジスタ713を用いて構成され、スイッチ704は、トランジスタ713とは逆の導電型(例えば、pチャネル型)のトランジスタ714を用いて構成した例を示す。ここで、スイッチ703の第1の端子はトランジスタ713のソースとドレインの一方に対応し、スイッチ703の第2の端子はトランジスタ713のソースとドレインの他方に対応し、スイッチ703はトランジスタ713のゲートに入力される制御信号RDによって、第1の端子と第2の端子の間の導通または非導通(つまり、トランジスタ713のオン状態またはオフ状態)が選択される。スイッチ704の第1の端子はトランジスタ714のソースとドレインの一方に対応し、スイッチ704の第2の端子はトランジスタ714のソースとドレインの他方に対応し、スイッチ704はトランジスタ714のゲートに入力される制御信号RDによって、第1の端子と第2の端子の間の導通または非導通(つまり、トランジスタ714のオン状態またはオフ状態)が選択される。
トランジスタ709のソースとドレインの一方は、容量素子708の一対の電極のうちの一方、およびトランジスタ710のゲートと電気的に接続される。ここで、接続部分をノードM2とする。トランジスタ710のソースとドレインの一方は、低電源電位を供給することのできる配線(例えばGND線)に電気的に接続され、他方は、スイッチ703の第1の端子(トランジスタ713のソースとドレインの一方)と電気的に接続される。スイッチ703の第2の端子(トランジスタ713のソースとドレインの他方)はスイッチ704の第1の端子(トランジスタ714のソースとドレインの一方)と電気的に接続される。スイッチ704の第2の端子(トランジスタ714のソースとドレインの他方)は電源電位VDDを供給することのできる配線と電気的に接続される。スイッチ703の第2の端子(トランジスタ713のソースとドレインの他方)と、スイッチ704の第1の端子(トランジスタ714のソースとドレインの一方)と、論理素子706の入力端子と、容量素子707の一対の電極のうちの一方と、は電気的に接続される。ここで、接続部分をノードM1とする。容量素子707の一対の電極のうちの他方は、一定の電位が入力される構成とすることができる。例えば、低電源電位(GND等)または高電源電位(VDD等)が入力される構成とすることができる。容量素子707の一対の電極のうちの他方は、低電源電位を供給することのできる配線(例えばGND線)と電気的に接続される。容量素子708の一対の電極のうちの他方は、一定の電位が入力される構成とすることができる。例えば、低電源電位(GND等)または高電源電位(VDD等)が入力される構成とすることができる。容量素子708の一対の電極のうちの他方は、低電源電位を供給することのできる配線(例えばGND線)と電気的に接続される。
なお、容量素子707および容量素子708は、トランジスタや配線の寄生容量等を積極的に利用することによって省略することも可能である。
トランジスタ709のゲート電極には、制御信号WEが入力される。スイッチ703およびスイッチ704は、制御信号WEとは異なる制御信号RDによって第1の端子と第2の端子の間の導通状態または非導通状態を選択され、一方のスイッチの第1の端子と第2の端子の間が導通状態のとき他方のスイッチの第1の端子と第2の端子の間は非導通状態となる。
トランジスタ709のソースとドレインの他方には、回路701に保持されたデータに対応する信号が入力される。図39では、回路701から出力された信号が、トランジスタ709のソースとドレインの他方に入力される例を示した。スイッチ703の第2の端子(トランジスタ713のソースとドレインの他方)から出力される信号は、論理素子706によってその論理値が反転された反転信号となり、回路720を介して回路701に入力される。
なお、図39では、スイッチ703の第2の端子(トランジスタ713のソースとドレインの他方)から出力される信号は、論理素子706および回路720を介して回路701に入力する例を示したがこれに限定されない。スイッチ703の第2の端子(トランジスタ713のソースとドレインの他方)から出力される信号が、論理値を反転させられることなく、回路701に入力されてもよい。例えば、回路701内に、入力端子から入力された信号の論理値が反転した信号が保持されるノードが存在する場合に、スイッチ703の第2の端子(トランジスタ713のソースとドレインの他方)から出力される信号を当該ノードに入力することができる。
図39におけるトランジスタ709は、上記実施の形態1で例示したトランジスタ150を用いることができる。また、ゲート電極には制御信号WEを入力し、バックゲート電極には制御信号WE2を入力することができる。制御信号WE2は、一定の電位の信号とすればよい。当該一定の電位には、例えば、接地電位GNDやトランジスタ709のソース電位よりも小さい電位などが選ばれる。制御信号WE2は、トランジスタ709のしきい値電圧を制御するための電位信号であり、トランジスタ709の、ゲート電圧が0Vの時のドレイン電流をより低減することができる。なお、トランジスタ709としては、第2ゲートを有さないトランジスタを用いることもできる。
また、図39において、記憶素子730に用いられるトランジスタのうち、トランジスタ709以外のトランジスタは、酸化物半導体以外の半導体でなる層または基板1190にチャネルが形成されるトランジスタとすることができる。例えば、シリコン層またはシリコン基板にチャネルが形成されるトランジスタとすることができる。また、記憶素子730に用いられるトランジスタ全てを、チャネルが酸化物半導体層で形成されるトランジスタとすることもできる。または、記憶素子730は、トランジスタ709以外のトランジスタを、チャネルが酸化物半導体層で形成されるトランジスタと、酸化物半導体以外の半導体でなる層または基板1190にチャネルが形成されるトランジスタとを組み合わせて用いてもよい。
図39における回路701には、例えばフリップフロップ回路を用いることができる。また、論理素子706としては、例えばインバータやクロックドインバータ等を用いることができる。
本発明の一態様における半導体装置では、記憶素子730に電源電圧が供給されない間は、回路701に記憶されていたデータを、回路702に設けられた容量素子708によってノードM2に保持することができる。
また、前述した通り、酸化物半導体層にチャネルが形成されるトランジスタはオフ電流が極めて小さい。例えば、酸化物半導体層にチャネルが形成されるトランジスタのオフ電流は、結晶性を有するシリコンにチャネルが形成されるトランジスタのオフ電流に比べて著しく低い。そのため、当該トランジスタをトランジスタ709として用いることによって、記憶素子730に電源電圧が供給されない間も容量素子708に保持された信号は長期間にわたり保たれる。こうして、記憶素子730は電源電圧の供給が停止した間も記憶内容(データ)を保持することが可能である。
また、スイッチ703およびスイッチ704を設けることによって、電源電圧供給再開後に、回路701が元のデータを保持しなおすまでの時間を短くすることができる。
また、回路702において、ノードM2に保持された信号はトランジスタ710のゲートに入力される。そのため、記憶素子730への電源電圧の供給が再開された後、ノードM2に保持された信号を、トランジスタ710の状態(オン状態、またはオフ状態)に変換して、回路702から読み出すことができる。それ故、ノードM2に保持された信号に対応する電位が多少変動していても、元の信号を正確に読み出すことが可能である。
このような記憶素子730を、CPUが有するレジスタやキャッシュメモリなどの記憶装置に用いることで、電源電圧の供給停止による記憶装置内のデータの消失を防ぐことができる。また、電源電圧の供給を再開した後、短時間で電源供給停止前の状態に復帰することができる。よって、CPU全体、もしくはCPUを構成する一つ、または複数の論理回路において、短期間の電源停止が可能になり、電源停止の頻度を高めることができるため、消費電力を抑えることができる。
本実施の形態では、記憶素子730をCPUに用いる例として説明したが、記憶素子730は、DSP(Digital Signal Processor)、カスタムLSI、PLD(Programmable Logic Device)等のLSI、RF(Radio Frequency)タグにも応用可能である。
〔撮像装置〕
上述したトランジスタを用いた半導体装置の一例として、撮像装置について説明する。
<撮像装置600の構成例>
図40(A)は、撮像装置600の構成例を示す平面図である。撮像装置600は、画素部621と、第1の回路260、第2の回路270、第3の回路280、および第4の回路290を有する。なお、本明細書等において、第1の回路260乃至第4の回路290などを「周辺回路」もしくは「駆動回路」と呼ぶ場合がある。例えば、第1の回路260は周辺回路の一部と言える。
図40(B)は、画素部621の構成例を示す図である。画素部621は、p列q行(pおよびqは2以上の自然数)のマトリクス状に配置された複数の画素622(撮像素子)を有する。なお、図40(B)中のnは1以上p以下の自然数であり、mは1以上q以下の自然数である。
例えば、画素622を1920×1080のマトリクス状に配置すると、いわゆるフルハイビジョン(「2K解像度」、「2K1K」、「2K」などとも言われる。)の解像度で撮像可能な撮像装置600を実現することができる。また、例えば、画素622を4096×2160のマトリクス状に配置すると、いわゆるウルトラハイビジョン(「4K解像度」、「4K2K」、「4K」などとも言われる。)の解像度で撮像可能な撮像装置600を実現することができる。また、例えば、画素622を8192×4320のマトリクス状に配置すると、いわゆるスーパーハイビジョン(「8K解像度」、「8K4K」、「8K」などとも言われる。)の解像度で撮像可能な撮像装置600を実現することができる。表示素子を増やすことで、16Kや32Kの解像度で撮像可能な撮像装置600を実現することも可能である。
第1の回路260および第2の回路270は、複数の画素622に接続し、複数の画素622を駆動するための信号を供給する機能を有する。また、第1の回路260は、画素622から出力されたアナログ信号を処理する機能を有していてもよい。また、第3の回路280は、周辺回路の動作タイミングを制御する機能を有していてもよい。例えば、クロック信号を生成する機能を有していてもよい。また、外部から供給されたクロック信号の周波数を変換する機能を有していてもよい。また、第3の回路280は、参照用電位信号(例えば、ランプ波信号など)を供給する機能を有していてもよい。
周辺回路は、少なくとも、論理回路、スイッチ、バッファ、増幅回路、または変換回路の1つを有する。また、周辺回路に用いるトランジスタなどは、後述する画素駆動回路610を作製するために形成する半導体の一部を用いて形成してもよい。また、周辺回路の一部または全部をIC等の半導体装置で実装してもよい。
なお、周辺回路は、第1の回路260乃至第4の回路290のうち、少なくとも1つを省略してもよい。例えば、第1の回路260または第4の回路290の一方の機能を、第1の回路260または第4の回路290の他方に付加して、第1の回路260または第4の回路290の一方を省略してもよい。また、例えば、第2の回路270または第3の回路280の一方の機能を、第2の回路270または第3の回路280の他方に付加して、第2の回路270または第3の回路280の一方を省略してもよい。また、例えば、第1の回路260乃至第4の回路290のいずれか1つに、他の周辺回路の機能を付加することで、他の周辺回路を省略してもよい。
また、図41に示すように、画素部621の外周に沿って第1の回路260乃至第4の回路290を設けてもよい。また、撮像装置600が有する画素部621において画素622を傾けて配置してもよい。画素622を傾けて配置することにより、行方向および列方向の画素間隔(ピッチ)を短くすることができる。これにより、撮像装置600で撮像された画像の品質をより高めることができる。
また、図42に示すように、第1の回路260乃至第4の回路290の上方に重ねて画素部621を設けてもよい。図42(A)は第1の回路260乃至第4の回路290の上方に重ねて画素部621を形成した撮像装置600の上面図である。また、図42(B)は、図42(A)に示した撮像装置600の構成を説明するための斜視図である。
第1の回路260乃至第4の回路290の上方に重ねて画素部621を設けることで、撮像装置600の大きさに対する画素部621の占有面積を大きくすることができる。よって、撮像装置600の受光感度を向上することができる。また、撮像装置600のダイナミックレンジを向上することができる。また、撮像装置600の解像度を向上することができる。また、撮像装置600で撮影した画像の再現性を向上することができる。また、撮像装置600集積度を向上することができる。
[カラーフィルタ等]
撮像装置600が有する画素622を副画素として用いて、複数の画素622それぞれに異なる波長域の光を透過するフィルタ(カラーフィルタ)を設けることで、カラー画像表示を実現するための情報を取得することができる。
図43(A)は、カラー画像を取得するための画素623の一例を示す平面図である。図43(A)は、赤(R)の波長域の光を透過するカラーフィルタが設けられた画素622(以下、「画素622R」ともいう)、緑(G)の波長域の光を透過するカラーフィルタが設けられた画素622(以下、「画素622G」ともいう)および青(B)の波長域の光を透過するカラーフィルタが設けられた画素622(以下、「画素622B」ともいう)を有する。画素622R、画素622G、画素622Bをまとめて一つの画素623として機能させる。
なお、画素623に用いるカラーフィルタは、赤(R)、緑(G)、青(B)に限定されず、シアン(C)、黄(Y)およびマゼンダ(M)の光を透過するカラーフィルタを用いてもよい。1つの画素623に少なくとも3種類の異なる波長域の光を検出する画素622を設けることで、フルカラー画像を取得することができる。
図43(B)は、それぞれ赤(R)、緑(G)および青(B)の光を透過するカラーフィルタが設けられた画素622に加えて、黄(Y)の光を透過するカラーフィルタが設けられた画素622を有する画素623を例示している。図43(C)は、それぞれシアン(C)、黄(Y)およびマゼンダ(M)の光を透過するカラーフィルタが設けられた画素622に加えて、青(B)の光を透過するカラーフィルタが設けられた画素622を有する画素623を例示している。1つの画素623に4種類以上の異なる波長域の光を検出する画素622を設けることで、取得した画像の色の再現性をさらに高めることができる。
