JP2016148009A - 石炭からの燃料オイルの製造方法および製造システム - Google Patents

石炭からの燃料オイルの製造方法および製造システム Download PDF

Info

Publication number
JP2016148009A
JP2016148009A JP2015040660A JP2015040660A JP2016148009A JP 2016148009 A JP2016148009 A JP 2016148009A JP 2015040660 A JP2015040660 A JP 2015040660A JP 2015040660 A JP2015040660 A JP 2015040660A JP 2016148009 A JP2016148009 A JP 2016148009A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
fuel oil
pyrolysis
coal
hydrogen
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015040660A
Other languages
English (en)
Inventor
直彌 吉川
Naoya Yoshikawa
直彌 吉川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
GGI JAPAN KK
Original Assignee
GGI JAPAN KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by GGI JAPAN KK filed Critical GGI JAPAN KK
Priority to JP2015040660A priority Critical patent/JP2016148009A/ja
Publication of JP2016148009A publication Critical patent/JP2016148009A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Abstract

【課題】 石炭からできる限り少ない水の量で収率よく燃料油を製造する方法を提供する。【解決手段】 石炭原料を液化して燃料オイルを製造する石炭からの燃料オイルの製造方法は次の工程:(a)石炭を熱分解炉に投入し、熱分解炉に800〜1000℃の過熱水蒸気を前記炭素含有量および水分含有量に基づいて炭素と水のモル比が1:1〜1:3となるように添加しながら900℃から1850℃の温度で酸素またはエアを吹込みながら1.3〜7Mpaの圧力で発生する熱分解ガスにおける水素ガスと炭化水素のガスとの容量比が1:9〜4:6となるように調整して熱分解し、発生したガスを精製し、精製したガスを水性成分と、水素を含む粗製炭化水素成分とに分離し、分離された粗製炭化水素を混在する水素により水添分解した後に粗製炭化水素を精製する工程を含む【選択図】図3

Description

本発明は、石炭からの燃料オイルの製造方法および製造システムに関する。より詳しく述べると、水の使用量を最小限に抑えて収率よく石炭から燃料オイルを製造する方法およびシステムに関する。
石炭の液化は固体燃料である石炭を灰分、硫黄分を除去したクリーンで取り扱い易い液体燃料に転換することによって幅広い利用を可能にするものである。
石炭の液化・ガス化は高分子有機化合物の低分子化を行うことである。固体質石炭は、主として炭素、水素および酸素等の多数の原子で構成されているが、原子間結合の弱い−CH2−結合部を切断すると、六角形の芳香環2〜4個からなる石炭液化油ができることになる。結合を切断する主な力は、熱エネルギであることから、液化反応には400〜450℃の温度を必要とする。
石炭を液化する方法として、石炭と溶剤を混合して調製したスラリに、高温、高圧下で触媒の存在下あるいは非存在下において水素を添加させて水素化分解を行い、軽質油、中質油、重質油等の液化油を製造する方法が知られている。例えば、特許文献1(特開平7−305071号公報)には、微粉砕した石炭を石炭液化用溶剤、石炭液化用触媒と混合してスラリ化した後、水素存在下で高温、高圧の運転条件で液化し、得られた液化油のうち、中質油留分の一部とまたは全部と重質油を溶剤水素化工程で水素化処理し、得られる水素化溶剤を前記の石炭液化用溶剤として循環使用する方法が開示されている。
