JP2016150350A - アーク溶接制御方法 - Google Patents

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賢人 高田
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Abstract

【課題】送給速度の正送期間と逆送期間とを交互に切り換える溶接において、溶接終了時のアンチスティック期間中の溶接状態を安定化させる。【解決手段】溶接ワイヤの送給速度Fwを正送期間と逆送期間とに交互に切り換える正逆送給制御を行って、短絡期間とアーク期間とを発生させて溶接するアーク溶接制御方法において、溶接終了指令Stが入力されてアーク期間から短絡期間へと移行した時点t13で、送給速度Fwを正逆送給制御から正送制御に切り換えて溶接を終了する。これにより、正送制御に切り換えた以後のアンチスティック期間中は、溶接ワイヤが正送制御されるので、安定した溶接状態となる。【選択図】 図2

Description

本発明は、溶接ワイヤの送給速度を正送期間と逆送期間とに交互に切り換える正逆送給制御を行って、短絡期間とアーク期間とを発生させて溶接するアーク溶接制御方法に関するものである。
一般的な消耗電極式アーク溶接では、消耗電極である溶接ワイヤを一定速度で送給し、溶接ワイヤと母材との間にアークを発生させて溶接が行なわれる。消耗電極式アーク溶接では、溶接ワイヤと母材とが短絡期間とアーク期間とを交互に繰り返す溶接状態になることが多い。
溶接品質をさらに向上させるために、溶接ワイヤの正送と逆送とを周期的に繰り返して溶接する方法が提案されている(例えば、特許文献1、2等参照)。
特許文献1の発明では、溶接電流設定値に応じた送給速度の平均値とし、溶接ワイヤの正送と逆送との周波数及び振幅を溶接電流設定値に応じた値とする。
特許文献2の発明では、定常溶接時はワイヤ送給速度を所定の一定速度とし、溶接の終了を指示した時点からは、ワイヤ送給速度を、所定の一定速度から正送と逆送とを繰り返す送給に切り替える。
特許第5201266号公報 WO2013/136643号公報
上述したように、従来技術では、定常溶接期間中に、送給速度を所定の正送期間と所定の逆送期間とに交互に切り換える正逆送給制御を行うことによって、安定した溶接を行うことができる。しかし、従来技術では、溶接を終了する際に、正逆送給制御から送給を停止させるまでの過渡期間であるいわゆるアンチスティック期間中に溶接状態が不安定になるという問題があった。
そこで、本発明では、送給速度の正送期間と逆送期間とを交互に切り換える溶接において、アンチスティック期間中の溶接状態を安定化することができるアーク溶接制御方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、請求項1の発明は、
溶接ワイヤの送給速度を正送期間と逆送期間とに交互に切り換える正逆送給制御を行って、短絡期間とアーク期間とを発生させて溶接するアーク溶接制御方法において、
溶接終了指令が入力されると、前記送給速度を前記正逆送給制御から正送制御に切り換えて溶接を終了する、
ことを特徴とするアーク溶接制御方法である。
請求項2の発明は、前記正送制御を所定期間継続した時点で送給を停止して前記正送制御を終了する、
ことを特徴とする請求項1記載のアーク溶接制御方法である。
請求項3の発明は、前記正送制御への切り換えを、前記溶接終了指令が入力された後に前記アーク期間から前記短絡期間へと移行した後に行う、
ことを特徴とする請求項1〜2のいずれか1項に記載のアーク溶接制御方法である。
請求項4の発明は、前記正送制御が終了した後に溶接電圧の出力を停止する、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のアーク溶接制御方法である。
請求項5の発明は、前記正送制御中の前記送給速度を一定値にする、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のアーク溶接制御方法である。
請求項6の発明は、前記正送制御中の前記送給速度を、時間経過に伴って次第に減速させる、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のアーク溶接制御方法である。
