JP2016137434A - 高分子機能性膜及びその製造方法、積層体、並びに、装置 - Google Patents

高分子機能性膜及びその製造方法、積層体、並びに、装置 Download PDF

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Abstract

【課題】一価イオン選択透過性が高く、膜の塩漏れが少ない高分子機能性膜及びその製造方法、並びに、上記高分子機能性膜を備えた積層体及び装置を提供すること。
【解決手段】アクリル樹脂及び/若しくは式CL−1で表される構成単位を有する樹脂を含む陰イオン交換膜、又は、アクリル樹脂を有する樹脂を含む陽イオン交換膜上に、架橋構造を有するポリアミド樹脂を含む表面層を有することを特徴とする高分子機能性膜。式CL−1中、L及びLはそれぞれ独立に、アルキレン基又はアルケニレン基を表し、R及びRはそれぞれ独立に、アルキル基又はアリール基を表し、RとRとが互いに結合して環を形成してもよく、n1及びn2はそれぞれ独立に、1〜3の整数を表し、X 及びX はそれぞれ独立に、有機又は無機のアニオンを表す。
Figure 2016137434

【選択図】なし

Description

本発明は、高分子機能性膜及びその製造方法、積層体、並びに、装置に関する。
高分子機能性膜としての各種の機能を有する膜として、イオン交換膜、逆浸透膜、正浸透膜又はガス分離膜等が知られている。
例えば、イオン交換膜は、電気脱塩(EDI:Electrodeionization)、連続的な電気脱塩(CEDI:Continuous Electrodeionization)、電気透析(ED:Electrodialysis)、逆電気透析(EDR:Electrodialysis reversal)等に用いられる。
電気脱塩(EDI)は、イオン輸送を達成するためにイオン交換膜と電位を使用して、水性液体からイオンが取り除かれる水処理プロセスである。従来のイオン交換のような他の浄水技術と異なり、酸又は苛性ソーダのような化学薬品の使用を要求せず、超純水を生産するために使用することができる。電気透析(ED)及び逆電気透析(EDR)は、水及び他の流体からイオン等を取り除く電気化学の分離プロセスである。
従来のイオン交換膜としては、特許文献1に記載のものが知られている。
また、従来の複合半透膜としては、特許文献2に記載のものが知られている。
特公昭36−15258号公報 特開2002−177750号公報
本発明が解決しようとする課題は、一価イオン選択透過性が高く、膜の塩漏れが少ない高分子機能性膜及びその製造方法、並びに、上記高分子機能性膜を備えた積層体及び装置を提供することである。
本発明の上記課題は、以下の<1>、<4>又は<9>〜<11>に記載の手段により解決された。好ましい実施態様である<2>、<3>及び<5>〜<8>と共に以下に記載する。
<1>アクリル樹脂及び/又は下記式CL−1で表される構成単位を有する樹脂を含む陰イオン交換膜上に、架橋構造を有するポリアミド樹脂を含む表面層を有することを特徴とする高分子機能性膜、
Figure 2016137434
式CL−1中、L及びLはそれぞれ独立に、アルキレン基又はアルケニレン基を表し、R及びRはそれぞれ独立に、アルキル基又はアリール基を表し、RとRとが互いに結合して環を形成してもよく、n1及びn2はそれぞれ独立に、1〜3の整数を表し、X 及びX はそれぞれ独立に、有機又は無機のアニオンを表す。
<2>上記陰イオン交換膜における上記アクリル樹脂及び/又は上記式CL−1で表される構成単位を有する樹脂が、下記式IAで表される構成単位を有する、<1>に記載の高分子機能性膜、
Figure 2016137434
式IA中、RA1は水素原子又はアルキル基を表し、RA2〜RA4はそれぞれ独立に、アルキル基又はアリール基を表し、RA2〜RA4のうち2つ以上が互いに結合して環を形成してもよく、ZA1は−O−又は−N(R)−を表し、Rは水素原子又はアルキル基を表し、LA1はアルキレン基を表し、XA1−はハロゲン化物イオン又は脂肪族若しくは芳香族カルボン酸イオンを表す。
<3>上記陰イオン交換膜における上記アクリル樹脂及び/又は上記式CL−1で表される構成単位を有する樹脂が、下記式ICLで表される構成単位を有する、<1>又は<2>に記載の高分子機能性膜、
Figure 2016137434
式ICL中、RCL1は水素原子又はアルキル基を表し、ZCL1及びZCL2はそれぞれ独立に、−O−又は−N(R)−を表し、Rは水素原子又はアルキル基を表し、LCL1は(p1+1)価の炭素数2以上の連結基を表し、p1は1以上の整数を表す。
<4>上記陰イオン交換膜における上記アクリル樹脂及び/又は上記式CL−1で表される構成単位を有する樹脂が、下記式ICL−2で表される構成単位を有する、<2>に記載の高分子機能性膜、
Figure 2016137434
式ICL−2中、RA’1及びRA’2はそれぞれ独立に、水素原子又はアルキル基を表し、RA’3〜RA’6はそれぞれ独立に、アルキル基又はアリール基を表し、ZA’1及びZA’2はそれぞれ独立に、−O−又は−NRa−を表し、Raは水素原子又はアルキル基を表し、LA’1及びLA’2はそれぞれ独立に、アルキレン基を表し、Rはアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、−O−又はこれらが組み合わされた二価の連結基を表し、XA’1及びXA’2はそれぞれ独立に、ハロゲン化物イオン又は脂肪族若しくは芳香族カルボン酸イオンを表す。
<5>上記陰イオン交換膜が、上記式CL−1で表される構成単位を有する、<1>に記載の高分子機能性膜、
<6>アクリル樹脂を含む陽イオン交換膜上に、架橋構造を有するポリアミド樹脂を含む表面層を有することを特徴とする高分子機能性膜、
<7>上記陽イオン交換膜における上記アクリル樹脂が、下記式ICで表される構成単位を有する、<6>に記載の高分子機能性膜、
Figure 2016137434
式IC中、RC1は水素原子又はアルキル基を表し、LC1はアルキレン基又はアリーレン基を表し、XC1+は無機又は有機のカチオンを表す。
<8>上記陽イオン交換膜が、下記式ICLで表される構成単位を有する、<6>又は<7>に記載の高分子機能性膜、
Figure 2016137434
式ICL中、RCL1は水素原子又はアルキル基を表し、ZCL1及びZCL2はそれぞれ独立に、−O−又は−N(R)−を表し、Rは水素原子又はアルキル基を表し、LCL1は(p1+1)価の炭素数2以上の連結基を表し、p1は1以上の整数を表す。
<9>上記陽イオン交換膜が、下記式ICL-3で表される構成単位を有する、<6>又は<7>に記載の高分子機能性膜、
Figure 2016137434
式ICL−3中、RB1及びRB2はそれぞれ独立に、水素原子又はアルキル基を表し、RB3〜RB6はそれぞれ独立に、置換基を表し、k1〜k4はそれぞれ独立に、0〜4の整数を表し、RB3〜RB6の少なくともいずれか複数存在する場合、RB3〜RB6は、それぞれ互いに同一でも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成してもよく、A〜Aはそれぞれ独立に、単結合又は二価の連結基を表し、Mは水素原子、有機塩基イオン又は金属イオンを表し、nb1及びnb2はそれぞれ独立に、1〜4の整数を表し、mb1及びmb2は0又は1を表し、Jは単結合、−O−、−S−、−SO−、−CO−、−CRB7B8−又はアルケニレン基を表し、RB7及びRB8はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はハロゲン原子を表し、pは1以上の整数を表し、qは1〜4以上の整数を表す。
<10>上記ポリアミド樹脂が、脂肪族ジアミンと、二価及び/又は三価の芳香族カルボン酸塩化物との重縮合反応からなるポリアミド樹脂である、<1>〜<9>のいずれか1つに記載の高分子機能性膜、
<11>上記表面層の厚みが、1nm以上10μm以下である、<1>〜<10>のいずれか1つに記載の高分子機能性膜、
<12>アクリル樹脂及び/若しくは上記式CL−1で表される構成単位を有する樹脂を含む陰イオン交換膜、又は、アクリル樹脂を含む陽イオン交換膜にアミン含有水溶液を含浸させるか又は塗布するアミン処理工程、並びに、アミン含有水溶液を含浸させるか又は塗布したイオン交換膜にカルボン酸塩化物含有溶液を含浸させるか又は塗布し重縮合反応によりポリアミド樹脂を含む表面層を形成する表面層形成工程をこの順で含む、<1>〜<11>のいずれか1つに記載の高分子機能性膜の製造方法、
<13><1>〜<11>のいずれか1つに記載の高分子機能性膜を備えた積層体、
<14><1>〜<11>のいずれか1つに記載の高分子機能性膜を備えた装置。
本発明によれば、一価イオン選択透過性が高く、膜の塩漏れが少ない高分子機能性膜及びその製造方法、並びに、上記高分子機能性膜を備えた積層体及び装置を提供することができた。
膜の塩漏れ率を測定するための装置の流路の模式図である。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
更に、各一般式における二重結合の置換様式である幾何異性体は、表示の都合上、異性体の一方を記載したとしても、特段の断りがない限り、E体であってもZ体であっても、これらの混合物であっても構わない。
また、本明細書における化学構造式は、水素原子を省略した簡略構造式で記載する場合もある。
なお、本明細書中において、“(メタ)アクリレート”はアクリレート及びメタクリレートを表し、“(メタ)アクリル”はアクリル及びメタクリルを表し、“(メタ)アクリロイル”はアクリロイル及びメタクリロイルを表し、”(メタ)アクリルアミド”はアクリルアミド及びメタクリルアミドを表す。また、“アクリル樹脂”は、(メタ)アクリレート化合物及び(メタ)アクリルアミド化合物よりなる群から選ばれた化合物の単独重合体又は共重合体であり、共重合体の場合は、上記化合物を樹脂全体の50質量%以上共重合した樹脂であるものとする。
また、本発明において、「質量%」と「重量%」とは同義であり、「質量部」と「重量部」とは同義である。
また、本発明において、好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
(高分子機能性膜)
本発明の高分子機能性膜(以下、単に「膜」ともいう。)の第1の実施態様は、アクリル樹脂及び/又は下記式CL−1で表される構成単位を有する樹脂を含む陰イオン交換膜上に、架橋構造を有するポリアミド樹脂を含む表面層を有することを特徴とする。
Figure 2016137434
式CL−1中、L及びLはそれぞれ独立に、アルキレン基又はアルケニレン基を表し、R及びRはそれぞれ独立に、アルキル基又はアリール基を表し、RとRとが互いに結合して環を形成してもよく、n1及びn2はそれぞれ独立に、1〜3の整数を表し、X 及びX はそれぞれ独立に、有機又は無機のアニオンを表す。
