JP2016138466A - 潤滑装置 - Google Patents

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【課題】潤滑油の消泡性の低下を抑制できる潤滑装置を提供する。
【解決手段】この潤滑装置2では、消泡剤供給部4が潤滑油の劣化の程度に応じて潤滑油に消泡剤を供給している。すなわち、この潤滑装置2では、潤滑油の劣化の程度を指標として潤滑油に消泡剤を供給するタイミングを調整することができる。これにより、好適なタイミングで潤滑油に消泡剤を供給できるため、潤滑油の消泡性の低下を抑制できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、潤滑装置に関する。
従来、エンジン、自動変速機といった機械装置においては、部材間の潤滑性を向上させるために潤滑油が用いられている。潤滑油は、例えば機械装置内に設けられた潤滑装置から供給され、機械装置内を循環して使用される。一般に、潤滑油は、基油と、所望の特性に応じて添加される種々の添加剤とを含有している。かかる添加剤としては、例えば潤滑油における泡の発生を抑制するための消泡剤が挙げられる(特許文献1参照)。
特開2010−132792号公報
潤滑油は、使用に伴う劣化によって泡が発生しやすくなる傾向にある。また、通常、消泡剤の比重は基油の比重よりも大きいため、潤滑油の使用に伴って消泡剤が沈降したり、機械装置の部材に捕捉されたりするという問題がある。このように潤滑油の消泡性が低下した場合、潤滑油の所望の特性が充分に発揮されないおそれがある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、潤滑油の消泡性の低下を抑制できる潤滑装置を提供することを目的とする。
上記課題解決のため、本発明に係る潤滑装置は、被潤滑部に潤滑油を供給する潤滑装置であって、潤滑油の劣化の程度に応じて潤滑油に消泡剤を供給する消泡剤供給部を備えている。
この潤滑装置では、消泡剤供給部が潤滑油の劣化の程度に応じて潤滑油に消泡剤を供給している。すなわち、この潤滑装置では、潤滑油の劣化の程度を指標として潤滑油に消泡剤を供給するタイミングを調整することができる。これにより、好適なタイミングで潤滑油に消泡剤を供給できるため、潤滑油の消泡性の低下を抑制できる。
潤滑装置は、潤滑油の劣化の程度を検出する劣化検出部を更に備え、消泡剤供給部は、劣化検出部の検出結果に基づいて消泡剤を供給することが好ましい。この場合、潤滑油の劣化を精度良く検出できるため、より好適なタイミングで潤滑油に消泡剤を供給できる。
潤滑装置は、劣化検出部の検出結果に基づいて潤滑油の流路を変更する流路変更部を更に備え、流路変更部は、流入流路からの潤滑油の一部又は全部の流れを、第1の流出流路から第2の流出流路へ変更し、消泡剤供給部が、第2の流出流路上に配置されていることが好ましい。この場合、流路変更部が、潤滑油の流路を第1の流出流路から第2の流出流路へ変更することで、第2の流出流路を流れる潤滑油に消泡剤供給部によって消泡剤が供給される。以上により、流路を変更するだけのシンプルな動作にて、消泡剤を潤滑油に供給できる。
劣化検出部は、潤滑油の劣化の進行に伴って第1の流出流路に対する流入流路の圧力を高め、流入流路の圧力に基づいて潤滑油の劣化を検出し、流路変更部は、劣化検出部の検出結果に基づいて流入流路と第2の流出流路とを連通させることが好ましい。この場合、流入流路の圧力が高くなったタイミングで、潤滑油の流路が第1の流入流路から第2の流出流路へ変更される。したがって、劣化検出部として、潤滑油の劣化の程度を直接的に検出する検出センサを用いなくとも、潤滑油の劣化を検出し、好適なタイミングで潤滑油に消泡剤を供給できる。
劣化検出部は、潤滑油に含まれる不純物を除去するフィルタによって、第1の流出流路に対する流入流路の圧力を高めることが好ましい。この場合、潤滑油の劣化による粘度増加やスラッジ等の発生によってフィルタにかかる圧力が上昇することで、潤滑油の劣化による圧力上昇を検出することが可能となる。したがって、フィルタという簡易な構成によって潤滑油の劣化を検出できる。
