JP2016148434A - 動力伝達装置 - Google Patents

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泰樹 西澤
Yasuki Nishizawa
泰樹 西澤
小椋 大輔
Daisuke Ogura
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Abstract

【課題】動力伝達装置の製造コストの増加を抑制しつつ、当該動力伝達装置の組立性を向上させる。【解決手段】動力伝達装置は、カバー部材112の支持部112bとポンプインペラ140のスリーブ141との間に配置されるラジアル軸受147と、スリーブ141と一体に回転すると共に自動変速機の入力軸20iとは別軸上に配置されたオイルポンプ17にチェーン18を介して連結されるドライブスプロケット181と、支持部112bとドライブスプロケット181との間に配置される第1ワッシャ100とを含み、カバー部材112は、ラジアル軸受147に油を導く油孔112cに連通するように支持部112bの端面から軸方向に延びる抜止孔を有し、第1ワッシャ100は、リング部101から突出すると共に抜止孔に挿入されて油孔112cの内周面と係合する抜止突起部103を有する。【選択図】図4

Description

本発明は、トルクコンバータと、変速機と、トルクコンバータおよび変速機を収容するケースとを含む動力伝達装置に関する。
従来、この種の動力伝達装置として、トルクコンバータの回転軸から径方向に離間した位置に配置されたオイルポンプと、当該回転軸を中心に回転する第1スプロケット、オイルポンプを駆動する第2スプロケット、およびチェーンを含むオイルポンプ駆動機構とを有するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この動力伝達装置では、トルクコンバータのポンプインペラから延出されたトルコンスリーブの軸方向延在部とステータシャフトとの間に、第1ブッシュが設けられ、第1スプロケットとステータシャフトとの間には第2ブッシュが設けられている。また、第1スプロケットとトルクコンバータハウジングとの間には皿ばねが設けられ、第1スプロケットとカバーとの間にはスラストベアリングが設けられている。これにより、第1スプロケットは、皿ばねおよびスラストベアリングによって軸方向に位置決めされる。
特開2005−325979号公報
上記従来の動力伝達装置では、第1スプロケットとトルクコンバータハウジングとの間には皿ばねが配置されるが、動力伝達装置の組立性に鑑みれば、当該皿ばねは、例えばトルクコンバータハウジングに係止(抜止)されていることが好ましい。しかしながら、上記皿ばねをトルクコンバータハウジング等に係止するためには、部材の設計変更や追加工が必要となり、動力伝達装置の製造コストが増加してしまうおそれがある。
そこで、本発明は、動力伝達装置の製造コストの増加を抑制しつつ、当該動力伝達装置の組立性を向上させることを主目的とする。
本発明による動力伝達装置は、ポンプインペラおよびタービンランナを有する流体伝動装置と、変速機と、前記流体伝動装置と前記変速機とを収容するケースとを含む動力伝達装置において、前記流体伝動装置と前記変速機との間に位置するように前記ケースに固定される環状壁部と、前記環状壁部の内周から軸方向に延びる筒状部とを有するカバー部材と、前記カバー部材の前記筒状部の内周面と、前記ポンプインペラから前記変速機に向けて軸方向に延出されたスリーブの外周面との間の間隙に配置され、前記ポンプインペラを回転自在に支持する軸受と、前記ポンプインペラの前記スリーブと一体に回転すると共に、前記変速機の入力軸とは別軸上に配置されたオイルポンプに連結される駆動部材と、前記カバー部材の前記筒状部と前記駆動部材との軸方向における間に配置されるワッシャとを備え、前記カバー部材は、前記軸受が配置される前記間隙と連通するように前記カバー部材の前記筒状部の上部を貫通する油孔と、前記筒状部の前記駆動部材側の端面から前記油孔に連通するように軸方向に延びる抜止孔とを有し、前記ワッシャは、前記筒状部の端面に当接するリング部と、前記リング部から軸方向に突出すると共に前記油孔の内周面と係合可能となるように前記カバー部材の前記抜止孔に挿入される抜止突起部とを有することを特徴とする。
この動力伝達装置は、流体伝動装置と変速機との間に位置するようにケースに固定される環状壁部および当該環状壁部の内周から軸方向に延びる筒状部とを有するカバー部材と、カバー部材の筒状部の内周面とポンプインペラから変速機に向けて軸方向に延出されたスリーブの外周面との間の間隙に配置されて当該ポンプインペラを回転自在に支持する軸受と、ポンプインペラのスリーブと一体に回転すると共に変速機の入力軸とは別軸上に配置されたオイルポンプに連結される駆動部材と、カバー部材の筒状部と駆動部材との軸方向における間に配置されるワッシャとを含む。また、カバー部材は、軸受が配置される間隙と連通するようにカバー部材の筒状部の上部を貫通する油孔と、筒状部の駆動部材側の端面から油孔に連通するように軸方向に延びる抜止孔とを有する。更に、ワッシャは、筒状部の端面に当接するリング部と、リング部から軸方向に突出すると共に油孔の内周面と係合可能となるようにカバー部材の抜止孔に挿入される抜止突起部とを有する。このように、カバー部材の筒状部に形成される抜止孔と、当該筒状部とポンプインペラのスリーブとの間に配置される軸受の潤滑油が流通する油孔とを連通させることで、抜止突起部と係合する内周面をもった専用の孔を筒状部に形成する必要がなくなり、動力伝達装置の製造コストの増加を抑制することが可能となる。また、抜止孔に挿入されたワッシャの抜止突起部が上記油孔の内周面と係合することで、カバー部材からのワッシャの脱落が規制される。従って、カバー部材とワッシャとを同時にケースに取り付けることが可能となり、動力伝達装置の組立性を向上させることができる。この結果、動力伝達装置の製造コストの増加を抑制しつつ、当該動力伝達装置の組立性を向上させることが可能となる。
