JP2016121592A - 筒内圧センサの故障検出装置 - Google Patents

筒内圧センサの故障検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】筒内圧センサの故障検出装置であって、該筒内圧センサの高周波領域での応答性が低下しているというような異常を、通常運転時において、運転者や搭乗者に気付かれることなく、より確実に故障として判定することを可能としうる、筒内圧センサの故障検出装置を提供すること。
【解決手段】本発明の筒内圧センサの故障検出装置は、機関回転数監視手段と燃料噴射制御手段と異常判定手段とを具備し、機関回転数が、燃料噴射制御手段によりもたらされる高周波燃焼騒音を人間の聴覚から隠しうる領域として設定された所定機関回転数領域内にあるときに、燃料噴射制御手段による燃料噴射を積極的に実行し、該燃料噴射を実行した際に生じた気筒内の圧力振動データを取得し、該取得された圧力振動データを解析して得られたデータに基づいて筒内圧センサの高周波領域における応答性の異常の有無を判定し該筒内圧センサの故障を検出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、筒内圧センサの故障検出装置に関し、特に、内燃機関における燃焼騒音の抑制制御に用いられる筒内圧センサ(CPS)の故障検出装置に関する。
従来より、内燃機関であって、その商品性の向上を図るべく、各気筒内の圧力を検出する筒内圧力センサからの出力データに基づいて、内燃機関の燃焼運転に伴う気筒内の圧力の変化により内燃機関から発生する燃焼騒音を抑制する制御手段を備える内燃機関の提案がなされている(特許文献1参照)。また、このような筒内圧センサからの出力データに基づいて実行される燃焼騒音抑制制御において筒内圧センサに故障が生じた場合、その制御に支障をきたす事態をもたらすことなり、このような支障を回避すべく、筒内圧センサの故障を判定する故障検出装置の提案もなされている。
特開2009−270460号公報 特開昭62−95436号公報
ところで、燃焼騒音抑制制御手段の一構成要素として用いられる筒内圧センサの故障検出装置に対して、筒内圧センサの修理や交換に伴い強いられるユーザーの負担と、求められる静音性確保との適度なバランスを考慮した、筒内圧センサの異常を判定する異常判定手段を備えることの要望がある。このような筒内圧センサ異常判定手段の実現において、燃焼騒音抑制の対象周波数領域を、燃焼騒音の中で最も耳障りな騒音の周波数領域となる高周波領域に絞ることが一つの有効な方策となり、該方策においては、筒内圧センサの高周波領域での応答性(検出性)が低下しているというような異常を、より確実に故障として判定することが求められる。特許文献2においては、通常運転時にて、筒内圧センサからの高周波成分を爆発サイクルの間において積分して、積分値変動が所定値以下のときに、筒内圧センサに異常が生じていると判定する筒内圧センサの異常判定装置が提案されている。しかしながら、通常運転時においては高周波領域の燃焼騒音が発生する頻度は低く、筒内圧センサの高周波領域に対する応答性を確認できる機会が少ないため、筒内圧センサの高周波領域における応答性の検証確保が困難、すなわち、筒内圧センサの高周波領域における応答性の異常の有無を確実に判定することは困難である。
本発明は、上記課題に鑑み、内燃機関の各気筒内の圧力振動を検出する筒内圧センサであって、内燃機関の燃焼運転に伴う気筒内の圧力の変化により内燃機関から発生する燃焼騒音を抑制する制御手段の一構成要素として適用される筒内圧センサの故障検出装置であって、該筒内圧センサの高周波領域での応答性が低下しているというような異常を、通常運転時において、より確実に故障として判定することを可能としうる、筒内圧センサの故障検出装置を提供することを目的とする。
第1の発明では、内燃機関の燃焼運転に伴う気筒内の圧力の変化により内燃機関から発生する燃焼騒音を抑制する制御手段の一構成要素として適用される筒内圧センサであって気筒内の圧力振動を取得する筒内圧センサの故障を検出する故障検出装置において、機関回転数を監視する機関回転数監視手段と、所定高周波領域内に燃焼騒音をもたらすべく燃料噴射を制御する燃料噴射制御手段と、前記筒内圧センサから取得された気筒内の圧力振動データを解析し、前記筒内圧センサの高周波領域における応答性の異常の有無を判定する異常判定手段とを具備し、機関回転数が、前記燃料噴射制御手段によりもたらされる高周波燃焼騒音を人間の聴覚から隠しうる領域として設定された所定機関回転数領域内にあるときに、前記燃料噴射制御手段による燃料噴射を積極的に実行し、該燃料噴射を実行した際に生じた気筒内の圧力振動データを取得し、該取得された圧力振動データを解析して得られたデータに基づいて前記筒内圧センサの高周波領域における応答性の異常の有無を判定し該筒内圧センサの故障を検出する、筒内圧センサの故障検出装置が提供される。
