JP2016151018A - タイヤ用ゴム組成物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】低燃費性、耐摩耗性、ウェット性能、操縦安定性をバランス良く改善するタイヤ用ゴム組成物の製造方法、該製造方法により得られるタイヤ用ゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】天然ゴム及び合成ジエン系ゴムからなる群より選択される少なくとも1種のゴム成分(A)と、シリカ(B)と、カーボンブラック(C)と、特定式で示されるシランカップリング剤(D)と、硫黄及び加硫促進剤を含む加硫系材料(E)とを含有するタイヤ用ゴム組成物の製造方法であって、前記ゴム成分(A)の全量、前記シリカ(B)の一部、前記カーボンブラック(C)の一部又は全部、及び前記シランカップリング剤(D)の一部を混練するベース練り工程1−1、前記工程1−1で得られた混練物1、前記シリカ(B)の残部、前記工程1−1で前記カーボンブラック(C)を一部混練した場合はその残部、及び前記シランカップリング剤(D)の残部を混練するベース練り工程1−2、並びに、前記工程1−2で得られた混練物2、及び前記加硫系材料(E)の一部又は全部を混練する仕上げ練り工程2を含むタイヤ用ゴム組成物の製造方法に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物の製造方法、タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤに関する。
近年のタイヤの低燃費化の要求により、トレッドの他、様々な部材でシリカ配合ゴム組成物が使用されているが、シリカは、表面に親水性シラノール基が存在するため、カーボンブラックに比べて、ゴム成分、特に、タイヤに汎用されている天然ゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム等との親和性が低く、耐摩耗性や力学強度(引張強度、破断伸び等)が劣る傾向がある。
この点を改善するため、ゴム成分にシリカと反応する変性基を導入したり、シランカップリング剤を用いてゴム成分とシリカの相互作用を強める、等の手法が数多く提案されている。しかし、一般的なシランカップリング剤は、シリカとの反応前に、その分子内の官能基同士が反応して凝集する問題があり、シリカ分散効果に限界がある。また、特許文献1に、反応性の高いメルカプトシランカップリング剤の使用、シランカップリング剤の併用が開示されているが、低燃費性、ゴム強度、操縦安定性、ウェット性能等には未だ改善の余地がある。
更に、近年、資源保護の観点から、低燃費性の他、耐摩耗性も要求され、補強性の高い微粒子シリカを用いることが提案されているが、微粒子シリカは、一般にゴム組成物中で分散させることが非常に困難で、良好に分散できない。そのため、凝集塊が残り、耐摩耗性や力学強度をそれ程改善できない、又は場合により物性が悪化する、という問題が生じ、特に官能基を導入したポリマーを用いた場合、ポリマー自身の加工性も劣るため、この傾向が強い。従って、低燃費性、耐摩耗性、ウェット性能、操縦安定性等をバランス良く改善する技術の提供が望まれている。
特開2012−82325号公報
本発明は、前記課題を解決し、低燃費性、耐摩耗性、ウェット性能、操縦安定性をバランス良く改善するタイヤ用ゴム組成物の製造方法、該製造方法により得られるタイヤ用ゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、天然ゴム及び合成ジエン系ゴムからなる群より選択される少なくとも1種のゴム成分(A)と、シリカ(B)と、カーボンブラック(C)と、下記式(1)で示されるシランカップリング剤(D)と、硫黄及び加硫促進剤を含む加硫系材料(E)とを含有するタイヤ用ゴム組成物の製造方法であって、
前記ゴム成分(A)の全量、前記シリカ(B)の一部、前記カーボンブラック(C)の一部又は全部、及び前記シランカップリング剤(D)の一部を混練するベース練り工程1−1、
前記工程1−1で得られた混練物1、前記シリカ(B)の残部、前記工程1−1で前記カーボンブラック(C)を一部混練した場合はその残部、及び前記シランカップリング剤(D)の残部を混練するベース練り工程1−2、並びに、
前記工程1−2で得られた混練物2、及び前記加硫系材料(E)の一部又は全部を混練する仕上げ練り工程2
を含むタイヤ用ゴム組成物の製造方法に関する。
[Y−][G(RSiX[G[R (1)
(式中、
は、独立して、[(CH−][−(CH−]で表されるポリスルフィド基を持つ炭素数1〜30の多価炭化水素基である。
は、独立して、[(CH−][−(CH−]で表されるポリスルフィド基を持つ炭素数1〜30の多価炭化水素基である。
及びYは、独立して、−SiXで示されるシリル基、水素、カルボキシル基、又は−C(=O)ORで示されるエステル基である。
は、独立して、−Cl、−Br、−OH、−OR、又はRC(=O)O−である。
及びXは、独立して、水素、R、X、又はシラノールの縮合から生じる−OSi含有基である。
及びRは、独立して、炭素数1〜20の2価炭化水素基である。
は、独立して、−(CH−で表される直鎖状炭化水素基である。
は、独立して、炭素数1〜28の多価炭化水素基又は炭素数1〜27のヘテロ原子含有多価炭化水素基である。
は、独立して、炭素数1〜28の多価炭化水素基である。
は、炭素数1〜20の1価炭化水素基である。
a、b、c、d、e、f、m、n、o、p及びxは各々独立し、該a、c及びeは1〜3、該b及びdは1〜5、該fは0〜5、該m及びpは1〜100、該nは1〜15、該oは0〜10、該xは1〜10である。)
前記式(1)で示されるシランカップリング剤は、下記式で示される化合物であることが好ましい。
Figure 2016151018
(式中、
及びYは、独立して、−SiXで示されるシリル基、水素、カルボキシル基、又は−C(=O)ORで示されるエステル基である。
は、独立して、−Cl、−Br、−OH、−OR、又はRC(=O)O−である。
及びXは、独立して、水素、R、X、又はシラノールの縮合から生じる−OSi含有基である。
及びRは、独立して、炭素数1〜20の2価炭化水素基である。
は、独立して、−(CH−で表される直鎖状炭化水素基である。
は、独立して、a+c+e−1個の水素が置換された環状のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基である。
は、炭素数1〜20の1価炭化水素基である。
a、b、c、d、e、f、m、n、p及びxは各々独立し、該a、c及びeは1〜3、該b及びdは1〜5、該fは0〜5、該m及びpは1〜100、該nは1〜15、該xは1〜10である。)
前記合成ジエン系ゴムは、シリカとの反応性がある官能基を有する変性スチレンブタジエンゴム及び/又は変性ブタジエンゴムを含むことが好ましい。
前記タイヤ用ゴム組成物は、ゴム成分100質量部に対して、窒素吸着比表面積160m/g以上のシリカを40質量部以上含有することが好ましい。
前記ベース練り工程1−1及び1−2におけるシランカップリング剤の投入量は、各工程のシリカ投入量100質量部に対して、1.0〜30質量部であることが好ましい。
前記ベース練り工程1−1で全シリカの50〜95質量%を混練することが好ましい。
前記ベース練り工程1−1及び/又は1−2で前記加硫系材料(E)の一部を混練し、前記仕上げ練り工程2でその残部を混練することが好ましい。
前記タイヤ用ゴム組成物は、可塑剤、老化防止剤及び界面活性剤を含有し、
全可塑剤の50質量%以上を前記ベース練り工程1−1で混練し、
全老化防止剤を前記ベース練り工程1−2で混練し、
全界面活性剤を前記ベース練り工程1−1及び/又は1−2で混練することが好ましい。
本発明は、前記製造方法で作製するタイヤ用ゴム組成物に関する。
本発明はまた、前記ゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤに関する。
本発明によれば、ゴム成分(A)の全量、シリカ(B)の一部、カーボンブラック(C)の一部又は全部、及び前記式で示されるシランカップリング剤(D)の一部を混練するベース練り工程1−1と、前記工程1−1で得られた混練物1、シリカ(B)の残部、工程1−1でカーボンブラック(C)を一部混練した場合はその残部、及びシランカップリング剤(D)の残部を混練するベース練り工程1−2と、前記工程1−2で得られた混練物2、及び加硫系材料(E)の一部又は全部を混練する仕上げ練り工程2とを含むタイヤ用ゴム組成物の製造方法であるので、低燃費性、耐摩耗性、ウェット性能、操縦安定性をバランス良く改善したゴム組成物を提供できる。
本発明は、天然ゴム及び合成ジエン系ゴムからなる群より選択される少なくとも1種のゴム成分(A)と、シリカ(B)と、カーボンブラック(C)と、前記式(1)で示されるシランカップリング剤(D)と、硫黄及び加硫促進剤を含む加硫系材料(E)とを含有するタイヤ用ゴム組成物の製造方法である。そして、該製造方法は、前記ゴム成分(A)の全量、前記シリカ(B)の一部、前記カーボンブラック(C)の一部又は全部、及び前記シランカップリング剤(D)の一部を混練するベース練り工程1−1と、前記工程1−1で得られた混練物1、前記シリカ(B)の残部、前記工程1−1で前記カーボンブラック(C)を一部混練した場合はその残部、及び前記シランカップリング剤(D)の残部を混練するベース練り工程1−2と、前記工程1−2で得られた混練物2、及び前記加硫系材料(E)の一部又は全部を混練する仕上げ練り工程2とを含む。
