JP2016163518A - 回転位置検出装置,モータ制御装置及び回転位置検出方法 - Google Patents

回転位置検出装置,モータ制御装置及び回転位置検出方法 Download PDF

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敏満 會澤
Toshimitsu Aizawa
敏満 會澤
佐理 前川
Sari Maekawa
佐理 前川
真一 小湊
Shinichi Kominato
真一 小湊
勇介 柴野
Yusuke Shibano
勇介 柴野
関原 聡一
Soichi Sekihara
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Abstract

【課題】モータの低速回転時に位置推定精度の低下を防止できるモータ制御装置を提供する。
【解決手段】誘起電圧ゼロクロス検出部12は、インバータ回路3を介してモータ6の3相の固定子巻線を短絡状態にした際に検出される2相の電流の変化量を比較して、残り1相の誘起電圧のゼロクロス点を取得する。そして、回転位置算出部13は、前記ゼロクロス点に基づいてモータ6の回転角度を検出する。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、3相モータの回転位置を検出する装置及び方法,並びにモータ制御装置に関する。
(第1の背景技術)
近年省電力化が進む中、例えば、3相のブラシレスDCモータを駆動するための電力変換装置は、正負の直流電源線間にハーフブリッジ回路が3相分並列に接続された構成(所謂インバータ回路)となっている。ハーフブリッジ回路は、直流電源線間に直列に接続された一対の半導体スイッチング素子と、それら半導体スイッチング素子のそれぞれに逆並列接続された還流ダイオードとからなる。上記構成の電力変換装置においては、各半導体スイッチング素子の駆動がPWM(Pulse Width Modulation)制御される。これにより、直流電源線から与えられる直流電力が3相の交流電力に変換され、モータの固定子巻線に電流が通電される。
ブラシレスDCモータを駆動する回路としては、特に始動トルクが必要な用途においては位置センサを使用するセンサ駆動方式が提案されている。しかしながら、低コスト化や小型化を実現するためには、位置センサを用いることなくモータを制御する装置が求められる。
例えば、ホール素子などの位置センサによりモータの回転位置を検出する代わりに、モータの固定子巻線に発生する誘起電圧を利用して回転位置を検出し、これに基づいてモータ電圧を出力する方法がある。例えば、1相の通電電気角が120°である矩形波状の電圧を出力する120°矩形波駆動方式では、電圧出力が停止する60°区間において誘起電圧を検出できる。しかしながら、120°矩形波駆動方式は、正弦波状の電圧を出力する180°正弦波駆動方式と比較すると、騒音・振動がより大きくなるという問題がある。
また、位置センサを用いることなく正弦波駆動するため、モータ電圧方程式に基づいて誘起電圧を算出し、その誘起電圧を使って回転位置を推定する方法がある。この方法を実現するには、演算負荷が高いことから高価なマイコンを使用する必要があると共に、モータ定数等が必要となる。
さらに、特許文献1に示すように、インバータ回路の下側又は上側半導体スイッチング素子が全てオンとなるゼロ電圧ベクトル出力時に、モータ電流変化量のゼロクロス点を検出することで誘起電圧のゼロクロス点を検出して、回転位置を推定する方法がある。この方法によれば、演算負荷は低く、モータ定数が不要となる。
(第2の背景技術)
従来、永久磁石同期モータの回転位置を推定する方法の1つとして、特許文献1では、電圧印加中の電流微分値を用いることで、安価な構成で正弦波状の電流を通電可能な回転位置検出方式が提案されている。この方式は、モータの相電圧方程式に基づいてゼロ電圧ベクトル発生時の電流変化量を求め、その電流変化量に含まれているモータの回転位置情報を利用するものである。
特開2007−336641号公報
(第1の課題)
しかしながら、特許文献1のような方法では、モータの低速回転時に誘起電圧が小さくなると誘起電圧のゼロクロス点が検出しにくくなるため、位置推定精度が低下するという問題がある。
(第2の課題)
しかしながら、特許文献1のような方法では、モータを高速で回転させる等して変調率が上昇すると、電流変化量を検出するゼロ電圧ベクトルの出力期間が短くなるため、位置推定精度が低下するという問題がある。
(第3の課題)
しかしながら、特許文献1のような方法では、モータを高速で回転させる等して変調率が上昇すると、図35に示すように、図34に示す場合と比較して電流変化量を検出するゼロ電圧ベクトルの出力期間が短くなるため、位置推定精度が低下するという問題がある。
(第1の目的)
そこで、モータの低速回転時に位置推定精度の低下を防止できる回転位置検出装置及び回転位置検出方法,並びに前記回転位置検出装置を備えてなるモータ制御装置を提供する。
(第2の目的)
そこで、変調率が高い制御領域においても、位置推定精度の低下を防止できる回転位置検出装置及び回転位置検出方法を提供する。
(第3の目的)
そこで、正弦波状の電流を通電しながら、安価な演算器で構成でき、磁気的突極性が無いモータにも適用可能で、高い変調率においても駆動可能な回転位置検出装置及び回転位置検出方法を提供する。
請求項1記載の回転位置検出装置によれば、位置検出点取得手段は、通電手段を介して3相の固定子巻線を短絡状態にした際に検出される2相の電流の変化量を比較することで、残り1相の誘起電圧のゼロクロス点を基準とする位置検出点を取得する。そして、位置検出手段は、前記位置検出点に基づいて3相モータの回転位置を検出する。