また、画素622R、画素622G、および画素622Bの画素数比(または受光面積比)は、必ずしも1:1:1である必要は無い。図43(D)に示すように、画素数比(受光面積比)を赤:緑:青=1:2:1とするBayer配列としてもよい。また、画素数比(受光面積比)を赤:緑:青=1:6:1としてもよい。
なお、画素623に用いる画素622は1つでもよいが、2つ以上が好ましい。例えば、同じ波長域の光を検出する画素622を2つ以上設けることで、冗長性を高め、撮像装置600の信頼性を高めることができる。
また、フィルタとして可視光の波長以下の波長を有する光を吸収または反射して、赤外光を透過するIR(IR:Infrared)フィルタを用いることで、赤外光を検出する撮像装置600を実現することができる。また、フィルタとして可視光の波長以上の波長を有する光を吸収または反射して、紫外光を透過するUV(UV:Ultra Violet)フィルタを用いることで、紫外光を検出する撮像装置600を実現することができる。また、フィルタとして、放射線を紫外光や可視光に変換するシンチレータを用いることで、撮像装置600をX線やγ線などを検出する放射線検出器として機能させることもできる。
また、フィルタとしてND(ND:Neutral Density)フィルター(減光フィルター)を用いると、光電変換素子(受光素子)に多大な光量の光が入射した時に生じる、出力が飽和する現象(以下、「出力飽和」ともいう。)を防ぐことができる。減光量の異なるNDフィルタを組み合わせて用いることで、撮像装置のダイナミックレンジを大きくすることができる。
また、前述したフィルタ以外に、画素622にレンズを設けてもよい。ここで、図44の断面図を用いて、画素622、フィルタ624、レンズ625の配置例を説明する。レンズ625を設けることで、入射光を光電変換素子に効率よく受光させることができる。具体的には、図44(A)に示すように、画素622に形成したレンズ625、フィルタ624(フィルタ624R、フィルタ624G、フィルタ624B)、および画素駆動回路610等を通して光660を光電変換素子601に入射させる構造とすることができる。
ただし、二点鎖線で囲んだ領域に示すように、矢印で示す光660の一部が配線群626の一部、トランジスタ、および/または容量素子などによって遮光されてしまうことがある。したがって、図44(B)に示すように光電変換素子601側にレンズ625およびフィルタ624を形成して、入射光を光電変換素子601に効率良く受光させる構造としてもよい。光電変換素子601側から光660を入射させることで、受光感度の高い撮像装置600を提供することができる。
図45(A)乃至図45(C)に、画素部621に用いることができる画素駆動回路610の一例を示す。図45(A)に示す画素駆動回路610は、トランジスタ602、トランジスタ604、および容量素子606を有し、光電変換素子601に接続されている。トランジスタ602のソースまたはドレインの一方は光電変換素子601と電気的に接続され、トランジスタ602のソースまたはドレインの他方はノード607(電荷蓄積部)を介してトランジスタ604のゲートと電気的に接続されている。
トランジスタ602にはOSトランジスタを用いることが好ましい。OSトランジスタは、オフ電流を極めて小さくすることができるため、容量素子606を小さくすることができる。または、図45(B)に示すように、容量素子606を省略することができる。また、トランジスタ602としてOSトランジスタを用いると、ノード607の電位が変動しにくい。よって、ノイズの影響を受けにくい撮像装置を実現することができる。なお、トランジスタ604にOSトランジスタを用いてもよい。
光電変換素子601には、シリコン基板においてpn型やpin型の接合が形成されたダイオード素子を用いることができる。または非晶質シリコン膜や微結晶シリコン膜などを用いたpin型のダイオード素子などを用いてもよい。または、ダイオード接続のトランジスタを用いてもよい。また、光電効果を利用した可変抵抗などをシリコン、ゲルマニウム、セレンなど用いて形成してもよい。
また、光電変換素子として、放射線を吸収して電荷を発生させることが可能な材料を用いて形成してもよい。放射線を吸収して電荷を発生させることが可能な材料としては、ヨウ化鉛、ヨウ化水銀、ガリウムヒ素、CdTe、CdZnなどがある。
図45(C)に示す画素駆動回路610は、トランジスタ602、トランジスタ603、トランジスタ604、トランジスタ605、および容量素子606を有し、光電変換素子601に接続されている。なお、図45(C)に示す画素駆動回路610は、光電変換素子601としてフォトダイオードを用いる場合を示している。トランジスタ602のソースまたはドレインの一方は光電変換素子601のカソードと電気的に接続され、他方はノード607と電気的に接続されている。光電変換素子601のアノードは、配線611と電気的に接続されている。トランジスタ603のソースまたはドレインの一方はノード607と電気的に接続され、他方は配線608と電気的に接続されている。トランジスタ604のゲートはノード607と電気的に接続され、ソースまたはドレインの一方は配線609と電気的に接続され、他方はトランジスタ605のソースまたはドレインの一方と電気的に接続されている。トランジスタ605のソースまたはドレインの他方は配線608と電気的に接続されている。容量素子606の一方の電極はノード607と電気的に接続され、他方の電極は配線611と電気的に接続される。
トランジスタ602は転送トランジスタとして機能できる。トランジスタ602のゲートには、転送信号TXが供給される。トランジスタ603はリセットトランジスタとして機能できる。トランジスタ603のゲートには、リセット信号RSTが供給される。トランジスタ604は増幅トランジスタとして機能できる。トランジスタ605は選択トランジスタとして機能できる。トランジスタ605のゲートには、選択信号SELが供給される。また、配線608にVDDが供給され、配線611にはVSSが供給される。
次に、図45(C)に示す画素駆動回路610の動作について説明する。まず、トランジスタ603をオン状態にして、ノード607にVDDを供給する(リセット動作)。その後、トランジスタ603をオフ状態にすると、ノード607にVDDが保持される。次に、トランジスタ602をオン状態とすると、光電変換素子601の受光量に応じて、ノード607の電位が変化する(蓄積動作)。その後、トランジスタ602をオフ状態にすると、ノード607の電位が保持される。次に、トランジスタ605をオン状態とすると、ノード607の電位に応じた電位が配線609から出力される(選択動作)。配線609の電位を検出することで、光電変換素子601の受光量を知ることができる。
トランジスタ602およびトランジスタ603には、OSトランジスタを用いることが好ましい。前述した通り、OSトランジスタはオフ電流を極めて小さくすることができるため、容量素子606を小さくすることができる。または、容量素子606を省略することができる。また、トランジスタ602およびトランジスタ603としてOSトランジスタを用いると、ノード607の電位が変動しにくい。よって、ノイズの影響を受けにくい撮像装置を実現することができる。
図45(A)乃至図45(C)に示したいずれかの画素駆動回路610を用いた画素622をマトリクス状に配置することで、解像度の高い撮像装置が実現できる。
例えば、画素駆動回路610を1920×1080のマトリクス状に配置すると、いわゆるフルハイビジョン(「2K解像度」、「2K1K」、「2K」などとも言われる。)の解像度で撮像可能な撮像装置を実現することができる。また、例えば、画素駆動回路610を4096×2160のマトリクス状に配置すると、いわゆるウルトラハイビジョン(「4K解像度」、「4K2K」、「4K」などとも言われる。)の解像度で撮像可能な撮像装置を実現することができる。また、例えば、画素駆動回路610を8192×4320のマトリクス状に配置すると、いわゆるスーパーハイビジョン(「8K解像度」、「8K4K」、「8K」などとも言われる。)の解像度で撮像可能な撮像装置を実現することができる。表示素子を増やすことで、16Kや32Kの解像度で撮像可能な撮像装置を実現することも可能である。
上述したトランジスタを用いた画素622の構造例を図46に示す。図46は画素622の一部の断面図である。
図46に示す画素622は、基板401としてn型半導体を用いている。また、基板401中に光電変換素子601のp型半導体221が設けられている。また、基板401の一部が、光電変換素子601のn型半導体223として機能する。
また、トランジスタ604は基板401上に設けられている。トランジスタ604はnチャネル型のトランジスタとして機能できる。また、基板401の一部にp型半導体のウェル220が設けられている。ウェル220はp型半導体221の形成と同様の方法で設けることができる。また、ウェル220とp型半導体221は同時に形成することができる。なお、トランジスタ604として、例えば上述したトランジスタ282を用いることができる。
また、光電変換素子601、およびトランジスタ604上に絶縁体403、絶縁体404、および絶縁体405が形成されている。絶縁体403乃至絶縁体405の基板401(n型半導体223)と重なる領域に開口224が形成され、絶縁体403乃至絶縁体405のp型半導体221と重なる領域に開口225が形成されている。また、開口224および開口225に、コンタクトプラグ406が形成されている。コンタクトプラグ406は上述したコンタクトプラグ113aと同様に設けることができる。絶なお、開口224および開口225は、その数や配置に特段の制約は無い。よって、レイアウトの自由度が高い撮像装置を実現できる。
また、絶縁体405の上に、導電体421、導電体422、および導電体429が形成されている。導電体421は、開口224に設けられたコンタクトプラグ406を介してn型半導体223(基板401)と電気的に接続されている。また、導電体429は、開口225に設けられたコンタクトプラグ406を介してp型半導体221と電気的に接続されている。導電体422は容量素子606の一方の電極として機能できる。
また、導電体421、導電体429、および導電体422を覆って絶縁体407が形成されている。絶縁体407は、絶縁体405と同様の材料および方法で形成することができる。また、絶縁体407表面にCMP処理を行ってもよい。CMP処理を行うことにより、試料表面の凹凸を低減し、この後形成される絶縁層や導電層の被覆性を高めることができる。導電体421、導電体422、および導電体429は、上述した導電体114aと同様の材料および方法により形成することができる。
また、絶縁体407の上に絶縁体102が形成され、絶縁体102の上に導電体427、導電体119、および電極273が形成されている。導電体427はコンタクトプラグを介して導電体429と電気的に接続されている。導電体119は、トランジスタ602のバックゲートとして機能できる。電極273は、容量素子606の他方の電極として機能できる。トランジスタ602は、例えば、上述したトランジスタ100を用いることができる。
また、導電体109aは、コンタクトプラグを介して導電体427と電気的に接続している。
<変形例1>
図46とは異なる画素622の構成例を図47に示す。図47は画素622の一部の断面図である。
図47に示す画素622は、基板401上にトランジスタ604とトランジスタ605が設けられている。トランジスタ604はnチャネル型のトランジスタとして機能できる。トランジスタ605はpチャネル型のトランジスタとして機能できる。なお、トランジスタ604として、例えば上述したトランジスタ282を用いることができる。トランジスタ605として、例えば上述したトランジスタ281を用いることができる。
絶縁体405の上に導電体413a乃至導電体413dが形成されている。導電体413aはトランジスタ604のソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、導電体413bはトランジスタ604のソースまたはドレインの他方と電気的に接続されている。導電体413cは、トランジスタ604のゲートと電気的に接続されている。導電体413bはトランジスタ605のソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、導電体413dはトランジスタ605のソースまたはドレインの他方と電気的に接続されている。
導電体109bと導電体413cは、コンタクトプラグ112dを介して電気的に接続されている。また、導電体114a、導電体114b、および絶縁体112上に絶縁体415が形成されている。絶縁体415は絶縁体111と同様の材料および方法で形成することができる。
また、図47に示す画素622は、絶縁体415上に光電変換素子601が設けられている。また、光電変換素子601上に絶縁体442が設けられ、絶縁体442上に導電体488が設けられている。絶縁体442は、絶縁体415と同様の材料および方法で形成することができる。
図47に示す光電変換素子601は、金属材料などで形成された導電体686と透光性導電層682との間に光電変換層681を有する。図47では、セレン系材料を光電変換層681に用いた形態を示している。セレン系材料を用いた光電変換素子601は、可視光に対する外部量子効率が高い特性を有する。当該光電変換素子では、アバランシェ現象により入射される光量に対する電子の増幅が大きい高感度のセンサとすることができる。また、セレン系材料は光吸収係数が高いため、光電変換層681を薄くしやすい利点を有する。
セレン系材料としては、非晶質セレンまたは結晶セレンを用いることができる。結晶セレンは、一例として、非晶質セレンを成膜後、熱処理することで得ることができる。なお、結晶セレンの結晶粒径を画素ピッチより小さくすることで、画素ごとの特性ばらつきを低減させることができる。また、結晶セレンは、非晶質セレンよりも可視光に対する分光感度や光吸収係数が高い特性を有する。
なお、光電変換層681は単層として図示しているが、セレン系材料の受光面側に正孔注入阻止層として酸化ガリウムまたは酸化セリウムなどを設け、導電体686側に電子注入阻止層として酸化ニッケルまたは硫化アンチモンなどを設ける構成とすることもできる。
また、光電変換層681は、銅、インジウム、セレンの化合物(CIS)を含む層であってもよい。または、銅、インジウム、ガリウム、セレンの化合物(CIGS)を含む層であってもよい。CISおよびCIGSでは、セレンの単層と同様にアバランシェ現象が利用できる光電変換素子を形成することができる。
また、CISおよびCIGSはp型半導体であり、接合を形成するためにn型半導体の硫化カドミウムや硫化亜鉛等を接して設けてもよい。