本発明の高分子機能性膜の第2の実施態様は、アクリル樹脂を含む陽イオン交換膜上に、架橋構造を有するポリアミド樹脂を含む表面層を有することを特徴とする。
近年、地下水中の硝酸イオン濃度上昇は世界規模でも問題となっており、イオン交換膜を用いた電気透析による硝酸イオン除去方法が注目されている。硫酸イオンなどに起因する難溶性塩の析出(スケーリング)防止は必須の問題であり、硝酸イオン(一価イオン)のみを選択的に透過させることが重要である。
本発明者等は鋭意検討した結果、特定構造の樹脂を含むイオン交換膜上に、架橋構造を有するポリアミド樹脂を含む表面層を設けることにより、一価イオン選択透過性が高く、膜の塩漏れが少ない高分子機能性膜が得られることを見出した。
また、膜の塩漏れが少ない高分子機能性膜であることにより、電気透析時の脱塩効率に優れるため、電気透析に好適に用いることができる。
以下、本発明の高分子機能性膜の特性、及び、本発明の高分子機能性膜を構成する、各成分について説明する。なお、特に断りのない限り、単に「本発明の高分子機能性膜」とは、上記第1の実施態様及び上記第2の実施態様の両方の場合を含む。
本発明の高分子機能性膜は、一価イオン選択透過性を有する膜であり、より詳しくは、第1の実施態様における本発明の高分子機能性膜は、一価の陰イオン選択透過性を有する膜であり、また、第2の実施態様における本発明の高分子機能性膜は、一価の陽イオン選択透過性を有する膜である。
本発明の高分子機能性膜は、イオン交換、逆浸透、正浸透、ガス分離等を行うための膜として好適に用いることができる。
本発明の高分子機能性膜の厚さは、支持体を有する場合は支持体を含めて、30〜1,000μmが好ましく、50〜500μmがより好ましく、100〜400μmが更に好ましい。
また、本発明に用いられる各構成単位や成分における置換基としては、電気的に中性で、不活性な基であれば、高分子機能性膜の機能を阻害せず使用することが可能である。
<表面層>
本発明の高分子機能性膜は、アクリル樹脂及び/若しくは上記式CL−1で表される構成単位を有する樹脂を含む陰イオン交換膜、又は、アクリル樹脂を含む陽イオン交換膜上に、架橋構造を有するポリアミド樹脂を含む表面層を有する。
本発明の高分子機能性膜は、上記表面層を、上記陰イオン交換膜又は上記陽イオン交換膜の片面に有していても、両面に有していてもよいが、一価イオン選択透過性及び膜の塩漏れ抑制性の観点から、両面に有していることが好ましい。
上記表面層は、架橋構造を有するポリアミド樹脂を含む層であり、一価イオン選択透過性及び膜の塩漏れ抑制性の観点から、架橋構造を有するポリアミド樹脂からなる層であることが好ましい。
上記表面層の厚さは、10nm〜10μmであることが好ましく、50nm〜1μmであることがより好ましく、100〜600nmであることが更に好ましい。上記範囲であると、一価イオン選択透過性及び膜の塩漏れ抑制性により優れ、また、膜の電気抵抗の上昇も抑制できる。
架橋構造を有するポリアミド樹脂は、原料として、2官能以上のアミン化合物、並びに、2官能及び/又は3官能以上のカルボン酸化合物を用いることにより、好適に合成することができ、3官能以上のカルボン酸化合物を用いることがより好ましい。
ポリアミド樹脂の合成に用いる多官能カルボン酸化合物としては、多価能カルボン酸であっても、多官能カルボン酸エステルであっても、多官能カルボン酸ハロゲン化物であってもよいが、反応性及びコストの観点から、多官能カルボン酸ハロゲン化物であることが好ましく、多官能カルボン酸塩化物であることがより好ましい。
本発明で用いられる多官能アミン化合物としては、2個以上の第一級又は第二級アミノ基を有するアミン化合物が挙げられる。
多官能アミン化合物として具体的には、例えば、二つの第一級アミノ基(−NH)がオルト、メタ、パラのいずれかの位置関係でベンゼン環に結合したフェニレンジアミン、1,3,5−トリアミノベンゼン、1,2,4−トリアミノベンゼン、3,5−ジアミノ安息香酸、キシリレンジアミンなどの芳香族多官能アミン化合物、エチレンジアミン、プロピレンジアミン等の脂肪族多官能アミン化合物、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、ピペラジン、4−アミノメチルピペラジン等の脂環式多官能アミン化合物が挙げられる。これらの多官能アミン化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。また、第一級アミノ基及び第二級のアミノ基を共に有する多官能アミン化合物でもよい。
これらの中でも、脂肪族多官能アミン化合物及び/又は脂環式多官能アミン化合物が好ましく、エチレンジアミン及び/又はピペラジンがより好ましい。
本発明で用いられる多官能カルボン酸ハロゲン化物としては、2個以上のカルボン酸ハライド基を有する多官能カルボン酸ハロゲン化物であれば、特に制限はなく、例えば、3官能カルボン酸ハロゲン化物であるトリメシン酸トリクロライド、1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸トリクロライド、1,2,4−シクロブタントリカルボン酸トリクロライド、2官能の多官能カルボン酸ハロゲン化物では、例えば、ビフェニルジカルボン酸ジクロライド、ビフェニレンジカルボン酸ジクロライド、アゾベンゼンジカルボン酸ジクロライド、テレフタル酸ジクロライド、イソフタル酸ジクロライド、ナフタレンジカルボン酸ジクロライド等の芳香族2官能カルボン酸ハロゲン化物、アジポイルジクロライド、セバコイルジクロライド等の脂肪族2官能カルボン酸ハロゲン化物、シクロペンタンジカルボン酸ジクロライド、シクロヘキサンジカルボン酸ジクロライド、テトラヒドロフランジカルボン酸ジクロライド等の脂環式2官能カルボン酸ハロゲン化物等が挙げられる。これらの多官能カルボン酸ハロゲン化物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
これらの中でも、多官能カルボン酸塩化物が好ましく、3官能カルボン酸塩化物がより好ましく、トリメシン酸トリクロライドが更に好ましい。
表面層の形成方法としては、特に制限はなく、公知の方法を用いることができるが、後述する本発明の高分子機能性膜の製造方法により形成されることが好ましい。
<陰イオン交換膜>
本発明の高分子機能性膜の第1の実施態様は、アクリル樹脂及び/又は上記式CL−1で表される構成単位を有する樹脂を含む陰イオン交換膜を有する。
上記陰イオン交換膜は、陰イオン交換基を有する樹脂を含む。
陰イオン交換基としては、カチオン性の基であれば、特に制限はないが、四級窒素原子を有する基であることが好ましい。例えば、アンモニオ基、ピリジニオ基のような含窒素ヘテロ環における窒素原子がカチオン、又は、四級化された窒素原子を有するもの若しくは芳香族ヘテロ環の窒素原子がアルキル化若しくはアリール化のように置換基で置換されたものが挙げられる。
また、上記式CL−1で表される構成単位を有する樹脂は、上記式CL−1で表される構成単位において、2つの陰イオン交換基を有する。
<<支持体>>
上記陰イオン交換膜は、支持体を有していてもよく、上記支持体は、多孔質支持体を有する膜であることが好ましい。この多孔質支持体の空孔に上記アクリル樹脂及び/又は上記式CL−1で表される構成単位を有する樹脂を存在させることにより、多孔質支持体を膜の一部として構成することができる。
補強材料としての多孔質支持体としては、樹脂製多孔質支持体であることが好ましく、例えば、合成織布、合成不織布等の不織布、スポンジ状フィルム、又は、微細な貫通孔を有するフィルムが挙げられる。
本発明における多孔質支持体を形成する素材は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリアミド及びそれらのコポリマーであるか、あるいは、例えば、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート、ポリアクリレート、酢酸セルロース、ポリプロピレン、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、ポリクロロトリフルオロエチレン及びそれらのコポリマーに基づく多孔質膜が挙げられる。
市販の多孔質支持体は、例えば、三菱製紙(株)、ニッポン高度紙工業(株)、旭化成せんい(株)、日本バイリーン(株)、タピルス社、Freudenberg Filtration Technologies社から市販されている。
なお、多孔質支持体は、エネルギー線照射による重合硬化反応を行う場合、エネルギー線の波長領域を遮らないこと、すなわち、重合硬化に用いられる波長の照射を通過させることが要求される。
多孔質支持体は、上記アクリル樹脂及び/又は上記式CL−1で表される構成単位を形成する重合性組成物が浸透することができるものであることが好ましい。
また、多孔質支持体は、親水性を有することが好ましい。支持体に親水性を付与するには、コロナ処理、プラズマ処理、フッ素ガス処理、オゾン処理、硫酸処理、シランカップリング剤処理などの一般的な方法を使用することができる。
本発明における多孔質支持体は、不織布が好ましく、不織布の中でも、ポリエチレンとポリプロピレンとの複合繊維からなる不織布がより好ましい。また、この複合繊維の繊維径は、0.5〜15μmが好ましく、1〜13μmがより好ましく、2〜10μmが特に好ましい。
本発明における多孔質支持体の厚さは、20〜200μmが好ましく、30〜150μmがより好ましく、40〜120μmが特に好ましい。
<<式CL−1で表される構成単位>>
上記陰イオン交換膜は、下記式CL−1で表される構成単位を有する樹脂を含むことが好ましい。
Figure 2016137434
式CL−1中、L及びLはそれぞれ独立に、アルキレン基又はアルケニレン基を表し、R及びRはそれぞれ独立に、アルキル基又はアリール基を表し、RとRとが互いに結合して環を形成してもよく、n1及びn2はそれぞれ独立に、1〜3の整数を表し、X 及びX はそれぞれ独立に、有機又は無機のアニオンを表す。
上記L及びLはそれぞれ独立に、アルキレン基又はアルケニレン基を表し、アルキレン基であることが好ましい。
上記アルキレン基及びアルケニレン基は、直鎖状であってもよいし、分岐を有していてもよいし、環構造を有していてもよい。
上記L及びLにおけるアルキレン基は、炭素数2〜10であることが好ましく、炭素数2又は3であることがより好ましく、1,2−エチレン基、1,3−プロピレン基、1,2−プロピレン基が挙げられる。
上記L及びLにおけるアルケニレン基は、炭素数2〜10であることが好ましく、炭素数2又は3であることがより好ましく、エテニレン基が更に好ましい。
及びRはそれぞれ独立に、アルキル基又はアリール基を表し、アルキル基であることが好ましく、RとRとが互いに結合して環を形成してもよい。中でも、RとRとが互いに結合して環を形成していることがより好ましい。