本発明によれば、正送制御に切り換えた以後のアンチスティック期間中は、溶接ワイヤが正送制御されるので、安定した溶接状態となる。このために、本発明では、溶接終了時において、溶接ワイヤ先端とビードとの距離が適正距離となるので、溶接ワイヤがビードと溶着することを防止することができる。さらに、本発明では、溶接ワイヤ先端粒の大きさが適正化され、次回のアークスタート性を良好にすることができる。
本発明の実施の形態1に係るアーク溶接制御方法を実施するための溶接電源のブロック図である。 本発明の実施の形態1に係るアーク溶接制御方法を示す、図1の溶接電源における溶接終了時の各信号のタイミングチャートである。 本発明の実施の形態2に係るアーク溶接制御方法を実施するための溶接電源のブロック図である。 本発明の実施の形態2に係るアーク溶接制御方法を示す、図3の溶接電源における溶接終了時の各信号のタイミングチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
[実施の形態1]
実施の形態1の発明は、溶接電源に溶接終了指令が入力されると、送給速度を正逆送給制御から所定期間の正送制御に切り換え、正送制御が終了した後に溶接電圧の出力を停止して溶接を終了するものである。正送制御への切り換えは、溶接終了指令が入力された後にアーク期間から短絡期間へと移行した後に行う。
図1は、本発明の実施の形態1に係るアーク溶接制御方法を実施するための溶接電源のブロック図である。以下、同図を参照して各ブロックについて説明する。
電源主回路PMは、3相200V等の商用電源(図示は省略)を入力として、後述する駆動信号Dvに従ってインバータ制御等による出力制御を行い、出力電圧Eを出力する。この電源主回路PMは、図示は省略するが、商用電源を整流する1次整流器、整流された直流を平滑する平滑コンデンサ、平滑された直流を高周波交流に変換する上記の駆動信号Dvによって駆動されるインバータ回路、高周波交流を溶接に適した電圧値に降圧する高周波変圧器、降圧された高周波交流を直流に整流する2次整流器を備えている。
リアクトルWLは、上記の出力電圧Eを平滑する。このリアクトルWLのインダクタンス値は、例えば200μHである。
送給モータWMは、後述する送給制御信号Fcを入力として、定常溶接期間中は正送と逆送とを周期的に繰り返して溶接ワイヤ1を送給速度Fwで送給する。送給モータWMには、過渡応答性の速いモータが使用される。溶接ワイヤ1の送給速度Fwの変化率及び送給方向の反転を速くするために、送給モータWMは溶接トーチ4の先端の近くに設置される場合がある。また、送給モータWMを2個使用して、プッシュプル方式の送給系とする場合もある。
溶接ワイヤ1は、上記の送給モータWMに結合された送給ロール5の回転によって溶接トーチ4内を送給されて、母材2との間にアーク3が発生する。溶接トーチ4内の給電チップ(図示は省略)と母材2との間には溶接電圧Vwが印加し、溶接電流Iwが通電する。
電圧検出回路VDは、上記の溶接電圧Vwを検出して、電圧検出信号Vdを出力する。短絡判別回路SDは、上記の電圧検出信号Vdを入力として、この値が短絡判別値(10V程度)未満のときは短絡期間であると判別してHighレベルとなり、以上のときはアーク期間であると判別してLowレベルとなる短絡判別信号Sdを出力する。
溶接開始回路STは、溶接開始指令のときはHighレベルとなり、溶接終了指令のときはLowレベルとなる溶接開始信号Stを出力する。この溶接開始回路STは、溶接トーチ4の起動スイッチ、溶接工程を制御するPLC、ロボット制御装置等が相当する。
正送制御期間判別回路STKは、上記の溶接開始信号St及び上記の短絡判別信号Sdを入力として、溶接開始信号StがHighレベルからLowレベル(溶接終了指令)に変化した後に、短絡判別信号SdがLowレベルからHighレベル(短絡)に変化した時点でHighレベルにセットされ、それから予め定めた正送制御期間Tkが経過した時点でLowレベルにリセットされる正送制御期間信号Stkを出力する。
