JP2016158429A - 回転電機の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】界磁電流による界磁磁束とは反対方向の磁束が発生するようにd軸電流を出力する回転電機の制御装置において、d軸電流を流すことで生じる不都合を解消する。【解決手段】界磁巻線12を有するロータ11と、電機子巻線14を有するステータ13と、を備える回転電機10に適用され、界磁巻線12に供給される界磁電流、及び、電機子巻線14に供給される電機子電流を制御する回転電機10の制御装置40であって、電機子巻線14に流れる電流をdq軸座標系上においてd軸電流及びq軸電流の組から成る電流ベクトルで表す場合に、回転電機10に対するトルク指令値の増加に伴う界磁電流の増加の開始後であることを条件として、界磁電流による界磁磁束とは反対方向の磁束が発生する向きでd軸電流を増加させ、その後、d軸電流を所定時間にわたって徐々に減少させる。【選択図】 図1

Description

本発明は、界磁巻線型の回転電機を制御する制御装置に関する。
車両において、回生発電を行う発電機と、内燃機関の始動用トルクを発生させる電動機とを兼ねる界磁巻線型の回転電機が用いられている。このような発電機と電動機とを兼ねる回転電機の界磁巻線では、界磁電流の時定数が大きく、界磁電流の立ち上がりに時間を要し、トルク要求に対する応答性が低下するという問題点が知られている。
この問題点を解消すべく、界磁電流の給電開始と同時以前から界磁電流による界磁磁束とは反対方向の磁束が発生するように電機子巻線に電機子電流を流すことで、界磁巻線の自己インダクタンスを打ち消し、また、界磁電流を立ち上げる方向に電磁誘導を行う構成が特許文献1に記載されている。
特開2004−144019号公報
d軸電流は、回転電機のトルクへの寄与が小さいため、流し続けると電力損失が発生する。このd軸電流を流し続けることに関する不都合について、特許文献1には記載されていない。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、界磁電流による界磁磁束とは反対方向の磁束が発生するようにd軸電流を出力する回転電機の制御装置において、d軸電流を流すことで生じる不都合を解消することを主たる目的とする。
本発明は、界磁巻線(12)を有する回転子(11)と、電機子巻線(14)を有する固定子(13)と、を備える回転電機(10)に適用され、前記界磁巻線に供給される界磁電流、及び、前記電機子巻線に供給される電機子電流を制御する回転電機の制御装置(40)であって、前記電機子巻線に流れる電流をdq軸座標系上においてd軸電流及びq軸電流の組から成る電流ベクトルで表す場合に、前記回転電機に対するトルク指令値の増加に伴う前記界磁電流の増加の開始後であることを条件として、前記界磁電流による界磁磁束とは反対方向の磁束が発生する向きで前記d軸電流を増加させ、その後、前記d軸電流を所定時間にわたって徐々に減少させることを特徴とする。
上記構成によれば、d軸電流によって界磁電流の応答性が向上される。さらに、界磁電流の増加の開始後にd軸電流を出力し始めることで、d軸電流の増加分の全てが界磁巻線における誘導電流に寄与することになる。さらに、d軸電流を増加させた後にd軸電流を減少させることで、電力損失を低減する。ここで、d軸電流を減少させると、誘導電流によって界磁電流が減少する。この界磁電流の減少により、界磁電流の応答性が低下することが懸念される。そこで、d軸電流を徐々に減少させることで、誘導電流による界磁電流の減少を抑制し、界磁電流の応答性の低下を抑制することができる。このように、本発明の構成によれば、d軸電流を流すことで生じる不都合を解消することができる。
本実施形態の電気的構成図。 界磁電流の遅れを表す図。 dq軸モデルで表した回転電機のモデル図。 本実施形態の機能ブロック図。 界磁電流の時間変化を表すタイミングチャート。 出力トルクの時間変化を表すタイミングチャート。 異なるトルク指令値における出力トルクの時間変化を表すタイミングチャート。
