JP2016140985A - インクジェット記録装置及びインク吐出不良の検出方法 - Google Patents

インクジェット記録装置及びインク吐出不良の検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】適切な頻度及び基準で効率良くインクの吐出不良を検出し、対応することの出来るインクジェット記録装置及びインク吐出不良の検出方法を提供する。
【解決手段】複数のノズルの開口部から各々インクを吐出させて記録媒体上に画像を形成するインクジェット記録装置であって、複数のノズルの開口部からインクを吐出させてインクの吐出不良の検出に係る所定のテスト画像を出力させる画像形成制御部と、テスト画像を読み取る読取部と、読み取られたテスト画像に基づいて開口部からの吐出不良の検出を行う解析部と、を備え、解析部は、形成対象の通常画像に応じて吐出不良の検出に係る判定基準レベルを変化させる。
【選択図】図6

Description

この発明は、インクジェット記録装置及びインク吐出不良の検出方法に関する。
記録媒体に対して複数個配列されたノズルの開口部からインクを吐出させることで、当該記録媒体上に画像を形成するインクジェット記録装置がある。このインクジェット記録装置では、ノズルの目詰まりなどにより、ノズル開口部からのインク吐出量が当初の値から減少して更には完全に吐出されなくなったり、或いは、吐出される方向が変化したりするといったインク吐出不良が生じ得る。
インクジェット記録装置では、このようなインク吐出不良が形成画像の質の低下に繋がる。そこで、従来、インクジェット記録装置では、定期的にノズル開口部からのインクの吐出状態の検査が行われている。このインクの吐出状態の検査には、記録媒体上に形成されたテスト画像を撮像し、当該撮像データを解析する方法のものがある。この方法では、従来、各ノズル開口部から各々別個にインクを吐出させて当該インクの吐出有無や濃度を調べることで、各ノズル開口部からのインク吐出不良を判定している。
また、インクジェット記録装置では、このような検査結果に基づき、インク吐出不良を生じている不良ノズルに隣接するノズル開口部からのインク吐出量を調整することにより、インク吐出不良による形成画像の質の低下を補う補完技術や、インク吐出面をクリーニングすることにより、乾燥したインクなどの目詰まりの原因を除去する技術がある。
しかしながら、形成される画像の内容や用途などに応じて、要求される画質のレベルは異なる。従って、毎回一律の厳しい基準で濃度ムラなどに対処するための処理を行わせることとすると、しばしば必要以上に修理やクリーニングの頻度が増加するという問題がある。
そこで、特許文献1には、出力対象画像などに応じて定められる信頼度に応じてインク吐出不良の検査頻度を変更する技術が開示されている。特許文献2には、インクの吐出不良を含む要因により生じる濃度ムラに対する対応レベルをユーザー設定によって変更することを可能とする技術が開示されている。
また、特許文献3には、インク吐出不良の検出動作や吐出不良ノズルの回復動作を自動で行わせるか否かをユーザーが設定可能とし、自動で行わせない設定の場合には、定期的にユーザーに対して検出動作や回復動作の実行可否を問い合わせる表示を行わせる技術について開示されている。特許文献4には、検出された吐出不良ノズルの数、配置や色種などの状況を視認性などに基づいて数値化し、この数値がユーザーにより予め設定された値以下の場合には、画像形成動作の中止や回復動作を行わせずにそのまま画像形成を継続させる技術について開示されている。
特開2009−248547号公報 特開2009−241536号公報 特開2009−172934号公報 特開2006−142807号公報
しかしながら、インク吐出不良は、徐々に進行していき、また、問題となるインク吐出不良のレベルも画像形成の方式や内容によって逐次変化し得るので、画像に係る検査頻度を低下させたくないという要求がある。また、一律の基準で各ノズルからの吐出不良を判定して他のノズルによる補完設定を行うと、軽微な吐出不良を含む不良ノズルが増えて却って補完設定後の画質が低下したり、更には補完設定が困難になったりするという問題が生じる。従って、適切な頻度及び適切な対応を可能とする基準で効率良くインク吐出不良の検査を行うことが出来ないという課題がある。
この発明の目的は、適切な頻度及び適切な対応を可能とする基準で効率良くインクの吐出不良を検出することの出来るインクジェット記録装置及びインク吐出不良の検出方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、
複数のノズルの開口部から各々インクを吐出させて記録媒体上に画像を形成するインクジェット記録装置であって、
前記複数のノズルの開口部からインクを吐出させてインクの吐出不良の検出に係る所定のテスト画像を出力させる画像形成制御部と、
前記テスト画像を読み取る読取部と、
読み取られた前記テスト画像に基づいて前記開口部からの吐出不良の検出を行う解析部と、
を備え、
前記解析部は、形成対象の通常画像に応じて前記吐出不良の検出に係る判定基準レベルを変化させる
ことを特徴としている。
請求項2記載の発明は、請求項1記載のインクジェット記録装置において、
前記テスト画像は、所定濃度の画像であり、
前記解析部は、当該テスト画像の濃度ムラに基づいて、前記吐出不良の有無に係る判別を行う
ことを特徴としている。
請求項3記載の発明は、請求項2記載のインクジェット記録装置において、
前記テスト画像は、ハーフトーン画像であることを特徴としている。
請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記画像形成制御部は、前記記録媒体上において前記通常画像が形成可能に設定された形成領域外に前記テスト画像を形成させることを特徴としている。
請求項5記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記解析部は、前記通常画像に要求される画質に応じて前記判定基準レベルを変化させることを特徴としている。
