JP2016157781A - 導電性接着シート、シールドプリント配線板および電子機器 - Google Patents

導電性接着シート、シールドプリント配線板および電子機器 Download PDF

Info

Publication number
JP2016157781A
JP2016157781A JP2015033967A JP2015033967A JP2016157781A JP 2016157781 A JP2016157781 A JP 2016157781A JP 2015033967 A JP2015033967 A JP 2015033967A JP 2015033967 A JP2015033967 A JP 2015033967A JP 2016157781 A JP2016157781 A JP 2016157781A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adhesive sheet
conductive adhesive
printed wiring
resin
wiring board
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015033967A
Other languages
English (en)
Inventor
整裕 梅原
Yoshihiro Umehara
整裕 梅原
大史 伊藤
Hiroshi Ito
大史 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tomoegawa Co Ltd
Original Assignee
Tomoegawa Paper Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tomoegawa Paper Co Ltd filed Critical Tomoegawa Paper Co Ltd
Priority to JP2015033967A priority Critical patent/JP2016157781A/ja
Publication of JP2016157781A publication Critical patent/JP2016157781A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Adhesive Tapes (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Electric Connection Of Electric Components To Printed Circuits (AREA)
  • Structure Of Printed Boards (AREA)

Abstract

【課題】プリント配線板に対して確実に電磁波シールド効果を付与するとともに、優れた保存安定性、タックフリー、低レジンフロー、可とう性を同時に達成した導電性接着シートを提供することを目的とする。【解決手段】本発明に係る導電性接着シートは、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、および導電性材料を含有してなることを特徴とする導電性接着シートであって、当該ポリアミド樹脂は160℃における貯蔵弾性率が0.10MPa以上であることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、プリント配線板と補強板とを接着させる導電性接着シートに関するものである。ここでいうプリント配線板とは、JISC 5603に記載されたものであり、プリント配線を形成した板を指す。例えば、前記プリント配線板の絶縁基板が硬質であるリジットプリント配線板、柔軟性のあるフレキシブルプリント配線板、硬質の部分と柔軟性のある部分とからなるフレックスリジットプリント配線板や、導電パターンが、片面だけにある片面プリント配線板、両面にある両面プリント配線板、表面導体層を含めて3層以上である多層プリント配線板というものがある。
近年、小型化、軽量化が急速に進む携帯電話、スマートフォン、タブレット、ビデオカメラ、ノートパソコン等の電子機器において、電子部品や電子回路基板の高密度実装に柔軟で可撓性のあるフレキシブルプリント配線板(Flexible Printed Wiring Board、以下、FPWBと略称する)が多用されている。一方で、高密度実装化と動作信号の高周波化から電磁波ノイズによる内部回路の誤動作が懸念されており、電磁波ノイズ対策への注目が高まっている。