本発明の製法では、式(1)のシランカップリング剤(D)を配合するとともに、ベース練り工程1−1及び1−2で、該シランカップリング剤(D)、シリカが分割混練される。前記式(1)で示されるシランカップリング剤は、従来のシランカップリング剤と異なり、シリカ及びポリマーと相互作用する官能基の間に剛直な環状構造を有する化合物であるため、ポリマーとシリカを適度な距離で固定し、反応性を向上しながらゲル化や架橋部の粗密化を防止できる。また、急激な反応に伴う不均一化が防止されるので、分割投入の混練でも、活性を失うことなく、充填剤とポリマーに均一な化学結合を形成できる。従って、本発明の分割混練により、一般に両立が困難な低燃費性、耐摩耗性、ウェット性能、操縦安定性の性能バランスを顕著に改善したゴム組成物の提供が可能となる。
ベース練り工程1−1では、天然ゴム及び合成ジエン系ゴムからなる群より選択される少なくとも1種のゴム成分(A)の全量、シリカ(B)の一部、カーボンブラック(C)の一部又は全部、及び前記式(1)で示されるシランカップリング剤(D)の一部が混練される。
ゴム成分全量、シリカの一部、カーボンブラックの一部又は全量、式(1)のシランカップリング剤の一部を混練することで、充填材がゴム成分、特に充填材と親和性の高いゴム成分と強固な結合を形成しながら分散する。また、シランカップリング剤が式(1)の構造を有するので、加工性を維持しつつ、充填材分散とポリマーの結合を促進できる。更に、従来のポリスルフィドシランの場合、それ自身のポリマーとの結合基と、シリカの結合基が縮合してしまい、加工性の低下、充填材の分散が阻害され、シランカップリング剤自体の活性も低下するが、式(1)のシランカップリング剤は、活性基同士の位置が遠く、かつ剛直な中間基で隔絶されているため、加工性を維持しながら、混練を継続することが可能である。
ベース練り工程1−1でシリカの一部が混練される。工程1−1、1−2でシリカを分割混練せず、1回のベース練り工程で全量投入すると、変性ポリマー等のシリカと親和性の高いポリマー部分及び/又はポリマーの界面部分に偏在する傾向があるが、本発明では、シリカを分割投入しているため、ゴム成分全体にシリカが分散するという効果が得られる。また、ベース練り工程1−2で投入したシリカ自体が、ゴム成分にシェアをかけることにより混練効果を促進する効果もある。
本発明におけるゴム組成物に含まれる全シリカ配合量(全シリカ投入量)100質量%中、ベース練り工程1−1でのシリカの投入割合は、50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上が更に好ましく、75質量%以上が特に好ましい。50質量%未満であると、工程1−1での所望のシリカ混練効果が得られないため、充分に分散せず、耐摩耗性に劣るおそれがある。また、該ベース練り工程1−1でのシリカの投入割合は、95質量%以下が好ましく、90質量%以下が更に好ましい。95質量%を超えて投入すると、ベース練り工程1−2のシリカ分割投入の効果が薄れ、低燃費性、耐摩耗性が低下する恐れがある。
ゴム組成物に含まれる全カーボンブラック配合量(全カーボンブラック投入量)100質量%中、ベース練り工程1−1でのカーボンブラックの投入割合は特に限定されず、一部又は全量が投入、混練されるが、前記性能バランスの観点から、全量を工程1−1で投入、混練することが好ましい。
ベース練り工程1−1において前記式(1)で示されるシランカップリング剤の一部が混練される。シランカップリング剤を工程1−1、1−2で分割投入することで、前述の効果が得られる他、活性の早期の低下を防止し、混練操作全体での加工性を保持できるという効果も得られる。なお、本発明におけるゴム組成物中の式(1)の全シランカップリング剤配合量(式(1)の全シランカップリング剤投入量)100質量%中、ベース練り工程1−1での式(1)のシランカップリング剤の投入割合は、前記工程1−1でのシリカ投入割合と同一であることが好ましい。
ベース練り工程1−2では、前記ベース練り工程1−1で得られた混練物1、シリカ(B)の残部、前記工程1−1でカーボンブラック(C)を一部のみ混練した場合はその残部、及び前記式(1)で示されるシランカップリング剤(D)の残部が混練される。前記のとおり、分割投入することにより、シリカ分散効果、混練効果、加工性保持効果が得られる。
ベース練り工程1−1、1−2の混練中の最高温度は、特に限定されないが、シランカップリング剤が十分に反応し、シリカが良好に分散した混練り物が効率良く得られるという点から、好ましくは130℃以上、より好ましくは140℃以上、更に好ましくは145℃以上である。また、ゴム焼けを防ぐため、上限は、好ましくは200℃以下である。
ベース練り工程1−1、1−2の混練り時間は、特に限定されないが、シリカが良好に分散した混練り物が効率良く得られるという点から、それぞれ好ましくは3分以上、より好ましくは4分以上、更に好ましくは4.5分以上であり、また、好ましくは9分以下、より好ましくは8分以下、更に好ましくは7分以下である。
特に、ベース練り工程1−1、1−2の最終段階において、混練温度が140℃以上に到達後、混練物を140〜190℃で、10〜120秒間保持することが好ましい。これにより、シランカップリング剤とシリカの反応を完全に進行させることが可能になる。
ベース練り工程1−1、1−2における式(1)のシランカップリング剤の投入量は、各工程のシリカ投入量100質量部に対して、好ましくは1.0質量部以上、より好ましくは5.0質量部以上、更に好ましくは7.0質量部以上である。1.0質量部未満では、充填剤との反応が不充分で、シランカップリング剤(D)による良好な加工性向上効果が引き出せないおそれがある。また、該シランカップリング剤の投入量は、好ましくは30質量部以下、より好ましくは20質量部以下、更に好ましくは15質量部以下である。30質量部を超えて投入しても、シリカ分散効果は向上せず、コスト的に不利になる傾向がある。
仕上げ練り工程2では、前記ベース練り工程1−2で得られた混練物2、並びに、硫黄及び加硫促進剤を含む加硫系材料(E)の一部又は全部が混練される。例えば、ベース練り工程1−2で得られた混練物を冷却した後、加硫剤や加硫促進剤などの加硫系材料を添加して混練りすることで実施でき、それにより、未加硫ゴム組成物が得られる。なお、工程1−2で得られた混練物を冷却する温度は、通常100℃以下であり、好ましくは20〜80℃である。
本発明におけるゴム組成物に含まれる全加硫剤、全加硫促進剤の配合量(全加硫剤、全加硫促進剤の投入量)100質量%中、仕上げ練り工程2での加硫剤、加硫促進剤の投入割合は特に限定されず、一部又は全量が投入、混練される。一部を投入する場合、ベース練り工程1−1及び/又は1−2で加硫系材料(E)の一部を混練し、仕上げ練り工程2でその残部を混練する。
加硫促進剤については、シリカとポリマーの分散を促進できる観点から、先ず、加硫促進剤の一部を前記ベース練り工程1−1及び/又は1−2で投入、混練し、残部を仕上げ練り工程2で投入、混練することが好ましい。特に、グアニジン類加硫促進剤の一部を工程1−1及び/又は1−2で投入、混練することが好適である。
仕上げ練り工程2の混練り温度は、好ましくは110℃以下、より好ましくは100℃以下である。110℃を超えると、ゴム焼け(スコーチ)が生じるおそれがある。混練り温度の下限は特に限定されないが、好ましくは80℃以上である。
仕上げ練り工程2の混練り時間は特に限定されないが、通常30秒以上であり、好ましくは1〜30分間である。
なお、ベース練り工程1−1、1−2、ベース練り工程2の混練は、公知の方法で実施でき、例えば、上記各成分をオープンロール、バンバリーミキサーなどのゴム混練装置を用いて混練できる。
更に加硫工程3において、仕上げ練り工程2で得られた未加硫ゴム組成物を公知の方法で加硫することにより、本発明におけるゴム組成物が得られる。加硫工程3の加硫温度は、本発明の効果が良好に得られるという点から、好ましくは120℃以上、より好ましくは140℃以上であり、また、好ましくは200℃以下、より好ましくは180℃以下である。
前記ベース練り工程1−1における天然ゴム(NR)としては特に限定されず、例えば、SIR20、RSS#3、TSR20、脱タンパク質天然ゴム、高純度天然ゴム等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。
合成ジエン系ゴムとしては、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)等、公知の共役ジエン系モノマーを用いた合成ポリマーが挙げられる。なかでも、ウェット性能の観点からはSBR、耐摩耗性の観点からはBRが好ましい。
SBR、BRとして、シリカとの反応性がある官能基(シリカ反応性官能基)を有する変性SBR、変性BRも好適に使用可能である。変性SBRや変性BRは、官能基の強い相互作用のため、ゴム成分自体が凝集して充填剤の分散がかえって困難になる場合が多いが、式(1)のシランカップリング剤を用いることにより、ゴム成分の凝集が防止され、シリカとの相互作用が促進される。従って、低燃費性等の性能が向上し、前記性能バランスが顕著に改善される。
前記シリカ反応性官能基は、シリカに対する反応性を持つ基であれば特に限定されないが、シリカとの相互作用の点で、シリル基、アミノ基、アミド基、水酸基、エポキシ基が特に好ましい。なお、官能基の導入箇所は特に限定されず、ゴムの主鎖、末端等が挙げられる。また、分岐したポリマー鎖にグラフト状に配置されたものでもよい。
前記変性SBRとして、末端及び/又は主鎖が変性されたSBR、スズ、ケイ素化合物などでカップリングされた変性SBR(縮合物、分岐構造を有するものなど)など、公知のものを使用できる。これらの中でも、前記シリカ反応性官能基を有する変性S−SBRが、シリカとの相互作用の点で、最も好ましい。
なお、変性SBRを構成するSBRとしては特に限定さないが、溶液重合SBR(S−SBR)、乳化重合SBR(E−SBR)などが挙げられる。なかでも、前記性能バランスが改善されるという観点からS−SBRが好ましい。
