JP2016161507A - 水素ガス感応性膜及びその製造方法 - Google Patents

水素ガス感応性膜及びその製造方法 Download PDF

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【課題】 良好な水素ガス感応性を有する水素ガス感応性膜及びその製造方法の提供。【解決手段】 酸化タングステンからなる調光層上に触媒層を与えた水素ガス感応性膜である。内部生成物を脱離させたことによる触媒層境界への不規則連通孔を調光層に有する。また、その製造方法は、ハロゲン化タングステンと炭素数を1〜4とするアルコールとを混合して調製した溶液を基板上に塗布し乾燥させる基層形成工程と、この上に白金族金属化合物と有機溶媒とを混合して調製した溶液を塗布する保護層形成工程と、還元性ガス雰囲気下で紫外線を照射しハロゲン化タングステンを酸化タングステンに、白金族金属化合物を白金族金属にする紫外線処理工程と、を含む。【選択図】図2

Description

本発明は、雰囲気水素(H2)ガスに感応する水素ガス感応性膜及びその製造方法に関し、特に、雰囲気ガスの制御によって光透過率を変化させる調光性を与える水素ガス感応性膜及びその製造方法に関する。
光や熱の流入や流出をコントロールする調光膜を具備した調光ガラスが知られている。かかる調光ガラスには、調光膜の駆動方式によって3つの方式、すなわち、(1)電流・電圧の印加により可逆的に光の透過率を変化させるエレクトロクロミック方式、(2)温度により光の透過率を変化させるサーモクロミック方式、(3)雰囲気ガスの制御により光の透過率を変化させるガスクロミック方式がある。これらの方式の中では、調光膜の調光層に酸化タングステン膜を利用したエレクトロクロミック方式による調光ガラスが実用化段階にもっとも近いとされる。しかしながら、この方式のための調光膜の形成には複雑な多層膜コーティング工程を必要としコストが非常に高く普及を妨げる原因ともなっている。これに対しガスクロミック方式では調光層に触媒を担持させた単純な構造体を調光膜として用い得るためコスト面でより有利とされる。
ガスクロミック方式の調光膜として、水素ガスに応答する白金又はパラジウムからなる触媒を与えた酸化タングステン膜からなる水素ガス感応性膜が利用され得る(特許文献1、非特許文献1〜7参照)。かかる調光膜は、一般的に、物理蒸着法の1つであるスパッタリング法やパルスレーザーデポジッション法等といった方法により製造され得る。
これに対し、上記したような水素ガス感応性膜をより安価な湿式法によって作製しようとする方法も提案されている(特許文献2〜6参照)。一方、湿式法では、前駆体溶液を基板に塗布した後、これを高温で焼成して水素ガス感応性膜を焼成処理する工程を必要とするが、焼成工程における加熱に対して耐熱性の低い基板を用いることが困難であるという問題点も指摘される。そこで、例えば特許文献7では、焼成処理の代わりに紫外線を照射することで基板に塗布した前駆体溶液を還元し水素ガス感応性膜を得る方法を開示している。
特許昭63−51501号公報 特許第3781354号公報 特開2005−331364号公報 特開2005−345338号公報 特開2007−71866号公報 特開2007−170946号公報 特開2010−2346号公報
J. Alloys and Compounds, 446-447, 558-561, 2007. Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 266, 301-307, 2008. Sensors and Actuators B:Chemical, 145, 691-697, 2010. Sensors and Actuators B:Chemical, 157, 504-509, 2011. Solar Energy Materials & Solar Cells, 95, 2335-2340, 2011. Sensors and Actuators B:Chemical, 169, 284-290, 2012. Appl. Surf. Sci., 273, 261-267, 2013.
触媒として機能する白金/パラジウムを金属微粒子として、酸化タングステン膜中に析出・分散させた湿式法による水素ガス感応性膜では、金属微粒子が必ずしも酸化タングステン膜の表面のみに存在せず膜中に埋もれて効率よく触媒活性を発現できない。また、仮に、金属微粒子を酸化タングステン膜の表面に集中させるように出来たとしても、かかる酸化タングステン膜が外部環境による劣化を受けると、結果として水素ガス感応性膜の良好な水素ガス感応性を維持できなくなる。
本発明は、以上のような状況に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、良好な水素ガス感応性を有する水素ガス感応性膜及びその製造方法を提供することにある。
本発明による水素ガス感応性膜は、酸化タングステンからなる調光層上に触媒層を与えた水素ガス感応性膜であって、内部生成物を脱離させたことによる前記触媒層境界への不規則連通孔を前記調光層に有することを特徴とする。
かかる発明によれば、触媒層が調光層の外部環境による劣化を抑制する保護被膜となり得るとともに、不規則連通孔によって水素ガスを調光層の内部に迅速に導き得て、結果として良好な水素ガス感応性を有する。
また、本発明による水素ガス感応性膜の製造方法は、酸化タングステンからなる調光層上に触媒層を与えた水素ガス感応性膜の製造方法であって、ハロゲン化タングステンと炭素数を1〜4とするアルコールとを混合して調製した溶液を基板上に塗布して乾燥させる基層形成工程と、この上に白金族金属化合物と有機溶媒とを混合して調製した溶液を塗布する保護層形成工程と、還元性ガス雰囲気下で紫外線を照射し前記ハロゲン化タングステンを酸化タングステンに、前記白金族金属化合物を白金族金属にする紫外線処理工程と、を含むことを特徴とする。
かかる発明によれば、酸化タングステンからなる調光層上に触媒層を与えた水素ガス感応性膜であって、内部有機物及びハロゲン化物を脱離させたことによる触媒層境界への不規則連通孔を調光層に有する水素ガス感応性膜を与え、結果として、これは良好な水素ガス感応性を達成し得るのである。