アンチスティック電圧出力期間判別回路STBは、上記の正送制御期間信号Stkを入力として、正送制御期間信号StkがHighレベルに変化した時点でHighレベルにセットされ、それから予め定めたアンチスティック電圧出力期間Tbが経過した時点でLowレベルにリセットされるアンチスティック電圧出力期間信号Stbを出力する。ここで、アンチスティック電圧出力期間Tbは、上記の正送制御期間Tk以上の期間である。
平均送給速度設定回路FARは、予め定めた平均送給速度設定信号Farを出力する。周期設定回路TFRは、予め定めた周期設定信号Tfrを出力する。振幅設定回路WFRは、予め定めた振幅設定信号Wfrを出力する。
定常溶接期間送給速度設定回路FCRは、上記の平均送給速度設定信号Far、上記の周期設定信号Tfr及び上記の振幅設定信号Wfrを入力として、振幅設定信号Wfrによって定まる振幅Wf及び周期設定信号Tfrによって定まる周期Tfで正負対称形状に変化する予め定めた台形波を、平均送給速度設定信号Farの値だけ正送側にシフトした波形となる定常溶接期間送給速度設定信号Fcrを出力する。この定常溶接期間送給速度設定信号Fcrについては、図2で詳述する。
正送送給速度設定回路FKRは、予め定めた正送送給速度設定信号Fkrを出力する。Fkrは正送であるので正の値となる。
送給速度設定回路FRは、上記の定常溶接期間送給速度設定信号Fcr、上記の正送送給速度設定信号Fkr及び上記の正送制御期間信号Stkを入力として、正送制御期間信号StkがLowレベルのときは定常溶接期間送給速度設定信号Fcrを送給速度設定信号Frとして出力し、Stk=Highレベルのときは正送送給速度設定信号Fkrを送給速度設定信号Frとして出力する。
送給制御回路FCは、上記の溶接開始信号St、上記の正送制御期間信号Stk及び上記の送給速度設定信号Frを入力として、溶接開始信号StがHighレベル(溶接開始指令)に変化すると送給速度設定信号Frの値に相当する送給速度Fwで溶接ワイヤ1を送給するための送給制御信号Fcを出力し、正送制御期間信号StkがLowレベルに変化した時点で送給を停止するための送給制御信号Fcを上記の送給モータWMに出力する。
定常出力電圧設定回路ECRは、予め定めた定常出力電圧設定信号Ecrを出力する。アンチスティック出力電圧設定回路EBRは、予め定めたアンチスティック出力電圧設定信号Ebrを出力する。
出力電圧設定回路ERは、上記の定常出力電圧設定信号Ecr、上記のアンチスティック出力電圧設定信号Ebr及びアンチスティック電圧出力期間信号Stbを入力として、アンチスティック電圧出力期間信号StbがLowレベルのときは定常出力電圧設定信号Ecrを出力電圧設定信号Erとして出力し、Stb=Highレベルのときはアンチスティック出力電圧設定信号Ebrを出力電圧設定信号Erとして出力する。
出力電圧検出回路EDは、上記の出力電圧Eを検出し平滑して、出力電圧検出信号Edを出力する。
電圧誤差増幅回路EVは、上記の出力電圧設定信号Er及び上記の出力電圧検出信号Edを入力として、出力電圧設定信号Er(+)と出力電圧検出信号Ed(−)との誤差を増幅して、電圧誤差増幅信号Evを出力する。この回路によって、溶接電源は定電圧制御される。
駆動回路DVは、上記の電圧誤差増幅信号Ev、上記の溶接開始信号St及び上記のアンチスティック電圧出力期間信号Stbを入力として、溶接開始信号StがHighレベル(溶接開始指令)に変化すると電圧誤差増幅信号Evに基づいてPWM変調制御を行い、上記の電源主回路PM内のインバータ回路を駆動するための駆動信号Dvを出力し、アンチスティック電圧出力期間信号StbがLowレベルに変化すると駆動信号Dvの出力を停止する。すなわち、溶接電源は、溶接開始信号がHighレベルに変化した時点からアンチスティック電圧出力期間信号StbがLowレベルに変化した時点まで起動されて、溶接電圧Vwが出力される。
図2は、本発明の実施の形態1に係るアーク溶接制御方法を示す、図1の溶接電源における溶接終了時の各信号のタイミングチャートである。同図(A)は溶接開始信号Stの時間変化を示し、同図(B)は送給速度Fwの時間変化を示し、同図(C)は溶接電流Iwの時間変化を示し、同図(D)は溶接電圧Vwの時間変化を示し、同図(E)は短絡判別信号Sdの時間変化を示し、同図(F)は正送制御期間信号Stkの時間変化を示し、同図(G)はアンチスティック電圧出力期間信号Stbの時間変化を示す。以下、同図を参照して溶接終了時における各信号の動作について説明する。