すなわち、第1の発明では、所定高周波領域内に燃焼騒音をもたらすべく燃料噴射を制御する燃料噴射制御手段を備え、なお且つ、該燃料噴射制御手段による燃料噴射を、機関回転数が、燃料噴射制御手段によりもたらされる高周波燃焼騒音を人間の聴覚から隠しうる領域として設定された所定機関回転数領域内にあるときに積極的に実行するようにするものとすることで、通常運手時において、より確実に、所定高周波領域内に燃焼騒音をもたらして筒内圧センサの高周波領域での応答性が低下しているというような異常を検出することを可能にしうるとともに、運転者や搭乗者に気付かれることなく高周波燃焼騒音を誘発することをも可能とする。
第2の発明では、第1の発明において、前記燃料噴射制御手段は、燃料噴射圧を高圧化することで燃焼による熱発生率を急峻なものとするように燃料噴射を制御して、前記所定高周波領域内に燃焼騒音をもたらす。
第3の発明では、第1又は第2の発明において、前記異常判定手段は、前記筒内圧センサから取得された気筒内の圧力振動データを周波数毎の寄与度に分解する解析をして得られた周波数毎の寄与度データに基づいて、前記筒内圧センサの高周波領域における応答性の異常の有無を判定する。
第4の発明では、第3の発明において、前記異常判定手段は、解析により得られた周波数毎の寄与度データから前記所定高周波領域における圧力振動に含まれる振動成分の最大強度を抽出し、該抽出された最大強度に基づいて前記筒内圧センサの高周波領域における応答性の異常の有無を判定する。
本発明によれば、内燃機関の燃焼運転に伴う気筒内の圧力の変化により内燃機関から発生する燃焼騒音を抑制する制御手段の一構成要素として適用される筒内圧センサであって気筒内の圧力振動を取得する筒内圧センサの故障を検出する故障検出装置において、通常運転時において、より確実に、筒内圧センサの高周波領域での応答性が低下しているというような異常を検出することを可能とするとともに、運転者や搭乗者に気付かれることなく高周波燃焼騒音を誘発することをも可能とする、という共通の効果を奏する。
本発明に係る筒内圧センサの故障検出装置を備えた内燃機関を概略的に示す図である。 本発明の筒内圧センサの故障検出装置において実行される制御の一実施形態を示すフローチャートである。 燃料噴射制御手段により高周波燃焼騒音を誘発する際に実行される燃料噴射制御の一実施形態を説明する図である。 異常判定手段による、筒内圧センサから取得された気筒内の圧力振動データを周波数毎の寄与度に分解する解析の一実施形態を説明する図である。 異常判定手段による筒内圧センサの高周波領域における応答性の異常の有無の判定の一実施形態を説明する図である。
図1は本発明に係る筒内圧センサの故障検出装置を備えた圧縮自着火式内燃機関(ディーゼルエンジン)を概略的に示す図である。しかしながら、本発明に係る筒内圧センサの故障検出装置は、火花点火式内燃機関(ガソリンエンジン)等、他の内燃機関に用いることも可能である。
図1を参照すると、機関本体1は、シリンダブロック2と、シリンダブロック2上に配置されたシリンダヘッド3とを具備する。シリンダブロック2の各気筒内には往復運動を行うピストン4が設けられ、ピストン4の上面とシリンダヘッド3の下面とシリンダブロック2の各気筒の内壁面とによって燃焼室5が形成される。シリンダヘッド3には燃焼室5に連通する吸気ポート6と、この吸気ポート6を開閉するための吸気弁7が設けられる。同様に、シリンダヘッド3には燃焼室5に連通する排気ポート8と、この排気ポート8を開閉するための排気弁9が設けられる。
加えて、シリンダヘッド3には、各燃焼室5の上面中央に、燃焼室5内に燃料を噴射する燃料噴射弁10が設けられる。燃料噴射弁10は各気筒毎に設けられ、よって例えば4気筒内燃機関ではシリンダヘッド3に4つの燃料噴射弁10が配置されることになる。図1から分かるように、燃料噴射弁10はその先端部が燃焼室5内に突出するように配置される。