本発明では、変性SBRとして、例えば、3級アミノ基、チオール基、水酸基、エポキシ基、カルボン酸基、チオエポキシ基、ヒドロカルビルチオ基、及びヒドロカルビルシリル基から選ばれた少なくとも1種のシリカ反応性官能基を有するものを好適に使用できる。これにより、前記性能バランスが顕著に改善される。
前記3級アミノ基、チオール基、水酸基、エポキシ基、カルボン酸基、チオエポキシ基、ヒドロカルビルチオ基、ヒドロカルビルシリル基のなかでも、3級アミノ基、ヒドロカルビルシリル基が好ましい。
前記変性SBRは、ブタジエン及びスチレンをリビングアニオン重合し、重合停止剤としてシリカ反応性官能基を導入する化合物(変性剤)を用いて重合を停止する方法等、公知の方法で製造できる。
変性剤としては、3級アミノ基を有する化合物が好ましい。3級アミノ基を有する変性剤の好適例として、N−〔3−(トリメトキシシリル)−プロピル〕−N,N’−ジエチル−N’−トリメチルシリル−エタン−1,2−ジアミン、N−〔3−(トリエトキシシリル)−プロピル〕−N,N’−ジエチル−N’−トリメチルシリル−エタン−1,2−ジアミン、N−[3−(メチルジメトキシシリル)−プロピル]−N,N’−ジエチル−N’−トリメチルシリル−エタン−1,2−ジアミン、N−[3−(メチルジメトキシシリル)−プロピル]−N,N’−ジエチル−N’−トリメチルシリル−p−フェニレンジアミン、N−〔3−(トリエトキシシリル)−プロピル〕−N,N’−ジエチル−N’−トリメチルシリル−p−フェニレンジアミン、N−〔3−(ジエトキシメチルシリル)−プロピル〕−N−エチル−N’−(2−エトキシエチル)−N’−トリメチルシリル−エタン−1,2−ジアミン、N−〔3−(トリプロポキシシリル)−プロピル〕−N−プロピル−N’−(2−エトキシエチル)−N’−トリエチルシリル−p−フェニレンジアミン、N−〔2−(ジエトキシメチルシリル)−1−メチルエチル〕−N−エチル−N’−(2−ジエチルアミノ−エチル)N’−トリエチルシリル−エタン−1,2−ジアミン、N−〔3−(トリエトキシシリル)−プロピル〕−N−エチル−N’−(2−ジエチルアミノエチル)−N’−トリエチルシリル−エタン−1,2−ジアミン等が挙げられる。
SBRのスチレン含量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは20質量%以上である。5質量%未満では、充分なグリップ性能やゴム強度が得られないおそれがある。また、該スチレン含量は、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更に好ましくは40質量%以下である。60質量%を超えると、優れた低燃費性が得られないおそれがある。なお、本明細書において、スチレン含量は、H−NMR測定により算出される。
SBRのビニル含量は、好ましくは10モル%以上、より好ましくは15モル%以上、更に好ましくは20モル%以上である。10モル%未満では、充分なグリップ性能やゴム強度が得られないおそれがある。また、該ビニル含量は、好ましくは65モル%以下、より好ましくは60モル%以下である。65モル%を超えると、優れた低燃費性が得られないおそれがある。なお、本明細書において、ビニル含量とはブタジエン部のビニル量のことを示し、H−NMR測定により算出される。
本発明の製造方法により得られるゴム組成物において、ゴム成分100質量%中のSBRの含有量は、優れたグリップ性能を発揮させる観点から、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上である。また、該SBRの含有量は、耐摩耗性の観点から、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下である。
なお、SBRは、単独で用いても、用途に応じてスチレン量の異なるものを併用してもよい。
本発明では、優れた耐摩耗性を付与する目的で、ゴム成分としてBRを含むことが好ましい。BRにシリカを配合した配合ゴムは、一般にシリカ等の充填剤の分散性が低く、所望の性能を得ることが難しいが、本発明では、式(1)のシランカップリング剤の配合により、シリカとゴム成分との相互作用が高められる。従って、充填剤の分散性が向上し、低燃費性、耐摩耗性、操縦安定性、ウェット性能の性能バランスが相乗的に改善される。
なかでも、変性ブタジエンゴム、特に、シス−1,4−結合の含有率が80質量%以上のブタジエン重合体の活性末端に、少なくともアルコキシシラン化合物が結合した変性BRが好ましい。
前記変性BRは、公知の方法で製造できる。例えば、ブタジエンを、重合触媒の存在下、重合反応させてブタジエン重合体を得、得られたブタジエン重合体の活性末端をアルコキシシラン化合物により変性(以下、「変性反応」ともいう)して調製できる。なお、国際公開第03/046020号パンフレットに記載された重合触媒の存在下で重合することにより、シス−1,4−結合の含有率を80質量%以上にできる。
ブタジエン重合体の活性末端の変性に用いるアルコキシシラン化合物は、アルコキシシリル基を含む2つ以上の反応基を有するが好ましい。アルコキシシリル基以外の反応基としては、特にその種類は限定されないが、例えば、エポキシ基、イソシアネート基、カルボニル基、シアノ基等の官能基が好ましい。なお、上記アルコキシシラン化合物は、部分縮合物でも、該アルコキシシラン化合物と該部分縮合物の混合物でもよい。
前記アルコキシシラン化合物としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、及びそれらの部分縮合物、等を好適に使用できる。
本発明では、BRとして、シス含有量が90質量%以上のハイシスBRを用いることが好ましい。これにより、優れた耐摩耗性が得られる。97質量%以上が更に好ましい。なお、シス含量は、例えば、赤外吸収スペクトル分析により算出できる。
本発明の製造方法により得られるゴム組成物において、ゴム成分100質量%中のBR含有量は、耐摩耗性を発揮させる観点から、好ましくは5質量%以上、より好ましくは8質量%以上、更に好ましくは10質量%以上である。また、該BRの含有量は、加工性の観点から、好ましくは80質量%以下、より好ましくは75質量%以下である。
前記ベース練り工程1−1、1−2におけるシリカ(B)は、ゴム分野で一般的なものを使用できる。例えば、乾式法シリカ(無水ケイ酸)、湿式法シリカ(含水ケイ酸)等が挙げられるが、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。シリカは、単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
シリカ(B)のチッ素吸着比表面積(NSA)は、40m/g以上が好ましく、50m/g以上がより好ましく、100m/g以上がさらに好ましく、130m/g以上が特に好ましく、160m/g以上が最も好ましい。40m/g未満では、加硫後の破壊強度が低下する傾向がある。また、該NSAは、500m/g以下が好ましく、300m/g以下がより好ましく、250m/g以下が更に好ましく、200m/g以下が特に好ましい。500m/gを超えると、低発熱性、ゴム加工性が低下する傾向がある。なお、シリカのチッ素吸着比表面積は、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
本発明の製造方法により得られるゴム組成物において、シリカ(B)の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上、更に好ましくは15質量部以上、特に好ましくは20質量部以上、最も好ましくは40質量部以上である。5質量部未満であると、低発熱性が不十分になるおそれがある。また、該含有量は、好ましくは200質量部以下、より好ましくは150質量部以下、更に好ましくは100質量部以下である。200質量部を超えると、充填剤へのゴムへの分散が困難になり、ゴムの加工性が悪化する傾向がある。
前記ベース練り工程1−1、1−2におけるカーボンブラック(C)としては特に限定されず、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAF等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。これらは、単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
カーボンブラック(C)のチッ素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは80m/g以上、より好ましくは100m/g以上である。80m/g未満であると、耐候性や帯電防止性能を充分に改善できないおそれがある。該NSAは、好ましくは200m/g以下、より好ましくは150m/g以下である。200m/gを超えると、加工性が悪化する傾向がある。なお、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積は、JIS K6217のA法によって測定される。
本発明の製造方法により得られるゴム組成物において、カーボンブラック(C)の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上である。1質量部未満であると、カーボンブラックによる改善効果が充分に得られないおそれがある。また、カーボンブラックの含有量は、好ましくは30質量部以下、より好ましくは10質量部以下である。30質量部を超えると、低燃費性、加工性が悪化する傾向がある。
前記ベース練り工程1−1、1−2では、下記式(1)で表されるシランカップリング剤(シリル化コアポリスルフィドシラン)が用いられる。
[Y−][G(RSiX[G[R (1)
(式中、