同図に示すように、時刻t13までの期間が定常溶接期間となり、時刻t13〜t19の期間がアンチスティック期間となる。そして、時刻t13〜t17の期間が正送制御期間Tkとなり、時刻t13〜t19の期間がアンチスティック電圧出力期間Tbとなる。後述するように、アンチスティック期間、正送制御期間Tk及びアンチスティック電圧出力期間Tbの各開始時点は同一時刻t13であり、溶接開始信号StがLowレベル(溶接終了指令)に変化した時点t11の後に、アーク期間から短絡期間へと移行した時点t13である。また、正送制御期間Tk及びアンチスティック電圧出力期間Tbの終了時点は、それぞれ独立して設定される。Tk≦Tbに設定される。
同図(B)に示す送給速度Fwは、図1の送給速度設定回路FRから出力される送給速度設定信号Frの値に制御される。定常溶接期間中の送給速度設定信号Fr(定常溶接期間送給速度設定信号Fcr)は、振幅設定信号Wfrによって定まる振幅Wf及び周期設定信号Tfrによって定まる周期Tfで正負対称形状に変化する予め定めた台形波を、平均送給速度設定信号Farの値だけ正送側にシフトした波形となる。このために、同図(B)に示すように、定常溶接期間中の送給速度Fwは、平均送給速度設定信号Farによって定まる破線で示す平均送給速度Faを基準線として、上下に対称となる振幅Wf及び周期Tfで予め定めた台形波状の送給速度パターンとなる。すなわち、基準線から上側の振幅と下側の振幅とは同一値であり、基準線より上側の期間と下側の期間とは同一値となっている。
ここで、0を基準線として定常溶接期間中の送給速度Fwの台形波を見ると、同図(B)に示すように、時刻t1〜t5の定常溶接期間逆送期間は、それぞれ所定の定常溶接期間逆送加速期間、定常溶接期間逆送ピーク期間、定常溶接期間逆送ピーク値及び定常溶接期間逆送減速期間から形成され、時刻t5〜t9の定常溶接期間正送期間は、それぞれ所定の定常溶接期間正送加速期間、定常溶接期間正送ピーク期間、定常溶接期間正送ピーク値及び定常溶接期間正送減速期間から形成される。
[時刻t1〜t5の定常溶接期間逆送期間の動作 ]
同図(A)に示すように、溶接開始信号StはHighレベル(溶接開始指令)になっている。同図(B)に示すように、送給速度Fwは時刻t1〜t2の定常溶接期間逆送加速期間に入り、0から上記の定常溶接期間逆送ピーク値まで加速する。この期間中は短絡状態が継続しているので、同図(E)に示すように、短絡判別信号SdはHighレベル(短絡)となっている。
時刻t2において定常溶接期間逆送加速期間が終了すると、同図(B)に示すように、送給速度Fwは時刻t2〜t4の定常溶接期間逆送ピーク期間に入り、上記の定常溶接期間逆送ピーク値になる。この期間中の時刻t3において、逆送及び溶接電流Iwの通電によるピンチ力によってアークが発生する。これに応動して、同図(D)に示すように、溶接電圧Vwは数十Vのアーク電圧値に急増し、同図(E)に示すように、短絡判別信号SdはLowレベル(アーク)に変化する。同図(C)に示すように、溶接電流Iwはこれ以降のアーク期間中は次第に減少する。
時刻t4において定常溶接期間逆送ピーク期間が終了すると、同図(B)に示すように、時刻t4〜t5の定常溶接期間逆送減速期間に入り、上記の定常溶接期間逆送ピーク値から0へと減速する。
[時刻t5〜t9の定常溶接期間正送期間の動作]
同図(B)に示すように、送給速度Fwは時刻t5〜t6の定常溶接期間正送加速期間に入り、0から上記の定常溶接期間正送ピーク値まで加速する。この期間中は、アーク期間のままである。
時刻t6において定常溶接期間正送加速期間が終了すると、同図(B)に示すように、送給速度Fwは時刻t6〜t8の定常溶接期間正送ピーク期間に入り、上記の定常溶接期間正送ピーク値になる。この期間中の時刻t7において、正送によって短絡が発生する。これに応動して、同図(D)に示すように、溶接電圧Vwは数Vの短絡電圧値に急減し、同図(E)に示すように、短絡判別信号SdはHighレベル(短絡)に変化する。同図(C)に示すように、溶接電流Iwはこれ以降の短絡期間中は次第に増加する。