従来、FPWBの電磁波ノイズ対策としては、電磁波シールド性を有する補強板を導電性接着シートで接着するとともにFPWBのグランド回路(銅箔)と補強板とを導通状態にして電磁波シールド効果を補強板に発揮させる方法(特許文献1、2)や、電磁波シールド性の低い補強板を使用する場合には、導電性接着シート自体に電磁波シールド効果を発揮させる方法(特許文献3〜5)等が行われている。ここで、補強板とFPWBとの積層体(シールドFPWBと呼称する)の製造工程について簡単に説明すると、まず、片面に剥離フィルムを積層した導電性接着シートと補強板とを仮圧着する(仮圧着工程)。この後、導電性接着シートから剥離フィルムを剥がす(剥離工程)。そして、補強板と導電性接着シートとの積層体の導電性接着シート面に、FPWBを重ね合わせて加熱圧着する(接着工程)。最後に、加熱雰囲気下において、上記の3層積層体をアフターキュアし(アフターキュア工程)、シールドFPWBが完成する。
上記の導電性接着シートは、近年、要求特性の高度化等の観点から、導電性はもちろん、接着性、物理的強度、耐熱性、耐湿性等の多くの特性の向上が求められている。これらの特性を良好なものとする方法として、硬化後における膜の架橋密度を高くすることが考えられる。架橋密度の高い樹脂を得るには、反応点を増やすことが必要であり、このような観点から官能基量が多いエポキシ樹脂を使用することが必要とされる。例えば、上述した特許文献3〜5では、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂、熱可塑性樹脂としてアクリル樹脂やポリエステル樹脂等を含有する導電性接着シートが記載されている。
特開2000−195899 特開2003−133674 特開2007−189091 特開2014−65912 WO2014/003159
しかしながら、上記従来の導電性接着シートにおいて、官能基量が多いエポキシ樹脂にはいくつかの課題がある。例えば、反応性が高いことから、冷蔵保管が必要となる。また、アフターキュア工程後では樹脂の架橋密度が高くなるため、架橋密度が高くなると可撓性が損なわれ、可撓性が要求される場合に不利となる。
また、エポキシ樹脂は分子量が小さいことから、導電性接着シートにタックが生じ、導電性接着シートの両面を保護する必要がある上に、接着工程において貼り合わせ位置の調整が困難になる。さらには、接着工程においてレジンフロー(接着部分の縁よりはみ出る導電性接着シート構成成分の量)が大きくなる。
以上、FPWBを中心として従来技術の問題点を示したが、冷凍保存、レジンフローなどの問題はFPWBだけでなく、リジッドプリント配線板、フレックスリジッドプリント配線板でも共通する。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決した導電性接着シートを提供するとともに、プリント配線板のグランド回路と補強板との導通状態をより良好なものとすることができ、また、導電性接着シート自体の電磁波シールド効果をより高める点にある。
本発明に係る導電性接着シートは、プリント配線板と補強板とを接着させる導電性接着シートであって、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、および導電性材料を含有してなり、上記ポリアミド樹脂は160℃における貯蔵弾性率が0.10MPa以上であることを特徴とする。本発明の導電性接着シートを用いることにより、上記課題が解決される。
すなわち、アミド結合を有するポリアミド樹脂は、プリント配線板の代表的材料である銅、ポリイミド等と、当該導電性接着シートとの密着性向上に寄与し、アクリル樹脂やポリエステル樹脂等を使用する場合よりも優れた接着性が得られる。
また、フェノール樹脂は、エポキシ樹脂に比べて一般的に室温下において反応性が低く固形であるため、導電性接着シートに優れたシェルフライフを与え、タックを生じさせない。また、エポキシ樹脂と異なり、フェノール樹脂は、熱可塑性であるポリアミド樹脂による導電性接着シートの可とう性付与を妨げない。
さらに、上記ポリアミド樹脂の160℃における貯蔵弾性率が0.10MPa以上であることにより、導電性接着シートの接着工程において樹脂成分の流動性を制御することができるため、レジンフローを低減することができる。
上記導電性材料は、導電性接着シート中に分散することで、接着工程後において導電性材料同士、導電性材料と補強板、導電性材料とプリント配線板のグランド回路(銅箔)で接触して導通経路を形成するため、プリント配線板のグランド回路(銅箔)と補強板とを導通状態にして電磁波シールド効果を補強板に発揮させ、導電性接着シート自体にも電磁波シールド効果を発揮させることができる。
また、本発明に係る導電性接着シートでは、上記フェノール樹脂はレゾール型フェノール樹脂であることが好ましい。レゾール型フェノールは自己反応性の官能基を有し、アフターキュア後に硬化するため、導電性接着シートの凝集力および耐熱性を高めることができる。
また、本発明に係る導電性接着シートでは、上記導電性材料は銀コート銅粉または銅粉であることが好ましい。これらは高い導電性を有するため、プリント配線板のグランド回路(銅箔)と補強板との導通状態をより良好なものとすることができ、また、導電性接着シート自体の電磁波シールド効果をより高めることができる。
本発明に係るシールドプリント配線板は、上記導電性接着シートによって、プリント配線板と補強板とが接着されているものである。