尚、図示した例では、燃料噴射弁10は、燃焼室5の上面中央に配置されているが、燃焼室5上面の周辺領域等、燃焼室5内に直接燃料を噴射できるようにシリンダヘッド3又はシリンダブロック2の任意の位置に配置することができる。また、内燃機関として火花点火式内燃機関を用いた場合には、燃料噴射弁10から吸気ポート6に燃料噴射を行うように燃料噴射弁を吸気ポート6や吸気ポート6に接続される吸気マニホルド(図示せず)等に設けることも可能である。
各燃料噴射弁10は燃料供給管11を介して燃料リザーバ、いわゆるコモンレール12に連結される。コモンレール12内は電子制御式の吐出量可変な燃料ポンプ13を介して燃料タンク14に接続される。燃料タンク14内の燃料は燃料ポンプ13によりコモンレール12内に供給され、コモンレール12内に供給された燃料は各燃料供給管11を介して燃料噴射弁10に供給される。
ECU(電子制御ユニット)30はデジタルコンピュータからなり、双方向性バス31によって互いに接続されたROM(リードオンリメモリ)32、RAM(ランダムアクセスメモリ)33、CPU(マイクロプロセッサ)34、入力ポート35および出力ポート36を具備する。シリンダヘッド3には各気筒の燃焼室5内の圧力振動を検出し取得する筒内圧センサ51が設けられており、この筒内圧センサ51の出力信号はAD変換器37を介して入力ポート35に入力される。また、コモンレール12にはコモンレール12内の燃料の圧力を検出する燃圧センサ52が設けられ、この燃圧センサ52の出力信号はAD変換器37を介して入力ポート35に入力される。なお、燃圧センサ52は、必ずしもコモンレール12に取り付けられたものでなくてもよく、例えば、燃料噴射弁10に取り付けられて燃料噴射弁10に供給される又は燃料噴射弁10に供給された燃料の圧力を検出するものであってもよい。加えて、燃料噴射弁10には燃料噴射弁10内のニードル弁のリフト量を検出するためのリフト量検出センサ53が設けられ、このリフト量検出センサ53の出力信号もAD変換器37を介して入力ポート35に入力される。また、入力ポート35にはクランクシャフトが例えば15°回転する毎に出力パルスを発生するクランク角センサ54が接続され、このクランク角センサ54が機関回転数検出手段としての役割を果たし、このクランク角センサ54により機関回転数が検出される。
このように構成された内燃機関では、燃料噴射弁10の動作はECU30によって制御される。したがって、ECU30は、燃料噴射弁10の制御装置として作用する。本実施形態においては、通常運転時には燃料噴射弁10は、筒内圧センサにより取得された気筒内の圧力振動データに基づいて、機関運転状態に対して必要な燃料量の一部をパイロット燃料噴射として先に噴射し、残りを主燃料噴射として後に噴射し、必要燃料量が一度に噴射されて一気に燃焼する場合に比較して、内燃機関の燃焼運転に伴う気筒内の圧力の変化により内燃機関から発生する燃焼騒音を抑制させている。また、こうして主燃料噴射に先立ってパイロット燃料噴射を実施すると、パイロット燃料噴射に起因して気筒内に発生する燃焼圧力波と主燃料噴射に起因して気筒内に発生する燃焼圧力波とを互いに干渉させて機関出力にそれほど貢献しない筒内圧力の高周波成分を抑制させることができ、それによっても燃焼騒音を抑制することができる。
ところで、このような筒内圧センサにより取得された圧力振動データに基づいて実行される燃焼騒音抑制制御においては、筒内圧センサに故障が生じた場合、その制御に支障をきたす事態をもたらすことなり、このような事態を回避しうるような筒内圧センサの故障を判定する手段が必要となる。一方で、燃焼騒音抑制制御手段の一構成要素として用いられる筒内圧センサの故障検出装置に対して、筒内圧センサの修理や交換に伴い強いられるユーザーの負担と、求められる静音性との適度なバランスを考慮した、筒内圧センサの異常を判定する異常判定手段を備えることの要望がある。
本発明においては、上記のような要望に応えるべく、燃焼騒音抑制の対象周波数領域を燃焼騒音の中で最も耳障りな騒音の周波領域となる高周波領域に絞り、通常運手時において、より確実に、所定高周波領域内に燃焼騒音をもたらして筒内圧センサの高周波領域での応答性が低下しているというような異常を検出することを可能にしうるとともに、運転者や搭乗者に気付かれることなく高周波燃焼騒音を誘発することをも可能としうる異常判定手段を備える、筒内圧センサの故障検出装置を提供する。以下では、本発明の筒内圧センサの故障検出装置の実施形態について説明する。