本発明による動力伝達装置の概略構成図である。 図1の動力伝達装置の変速装置における各変速段とクラッチおよびブレーキの作動状態との関係を示す作動表である。 図1の動力伝達装置の変速装置における入力回転速度に対する各回転要素の回転速度の比を示す速度線図である。 本発明による動力伝達装置を示す拡大断面図である。 本発明による動力伝達装置に含まれるカバー部材を示す要部拡大断面図である。 本発明による動力伝達装置に含まれるカバー部材を示す斜視図である。 本発明による動力伝達装置に含まれるカバー部材を示す平面図である。 本発明による動力伝達装置に含まれる第1ワッシャを示す斜視図である。 本発明による動力伝達装置に含まれるカバー部材および第1ワッシャを示す要部拡大断面図である。
次に、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本発明による動力伝達装置10の概略構成図である。同図に示す動力伝達装置10は、後輪駆動車両の前部に縦置きに搭載される駆動源としての図示しないエンジン(内燃機関)のクランクシャフトおよび/または電気モータのロータに接続されると共にエンジン等からの動力(トルク)を図示しない左右の後輪(駆動輪)に伝達可能なものである。図示するように、動力伝達装置10は、トランスミッションケース(静止部材)11や、発進装置(流体伝動装置)12、オイルポンプ17、エンジン等から入力軸(入力部材)20iに伝達された動力を変速して出力軸(出力部材)20oに伝達する自動変速機20等を含む。
発進装置12は、図示しないドライブプレート等を介してエンジンのクランクシャフトおよび/または電気モータのロータに連結されるフロントカバー13や、当該フロントカバー13に密に固定されるポンプシェルを有する入力側のポンプインペラ140、自動変速機20の入力軸20iに連結される出力側のタービンランナ142、ポンプインペラ140およびタービンランナ142の内側に配置されてタービンランナ142からポンプインペラ140への作動油(ATF)の流れを整流するステータ143、ステータ143の回転方向を一方向に制限するワンウェイクラッチ144等を有するトルクコンバータ(流体伝動装置)を含む。なお、発進装置12は、ステータ143を有さない流体継手を含むものであってもよい。
更に、発進装置12は、エンジンのクランクシャフト等に連結されたフロントカバー13と自動変速機20の入力軸20iとを互いに接続すると共に両者の接続を解除するロックアップクラッチ15と、フロントカバー13と自動変速機20の入力軸20iとの間で振動を減衰するダンパ機構16とを含む。本実施形態において、ロックアップクラッチ15は、複数の摩擦係合プレート(摩擦プレートおよびセパレータプレート)を有する多板摩擦式油圧クラッチとして構成される。ただし、ロックアップクラッチ15は、単板摩擦式油圧クラッチであってもよい。
オイルポンプ17は、チェーン18を介して発進装置12のポンプインペラ140に連結されるロータ170と、複数の外歯を有すると共にロータ170と一体に回転する外歯ギヤ(ドライブギヤ)171と、外歯ギヤ171の外歯に噛合する当該外歯の総数よりも1つ多い複数の内歯を有すると共に当該外歯ギヤ171に対して偏心して配置される内歯ギヤ(ドリブンギヤ)172とを含む。オイルポンプ17は、チェーン18等を介して伝達されるエンジンからの動力により駆動され、図示しないオイルパンに貯留されている作動油を吸引して図示しない油圧制御装置へと圧送する。本実施形態において、オイルポンプ17は、ロータ170が自動変速機20の入力軸20iとは別軸上に位置するようにトランスミッションケース11内の下部に配置される。これにより、ロータ170を入力軸20iと同軸上に配置する場合に比べて、ロータ170、外歯ギヤ171および内歯ギヤ172の外径を小さくすることができるので、オイルポンプ17全体の小型化を図ることが可能となる。
自動変速機20は、10段変速式の変速機として構成されており、図1に示すように、入力軸20iや図示しないデファレンシャルギヤおよびドライブシャフトを介して左右の後輪に連結される出力軸20oに加えて、自動変速機20(入力軸20iや出力軸20o)の軸方向に並べて配設されるシングルピニオン式の第1遊星歯車21および第2遊星歯車22、ダブルピニオン式遊星歯車とシングルピニオン式遊星歯車とを組み合わせて構成される複合遊星歯車列としてのラビニヨ式遊星歯車機構25とを含む。更に、自動変速機20は、入力軸20iから出力軸20oまでの動力伝達経路を変更するための第1係合要素としてのクラッチC1(第1クラッチ)、第2係合要素としてのクラッチC2(第2クラッチ)、第3係合要素としてのクラッチC3(第3クラッチ)、第4係合要素としてのクラッチC4(第4クラッチ)、第5係合要素としてのブレーキB1(第1ブレーキ)および第6係合要素としてのブレーキB2(第2ブレーキ)を含む。
本実施形態において、第1および第2遊星歯車21,22並びにラビニヨ式遊星歯車機構25は、発進装置12すなわちエンジン側(図1における左側)から、ラビニヨ式遊星歯車機構25、第2遊星歯車22、第1遊星歯車21、すなわち、ラビニヨ式遊星歯車機構25を構成するシングルピニオン式遊星歯車、ラビニヨ式遊星歯車機構25を構成するダブルピニオン式遊星歯車、第2遊星歯車22、第1遊星歯車21という順番で並ぶようにトランスミッションケース11内に配置される。これにより、ラビニヨ式遊星歯車機構25は、発進装置12に近接するように車両の前部側に配置される。また、第1遊星歯車21は、出力軸20oに近接するように車両の後部側に配置される。更に、第2遊星歯車22は、入力軸20iや出力軸20o等の軸方向におけるラビニヨ式遊星歯車機構25と第1遊星歯車21との間に配置される。
第1遊星歯車21は、外歯歯車である第1サンギヤ21sと、第1サンギヤ21sと同心円上に配置される内歯歯車である第1リングギヤ21rと、それぞれ第1サンギヤ21sおよび第1リングギヤ21rに噛合する複数の第1ピニオンギヤ21pと、複数の第1ピニオンギヤ21pを自転(回転)自在かつ公転自在に保持する第1キャリヤ21cとを有する。本実施形態において、第1遊星歯車21のギヤ比λ1(第1サンギヤ21sの歯数/第1リングギヤ21rの歯数)は、例えば、λ1=0.277と定められている。