本発明に係る電子機器は、上記シールドプリント配線板を含むものである。
本発明に係る導電性接着シートによれば、冷蔵保管不要であり、可撓性を有し、接着工程においてレジンフローがほとんど生じず、導電性材料によって、プリント配線板と補強板との導通状態をより良好なものとすると共に、導電性シート自体の電磁波シールド効果をより高めることができる。
実施例における接続抵抗の評価方法に関し、プレス前の構成を説明するための斜視図である。 実施例における接続抵抗の評価方法を説明するための断面図である。 実施例におけるレジンフローの評価方法を説明するための、補強板付き導電性接着シートを補強板側から示した平面図、および、側面に向かって示した断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について説明するが、本発明は以下に示す具体例によって不当に制限されるものではない。
<導電性接着シート>
本発明の導電性接着シートは、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、および導電性材料を含有してなり、上記ポリアミド樹脂は160℃における貯蔵弾性率が0.10MPa以上であることを特徴とする。
本発明において使用されるポリアミド樹脂としては、ジカルボン酸とジアミンの混合物を脱水縮合することによって得られるものであり、分子鎖中にアミド結合を有し、有機溶剤に可溶性であるものであれば制限はない。例えば、ジカルボン酸としては、アジピン酸やコハク酸、グルタル酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸(炭素数11〜22の高級不飽和脂肪酸の2量体)等の脂肪族ジカルボン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フタル酸等の芳香族ジカルボン酸が挙げられる。ジアミンとしては、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、1,4−ジアミノブタン、ノナンジアミン、ジアミノジシクロヘキシルメタン、イソフォロンジアミン等の脂肪族ジアミン、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、メタキシリレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン等の芳香族ジアミンが挙げられる。また、上記成分によって得られたポリアミド樹脂の末端または側鎖に、アミノ基やカルボキシル基等の反応性官能基を有するものも使用することができる。上記ポリアミド樹脂を使用することにより優れた接着性、強靭性、耐薬品性が得られる。
本発明においては、ポリアミド樹脂の原料の酸成分としてダイマー酸を含むものが好ましい。ポリアミド樹脂は一般的に吸水率が大きいが、ダイマー酸を使用することによって、吸水率を小さくし半田耐熱性を向上させることが可能となる。
さらに、ポリアミド樹脂はアミノ基を有するものが好ましい。これにより、ポリアミド樹脂の有機溶剤への溶解性が高くなるとともに、フェノール樹脂との架橋構造を形成させ、架橋密度が高くなり、耐熱性・凝集力が向上させることができる。アミノ基を有する指標としては、例えば、アミン価が挙げられ、アミン価が5mgKOH/g以上のポリアミド樹脂を用いることが好ましく、上限は、特に限定されないが、例えば500mgKOH/gに設定できる。
本発明において使用されるポリアミド樹脂は160℃における貯蔵弾性率は0.10MPa以上であり、より好ましくは0.15MPa以上であり、さらに好ましくは0.20MPa以上、さらには0.50MPa以上である。前記範囲であることにより、導電性接着シートの接着工程において樹脂成分の流動性を制御することができるため、レジンフローを低減することができる。一方、0.10MPa未満であると、接着工程においてレジンフローが大きくなり、プリント配線板やそれを実装した電子部品や電子機器が不具合を起こす原因となり得る。上限については特に限定されないが、下限が0.10MPa以上など0.50MPa未満である場合、例えば、0.5MPa以下である。
貯蔵弾性率の上限は特に限定されないが、プリント配線板のグランド回路(銅箔)へ接続するための開口部への追従性を良好とする観点から、ポリアミド樹脂の160℃における貯蔵弾性率の上限は、200MPa未満、さらには150MPa未満であることが好ましい。200MPa未満であることで、FPWBのグランド回路(銅箔)へ接続するための開口部への追従性が好適に保たれる。