本発明によれば、潤滑油の消泡性の低下を抑制できる。
潤滑装置の一実施形態を示す概略図である。 潤滑装置の一実施形態における要部を示す概略図である。 潤滑装置の他の実施形態における要部を示す概略図である。 図3に示した潤滑装置における要部のより具体的な実施形態の一例を示す模式図である。 図4に示した潤滑装置の構成のより具体的な実施形態の一例を示す模式断面図である。 潤滑油の劣化検出前の潤滑装置の状態を示す模式断面図である。 潤滑油の劣化検出後の潤滑装置の状態を示す模式断面図である。 図5に示した潤滑装置の変形例を示す模式断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る潤滑装置の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、潤滑装置の一実施形態を示す概略図である。図1に示すように、潤滑機構1は、潤滑装置2と被潤滑部3とを備えている。潤滑機構1は、例えばエンジン、(自動)変速機といった機械装置に組み込まれている。潤滑装置2は、被潤滑部3に接続されており、被潤滑部3に潤滑油を供給する。被潤滑部3は、機械装置のうちの潤滑性が必要とされる部分であり、例えばギア等の部品同士が接触して駆動する部分が挙げられる。被潤滑部3に供給された潤滑油は、被潤滑部3を潤滑した後、潤滑装置2へ戻る。このように、潤滑油は、潤滑装置2と被潤滑部3とを循環して使用される。なお、潤滑機構の構成は、上述の構成に限られない。潤滑機構は、例えば消泡剤供給部4と劣化検出部5とをそれぞれ別個の装置として備えていてもよい。この場合、被潤滑部3は、消泡剤供給部4と劣化検出部5とを接続するように両者の間に設けられていてよい。
潤滑油は、鉱油、合成油等の基油と、消泡剤とを含有している。消泡剤としては、ポリアクリレート系消泡剤、シリコーン系消泡剤が例示される。潤滑油は、基油及び消泡剤に加えて、必要に応じて添加剤を更に含有していてもよい。かかる添加剤としては、金属系清浄剤、無灰分散剤、極圧剤、摩耗防止剤、酸化防止剤、腐食防止剤、防錆剤、抗乳化剤、金属不活性化剤、無灰摩擦調整剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤等が例示される。
潤滑装置2は、消泡剤供給部4と、劣化検出部5と、を備えている。消泡剤供給部4は、潤滑油の劣化の程度に応じて潤滑油に消泡剤を供給する。具体的には、劣化検出部5が潤滑油の劣化の程度を検出し、消泡剤供給部4が、劣化検出部5の検出結果に基づいて潤滑油に消泡剤を供給する。
図2は、潤滑装置の一実施形態における要部を示す概略図である。図2に示すように、この潤滑装置2Aでは、劣化検出部5と消泡剤供給部4とが流路6上に設けられている。なお、図2に示す例においては、流路6を流れる潤滑油の上流側から順に劣化検出部5、消泡剤供給部4の順に設けられている。ただし、順序は特に限定されず、流路6を流れる潤滑油の上流側から順に消泡剤供給部4、劣化検出部5の順に設けられてもよく、同位置に設けられてもよい。
劣化検出部5は、例えば潤滑油に浸漬された検出センサによって構成され、当該検出センサからの電気信号に基づいて潤滑油の劣化の程度を検出する。検出センサは、例えば特定の流路(流路6であってもよく、流路6とは別の流路を設置してもよい)の圧力損失や流量、特定の流路にかかる直接的な圧力等を粘度により補正し、直接的に潤滑油の粘度を測定するものであってよい。また、検出センサは、潤滑油中の劣化物の増大による潤滑油の誘電率や抵抗等の変化を検出するものであってもよい。劣化検出部5は、例えば潤滑油の粘度が所定の値を超えたときに、潤滑油が劣化している旨の信号(以下「劣化信号」)を消泡剤供給部4に送信する。なお、検出センサは、例えば潤滑油に接触せずに光学的に色や酸化劣化により生成したカルボニル基、硝酸基、亜硝酸基等の増加を検出し、潤滑油の劣化の程度を判定するセンサであってもよい。検出センサは、潤滑機構が搭載された車両の走行距離や積算運転時間、回転機器を備える潤滑機構における積算回転数、熱履歴等に基づいて物理的に潤滑油の劣化を判定するセンサを用いてもよい。