は、独立して、[(CH−][−(CH−]で表されるポリスルフィド基を持つ炭素数1〜30の多価炭化水素基である。
は、独立して、[(CH−][−(CH−]で表されるポリスルフィド基を持つ炭素数1〜30の多価炭化水素基である。
及びYは、独立して、−SiXで示されるシリル基、水素、カルボキシル基、又は−C(=O)ORで示されるエステル基である。
は、独立して、−Cl、−Br、−OH、−OR、又はRC(=O)O−である。
及びXは、独立して、水素、R、X、又はシラノールの縮合から生じる−OSi含有基である。
及びRは、独立して、炭素数1〜20の2価炭化水素基である。
は、独立して、−(CH−で表される直鎖状炭化水素基である。
は、独立して、炭素数1〜28の多価炭化水素基又は炭素数1〜27のヘテロ原子含有多価炭化水素基である。
は、独立して、炭素数1〜28の多価炭化水素基である。
は、炭素数1〜20の1価炭化水素基である。
a、b、c、d、e、f、m、n、o、p及びxは各々独立し、該a、c及びeは1〜3、該b及びdは1〜5、該fは0〜5、該m及びpは1〜100、該nは1〜15、該oは0〜10、該xは1〜10である。)
本発明では、式(1)の化合物、特に、複数のポリスルフィド鎖が同一線上にない立体配置に配向し、かつ、コアが第一級炭素原子に結合する、複数のポリスルフィド基を含有しているシリル化コアポリスルフィドを用いることで、例えば、シクロヘキシルコアのような立体障害が大きく反応性が小さい基を有するシランカップリング剤であっても、その反応性を向上し、本発明の効果が良好に得られる。
及びRの2価炭化水素基としては、直鎖状又は分岐状のアルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、アラルキレン基等が挙げられる。R及びRの炭素数は、1〜5が好ましい。
の多価炭化水素基としては、a+c+e−1個の水素が置換された環状、分岐状又は直鎖状のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられる。Rのヘテロ原子含有多価炭化水素基は、窒素、酸素、硫黄、リン等のヘテロ原子を含む前記多価炭化水素基等であり、例えば、エーテル基、ポリスルフィド基、第三級アミン基、シアノ基、シアヌレートC基等を含む環状、分岐状又は直鎖状の多価脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基等が挙げられる。なお、Rの炭素数は、3〜10が好ましい。
の多価炭化水素基としては、c+e−1個の水素が置換された環状、分岐状又は直鎖状のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられ、該多価炭化水素基の炭素数は1〜27が好ましい。なお、Rの炭素数は、3〜10が好ましい。
の1価炭化水素基としては、直鎖状又は分岐状のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられる。なお、Rの炭素数は、1〜5が好ましい。
なお、直鎖状又は分岐状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソブチル基等;アルケニル基としては、ビニル基、プロペニル基、アリル基、メタリル基等;アルキニル基としては、アセチレニル基、プロパルギル基、メチルアセチレニル基等;が挙げられる。また、アリール基としては、フェニル基、ナフタレニル等;アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基等;が挙げられる。
環状のアルキル基、アルケニル基又はアルキニル基としては、ノルボルニル基、ノルボルネニル基、エチルノルボルニル基、エチルノルボルネニル基、エチルシクロヘキシル基、エチルシクロヘキセニル基、シクロヘキシルシクロヘキシル基、シクロドデカトリエニル基などが挙げられる。
及びYは前述の基であるが、なかでも、−SiXで示されるシリル基が好ましい。
は前述の基であるが、なかでも、−OH、−ORが好ましい。
の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基、ヒドロキシ基、クロロ基、アセトキシ基等が挙げられる。
及びXは前述の基であるが、なかでも、R、Xとして列挙した基、シラノールの縮合から生じる−OSi含有基が好ましい。
及びXの具体例としては、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、フェニル基、前記Xの具体例等が挙げられる。
aは1〜2、bは1〜3、cは1、dは1〜3、eは1、fは0〜3、mは1、nは1〜10、oは0〜1、pは1、xは1〜4が好ましい。
における炭素数1〜30の多価炭化水素基について、3座(3価)の基の代表例としては、−CH(CHq+1CH(CH−)−、−CH(CH)(CHCH(CH−)−(qは0〜20である。);−CHCH(C)CH(CH−)−、−CHCH(C−)CHCH−(Cは二置換ベンゼン環、C−は三置換環である。);−CH(CH−)CHCH−、−CH(C−)(CH)CHCH−、−CHCH(CH)(CH−)CH−等が挙げられる。また、他の多価の基の代表例としては、−CH(CH−)(CHCH(CH−)−(qは1〜20である。);−CH(CH−)(C)CH(CH−)−(Cは二置換ベンゼン環である。);−CH(CH−)CHOCHCH(CH−)−、−CH(CH−)(CH−)CH−;等が挙げられる。
における炭素数1〜30の多価炭化水素基について、2座(2価)の基の代表例としては、−CH(CHq+1CH(CH−)、CH(CH)(CHCH(CH−)(qは0〜20である。);−CHCH(C)CHCH−(Cは二置換ベンゼン環である。);−CHCHCHCH−、−CH(CH)(CH)CHCH−、−CHCH(CH)CHCH−等が挙げられる。また、他の多価の基としては、−CH(CHq+1CH(CH−)−(qは0〜20である。)等の3座(3価)の基;等が挙げられる。
前記式(1)で示されるシランカップリング剤のなかでも、下記式の化合物が好ましい。
Figure 2016151018
(式中、
及びYは、独立して、−SiXで示されるシリル基、水素、カルボキシル基、又は−C(=O)ORで示されるエステル基である。
は、独立して、−Cl、−Br、−OH、−OR、又はRC(=O)O−である。
及びXは、独立して、水素、R、X、又はシラノールの縮合から生じる−OSi含有基である。
及びRは、独立して、炭素数1〜20の2価炭化水素基である。
は、独立して、−(CH−で表される直鎖状炭化水素基である。
は、独立して、a+c+e−1個の水素が置換された環状のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基である。
は、炭素数1〜20の1価炭化水素基である。
a、b、c、d、e、f、m、n、p及びxは各々独立し、該a、c及びeは1〜3、該b及びdは1〜5、該fは0〜5、該m及びpは1〜100、該nは1〜15、該xは1〜10である。)
前述の式(1)で示されるシランカップリング剤の具体例としては、4−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−1,2−ビス−(13−トリエトキシシリル−3,4,5,6−テトラチアトリデシル)シクロヘキサン;4−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−1,2−ビス−(13−トリエトキシシリル−3,4,5,6−テトラチアトリデシル)シクロヘキサン;4−(2−ジエトキシメチルシリル−1−エチル)−1,2−ビス−(13−トリエトキシシリル−3,4,5,6−テトラチアトリデシル)シクロヘキサン;4−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−1,2−ビス−(10−トリエトキシシリル−3,4,5,6,7−ペンタチアデシル)シクロヘキサン;1−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−2,4−ビス−(10−トリエトキシシリル−3,4,5,6,7−ペンタチアデシル)シクロヘキサン;4−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−1,2−ビス−(9−トリエトキシシリル−3,4,5,6−テトラチアノニル)シクロヘキサン;1−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−2,4−ビス−(9−トリエトキシシリル−3,4,5,6−テトラチアノニル)シクロヘキサン;2−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−1,4−ビス−(9−トリエトキシシリル−3,4,5,6−テトラチアノニル)シクロヘキサン;4−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−1,2−ビス−(8−トリエトキシシリル−3,4,5−トリチアオクチル)シクロヘキサン;1−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−2,4−ビス−(8−トリエトキシシリル−3,4,5−トリチアオクチル)シクロヘキサン;2−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−1,4−ビス−(8−トリエトキシシリル−3,4,5−トリチアオクチル)シクロヘキサン;4−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−1,2−ビス−(7−トリエトキシシリル−3,4−ジチアヘプチル)シクロヘキサン;2−