とRとが互いに結合して環を形成する場合、RとRとが互いに結合した基は、アルキレン基であることが好ましく、炭素数2〜4のアルキレン基であることがより好ましく、炭素数2又は3のアルキレン基であることが更に好ましく、1,2−エチレン基であることが特に好ましい。
式CL−1において、L1及びL、並びに、2つの窒素原子がピペラジン環又はジヒドロピラジン環を形成することが好ましく、また、RとRと互いに結合し、L1及びLとともにトリエチレンジアミン環(1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン環)を形成することがより好ましい。また、形成された環は置換基を有していてもよい。上記置換基としては、アルキル基が好ましい。
及びRの炭素数はそれぞれ独立に、1〜20であることが好ましく、1〜10であることがより好ましく、1〜4であることが更に好ましい。
及びRが互いに結合して環を形成しない場合、アルキル基としては、炭素数1〜8のアルキル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基がより好ましく、炭素数1又は2が更に好ましい。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n−ブチル基、2−エチルヘキシル基が好ましく挙げられる。
上記アルキル基は、分岐を有していても、環構造を有していてもよい。
また、アリール基としては、炭素数6〜10のアリール基が好ましく、フェニル基がより好ましい。
n1及びn2はそれぞれ独立に、1〜3の整数を表し、1又は2であることが好ましく、1であることがより好ましい。
また、合成上の観点から、n1とn2とは同じであることが好ましい。
及びX はそれぞれ独立に、有機又は無機のアニオンを表し、無機アニオンが好ましい。上記有機又は無機のアニオンは、一価のアニオンであっても、二価以上のアニオンであってもよい。二価以上のアニオンの場合、式CL−1におけるアンモニウム基等のカチオンと電気的に等量となる量存在する。例えば、式CL−1におけるX1 -及びX2 -が1つの二価アニオンであってもよいし、二価以上のアニオンが2以上の式CL−1で表される構成単位のX 及び/又はX として存在してもよい。
有機アニオンとしては、アルキルスルホン酸アニオン、アリールスルホン酸アニオン、アルキル若しくはアリールカルボン酸アニオンが挙げられ、例えば、メタンスルホン酸アニオン、ベンゼンスルホン酸アニオン、トルエンスルホン酸アニオン、酢酸アニオンが挙げられる。
無機アニオンとしては、ハロゲン化物イオン、硫酸イオン、リン酸イオンが挙げられ、ハロゲン化物イオンが好ましい。ハロゲン化物イオンの中でも、塩化物イオン、臭化物イオンが好ましく、塩化物イオンが特に好ましい。
式CL−1で表される構成単位は、下記式CL−2〜式CL−13のいずれかで表される構成単位であることが好ましいが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2016137434
Figure 2016137434
式CL−1で表される構成単位の分子量は、300〜600であることが好ましく、300〜500であることがより好ましく、300〜450であることが更に好ましい。
上記樹脂は、式CL−1で表される構成単位を、1種単独で含有しても、2種以上を含有してもよい。
上記樹脂の全質量に対し、式CL−1で表される構成単位の含有量は、55〜99質量%であることが好ましく、70〜99質量%であることがより好ましく、75〜99質量%であることが更に好ましく、85〜99質量%が特に好ましく、90〜99質量%が最も好ましい。式CL−1で表される構成単位の含有量が上記範囲であると、形成される膜の物理強度により優れ、また、膜性能により優れる。
式CL−1で表される構成単位の導入方法としては、特に制限はないが、架橋剤として、下記式CL−1’で表される化合物を重合する方法や、スチレンアルキルハライド化合物を重合した樹脂を作製し、高分子反応によりアミン化合物を架橋剤として反応させる方法が挙げられる。
Figure 2016137434
式CL−1’におけるL、L、R、R、n1、n2、X 及びX は、式CL−1におけるL、L、R、R、n1、n2、X 及びX とそれぞれ同義であり、好ましい範囲も同様である。
<<式IAで表される構成単位>>
上記陰イオン交換膜に含まれる上記アクリル樹脂は、式IAで表される構成単位を有することが好ましい。
Figure 2016137434
式IA中、RA1は水素原子又はアルキル基を表し、RA2〜RA4はそれぞれ独立に、アルキル基又はアリール基を表し、RA2〜RA4のうち2つ以上が互いに結合して環を形成してもよく、ZA1は−O−又は−N(R)−を表し、Rは水素原子又はアルキル基を表し、LA1はアルキレン基を表し、XA1−はハロゲン化物イオン又は脂肪族若しくは芳香族カルボン酸イオンを表す。
A1、RA2〜RA4及びRにおけるアルキル基は、直鎖又は分岐のアルキル基であることが好ましく、その炭素数は、1〜10が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜4が更に好ましく、1又は2が特に好ましく、1が最も好ましい。
A2〜RA4におけるアリール基の炭素数は、6〜16が好ましく、6〜12がより好ましく、6〜10が更に好ましい。例えば、フェニル、ナフチルが挙げられる。
A2〜RA4のうち2つ以上が互いに結合して形成する環としては、5又は6員環の単環若しくは架橋環が好ましく、その炭素数は、4〜16が好ましく、4〜10がより好ましい。例えば、ピロリジン環、ピペラジン環、ピペリジン環、モルホリン環、チオモルホリン環、インドール環、キヌクリジン環が挙げられる。
A1の炭素数は、1〜10が好ましく、2〜10がより好ましく、2〜6が更に好ましく、2〜4が更に特に好ましく、3が最も好ましい。
A1におけるハロゲン化物イオンは、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオンが挙げられる。
A1における脂肪族カルボン酸イオンの炭素数は、1〜20が好ましく、2〜10がより好ましく、2〜5が更に好ましく、2又は3が特に好ましく、2が最も好ましい。
上記脂肪族カルボン酸イオンにおける脂肪族カルボン酸は、飽和炭化水素にカルボキシル基が結合したカルボン酸、不飽和炭化水素にカルボキシル基が結合したカルボン酸のいずれでもよいが、飽和炭化水素にカルボキシル基が結合したカルボン酸が好ましい。
A1における芳香族カルボン酸イオンは、アリールカルボン酸イオン及びヘテロアリールカルボン酸イオンが好ましい。ここで、ヘテロアリールスルホン酸イオンにおけるヘテロアリール基は、5又は6員環が好ましく、ヘテロ環を構成するヘテロ原子は、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子が好ましく、窒素原子がより好ましい。芳香族カルボン酸イオンの炭素数は、1〜17が好ましく、2〜13がより好ましく、6〜11が更に好ましい。例えば、安息香酸イオン、ナフタレンカルボン酸イオン、ニコチン酸イオン、イソニコチン酸イオンが挙げられる。
A1は、水素原子又はメチル基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
A2〜RA4はそれぞれ独立に、メチル基又はエチル基であることが好ましい。
A1は、−N(R)−であることが好ましい。
は、水素原子又はメチル基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
A1−は、ハロゲン化物イオンであることが好ましい。
式IAで表される構成単位は、下記式IA−1〜式IA−26のいずれかで表される構成単位であることが好ましいが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2016137434
Figure 2016137434
Figure 2016137434
Figure 2016137434
Figure 2016137434
式IAで表される構成単位の分子量は、150〜350であることが好ましく、150〜300であることがより好ましく、150〜270であることが更に好ましい。
上記膜には、式IAで表される構成単位を、2種以上組み合わせて用いてもよい。
上記樹脂の全質量に対し、式IAで表される構成単位の含有量は、1〜90質量%が好ましく、5〜90質量%がより好ましく、10〜90質量%が更に好ましい。
式IAで表される構成単位の導入方法としては、特に制限はないが、下記式IA’で表される化合物を重合する方法が好ましく挙げられる。
Figure 2016137434
式IA’におけるRA1〜RA4、ZA1、R、LA1及びXA1−は、式IAにおけるRA1〜RA4、ZA1、R、LA1及びXA1−とそれぞれ同義であり、好ましい範囲も同様である。
<<式ICLで表される構成単位>>
上記陰イオン交換膜における上記アクリル樹脂及び/又は上記式CL−1で表される構成単位を有する樹脂が、下記式ICLで表される構成単位を有することが好ましい。
Figure 2016137434
式ICL中、RCL1は水素原子又はアルキル基を表し、ZCL1及びZCL2はそれぞれ独立に、−O−又は−N(R)−を表し、Rは水素原子又はアルキル基を表し、LCL1は(p1+1)価の炭素数2以上の連結基を表し、p1は1以上の整数を表す。
CL1は、水素原子、又は、直鎖若しくは分岐のアルキル基であることが好ましく、アルキル基の炭素数は、1〜10が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜4が更に好ましく、1又は2が特に好ましく、1が最も好ましい。
また、RCL1は、水素原子又はメチル基であることがより好ましく、水素原子であることが更に好ましい。
CL1及びZCL2はそれぞれ独立に、−N(R)−であることが好ましい。また、Rは、水素原子又はメチル基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
p1は、1〜4の整数が好ましく、1〜3の整数がより好ましく、1又は2が更に好ましく、1が特に好ましい。
CL1は、(p1+1)価の炭素数2以上の連結基を表すが、(p1+1)価の炭素数2以上の炭化水素基、又は、(p1+1)価で、−O−、−S−若しくは−N(R)−と炭化水素基とが組み合わされた炭素数2以上の基が好ましい。ここで、Rは水素原子又はアルキル基を表す。上記連結基の炭素数は、1〜20が好ましく、1〜10がより好ましい。
CL1及びZCL2が、−N(R)−の場合、LCL1は、(p1+1)価の炭化水素基が好ましい。このような炭化水素基の炭素数は、1〜10が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が更に好ましく、1又は2が特に好ましい。
CL1が2価の炭化水素基の場合、例えば、エチレン基、プロピレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、又は、デカメチレン基が好ましく挙げられる。