本発明の筒内圧センサの故障検出装置は、クランク角センサ54より検出された機関回転数を監視する機関回転数監視手段61と、所定高周波領域内に燃焼騒音をもたらすべく燃料噴射弁10による燃料噴射を制御する燃料噴射制御手段62と、筒内圧センサから取得された気筒内の圧力振動データを解析し、筒内圧センサの高周波領域における応答性の異常の有無を判定する異常判定手段63とを備えて構成され、機関回転数が、燃料噴射制御手段によりもたらされる高周波燃焼騒音を人間の聴覚から隠しうる領域として設定された所定機関回転数領域内にあるときに、燃料噴射制御手段による燃料噴射を積極的に実行し、該燃料噴射を実行した際に生じた気筒内の圧力振動データを取得し、該取得された圧力振動データを解析して得られたデータに基づいて筒内圧センサの高周波領域における応答性の異常の有無を判定し筒内圧センサの故障を検出する。尚、上記の機関回転数監視手段、燃料噴射制御手段及び異常判定手段の動作は、ECU30によって制御される。
図2は、本発明の筒内圧センサの故障検出装置において実行される制御の一実施形態を示すフローチャートである。
まず、ステップ101においては、筒内圧センサの高周波領域での応答性の異常の有無を判定すべく燃料噴射制御手段により積極的にもたらす高周波燃焼騒音が、人間の聴覚から隠れうる状態に機関運転状態があるか否かが判定される。本実施形態においては、このような判定を機関回転数に基づいて行うものとし、すなわち、機関回転数監視手段により監視されている機関回転数が、燃料噴射制御手段により積極的にもたらす高周波燃焼騒音を人間の聴覚から隠しうる領域として設定された所定機関回転数領域内にあるか否かの判定がなされる。該所定機関回転数領域は、例えば、車の風切音や、ギヤやピストン等の機械部品の振動によりもたらされる機械的騒音が、燃料噴射制御手段により積極的にもたらす高周波燃焼騒音よりも勝りうるような領域や、燃料噴射制御手段により積極的にもたらす高周波燃焼騒音を人間の非可聴領域にシフトさせうるような領域、あるいは、単発で非連続的な燃料噴射による高周波燃焼騒音の誘発によれば燃料噴射の実施に気付かれないような領域というような観点から、解析や評価試験を行い、該解析や評価試験の結果に基づいて予め設定されてECUのメモリー内に記憶される。例えば、単発で非連続的な燃料噴射による高周波燃焼騒音の誘発によれば燃料噴射の実施に気付かれないような領域というような観点からは、好適には機関回転数が約2000〜3000(rpm)である領域が所定機関回転数領域として設定され、機関回転数が約2000〜3000(rpm)であるような際、そのうちの1サイクルのみに対して、所定高周波領域内に燃焼騒音をもたらす燃料噴射を積極的に実行することによれば、その燃料噴射を運転者や搭乗者に気付かれることなく高周波燃焼騒音を誘発することを可能とする。
そして、ステップ101において機関回転数が所定回転数領域内にあると判定されると、続くステップ102に進み、高周波燃焼騒音をもたすべく燃料噴射制御手段による燃料噴射が積極的に実行される。図3は、燃料噴射制御手段により高周波燃焼騒音を誘発する際に実行される燃料噴射制御の一実施形態を説明する図である。本実施形態においては、燃料噴射制御手段は、通常運手時と比較して燃料噴射圧を高圧化することで燃焼による熱発生率を急峻なものとするように燃料噴射を制御して、所定高周波領域内に燃焼騒音をもたらすよう構成される。また、本実施形態においては、燃料噴射制御手段による燃料噴射は、通常走行中に1サイクルに対してのみ、単発で非連続的な燃料噴射による高周波燃焼騒音の誘発を実施するものとし、例えば、機関回転数が2000〜3000(rpm)の領域を所定周波数領域として設定し該領域内にある際に、そのうちの1サイクルのみの単発で非連続的な燃料噴射による高周波燃焼騒音の誘発の実施することで、通常運手時において、より確実に、所定高周波領域内に燃焼騒音をもたらして筒内圧センサの高周波領域での応答性が低下しているというような異常を検出することを可能にしうるとともに、運転者や搭乗者に気付かれることなく高周波燃焼騒音を誘発することをも可能とする。
ステップ102に続くステップ103においては、ステップ102にて燃料噴射制御手段による燃料噴射を実行した際に生じた気筒内の圧力振動データを筒内圧センサから取得する。