本発明において使用されるフェノール樹脂は、フェノール類とアルデヒド類とを酸または塩基触媒下での縮合反応によって得られるもので、ノボラック型フェノール樹脂または、レゾール型フェノール樹脂である。例えば、フェノール類としては、アルキルフェノール、パラフェニルフェノール、ビスフェノールA、レゾルシノール等が挙げられる。アルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、ヘキサメチレンテトラミン、フルフラール等が挙げられる。上記成分によって得られたフェノール樹脂は、一般的に硬化させると3次元的な網目構造を持つため、耐熱性、難燃性に優れ、耐油性、耐薬品性も高い。また、室温において固形であるため、タックを生じにくくさせる。
本発明においては、レゾール型フェノール樹脂を使用することがより好ましい。レゾール型フェノール樹脂は、フェノール類に対してホルムアルデヒドを過剰にし、塩基触媒下で反応させることによって得られる。レゾール型フェノール樹脂は自己反応性の官能基を有するため、硬化させることにより耐熱性が向上し、130〜200℃の加熱で硬化するため、室温下において物性変化が小さくなる。
さらに、本発明においては4官能性レゾール型フェノール樹脂を使用することが好ましい。4官能性レゾール型フェノール樹脂は、1〜3官能性レゾール型フェノール樹脂に比べ、自己硬化反応が起こりやすく、また、架橋密度が高くなるため、耐熱性・凝集力を向上させることができる。
本発明の導電性接着シートにおいて、ポリアミド樹脂とフェノール樹脂の比率は、重量比95:5〜5:95であることが好ましく、さらに重量比90:10〜60:40であることが好ましい。前記重量比の範囲であることにより、ポリアミド樹脂およびフェノール樹脂それぞれの特性をバランス良く引き出すことができる。
本発明において使用される導電性材料は、金属粉、カーボン粉、それらを含有する混合物等である。例えば、金粉、銀粉、銅、ニッケル粉、アルミニウム粉、半田粉等の金属粉、カーボンブラック、カーボン繊維、黒鉛粉末、カーボンナノチューブ等が挙げられ、これらの導電性材料や、樹脂ビーズ、ガラス繊維、シリカ等の絶縁性材料が金属で被覆されたもの(例えば、銀コート銅粉、金メッキガラス繊維等)でも良い。導電性材料の形状としては、球状、針状、繊維状、フレーク状、樹状、不定形状等があり、これらは電解法、アトマイズ法、還元法により作製される。
本発明においては、導電性材料として銀コート銅粉または銅粉を使用することが好ましい。銀コート銅粉および銅粉は、金粉や銀粉より安価であり、ニッケル粉やアルミニウム粉、カーボン粉等より高い導電性を有するため、より安価で電磁波シールド性の優れた導電性接着シートを提供することができる。銀コート銅粉または銅粉は、単独または、他の導電性材料と併用することができる。
さらに、導電性材料の形状としては樹状またはフレーク状(偏平状)が好ましく、樹状であることがより好ましい。使用の際、同一形状の導電性材料を使用してもよいし、樹状の導電性材料と、フレーク状の導電性材料とを併用するように、異なる形状の導電性材料を混合して使用してもよい。樹状やフレーク状のように、表面積が大きく導電性が高い形状の場合、接着工程における加熱圧着、およびアフターキュア工程におけるフェノール樹脂の硬化収縮により、導電性材料同士、導電性材料と補強板、導電性材料とプリント配線板のグランド回路(銅箔)が接触し易くなる。
導電性材料の平均粒径は、1〜50μmであることが好ましく、5〜20μmであることがより好ましい。前記範囲より大きくなると導電性接着シートの表面が粗くなり、前記範囲より小さくなると導電性材料同士が接触しにくくなる。
本発明の導電性接着シートにおいて、導電性材料は、ポリアミド樹脂とフェノール樹脂との混合物100重量部に対して10〜500重量部とするのが好ましく、上記導電性材料が銀コート銅粉である場合には95〜345重量部、上記導電性材料が銅粉である場合は275〜430重量部とするのがさらに好ましい。前記範囲であることにより、ポリアミド樹脂とフェノール樹脂との混合物、および導電性材料それぞれの特性をバランス良く引き出すことができる。
本発明の導電性接着シートは、各種特性を損なわない範囲で、さらに、導電性材料以外に無機充填材を含んでいてもよい。無機充填材を含むことによって、タック性を低下させ、レジンフローを低減し、耐熱性を向上させることができる。無機充填材としては、下記に限らないが、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化クロム、タルク等の金属酸化物、黒鉛粉末、カーボンブラック、ガラス等が挙げられ、これらを単独または2種以上混合して用いても良い。
本発明の導電性接着シートに、ポリアミド樹脂およびフェノール樹脂が含まれているかは、ガスクロマトグラフィー(GC)、液体クロマトグラフィー(LC)、赤外分光法(IR)、核磁気共鳴分光法(NMR)、質量分析法(MS)などによってこれら樹脂に特有のピークを確認することで判断できる。
<導電性接着シートの作製方法>
次に、本発明の導電性接着シートの作製方法について説明する。本発明の導電性接着シートの作製方法は特に限定されないが、一例として、離型フィルムに、ポリアミド樹脂およびフェノール樹脂、導電性材料を含有する導電性接着シート用組成物をコーティングすることにより作製でき、コーティング後に必要に応じて乾燥工程に供しても良い。離型フィルムは、ポリエステル、ポリエチレンナフタレート等のベースフィルム上の導電性接着シートが形成される側の表面に、シリコーン系、非シリコーン系の離型剤が塗布されたものを使用することができる。なお、離型フィルムの厚みは特に限定されるものではなく、適宜使い易さを考慮して決定される。