以下、本発明にかかる制御装置を車載主機としてエンジンを備える車両に適用した第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、回転電機10は、多相巻線を有する巻線界磁型回転電機であり、具体的には、3相巻線を有する巻線界磁型同期回転電機である。本実施形態では、回転電機10として、スタータ及びオルタネータ(発電機)の機能を統合したISG(Integrated Starter Generator)を想定している。特に本実施形態では、エンジンの初回の始動に加えて、所定の自動停止条件が成立する場合にエンジンを自動停止させ、その後、所定の再始動条件が成立する場合にエンジンを自動的に再始動させるアイドリングストップ機能を実行する場合にも、回転電機10がスタータとして機能する。
回転電機10を構成するロータ11(回転子)は、界磁巻線12を備え、また、エンジンのクランク軸と動力伝達が可能とされている。本実施形態において、ロータ11は、ベルトを介してクランク軸に連結(より具体的には直結)されている。回転電機10のステータ13(固定子)には、電機子巻線14が巻回されている。電機子巻線14は、異なる中性点を有する3相巻線からなる。
回転電機10の電機子巻線14には、インバータ20が接続されている。インバータ20には、直流電源21が接続されている。インバータ20は、U,V,W相高電位側スイッチSUp,SVp,SWpと、U,V,W相低電位側スイッチSUn,SVn,SWnとの直列接続体を3組備えている。U,V,W相における上記直列接続体の接続点は、電機子巻線14のU,V,W相の端子に接続されている。
本実施形態では、各スイッチSUp〜SWnとして、NチャネルMOSFETを用いている。そして、各スイッチSUp〜SWnにはそれぞれ、還流ダイオードDUp〜DWnが並列に接続されている。なお、各還流ダイオードDUp〜DWnは、各スイッチSUp〜SWnのボディーダイオードであってもよい。また、各スイッチSUp〜SWnとしては、NチャネルMOSFETに限らず、例えばIGBTであってもよい。
インバータ20の高電位側の端子(各高電位側スイッチのドレイン側の端子)には、直流電源21の正極端子が接続されている。低電位側の端子(各低電位側スイッチのソース側の端子)には、直流電源21の負極端子が接続されている。
界磁巻線12には、界磁電流出力部22によって直流電圧が印加可能とされている。界磁電流出力部22は、直流電源21から供給される電力を用いて、界磁巻線12に印加する界磁電圧Vfを調整することにより、界磁巻線12に流れる界磁電流Ifを制御する。このように、電機子巻線14及び界磁巻線12は共通の直流電源21から電力を供給される。
制御装置40は、界磁電流検出部30から界磁電流Ifの検出値を取得する。そして、制御装置40は、界磁電流Ifをその指令値If*にフィードバック制御するための操作量として、界磁巻線12に印加する界磁電圧Vfの指令値である界磁電圧指令値Vf*を算出する。本実施形態では、界磁電流Ifの実際値と界磁電流指令値If*との偏差に基づく比例積分制御によって界磁電圧指令値Vf*を算出する。
また、制御装置40は、回転電機10のトルク指令値T*と回転角速度ωに基づき、d軸電流Idの指令値であるd軸電流指令値Id*、及び、q軸電流Iqの指令値であるq軸電流指令値Iq*を算出する。ここで、d軸電流Id及びq軸電流Iqは、dq軸座標系上におけるd軸電流及びq軸電流の組から成る電流ベクトルの要素である。
制御装置40は、d軸電流指令値Id*、及び、q軸電流指令値Iq*に基づき、操作信号gUp〜gWnを生成する。より具体的には、d軸電流指令値Id*、q軸電流指令値Iq*、及び、相電流検出部31から取得した相電流IV,IWの検出値に基づいて、各相の指令電圧VU*,VV*,VW*を算出する。そして、指令電圧VU*,VV*,VW*と、キャリア信号tp(例えば三角波信号)との大小比較に基づくPWM処理によって操作信号gUp〜gWn生成する。
そして、制御装置40は、生成された操作信号gUp〜gWnをインバータ20に出力する。これにより、電機子巻線14のU,V、W相には、電気角で互いに位相が120度ずれた正弦波状の電圧が印加され、電気角で互いに位相が120度ずれた正弦波状の電流が流れることとなる。
