JP2016147991A - チェーン - Google Patents

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邦仁 吉井
Kunihito Yoshii
邦仁 吉井
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Tsubakimoto Chain Co
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Abstract

【課題】所望の使用条件に適合した潤滑油組成物がブシュに含浸され、動作時に、ブシュの気孔から潤滑油組成物が良好に流出するとともに、摺動部で油膜切れが生じるのが抑制され、油膜強度が良好であり、良好な耐摩耗伸び寿命を有するチェーンを提供する。
【解決課題】チェーン1は、2本のピン5により連結される一対の外プレート4と、2つのブシュ3により連結される一対の内プレート2とを、ブシュ3にピン5を遊嵌した状態で交互に連結してなる。潤滑油組成物は40℃における動粘度が12〜52mm2 /sである潤滑油(A)、及び40℃における動粘度が320〜40000mm2 /sである粘度調整剤(B)を含有し、(A)/(B)が、質量比で20/80以上90/10以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属焼結体からなるブシュに潤滑油組成物を含浸してあるチェーンに関する。
従来、動力伝達機構及び搬送機構として、ブシュチェーン、ローラチェーン等のチェーンが用いられている。ブシュチェーンは、2本のピンにより連結される一対の外プレートと、2つのブシュにより連結される一対の内プレートとを、前記ブシュに前記ピンを遊嵌した状態で交互に連結してなる。ローラチェーンの場合、ブシュに外嵌されたローラをさらに備えている。
上述の構成のチェーンのブシュとして、潤滑油(組成物)を含浸させた焼結部材からなる含油ブシュを用い、追加給油されることなく、含油ブシュに含浸された潤滑油が滲み出た状態で含油ブシュとピンとが摺接するように構成された無給油チェーンが知られている。
特許文献1には、基油に防錆剤としてカルボン酸エステル及び/又は有機スルホン酸亜鉛塩を0.01〜3.0質量%配合してなる焼結含油軸受油組成物の発明が開示されている。特許文献1において、基油として、ポリ−α−オレフィン(PAO)又はその水素化物を用いる場合、PAOの平均分子量は200〜1600、好ましくは400〜800とされている。
また、特許文献2には、ポリオレフィン及びポリオールエステルを含有する基油を含み、前記基油におけるポリオレフィンのポリオールエステルに対する割合が、質量比で20/80〜80/20である含油軸受油組成物の発明が開示されている。
そして、特許文献3には、鉱物油、ポリ−α−オレフィン、及びアルキルジフェニルエーテルからなる群から選択される1種又は2種以上の基油、又は該基油と添加剤とからなり、40℃における動粘度が230.8mm2 /s以上419mm2 /s以下であり、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)により得られる溶出成分のうち、最も含有量が多い成分の質量%が95質量%以上、数平均分子量(Mn)が800以上2300以下であり、Mw(質量平均分子量)/Mnが1.0以上1.3以下である含油ブシュ用の潤滑油、及び40℃における動粘度が45.8mm2 /s以上287.7mm2 /s以下であり、溶出成分のうち、最も含有量が多い成分の質量%が95質量%未満、Mnが800以上2300以下であり、Mw/Mnが1.0以上2.0以下である潤滑油の発明が開示されている。
特開平11−140478号公報 特開平9−125086号公報 特許第4480748号公報
特許文献1の焼結含油軸受はポータブルラジカセ等のキャプスタン軸受及びモータ軸受に適用されるものである。特許文献2の焼結含油軸受は自動車電装部品(ファンモータ等)などの各種モータの軸受に適用されるものである。
チェーンの軸受(ブシュ)は、モータ等の高速回転運動をする軸の軸受と異なり、一般的に、ピン(軸)との摺動が低速、高面圧であり、かつピンが揺動運動をする。前記無給油チェーンにおいては、含油ブシュに内嵌されたピンの摺動運動(ポンプ作用)によって、ブシュの気孔から潤滑油が吸い出されたり、摩擦熱による膨張によって潤滑油が滲み出たりし易く、しかもブシュの表面に滲み出た後はピン/ブシュ間から飛散しにくく、良好な耐摩耗性を有することが要求されている。