上記した発明において、前記紫外線処理工程は前記アルコール及び前記ハロゲン化タングステン由来の有機物及びハロゲン化物の脱離による前記触媒層境界への不規則連通孔を前記調光層に与えることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、不規則連通孔によって水素ガスを調光層の内部に迅速に導き得る水素ガス感応性膜を得られて、これはより良好な水素ガス感応性を達成し得るのである。
上記した発明において、前記ハロゲン化タングステンは六塩化タングステンであって、前記白金族金属化合物は六塩化白金酸、ビス(アセチルアセトナト)白金(Pt(acac)2)、二塩化パラジウム、ビス(アセチルアセトナト)パラジウム(Pd(acac)2)のいずれか1つを含むことを特徴としてもよい。かかる発明によれば、より良好な水素ガス感応性を有する水素ガス感応性膜を比較的容易に与えることができる。
上記した発明において、前記アルコールは、メタノール、エタノール、n-プロピルアルコール、i-プロピルアルコールの1又は複数からなることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、より良好な水素ガス感応性を有する水素ガス感応性膜を比較的容易に与えることができる。
上記した発明において、前記アルコールは、i-プロピルアルコールに対してエタノールを体積比で2〜6倍の範囲で混合したものであることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、より良好な水素ガス感応性を有する水素ガス感応性膜を比較的容易に与えることができる。
上記した発明において、前記有機溶媒は、エチレングリコールモノメチルエーテル及び/又はエタノールであることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、より良好な水素ガス感応性を有する水素ガス感応性膜を比較的容易に与えることができる。
上記した発明において、前記ハロゲン化タングステン及び前記アルコールの混合は、少なくとも1体積%以下の酸素濃度の不活性ガス雰囲気下で行われることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、より良好な水素ガス感応性を有する水素ガス感応性膜を比較的容易に与えることができる。
上記した発明において、前記基層形成工程は、アモルファス相で成膜させることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、より良好な水素ガス感応性を有する水素ガス感応性膜を比較的容易に与えることができる。
上記した発明において、前記還元性ガス雰囲気は水素ガス雰囲気であることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、良好な水素ガス感応性を有する水素ガス感応性膜を比較的容易に与えることができる。
本発明による水素ガス感応性膜の断面図である。 本発明による水素ガス感応性膜の製造方法のフロー図である。 紫外線処理工程で用いられる装置の断面図である。 レーザー光透過率を測定する測定装置の断面図である。 実施例1でのレーザー光透過率の経時変化を示す図である。 実施例2でのレーザー光透過率の経時変化を示す図である。 実施例3でのレーザー光透過率の経時変化を示す図である。 実施例4でのレーザー光透過率の経時変化を示す図である。 実施例5でのレーザー光透過率の経時変化を示す図である。 実施例6でのレーザー光透過率の経時変化を示す図である。 実施例7でのレーザー光透過率の経時変化を示す図である。 実施例8でのレーザー光透過率の経時変化を示す図である。 実施例9でのレーザー光透過率の経時変化を示す図である。 実施例10でのレーザー光透過率の経時変化を示す図である。 実施例11でのレーザー光透過率の経時変化を示す図である。 実施例12でのレーザー光透過率の経時変化を示す図である。 比較例2でのレーザー光透過率の経時変化を示す図である。 比較例3でのレーザー光透過率の経時変化を示す図である。 比較例4でのレーザー光透過率の経時変化を示す図である。 比較例5でのレーザー光透過率の経時変化を示す図である。
本発明による水素ガス感応性膜について図1を用いて詳細に説明する。
図1に示すように、水素ガス感応性膜1は酸化タングステンからなる調光層2と、触媒層3とを含む。調光層2は基板4の上に配置され、酸化タングステンによって水素ガスに反応して光の透過率を変化させる、いわゆる水素ガスクロミック特性を有する。触媒層3は調光層2の上に配置される白金族金属からなる。
ここで、調光層2は、触媒層3との境界までの不規則連通孔をその内部に有し、いわゆる多孔質体となっている。かかる不規則連通孔は不規則な方向に延びており、後述する製造方法に起因して得られる。このように多孔化された調光層2は、水素ガスをその内部に導くことができる。これにより、水素ガス感応性膜1は、水素ガスに対して高い反応速度を得て、良好な水素ガス感応性を有するのである。
次に、水素ガス感応性膜1の製造方法について、図2に沿って図3を用いて詳細に説明する。
図2に示すように、調光層2を得るための基層を形成する基層形成(S1)では、タングステン含有溶液の調製のステップ(S1-1)とタングステン含有溶液を塗布するステップ(S1-2)と、塗布した溶液を乾燥し基層として成膜させる乾燥ステップ(S1-3)の大きく分けて3つのステップを含む。
溶液の調製(S1-1)では、ハロゲン化タングステンに、炭素数を1〜4とするアルコール、いわゆる低級アルコールを混合する。
ハロゲン化タングステンは、一般式WXaで表わされる。Xは塩素や臭素などのハロゲンであり、aは2〜6の整数である。ハロゲン化タングステンの具体例としては、三塩化タングステン、四塩化タングステン、五塩化タングステン、六塩化タングステン、五臭化タングステン、六臭化タングステンなどが挙げられる。入手のし易さの観点から、六塩化タングステンを好適に用いることができる。