ここで、界磁巻線型の回転電機10の出力トルクTは、
T=Pn{φa・Iq+(Ld−Lq)Id・Iq}
と表すことができる。Pnはロータ11の極対数、φaは界磁磁束、Iqはq軸電流、Ldはd軸インダクタンス、Lqはq軸インダクタンスである。
界磁巻線型の回転電機10は、SPMモータ(SPM: Surface Permanent Magnet)と同様に、d軸インダクタンスLdの大きさとq軸インダクタンスLqの大きさは等しいと見なすことができる。このため、出力トルクTは、
T=Pn・φa・Iq
と表すことができる。
界磁巻線型の回転電機10において、φa=Lf・Ifであるため、出力トルクTは、
T=Pn・Lf・If・Iq
と表すことができる。ここで、Lfは界磁インダクタンス、Ifは界磁電流である。つまり、回転電機10は、界磁電流If及びq軸電流Iqを適切に調整することで、出力トルクTを制御することができる。
図2に界磁電流Ifの出力値を指令する界磁電流指令値If*と、界磁電流Ifの実際値との関係を示す。時刻T1において、トルク指令値T*が増加することで、界磁電流指令値If*がステップ関数的に増加する。トルク指令値T*は、エンジンの再始動時や、エンジン駆動の補助時において増加する。ここで、界磁巻線12の自己インダクタンスLfは、電機子巻線14のインダクタンスLd,Lqに比べて大きく、界磁巻線12の時定数は大きくなる。このため、界磁電流Ifが界磁電流指令値If*に達する時刻T2までに遅れ時間が生じる。これにより、トルク応答性が悪化するという問題がある。
そこで、本実施形態の構成では、d軸電流Idを時間変化させることで、d軸インダクタンスLdによって生じるd軸磁束φdを変化させる。そして、d軸磁束φdの変化によって、界磁巻線12に電磁誘導を生じさせることで、界磁電流Ifと同じ向きに誘導電流ΔIfを流す構成とする。
図3に回転電機10をdq軸モデルで表した図を示す。界磁巻線12の自己インダクタンスLfによる界磁磁束φaと、d軸インダクタンスLdによるd軸磁束φdとは、対向して生じる。
d軸電流Idが変化する場合に、d軸インダクタンスLdに生じるd軸磁束φdの時間変化量D(φd)は、
D(φd)=D(Ld・Id)=Ld・D(Id)
として表すことができる。ここで、Dは微分演算子(d/dt)である。
さらに、界磁巻線12の自己インダクタンスLfと電機子巻線14のd軸インダクタンスLdとの結合係数をkとすると、d軸磁束φdの時間変化量D(φd)は、
D(φa)=k・D(φd)
として表すことができる。
界磁巻線12に生じる誘導電圧Vmは、
Vm=−D(φa)=−k・D(φd)=−k・Ld・D(Id)
と表すことができる。この誘導電圧Vmによる誘導電流ΔIfは、
ΔIf=Vm/Zf=−k・Ld/Zf・D(Id)
と表すことができる。
ここで、界磁電流Ifと同じ向き(正の向き)の誘導電流ΔIfを発生させることで、界磁電流Ifの時間遅れを補うことができる。界磁電流Ifを正の値とするには、d軸電流Idの微分値D(Id)を負の値にすればよい。つまり、界磁電流Ifによる界磁磁束φaとは反対方向のd軸磁束φdが発生する向きでd軸電流Idを増加させることで、界磁電流Ifを増加させることができる。d軸電流Idを急峻に増加させることで、効率的に誘導電流ΔIfを発生させることができる。このため、本実施形態では、d軸電流idを増加させ始める際に、界磁巻線12による界磁磁束φaとは反対方向の磁束φdが発生する向きでd軸電流Idをステップ関数状に増加させる構成とする。
また、d軸電流Idは、出力トルクTの発生に対する寄与が小さいため、d軸電流Idを増加させ続けると、電力損失が大きくなる。そこで、本実施形態では、d軸電流Idを増加させた後、d軸電流Idを減少させる。d軸電流Idの減少により、界磁電流Ifと逆方向の誘導電流ΔIfが発生する。この界磁電流Ifと逆方向の誘導電流ΔIfを抑制するために、d軸電流Idを所定時間にわたって徐々に減少させる構成とする。