アバランシェ現象を発生させるためには、光電変換素子に比較的高い電圧(例えば、10V以上)を印加することが好ましい。OSトランジスタは、Siトランジスタよりもドレイン耐圧の高い特性を有するため、光電変換素子に比較的高い電圧を印加することが容易である。したがって、ドレイン耐圧の高いOSトランジスタと、セレン系材料を光電変換層とした光電変換素子とを組み合わせることで、高感度、かつ信頼性の高い撮像装置とすることができる。
透光性導電層682には、例えば、インジウム錫酸化物、シリコンを含むインジウム錫酸化物、亜鉛を含む酸化インジウム、酸化亜鉛、ガリウムを含む酸化亜鉛、アルミニウムを含む酸化亜鉛、酸化錫、フッ素を含む酸化錫、アンチモンを含む酸化錫、またはグラフェン等を用いることができる。また、透光性導電層682は単層に限らず、異なる膜の積層であっても良い。また、図47では、透光性導電層682と配線487が、導電体488およびコンタクトプラグ489を介して電気的に接続する構成を図示しているが、透光性導電層682と配線487が直接接してもよい。
また、導電体686および配線487などは、複数の導電層を積層した構成であってもよい。例えば、導電体686を導電体686a、導電体686bの二層とし、配線487を導電体487a、導電体487bの二層とすることができる。また、例えば、導電体686aおよび導電体487aを低抵抗の金属等を選択して形成し、導電体686bおよび導電体487bを光電変換層681とコンタクト特性の良い金属等を選択して形成するとよい。このような構成とすることで、光電変換素子の電気特性を向上させることができる。また、一部の金属は透光性導電層682と接触することにより電蝕を起こすことがある。そのような金属を導電体487aに用いた場合でも導電体487bを介することによって電蝕を防止することができる。
導電体686bおよび導電体487bには、例えば、モリブデンやタングステンなどを用いることができる。また、導電体686aおよび導電体487aには、例えば、アルミニウム、チタン、またはアルミニウムをチタンで挟むような積層を用いることができる。
また、絶縁体442が多層である構成であってもよい。隔壁477は、無機絶縁体や絶縁有機樹脂などを用いて形成することができる。また、隔壁477は、トランジスタ等に対する遮光のため、および/または1画素あたりの受光部の面積を確定するために黒色等に着色されていてもよい。
また、光電変換素子601には、非晶質シリコン膜や微結晶シリコン膜などを用いたpin型のダイオード素子などを用いてもよい。当該フォトダイオードは、n型の半導体層、i型の半導体層、およびp型の半導体層が順に積層された構成を有している。i型の半導体層には非晶質シリコンを用いることが好ましい。また、p型の半導体層およびn型の半導体層には、それぞれの導電型を付与するドーパントを含む非晶質シリコンまたは微結晶シリコンなどを用いることができる。非晶質シリコンを光電変換層とするフォトダイオードは可視光の波長領域における感度が高く、微弱な可視光を検知しやすい。
なお、pn型やpin型のダイオード素子は、p型の半導体層が受光面となるように設けることが好ましい。p型の半導体層を受光面とすることで、光電変換素子601の出力電流を高めることができる。
上述したセレン系材料や非晶質シリコンなどを用いて形成した光電変換素子601は、成膜工程、リソグラフィ工程、エッチング工程などの一般的な半導体作製工程を用いて作製するこができる。
〔表示装置〕
上述したトランジスタを用いた半導体装置の一例として、表示装置について説明する。表示素子を有する装置である表示装置(液晶表示装置、発光表示装置など)は、様々な形態を用いること、または様々な素子を有することが出来る。
表示装置は、例えば、EL(エレクトロルミネッセンス)素子(有機物および無機物を含むEL素子、有機EL素子、無機EL素子)、LEDチップ(白色LEDチップ、赤色LEDチップ、緑色LEDチップ、青色LEDチップなど)、トランジスタ(電流に応じて発光するトランジスタ)、電子放出素子、カーボンナノチューブを用いた表示素子、液晶素子、電子インク、エレクトロウェッティング素子、電気泳動素子、MEMS(マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム)を用いた表示素子(例えば、グレーティングライトバルブ(GLV)、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、DMS(デジタル・マイクロ・シャッター)、MIRASOL(登録商標)、IMOD(インターフェアレンス・モジュレーション)素子、シャッター方式のMEMS表示素子、光干渉方式のMEMS表示素子、圧電セラミックディスプレイなど)、または、量子ドットなどの少なくとも一つを有している。
これらの他にも、表示装置は、電気的または磁気的作用により、コントラスト、輝度、反射率、透過率などが変化する表示媒体を有していてもよい。例えば、表示装置はプラズマディスプレイ(PDP)であってもよい。
EL素子を用いた表示装置の一例としては、ELディスプレイなどがある。電子放出素子を用いた表示装置の一例としては、フィールドエミッションディスプレイ(FED)またはSED方式平面型ディスプレイ(SED:Surface−conduction Electron−emitter Display)などがある。
量子ドットを各画素に用いた表示装置の一例としては、量子ドットディスプレイなどがある。なお、量子ドットは、表示素子としてではなく、液晶表示装置などに用いるバックライトの一部に設けてもよい。量子ドットを用いることにより、色純度の高い表示を行うことができる。
液晶素子を用いた表示装置の一例としては、液晶表示装置(透過型液晶ディスプレイ、半透過型液晶ディスプレイ、反射型液晶ディスプレイ、直視型液晶ディスプレイ、投射型液晶ディスプレイ)などがある。
なお、半透過型液晶ディスプレイや反射型液晶ディスプレイを実現する場合には、画素電極の一部、または、全部が、反射電極としての機能を有するようにすればよい。例えば、画素電極の一部、または、全部が、アルミニウム、銀、などを有するようにすればよい。さらに、その場合、反射電極の下に、SRAMなどの記憶回路を設けることも可能である。これにより、さらに、消費電力を低減することができる。
電子インク、電子粉流体(登録商標)、または電気泳動素子を用いた表示装置の一例としては、電子ペーパーなどがある。
なお、表示素子などにLEDチップを用いる場合、LEDチップの電極や窒化物半導体の下に、グラフェンやグラファイトを配置してもよい。グラフェンやグラファイトは、複数の層を重ねて、多層膜としてもよい。このように、グラフェンやグラファイトを設けることにより、その上に、窒化物半導体、例えば、結晶を有するn型GaN半導体層などを容易に成膜することができる。さらに、その上に、結晶を有するp型GaN半導体層などを設けて、LEDチップを構成することができる。なお、グラフェンやグラファイトと、結晶を有するn型GaN半導体層との間に、AlN層を設けてもよい。なお、LEDチップが有するGaN半導体層は、MOCVDで成膜してもよい。ただし、グラフェンを設けることにより、LEDチップが有するGaN半導体層は、スパッタ法で成膜することも可能である。
また、MEMSを用いた表示素子においては、表示素子が封止されている空間(例えば、表示素子が配置されている素子基板と、素子基板に対向して配置されている対向基板との間)に、乾燥剤を配置してもよい。乾燥剤を配置することにより、MEMSなどが水分によって動きにくくなることや、劣化しやすくなることを防止することができる。
<画素回路構成例>
次に、図48を用いて、表示装置のより具体的な構成例について説明する。図48(A)は、表示装置3100の構成を説明するためのブロック図である。表示装置3100は、表示領域3131、回路3132、および回路3133を有する。回路3132は、例えば走査線駆動回路として機能する。また、回路3133は、例えば信号線駆動回路として機能する。
また、表示装置3100は、各々が略平行に配設され、且つ、回路3132によって電位が制御されるm本の走査線3135と、各々が略平行に配設され、且つ、回路3133によって電位が制御されるn本の信号線3136と、を有する。さらに、表示領域3131はm行n列のマトリクス状に配設された複数の画素3130を有する。なお、m、nは、ともに2以上の自然数である。
表示領域3131において、各走査線3135は、画素3130のうち、いずれかの行に配設されたn個の画素3130と電気的に接続される。また、各信号線3136は、画素3130のうち、いずれかの列に配設されたm個の画素3130に電気的に接続される。
また、図49(A)に示すように、表示領域3131を挟んで回路3132と向き合う位置に、回路3152を設けてもよい。また、図49(B)に示すように、表示領域3131を挟んで回路3133と向き合う位置に、回路3153を設けてもよい。図49(A)および図49(B)では、回路3152を回路3132と同様に走査線3135に接続する例を示している。ただし、これに限らず、例えば、走査線3135に接続する回路3132と回路3152を、数行毎に変えてもよい。図49(B)では、回路3153を回路3133と同様に信号線3136に接続する例を示して。ただし、これに限らず、例えば、信号線3136に接続する回路3133と回路3153を、数行毎に変えてもよい。また、回路3132、回路3133、回路3152および回路3153は、画素3130を駆動する以外の機能を有していてもよい。
また、回路3132、回路3133、回路3152および回路3153を、駆動回路部という場合がある。画素3130は、画素回路3137および表示素子を有する。画素回路3137は表示素子を駆動する回路である。駆動回路部が有するトランジスタは、画素回路3137を構成するトランジスタと同時に形成することができる。また、駆動回路部の一部または全部を他の基板上に形成して、表示装置3100と電気的に接続してもよい。例えば、駆動回路部の一部または全部を単結晶基板を用いて形成し、表示装置3100と電気的に接続してもよい。
図48(B)および図48(C)は、表示装置3100の画素3130に用いることができる回路構成を示している。
《発光表示装置用画素回路の一例》
図48(B)に、発光表示装置に用いることができる画素回路の一例を示す。図48(B)に示す画素回路3137は、トランジスタ3431と、容量素子3233と、トランジスタ3232と、トランジスタ3434と、を有する。また、画素回路3137は、表示素子として機能できる発光素子3125と電気的に接続されている。
トランジスタ3431のソース電極およびドレイン電極の一方は、データ信号が与えられるn列目の信号線3136(以下、信号線DL_nという)に電気的に接続される。さらに、トランジスタ3431のゲート電極は、ゲート信号が与えられるm行目の走査線3135(以下、走査線GL_mという)に電気的に接続される。
トランジスタ3431は、データ信号のノード3435への書き込みを制御する機能を有する。
容量素子3233の一対の電極の一方は、ノード3435に電気的に接続され、他方は、ノード3437に電気的に接続される。また、トランジスタ3431のソース電極およびドレイン電極の他方は、ノード3435に電気的に接続される。
容量素子3233は、ノード3435に書き込まれたデータを保持する保持容量としての機能を有する。
トランジスタ3232のソース電極およびドレイン電極の一方は、電位供給線VL_aに電気的に接続され、他方はノード3437に電気的に接続される。さらに、トランジスタ3232のゲート電極は、ノード3435に電気的に接続される。
トランジスタ3434のソース電極およびドレイン電極の一方は、電位供給線VL_cに電気的に接続され、他方はノード3437に電気的に接続される。さらに、トランジスタ3434のゲート電極は、走査線GL_mに電気的に接続される。
発光素子3125のアノードおよびカソードの一方は、電位供給線VL_bに電気的に接続され、他方は、ノード3437に電気的に接続される。
発光素子3125としては、例えば有機エレクトロルミネセンス素子(有機EL素子ともいう)などを用いることができる。ただし、これに限定されず、例えば無機材料からなる無機EL素子を用いても良い。
例えば、電位供給線VL_aはVDDを供給する機能を有する。また、電位供給線VL_bはVSSを供給する機能を有する。また、電位供給線VL_cはVSSを供給する機能を有する。
ここで、図48(B)の画素回路3137を有する表示装置の動作例について説明しておく。まず、回路3132により各行の画素回路3137を順次選択し、トランジスタ3431をオン状態にしてデータ信号(電位)をノード3435に書き込む。次に、トランジスタ3434をオン状態にしてノード3437の電位をVSSとする。
その後、トランジスタ3431をオフ状態としてノード3435に書き込まれたデータ信号を保持する。次に、トランジスタ3434をオフ状態とする。トランジスタ3232のソースとドレインの間に流れる電流量は、ノード3435に書き込まれたデータ信号に応じて決まる。よって、発光素子3125は、流れる電流量に応じた輝度で発光する。これを行毎に順次行うことにより、画像を表示できる。
また、複数の画素3130を、それぞれ副画素として用いて、それぞれの副画素から異なる波長域の光を発光させることで、カラー画像を表示することができる。例えば、赤の波長域の光を発する画素3130、緑の波長域の光を発する画素3130、および青の波長域の光を発する画素3130を1つの画素として用いる。
なお、組み合わせる光の波長域は、赤、緑、および青に限定されず、シアン、黄およびマゼンダであってもよい。1つの画素に少なくとも3種類の異なる波長域の光を発する副画素を設けることで、カラー画像を表示することができる。
また、赤、緑、および青に、イエロー、シアン、マゼンタ、白などを一種以上追加してもよい。例えば、赤、緑、および青に加えて、黄の波長域の光を発する副画素を加えてもよい。また、シアン、黄、およびマゼンダに赤、緑、青、白などを一種以上追加してもよい。例えば、シアン、黄、およびマゼンダに加えて、青の波長域の光を発する副画素を加えてもよい。1つの画素に4種類以上の異なる波長域で発光する副画素を設けることで、表示する画像の色の再現性をさらに高めることができる。
また、1つの画素に用いる、赤、緑、青の画素数比(または発光面積比)は、必ずしも1:1:1である必要は無い。例えば、画素数比(発光面積比)を赤:緑:青=1:1:2としてもよい。また、画素数比(受光面積比)を赤:緑:青=1:2:3としてもよい。
また、白色光を発する副画素に、赤、緑、青などのカラーフィルタを組み合わせて、カラー表示を実現することもできる。また、赤、緑、または青の波長域の光を発する副画素それぞれに、赤、緑、または青の波長域の光を透過するカラーフィルタを組み合わせてもよい。
