JP2016124856A - ナフトピジル含有口腔内崩壊錠 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡便に製造可能で、多湿条件下および高温多湿条件下における錠剤の色調の変化を抑制するとともに、十分な崩壊性を有するナフトピジル含有口腔内崩壊錠を提供する。
【解決手段】本発明のナフトピジル含有口腔内崩壊錠は、ナフトピジルと、無水リン酸水素カルシウムの多孔性球状粒子とを含み、前記無水リン酸水素カルシウムの多孔性球状粒子は、平均粒子径が100μm以上500μm以下である。また、前記無水リン酸水素カルシウムの多孔性球状粒子の比表面積が25m/g以上である。
【選択図】なし

Description

本発明は、ナフトピジル含有口腔内崩壊錠に関する。
ナフトピジル((±)-1-[4- (2-methoxyphenyl) piperazinyl]-3- (1-naphthyloxy) propan-2-ol)は、前立腺肥大症に伴う排尿障害を改善するアドレナリンα受容体遮断薬である。
前立腺肥大症は高齢者の患者が大半であり、嚥下力が低下している場合があるため、口腔内で速やかに崩壊し、口腔内の唾液や少量の水で服用可能な口腔内崩壊錠を剤形とするナフトピジル製剤が提案されている。例えば、特許文献1には、口中での速やかな崩壊と、口中でのザラツキ感などの違和感を抑制するため、粒径が0.4〜105μmであるナフトピジル、ゼラチン、及びナフトピジルが溶解しない溶媒を混合して得られるナフトピジル懸濁液を、型に流し込んで成型した後、乾燥することにより得られる口腔内崩壊錠が記載されている。
また、特許文献2には、粒径が0.4〜105μmのナフトピジルと、水溶性添加物及び/又は水不溶性添加剤とを混合し、造粒し、得られた造粒物又は混合物を型に投入して0.1〜100MPaの圧力で圧縮成型することにより得られるナフトピジルを含有する口腔内崩壊製剤であって、製剤中における水不溶性添加剤の含有率が10%w/w以上である場合には、その水不溶性添加剤の平均粒径が100μm以下である口腔内崩壊錠が記載されている。
一般的に、医療現場で安心して錠剤を取り扱うには、多湿条件下、高温多湿条件下に錠剤を保管した場合も良好な口腔内崩壊性を維持していること、十分な錠剤硬度を有していること、さらには錠剤が変色しないことが望まれる。特許文献1及び2においては、多湿条件下、高温多湿条件下に錠剤を保管した場合の錠剤特性については記載がなく、良好な口腔内崩壊性や錠剤硬度などを維持できるか不明である。一方、特許文献3には、錠剤硬度が1kg以上であり、かつ白糖、ブドウ糖、D−マンニトール、エリスリトール、キシリトール、マルチトール、ヒドロキシプロピルセルロース、ポビドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、及びフマル酸ステアリルナトリウムからなる群から選ばれる1又は2以上の製剤用添加物とナフトピジルとからなる造粒物を含む口腔内崩壊錠が記載されている。特許文献3においては、製剤用添加物から乳糖を排除することによって、通常の保存状態で安定であることに加えて光による着色をも抑制可能であることが示された。
しかしながら、特許文献3では、実施例に示されているように、主薬であるナフトピジルを含む顆粒とナフトピジルを含まない顆粒の、二種類の顆粒を製し、これを混合した後、低打圧で打錠し、さらに硬度上昇のために加除湿工程を経る複雑な製造工程が必要であった。
特開2003−261439号公報 特開2004−175796号公報 特開2005−325040号公報
本発明者らがさらに検討した結果、特許文献3の実施例で示された30〜70kg/杵程度の低打圧での打錠では、実際には打錠自体が困難であり、一方、一般的な500kg/杵で打錠して加湿除湿工程を経ると、口腔内崩壊錠の崩壊時間が著しく遅延することが明らかとなった。また、特許文献1ないし3の製造方法はいずれも煩雑な製造工程を必要とするため、できるだけ簡便な製造方法で口腔内崩壊錠を製することが望まれる。
本発明は、上述の課題を解決するものであって、簡便に製造可能で、多湿条件下、高温多湿条件下に保管した錠剤の色調変化を抑制するとともに、十分な崩壊性を有するナフトピジル含有口腔内崩壊錠を提供することを目的とする。
本発明の一実施形態によると、ナフトピジルと、無水リン酸水素カルシウムの多孔性球状粒子とを含み、前記無水リン酸水素カルシウムの球状粒子は、平均粒子径が100μm以上500μm以下であることを特徴とするナフトピジル含有口腔内崩壊錠が提供される。