消泡剤供給部4は、劣化信号を劣化検出部5から受信すると、例えば消泡剤が貯蔵された消泡剤貯蔵部(図示せず)を開放することにより、潤滑油に消泡剤を供給する。消泡剤貯蔵部の開放は、バルブ、シャッター等によって行ってよい。消泡剤貯蔵部においては、上述したポリアクリレート系消泡剤、シリコーン系消泡剤等の消泡剤が、液体状、固体状、カプセル状といった種々の状態で貯蔵されていてよい。なお、消泡剤貯蔵部は、流路6の外部に配置され、供給管を介して流路6内の潤滑油に消泡剤を供給してよい。あるいは、消泡剤貯蔵部は、流路6内に配置されていてもよく、流路6を流れる潤滑油内で開放されることで、消泡剤を潤滑油内で放出してもよい。また、消泡剤供給部4は、ポンプなどの流体移送手段を備えていてよく、劣化検出部5から劣化信号を受信したときに、流体移送手段を駆動させることで流路6内の潤滑油に消泡剤を供給してよい。
消泡剤供給部4は、潤滑油の劣化の程度に応じて所定量の消泡剤を供給することが好ましい。具体的には、劣化検出部5が潤滑油の劣化の程度に対応したレベルの劣化信号を消泡剤供給部4に送信し、消泡剤供給部4は、受信した劣化信号のレベルが上がる度に所定量の消泡剤を供給する。供給される消泡剤の量は、例えばカプセル状の消泡剤の個数で設定されるか、又は、適切な量の消泡剤を供給できるシステムにより制御されることが好ましい。一度に供給される消泡剤の量は、例えばシリコーン系消泡剤の場合、被潤滑部を備える潤滑機構で使用されている潤滑油全量の0.5重量ppm以上あることが好ましく、1重量ppm以上であることがより好ましく、3重量ppm以上であることが更に好ましく、また、50重量ppm以下であることが好ましく、30重量ppm以下であることがより好ましく、20重量ppm以下であることが更に好ましく、10重量ppm以下であることが特に好ましい。例えばアクリル系消泡剤の場合、一度に供給される消泡剤の量は、同じく潤滑油全量の0.05重量%以上2重量%以下であることが好ましい。
この場合、消泡剤供給部4が消泡剤を潤滑油に供給するタイミングは特に限定されない。ここで、潤滑油の使用時間が長くなると、潤滑油に含まれる消泡剤が沈降し、あるいは被潤滑部3の各部品で消泡剤が捕捉される。したがって、時間の経過によって生じる潤滑油の劣化の程度と、潤滑油から消失する消泡剤の量との間には一定の相関関係が存在する。例えば、使用している潤滑油の劣化の程度と、使用中の潤滑油の消泡性の悪化度合いとの関係性を予め測定データとして取得、あるいは演算データとして取得しておく。当該データに基づいて、消泡剤を補充する必要性のあるタイミングで、消泡剤供給部4が消泡剤を潤滑油に供給するように、劣化検出部5が信号を送信するタイミングを調整しておく。
なお、上述の例では、劣化検出部5と消泡剤供給部4との間で信号を用いた電気的なやりとりがなされているが、電気的なやりとりはなされなくともよい。例えば、劣化検出部5が潤滑油の劣化の程度に従って作動するスイッチ機構であり、消泡剤供給部4が当該スイッチ機構の作動に基づいて消泡剤を供給する機構を備えていてもよい。
このように、図2に示した構成を有する潤滑装置2Aでは、消泡剤供給部4が、劣化検出部5の検出結果に基づいて潤滑油に消泡剤を供給している。すなわち、この潤滑装置2Aでは、潤滑油の劣化の程度を指標として潤滑油に消泡剤を供給するか否かが判断される。また、この潤滑装置2Aでは、潤滑油の劣化の程度を指標として潤滑油に消泡剤を供給するタイミングを調整することができる。これにより、潤滑油の劣化を精度良く検出できるため、例えば潤滑油における泡の発生の程度に応じて潤滑油に消泡剤を供給するような潤滑装置に比べて、好適なタイミングで潤滑油に消泡剤を供給できる。したがって、この潤滑装置では、潤滑油の消泡性の低下を抑制できる。