ただし、本発明はカラー表示の表示装置に限定されるものではなく、モノクロ表示の表示装置に適用することもできる。
《液晶表示装置用画素回路の一例》
図48(C)に、液晶表示装置に用いることができる画素回路の一例を示す。図48(C)に示す画素回路3137は、トランジスタ3431と、容量素子3233と、を有する。また、画素回路3137は、表示素子として機能できる液晶素子3432と電気的に接続されている。
液晶素子3432の一対の電極の一方の電位は、画素回路3137の仕様に応じて適宜設定される。液晶素子3432に含まれる液晶は、ノード3436に書き込まれるデータにより配向状態が設定される。なお、複数の画素回路3137のそれぞれが有する液晶素子3432の一対の電極の一方に、共通の電位(コモン電位)を与えてもよい。
液晶素子3432のモードとしては、例えば、TNモード、STNモード、VAモード、ASM(Axially Symmetric Aligned Micro−cell)モード、OCB(Optically Compensated Birefringence)モード、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モード、AFLC(AntiFerroelectric Liquid Crystal)モード、MVAモード、PVA(Patterned Vertical Alignment)モード、IPSモード、FFSモード、またはTBA(Transverse Bend Alignment)モードなどを用いてもよい。また、他の例として、ECB(Electrically Controlled Birefringence)モード、PDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal)モード、PNLC(Polymer Network Liquid Crystal)モード、ゲストホストモードなどがある。ただし、これに限定されず、様々なモードを用いることができる。
また、ブルー相(Blue Phase)を示す液晶とカイラル剤とを含む液晶組成物により液晶素子3432を構成してもよい。ブルー相を示す液晶は、応答速度が1msec以下と短く、光学的等方性であるため、配向処理が不要であり、かつ視野角依存性が小さい。
m行n列目の画素回路3137において、トランジスタ3431のソース電極およびドレイン電極の一方は、信号線DL_nに電気的に接続され、他方はノード3436に電気的に接続される。トランジスタ3431のゲート電極は、走査線GL_mに電気的に接続される。トランジスタ3431は、ノード3436へのデータ信号の書き込みを制御する機能を有する。
容量素子3233の一対の電極の一方は、特定の電位が供給される配線(以下、「容量線CL」ともいう。)に電気的に接続され、他方は、ノード3436に電気的に接続される。また、液晶素子3432の一対の電極の他方はノード3436に電気的に接続される。なお、容量線CLの電位の値は、画素回路3137の仕様に応じて適宜設定される。容量素子3233は、ノード3436に書き込まれたデータを保持する保持容量としての機能を有する。
ここで、図48(C)の画素回路3137を有する表示装置の動作例について説明しておく。まず、回路3132によりにより各行の画素回路3137を順次選択し、トランジスタ3431をオン状態にしてノード3436にデータ信号を書き込む。
次に、トランジスタ3431をオフ状態としてノード3436に書き込まれたデータ信号を保持する。ノード3436に書き込まれたデータ信号に応じて、液晶素子3432の透過光量が決まる。これを行毎に順次行うことにより、表示領域3131に画像を表示できる。
<表示装置の構成例>
上記実施の形態に示したトランジスタを用いて、トランジスタを含む駆動回路の一部または全体を画素部と同じ基板上に一体形成し、システムオンパネルを形成することができる。上記実施の形態に示したトランジスタを用いることが可能な表示装置の構成例について、図50および図51を用いて説明する。
〔液晶表示装置とEL表示装置〕
表示装置の一例として、液晶素子を用いた表示装置およびEL素子を用いた表示装置について説明する。図50(A)において、第1の基板4001上に設けられた画素部4002を囲むようにして、シール材4005が設けられ、第2の基板4006によって封止されている。図50(A)においては、第1の基板4001上のシール材4005によって囲まれている領域とは異なる領域に、別途用意された基板上に単結晶半導体又は多結晶半導体で形成された信号線駆動回路4003、及び走査線駆動回路4004が実装されている。また、信号線駆動回路4003、走査線駆動回路4004、または画素部4002に与えられる各種信号及び電位は、FPC(Flexible printed circuit)4018a、FPC4018bから供給されている。
図50(B)及び図50(C)において、第1の基板4001上に設けられた画素部4002と、走査線駆動回路4004とを囲むようにして、シール材4005が設けられている。また画素部4002と、走査線駆動回路4004の上に第2の基板4006が設けられている。よって画素部4002と、走査線駆動回路4004とは、第1の基板4001とシール材4005と第2の基板4006とによって、表示素子と共に封止されている。図50(B)及び図50(C)においては、第1の基板4001上のシール材4005によって囲まれている領域とは異なる領域に、別途用意された基板上に単結晶半導体又は多結晶半導体で形成された信号線駆動回路4003が実装されている。図50(B)及び図50(C)においては、信号線駆動回路4003、走査線駆動回路4004、または画素部4002に与えられる各種信号及び電位は、FPC4018から供給されている。
また図50(B)及び図50(C)においては、信号線駆動回路4003を別途形成し、第1の基板4001に実装している例を示しているが、この構成に限定されない。走査線駆動回路を別途形成して実装しても良いし、信号線駆動回路の一部または走査線駆動回路の一部のみを別途形成して実装しても良い。
なお、別途形成した駆動回路の接続方法は、特に限定されるものではなく、ワイヤボンディング、COG(Chip On Glass)、TCP(Tape Carrier Package)、COF(Chip On Film)などを用いることができる。図50(A)は、COGにより信号線駆動回路4003、走査線駆動回路4004を実装する例であり、図50(B)は、COGにより信号線駆動回路4003を実装する例であり、図50(C)は、TCPにより信号線駆動回路4003を実装する例である。
また、表示装置は、表示素子が封止された状態にあるパネルと、該パネルにコントローラを含むIC等を実装した状態にあるモジュールとを含む場合がある。
また第1の基板上に設けられた画素部及び走査線駆動回路は、トランジスタを複数有しており、上記実施の形態で示したトランジスタを適用することができる。
図51(A)及び図51(B)は、図50(B)中でN1−N2の鎖線で示した部位の断面構成を示す断面図である。図51(A)及び図51(B)に示す表示装置は電極4015を有しており、電極4015はFPC4018が有する端子と異方性導電層4019を介して、電気的に接続されている。また、電極4015は、絶縁層4112、絶縁層4111、および絶縁層4110に形成された開口において配線4014と電気的に接続されている。
電極4015は、第1の電極層4030と同じ導電層から形成され、配線4014は、トランジスタ4010、およびトランジスタ4011のソース電極およびドレイン電極と同じ導電層で形成されている。
また第1の基板4001上に設けられた画素部4002と走査線駆動回路4004は、トランジスタを複数有しており、図51(A)及び図51(B)では、画素部4002に含まれるトランジスタ4010と、走査線駆動回路4004に含まれるトランジスタ4011とを例示している。図51(A)では、トランジスタ4010およびトランジスタ4011上に、絶縁層4112、絶縁層4111、および絶縁層4110が設けられ、図51(B)では、絶縁層4112の上に隔壁4510が形成されている。
また、トランジスタ4010およびトランジスタ4011は、絶縁層4102上に設けられている。また、トランジスタ4010およびトランジスタ4011は、絶縁層4102上に形成された電極4017を有し、電極4017上に絶縁層4103が形成されている。
電極4017はバックゲート電極として機能することができる。
トランジスタ4010およびトランジスタ4011は、上記実施の形態で示したトランジスタを用いることができる。上記実施の形態で例示したトランジスタは、電気特性変動が抑制されており、電気的に安定である。よって、図51(A)及び図51(B)で示す本実施の形態の表示装置を信頼性の高い表示装置とすることができる。
なお、図51(A)および図51(B)では、トランジスタ4010およびトランジスタ4011として、上記実施の形態に示したトランジスタ160と同様の構造を有するトランジスタを用いる場合について例示している。
また、図51(A)および図51(B)に示す表示装置は、容量素子4020を有する。容量素子4020は、トランジスタ4010のソース電極またはドレイン電極の一方の一部と、電極4021が絶縁層4103を介して重なる領域を有する。電極4021は、電極4017と同じ導電層で形成されている。
一般に、表示装置に設けられる容量素子の容量は、画素部に配置されるトランジスタのリーク電流等を考慮して、所定の期間の間電荷を保持できるように設定される。容量素子の容量は、トランジスタのオフ電流等を考慮して設定すればよい。
例えば、液晶表示装置の画素部にOSトランジスタを用いることにより、容量素子の容量を、液晶容量に対して1/3以下、もしくは1/5以下とすることができる。OSトランジスタを用いることにより、容量素子の形成を省略することもできる。
画素部4002に設けられたトランジスタ4010は表示素子と電気的に接続する。図51(A)は、表示素子として液晶素子を用いた液晶表示装置の一例である。図51(A)において、表示素子である液晶素子4013は、第1の電極層4030、第2の電極層4031、及び液晶層4008を含む。なお、液晶層4008を挟持するように配向膜として機能する絶縁層4032、絶縁層4033が設けられている。第2の電極層4031は第2の基板4006側に設けられ、第1の電極層4030と第2の電極層4031は液晶層4008を介して重畳する。
またスペーサ4035は絶縁層を選択的にエッチングすることで得られる柱状のスペーサであり、第1の電極層4030と第2の電極層4031との間隔(セルギャップ)を制御するために設けられている。なお球状のスペーサを用いていても良い。
表示素子として、液晶素子を用いる場合、サーモトロピック液晶、低分子液晶、高分子液晶、高分子分散型液晶、強誘電性液晶、反強誘電性液晶等を用いることができる。これらの液晶材料は、条件により、コレステリック相、スメクチック相、キュービック相、カイラルネマチック相、等方相等を示す。
また、配向膜を用いないブルー相を示す液晶を用いてもよい。ブルー相は液晶相の一つであり、コレステリック液晶を昇温していくと、コレステリック相から等方相へ転移する直前に発現する相である。ブルー相は狭い温度範囲でしか発現しないため、温度範囲を改善するために5重量%以上のカイラル剤を混合させた液晶組成物を用いて液晶層に用いる。ブルー相を示す液晶とカイラル剤とを含む液晶組成物は、応答速度が1msec以下と短く、光学的等方性であるため配向処理が不要であり、視野角依存性が小さい。また配向膜を設けなくてもよいのでラビング処理も不要となるため、ラビング処理によって引き起こされる静電破壊を防止することができ、作製工程中の液晶表示装置の不良や破損を軽減することができる。よって液晶表示装置の生産性を向上させることが可能となる。
また、画素(ピクセル)をいくつかの領域(サブピクセル)に分け、それぞれ別の方向に分子を倒すよう工夫されているマルチドメイン化あるいはマルチドメイン設計といわれる方法を用いることができる。
また、液晶材料の固有抵抗は、1×10Ω・cm以上であり、好ましくは1×1011Ω・cm以上であり、さらに好ましくは1×1012Ω・cm以上である。なお、本明細書における固有抵抗の値は、20℃で測定した値とする。
本実施の形態で用いるOSトランジスタは、オフ状態における電流値(オフ電流値)を低くすることができる。よって、画像信号等の電気信号の保持時間を長くすることができ、電源オン状態では書き込み間隔も長く設定できる。よって、リフレッシュ動作の頻度を少なくすることができるため、消費電力を抑制する効果を奏する。
また、OSトランジスタは、比較的高い電界効果移動度が得られるため、高速駆動が可能である。よって、表示装置の画素部に上記トランジスタを用いることで、高画質な画像を提供することができる。また、同一基板上に駆動回路部または画素部を作り分けて作製することが可能となるため、表示装置の部品点数を削減することができる。
また、表示装置において、ブラックマトリクス(遮光層)、偏光部材、位相差部材、反射防止部材などの光学部材(光学基板)などを適宜設けてもよい。例えば、偏光基板及び位相差基板による円偏光を用いてもよい。また、光源としてバックライト、サイドライトなどを用いてもよい。
また、表示装置に含まれる表示素子として、エレクトロルミネッセンスを利用する発光素子を適用することができる。エレクトロルミネッセンスを利用する発光素子は、発光材料が有機化合物であるか、無機化合物であるかによって区別され、一般的に、前者は有機EL素子、後者は無機EL素子と呼ばれている。
有機EL素子は、発光素子に電圧を印加することにより、一対の電極から電子および正孔がそれぞれ発光性の有機化合物を含む層に注入され、電流が流れる。そして、それらキャリア(電子および正孔)が再結合することにより、発光性の有機化合物が励起状態を形成し、その励起状態が基底状態に戻る際に発光する。このようなメカニズムから、このような発光素子は、電流励起型の発光素子と呼ばれる。
無機EL素子は、その素子構成により、分散型無機EL素子と薄膜型無機EL素子とに分類される。分散型無機EL素子は、発光材料の粒子をバインダ中に分散させた発光層を有するものであり、発光メカニズムはドナー準位とアクセプター準位を利用するドナー−アクセプター再結合型発光である。薄膜型無機EL素子は、発光層を誘電体層で挟み込み、さらにそれを電極で挟んだ構造であり、発光メカニズムは金属イオンの内殻電子遷移を利用する局在型発光である。なお、ここでは、発光素子として有機EL素子を用いて説明する。