CL1及びZCL2が、−O−の場合、LCL1は、(p1+1)価で、−O−、−S−又は−N(R)−と、炭化水素基とが組み合わされた炭素数2以上の基が好ましい。中でも、(p1+1)価で、−O−と炭化水素基とが組み合わされた炭素数2以上の基が好ましく、アルキレンオキシアルキル基、又は、ポリアルキレンオキシアルキル基がより好ましい。
CL1が2価の連結基の場合、例えば、アルキレンオキシアルキル基(−LAl−O−LAl−、LAlはアルキレン基を表す。)、ポリアルキレンオキシアルキル基(−(LAl−O)−LAl−、LAlはアルキレン基を表し、nは2以上の整数を表す。)が好ましく、エチレンオキシエチル基、ポリエチレンオキシエチル基、プロピレンオキシプロピル基、ポリプロピレンオキシプロピル基がより好ましい。すなわち、上記LAlは、エチレン基又はプロピレン基であることがより好ましい。
CL1における連結基は、置換基を有していてもよい。
置換基の種類は特に制限されないが、以下に説明する置換基Xが挙げられる。
置換基Xとしては、ハロゲン原子、アルキル基、アルキニル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基が好ましく挙げられる。
式ICLで表される構成単位の具体例としては、下記構成単位を好ましく挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、下記において、q1は1〜6の整数を表し、q2は1〜4の整数を表し、q3及びq4はそれぞれ独立に、2又は3を表し、q5〜q8はそれぞれ独立に、1〜3の整数を表す。
Figure 2016137434
式ICLで表される構成単位の導入方法としては、特に制限はないが、下記式ICL’で表される化合物を重合する方法が好ましく挙げられる。
Figure 2016137434
式ICL’におけるRCL1、ZCL1、ZCL2、R、LCL1及びp1は、式ICLにおけるRCL1、ZCL1、ZCL2、R、LCL1及びp1とそれぞれ同義であり、好ましい範囲も同様である。
本発明の陰イオン交換膜における上記アクリル樹脂及び/又は上記式CL−1で表される構成単位を有する樹脂は、下記式ICL−2で表される構成単位を有することが好ましい。
Figure 2016137434
式ICL−2中、RA’1及びRA’2はそれぞれ独立に、水素原子又はアルキル基を表し、RA’3〜RA’6はそれぞれ独立に、アルキル基又はアリール基を表し、ZA’1及びZA’2はそれぞれ独立に、−O−又は−NRa−を表し、Raは水素原子又はアルキル基を表し、LA’1及びLA’2はそれぞれ独立に、アルキレン基を表し、Rはアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、−O−又はこれらが組み合わされた二価の連結基を表し、XA’1及びXA’2はそれぞれ独立に、ハロゲン化物イオン又は脂肪族若しくは芳香族カルボン酸イオンを表す。
A’1及びRA’2はそれぞれ独立に、水素原子又はメチル基であることが好ましく、水素原子であることが好ましい。また、RA’1及びRA’2は、同じ基であることが好ましい。
A’1及びZA’2は、硬化後のイオン交換膜の酸やアルカリに対する耐性の観点から、どちらも−NRa−であることが好ましい。
A’3〜RA’6はそれぞれ独立に、アルキル基であることが好ましい。RA’3〜RA’6は、互いに同一でも異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
A’3〜RA’6におけるアルキル基の炭素数は、1〜9が好ましく、1〜3がより好ましく、1又は2が更に好ましく、1が特に好ましい。アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ヘキシル基、ペンチル基、オクチル基、ノニル基が挙げられ、メチル基、エチル基、プロピル基又はイソプロピル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましく、メチル基が更に好ましい。
上記アルキル基は、分岐を有していてもよいし、環構造を有していてもよい。
A’1及びXA’2におけるハロゲン化物イオンがは、塩化物イオン、臭化物イオン又はヨウ化物イオンが好ましく、塩化物イオン又は臭化物イオンがより好ましい。
A’1及びXA’2における脂肪族若しくは芳香族カルボン酸イオンとしては、酢酸アニオンが好ましい。
A’1及びLA’2の炭素数はそれぞれ独立に、1〜10が好ましく、2〜10がより好ましく、2〜6が更に好ましく、2〜4が特に好ましく、3が最も好ましい。
は、アルキレン基、アリーレン基及びこれらを組み合わせた2価の連結基が好ましく、アルキレン基、又は、アルキレン基とアリーレン基とを組み合わせた基がより好ましく、アルキレン基が更に好ましい。
アルキレン基の炭素数は、1〜9が好ましく、2〜8がより好ましく、3〜8が更に好ましく、3〜5が特に好ましい。アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基が挙げられる。
アリーレン基としては、フェニレン、ナフチレンが挙げられ、炭素数は6〜12が好ましい。
アルキレン基とアリーレン基とを組み合わせた基としては、例えば、アルキレン−アリーレン−アルキレン基が挙げられ、−CH−C−CH−が好ましい。
また、上記アクリル樹脂及び上記式CL−1で表される構成単位を有する樹脂は、上記構成単位以外の構成単位、例えば、公知の(メタ)アクリレート化合物、公知の(メタ)アクリルアミド化合物、公知のスチレン化合物等の単官能及び/又は多官能エチレン性不飽和化合物由来の構成単位を有していてもよい。上記多官能エチレン性不飽和化合物は、架橋剤として機能する。
<陽イオン交換膜>
本発明の高分子機能性膜の第2の実施態様は、アクリル樹脂を含む陽イオン交換膜を有する。
上記陽イオン交換膜は、陽イオン交換基を有する樹脂を含む。
陽イオン交換基としては、アニオン性の基であれば、特に制限はないが、酸基又は酸基の塩が好ましく挙げられ、スルホン酸基又はスルホン酸基の塩がより好ましく挙げられる。
上記陽イオン交換膜は、支持体を有していてもよく、上記支持体は、多孔質支持体を有する膜であることが好ましい。
多孔質支持体としては、上述したものが挙げられる。
<<式ICで表される構成単位>>
上記陽イオン交換膜における上記アクリル樹脂は、下記式ICで表される構成単位を有することが好ましい。
Figure 2016137434
式IC中、RC1は水素原子又はアルキル基を表し、LC1はアルキレン基又はアリーレン基を表し、XC1+は無機又は有機のカチオンを表す。
C1は、水素原子、又は、直鎖若しくは分岐のアルキル基であることが好ましく、アルキル基の炭素数は、1〜10が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜4が更に好ましく、1又は2が特に好ましく、1が最も好ましい。
また、RC1は、水素原子又はメチル基であることがより好ましく、水素原子であることが更に好ましい。
C1のアルキレン基の炭素数は、1〜10が好ましく、2〜8がより好ましく、3〜8が更に好ましい。例えば、エチレン基、プロピレン基、1−メチルメチレン基、1,1−ジメチルメチレン基、ブチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基が挙げられる。
C1のアリーレン基の炭素数は、6〜16が好ましく、6〜12がより好ましく、6〜10が更に好ましい。例えば、フェニレン基、ナフチレン基が挙げられる。
C1のアルキレン基及びアリーレン基は、置換基を有していてもよい。置換基の種類は特に制限されないが、上記置換基Xが挙げられる。
C1+における無機のカチオンとしては、プロトン又はアルカリ金属イオンが好ましく、プロトン、リチウムイオン、ナトリウムイオン又はカリウムイオンがより好ましい。
C1+における有機のカチオンとしては、第四級アンモニウムカチオン、芳香族含窒素ヘテロ環の窒素原子をアルキル化したカチオンなどが挙げられる。
第四級アンモニウムカチオンとしては、テトラメチルアンモニウムカチオン、テトラエチルアンモニウムカチオン、ジメチルベンジルアンモニウムカチオンが挙げられ、芳香族含窒素ヘテロ環の窒素原子をアルキル化したカチオンとしては、ピリジニウムカチオンが挙げられる。
中でも、XC1+は、プロトン、アルカリ金属イオン、第四級アンモニウムカチオン又はピリジニウムカチオンが好ましい。
なお、式IC中、−SO とXC1+とは、共有結合を形成していても、イオン結合を形成していてもよいし、XC1+が遊離していてもよい。
以下に、式ICで表される構成単位の具体例を示すが、本発明は、これらに限定されるものではない。
Figure 2016137434
式ICで表される構成単位の導入方法としては、特に制限はないが、下記式IC’で表される化合物を重合する方法が好ましく挙げられる。
Figure 2016137434
式IC’におけるRC1、LC1及びXC1+は、式ICにおけるRC1、LC1及びXC1+とそれぞれ同義であり、好ましい範囲も同様である。
<<式ICLで表される構成単位>>
上記陽イオン交換膜における上記アクリル樹脂で表される構成単位を有する樹脂が、下記式ICLで表される構成単位を有することが好ましい。
Figure 2016137434
式ICL中、RCL1は水素原子又はアルキル基を表し、ZCL1及びZCL2はそれぞれ独立に、−O−又は−N(R)−を表し、Rは水素原子又はアルキル基を表し、LCL1は(p1+1)価の炭素数2以上の連結基を表し、p1は1以上の整数を表す。
<<式ICL−3で表される構成単位>>
上記陽イオン交換膜における上記アクリル樹脂で表される構成単位を有する樹脂が、下記式ICL−3で表される構成単位を有することが好ましい。
Figure 2016137434
式ICL−3中、RB1及びRB2はそれぞれ独立に、水素原子又はアルキル基を表し、RB3〜RB6はそれぞれ独立に、置換基を表し、k1〜k4はそれぞれ独立に、0〜4の整数を表し、RB3〜RB6の少なくともいずれか複数存在する場合、RB3〜RB6は、それぞれ互いに同一でも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成してもよく、A〜Aはそれぞれ独立に、単結合又は二価の連結基を表し、Mは水素原子、有機塩基イオン又は金属イオンを表し、nb1及びnb2はそれぞれ独立に、1〜4の整数を表し、mb1及びmb2は0又は1を表し、Jは単結合、−O−、−S−、−SO−、−CO−、−CRB7B8−又はアルケニレン基を表し、RB7及びRB8はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はハロゲン原子を表し、pは1以上の整数を表し、qは1〜4以上の整数を表す。