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−1,4−ビス−(7−トリエトキシシリル−3,4−ジチアヘプチル)シクロヘキサン;1−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−2,4−ビス−(7−トリエトキシシリル−3,4−ジチアヘプチル)シクロヘキサン;2−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−1−(7−トリエトキシシリル−3,4−ジチアヘプチル)−2−(8−トリエトキシシリル−3,4,5−トリチアオクチル)シクロヘキサン;4−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−1,2−ビス−(9−トリエトキシシリル−3,4,5,6−テトラチアノニル)ベンゼン;ビス−[2−[4−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−2−(9−トリエトキシシリル−3,4,5,6−テトラチアノニル)シクロヘキシル]エチル]テトラスルフィド;ビス−[2−[4−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−2−(9−トリエトキシシリル−3,4,5,6−テトラチアノニル)シクロヘキシル]エチル]トリスルフィド;ビス−[2−[4−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−2−(9−トリエトキシシリル−3,4,5,6−テトラチアノニル)シクロヘキシル]エチル]ジスルフィド;ビス−[2−[4−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−2−(7−トリエトキシシリル−3,4−ジチアヘプチル)シクロヘキシル]エチル]ジスルフィド;ビス−[2−[4−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−2−(7−トリエトキシシリル−3,4−ジチアヘプチル)シクロヘキシル]エチル]トリスルフィド;ビス−[2−[4−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−2−(7−トリエトキシシリル−3,4−ジチアヘプチル)シクロヘキシル]エチル]テトラスルフィド;ビス−[2−[4−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−2−(9−トリエトキシシリル−3,4,5,6−テトラチアノニル)フェニル]エチル]テトラスルフィド;ビス−[2−[4−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−3−ビス−(9−トリエトキシシリル−3,4,5,6−テトラチアノニル)シクロヘキシル]エチル]トリスルフィド;ビス−[2−[4−(2−ジエトキシメチルシリル−1−エチル)−2−(7−トリエトキシシリル−3,4−ジチアヘプチル)シクロヘキシル]エチル]ジスルフィド;これらの任意の異性体;等が挙げられる。これらは単独又は2種以上を併用できる。
なかでも、(2−トリエトキシシリルエチル)−ビス−(7−トリエトキシシリル−3,4−ジチアヘプチル)シクロヘキサン、(2−トリエトキシシリルエチル)−ビス−(7−トリエトキシシリル−3,4,5,6−テトラチアノニル)シクロヘキサン、及びこれらの任意の異性体が好ましい。
前記式(1)で示されるシランカップリング剤は、例えば、HSi(X)で示されるヒドロシラン(X、X、Xは前記と同様)と、反応性二重結合を有する炭化水素を反応する工程(a)、フリーラジカル剤の存在下で、前記工程(a)で得られた化合物と、RC(=O)SH(Rは前記と同様)で示される硫化剤と反応する工程(b)、プロトン供与体を用いてメルカプト基を脱ブロック化する工程(c)、前記工程(c)で得られたメルカプタンと、塩基及び硫黄の混合物と反応する工程(d)、並びに、前記工程(d)で得られた化合物と、塩素、臭素又はヨウ素の脱離基を有する置換若しくは非置換の炭化水素と反応する工程(e)を含む製法により調製できる。
工程(a)における前記反応性二重結合を有する炭化水素としては、例えば、下記式で示される化合物が挙げられる。
Figure 2016151018
(式中、R、c及びeは前記と同様である。gは0〜3、hは0〜3、iは0〜3である。)
フリーラジカル剤としては、酸化剤が挙げられる。例えば、チオカルボン酸を下記式で示されるチオカルボン酸ラジカルに転換できる化合物が挙げられる。酸素、ペルオキシド、ヒドロペルオキシドなども使用可能である。
Figure 2016151018
プロトン供与体としては、任意の水素含有ヘテロカーボン又は置換へテロカーボンで、工程(c)でチオカルボン酸エステル中間体と反応し、脱ブロック化メルカプタンの生成が可能な化合物を使用することが可能である。例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、プロパノールなどのアルコール;アンモニア、メチルアミン、プロピルアミン、ジエタノールアミンなどのアミン;プロピルメルカプタン、ブチルメルカプタンなどのメルカプタン;等が挙げられる。
脱離基を有する置換若しくは非置換の炭化水素としては、YZ、YZ(Y、Y、R及びRは前記と同様である。Zは、独立して、Cl、Br又はIである。)で示される化合物が挙げられる。
反応は、アルコール、エーテル、炭化水素溶媒などの有機溶媒の存在下又は非存在下で実施できる。有機溶媒としては、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコール、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン等が挙げられる。
本発明の製造方法により得られるゴム組成物において、前記式(1)で示されるシランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、好ましくは1.0質量部以上、より好ましくは5.0質量部以上、更に好ましくは7.0質量部以上である。1.0質量部未満であると、充填材との反応が不十分になり、シランカップリング剤の優れた加工性向上効果が引き出せない恐れがある。該含有量は、好ましくは30質量部以下、より好ましくは20質量部以下、更に好ましくは15質量部以下である。30質量部を超えても、シリカの分散効果は向上せず、コスト的に不利になる可能性がある。
本発明におけるゴム組成物では、式(1)で示されるシランカップリング剤と、他のシランカップリング剤を併用してもよく、例えば、スルフィド基を有するシランカップリング剤(ポリスルフィドシラン)を併用することが好ましい。その場合、式(1)のシランカップリング剤同様、前記ベース練り工程1−1、1−2で分割混練することが好ましい。
スルフィド基を有するシランカップリング剤としては、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリメトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィドなどが挙げられる。上記カップリング剤は、一般的に一定の分布を持った混合物として市販されており、エボニック社製のSi75、Si69等が好適にあげられる。
なお、他のシランカップリング剤を併用した場合、シランカップリング剤の合計含有量の好ましい範囲は上記と同様である。
前記仕上げ練り工程2における加硫系材料(E)の加硫剤としては、特に限定されず、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。例えば、硫黄が好ましく、粉末硫黄がより好ましい。また、硫黄と他の加硫剤を併用してもよい。他の加硫剤としては、例えば、田岡化学工業(株)製のタッキロールV200、フレキシス社製のDURALINK HTS(1,6−ヘキサメチレン−ジチオ硫酸ナトリウム・二水和物)、ランクセス社製のKA9188(1,6−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサン)などの硫黄を含む加硫剤や、ジクミルパーオキサイドなどの有機過酸化物などが挙げられる。
本発明の製造方法により得られるゴム組成物において、加硫剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上であり、また、好ましくは15質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。上記範囲内であれば、本発明の効果が良好に得られるとともに、良好な引張強度、耐摩耗性及び耐熱性も得られる。
前記仕上げ練り工程2における加硫系材料(E)の加硫促進剤としては、特に限定されず、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。例えば、グアニジン類、スルフェンアミド類、チアゾール類、チウラム類、ジチオカルバミン酸塩類、チオウレア類、キサントゲン酸塩類が好ましい。これらは、単独で用いても構わないが、用途に応じて2種以上を組み合わせることが望ましい。なかでも、少なくともグアニジン類加硫促進剤を用いることが低燃費性と他のゴム物性のバランスの上で望ましい。
グアニジン類加硫促進剤としては、1,3−ジフェニルグアニジン、1,3−ジ−o−トリルグアニジン、1−o−トリルビグアニド、ジカテコールボレートのジ−o−トリルグアニジン塩、1,3−ジ−o−クメニルグアニジン、1,3−ジ−o−ビフェニルグアニジン、1,3−ジ−o−クメニル−2−プロピオニルグアニジン等が挙げられる。なかでも、反応性が高い点で、1,3−ジフェニルグアニジン、1,3−ジ−o−トリルグアニジン、1−o−トリルビグアニドが特に好ましい。