前記ナフトピジル含有口腔内崩壊錠において、前記無水リン酸水素カルシウムの多孔性球状粒子の比表面積が25m/g以上であってもよい。
前記ナフトピジル含有口腔内崩壊錠において、D−マンニトールをさらに含んでもよい。
前記ナフトピジル含有口腔内崩壊錠において、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースをさらに含んでもよい。
本発明によると、多湿条件下、高温多湿条件下に保管した錠剤の色調変化を抑制するとともに、十分な崩壊性を有するナフトピジル含有口腔内崩壊錠が提供される。また、容易に大量生産しうるナフトピジル含有口腔内崩壊錠が提供される。
本発明者らが検討した結果、ナフトピジル含有口腔内崩壊錠に、製剤用添加物として多孔質の無水リン酸水素カルシウムの球状粒子を添加することにより、一般的な製造工程により、口腔内で良好な崩壊性を達成できる錠剤を得ることが可能となり、更に乳糖を含有する場合であっても、多湿条件下、高温多湿条件下に保管した場合においても錠剤の色調変化を抑制できることを見出し、本発明を完成させた。また、製剤用添加物として多孔質の無水リン酸水素カルシウムの球状粒子を添加することにより、特許文献3の実施例で示されているような複雑な製造工程は必要ない。
以下、本発明に係るナフトピジル含有口腔内崩壊錠について詳細に説明する。但し、本発明のナフトピジル含有口腔内崩壊錠は、以下に示す実施の形態及び実施例の記載内容に限定して解釈されるものではない。
本発明に係るナフトピジル含有口腔内崩壊錠は、ナフトピジルと、平均粒子径100μm以上かつ多孔質の無水リン酸水素カルシウムの球状粒子とを含むことを特徴とする。ナフトピジルは、例えば、1錠あたり25mg、50mg又は75mg含有することができる。本発明に係る無水リン酸水素カルシウムの球状粒子は、水不溶性添加剤であるため、服用感を考慮して、その配合量はナフトピジル含有口腔内崩壊錠に対して10%以上20%以下が好ましい。
本発明に係る無水リン酸水素カルシウムの球状粒子の平均粒子径は、100μm以上500μm以下、好ましくは100μm以上300μm以下、より好ましくは100μm以上200μm以下である。平均粒子径が500μmを超えると、ざらつきを感じやすく、服用性が悪化するため好ましくない。なお、本発明に係るナフトピジル含有口腔内崩壊錠に添加する多孔質の無水リン酸水素カルシウムの球状粒子には、例えば、富士化学工業製のフジカリンを好適に用いることができる。
本発明に係るナフトピジル含有口腔内崩壊錠に添加する多孔質の無水リン酸水素カルシウムの球状粒子は、比表面積が25m/g以上である。本明細書において、比表面積は、自動比表面積測定装置トライスターII 3020(島津サイエンス(株))を用いてガス吸着法により評価するものとする。本発明に係るナフトピジル含有口腔内崩壊錠は、比表面積が大きな多孔質の無水リン酸水素カルシウムの球状粒子を含むことにより、多湿条件下、高温多湿条件下に保管した場合にも、錠剤の色調変化を抑制することができる。また、比表面積が大きな多孔質の無水リン酸水素カルシウムの球状粒子を含むことにより、口腔内崩壊時間を早めることができる。
(賦形剤)
本発明に係るナフトピジル含有口腔内崩壊錠において、賦形剤は口当たりなどを考慮すると水溶性もしくは水親和性のものが好ましい。例えば、マンニトール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、トレハロース、シクロデキストリン、トウモロコシデンプン、蔗糖、結晶セルロース、無水リン酸水素カルシウム、炭酸カルシウムなどを単独又は適宜組み合わせて使用することができる。また、本発明に係るナフトピジル含有口腔内崩壊錠においては、上述した多孔質の無水リン酸水素カルシウムの球状粒子を賦形剤として添加し、少量の乳糖を添加してもよい。一実施形態において、D−マンニトールは後述する実施例に示すように、崩壊性及び変色抑制効果の観点から賦形剤として好適である。
(崩壊剤)
崩壊剤としては、例えば、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、架橋化ポリビニルピロリドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、各種デンプン類などが挙げられる。これらの崩壊剤は、単独又は二種以上組み合わせて使用できる。一実施形態において、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースは、後述する実施例に示すように、崩壊性及び変色抑制効果の観点から崩壊剤として好適である。