B3〜RB6における置換基の種類は特に制限されないが、ハロゲン原子、アルキル基、アルキニル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基が好ましく挙げられる。
以下に、式ICL−3で表される構成単位の形成に使用するモノマーの具体例を示すが、本発明は、これらに限定されるものではない。
Figure 2016137434
Figure 2016137434
アクリル樹脂で表される構成単位を有する樹脂における式ICL−3で表される構成単位の含有量は、樹脂の全質量に対し、1〜95質量%が好ましく、10〜60質量%がより好ましく、15〜50質量%が更に好ましい。上記範囲であると、所望の硬化性、pH耐性、機械強度、柔軟性に優れる。
また、上記陽イオン交換膜における上記アクリル樹脂は、上記構成単位以外の構成単位、例えば、公知の(メタ)アクリレート化合物、公知の(メタ)アクリルアミド化合物、公知のスチレン化合物等の単官能及び/又は多官能エチレン性不飽和化合物由来の構成単位を有していてもよい。上記多官能エチレン性不飽和化合物は、架橋剤として機能する。
上記陰イオン交換膜は、多孔質支持体の表面及び/又は内部に上記アクリル樹脂及び/又は上記式CL−1で表される構成単位を有する樹脂を有する膜であることが好ましい。
上記陽イオン交換膜は、多孔質支持体の表面及び/又は内部に上記アクリル樹脂を有する膜であることが好ましい。
また、上記陰イオン交換膜及び上記陽イオン交換膜は、水を含む膜であることが好ましく、上記アミノ基と式1で表される構成単位とを有する樹脂が水を含んでゲル状となっている膜であることがより好ましい。
また、上記陰イオン交換膜及び上記陽イオン交換膜は、他の成分として、公知の添加剤を含んでいてもよく、例えば、高分子化合物、高分子分散剤、クレーター防止剤、可塑剤、粘度調製剤、酸化防止剤、及び/又は、防腐剤等を含有してもよいし、また、膜形成前や膜形成時に使用する界面活性剤、及び/又は、重合禁止剤等の添加剤も含んでいてもよい。また、重合時に使用した重合開始剤及び触媒自体、並びに、これらの残渣等を含有していてもよい。
上記陰イオン交換膜及び上記陽イオン交換膜には、膜物性を調整するため、上記樹脂以外に、各種高分子化合物を添加することもできる。
高分子化合物としては、アクリル系重合体、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、シェラック、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類、その他の天然樹脂等が使用できる。また、これらは、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
また、上記陰イオン交換膜及び上記陽イオン交換膜は、高分子分散剤を含んでいてもよい。
高分子分散剤として、具体的にはポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリアクリルアミド等が挙げられる。
クレーター防止剤とは、表面調整剤、レベリング剤又はスリップ剤とも称し、膜表面の凹凸を防止するものであり、例えば、有機変性ポリシロキサン(ポリエーテルシロキサンとポリエーテルの混合物)、ポリエーテル変性ポリシロキサンコポリマー、シリコーン変性コポリマーの構造の化合物が挙げられる。
市販品としては、例えば、Evonik industries社製のTego Glide 432、同110、同130、同406、同410、同411、同415、同420、同435、同440、同450、同482、同A115、同B1484、同ZG400(いずれも商品名)が挙げられる。
クレーター防止剤は、イオン交換膜の全質量100質量部に対し、0〜10質量部が好ましく、0〜5質量部がより好ましく、1〜2質量部が更に好ましい。
上記陰イオン交換膜及び上記陽イオン交換膜は、膜を形成する際の塗布液の液物性調整のために、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤や、有機フルオロ化合物などの界面活性剤を含有していてもよい。
界面活性剤の具体例としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸塩、高級アルコールエーテルの硫酸エステル塩、高級アルコールエーテルのスルホン酸塩、高級アルキルスルホンアミドのアルキルカルボン酸塩、アルキルリン酸塩などのアニオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物、グリセリンのエチレンオキサイド付加物、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどの非イオン性界面活性剤、また、この他にもアルキルベタインやアミドベタインなどの両性界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤などを含めて、従来公知である界面活性剤及びその誘導体から適宜選ぶことができる。
上記陰イオン交換膜及び上記陽イオン交換膜は、膜を形成する際の塗布液に安定性を付与するために、重合禁止剤を含むことも好ましい。
重合禁止剤としては、公知の重合禁剤が使用でき、フェノール化合物、ハイドロキノン化合物、アミン化合物、メルカプト化合物などが挙げられる。
フェノール化合物としては、ヒンダードフェノール(オルト位にt−ブチル基を有するフェノールで、代表的には、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールが挙げられる。)、ビスフェノールが挙げられる。ハイドロキノン化合物の具体例としては、モノメチルエーテルハイドロキノンが挙げられる。また、アミン化合物の具体例としては、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン等が挙げられる。なお、これらの重合禁止剤は、1種単独又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
重合禁止剤の含有量は、イオン交換膜中の全質量100質量部に対し、0.0001〜5質量部が好ましく、0.001〜1質量部がより好ましく、0.01〜0.5質量部が更に好ましい。
上記陰イオン交換膜及び上記陽イオン交換膜の厚みは、30〜500μmが好ましく、50〜300μmがより好ましく、50〜250μmが更に好ましく、100〜160μmが特に好ましい。
<イオン交換膜形成用組成物>
上記陰イオン交換膜及び上記陽イオン交換膜を形成するためのイオン交換膜組成物は、上記陰イオン交換膜及び上記陽イオン交換膜を形成する重合性化合物を、組成物の全固形分に対し、20〜90質量%含有することが好ましく、35〜85質量%含有することがより好ましく、30〜80質量%含有することが更に好ましい。
多官能エチレン性化合物等の架橋剤は、組成物の全固形分に対し、1〜90質量%含有することが好ましく、10〜85質量%含有することがより好ましい。
<<重合開始剤>>
上記イオン交換膜組成物は、重合硬化を行うため、重合開始剤を含むことが好ましい。
重合開始剤の中でも、本発明においては、光重合開始剤が好ましく、紫外線照射で重合させることが可能な光重合開始剤がより好ましい。
光重合開始剤としては、芳香族ケトン類、アシルホスフィン化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、及び、アルキルアミン化合物等が挙げられる。
重合開始剤は、上記各成分や反応時に使用する溶媒に溶解可能なものであれば、光重合開始剤に限定されるものではない。
この重合開始剤の例としては、過酸化ベンゾイル(BPO)等の油溶性過酸化物系熱重合開始剤、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)等の油溶性アゾ系熱重合開始剤、アゾビスシアノ吉草酸(ACVA)等の水溶性アゾ系熱重合開始剤等が挙げられる。
また、溶液重合の溶媒中の水割合が多い場合は、過硫酸アンモニウムや過硫酸カリウム等の水溶性過酸化物系熱重合開始剤、過酸化水素水等も使用することができる。更に、フェロセンやアミン類等のレドックス剤の組み合わせも可能である。
芳香族ケトン類、アシルホスフィンオキシド化合物、及び、チオ化合物の好ましい例としては、「RADIATION CURING IN POLYMER SCIENCE AND TECHNOLOGY」,pp.77〜117(1993)に記載のベンゾフェノン骨格又はチオキサントン骨格を有する化合物等が挙げられる。より好ましい例としては、特公昭47−6416号公報に記載のα−チオベンゾフェノン化合物、特公昭47−3981号公報に記載のベンゾインエーテル化合物、特公昭47−22326号公報に記載のα−置換ベンゾイン化合物、特公昭47−23664号公報に記載のベンゾイン誘導体、特開昭57−30704号公報に記載のアロイルホスホン酸エステル、特公昭60−26483号公報に記載のジアルコキシベンゾフェノン、特公昭60−26403号公報、特開昭62−81345号公報記載のベンゾインエーテル類、特公平1−34242号公報、米国特許第4,318,791号明細書、欧州特許出願公開第0284561A1号明細書に記載のα−アミノベンゾフェノン類、特開平2−211452号公報に記載のp−ジ(ジメチルアミノベンゾイル)ベンゼン、特開昭61−194062号公報に記載のチオ置換芳香族ケトン、特公平2−9597号公報に記載のアシルホスフィンスルフィド、特公平2−9596号公報に記載のアシルホスフィン、特公昭63−61950号公報に記載のチオキサントン類、特公昭59−42864号公報に記載のクマリン類等を挙げることができる。また、特開2008−105379号公報、特開2009−114290号公報に記載の重合開始剤も好ましい。また、加藤清視著「紫外線硬化システム」(株式会社総合技術センター発行:平成元年)の第65〜148頁に記載されている重合開始剤などを挙げることができる。
重合開始剤としては、水溶性の重合開始剤が好ましい。
ここで、重合開始剤が水溶性であることは、25℃において蒸留水に0.1質量%以上溶解することを意味する。水溶性の重合開始剤は、25℃において蒸留水に1質量%以上溶解することが更に好ましく、3質量%以上溶解することが特に好ましい。
本発明において、重合開始剤の含有量は、イオン交換膜形成用組成物中の全固形分に対し、0.1〜10質量%であることが好ましく、0.1〜5質量%であることがより好ましく、0.3〜2質量%であることが更に好ましい。
<<重合禁止剤>>
上記イオン交換膜形成用組成物は、重合禁止剤を含むことが好ましい。
重合禁止剤としては、任意の重合禁止剤が使用でき、上述した重合禁止剤が好ましく挙げられる。
なお、これらの重合禁止剤は、1種単独でも、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
重合禁止剤の含有量は、イオン交換膜形成用組成物中の全固形分に対し、0.01〜5質量%であることが好ましく、0.01〜1質量%であることがより好ましく、0.01〜0.5質量%であることが更に好ましい。
<<溶媒>>
イオン交換膜形成用組成物は、溶媒を含んでいてもよい。
イオン交換膜形成用組成物中の溶媒の含有量は、組成物の全質量に対し、1〜60質量%であることが好ましく、5〜50質量%であることがより好ましく、10〜40質量%であることが更に好ましい。
溶媒を含むことで、硬化(重合)反応が、均一にしかもスムーズに進行する。また、多孔質支持体へ上記イオン交換膜形成用組成物の含浸させる場合に含浸がスムーズに進行する。
溶媒は、水、又は、水と水に対する溶解度が5質量%以上の溶媒の混合液が好ましく用いられる。また、上記溶媒としては、水に対して自由に混合するものが好ましい。このため、水及び水溶性溶媒から選択される溶媒が好ましい。
水溶性溶媒としては、特に、アルコール系溶媒、非プロトン性極性溶媒であるエーテル系溶媒、アミド系溶媒、ケトン系溶媒、スルホキシド系溶媒、スルホン系溶媒、ニトリル系溶媒、有機リン系溶媒が好ましい。
アルコール系溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどが挙げられる。これらは1種類単独又は2種類以上を併用して用いることができる。
また、非プロトン性極性溶媒としては、ジメチルスルホキシド、ジメチルイミダゾリジノン、スルホラン、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、アセトン、ジオキサン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルアミド、ヘキサメチルホスホロトリアミド、ピリジン、プロピオニトリル、ブタノン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、エチレングリコールジアセテート、γ−ブチロラクトン等が好ましい溶媒として挙げられる。中でも、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルイミダゾリジノン、スルホラン、アセトンまたはアセトニトリル、テトラヒドロフランが好ましい。これらは1種類単独又は2種類以上を併用して用いることができる。
<<触媒>>
イオン交換膜形成用組成物は、使用する重合性化合物の溶解性の向上及び/又は重合速度の向上等の観点から、触媒を含有することが好ましい。
触媒としては、アルカリ金属化合物が好ましく挙げられる。
アルカリ金属化合物としては、リチウム、ナトリウム、カリウムの水酸化物塩、塩化物塩、硝酸塩等が好ましい。中でも、リチウム化合物がより好ましい。
リチウム化合物の具体例としては、水酸化リチウム、塩化リチウム、臭化リチウム、硝酸リチウム、ヨウ化リチウム、リチウム塩素酸塩、チオシアン酸リチウム、過塩素酸リチウム、リチウム・テトラフルオロボラート、リチウム・ヘキサフルオロホスファート、及び、リチウム・ヘキサフルオロアルセナートが挙げられる。
また、上記アルカリ金属化合物は、イオン交換膜形成用組成物を中和するために使用することも好ましい。
これらのアルカリ金属化合物は、水和物であってもよい。
また、触媒は、1種単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
触媒の添加量は、イオン交換膜形成用組成物の全固形分に対し、0.1〜35質量%が好ましく、1〜30質量部がより好ましく、5〜30質量部が更に好ましい。
イオン交換膜形成用組成物は、必要により、例えば、界面活性剤、粘度向上剤、表面張力調整剤、及び/又は、防腐剤を含有してもよい。
(高分子機能性膜の製造方法)
本発明の高分子機能性膜の製造方法は、特に制限はないが、アクリル樹脂及び/若しくは上記式CL−1で表される構成単位を有する樹脂を含む陰イオン交換膜、又は、アクリル樹脂を含む陽イオン交換膜にアミン含有水溶液を含浸させるか又は塗布するアミン処理工程、並びに、アミン含有水溶液を含浸させるか又は塗布したイオン交換膜にカルボン酸塩化物含有溶液を含浸させるか又は塗布し重縮合反応によりポリアミド樹脂を含む表面層を形成する表面層形成工程をこの順で含むことが好ましい。
<アミン処理工程>
本発明の高分子機能性膜の製造方法は、アクリル樹脂及び/若しくは上記式CL−1で表される構成単位を有する樹脂を含む陰イオン交換膜、又は、アクリル樹脂を含む陽イオン交換膜にアミン含有水溶液を含浸させるか又は塗布するアミン処理工程を含むことが好ましい。
アミン含有水溶液におけるアミン化合物としては、上述した表面層におけるポリアミド樹脂形成に用いるアミン化合物が好ましく挙げられる。
アミン含有水溶液中のアミン化合物の含有量としては、アミン化合物の水溶性にも依存するが、水溶液の全質量に対し、0.1〜20質量%であることが好ましく、0.1〜10質量%であることがより好ましく、0.1〜5質量%であることが更に好ましい。
使用する水としては、特に制限はないが、純水やイオン交換水が好ましく挙げられる。
陰イオン交換膜、又は、陽イオン交換膜にアミン含有水溶液を含浸させる場合、含浸時の液温は、0℃〜40℃であることが好ましく、10℃〜35℃であることがより好ましい。
また、含浸後、必要に応じて、余分なアミン含有水溶液を除去する工程を含んでいてもよい。除去する方法としては、特に制限はなく、ゴムローラーやエアブロー、拭き取り等、公知の方法により除去することができる。
また、陰イオン交換膜、又は、陽イオン交換膜にアミン含有水溶液を含浸させる又は塗布する場合、その後、必要に応じて、余剰な水分を除去する工程を含んでいてもよい。水分の除去方法としては、特に制限はなく、公知の方法により除去することができる。
アミン処理工程に用いる陰イオン交換膜、又は、陽イオン交換膜は、公知の方法、又は、公知の方法を参照して作製すればよい。
陰イオン交換膜、又は、陽イオン交換膜の好ましい態様は、上述した通りである。
陰イオン交換膜、又は、陽イオン交換膜は、多孔質支持体に上記イオン交換膜形成用組成物を含浸又は塗布し重合硬化反応により形成することが好ましい。
具体的には例えば、仮支持体(硬化反応終了後、膜から剥がされる。)を用いて調製することができる。ただし、本発明では、高分子機能性膜の一部となる多孔質支持体を使用することから、イオン交換膜は仮支持体を使用せずに、この多孔質支持体を用いて調製することが好ましい。
また、イオン交換膜は、固定された支持体を用いてバッチ式(バッチ方式)で調製することも、移動する支持体を用いて連続式(連続方式)で調製することもできる。
なお、仮支持体を使用する場合、この仮支持体は、物質透過を考慮する必要がなく、例えば、アルミ板等の金属板を含め、膜形成のために固定できるものであれば、どのようなものでも構わない。
イオン交換膜形成用組成物は、上述したものを好適に用いることができる。
イオン交換膜形成用組成物は、種々の方法、例えば、カーテンコーティング、押し出しコーティング、エアナイフコーティング、スライドコーティング、ニップロールコーティング、フォワードロールコーティング、リバースロールコーティング、浸漬コーティング、キスコーティング、ロッドバーコーティング若しくは噴霧コーティングにより、多孔質支持体に塗布又は含浸することができる。複数の層の塗布は、同時又は連続して行うことができる。同時重層塗布するには、カーテンコーティング、スライドコーティング、スロットダイコーティング及び押し出しコーティングが好ましい。
イオン交換膜の連続方式での製造は、イオン交換膜形成用組成物を、移動している支持体に連続的に製造することが好ましく、イオン交換膜形成用組成物塗布部と、イオン交換膜形成用組成物を重合硬化するための照射源と、形成された膜を収集する膜巻取り部と、支持体をイオン交換膜形成用組成物塗布部から照射源及び膜巻取り部に移動させるための手段とを含む製造ユニットにより製造することがより好ましい。
イオン交換膜の製造方法としては、イオン交換膜形成用組成物を多孔質支持体に塗布又は含浸する工程、並びに、塗布又は含浸させたイオン交換膜形成用組成物を光照射、必要な場合、これに加えて更に加熱により重合硬化反応させる工程を含む方法であることが好ましい。
製造ユニットでは、イオン交換膜形成用組成物塗布部は照射源に対し上流の位置に設け、照射源は収集部に対し上流の位置に置かれる。
高速塗布機で塗布する際に十分な流動性を有するために、イオン交換膜形成用組成物の35℃での粘度は、4,000mPa・s未満が好ましく、1〜1,000mPa・sがより好ましく、1〜500mPa.sが更に好ましい。スライドビードコーティングの場合に35℃での粘度は、1〜100mPa・sが好ましい。
高速塗布機では、イオン交換膜形成用組成物を、15m/分を超える速度で、移動する支持体に塗布することができ、20m/分を超える速度で塗布することもできる。
特に機械的強度を高めるために支持体を使用する場合、イオン交換膜形成用組成物を支持体の表面に塗布する前に、この支持体を、例えば、支持体の湿潤性及び付着力を改善するために、コロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理、紫外線照射処理などに付してもよい。
イオン交換膜形成用組成物の重合硬化は、イオン交換膜形成用組成物を支持体に塗布又は含浸して、好ましくは60秒以内、より好ましくは15秒以内、特に5秒以内、最も好ましくは3秒以内に開始する。
重合硬化の光照射は、好ましくは10秒未満、より好ましくは5秒未満、特に好ましくは3秒未満、最も好ましくは2秒未満である。連続法では照射を連続的に行い、イオン交換膜形成用組成物が照射ビームを通過して移動する速度を考慮して、重合硬化反応時間を決める。
強度の高い紫外線(UV光)を重合硬化反応に用いる場合、かなりの量の熱が発生するため、過熱を防ぐために、光源のランプおよび/または支持体/膜を冷却用空気などで冷却することが好ましい。著しい線量の赤外線(IR光)がUVビームと一緒に照射される場合、IR反射性石英プレートをフィルターにしてUV光を照射する。
エネルギー線は、紫外線が好ましい。照射波長は、イオン交換膜形成用組成物中に包含される任意の光重合開始剤の吸収波長と波長が適合することが好ましく、例えばUV−A(400〜320nm)、UV−B(320〜280nm)、UV−C(280〜200nm)である。
紫外線源は、水銀アーク灯、炭素アーク灯、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、旋回流プラズマアーク灯、金属ハロゲン化物灯、キセノン灯、タングステン灯、ハロゲン灯、レーザー及び紫外線発光ダイオードである。中圧又は高圧水銀蒸気タイプの紫外線発光ランプが好ましい。これに加えて、ランプの発光スペクトルを改変するために、金属ハロゲン化物などの添加剤が存在していてもよい。200〜450nmに発光極大を有するランプがとりわけ適している。