また、石炭を液化する際にフィッシャー・トロプシュ法(FT法)がしばしば用いられている。FT法は、天然ガス(メタン)、石炭、バイオマスを一酸化炭素と水素の混合ガスに転化して、石油を化学合成するのに広く使われる方法である。この方法は、主に下記の3段階の製造工程からなる。
1.水蒸気改質工程:天然ガスのような原料ガスを一度、合成ガス(一酸化炭素と水素)に転換する。
2.FT合成工程:FT法によって炭素同士をチェーン状に繋ぐ。
3.水素化分解・蒸留工程:長い炭素のチェーンを水素化によって必要な長さに切断し、断片を蒸留によって長さごとに分ける
この方法として、例えば特許文献2には、熱分解ガスから、H2ガスとCOガスを別個に選択分離するガス分離器と、そのH2ガスとCOガスを各々別個に貯蔵する貯蔵タンクと、各ガスを一定の流量比に保つ弁及び調節装置と、このガスを重合反応させる触媒反応器を有する液状炭化水素を合成する液状油製造装置が開示され、熱分解炉から発生した800℃〜1200℃の熱分解ガスにより、同炉に吹き込む水蒸気を650℃〜800℃に加熱する蒸気加熱器と蒸気タンクの低部より凝縮水を加熱すると同時に熱分解ガスを350℃まで冷却する分解ガス冷却器を有することが開示されている。
特開平7−305071号公報 特開2010−248459号公報
しかしながら、特許文献1の方法ではスラリ化するのに多量の水を使用することとなり、特許文献2の方法では、FT合成を使用するので多大なエネルギを必要とすることに加えて、収率が非常に悪くなるという欠点を有している。また、特許文献2に記載の方法で収率よく燃油を得るためには多量の水を使用する必要がある。
したがって、本発明の課題は、石炭からできる限り少ない水の量で収率よく燃料油を製造する方法およびシステムを提供することである。
上記課題を解決する本発明は、次の各項目に関する。
(1) 石炭原料を液化して燃料オイルを製造する石炭からの燃料オイルの製造方法であって、次の工程:
(a) 微粉砕された原料となる石炭を熱分解炉に投入し、前記熱分解炉に800〜1000℃の過熱水蒸気を前記炭素含有量および水分含有量に基づいて炭素と水のモル比が1:1〜1:3となるように添加しながら900℃から1850℃の温度で酸素またはエアを吹込みながら1.3〜7Mpaの圧力で発生する熱分解ガスにおける水素ガスと炭化水素のガスとの容量比が1:9〜4:6となるように調整して熱分解する熱分解工程と、
(b) 前記熱分解により発生したガスを精製するガス精製工程と、
(c) 前記精製したガスを水性成分と、水素を含む粗製炭化水素成分とに分離するガス分離工程と、
(d) 工程(c)で分離された粗製炭化水素を混在する水素により水添分解する工程と、
(e) 工程(e)で水添分解された粗製炭化水素を精製する工程と、
を含むことを特徴とする石炭からの燃料オイルの製造方法。
(2) 前記工程(c)に引き続いて工程
(c−1)水素を含む粗製炭化水素から水素を分離する工程を含むことを特徴とする(1)に記載の燃料オイルの製造方法。
(3) 前記熱分解を酸素の存在下複数対のプラズマ発生装置によりプラズマを発生されるプラズマ溶融炉内で行うことを特徴とする(1)または(2)に記載の燃料オイルの製造方法。
(4) 前記複数対のプラズマ発生装置のON/OFFにより熱分解温度を調整することを特徴とする(3)に記載の燃料オイルの製造方法。
(5) 前記工程(c)で分離された水性成分を水処理して前記過熱水蒸気の水源として用いることを特徴とする(1)から(4)のいずれか1項に記載の燃料オイルの製造方法。
(6) (1)から(6)に記載の石炭原料を液化して燃料オイルを製造する石炭から燃料オイルを製造するための燃料オイル製造システムであって、
原料となる石炭の投入口と熱分解ガスの排出口と熱分解残渣の排出口とエアまたは酸素導入口を有する900℃から1850℃に加熱可能な熱分解装置と、
前記熱分解装置に気密に接続され800〜1000℃の過熱水蒸気を供給するための過熱水蒸気発生装置と、
前記熱分解装置からの熱分解ガスから有害物質を除去するための気体精製装置と、
前記気体精製装置で有害物質が除去された熱分解ガスを水性成分と水素を含む粗製炭化水素成分とに分離するガス分離装置と、