特許文献3の潤滑油は無給油チェーンのブシュ用の潤滑油であるが、該潤滑油より適用可能な用途が広く、すなわち動粘度等の特性の範囲が広く、使用温度及び負荷荷重等の使用条件が異なる種々の用途のチェーンのブシュに含浸させることができ、例えばNSF (National Sanitation Foundation)InternationalのH1グレードに認証され得、食品機械のチェーン等にも適用できる潤滑油の開発が望まれている。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、所望の使用条件に適合した耐摩耗伸び性を有し得る潤滑油組成物がブシュに含浸され、使用条件に応じ、動作時に、ブシュの気孔から潤滑油組成物が良好に流出するとともに、摺動部で油膜切れが生じるのが抑制され、油膜強度が良好であり、良好な耐摩耗伸び寿命を有するチェーンを提供することを目的とする。
本発明に係るチェーンは、2本のピンにより連結される一対の外プレートと、2つのブシュにより連結される一対の内プレートとを、前記ブシュに前記ピンを遊嵌した状態で交互に複数連結してなり、前記ブシュは金属焼結体からなり、潤滑油組成物を含浸してあるチェーンにおいて、前記潤滑油組成物は、40℃における動粘度が12mm2 /s以上52mm2 /s以下である潤滑油(A)、及び40℃における動粘度が320mm2 /s以上40000mm2 /s以下である粘度調整剤(B)を含有し、(A)/(B)が、質量比で20/80以上90/10以下であることを特徴とする。
本発明に係るチェーンは、前記潤滑油組成物の40℃における動粘度が18mm2 /s以上560mm2 /s以下であることを特徴とする。
本発明に係るチェーンは、前記潤滑油組成物の数平均分子量は700以上2000以下であることを特徴とする。
本発明に係るチェーンは、前記潤滑油は、ポリ−α−オレフィン、パラフィン系の鉱物油、エステル油、フッ素オイル、及びポリグリコールからなる群から選択される少なくとも1種であり、数平均分子量が550以上1000以下であることを特徴とする。
本発明に係るチェーンは、前記粘度調整剤は、エチレン・プロピレン共重合体、ポリ−α−オレフィン、及びポリメタクリレートからなる群から選択される少なくとも1種であり、数平均分子量が1400以上5000以下であることを特徴とする。
本発明のチェーンによれば、40℃における動粘度が12mm2 /s以上52mm2 /s以下である潤滑油(A)、及び40℃における動粘度が320mm2 /s以上40000mm2 /s以下である粘度調整剤(B)を含有し、(A)/(B)が、質量比で20/80以上90/10以下である潤滑油組成物をブシュに含浸させるように構成されており、特に粘度調整剤の動粘度の数値範囲が広いので、化学構造、動粘度等に基づき潤滑油(A)及び粘度調整剤(B)を選択し、配合量を決定することで、チェーンの所望の使用条件(使用温度及び負荷荷重等)に適合した耐摩耗伸び性等の性能を有し得る潤滑油組成物を広範囲に設計して、ブシュに含浸させることができる。すなわち、本発明のチェーンは、使用条件に応じ、動作時に、ブシュの気孔から潤滑油組成物が良好に流出するとともに、摺動部で油膜切れが生じる(飛散する)のが抑制され、油膜強度が良好であるので、良好な耐摩耗伸び寿命を有する。
本発明の実施の形態の一例のローラチェーンタイプのチェーンを示す一部分解斜視図である。 粘度調整剤として「ルーカントHC−40」を用いた場合の、組成物粘度と摩耗伸び時間(h)との関係を示すグラフである。 粘度調整剤として「ルーカントHC−100」を用いた場合の、組成物粘度(mm2 /s)と摩耗伸び時間(h)との関係を示すグラフである。 粘度調整剤として「ルーカントHC−600」を用いた場合の、組成物粘度(mm2 /s)と摩耗伸び時間(h)との関係を示すグラフである。 粘度調整剤として「ルーカントHC−2000」を用いた場合の、組成物粘度と摩耗伸び時間(h)との関係を示すグラフである。 粘度調整剤として「ルーカントHC−40」を用いた場合の、潤滑油組成物のMnと摩耗伸び時間(h)との関係を示すグラフである。 粘度調整剤として「ルーカントHC−100」を用いた場合の、潤滑油組成物のMnと摩耗伸び時間(h)との関係を示すグラフである。 粘度調整剤として「ルーカントHC−600」を用いた場合の、潤滑油組成物のMnと摩耗伸び時間(h)との関係を示すグラフである。 粘度調整剤として「ルーカントHC−2000」を用いた場合の、潤滑油組成物のMnと摩耗伸び時間(h)との関係を示すグラフである。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。