コーティング方法は特に限られものではなく、グラビアコート、ダイコート、リップコート、コンマコートに代表される公知の方法を用いることができる。導電性接着シートの厚みは15〜100μmであることが好ましい。前記範囲とすることで、補強板やプリント配線板に凹凸が存在する場合に適度に流動することによって凹部を埋めるような形状に変形し、十分な接着性が得られる点で好ましい。
<シールドプリント配線板、電子機器>
本発明に係る導電性接着シートは、プリント配線板と補強板とを接着させる用途に用いられる。プリント配線板、補強板共に公知のものを使用できる。プリント配線板としては、硬質性のリジッドプリント配線板、硬質性の部分と屈曲性の部分とを併せ持つリジッドフレキシブル基板、屈曲性を有するフィルム状のフレキシブルプリント配線板が挙げられ、補強板の材質としては、アルミニウム、銅、ポリイミド、ガラスエポキシ、液晶ポリマーなどが挙げられる。
本発明に係る導電性接着シートによって、プリント配線板と補強板とが接着されているシールドプリント配線板は、電子機器の部品として好適に使用され、本発明に係る電子機器は上記シールドプリント配線板を含むものである。電子機器としては、例えば、スマートフォン、タブレット、ビデオカメラ、ノートパソコン等が挙げられる。
次に実施例、比較例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの具体例に限定して解釈されるものではない。
<導電性接着シートの作製方法(実施例、比較例)>
まず、各実施例、及び比較例における導電性接着シートの作製方法について説明する。片面にシリコーン系離型剤が塗布された厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルムからなる剥離フィルムに、後に示す表1および表2に示した組成の導電性接着シート用組成物に適宣、有機溶剤を混合した塗料を塗布し、130℃×3分で乾燥して、膜厚40±10μmの導電性接着シートを作製した。
<評価方法>
以下に導電性接着シートの評価方法について説明する。なお、導電性接着シートの評価には、導電性接着シートの片面に剥離フィルムを積層した積層体を用いた。
(貯蔵弾性率)
ポリアミド樹脂の貯蔵弾性率は、動的粘弾性測定装置であるHAAKE社製REOSTRESS RS600により測定した。
サンプル;直径20mm、厚さ2mmの円柱状
プレート;直径20mmのパラレルプレート
測定温度範囲;30〜200℃
昇温速度;6℃/分
測定周波数;1.0Hz
せん断応力;50Pa
(タック性)
30℃で加熱したホットプレート上に導電性接着シートを上面として積層体を置いた後、エタノールで洗浄した指先で導電性接着シートの表面に軽く触れ(JISK 6249参照)、下記基準でタック性を評価した。導電性接着シートが指に全く付着しなければ問題なく使用できる。
○・・・導電性接着シートが指に全く付着しない
×・・・導電性接着シートが指に付着する
(仮圧着性)
補強板に対して積層体(剥離フィルム/導電性接着シート)を貼り合わせた剥離フィルム/導電性接着シート/補強板の構成を熱ロール(120℃、0.2MPa、0.5m/min)に通した後、剥離フィルムを90℃方向に剥離し、下記基準で評価を行った。導電性接着シートが補強板に貼り付いており、補強板から剥がれなければ問題なく使用できる。
○・・・補強板から導電性接着シートが剥がれない
×・・・補強板から導電性接着シートが剥がれる部分がある
(シェルフライフ)
積層体を60℃×168時間で保管した後、上記(仮圧着性)と同様に導電性接着シートが剥がれないかを評価した。保管後においても、仮圧着性が“○”であれば、問題なく使用できる。
(接続抵抗)
図1および図2を用いて接続抵抗の評価方法を説明する。上記(仮圧着性)で作成した補強板付き導電性接着シート(図1の補強板1/導電性接着シート2)について、補強板1/導電性接着シート2の構成を、グランド回路との接続部の開口部6が直径1mmを模擬した配線板5(絶縁層3/銅箔層4:図1)の構成に対して真空プレス機で加熱圧着(160℃、4MPa、30min)した後、接続抵抗(図2の補強板1と銅箔層4との間)を測定し、下記基準で評価を行った。0.3Ω未満であれば補強板に十分な電磁波シールド性能および導通性能が確保される。
○・・・0.3Ω未満
×・・・0.3Ω以上
(レジンフロー)
