JP2016117789A - 潤滑油添加剤、および潤滑油組成物 - Google Patents

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耕治 星野
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Abstract

【課題】新規の摩擦抵抗を低減する作用を有する潤滑油添加剤の提供。【解決手段】式(1)で表される化合物を含む潤滑油添加剤。(R1はC6以上の炭化水素含有基;X1は単結合、−CONH−基、−NHCO−基、−NH−基又は、1以上のヘテロ原子を有し該ヘテロ原子に結合したHを有しない結合基;X2は単結合又は、1以上のヘテロ原子を有し該ヘテロ原子に結合したHを有しない結合基;Zは−CN基、−CO2CH3基、−OCOCH3基、−OCON(CH3)2基又は、1以上のヘテロ原子及び該ヘテロ原子に結合したHを有する基;a及びbは0又は1;c、m及びnは0〜2;Yは−CH2−基又は−OCH2CH2−基;Aは−O−基、−CO−基、−S−基、−SO−基、−SO2−基、又は−CR4R5−基;R4及びR5はH、トリフルオロメチル基、C1〜5アルキル基等;R4及びR5は環構造を形成していてもよい。)【選択図】なし

Description

本発明は、潤滑油添加剤及び潤滑油組成物に関する。
内燃機関や自動変速機、軸受けなどには、その作用を円滑にするために潤滑油が用いられている。一般に潤滑油には、その潤滑油に要求される性能を持たせるために、種々の添加剤が配合される。例えば通常のエンジン油には、摩耗防止剤、摩擦調整剤、金属系清浄剤、無灰分散剤、酸化防止剤などの潤滑油添加剤が配合されている。
潤滑油添加剤の中でも、摩擦抵抗を低減する作用を有する添加剤(摩擦調整剤、以下において「FM」と称することがある。)は摩擦によるエネルギー損失を低減する上で重要な成分である。一般的に用いられるFMは、モリブデンを含有する有機モリブデン系FMと、油性を向上させることによって摩擦を低減させる油性剤系FMとに分類することができる。
有機モリブデン系FMとしては、MoDTC(モリブデンジチオカーバメート)やMoDTP(ジチオリン酸モリブデン)が広く知られている(例えば特許文献1参照)。これら有機モリブデン系FMは使用初期の摩擦低減効果に優れるものの、その摩擦低減効果を長期間にわたって良好に維持することには限界がある。また有機モリブデン系FMは灰分を含有するため、使用済み潤滑油の再利用を難しくする。また内燃機関の潤滑に使用した場合には排気ガス浄化装置へ悪影響を及ぼすおそれがある。そのため、有機モリブデン系FMの添加量を削減することが求められている。
一方、油性剤系FMによれば、有機モリブデン系FMの上記問題を克服できる可能性がある。そのため環境対応の観点から油性剤系FMの重要性が高まっている(例えば特許文献2〜3参照)。
特開2013−133453号公報 特開2009−235252号公報 特開2006−257383号公報
本発明は、新規な無灰の油性剤系摩擦調整剤を含有する潤滑油添加剤を提供する。また、該油性剤系摩擦調整剤を含有する潤滑油組成物を提供する。
本発明の第1の態様は、一般式(1)で表される1種以上の化合物を含有する潤滑油添加剤である。
Figure 2016117789
(一般式(1)において、Rは炭素数6以上の炭化水素含有基であり;Xは、単結合、−CONH−基、−NHCO−基、−NH−基、又は、1以上のヘテロ原子を有し該ヘテロ原子に結合した水素原子を有しない炭素数0〜1の結合基であり、該ヘテロ原子は酸素、窒素、及び硫黄からなる群から選ばれ;Xは、単結合、又は、1以上のヘテロ原子を有し該ヘテロ原子に結合した水素原子を有しない炭素数0〜1の結合基であり、該ヘテロ原子は酸素、窒素、及び硫黄からなる群から選ばれ;Zは、−CN基、−COCH基、−OCOCH基、−OCON(CH基、又は、1以上のヘテロ原子及び該ヘテロ原子に結合した水素原子を有する炭素数0〜6の基であり、該ヘテロ原子は酸素、窒素、硫黄、及びリンからなる群から選ばれ;aは0又は1であり;bは0又は1であり;cは0〜2の整数であり;cが1以上のとき、Yは−CH−基又は−OCHCH−基であり;R及びRはそれぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、又は炭素数6〜10のアリール基であり;m及びnはそれぞれ独立に0〜2の整数であり;Aは−O−基、−CO−基、−S−基、−SO−基、−SO−基、又は−CR−基であり、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、トリフルオロメチル基、炭素数1〜5のアルキル基、又は炭素数6〜10のアリール基であり、R及びRは相互に結合して環構造を形成していてもよい。)
本発明の第2の態様は、(A)潤滑油基油と、(B)本発明の第1の態様に係る潤滑油添加剤とを含有する、潤滑油組成物である。
本発明の第2の態様に係る潤滑油組成物は、上記(A)成分及び(B)成分に加えて、無灰分散剤、酸化防止剤、上記一般式(1)又は(2)で表される化合物以外の摩擦調整剤、摩耗防止剤、金属系清浄剤、粘度指数向上剤、腐食防止剤、防錆剤、抗乳化剤、金属不活性化剤、消泡剤及び着色剤から選ばれる少なくとも1種の添加剤を含有し得る。
本発明の第1の態様に係る潤滑油添加剤は、無灰の油性剤系摩擦調整剤として作用し、境界潤滑条件下で良好な摩擦低減効果を発揮できる。
本発明の第2の態様に係る潤滑油組成物は、無灰の油性剤系摩擦調整剤を含有する潤滑油組成物であって、境界潤滑条件下で良好な摩擦低減効果を発揮できる。
各実施例および各比較例に係る潤滑油組成物の摩擦特性の評価結果を示すグラフである。
以下、本発明について詳述する。なお、特に断らない限り、数値範囲について「A〜B」という表記は「A以上B以下」を意味するものとする。かかる表記において数値Bのみに単位を付した場合には、当該単位が数値Aにも適用されるものとする。
<1.潤滑油添加剤>
本発明の第1の態様に係る潤滑油添加剤は、下記一般式(1)で表される1種以上の化合物を含んでなる。
Figure 2016117789
一般式(1)において、a及びbはそれぞれ独立に0又は1であり、好ましくは0である。
一般式(1)において、Rは炭素数6以上の炭化水素含有基であり、典型的には炭素数6以上の炭化水素基である。ただしRが炭化水素基を有する限りにおいて、Rは酸素、窒素、及び硫黄から選ばれる1種以上のヘテロ原子を分子構造中に有していてもよい。
炭化水素基としては、アルキル基(環構造を有していてもよい。)、アルケニル基(二重結合の位置は任意であり、環構造を有していてもよい。)、アリール基(アルキル基又はアルケニル基を有していてもよい。)、アリールアルキル基、アリールアルケニル基等を例示できる。
アルキル基としては、直鎖又は分枝の各種アルキル基が挙げられる。アルキル基が有し得る環構造としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等の炭素数5以上7以下のシクロアルキル基を例示できる。なお環構造に鎖式炭化水素基が置換する場合、環構造上の置換位置は任意である。
アルケニル基としては、直鎖又は分枝の各種アルケニル基が挙げられる。アルケニル基が有し得る環構造としては、上記シクロアルキル基のほか、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基等の炭素数5以上7以下のシクロアルケニル基を例示できる。なお環構造に鎖式炭化水素基が置換する場合、環構造上の置換位置は任意である。
アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等を挙げることができる。またアルキルアリール基、アルケニルアリール基、アリールアルキル基、及びアリールアルケニル基において、芳香環上の置換位置は任意である。
の炭素数は6以上であり、通常40以下であり、典型的には30以下である。Rの炭素数は好ましくは10以上であり、より好ましくは13以上であり、特に好ましくは15以上である。またRの炭化水素基は脂肪族炭化水素基であることが好ましく、直鎖脂肪族炭化水素基であることがより好ましい。