図3は、潤滑装置の他の実施形態における要部を示す概略図である。図3に示すように、この潤滑装置2Bでは、流入流路7と、第1の流出流路8及び第2の流出流路9とが、接続部10を介して互いに接続されている。潤滑油は、流入流路7から接続部10へ流入し、接続部10から第1の流出流路8及び/又は第2の流出流路9へ流出する。また、この潤滑装置2Bは、消泡剤供給部4と、接続部10内に設けられた劣化検出部5と流路変更部11とを備えている。なお、第2の流出流路9は、第1の流出流路8と合流してもよく、第1の流出流路8とは独立した状態で被潤滑部3へ向かってもよく、流入流路7に接続されてもよい。なお、劣化検出部5及び流路変更部11は、それぞれ劣化検出機能及び流路変更機能と言い換えることができる。つまり、劣化検出部5及び流路変更部11はそれぞれ別個の装置であってもよく、一つの装置が劣化検出部5(劣化検出機能)及び流路変更部11(流路変更機能)の両方を有していてもよく、二以上の装置が協働することにより劣化検出部5又は流路変更部11として劣化検出機能又は流路変更機能を発揮してもよい。
劣化検出部5は、少なくとも流入流路7の圧力(流入流路7を流れる潤滑油の圧力)を高める昇圧部12と、少なくとも流入流路7の圧力を検出し、それによって潤滑油の劣化を検出する圧力検出部13とを備えている。昇圧部12は、例えば潤滑油の劣化の進行に伴って、第1の流出流路8に対する流入流路7の圧力を高める。そして、圧力検出部13は、昇圧部12によって高められた流入流路7の圧力に基づいて、潤滑油の劣化を検出する。昇圧部12は、例えばキャピラリーやオリフィス、潤滑油に含まれる不純物を除去するフィルタ(詳細については後述する)によって構成される。圧力検出部13は、例えば流入流路7の圧力が所定の値を超えたときに、劣化信号を流路変更部11に送信する圧力センサによって構成されてよい。あるいは、圧力検出部13は、流入流路7の圧力に伴って機械的に作動する機構(ばねなどの弾性部材を用いた機構)によって構成されてよい。
流路変更部11は、潤滑油の劣化が検出される前は流入流路7からの潤滑油の流れを第1の流出流路8のみへ流出させていたところ、例えば劣化信号を圧力検出部13(劣化検出部5)から受信すると、流入流路7からの潤滑油の一部又は全部の流れを、第1の流出流路8から第2の流出流路9へ変更する。具体的には、流路変更部11は、流路連通部14と、遮断部15と、を備えており、これら流路連通部14と遮断部15とによって潤滑油の流路変更が行われる。
流路連通部14は、劣化検出部5の検出結果に基づいて流入流路7と第2の流出流路9とを連通させる。圧力検出部13が圧力センサによって構成されている場合、流路連通部14は、圧力検出部13から劣化信号を受信すると、流入流路7と第2の流出流路9とを連通させる。あるいは、圧力検出部13が機械的に作動する機構によって構成されている場合、流路連通部14は、圧力検出部13と連動して作動することによって、流入流路7と第2の流出流路9とを連通させてよい。遮断部15は、流入流路7と第2の流出流路9との流路連通後において、第1の流出流路8への潤滑油の流れを一部又は全部遮断する。遮断部15は、流路変更後に第1の流出流路8を閉じる弁やシャッターなどで構成されてよい。なお、昇圧部12がフィルタによって構成されている場合、当該フィルタは遮断部15としても機能する(当該構成の詳細については後述する)。
なお、昇圧部12、圧力検出部13、流路連通部14、及び遮断部15は、それぞれ昇圧機能、圧力検出機能、流路連通機能、及び遮断機能と言い換えることができる。つまり、昇圧部12、圧力検出部13、流路連通部14、及び遮断部15はそれぞれ別個の装置であってもよく、一つの装置が昇圧部12(昇圧機能)、圧力検出部13(圧力検出機能)、流路連通部14(流路連通機能)、及び遮断部15(遮断機能)の二以上を有していてもよく、二以上の装置が協働することにより昇圧部12、圧力検出部13、流路連通部14、又は遮断部15として昇圧機能、圧力検出機能、流路連通機能、又は遮断機能を発揮してもよい。
消泡剤供給部4は、第2の流出流路9上に配置されており、流路変更部11により流路が変更された潤滑油に消泡剤を供給する。