請求項6記載の発明は、請求項1〜5の何れか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記解析部は、前記通常画像の種別に応じて前記判定基準レベルを変化させることを特徴としている。
請求項7記載の発明は、請求項6記載のインクジェット記録装置において、
前記通常画像の種別には、テキスト及びイメージが含まれることを特徴としている。
請求項8記載の発明は、請求項1〜7の何れか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記解析部は、前記通常画像に係る濃度分布に応じて前記判定基準レベルを変化させることを特徴としている。
請求項9記載の発明は、請求項2又は3記載のインクジェット記録装置において、
前記画像形成制御部は、前記解析部により前記テスト画像に基づいて前記吐出不良があると判別された場合には、当該吐出不良に係る不良ノズルを特定するための不良ノズル特定画像を出力させ、
前記解析部は、前記読取部によって読み取られた当該不良ノズル特定画像を解析して前記不良ノズルを特定する
ことを特徴としている。
請求項10記載の発明は、請求項9記載のインクジェット記録装置において、
前記解析部は、前記判定基準レベルの変化に応じて前記不良ノズルの特定基準レベルを変化させることを特徴としている。
請求項11記載の発明は、請求項9又は10記載のインクジェット記録装置において、
前記解析部は、出力させた前記不良ノズル特定画像において前記不良ノズルが特定されなかった場合、前記判定基準レベルを厳しい方向に変化させて前記テスト画像における前記吐出不良の有無を判断する
ことを特徴としている。
請求項12記載の発明は、請求項9〜11の何れか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記画像形成制御部は、前記特定された不良ノズルのインク吐出範囲に係る所定の近接範囲内にあるノズルによるインクの吐出量及び吐出頻度のうち少なくとも何れか一方を調整して、前記不良ノズルの影響を補完しながら前記テスト画像を出力させることを特徴としている。
請求項13記載の発明は、
複数のノズルの開口部から各々インクを吐出させて記録媒体上に画像を形成するインクジェット記録装置における前記複数のノズルからのインク吐出不良の検出方法あって、
前記複数のノズルの開口部からインクを吐出させてインクの吐出不良の検出に係る所定のテスト画像を出力させる画像形成制御ステップ、
前記テスト画像を読み取る読取ステップ、
読み取られた前記テスト画像に基づいて前記開口部からの吐出不良の検出を行う解析ステップ、
を含み、
前記解析ステップでは、形成対象の通常画像に応じて前記吐出不良の検出に係る判定基準レベルを変化させる
ことを特徴としている。
本発明に従うと、インクジェット記録装置及びインク吐出不良の検出方法において、適切な頻度及び適切な対応を可能とする基準で効率良くインクの吐出不良を検出することが出来るという効果がある。
本発明の実施形態のインクジェット記録装置の全体構成を示す図である。 インクジェット記録装置の内部構成を説明するブロック図である。 インクジェットヘッドの記録媒体との対向面を示す底面図である。 画像形成処理の制御手順を示すフローチャートである。 吐出不良検出動作に係るテスト画像が含まれる形成画像の例を示す図である。 補正設定処理の制御手順を示すフローチャートである。 欠位置特定チャートの形成画像の例を示す図である。 通常の画像と欠変化チャートの位置関係の例を示す図である。 補正設定処理の制御手順を示すフローチャートの変形例である。 インクジェット記録装置において設定される基準レベルの例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態のインクジェット記録装置100の全体構成を示す図である。また、図2は、インクジェット記録装置100の内部構成を説明するブロック図である。
このインクジェット記録装置100は、搬送部11と、インクジェットヘッド12と、画像読取部13(読取部)と、制御部14(画像形成制御部、解析部)と、操作表示部15などを備える。
搬送部11は、搬送ベルト112と、搬送ベルト112を周回移動させる搬送モーター111などを備える。搬送ベルト112上に配置された記録媒体Pは、搬送モーター111の回転動作により所定の搬送方向に移動する。或いは、搬送部11は、円筒状の搬送ドラムを回転させることで、当該搬送ドラムの表面に配置された記録媒体Pを回転方向に移動させる構成であっても良い。
インクジェットヘッド12は、記録媒体Pの搬送面に対向して開口部が配列された複数のノズルと、駆動回路121と、インク吐出部122とを有する。インクジェットヘッド12では、制御部14からの制御信号に基づいて駆動回路121から出力される駆動電圧によりインク吐出部122が動作することで、複数のノズルの開口部からタイミング制御されてインクが吐出される。この吐出されたインクが搬送される記録媒体P上に着弾して画像が形成される。このインクジェットヘッド12は、特には限られないが、ここでは、ラインヘッドであり、搬送方向に垂直な幅方向に対し、記録媒体Pの画像形成可能な幅に亘ってインクを吐出可能にノズルが配列されている。また、この複数のノズルは、例えば、Y(イエロー)、M(マジェンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の4色のインクをそれぞれ独立に吐出可能に設けられている。
図3は、インクジェットヘッド12における記録媒体Pとの対向面(底面)を示す底面図である。
このインクジェットヘッド12には、複数のヘッドモジュール120が幅方向に千鳥配置で配列されている。これらのヘッドモジュール120には、それぞれ複数のノズルが配列されており、各々幅方向端部に設けられたノズルは、他のヘッドモジュール120の幅方向端部に設けられたノズルと幅方向の位置が重複するように配置されている。このような配置により、全体として幅方向に切れ目無くインクが吐出可能となっている。各色のインクを吐出するノズルは、例えば、幅方向に1200dpi(dot per inch)でそれぞれ配列されており、即ち、隣接するノズルの幅方向の間隔(ピッチ)は、約21μmである。一つのノズルから吐出されるインクの液滴が記録媒体Pに着弾することによって形成されるドット(着弾範囲)の大きさ(直径)は、ここでは、約60μmである。即ち、隣接するノズルから吐出されるインクの記録媒体P上における着弾範囲は、互いに重複する。