照射源のエネルギー出力は、好ましくは20〜1,000W/cm、より好ましくは40〜500W/cmであるが、所望の暴露線量を実現することができるならば、これより高くても低くても構わない。暴露強度により、膜の重合硬化を調整する。暴露線量は、High Energy UV Radiometer(EIT−Instrument Markets製のUV Power PuckTM)により、装置で示されたUV−A範囲で測定して、好ましくは少なくとも40mJ/cm以上、より好ましくは100〜2,000mJ/cm、もっとも好ましくは150〜1,500mJ/cmである。暴露時間は自由に選ぶことができるが、短いことが好ましく、最も好ましくは2秒未満である。
なお、塗布速度が速い場合、必要な暴露線量を得るために、複数の光源を使用しても構わない。この場合、複数の光源は暴露強度が同じでも異なってもよい。
<表面層形成工程>
本発明の高分子機能性膜の製造方法は、上記アミン処理工程の後、アミン含有水溶液を含浸させるか又は塗布したイオン交換膜にカルボン酸塩化物含有溶液を含浸させるか又は塗布し重縮合反応によりポリアミド樹脂を含む表面層を形成する表面層形成工程を含むことが好ましい。
カルボン酸塩化物含有溶液におけるカルボン酸塩化物としては、上述した表面層におけるポリアミド樹脂形成に用いるカルボン酸塩化物が好ましく挙げられる。
カルボン酸塩化物含有溶液における溶媒としては、炭化水素系溶媒であることが好ましく、脂肪族炭化水素系溶媒であることがより好ましく、炭素数5〜8の脂肪族飽和炭化水素であることが更に好ましく、ヘプタン及び/又はヘキサンであることが特に好ましい。
上記溶媒は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
カルボン酸塩化物含有溶液中のカルボン酸塩化物の含有量としては、カルボン酸塩化物の溶媒への溶解性にも依存するが、溶液の全質量に対し、0.01〜5質量%であることが好ましく、0.02〜1質量%であることがより好ましく、0.05〜0.5質量%であることが更に好ましい。
アミン含有水溶液を含浸させるか又は塗布したイオン交換膜にカルボン酸塩化物含有溶液を含浸させる場合、含浸時の液温は、0℃〜40℃であることが好ましく、10℃〜35℃であることがより好ましい。
また、アミン含有水溶液を含浸させるか又は塗布したイオン交換膜にカルボン酸塩化物含有溶液を含浸させる又は塗布する場合、その後、必要に応じて、溶媒を除去する工程を含んでいてもよい。溶媒の除去方法としては、特に制限はなく、公知の方法により除去することができる。
また、イオン交換膜と表面層との密着性を向上させるために、上記アミン処理工程の前に、イオン交換膜の表面をサンドペーパー等で粗面化する、あるいはコロナ、プラズマ処理等を施す工程を含んでいてもよい。
また、本発明の高分子機能性膜の製造方法は、必要に応じて、上記工程以外に、任意の公知の工程を含んでいてもよい。
<高分子機能性膜の用途>
本発明の高分子機能性膜は、特にイオン交換で使用することを主として意図している。しかしながら、本発明の高分子機能性膜は、イオン交換に限定されるものではなく、逆浸透及びガス分離にも好適に用いることができると考えられる。
本発明の高分子機能性膜は、上述のように、一価のイオンのみ選択的に透過させるイオン交換膜として有用であり、電気脱塩、連続的な電気脱塩、電気透析、極性転換方式電気透析、逆電気透析等に使用することができ、しかも一般用途だけでなく、医療用途にも使用することができ、最近では固体高分子電解質型燃料電池にも使用できる。
(積層体、及び、装置)
本発明の積層体(「スタック」ともいう。)は、本発明の高分子機能性膜を備えた積層体であり、一対の電極間に、陰イオン交換膜と陽イオン交換膜とが交互に配置されたモジュールであり、上記陰イオン交換膜及び/又は陽イオン交換膜として、本発明の高分子機能性膜を少なくとも備えたものであることが好ましい。
本発明の装置は、本発明の高分子機能性膜を備えた装置であり、上記用途に用いられる装置であることが好ましい。
また、本発明の積層体及び本発明の装置において、電極対を使用し、かつ本発明の第1の実施態様の高分子機能性膜を用いる場合、本発明の第1の実施態様の高分子機能性膜における表面層が少なくとも陰極側になるよう設けることが好ましい。また、電極対を使用し、かつ本発明の第2の実施態様の高分子機能性膜を用いる場合、本発明の第2の実施態様の高分子機能性膜における表面層が少なくとも陽極側になるよう設けることが好ましい。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」、「%」は質量基準である。
<イオン交換膜形成用組成物の塗布液の調液>
下記表1に示す組成(単位:質量部)で、陰イオン交換膜形成用組成物a−1〜a−5と陽イオン交換膜形成用組成物c−1及びc−2とをそれぞれ調液した。
なお、表1中の「−」は含有しないことを表す。
Figure 2016137434
<表1における略称の説明>
・モノマー
DMAPAA−Q:ジメチルアミノプロピルアクリルアミド塩化メチル4級塩(塩化3−アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム)((株)興人製)
VBTMAC:ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリド(商品名:(ビニルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド、シグマ・アルドリッチ社製)
AMPS(登録商標):2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(Lubrizol社製)
・架橋剤
MBA:メチレンビスアクリルアミド(東京化成工業(株)製)
SR−259:ポリエチレングリコール200ジアクリレート(サートマー社製)
重合性化合物1〜4:下記表2に記載の右側に示す構造の化合物、下記表2に記載のスキームによりそれぞれ合成した。
・光重合開始剤
Darocur(登録商標) 1173:商品名、BASF・ジャパン(株)製
・重合禁止剤
MEHQ:モノメチルエーテルハイドロキノン(シグマ・アルドリッチ社製)
Genorad16:商品名、Rahn AG社製
・触媒
LiNO:硝酸リチウム(Chemetall社製)
LiOH・HO:水酸化リチウム一水和物(Chemetall社製)
・中和剤:水酸化ナトリウム(東京化成工業(株)製)
・溶媒
IPA:イソプロピルアルコール(和光純薬工業(株)製)
・不織布
FO−2223−10:Freudenberg社製、厚さ100μm、ポリプロピレン/ポリエチレン
FO−2226−14:Freudenberg社製、厚さ160μm、ポリプロピレン/ポリエチレン
Figure 2016137434
Figure 2016137434
<表面層形成用組成物の調液>
下記表3に示す組成(単位:質量部)で、各表面層形成用組成物(アミン水溶液と酸塩化物溶液とのセット)をそれぞれ調液した。
なお、表3中の「−」は含有しないことを表す。
Figure 2016137434
<表3における略称の説明>
EDA:エチレンジアミン(東京化成工業(株)製)
TMC:トリメシン酸クロライド(1,3,5−ベンゼントリカルボニルトリクロリド、シグマ・アルドリッチ社製)
イソフタロイルジクロリド:(東京化成工業(株)製)
(実施例1)
組成物A−1をアルミ板に、150μmのワイヤ巻き棒を用いて、手動で約5m/分の速さで塗布し、続いて、不織布(Freudenberg社製FO−2223−10、厚さ100μm)に組成物a−1を含浸させた。ワイヤを巻いていないロッドを用いて余分な組成物a−1を除去した。塗布時の組成物a−1の温度は約25℃(室温)であった。UV露光機(Fusion UV Systems社製、型式Light Hammer 10、D−バルブ、コンベア速度9.5m/分、100%強度)を用いて、組成物a−1含浸不織布を重合硬化反応することにより、組成物a−1を硬化させ、陰イオン交換膜を形成した。露光量は、UV−A領域にて1,000mJ/cmであった。これをアルミ板から取り外し、0.1M NaCl溶液中で少なくとも12時間保存し、不織布に担持された厚さ135μmの陰イオン交換膜a−1を作製した。
イオン交換膜a−1を、表3に記載のSL−1のアミン水溶液に1分間浸漬した後、膜を取り出して表面の余剰なアミン水溶液を拭き取った。その後、表3に記載のSL−1の酸塩化物溶液に1分間浸漬することで、重合反応によりポリアミド樹脂からなる表面層をイオン交換膜a−1の両面にそれぞれ形成し、実施例1の高分子機能性膜を得た。
なお、形成した各表面層の厚みは、走査型電子顕微鏡(SEM)によって観察したところ、約200nmであった。
(実施例2〜8、及び、比較例1〜4)
下記表4のように、イオン交換膜、表面層を形成する組成物及び/又は不織布を変更して層の厚さを変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜8、及び、比較例1〜4の高分子機能性膜をそれぞれ作製した。
AMX:(株)アストム製ネオセプタ標準膜AMXを使用した。なお、比較例3では、イオン交換膜をAMXに変更した以外は、実施例1と同様にして比較例3で使用する膜を作製した。
ACS:(株)アストム製ネオセプタ特殊膜ACSを比較例4ではそのまま使用した。
(実施例9)
イオン交換膜a−1を、表3に記載のSL−1のアミン水溶液に1分間浸漬した後、膜を取り出して表面の余剰なアミン水溶液を拭き取った。その後、表3に記載のSL−1の酸塩化物溶液をイオン交換膜a−1の一方のみの面に塗布することで、重合反応により表面層をイオン交換膜a−1の片面上に形成し、実施例9の高分子機能性膜を得た。
実施例1〜9、及び、比較例1〜4の高分子機能性膜について、下記項目を評価した。得られた結果をまとめて下記表4に示す。
<膜厚>
測定するイオン交換膜や表面層をそれぞれ設けた段階で、これらを設ける前の状態の試料と設けた後の試料を作製し、これらを、温度25℃の0.1M NaCl水溶液に12時間浸漬させた後、膜を取り出し、表面の水を拭き取った上で、各試料全体の膜厚をマイクロメーターにより測定を行った。設ける前と設けた後の膜厚の差から、設けた層の膜厚を求めた。
<アミン溶液とイオン交換膜とのヌレ性>
イオン交換膜をキムタオルに挟み、表面上の水気を除去した後、水平に置く。この膜上に表3にしたがって調整した表面層形成用のアミン溶液を滴下した際のアミン溶液の広がり具合をヌレ性とし、目視により評価した。
この際、アミン溶液が膜状によく広がった場合をA、広がりが若干観察されたものをB、ほとんど広がりが観察されなかったものをCとして評価を行った。
<膜の電気抵抗ER(Ω・cm)>
約2時間、0.5M NaCl水溶液中に浸漬した膜の両面を乾燥ろ紙で拭い、2室型セル(有効膜面積1cm、電極にはAg/AgCl参照電極(Metrohm社製)を使用)に挟んだ。両室に同一濃度のNaCl水溶液を100mL満たし、25℃の恒温水槽中に置いて平衡に達するまで放置し、セル中の液温が正しく25℃になってから、交流ブリッジ(周波数1,000Hz)により電気抵抗rを測定した。次に膜を取り除き、0.5M NaCl水溶液のみとして両極間の電気抵抗rを測り、膜の電気抵抗rをr−rとして求めた。これを膜の電気抵抗ER(0.5M NaCl)とした。
