JP2016131718A - インソールの製造方法およびインソール - Google Patents

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Abstract

【課題】足裏の形状に腑形され、柔軟で伸びに優れ、足裏への追随性に優れたインソールを簡便な方法で迅速に製造する。【解決手段】軟質フィルム(A)を含む部材の中に光硬化性樹脂組成物(B)をあらかじめ封入し、軟質フィルムに足裏を押し付けることで足裏に追従した形状を形成させ、光を照射して光硬化性樹脂組成物(B)を硬化させることにより、人体の足裏の形状に賦形したインソールを製造する方法であり、該光硬化性樹脂組成物(B)が、光架橋性基を一分子中に平均して0.9〜2.5個有する光硬化性樹脂(I)と光開始剤(II)を含む。【選択図】なし

Description

本発明は、インソールの製造方法およびインソールに関する。より詳しくは、軟質フィルム(A)を含む部材の中に光硬化性樹脂組成物(B)をあらかじめ封入し、軟質フィルムに足裏を押し付けることで足裏に追従した形状を形成させ、光を照射して光硬化性樹脂組成物(B)を硬化させることにより、人体の足裏の形状に賦形したインソールを製造する方法およびインソールに関する。
靴を履く場合、インソール(靴の中敷)を使用することは一般的であり、靴底が硬かったり、靴が大きすぎたり、その他に脱臭用や通気性の確保等を目的としてインソールが用いられている。特にスポーツシューズでは、足裏に掛かる負荷を和らげたり、歩行・運動時の衝撃を緩和するために予めインソールを装着した状態で販売されている。一方、婦人靴や紳士靴では予めインソールが装着された状態で販売されることはまれであり、各個人が大きさや形状・硬さ・効果などを考慮して市販のインソールを買い求めて装着することが一般的である。
しかしながら、個人の足裏は千差万別であり、既成の市販インソールでは各個人の足裏の形状に合致しないことがあるため、返って歩行しにくかったり足を痛めたりするといった不具合が生じることがある。インソールを足の形状に合わせて成型すると足裏全体に負荷が分散し、疲れにくかったり、痛みを生じにくいことが知られているが、従来の靴の製造方法を応用して個人の足に合致したインソールを作るとすれば、各個人の足型が必要であって、時間と手間と費用が大きく掛かることになる。さらに、従来のインソール用材料は、それぞれ硬化や成型に加熱が必要であったり、求める形状を得るために金型などが必要であるため、材料の提供方法としてはあらかじめ一定の形に成形されたものが供給されるか、あるいはシート状で供給されるものを切り抜きや打ち抜き加工等で求める形のものとしたり、さらにそれらの部材を複数組み合わせて足裏形状に類似した形状とすることが一般的である。これらの方法では、所望の形ごとに金型や打ち抜き刃を作製する必要があるため、経済的にも不利であり、作製に時間を要するといった課題があり、また、使用者が望む形のものを簡便にまた迅速に得ることは困難であった。
これらの課題を解決するために、例えば、特許文献1には、高分子粘弾性体上で足裏型を形成し、この型に液状硬化樹脂を流し込んで第二型を作製し、さらにその第二型に合わせたインソールを製造することにより、各個人の足の形状に追随したインソールを製造する方法が開示されている。
特許文献2には、あらかじめ二液硬化性樹脂が分離した状態で内包されたパッドを用い、パッド内で両者を混合し、反応硬化させながら人体や物に押し当て、形状に添って変形保持させるサポートパッドが開示されている。
特許文献3にも同様に、柔軟なシート材に二液混合シリコーン樹脂を封入して土踏まず部のインソールを製造する方法が開示されている。
特許文献4には、シリコーン樹脂をラップフィルムで覆い、その上から足を乗せて硬化させ、足裏にフィットしたインソールを製造する方法が開示されている。
特許文献5には、連結した袋体に硬化原料を封入し、所望の部分に合わせて硬化させるギブスについて開示されており、用法の一例として、硬化原料に紫外線硬化型のアクリル樹脂を注入し、身体に押し付けて紫外線を照射し、所望の形態に腑形するという方法が記載されている。
特許文献6には、ゲル袋内で水系UV硬化樹脂を硬化させるゲルマットの製造方法が開示されている。
特開平7−314582号公報 特開2007−260189号公報 特開2011−19788号公報 特開2005−198921号公報 特開平9−241953号公報 特開2012−210408号公報
特許文献1の方法は作業が煩雑であり、そのため費用も時間も労力も多くを必要とし実用性が低いものであった。
特許文献2の方法では混合が不十分で十分に硬化しない場合があり、また、混合後の硬化が早ければ適切な位置を考慮している間に硬化してしまい、また硬化が遅い場合は未硬化のパッドを長時間押し当てている必要があり、押し当てられた人は長時間同じ姿勢を続ける必要があるという苦痛を感じたり、硬化前に位置がずれてしまい適切な形状が形成できないという不具合があった。
特許文献3の方法でも、このように反応硬化型のものを用いる場合には上記と同様、硬化時間に関する課題や混合不良といった課題が常に付きまとっている。
特許文献4の方法では、シリコーン樹脂が硬化するまでに長時間待たなければならなかったり、シリコーン樹脂によっては十分な柔軟性や強度が得られず、返って足を痛める原因になる場合がある。
特許文献5の方法では、アクリル樹脂を封入するための袋体は、複雑な構造をしていることから経済的には不利である。また、このような紫外線硬化型のアクリル樹脂としてどのようなものが好適であるかは記載されておらず、従来知られている紫外線硬化型アクリル樹脂は、硬化に伴う発熱(硬化熱)も大きいため、実際に人体に接触させた場合には硬化に伴い、火傷が生じる可能性があったり、硬化した樹脂は一般的に非常に硬く、ギブスには使用可能であっても一般的な歩行・運動に使用する靴用のインソールとしての使用は困難である。また、記載の紫外線硬化型アクリル樹脂は硬化むらが生じるために2mm以上の厚みのものが製造できないが、人体の足裏と靴内底の間には土踏まず部に2mm以上の空間が生じることが一般的であるから、このような方法をインソールに適用することは困難であった。
特許文献6の方法では、一定の形状のゲルマットを製造することは可能であるが、さまざまな形状のゲルマットや各個人の身体形状に追随したものを製造することは不可能である。
このように、従来の方法では、足裏に追従した形状を簡便に腑形させたインソールを得ることが困難であり、紫外線硬化型の樹脂を用いて硬化物を得る場合でも、硬化物が硬いために何かを支えるためには使用できても、柔軟で歩行・運動を妨げず動作に対する追随性・衝撃緩衝性に優れるインソールを製造することは困難である上、足裏全体の形状に追随するようなインソールを得ることも困難であった。
本発明は、足裏に追従した形状に賦形したインソールを製造することを目的とする。
上記事情に鑑み、本発明者が足裏に追従した形状への腑形方法について鋭意検討した結果、前記課題を解決できる事を見出し、本発明を得るに至った。
すなわち本発明は、軟質フィルム(A)を含む部材の中に光硬化性樹脂組成物(B)をあらかじめ封入し、軟質フィルムを足裏に押し付けた状態で光を照射して光硬化性樹脂組成物(B)を硬化させることにより、足裏の形状に賦形したインソールの製造方法であって、該光硬化性樹脂組成物(B)が、光架橋性基を一分子中に平均して0.9〜2.5個有する光硬化性樹脂(I)と光開始剤(II)を含むことを特徴とするインソールの製造方法に関する。
好ましい実施態様としては、上記部材が、軟質フィルム(A)と他の部材(C)との複合部材であることを特徴とするインソールの製造方法に関する。
好ましい実施態様としては、光硬化性樹脂組成物(B)の硬化後の硬度がタイプE硬度計でE80以下であることを特徴とするインソールの製造方法に関する。
好ましい実施態様としては、軟質フィルム(A)が、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、ポリウレタン、エチレン・酢酸ビニル共重合体から選択されるいずれか一つの軟質素材を用いたものであることを特徴とするインソールの製造方法に関する。
好ましい実施態様としては、光硬化性樹脂(I)が、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、エステル(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート、アクリル(メタ)アクリレートから選択されるいずれか一つ以上の光硬化性樹脂であることを特徴とするインソールの製造方法に関する。
好ましい実施態様としては、光硬化性樹脂(I)が有する光架橋性基が一般式(1):
−OC(O)C(R)=CH (1)
(式中、Rは水素原子又は炭素数1〜20の有機基を示す)で表わされる(メタ)アクリロイル基であることを特徴とするインソールの製造方法に関する。
好ましい実施態様としては、光硬化性樹脂(I)が、光架橋性基を少なくとも0.8個分子鎖末端に有することを特徴とするインソールの製造方法に関する。
好ましい実施態様としては、光硬化性樹脂(I)が、分子量1,000以上であることを特徴とするインソールの製造方法に関する。
好ましい実施態様としては、光硬化性樹脂(I)が、リビングラジカル重合法で合成された(メタ)アクリル系重合体であることを特徴とするインソールの製造方法に関する。
好ましい実施態様としては、光硬化性樹脂(I)100重量部に対し、光開始剤(II)が0.01〜10重量部であることを特徴とするインソールの製造方法に関する。