第1遊星歯車21の第1キャリヤ21cは、図1に示すように、入力軸20iに連結された自動変速機20の中間軸(インターミディエイトシャフト)20mに常時連結(固定)される。これにより、エンジンから入力軸20iに動力が伝達されている際、第1キャリヤ21cには、エンジンからの動力が入力軸20iおよび中間軸20mを介して常時伝達される。また、第1キャリヤ21cは、クラッチC4の係合時に第1遊星歯車21の入力要素として機能し、クラッチC4の解放時には空転する。更に、第1リングギヤ21rは、クラッチC4の係合時に当該第1遊星歯車21の出力要素として機能する。
第2遊星歯車22は、外歯歯車である第2サンギヤ22sと、第2サンギヤ22sと同心円上に配置される内歯歯車である第2リングギヤ22rと、それぞれ第2サンギヤ22sおよび第2リングギヤ22rに噛合する複数の第2ピニオンギヤ22pと、複数の第2ピニオンギヤ22pを自転(回転)自在かつ公転自在に保持する第2キャリヤ(プラネタリキャリヤ)22cとを有する。本実施形態において、第2遊星歯車22のギヤ比λ2(第2サンギヤ22sの歯数/第2リングギヤ22rの歯数)は、例えば、λ2=0.244と定められている。
第2遊星歯車22の第2サンギヤ22sは、図1に示すように、第1遊星歯車21の第1サンギヤ21sと一体化(常時連結)されており、当該第1サンギヤ21sと常時一体(かつ同軸)に回転または停止する。ただし、第1サンギヤ21sと第2サンギヤ22sとは、別体に構成されると共に図示しない連結部材(第1連結部材)を介して常時連結されてもよい。また、第2遊星歯車22の第2キャリヤ22cは、出力軸20oに常時連結されており、当該出力軸20oと常時一体(かつ同軸)に回転または停止する。これにより、第2キャリヤ22cは、第2遊星歯車22の出力要素として機能する。更に、第2遊星歯車22の第2リングギヤ22rは、当該第2遊星歯車22の固定可能要素として機能する。
ラビニヨ式遊星歯車機構25は、外歯歯車である第3サンギヤ23sおよび第4サンギヤ24sと、第3サンギヤ23sと同心円上に配置される内歯歯車である第3リングギヤ23rと、第3サンギヤ23sに噛合する複数の第3ピニオンギヤ(ショートピニオンギヤ)23pと、第4サンギヤ24sおよび複数の第3ピニオンギヤ23pに噛合すると共に第3リングギヤ23rに噛合する複数の第4ピニオンギヤ(ロングピニオンギヤ)24pと、複数の第3ピニオンギヤ23pおよび複数の第4ピニオンギヤ24pを自転(回転)自在かつ公転自在に保持する第3キャリヤ23cとを有する。
このようなラビニヨ式遊星歯車機構25は、ダブルピニオン式遊星歯車(第3遊星歯車)とシングルピニオン式遊星歯車(第4遊星歯車)とを組み合わせて構成される複合遊星歯車列である。すなわち、ラビニヨ式遊星歯車機構25の第3サンギヤ23s、第3キャリヤ23c、第3および第4ピニオンギヤ23p,24p、並びに第3リングギヤ23rは、ダブルピニオン式の第3遊星歯車を構成する。更に、ラビニヨ式遊星歯車機構25の第4サンギヤ24s、第3キャリヤ23c、第4ピニオンギヤ24p、および第3リングギヤ23rは、シングルピニオン式の第4遊星歯車を構成する。そして、本実施形態において、ラビニヨ式遊星歯車機構25は、ダブルピニオン式の第3遊星歯車のギヤ比λ3(第3サンギヤ23sの歯数/第3リングギヤ23rの歯数)が、例えば、λ3=0.488となり、かつシングルピニオン式の第4遊星歯車のギヤ比λ4(第4サンギヤ24sの歯数/第3リングギヤ23rの歯数)が、例えば、λ4=0.581となるように構成される。
また、ラビニヨ式遊星歯車機構25(第3および第4遊星歯車)を構成する回転要素のうち、第4サンギヤ24sは、ラビニヨ式遊星歯車機構25の固定可能要素(自動変速機20の第2固定可能要素)として機能する。更に、第3キャリヤ23cは、図1に示すように、入力軸20iに常時連結(固定)されると共に、連結部材(第2連結部材)としての中間軸20mを介して第1遊星歯車21の第1キャリヤ21cに常時連結される。これにより、エンジンから入力軸20iに動力が伝達されている際、第3キャリヤ23cには、エンジンからの動力が入力軸20iを介して常時伝達されることになる。従って、第3キャリヤ23cは、ラビニヨ式遊星歯車機構25の入力要素として機能する。また、第3リングギヤ23rは、ラビニヨ式遊星歯車機構25の第1出力要素として機能し、第3サンギヤ23sは、当該ラビニヨ式遊星歯車機構25の第2出力要素として機能する。
クラッチC1は、常時連結された第1遊星歯車21の第1サンギヤ21sおよび第2遊星歯車22の第2サンギヤ22sとラビニヨ式遊星歯車機構25の第1出力要素である第3リングギヤ23rとを互いに接続すると共に両者の接続を解除するものである。クラッチC2は、常時連結された第1遊星歯車21の第1サンギヤ21sおよび第2遊星歯車22の第2サンギヤ22sとラビニヨ式遊星歯車機構25の第2出力要素である第3サンギヤ23sとを互いに接続すると共に両者の接続を解除するものである。クラッチC3は、第2遊星歯車22の第2リングギヤ22rとラビニヨ式遊星歯車機構25の第1出力要素である第3リングギヤ23rとを互いに接続すると共に両者の接続を解除するものである。クラッチC4は、第1遊星歯車21の出力要素である第1リングギヤ21rと出力軸20oとを互いに接続すると共に両者の接続を解除するものである。
ブレーキB1は、ラビニヨ式遊星歯車機構25の固定可能要素である第4サンギヤ24sを静止部材としてのトランスミッションケース11に対して回転不能に固定(接続)すると共に当該第4サンギヤ24sをトランスミッションケース11に対して回転自在に解放するものである。ブレーキB2は、第2遊星歯車22の固定可能要素である第2リングギヤ22rをトランスミッションケース11に対して回転不能に固定(接続)すると共に当該第2リングギヤ22rを静止部材としてのトランスミッションケース11に対して回転自在に解放するものである。