本発明のチェーンは鉄系材料からなり、離間配置される一対の内プレートと、該内プレートのブシュ圧入孔に圧入嵌合されるブシュと、前記内プレートの外側に配置されて前後の内プレートを連結する一対の外プレートと、前記ブシュの内面側に遊嵌されて外プレートのピン圧入孔に圧入嵌合されるピンとで構成されるブシュチェーン、及び前記連結ピン及びブシュの外周面にローラをさらに遊嵌させて構成されるローラチェーン等のチェーンに適用することが可能である。
図1は本発明の実施の形態の一例のローラチェーンタイプのチェーン1を示す一部分解斜視図である。
チェーン1の内プレート2及び外プレート4は、長円形の平板な部材の中央部両側縁に内側に向かう円弧状の窪みを形成し、長円の両端側に穴2a,2a及び穴4a,4aをそれぞれ開設した略8の字型を有しており、プレート幅及び開設してある穴の直径は外プレート4より内プレート2の方が大きい。内プレート2の2つの穴2a,2aには、円筒状の含油ブシュ3,3の一端がそれぞれ締まり嵌めしてあり、含油ブシュ3,3の他端を他方の内プレート2の穴2a,2aに締まり嵌めすることによって内プレート2,2が連結される。含油ブシュ3,3には該含油ブシュ3,3の外径より大きな内径を有する筒状のローラ6,6が回転自在に外嵌されている。含油ブシュ3は金属焼結体からなり、後述する潤滑油組成物を含浸させてある。
外プレート4の2つの穴4a,4aには、円柱状のピン5,5の一端がそれぞれ締まり嵌めされている。ピン5,5は、直径が含油ブシュ3,3の内径より小さく、長さが内プレート2,2間の距離より長い寸法であり、ピン5,5の他端を他方の外プレート4の穴4a,4aに締まり嵌めすることで、外プレート4,4が連結されるように構成されている。
そして、外プレート4に嵌め込んだピン5,5の一方を内プレート2,2の一方の含油ブシュ3に挿通し、上述したように他方の外プレート4の穴4aに締まり嵌めすることで、外プレート4,4と内プレート2,2とが交互に連結され、チェーン1が構成される。
前記潤滑油組成物は、40℃における動粘度が12mm2 /s以上52mm2 /s以下である潤滑油(A)、及び40℃における動粘度が320mm2 /s以上40000mm2 /s以下である粘度調整剤(B)を含有し、(A)/(B)が、質量比で20/80以上90/10以下である。
潤滑油(A)の40℃における動粘度は、18mm2 /s以上であるのが好ましく、25mm2 /s以上であるのがより好ましい。該動粘度は50mm2 /s以下であるのが好ましく、40mm2 /s以下であるのがより好ましい。
粘度調整剤(B)の40℃における動粘度は、400mm2 /s以上であるのが好ましく、1000mm2 /s以上であるのがより好ましく、9000mm2 /s以上であるのがさらに好ましい。該動粘度は、30000mm2 /s以下であるのが好ましい。
潤滑油(A)と粘度調整剤(B)との合計を100質量%とした場合、粘度調整剤(B)の含有量が10質量%以上80質量%以下である場合、良好な粘度調整効果が得られる。粘度調整剤(B)の含有量は、20質量%以上であるのが好ましく、30質量%以上であるのがより好ましい。そして、70質量%以下であるのが好ましく、60質量%以下であるのがより好ましく、50質量%以下であるのがさらに好ましい。
そして、本発明に係る潤滑油組成物は、2つのスプロケット(歯数:16)に無端状に懸回し、一方のスプロケットの中心から、他方のスプロケットに向かう方向と反対の方向に負荷荷重をかけた状態で、毎分500回転で回転させ、摩耗伸び量が0.2%になるまでの運転時間を測定したときの該運転時間(耐摩耗伸び寿命)が120時間以上であるのが好ましい。耐摩耗伸び寿命は150時間以上であるのがより好ましく、200時間以上であるのがさらに好ましい。