画像読取部13は、記録媒体Pの搬送方向についてインクジェットヘッド12の下流側に配置されて当該インクジェットヘッド12で形成された画像を撮像する(読み取る)イメージセンサー131を有する。
このイメージセンサー131は、例えば、光電変換を用いた撮像素子であるCCD(Charge Coupled Device)やCMOSセンサーが記録媒体Pの幅方向に亘り複数個配列されて一次元画像が取得されるラインセンサーである。また、カラー(CMYK)出力可能なインクジェットヘッド12に対応し、形成画像を複数の波長成分ごと、例えば、R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の3波長でそれぞれ読み取り可能となっている。
このイメージセンサー131の各撮像素子による読み取り解像度(画素配列)は、例えば、幅方向に600dpiである。また、イメージセンサー131は、このインクジェット記録装置100における通常の記録媒体Pの搬送速度に対して搬送方向に300dpiでの読取データを制御部14に出力可能となっている。即ち、このイメージセンサー131は、ノズルの配列に対応する解像度で画像を取得するものではない。
制御部14は、図2に示すように、メモリー141、CPU(Central Processing Unit)142、ROM(Read Only Memory)143、RAM(Random Access Memory)144などを備え、これらがそれぞれバス145に接続されて、インクジェット記録装置100の各部の間で信号のやり取りが可能に構成されている。また、制御部14は、通信部16を介して外部のプリントサーバーやパーソナルコンピューター(PC)といった電子計算機や記憶デバイスと接続され、プリントジョブや画像形成対象の画像データなどの送受信を行う。
メモリー141は、外部のコンピューターや記憶デバイスから入力された画像形成対象の画像データを一時的に記憶する。また、メモリー141に記憶されるデータには、インクジェットヘッド12の複数のノズルのうち検査によりインク吐出不良を生じていると同定されたノズル(不良ノズル)の位置データ及びその補完設定がテーブル記憶された不良ノズル記憶部141aが含まれている。この不良ノズルに係る補完設定は、後述するようにインク吐出不良の判断基準レベルに応じて各々別個に定められて記憶されている。メモリーは、RAMと不揮発性メモリーとの組合せで構成され、不良ノズル記憶部141aといったインクジェット記録装置100の電源状態によらず保持されるものについては、不揮発性メモリーに記憶される。
CPU142は、インクジェット記録装置100の全体動作を統括制御し、各種演算処理を行う。CPU142は、ROM143から読み出されたプログラムに従って搬送部11、インクジェットヘッド12及び画像読取部13に制御信号を出力し、画像形成に係る各種処理を行う。ここで、このCPU142は、1つのプロセッサーを備えて集中的に制御動作を行うこととしても良いし、搬送部11による記録媒体Pの搬送制御やインクジェットヘッド12の駆動制御といった各種制御処理にそれぞれ特化した個別のプロセッサーを備えるものであっても良い。
ROM143には、画像形成に係る制御プログラムや初期設定データが格納されている。インクジェット記録装置100の動作時には、CPU142が制御プログラムを読み出してRAM144上で実行したり、初期設定データを参照したりする。この初期設定データには、ノズル検査や調整の内容に応じたテスト画像データ143aが含まれる。
RAM144は、CPU142に作業用のメモリー空間を提供し、一時データを記憶する。また、イメージセンサー131により撮像された検査用画像のデータは、RAM144に一時記憶されて、当該撮影されたテストチャートに対応する検査、例えば、インク吐出不良に係るノズルの検出に用いられる。
操作表示部15は、CPU142からの制御信号に応じた表示を行わせる表示パネルと、外部からの入力操作を受け付ける操作キーとを備える。表示パネルは、特に限られないが、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)である。また、操作キーの代わりに、或いは、操作キーと共に、LCDの表示画面に積層配置されたタッチパネルを備えることで、表示と入力操作の受付とを併用する構成であっても良い。
次に、本実施形態のインクジェット記録装置100における画像形成動作について説明する。
本実施形態のインクジェット記録装置100では、画像形成の際に複数の画質レベルの中から何れかが選択されて画像の形成が行われる。このとき、当該画質レベルに応じて、不良ノズルの設定と当該不良ノズルに対する補完設定がなされる。
図4は、本実施形態のインクジェット記録装置100で実行される画像形成処理の制御部14による制御手順を示すフローチャートである。
この画像形成処理は、画像形成に係るプリントジョブが取得されることで開始される。
画像形成処理が開始されると、制御部14は、プリントジョブから要求画質や画像形成枚数などのプロパティ情報を取得する(ステップS1)。制御部14は、取得された要求画質に応じた補完設定を不良ノズル記憶部141aから取得する(ステップS2)。制御部14は、このとき必要に応じて形成対象の画像(通常の画像)に対して各種処理、例えば、シェーディング補正などを行う。
制御部14は、通常の画像とテスト画像を併せて記録媒体Pに形成する(ステップS3)。制御部14は、画像読取部13に制御信号を送り、イメージセンサー131によりテスト画像の読み取り(撮像)を行わせ、当該読み取られたテスト画像の画像データを取得する(ステップS4)。