このように、図3に示した構成を有する潤滑装置2Bは、劣化検出部5の検出結果に基づいて潤滑油の流路を変更する流路変更部11を更に備える。流路変更部11は、流入流路7からの潤滑油の一部又は全部の流れを、第1の流出流路8から第2の流出流路9へ変更する。また、消泡剤供給部4は、第2の流出流路9上に配置されている。この場合、流路変更部11が、潤滑油の流路を第1の流出流路8から第2の流出流路9へ変更することで、第2の流出流路9を流れる潤滑油に消泡剤供給部4によって消泡剤が供給される。以上により、流路を変更するだけのシンプルな動作にて、消泡剤を潤滑油に供給することができる。
劣化検出部5は、潤滑油の劣化の進行に伴って第1の流出流路8に対する流入流路7の圧力を高め、流入流路7の圧力に基づいて潤滑油の劣化を検出する。また、流路変更部11は、劣化検出部5の検出結果に基づいて流入流路7と第2の流出流路9とを連通させる。この場合、流入流路7の圧力が高くなったタイミングで、潤滑油の流路が第1の流出流路8から第2の流出流路9へ変更される。したがって、劣化検出部5として、潤滑油の劣化の程度を直接的に検出する検出センサを用いなくとも、潤滑油の劣化を検出することができる。
ただし、本実施形態における潤滑装置の構成は上述のような昇圧部12、圧力検出部13、流路連通部14、及び遮断部15を備える構成に限定されず、少なくとも劣化検出部5及び流路変更部11を備える構成であればよい。例えば劣化検出部5は、図2に示す実施形態と同様に検出センサで直接的に潤滑油の劣化を検出してもよい。また、流路変更部11は、例えば弁の切替え(例えば、三方弁等を用いてよい)によって、潤滑油の流れを第1の流出流路8から第2の流出流路9へ切り替えてもよい。
図4は、図3に示した潤滑装置における要部のより具体的な実施形態の一例を示す模式図である。図4に示すように、この潤滑装置2Cは、接続部10と第1の流出流路8との接続箇所に設けられたフィルタ16、及び接続部10と第2の流出流路9との接続箇所に設けられた弁17とを備えている。なお、流路の切替えに関わらず流入流路7と連通されている接続部10の内部空間は、請求項における「流入流路」の一部であるとみなしてよい。この潤滑装置では、フィルタ16と弁17との組合せによる流路変更構造が、上述の劣化検出部5の機能と流路変更部11の機能とを兼ね備えている。すなわち、フィルタ16が、昇圧部12及び遮断部15として機能し、弁17が、圧力検出部13及び流路連通部14として機能する。
具体的には、フィルタ16は、潤滑油の劣化の進行に伴うスラッジ等の不純物を除去するものであり、潤滑油の劣化の進行と共に不純物による目詰まりが発生することによって、第1の流出流路8に対する流入流路7の圧力を高める(昇圧部12としての機能)。一方、弁17は、例えば圧力によって変形する弾性部材(例えば、コイルばね、板ばね、ゴム部材等を用いてよい)を有しており、フィルタ16により高められた流入流路7の圧力を弾性部材の変形に基づいて検出する(圧力検出部13としての機能)。なお、ここでは、弁17の弾性部材が所定量以上に弾性変形した状態が、「圧力を検出した状態」に該当する。また、弁17は、弾性部材の変形に伴って開閉する蓋部を有しており、例えば流入流路7の圧力が所定の値を超えたことを検出すると、蓋部を開くことによって流入流路7と第2の流出流路9とを連通させる(流路連通部14としての機能)。ここでは、弾性部材が所定量以上に変形することによって、圧力が所定の値を超えたことが検出され、このような圧力の検出による弾性部材の変形と同時に蓋部が開く。なお、設計時においては、潤滑油の劣化の程度とフィルタ16によって生じる流入流路7と第1の流出流路8との関係を示すデータが取得され、当該データに基づいて、潤滑油の劣化に基づいた適切なタイミングで弁17の蓋部が開くように、弁17の弾性部材の弾性係数等が設定される。さらに、フィルタ16は、不純物による目詰まりが発生することによって、流入流路7と第2の流出流路9との連通後において、第1の流出流路8への潤滑油の流れを一部又は全部遮断する(遮断部15としての機能)。
ただし、本実施形態における潤滑装置の構成は上述の構成に限定されず、個々の要素(昇圧部12、圧力検出部13、流路連通部14、遮断部15)がそれぞれ別部品で構成されていてもよい。例えば、圧力検出部13として、弁17とは別に圧力検出センサを更に設けてよい。また、例えば流路連通部14として、圧力検出部13の信号に基づいて作動する弁を更に設けてもよい。また、例えば遮断部15として、フィルタ16とは別に第1の流出流路8を完全に閉じる弁を更に設けてもよい。