本発明に係る潤滑油組成物の40℃における動粘度は18mm2 /s以上560mm2 /s以下であるのが好ましい。前記動粘度が18mm2 /s以上である場合、より良好な耐摩耗伸び性が得られる。前記動粘度が560mm2 /sを超えた場合、ブシュに潤滑油組成物を含浸させるときに、泡切れが悪いため、真空度を上下させながら処理しなければならず、作業性が悪くなるとともに、組み立て後のチェーンはブシュ表面に油付着量が多く、チェーンから余剰に油が垂れ落ち、周囲環境を汚染するという問題がある。動粘度は40mm2 /s以上であるのが好ましく、50mm2 /s以上であるのがより好ましく、60mm2 /s以上であるのがさらに好ましく、100mm2 /s以上であるのが特に好ましい。そして、500mm2 /s以下であるのが好ましく、400mm2 /s以下であるのがより好ましい。
前記潤滑油組成物の数平均分子量は700以上2000以下であるのが好ましい。前記数平均分子量が700以上2000以下である場合、より良好な耐摩耗伸び性が得られる。数平均分子量は900以上であるのが好ましく、1000以上であるのがより好ましい。
前記潤滑油(A)は、ポリ−α−オレフィン、パラフィン系の鉱物油、エステル油、フッ素オイル、及びポリグリコールからなる群から選択される少なくとも1種であり、数平均分子量が550以上1000以下であるのが好ましい。数平均分子量は600以上であるのがより好ましく、700以上であるのがさらに好ましい。そして、900以下であるのがより好ましい。
前記粘度調整剤(B)は、エチレン・プロピレン共重合体、ポリ−α−オレフィン、及びポリメタクリレートからなる群から選択される少なくとも1種であり、数平均分子量が1400以上5000以下であるのが好ましい。数平均分子量は2000以上であるのがより好ましく、3000以上であるのがさらに好ましい。数平均分子量は4000以下であるのがより好ましい。
本発明に係る潤滑油組成物は、必要とされる使用条件(使用温度及び負荷荷重等)、耐摩耗伸び寿命に応じ、化学構造、動粘度、分子量、体積、相溶性等を考慮して、潤滑油及び粘度調整剤を選択し、配合量を決定する。
チェーンが食品機械に用いられるチェーンである場合、潤滑油(A)及び粘度調整剤(B)は、NSF (National Sanitation Foundation)InternationalのH1グレードを認証され得る材料を選択する。例えば不純物を含有する鉱物油は用いないようにする。
潤滑油組成物は、付加機能を付与するために、前記潤滑油(A)及び粘度調整剤(B)に、油性剤、防錆剤、酸化防止剤、極圧剤、消泡剤等の添加剤を1種又は2種以上、組み合わせて添加したものであってもよい。この添加剤は、潤滑油組成物全体に対し、0質量%超過10質量%以下含まれるのが好ましい。
前記油性剤としては、ステアリン酸、オレイン酸等の長鎖脂肪酸、及びその塩が挙げられる。
前記防錆剤としては、カルボン酸、カルボン酸塩、スルホン酸塩、リン酸エステル等が挙げられる。
前記酸化防止剤としては、DBPC(2,6−ジ−t−ブチルパラクレゾール)、フェニル−α−ナフチルアミン、ジアリルジチオリン酸亜鉛、ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
前記極圧剤としては、ジアルキルポリスルフィド、アルキルリン酸エステル、アルキルチオリン酸亜鉛等が挙げられる。
前記消泡剤としては、ジメチルポリシロキサン等が挙げられる。
以下、本発明の実施例及び比較例につき具体的に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
本発明に係る潤滑油組成物に使用され得る潤滑油及び粘度調整剤の具体例を下記の表1に示す。
Figure 2016147991
[実施例1]
チェーン1の含油ブシュ3は、鉄系の焼結金属からなり、多数の空孔を有する。
含油ブシュ3に含浸させる潤滑油組成物の潤滑油(A)として「Synfluid PAO 6」(シェブロンフィリップス化学株式会社製:合成PAO、VG32)を70wt%、粘度調整剤(B)として「ルーカントHC−40」(三井化学株式会社製:エチレン・プロピレン共重合体)を30wt%配合し、100℃以下で加温して混合した。
ブシュを潤滑油組成物中に浸漬し、気泡が出なくなるまで減圧下で含浸させた。