請求項2記載の回転位置検出装置によれば、位置検出点取得手段は、通電手段を介して3相の固定子巻線を短絡状態にした際に検出される2相の電流の変化量を比較することで、残り1相の誘起電圧のピーク点を基準とする位置検出点を取得する。そして、位置検出手段は、前記位置検出点に基づいて3相モータの回転位置を検出する。
請求項3記載のモータ制御装置によれば、請求項1又は2記載の回転位置検出装置を備え、制御手段は、前記回転位置検出装置により検出されたロータ回転位置に基づいて、3相モータを制御する。
請求項6記載の回転位置検出装置によれば、位置検出点取得手段は、通電手段を介して固定子巻線を短絡状態にした際に検出される電流の変化量から、誘起電圧のゼロクロス点を基準とする位置検出点を取得し、位置検出手段は、前記位置検出点に基づいて3相モータの回転位置を検出する。そして、短絡期間制御手段は、通電手段を介して固定子巻線を短絡状態にする期間が下限値を維持するように制御する。
請求項10記載の回転位置検出装置によれば、電流変化量検出部は、電流検出部が検出した相電流の変化量を検出する。回転位置検出部は、インバータ回路を構成する3相アームのうち、任意の2相の下側アームがオンしている期間に検出される当該2相の電流変化量の和から、前記2相のうち何れか1相の下側アームがオンしている期間に検出される当該1相の電流変化量を減じて、前記2相のうち残り1相の誘起電圧の情報が含まれている演算結果を求め、前記演算結果より前記永久磁石モータの回転位置を検出する。
第1実施形態であり、モータ制御装置の構成を示す図 モータの等価回路を示す図 誘起電圧と電流の位相が一致した状態でのモータ回転位置と誘起電圧・電流との関係を示す図 モータの回転位置を特定するための条件を示す図 制御装置が実行する処理を示すフローチャート 第2実施形態であり、誘起電圧と電流の位相が一致した状態でのモータ回転位置と誘起電圧・電流との関係を示す図 誘起電圧のピーク点となるモータ回転位置を特定するための条件を示す図 モータ制御装置の構成を示す図 制御装置が実行する処理を示すフローチャート 第3実施形態であり、誘起電圧のゼロクロス点よりも早いタイミングを位置検出点とする場合の図3相当図 図10に示す位置検出点となるモータ回転位置を特定するための条件を示す図 制御装置が実行する処理を示すフローチャート 第4実施形態であり、誘起電圧のピーク点よりも早いタイミングを位置検出点とする場合の図7相当図 図13に示す位置検出点となるモータ回転位置を特定するための条件を示す図 第5実施形態であり、モータ制御装置の構成を示す図 変調率が0.5のときモータ回転位置と指令電圧との関係を示す図 変調率が1.0のときモータ回転位置と指令電圧との関係を示す図 図16に対応するゼロ電圧ベクトルの出力期間を示す図 図17に対応するゼロ電圧ベクトルの出力期間を示す図 誘起電圧Euに対して電流iuの位相が遅れている場合のU相指令電圧,U相誘起電圧,U相電流iu,ゼロ電圧ベクトル時のU相電流の変化を示す図 誘起電圧Euに対して電流iuの位相が進んでいる場合の図20相当図 誘起電圧Euと電流iuとの位相が一致している場合の図20相当図 ゼロ電圧ベクトルの出力期間を拡張した状態を示す図 制御装置が実行する処理を示すフローチャート 第6実施形態であり、ゼロ電圧ベクトルの出力期間を拡張した状態を示す図 制御装置が実行する処理を示すフローチャート 第7実施形態であり、モータ制御装置の構成を示す図 インバータ回路が発生する電圧を空間ベクトルで表す 各電圧ベクトルを出力した際のモータの各相電圧値を示す図 PWM周期内で、電流変化量dIv(100),diw(100),dIw(110)を検出する状態を示すタイミングチャート モータの回転位置と誘起電圧との関係を時間軸で示す図 磁極位置演算部の構成の一例を示す図 磁極位置演算部が電圧ベクトルに応じてどの相の誘起電圧を用いるかを示す図 従来技術を説明する図30相当図(その1) 従来技術を説明する図30相当図(その2)
(第1実施形態)
以下、第1実施形態について図1から図5を参照して説明する。図1は、モータ制御装置の構成を示している。直流電源1には、平滑コンデンサ2及びインバータ回路3(通電手段)が並列に接続されている。インバータ回路3は、6個の例えばIGBT(スイッチング素子)4U,4V,4W,4X,4Y,4Zを3相ブリッジ接続して構成されている。各IGBT4(U〜Z)のコレクタ,エミッタ間には、フリーホイールダイオード5(U〜Z)が接続されている。インバータ回路3の各相出力端子は、3相のブラシレスDCモータ6(永久磁石型同期モータ,以下、単にモータと称す)の各相固定子巻線(図示せず)に接続されている。
インバータ回路3におけるIGBT4X,4Y,4Zのエミッタと負側電源線との間には、電流検出用の抵抗素子7U,7V,7W(電流検出手段)がそれぞれ挿入されている。そして、前記エミッタは、制御装置8の各入力端子にそれぞれ接続されている。制御装置8は、電流検出部11(電流検出手段),誘起電圧ゼロクロス検出部12(位置検出点取得手段),回転位置算出部13(位置検出手段)及び通電信号生成部14(制御手段)を備えている。電流検出部11は、抵抗素子7U,7V,7Wの端子電圧をA/D変換して各相電流iu,iv,iwを検出する。
誘起電圧ゼロクロス検出部12は、通電信号生成部14がインバータ回路3の各IGBT4のゲートに出力する通電信号のパターンがゼロ電圧ベクトルを示す期間に、各相電流iu,iv,iwのうち2相の電流変化量を比較する。そして、各相の固定子巻線に発生する誘起電圧のゼロクロス点(ゼロクロス点を基準とする位置検出点)を求める。回転位置算出部13は、誘起電圧のゼロクロス点間隔(電気角60°)からより詳細な回転位置を算出し、通電信号生成部14に出力する。通電信号生成部14は、前記回転位置に応じて前記通電信号を生成する。