本発明の製造方法により得られるゴム組成物において、加硫促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、0.1〜5質量部が好ましく、0.2〜4質量部がより好ましい。
本発明におけるゴム組成物は、オイル、液状ポリマー、液状樹脂等の可塑剤を配合することが好ましい。これにより、加工性を改善するとともに、ゴムの強度を高めることができる。なかでも、コストと加工性をバランス良く改善するという観点より、オイルが好ましい。これら可塑剤は、一種類でも、複数を配合しても構わない。
前記オイルとしては、プロセスオイル、植物油脂、動物油脂などが挙げられる。
プロセスオイルとしてはパラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイルなどが挙げられる。また、環境対策で多環式芳香族(polycyclic aromatic compound: PCA)化合物の含量の低いプロセスオイルも挙げられる。前記低PCA含量プロセスオイルとしては、オイル芳香族系プロセスオイルを再抽出したTreated Distillate Aromatic Extract(TDAE)、アスファルトとナフテン油の混合油であるアロマ代替オイル、軽度抽出溶媒和物(mild extraction solvates)(MES)、重ナフテン系オイル等が挙げられる。
植物油脂としては、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生油、ロジン、パインオイル、パインタール、トール油、コーン油、こめ油、ごま油、オリーブ油、ひまわり油、パーム核油、椿油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、サフラワー油、桐油などが挙げられる。
動物油脂としては、オレイルアルコール、魚油、牛脂などが挙げられる。
なかでも、加工性に有利であるという理由からプロセスオイルが好ましく、環境対策の面では、上記多環式芳香族(polycyclic aromatic compound: PCA)化合物の含量の低いプロセスオイルを使用することが好ましい。
本発明の製造方法により得られるゴム組成物において、オイルの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは2質量部以上、より好ましくは5質量部以上である。2質量部未満では、加工性改善効果が充分に得られないおそれがある。また、該オイルの含有量は、好ましくは60質量部以下、より好ましくは50質量部以下、更に好ましくは40質量部以下である。60質量部を超えると、工程面での負荷が増大するおそれがある。
なお、本発明の製造方法において、前記可塑剤は、全配合量の50質量%以上が前記ベース練り工程1−1で投入されることが好ましく、70質量%以上がより好ましく、90質量%以上が更に好ましく、全量を工程1で投入してもよい。これにより、充填材の分散が良好になる。ゴム成分が油展されている場合は、可塑剤の全配合量に該油展分は含まない。
本発明におけるゴム組成物は、老化防止剤を含むことが好ましい。
老化防止剤としては、耐熱性老化防止剤、耐候性老化防止剤等、ゴム組成物に通常使用されるものを特に制限なく使用できる。例えば、ナフチルアミン系(フェニル−α−ナフチルアミン等)、ジフェニルアミン系(オクチル化ジフェニルアミン、4,4´−ビス(α,α´−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン等)、p−フェニレンジアミン系(N−イソプロピル−N´−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N´−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N´−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン等)等のアミン系老化防止剤;2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンの重合物等のキノリン系老化防止剤;モノフェノール系(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、スチレン化フェノール等)、ビス、トリス、ポリフェノール系(テトラキス−[メチレン−3−(3´,5´−ジ−t−ブチル−4´−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等)等のフェノール系老化防止剤;等が挙げられる。
なお、老化防止剤は、各工程で分割して投入してもよいが、全量をベース練り工程1−2で投入することが、作業効率と混練中の老化防止剤の活性低下防止の観点から好ましい。
本発明の製造方法により得られるゴム組成物において、老化防止剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、1質量部以上が好ましい。1質量部未満では、分子差切断抑制効果が十分現れず、耐摩耗性が低下する恐れがある。また該含有量は、10質量部以下が好ましい。10質量部を超えると、老化防止剤のブルーミングにより変色を起こすおそれがある。
本発明におけるゴム組成物は、界面活性剤を含むことが好ましい。これにより、充填剤の分散を促進し、かつ経年劣化による変色を防ぐことができる。
界面活性剤としては、有機酸の金属塩等の金属石鹸;ポリオキシアルキレン誘導体等のノニオン系界面活性剤;等が挙げられるが、特に限定されない。これらは、単独でも複数を組み合わせて使用してもよい。
有機酸の金属塩としては、カルボン酸の金属塩等が好適例として挙げられる。
ポリオキシアルキレン誘導体としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルなどのエーテル型、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステルなどのエステル型、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステルなどのエーテルエステル型、ポリオキシアルキレン脂肪酸アミド、ポリオキシアルキレンアルキルアミンなどの含窒素型などが挙げられる。
上記の界面活性剤の中でも、低燃費性と他のゴム物性のバランスの面から、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステルが特に好ましい。
なお、界面活性剤は、シリカ分散を促進する観点から、前記ベース練り工程1−1及び/又は1−2で投入、混練することが好ましい。なお、複数の工程で分割投入してもよい。
本発明の製造方法により得られるゴム組成物において、界面活性剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.3質量部以上、更に好ましくは0.6質量部以上、特に好ましくは1質量部以上、最も好ましくは1.2質量部以上である。0.1質量部未満では、シリカ分散の効果が充分に得られないおそれがある。また、上記含有量は、好ましくは5.0質量部以下、より好ましくは4.0質量部以下、更に好ましくは3.0質量部以下である。5.0質量部を超えると、操縦安定性等が悪化するおそれがある。
本発明におけるゴム組成物には、上記の材料以外にも、酸化亜鉛、ステアリン酸、ワックス等、タイヤ工業において一般的に用いられている各種材料を適宜配合してもよい。これらの材料は、任意の工程で混練すれば良い。
本発明の製造方法で得られたゴム組成物は、タイヤの各部材に使用でき、なかでも、トレッド、サイドウォール等に好適に用いることができる。
本発明におけるゴム組成物を用いたタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法により製造される。すなわち、必要に応じて各種添加剤を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でトレッドなどの部材の形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法にて成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、未加硫タイヤを形成した後、加硫機中で加熱加圧してタイヤを製造することができる。
本発明では、前記ゴム組成物を用いることで、空気入りタイヤ、非空気入りタイヤを製造できる。空気入りタイヤは、乗用車用タイヤ、トラック・バス用タイヤ、二輪車用タイヤ、高性能タイヤ等として用いられる。なお、本明細書における高性能タイヤとは、グリップ性能に特に優れたタイヤであり、競技車両に使用する競技用タイヤを含む。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
SBR1:ランクセス社製 Buna SL4525−0(スチレン量25%、非油展、非変性S−SBR)
SBR2:下記製造例1で作製した変性SBR(アミノ基及びアルコキシシリル基を有する変性S−SBR)
BR1:宇部興産(株)製のBR150B(シス含有量:97質量%、ML1+4(100℃):40)
BR2:下記製造例2で作製した変性BR(アルコキシシリル基を有する変性ハイシスBR)
シリカ:エボニック社製のウルトラシルVN3(NSA:175m/g)
カーボンブラック:三菱化学(株)製のダイヤブラックN220(NSA:114m/g、平均一次粒子径:22nm)
オイル:H&R社製のVIVATEC500
ステアリン酸:日油(株)製
ワックス:日本精蝋(株)製のオゾエース0355
界面活性剤:花王(株)製 エマルゲン123P(非イオン系界面活性剤、ポリオキシエチレンラウリルエーテル)