本実施形態では、クラッチC1〜C4として、ピストン、複数の摩擦係合プレート(摩擦プレートおよびセパレータプレート)、それぞれ作動油が供給される係合油室および遠心油圧キャンセル室等により構成される油圧サーボを有する多板摩擦式油圧クラッチ(摩擦係合要素)が採用される。また、ブレーキB1およびB2としては、ピストン、複数の摩擦係合プレート(摩擦プレートおよびセパレータプレート)、作動油が供給される係合油室等により構成される油圧サーボを有する多板摩擦式油圧ブレーキが採用される。そして、クラッチC1〜C4、ブレーキB1およびB2は、油圧制御装置により作動油が給排されることで動作する。
図2に自動変速機20の各変速段とクラッチC1〜C4、ブレーキB1およびB2の作動状態との関係を表した作動表を示し、図3に自動変速機20における入力軸20iの回転速度(入力回転速度)に対する各回転要素の回転速度の比を示す速度線図を示す。自動変速機20は、クラッチC1〜C4、ブレーキB1およびB2を図2の作動表に示す状態とすることで、第1速段から第10速段までの前進段と後進段とを提供する。
また、第1および第2遊星歯車21,22並びにラビニヨ式遊星歯車機構25の10個の回転要素(ただし、第1サンギヤ21sと第2サンギヤ22sとが常時連結されているので、実質的には合計9個の回転要素)は、これらのギヤ比λ1,λ2,λ3,λ4に応じた間隔をおいて図3における左側から図示される順番で並ぶ。このような速度線図上での並び順に従い、本実施形態では、第1サンギヤ21sを自動変速機20の第1回転要素とし、第1キャリヤ21cを自動変速機20の第2回転要素とし、第1リングギヤ21rを自動変速機20の第3回転要素とする。また、第2サンギヤ22sを自動変速機20の第4回転要素とし、第2キャリヤ22cを自動変速機20の第5回転要素とし、第2リングギヤ22rを自動変速機20の第4回転要素とする。更に、第4サンギヤ24sを自動変速機20の第7回転要素とし、第3キャリヤ23cを自動変速機20の第8回転要素とし、第3リングギヤ23rを自動変速機20の第9回転要素とし、第3サンギヤ23sを自動変速機20の第10回転要素とする。
なお、第1および第2遊星歯車21,22並びに第3および第4遊星歯車のギヤ比λ1〜λ4は、上述のものに限られない。また、自動変速機20において、クラッチC1〜C4、ブレーキB1およびB2の少なくとも何れかは、ドグクラッチあるいはドグブレーキといった噛み合い係合要素とされてもよい。例えば、自動変速機20では、前進第1速段から前進第4速段の形成に際して連続して係合されると共に、後進段の形成に際して係合されるブレーキB2として、ドグブレーキが採用されてもよい。更に、自動変速機20において、第1および第2遊星歯車21,22の少なくとも何れかは、ダブルピニオン式の遊星歯車であってもよく、ラビニヨ式遊星歯車機構25は、例えばシンプソン型やCR−CR型といった複合遊星歯車列に置き換えられてもよい。また、上述の自動変速機20は、前輪駆動車両に搭載される変速機に改変されてもよい。
図4は、動力伝達装置10の発進装置12やオイルポンプ17の周辺の構成を示す拡大断面図である。同図に示すように、発進装置12や自動変速機20を収容するトランスミッションケース11は、筒状のケース本体110と、発進装置12(流体伝動装置)と自動変速機20との間に位置するようにケース本体110に締結(固定)されるフロントサポート(支持部材)111と、発進装置12側からフロントサポート111を覆うように当該フロントサポート111と共にケース本体110に締結(固定)されるカバー部材112と、ラビニヨ式遊星歯車機構25と第2遊星歯車22(および第1遊星歯車21)との間に位置するようにケース本体110に締結(固定)されるセンターサポート115(図1参照)とを含む。
フロントサポート111は、図4に示すように、ケース本体110に締結される環状の壁部111aと、壁部111aから発進装置12に向けて入力軸20iの軸方向に延びる筒状部111bとを有する。また、カバー部材112は、発進装置12と自動変速機20との軸方向における間に位置するようにトランスミッションケース11に締結されて径方向に延在する環状壁部112aと、環状壁部112aの内周から軸方向に延びる短尺筒状の支持部(筒状部)112bとを有する。本実施形態において、ケース本体110、フロントサポート111、カバー部材112およびセンターサポート115は、例えばアルミニウム合金を鋳造することにより形成されている。
図4に示すように、フロントサポート111の壁部111aとカバー部材112の環状壁部112aとの軸方向における間には、空間11xが画成され、フロントサポート111の壁部111aの上部には、当該空間11xと自動変速機20が配置されるケース本体110の内部とを連通する比較的大きい開口面積を有する開口部111oが形成されている。また、フロントサポート111には、オイルポンプ17の外歯ギヤ171および内歯ギヤ172を収容するギヤ収容室を画成するポンプボディ173が締結され、当該ポンプボディ173には、ポンプカバー174が締結される。なお、ポンプボディ173は、フロントサポート111と一体化されてもよく、ポンプボディ173とポンプカバー174とが一体化されてもよい。
更に、フロントサポート111の筒状部111b内には、鋼材(鉄合金)により形成された中空のステータシャフト145が入力軸20iを包囲するように圧入(固定)される。ステータシャフト145の先端部は、発進装置12のワンウェイクラッチ144のインナーレース内にスプライン嵌合される。これにより、ステータ143は、ワンウェイクラッチ144を介してステータシャフト145に連結される。また、ステータシャフト145の内周面と入力軸20iの外周面との間には、ブッシュ(軸受)が介設され、ステータシャフト145には、リング部材146が嵌合される。リング部材146は、鋼材(鉄合金)により形成されており、一端がフロントサポート111の筒状部111bの先端と当接するようにステータシャフト145の外周面に圧入・固定される。リング部材146との外周面には、シール装着溝が形成されており、当該シール装着溝には、スリーブ141の筒状部141bの内周面に摺接するようにシールリング等のシール部材が配置される。これにより、リング部材146とスリーブ141の筒状部141bとの間に配置されるシール部材によって、発進装置12の流体伝動室内の作動油がフロントサポート111側に漏洩するのを規制することができる。