一般式(1)においてXは、単結合、−CONH−基、−NHCO−基、−NH−基、又は、1以上のヘテロ原子を有しかつ該ヘテロ原子に結合した水素原子を有しない炭素数0〜1の結合基である。Xについては、「ヘテロ原子」は酸素、窒素、及び硫黄から選ばれ、典型的には酸素又は窒素である。Xについて、「1以上のヘテロ原子を有しかつ該ヘテロ原子に結合した水素原子を有しない炭素数0〜1の結合基」は、例えば−O−基、−S−基、−S(O)−基、−S(O)−基、−S(O)O−基、−OS(O)−基、−NCH−基、−C(O)−基、−OC(O)−基、−C(O)O−基等から選ばれ得る。好ましい一形態としては、一般式(1)において、aが0であり、Xが単結合、−O−基、又は−C(O)O−基である形態を例示できる。
一般式(1)においてXは、単結合、又は、1以上のヘテロ原子を有し該ヘテロ原子に結合した水素原子を有しない炭素数0〜1の結合基である。Xについては、「ヘテロ原子」は酸素、窒素、及び硫黄から選ばれ、典型的には酸素又は窒素である。Xについて、「1以上のヘテロ原子を有しかつ該ヘテロ原子に結合した水素原子を有しない炭素数0〜1の結合基」は、例えば−O−基、−S−基、−S(O)−基、−S(O)−基、−S(O)O−基、−OS(O)−基、−NCH−基、−C(O)−基、−OC(O)−基、−C(O)O−基等から選ばれ得る。好ましい一形態としては、一般式(1)において、bが0であり、Xが単結合、−O−基、又は−OC(O)−基である形態を例示できる。
一般式(1)においてZは、−CN基、−COCH基、−OCOCH基、−OCON(CH基、又は、1以上のヘテロ原子及び該ヘテロ原子に結合した水素原子を有する炭素数0〜6の基である。Zについては、「ヘテロ原子」は酸素、窒素、硫黄、及びリンから選ばれ、典型的には酸素又は窒素である。「1以上のヘテロ原子及び該ヘテロ原子に結合した水素原子を有する炭素数0〜6の基」が2以上のヘテロ原子を有する場合、水素原子が結合していない1以上のヘテロ原子があってもよい。Zについて、「1以上のヘテロ原子及び該ヘテロ原子に結合した水素原子を有する炭素数0〜6の基」は、例えば−OH基、−OCONH基、−OCONHR’基(ただしR’はヒドロカルビル基)、−COH基、−NH基、−NHR’基(ただしR’はヒドロカルビル基)、−NHCOR’基(ただしR’はヒドロカルビル基)、−CONH基、−CONHR’基(ただしR’はヒドロカルビル基)、−SH基、−SOH基、−S(O)H基、−S(O)OH基、−S(O)H基、−S(O)OH基、−OS(O)H基、−P(OH)基、−P(OR’)OH基(ただしR’はヒドロカルビル基)、−PH(O)OH基、−P(O)(OH)R’基(ただしR’はヒドロカルビル基)、−OPH(OH)基、−OP(OH)R’基(ただしR’はヒドロカルビル基)、−P(O)(OH)基、−P(O)(OR’)OH基(ただしR’はヒドロカルビル基)、−OP(OH)基、−OP(OR’)OH基(ただしR’はヒドロカルビル基)、−OPH(O)OH基、−OPH(O)OR’基(ただしR’はヒドロカルビル基)、−OP(O)(OH)R’基(ただしR’はヒドロカルビル基)、−OP(O)(OH)基、−OP(O)(OR’)OH基(ただしR’はヒドロカルビル基)、等から選ばれ得る。Zについて、「1以上のヘテロ原子及び該ヘテロ原子に結合した水素原子を有する炭素数0〜6の基」の炭素数は、好ましくは0〜5であり、より好ましくは0〜3である。
一般式(1)において、cは0〜2の整数であり、好ましくは0又は1であり、より好ましくは0である。cが1以上のとき、Yは−CH−基又は−OCHCH−基であり、典型的には−CH−基である。なお一般式(1)で表される化合物は−O−O−結合を有しないことが好ましい。
上記一般式(1)における好ましい一形態としては、bが0であり、Xが単結合であり、cが0であり、Zが−OCOCH基、−OCON(CH基、−OH基、−OCONH基、−OCONHR’基、−OS(O)H基、−OPH(OH)基、−OP(OH)R’基、−OP(OH)基、−OP(OR’)OH基、−OPH(O)OH基、−OPH(O)OR’基、−OP(O)(OH)R’基、−OP(O)(OH)基、又は−OP(O)(OR’)OH基である形態を例示できる。これらの中でも、Zのヘテロ原子が酸素または窒素であって、酸素および窒素以外のヘテロ原子を有しないものが好ましい。