炭素数を1〜4とする低級アルコールとしては、一価の低級アルコールが好適であり、メタノール、エタノール、n-プロピルアルコール、i-プロピルアルコール等の炭素数を1〜3とするアルコールがより好適である。低級アルコールは、1種類を単独で使用しても、複数種類を混合して使用してもよい。一種類を単独で使用する場合には、反応性の観点からメタノールやエタノールが好ましく、溶液の安定性の観点ではi-プロピルアルコール、n-プロピルアルコールが好ましい。二種類を混合する場合には、例えば、体積比で、エタノール:i-プロピルアルコール=1〜10:10〜1の割合で使用することができるが、特に、エタノール:i-プロピルアルコール=2〜6:1の割合で使用することが好ましい。尚、複数のアルコールを使用する場合には、混合させる際の反応速度を鑑みて、炭素数の小さいアルコールから順に滴下することが好ましい。
タングステン含有溶液は、上記したハロゲン化タングステンと低級アルコールとを混合して調製される。タングステン含有溶液の濃度を高くすると調光層として必要な膜厚を得るための成膜の回数を減じ得るが、高すぎると、得られる調光層を灰色等の色味がかった層とし、透明な水素ガス感応性膜を作製できず好ましくない。一方で、低濃度の場合には、必要な膜厚を得るための成膜の回数が増加する。このため、タングステンを0.1〜0.5mol/Lとする濃度が好適である。さらには、タングステン含有溶液を無色透明に調製すると、初期透過率の高い透明な水素ガス感応性膜を作製できるという点で好ましい。
また、タングステン含有溶液は、酸素濃度を1体積%以下とし、露点温度を−80℃以下とするよう乾燥した窒素やアルゴンなどの不活性ガス中で調製されることが好ましい。1体積%を超える酸素濃度では、ハロゲン化タングステンと低級アルコールとの反応がうまく進行せず、最終的に得られる基板4上の膜においてガスクロミック特性を発現しづらく、また、発現しても基層から得られる調光層の耐久性を低下させてしまう。
混合においては、アルコールにハロゲン化タングステンを添加してもよいが、混合に激しい発熱反応を伴うことや作業性を鑑みて、ハロゲン化タングステンにアルコールを添加する方法が好適である。なお、発熱に伴う温度上昇を抑制するために氷冷下でアルコールを少量ずつ添加する。また、反応溶液中に水分を混入させると加水分解反応が起こり沈殿を生じてしまうため、アルコールを脱水して使用するとともに、混合の際に開放系のトラップの先にシリカゲル等の乾燥剤を設置して、大気中の水分の混入を防ぐことが好ましい。
アルコール添加後、着色溶液が生成される。溶媒の種類等によって黄、橙、緑、青等と違いを生じるが、さらに攪拌を続け、いずれの場合も、溶液の色をほとんど無色透明に変化させるまで反応させる。反応時間は溶媒の種類、溶液の濃度、室温等に依存し、1週間から1ヶ月程度である。
溶液の塗布(S1-2)では、調製したタングステン含有溶液を基板4上に塗布する。塗布法としては、スピンコーティング法、ディップコーティング法、印刷法等が好適なものとして例示されるが、これらに限らず、溶液を塗布できる同効の方法であれば、適宜の方法を利用することができる。基板4としては、ガラス、高分子基板等を用いることができる。また基板4は、予め水分や汚れを除去しておく。例えば、基板4としてガラスを用いる場合は、飽和水酸化カリウムエタノール溶液、蒸留水等で洗浄し、使用する直前に焼成することが好ましい。
乾燥(S1-3)では、塗布したタングステン含有溶液から未反応のアルコール分を除去して基層として成膜させるが、結晶化させずアモルファス相で成膜させることが好ましい。これにより、最終的に得られる水素ガス感応性膜1において、良好な水素ガス感応性、特に水素ガスクロミック特性が得られる。比較的高温、特に300℃を超えた熱処理であれば、基層として成膜された膜が結晶化し緻密化されて得られる水素ガス感応性膜1においてガスクロミックス特性を劣化させ得る。また、低温、特に20℃未満で乾燥させても、得られる膜の耐久性やガスクロミック特性が不十分となり得る。そこで、典型的には、室温〜300℃、1分から1時間程度の乾燥とし、好適には、100℃で10分程度の熱処理による乾燥であれば、比較的耐熱性の低い基板をも用い得る。
ガスクロミック特性は、得られる調光層2の膜厚、すなわち基層の膜厚にも依存する。この膜厚は、100nm〜2μmであることが好ましく、より好ましくは300nm〜1μmである。塗布(S1-2)及び乾燥(S1-3)の工程を繰り返すことにより、所望の膜厚に調整することができる。膜が厚いほどガスクロミック特性が大きく現れる傾向にあるが、厚すぎると成膜に時間がかかるだけでなく、ガスに対する応答速度が低下する。一方、薄すぎると、ガスクロミック特性が不十分となるおそれがある。
次に、成膜した基層の表面上に触媒となる金属の金属化合物の溶液からなる保護層を形成する(S2)。保護層の形成においては、溶液の調製ステップ(S2-1)を経て、この溶液を塗布するステップ(S2-2)を含む。
溶液の調製(S2-1)では、白金族金属化合物と有機溶媒とを混合し、白金族金属含有溶液を調製する。白金族金属としては、白金、パラジウムなどであり、二種以上であってもよい。白金族金属化合物としては、ビス(アセチルアセトナト)白金(II)(Pt(acac)2)、ビス(アセチルアセトナト)パラジウム(II)(Pd(acac)2)、塩化白金(IV)(PtCl4)、塩化パラジウム(II)(PdCl2)、六塩化白金酸(H2PtCl6)などが挙げられる。
用いる有機溶媒としては、白金族金属化合物を溶解できる溶媒であれば良く、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エタノールなどが挙げられる。中でも、溶解性が良く、白金族金属含有溶液の安定性が良いエチレングリコールモノメチルエーテルが好適なものとして例示される。なお、白金族金属化合物に応じて、溶解度を上げるため、溶媒に溶解助剤、例えば塩酸を添加できる。