図2は、モータ6の等価回路を示しており、Rは抵抗、Lはインダクタンス、EuはU相誘起電圧である。ゼロ電圧ベクトル時には、下側のIGBT4X〜4Zが全てオン、又は上側のIGBT4U〜4Wが全てオンとなり、モータ6は直流電源1と切り離された状態となる。また、モータ6の各相巻線は、インバータ回路3を介して短絡された状態に成る。このとき、U相誘起電圧Euは次のように表わされる。
Eu=−R・iu−L・diu/dt …(1)
また、V相誘起電圧Euは次のように表わされる。
Ev=−R・iv−L・div/dt …(2)
図3は、誘起電圧と電流の位相を一致させたときのモータ回転位置(角度)と誘起電圧・電流の関係を示している。この図に示すように、各相誘起電圧の位相と各相電流の位相とを一致させることでモータ6を高い効率で運転できる。ここでは表示していないが、ゼロ電圧ベクトル時の電流変化は、誘起電圧の符号と反転することに注意が必要である。
2相の誘起電圧の合計がゼロになるとき、残り1相の誘起電圧のゼロクロス点となる。例えば、図中に丸を付して示すように、
Eu+Ev=0 → Ew=0
となる。つまり、誘起電圧Ewのゼロクロス点を検出するには、(1)、(2)式より(3)式が成立すればよい。ここで、iu+iv=0である。
diu/dt+div/dt=0 …(3)
図4は、モータ6の回転位置(角度)を特定するための条件を示している。例えばゼロ電圧ベクトル出力時において(3)式が成立するとき、モータ6の回転位置は60°又は240°の何れかである。この時、回転位置を特定するため、更に各相の電流変化の符号を確認する。(3)式が成立し、且つdiu/dt<0又はdiv/dt>0のとき、回転位置は60°となる。一方、(3)式が成立し、且つdiu/dt>0又はdiv/dt<0のとき、回転位置は240°となる。
角度[deg] 条件(1) 条件(2)
0 div/dt+diw/dt=0 div/dt>0 or diw/dt<0
60 diu/dt+div/dt=0 diu/dt<0 or div/dt>0
120 diu/dt+diw/dt=0 diu/dt<0 or diw/dt>0
180 div/dt+diw/dt=0 div/dt<0 or diw/dt>0
240 diu/dt+div/dt=0 diu/dt>0 or div/dt<0
300 diu/dt+diw/dt=0 diu/dt>0 or diw/dt<0
次に、本実施形態の作用について図5を参照して説明する。図5は、制御装置8が上述した説明に応じて実行する処理の流れを示すフローチャートである。先ず電流検出部11が、1回目の電流検出を行い(S1)、所定時間の経過後に2回目の電流検出を行なう(S2)。ここでは3相全ての電流を検出しても良いが、現在の回転位置に応じて検出可能となる2相だけを検出しても良い。続いて、誘起電圧ゼロクロス検出部12は、各相電流の変化量を求めると(S3)、2相の電流変化量の加算値が「0」になるものがあるか否かを判断する(S4)。加算値が「0」になる組み合わせが無ければ(NO)ステップS1に戻る。
ステップS4において、加算値が「0」になる組み合わせがあれば(YES)、その組み合わせの2相について電流変化量の符号を確認することで(S5)、図4に従い検出角度を確定させる(S6)。そして、前回に検出角度を確定した時点からの経過時間に基づいて回転速度を算出する(S7)。すると、回転位置算出部13が、検出された角度と算出された回転速度とに基づいてモータ6の詳細な回転角度(回転位置)を算出する。通電信号生成部14は、入力される回転角度に基づいてモータ6を駆動制御するように、インバータ回路3を構成する各IGBT4のゲートにPWM信号を出力する。尚、本実施形態の内容は、マイコンやIC(集積回路)への適用が可能である。
以上のように本実施形態によれば、誘起電圧ゼロクロス検出部12は、インバータ回路3を介してモータ6の3相の固定子巻線を短絡状態にした際に検出される2相の電流の変化量を比較して、残り1相の誘起電圧のゼロクロス点を取得する。そして、回転位置算出部13は、前記ゼロクロス点に基づいてモータ6の回転角度を検出するようにした。
このように構成すれば、モータ6の回転数が低い領域においても誘起電圧のゼロクロス点を確実に検出できるので、モータ6の回転角度を正確に把握できる。そして、通電信号生成部14は、得られた回転角度に従いモータ6を駆動制御するので、制御精度を向上させることができる。
(第2実施形態)
以下、第1実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、異なる部分について説明する。図6は、図3相当図であるが、2相の誘起電圧が一致するときは、残り1相の誘起電圧のピーク点となっている。例えば、図中に丸を付して示しているように、Eu=EVとなるとき、Ewは±最大となる。つまり、W相の誘起電圧のピーク点を検出するには、(1)、(2)式より(4)式が成立すればよい。ここで、iu=ivである。
diu/dt=div/dt …(4)
図7は、誘起電圧のピーク点となるモータ回転位置(角度)を特定するための条件を示している。ゼロ電圧ベクトルにおいて(4)式が成立するとき、モータ回転位置は150°又は330°の何れかである。回転位置を特定するため、更に、各相の電流変化の符号を確認する。(4)式が成立し、且つdiu/dt<0又はdiv/dt<0のとき、モータ回転位置は150°となる。一方、(4)式が成立し、且つdiu/dt>0又はdiv/dt>0のとき、モータ回転位置は330°となる。