シランカップリング剤1:下記製造例3で作製した(2−トリエトキシシリルエチル)−ビス−(7−トリエトキシシリル−3,4,5,6−テトラチアノニル)シクロヘキサン
シランカップリング剤2:エボニック社製 Si69
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン)
酸化亜鉛:ハクスイテック(株)製の酸化亜鉛3種
硫黄:鶴見化学(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤1:大内新興化学工業(株)製ノクセラーNS(N−t−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)
加硫促進剤2:大内新興化学工業(株)製のノクセラーD(N,N’−ジフェニルグアニジン)
(製造例1)
アミノ基及びアルコキシシリル基を有するSBR2の調製
窒素雰囲気下、5リットルのオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン2750g、テトラヒドロフラン50g、スチレン125gおよびブタジエン375gを仕込み、反応器内の温度を10℃に調整した後、n−ブチルリチウム5.8mmolを含むシクロヘキサン溶液を添加し、重合を開始した。50℃〜80℃で重合反応を3時間行った。
その後、ポリマー溶液に、N−〔3−(トリメトキシシリル)−プロピル〕−N,N' −ジエチル−N' −トリメチルシリル−エタン−1,2−ジアミン4.96mmolを含むシクロヘキサン溶液を加えて15分間反応を行った。その後、得られたポリマー溶液に2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール2gを添加し、更に水酸化ナトリウムでpHを9に調整した熱水を用いてスチームストリッピングを行うことによって脱溶媒処理した後、110℃に調温された熱ロールによって乾燥処理することにより、SBR2を得た。
なお、結合スチレン量は25質量%、ビニル含量は55モル%、Mwは56万であった。
(製造例2)
アルコキシシリル基を有するBR2の調製
5Lオートクレーブに、窒素雰囲気下、シクロヘキサン2.4kg、1,3−ブタジエン300gを仕込んだ。これらに、予めバーサチック酸ネオジム(0.09mmol)のシクロヘキサン溶液、メチルアルモキサン(1.0mmol)のトルエン溶液、水素化ジイソブチルアルミニウム(3.5mmol)及びジエチルアルミニウムクロリド(0.18mmol)のトルエン溶液と、1,3−ブタジエン(4.5mmol)とを50℃で30分間反応熟成させて調製した触媒を仕込み、80℃で45分間重合反応を行った。
次に、反応温度60℃に保ち、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(4.5mmol)のトルエン溶液を添加し、30分間反応を行い、活性末端を変性させた。その後、2,4−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール1.5gを含むメタノール溶液を添加した。
次に、水酸化ナトリウムによりpH10に調整した水溶液20Lに、上記変性重合体溶液を添加し、110℃で2時間、脱溶媒後、110℃のロールで乾燥させて、BR2を得た。得られたものは、シス量97質量%、ビニル量1.1%、Mw35万であった。
なお、得られた重合体の分子量、スチレン量、ビニル含量及びシス含量は以下の方法により分析した。
<分子量>
下記の条件(1)〜(8)でゲル・パーミエイション・クロマトグラフ(GPC)法により、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)を求めた。
(1)装置:東ソー(株)製HLC−8220
(2)分離カラム:東ソー(株)製HM−H(2本直列)
(3)測定温度:40℃
(4)キャリア:テトラヒドロフラン
(5)流量:0.6mL/分
(6)注入量:5μL
(7)検出器:示差屈折
(8)分子量標準:標準ポリスチレン
<重合体の構造同定>
重合体の構造同定は、日本電子(株)製JNM−ECAシリーズの装置を用いて行った。測定結果から、スチレン量、ビニル含量、シス含量を算出した。
(製造例3)
(2−トリエトキシシリルエチル)−ビス−(7−トリエトキシシリル−3,4,5,6−テトラチアノニル)シクロヘキサンの調製
先ず、(2−トリメトキシシリルエチル)ジビニルシクロヘキサンをヒドロシリル化により作製した。
具体的には、マグネチックスターラーバー、温度プローブ/コントローラ、加熱マントル、添加ロート、コンデンサー、および気体吸入口を備えた、5リットルの三口丸底フラスコに、1,2,4−トリビニルシクロヘキサン(2,001.1グラム、12.3モル)およびVCAT触媒(1.96グラム、0.01534グラム白金)を充填した。チューブがシランの表面より下にある気体吸入口によって、空気を泡立てながらビニルシランを入れた。反応混合物は110℃に温められ、トリメトキシシラン(1,204グラム、9.9モル)を3.5時間にわたって添加した。反応混合物の温度は最高値130℃まで上昇した。反応混合物を室温に冷却し、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン(3グラム、0.004モル)を添加した。反応混合物を122℃および1mmHgで蒸留し、1,427グラムの(2−トリメトキシシリルエチル)ジビニルシクロヘキサンが得られた。収率は51パーセントであった。
次に、(2−トリエトキシシリルエチル)ジビニルシクロヘキサンをエステル交換により作製した。
具体的には、マグネチックスターラーバー、温度プローブ/コントローラ、加熱マントル、添加ロート、ト字管、および、コンデンサー、ならびに窒素注入口を備えた、3リットルの三口丸底フラスコに、(2−トリメトキシシリルエチル)ジビニルシクロヘキサン(284グラム、2.33モル)、ナトリウムエトキシド・エタノール溶液(49グラムの21%ナトリウムエトキシド、Aldrich Chemical製)およびエタノール(777グラム、16.9モル)を充填した。反応混合物は温められ、メタノールとエタノールは大気圧における蒸留により取り除かれた。粗生成物はその後、106℃、0.4mmHgという減圧において蒸留され、675グラムの(2−トリエトキシシリルエチル)ジビニルシクロヘキサンが得られた。収率は89パーセントであった。
続いて、(2−トリエトキシシリルエチル)ビス−(3−チア−4−オキソペンチル)シクロヘキサンを、チオ酢酸をジビニルシランへ添加することにより作製した。
具体的には、マグネチックスターラーバー、温度プローブ/コントローラ、加熱マントル、添加ロート、コンデンサー、気体注入口、および水酸化ナトリウムスクラバーを備えた、1リットル三口丸底フラスコに、チオ酢酸(210グラム、2.71モル)を充填した。(2−トリエトキシシリルエチル)ジビニルシクロヘキサン(400グラム、1.23モル)を30分にわたり、室温で、添加ロートを介してゆっくりと添加した。反応は発熱性の反応であった。混合物の温度は94.6℃に上昇した。混合物を2.5時間撹拌し、38.8℃まで冷却した。追加的なチオ酢酸(10グラム、0.13モル)を添加し、わずかな発熱反応が観察された。反応混合物を25℃で終夜(18時間)撹拌した。分析により、反応混合物が2パーセント以下のチオ酢酸を含むことが示され、全体的な純度は91パーセントであった。反応混合物は、減圧下でクーゲル装置により蒸留することでさらに精製され、(2−トリエトキシシリルエチル)ビス−(3−チア−4−オキソペンチル)シクロヘキサンが得られた。
更に、ジメルカプトシランの中間生成物〔(2−トリエトキシシリルエチル)ビス(2−メルカプトエチル)シクロヘキサン〕は、(2−トリエトキシシリルエチル)ビス−(3−チア−4−オキソペンチル)シクロヘキサンからアセチル基を取り除くことにより作製した。
具体的には、マグネチックスターラーバー、温度プローブ/コントローラ、加熱マントル、添加ロート、ト字管、およびコンデンサー、10段Oldershawカラム、ならびに窒素注入口を備えた5リットルの三口丸底フラスコに、(2−トリエトキシシリルエチル)ビス−(3−チア−4−オキソペンチル)シクロヘキサン(2,000グラム、4.1モル)、エタノール(546.8グラム、11.8モル)およびナトリウムエトキシド・エタノール溶液(108グラムの21%ナトリウムエトキシド・エタノール溶液)を充填した。反応混合物のpHは約8であった。反応混合物を24時間、88℃に温め、酢酸エチルおよびエタノールを反応混合物から取り除いた。二度、エタノール(1リットル)を混合物に添加し、21%ナトリウムエトキシド・エタノール溶液(21グラム)の添加により、反応混合物のpHが約10にまで上昇し、更に6.5時間温めた。反応混合物を冷却し、加圧ろ過した。反応混合物を、95℃以下の温度と1mmHgの圧力でストリップした。ストリップした生成物をろ過し、(2−トリエトキシシリルエチル)ビス(2−メルカプトエチル)シクロヘキサン(1398グラム、3.5モル、86%の収率)が得られた。
そして、目的物の(2−トリエトキシシリルエチル)−ビス−(7−トリエトキシシリル−3,4,5,6−テトラチアノニル)シクロヘキサン、関連するオリゴマーおよびポリスルフィド、ならびにビス−(トリエポキシシリルプロピル)ポリスルフィド混合物を、ジメルカプトシランと塩基、硫黄および3−クロロプロピルトリエトキシシランとを反応させることにより作製した。