(滑沢剤)
滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、軽質無水ケイ酸、フマル酸ステアリルナトリウム、タルク、水素添加植物油、マイクロクリスタリンワックス、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールなどを挙げることができる。
(着色剤)
着色剤としては、例えば、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄、黒酸化鉄、食用黄色5号、食用黄色5号アルミニウムレーキ、リボフラビン等が挙げられる。これらの着色剤は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。
(甘味剤)
甘味剤としては、例えば、スクラロース、サッカリン、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、ステビオシド、還元麦芽糖水飴などを挙げることができる。
本発明においては、更に、その他の添加剤として、例えば、甘味剤以外の矯味剤、香料、流動化剤、帯電防止剤、界面活性剤、湿潤剤、充填剤、増量剤、吸着剤、防湿剤、抗酸化剤、保存剤(例えば防腐剤など)、緩衝剤などを用いることもできる。
本発明に係る口腔内崩壊錠は、公知の製造方法を用いて製造することができる。湿式造粒法が好適であるが、特にこれに限定されない。
以上説明したように、本発明に係る口腔内崩壊錠は、多孔質の無水リン酸水素カルシウムの球状粒子を添加することにより、多湿条件下および高温加湿条件下に保管した場合の色調変化を抑制するとともに、十分な崩壊性を達成することができる。また、賦形剤としてD−マンニトール、崩壊剤として低置換度ヒドロキシプロピルセルロースをさらに添加することにより、崩壊性及び変色抑制効果を高めることができる。また、本発明によると、容易に大量生産しうるナフトピジル含有口腔内崩壊錠を提供することができる。
上述した本発明に係るナフトピジル含有口腔内崩壊錠について、具体例及び試験結果を示して、より詳細に説明する。
(比較例1)
比較例1として、特許文献3の実施例7に基づき、ナフトピジル含有口腔内崩壊錠を製造した。ナフトピジル 25.0gとエリスリトール(日研化成)14.2gを乳鉢に入れ乳棒にて混合後、予めヒドロキシプロピルセルロース(NISSO HPC-L、日本曹達株式会社)0.8gを分散させた50%エタノール水溶液を投入し練合した。練合品をミニジェットオーブン(60℃、富山産業製、機種:MO-921)に入れ乾燥した。乾燥品を篩22号で整粒し、A顆粒を得た。また、エリスリトール(日研化成)56.8gを、予めヒドロキシプロピルセルロース(NISSO HPC-SSL、日本曹達株式会社)1.2gを分散させた95%エタノール水溶液を投入し、乳鉢乳棒練合を行った。練合品をミニジェットオーブン(50℃、富山産業製、機種:MO-921)に入れ乾燥した。乾燥品を篩22号で整粒し、B顆粒を得た。A顆粒とB顆粒に、さらに軽質無水ケイ酸(アドソリダー101、ワイ・ケイ・エフ)1.0gとフマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS Pharma)1.0gを加えビニール袋にて混合し、打錠用混合品とした。単発打錠機(菊水製作所(株)製)にて、φ7mm平面(割線入り)杵を用い、打錠圧力約500kgで打錠し、口腔内崩壊錠を製造した。
さらに、50℃、湿度75%の条件下で、30分間加湿し、その後、60℃で30分間除湿した。比較例1のナフトピジル含有口腔内崩壊錠について、厚み、硬度、口腔内崩壊時間及び色調変化を評価した。
(錠剤硬度)
比較例1のナフトピジル含有口腔内崩壊錠について、錠剤硬度計(DC-50、岡田精工)を用いて錠剤の硬度を測定し、3錠の測定値の平均値を算出した。
(口腔内崩壊時間)
比較例1ナフトピジル含有口腔内崩壊錠について、官能試験による口腔内崩壊時間を測定した。
(色調変化)
分光色差計(日本電色工業製、機種:SE-6000)を用いて、製造直後の錠剤の色調を基準に、各安定性条件下に保管した錠剤の色調変化量ΔE値を測定し、5錠の測定値の平均値を算出した。