角度[deg] 条件(1) 条件(2)
30 diu/dt=diw/dt diu/dt<0 or diw/dt<0
90 div/dt=diw/dt div/dt>0 or diw/dt>0
150 diu/dt=div/dt diu/dt<0 or div/dt<0
210 diu/dt=diw/dt diu/dt>0 or diw/dt>0
270 div/dt=diw/dt div/dt<0 or diw/dt<0
330 diu/dt=div/dt diu/dt>0 or div/dt>0
図8は図1相当図であり、制御装置15は、制御装置8の誘起電圧ゼロクロス検出部12を、誘起電圧ピーク検出部16(位置検出点取得手段)に置き換えた構成である。そして、図9は図5相当図であるが、ステップS4に替わるステップS8では、ステップS3で求めた何れか2相の電流変化量が一致するか否かを判断する。
以上のように第2実施形態によれば、誘起電圧ピーク検出部16は、インバータ回路3を介してモータ6の3相の固定子巻線を短絡状態にした際に検出される2相の電流の変化量を比較して、残り1相の誘起電圧のピーク点を取得する。そして、回転位置算出部13は、前記ピーク点に基づいてモータ6の回転角度を検出するようにした。このように構成すれば、第1実施形態と同様の効果が得られる。尚、第2実施形態を第1実施形態と併せて実施し、誘起電圧のゼロクロス点及びピーク点を検出しても良い。
(第3実施形態)
図10から図12は第3実施形態であり、第1実施形態と異なる部分について説明する。第1実施形態では、位置検出点として誘起電圧のゼロクロス点を検出したが、第3実施形態では、回路やソフトウェア処理による遅れ時間を考慮して、図10に示すように、ゼロクロス点よりも若干進み側となる位相を(ゼロクロス点を基準とする)位置検出点として検出する。そのため、図11に示すように、図4で示した条件(1)を以下のように置き換える。尚、αは進み位相角[deg]である。
角度[deg] 条件(1)
0 div/dt+diw/dt=−α
60 diu/dt+div/dt=+α
120 diu/dt+diw/dt=−α
180 div/dt+diw/dt=+α
240 diu/dt+div/dt=−α
300 diu/dt+diw/dt=+α
そして、図12に示す図5相当図では、ステップS4に替わるステップS9において、2相の電流変化量の加算値が「±α」になるものがあるか否かを判断する。
以上のように第3実施形態によれば、ゼロクロス点よりも進み角α側となる位相を位置検出点として検出するので、回路やソフトウェア処理による遅れ時間がある場合でも、モータ6の駆動制御を高い精度で行うことができる。
(第4実施形態)
図13及び図14は第4実施形態であり、第3実施形態を第2実施形態の誘起電圧のピーク点を検出する構成に適用したものである。この場合、図14に示すように、図7で示した条件(1)を以下のように置き換える。
角度[deg] 条件(1)
30 diu/dt=diw/dt+α
90 div/dt=diw/dt+α
150 diu/dt=div/dt−α
210 diu/dt=diw/dt−α
270 div/dt=diw/dt−α
330 diu/dt=div/dt+α
そして、ステップS9では、上記条件(1)が成立するか否かを判断すれば良い。以上のように第4実施形態によれば、ピーク点よりも進み角α側となる位相を位置検出点として検出するので、第3実施形態と同様の効果が得られる。
(第5実施形態)
以下、第5実施形態について図15から図22を参照して説明する。図15は、モータ制御装置の構成を示している。直流電源21には、平滑コンデンサ22及びインバータ回路23(通電手段)が並列に接続されている。インバータ回路23は、6個の例えばIGBT(スイッチング素子)24U,24V,24W,24X,24Y,24Zを3相ブリッジ接続して構成されている。各IGBT24(U〜Z)のコレクタ,エミッタ間には、フリーホイールダイオード25(U〜Z)が接続されている。インバータ回路23の各相出力端子は、3相のブラシレスDCモータ26(永久磁石型同期モータ,以下、単にモータと称す)の各相固定子巻線(図示せず)に接続されている。
インバータ回路23におけるIGBT24X,24Y,24Zのエミッタと負側電源線との間には、電流検出用の抵抗素子27U,27V,27W(電流検出手段)がそれぞれ挿入されている。そして、前記エミッタは、制御装置28の各入力端子にそれぞれ接続されている。制御装置28は、電流検出部31(電流検出手段),誘起電圧ゼロクロス検出部32(位置検出点取得手段),回転位置算出部33(位置検出手段)及び通電信号生成部34(短絡期間制御手段,制御手段)を備えている。電流検出部31は、抵抗素子27U,27V,27Wの端子電圧をA/D変換して各相電流iu,iv,iwを検出する。
誘起電圧ゼロクロス検出部32は、通電信号生成部34がインバータ回路23の各IGBT24のゲートに出力する通電信号のパターンがゼロ電圧ベクトルを示す期間に、各相電流iu,iv,iwのうち2相の電流変化量を比較する。そして、各相の固定子巻線に発生する誘起電圧のゼロクロス点(ゼロクロス点を基準とする位置検出点)を求める。回転位置算出部33は、誘起電圧のゼロクロス点間隔(電気角60°)からより詳細な回転位置を算出し、通電信号生成部34に出力する。通電信号生成部34は、前記回転位置に応じて前記通電信号を生成する。