図4に本実施形態の制御装置40の機能ブロック図を示す。基準値生成部41は、ロータ11の回転角速度ω、トルク指令値T*、及び、界磁電流指令値If*に基づいて、ベクトル制御におけるd軸電流基準値Id_bを生成する。
ステップ応答生成部43は、界磁電流指令値If*が増加したことを条件として、振幅λdのステップ関数を出力する。振幅λdは0以下の値である。ステップ応答生成部43の出力はハイパスフィルタ44に入力される。ハイパスフィルタ44の伝達関数は、τs/(1+τs)である。ハイパスフィルタ44にステップ関数が入力されると、急峻に立ち上がった後、時定数をτとする指数関数状に減衰する信号が出力される。ハイパスフィルタ44の時定数τは、界磁巻線12の時定数より大きく設定されている。
加算部45は、基準値生成部41から出力されるd軸電流基準値Id_bと、ハイパスフィルタ44から出力されるd軸電流Idの補正値とを加算し、d軸電流指令値Id*として出力する。PI演算部42は、加算部45から出力されるd軸電流指令値Id*と、d軸電流Idの検出値との偏差に基づくPI演算を実施する。
PI演算部42から出力されるd軸電圧の目標値Vd*は、q軸電圧の目標値Vq*とともに、座標変換器(図示略)によって、dq軸座標系からUVW座標系に変換される。そして、PWM変換器(図示略)により、各相の目標電圧Vu*,Vv*,Vw*に基づいて、各スイッチSUp〜SWnのデューティが設定される。
図5として、ステップ関数の振幅λdを異なる値に設定した場合における界磁電流Ifの応答性を表すタイミングチャートを示す。ステップ関数の振幅λdは、それぞれ、条件A:0A(破線)、条件B:−50A(実線)、条件C:−100A(一点鎖線)と設定されている。条件Aは、d軸電流Idによる界磁巻線12の電磁誘導を行わない従来の制御に相当する。なお、回転電機10の回転速度は一定(100rpm)に保たれている。
時刻T10において、トルク指令値T*の変化に応じて、界磁電流指令値If*が、1Aから4.5Aとされる。時刻T10の後、トルク指令値T*の増加に基づいて、d軸電流基準値Id_bが−10Aとされる。更に、ステップ関数が加算されることで、d軸電流指令値Id*が、条件Bでは−60Aとされ、条件Cでは−110Aとされる。
条件B,Cでは、d軸電流Idの急峻な立ち上がりにより、誘導電流ΔIfが発生し、界磁電流Ifが急峻に立ち上がる。その後、d軸電流指令値Id*は減少する。これにより、d軸電流Idによる誘導電流ΔIfは、界磁電流Ifと逆方向に発生する。しかし、d軸電流指令値Id*は指数関数状に減衰するため、d軸電流Idの急峻な立ち上がりにより発生した誘導電流ΔIfによる界磁電流Ifの増加に比べて、界磁電流Ifの減少の影響を抑制することができる。
条件B,Cにおける波形の比較により、ステップ関数の振幅λdを大きく設定するほど、界磁電流Ifの応答性が向上することを示している。なお、ステップ関数の振幅λdを大きく設定するほど、d軸電流指令値Id*の減少速度が大きくなり、界磁電流Ifと逆向き(負の向き)の誘導電流ΔIfが大きくなる。その結果、時刻T10から時間が経過した時刻T11以降において、条件Cにおける界磁電流Ifが、条件Bにおける界磁電流Ifよりもわずかに小さくなっている。
図6として、d軸電流Idによる電磁誘導を実施する場合(実線)と、実施しない場合(破線)の出力トルクTの変化を表すタイミングチャートを示す。図6におけるステップ関数の振幅λdは、−100Aである。
図6(a)に示す時刻T20において、トルク指令値T*が2Nmから10Nmに増加する。トルク指令値T*の増加に応じて、界磁電流指令値If*が増加する。界磁電流指令値If*の増加に伴う界磁電流Ifの増加後にd軸電流Idが流れることで誘導電流ΔIfが発生する。これにより、d軸電流Idによる電磁誘導を実施しない場合に比べて、d軸電流Idによる電磁誘導を実施した場合、急峻に界磁電流Ifが立ち上がる。
界磁電流Ifが急峻に立ち上がることで、出力トルクTの応答性が向上する。具体的には、出力トルクTが9Nm(トルク指令値T*の90%)に達するまでの時間を、d軸電流Idによる電磁誘導を実施した場合とd軸電流Idによる電磁誘導を実施しない場合とで比較すると、図6(b)に示すように、立ち上がり時間を半減させることが可能となっている。