比較例1のナフトピジル含有口腔内崩壊錠の各特性を表1に示す。比較例1のナフトピジル含有口腔内崩壊錠では、色調変化は抑制されたものの、口腔内崩壊時間は、90秒以上の長時間となり、実用的なレベルではなかった。また製造工程も、2回の湿式造粒工程が必要であり、更に加除湿工程を行うため非常に複雑であり、簡便な製造法とは言い難いものであった。
Figure 2016124856
(比較例2)
比較例2として、比較例1の組成に準じて、一括造粒により、ナフトピジル含有口腔内崩壊錠を製造した。ナフトピジル 25.0gとエリスリトール(日研化成)72.0gを乳鉢に入れ混合後、予めヒドロキシプロピルセルロース(NISSO HPC-L、日本曹達株式会社)2.0gを分散させた50%エタノール水溶液を投入し乳棒にて練合した。練合品を篩8号で篩過した後、ミニジェットオーブン(50℃、富山産業製、機種:MO-921)に入れ乾燥した。乾燥品を篩22号で整粒し、整粒品にフマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS Pharma)1.0gをビニール袋にて混合し、打錠用混合品とした。単発打錠機(菊水製作所(株)製)にて、φ7mm平面(割線入り)杵を用い、打錠圧力約500kgで打錠し、口腔内崩壊錠を製造した。
(実施例1)
実施例1として、リン酸水素カルシウムの球状粒子を添加して、ナフトピジル含有口腔内崩壊錠を製造した。ナフトピジル 25.0g、エリスリトール(日研化成)60.0g及び乳糖(DMV)1.0gを乳鉢に入れ混合後、予めヒドロキシプロピルセルロース(NISSO HPC-L、日本曹達株式会社)2.0gを分散させた50%エタノール水溶液を投入し乳棒にて練合した。練合品を篩8号で篩過した後、ミニジェットオーブン(50℃、富山産業製、機種:MO-921)に入れ乾燥した。乾燥品を篩22号で整粒し、整粒品に無水リン酸水素カルシウムの球状粒子(フジカリン、富士化学工業)11.0gと、フマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS Pharma)1.0gを加えビニール袋にて混合し、打錠用混合品とした。比較例1と同様に打錠用混合品を打錠し、口腔内崩壊錠を製造した。
(実施例2)
実施例1では、練合時に乳糖を添加(前添加)し、練合後に無水リン酸水素カルシウムの球状粒子を添加(後添加)してナフトピジル含有口腔内崩壊錠を製造したが、実施例2においては、練合時に無水リン酸水素カルシウムの球状粒子を添加(前添加)し、練合後に乳糖を添加(後添加)してナフトピジル含有口腔内崩壊錠を製造した。ナフトピジル 25.0g、エリスリトール(日研化成)60.0g、及び無水リン酸水素カルシウムの球状粒子(フジカリン、富士化学工業1)11.0gを乳鉢に入れ混合後、予めヒドロキシプロピルセルロース(NISSO HPC-L、日本曹達株式会社)2.0gを分散させた50%エタノール水溶液を投入し乳棒にて練合した。練合品を篩8号で篩過した後、ミニジェットオーブン(50℃、富山産業製、機種:MO-921)に入れ乾燥した。乾燥品を篩22号で整粒し、整粒品に乳糖(DMV)1.0gおよびフマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS Pharma)1.0gを加えビニール袋にて混合し、打錠用混合品とした。比較例1と同様に打錠用混合品を打錠し、口腔内崩壊錠を製造した。
(実施例3)
実施例2では、練合時にリン酸水素カルシウムの球状粒子を添加し、練合後に乳糖を添加してナフトピジル含有口腔内崩壊錠を製造したが、実施例3においては、練合後に乳糖を添加せずにナフトピジル含有口腔内崩壊錠を製造した。それ以外は実施例2と同様に口腔内崩壊錠を製造した。
比較例2及び実施例1〜3のナフトピジル含有口腔内崩壊錠の各特性を表2に示す。比較例2のナフトピジル含有口腔内崩壊錠では、乳糖を添加していないにもかかわらず、各保管条件下における色調変化は抑制されず、口腔内崩壊時間も90秒以上の長時間となった。一方、無水リン酸水素カルシウムの球状粒子を後添加した実施例1のナフトピジル含有口腔内崩壊錠では、口腔内崩壊時間の遅延が生じたものの、多湿条件下、加温多湿条件下保管後の色調変化は比較例2に比べ抑制された。