好ましい実施態様としては、照射する光が350nm以上の波長にピーク照度を有する光であることを特徴とするインソールの製造方法に関する。
好ましい実施態様としては、照射する光源が400nm以上の波長にピーク照度を有するLED光であることを特徴とするインソールの製造方法に関する。
好ましい実施態様としては、照射する光のピーク照度が、20mW/cm以下であることを特徴とするインソールの製造方法に関する。
また本発明は、上記いずれかの記載された製造方法より得られたインソールに関する。
本発明により、足裏の形状に腑形され、柔軟で伸びに優れ、足裏への追随性に優れたインソールを簡便な方法で迅速に得ることができる。
以下に、本発明に含有される成分につき詳述する。
本発明は、軟質フィルム(A)を含む部材の中に光硬化性樹脂組成物(B)をあらかじめ封入し、軟質フィルムを足裏に押し付けた状態で光を照射して光硬化性樹脂組成物(B)を硬化させることにより、足裏の形状に賦形したインソールの製造方法であって、該光硬化性樹脂組成物(B)が、光架橋性基を一分子中に平均して0.9〜2.5個有する光硬化性樹脂(I)と光開始剤(II)を含むことを特徴とするインソールの製造方法である。
<軟質フィルム(A)>
本発明に使用される軟質フィルム(A)は、特に限定されず一般的な軟質フィルムを使用できる。軟質フィルムとは、柔軟で伸びやすい素材で製造されたフィルムであり、足裏に接したときにその形状に追随できるものである。具体的には、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、プロピレン系共重合体である軟質ポリプロピレン、エチレン・α−オレフィン共重合体やエチレン・酢酸ビニル共重合体、アイオノマー等のエチレン系共重合体、ポリウレタン、ナイロン、熱可塑性エラストマーを素材とする軟質フィルムが挙げられる。これらの中で、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、ポリウレタン、エチレン・酢酸ビニル共重合体から選択されるいずれか一つの軟質フィルムが、入手性に優れ、感触がよく、耐久性にも優れることから好ましい。中でも、加工性に優れ、インソールとしたときに伸びへの追随性が良好であることからポリウレタン製軟質フィルムがもっとも好ましい。これらの軟質フィルムは、一種類の樹脂のみからなる単層構造であってもよいし、複層構造のフィルム材を用いてもよい。
<光硬化性樹脂組成物(B)>
本発明に使用される光硬化性樹脂組成物(B)は、光架橋性基を一分子中に平均して0.9〜2.5個有する光硬化性樹脂(I)および光開始剤(II)からなるものであれば、特に限定されない。
<光硬化性樹脂(I)>
本発明の光硬化性樹脂組成物(B)を構成する、光架橋性基を一分子中に平均して0.9〜2.5個有する光硬化性樹脂(I)は、得られる硬化物が柔軟で歩行・運動時の動きに追随できるものであれば特に限定されることはなく用いることができる。
光架橋性基としてはエポキシ基、オキセタン基、ビニルエーテル基等を有するカチオン重合型樹脂、または(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリルエーテル基等の重合性の炭素−炭素二重結合を有するラジカル重合型樹脂などが挙げられるが、それらに限定されるものではない。
中でも光反応性の高さ、汎用性の点から、光硬化性樹脂(I)が有する光架橋性基は一般式(1):
−OC(O)C(R)=CH (1)
(式中、Rは水素原子又は炭素数1〜20の有機基を示す)で表わされる(メタ)アクリロイル基であることが好ましく、入手しやすく、また光反応性に富むことからRは水素原子又はCH基であることが好ましい。
これらの光硬化性樹脂は、光架橋性基を一分子中に平均して0.9〜2.5個有することが求められる。光架橋性基が0.9個未満では、得られる硬化物の強度が弱く、十分な衝撃緩衝性能が発揮されないことがあり、また使用中に徐々に変形するといった不具合が生じる場合がある。光架橋性基が2.5個より多い場合には得られる硬化物が伸びに乏しく、動作への追随が不十分であるという課題が生じる。より衝撃緩衝性能が良好である点から、より好ましくは、0.9〜1.9個の範囲であり、さらに接触した人が感触よく感じることから1.1〜1.5個の範囲がより好ましい。
さらに、光架橋性基は、少なくとも0.8個が分子鎖末端に有することが、より柔軟で衝撃緩衝性能が良好である点から好ましい。
本発明で用いられる光硬化性樹脂(I)としては、主鎖末端及び/又は側鎖に光架橋性基を有するポリマーまたはオリゴマーであればよく、例えば一般的な市販品として、ポリエーテル系重合体の分子鎖末端または側鎖に(メタ)アクリレート基を含有するポリエーテル(メタ)アクリレート系樹脂、共役ジエン系重合体又はその水素添加物の分子鎖末端又は側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する共役ジエン(メタ)アクリレート系樹脂、ポリウレタン系重合体の分子鎖末端又は側鎖に(メタ)アクリロイル基を有するウレタン(メタ)アクリレート系樹脂、エポキシ樹脂の分子鎖末端又は側鎖に(メタ)アクリロイル基を有するエポキシ(メタ)アクリレート系樹脂、ポリエステル重合体の分子鎖末端又は側鎖に(メタ)アクリロイル基を有するポリエステル(メタ)アクリレート系樹脂、シリコーン系重合体の分子鎖末端又は側鎖に(メタ)アクリロイル基を有するシリコーン(メタ)アクリレート系樹脂の分子鎖末端又は側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリル(メタ)アクリレート系樹脂、ビニル系重合体の分子鎖末端又は側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリルビニル系樹脂などが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
主鎖末端及び/又は側鎖に光架橋性基を有するポリマーまたはオリゴマーの中でも、得られる硬化物の硬度の調節が容易で伸び、耐久性が優れることから、市販されているウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、エステル(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート、アクリル(メタ)アクリレートから選択されるいずれか一つ以上の光硬化性樹脂が好ましく、さらに得られる硬化物が柔軟性、衝撃緩衝性能に優れることから光架橋性基を分子末端に有する(メタ)アクリル系重合体が好ましく、光反応性に富み簡便に光硬化反応を行えることから(メタ)アクリロイル基を分子末端に有するアクリル系重合体がより好ましい。
(メタ)アクリロイル基を分子末端に有するアクリル系重合体の製造方法としては種々の方法が挙げられるが、モノマーの汎用性、制御の容易性等の点からラジカル重合法が好ましく、ラジカル重合の中でも制御ラジカル重合がより好ましい。この制御ラジカル重合法は「連鎖移動剤法」と「リビングラジカル重合法」とに分類することができる。得られるアクリル系重合体の分子量、分子量分布の制御が容易であり、得られる硬化物が柔軟性や伸びに優れる点からリビングラジカル重合がさらに好ましく、原料の入手性、重合体末端への官能基導入の容易さから原子移動ラジカル重合が特に好ましい。上記ラジカル重合、制御ラジカル重合、連鎖移動剤法、リビングラジカル重合法、原子移動ラジカル重合は公知の重合法ではあるが、これら各重合法については、たとえば、特開2005−232419公報や、特開2006−291073公報などの記載を参照でき、一例として、(株)カネカ製カネカXMAPが良く知られている。
これらの光硬化性樹脂(I)は、得られる硬化物が柔軟性と伸びのバランスに優れる点から分子量1,000以上が好ましく、硬化組成物の取り扱いが容易で得られる硬化物の柔軟性に優れる点から、分子量1,000〜100,000が好ましく、硬化性に優れる点から3,000〜20,000がさらに好ましい。
分子量が1,000より小さい場合には、柔軟な硬化物が得られにくく、さらに光硬化性樹脂組成物の粘度が低くなり、封入物からの液漏れが生じたり、また相対的に光架橋性基の濃度が高くなるため光反応時の反応熱の発生が大きくなり、接触した人体が火傷を負ったり、封入する容器や接触させる型に耐熱性が必要となるといった不具合が生じる場合がある。
本発明における光硬化性樹脂の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した数平均分子量(Mn)で表される。本発明でのGPC測定は、主として移動相としてクロロホルムを用い、測定はポリスチレンゲルカラムにて行い、数平均分子量等はポリスチレン換算で求めることができる。
これらの光硬化性樹脂は、単独で用いてもよいし、複数の樹脂を混合して用いてもよい。複数の樹脂を混合して用いる場合は、各々の樹脂が有する光架橋性基の数が、平均して0.9〜2.5個になるようにすればよい。混合した場合の平均した光架橋性基数は、特表2014−531489公報段落[0028]に定義されているAFB値(「ブレンドの平均官能性」)と同様にして算出される。すなわち、平均した光架橋性基数=(樹脂1の光架橋性基数)*(混合物中の樹脂1のwt%)+(樹脂2の光架橋性基数)*(樹脂2のwt%)+・・・+(樹脂Xの光架橋性基数)*(樹脂Xのwt%)として計算される。
<光開始剤(II)>