制御部14は、後述する補正設定処理を呼び出して実行する(ステップS5)。制御部14は、取得されている画像形成枚数の形成が終了したか否かを判別し(ステップS6)、終了していないと判別された場合には(ステップS6で“NO”)、制御部14の処理は、ステップS3に戻る。終了したと判別された場合には(ステップS6で“YES”)、制御部14は、画像形成処理を終了する。
次に、本実施形態のインクジェット記録装置100におけるノズルのインク吐出不良検査の動作内容について説明する。
本実施形態のインク吐出不良検査では、先ず、通常の画像形成に並行してインク吐出不良の有無を検出する吐出不良検出動作が行われ、インク吐出不良が検出された場合に必要に応じて、インク吐出不良を起こしているノズルを特定する不良ノズル特定動作が行われる。
図5は、本実施形態の吐出不良検出動作に係るテスト画像が含まれる形成画像の例を示す図である。
図5(a)に示すように、プリントジョブに係る形成対象の画像(通常の画像F)を形成する範囲として設定された領域(通常画像が形成可能に設定された形成領域)の先端及び末尾には、通常、余白領域(通常画像の形成領域外)が設けられる。そして、これらの余白領域のうち何れか、ここでは、末尾の余白領域にCMYK各色のインクについてそれぞれインク吐出不良の有無に係る検査を行うためのテスト画像である欠変化チャートC21〜C24が形成される。これらの欠変化チャートC21〜C24は、濃淡の判別が出来れば良いので、インクジェットヘッド12における各色のインクを吐出するノズルが配置された幅に対応して各々幅方向に帯状に形成される。
図5(b)には、図5(a)におけるテスト画像の一部を拡大して示す。
この欠変化チャートC21〜C24のテスト画像には、各色のインクでそれぞれ所定濃度(階調)のハーフトーン画像が用いられる。このハーフトーンの階調は、ノズル欠により濃度の変化が大きく生じやすい値、例えば、30%に設定される。ハーフトーン画像は、ディザ法や誤差拡散法などの様々な周知の手法を適用して生成可能である。
ハーフトーン画像に係るインクの吐出有無は、このハーフトーン画像の搬送方向における濃度の積算値に基づいて定められる。このようにすることで、面積で階調を表現するハーフトーンパターンの情報と濃度情報とをほぼ同等の情報として捉えることが出来る。これらの欠変化チャートのデータは、ROM143のテスト画像データ143aから読み出され、各ノズルからハーフトーンパターンで指定される位置にインクが順番に吐出されてハーフトーン画像が形成される。また、このハーフトーンパターンとしては、理想的には、既に検出されている吐出不良ノズルに係る公知のノズル欠補正やシェーディング補正などが施されているものが好ましい。これにより、後述するイメージセンサー131は、ノズル欠損の情報や液量のばらつきの情報などを考慮せずに、新たにインク吐出不良を起こしているノズルがあるか否かを判別することが出来る。
即ち、インクジェット記録装置100では、印刷する画像データの階調値が同じであっても各ノズルから吐出される液適量にばらつきが生じる。ノズルごとの吐出量のばらつきは、形成画像の濃度にばらつきを生じさせる。この濃度のばらつきをなくすために、各ノズルに対して濃度を均一化する補正であるシェーディング補正が実施される。具体的には、ノズルごとのばらつきに応じてノズルからのインク吐出量を調整する。
インクジェット記録装置100では、このハーフトーン画像から、吐出された個々のインク液滴によるドットではなく、イメージセンサー131により判別可能な各読取領域(読取範囲)における濃度の代表的な値を求める。そして、これら読取領域間での濃淡が検出されて、各読取領域にインク吐出不良を起こしているノズルがあるか否かを判別する。このとき、インク吐出不良の検出では、今回の画像における各読取領域の濃度と、前回の吐出不良検出動作に係る画像における各読取領域の濃度との差分を取ることとしても良い。
本実施形態の欠変化チャートC21〜C24を用いたハーフトーン画像の解析では、イメージセンサー131で撮影されたテスト画像の各画素値が各読取領域で積分、平均化された階調値と、背景値としてメディアンフィルターを用いて当該読取領域より広い範囲で取得された値とを比較する。このメディアンフィルターでは、解析対象の読取領域を中心として幅方向に所定数の読取領域で得られた階調値のメディアン(中央値)を取得する。そして、本実施形態の解析では、各画素列の階調値が背景値よりも所定の基準値以上小さい場合に、当該画素が含まれる領域にノズル欠けが生じていると判断する。ここでいうノズル欠けには、インクが全く吐出されなくなっている状態だけでなく、インク吐出量が大きく減少している状態や、インク吐出方向が変化している状態も含まれる。
背景値としてメディアンを求めるための読取領域数(タップ数)は、適宜定められる。タップ数が大きくなるに従ってメディアンの精度が上がり、より確実にノズル欠けが検出可能となる一方で、計算時間が増大する。従って、タップ数は、記録媒体Pの搬送速度、読取データの転送速度やCPU142の計算速度や負荷などに応じて可能な範囲で精度が良くなるように設定される。ここでは、例えば、タップ数として20が設定される。
なお、背景値を求めるためのノイズ除去フィルターとしては、メディアンフィルターに限られない。メディアンフィルターは、一般的に、一ノズル欠けのような局所的な大きな変化の検出が精度良く行われるが、他のフィルター、例えば、移動平均値や空間周波数フィルター(低域通過フィルターなど)を用いても検出を行うことが可能である。
このインクジェット記録装置100では、ノズル欠けが生じているか否かを判断するための基準値(判定基準レベル)を所定の複数ステップの中で変更可能となっている。ここでは、基準値の変更は、通常の画像Fに要求されている画質に応じて行われる。要求画質は、特には限られないが、ユーザーにより予め設定された画像形成のプロパティなどに基づいて取得される。例えば、要求画質レベルが「きれい」、「高精細」などの場合には、判定基準レベルが厳しく(基準値が小さく)設定され、画像形成のプロパティが「画像出力を速く」、要求画質レベルが「低精細」などの場合には、判定基準レベルが緩く(基準値が大きく)設定される。