発光素子は発光を取り出すために少なくとも一対の電極の一方が透明であればよい。そして、基板上にトランジスタ及び発光素子を形成し、当該基板とは逆側の面から発光を取り出す上面射出(トップエミッション)構造や、基板側の面から発光を取り出す下面射出(ボトムエミッション)構造や、両面から発光を取り出す両面射出(デュアルエミッション)構造の発光素子があり、どの射出構造の発光素子も適用することができる。
図51(B)は、表示素子として発光素子を用いた発光表示装置(「EL表示装置」ともいう。)の一例である。表示素子である発光素子4513は、画素部4002に設けられたトランジスタ4010と電気的に接続している。なお発光素子4513の構成は、第1の電極層4030、発光層4511、第2の電極層4031の積層構造であるが、この構成に限定されない。発光素子4513から取り出す光の方向などに合わせて、発光素子4513の構成は適宜変えることができる。
隔壁4510は、有機絶縁材料、又は無機絶縁材料を用いて形成する。特に感光性の樹脂材料を用い、第1の電極層4030上に開口部を形成し、その開口部の側面が連続した曲率を持って形成される傾斜面となるように形成することが好ましい。
発光層4511は、単数の層で構成されていても、複数の層が積層されるように構成されていてもどちらでも良い。
発光素子4513に酸素、水素、水分、二酸化炭素等が侵入しないように、第2の電極層4031および隔壁4510上に保護層を形成してもよい。保護層としては、窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム、DLC(Diamond Like Carbon)などを形成することができる。また、第1の基板4001、第2の基板4006、及びシール材4005によって封止された空間には充填材4514が設けられ密封されている。このように、外気に曝されないように気密性が高く、脱ガスの少ない保護フィルム(貼り合わせフィルム、紫外線硬化樹脂フィルム等)やカバー材でパッケージング(封入)することが好ましい。
充填材4514としては窒素やアルゴンなどの不活性な気体の他に、紫外線硬化樹脂または熱硬化樹脂を用いることができ、PVC(ポリビニルクロライド)、アクリル樹脂、ポリイミド、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)またはEVA(エチレンビニルアセテート)を用いることができる。例えば充填材として窒素を用いればよい。
また、必要であれば、発光素子の射出面に偏光板、又は円偏光板(楕円偏光板を含む)、位相差板(λ/4板、λ/2板)、カラーフィルタなどの光学フィルムを適宜設けてもよい。また、偏光板又は円偏光板に反射防止膜を設けてもよい。例えば、表面の凹凸により反射光を拡散し、映り込みを低減できるアンチグレア処理を施すことができる。
表示素子に電圧を印加する第1の電極層及び第2の電極層(画素電極層、共通電極層、対向電極層などともいう)においては、取り出す光の方向、電極層が設けられる場所、及び電極層のパターン構造によって透光性、反射性を選択すればよい。
第1の電極層4030、第2の電極層4031は、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、インジウム錫酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの透光性を有する導電性材料を用いることができる。
また、第1の電極層4030、第2の電極層4031はタングステン(W)、モリブデン(Mo)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)などの金属、またはその合金、もしくはその金属窒化物から一種以上を用いて形成することができる。
また、第1の電極層4030、第2の電極層4031として、導電性高分子(導電性ポリマーともいう)を含む導電性組成物を用いて形成することができる。導電性高分子としては、いわゆるπ電子共役系導電性高分子を用いることができる。例えば、ポリアニリンまたはその誘導体、ポリピロールまたはその誘導体、ポリチオフェンまたはその誘導体、若しくはその誘導体などがあげられる。
また、トランジスタは静電気などにより破壊されやすいため、駆動回路保護用の保護回路を設けることが好ましい。保護回路は、非線形素子を用いて構成することが好ましい。
上記実施の形態で示したトランジスタを用いることで、信頼性のよい表示装置を提供することができる。また、上記実施の形態で示したトランジスタを用いることで、高精細化や、大面積化が可能で、表示品質の良い表示装置を提供することができる。また、消費電力が低減された表示装置を提供することができる。
〔表示モジュール〕
上述したトランジスタを使用した半導体装置の一例として、表示モジュールについて説明する。図52に示す表示モジュール6000は、上部カバー6001と下部カバー6002との間に、FPC6003に接続されたタッチセンサ6004、FPC6005に接続された表示パネル6006、バックライトユニット6007、フレーム6009、プリント基板6010、バッテリ6011を有する。なお、バックライトユニット6007、バッテリ6011、タッチセンサ6004などは、設けられない場合もある。
本発明の一態様の半導体装置は、例えば、タッチセンサ6004、表示パネル6006、プリント基板6010に実装された集積回路などに用いることができる。例えば、表示パネル6006に前述した表示装置を用いることができる。
上部カバー6001および下部カバー6002は、タッチセンサ6004や表示パネル6006などのサイズに合わせて、形状や寸法を適宜変更することができる。
タッチセンサ6004は、抵抗膜方式または静電容量方式のタッチセンサを表示パネル6006に重畳して用いることができる。表示パネル6006にタッチセンサの機能を付加することも可能である。例えば、表示パネル6006の各画素内にタッチセンサ用電極を設け、静電容量方式のタッチパネル機能を付加することなども可能である。または、表示パネル6006の各画素内に光センサを設け、光学式のタッチセンサの機能を付加することなども可能である。
バックライトユニット6007は、光源6008を有する。光源6008をバックライトユニット6007の端部に設け、光拡散板を用いる構成としてもよい。また、表示パネル6006に発光表示装置などを用いる場合は、バックライトユニット6007を省略することができる。
フレーム6009は、表示パネル6006の保護機能の他、プリント基板6010側から発生する電磁波を遮断するための電磁シールドとしての機能を有する。また、フレーム6009は、放熱板としての機能を有していてもよい。
プリント基板6010は、電源回路、ビデオ信号およびクロック信号を出力するための信号処理回路などを有する。電源回路に電力を供給する電源としては、バッテリ6011であってもよいし、商用電源であってもよい。なお、電源として商用電源を用いる場合には、バッテリ6011を省略することができる。
また、表示モジュール6000に、偏光板、位相差板、プリズムシートなどの部材を追加して設けてもよい。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態および実施例と適宜組み合わせることができる。
〔RFタグ〕
上述したトランジスタを使用した半導体装置の一例として、RFタグについて説明する。
本発明の一態様に係るRFタグは、内部に記憶回路(記憶装置)を有し、記憶回路に情報を記憶し、非接触手段、例えば無線通信を用いて外部と情報の授受を行うものである。このような特徴から、RFタグは、物品などの個体情報を読み取ることにより物品の識別を行う個体認証システムなどに用いることが可能である。なお、これらの用途に用いるためには高い信頼性が要求される。
RFタグの構成について図53を用いて説明する。図53は、RFタグの構成例を示すブロック図である。
図53に示すようにRFタグ800は、通信器801(質問器、リーダ/ライタなどともいう)に接続されたアンテナ802から送信される無線信号803を受信するアンテナ804を有する。通信器801に上述したトランジスタを用いてもよい。またRFタグ800は、整流回路805、定電圧回路806、復調回路807、変調回路808、論理回路809、記憶回路810、ROM811を有している。なお、復調回路807に含まれる整流作用を示すトランジスタの半導体には、逆方向電流を十分に抑制することが可能な、例えば、酸化物半導体を用いてもよい。これにより、逆方向電流に起因する整流作用の低下を抑制し、復調回路の出力が飽和することを防止できる。つまり、復調回路の入力に対する復調回路の出力を線形に近づけることができる。なお、データの伝送形式は、一対のコイルを対向配置して相互誘導によって交信を行う電磁結合方式、誘導電磁界によって交信する電磁誘導方式、電波を利用して交信する電波方式の3つに大別される。RFタグ800は、そのいずれの方式に用いることも可能である。
次に各回路の構成について説明する。アンテナ804は、通信器801に接続されたアンテナ802との間で無線信号803の送受信を行うためのものである。また、整流回路805は、アンテナ804で無線信号を受信することにより生成される入力交流信号を整流、例えば、半波2倍圧整流し、後段の容量素子により、整流された信号を平滑化することで入力電位を生成するための回路である。なお、整流回路805の入力側または出力側には、リミッタ回路を有してもよい。リミッタ回路とは、入力交流信号の振幅が大きく、内部生成電圧が大きい場合に、ある電力以上の電力を後段の回路に入力しないように制御するための回路である。
定電圧回路806は、入力電位から安定した電源電圧を生成し、各回路に供給するための回路である。なお、定電圧回路806は、内部にリセット信号生成回路を有していてもよい。リセット信号生成回路は、安定した電源電圧の立ち上がりを利用して、論理回路809のリセット信号を生成するための回路である。
復調回路807は、入力交流信号を包絡線検出することにより復調し、復調信号を生成するための回路である。また、変調回路808は、アンテナ804より出力するデータに応じて変調をおこなうための回路である。
論理回路809は復調信号を解析し、処理を行うための回路である。記憶回路810は、入力された情報を保持する回路であり、ロウデコーダ、カラムデコーダ、記憶領域などを有する。また、ROM811は、固有番号(ID)などを格納し、処理に応じて出力を行うための回路である。
なお、上述の各回路は、適宜、取捨することができる。
記憶回路810に上述した記憶装置を用いることができる。本発明の一態様に係る記憶装置は、電源が遮断された状態であっても情報を保持できるため、RFタグに好適である。さらに本発明の一態様に係る記憶装置は、データの書き込みに必要な電力(電圧)が従来の不揮発性メモリに比べて低いため、データの読み出し時と書込み時の最大通信距離の差を生じさせないことも可能である。さらに、データの書き込み時に電力が不足し、誤動作または誤書込みが生じることを抑制することができる。
また、本発明の一態様に係る記憶装置は、不揮発性メモリとして用いることが可能であるため、ROM811に適用することもできる。その場合には、生産者がROM811にデータを書き込むためのコマンドを別途用意し、ユーザが自由に書き換えできないようにしておくことが好ましい。生産者が出荷前に固有番号を書込んだのちに製品を出荷することで、作製したRFタグすべてについて固有番号を付与するのではなく、出荷する良品にのみ固有番号を割り当てることが可能となり、出荷後の製品の固有番号が不連続になることがなく出荷後の製品に対応した顧客管理が容易となる。
本発明の一態様に係るRFタグの使用例について図54を用いて説明する。RFタグの用途は広範にわたるが、例えば、紙幣、硬貨、有価証券、無記名債券、運転免許証や住民票などの証書(図54(A)参照。)、DVDソフトやビデオテープなどの記録媒体(図54(B)参照。)、皿やコップや瓶などの容器(図54(C)参照。)、包装紙や箱やリボンなどの包装用品、自転車などの移動体(図54(D)参照。)、鞄や眼鏡などの身の回り品、植物、動物、人体、衣類、生活用品、薬品や薬剤を含む医療品、または電子機器(例えば、液晶表示装置、EL表示装置、テレビジョン装置、または携帯電話。)などの物品、もしくは各物品に取り付ける荷札(図54(E)および図54(F)参照。)などに設けて使用することができる。
本発明の一態様に係るRFタグ800は、表面に貼る、または埋め込むことにより、物品に固定される。例えば、本であれば紙に埋め込み、有機樹脂からなるパッケージであれば当該有機樹脂の内部に埋め込み、各物品に固定される。本発明の一態様に係るRFタグ800は、小型、薄型、軽量を実現するため、物品に固定した後もその物品自体のデザイン性を損なうことがない。また、紙幣、硬貨、有価証券、無記名債券、または証書などに本発明の一態様に係るRFタグ800により、認証機能を付与することができ、この認証機能を活用すれば、偽造を防止することができる。また、包装用容器、記録媒体、身の回り品、衣類、生活用品、または電子機器などに本発明の一態様に係るRFタグ800を取り付けることにより、検品システムなどのシステムの効率化を図ることができる。また、移動体に本発明の一態様に係るRFタグ800を取り付けることにより、盗難などに対するセキュリティ性を高めることができる。以上のように、本発明の一態様に係るRFタグ800は、上述したような各用途に用いることができる。
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態5)
<リードフレーム型のインターポーザを用いたパッケージ>
図55(A)に、リードフレーム型のインターポーザを用いたパッケージの断面構造を表す斜視図を示す。図55(A)に示すパッケージは、本発明の一態様に係る半導体装置に相当するチップ551が、ワイヤボンディング法により、インターポーザ550上の端子552と接続されている。端子552は、インターポーザ550のチップ551がマウントされている面上に配置されている。そしてチップ551はモールド樹脂553によって封止されていてもよいが、各端子552の一部が露出した状態で封止されるようにする。
パッケージが回路基板に実装されている電子機器の構成例を、図55(B)に示す。図55(B)に示す電子機器は、例えば携帯電話などに搭載される。図55(B)に示す電子機器は、プリント配線基板561に、パッケージ562と、バッテリ564とが実装されている。また、表示素子が設けられたパネル560に、プリント配線基板561がFPC563によって実装されている。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態および実施例と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態6)