なお、下記表4において、膜の電気抵抗ERを省略して「ER」と記載した。
<塩漏れ率(ml/m/Pa/hr)>
膜の塩漏れ率を図1に示す流路10を有する装置により測定した。図1において、符号1は膜を表し、符号3及び4は、それぞれ、フィード溶液(純水)及びドロー溶液(3M NaCl)の流路を表す。また、符号2の矢印はフィード溶液から分離された水の流れを示表す。
フィード溶液400mLとドロー溶液400mLとを、膜を介して接触させ(膜接触面積18cm)、各液はペリスタポンプを用いて符号5の矢印の向きに流速8cm/秒で流した。
上記装置を用いた測定法にて、測定後のフィード溶液の電気伝導度を測定し、NaClの濃度を算出した。このNaCl濃度から塩漏れ率(NaClの透過速度)を算出した。
塩漏れ率は、電気伝導度から算出されるNaClの量(モル数)を単位時間当たり、単位面積当たり、単位浸透圧当たりに換算した値として定義される。
<イオン選択透過性評価(電気透析):陰イオン交換膜>
マイクロアシライザーS1用カートリッジ「AC−220」(商品名、(株)アストム製)を固定できるカートリッジホルダーを用い、電気透析評価を行った。電極として、陽極は0.2μmの白金メッキを施したチタン、陰極側は白金を使用した。
0.05M NaCl水溶液、0.05M NaNO水溶液及び0.025M NaSO水溶液を等容積ずつ混合した液を使用した。得られた混合溶液に十分に浸漬させた評価対象のイオン交換膜を、陽極側から陽イオン交換膜((株)アストム製CMXを使用した。)、陰イオン交換膜(実施例及び比較例で作製した高分子機能性膜を使用した。)、同陽イオン交換膜の順でスペーサーを挟みながら交互に積層し、カートリッジに収めた。
電極液は、0.5Mの硫酸ナトリウム水溶液を50mL、電気透析用の濃縮側及び希釈側の液は上記混合溶液をそれぞれ20mLとし、それぞれを6mL/分の流量で循環させながら電気透析処理を行った。処理電流は30mAの一定電流となるように電圧を制御した。
所定時間(30分)電気透析を行い、希釈側の溶液をイオンクロマトグラフィーにより、NO 及びSO 2−のイオン濃度Cを定量し、初期濃度Ci,0と比較することで脱塩率を算出した。NO とSO 2−との脱塩率の比をイオン選択透過性とした。
なお、実施例7の表面層を片面に形成した膜は、表面層形成面を陰極側へ向けた条件で評価を行った。
Figure 2016137434
<イオン選択透過性評価(電気透析):陽イオン交換膜>
マイクロアシライザーS1用カートリッジ「AC−220」(商品名、(株)アストム製)を固定できるカートリッジホルダーを用い、電気透析評価を行った。電極として、陽極は0.2μmの白金メッキを施したチタン、陰極側は白金を使用した。
0.05M NaCl水溶液及び0.025M MgCl水溶液を等容積ずつ混合した液を使用した。得られた混合溶液に十分に浸漬させた評価対象のイオン交換膜を、陽極側から陰イオン交換膜((株)アストム製AMXを使用した。)、陰イオン交換膜(実施例で作製した高分子機能性膜を使用した。)、同陰イオン交換膜の順でスペーサーを挟みながら交互に積層し、カートリッジに収めた。
電極液は、0.5Mの硫酸ナトリウム水溶液を50mL、電気透析用の濃縮側及び希釈側の液は上記混合溶液をそれぞれ20mLとし、それぞれを6mL/分の流量で循環させながら電気透析処理を行った。処理電流は30mAの一定電流となるように電圧を制御した。
所定時間(30分)電気透析を行い、希釈側の溶液をイオンクロマトグラフィーにより、Na及びMg2+のイオン濃度を定量し、初期濃度と比較することで脱塩率を算出した。脱塩率の比をイオン選択透過性とした。
Figure 2016137434
1:膜
2:フィード溶液中の水が膜を介してドロー溶液に浸透することを示す矢印
3:フィード溶液の流路
4:ドロー溶液の流路
5:液体の進行方向
10:塩漏れ率測定装置の流路

Claims (14)

  1. アクリル樹脂及び/又は下記式CL−1で表される構成単位を有する樹脂を含む陰イオン交換膜上に、
    架橋構造を有するポリアミド樹脂を含む表面層を有することを特徴とする
    高分子機能性膜。
    Figure 2016137434
    式CL−1中、L及びLはそれぞれ独立に、アルキレン基又はアルケニレン基を表し、R及びRはそれぞれ独立に、アルキル基又はアリール基を表し、RとRとが互いに結合して環を形成してもよく、n1及びn2はそれぞれ独立に、1〜3の整数を表し、X 及びX はそれぞれ独立に、有機又は無機のアニオンを表す。
  2. 前記陰イオン交換膜における前記アクリル樹脂及び/又は前記式CL−1で表される構成単位を有する樹脂が、下記式IAで表される構成単位を有する、請求項1に記載の高分子機能性膜。
    Figure 2016137434
    式IA中、RA1は水素原子又はアルキル基を表し、RA2〜RA4はそれぞれ独立に、アルキル基又はアリール基を表し、RA2〜RA4のうち2つ以上が互いに結合して環を形成してもよく、ZA1は−O−又は−N(R)−を表し、Rは水素原子又はアルキル基を表し、LA1はアルキレン基を表し、XA1−はハロゲン化物イオン又は脂肪族若しくは芳香族カルボン酸イオンを表す。
  3. 前記陰イオン交換膜における前記アクリル樹脂及び/又は前記式CL−1で表される構成単位を有する樹脂が、下記式ICLで表される構成単位を有する、請求項2に記載の高分子機能性膜。
    Figure 2016137434
    式ICL中、RCL1は水素原子又はアルキル基を表し、ZCL1及びZCL2はそれぞれ独立に、−O−又は−N(R)−を表し、Rは水素原子又はアルキル基を表し、LCL1は(p1+1)価の炭素数2以上の連結基を表し、p1は1以上の整数を表す。
  4. 前記陰イオン交換膜における前記アクリル樹脂及び/又は前記式CL−1で表される構成単位を有する樹脂が、下記式ICL−2で表される構成単位を有する、請求項2に記載の高分子機能性膜。
    Figure 2016137434
    式ICL−2中、RA’1及びRA’2はそれぞれ独立に、水素原子又はアルキル基を表し、RA’3〜RA’6はそれぞれ独立に、アルキル基又はアリール基を表し、ZA’1及びZA’2はそれぞれ独立に、−O−又は−NRa−を表し、Raは水素原子又はアルキル基を表し、LA’1及びLA’2はそれぞれ独立に、アルキレン基を表し、Rはアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、−O−又はこれらが組み合わされた二価の連結基を表し、XA’1及びXA’2はそれぞれ独立に、ハロゲン化物イオン又は脂肪族若しくは芳香族カルボン酸イオンを表す。
  5. 前記陰イオン交換膜が、前記式CL−1で表される構成単位を有する、請求項1に記載の高分子機能性膜。
  6. アクリル樹脂を含む陽イオン交換膜上に、
    架橋構造を有するポリアミド樹脂を含む表面層を有することを特徴とする
    高分子機能性膜。
  7. 前記陽イオン交換膜における前記アクリル樹脂が、下記式ICで表される構成単位を有する、請求項6に記載の高分子機能性膜。
    Figure 2016137434
    式IC中、RC1は水素原子又はアルキル基を表し、LC1はアルキレン基又はアリーレン基を表し、XC1+は無機又は有機のカチオンを表す。
  8. 前記陽イオン交換膜が、下記式ICLで表される構成単位を有する、請求項6又は7に記載の高分子機能性膜。
    Figure 2016137434
    式ICL中、RCL1は水素原子又はアルキル基を表し、ZCL1及びZCL2はそれぞれ独立に、−O−又は−N(R)−を表し、Rは水素原子又はアルキル基を表し、LCL1は(p1+1)価の炭素数2以上の連結基を表し、p1は1以上の整数を表す。
  9. 前記陽イオン交換膜が、下記式ICL-3で表される構成単位を有する、請求項6又は7に記載の高分子機能性膜。
    Figure 2016137434
    式ICL−3中、RB1及びRB2はそれぞれ独立に、水素原子又はアルキル基を表し、RB3〜RB6はそれぞれ独立に、置換基を表し、k1〜k4はそれぞれ独立に、0〜4の整数を表し、RB3〜RB6の少なくともいずれか複数存在する場合、RB3〜RB6は、それぞれ互いに同一でも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成してもよく、A〜Aはそれぞれ独立に、単結合又は二価の連結基を表し、Mは水素原子、有機塩基イオン又は金属イオンを表し、nb1及びnb2はそれぞれ独立に、1〜4の整数を表し、mb1及びmb2は0又は1を表し、Jは単結合、−O−、−S−、−SO−、−CO−、−CRB7B8−又はアルケニレン基を表し、RB7及びRB8はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はハロゲン原子を表し、pは1以上の整数を表し、qは1〜4以上の整数を表す。
  10. 前記ポリアミド樹脂が、脂肪族ジアミンと、二価及び/又は三価の芳香族カルボン酸塩化物との重縮合反応からなるポリアミド樹脂である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の高分子機能性膜。
  11. 前記表面層の厚みが、1nm以上10μm以下である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の高分子機能性膜。
  12. アクリル樹脂及び/若しくは前記式CL−1で表される構成単位を有する樹脂を含む陰イオン交換膜、又は、アクリル樹脂を含む陽イオン交換膜にアミン含有水溶液を含浸させるか又は塗布するアミン処理工程、並びに、
    アミン含有水溶液を含浸させるか又は塗布したイオン交換膜にカルボン酸塩化物含有溶液を含浸させるか又は塗布し重縮合反応によりポリアミド樹脂を含む表面層を形成する表面層形成工程をこの順で含む、
    請求項1〜11のいずれか1項に記載の高分子機能性膜の製造方法。
  13. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の高分子機能性膜を備えた積層体。
  14. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の高分子機能性膜を備えた装置。
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CN114713295A (zh) * 2022-04-22 2022-07-08 河北工业大学 一种单价选择性阳离子交换膜及其制备方法与应用

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