上記(仮圧着性)で作成した補強板付き導電性接着シート(図1の補強板1/導電性接着シート2)について、補強板1/導電性接着シート2/ポリイミドフィルムまたは銅箔7、の構成を真空プレス機で加熱圧着(160℃、4MPa、30min)した後、レジンフロー8(接着部分の縁よりはみ出る導電性接着シート構成成分の量)の最長距離および最短距離を測定して平均値を算出した。図3の上図は、補強板1/導電性接着シート2/ポリイミドフィルムまたは銅箔7を補強板1側から図示した平面図であり、図3の下図は、補強板1/導電性接着シート2/ポリイミドフィルムまたは銅箔7を示す断面図である。導電性接着シートからのレジンフロー8の距離Lとは、図3中に示す通り、補強板1の何れかの辺から補強板1の面に沿って垂直に広がったレジンフロー8の長さを指す。上記Lの最大値と最小値との平均値が1.0mm未満であれば問題なく使用できる。
◎・・・0.3mm未満
○・・・1.0mm未満
×・・・1.0mm以上
(接着強度)
上記(レジンフロー)で作成した積層体について、引張試験機を用いて補強板1/導電性接着シート2をポリイミドフィルムおよび銅箔に対して垂直方向に引っ張りながら剥がし、90°剥離強度を測定した。10N/cm以上であれば、問題なく使用できる。
◎・・・15N/cm以上
○・・・10N/cm以上
×・・・10N/cm未満
(表面抵抗率)
積層体を真空プレス機で加熱プレス(160℃、4MPa、30min)した後、4探針法により導電性接着シートの表面抵抗率を測定した。一般的に導電性接着シート自体に求められる電磁波シールド効果としては、KEC法(関西電子工業振興センター法)で測定した電界シールド性能が10〜1000MHzの範囲において40dB以上(電磁波遮蔽率99%以上)とされており、表面抵抗率が1.0Ω/□未満であればこれを満たすことができる。
◎・・・0.3Ω/□未満
○・・・1.0Ω/□未満
×・・・1.0Ω/□以上
(半田耐熱性)
剥離フィルム/導電性接着シート/ポリイミドフィルムの構成を熱ロール(120℃、0.2MPa、0.5m/min)で仮圧着し、剥離フィルムを剥離し、ポリイミドフィルム/導電性接着シート/ポリイミドフィルムの構成を真空プレス機で加熱圧着(160℃、4MPa、30min)、およびオーブンでアフターキュア(160℃、60min)した後、260℃に加熱した半田浴に浮かべて試験片を観察し、発泡や浮きが生じるまでの時間を計測した。30秒以上であれば問題なく使用できる。
○・・・30秒以上
×・・・30秒未満
Figure 2016157781
Figure 2016157781
結果を表1に示した。まず、実施例1では、160℃での貯蔵弾性率が0.22MPaであるポリアミド樹脂(A−1)、レゾール型フェノール樹脂(B−1)、銀コート銅粉(C−1)を用い、実施例2では、上記(A−1)に代えて、160℃での貯蔵弾性率が0.47MPaであるポリアミド樹脂(A−2)を用いて導電性接着シートを作製したところ、タック性、仮圧着性、シェルフライフ、接続抵抗および半田耐熱性の評価結果が“○”であり、レジンフロー、接着強度(ポリイミド、銅)、および表面低効率の評価結果が“◎”と良好な結果が得られた。
次に、実施例3、4では、無機充填材として水酸化マグネシウム(D−1)、水酸化アルミニウム(D−2)をそれぞれ使用したところ、これらがタック性、レジンフローに寄与したことで、実施例1よりも低い銀コート銅粉量の使用量であるにもかかわらず、実施例1と同様の評価結果が得られた。
実施例5では、銀コート粉の重量比を低減させたところ、樹脂割合が増加したことから、レジンフローが“○”であったものの、他の評価は実施例1と同様に良好であった。また、実施例6では銅粉(C−2)を使用したところ、実施例1と同様に良好な結果が得られた。
実施例7では、フェノール樹脂としてノボラック型フェノール樹脂(B−2)を使用したところ、評価結果はすべて“○”であり、レゾール型フェノール樹脂の優位性が伺える。実施例8、9では、偏平状の銅粉(C−3)、偏平状のニッケル粉(C−4)を使用したところ、実施例1と同様に良好な結果が得られた。
一方、比較例1では、エポキシ樹脂(E−1)をそれぞれ使用したところ、タック性およびシェルフライフ、レジンフローが“×”であった。比較例2、3においては、ポリアミド樹脂ではなく、アクリル樹脂(F−1、F−2)をそれぞれ用いたところ、共に接着強度が“×”であり、導電性接着シートとして重要な特性が満たされていない。
さらに、比較例4、5においては160℃での貯蔵弾性率が0.01MPaと低いポリアミド樹脂(A−3)を使用したところ、レジンフローの評価結果が“×”であり、貯蔵弾性率が高いA−1を使用した実施例1との差が顕著に示された。
以上のように、本発明の導電性接着シートを使用することにより、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を使用するよりも優れたシェルフライフ、レジンフローが得られ、熱可塑性樹脂としてアクリル樹脂を使用するよりも優れた接着強度が得られることが明らかである。
1 補強板
2 導電性接着シート
3 絶縁層
4 銅箔層
5 グランド回路との接続部の開口径が直径1mmを模擬した配線板
6 直径1mmの開口部
7 ポリイミドフィルムまたは銅箔
8 導電性接着シートからのレジンフロー
L 距離