時刻t8において定常溶接期間正送ピーク期間が終了すると、同図(B)に示すように、時刻t8〜t9の定常溶接期間正送減速期間に入り、上記の定常溶接期間正送ピーク値から0へと減速する。
時刻t9〜t10の定常溶接期間逆送期間中は上記の動作を繰り返す。したがって、定常溶接期間逆送ピーク期間中にアークが発生する。
時刻t10から定常溶接期間正送期間に入り、時刻t10〜t12の定常溶接期間正送加速期間中の時刻t11において、同図(A)に示すように、溶接開始信号StがLowレベル(溶接終了指令)に変化する。したがって、溶接開始信号Stはアーク期間中にLowレベルに変化したことになる。溶接開始信号StがLowレベルに変化した後に、最初にアーク期間から短絡期間へと変化した時点(同図では時刻t13)までは定常溶接期間となる。したがって、時刻t10〜t13の定常溶接期間正送期間中は、上記と同様の動作を繰り返す。このために、定常溶接期間正送ピーク期間中に短絡が発生する。溶接開始信号StがLowレベルになるタイミングは、送給速度Fwの任意のタイミングとなり、アーク期間中であるか短絡期間中であるかも任意となる。
[時刻t13〜t19のアンチスティック期間中の動作]
時刻t13からアンチスティック期間に入る。時刻t13において、短絡が発生すると、同図(D)に示すように、溶接電圧Vwは数Vの短絡電圧値に急減する。これに応動して、同図(E)に示すように、短絡判別信号SdはHighレベル(短絡)に変化する。これに応動して、同図(F)に示すように、正送制御期間信号StkがHighレベルに変化し、予め定めた正送制御期間Tk経過後の時刻t17においてLowレベルに戻る。同時に、同図(G)に示すように、アンチスティック電圧出力期間信号StbもHighレベルに変化し、予め定めたアンチスティック電圧出力期間Tb経過後の時刻t19にLowレベルに戻る。正送制御期間信号StkがHighレベルに変化すると、同図(B)に示すように、送給速度Fwは、予め定めた一定値の正送送給速度Fkに減速する。この正送送給速度Fkは、図1の正送送給速度設定信号Fkrによって設定される。時刻t13〜t17の期間が予め定めた正送制御期間Tkとなり、時刻t13〜t19の期間が予め定めたアンチスティック電圧出力期間Tbとなる。上述したように、TkとTbは独立して設定されるので、Tk≦Tbであれば良い。同図(B)に示すように、送給速度Fwは、正送制御期間Tk中は正送送給速度Fkとなり、時刻t17において送給が停止されるので0となる。同図(D)に示すように、溶接電圧Vwの出力は、アンチスティック電圧出力期間Tb中継続されて、時刻t19において0となる。溶接電源は全期間中定電圧制御されており、定常溶接期間中は定常出力電圧設定信号Ecrに基づいて定電圧制御され、アンチスティック期間中はアンチスティック出力電圧設定信号Ebrに基づいて定電圧制御される。Ebr<Ecrに設定される。
正送制御期間Tk中の時刻t14においてアークが発生し、時刻t15に短絡が発生し、時刻t16にアークが発生する。時刻t16からのアーク期間中の時刻t17において、同図(F)に示すように、正送制御期間信号StkがLowレベルに変化する。これに応動して、同図(B)に示すように、送給速度Fwは0となり、送給は停止する。
送給が停止した状態で溶接ワイヤ先端が溶融されるので、アーク長が次第に長くなり、同図(D)に示すように、溶接電圧Vwは時刻t17から次第に増加する。そして、時刻t18において、アーク長が長くなり過ぎたために、アークを維持することができなくなり、アークが消滅する。アークが消滅すると、同図(D)に示すように、溶接電圧Vwは無負荷電圧値に急増する。同図(C)に示すように、溶接電流Iwは時刻t13〜t14の短絡期間中は次第に増加し、時刻t14〜t15のアーク期間中は次第に減少し、時刻t15〜t16の短絡期間中は次第に増加し、時刻t16からのアーク期間中は次第に減少し、時刻t17からは急減して、時刻t18に0となり、通電しなくなる。
時刻t19において、同図(G)に示すように、アンチスティック電圧出力期間信号StbがLowレベルに変化する。これに応動して、同図(D)に示すように、溶接電圧Vwの出力が停止して0となる。同図においては、時刻t13〜t19のアンチスティック期間中に2回の短絡が発生した場合を例示しているが、1〜10回程度発生する。