光開始剤としては特に制限はないが、UVや可視光、電子線などの活性エネルギー線により活性化され、光硬化性樹脂(I)を硬化させるために必要な物質を発生させる化合物であればよい。近年では、硬化に要するエネルギーがより少なくて済み、作業環境を良好に保てるという点から、光硬化性樹脂(I)の光架橋性基が(メタ)アクリロイル基の場合、UVや可視光、電子線などの活性エネルギー線によりラジカルが発生する光ラジカル開始剤を用いて硬化させる場合が好まれやすい。光硬化性樹脂(I)が、光架橋性基としてエポキシ基、オキセタン基、ビニルエーテル基等を有するカチオン重合型樹脂である場合には一般的な光カチオン発生剤を用いればよい。
光ラジカル開始剤としては特に制限はないが、例えば、アセトフェノン、プロピオフェノン、ベンゾフェノン、キサントール、フルオレイン、ベンズアルデヒド、アンスラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−メチルアセトフェノン、3−ペンチルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、4−メトキシアセトフェノン、3−ブロモアセトフェノン、4−アリルアセトフェノン、p−ジアセチルベンゼン、4−メチルベンゾフェノン、3−メトキシベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、ジベンゾスベロン、ジベンゾスベレノン、4−クロロ−4’−ベンジルベンゾフェノン、3−クロロキサントーン、3,9−ジクロロキサントーン、3−クロロ−8−ノニルキサントーン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ビス(4−ジメチルアミノフェニル)ケトン、ベンジルメトキシケタール、2−クロロチオキサントーン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(商品名IRGACURE651、BASFジャパン製)、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(商品名IRGACURE184、BASFジャパン製)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(商品名DAROCUR1173、BASFジャパン製)、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(商品名IRGACURE2959、BASFジャパン製)、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(商品名IRGACURE907、BASFジャパン製)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(商品名IRGACURE369、BASFジャパン製)、2−(4−メチルベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリンー4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン(商品名IRGACURE379、BASFジャパン製)、ジベンゾイル、2−ヒドロキシ−1−[4−[4−(2-ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル]−2−メチル-プロパン−1−オン(商品名IRGACURE127、BASFジャパン製)、1−〔4−(4−ベンゾイキシルフェニルサルファニル)フェニル〕−2−メチル−2−(4−メチルフェニルスルホニル)プロパン−1−オン(商品名ESURE1001M)、メチルベンゾイルフォ−メート(商品名SPEEDCURE MBF LAMBSON製)、O−エトキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン(商品名SPEEDCURE PDO LAMBSON製)、オリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン(商品名ESCURE KIP150 LAMBERTI製)、 1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]1,2−オクタンジオン(商品名IRGACURE OXE 01、BASFジャパン製)、1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(0−アセチルオキシム)エタノン(商品名IRGACURE OXE 02、BASFジャパン製)、4−ベンゾイル−4‘メチルジフェニルサルファイド、4−フェニルベンゾフェノン、4,4’,4“−(ヘキサメチルトリアミノ)トリフェニルメタン、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(商品名DAROCUR TPO、BASFジャパン製)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(商品名IRGACURE819、BASFジャパン製)、ビス(2,6−ジメチルベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−フェニル−エトキシ−フォスフィンオキサイド(商品名DAROCUR TPO−L、LAMBSON製)、商品名SPEEDCURE XKm(LAMBSON製)等のアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤が挙げられる。 これらのうち、長波長領域に吸収のある2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(商品名IRGACURE907、BASFジャパン製)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(商品名IRGACURE369、BASFジャパン製)、2−(4−メチルベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリンー4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン(商品名IRGACURE379、BASFジャパン製)、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(商品名DAROCUR TPO、BASFジャパン製)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(商品名IRGACURE819、BASFジャパン製)、ビス(2,6−ジメチルベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−フェニル−エトキシ−フォスフィンオキサイド(商品名DAROCUR TPO−L、LAMBSON製)、商品名SPEEDCURE XKm(LAMBSON製)1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]1,2−オクタンジオン(商品名IRGACURE OXE 01、BASFジャパン製)、1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(0−アセチルオキシム)エタノン(商品名IRGACURE OXE 02、BASFジャパン製)が好ましく、取扱い易く入手が容易なアシルホスフィンオキシド系光重合開始剤として2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(商品名DAROCUR TPO、BASFジャパン製)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(商品名IRGACURE819、BASFジャパン製)、ビス(2,6−ジメチルベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−フェニル−エトキシ−フォスフィンオキサイド(商品名DAROCUR TPO−L、LAMBSON製)、商品名SPEEDCURE XKm(LAMBSON製)が好ましく、反応性がよく深部硬化性に優れるビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(商品名IRGACURE819、BASFジャパン製)がもっとも好ましい。
これらの光ラジカル開始剤は、単独、又は2種以上混合して用いても、他の化合物と組み合わせて用いてもよい。
他の化合物との組み合わせとしては、具体的には、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ジエタノールメチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、2−エチルヘキシル−4−ジメチルアミノベンゾエート等のアミンとの組み合わせ、さらにこれにジフェニルヨードニウムクロリド等のヨードニウム塩を組み合わせたもの、メチレンブルー等の色素及びアミンと組み合わせたもの等が挙げられる。