以下では、図4に示した潤滑装置の構成について、図5を参照してより詳細に説明する。ただし、図5は、潤滑装置の単なる一例を示しているにすぎず、本発明のすべての具体的構造を示すわけではない。図5は、図4に示した潤滑装置の構成のより具体的な実施形態の一例を示す模式断面図である。図5に示すように、潤滑機構31においては、潤滑装置32は、中空の円筒状をなしており、フィルタ16と、バルブユニット18とを備えている。フィルタ16は、例えば蛇腹状に折り畳まれており、全体として中空の円筒状をなすように潤滑装置32内に立設されている。
潤滑装置32は、フィルタ16によって形成される中空領域に対応する潤滑油流出領域Rと、潤滑装置32のケーシングの内面32aとフィルタ16の外周面16aと上壁部19とで形成される潤滑油流入領域Rと、を有している。潤滑油流入領域Rが流入流路7として構成され、潤滑油流出領域Rが第1の流出流路8として構成される。被潤滑部3から潤滑装置32へ延びる流路は潤滑油流入領域Rと接続され、潤滑装置32から被潤滑部3へ延びる流路は潤滑油流出領域Rと接続されている。潤滑油は、潤滑油流出領域Rから被潤滑部3へ供給され、被潤滑部3を潤滑した後、潤滑装置32の潤滑油流入領域Rへ戻る。
バルブユニット18は、フィルタ16の上端を覆う上壁部19におけるフィルタ16の中空側に配置されている。バルブユニット18は、蓋部20と、弾性部材(ここではコイルばね)21と、消泡剤供給部4と、これらの構成部品を収容する収容部23と、を備えている。収容部23は、円筒状をなすと共に、蓋部20及び弾性部材21を収容することで逃し弁を構成するバルブ部23aと、消泡剤供給部4を収容するための消泡剤配置部23bと、を備えている。バルブ部23aの上端は、潤滑油流入領域Rに対して開口すると共に、蓋部20によってシール性を確保した状態で封止されるシール構造を有している。また、バルブ部23aと消泡剤配置部23bとの間には、貫通孔を有する隔壁が設けられている。弾性部材21は、上端側で蓋部20を支持し、下端側で隔壁に固定されている。消泡剤配置部23bの下端は、潤滑油流出領域Rに対して開口している。消泡剤配置部23b内に設けられる消泡剤供給部4は、消泡剤配置部23bに潤滑油が流入することによって、自動的に消泡剤が潤滑油中に供給されるように構成される。収容部23の内部空間Sは、第2の流出流路9として構成されている。ここでは、第2の流出流路9へ流出した潤滑油は、消泡剤を供給された後、第1の流出流路8へ合流している。
以下、図6及び図7を参照して潤滑装置32の作用効果を説明する。図6は、潤滑油の劣化検出前の潤滑装置32の状態を示す模式断面図である。潤滑油の劣化検出前は、潤滑油は、潤滑油流入領域R(流入流路7)を流れ、フィルタ16を経由して潤滑油流出領域R(第1の流出流路8)へ流出する。この場合、フィルタ16の潤滑油透過性が高いため、潤滑油はバルブユニット18方向へ流れない。または、仮に潤滑油がバルブユニット18方向へ流れた場合でも、当該潤滑油はバルブユニット18内の弾性部材21を変形させるだけの圧力を有していないため、バルブユニット18の蓋部20は開かず、潤滑油がバルブユニット18内に流入することはない。
図7は、潤滑油の劣化検出後の潤滑装置32の状態を示す模式断面図である。図6に示した状態から潤滑油の劣化が進行するに伴って、潤滑油中にはスラッジ等の不純物が発生することより、フィルタ16において目詰まりが生じる。そして、フィルタ16においては、第1の流出流路8に対する流入流路7の圧力が高まり(フィルタ16の昇圧部12としての機能)、潤滑油の一部又は全部がバルブユニット18方向へ流れる。
一方、バルブユニット18においては、弾性部材21が所定の圧力により変形するように設定されているため、弾性部材21の変形に基づいて、流入流路7の圧力(すなわち流入流路7からバルブユニット18方向へ流れる潤滑油の圧力)が所定の値を超えたことを検出する(バルブユニット18の圧力検出部13としての機能)。そして、バルブユニット18は、弾性部材21の変形に伴って開閉する蓋部20を有しているため、弾性部材21の変形(流入流路7の圧力が所定の値を超えたことを検出すること)により蓋部20を開き、流入流路7と第2の流出流路9とを連通させる(バルブユニット18の流路連通部14としての機能)。