前記粗製炭化水素を前記粗製ガス炭化水素中に含まれる水素により水添分解する水添分解装置と、
前記水添分解装置により処理された粗製炭化水素を精製するオイル精製装置と
を備えたことを特徴とする燃料オイル製造システム。
(7) 前記熱分解装置が酸素の存在下複数対のプラズマ発生装置によりプラズマを発生されるプラズマ溶融炉であることを特徴とする(6)に記載の燃料オイルの製造システム。
(8) 前記複数対のプラズマ発生装置のON/OFFにより熱分解温度を調整することを特徴とする(7)に記載の燃料オイルシステム。
(9) 前記ガス分離装置からの水性成分を前記過熱水蒸気発生装置の水源として貯留する貯留タンクを有することを特徴とする(6)から(8)のいずれか1項に記載の燃料オイルシステム。
(10) さらに前記水素を含む粗製炭化水素を水素と粗製炭化水素とに分離する分離装置と、前記分離した水素を貯留する水素タンクとを備え、
前記水素タンクから前記水添分解装置に所望量の水素を供給することを特徴とする(6)から(9)のいずれか1項に記載の燃料オイルシステム。
本発明の燃料オイルの製造方法は、石炭原料を液化して燃料オイルを製造する石炭からの燃料オイルの製造方法において、微粉砕された原料となる石炭を熱分解炉に投入し、前記熱分解炉に800〜1000℃の過熱水蒸気を前記炭素含有量および水分含有量に基づいて炭素と水のモル比が1:1〜1:3となるように添加しながら900℃から1850℃の温度で酸素またはエアを吹込みながら1.3〜7Mpaの圧力で発生する熱分解ガスにおける合成ガスと炭化水素由来のガスとの容量比が1:9〜4:6となるように調整して熱分解を行うので、炭素の熱分解反応により石炭が液化・ガス化して所定分子量の炭化水素に転化する。一方、上記条件の反応により合成ガスとして、水素、一酸化炭素を含む合成ガスが発生する。この粗製ガスと合成ガスとの比率が所定範囲となるように熱分解条件を整えることによって、後の工程の水添分離反応により少量も水の使用量で収率よく所望の燃料オイルを製造することが可能となる。しかも、外部から水素を供給することなく石炭の燃料化が行えるので非常に経済的である。
本発明の燃料オイルの製造システムは、本発明の燃料オイルの製造方法を具現化するシステムであって、熱分解装置内で石炭を液化・ガス化して粗製炭化水素に転化するとともに粗製炭化水素に対して後段の記水添分解装置により水添分解反応を効率よく行うことができる。また、外部から水素を供給することなく石炭の燃料化が行えるので非常に経済的である。
本発明の燃料オイルの製造システムの一例を示す図面である。 本発明の燃料オイルの製造方法を示すフローチャートである。 図1に示す熱分解処理により発生した熱分解ガスを示す概念図である。 本発明の燃料オイルの製造システムの別の一例を示す図面である。
以下、本発明の実施態様を添付図面に基づいて説明する。
まず、図1から図3に基づいて本発明の第1の実施形態を説明する。なお、以下の説明では、熱分解装置として複数対のプラズマ発生装置を備えた熱分解炉を用いるが本発明は同等の機能を備えた熱分解装置であれば、これに限定されるものではない。
図1に示す通り、本発明の燃料オイル製造システム100は、石炭原料を液化して燃料オイルを製造する石炭から燃料オイルを製造するための燃料オイル製造システムであって、原料となる石炭を投入するための原料投入口11と発生した熱分解ガスを排出する熱分解ガス排出口12と熱分解残渣を排出する残渣排出口13と図示しないエアまたは酸素導入口を有する900℃から1850℃に加熱可能な熱分解装置と、前記熱分解装置に気密に接続され800〜1000℃の過熱水蒸気を供給するための過熱水蒸気発生装置20と、前記熱分解装置からの熱分解ガスから有害物質を除去するための気体精製装置30と、気体精製装置30で有害物質が除去された熱分解ガスを水性成分と水素を含む粗製炭化水素成分とに分離するガス分離装置40と、ガス分離装置40で分離された水素を含む粗製炭化水素成分を貯留する粗製オイルタンク50と、粗製炭化水素を当該粗製ガス炭化水素中に含まれる水素により水添分解する水添分解装置60と、から主として構成される。
そして、本発明の燃料オイル製造システム100は、ガス分離装置40で分離した水分をバッファタンク70に一時貯留して、従来周知の水処理により浄化して給水タンク80に貯留する。