また、光反応性を向上させるために、一般的な光増感剤を組み合わせて用いてもよい。光増感剤としては、特に限定されないが、例えば、アントラセン誘導体、ベンゾフェノン誘導体、チオキサントン誘導体、アントラキノン誘導体、ベンゾイン誘導体等が挙げられ、より詳しくは、9,10−ジアルコキシアントラセン、2−アルキルチオキサントン、2,4−ジアルキルチオキサントン、2−アルキルアントラキノン、2,4−ジアルキルアントラキノン、p,p′−アミノベンゾフェノン、2−ヒドロキシー4−アルコキシベンゾフェノン、ベンゾインエーテル等が挙げられる。さらに具体的には、アントロン、アントラセン、9,10−ジフェニルアントラセン、9−エトキシアントラセン、ピレン、ペリレン、コロネン、フェナントレン、ベンゾフェノン、ベンジル、ベンゾイン、2−ベンゾイル安息香酸メチル、2−ベンゾイル安息香酸ブチル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾイン−i−ブチルエーテル、9−フルオレノン、アセトフェノン、p,p′−テトラメチルジアミノベンゾフェノン、p,p′−テトラエチルアミノベンゾフェノン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、フェノチアジン、アクリジンオレンジ、ベンゾフラビン、セトフラビン−T、2−ニトロフルオレン、5−ニトロアセナフテン、ベンゾキノン、2−クロロ−4−ニトロアニリン、N−アセチル−p−ニトロアニリン、p−ニトロアニリン、N−アセチル−4−ニトロ−1−ナフチルアミン、ピクラミド、アントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、3−メチル−1,3−ジアザ−1,9−ベンズアンスロン、ジベンザルアセトン、1,2−ナフトキノン、3,3′−カルボニル−ビス(5,7−ジメトキシカルボニルクマリン)、9,10−ジブトキシアントラセン、9,10−ジプロポキシアントラセン等が挙げられる。光増感剤は、単独で用いられてもよく、2種類以上が併用されてもよい。
なお、前記光ラジカル開始剤を使用する場合、必要により、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ベンゾキノン、パラターシャリーブチルテコール、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、N,N−ジステアリルヒドロキシルアミン等N,N−ジアルキルヒドロキシルアミン等の重合禁止剤類を添加することもできる。
光ラジカル開始剤の添加量は特に制限はないが、硬化性と貯蔵安定性の点から、光硬化性樹脂(I)100重量部に対して、0.01〜10重量部が好ましく、得られる硬化物の衝撃緩衝性能に優れる点から0.1〜5重量部がさらに好ましい。0.01重量部より少ない場合および10重量部より多い場合には深部硬化性が十分に得られず、厚膜の硬化物を得る場合に光照射時間に長時間要する場合がある。すなわち0.01重量部より少ない場合は、光硬化性樹脂組成物が硬化するために必要なラジカルが十分に発生しないために硬化に時間を要する。一方10重量部より多い場合には、光硬化性樹脂組成物の照射面側に存在する光ラジカル開始剤が照射した光を余分に吸収することにより、深部まで十分なエネルギーが到達できず結果として深部の硬化性に劣ることとなる。
<反応性希釈剤> 本発明の光硬化性樹脂組成物(B)には、粘度低減による作業性の向上、得られる硬化物の物性改良等を目的として、光架橋性の基を有するモノマー類を併用することもできる。
前記光架橋性の基としては、(メタ)アクリル基等の(メタ)アクリロイル系基、スチレン基、アクリロニトリル基、ビニルエステル基、N−ビニルピロリドン基、アクリルアミド基、共役ジエン基、ビニルケトン基、塩化ビニル基等が挙げられる。なかでも、本発明に使用する光硬化性樹脂(I)で使用される光架橋性基と同じ官能基がよく、光反応性の高さ、汎用性の点から、一般式(1):
−OC(O)C(R)=CH (1)
(式中、Rは水素原子又は炭素数1〜20の有機基を示す)で表わされる(メタ)アクリロイル基であることが好ましく、入手しやすく、また光反応性に富むことからRは水素原子又はCH基であることが好ましい。
前記モノマーの具体例としては、(メタ)アクリレート系モノマー、スチレン系モノマー、アクリロニトリル、ビニルエステル系モノマー、N−ビニルピロリドン、アクリルアミド系モノマー、共役ジエン系モノマー、ビニルケトン系モノマー、ハロゲン化ビニル・ハロゲン化ビニリデン系モノマー、多官能モノマー等が挙げられる。
(メタ)アクリレート系モノマーとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸イソステアリル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸2−デシルテトラデカニル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トルイル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸3−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−アミノエチル、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイド付加物、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−トリフルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロメチル、(メタ)アクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロデシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチル等が挙げられる。
スチレン系モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン等が挙げられる。
ビニルエステル系モノマーとしては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等が挙げられる。
アクリルアミド系モノマーとしては、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、ヒドロキシエチルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド等が挙げられる。
共役ジエン系モノマーとしては、ブタジエン、イソプレン等が挙げられる。ビニルケトン系モノマーとしては、メチルビニルケトン等が挙げられる。
ハロゲン化ビニル・ハロゲン化ビニリデン系モノマーとしては、塩化ビニル、臭化ビニル、ヨウ化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニリデン等が挙げられる。
多官能モノマーとしては、トリメチロールプロパントリアクリレート、ネオペンチルグリコールポリプロポキシジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパンポリエトキシトリアクリレート、ビスフェノールFポリエトキシジアクリレート、ビスフェノールAポリエトキシジアクリレート、ジペンタエリスリトールポリヘキサノリドヘキサクリレート、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートポリヘキサノリドトリアクリレート、トリシクロデカンジメチロールジアクリレート2−(2−アクリロイルオキシ−1,1−ジメチル)−5−エチル−5−アクリロイルオキシメチル−1,3−ジオキサン、テトラブロモビスフェノールAジエトキシジアクリレート、4,4−ジメルカプトジフェニルサルファイドジメタクリレート、ポリテトラエチレングリコールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、1,6−へキサンジアクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート等が挙げられる。
反応性希釈剤を添加する場合の添加量は特に制限はないが、光硬化性樹脂組成物(I)の作業性が良好で、硬化時の発熱量が小さく、硬化収縮率への影響が小さい点から、光硬化性樹脂100重量部に対して、0.1〜100重量部が好ましく、0.1〜70重量部がさらに好ましい。
<充填剤>
本発明の光硬化性樹脂組成物(B)には、光硬化性を妨げない範囲で充填剤を添加することができる。具体的には、特開2006−291073公報段落[0134]〜[0151]記載の各種充填剤や微小中空粒子が挙げられる。充填剤としては、ヒュームドシリカ、湿式法シリカ等の補強性シリカである微粉シリカ、木粉、パルプ、木綿チップ、マイカ、クルミ殻粉、もみ殻粉、グラファイト、白土、シリカ(結晶性シリカ、溶融シリカ、ドロマイト、無水ケイ酸、含水ケイ酸等)、カーボンブラック、重質炭酸カルシウム、膠質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイソウ土、焼成クレー、クレー、タルク、酸化チタン、ベントナイト、有機ベントナイト、酸化第二鉄、べんがら、アルミニウム微粉末、フリント粉末、酸化亜鉛、活性亜鉛華、亜鉛末、炭酸亜鉛、シラスバルーン、ポリアクリル樹脂・ポリアクリロニトリル−塩化ビニリデン樹脂・フェノール樹脂・ポリスチレン樹脂等のビーズ類やその中空微粒子、ガラスバルーン・シラスバルーン、フライアッシュバルーン等の無機系中空微粒子、ガラス繊維、ガラスフィラメント、炭素繊維、ケブラー繊維、ポリエチレンファイバー等の繊維状充填材等が挙げられる。