このように基準値を変更すると、基準値の大小によって不良ノズルと判定されたり判定されなかったりするノズルが存在し得る。そこで、上述のように不良ノズル記憶部141aには、色ごと及び基準値のステップごとにそれぞれ不良ノズルの位置データと補完設定データとが記憶される。基準値が異なるステップに切り替えられた場合には、当該基準値に対応した補完設定に基づいて通常の画像Fと欠変化チャートC21〜C24との画像形成が行われることになる。
図6は、本実施形態の制御部14により画像形成処理で呼び出されて実行される補正設定処理の制御手順を示すフローチャートである。
この補正設定処理は、特定された不良ノズルが吐出するはずのインク吐出量を他のノズルからの吐出で補完するための設定を行う処理であり、各記録媒体Pに通常の画像Fが形成されるごとに画像形成処理内で呼び出されて毎回自動的に実行される。
補正設定処理が開始されると、先ず、制御部14(CPU)は、欠変化チャートC21〜C24に係るハーフトーン画像の不良検出がなされていない状態であるか否かを判別する(ステップS11)。ハーフトーン画像の不良検出がなされていない状態である、即ち、前回までの補正設定処理でインク吐出不良の検出がなされていない又は検出されたインク吐出不良部分に対する補完設定が既に行われていると判別された場合には(ステップS11で“YES”)、制御部14は、今回の欠変化チャートC21〜C24と共に出力された通常の画像Fに要求される画質を判定する(ステップS12)。制御部14は、判定された画質に応じて、不良検出の判定基準レベルを設定する(ステップS13)。
制御部14は、今回取得されたハーフトーン画像を解析してインク吐出不良の検出を行う(ステップS14)。制御部14は、設定されている判定基準レベル(基準値)に基づいてインク吐出不良が検出されたか否かを判別する(ステップS15)。インク吐出不良が検出されなかったと判別された場合には(ステップS15で“NO”)、制御部14は、補正設定処理を終了する。インク吐出不良が検出されたと判別された場合には(ステップS15で“YES”)、制御部14は、欠位置特定チャート(不良ノズル特定画像)を出力する命令を行う(ステップS16)。そして、制御部14は、補正設定処理を終了する。
一方、ステップS11の判別処理で、ハーフトーン画像の不良検出がなされていない状態ではない、即ち、前回までの補正設定処理でインク吐出不良が検出されて未だ補完設定がなされていないと判別された場合には(ステップS11で“NO”)、制御部14は、ステップS16の処理で出力された命令に基づいて画像形成がなされた欠位置特定チャートのイメージセンサー131による撮像データを読み込む(ステップS22)。
図7は、欠位置特定チャートLの形成画像の例を示す図である。
この欠位置特定チャートLは、ノズル毎に吐出されるインクの記録媒体P上における着弾位置が各々分離されるように梯子状や格子状などにインクを吐出させたテスト画像であり、図7(a)には、その一部を示す。ここでは、搬送方向に伸びる各線がそれぞれ異なるノズルからのインク着弾位置を示す。これら各線の濃度や形成位置により、インクの不吐出や吐出量の減少(弱出射)に伴う基準値以上の濃度ずれ、及び/又はインクの吐出方向の曲がりに伴う着弾位置の基準値以上のずれといったドット欠けの生じた位置が特定される。
欠位置特定チャートLは、テスト画像データ143aに含まれて予め設定記憶されている。また、このときに形成させる欠位置特定チャートLは、全てのノズルに対するものではなく、不良検出がなされた領域に対するものだけであっても良い。濃度ずれや着弾位置ずれの判定に係る基準値を以降まとめて特定基準レベルと記す。
制御部14は、ステップS13の処理で設定されている不良検出の判定基準レベルに応じて不良ノズルの特定基準レベルの設定を行う(ステップS23)。制御部14は、判定基準レベルが厳しい場合には、特定基準レベルも厳しくし、判定基準レベルが緩い場合には、特定基準レベルも緩くする。制御部14は、読み込まれた欠位置特定チャートLの撮像データを解析して、設定された特定基準レベルに基づいてドット欠け位置を特定する(ステップS24)。また、制御部14は、このドット欠け位置からインク吐出不良を起こしている不良ノズル(ノズル欠けの位置)を同定する。
例えば、図7(b)に示すように、破線で示した正常な吐出位置i1〜i4に対して着弾位置の基準値(幅wの半分)が設定されている場合に、それぞれ実線で示した着弾位置r1〜r4にインクが着弾したとすると、正常な吐出位置i1、i3からの実際の着弾位置r1、r3のずれ量d1、d3は、基準値以下であり、正常な吐出と判断される。一方、正常な吐出位置i2、i4からの着弾位置r2、r4のずれ量d2、d4は、基準値以上であり、正常な吐出位置i2、i4にドット欠けが生じ、これら吐出位置i2、i4にそれぞれ対応するノズルが不良ノズルであると判断される。
なお、不良ノズルの同定は、一回の欠位置特定チャートLでのみ決定せずに、複数回の欠位置特定チャートで同定された結果を組み合わせて決定しても良い。例えば、過去10回の欠位置特定チャートで一回でも同定された不良ノズルを全て不良ノズルとしても良い。
制御部14は、ドット欠け位置(不良ノズル)の特定に成功したか否かを判別する(ステップS25)。ドット欠け位置の特定に成功していないと判別された場合には(ステップS25で“NO”)、制御部14は、ステップS13により設定される不良検出の判定基準レベルを次回以降上昇させる(厳しくする)設定を行う(ステップS27)。これにより、毎回ハーフトーン画像において不良検出がなされるにも拘らず当該不良検出の原因となる不良ノズルが特定されずに欠位置特定チャートLが繰返し出力されるのを防ぐ。そして、制御部14は、補正設定処理を終了して処理を画像形成処理に戻す。
ドット欠け位置の特定に成功したと判別された場合には(ステップS25で“YES”)、制御部14は、特定されたドット欠位置に応じたインク吐出の補完に係る補正設定を行う(ステップS26)。制御部14は、不良ノズルに近接するノズル(例えば、両隣のノズル)のインク吐出量を変更させることで、この補完を行う。制御部14は、この補完設定を不良検出の判定基準レベルに応じた設定として不良ノズル記憶部141aに記憶させる。インク吐出量の変更設定のみでは不良検出の判定基準レベルをクリア出来ないと見込まれる場合には、制御部14は、画像形成動作を中止させ、操作表示部15にクリーニング動作やインクジェットヘッドの交換を促す表示を行わせる。そして、制御部14は、補正設定処理を終了して処理を画像形成処理に戻す。