ステップ103に続くステップ104からステップ108においては、異常判定手段により、ステップ103にて取得された気筒内の圧力振動を解析して得られたデータに基づいて筒内圧センサの高周波領域における応答性の異常の有無を判定する。
本実施形態における筒内圧センサの故障検出装置の異常判定手段は、筒内圧センサの高周波領域での応答性が低下しているというような異常を、より確実に故障として判定することを可能とするように構成されるとともに、頻繁な筒内圧センサの修理や交換をユーザーに強いることの更なる抑制を可能にするという観点から、筒内圧センサの高周波領域での応答性に異常が生じていなくとも、誤って故障と判定してしまうような誤異常判定を抑制することをも可能にするように構成される。すなわち、本実施形態の筒内圧センサの故障検出装置の異常判定手段は、デポジット付着等により高周波領域の検出性が低下しているにもかかわらず、最大筒内圧力が変わらないので異常がないと判定されてしまうような事態を防止することを可能とする一方で、温度変化等の外的要因により筒内圧センサの出力信号にドリフトが発生して、出力センサ値に不要なオフセット(バイアス)が重畳するオフセットズレが生じていたり、あるいは、筒内圧センサ自体の特性ばらつき(製作公差等に起因)や経年変化により、ゲイン(センシング感度係数)に誤差が生じるゲインズレが生じていたりする場合においても、高周波領域の応答性が確保されている場合には、異常と判定しないことでユーザー(使用者)が強いられる修理頻度・コストを抑制することをも可能とするように構成される。
このような異常判定手段をもたらすべく、その一実施形態となる本実施形態においては、まず、ステップ104において、異常判定手段は、筒内圧センサから取得された気筒内の圧力振動データを周波数毎の寄与度に分解する解析を行う。このような解析を行うことで、どの周波数成分の圧力振動が強いのかが定量的に把握することが可能となる。図4は、異常判定手段による、筒内圧センサから取得された気筒内の圧力振動データを周波数毎の寄与度に分解する解析の一実施形態を説明する図である。本実施形態においては、異常判定手段は、燃料噴射制御手段による燃料噴射を実行した際に生じた気筒内の圧力振動データをFFT(高速フーリエ変換)解析することにより、筒内圧センサから取得された気筒内の圧力振動データを周波数毎の寄与度に分解する。
FFT解析による、筒内圧センサから取得された気筒内の圧力振動データの周波数毎の寄与度の分解によれば、筒内圧センサの出力信号にオフセットズレが生じているような場合においても、筒内圧センサから取得された気筒内の圧力振動データの形が、オフセットズレが生じていない場合の圧力振動データの形と同様のものである場合、すなわち、たんにオフセットズレが生じているような場合には、FFT解析により得られる圧力振動データの周波数毎の寄与度の分解結果データは、オフセットズレが生じている場合も生じていない場合も同様のものとなる。従って、FFT解析による、筒内圧センサから取得された気筒内の圧力振動データの周波数毎の寄与度の分解によれば、気筒内の圧力振動データの周波数毎の寄与度の精度良い分解を可能とするとともに、なお且つ、高周波領域の応答性が確保されているにもかかわらず筒内圧センサのオフセットズレが生じていることが原因で筒内圧センサに異常があると判定してユーザーに筒内圧センサの修理を強いるような事態を抑制することをも可能とする。
ステップ104に続くステップ105においては、ステップ104にて得られたFFTによる解析結果データに基づいて、筒内圧センサの高周波領域における応答性の異常の有無を判定する。図5は、異常判定手段による筒内圧センサの高周波領域における応答性の異常の有無の判定の一実施形態を説明する図である。本実施形態においては、筒内圧センサの高周波領域における応答性の異常の有無を判定するに際し、異常判定手段は、ステップ104にてFFT解析により結果として得られた周波数毎の寄与度データから所定高周波領域における圧力振動に含まれる振動成分の最大強度を抽出し、該抽出された最大強度に基づいて筒内圧センサの高周波領域における応答性の異常の有無を判定する。