透明性および補強性に優れる点から、ヒュームドシリカや湿式法シリカが好ましい。
これらは、単独で用いても良いし、2種以上を併用してもよい。
充填剤を添加する場合の添加量は特に制限はないが、光硬化性樹脂組成物の作業性が良好で、得られる硬化物の機械特性が向上するという点から、光硬化性樹脂100重量部に対して、1〜50重量部が好ましく、5〜30重量部がさらに好ましい。
<可塑剤>
本発明の光硬化性樹脂組成物(B)には可塑剤を添加することができる。可塑剤の添加により、光硬化性樹脂組成物の粘度や得られる硬化物の引張り強度、柔軟性、伸びなどの機械特性を調整できたり、また硬化物の透明性を改善できたりする。可塑剤としては特に限定されないが、物性の調整、性状の調節等の目的により、例えば、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート、ブチルベンジルフタレート等のフタル酸エステル類;ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート、ジブチルセバケート、コハク酸イソデシル等の非芳香族二塩基酸エステル類;オレイン酸ブチル、アセチルリシリノール酸メチル等の脂肪族エステル類;ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジベンゾエート、ペンタエリスリトールエステル等のポリアルキレングリコールのエステル類;トリクレジルホスフェート、トリブチルホスフェート等のリン酸エステル類;トリメリット酸エステル類;ピロメリット酸エステル類;ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン等のポリスチレン類;ポリブタジエン、ポリブテン、ポリイソブチレン、ブタジエン−アクリロニトリル、ポリクロロプレン;塩素化パラフィン類;アルキルジフェニル、部分水添ターフェニル等の炭化水素系油;プロセスオイル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルポリオールとこれらポリエーテルポリオールの水酸基をエステル基、エーテル基等に変換した誘導体等のポリエーテル類;エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸ベンジル等のエポキシ可塑剤類;セバシン酸、アジピン酸、アゼライン酸、フタル酸等の2塩基酸と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等の2価アルコールから得られるポリエステル系可塑剤類;東亞合成製ARUFONシリーズのようなアクリル系可塑剤を始めとするビニル系モノマーを種々の方法で重合して得られるビニル系重合体類等が挙げられる。これらは、単独で用いても良いし、2種以上を併用してもよい。
可塑剤を添加する場合の添加量は特に制限はないが、光硬化性樹脂組成物の作業性が良好で、得られる硬化物の機械特性への影響が小さいという点から、光硬化性樹脂100重量部に対して、1〜200重量部が好ましく、1〜100重量部がさらに好ましい。
<溶剤>
本発明で用いられる光硬化性樹脂組成物(B)には、必要に応じて溶剤を配合することができる。
配合できる溶剤としては、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸セロソルブ等のエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶剤;ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ヘプタン、オクタン等の炭化水素系溶剤が挙げられる。これらは、単独で用いても良いし、2種以上を併用してもよい。
溶剤を添加する場合の添加量は特に制限はないが、光硬化性樹脂組成物の作業性が良好で、光硬化に伴う硬化収縮への影響が小さいという点から、光硬化性樹脂100重量部に対して、0.1〜50重量部が好ましく、1〜30重量部がさらに好ましい。
<チクソ性付与剤(垂れ防止剤)>
本発明の光硬化性樹脂組成物(B)には、必要に応じてチクソ性を付与し、形状追随性を良くするためにチクソ性付与剤(垂れ防止剤)を添加しても良い。
チクソ性防止剤としては特に限定されないが、たとえば、水添ヒマシ油誘導体類、長鎖アルキル基を有する金属石鹸類、長鎖アルキル基を有するエステル化合物、シリカ等の無機充填剤、アミドワックス等が挙げられる。これらチクソ性付与剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
チクソ性付与剤を添加する場合の添加量は特に制限はないが、光硬化性樹脂組成物の作業性が良好であるという点から、光硬化性樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部が好ましく、0.1〜5重量部がさらに好ましい。
<酸化防止剤>
本発明の光硬化性樹脂組成物(B)には酸化防止剤(老化防止剤)を使用することができる。酸化防止剤を使用すると得られる硬化物の耐熱性や耐久性を高めることができる。酸化防止剤としては、一般的なヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤(HALS)、アミン系酸化防止剤、ラクトン系酸化防止剤、アミノエタノール系酸化防止剤等の一次酸化防止剤、およびイオウ系酸化剤やリン系酸化剤等の二次酸化防止剤が挙げられる。酸化防止剤としては、特開2007−308692公報段落[0232]〜[0235]やWO05/116134公報段落[0089]〜[0093]に記載されているものを用いることができる。
酸化防止剤を添加する場合の添加量は特に制限はないが、耐久性への効果が十分に発揮され、かつ経済的にも不利にならないという点から、光硬化性樹脂100重量部に対して、0.1〜5重量部が好ましく、0.1〜3重量部がさらに好ましい。
<その他の添加剤>
本発明の光硬化性樹脂組成物(B)には、光硬化性樹脂又は得られる硬化物の諸物性の調整を目的として、必要に応じて各種添加剤を添加してもよい。このような添加物の例としては、たとえば、相溶化剤、硬化性調整剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、オゾン劣化防止剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、消泡剤、発泡剤、防蟻剤、防かび剤、紫外線吸収剤、光安定剤などがあげられる。本明細書にあげた添加物の具体例以外の具体例は、たとえば、特公平4−69659号、特公平7−108928号、特開昭63−254149号、特開昭64−22904号、特開2001−72854号の各公報などに記載されている。
<光硬化性樹脂組成物(B)を封入するために用いられる部材>
本発明に用いられる光硬化性樹脂組成物(B)は、軟質フィルム(A)単独、あるいは軟質フィルム(A)と他の部材(C)からなる部材、より詳しくは容器に封入された形で提供される。
光硬化性樹脂組成物が容器に封入されていない場合は、取扱いが困難になるばかりではなく、足裏に押し付けた場合に、光硬化性樹脂組成物が人体に触れて、人体への薬傷の可能性があったり、触れた樹脂で不快感を感じるという不具合がある。
封入する容器は軟質フィルム単独で形成してもよいし、軟質フィルムと他の部材から形成してもよいが、足裏に押し付けられる部分は形状に追随するために軟質フィルムで形成されている必要がある。押し付けられる部分が軟質フィルムでない場合には、形状に追随できないため本発明には不適である。
軟質フィルム(A)と複合部材を形成する他の部材(C)は、軟質フィルム(A)とともに封入容器を形成できるものであれば、特に限定されないが、軟質フィルムとの接着性、光の透過性がよく、安価で加工性に優れていることから硬質プラスチック製のフィルムまたはシート状のものであることが好ましい。硬質プラスチックとは、樹脂のガラス転移温度(Tg)が室温以上のものであり、例えばPC、ABS、ABS‐PC、塩ビ、アクリル樹脂、PSt、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、PETやPBTといったポリエステル樹脂等が挙げられる。
光硬化性樹脂を封入する、軟質フィルム単独もしくは軟質フィルムと他の部材からなる容器は、インフレーション成形やフィルム同士の貼り合わせ、熱融着等により製造される。
容器を形成するフィルムもしくは他の部材の光が照射される側は、内部の光硬化性樹脂組成物が光硬化するために、照射した光が透過するものでなければならない。つまり、足裏に押し付けながら、その反対側から照射する場合は足裏に接する部分の反対側が光透過性であることが必要である。足裏が接する部分は透明であっても透明でなくてもよいが、照射した光が透過せず足裏への影響がよい少ないという点から不透明であるほうがより好ましい。
封入する容器は、例えば軟質フィルム単独もしくは軟質フィルムと他の部材から形成された袋状のものに光硬化性樹脂組成物を充填し、最終的に充填口を接着あるいは圧着してもよいし、光硬化性樹脂組成物を意図的に充填口にはみ出させ、その部分にのみ光を照射して充填口を密封してもよい。また、予め光硬化性樹脂組成物が零れない様に腑形した軟質フィルムあるいは他の部材に光硬化性樹脂組成物を充填した後に、他のフィルムやシートを貼り合わせて接着あるいは圧着して容器を作成してもよい。