この補正設定処理において、ノズル開口部からのインク吐出不良が検出された場合に、制御部14は、ステップS15の判別処理において、当該検出がなされた記録媒体Pについてインク吐出不良が検出されたノズルが含まれる領域及びインク色で通常の画像の形成が行われているか否かを判別し、当該領域及びインク色で画像形成が行われていない場合には、不良が検出されていないこととしてステップS16の処理に移行せず、補正設定処理を終了しても良い。
図8は、通常の画像と欠変化チャートの位置関係の例を示す図である。
CMYK各色の欠変化チャートC21〜C24が記録媒体Pの画像形成可能幅に亘って形成されているのに対し、ここでは、CMYK各色で描画された通常の画像F21〜F24の描画幅が各々記録媒体Pの画像形成可能幅のうち一部のみを占めている。従って、例えば、欠変化チャートC21における欠変化が通常の画像F21の描画幅内で検出された場合に、ステップS15の判別処理からステップS16の処理に分岐し、通常の画像F21の描画幅から外れた位置で欠変化が検出された場合には、そのまま補正設定処理を終了して処理を画像形成処理に戻す。
[変形例]
図9は、図6に示した補正設定処理のフローチャートの変形例である。
この補正設定処理は、上述の実施形態のインクジェット記録装置100における補正設定処理のステップS12の処理がステップS12a、S12bに置き換えられた点を除いて同一であり、同一の処理内容には同一の符号を付して説明を省略する。
ステップS11の判別処理で“YES”に分岐すると、制御部14(CPU142)は、ハーフトーン画像と共に形成されている通常の画像Fの種別の判定を行う(ステップ12a)。また、制御部14は、通常の画像Fの濃度分布を取得する(ステップS12b)。制御部14は、これらステップS12a、S12bの処理における判定結果や取得データに基づいて、インク吐出不良の検出に係る判定基準レベル(基準値)を設定する(ステップS13)。
このように、この変形例では、インク吐出不良の判定に係る判定基準レベル(基準値)が通常の画像Fの種別など、内容に基づいて設定される。例えば、通常の画像Fがテキストのみからなる場合には、判定基準レベルを緩く下げて(基準値を大きく)定め、通常の画像Fがイメージ画像の場合には、判定基準レベルを厳しく上げて(基準値を小さく)定めることが出来る。また、通常の画像Fに含まれるイメージの濃度の高低(濃度分布)に応じて、判定基準レベルを変更することが出来る。濃度の高低は、画像中の濃度の最大値、平均値や中央値などのうち何れか又は組み合わせに基づく指標値などに応じて定められる。
図10は、本実施形態のインクジェット記録装置100において設定される判定基準レベルの例を示す図である。
判定基準レベル(基準値)は、ページ内において幅方向の位置に応じて変化させることも可能である。この場合、例えば、出力対象となる通常の画像Fについて、予め濃度分布を取得して幅方向の位置に応じた基準値プロファイルを設定しておくことが出来る。濃度の高い部分やイメージ部分では、ノズル欠によるムラやスジが目立ちやすいので判定基準レベルを厳しく上げて(基準値が小さく)設定され、濃度の低い部分やテキストのみの部分では、判定基準レベルを緩く下げて(基準値が大きく)設定される。
このような設定は、出力画像のページ単位などで適宜切り替えて行うことが出来る。また、例えば、バリアブル印刷のように、共通画像に対して各ページで異なる画像が付加される場合にも当該付加される画像に応じてページ単位で基準値プロファイルが変更されても良い。また、バリアブル印刷の終了後、様々な基準レベルで設定された補完データを整理して各位置各基準レベルでの不良ノズル検出や補完設定として利用することが出来る。
また、このような幅方向の位置に応じた判定基準レベル(基準値)の変化は、上述の補正設定処理におけるステップS27の処理にも適用可能である。即ち、不良検出がなされたにも拘らず不良ノズルが特定されなかった場合には、当該不良検出がなされた領域において判定基準レベルを上昇させる設定を行うことが出来る。
以上のように、本実施形態は、複数のノズルの開口部から各々インクを吐出させて記録媒体上に画像を形成するインクジェット記録装置100であって、制御部14は、複数のノズルの開口部からインクを吐出させてインクの吐出不良の検査に係るテスト画像である欠変化チャートC21〜C24を出力させ、このテスト画像を読み取る画像読取部13を備え、制御部14は、読み取られたテスト画像に基づいてノズルの開口部からのインク吐出不良の有無を判別する。このとき、解析部としての制御部14は、形成対象の通常画像に応じて吐出不良の有無に係る判定基準レベルを変化させる。
即ち、インク吐出不良の検査頻度自体を減らさずに適切な頻度及び適切な対応を可能とする基準で、現在の画像形成にとって画質低下の原因となるインクの吐出不良を検出することが出来る。これにより、より効率良く速やかに適切な画像を形成することが出来る。
また、テスト画像として先ず所定濃度の欠変化チャートC21〜C24を出力して、濃度ムラにより吐出不良の有無を先に判定するので、常に不良ノズルを特定するための画像サイズの大きなテスト画像を出力する必要がなく、テスト画像の出力に必要な記録媒体の面積の増大を抑えることが出来る。
また、テスト画像は、所定濃度のハーフトーン画像であるので、容易に濃淡の判定に基づいて新たなノズル欠の発生を検出することが出来る。
また、画像形成制御部としての制御部14は、記録媒体P上において通常画像が形成可能に設定された形成領域外にテスト画像を形成させるので、記録媒体Pの無駄な消費を発生させず、且つ、当該記録媒体Pに形成された通常画像におけるノズル欠の発生を確実に行って適正な画像を取得することが出来る。
また、解析部としての制御部14は、通常画像に要求される画質に応じて判定基準レベルを変化させるので、プリントジョブのプロパティ設定などに応じて容易に判定基準を定めて適切な画像形成及び不良検出を行うことが出来る。