また、無水リン酸水素カルシウムの球状粒子を前添加し、乳糖を後添加した実施例2のナフトピジル含有口腔内崩壊錠では、良好な口腔内崩壊時間を示し、多湿条件下、加温多湿条件下保管後の色調変化は抑制された。無水リン酸水素カルシウムの球状粒子を前添加し、乳糖を添加しなかった実施例3のナフトピジル含有口腔内崩壊錠においても実施例2と同様の傾向がみられ、実施例2と3を比較することにより、無水リン酸水素カルシウムを配合することで、多湿条件下、加温多湿条件下保管後の色調変化を抑制でき、更に乳糖を添加しても色調変化は悪化しないことが確認された。
Figure 2016124856
(実施例4)
次に、賦形剤及び崩壊剤について、さらに検討した。実施例1〜3においては賦形剤としてエリスリトールを用いたが、実施例4においてはD−マンニトールを用いるとともに、崩壊剤として低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを添加した。ナフトピジル 25.0g、D−マンニトール(P、三菱商事フードテック)48.67g、乳糖(DMV)1.0g、無水リン酸水素カルシウムの球状粒子(フジカリン、富士化学工業1)11.0g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L-HPC(21)、信越化学工業)11.0g及び粉末還元麦芽糖水飴(アマルティMR-50、三菱商事フードテック)0.33gを乳鉢に入れ混合後、精製水を投入し乳棒にて練合した。練合品を篩8号で篩過した後、ミニジェットオーブン(50℃、富山産業製、機種:MO-921)に入れ乾燥した。乾燥品を篩22号にて整粒し、整粒品に軽質無水ケイ酸(アドソリダー101、ワイ・ケイ・エフ)1.0gとフマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS Pharma)2.0gをビニール袋にて混合し、打錠用混合品とした。比較例1と同様に打錠用混合品を打錠し、口腔内崩壊錠を製造した。
(実施例5)
実施例5として、練合時に黄色三二酸化鉄を0.05g添加したこと以外は実施例4と同様に口腔内崩壊錠を製造した。
(実施例6)
実施例6として、賦形剤としてエリスリトールを用いたこと以外は実施例5と同様に口腔内崩壊錠を製造した。
(比較例3)
比較例3として、無水リン酸水素カルシウムの球状粒子を添加せずに、D−マンニトールを59.67gに増量したこと以外は実施例5と同様に口腔内崩壊錠を製造した。
実施例4〜6及び比較例3のナフトピジル含有口腔内崩壊錠の各特性を表3に示す。D−マンニトールを用いるとともに、崩壊剤として低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを添加した実施例4のナフトピジル含有口腔内崩壊錠では、多湿条件下、高温多湿条件下保管後の色調変化の抑制と、口腔内での速やかな崩壊が認められた。また、着色剤として黄色三二酸化鉄を添加した実施例5では実施例2と同程度の多湿条件下、高温多湿条件下保管後の色調変化の抑制効果が得られ、それに加え、実施例2よりも速やかな口腔内での崩壊が認められた。
一方、賦形剤としてD−マンニトールを用いた比較例3では、崩壊時間の短縮はされたものの、無水リン酸水素カルシウムの球状粒子を添加しなかったため、多湿条件下、加温多湿条件下保管後の色調変化の抑制効果は得られなかった。
Figure 2016124856
実施例4及び5の結果から、賦形剤としてD−マンニトールを用いるとともに、崩壊剤として低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを添加することにより、多湿条件下、高温多湿条件下保管後のナフトピジル含有口腔内崩壊錠の色調変化の抑制と、口腔内での速やかな崩壊が認められたため、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース以外の崩壊剤についても検討した。
(比較例4)
比較例4として、崩壊剤としてクロスポビドン(BASF)を添加したこと以外は実施例5と同様に口腔内崩壊錠を製造した。
(比較例5)
比較例5として、崩壊剤としてクロスカルメロースナトリウム(アクジゾル、FMC)を添加したこと以外は実施例5と同様に口腔内崩壊錠を製造した。
(比較例6)
比較例6として、崩壊剤としてカルメロースカルシウム(ECG505、五徳薬品)を添加したこと以外は実施例5と同様に口腔内崩壊錠を製造した。
(比較例7)
比較例7として、崩壊剤としてデンプングリコール酸ナトリウム(プリモジェル、DFEPharma)を添加したこと以外は実施例5と同様に口腔内崩壊錠を製造した。
(比較例8)