本実施の形態では、本発明の一態様に係る半導体装置を用いた電子機器の一例について説明する。
本発明の一態様に係る半導体装置を用いた電子機器として、テレビ、モニタ等の表示装置、照明装置、デスクトップ型或いはノート型のパーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ、DVD(Digital Versatile Disc)などの記録媒体に記憶された静止画又は動画を再生する画像再生装置、ポータブルCDプレーヤ、ラジオ、テープレコーダ、ヘッドホンステレオ、ステレオ、置き時計、壁掛け時計、コードレス電話子機、トランシーバ、自動車電話、携帯電話、携帯情報端末、タブレット型端末、携帯型ゲーム機、パチンコ機などの固定式ゲーム機、電卓、電子手帳、電子書籍端末、電子翻訳機、音声入力機器、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、電気シェーバ、電子レンジ等の高周波加熱装置、電気炊飯器、電気洗濯機、電気掃除機、温水器、扇風機、毛髪乾燥機、エアコンディショナー、加湿器、除湿器などの空調設備、食器洗い器、食器乾燥器、衣類乾燥器、布団乾燥器、電気冷蔵庫、電気冷凍庫、電気冷凍冷蔵庫、DNA保存用冷凍庫、懐中電灯、チェーンソー等の工具、煙感知器、透析装置等の医療機器などが挙げられる。さらに、誘導灯、信号機、ベルトコンベア、エレベータ、エスカレータ、産業用ロボット、電力貯蔵システム、電力の平準化やスマートグリッドのための蓄電装置等の産業機器が挙げられる。また、燃料を用いたエンジンや、蓄電体からの電力を用いて電動機により推進する移動体なども、電子機器の範疇に含まれる場合がある。上記移動体として、例えば、電気自動車(EV)、内燃機関と電動機を併せ持ったハイブリッド車(HEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、これらのタイヤ車輪を無限軌道に変えた装軌車両、電動アシスト自転車を含む原動機付自転車、自動二輪車、電動車椅子、ゴルフ用カート、小型又は大型船舶、潜水艦、ヘリコプター、航空機、ロケット、人工衛星、宇宙探査機や惑星探査機、宇宙船などが挙げられる。
図56(A)に示す携帯型ゲーム機2900は、筐体2901、筐体2902、表示部2903、表示部2904、マイクロホン2905、スピーカ2906、操作キー2907等を有する。なお、図25(A)に示した携帯型ゲーム機は、2つの表示部2903と表示部2904とを有しているが、表示部の数は、これに限定されない。表示部2903は、入力装置としてタッチスクリーンが設けられており、スタイラス2908等により操作可能となっている。
図56(B)に示す情報端末2910は、筐体2911に、表示部2912、マイク2917、スピーカ部2914、カメラ2913、外部接続部2916、および操作用のボタン2915等を有する。表示部2912には、可撓性基板が用いられた表示パネルおよびタッチスクリーンを備える。情報端末2910は、例えば、スマートフォン、携帯電話、タブレット型情報端末、タブレット型パーソナルコンピュータ、電子書籍端末等として用いることができる。
図56(C)に示すノート型パーソナルコンピュータ2920は、筐体2921、表示部2922、キーボード2923、およびポインティングデバイス2924等を有する。
図56(D)に示すビデオカメラ2940は、筐体2941、筐体2942、表示部2943、操作キー2944、レンズ2945、および接続部2946等を有する。操作キー2944およびレンズ2945は筐体2941に設けられており、表示部2943は筐体2942に設けられている。そして、筐体2941と筐体2942は、接続部2946により接続されており、筐体2941と筐体2942の間の角度は、接続部2946により変えることが可能な構造となっている。筐体2941に対する筐体2942の角度によって、表示部2943に表示される画像の向きの変更や、画像の表示/非表示の切り換えを行うことができる。
図56(E)にバングル型の情報端末の一例を示す。情報端末2950は、筐体2951、および表示部2952等を有する。表示部2952は、曲面を有する筐体2951に支持されている。表示部2952には、可撓性基板を用いた表示パネルを備えているため、フレキシブルかつ軽くて使い勝手の良い情報端末2950を提供することができる。
図56(F)に腕時計型の情報端末の一例を示す。情報端末2960は、筐体2961、表示部2962、バンド2963、バックル2964、操作ボタン2965、入出力端子2966などを備える。情報端末2960は、移動電話、電子メール、文章閲覧及び作成、音楽再生、インターネット通信、コンピュータゲームなどの種々のアプリケーションを実行することができる。
表示部2962の表示面は湾曲しており、湾曲した表示面に沿って表示を行うことができる。また、表示部2962はタッチセンサを備え、指やスタイラスなどで画面に触れることで操作することができる。例えば、表示部2962に表示されたアイコン2967に触れることで、アプリケーションを起動することができる。操作ボタン2965は、時刻設定のほか、電源のオン、オフ動作、無線通信のオン、オフ動作、マナーモードの実行及び解除、省電力モードの実行及び解除など、様々な機能を持たせることができる。例えば、情報端末2960に組み込まれたオペレーティングシステムにより、操作ボタン2965の機能を設定することもできる。
また、情報端末2960は、通信規格された近距離無線通信を実行することが可能である。例えば無線通信可能なヘッドセットと相互通信することによって、ハンズフリーで通話することもできる。また、情報端末2960は入出力端子2966を備え、他の情報端末とコネクターを介して直接データのやりとりを行うことができる。また入出力端子2966を介して充電を行うこともできる。なお、充電動作は入出力端子2966を介さずに無線給電により行ってもよい。
図56(G)に家庭用電気製品の一例として電気冷蔵庫を示す。電気冷蔵庫2970は、筐体2971、冷蔵室用扉2972、および冷凍室用扉2973等を有する。
図56(H)は、自動車の一例を示す外観図である。自動車2980は、車体2981、車輪2982、ダッシュボード2983、およびライト2984等を有する。
本実施の形態に示す電子機器には、上述したトランジスタまたは上述した半導体装置などが搭載されている。
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態7)
本実施の形態では、スパッタリング用ターゲットを設置することが可能な成膜室を有する成膜装置(スパッタリング装置)について説明する。本実施の形態に示す成膜装置は、平行平板型のスパッタリング装置や、対向ターゲット式のスパッタリング装置などに用いることができる。
対向ターゲット式のスパッタリング装置を用いた成膜では、被形成面へのダメージが小さくできるため、結晶性の高い膜を得やすい。即ち、CAAC−OSなどの成膜には、対向ターゲット式のスパッタリング装置を用いることが好ましい場合がある。
なお、平行平板型スパッタリング装置を用いた成膜法を、PESP(Parallel Electrode Sputtering)と呼ぶこともできる。また、対向ターゲット式スパッタリング装置を用いた成膜法を、VDSP(Vapor Deposition Sputtering)と呼ぶこともできる。
まず、成膜時などに膜中に不純物の混入が少ない成膜装置の構成について図57および図58を用いて説明する。
図57は、枚葉式マルチチャンバーの成膜装置2700の上面図を模式的に示している。成膜装置2700は、基板を収容するカセットポート2761と、基板のアライメントを行うアライメントポート2762と、を備える大気側基板供給室2701と、大気側基板供給室2701から、基板を搬送する大気側基板搬送室2702と、基板の搬入を行い、かつ室内の圧力を大気圧から減圧、または減圧から大気圧へ切り替えるロードロック室2703aと、基板の搬出を行い、かつ室内の圧力を減圧から大気圧、または大気圧から減圧へ切り替えるアンロードロック室2703bと、真空中の基板の搬送を行う搬送室2704と、基板の加熱を行う基板加熱室2705と、ターゲットが配置され成膜を行う成膜室2706a、成膜室2706bおよび成膜室2706cと、を有する。なお、成膜室2706a、成膜室2706bおよび成膜室2706cは、上述した成膜室の構成を参酌することができる。
また、大気側基板搬送室2702は、ロードロック室2703aおよびアンロードロック室2703bと接続され、ロードロック室2703aおよびアンロードロック室2703bは、搬送室2704と接続され、搬送室2704は、基板加熱室2705、成膜室2706a、成膜室2706bおよび成膜室2706cと接続する。
なお、各室の接続部にはゲートバルブ2764が設けられており、大気側基板供給室2701と、大気側基板搬送室2702を除き、各室を独立して真空状態に保持することができる。また、大気側基板搬送室2702および搬送室2704は、搬送ロボット2763を有し、基板を搬送することができる。
また、基板加熱室2705は、プラズマ処理室を兼ねると好ましい。成膜装置2700は、処理と処理の間で基板を大気暴露することなく搬送することが可能なため、基板に不純物が吸着することを抑制できる。また、成膜や熱処理などの順番を自由に構築することができる。なお、搬送室、成膜室、ロードロック室、アンロードロック室および基板加熱室は、上述の数に限定されず、設置スペースやプロセス条件に合わせて、適宜最適な数を設けることができる。
次に、図57に示す成膜装置2700の一点鎖線X1−X2、一点鎖線Y1−Y2、および一点鎖線Y2−Y3に相当する断面を図58に示す。
図58(A)は、基板加熱室2705と、搬送室2704の断面を示しており、基板加熱室2705は、基板を収容することができる複数の加熱ステージ2765を有している。なお、基板加熱室2705は、バルブを介して真空ポンプ2770と接続されている。真空ポンプ2770としては、例えば、ドライポンプ、およびメカニカルブースターポンプ等を用いることができる。
また、基板加熱室2705に用いることのできる加熱機構としては、例えば、抵抗発熱体などを用いて加熱する加熱機構としてもよい。または、加熱されたガスなどの媒体からの熱伝導または熱輻射によって、加熱する加熱機構としてもよい。例えば、GRTA、LRTAなどのRTAを用いることができる。
また、基板加熱室2705は、マスフローコントローラ2780を介して、精製機2781と接続される。なお、マスフローコントローラ2780および精製機2781は、ガス種の数だけ設けられるが、理解を容易にするため一つのみを示す。基板加熱室2705に導入されるガスは、露点が−80℃以下、好ましくは−100℃以下であるガスを用いることができ、例えば、酸素ガス、窒素ガス、および希ガス(アルゴンガスなど)を用いる。
搬送室2704は、搬送ロボット2763を有している。搬送ロボット2763は、各室へ基板を搬送することができる。また、搬送室2704は、バルブを介して真空ポンプ2770と、クライオポンプ2771と、接続されている。このような構成とすることで、搬送室2704は、大気圧から低真空または中真空(0.1から数百Pa程度)まで真空ポンプ2770を用いて排気され、バルブを切り替えて中真空から高真空または超高真空(0.1Paから1×10−7Pa)まではクライオポンプ2771を用いて排気される。
また、例えば、クライオポンプ2771は、搬送室2704に対して2台以上並列に接続してもよい。このような構成とすることで、1台のクライオポンプがリジェネ中であっても、残りのクライオポンプを使って排気することが可能となる。なお、上述したリジェネとは、クライオポンプ内にため込まれた分子(または原子)を放出する処理をいう。クライオポンプは、分子(または原子)をため込みすぎると排気能力が低下してくるため、定期的にリジェネが行われる。
図58(B)は、成膜室2706bと、搬送室2704と、ロードロック室2703aの断面を示している。
ここで、図58(B)を用いて、成膜室(スパッタリング室)の詳細について説明する。図58(B)に示す成膜室2706bは、ターゲット2766aと、ターゲット2766bと、ターゲットシールド2767aと、ターゲットシールド2767bと、マグネットユニット2790aと、マグネットユニット2790bと、基板ホルダ2768と、電源2791と、を有する。図示しないが、ターゲット2766aおよびターゲット2766bは、それぞれバッキングプレートを介してターゲットホルダに固定される。また、ターゲット2766aおよびターゲット2766bには、電源2791が電気的に接続されている。マグネットユニット2790aおよびマグネットユニット2790bは、それぞれターゲット2766aおよびターゲット2766bの背面に配置される。ターゲットシールド2767aおよびターゲットシールド2767bは、それぞれターゲット2766aおよびターゲット2766bの端部を囲うように配置される。なお、ここでは基板ホルダ2768には、基板2769が支持されている。基板ホルダ2768は、可変部材2784を介して成膜室2706bに固定される。可変部材2784によって、ターゲット2766aとターゲット2766bとの間の領域(ターゲット間領域ともいう。)まで基板ホルダ2768を移動させることができる。例えば、基板2769を支持した基板ホルダ2768をターゲット間領域に配置することによって、プラズマによる損傷を低減できる場合がある。また、基板ホルダ2768は、図示しないが、基板2769を保持する基板保持機構や、基板2769を背面から加熱するヒーター等を備えていてもよい。
また、ターゲットシールド2767によって、ターゲット2766からスパッタリングされる粒子が不要な領域に堆積することを抑制できる。ターゲットシールド2767は、累積されたスパッタ粒子が剥離しないように、加工することが望ましい。例えば、表面粗さを増加させるブラスト処理、またはターゲットシールド2767の表面に凹凸を設けてもよい。
また、成膜室2706bは、ガス加熱機構2782を介してマスフローコントローラ2780と接続され、ガス加熱機構2782はマスフローコントローラ2780を介して精製機2781と接続される。ガス加熱機構2782により、成膜室2706bに導入されるガスを40℃以上400℃以下、好ましくは50℃以上200℃以下に加熱することができる。なお、ガス加熱機構2782、マスフローコントローラ2780、および精製機2781は、ガス種の数だけ設けられるが、理解を容易にするため一つのみを示す。成膜室2706bに導入されるガスは、露点が−80℃以下、好ましくは−100℃以下であるガスを用いることができ、例えば、酸素ガス、窒素ガス、および希ガス(アルゴンガスなど)を用いる。