上記した白金族金属化合物をこれらの有機溶媒に添加、攪拌して溶液を調製する。調製は、室温〜80℃以下で行うことが好ましい。80℃を超えると溶液中に沈殿が生成するおそれがある。溶液の濃度は白金族金属化合物を均一に溶媒に溶解できる範囲で設定することが好ましい。パラジウム化合物を用いる場合は0.01mol/L程度、白金化合物を用いる場合は0.01〜0.02mol/L程度の濃度が好適なものとして例示される。
また、溶液の調製(S2-1)においては、通常、特段の雰囲気制御は必要としないが、下地となる基層の保護のため、乾燥した窒素やアルゴンなどの不活性ガス中で行うことが好ましい。
さらに、溶液の調製(S2-1)において、白金族金属化合物の種類、有機溶媒の種類、白金族金属化合物の濃度により溶解度には違いがあるため、得ようとする溶液の濃度に合わせて調製の温度を適宜設定し、白金族金属化合物を均一に溶解させることが好ましい。
例えば、ビス(アセチルアセトナト)パラジウム(II)とエチレングリコールモノメチルエーテルを0.01mol/Lの濃度で調製する場合、室温下では完全には溶解されず、その後、60℃で10分間、さらに70℃で10分間加熱処理することにより完全に溶解する。60℃での加熱処理だけでは完全には溶解されず、一方、溶媒の沸点(130℃)付近の温度で加熱還流すると黒色沈殿が生成してしまうため、加熱温度に注意を要する。
一方、ビス(アセチルアセトナト)白金(II)とエチレングリコールモノメチルエーテルを0.01mol/Lの濃度で調製する場合には、室温下の攪拌で完全に溶解し均一な溶液となる。0.02mol/Lと濃度を濃くする場合、室温下では完全には溶解しないため、60℃で10分間の加熱処理を行うことにより完全に溶解する。
次に、調製した溶液を基層上に塗布し(S2-2)、保護層を形成する。塗布法としては、スピンコーティング法、ディップコーティング法、印刷法等が好適なものとして例示されるが、これらに限らず、溶液状のものを塗布できる同効の方法であれば、適宜の方法を利用することができる。
次に、図3を併せて参照すると、基板4上に形成した基層と、これに塗布した白金族金属含有溶液による保護層と、からなる水素ガス感応性膜1の前駆体1’に紫外線処理(S3)として還元性ガス雰囲気下で紫外線を照射して、保護層の白金族金属化合物を白金族金属に還元する。また、かかる紫外線処理により、タングステン含有溶液において低級アルコールとの反応生成物となったハロゲン化タングステンを、基層中において酸化タングステンにする。ここでは、基板4上に形成した前駆体1’の表面に対向させて略平板からなるガラスセル6を配置する。ガラスセル6の前駆体1’側の面にはスペーサ7が設けられ、還元性ガスを前駆体1’の表面に導く空間を設けている。ガラスセル6は還元性ガスを所定の流量で導入できるようマスフローコントローラ5に接続されている。ここで、所定の流量の還元性ガスをガラスセル6によって前駆体1’の表面に導きながら基板4の裏面側に設置された光源8から紫外線を照射する。この場合、基板4は紫外線を透過する材料からなり、例えばソーダガラスを用い得る。このように、前駆体1’に紫外線処理を施すことによって水素ガス感応性膜1を得る。
紫外線処理(S3)は水素などの還元性ガスの存在下で行う。還元性ガスは、アルゴンなどの不活性ガスで希釈されていてもよい。また、紫外線処理は、室温下で行うことが好ましく、特に紫外線を照射する前に加熱処理を行わないことが好ましい。水素ガスを用いる場合、水素ガス濃度に特に制限はないが、2体積%未満の濃度では反応に時間がかかる。一方、8体積%を超える濃度では反応を効率よく速く進め得るが、安全性に問題がある。また、水素ガス濃度を高くすると表面に水を生成しやすく、得られる調光膜の劣化を引き起こす可能性がある。従って、還元性ガスは2〜8体積%、特に3〜6体積%濃度の水素を含むアルゴンガスが好適なものとして例示される。なお、エチレングリコールモノメチルエーテル等の有機溶媒は、還元性ガスの存在下、紫外線を照射することにより蒸発し、保護層から放出される。
なお、紫外線は基板4の裏面側ではなく、前駆体1’側から照射してもよく、この場合には、ガラスセル6の外側から照射する方法と内側から照射する方法の2つの方法を用い得る。いずれの場合においても、前駆体1’に紫外線が照射されるよう、ガラスセル6の形状や材質が選定される。
また、紫外線の光源8としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯など種々の光源を使用可能である。紫外線の波長は、光源と前駆体1’の間に介在する基板4あるいはガラスセル6の紫外線透過率に応じて適宜選択すればよい。ごく一般的なソーダガラス板を使用した場合には、ソーダガラスの透過率の大きい波長領域である290〜380nmの範囲の波長を選択すればよい。紫外線の照射時間は、通常5分から1時間であり、好適には15分から30分間である。
ガスクロミック特性は白金族金属の量にも依存する。上記した白金族金属含有溶液の塗布(S2−2)及び紫外線処理(S3)の工程を繰り返すことにより、所望の白金族金属の量に調製することができる。得られる触媒層3内の白金族金属量を多くするほどガスクロミック特性として水素ガスに対する光の透過率の変化を大きくでき、また、保護膜としての効果により調光層2の耐久性も向上する傾向にある。しかし、白金族金属量が多すぎると得られる水素ガス感応性膜の色が黒っぽくなり光の透過率が低下するとともに貴重資源の無駄にもなる。0.01〜0.02mol/L程度の濃度の白金族金属含有溶液を用いる場合、1〜5層程度の積層が好適な例として示される。
なお、紫外線処理(S3)を行う前において、基層には、タングステン、ハロゲン(例:塩素)、酸素、炭素及び水素の各元素が検出された。すなわち、基層は、ハロゲン化タングステンと低級アルコールとの反応生成物の一部である有機物及びハロゲン化物をその内部に残存させているものと考えられる。かかるハロゲン化物は、紫外線処理において、その一部のハロゲン化物イオンを白金族金属イオンの還元反応に寄与させながら、有機物とともに基層から脱離してゆく。脱離する有機物及びハロゲン化物の内部生成物は表面までの移動により、基層に不規則な方向に延びる連通孔を形成し、基層から得られる調光層2を多孔化させる。また、かかる内部生成物の脱離に伴い、基層においては酸化タングステンが生成される。これにより、紫外線処理の後に得られる調光層2に水素ガスに対する感応性を与え、保護層から得られる触媒層3と併せて水素ガス感応性膜1となるのである。ここで、乾燥(S1-3)において、上記したように基層中のハロゲン化タングステン及び低級アルコールの反応生成物を結晶化させずアモルファス相で成膜させると、紫外線処理(S3)により脱離する内部生成物の移動の起点をよりランダムにできるとともに、移動を容易にすることで不規則な連通孔の形成を促進できて好ましい。