比較例8として、崩壊剤としてカルメロース(NS-300、五徳薬品)を添加したこと以外は実施例5と同様に口腔内崩壊錠を製造した。
比較例4〜8のナフトピジル含有口腔内崩壊錠の各特性を実施例5のナフトピジル含有口腔内崩壊錠の各特性とともに表4に示す。崩壊剤として低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを添加した実施例5のナフトピジル含有口腔内崩壊錠と比較して、他の崩壊剤を添加した比較例4〜8のナフトピジル含有口腔内崩壊錠では、多湿条件下、高温多湿条件下保管後の色調変化の抑制効果が得られない。また、比較例5〜7のナフトピジル含有口腔内崩壊錠では、口腔内での崩壊時間の遅延が認められた。この結果から、本発明に係るナフトピジル含有口腔内崩壊錠は、崩壊剤として低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを添加することにより、多湿条件下、高温多湿条件下保管後の色調変化の抑制と、口腔内での速やかな崩壊が達成される。
Figure 2016124856
(比較例9)
次に、無水リン酸水素カルシウムの球状粒子の添加作用を検証するため、他の不溶性塩基性無機添加剤を用いて比較した。比較例9として、無水リン酸水素カルシウムの球状粒子に替えて炭酸マグネシウム球状粒子(SG302、富田製薬)を11.0g用いたこと以外は実施例5と同様に口腔内崩壊錠を製造した。
(比較例10)
比較例10として、無水リン酸水素カルシウムの球状粒子に替えて酸化マグネシウム球状粒子(SG102XH、富田製薬)を11.0g用いたこと以外は実施例5と同様に口腔内崩壊錠を製造した。
(比較例11)
比較例11として、無水リン酸水素カルシウムの球状粒子に替えて水酸化マグネシウム球状粒子(SG202XH、富田製薬)を11.0g用いたこと以外は実施例5と同様に口腔内崩壊錠を製造した。
比較例9〜11のナフトピジル含有口腔内崩壊錠の各特性を実施例5のナフトピジル含有口腔内崩壊錠の各特性とともに表5に示す。なお、何れの球状粒子も平均粒径は100μm以上である。表5の結果から、何れの比較例においても色調変化の抑制効果は得られなかった。したがって、不溶性塩基性無機添加剤という特性のみでは、本発明の効果が得られないことが明らかとなった。
Figure 2016124856
(比較例12)
最後に、無水リン酸水素カルシウムの多孔質で球状粒子であることが色調変化の抑制効果と崩壊性の改善に作用するかを検討した。比較例12として、多孔質ではなく、粒度の細かい無水リン酸水素カルシウムとして、比表面積が0.4469m/gのカリカ(協和化学工業)を用いたこと以外は実施例5と同様に口腔内崩壊錠を製造した。なお、フジカリンの比表面積の測定値は、28.9309m/gであった。
(比較例13)
比較例13として、多孔質ではなく、粒度の大きいリン酸水素カルシウムの球状粒子として、比表面積が1.1953m/gのリカミット(協和化学工業)を用いたこと以外は実施例5と同様に口腔内崩壊錠を製造した。
比較例12〜13のナフトピジル含有口腔内崩壊錠の各特性を実施例5のナフトピジル含有口腔内崩壊錠の各特性とともに表6に示す。表6の結果から、多孔質ではない無水リン酸水素カルシウムを用いた比較例12、13は、実施例5に比べ口腔内崩壊時間が遅延し、多湿および高温多湿条件下保管後における錠剤の色調変化抑制効果も劣ることが明らかとなった。
Figure 2016124856

Claims (4)

  1. ナフトピジルと、無水リン酸水素カルシウムの多孔性球状粒子とを含み、
    前記無水リン酸水素カルシウムの球状粒子は、
    平均粒子径が100μm以上500μm以下であることを特徴とするナフトピジル含有口腔内崩壊錠。
  2. 前記無水リン酸水素カルシウムの多孔性球状粒子の比表面積が25m/g以上であることを特徴とする請求項1に記載のナフトピジル含有口腔内崩壊錠。
  3. D−マンニトールをさらに含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のナフトピジル含有口腔内崩壊錠。
  4. 低置換度ヒドロキシプロピルセルロースをさらに含むことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一に記載のナフトピジル含有口腔内崩壊錠。
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