時刻t13〜t19のアンチスティック期間中は、溶接ワイヤは一定の正送状態で短絡とアークとを繰り返す安定した溶接状態となる。そして、送給が停止したときに溶接ワイヤ先端が溶融されてアーク長が長くなった状態でアークが消滅する。このために、時刻t19に溶接が終了した時点において、溶接ワイヤの先端とビードとの距離及び溶接ワイヤ先端粒の大きさが適正になる。上記の正送送給速度Fk及び正送制御期間Tkは、溶接ワイヤ先端とビードとの距離及び溶接ワイヤ先端粒が適正値になるように溶接ワイヤの直径、材質等の、溶接条件に応じて設定される。例えば、正送送給速度Fkは3〜10m/min程度に設定され、正送制御期間Tkは10〜50ms程度に設定される。
上記においては、 定常溶接期間中の送給速度Fwが台形波状に変化する場合であるが、正弦波状、三角波状に変化するようにしても良い。
定常溶接期間中の送給速度Fwの台形波の数値例を以下に示す。
周期Tf=10ms、振幅Wf=60m/min、平均送給速度Fa=5m/min、半周期の各傾斜期間=1.2ms、ピーク期間=2.6ms、ピーク値=30m/minの台形波に設定すると、この台形波を平均送給速度Fa=5m/minだけ正送側にシフトした波形となる。平均溶接電流は約250Aとなる。この場合の各波形パラメータは、以下のようになる。
定常溶接期間逆送期間=4.6ms、定常溶接期間逆送加速期間=1.0ms、定常溶接期間逆送ピーク期間=2.6ms、定常溶接期間逆送ピーク値=−25m/min、定常溶接期間逆送減速期間=1.0ms
定常溶接期間正送期間=5.4ms、定常溶接期間正送加速期間=1.4ms、定常溶接期間正送ピーク期間=2.6ms、定常溶接期間正送ピーク値=35m/min、定常溶接期間正送減速期間=1.4ms
上述した実施の形態1によれば、溶接終了指令が入力されると、送給速度を正逆送給制御から正送制御に切り換えて溶接を終了する。アンチスティック期間中は、溶接ワイヤが正送制御されるので、短絡期間とアーク期間とが繰り返されて、安定した溶接状態となる。このために、溶接終了時において、溶接ワイヤ先端とビードとの距離が適正距離となるので、溶接ワイヤがビードと溶着することを防止することができる。さらに、溶接ワイヤ先端粒の大きさが適正化され、次回のアークスタート性を良好にすることができる。
さらに、上述した実施の形態1によれば、正送制御への切り換えを、溶接終了指令が入力された後にアーク期間から短絡期間へと移行した後に行う。これにより、定常溶接期間からアンチスティック期間への移行が円滑になり、アンチスティック期間中の溶接状態がより安定化する。
[実施の形態2]
実施の形態2の発明は、正送制御中の送給速度を、実施の形態1のときのように一定値ではなく、時間経過に伴って次第に減速させるものである。
図3は、実施の形態2に係るアーク溶接制御方法を実施するための溶接電源のブロック図である。同図は、上述した図1と対応しており、同一のブロックには同一符号を付してそれらの説明は繰り返さない。同図は、図1の正送送給速度設定回路FKRを第2正送送給速度設定回路FKR2に置換したものである。以下、同図を参照してこのブロックについて説明する。
第2正送送給速度設定回路FKR2は、上記の正送制御期間信号Stkを入力として、正送制御期間信号StkがHighレベルに変化した時点で予め定めた初期値であり、時間経過に伴って次第に小さくなり、Stk=Lowレベルに変化した時点で0となる正送送給速度設定信号Fkrを出力する。
図4は、本発明の実施の形態2に係るアーク溶接制御方法を示す、図3の溶接電源における溶接終了時の各信号のタイミングチャートである。同図(A)は溶接開始信号Stの時間変化を示し、同図(B)は送給速度Fwの時間変化を示し、同図(C)は溶接電流Iwの時間変化を示し、同図(D)は溶接電圧Vwの時間変化を示し、同図(E)は短絡判別信号Sdの時間変化を示し、同図F)は正送制御期間信号Stkの時間変化を示し、同図(G)はアンチスティック電圧出力期間信号Stbの時間変化を示す。同図は上述した図2と対応しており、同図(B)に示す送給速度Fwの時刻t13〜t17の動作のみが異なっているので、これ以外の同一の動作についての説明は繰り返さない。以下、同図を参照してこの異なる動作について説明する。