なお、ガスの導入口の直前に精製機を設ける場合、精製機から成膜室2706bまでの配管の長さを10m以下、好ましくは5m以下、さらに好ましくは1m以下とする。配管の長さを10m以下、5m以下または1m以下とすることで、配管からの放出ガスの影響を長さに応じて低減できる。さらに、ガスの配管には、フッ化鉄、酸化アルミニウム、酸化クロムなどで内部が被覆された金属配管を用いるとよい。前述の配管は、例えばSUS316L−EP配管と比べ、不純物を含むガスの放出量が少なく、ガスへの不純物の入り込みを低減できる。また、配管の継手には、高性能超小型メタルガスケット継手(UPG継手)を用いるとよい。また、配管を全て金属で構成することで、樹脂等を用いた場合と比べ、生じる放出ガスおよび外部リークの影響を低減できて好ましい。
また、成膜室2706bは、バルブを介してターボ分子ポンプ2772および真空ポンプ2770と接続される。
また、成膜室2706bは、クライオトラップ2751が設けられる。
クライオトラップ2751は、水などの比較的融点の高い分子(または原子)を吸着することができる機構である。ターボ分子ポンプ2772は大きいサイズの分子(または原子)を安定して排気し、かつメンテナンスの頻度が低いため、生産性に優れる一方、水素や水の排気能力が低い。そこで、水などに対する排気能力を高めるため、クライオトラップ2751が成膜室2706bに接続された構成としている。クライオトラップ2751の冷凍機の温度は100K以下、好ましくは80K以下とする。また、クライオトラップ2751が複数の冷凍機を有する場合、冷凍機ごとに温度を変えると、効率的に排気することが可能となるため好ましい。例えば、1段目の冷凍機の温度を100K以下とし、2段目の冷凍機の温度を20K以下とすればよい。なお、クライオトラップに替えて、チタンサブリメーションポンプを用いることで、さらに高真空とすることができる場合がある。また、クライオポンプやターボ分子ポンプに替えてイオンポンプを用いることでもさらに高真空とすることができる場合がある。
なお、成膜室2706bの排気方法は、これに限定されず、先の搬送室2704に示す排気方法(クライオポンプと真空ポンプとの排気方法)と同様の構成としてもよい。もちろん、搬送室2704の排気方法を成膜室2706bと同様の構成(ターボ分子ポンプと真空ポンプとの排気方法)としてもよい。
なお、上述した搬送室2704、基板加熱室2705、および成膜室2706bの背圧(全圧)、ならびに各気体分子(原子)の分圧は、以下の通りとすると好ましい。とくに、形成される膜中に不純物が混入され得る可能性があるので、成膜室2706bの背圧、ならびに各気体分子(原子)の分圧には注意する必要がある。
上述した各室の背圧(全圧)は、1×10−4Pa以下、好ましくは3×10−5Pa以下、さらに好ましくは1×10−5Pa以下である。上述した各室の質量電荷比(m/z)が18である気体分子(原子)の分圧は、3×10−5Pa以下、好ましくは1×10−5Pa以下、さらに好ましくは3×10−6Pa以下である。また、上述した各室のm/zが28である気体分子(原子)の分圧は、3×10−5Pa以下、好ましくは1×10−5Pa以下、さらに好ましくは3×10−6Pa以下である。また、上述した各室のm/zが44である気体分子(原子)の分圧は、3×10−5Pa以下、好ましくは1×10−5Pa以下、さらに好ましくは3×10−6Pa以下である。
なお、真空チャンバー内の全圧および分圧は、質量分析計を用いて測定することができる。例えば、株式会社アルバック製四重極形質量分析計(Q−massともいう。)Qulee CGM−051を用いればよい。
また、上述した搬送室2704、基板加熱室2705、および成膜室2706bは、外部リークまたは内部リークが少ない構成とすることが望ましい。
例えば、上述した搬送室2704、基板加熱室2705、および成膜室2706bのリークレートは、3×10−6Pa・m/s以下、好ましくは1×10−6Pa・m/s以下である。また、m/zが18である気体分子(原子)のリークレートが1×10−7Pa・m/s以下、好ましくは3×10−8Pa・m/s以下である。また、m/zが28である気体分子(原子)のリークレートが1×10−5Pa・m/s以下、好ましくは1×10−6Pa・m/s以下である。また、m/zが44である気体分子(原子)のリークレートが3×10−6Pa・m/s以下、好ましくは1×10−6Pa・m/s以下である。
なお、リークレートに関しては、前述の質量分析計を用いて測定した全圧および分圧から導出すればよい。
リークレートは、外部リークおよび内部リークに依存する。外部リークは、微小な穴やシール不良などによって真空系外から気体が流入することである。内部リークは、真空系内のバルブなどの仕切りからの漏れや内部の部材からの放出ガスに起因する。リークレートを上述の数値以下とするために、外部リークおよび内部リークの両面から対策をとる必要がある。
例えば、成膜室2706bの開閉部分はメタルガスケットでシールするとよい。メタルガスケットは、フッ化鉄、酸化アルミニウム、または酸化クロムによって被覆された金属を用いると好ましい。メタルガスケットはOリングと比べ密着性が高く、外部リークを低減できる。また、フッ化鉄、酸化アルミニウム、酸化クロムなどによって被覆された金属の不動態を用いることで、メタルガスケットから放出される不純物を含む放出ガスが抑制され、内部リークを低減することができる。
また、成膜装置2700を構成する部材として、不純物を含む放出ガスの少ないアルミニウム、クロム、チタン、ジルコニウム、ニッケルまたはバナジウムを用いる。また、前述の部材を鉄、クロムおよびニッケルなどを含む合金に被覆して用いてもよい。鉄、クロムおよびニッケルなどを含む合金は、剛性があり、熱に強く、また加工に適している。ここで、表面積を小さくするために部材の表面凹凸を研磨などによって低減しておくと、放出ガスを低減できる。
または、前述の成膜装置2700の部材をフッ化鉄、酸化アルミニウム、酸化クロムなどで被覆してもよい。
成膜装置2700の部材は、極力金属のみで構成することが好ましく、例えば石英などで構成される覗き窓などを設置する場合も、放出ガスを抑制するために表面をフッ化鉄、酸化アルミニウム、酸化クロムなどで薄く被覆するとよい。
成膜室に存在する吸着物は、内壁などに吸着しているために成膜室の圧力に影響しないが、成膜室を排気した際のガス放出の原因となる。そのため、リークレートと排気速度に相関はないものの、排気能力の高いポンプを用いて、成膜室に存在する吸着物をできる限り脱離し、あらかじめ排気しておくことは重要である。なお、吸着物の脱離を促すために、成膜室をベーキングしてもよい。ベーキングすることで吸着物の脱離速度を10倍程度大きくすることができる。ベーキングは100℃以上450℃以下で行えばよい。このとき、不活性ガスを成膜室に導入しながら吸着物の除去を行うと、排気するだけでは脱離しにくい水などの脱離速度をさらに大きくすることができる。なお、導入する不活性ガスをベーキングの温度と同程度に加熱することで、吸着物の脱離速度をさらに高めることができる。ここで不活性ガスとして希ガスを用いると好ましい。また、成膜する膜種によっては不活性ガスの代わりに酸素などを用いても構わない。例えば、酸化物を成膜する場合は、主成分である酸素を用いた方が好ましい場合もある。なお、ベーキングは、ランプを用いて行うと好ましい。
または、加熱した希ガスなどの不活性ガスまたは酸素などを導入することで成膜室内の圧力を高め、一定時間経過後に再び成膜室を排気する処理を行うと好ましい。加熱したガスの導入により成膜室内の吸着物を脱離させることができ、成膜室内に存在する不純物を低減することができる。なお、この処理は2回以上30回以下、好ましくは5回以上15回以下の範囲で繰り返し行うと効果的である。具体的には、温度が40℃以上400℃以下、好ましくは50℃以上200℃以下である不活性ガスまたは酸素などを導入することで成膜室内の圧力を0.1Pa以上10kPa以下、好ましくは1Pa以上1kPa以下、さらに好ましくは5Pa以上100Pa以下とし、圧力を保つ期間を1分以上300分以下、好ましくは5分以上120分以下とすればよい。その後、成膜室を5分以上300分以下、好ましくは10分以上120分以下の期間排気する。
また、ダミー成膜を行うことでも吸着物の脱離速度をさらに高めることができる。ダミー成膜とは、ダミー基板に対してスパッタリング法などによる成膜を行うことで、ダミー基板および成膜室内壁に膜を堆積させ、成膜室内の不純物および成膜室内壁の吸着物を膜中に閉じこめることをいう。ダミー基板は、放出ガスの少ない基板が好ましい。ダミー成膜を行うことで、後に成膜される膜中の不純物濃度を低減することができる。なお、ダミー成膜はベーキングと同時に行ってもよい。
次に、図58(B)に示す搬送室2704、およびロードロック室2703aと、図58(C)に示す大気側基板搬送室2702、および大気側基板供給室2701の詳細について以下説明を行う。なお、図58(C)は、大気側基板搬送室2702、および大気側基板供給室2701の断面を示している。
図58(B)に示す搬送室2704については、図58(A)に示す搬送室2704の記載を参照する。
ロードロック室2703aは、基板受け渡しステージ2752を有する。ロードロック室2703aは、減圧状態から大気まで圧力を上昇させ、ロードロック室2703aの圧力が大気圧になった時に、大気側基板搬送室2702に設けられている搬送ロボット2763から基板受け渡しステージ2752に基板を受け取る。その後、ロードロック室2703aを真空引きし、減圧状態としたのち、搬送室2704に設けられている搬送ロボット2763が基板受け渡しステージ2752から基板を受け取る。
また、ロードロック室2703aは、バルブを介して真空ポンプ2770、およびクライオポンプ2771と接続されている。真空ポンプ2770、およびクライオポンプ2771の排気系の接続方法は、搬送室2704の接続方法を参考とすることで接続できるため、ここでの説明は省略する。なお、図57に示すアンロードロック室2703bは、ロードロック室2703aと同様の構成とすることができる。
大気側基板搬送室2702は、搬送ロボット2763を有する。搬送ロボット2763により、カセットポート2761とロードロック室2703aとの基板の受け渡しを行うことができる。また、大気側基板搬送室2702、および大気側基板供給室2701の上方にHEPAフィルタ(High Efficiency Particulate Air Filter)等のゴミまたはパーティクルを清浄化するための機構を設けてもよい。
大気側基板供給室2701は、複数のカセットポート2761を有する。カセットポート2761は、複数の基板を収容することができる。
ターゲットは、表面温度が100℃以下、好ましくは50℃以下、さらに好ましくは室温程度(代表的には25℃)とする。大面積の基板に対応するスパッタリング装置では大面積のターゲットを用いることが多い。ところが、大面積に対応した大きさのターゲットをつなぎ目なく作製することは困難である。現実には複数のターゲットをなるべく隙間のないように並べて大きな形状としているが、どうしても僅かな隙間が生じてしまう。こうした僅かな隙間から、ターゲットの表面温度が高まることで亜鉛などが揮発し、徐々に隙間が広がっていくことがある。隙間が広がると、バッキングプレートや、バッキングプレートとターゲットとの接合に用いているボンディング材の金属がスパッタリングされることがあり、不純物濃度を高める要因となる。したがって、ターゲットは、十分に冷却されていることが好ましい。
具体的には、バッキングプレートとして、高い導電性および高い放熱性を有する金属(具体的には銅)を用いる。また、バッキングプレート内に水路を形成し、水路に十分な量の冷却水を流すことで、効率的にターゲットを冷却できる。
なお、ターゲットが亜鉛を含む場合、酸素ガス雰囲気で成膜することにより、プラズマダメージが軽減され、亜鉛の揮発が起こりにくい酸化物を得ることができる。
上述した成膜装置を用いることで、水素濃度が、二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)において、2×1020atoms/cm以下、好ましくは5×1019atoms/cm以下、より好ましくは1×1019atoms/cm以下、さらに好ましくは5×1018atoms/cm以下である酸化物半導体を成膜することができる。
また、窒素濃度が、SIMSにおいて、5×1019atoms/cm未満、好ましくは1×1019atoms/cm以下、より好ましくは5×1018atoms/cm以下、さらに好ましくは1×1018atoms/cm以下である酸化物半導体を成膜することができる。
また、炭素濃度が、SIMSにおいて、5×1019atoms/cm未満、好ましくは5×1018atoms/cm以下、より好ましくは1×1018atoms/cm以下、さらに好ましくは5×1017atoms/cm以下である酸化物半導体を成膜することができる。
また、昇温脱離ガス分光法(TDS:Thermal Desorption Spectroscopy)分析によるm/zが2(水素分子など)である気体分子(原子)、m/zが18である気体分子(原子)、m/zが28である気体分子(原子)およびm/zが44である気体分子(原子)の放出量が、それぞれ1×1019個/cm以下、好ましくは1×1018個/cm以下である酸化物半導体を成膜することができる。
以上の成膜装置を用いることで、酸化物半導体への不純物の混入を抑制できる。さらには、以上の成膜装置を用いて、酸化物半導体に接する膜を成膜することで、酸化物半導体に接する膜から酸化物半導体へ不純物が混入することを抑制できる。
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
100 トランジスタ
100a トランジスタ
100d 構造体
101 基板
102 絶縁体
102a 絶縁体
103 絶縁体
103a 絶縁体
103b 絶縁体
103c 絶縁体
104 酸化物層
104a 酸化物層
104b 酸化物層
104c 酸化物層
104d 酸化物層
104e 酸化物層
104f 酸化物層
105 絶縁体
105a 電極
105b 電極
105d 絶縁体
106 導電体
106d 導電体
107 絶縁体
107d 絶縁体
108 絶縁体
108b 絶縁体
108d 絶縁体
109a 導電体
109b 導電体
109c 導電体
109d 導電体
109e 導電体
109j 導電体
109k 導電体
109l 導電体
109m 導電体
109n 導電体
109o 導電体
110 絶縁体
110b 絶縁体
110d 絶縁体
111 絶縁体
111a 絶縁体
112 絶縁体
112d コンタクトプラグ
113a コンタクトプラグ
113b コンタクトプラグ
113c コンタクトプラグ
113d コンタクトプラグ