Claims (5)

  1. プリント配線板と補強板とを接着させる導電性接着シートであって、
    ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、および導電性材料を含有してなり、
    上記ポリアミド樹脂は160℃における貯蔵弾性率が0.10MPa以上であることを特徴とする導電性接着シート。
  2. 上記フェノール樹脂はレゾール型フェノール樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の導電性接着シート。
  3. 上記導電性材料は銀コート銅粉または銅粉であることを特徴とする請求項1または2に記載の導電性接着シート。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の導電性接着シートによって、プリント配線板と補強板とが接着されていることを特徴とするシールドプリント配線板。
  5. 請求項4に記載のシールドプリント配線板を含む電子機器。
JP2015033967A 2015-02-24 2015-02-24 導電性接着シート、シールドプリント配線板および電子機器 Pending JP2016157781A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015033967A JP2016157781A (ja) 2015-02-24 2015-02-24 導電性接着シート、シールドプリント配線板および電子機器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015033967A JP2016157781A (ja) 2015-02-24 2015-02-24 導電性接着シート、シールドプリント配線板および電子機器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016157781A true JP2016157781A (ja) 2016-09-01

Family

ID=56826592

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015033967A Pending JP2016157781A (ja) 2015-02-24 2015-02-24 導電性接着シート、シールドプリント配線板および電子機器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016157781A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021061365A (ja) * 2019-10-09 2021-04-15 信越ポリマー株式会社 電磁波シールドフィルム、回路基板、及び回路基板の製造方法
JP2021192216A (ja) * 2020-06-05 2021-12-16 デクセリアルズ株式会社 スマートカードの製造方法、スマートカード、及び導電粒子含有ホットメルト接着シート
US20220363958A1 (en) * 2016-08-30 2022-11-17 Showa Denko Materials Co., Ltd Adhesive composition