得られた含油ブシュ3、及びその他のチェーン部品を用いて、実施例1のチェーン1を作製した。
下記の表2に、潤滑油の粘度分類、潤滑油のMn、潤滑油の配合量(wt%)、粘度調整剤の商品名、粘度調整剤のMn、粘度調整剤の配合量(wt%)、潤滑油組成物のMn、組成物の動粘度(40℃、mm2 /s)、摩耗寿命(耐摩耗伸び寿命:時間)を示す。
Figure 2016147991
[実施例2〜17]
上記表2に従い、潤滑油(A)及び粘度調整剤(B)を夫々配合して、実施例2〜17のチェーンを作製した。
表2中の潤滑油(A)の「VG15」は表1の「Synfluid PAO 4」、「VG46」は表2の「Synfluid PAO 8」である。
表2中の粘度調整剤(B)の「HC−100」、「HC−600」、「HC−2000」は夫々、表1の「ルーカントHC−100」、「ルーカントHC−600」、「ルーカントHC−2000」に対応する。
[比較例1〜6]
上記表2に従い、潤滑油(A)及び粘度調整剤(B)を夫々配合して、比較例1〜6のチェーンを作製した。
実施例1〜17、及び比較例1〜6に係る無給油チェーンの耐摩耗伸び寿命を評価する
ために、以下の性能評価試験を行った。
雰囲気温度40℃において、各無給油チェーン1(JIS B1801−1895、呼び番号50相当)を2つのスプロケット(歯数:16T)に無端状に懸回し、一方のスプロケットの中心から、他方のスプロケットに向かう方向と反対の方向に負荷荷重(面圧4.00kN/cm2 、すべり速度8.0m/min)をかけた状態で、毎分500回転で回転させ、無給油チェーンの摩耗伸び量が0.2%になるまでの運転時間を測定した。その結果を上記の表2に示す。
図2は、粘度調整剤(B)として「ルーカントHC−40」を用いた場合の、組成物粘度(組成物動粘度:mm2 /s)と摩耗伸び時間(h)との関係を示すグラフである。図2より、動粘度が50〜200mm2 /sであるとき、より良好な耐摩耗伸び性を有するので、動粘度は50〜200mm2 /sであるのが好ましいことが分かる。
図3は、粘度調整剤(B)として「ルーカントHC−100」を用いた場合の、組成物粘度(mm2 /s)と摩耗伸び時間(h)との関係を示すグラフである。図3より、動粘度が50〜650mm2 /sであるとき、より良好な耐摩耗伸び性を有するので、動粘度は50〜650mm2 /sであるのが好ましいことが分かる。動粘度は70mm2 /s以上であるのがより好ましい。作業性が悪くなるとともに、組み立て後のチェーンはブシュ表面に油付着量が多く、チェーンから余剰に油が垂れ落ち、周囲環境を汚染するという観点から、動粘度は560mm2 /s以下であるのがより好ましく、500mm2 /s以下であるのがさらに好ましい。
図4は、粘度調整剤(B)として「ルーカントHC−600」を用いた場合の、組成物粘度(mm2 /s)と摩耗伸び時間(h)との関係を示すグラフである。図4より、動粘度が50〜2000mm2 /sであるとき、より良好な耐摩耗伸び性を有するので、動粘度は50〜2000mm2 /sであるのが好ましいことが分かる。動粘度は100mm2 /s以上であるのがより好ましく、560mm2 /s以下であるのがより好ましく、500mm2 /s以下であるのがさらに好ましい。
図5は、粘度調整剤(B)として「ルーカントHC−2000」を用いた場合の、組成物粘度(mm2 /s)と摩耗伸び時間(h)との関係を示すグラフである。図5より、動粘度が80〜120mm2 /sであるとき、より良好な耐摩耗伸び性を有するので、動粘度は80〜120mm2 /sであるのが好ましいことが分かる。
図6は、粘度調整剤(B)として「ルーカントHC−40」を用いた場合の、潤滑油組成物のMnと摩耗伸び時間(h)との関係を示すグラフである。図6より、Mnが900〜1400であるとき、より良好な耐摩耗伸び性を有するので、Mnは900〜1400であるのが好ましいことが分かる。Mnは980以上であるのが好ましい。
図7は、粘度調整剤(B)として「ルーカントHC−100」を用いた場合の、潤滑油組成物のMnと摩耗伸び時間(h)との関係を示すグラフである。図7より、Mnが900〜1800であるとき、より良好な耐摩耗伸び性を有するので、Mnは900〜1800であるのが好ましいことが分かる。Mnは1000以上であるのがより好ましく、1600以下であるのがより好ましい。