図7として、異なるトルク指令値T*における出力トルクTの変化を表すタイミングチャートを示す。図7(a)では、トルク指令値T*を2Nmから20Nmに、図7(b)では、トルク指令値T*を2Nmから25Nmに、図7(c)では、トルク指令値T*を2Nmから30Nmにそれぞれ増加させている。
図7(a)に示す条件下では、出力トルクTがトルク指令値T*の90%(18Nm)に達するまでの時間が、約70%に短縮されている。図7(b)に示す条件下では、出力トルクTがトルク指令値T*の90%(22.5Nm)に達するまでの時間が、約80%に短縮されている。図7(c)に示す状況下では、出力トルクTがトルク指令値T*の90%(28Nm)に達するまでの時間が、約85%に短縮されている。トルク指令値T*が増加した場合であっても、本実施形態の構成によりトルク応答性が向上している。
以下、本実施形態の効果を述べる。
界磁電流Ifの増加時において、界磁電流Ifによる界磁磁束φaとは反対の方向のd軸磁束φdが発生する向きでd軸電流Idを増加させることで、界磁電流Ifと同じ向きの誘導電流ΔIfを生じさせる。この誘導電流ΔIfによって、界磁電流Ifの応答性を向上させることができる。さらに、界磁電流Ifの増加の開始後にd軸電流Idを出力し始めることで、d軸電流Idの増加分の全てが界磁電流Ifの立ち上がりに寄与することになる。
ここで、d軸電流Idは、回転電機10の出力トルクTへの寄与が小さいため、流し続けると電力損失が生じる。そこで、d軸電流Idを増加させた後に減少させることで、電力損失を低減することができる。d軸電流Idを増加させた後で、d軸電流Idを減少させると、誘導電流ΔIfによって界磁電流Ifが減少する。この界磁電流Ifの減少により、界磁電流Ifの応答性が低下することが懸念される。そこで、d軸電流Idを徐々に減少させることで、誘導電流ΔIfによる界磁電流Ifの減少を抑制し、界磁電流Ifの応答性の低下を抑制することができる。
d軸電流Idをステップ関数状に増加させることで、界磁巻線12に対して効果的に誘導電流ΔIfを発生させることができる。さらに、d軸電流Idを指数関数状に減衰させることで、d軸電流Idの大きさが減少することに伴う界磁電流Ifの減少を抑制することができる。
具体的には、ステップ関数状の信号を生成し、その信号に対してハイパスフィルタ44を適用した値を、d軸電流基準値Id_bに加算することでd軸電流指令値Id*を算出する構成とした。このような構成とすることで、d軸電流Idをステップ関数状に急激に増加させた直後にd軸電流Idが指数関数状に減衰することになり、出力トルクTへの寄与が少ない無駄な電流を抑制することができる。
また、界磁巻線12の時定数より長い時間をかけてd軸電流Idを徐々に減少させる構成とした。このような構成にすることで、界磁電流Ifが増加して目標値に近づくのを阻害することなく、d軸電流Idを減少させることができる。
本実施形態において、界磁巻線12は界磁電流出力部22を介して、電機子巻線14はインバータ20を介して、共通の直流電源21から電力を供給されている。このため、大きなd軸電流Idを流すことで、直流電源21に電圧降下が生じ、インバータ20の出力が低下することが懸念される。そこで、d軸電流Idを増加させた後にd軸電流Idを減少させることで、d軸電流Idの過度の増加によって直流電源21に電圧降下が生じ、電圧降下によって界磁電流Ifが減少し、かえって界磁電流Ifの応答性が低下することを抑制できる。
(他の実施形態)
・図7に示すように、ステップ関数の振幅λdを一定とすると、トルク指令値T*、即ち、界磁電流指令値If*が大きくなるほど応答速度向上の効果が小さくなる。また、図5に示すように、ステップ関数の振幅λdを大きくすると、より大きい誘導電流ΔIfが流れ、界磁電流Ifの応答性向上の効果が大きくなる。また、界磁電流Ifと電機子電流Id,Iqとを同じ直流電源21から生成する構成では、過度にd軸電流Idの大きさを大きくすると、電機子電流Id,Iqによる電圧降下により界磁電流Ifが小さくなり、かえって界磁電流Ifの応答性が低くなることが懸念される。