ここで、インバータ回路23により2相変調を行う場合で、図16に変調率が0.5のとき、図17に変調率が1.0のときのモータ回転位置と指令電圧(インバータ回路23の出力電圧)の関係を示す。変調率が0.5のときに、角度−120°における上側アーム;IGBT24U,24V,24Wがオンする割合は、それぞれ50%,0%,25%であり、下側アームIGBT24X,24Y,24Zが全てオンとなるゼロ電圧ベクトル発生割合は50%である(図18参照)。
また、変調率が1.0のとき、角度−120°における上側アームがオンする割合は、U相で100%、V相で0%、W相で50%であり、ゼロ電圧ベクトル発生割合は0%である(図19参照)。そのため、ゼロ電圧ベクトル時の電流変化量を検出できず、第1〜第4実施形態のような回転位置推定が不可能となる。また、ゼロ電圧ベクトルが発生しても、その発生時間があまりにも短かければ電流変化量を精度良く検出できず、やはり回転位置推定が不可能となる。
図20から図22には、U相指令電圧Du,U相誘起電圧Eu,U相電流iu,ゼロ電圧ベクトル時のU相電流の変化diu/dtを示す。図20は誘起電圧Euに対して電流iuの位相が遅れている場合である。電流iuのゼロクロス点を検出した際のゼロ電圧ベクトル発生時間が、電流変化diu/dtを検出するには不十分であれば、ゼロ電圧ベクトルの発生時間を拡大するように調整して電流変化diu/dtを検出する。
具体的には、電流iuの符号が負から正に変化するゼロクロス点において、ゼロ電圧ベクトル時の電流変化diu/dtが負であることを以て、誘起電圧Euに対して電流iuの位相が遅れていることを検出し、電圧Duの位相を進ませる。または、電流iuの符号が正から負に変化するゼロクロス点において、ゼロ電圧ベクトル時の電流変化diu/dtが正であることを以て、誘起電圧Euに対して電流iu位相が遅れていることを検出し、電圧Duの位相を進ませる。
図21は、誘起電圧Euに対して電流iuの位相が進んでいる場合である。電流iuの符号が負から正に変化するゼロクロス点において、ゼロ電圧ベクトル時の電流変化diu/dtが正であることを以て、誘起電圧Euに対して電流iu位相が進んでいることを検出し、電圧位相を遅らせる。または、電流iuの符号が正から負に変化するゼロクロス点において、ゼロ電圧ベクトル時の電流変化diu/dtが負であることを以て、誘起電圧Euに対して電流iu位相が進んでいることを検出し、電圧位相を遅らせる。
図22は、誘起電圧Euと電流iuとの位相が一致している場合である。この場合、電流iuのゼロクロス点でゼロ電圧ベクトル発生時間を拡大することは簡単ではあるが、出力が低下したり、騒音が発生したりと好ましくない現象を引き起こす可能性がある。
図23は、ゼロ電圧ベクトル発生時間を拡大する方法を示す。通常、U相は破線で示される期間にオンされるが、電流iuのゼロクロス点の検出後に実線で示しているようにU相をオフしてゼロ電圧ベクトルを発生させ、電流変化diu/dtを検出するために十分な時間を確保する。
次に、第5実施形態の作用について図24を参照して説明する。図24は、制御装置28が上述した説明に応じて実行する処理の流れを示すフローチャートである。先ず電流検出部31が各相電流の極性を検出し(S11)、前回検出した極性より反転したものがあるか否かにより電流のゼロクロス点を検出する(S12)。ゼロクロス点を検出すると(YES)、その時点におけるゼロ電圧ベクトルの発生時間(短絡時間)が、電流変化を検出するのに必要な下限時間を下回っているか否かを判断する(S13)。
ステップS13において、ゼロ電圧ベクトルの発生時間が下限値以上であれば(NO)、ゼロクロス点を検出した相について1回目の電流検出を行い(S14)、所定時間の経過後に2回目の電流検出を行なう(S15)。それから、電流の変化量di/dtを求めると(S16)変化量di/dtの極性を判定し(S17)、「負」であれば電圧の位相を進ませ(S18)、「正」であれば電圧の位相を遅らせる(S19)ように制御する。
一方、ステップS13において、ゼロ電圧ベクトルの発生時間が下限値を下回っていれば(YES)、通電信号生成部34は、図23に示したように発生時間を拡張するように処理する(S20)。
以上のように第5実施形態によれば、誘起電圧ゼロクロス点検出部32は、インバータ回路23を介してゼロ電圧ベクトルを出力した際に検出される電流の変化量から誘起電圧のゼロクロス点を取得し、回転位置検出部33は、そのゼロクロス点に基づいてモータ26の回転位置を検出する。そして、通電信号生成部34は、ゼロ電圧ベクトルの発生時間が下限値を維持するように制御する。したがって、相電流の変化量di/dtを確実に求めて、モータ26の回転位置を検出することができる。
(第6実施形態)
以下、第5実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、異なる部分について説明する。第5実施形態では図23に示したように、ゼロ電圧ベクトルの発生時間を拡大するため、本来U相をオンする期間にオフ期間を設けた。第6実施形態では、図25に示すように、そのオフ期間を設けた後のPWMキャリア周期において、その後にオフする予定であったU相をオンする期間を設ける(図26,S20A参照)。すなわち、後の周期で発生する予定であったゼロ電圧ベクトルの発生を阻止する。これにより、モータ26の平均出力は維持されるため、出力の低下や騒音の発生を防止可能となる。
以上のように第6実施形態によれば、通電信号生成部34は、ゼロ電圧ベクトルの発生時間をモータ26の駆動制御条件に応じた期間よりも拡張させた際には、その拡張させた期間に相当する分だけ、その後に到来する予定のゼロ電圧ベクトルの発生時間を削除するようにした。これにより、モータ26の平均出力を維持して、出力の低下や騒音の発生を防止できる。尚、これらの実施形態の内容は、マイコンやIC(集積回路)への適用が可能である。