また、足裏と接する側は、形状への追随性を損なわない範囲において、感触性をよくしたり、意匠性や機能性を付与するために布地や天然/人造皮革、防臭性能や抗菌性能を備えた布帛やスポンジを貼り合わせてもよい。いずれにしても容器内に光硬化性樹脂組成物が封入された状態で提供されればよく、いずれかの方法に限定されるものではないことは明白である。
容器は、足裏全体をカバーするものであってもよいし、かかと部のみの場合や土踏まず部のみの場合、あるいは母子球部付近のみ等必要な部分のみからなるものであってもよい。
また、封入される光硬化性樹脂組成物は一種類であってもよいし、二種類以上の光硬化性樹脂組成物が封入されていてもよい。二種類以上の光硬化性樹脂組成物が封入される場合は、各々硬化後の硬度あるいは粘弾性挙動が異なるものであることが、衝撃緩衝性や運動性といった機能性が付与させやすいという点で好ましい。
<インソールの光硬化方法について>
前記容器に封入された光硬化性樹脂組成物の硬化方法は、何らかの光を照射することにより封入された光硬化性樹脂が硬化されれば特に限定されない。
本発明の光硬化に用いられる光源は、通常の光硬化に用いられる光源であれば使用可能であり、例えば、太陽光線、低圧水銀ランプ(殺菌ランプ、蛍光ケミカルランプ、ブラックライト)、冷陰極蛍光管(CCFL)、蛍光灯、白熱電球、中圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、ガリウムランプ、タングステンランプ、キセノンランプ、水銀キセノンランプ、ケミカルランプ、無電極放電ランプ、ジルコニウムランプ、フィールドエミッションランプ、紫外線エキシマ蛍光ランプ、有機EL、LED、UV−LED等が挙げられる。これらの中でも、取り扱いのし易さや経済性の点から、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、無電極放電ランプ、冷陰極蛍光管(CCFL)、UV−LED、LEDが好適であり、さらに低照度の照射が容易でランプの点灯・消灯が瞬時に可能なUV−LEDもしくはLEDがもっとも好適である。
光硬化に用いられる光源の波長は、その照射強度や積算光量によって適宜選択が可能であるが、人体への影響が少なく使用する軟質フィルムの劣化が少ないという点から、350nm以上の波長にピーク照度を有する光が好ましく、皮膚や目に対する悪影響がさらに少ないという点から400nm以上の波長(可視光)にピーク照度を有するLED光がもっとも好ましい。これらの光源は、単独で用いてもよいし、2種類以上のものを併用しても構わない。
また、光の照射強度や積算光量は、光硬化性樹脂の種類や光開始剤の種類・多寡、硬化物の厚みや大きさなどの形状により適宜調整されて照射されるが、照射に要するエネルギーが少なく、照射した場合に人体への影響が少ないという点から照射光のピーク照度が100mW/cm以下であることが好ましく、50mW/cm以下であることがさらに好ましく、皮膚や目に対する悪影響がほとんど見られないことから20mW/cm以下であることがもっとも好ましい。
光硬化性樹脂組成物が封入された容器(以下、パッケージという)は、足裏に押し付けることで足裏の型に追従した形状を形成させることができる。その形状を保ったまま光を照射して光硬化性樹脂組成物を硬化させることにより、所望の形状に腑形したインソールを製造することができる。
例えば、予め足裏と靴底との空隙に近い形に製造された容器を用いたパッケージの上に、軟質フィルムが足側になるように足を乗せて足裏の形状に追随させ、下面から光を照射してその形を保持したまま硬化させることにより、近年特に求められている各個人の足裏の形状に追随したインソールを短時間で製造することが可能である。
得られるインソールは、足裏形状に追随しているため、足裏の負荷の分散に優れ、疲れにくく、痛みが生じにくい。
<得られるインソールについて>
本発明で光の照射により得られる光硬化性樹脂組成物(B)の硬化後の硬度は、その衝撃緩衝性能が高く、人体への接触部位の感触が良好である点から、硬化物の硬度がタイプE硬度計でE80以下であることが好ましく、歩行時の感触がより良好である点からE50以下であることが好ましく、衝撃緩衝性能がより高いことからE20以下であることがより好ましい。タイプE硬度計とは、JIS K 6253−3:2012で規定されているタイプEデュロメータのことである。
ひとつのインソールの中に異なる硬度を有する部位が2箇所以上ある場合には、いずれか1箇所がE80以下であることが好ましく、それ以外の部位がE80を越えていてもよい。
<用途>
本発明のインソールは、簡便さ、感触の良さから、様々なインソール用途へ使用可能である。一般消費者向けのインソールとして、靴ずれや外反母趾・タコ・魚の目等の防止あるいは痛み軽減、疲労低減、歩行感の改善、衝撃吸収・衝撃緩衝、足裏や足の甲・指・関節の痛み防止、膝痛・腰痛防止、歩行姿勢や立位の矯正、転倒予防、ダイエット、アーチ矯正、スポーツ等での運動性能向上等を目的に有用である。さらには、高齢者や傷病者、障害者等の治療や矯正、リハビリ、機能補助、機能回復等を目的にした医療用インソールや介護用インソール等にも有用である。
しかしながら、本発明のインソールが上記の用途に限定されないことは明白である。
以下に、本発明の具体的な実施例を比較例と併せて説明するが、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。「数平均分子量」および「分子量分布(重量平均分子量と数平均分子量の比)」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いた標準ポリスチレン換算法により算出した。ただし、GPCカラムとしてポリスチレン架橋ゲルを充填したもの(shodex GPC K−804、K−802.5;昭和電工(株)製)を、GPC溶媒としてクロロホルムを用いた。
また重合体1分子当たりに導入された官能基数は、1H−NMRによる濃度分析、及びGPCにより求まる数平均分子量を基に算出した。ただしNMRはBruker社製ASX−400を使用し、溶媒として重クロロホルムを用いて23℃にて測定した。
(合成例1)アクリロイル基を有するポリ(アクリル酸n−ブチル)重合体[P1]の合成例
公知の方法(例えば、特開2012−211216号公報記載)に従い、臭化第一銅を触媒、ペンタメチルジエチレントリアミンを配位子、ジエチル−2,5−ジブロモアジペートを開始剤、アクリル酸n−ブチルをモノマーとし、(アクリル酸n−ブチル)/(ジエチル−2,5−ジブロモアジペート)比を160にして重合し、末端臭素基ポリアクリル酸n−ブチルを得た。
この重合体をN,N−ジメチルアセトアミドに溶解させ、アクリル酸カリウムを加え、窒素雰囲気下、70℃で加熱攪拌した。この混合液中のN,N−ジメチルアセトアミドを減圧留去したのち、残渣に酢酸ブチルを加えて、不溶分を濾過により除去した。濾液の酢酸ブチルを減圧留去して、両末端にアクリロイル基を有するポリ(アクリル酸n−ブチル)重合体[P1]を得た。
重合体[P1]の数平均分子量は23,000、分子量分布は1.1、重合体1分子当たりに導入された平均のアクリロイル基の数をH−NMR分析により求めたところ約1.9個であった。
(合成例2)アクリロイル基を有するポリ(アクリル酸n−ブチル)重合体[P2]の合成例
モノマー/開始剤比を80とする以外は、合成例1と同様にして両末端にアクリロイル基を有するポリ(アクリル酸n−ブチル)重合体[P2]を得た。

重合体[P2]の数平均分子量は12,000、分子量分布は1.2、重合体1分子当たりに導入された平均のアクリロイル基の数をH−NMR分析により求めたところ約1.8個であった。
(合成例3)アクリロイル基を有するポリ(アクリル酸n−ブチル)/(アクリル酸2-エチルへキシル)共重合体[P3]の合成例
モノマーとして、アクリル酸n−ブチル/アクリル酸2−エチルヘキシルを50重量部/50重量部用い、モノマー/開始剤比を400とする以外は、合成例1と同様にして両末端にアクリロイル基を有するポリ(アクリル酸n−ブチル)/(アクリル酸2-エチルへキシル)共重合体[P3]を得た。
重合体[P3]の数平均分子量は約60000、分子量分布は1.4であった。重合体1分子当たりに導入された平均のアクリロイル基の数をH−NMR分析により求めたところ、約1.8個であった。
(合成例4)アクリロイル基を有するポリ(アクリル酸n−ブチル)重合体[P4]の合成例
開始剤としてα−ブロモ酪酸エチルを用い、モノマー/開始剤比を80とする以外は、合成例1と同様にして片末端にアクリロイル基を有するポリ(アクリル酸n−ブチル)重合体[P4]を得た。
重合体[P4]の数平均分子量は12,000、分子量分布は1.1、重合体1分子当たりに導入された平均のアクリロイル基の数をH−NMR分析により求めたところ約0.9個であった。
(硬度測定)
調整された光硬化性樹脂組成物を2mmの厚さになるように容器に流し込み、光を照射して、厚さ2mmのゴム状硬化物を得た。JIS K 6253−3:2012に準拠し、2mm厚みの試験片を3枚重ねてタイプEデュロメータを用いて測定した。あるいは12mmの厚さになるように容器に流し込み、厚さ12mmのゴム状硬化物を得た後、試験片の硬度をそのままタイプEデュロメータを用いて測定した。
(照度測定)
ピーク照度および積算光量:紫外線光量計はEIT製、4バンドUV測定器:UV POWER PUCK IIを使用し、各照射装置の出力波長に見合うバンドで測定値を用いた。
<光開始剤>
IRGACURE819:ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド BASF・ジャパン社製