具体的には、マグネチックスターラーバー、温度プローブ/コントローラ、加熱マントル、添加ロート、ト字管、および、フリードリヒコンデンサー、ならびに窒素注入口を備えた、5リットルの三口丸底フラスコに、(2−トリエトキシシリルエチル)−ビス−(2−メルカプトエチル)シクロヘキサン(596.3グラム、1.5モル)を充填した。21%ナトリウムエトキシド・エタノール溶液(979.0グラム、3.0モル)に、600グラムのエタノールおよび硫黄(Aldorich Chemical製の昇華された粉、299.0グラム、9.1モル)を急速な撹拌により、追加した。溶液を終夜還流し、3−クロロプロピルトリエトキシシラン(740.0グラム、3.07モル)を添加し、その後16時間還流した。溶液を冷却し、0.1マイクロメートルのフィルターを介して加圧ろ過した。ろ過したものを、その後、エタノールを取り除くために、Rotavaporを用いてストリップした。(2−トリエトキシシリルエチル)−ビス−(7−トリエトキシシリル−3,4,5,6−テトラチアノニル)シクロヘキサン等の目的物(1,375グラム)は、HPLC、NMRおよびGCにより分析された。
(2−トリエトキシシリルエチル)−ビス−(7−トリエトキシシリル−3,4,5,6−テトラチアノニル)シクロヘキサンの一つの異性体は以下の構造を有している。
Figure 2016151018
〔実施例、比較例〕(表1)
バンバリーミキサーを用いて、表1のベース練り工程1−1に示す配合量の薬品を投入して、排出温度を150℃に設定して5分混練りした。その後、混練物をミキサー内で、排出温度が約150℃となるように1分間保持した。
次に、ベース練り工程1−1により得られた混練り物に対して、表1のベース練り工程1−2に示す配合量の薬品を投入して、140℃以上で30秒混練し、その後排出温度が約150℃となるように3分間混練りした。
その後、ベース練り工程1−2により得られた混練り物に対して、表1の仕上げ練り工程2に示す配合量の薬品を加え、オープンロールを用いて、約80℃の条件下で3分間混練りして、未加硫ゴム組成物を得た。
得られた未加硫ゴム組成物をトレッドの形状に成形し、タイヤ成型機上で他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、150℃、25kgfの条件で35分間加硫し、試験用タイヤ(タイヤサイズ:195/65R15)を製造した。
〔比較例〕(表2)
ベース練り工程1−1、1−2の分割混練を行わず、表2に示す配合量で薬品を一度に投入するベース練り工程1を行い、排出温度が150℃となるように5分間混練した以外は、上記と同様に試験用タイヤを製造した。
〔評価方法〕
製造された試験用タイヤを以下の方法で評価し、結果を表1〜2に示した。
<転がり抵抗>
転がり抵抗試験機を用い、試験用タイヤを、リム(15×6JJ)、内圧(230kPa)、荷重(3.43kN)、速度(80km/h)で走行させたときの転がり抵抗を測定し、比較例1を100とした時の指数で表示した。指数は大きい方が良好(低燃費性)である。
<耐摩耗性>
試験用タイヤを国産FF車に装着し、走行距離8000km後のタイヤトレッド部の溝深さを測定し、タイヤ溝深さが1mm減るときの走行距離を算出し下記式により指数化した。指数が大きいほど、耐摩耗性が良好である。
(耐摩耗性指数)=(各配合の1mm溝深さが減るときの走行距離)/(比較例1のタイヤ溝が1mm減るときの走行距離)×100
<操縦安定性>
試験用タイヤを国産FF車に装着し、蛇行運転をした際のドライバーの官能評価により操縦安定性を評価した。その際に、比較例1の操縦安定性を100点としてそれぞれ相対評価を行った。数値が大きいほど、操縦安定性に優れることを示す。
<ウェット性能>
湿潤アスファルト路面において、初速度100km/hからの制動距離を求め、下記式により指数表示した。指数が大きいほど、ウェット性能が良好である。
(ウェット性能指数)=(比較例1の制動距離)/(各配合の制動距離)×100
Figure 2016151018
Figure 2016151018
表1、2により、シリカ、式(1)のシランカップリング剤をベース練り工程1−1、1−2で分割混練することで、低燃費性、耐摩耗性、ウェット性能、操縦安定性の性能バランスが顕著に改善されることが明らかとなった。

Claims (10)

  1. 天然ゴム及び合成ジエン系ゴムからなる群より選択される少なくとも1種のゴム成分(A)と、シリカ(B)と、カーボンブラック(C)と、下記式(1)で示されるシランカップリング剤(D)と、硫黄及び加硫促進剤を含む加硫系材料(E)とを含有するタイヤ用ゴム組成物の製造方法であって、
    前記ゴム成分(A)の全量、前記シリカ(B)の一部、前記カーボンブラック(C)の一部又は全部、及び前記シランカップリング剤(D)の一部を混練するベース練り工程1−1、
    前記工程1−1で得られた混練物1、前記シリカ(B)の残部、前記工程1−1で前記カーボンブラック(C)を一部混練した場合はその残部、及び前記シランカップリング剤(D)の残部を混練するベース練り工程1−2、並びに、
    前記工程1−2で得られた混練物2、及び前記加硫系材料(E)の一部又は全部を混練する仕上げ練り工程2
    を含むタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
    [Y−][G(RSiX[G[R (1)
    (式中、
    は、独立して、[(CH−][−(CH−]で表されるポリスルフィド基を持つ炭素数1〜30の多価炭化水素基である。
    は、独立して、[(CH−][−(CH−]で表されるポリスルフィド基を持つ炭素数1〜30の多価炭化水素基である。
    及びYは、独立して、−SiXで示されるシリル基、水素、カルボキシル基、又は−C(=O)ORで示されるエステル基である。
    は、独立して、−Cl、−Br、−OH、−OR、又はRC(=O)O−である。
    及びXは、独立して、水素、R、X、又はシラノールの縮合から生じる−OSi含有基である。
    及びRは、独立して、炭素数1〜20の2価炭化水素基である。
    は、独立して、−(CH−で表される直鎖状炭化水素基である。
    は、独立して、炭素数1〜28の多価炭化水素基又は炭素数1〜27のヘテロ原子含有多価炭化水素基である。
    は、独立して、炭素数1〜28の多価炭化水素基である。
    は、炭素数1〜20の1価炭化水素基である。
    a、b、c、d、e、f、m、n、o、p及びxは各々独立し、該a、c及びeは1〜3、該b及びdは1〜5、該fは0〜5、該m及びpは1〜100、該nは1〜15、該oは0〜10、該xは1〜10である。)
  2. 前記式(1)で示されるシランカップリング剤が下記式で示される化合物である請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
    Figure 2016151018
    (式中、
    及びYは、独立して、−SiXで示されるシリル基、水素、カルボキシル基、又は−C(=O)ORで示されるエステル基である。
    は、独立して、−Cl、−Br、−OH、−OR、又はRC(=O)O−である。
    及びXは、独立して、水素、R、X、又はシラノールの縮合から生じる−OSi含有基である。
    及びRは、独立して、炭素数1〜20の2価炭化水素基である。
    は、独立して、−(CH−で表される直鎖状炭化水素基である。
    は、独立して、a+c+e−1個の水素が置換された環状のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基である。
    は、炭素数1〜20の1価炭化水素基である。
    a、b、c、d、e、f、m、n、p及びxは各々独立し、該a、c及びeは1〜3、該b及びdは1〜5、該fは0〜5、該m及びpは1〜100、該nは1〜15、該xは1〜10である。)
  3. 前記合成ジエン系ゴムは、シリカとの反応性がある官能基を有する変性スチレンブタジエンゴム及び/又は変性ブタジエンゴムを含む請求項1又は2記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
  4. 前記タイヤ用ゴム組成物は、ゴム成分100質量部に対して、窒素吸着比表面積160m/g以上のシリカを40質量部以上含有する請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
  5. 前記ベース練り工程1−1及び1−2におけるシランカップリング剤の投入量は、各工程のシリカ投入量100質量部に対して、1.0〜30質量部である請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
  6. 前記ベース練り工程1−1で全シリカの50〜95質量%を混練する請求項1〜5のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
  7. 前記ベース練り工程1−1及び/又は1−2で前記加硫系材料(E)の一部を混練し、前記仕上げ練り工程2でその残部を混練する請求項1〜6のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
  8. 前記タイヤ用ゴム組成物は、可塑剤、老化防止剤及び界面活性剤を含有し、
    全可塑剤の50質量%以上を前記ベース練り工程1−1で混練し、
    全老化防止剤を前記ベース練り工程1−2で混練し、
    全界面活性剤を前記ベース練り工程1−1及び/又は1−2で混練する
    請求項1〜7のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の製造方法で作製するタイヤ用ゴム組成物。
  10. 請求項9記載のゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤ。
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