発進装置12のトルクコンバータを構成するポンプインペラ140は、図4に示すように、フロントカバー13に密に固定されるポンプシェル140aと、ポンプシェル140aの内面に配設された複数のポンプブレード140bと、ポンプシェル140aの内周部に溶接により密に接合されたスリーブ141とを有する。スリーブ141は、ポンプシェル140aやポンプブレード140bと同様に、鋼材(鉄合金)により形成されており、ポンプシェル140aの内周部に接合される環状のフランジ部141aと、フランジ部141aの内周部から自動変速機20側(図4における右側)に向けて入力軸20iの軸方向に延びる筒状部141bとを有する。
スリーブ141の筒状部141b内には、フロントサポート111の筒状部111bが自動変速機20側(図4における右側)から嵌合(挿入)され、筒状部141bの外周面とカバー部材112の支持部112bの内周面との間の間隙には、ラジアル軸受147が配置される。これにより、スリーブ141すなわちポンプインペラ140は、フロントサポート111およびカバー部材112、すなわちトランスミッションケース11によりラジアル軸受147を介して回転自在に支持される。更に、筒状部141bの外周面と支持部112bの内周面との間には、ラジアル軸受147よりもスリーブ141のフランジ部141aに近接するようにオイルシール148が配置される。
また、スリーブ141の筒状部141bの遊端部(図4における右端部、自動変速機20側の端部)には、上記チェーン18が巻掛けられる駆動部材としてのドライブスプロケット181のボス部に形成された係合溝にそれぞれ嵌合される複数(例えば2つ)の係合突部141cが形成されている。図4に示すように、ドライブスプロケット181は、カバー部材112の支持部112bとフロントサポート111の壁部111aとの間に位置するように当該フロントサポート111の筒状部111bにより回転自在に支持されると共に、係合突部141c等を介してスリーブ141(ポンプインペラ140)に一体に回転するように連結される。これにより、ポンプインペラ140、スリーブ141、ドライブスプロケット181、チェーン18およびロータ170に固定されたドリブンスプロケット182を介して伝達されるエンジンからの動力によりオイルポンプ17の外歯ギヤ171および内歯ギヤ172を回転駆動することが可能となる。
図4、図6および図7に示すように、カバー部材112の支持部112bの上部には、ラジアル軸受147に潤滑用の作動油を導くように当該支持部112bを貫通する1本の油孔112cが形成されている。油孔112cは、支持部112bの外周側から内周側に向かうにつれてスリーブ141のフランジ部141aに近接するように斜めに延びる。本実施形態において、油孔112cは、図5に示すように、支持部112bの外周面で径方向外側に向けて開口する大径の集油孔112dと、集油孔112dに連通すると共に支持部112bの内周面で開口する当該集油孔112dよりも小径の連通孔112eとを含む。油孔112cを構成する連通孔112eは、図示するように、ラジアル軸受147とオイルシール148との軸方向における間で開口する。これにより、油孔112cは、ラジアル軸受147が配置される間隙と連通する。
更に、カバー部材112の環状壁部112aには、図4、図6および図7に示すように、支持部112bの油孔112cの上方で自動変速機20側(図4における右側)から発進装置12側(図4における左側)に向けて窪むように凹部112fが形成されている。加えて、環状壁部112aには、凹部112fの一方(図7における左側)の側縁に沿って延びる第1突出部112gと、凹部112fの上縁に沿って延びる第2突出部112hとが形成されている。
第1および第2突出部112g,112hは、発進装置12側(図4における左側)から自動変速機20側(図4における右側)に向けて、少なくとも支持部112bのフロントサポート111側の端面よりも壁部111aに近接するように環状壁部112aから突出する。そして、本実施形態において、ポンプインペラ140や、車両前進時における入力軸20i等の回転方向は、動力伝達装置10の後部側からみて図7における反時計方向(図7における太線矢印参照)であり、第1突出部112gは、凹部112fのポンプインペラ140等の回転方向における前側の側縁に沿って延在することになる。
また、カバー部材112の支持部112bとドライブスプロケット181との軸方向における間には、第1ワッシャ100が配置され、ドライブスプロケット181とフロントサポート111の壁部111aとの軸方向における間には、第2ワッシャ200が配置される。本実施形態において、第1および第2ワッシャ100,200は、例えばナイロン66等を含む樹脂材料により形成される。
第1ワッシャ100は、図8に示すように、環状のリング部101を含み、当該リング部101の一方の表面からは、ドライブスプロケット181のカバー部材112側の表面を軸方向に支持する環状の支持部102が延出されている。支持部102の表面には、潤滑媒体としての作動油の流通を許容する複数の油溝が周方向に間隔をおいて(等間隔に)形成されている。
また、第1ワッシャ100は、図4および図8に示すように、リング部101のドライブスプロケット181とは反対側の表面から軸方向に突出する1つの抜止突起部103を有する。本実施形態において、抜止突起部103は、リング部101の径方向に沿って弾性変形可能な2つのピン103aからなり、径方向外側に位置する一方のピン103aには、図示するように、径方向外側に突出する突部103bが形成されている。更に、第1ワッシャ100は、図4および図8に示すように、抜止突起部103から周方向に離間した位置でリング部101のドライブスプロケット181とは反対側の表面から軸方向に突出する複数(本実施形態では、2つ)の回り止め突起部104を有する。本実施形態において、回り止め突起部104は、円柱状(丸棒状)に形成されている。加えて、第1ワッシャ100は、リング部101の外周の一部から径方向外側に延出された延出部105を有する。延出部105は、抜止突起部103の基端付近から図8における上方に延出されており、カバー部材112に形成された凹部112fの下部の幅よりも細幅に形成されている。