DAROCUR1173:2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン BASFジャパン社製
<酸化防止剤>
IRGANOX1010:テトラキス−[メチレン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン BASFジャパン製。
MARK AO−50:3,5−ジ−tブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオン酸オクタデシルエステル ADEKA社製
(配合例1)
光硬化性樹脂として、合成例1で得られた重合体[P1]30重量部および合成例4で得られた重合体[P4]70重量部を用い(平均した一分子中の光架橋性基数:1.2個)、酸化防止剤としてIRGANOX1010(BASFジャパン製)を0.1重量部、光開始剤としてIRGACURE819(BASF・ジャパン社製)0.5重量部を加え、十分に加熱・溶解・混合後、脱泡して、光硬化性樹脂組成物[A1]を得た。光硬化性樹脂組成物[A1]を、紫外線照射装置としてヘレウス社製LH−6(バルブ:H−bulb)を用いてピーク照度:500mW/cm、積算光量6000mJ/cmで紫外線を照射し、厚さ2mmのゴム状成形体を作製した。硬度を測定したところ、E10であった。
(実施例1)
軟質フィルムとしてシーダム社製ポリウレタンエラストマーフィルム ハイグレスDUS235(厚さ30μm)を用いて製造した袋状の容器に、配合例1で得られた光硬化性樹脂組成物[A1]を充填し、充填口を熱融着した。清原社製スーパーレジンUVクリスタルランプ36W(ピーク照度9mW/cm(365nm))の底面板を外して照射装置を上下さかさまに置き、上面になった開口部に光透過性のアクリル板を置いた。アクリル板の上に、作製したパッケージを置き、その上から足を乗せて足裏形状に追随させて3分間紫外線を照射した。封入された光硬化性樹脂組成物は硬化し、インソールとして最大厚み1.0cmで足裏の形状に追従するクッション性インソールを製造した。
短時間で得られたインソールは、足裏形状に追随することによる好感触の上に、衝撃を吸収する柔軟性を持ち、歩行感も良好で疲れにくいものであった。
(実施例2)
軟質フィルムとしてシーダム社製ポリウレタンエラストマーフィルム ハイグレスDUS235(厚さ30μm)を用い、他の部材として硬質塩ビシート(厚さ200μm)とを貼り合わせて作製した袋状容器に、配合例1で得られた光硬化性樹脂組成物[A1]を充填し、充填口を熱融着した。このパッケージを軟質フィルムが上になるようにアクリル板に置き、実施例1と同様にして、パッケージの上から足を乗せて足裏形状に追随させて3分間紫外線を照射した。封入された光硬化性樹脂組成物は硬化し、インソールとして最大厚み1.0cmで足裏の形状に追従するクッション性インソールを製造した。
短時間で得られたインソールは、足裏形状に追随することによる好感触の上に、衝撃を吸収する柔軟性を持ち、歩行感も良好で、靴内でもずれが少なく疲れにくいものであった。
(実施例3)
光照射装置として、ジャパンネイルスクール製LEDライト ジェルネイルデジタルプロSMLED5(ピーク照度9mW/cm(波長405nm))を用いて3分間照射する以外は実施例2と同様にして最大厚み1.5cmで足裏の形状に追従するクッション性インソールを製造した。
短時間で得られたインソールは、足裏形状に追随することによる好感触の上に、衝撃を吸収する柔軟性を持ち、歩行感も良好で疲れにくいものであった。
(実施例4)
光照射装置として、柳瀬製ROORO CCFLライト RO−19(CCFL)12W(ピーク照度6mW/cm(波長365nm))を用いて5分間照射する以外は実施例2と同様にして最大厚み1.4cmで足裏の形状に追従するクッション性インソールを製造した。
短時間で得られたインソールは、足裏形状に追随することによる好感触の上に、衝撃を吸収する柔軟性を持ち、歩行感も良好で疲れにくいものであった。
(比較例1)
硬質塩ビシート(厚さ200μm)2枚を貼り合わせて作製した袋状容器に、配合例1で得られた光硬化性樹脂組成物[A1]を充填し、充填口を熱融着した。このパッケージをアクリル板に置き、実施例1と同様にして、その上から足を乗せて3分間紫外線を照射した。封入された光硬化性樹脂組成物は硬化し、インソールとして最大厚み0.5cmのインソールを製造した。しかしながら、足裏の形状には追随しておらず、靴内に装着した場合にはインソールと足裏の間に隙間が生じて感触が悪く、また硬質塩ビシートの硬さのために歩行時に違和感を感じた。
(配合例2)
光硬化性樹脂として、合成例2で得られた重合体[P2]70重量部および合成例3で得られた重合体[P3]30重量部を用い(平均した一分子中の光架橋性基:1.8個)、反応性希釈剤としてISTA(イソステアリルアクリレート 大阪有機化学工業社製)100重量部、可塑剤としてDOA(ジオクチルアジペート 大八化学製)200重量部、酸化防止剤としてIRGANOX1010(BASFジャパン製)を0.1重量部、光開始剤としてIRGACURE819(BASF・ジャパン社製)0.2重量部を用いる以外は配合例1と同様にして、光硬化性樹脂組成物[A2]を得た。光照射により硬化物を作製し、硬度を測定したところ、E5であった。
(配合例3)
光硬化性樹脂として、合成例1で得られた重合体[P1]50重量部および合成例5で得られた重合体[P5]50重量部を用い(平均した一分子中の光架橋性基:1.4個)、可塑剤としてDOA(ジオクチルアジペート 大八化学製)70重量部、酸化防止剤としてIRGANOX1010(BASFジャパン製)を0.1重量部、光開始剤としてDAROCUR1173(BASF・ジャパン社製)0.2重量部およびIRGACURE819(BASF・ジャパン社製)0.1重量部を加え、十分に加熱・溶解・混合後、脱泡して、光硬化性樹脂組成物[A3]を得た。光硬化性樹脂組成物[A3]を、紫外線照射装置としてヘレウス社製LH−6(バルブ:H−bulb)を用いてピーク照度:400mW/cm、積算光量5000mJ/cmで紫外線を照射し、厚さ12mmのゴム状成形体を作製した。硬度を測定したところ、E9であった。
(配合例4)
光硬化性樹脂として、合成例1で得られた重合体[P1]100重量部、酸化防止剤としてIRGANOX1010(BASFジャパン製)を0.1重量部、光開始剤としてDAROCUR1173(BASF・ジャパン社製)0.2重量部およびIRGACURE819(BASF・ジャパン社製)0.1重量部を用いる以外は配合例3と同様にして、光硬化性樹脂組成物[A4]を得た。配合例3と同様にして光照射後、硬度を測定したところ、E40あった。
(配合例5)
光硬化性樹脂として、合成例1で得られた重合体[P1]20重量部および合成例4で得られた重合体[P4]80重量部を用い(平均した一分子中の光架橋性基:1.1個)、反応性希釈剤としてACMO(アクリロイルモルホリン KJケミカルズ社製)10重量部およびビスコート#295(トリメチロールプロパントリアクリレート 大阪有機化学工業社製)5部、酸化防止剤としてIRGANOX1010(BASFジャパン製)を0.1重量部、光開始剤としてDAROCUR1173(BASF・ジャパン社製)0.2重量部およびIRGACURE819(BASF・ジャパン社製)0.1重量部を用いる以外は配合例3と同様にして、光硬化性樹脂組成物[A5]を得た。配合例3と同様にして光照射後、硬度を測定したところ、E42であった。
(配合例6)
光硬化性樹脂として、合成例2で得られた重合体[P2]70重量部およびダイセル・オルネクス社製EBECRYL230(分子量5000、官能基数:2個の脂肪族ウレタンアクリレート)30重量部を用い(平均した一分子中の光架橋性基:1.9個)、反応性希釈剤としてISTA(イソステアリルアクリレート 大阪有機化学工業社製)100重量部、可塑剤としてDOA(ジオクチルアジペート 大八化学製)200重量部、酸化防止剤としてIRGANOX1010(BASFジャパン製)を0.1重量部、光開始剤としてIRGACURE819(BASF・ジャパン社製)0.2重量部を用いる以外は配合例3と同様にして、光硬化性樹脂組成物[A6]を得た。配合例3と同様にして光照射後、硬度を測定したところ、E14であった。
(実施例5〜10)
光硬化性樹脂組成物[A1]の代わりに、配合例2〜6で得られた光硬化性樹脂組成物[A2]〜[A6]を用い、実施例2と同様にして、足裏形状に追随するクッション性インソールを製造した。ただし、光硬化性樹脂組成物[A2]、[A3]を用いた実施例5、6は照射時間を1分間とした。
短時間で得られたインソールは、足裏形状に追随することによる好感触の上に、衝撃を吸収する柔軟性を持ち、歩行感も良好で疲れにくいものであった。
(配合例7)
光硬化性樹脂として、合成例2で得られた重合体[P2]100重量部を用い(平均した一分子中の光架橋性基:1.8個)、酸化防止剤としてIRGANOX1010(BASFジャパン製)を0.1重量部、光開始剤として、IRGACURE819(BASF・ジャパン社製)0.5重量部を加える以外は配合例1と同様にして、光硬化性樹脂組成物[A7]を得た。光照射により硬化物を作製し、硬度を測定したところE54であった。
(実施例11)
光硬化性樹脂組成物[A1]の代わりに、配合例7で得られた光硬化性樹脂組成物[A7]を用い、実施例2と同様にして、足裏形状に追随するクッション性インソールを製造した。