また、高画質の画像では使用が困難となったレベルの不良ノズルも使用して画像を形成することが出来る場合が生じるので、インクジェット記録装置100の使用態様に応じて必要以上に行われていたインクジェットヘッドの交換やインク吐出面のクリーニングなどのメンテナンスに係る手間や経費の増加を抑えることが出来る。
また、解析部としての制御部14は、通常画像の種別に応じて判定基準レベルを変化させるので、出力される画像に応じて問題のない画質の画像が柔軟に取得されると共に、一律に最も厳しい基準で検査が行われる場合と比較してメンテナンスの手間や経費の増加を抑えることが出来る。
また、通常画像の種別には、テキスト及びイメージが含まれる。多少のスジや濃度ムラが存在しても読み取りに問題を生じないテキスト部分と、これらスジや濃度ムラが画質に影響しやすいイメージ部分とで判定基準レベルを分けることで、効率良く全体として的確な画質の画像形成を行うことが出来る。
また、解析部としての制御部14は、通常画像に係る濃度分布に応じて判定基準レベルを変化させるので、画像間や画像の幅方向位置などに応じて無駄なく均一な画質を得ることが出来る。
また、画像形成制御部としての制御部14は、テスト画像にインク吐出不良があると判別された場合には、インク吐出不良に係る不良ノズルを特定するための欠位置特定チャートLを出力させ、解析部としての制御部14は、画像読取部13によって読み取られた欠位置特定チャートLを解析して不良ノズルを特定するので、インクジェットヘッドのノズル数やノズル密度が増えて欠位置特定チャートL全体の出力に必要な面積が増大しても、インク吐出不良の検出頻度を落とさずに当該欠位置特定チャートLの出力頻度を低減させることが出来る。また、不良ノズルを特定するためには、テスト画像でインク吐出不良があると判別された領域に対応する欠位置特定チャートが出力されれば良いので、欠位置特定チャートの出力面積自体を従来よりも小さくすることが出来る。これにより、記録媒体Pやインクの消費量を従来よりも効率良く低減させることが出来る。
また、解析部としての制御部14は、判定基準レベルの変化に応じて不良ノズルの特定基準レベルを変化させる。従って、インク吐出不良が検出されたにも拘わらず不良ノズルが同定出来ないことによる欠位置特定チャートLの繰返し出力を防いだり、インク吐出不良が検出された際に、画質の維持に必要な数以上の多くの不良ノズルが特定されたりするといった事態の発生を防ぎ、無駄な手間や経費の上昇を抑えながら的確に画質を維持することが出来る。
また、解析部としての制御部14は、出力させた欠位置特定チャートLにおいて不良ノズルが特定されなかった場合、判定基準レベルを厳しい方向に変化させてテスト画像における吐出不良の有無を判断することで、欠位置特定チャートLが繰返し出力される状況が続くことを防ぐことが出来る。また、これにより、その後の欠変化チャートに係る判定基準レベルと欠位置特定チャートLに係る特定基準レベルとをバランス良く対応させることが出来る。
また、画像形成制御部としての制御部14は、特定された不良ノズルのインク吐出範囲に係る所定の近接範囲内にあるノズルによるインクの吐出量及び吐出頻度のうち少なくとも何れか一方を調整して、この不良ノズルの影響を補完しながらテスト画像を出力させる。従って、補完設定がなされて当該補完設定に基づいて通常の画像Fの画像形成が行われる場合に、当該補完設定に応じたテスト画像を形成することで、出力されている通常の画像Fをより正確に反映した判定基準レベルで新たに生じた不良ノズルの検出を行うことが出来る。
なお、本発明は、上記実施の形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、上記実施の形態では、不良ノズルに対して補完設定を行う場合について説明したが、不良ノズルの数や配置などに応じてインクジェットヘッド12のインク吐出面のクリーニングを行う動作が選択されても良い。
また、上記実施の形態では、テスト画像としてハーフトーン画像を用いたが、濃淡変化によりノズル欠けが検出可能なものであればこれに限られない。或いは、ノズル数や記録媒体Pにおける余白の大きさなどに応じて部分的に又は常にノズル欠けの検出を行わず、最初からテスト画像として欠位置特定チャートLを形成して不良ノズルの特定を行う場合にも、本発明を適用することが出来る。欠変化チャートを用いない場合には、欠位置特定チャートLにおける特定基準レベルは、欠変化チャートの判定基準レベルとは関係なく単独で形成対象の通常画像に応じて設定される。即ち、通常画像がテキスト画像や濃度の低い画像などでノズル欠が目立たないものである場合には、特定基準レベルを緩く下げる(基準濃度からの濃度変化量の基準値、及び基準位置からの着弾位置ずれの基準値を大きくする)方向に変化させ、通常画像が濃度の高い画像やイメージ画像などのノズル欠が目立ちやすいものである場合には、特定基準レベルを厳しく上げる(基準濃度からの濃度変化量の基準値、及び基準位置からの着弾位置のずれの基準値を小さくする)方向に変化させる。
また、上記実施の形態では、テスト画像を必ず余白領域に形成することとしたが、形成される通常の画像Fに応じて通常画像の形成領域内に形成されても良い。特に、通常画像Fとして他の検査に係る検査画像が出力される場合に同時にテスト画像を形成領域内に形成しても良い。或いは、通常画像と欠位置特定チャートLとが記録媒体Pに対して一枚おきに交互に形成されても良い。
また、上記実施の形態では、テスト画像を幅方向に画像形成可能幅一杯に形成させたが、通常の画像Fが幅方向に一部にしか形成されない場合には、当該一部においてのみテスト画像を形成させても良い。
また、上記実施の形態では、画像の種別としてテキスト及びイメージ画像を例に挙げたが、グラフや図形のような線画、ペイントデータや写真データなどをそれぞれ区別しても良い。
また、判定基準レベルや特定基準レベルの設定に要求画質と、画像の種別や濃度分布とを併用しても良い。それぞれの重み付けは適宜設定され得る。また、この場合、一部の設定、例えば、要求画質に応じた判定基準レベルや特定基準レベルの設定や重み付けをユーザーが操作表示部15への入力操作によって行っても良い。