本実施形態においてはステップ105において、異常判定手段より、FFT解析により得られた周波数毎の寄与度データから抽出された所定高周波領域における最大強度が、所定の閾値以下であるか否かが判定され、該所定の閾値よりも大きいと判定されると、続くステップ106に進み、筒内圧センサの高周波領域における応答性に異常が無いものとして判定され、すなわち、筒内圧センサは正常であるとの判定(筒内圧センサ正常判定)がなされ、筒内圧センサの故障検出装置において実行される制御が終了される。その一方で、ステップ105において、異常判定手段より、FFT解析により得られた周波数毎の寄与度データから抽出された所定高周波領域における最大強度が、所定の閾値以下であると判定されると、続くステップ107に進み、筒内圧センサの高周波領域における応答性に異常が有るものとして判定され、すなわち、筒内圧センサに異常があるとの判定(筒内圧センサ異常判定)がなされ、さらに、続くステップ108に進み、筒内圧センサの修理の必要があることをユーザーに警告すべくMIL(警告灯)が点灯されて、筒内圧センサの故障検出装置において実行される制御が終了とされる。
FFT解析により得られた周波数毎の寄与度データから抽出された所定高周波領域における最大強度に基づいて筒内圧センサの高周波領域における応答性の異常の有無を判定する異常判定手段によれば、気筒内の圧力振動データの周波数毎の寄与度の精度良い分解結果データに基づいて、より確実に高周波領域の応答性の異常の有無の判定を行うことができるとともに、高周波領域の応答性が確保されているにもかかわらず筒内圧センサのオフセットズレが生じていることが原因で筒内圧センサに異常があると判定してユーザーに対して筒内圧センサの修理を強いるような事態を抑制することをも可能とする。
ちなみに、上記のような異常判定手段による判定の構成は異常判定手段の一実施形態を示すものであり、このような実施形態に限られることはなく、例えば、異常判定手段が、ステップ104にて解析により得られた周波数毎の寄与度データから圧力振動に含まれる振動成分の所定高周波領域における最大強度と全領域における最低強度との比を算出し、該算出された比に基づいて筒内圧センサの高周波領域における応答性の異常の有無を判定するように構成されてもよい。
筒内圧センサの出力信号にゲインズレが生じているような場合においては、ゲインズレが生じていない場合の筒内圧センサから取得される圧力振動データの形と比較して、ゲインズレが生じている場合の筒内圧センサから取得される圧力振動データの形は歪むこととなる。そのため、FFT解析による、筒内圧センサから取得された気筒内の圧力振動データの周波数毎の寄与度の分解結果データも、筒内圧センサの出力信号にゲインズレが生じているような場合のものと比較して、各周波数での強度が歪められたものとなる。しかしながら、筒内圧センサの出力信号にゲインズレが生じているような場合においても、燃料噴射制御手段による燃料噴射を実行した際に生じる気筒内の圧力振動データに含まれる周波数自体は変わるものではなく、FFT解析により得られた周波数毎の寄与度データから、圧力振動に含まれる振動成分の所定高周波領域における最大強度と全領域における最低強度との比をとることにより、気筒内の圧力振動データの周波数毎の寄与度の分解結果データに対してゲインズレが原因で生じる歪みを相殺しうるものとすることが一方策として考えられる。
このことに基づいて、本発明の筒内圧センサの故障検出装置の異常判定手段の他の一実施形態として、異常判定手段が、FFT解析により得られた周波数毎の寄与度データから、圧力振動に含まれる振動成分の所定高周波領域における最大強度と全領域における最低強度との比を算出し、該算出された比に基づいて筒内圧センサの高周波領域における応答性の異常の有無を判定するように構成されるものが考えられる。このような実施形態においては、異常判定手段は、FFT解析により得られた周波数毎の寄与度データから圧力振動に含まれる振動成分の所定高周波領域における最大強度と全領域における最低強度との比を算出し、具体的には、所定高周波領域における最大強度を全領域における最低強度にて除算(割り算)することで比を算出し、該算出された比が所定値以上であるか否かを判定し、所定値以下であると判定された場合には、筒内圧センサの高周波領域における応答性に異常が有るものとして判定する。