(第7実施形態)
以下、第7実施形態について図27から図33を参照して説明する。図27は、モータ制御装置の構成を示す機能ブロック図である。直流電源41は、回転子に永久磁石を備える永久磁石同期モータ(以下、単にモータと称す)42を駆動する電力源である。直流電源41は、交流電源を直流に変換したものでも良い。インバータ回路43は、6個のスイッチング素子,例えばNチャネルMOSFET44U+,44Y+,44W+,44U−,44Y−,44W−を3相ブリッジ接続して構成されており、後述するPWM生成部45で生成される3相分6つのスイッチング信号に基づいて、モータ42を駆動する電圧を生成する。
電圧検出部46は、直流電源1の電圧VDCを検出する。電流検出部47は、一般にシャント抵抗やホールCTなどを用いた電流センサ及び信号処理回路で構成され、モータ42に流れる電流Iu,Iv,Iwを検出する。図27ではインバータ回路43の各相下側に3つ(47U,47V,47W)配置した場合を例示しており、別の形態として,各相の上側に配置される場合、インバータ回路43の各相出力線に配置される場合がある。
電流変化量検出部48は、後述する検出タイミング信号生成部49からの信号t1,t2,t3,t4に基づき3相電流値を検出し、それぞれの変化量dIu,dIv,dIwを算出する。検出タイミングは、4回の検出で2回毎の変化量を求めるため、変化量は3相につき2種類ずつ,合計で6つの信号となる。
誘起電圧演算部50は、検出した3相の電流変化量dIu,dIv,dIwから3相の誘起電圧推定値Eu,Ev,Ewを演算する。磁極位置演算部51(回転位置検出部)は、演算した誘起電圧推定値Eu,Ev,Ewからモータ42の磁極位置検出値θcを算出する。3相電圧指令値生成部52は、指令値である電圧振幅指令値Vampと電圧位相指令値φvとから、3相の電圧指令値Vu,Vv,Vwを生成する。
デューティ生成部53は、3相電圧指令値Vu,Vv,Vwを直流電圧VDCで除することで各相の変調指令Du,Dv,Dwを演算する。PWM生成部45は、3相変調指令Du,Dv,Dwと三角波状のキャリアとを比較して各相のPWM信号パルスを生成する。1相当たりのパルスにはデッドタイムが付加され、それぞれ3相上下のNチャネルMOSFET44に出力するスイッチング信号U+,U−,V+,V−,W+,W−を生成する。
以上の構成において、モータ42,インバータ回路43及びPWM生成部45を除いたものが、回転位置検出装置54を構成している。そして、回転位置検出装置54にPWM生成部45を加えたものが、モータ制御装置55を構成している。
次に、本実施形態における回転位置検出方法の概要を、図28から図32を参照して説明する。インバータ回路3が発生する電圧は、図28に示すように空間ベクトルで表すと、6つの実電圧ベクトルと2つのゼロ電圧ベクトルとに区分される。ここで電圧ベクトルV1(100)とは、U相の上側スイッチ(FET4U+)がオン、V相及びW相の下側スイッチ(FET4Y−,4W−)がオンという状態で発生する電圧を示す。
ここで、vをモータ相電圧,iをモータ相電流,eを誘起電圧,Rを固定子巻線の抵抗,Lをインダクタンスとすると、モータ42の電圧方程式は、(5)式となる。
v=Ri+L(di/dt)+e …(5)
そして、ゼロ電圧ベクトルが印加されている期間のU相電圧Vu(000)は、(5)式より(6)式となる。
Vu(000)=0=RIu+L(dIu(000)/dt)+Eu …(6)
巻線抵抗Rの項が誘起電圧eの項に対して小さい場合、電流微分値dIu(000)は、(7)式で表すことができる。尚、φは電機子鎖交磁束である。
dIu(000)=−(dt/L)Eu=(dt/L)ωφsinθ …(7)
この(7)式には、モータ42の回転位置(磁極位置)の情報(θ)が含まれているため、これを利用して位置検出を行う。
図29は、各電圧ベクトルを出力した際のモータ42の各相電圧値を示している。例えば電圧ベクトルV1(100)が印加されている状態のV,W相の相電圧方程式は、モータ42の相電圧方程式である(5)式及び図29から、(8)式で表せる。同様に、電圧ベクトルV2(110)が印加されている状態のW相の相電圧方程式は、(9)式で表せる。ここで(8),(9)式の右辺第3項の誘起電圧は、(10)式で表されるように回転位置θの情報を有している。
Figure 2016163518
ただし、
Vv(100):電圧ベクトルV1印加時のV相電圧[V]
Vw(100):電圧ベクトルV1印加時のW相電圧[V]
Vw(110):電圧ベクトルV2印加時のW相電圧[V]
dIv(100):電圧ベクトルV1印加時の時刻t1−t2間のV相電流変化量[A]
dIw(100):電圧ベクトルV1印加時の時刻t1−t2間のW相電流変化量[A]
dIw(110):電圧ベクトルV2印加時の時刻t3−t4間のW相電流変化量[A]
θ:モータ磁極位置[rad]
R:モータ巻線抵抗[Ω]
L:モータ相インダクタンス[H]
ω:モータ角速度[rad/s]
φa:電機子鎖交磁束[Wb]
ここで、モータ角速度ωが十分に高く、且つ(8),(9)式の右辺第1項の巻線抵抗Rによる電圧降下よりも右辺第3項の誘起電圧項が十分に大きい場合には、RI=0として近似できる。また、(8),(9)式において、変化量の測定時間が均等、すなわちt2−t1=t4−t3=tになるとき、各相電流変化量dIを用いるとV相誘起電圧Evに比例する値が(11)式で演算できる。(11)式は、磁極位置θから−2/3π遅れた信号であることが分かる。