一方、図4から図6に示すように、カバー部材112の支持部112bには、ドライブスプロケット181側(図4における右側、すなわち自動変速機20側)の端面から油孔112c(集油孔112dおよび連通孔112e)に連通するように軸方向に延びる1本の抜止孔112iが形成されている。また、カバー部材112の支持部112bには、抜止孔112iから周方向に離間した位置で当該支持部112bのドライブスプロケット181の端面から周方向に間隔をおいて軸方向に延びる複数(本実施形態では、2つ)の回り止め孔112j(図6参照)が形成されている。
第1ワッシャ100の抜止突起部103は、カバー部材112の抜止孔112iに挿入され、抜止突起部103を構成する一方のピン103aに形成された突部103bは、図9に示すように、油孔112c(集油孔112d)の内周面と係合可能となる。また、第1ワッシャ100の各回り止め突起部104は、カバー部材112の対応する回り止め孔112jに嵌合(挿入)される。これにより、第1ワッシャ100は、カバー部材112に対して回転しないように支持部112bにスナップ止めされる。また、抜止突起部103の突部103bと油孔112c(集油孔112d)の内周面とが係合することで、第1ワッシャ100は、カバー部材112に対して抜け止めされることになる。更に、第1ワッシャ100が支持部112bに取り付けられた際、リング部101は、支持部112bのドライブスプロケット181側の端面に当接し、第1ワッシャ100の延出部105は、図4、図7および図9に示すように、支持部112bの外周面よりも上方に張り出してカバー部材112の凹部112fを介して環状壁部112aと対向する。
第2ワッシャ200は、図4に示すように、環状のリング部201を含み、当該リング部201の一方の表面からは、ドライブスプロケット181のフロントサポート111側の表面を軸方向に支持する環状の支持部が延出されている。第2ワッシャ200の支持部の表面にも、潤滑媒体としての作動油の流通を許容する複数の油溝が周方向に間隔をおいて(等間隔に)形成されている。更に、第2ワッシャ200は、図4に示すように、リング部201のドライブスプロケット181とは反対側の表面から周方向に間隔をおいて軸方向に突出する複数の回り止め突起部204を有する。各回り止め突起部204は、フロントサポート111の壁部111aに形成された回り止め孔に嵌合される。これにより、第2ワッシャ200は、フロントサポート111に対して回転しないように壁部111aとドライブスプロケット181との間に配置されることになる。
上述のように構成される動力伝達装置10では、ドライブスプロケット181やチェーン18等を介して伝達されるエンジンからの動力によりオイルポンプ17が駆動される際に、トランスミッションケース11内に滞留する作動油がチェーン18によって図7中点線で示すように掻き上げられる。また、エンジンからの動力が入力軸20iに伝達されて自動変速機20の回転要素が回転すると、回転要素の回転に伴って当該自動変速機20に供給された潤滑・冷却用の作動油が飛散し、フロントサポート111付近で飛散した作動油の一部は、壁部111aに形成された開口部111oを介してフロントサポート111とカバー部材112との間の空間11x内に入り込む。
そして、ドライブスプロケット181の回転に伴ってチェーン18により掻き上げられた作動油や、自動変速機20の回転要素の回転に伴って空間11x内へと飛散した作動油は、カバー部材112に形成された凹部112fのポンプインペラ140の回転方向前側の側縁に沿って延びる第1突出部112gに突き当たり、当該凹部112f内に集められる。これにより、多くの作動油を凹部112f内に捕集し、凹部112fから油孔112cへと流下させてラジアル軸受147の潤滑に供することができるので、油圧制御装置から潤滑用の作動油をラジアル軸受147に直接供給する必要がなくなる。この結果、動力伝達装置10では、オイルポンプ17の負荷を増加させることなく、ポンプインペラ140を支持するラジアル軸受147を良好に潤滑することが可能となる。
また、自動変速機20の回転要素の回転に伴って空間11x内へと飛散した作動油や、チェーン18により掻き上げられた作動油は、凹部112fの側縁に沿って延びる第1突出部112gに加えて、凹部112fの上縁に沿って延びる第2突出部112hにも突き当たる。従って、動力伝達装置10では、より多くの作動油を凹部112f内に捕集することが可能となる。更に、フロントサポート111の壁部111aの上部に比較的大きい開口面積を有する開口部111oを設けることで、自動変速機20の回転要素の回転に伴って飛散する油を壁部111aとカバー部材112との間の空間11xにより多く導入することができる。この結果、動力伝達装置10では、自動変速機20の回転要素の回転に伴って飛散する油や、ドライブスプロケット181の回転に伴ってチェーン18により掻き上げられた油を有効に利用して、ラジアル軸受147を極めて良好に潤滑することが可能となる。
加えて、カバー部材112の支持部112bとドライブスプロケット181との軸方向における間には、第1ワッシャ100が配置され、当該第1ワッシャ100のリング部101の外周の一部から径方向外側に延出された延出部105は、支持部112bの外周面よりも上方に張り出して凹部112fを介して環状壁部112aと対向する。これにより、凹部112f内に捕集された作動油が支持部112bのドライブスプロケット181側の端面側から流出するのを延出部105により規制し、より多くの作動油を油孔112c内に流入させることが可能となる。