FFT解析により得られた周波数毎の寄与度データから算出された所定高周波領域における最大強度と全領域における最低強度との比に基づいて筒内圧センサの高周波領域における応答性の異常の有無を判定する異常判定手段によれば、このような比の算出により気筒内の圧力振動データの周波数毎の寄与度の分解結果データに対してゲインズレが原因で生じる歪みを十分に相殺しうる状態にある場合には、気筒内の圧力振動データの周波数毎の寄与度の精度良い分解結果データに基づいて、より確実に高周波領域の応答性の異常の有無の判定を行うことができるとともに、高周波領域の応答性が確保されているにもかかわらず筒内圧センサのオフセットズレ及びゲインズレの少なくともいずれか一方が生じていることが原因で筒内圧センサに異常があると判定してユーザーに対して筒内圧センサの修理を強いるような事態を抑制することをも可能とする。
また、内燃機関の実用上からの観点においては、高周波領域の燃焼騒音が存在しても、低周波領域の燃焼騒音の強度が高周波領域の燃焼騒音よりも十分に上回る場合においては、事実上、耳障りな高周波燃焼騒音が隠れるものとなる場合がある。そのため、燃焼騒音の高周波領域における強度と低周波領域における強度との比率を最低限正しく検出する状態に筒内圧センサがあれば、実用上、筒内圧センサの高周波領域における応答性に異常はないと判定するように、異常判定手段を構成することも一方策として考えられる。
このことに基づいて、本発明の筒内圧センサの故障検出装置の異常判定手段の他の一実施形態として、異常判定手段が、FFT解析により得られた周波数毎の寄与度データから、圧力振動に含まれる振動成分の所定高周波領域における強度と所定低周波領域における強度との比を算出し、該算出された比に基づいて筒内圧センサの高周波領域における応答性の異常の有無を判定するように構成されるものが考えられる。このような実施形態においては、異常判定手段は、FFT解析により得られた周波数毎の寄与度データから圧力振動に含まれる振動成分の所定高周波領域における強度と所定低周波領域における強度との最低比率を算出し、具体的には、所定高周波領域における強度を所定低周波領域における強度にて除算(割り算)して算出される比の中から最低のものを最低比率として抽出し、該最低比率が所定値以上であるか否かを判定し、所定値以上であると判定された場合には、筒内圧センサが、燃焼騒音の高周波領域における強度と低周波領域における強度との比率を正しく検出する状態にあると判定し、筒内圧センサの高周波領域における応答性の異常は無いものとして判定する。
このような異常判定手段、すなわち、FFT解析により得られた周波数毎の寄与度データから圧力振動に含まれる振動成分の所定高周波領域における強度と所定低周波領域における強度との比に基づいて、筒内圧センサの高周波領域における応答性の異常の有無を判定する異常判定手段によれば、高周波領域を燃焼騒音の抑制制御手段の構成要素として適用される筒内圧センサとしては実用上問題が無いのにもかかわらず、筒内圧センサに異常があると判定してユーザーに筒内圧センサの修理を強いるような事態を抑制することを可能としうる。
1 機関本体
10 燃料噴射弁
30 ECU
54 クランク角センサ
61 機関回転数監視手段
62 燃料噴射制御手段
63 異常判定手段

Claims (1)

  1. 内燃機関の燃焼運転に伴う気筒内の圧力の変化により内燃機関から発生する燃焼騒音を抑制する制御手段の一構成要素として適用される筒内圧センサであって気筒内の圧力振動を取得する筒内圧センサの故障を検出する故障検出装置において、
    機関回転数を監視する機関回転数監視手段と、
    所定高周波領域内に燃焼騒音をもたらすべく燃料噴射を制御する燃料噴射制御手段と、
    前記筒内圧センサから取得された気筒内の圧力振動データを解析し、前記筒内圧センサの高周波領域における応答性の異常の有無を判定する異常判定手段とを具備し、
    機関回転数が、前記燃料噴射制御手段によりもたらされる高周波燃焼騒音を人間の聴覚から隠しうる領域として設定された所定機関回転数領域内にあるときに、前記燃料噴射制御手段による燃料噴射を積極的に実行し、該燃料噴射を実行した際に生じた気筒内の圧力振動データを取得し、該取得された圧力振動データを解析して得られたデータに基づいて前記筒内圧センサの高周波領域における応答性の異常の有無を判定し該筒内圧センサの故障を検出する、筒内圧センサの故障検出装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110375989A (zh) * 2019-07-23 2019-10-25 哈尔滨工程大学 一种柴油机燃烧噪声检测***
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