図8は、粘度調整剤(B)として「ルーカントHC−600」を用いた場合の、潤滑油組成物のMnと摩耗伸び時間(h)との関係を示すグラフである。図8より、Mnが900〜2000であるとき、より良好な耐摩耗伸び性を有するので、Mnは900〜2000であるのが好ましいことが分かる。Mnは1000以上であるのがより好ましい。
図9は、粘度調整剤(B)として「ルーカントHC−2000」を用いた場合の、潤滑油組成物のMnと摩耗伸び時間(h)との関係を示すグラフである。図9より、Mnが1150〜1400であるとき、より良好な耐摩耗伸び性を有するので、Mnは1150〜1400であるのが好ましいことが分かる。
以上より、化学構造、動粘度、分子量、体積、相溶性等を考慮して、潤滑油(A)及び粘度調整剤(B)を選択し、配合量を決定して調製することで、チェーンの所望の使用条件(使用温度及び負荷荷重等)に適合した耐摩耗伸び性等の特性を有する潤滑油組成物を得ることができ、該潤滑油組成物をブシュに含浸させたチェーンは、使用条件に応じ、動作時に、ブシュの気孔から潤滑油組成物が良好に流出するとともに、摺動部で油膜切れが生じるのが抑制され、油膜強度が良好であるため、良好な耐摩耗伸び寿命を有することが分かる。
なお、前記実施例においては、チェーン1はローラチェーンタイプである場合につき説明しているがこれに限定されるものではなく、ブシュチェーンタイプ等のチェーンであってもよい。
上述した実施の形態は本発明の例示であり、本発明は特許請求の範囲に記載された事項及び特許請求の範囲の記載に基づいて定められる範囲内において種々変更した形態で実施することができる。
1 チェーン
2 内プレート
2a、4a 穴
3 含油ブシュ
4 外プレート
5 ピン
6 ローラ

Claims (5)

  1. 2本のピンにより連結される一対の外プレートと、2つのブシュにより連結される一対の内プレートとを、前記ブシュに前記ピンを遊嵌した状態で交互に複数連結してなり、前記ブシュは金属焼結体からなり、潤滑油組成物を含浸してあるチェーンにおいて、
    前記潤滑油組成物は、
    40℃における動粘度が12mm2 /s以上52mm2 /s以下である潤滑油(A)、及び40℃における動粘度が320mm2 /s以上40000mm2 /s以下である粘度調整剤(B)を含有し、(A)/(B)が、質量比で20/80以上90/10以下であることを特徴とするチェーン。
  2. 前記潤滑油組成物の40℃における動粘度が18mm2 /s以上560mm2 /s以下であることを特徴とする請求項1に記載のチェーン。
  3. 前記潤滑油組成物の数平均分子量は700以上2000以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のチェーン。
  4. 前記潤滑油は、ポリ−α−オレフィン、パラフィン系の鉱物油、エステル油、フッ素オイル、及びポリグリコールからなる群から選択される少なくとも1種であり、数平均分子量が550以上1000以下であることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載のチェーン。
  5. 前記粘度調整剤は、エチレン・プロピレン共重合体、ポリ−α−オレフィン、及びポリメタクリレートからなる群から選択される少なくとも1種であり、数平均分子量が1400以上5000以下であることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載のチェーン。
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CN106224441A (zh) * 2016-09-22 2016-12-14 苏州顺革智能科技有限公司 一种具有可伸缩内链节的链条
CN106224443A (zh) * 2016-09-22 2016-12-14 苏州顺革智能科技有限公司 一种具有快速安装与拆卸节头的链条

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN106224441A (zh) * 2016-09-22 2016-12-14 苏州顺革智能科技有限公司 一种具有可伸缩内链节的链条
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