このようにして、酸化タングステンからなる調光層2の上に触媒層3として形成された白金族金属の担持された水素ガス感応性膜1が形成される。かかる水素ガス感応性膜1は、水素ガス感応性、特に水素ガスクロミック特性を有する。特に、上記したように調光層2は不規則連通孔により多孔化されており、水素ガスを調光層2の内部に導くことができる。これにより、水素ガス感応性膜1は、水素ガスに対して高い反応速度を得て、良好な水素ガス感応性を有するのである。
次に、上記した製造方法により得られた水素ガス感応性膜1について、水素ガスクロミック特性を確認するため、レーザー光の透過率の測定を行った測定結果について具体的に説明する。
まず、レーザー光の透過率の測定に用いた測定装置10及び測定方法について、図4を用いて説明する。
図4に示すように、測定装置10は、基板4上に形成した水素ガス感応性膜1の表面に対向させて、略平板からなるガラスセル6を配置する。ガラスセル6の水素ガス感応性膜1側の面にはスペーサ7が設けられ、4体積%の水素を含むアルゴンからなる水素含有ガスを水素ガス感応性膜1の表面に導く空間を設けている。ガラスセル6は水素含有ガスを所定の量だけ導入できるようマスフローコントローラ5に接続されている。基板4の裏面側には、波長670nmのレーザー光を照射できる半導体レーザー装置11が備えられ、基板4、水素ガス感応性膜1及びガラスセル6を透過したレーザー光を検出するフォトダイオード12もガラスセル6の背面側に備えられる。
上記した製造方法によって製造される後述する各実施例による水素ガス感応性膜、及び、かかる製造方法の一部を変更して製造された後述する各比較例による水素ガス感応性膜に対応する膜に対し、測定装置10を用いて、流量100ml/minの水素含有ガスの供給及び停止を60秒ごとに繰り返し、水素ガス感応性膜及びこれに対応する膜に対するレーザー光の透過率を測定した。なお、水素含有ガスの供給を停止すると、これに伴い水素ガス感応性膜1の表面には大気が導入される。
次に、上記した製造方法によって製造される各実施例による水素ガス感応性膜の製造方法の詳細及びレーザー光の透過率の測定結果について説明する。
〔実施例1〕
タングステン含有溶液の調製(S1-1)では、酸素濃度1体積%以下の露点温度を−80℃以下とする乾燥窒素雰囲気下で、三ツ口フラスコに塩化タングステン(VI)(WCl6、Strem Chemicals社製)を測り取り、これに0.25mol/Lの濃度になるように溶媒として低級アルコールを加えた。溶媒には、超脱水エタノール(和光純薬工業社製、有機合成用)と超脱水i-プロピルアルコール(和光純薬工業社製、有機合成用)を使用し、超脱水エタノール、超脱水i-プロピルアルコールの順に、体積比で4対1の割合で氷冷下において攪拌しながらゆっくり滴下し、室温下で3週間攪拌を続けた。これにより、塩化タングステン(VI)が溶解・反応し、最終的に無色透明のタングステン含有溶液を得た。
溶液の塗布(S1-2)では、この溶液を、基板上に3000rpm、30sの条件でスピンコートし、その後、乾燥(S1-3)では、100℃のホットプレート上で10分間加熱し乾燥させた。この塗布及び乾燥を5回繰り返し、厚さ約400nmの基層を形成した。なお、基板には、30mm×30mm×1mmの平板状のガラス板を用い、使用前に飽和水酸化カリウムエタノール溶液と蒸留水で洗浄した。
白金族金属含有溶液の調製(S2-1)では、乾燥窒素雰囲気下で、なすフラスコにビス(アセチルアセトナト)パラジウム(II)(和光純薬工業社製、有機合成用)を測り取り、これにエチレングリコールモノメチルエーテル(和光純薬工業社製)を0.01mol/Lの濃度になるように加え、室温下で10分間攪拌した。その後、60℃で10分間加熱後、さらに70℃で10分間加熱し、その後、室温下で一晩攪拌し、白金族金属含有溶液としてパラジウム含有溶液を得た。
白金族金属含有溶液の塗布(S2-2)では、先に作製した基層上にパラジウム含有溶液を3000rpm、30sの条件でスピンコートした。
紫外線処理(S3)においては、還元性ガスとして4体積%の水素を含むアルゴンガスを流しながら波長365nmの紫外線を15分間照射した(図3参照)。
上述のようにして作製した水素ガス感応性膜を試験装置10に取り付け(図4参照)、レーザー光の透過率を測定した。測定結果を図5に示す。
水素含有ガスの停止(図面上、「H2ガスOFF」と表記)及び供給(図面上、「H2ガスON」と表記)に対応して無色透明(透明状態)から青色(着色状態)の間で水素ガス感応性膜の色が変化するとともに、レーザー光の透過率が88〜50%の範囲で変化し、水素ガスに対して感応性を有することが確認された。応答速度としては、水素含有ガスを供給した際には60秒かけて徐々に着色状態に変化するが、水素含有ガスの供給を停止させて大気を導入すると、10秒程で元の透明状態に戻ることが確認できた。また、水素含有ガスの供給及び停止を2000回以上繰り返しても透過率の変化の幅、すなわち応答幅が大きく低下することはなかった。すなわち、水素ガス感応性膜の良好な耐久性が確認された。
〔実施例2〕
実施例1と同様にして、厚さ約400nmの基層を形成したが、パラジウム含有溶液の塗布(S2-2)、及び紫外線処理(S3)は5回繰り返して水素ガス感応性膜を得た。この水素ガス感応性膜に対するレーザー光の透過率の測定結果を図6に示す。
水素含有ガスの停止及び供給に対応して透明状態から着色状態の間で水素ガス感応性膜が変化するとともに、レーザー光の透過率が84〜58%の範囲で変化し、水素ガスに対して感応性を有することが確認された。応答速度としては、水素含有ガスを供給した際には、実施例1と同様60秒かけて徐々に着色状態に変化するが、大気を導入すると、実施例1の場合よりも応答速度は遅く、30〜60秒かけてゆっくり元の透明状態に戻ることが確認できた。また、水素含有ガスの供給及び停止を2000回以上繰り返しても応答幅は大きく低下しなかった。すなわち、水素ガス感応性膜の良好な耐久性が確認された。