Figure 2016163518
(11)式は、電圧ベクトルV1,V2を用いた場合に検出した値であるが、他の組み合わせを用いた場合全てを示すと(12)式となる。
Figure 2016163518
このように、発生する電圧ベクトルに応じて(12)式の何れかを用いることで、誘起電圧相当値である電流変化量を検出できる。
図30は、(11)式に対応する電流変化量dIv(100),dIw(100)及びdIw(110)を検出する期間を示している。電圧ベクトルV1が出力される期間である検出タイミング信号t1−t2間に電流変化量dIv(100)及びdIw(100)を求め、電圧ベクトルV2が出力される期間である検出タイミング信号t3−t4間に電流変化量dIw(110)を求めるようにする。
図31は、モータの回転位置と誘起電圧(図中の点線)との関係を時間軸で示している。ここで、(12)式で得られる電流変化量は、振幅が異なるだけで位相関係は図31に示す誘起電圧と同じであるが、特定の電圧ベクトル期間中のみ検出する信号となるため、図中に実線で示すように、各相誘起電圧の一部を切り取ったような信号となる。
ここで、本実施形態における各部の動作について再度説明する。電流変化量検出部48は、電流検出部47で検出した電流から、所定のタイミングで各相の電流変化量を検出する。電流変化量を検出するタイミングt1〜t4は、(8),(9)式及び図30で示したように、ゼロ電圧ベクトル以外の各電圧ベクトルが発生している期間である。したがって、検出タイミング信号生成部49からの検出タイミング信号t1〜t4は、各相のデューティDu,Dv,Dwがデューティ生成部52で決定された後、電流変化量検出部48に出力される。誘起電圧演算部49は、(12)式左辺の処理により誘起電圧に比例する数値を演算する。
ここで図32に、磁極位置演算部51の構成の一例を示す。コンパレータ53u,53v,53wは、演算された誘起電圧Eu,Ev,Ewを閾値と比較し、パルス状の信号を生成する。各誘起電圧Eu,Ev,Ewに応じて得られたパルス信号は、図33に示すように、電圧ベクトルに応じてどの相の誘起電圧を用いるかで変化する回転位置が異なる。このため、θc’演算部54は、各相のデューティDu,Dv,Dwを用いて、適宜用いるパルスを切り替えることで、同図に示すθc’のような電気角π/6毎に変化する信号を生成する。
次に、得られた信号θc’を速度演算55及び磁極位置補正部56に入力する。速度演算部55は、信号θc’が変化するタイミングで、その変化量からモータ速度検出値θcを(13)式にて演算する。さらに、磁極位置補正部56は、モータ速度検出値θcと信号θc’を用いて、信号θc’が変化してから次に変化するまでの間の変化量を(14)式にて補正する。信号θc’z−1は、信号θc’が変化した際の前回値であり、tは信号θc’が変化してからの経過時間であり、信号θc’が変化するとゼロにクリアされる。これらの処理により、モータの回転位置θに対応する位置検出値θcが得られる。
Figure 2016163518
図27に示す3相電圧指令値生成部51は、得られた回転位置θcに基づき、3相の電圧指令値を例えば(15)式のように演算する。電圧振幅指令値Vampは印加する電圧の大きさであり、φvは、誘起電圧位相に対する各相電圧の位相差である。
Figure 2016163518
生成された3相の電圧指令値Vu,Vv,Vwは、(16)式に示すようにデューティ生成部52において直流電源電圧VDCで除されて正規化され、変調指令(デューティ)Du,Dv,Dwとなる。さらに、これらのディーティDu,Dv,Dwは三角波キャリアと比較されて各相PWM信号へと変換され、インバータ回路43の各FET4に入力され、モータ42を駆動する電圧を発生させる。
Figure 2016163518
以上のように本実施形態によれば、電流変化量検出部48は、電流検出部47が検出した相電流の変化量を検出する。磁極位置演算部51は、インバータ回路43を構成する3相アームのうち、任意の2相の下側アームがオンしている期間に検出される当該2相の電流変化量の和から、前記2相のうち何れか1相の下側アームがオンしている期間に検出される当該1相の電流変化量を減じて、前記2相のうち残り1相の誘起電圧の情報が含まれている演算結果を求め、前記演算結果よりモータ42の回転位置を検出する。
これにより、安価な演算器で構成でき、磁気的突極性が無いモータ42にも適用可能で、変調率が高い領域においても駆動可能な回転位置検出装置54を提供できる。そして、回転位置検出装置54を備えたモータ制御装置55により、正弦波状の電流をモータ42に通電できる。
また、電流検出部47u,47v,47wを、インバータ回路43を構成する3相の下側アームと負側電源線との間にそれぞれ配置したので、下側のFET44U−,44V−44W−がオンした期間に各相電流を検出できる。
(その他の実施形態)
第7実施形態において、電流検出タイミング信号は、デューティから得られた信号そのものである必要はなく、別個のタイマで生成した信号であっても良い。
電流検出部はシャント抵抗でなくCT(Current Trans)でも良い。
スイッチング素子はMOSFET以外にIGBTやパワートランジスタさらにはSiC,GaN等のワイドギャップ半導体等を使用しても良い。
磁極位置演算部51は、閾値との比較によるパルスを用いたが、直接演算によって回転位置を求めても良い。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