一般式(1)において、R及びRはそれぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、又は炭素数6〜10のアリール基である。R及びRについて、アルキル基としては直鎖または分岐鎖アルキル基を好ましく例示できる。R及びRについて、アリール基としてはフェニル基およびナフチル基を例示でき、フェニル基は1つ以上のアルキル基を有するアルキルフェニル基であってもよい。R及びRは好ましくは、それぞれ独立に炭素数1〜5のアルキル基またはフェニル基であり、より好ましくは炭素数1〜3のアルキル基である。
一般式(1)において、m及びnはそれぞれ独立に0〜2の整数であり、好ましくは0又は1であり、より好ましくは0である。
一般式(1)において、Aは−O−基、−CO−基、−S−基、−SO−基、−SO−基、又は−CR−基であり、酸化安定性の点で好ましくは−O−基、−CO−基、−SO−基、又は−CR−基である。ここでR及びRはそれぞれ独立に、水素原子、トリフルオロメチル基、炭素数1〜5のアルキル基、又は炭素数6〜10のアリール基であり、R及びRは相互に結合して環構造を形成していてもよい。R及びRについて、アルキル基としては直鎖または分岐鎖アルキル基を好ましく例示でき;アリール基としてはフェニル基およびナフチル基を例示でき、フェニル基は1つ以上のアルキル基を有するアルキルフェニル基であってもよい。R及びRが相互に結合して環構造を形成している形態の−CR−基としては、アルキル置換または無置換のシクロアルカン−1,1−ジイル基(例えばシクロペンタン−1,1−ジイル基やシクロヘキサン−1,1−ジイル基。)や、9H−フルオレン−9,9−ジイル基等を例示できる。−CR−基について「R及びRが相互に結合して環構造を形成している」とは、一価基であるRから水素原子を1つ取り除くことにより生じる遊離原子価と、一価基であるRから水素原子を1つ取り除くことにより生じる遊離原子価とを結合させることによって当該環構造が得られることを意味する。例えば、無置換ペンチリデン基はR及びRである2つのエチル基がそれぞれの2−位で相互に結合することによって得られる環構造の−CR−基と解することができ、無置換ヘキシリデン基はR及びRであるエチル基及びプロピル基がそれぞれのω−位で相互に結合することによって得られる環構造の−CR−基と解することができ、無置換9H−フルオレン−9,9−ジイル基はR及びRである2つのフェニル基がそれぞれのo−位で相互に結合することによって得られる環構造の−CR−基と解することができる。置換シクロアルカン−1,1−ジイル基上のアルキル置換基の炭素数は好ましくは1〜3である。アルキル置換基を有するシクロアルキリデン基の一例としては、3,3,5−トリメチルシクロヘキサン−1,1−ジイル基を挙げることができる。
上記一般式(1)においては、Aに結合した第1の芳香環にR−X−(CH−基が置換しており、Aに結合した第2の芳香環に−(CH−X−(Y)−Z基が置換している。そしてmが1以上である場合には第1の芳香環にm個のRが置換しており、nが1以上である場合には第2の芳香環にn個のRが置換している。第1の芳香環におけるR−X−(CH−基およびm個のRの置換位置、ならびに、第2の芳香環における−(CH−X−(Y)−Z基およびn個のRの置換位置は、特に制限されるものではなく、Aに対してo−位、m−位、p−位のいずれでもよい。ただし−(CH−X−(Y)−Z基の置換位置は、Aに対してm−位またはp−位であることが好ましく、p−位であることがより好ましい。
本発明の潤滑油添加剤における、上記一般式(1)で表される化合物の含有量は、特に制限されない。例えば、後述する本発明の潤滑油組成物における(B)成分の通常の又は好ましい含有量が実現される量とすることができる。
<2.潤滑油組成物>