また、カバー部材112の支持部112bには、ドライブスプロケット181側の端面から油孔112cに連通するように軸方向に延びる抜止孔112iを有する。更に、第1ワッシャ100は、リング部101から軸方向に突出すると共に突部103bが油孔112cの内周面と係合可能となるようにカバー部材112の抜止孔112iに挿入される抜止突起部103を有する。このように、カバー部材112の支持部112bに形成される抜止孔112iと、当該支持部112bとポンプインペラ140のスリーブ141との間に配置されるラジアル軸受147を潤滑するための油孔112cとを連通させることで、抜止突起部103と係合する内周面をもった専用の孔を支持部112bに形成する必要がなくなり、動力伝達装置10の製造コストの増加を抑制することが可能となる。更に、抜止孔112iに挿入された第1ワッシャ100の抜止突起部103がラジアル軸受147を潤滑するための油孔112cの内周面と係合することで、カバー部材112からの第1ワッシャ100の脱落が規制される。従って、カバー部材112と第1ワッシャ100とを同時にトランスミッションケース11に取り付けることが可能となり、動力伝達装置10の組立性を向上させることができる。この結果、動力伝達装置10の製造コストの増加を抑制しつつ、当該動力伝達装置10の組立性を向上させることが可能となる。
加えて、カバー部材112は、抜止孔112iから周方向に離間した位置で支持部112bの駆動部材側の端面から軸方向に延びる回り止め孔112jを有する。更に、第1ワッシャ100は、抜止突起部103から周方向に離間した位置でリング部101から軸方向に突出すると共にカバー部材112の回り止め孔112jに挿入される少なくとも1つの回り止め突起部104を有する。これにより、第1ワッシャ100がカバー部材112から抜け落ちないようにしつつ、カバー部材112に対する第1ワッシャ100の回転を規制することが可能となる。
なお、例えばラジアル軸受147が発進装置12側から供給される作動油により潤滑される場合、カバー部材112の油孔112cは、当該ラジアル軸受147を潤滑した作動油を流出させるのに用いられてもよい。また、動力伝達装置10のオイルポンプ17は、チェーン18やドライブスプロケット181、ドリブンスプロケット182を含む巻掛け伝動機構を介してスリーブ141に連結される外歯ギヤ171を有するものであるが、オイルポンプ17は、スリーブ141と一体に回転する駆動ギヤを含むギヤ列を介してポンプインペラ140に連結されるものであってもよい。
以上説明したように、本発明による動力伝達装置は、ポンプインペラおよびタービンランナを有する流体伝動装置と、変速機と、前記流体伝動装置と前記変速機とを収容するケースとを含む動力伝達装置において、前記流体伝動装置と前記変速機との間に位置するように前記ケースに固定される環状壁部と、前記環状壁部の内周から軸方向に延びる筒状部とを有するカバー部材と、前記カバー部材の前記筒状部の内周面と、前記ポンプインペラから前記変速機に向けて軸方向に延出されたスリーブの外周面との間の間隙に配置され、前記ポンプインペラを回転自在に支持する軸受と、前記ポンプインペラの前記スリーブと一体に回転すると共に、前記変速機の入力軸とは別軸上に配置されたオイルポンプに連結される駆動部材と、前記カバー部材の前記筒状部と前記駆動部材との軸方向における間に配置されるワッシャとを備え、前記カバー部材は、前記軸受が配置される前記間隙と連通するように前記カバー部材の前記筒状部の上部を貫通する油孔と、前記筒状部の前記駆動部材側の端面から前記油孔に連通するように軸方向に延びる抜止孔とを有し、前記ワッシャは、前記筒状部の端面に当接するリング部と、前記リング部から軸方向に突出すると共に前記油孔の内周面と係合可能となるように前記カバー部材の前記抜止孔に挿入される抜止突起部とを有することを特徴とする。
この動力伝達装置は、流体伝動装置と変速機との間に位置するようにケースに固定される環状壁部および当該環状壁部の内周から軸方向に延びる筒状部とを有するカバー部材と、カバー部材の筒状部の内周面とポンプインペラから変速機に向けて軸方向に延出されたスリーブの外周面との間の間隙に配置されて当該ポンプインペラを回転自在に支持する軸受と、ポンプインペラのスリーブと一体に回転すると共に変速機の入力軸とは別軸上に配置されたオイルポンプに連結される駆動部材と、カバー部材の筒状部と駆動部材との軸方向における間に配置されるワッシャとを含む。また、カバー部材は、軸受が配置される間隙と連通するようにカバー部材の筒状部の上部を貫通する油孔と、筒状部の駆動部材側の端面から油孔に連通するように軸方向に延びる抜止孔とを有する。更に、ワッシャは、筒状部の端面に当接するリング部と、リング部から軸方向に突出すると共に油孔の内周面と係合可能となるようにカバー部材の抜止孔に挿入される抜止突起部とを有する。このように、カバー部材の筒状部に形成される抜止孔と、当該筒状部とポンプインペラのスリーブとの間に配置される軸受の潤滑油が流通する油孔とを連通させることで、抜止突起部と係合する内周面をもった専用の孔を筒状部に形成する必要がなくなり、動力伝達装置の製造コストの増加を抑制することが可能となる。また、抜止孔に挿入されたワッシャの抜止突起部が上記油孔の内周面と係合することで、カバー部材からのワッシャの脱落が規制される。従って、カバー部材とワッシャとを同時にケースに取り付けることが可能となり、動力伝達装置の組立性を向上させることができる。この結果、動力伝達装置の製造コストの増加を抑制しつつ、当該動力伝達装置の組立性を向上させることが可能となる。
また、前記カバー部材は、前記抜止孔から周方向に離間した位置で前記筒状部の前記駆動部材側の端面から軸方向に延びる回り止め孔を有してもよく、前記ワッシャは、前記抜止突起部から周方向に離間した位置で前記リング部から軸方向に突出すると共に前記カバー部材の前記回り止め孔に挿入される少なくとも1つの回り止め突起部を有してもよい。これにより、ワッシャがカバー部材から抜け落ちないようにしつつ、カバー部材に対するワッシャの回転を規制することが可能となる。