〔実施例3〕
実施例1と同様にして調製したタングステン含有溶液の塗布(S1-2)及び乾燥(S1-3)を10回繰り返して、厚さ約800nmの基層を形成し、パラジウム含有溶液の塗布(S2-2)、及び紫外線処理(S3)を5回繰り返して水素ガス感応性膜を得た。この水素ガス感応性膜に対するレーザー光の透過率の測定結果を図7に示す。
水素含有ガスの停止及び供給に対応して透明状態から着色状態の間で水素ガス感応性膜が変化するとともに、レーザー光の透過率が68〜14%の範囲で大きく変化し、実施例1、2よりも応答幅の大きくなることが確認された。応答速度としては、水素含有ガスを供給した際には60秒かけて着色状態に変化するが、実施例1、2の場合よりも最初の10秒間程度では応答の速いことが分かった。また、大気を導入すると、10秒程で元の透明状態に戻ることが確認できた。さらに、水素含有ガスの供給及び停止を1500回以上繰り返しても応答幅は大きく低下しなかった。すなわち、水素ガス感応性膜の良好な耐久性が確認された。
〔実施例4〕
実施例1と同様にして、厚さ約400nmの基層を形成したが、白金族金属含有溶液の調製(S2-1)においては、ビス(アセチルアセトナト)白金(II)(和光純薬工業社製、有機合成用)を用いて、白金族金属含有溶液として白金含有溶液を得た。なお、白金含有溶液の濃度は0.01mol/Lであり、室温下で溶解させるまで10分間攪拌し、そのまま室温下で一晩攪拌して得た。また、白金含有溶液の塗布(S2-2)及び紫外線処理(S3)を5回繰り返して水素ガス感応性膜を得た。この水素ガス感応性膜に対するレーザー光の透過率の測定結果を図8に示す。
水素含有ガスの停止及び供給に対応して透明状態から着色状態の間で水素ガス感応性膜が変化するとともに、レーザー光の透過率が80〜29%の範囲で大きく変化し、水素ガスに対して感応性を有することが確認された。応答速度としては、実施例1〜3の触媒層3にパラジウムを用いた場合とは異なり、水素含有ガスを供給した際に5秒程度で完全な着色状態になり、そのまま水素含有ガスを供給し続けても透過率に変化は見られなかった。また、大気を導入した場合も、5秒程ですばやく元の透明状態に戻ることが確認され、水素ガスに対する高い応答速度を有することが確認できた。さらに、水素含有ガスの供給及び停止を2000回以上繰り返しても応答幅は大きく低下しなかった。すなわち、水素ガス感応性膜の良好な耐久性が確認された。
〔実施例5〕
実施例1と同様にして調製したタングステン含有溶液の塗布(S1-2)及び乾燥(S1-3)を10回繰り返して、厚さ約800nmの基層を形成し、実施例4と同様にして調製した白金含有溶液の塗布(S2-2)及び紫外線処理(S3)を5回繰り返して水素ガス感応性膜を得た。この水素ガス感応性膜に対するレーザー光の透過率の測定結果を図9に示す。
水素含有ガスの停止及び供給に対応して透明状態から着色状態の間で水素ガス感応性膜が変化するとともに、レーザー光の透過率が80〜9%の範囲で大きく変化し、水素ガスに対して実施例4よりも大きい応答幅を有することが確認された。応答速度としては、実施例4と同様、水素含有ガスを供給した際に5秒程度で完全な着色状態になり、そのまま水素含有ガスを供給し続けても透過率に変化は見られなかった。また、大気を導入した場合も、5秒程ですばやく元の透明状態に戻ることが確認され、水素ガスに対する高い応答速度を有することが確認できた。さらに、水素含有ガスの供給及び停止を2000回以上繰り返しても応答幅は大きく低下しなかった。すなわち、水素ガス感応性膜の良好な耐久性が確認された。
〔実施例6〕
実施例1と同様にして、厚さ約400nmの基層を形成したが、白金族金属含有溶液の調製(S2-1)においては、ビス(アセチルアセトナト)白金(II)を用いて濃度0.02mol/Lの白金含有溶液を得た。なお、かかる白金含有溶液は室温下で1時間攪拌し、その後、60℃で溶解させるまで10分間加熱し、最後に室温下で一晩攪拌して得た。また、白金含有溶液の塗布(S2-2)及び紫外線処理(S3)を5回繰り返して水素ガス感応性膜を得た。この水素ガス感応性膜に対するレーザー光の透過率の測定結果を図10に示す。
水素含有ガスの停止及び供給に対応して透明状態から着色状態の間で水素ガス感応性膜が変化し、レーザー光の透過率が79〜23%の範囲で大きく変化し、水素ガスに対して実施例4よりも大きい応答幅を有することが確認された。応答速度としては、実施例4、5と同様、水素ガスにすばやく応答し、5秒程度で完全な着色状態、あるいは透明状態になることが確認できた。さらに、水素含有ガスの供給及び停止を2000回以上繰り返しても応答幅は大きく低下しなかった。すなわち、水素ガス感応性膜の良好な耐久性が確認された。
〔実施例7〕
実施例1と同様にして調製したタングステン含有溶液の塗布(S1-2)及び乾燥(S1-3)を10回繰り返して、厚さ約800nmの基層を形成し、実施例6と同様にして調製した濃度0.02mol/Lの白金含有溶液の塗布(S2-2)及び紫外線処理(S3)を5回繰り返して水素ガス感応性膜を得た。この水素ガス感応性膜に対するレーザー光の透過率の測定結果を図11に示す。
水素含有ガスの停止及び供給に対応して透明状態から着色状態の間で水素ガス感応性膜が変化し、レーザー光の透過率が70〜8%の範囲で大きく変化し、水素ガスに対して大きい応答幅を有することが確認された。応答速度としては、実施例4〜6と同様、水素ガスにすばやく応答し、5秒程度で完全な着色状態、あるいは透明状態になることが確認できた。さらに、水素含有ガスの供給及び停止を2000回以上繰り返しても応答幅は大きく低下しなかった。すなわち、水素ガス感応性膜の良好な耐久性が確認された。
〔実施例8〕