短時間で得られたインソールは、足裏形状に追随することによる好感触の上に、弾力性に富み、反発弾性に優れることから歩行時に疲れにくいものであった。
(配合例8)
光硬化性樹脂として、ダイセル・オルネクス社製EBECRYL230(分子量5000、官能基数:2個の脂肪族ウレタンアクリレート)100重量部に、酸化防止剤としてMARK AO−50(ADEKA製)を0.1重量部、光開始剤としてDAROCUR1173(BASF・ジャパン社製)0.2重量部およびIRGACURE819(BASF・ジャパン社製)0.1重量部を加え、十分に溶解・混合後、脱泡して、光硬化性樹脂組成物[A8]を得た。光硬化性樹脂組成物[A8]を、紫外線照射装置としてヘレウス社製LH−6(バルブ:H−bulb)を用いてピーク照度:500mW/cm、積算光量2000mJ/cmで紫外線を照射し、厚さ2mmのゴム状成形体を作製した。硬度を測定したところ、E65であった。
(実施例12)
光硬化性樹脂組成物[A1]の代わりに、配合例8で得られた光硬化性樹脂組成物[A8]を用い、軟質ウレタンフィルムの上(足裏と接する側)に綿生地を貼り合わせた以外は実施例2と同様にして、足裏形状に追随するクッション性インソールを製造した。
短時間で得られたインソールは、足裏形状に追随することによる好感触の上に、固定性に優れ、立位時および歩行時の姿勢矯正に効果がみられるものであった。
(配合例9)
光硬化性樹脂として、ダイセル・オルネクス社製EBECRYL230(分子量5000、官能基数:2個の脂肪族ウレタンアクリレート)90重量部およびダイセル・オルネクス社製EBECRYL5129(分子量800、官能基数:6個の脂肪族ウレタンアクリレート)10重量部を用い(平均した一分子中の光架橋性基:2.4個)、光開始剤としてDAROCUR1173(BASF・ジャパン社製)0.2重量部およびIRGACURE819(BASF・ジャパン社製)0.1重量部を加え、十分に溶解・混合後、脱泡して、光硬化性樹脂組成物[A9]を得た。光硬化性樹脂組成物[A9]を、紫外線照射装置としてヘレウス社製LH−6(バルブ:H−bulb)を用いてピーク照度:500mW/cm、積算光量2000mJ/cmで紫外線を照射し、厚さ2mmのゴム状成形体を作製した。硬度を測定したところ、E74であった。
(実施例13)
光硬化性樹脂組成物[A1]の代わりに、配合例9で得られた光硬化性樹脂組成物[A9]を用いる以外は、実施例12と同様にして、足裏形状に追随するクッション性インソールを製造した。
短時間で得られたインソールは、足裏形状に追随することによる好感触の上に、固定性に優れ、立位時および歩行時の姿勢矯正に効果がみられるものであった。
(比較配合例1)
光硬化性樹脂として、ダイセル・オルネクス社製EBECRYL230(分子量5000、官能基数:2個の脂肪族ウレタンアクリレート)15重量部およびダイセル・オルネクス社製EBECRYL5129(分子量800、官能基数:6個の脂肪族ウレタンアクリレート)85重量部を用い(平均した一分子中の光架橋性基:2.6個)、光開始剤としてDAROCUR1173(BASF・ジャパン社製)0.2重量部およびIRGACURE819(BASF・ジャパン社製)0.1重量部を加え、十分に溶解・混合後、脱泡して、光硬化性樹脂組成物[A10]を得た。光硬化性樹脂組成物[A10]を、紫外線照射装置としてヘレウス社製LH−6(バルブ:H−bulb)を用いてピーク照度:500mW/cm、積算光量2000mJ/cmで紫外線を照射し、厚さ2mmのゴム状成形体を作製した。硬度を測定したところ、E81であった。
(比較例2)
光硬化性樹脂組成物[A1]の代わりに、比較配合例1で得られた光硬化性樹脂組成物[A10]を用い、軟質ウレタンフィルムとして厚さ50μmのものを用いる以外は実施例2と同様にして、足裏形状に追随するクッション性インソールを製造した。
短時間で得られたインソールは、足裏形状には追随しているが、柔軟性・弾性に乏しいため感触が悪く、また靴内に装着した歩行時にもやや苦痛を伴うものであった。
(比較配合例2)
光硬化性樹脂として、ダイセル・オルネクス社製EBECRYL5129(分子量800、官能基数:6個の脂肪族ウレタンアクリレート)100重量部を用い、光開始剤としてDAROCUR1173(BASF・ジャパン社製)0.2重量部およびIRGACURE819(BASF・ジャパン社製)0.1重量部を加え、十分に溶解・混合後、脱泡して、光硬化性樹脂組成物[A11]を得た。光硬化性樹脂組成物[A11]を、紫外線照射装置としてヘレウス社製LH−6(バルブ:H−bulb)を用いてピーク照度:500mW/cm、積算光量2000mJ/cmで紫外線を照射し、厚さ2mmの樹脂状成形体を作製した。硬度を測定したところ、タイプEデュロメータでは測定範囲外(100以上)であった。
(比較例3)
光硬化性樹脂組成物[A1]の代わりに、比較配合例2で得られた光硬化性樹脂組成物[A11]を用い、軟質ウレタンフィルムとして厚さ50μmのものを用いる以外は実施例2と同様にして、足裏形状に追随するクッション性インソールを製造しようとした。
しかしながら、照射途中で硬化熱により温度が高くなり、火傷を負う可能性が生じたため、照射を途中で停止しインソールは得られなかった。
このように、足裏の形状に追随したインソールを得るためには、パッケージの素材として軟質フィルムを用いることが必要であり、さらに封入された光硬化性樹脂組成物に関しても、光硬化性樹脂の構造を適性に選択することが必要である。

Claims (14)

  1. 軟質フィルム(A)を含む部材の中に光硬化性樹脂組成物(B)をあらかじめ封入し、軟質フィルムを足裏に押し付けた状態で光を照射して光硬化性樹脂組成物(B)を硬化させることにより、足裏の形状に賦形したインソールの製造方法であって、
    該光硬化性樹脂組成物(B)が、光架橋性基を一分子中に平均して0.9〜2.5個有する光硬化性樹脂(I)と光開始剤(II)を含むことを特徴とするインソールの製造方法。
  2. 上記部材が、軟質フィルム(A)と他の部材(C)との複合部材であることを特徴とする請求項1に記載のインソールの製造方法。
  3. 光硬化性樹脂組成物(B)の硬化後の硬度がタイプE硬度計でE80以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のインソールの製造方法。
  4. 軟質フィルム(A)が、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、ポリウレタン、エチレン・酢酸ビニル共重合体から選択されるいずれか一つの軟質素材を用いたものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のインソールの製造方法。
  5. 光硬化性樹脂(I)が、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、エステル(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート、アクリル(メタ)アクリレートから選択されるいずれか一つ以上の光硬化性樹脂であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のインソールの製造方法。
  6. 光硬化性樹脂(I)が有する光架橋性基が一般式(1):
    −OC(O)C(R)=CH (1)
    (式中、Rは水素原子又は炭素数1〜20の有機基を示す)で表わされる(メタ)アクリロイル基であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のインソールの製造方法。
  7. 光硬化性樹脂(I)が、光架橋性基を少なくとも0.8個分子鎖末端に有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のインソールの製造方法。
  8. 光硬化性樹脂(I)が、分子量1,000以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のインソールの製造方法。
  9. 光硬化性樹脂(I)が、リビングラジカル重合法で合成された(メタ)アクリル系重合体であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のインソールの製造方法。
  10. 光硬化性樹脂(I)100重量部に対し、光開始剤(II)が0.01〜10重量部であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のインソールの製造方法。
  11. 照射する光が350nm以上の波長にピーク照度を有する光であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のインソールの製造方法。
  12. 照射する光源が400nm以上の波長にピーク照度を有するLED光であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のインソールの製造方法。
  13. 照射する光のピーク照度が、20mW/cm以下であることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載のインソールの製造方法。
  14. 請求項1〜13のいずれかに記載の製造方法より得られたインソール。
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