このとき、バルブユニット18の内部空間S(第2の流出流路9)上に消泡剤供給部4が設けられているため、劣化した潤滑油に消泡剤が供給される。また、フィルタ16は、不純物による目詰まりが発生することによって、流入流路7と第2の流出流路9との連通後において、第1の流出流路8への潤滑油の流れの一部又は全部を遮断している(フィルタ16の遮断部15としての機能)。
以上説明したように、潤滑装置32では、フィルタ16という簡易な構成によって、第1の流出流路8に対する流入流路7の圧力を高める昇圧部12、及び流入流路7と第2の流出流路9との連通後において、第1の流出流路8への潤滑油の流れを一部又は全部遮断する遮断部15の機能を有することができ、結果として、好適なタイミングで潤滑油に消泡剤を供給することにより潤滑油の消泡性の低下を抑制できる。本実施形態では、フィルタ16による潤滑油の不純物の除去構造を同時に劣化検出構造として適用することができる。したがって、潤滑油の劣化を直接検出するための検出センサのような高価な部品を用いずとも、フィルタ16にバルブユニット18を付加するだけの簡易な構造にて、好適なタイミングで潤滑油に消泡剤を供給できる。
図5に示した潤滑装置32では、バルブユニットとしてはバルブユニット18のみが設けられていたが、バルブユニットは複数設けられていてもよい。図8は、図5に示した潤滑装置の変形例を示す模式断面図である。図8に示すように、潤滑装置42では、バルブユニット18に加えて、例えば二つのバルブユニット58を更に備えている。バルブユニット58は、バルブユニット18と同様に、蓋部20と、弾性部材21と、消泡剤供給部4とを備えている。一方、バルブユニット58は、バルブユニット58内に流入した潤滑油を、フィルタ16を貫通して潤滑油流入領域Rへ流出させる。この潤滑装置42では、消泡剤供給部4によって消泡剤が供給された潤滑油を再度潤滑油流入領域R(流入流路7)へ合流させるため、必要に応じて当該潤滑油に消泡剤を更に供給できる。これらの複数のバルブユニット18,58は、例えば弾性部材21として、それぞれ互いに弾性係数が異なる弾性部材を備えていてもよい。これにより、潤滑油の劣化の程度に従って、異なるタイミングで消泡剤を複数回供給することが可能となる。
2,2A,2B,2C,32,42…潤滑装置、3…被潤滑部、4…消泡剤供給部、5…劣化検出部、7…流入流路、8…第1の流出流路、9…第2の流出流路、11…流路変更部、16…フィルタ。

Claims (5)

  1. 被潤滑部に潤滑油を供給する潤滑装置であって、
    前記潤滑油の劣化の程度に応じて前記潤滑油に消泡剤を供給する消泡剤供給部を備える潤滑装置。
  2. 前記潤滑油の劣化の程度を検出する劣化検出部を更に備え、
    前記消泡剤供給部は、前記劣化検出部の検出結果に基づいて前記消泡剤を供給する請求項1に記載の潤滑装置。
  3. 前記劣化検出部の検出結果に基づいて前記潤滑油の流路を変更する流路変更部を更に備え、
    前記流路変更部は、流入流路からの前記潤滑油の一部又は全部の流れを、第1の流出流路から第2の流出流路へ変更し、
    前記消泡剤供給部が、前記第2の流出流路上に配置されている請求項2に記載の潤滑装置。
  4. 前記劣化検出部は、前記潤滑油の劣化の進行に伴って前記第1の流出流路に対する前記流入流路の圧力を高め、前記流入流路の圧力に基づいて前記潤滑油の劣化を検出し、
    前記流路変更部は、前記劣化検出部の検出結果に基づいて前記流入流路と前記第2の流出流路とを連通させる請求項3に記載の潤滑装置。
  5. 前記劣化検出部は、前記潤滑油に含まれる不純物を除去するフィルタによって、前記第1の流出流路に対する前記流入流路の圧力を高める請求項4に記載の潤滑装置。
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