114 導電体
114a 導電体
114b 導電体
114c 導電体
117 導電体
117d 導電体
118 絶縁体
119 導電体
126 導電層
131 金属元素
135 領域
141 容量素子
142 容量素子
145 混合層
150 トランジスタ
160 トランジスタ
220 ウェル
221 p型半導体
223 n型半導体
224 開口
225 開口
251 配線
252 配線
253 配線
254 配線
255 配線
256 ノード
257 容量素子
260 回路
270 回路
273 電極
280 回路
281 トランジスタ
281a トランジスタ
281b トランジスタ
282 トランジスタ
282a トランジスタ
282b トランジスタ
283 チャネル形成領域
284 低濃度p型不純物領域
285 高濃度p型不純物領域
286 絶縁体
287 導電体
288 構造体
289 トランジスタ
290 回路
291 トランジスタ
300 構造体
300d 構造体
301 マスク
302 マスク
303 マスク
306 開口部
307 開口部
308 開口部
311 長さ
312 長さ
313 長さ
314 長さ
315 端部
316 端部
382 Ec
383a Ec
383b Ec
383c Ec
386 Ec
390 トラップ準位
400 半導体装置
401 基板
402 絶縁体
403 絶縁体
404 絶縁体
405 絶縁体
406 コンタクトプラグ
406a コンタクトプラグ
406b コンタクトプラグ
406c コンタクトプラグ
407 絶縁体
407a 絶縁体
410 半導体装置
412 絶縁体
413 容量素子
413a 導電体
413b 導電体
413c 導電体
413d 導電体
414 素子分離層
415 絶縁体
420 半導体装置
421 導電体
422 導電体
427 導電体
429 導電体
430 半導体装置
442 絶縁体
477 隔壁
487 配線
487a 導電体
487b 導電体
488 導電体
489 コンタクトプラグ
550 インターポーザ
551 チップ
552 端子
553 モールド樹脂
560 パネル
561 プリント配線基板
562 パッケージ
563 FPC
564 バッテリ
585 絶縁体
600 撮像装置
601 光電変換素子
602 トランジスタ
603 トランジスタ
604 トランジスタ
605 トランジスタ
606 容量素子
607 ノード
608 配線
609 配線
610 画素駆動回路
611 配線
621 画素部
622 画素
622B 画素
622G 画素
622R 画素
623 画素
624 フィルタ
624B フィルタ
624G フィルタ
624R フィルタ
625 レンズ
626 配線群
660 光
681 光電変換層
682 透光性導電層
686 導電体
686a 導電体
686b 導電体
701 回路
702 回路
703 スイッチ
704 スイッチ
706 論理素子
707 容量素子
708 容量素子
709 トランジスタ
710 トランジスタ
713 トランジスタ
714 トランジスタ
720 回路
730 記憶素子
800 RFタグ
801 通信器
802 アンテナ
803 無線信号
804 アンテナ
805 整流回路
806 定電圧回路
807 復調回路
808 変調回路
809 論理回路
810 記憶回路
811 ROM
1189 ROMインターフェース
1190 基板
1191 ALU
1192 ALUコントローラ
1193 インストラクションデコーダ
1194 インタラプトコントローラ
1195 タイミングコントローラ
1196 レジスタ
1197 レジスタコントローラ
1198 バスインターフェース
1199 ROM
1281 トランジスタ
1283 チャネル形成領域
1284 低濃度n型不純物領域
1285 高濃度n型不純物領域
2700 成膜装置
2701 大気側基板供給室
2702 大気側基板搬送室
2703a ロードロック室
2703b アンロードロック室
2704 搬送室
2705 基板加熱室
2706a 成膜室
2706b 成膜室
2706c 成膜室
2751 クライオトラップ
2752 ステージ
2761 カセットポート
2762 アライメントポート
2763 搬送ロボット
2764 ゲートバルブ
2765 加熱ステージ
2766 ターゲット
2766a ターゲット
2766b ターゲット
2767 ターゲットシールド
2767a ターゲットシールド
2767b ターゲットシールド
2768 基板ホルダ
2769 基板
2770 真空ポンプ
2771 クライオポンプ
2772 ターボ分子ポンプ
2780 マスフローコントローラ
2781 精製機
2782 ガス加熱機構
2784 可変部材
2790a マグネットユニット
2790b マグネットユニット
2791 電源
2900 携帯型ゲーム機
2901 筐体
2902 筐体
2903 表示部
2904 表示部
2905 マイクロホン
2906 スピーカ
2907 操作キー
2908 スタイラス
2910 情報端末
2911 筐体
2912 表示部
2913 カメラ
2914 スピーカ部
2915 ボタン
2916 外部接続部
2917 マイク
2920 ノート型パーソナルコンピュータ
2921 筐体
2922 表示部
2923 キーボード
2924 ポインティングデバイス
2940 ビデオカメラ
2941 筐体
2942 筐体
2943 表示部
2944 操作キー
2945 レンズ
2946 接続部
2950 情報端末
2951 筐体
2952 表示部
2960 情報端末
2961 筐体
2962 表示部
2963 バンド
2964 バックル
2965 操作ボタン
2966 入出力端子
2967 アイコン
2970 電気冷蔵庫
2971 筐体
2972 冷蔵室用扉
2973 冷凍室用扉
2980 自動車
2981 車体
2982 車輪
2983 ダッシュボード
2984 ライト
3100 表示装置
3125 発光素子
3130 画素
3131 表示領域
3132 回路
3133 回路
3135 走査線
3136 信号線
3137 画素回路
3152 回路
3153 回路
3232 トランジスタ
3233 容量素子
3431 トランジスタ
3432 液晶素子
3434 トランジスタ
3435 ノード
3436 ノード
3437 ノード
4001 基板
4002 画素部
4003 信号線駆動回路
4004 走査線駆動回路
4005 シール材
4006 基板
4008 液晶層
4010 トランジスタ
4011 トランジスタ
4013 液晶素子
4014 配線
4015 電極
4017 電極
4018 FPC
4018b FPC
4019 異方性導電層
4020 容量素子
4021 電極
4030 電極層
4031 電極層
4032 絶縁層
4033 絶縁層
4035 スペーサ
4102 絶縁層
4103 絶縁層
4110 絶縁層
4111 絶縁層
4112 絶縁層
4510 隔壁
4511 発光層
4513 発光素子
4514 充填材
5100 ペレット
5120 基板
5161 領域
6000 表示モジュール
6001 上部カバー
6002 下部カバー
6003 FPC
6004 タッチセンサ
6005 FPC
6006 表示パネル
6007 バックライトユニット
6008 光源
6009 フレーム
6010 プリント基板
6011 バッテリ

Claims (12)

  1. 第1の絶縁体と、
    前記第1の絶縁体上の酸化物半導体と、
    前記酸化物半導体上の第2の絶縁体と、
    前記第2の絶縁体上の第1の導電体と、
    前記第1の導電体の側面に隣接する第3の絶縁体と、
    前記酸化物半導体の側面、および前記第3の絶縁体の側面と接する、第2の導電体および第3の導電体と、
    前記第2の導電体の側面および前記第3の導電体の側面と接する第4の絶縁体と、
    前記第4の絶縁体、前記第2の導電体および前記第3の導電体の上面に接する第5の絶縁体と、を有し、
    前記第4の絶縁体の上面は概略平坦な領域を有し、
    前記第2の導電体および前記第3の導電体の上端の高さは、前記第4の絶縁体の上端の高さと概略一致し、
    前記第4の絶縁体は、過剰酸素を有し、
    前記酸化物半導体は、前記第1の導電体と重なる第1の領域と、前記第1の領域よりも抵抗の低い第2の領域と、を有し、
    前記第1の絶縁体および前記第5の絶縁体は、前記第4の絶縁体よりも酸素透過性が低い半導体装置。
  2. 請求項1において、
    前記第4の絶縁体は、前記第1の絶縁体に達する開口部を有し、
    前記開口部には、第5の絶縁体が配置され、
    前記開口部は、前記酸化物半導体、第2の絶縁体および第2の導電体の四方を囲んで配置され、
    前記第5の絶縁体は、前記第4の絶縁体よりも水素透過性が低い半導体装置。
  3. 請求項1または請求項2において、
    前記第1の絶縁体および前記第5の絶縁体のうち少なくともいずれか一は、酸素およびアルミニウムを有する半導体装置。
  4. 請求項1乃至請求項2のいずれか一において、
    前記第2の領域は、前記第3の絶縁体と重なる領域を有する半導体装置。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一において、
    前記第2の領域は、タングステン、アルミニウム、チタン、マグネシウム、バナジウム、アンチモン、ヒ素、および硫黄のうち、少なくともいずれか一を含む半導体装置。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一において、
    前記半導体装置は、第6の絶縁体を有し、
    前記第6の絶縁体は凸部を有し、
    前記酸化物半導体は、前記凸部上に接して形成され、
    前記酸化物半導体は、第1の膜と、前記第1の膜の上面に接する第2の膜と、前記第2の膜の上面に接する第3の膜と、を有し、
    前記第2の膜の電子親和力は、前記第1の膜および第3の膜の電子親和力よりも大きく、
    前記第1の導電体は、前記第2の絶縁体を介して前記第2の膜の側面と面する領域を有し、
    前記凸部の高さと前記第1の膜の厚さの和は、前記第3の膜の厚さと前記第2の絶縁体の厚さの和よりも大きく、
    前記第2の導電体および前記第3の導電体は、前記第2の膜の上面、または前記第3の膜の上面のいずれかに接する半導体装置。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか一において、
    前記第4の絶縁体は、前記第5の絶縁体と混合する第3の領域を有し、
    前記第3の領域は、前記過剰酸素を有する半導体装置。
  8. 基板上に第1の絶縁体を形成し、
    前記第1の絶縁体上に酸化物半導体を形成し、
    前記酸化物半導体上に第2の絶縁体を形成し、
    前記第2の絶縁体上に第1の導電体を形成し、
    前記酸化物半導体膜に第1の元素を添加し、
    前記第1の導電体上および前記酸化物半導体上に第3の絶縁体を成膜し、
    前記第3の絶縁体をエッチングすることにより前記第1の電極の側面に第4の絶縁体を形成し、
    前記第1の導電体および前記第4の絶縁体上に第2の導電体を成膜し、
    前記第2の導電体上に第5の絶縁体を成膜し、
    前記第2の導電体は、前記第1の導電体と重なる第1の領域を有し、
    前記第5の絶縁体は、前記第1の導電体と重なる第2の領域を有し、
    化学機械研磨法を用いて第5の絶縁体の表面を平坦化しながら前記第1の領域および前記第2の領域の両方を含む領域を除去することにより、第3の導電体、第4の導電体および第6の絶縁体を形成し、第1のトランジスタを形成し、
    前記第6の絶縁体上に第7の絶縁体を形成し、
    前記第3の導電体および前記第4の導電体の上端の高さは、前記第6の絶縁体の上端の高さと概略一致し、
    前記第1の導電体は、前記第1のトランジスタのゲート電極として機能し、
    前記第3の導電体および前記第4の導電体は、前記第1のトランジスタのソース電極またはドレイン電極として機能し、
    前記第1の絶縁体および前記第7の絶縁体は、前記第6の絶縁体よりも水素透過性が低く、
    前記第1の絶縁体および前記第7の絶縁体の少なくともいずれか一は、酸化アルミニウムまたは窒化シリコンを有する、半導体装置の作製方法。
  9. 基板上に第1の絶縁体を形成し、
    前記第1の絶縁体上に酸化物半導体を形成し、
    前記酸化物半導体上に第2の絶縁体を形成し、
    前記第2の絶縁体上に第1の導電体を成膜し、
    前記第1の導電体上に第3の絶縁体を成膜し、
    前記第3の絶縁体の一部を除去することにより、第4の絶縁体を形成し、
    前記第1の導電体の一部を除去することにより、第2の導電体を形成し、
    前記酸化物半導体に第1の元素を添加し、
    前記第4の絶縁体上に第5の絶縁体を成膜し、
    前記第5の絶縁体の一部を除去することにより前記第1の導電体の側壁に第6の絶縁体を形成し、
    前記第6の絶縁体上に第3の導電体を成膜し、
    前記第3の導電体上に第7の絶縁体を成膜し、
    前記第3の導電体は、前記第2の導電体と重なる第1の領域を有し、
    前記第7の絶縁体は、前記第2の導電体と重なる第2の領域を有し、
    化学機械研磨法を用いて第7の絶縁体の表面を平坦化しながら前記第1の領域と前記第2の領域とを含む領域を除去することにより、第4の導電体、第5の導電体、および第8の絶縁体を形成し、第1のトランジスタを形成し、
    前記第6の絶縁体、前記第4の導電体および前記第5の導電体上に第9の絶縁体を形成し、
    前記第1の絶縁体および前記第9の絶縁体は、前記第8の絶縁体よりも水素透過性が低く、
    前記第1の絶縁体および前記第9の絶縁体の少なくともいずれか一は、酸素およびアルミニウムを有する、半導体装置の作製方法。
  10. 請求項8または請求項9において、
    前記第1の元素は、タングステン、アルミニウム、チタン、マグネシウム、バナジウム、アンチモン、ヒ素、および硫黄のうち、少なくともいずれか一を含む半導体装置の作製方法。
  11. 請求項1乃至請求項7のいずれか一に記載の半導体装置と、
    アンテナ、バッテリ、操作スイッチ、マイク、または、スピーカと、
    を有する電子機器。
  12. 請求項8乃至請求項10のいずれか一に記載の作製方法で作製された半導体装置と、
    アンテナ、バッテリ、操作スイッチ、マイク、または、スピーカと、
    を有する電子機器。
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