図面中、3はインバータ回路(通電手段)、6はブラシレスDCモータ(3相モータ)、7U,7V,7Wは抵抗素子(電流検出手段)、8は制御装置、11は電流検出部(電流検出手段)、12は誘起電圧ゼロクロス検出部(位置検出点取得手段)、13は回転位置算出部(位置検出手段)、14は通電信号生成部(制御手段)、16は誘起電圧ピーク検出部(位置検出点取得手段)、23はインバータ回路(通電手段)、26はブラシレスDCモータ(3相モータ)、27U,27V,27Wは抵抗素子(電流検出手段)、28は制御装置、31は電流検出部(電流検出手段)、32は誘起電圧ゼロクロス検出部(位置検出点取得手段)、33は回転位置算出部(位置検出手段)、134は通電信号生成部(短絡期間制御手段,制御手段)、42は永久磁石同期モータ、43はインバータ回路、47は電流検出部、48は電流変化量検出部、49は検出タイミング信号生成部、50は誘起電圧演算部、51は磁極位置演算部(回転位置検出部)、52は3相電圧指令値生成部、53はデューティ生成部を示す。

Claims (12)

  1. 3相モータの固定子巻線に通電を行うための通電手段と、
    前記固定子巻線に流れる電流を検出する電流検出手段と、
    前記通電手段を介して前記3相の固定子巻線を短絡状態にした際に検出される2相の電流の変化量を比較することで、残り1相の誘起電圧のゼロクロス点を基準とする位置検出点を取得する位置検出点取得手段と、
    前記位置検出点に基づいて前記3相モータの回転位置を検出する位置検出手段とを備える回転位置検出装置。
  2. 3相モータの固定子巻線に通電を行うための通電手段と、
    前記固定子巻線に流れる電流を検出する電流検出手段と、
    前記通電手段を介して前記3相の固定子巻線を短絡状態にした際に検出される2相の電流の変化量を比較することで、残り1相の誘起電圧のピーク点を基準とする位置検出点を取得する位置検出点取得手段と、
    前記位置検出点に基づいて前記3相モータの回転位置を検出する位置検出手段とを備える回転位置検出装置。
  3. 請求項1又は2記載の回転位置検出装置と、
    前記回転位置検出装置により検出されたロータ回転位置に基づいて、前記3相モータを制御する制御手段とをそなえるモータ制御装置。
  4. 3相モータの固定子巻線を短絡状態にした際に検出される2相の電流の変化量を比較することで、残り1相の誘起電圧のゼロクロス点を基準とする位置検出点を取得し、
    前記位置検出点に基づいて前記3相モータの回転位置を検出する回転位置検出方法。
  5. 3相モータの固定子巻線を短絡状態にした際に検出される2相の電流の変化量を比較することで、残り1相の誘起電圧のピーク点を基準とする位置検出点を取得し、
    前記位置検出点に基づいて前記3相モータの回転位置を検出する回転位置検出方法。
  6. 3相モータの固定子巻線に通電を行うための通電手段と、
    前記固定子巻線に流れる電流を検出する電流検出手段と、
    前記通電手段を介して前記固定子巻線を短絡状態にした際に検出される電流の変化量から誘起電圧のゼロクロス点を基準とする位置検出点を取得する位置検出点取得手段と、
    前記位置検出点に基づいて前記3相モータの回転位置を検出する位置検出手段と、
    前記通電手段を介して前記固定子巻線を短絡状態にする期間(以下、短絡期間と称す)が下限値を維持するように制御する短絡期間制御手段とを備える回転位置検出装置。
  7. 前記短絡期間制御手段は、前記短絡期間を、前記3相モータの駆動制御条件に応じた期間よりも拡張させた際には、その拡張させた期間に相当する分だけ、その後に到来する予定の短絡期間を削除する請求項6記載の回転位置検出装置。
  8. 3相モータの固定子巻線を短絡状態にした際に検出される電流の変化量から誘起電圧のゼロクロス点を基準とする位置検出点を取得し、
    前記位置検出点に基づいて前記3相モータの回転位置を検出する際に、
    前記通電手段を介して前記固定子巻線を短絡状態にする期間(以下、短絡期間と称す)が下限値を維持するように制御する回転位置検出方法。
  9. 前記短絡期間を、前記3相モータの駆動制御条件に応じた期間よりも拡張させた際に、その拡張させた期間に相当する分だけ、その後に到来する予定の短絡期間を削除する請求項8記載の回転位置検出方法。
  10. 3相の永久磁石モータを駆動するインバータ回路と、
    このインバータ回路より出力される各相電流を検出する電流検出部と、
    前記相電流の変化量を検出する電流変化量検出部と、
    前記インバータ回路を構成する3相アームのうち、任意の2相の下側アームがオンしている期間に検出される当該2相の電流変化量の和から、前記2相のうち何れか1相の下側アームがオンしている期間に検出される当該1相の電流変化量を減じて、前記2相のうち残り1相の誘起電圧の情報が含まれている演算結果を求め、前記演算結果より前記永久磁石モータの回転位置を検出する回転位置検出部とを備える回転位置検出装置。
  11. 前記電流検出部は、前記インバータ回路を構成する3相の下側アームと、負側電源線との間にそれぞれ配置されている請求項10記載の回転位置検出装置。
  12. 3相の永久磁石モータを駆動するインバータ回路を構成する3相アームのうち、任意の2相の下側アームがオンしている期間に検出される当該2相の電流変化量の和から、前記2相のうち何れか1相の下側アームがオンしている期間に検出される当該1相の電流変化量を減じて、前記2相のうち残り1相の誘起電圧の情報が含まれている演算結果を求め、前記演算結果より前記永久磁石モータの回転位置を検出する回転位置検出方法。
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