本発明における出発原料となる石炭は、目的に応じて適宜選択される。本発明においては、出発原料の石炭の組成、サイズ、低位熱容量等を予め調査しておくことが重要である。すなわち、石炭の組成、特に炭素含有量と水分含有量は、熱分解を実施する際の条件に関係するので重要である。石炭のサイズは、細かければ細かいほどよく一般には10mm以下、より好ましくは1mm以下、さらに好ましくは500μm以下である。
熱分解装置10は、所定の耐圧性を有する炉内に熱分解するために900℃から1850℃の所定温度に炉内を加熱する加熱手段を備えており、本発明の好ましい実施形態では、複数対、好ましくは8から30対のプラズマ発生装置(エアプラズマ発生装置)を熱分解炉の炉体の対抗する面に配置する構成とした熱分解装置を使用する。
このように構成することにより、複数対のプラズマ発生装置のON/OFFにより炉内温度を高い応答性で調整することが可能となる。
また、熱分解装置10に接続する過熱水蒸気発生装置20は、800〜1000℃の加熱水蒸気を流量(風量)を調整しながら熱分解装置10へ送ることが可能な加熱水蒸気発生装置である。
このように熱分解装置10内へ出発原料である石炭を所定量供給し、所定量の所定温度の過熱水蒸気を過熱水蒸気発生装置20より導入することにより、図2に示す通り、石炭ガス化反応が生じ、石炭が液化・ガス化が生じて熱分解ガスと残渣(灰分)とになり、熱分解ガスは熱分解ガス排出口12より後段の気体精製装置30へと送られる。
本発明においては、熱分解装置10内の反応を図2に示す通り、熱分解ガスにおける水素ガスと炭化水素のガスとの容量比が1:9〜4:6となるように反応条件を調整することが重要であることを見出した。すなわち、熱分解炉に800〜1000℃の過熱水蒸気を前記炭素含有量および水分含有量に基づいて炭素と水のモル比が1:1〜1:3となるように添加しながら900℃から1850℃の温度で酸素またはエアを吹込みながら1.3〜7Mpaの圧力で反応させることにより、水素ガスと炭化水素のガスとの容量比が1:9〜4:6となることを見出した。
このような比率で水素ガスと炭化水素のガスが存在する熱分解ガス(以下、水素を含む粗製炭化水素ガス)を従来周知の方法で精製した後、水添分解すると、外部からの水素の添加なしで所望の燃料オイルとなる粗製炭化水素が得られることを見出した。
そのため、本発明の燃料オイル製造システム100は、このようにして発生した熱分解ガスを気体精製装置30により不純物を除去する。このような気体精製装置30は、当該技術分野に周知の装置から適宜選択される。すなわち、気体中に含まれる粉塵を除去するためのバグフィルタ、炭酸ガス、硫黄系、窒素系の酸性ガスを除去するレクチゾル装置、スクラバ、好ましくはイオン交換スクラバ等を用いてクリーンなガスとしてガス分離装置40へ送る。ガス分離装置40は、水性成分と水素を含む粗製炭化水素ガスを分離する装置であり、例えばフラッシュタンクが使用される。
ガス分離装置40で水分が除去された水素を含む粗製炭化水素ガスは粗製オイルタンクに一時貯留され、水添分解装置60で触媒の存在下または不存在下で水添分解反応を行い所定の粗製オイルとして後段の粗製オイル精製ラインへと送られる。粗製オイルの精製は、例えば石油精製分野に周知の沸点により分留する方法、分留した各沸点成分を酸洗、アルカリ洗、水素化脱硫等によりさらに精製する方法で精製することができる。
本発明においては、ニッケル、ルテニウム、パラジウム、白金系の触媒、アダムス触媒、リンドラー触媒等の従来周知の水添触媒を使用して外部水素供給することなしに水添分解反応を実施することが可能である。
そのため、多大な圧力を加えて50%程度の収率となる従来技術のFT合成法(特許文献2等)と比較して、高い収率で目的とする燃料オイルを得ることができる。
一方、ガス分離装置40で分離した水分をバッファタンク70に一時貯留して、従来周知の水処理により浄化して給水タンク80に貯留する。そのため、従来技術のスラリ法と比較して水の使用量を激減させることができる。
次にこのような本発明の燃料オイル製造システムを用いた燃料オイル製造方法を図3に基づいて説明する。