そこで、変形例におけるステップ応答生成部42(図4)は、界磁電流指令値If*の大きさに基づいて、d軸電流Idの増加量を調整する構成とする。例えば、電機子電流Id,Iqによる電圧降下の影響が小さい領域では、界磁電流指令値If*が大きいほど、d軸電流Idの増加量を大きくする。具体的には、ステップ関数の振幅λdを調整する。これにより、界磁電流Ifの大きさが変化した場合に、好適に界磁電流Ifの応答性を向上させることが可能になる。
・上記実施形態では、d軸電流Idをステップ関数状に増加させる構成としたが、これを変更してもよい。例えば、n次関数状に増加させる構成としてもよいし(nは1以上の整数)、指数関数状に増加させる構成としてもよい。
・上記実施形態では、d軸電流指令値Id*の大きさを増加させた直後にd軸電流指令値Id*の大きさを減少させる構成としたが、これを変更し、d軸電流指令値Id*の大きさの増加後、所定時間にわたって、d軸電流指令値Id*を一定に保つ構成としてもよい。また、上記実施形態では、d軸電流指令値Id*の大きさを増加させた後に、d軸電流指令値Id*の大きさを指数関数状に減衰させる構成としたが、これを変更してもよい。例えば、1次関数状に減少させる構成としてもよい。
・上記実施形態では、界磁電流Ifを供給する電源と電機子電流Id,Iqを供給する電源として、共通の直流電源21を用いる構成としたが、これを変更し、異なる電源から界磁巻線12と電機子巻線14に電力を供給する構成としてもよい。
・ハイパスフィルタ44の時定数τは、界磁巻線12の時定数より小さいものであってもよい。
10…回転電機、11…ロータ(回転子)、12…界磁巻線、13…ステータ(固定子)、14…電機子巻線、40…制御装置。

Claims (7)

  1. 界磁巻線(12)を有する回転子(11)と、電機子巻線(14)を有する固定子(13)と、を備える回転電機(10)に適用され、
    前記界磁巻線に供給される界磁電流、及び、前記電機子巻線に供給される電機子電流を制御する回転電機の制御装置(40)であって、
    前記電機子巻線に流れる電流をdq軸座標系上においてd軸電流及びq軸電流の組から成る電流ベクトルで表す場合に、前記回転電機に対するトルク指令値の増加に伴う前記界磁電流の増加の開始後であることを条件として、前記界磁電流による界磁磁束とは反対方向の磁束が発生する向きで前記d軸電流を増加させ、その後、前記d軸電流を所定時間にわたって徐々に減少させることを特徴とする制御装置。
  2. 前記制御装置は、前記d軸電流を前記所定時間にわたって徐々に減少させる際に、前記d軸電流を指数関数状に減衰させることを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記制御装置は、前記d軸電流を増加させ始める際に、前記界磁巻線による界磁磁束とは反対方向の磁束が発生する向きで前記d軸電流をステップ関数状に増加させることを特徴とする請求項1又は2に記載の制御装置。
  4. 前記制御装置は、ステップ関数に前記所定時間を時定数とするハイパスフィルタ(44)を適用した値を前記d軸電流の基準値に加算することで、前記d軸電流の指令値を算出することを特徴とする請求項3に記載の制御装置。
  5. 前記所定時間を前記界磁巻線の時定数より長く設定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の制御装置。
  6. 前記界磁巻線及び前記電機子巻線は、共通の直流電源(21)から電力を供給されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の制御装置。
  7. 前記界磁電流の指令値の大きさに基づいて、前記d軸電流の増加量を調整することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の制御装置。
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