更に、前記カバー部材は、前記油孔の上方で前記変速機側から前記流体伝動装置側に向けて窪むように前記環状壁部に形成された凹部を有してもよく、前記ワッシャは、前記リング部の外周の一部から径方向外側に延出された延出部を有してもよく、前記延出部が前記筒状部の外周面よりも上方に張り出して前記凹部を介して前記環状壁部と対向するように該筒状部に取り付けられてもよい。これにより、駆動部材の回転に伴って掻き上げられた油や、変速機の回転要素の回転に伴って飛散する油をカバー部材の凹部内に捕集して、凹部から油孔へと流下させて軸受の潤滑に供することが可能となる。加えて、凹部内に捕集された油が筒状部の端面側から流出するのをワッシャの延出部により規制し、より多くの油を油孔内に流入させることができる。
また、前記駆動部材は、チェーンを介して前記オイルポンプに連結されるドライブスプロケットであってもよい。
そして、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の外延の範囲内において様々な変更をなし得ることはいうまでもない。更に、上記発明を実施するための形態は、あくまで課題を解決するための手段の欄に記載された発明の具体的な一形態に過ぎず、課題を解決するための手段の欄に記載された発明の要素を限定するものではない。
本発明は、クラッチや変速装置の製造産業等において利用可能である。
10 動力伝達装置、11 トランスミッションケース、11x 空間、12 発進装置、13 フロントカバー、15 ロックアップクラッチ、16 ダンパ機構、17 オイルポンプ、18 チェーン、20 自動変速機、20i 入力軸、20m 中間軸、20o 出力軸、21 第1遊星歯車、21c 第1キャリヤ、21p 第1ピニオンギヤ、21r 第1リングギヤ、21s 第1サンギヤ、22 第2遊星歯車、22c 第2キャリヤ、22p 第2ピニオンギヤ、22r 第2リングギヤ、22s 第2サンギヤ、23c 第3キャリヤ、23p 第3ピニオンギヤ、23r 第3リングギヤ、23s 第3サンギヤ、24p 第4ピニオンギヤ、24s 第4サンギヤ、25 ラビニヨ式遊星歯車機構、100 第1ワッシャ、101 リング部、102 支持部、103 抜止突起部、103a ピン、103b 突部、104 回り止め突起部、105 延出部、110 ケース本体、111 フロントサポート、111a 壁部、111b 筒状部、111o 開口部、112 カバー部材、112a 環状壁部、112b 支持部、112c 油孔、112d 集油孔、112e 連通孔、112f 凹部、112g 第1突出部、112h 第2突出部、112i 抜止孔、112j 回り止め孔、115 センターサポート、140 ポンプインペラ、140a ポンプシェル、140b ポンプブレード、141 スリーブ、141a フランジ部、141b 筒状部、141c 係合突部、142 タービンランナ、143 ステータ、144 ワンウェイクラッチ、145 ステータシャフト、146 リング部材、147 ラジアル軸受、148 オイルシール、170 ロータ、171 外歯ギヤ、172 内歯ギヤ、173 ポンプボディ、174 ポンプカバー、181 ドライブスプロケット、182 ドリブンスプロケット、200 第2ワッシャ、201 リング部、204 回り止め突起部、B1,B2 ブレーキ、C1,C2,C3,C4 クラッチ。

Claims (4)

  1. ポンプインペラおよびタービンランナを有する流体伝動装置と、変速機と、前記流体伝動装置と前記変速機とを収容するケースとを含む動力伝達装置において、
    前記流体伝動装置と前記変速機との間に位置するように前記ケースに固定される環状壁部と、前記環状壁部の内周から軸方向に延びる筒状部とを有するカバー部材と、
    前記カバー部材の前記筒状部の内周面と、前記ポンプインペラから前記変速機に向けて軸方向に延出されたスリーブの外周面との間の間隙に配置され、前記ポンプインペラを回転自在に支持する軸受と、
    前記ポンプインペラの前記スリーブと一体に回転すると共に、前記変速機の入力軸とは別軸上に配置されたオイルポンプに連結される駆動部材と、
    前記カバー部材の前記筒状部と前記駆動部材との軸方向における間に配置されるワッシャとを備え、
    前記カバー部材は、前記軸受が配置される前記間隙と連通するように前記カバー部材の前記筒状部の上部を貫通する油孔と、前記筒状部の前記駆動部材側の端面から前記油孔に連通するように軸方向に延びる抜止孔とを有し、
    前記ワッシャは、前記筒状部の端面に当接するリング部と、前記リング部から軸方向に突出すると共に前記油孔の内周面と係合可能となるように前記カバー部材の前記抜止孔に挿入される抜止突起部とを有することを特徴とする動力伝達装置。
  2. 請求項1に記載の動力伝達装置において、
    前記カバー部材は、前記抜止孔から周方向に離間した位置で前記筒状部の前記駆動部材側の端面から軸方向に延びる回り止め孔を有し、
    前記ワッシャは、前記抜止突起部から周方向に離間した位置で前記リング部から軸方向に突出すると共に前記カバー部材の前記回り止め孔に挿入される少なくとも1つの回り止め突起部を有することを特徴とする動力伝達装置。
  3. 請求項1または2に記載の動力伝達装置において、
    前記カバー部材は、
    前記油孔の上方で前記変速機側から前記流体伝動装置側に向けて窪むように前記環状壁部に形成された凹部を有し、
    前記ワッシャは、前記リング部の外周の一部から径方向外側に延出された延出部を有し、前記延出部が前記筒状部の外周面よりも上方に張り出して前記凹部を介して前記環状壁部と対向するように該筒状部に取り付けられることを特徴とする動力伝達装置。
  4. 請求項1から3の何れか一項に記載の動力伝達装置において、
    前記駆動部材は、チェーンを介して前記オイルポンプに連結されるドライブスプロケットであることを特徴とする動力伝達装置。
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CN108035878A (zh) * 2017-12-06 2018-05-15 盛瑞传动股份有限公司 一种变速箱叶片泵***

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