図3に示す通り、燃料オイル製造方法は、まず微粉砕された原料となる石炭を熱分解炉に投入し、前記熱分解炉に800〜1000℃の過熱水蒸気を前記炭素含有量および水分含有量に基づいて炭素と水のモル比が1:1〜1:3となるように添加しながら900℃から1850℃の温度で酸素またはエアを吹込みながら1.3〜7Mpaの圧力で発生する熱分解ガスにおける水素ガスと炭化水素のガスとの容量比が1:9〜4:6となるように調整して熱分解する(熱分解工程:工程1)。
次いで、工程1で発生したガスを従来公知の方法により精製する(ガス精製工程:工程2)。
そして、工程2で精製したガスを水性成分と、水素を含む粗製炭化水素成分とに分離する(ガス分離工程:工程3)。
次いで、工程3で分離された粗製炭化水素を混在する水素により水添分解する(水添分解工程:工程4)。
そして、工程4で水添分解された粗製炭化水素を従来周知の方法で精製して所望の燃料オイルとする(粗製炭化水素精製工程:工程5)。
一方、工程3で分離した水性成分は従来周知の水処理方法により浄化して(水処理工程:工程6)、過熱水蒸気用の水源として使用する。
このように構成することにより、石炭から少ない水の使用量で多大なエネルギを使用することなく収率よく目的とする燃料オイルを得ることが可能となる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。例えば、図4に示す通り、本発明の別の実施形態に係る燃料オイル製造システム100’は、図1に示す燃料オイル製造システム100において、ガス分離装置40で分離した水素を含む粗製炭化水素をさらに水素と粗製炭化水素とに分離し、水素を水素タンク90に貯留し、粗製炭化水素を粗製オイルタンクに貯留し、水添分解装置60での水添分解時に所望量の水素を水素タンク90から供給する構成となっている。
このように構成することにより、安定して水添分解を実施することが可能となる。
本発明の燃料オイルの製造方法は、石炭原料を液化して燃料オイルを製造する石炭からの燃料オイルの製造方法において、微粉砕された原料となる石炭を熱分解炉に投入し、前記熱分解炉に800〜1000℃の過熱水蒸気を前記炭素含有量および水分含有量に基づいて炭素と水のモル比が1:1〜1:3となるように添加しながら900℃から1850℃の温度で酸素またはエアを吹込みながら1.3〜7Mpaの圧力で発生する熱分解ガスにおける合成ガスと炭化水素由来のガスとの容量比が1:9〜4:6となるように調整して熱分解を行うので、炭素の熱分解反応により石炭が液化・ガス化して所定分子量の炭化水素に転化する。一方、上記条件の反応により合成ガスとして、水素、一酸化炭素を含む合成ガスが発生する。この粗製ガスと合成ガスとの比率が所定範囲となるように熱分解条件を整えることによって、後の工程の水添分離反応により少量も水の使用量で収率よく所望の燃料オイルを製造することが可能となる。しかも、外部から水素を供給することなく石炭の燃料化が行えるので非常に経済的である。
本発明の燃料オイルの製造システムは、本発明の燃料オイルの製造方法を具現化するシステムであって、熱分解装置内で石炭を液化・ガス化して粗製炭化水素に転化するとともに粗製炭化水素に対して後段の記水添分解装置により水添分解反応を効率よく行うことができる。また、外部から水素を供給することなく石炭の燃料化が行えるので非常に経済的である。
10 熱分解装置
11 原料投入口
12 熱分解ガス排出口
13 残渣排出口
20 過熱水蒸気発生装置
30 気体精製装置
40 ガス分離装置
50 粗製オイルタンク
60 水添分解装置
70 バッファタンク
80 貯水タンク
90 水素タンク
100,100’ 燃料オイル製造システム

Claims (10)

  1. 石炭原料を液化して燃料オイルを製造する石炭からの燃料オイルの製造方法であって、次の工程:
    (a) 微粉砕された原料となる石炭を熱分解炉に投入し、前記熱分解炉に800〜1000℃の過熱水蒸気を前記炭素含有量および水分含有量に基づいて炭素と水のモル比が1:1〜1:3となるように添加しながら900℃から1850℃の温度で酸素またはエアを吹込みながら1.3〜7Mpaの圧力で発生する熱分解ガスにおける水素ガスと炭化水素のガスとの容量比が1:9〜4:6となるように調整して熱分解する熱分解工程と、
    (b) 前記熱分解により発生したガスを精製するガス精製工程と、
    (c) 前記精製したガスを水性成分と、水素を含む粗製炭化水素成分とに分離するガス分離工程と、