また、上記実施の形態では、判定基準レベルに連動して特定基準レベルを設定することとしたが、別個に設定されても良い。また、不良検出に応じた不良ノズルの特定に失敗した場合、判定基準レベルを上昇させる代わりに又は加えて特定基準レベルを低下させることも可能である。
また、上記実施の形態では、既に特定された不良ノズルに対する補完設定を行ったテスト画像を出力して不良検出を行ったが、一切補完設定を行わないテスト画像を出力し、前回のテスト画像の撮像データとの差分に基づいて新たな不良検出を行っても良い。
また、上記実施の形態では、ラインヘッドを有するインクジェット記録装置を例に挙げて説明したが、これに限られず、スキャン方式のものであってもインク吐出不良の検出に本発明を適用することが出来る。
その他、上記実施の形態で示した構成、処理内容や手順などの具体的な細部は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
11 搬送部
111 搬送モーター
112 搬送ベルト
12 インクジェットヘッド
120 ヘッドモジュール
121 駆動回路
122 インク吐出部
13 画像読取部
131 イメージセンサー
14 制御部
141 メモリー
141a 不良ノズル記憶部
142 CPU
143 ROM
143a テスト画像データ
144 RAM
145 バス
15 操作表示部
16 通信部
100 インクジェット記録装置
C21〜C24 欠変化チャート
F 通常の画像
F21〜F24 通常の画像
L 欠位置特定チャート
P 記録媒体

Claims (13)

  1. 複数のノズルの開口部から各々インクを吐出させて記録媒体上に画像を形成するインクジェット記録装置であって、
    前記複数のノズルの開口部からインクを吐出させてインクの吐出不良の検出に係る所定のテスト画像を出力させる画像形成制御部と、
    前記テスト画像を読み取る読取部と、
    読み取られた前記テスト画像に基づいて前記開口部からの吐出不良の検出を行う解析部と、
    を備え、
    前記解析部は、形成対象の通常画像に応じて前記吐出不良の検出に係る判定基準レベルを変化させる
    ことを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記テスト画像は、所定濃度の画像であり、
    前記解析部は、当該テスト画像の濃度ムラに基づいて、前記吐出不良の有無に係る判別を行う
    ことを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記テスト画像は、ハーフトーン画像であることを特徴とする請求項2記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記画像形成制御部は、前記記録媒体上において前記通常画像が形成可能に設定された形成領域外に前記テスト画像を形成させることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記解析部は、前記通常画像に要求される画質に応じて前記判定基準レベルを変化させることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記解析部は、前記通常画像の種別に応じて前記判定基準レベルを変化させることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記通常画像の種別には、テキスト及びイメージが含まれることを特徴とする請求項6記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記解析部は、前記通常画像に係る濃度分布に応じて前記判定基準レベルを変化させることを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記画像形成制御部は、前記解析部により前記テスト画像に基づいて前記吐出不良があると判別された場合には、当該吐出不良に係る不良ノズルを特定するための不良ノズル特定画像を出力させ、
    前記解析部は、前記読取部によって読み取られた当該不良ノズル特定画像を解析して前記不良ノズルを特定する
    ことを特徴とする請求項2又は3記載のインクジェット記録装置。
  10. 前記解析部は、前記判定基準レベルの変化に応じて前記不良ノズルの特定基準レベルを変化させることを特徴とする請求項9記載のインクジェット記録装置。
  11. 前記解析部は、出力させた前記不良ノズル特定画像において前記不良ノズルが特定されなかった場合、前記判定基準レベルを厳しい方向に変化させて前記テスト画像における前記吐出不良の有無を判断する
    ことを特徴とする請求項9又は10記載のインクジェット記録装置。
  12. 前記画像形成制御部は、前記特定された不良ノズルのインク吐出範囲に係る所定の近接範囲内にあるノズルによるインクの吐出量及び吐出頻度のうち少なくとも何れか一方を調整して、前記不良ノズルの影響を補完しながら前記テスト画像を出力させることを特徴とする請求項9〜11の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。
  13. 複数のノズルの開口部から各々インクを吐出させて記録媒体上に画像を形成するインクジェット記録装置における前記複数のノズルからのインク吐出不良の検出方法あって、
    前記複数のノズルの開口部からインクを吐出させてインクの吐出不良の検出に係る所定のテスト画像を出力させる画像形成制御ステップ、
    前記テスト画像を読み取る読取ステップ、
    読み取られた前記テスト画像に基づいて前記開口部からの吐出不良の検出を行う解析ステップ、
    を含み、
    前記解析ステップでは、形成対象の通常画像に応じて前記吐出不良の検出に係る判定基準レベルを変化させる
    ことを特徴とするインク吐出不良の検出方法。
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