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08199041A (ja) * 1994-11-22 1996-08-06 Matsushita Electric Ind Co Ltd 半田付着構造体及びこれに用いる導電性組成物
JP2002088325A (ja) * 2000-09-20 2002-03-27 Hitachi Chem Co Ltd 半導体用接着フィルムの製造方法及び半導体装置
JP2007189091A (ja) * 2006-01-13 2007-07-26 Tatsuta System Electronics Kk 等方導電性接着シート及び回路基板

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08199041A (ja) * 1994-11-22 1996-08-06 Matsushita Electric Ind Co Ltd 半田付着構造体及びこれに用いる導電性組成物
JP2002088325A (ja) * 2000-09-20 2002-03-27 Hitachi Chem Co Ltd 半導体用接着フィルムの製造方法及び半導体装置
JP2007189091A (ja) * 2006-01-13 2007-07-26 Tatsuta System Electronics Kk 等方導電性接着シート及び回路基板

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20220363958A1 (en) * 2016-08-30 2022-11-17 Showa Denko Materials Co., Ltd Adhesive composition
JP2021061365A (ja) * 2019-10-09 2021-04-15 信越ポリマー株式会社 電磁波シールドフィルム、回路基板、及び回路基板の製造方法
JP2021192216A (ja) * 2020-06-05 2021-12-16 デクセリアルズ株式会社 スマートカードの製造方法、スマートカード、及び導電粒子含有ホットメルト接着シート

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102058747B1 (ko) 도전성 접착제층 및 fpc용 전자파 쉴드재
JP6435540B2 (ja) 電磁波シールドフィルム、電磁波シールドフィルム付きフレキシブルプリント配線板、およびそれら製造方法
JP4914262B2 (ja) シールドフィルム及びシールドプリント配線板
TWI761781B (zh) 接地構件、屏蔽印刷配線板及屏蔽印刷配線板之製造方法
JP5899031B2 (ja) 導電性粘着シート、その製造方法およびプリント配線板
KR101361529B1 (ko) 전자기파 차폐 필름 및 그 제작방법과 전자기파 차폐 필름이 부착된 인쇄회로기판 및 그 제작방법
WO2017104479A1 (ja) 熱硬化性接着シート、補強部付フレキシブルプリント配線板、その製造方法及び電子機器
JP6748783B2 (ja) 導電性接着剤
JP2017195278A (ja) 電磁波シールドフィルムおよび電磁波シールドフィルム付きプリント配線板
JP2012104710A (ja) Fpc用電磁波シールド材
TWI796476B (zh) 導電性接著片
JP6368711B2 (ja) 形状保持シールドフィルム、及びこの形状保持シールドフィルムを備えた形状保持型シールドフレキシブル配線板
JP2016157781A (ja) 導電性接着シート、シールドプリント配線板および電子機器
TWI444132B (zh) 電磁波屏蔽複合膜及具有該複合膜之軟性印刷電路板
KR20090071774A (ko) 접착제용 수지 조성물 및 이의 이용
JPWO2017221885A1 (ja) 接着剤組成物及び接着シート
JP2008243989A (ja) フレキシブルプリント配線板及び該フレキシブルプリント配線板を用いたスライド式携帯電話端末
JPWO2017164174A1 (ja) 電磁波シールドフィルム
TWI771595B (zh) 電磁波屏蔽膜、屏蔽印刷配線板之製造方法、及屏蔽印刷配線板
TWI686024B (zh) 構裝體之製造方法、及異向性導電膜
JP2008108890A (ja) 回路基板の接続方法及び接続構造体
JP6460419B2 (ja) 補強部付フレキシブルプリント配線板、その製造方法及び電子機器
JP2017115152A (ja) 導電性接着剤層、及びfpc用電磁波シールド材
WO2017043455A1 (ja) 導電性接着剤組成物、導電性接着シート及びそれを用いた配線デバイス
JP2019172852A (ja) 導電性接着シート

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180201

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181002

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180928

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20190409