タングステン含有溶液の調製(S1-1)において、溶媒として加える低級アルコールを超脱水i-プロピルアルコールのみとし、実施例1と同様に厚さ約400nmの基層を形成し、実施例1と同様にして調製したパラジウム含有溶液の塗布(S2-2)及び紫外線処理(S3)を1回行って、水素ガス感応性膜を得た。この水素ガス感応性膜に対するレーザー光の透過率の測定結果を図12に示す。
水素含有ガスの停止及び供給に対応して透明状態から着色状態の間で水素ガス感応性膜が変化し、応答幅はそれほど大きくはないが水素ガスに対して感応性を有することが確認された。同様の膜厚である実施例1と比較して水素ガスに対する感応性及び耐久性は劣るが、水素含有ガスの供給及び停止の繰り返しに対して100回程度の耐久性を有しており、水素センサーや水素の可視化シートとしての利用が考えられる。また、タングステン含有溶液の調製(S1-1)に1種類の溶媒を単独で使用しているため、合成操作がより簡便になるという利点がある。
〔実施例9〕
タングステン含有溶液の調製(S1-1)において、溶媒として加える低級アルコールを超脱水エタノールのみとし、実施例1と同様に厚さ約400nmの基層を形成し、実施例1と同様にして調製したパラジウム含有溶液の塗布(S2-2)及び紫外線処理(S3)を1回行って、水素ガス感応性膜を得た。この水素ガス感応性膜に対するレーザー光の透過率の測定結果を図13に示す。
水素含有ガスの停止及び供給に対応して透明状態から着色状態の間で水素ガス感応性膜が変化し、応答幅はそれほど大きくはないが水素ガスに対して感応性を有することが確認された。実施例8と同様、同様の膜厚である実施例1と比較して水素ガスに対する感応性及び耐久性は劣るが、水素含有ガスの供給及び停止の繰り返しに対して150回程度の耐久性を有しており、水素センサーや水素の可視化シートとしての利用が考えられる。また、タングステン含有溶液の調製(S1-1)に1種類の溶媒を単独で使用しているため、合成操作がより簡便になるという利点がある。
〔実施例10〕
タングステン含有溶液の調製(S1-1)において、溶媒として加える低級アルコールを超脱水メタノール(和光純薬工業社製、有機合成用)に変え、実施例1と同様に厚さ約400nmの基層を形成し、実施例1と同様にして調製したパラジウム含有溶液の塗布(S2-2)及び紫外線処理(S3)を1回行って、水素ガス感応性膜を得た。この水素ガス感応性膜に対するレーザー光の透過率の測定結果を図14に示す。
水素含有ガスの停止及び供給に対応して透明状態から着色状態の間で水素ガス感応性膜が変化し、水素ガスに対して感応性を有することが確認された。同様の膜厚である実施例1と比較して水素ガスに対する応答幅及び耐久性は劣るが、実施例8、9に比べて応答幅は大きく耐久性も高く、水素センサーや水素の可視化シートとしての利用が考えられる。また、タングステン含有溶液の調製(S1-1)に1種類の溶媒を単独で使用しているため、合成操作がより簡便になるという利点がある。
〔実施例11〕
実施例1と同様にして、厚さ約400nmの基層を形成したが、白金族金属含有溶液の調製(S2-1)においては、塩化パラジウム(PdCl2、和光純薬工業社製、有機合成用)及び1%の濃度の塩酸エタノール溶液を用いて白金族金属含有溶液として実施例1とは異なるパラジウム含有溶液を得た。なお、このパラジウム含有溶液の濃度は0.01mol/Lであり、室温下で1時間攪拌し、その後、60℃で1時間加熱後、室温下で一晩攪拌して得た。また、このパラジウム含有溶液の塗布(S2-2)及び紫外線処理(S3)を5回繰り返して水素ガス感応性膜を得た。この水素ガス感応性膜に対するレーザー光の透過率の測定結果を図15に示す。
水素含有ガスの停止及び供給に対応して透明状態から着色状態の間で水素ガス感応性膜が変化し、レーザー光の透過率が81〜43%の範囲で変化する様子が確認されたが、水素含有ガスの供給及び停止の繰り返し回数が300回を超える頃から少しずつ応答幅は小さくなった。しかし、同様の膜厚である同じパラジウムを触媒として使用した実施例2と比較すると、初期段階の応答幅が大きいこと、触媒層の原料である塩化パラジウムのコストが安いという利点がある。
〔実施例12〕
実施例1と同様にして、厚さ約400nmの基層を形成したが、白金族金属含有溶液の調製(S2-1)においては、塩化白金酸(H2PtCl6・6H2O、和光純薬工業社製、特級)及びエタノールを用いて白金族金属含有溶液として実施例4とは異なる白金含有溶液を得た。なお、この白金含有溶液の濃度は0.01mol/Lであり、室温下で攪拌して溶解させ、そのまま室温下で一晩攪拌して得た。また、この白金含有溶液の塗布(S2-2)及び紫外線処理(S3)を5回繰り返して水素ガス感応性膜を得た。この水素ガス感応性膜に対するレーザー光の透過率の測定結果を図16に示す。
水素含有ガスの停止及び供給に対応して透明状態から着色状態の間で水素ガス感応性膜が変化し、レーザー光の透過率が74〜47%の範囲で変化する様子が確認された。また、水素含有ガスの供給及び停止を2000回以上繰り返しても応答幅は大きく低下しなかった。すなわち、水素ガス感応性膜の良好な耐久性が確認された。同様の膜厚である同じ白金を触媒として使用した実施例4と比較すると応答幅で劣るが、パラジウムを触媒として使用した実施例2と同等以上の感応性が発現されており、より有効である。また、原料である塩化白金酸はビス(アセチルアセトナト)白金(II)よりも安いため、コスト的にも有効である。
実施例1〜12に示したように、上記した製造方法により得た水素ガス感応性膜1は、良好な水素ガス感応性を有することが確認された。特に、触媒層3の触媒としてパラジウムよりも白金を使用する方が高い応答速度を得て、また、調光層2の膜厚を厚くする方がより大きな応答幅を得ることがわかった。また、耐久性においては白金族金属の量を増加させたときに高い傾向が見られた。その中でも、厚さ約800nm程度の基層上に、濃度0.01mol/Lの白金含有溶液の塗布及び紫外線処理を5回繰り返して白金触媒を担持させた実施例5がより高い応答速度と大きな応答幅を有し、耐久性の高い、すなわち水素ガス感応性のより良好な水素ガス感応性膜であった。
次に、比較例として上記した製造方法の一部を変更して得た水素ガス感応性膜に対応する膜の製造方法の詳細とレーザー光の透過率の測定結果について説明する。
〔比較例1〕