    (d) 工程(c)で分離された粗製炭化水素を混在する水素により水添分解する工程と、
    (e) 工程(e)で水添分解された粗製炭化水素を精製する工程と、
    を含むことを特徴とする石炭からの燃料オイルの製造方法。
  2. 前記工程(c)に引き続いて工程
    (c−1)水素を含む粗製炭化水素から水素を分離する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の燃料オイルの製造方法。
  3. 前記熱分解を酸素の存在下複数対のプラズマ発生装置によりプラズマを発生されるプラズマ溶融炉内で行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料オイルの製造方法。
  4. 前記複数対のプラズマ発生装置のON/OFFにより熱分解温度を調整することを特徴とする請求項3に記載の燃料オイルの製造方法。
  5. 前記工程(c)で分離された水性成分を水処理して前記過熱水蒸気の水源として用いることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の燃料オイルの製造方法。
  6. 請求項1から請求項5に記載の燃料オイルの製造方法を実施するための燃料オイル製造システムであって、
    原料となる石炭の投入口と熱分解ガスの排出口と熱分解残渣の排出口とエアまたは酸素導入口を有する900℃から1850℃に加熱可能な熱分解装置と、
    前記熱分解装置に気密に接続され800〜1000℃の過熱水蒸気を供給するための過熱水蒸気発生装置と、
    前記熱分解装置からの熱分解ガスから有害物質を除去するための気体精製装置と、
    前記気体精製装置で有害物質が除去された熱分解ガスを水性成分と水素を含む粗製炭化水素成分とに分離するガス分離装置と、
    前記粗製炭化水素を前記粗製ガス炭化水素中に含まれる水素により水添分解する水添分解装置と、
    前記水添分解装置により処理された粗製炭化水素を精製するオイル精製装置と
    を備えたことを特徴とする燃料オイル製造システム。
  7. 前記熱分解装置が酸素の存在下複数対のプラズマ発生装置によりプラズマを発生されるプラズマ溶融炉であることを特徴とする請求項6に記載の燃料オイルの製造システム。
  8. 前記複数対のプラズマ発生装置のON/OFFにより熱分解温度を調整することを特徴とする請求項7に記載の燃料オイルシステム。
  9. 前記ガス分離装置からの水性成分を前記過熱水蒸気発生装置の水源として貯留する貯留タンクを有することを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか1項に記載の燃料オイルシステム。
  10. さらに前記水素を含む粗製炭化水素を水素と粗製炭化水素とに分離する分離装置と、前記分離した水素を貯留する水素タンクとを備え、
    前記水素タンクから前記水添分解装置に所望量の水素を供給することを特徴とする請求項6から請求項9のいずれか1項に記載の燃料オイルシステム。
JP2015040660A 2015-02-13 2015-02-13 石炭からの燃料オイルの製造方法および製造システム Pending JP2016148009A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015040660A JP2016148009A (ja) 2015-02-13 2015-02-13 石炭からの燃料オイルの製造方法および製造システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015040660A JP2016148009A (ja) 2015-02-13 2015-02-13 石炭からの燃料オイルの製造方法および製造システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016148009A true JP2016148009A (ja) 2016-08-18

Family

ID=56691060