時刻t11に溶接開始信号StがLowレベル(溶接終了指令)に変化した後に、最初に短絡が発生した時刻t13において、同図(F)に示すように、正送制御期間信号StkがHighレベルに変化する。これに応動して、同図(B)に示すように、送給速度Fwは正逆送給制御から正送制御へと切り換えられる。時刻t13〜t17の正送制御期間Tk中は、正送送給速度Fkになる。この正送送給速度Fkは、図3の第2正送送給速度設定回路FKR2によって設定される。正送送給速度Fkは、短絡が発生した時刻t13の定常溶接期間正送ピーク値から、時間経過に伴って次第に減速して、時刻t17において0となる。実施の形態1では、この正送送給速度Fkが一定値である点が異なる。
上述した実施の形態2によれば、正送制御期間中の送給速度を、時間経過に伴って次第に減速させる。これにより、実施の形態2では、実施の形態1の効果に加えて、以下の効果を奏する。正送制御期間中の送給速度が次第に減速するために、送給が停止する溶接状態へと円滑に移行する。このために、アンチスティック期間中の溶接状態をさらに安定化することができる。
1 溶接ワイヤ
2 母材
3 アーク
4 溶接トーチ
5 送給ロール
DV 駆動回路
Dv 駆動信号
E 出力電圧
EBR アンチスティック出力電圧設定回路
Ebr アンチスティック出力電圧設定信号
ECR 定常出力電圧設定回路
Ecr 定常出力電圧設定信号
ED 出力電圧検出回路
Ed 出力電圧検出信号
ER 出力電圧設定回路
Er 出力電圧設定信号
EV 電圧誤差増幅回路
Ev 電圧誤差増幅信号
Fa 平均送給速度
FAR 平均送給速度設定回路
Far 平均送給速度設定信号
FC 送給制御回路
Fc 送給制御信号
FCR 定常溶接期間送給速度設定回路
Fcr 定常溶接期間送給速度設定信号
Fk 正送送給速度
FKR 正送送給速度設定回路
Fkr 正送送給速度設定信号
FKR2 第2正送送給速度設定回路
FR 送給速度設定回路
Fr 送給速度設定信号
Fw 送給速度
Iw 溶接電流
PM 電源主回路
SD 短絡判別回路
Sd 短絡判別信号
ST 溶接開始回路
St 溶接開始信号
STB アンチスティック電圧出力期間判別回路
Stb アンチスティック電圧出力期間信号
STK 正送制御期間判別回路
Stk 正送制御期間信号
Tb アンチスティック電圧出力期間
Tf 周期
TFR 周期設定回路
Tfr 周期設定信号
Tk 正送制御期間
VD 電圧検出回路
Vd 電圧検出信号
Vw 溶接電圧
Wf 振幅
WFR 振幅設定回路
Wfr 振幅設定信号
WL リアクトル
WM 送給モータ

Claims (6)

  1. 溶接ワイヤの送給速度を正送期間と逆送期間とに交互に切り換える正逆送給制御を行って、短絡期間とアーク期間とを発生させて溶接するアーク溶接制御方法において、
    溶接終了指令が入力されると、前記送給速度を前記正逆送給制御から正送制御に切り換えて溶接を終了する、
    ことを特徴とするアーク溶接制御方法。
  2. 前記正送制御を所定期間継続した時点で送給を停止して前記正送制御を終了する、
    ことを特徴とする請求項1記載のアーク溶接制御方法。
  3. 前記正送制御への切り換えを、前記溶接終了指令が入力された後に前記アーク期間から前記短絡期間へと移行した後に行う、
    ことを特徴とする請求項1〜2のいずれか1項に記載のアーク溶接制御方法。
  4. 前記正送制御が終了した後に溶接電圧の出力を停止する、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のアーク溶接制御方法。
  5. 前記正送制御中の前記送給速度を一定値にする、
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のアーク溶接制御方法。
  6. 前記正送制御中の前記送給速度を、時間経過に伴って次第に減速させる、
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のアーク溶接制御方法。
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