タングステン含有溶液の調製(S1-1)において溶媒として低級アルコールではなくエチレングリコールモノメチルエーテルを用いて、実施例1と同様の方法によりタングステン含有溶液の調製を試みた。しかし、1ヶ月間の攪拌にもかかわらず、溶液は濃茶色のままであり、無色透明の溶液を得ることはできなかった。この溶液を実施例1と同様の方法により基板上に塗布し乾燥させたが、透明な膜は得られなかったため、これ以上の製造を行わず、透過率の測定も行わなかった。
〔比較例2〕
実施例1と同様に厚さ約400nmの基層を形成し、実施例1と同様にして調製したパラジウム含有溶液を塗布したが、紫外線の照射を行わず、還元性ガスである4体積%の水素を含むアルゴンガスに15分間曝した。実施例1と同様に、このようにして得た膜に対するレーザー光の透過率を測定した。測定結果を図17に示す。
水素含有ガスの供給及び停止に対応した光透過率の変化は認められないことが確認された。パラジウム化合物が金属パラジウムに還元されていないためと考えられる。
〔比較例3〕
実施例1と同様に厚さ約400nmの基層を形成し、実施例1と同様にして調製したパラジウム含有溶液を塗布したが、15分間の紫外線の照射を大気中で行った。実施例1と同様に、このようにして得た膜に対するレーザー光の透過率を測定した。測定結果を図18に示す。
水素含有ガスの供給及び停止に対応してレーザー光の透過率に若干の変化は認められたものの、観察される色としての変化は認められなかった。パラジウム化合物の金属パラジウムへの還元が不十分であるためと考えられる。
〔比較例4〕
スパッタリング法により三酸化タングステン(WO3)の膜を基板上に得て、実施例6と同様に調製した濃度0.02mol/Lの白金含有溶液を用いて塗布(S2-2)及び紫外線処理(S3)を5回繰り返して膜を得た。実施例1と同様に、この膜に対するレーザー光の透過率を測定した。測定結果を図19に示す。
水素含有ガスの供給及び停止に対応した光透過率の変化は認められないことが確認された。紫外線処理の前において三酸化タングステンの膜にハロゲン化物イオンが含まれていないため、紫外線処理によっても白金化合物が金属白金に還元されなかったものと考えられる。
〔比較例5〕
実施例1と同様の方法により調製したタングステン含有溶液を、サンプル瓶に測り取った塩化白金酸に加え、塩化白金酸の濃度を0.01mol/Lとするタングステン・白金含有溶液を室温下で攪拌して得た。この溶液を基板上に塗布し、実施例1と同様の紫外線処理を行った。かかる塗布及び紫外線処理を5回繰り返し、無色透明のタングステン・白金含有混合膜を得た。実施例1と同様に、この膜に対するレーザー光の透過率を測定した。測定結果を図20に示す。
水素含有ガスの供給及び停止に対応した光透過率の変化はほとんど認められないことが確認された。これは、紫外線処理において、タングステン・白金含有溶液及びこれによる膜中に分散された白金化合物まで還元反応に必要な水素が充分に届かず、白金化合物が金属白金に還元されなかったためと考えられる。
以上、本発明による実施例、これに基づく変形例を説明したが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではなく、当業者であれば、本発明の主旨又は添付した特許請求の範囲を逸脱することなく、様々な代替実施例及び改変例を見出すことができるであろう。
1 水素ガス感応性膜
2 調光層
3 触媒層
4 基板

Claims (10)

  1. 酸化タングステンからなる調光層上に触媒層を与えた水素ガス感応性膜であって、内部生成物を脱離させたことによる前記触媒層境界への不規則連通孔を前記調光層に有することを特徴とする水素ガス感応性膜。
  2. 酸化タングステンからなる調光層上に触媒層を与えた水素ガス感応性膜の製造方法であって、
    ハロゲン化タングステンと炭素数を1〜4とするアルコールとを混合して調製した溶液を基板上に塗布して乾燥させる基層形成工程と、
    この上に白金族金属化合物と有機溶媒とを混合して調製した溶液を塗布する保護層形成工程と、
    還元性ガス雰囲気下で紫外線を照射し前記ハロゲン化タングステンを酸化タングステンに、前記白金族金属化合物を白金族金属にする紫外線処理工程と、を含むことを特徴とする水素ガス感応性膜の製造方法。
  3. 前記紫外線処理工程は前記アルコール及び前記ハロゲン化タングステン由来の有機物及びハロゲン化物の脱離による前記触媒層境界への不規則連通孔を前記調光層に与えることを特徴とする請求項2記載の水素ガス感応性膜の製造方法。
  4. 前記ハロゲン化タングステンは六塩化タングステンであって、前記白金族金属化合物は六塩化白金酸、ビス(アセチルアセトナト)白金(Pt(acac)2)、二塩化パラジウム、ビス(アセチルアセトナト)パラジウム(Pd(acac)2)のいずれか1つを含むことを特徴とする請求項3記載の水素ガス感応性膜の製造方法。
  5. 前記アルコールは、メタノール、エタノール、n-プロピルアルコール、i-プロピルアルコールの1又は複数からなることを特徴とする請求項2乃至4のうちの1つに記載の水素ガス感応性膜の製造方法。
  6. 前記アルコールは、i-プロピルアルコールに対してエタノールを体積比で2〜6倍の範囲で混合したものであることを特徴とする請求項5記載の水素ガス感応性膜の製造方法。
  7. 前記有機溶媒は、エチレングリコールモノメチルエーテル及び/又はエタノールであることを特徴とする請求項2乃至6のうちの1つに記載の水素ガス感応性膜の製造方法。
  8. 前記ハロゲン化タングステン及び前記アルコールの混合は、少なくとも1体積%以下の酸素濃度の不活性ガス雰囲気下で行われることを特徴とする請求項2乃至7のうちの1つに記載の水素ガス感応性膜の製造方法。
  9. 前記基層形成工程は、アモルファス相で成膜させることを特徴とする請求項2乃至8のうちの1つに記載の水素ガス感応性膜の製造方法。
  10. 前記還元性ガス雰囲気は水素ガス雰囲気であることを特徴とする請求項2乃至9のうちの1つに記載の水素ガス感応性膜の製造方法。

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