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015040660A Pending JP2016148009A (ja) 2015-02-13 2015-02-13 石炭からの燃料オイルの製造方法および製造システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016148009A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115125027A (zh) * 2021-03-26 2022-09-30 慕尔(大连)科技有限公司 一种裂解炉的裂解气循环利用装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115125027A (zh) * 2021-03-26 2022-09-30 慕尔(大连)科技有限公司 一种裂解炉的裂解气循环利用装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
DK2794466T3 (en) A process and plant for the conversion of carbon dioxide to carbon monoxide
US8889746B2 (en) Enhancement of Fischer-Tropsch process for hydrocarbon fuel formulation in a GTL environment
US8536233B2 (en) Method of producing synthetic gas with partial oxidation and steam reforming
JP5789596B2 (ja) 高品質液体燃料を製造するためのバイオマスの水素化熱分解
KR101856088B1 (ko) 슬러리 수소첨가분해 공정으로부터의 고체 촉매를 갖는 중질 잔사유의 가스화 공정
JP5795437B2 (ja) 膜壁ガス化反応器における溶剤脱瀝プロセス残渣からの合成ガス生成
NO20110571A1 (no) Forbedring av Fischer-Tropsch-prosess for hydrokarbondrivstoffblanding
JP5902302B2 (ja) Gtl環境における炭化水素燃料組成物のためのフィッシャー・トロプシュ法の改良
CN101845319B (zh) 以生物质为原料生产蜡及清洁燃料油工艺
JP2014521581A5 (ja)
CN104508091B (zh) 在gtl环境中用于烃燃料配制的费希尔-特罗普希工艺的增强
JP6991203B2 (ja) 水蒸気改質システムおよび水蒸気改質プロセス
US20130090393A1 (en) Process for producing hydrocarbons from syngas
JPWO2010119972A1 (ja) Btl製造システム及びbtlの製造方法
CA2731376C (en) Enhancement of fischer-tropsch process for hydrocarbon fuel formulation
JP5801417B2 (ja) 炭化水素燃料調製のためのフィッシャートロプシュ法の強化
KR20220112268A (ko) 수소, 석유화학제품 및 전력의 통합 제조
WO2013094382A1 (ja) 合成ガスの生成方法及び製造装置、並びに、液体燃料の合成方法及び合成装置
CN105936834A (zh) 一种低阶煤热解油气加工组合***及方法
JP2016148009A (ja) 石炭からの燃料オイルの製造方法および製造システム
KR20230132808A (ko) Co2-발자국이 감소된 고체 재생 공급원료로부터 탄화수소를생성하기 위한 방법 및 플랜트
TW202311509A (zh) 無二氧化碳排放之製造合成燃料的設備與方法
WO2014123454A1 (ru) Способ переработки углеводородного газа в стабильные жидкие синтетические нефтепродукты и энергетический комплекс для его осуществления
CN102348783B (zh) 催化剂分离***
JP4863889B2 (ja) 石炭の水素化熱分解方法