本発明の第2の態様に係る潤滑油組成物は、(A)潤滑油基油と、(B)上記一般式(1)で表される1種以上の化合物(以下において「ビスフェノール構造類縁体型無灰摩擦調整剤」ということがある。)とを含んでなる。
((A)潤滑油基油)
本発明の潤滑油組成物における潤滑油基油は、特に制限はなく、通常の潤滑油に使用される鉱油系基油や合成系基油が使用できる。
鉱油系基油としては、具体的には、原油を常圧蒸留して得られる常圧残油を減圧蒸留して得られた潤滑油留分を、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、水素化精製等の処理を1つ以上行って精製したもの、あるいはワックス異性化鉱油、フィッシャートロプシュプロセス等により製造されるGTL WAX(ガス・トゥ・リキッド・ワックス)を異性化する手法で製造される潤滑油基油等が例示できる。
合成系潤滑油としては、1−オクテンオリゴマー、1−デセンオリゴマー等のポリα−オレフィンまたはその水素化物、イソブテンオリゴマーまたはその水素化物、パラフィン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、ジエステル(ジトリデシルグルタレート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート等)、ポリオールエステル(トリメチロールプロパンカプリレート、トリメチロールプロパンペラルゴネート、ペンタエリスリトール−2−エチルヘキサノエート、ペンタエリスリトールペラルゴネート等)、ポリオキシアルキレングリコール、ジアルキルジフェニルエーテル、ポリフェニルエーテル等が挙げられる。このほか、アルキルナフタレン、アルキルベンゼン、及び芳香族エステル等の芳香族系合成油又はこれらの混合物等が例示できる。
本発明の潤滑油組成物においては、潤滑油基油として、鉱油系基油、合成系基油又はこれらの中から選ばれる2種以上の潤滑油の任意混合物等が使用できる。例えば、1種以上の鉱油系基油、1種以上の合成系基油、1種以上の鉱油系基油と1種以上の合成系基油との混合油等を挙げることができる。
本発明の潤滑油組成物における潤滑油基油の動粘度、NOACK蒸発量、及び粘度指数は、当該潤滑油組成物の用途に応じて選ぶことができる。例えば当該潤滑油組成物が内燃機関用である場合には、潤滑油基油の100℃における動粘度は例えば3.0〜16.3mm/s等とすることができる。また例えば当該潤滑油組成物が変速機用である場合には、潤滑油基油の100℃における動粘度は例えば3.5〜25.0mm/s等とすることができる。
((B)ビスフェノール構造類縁体型無灰摩擦調整剤)
(B)上記一般式(1)で表される化合物の詳細については、本発明の第1の態様に係る潤滑油添加剤について既に説明した通りである。(B)成分の含有量は特に制限されるものではなく、上記一般式(1)で表される化合物の含有量として、潤滑油組成物の全量に対して例えば0.05〜10重量%であり得る。ただし好ましくは5重量%以下である。好ましい含有量の範囲は潤滑油組成物の用途によって異なり得るが、上記一般式(1)で表される化合物の含有量として、潤滑油全量基準で例えば好ましくは0.1重量%以上であり、他方好ましくは3重量%以下である。
(その他の添加剤)
本発明の第2の態様に係る潤滑油組成物は、上記(A)潤滑油基油および(B)ビスフェノール構造類縁体型無灰摩擦調整剤のほかに、(C)無灰分散剤、(D)酸化防止剤、(E)上記一般式(1)で表される化合物以外の摩擦調整剤、(F)摩耗防止剤または極圧剤、(G)金属系清浄剤、(H)粘度指数向上剤または流動点降下剤、(I)腐食防止剤、(J)防錆剤、(K)金属不活性化剤、(L)抗乳化剤、(M)消泡剤、及び(N)着色剤から選ばれる1種以上の添加剤をさらに含み得る。なお、本発明の第1の態様に係る潤滑油添加剤にこれら(C)〜(N)から選ばれる1種以上の添加剤を含有させて添加剤パッケージとしてもよい。
(C)無灰分散剤としては、例えばコハク酸イミド系無灰分散剤等の公知の無灰分散剤を使用可能である。本発明の潤滑油組成物に無灰分散剤を含有させる場合、その含有量は、潤滑油組成物全量基準で、すなわち潤滑油組成物全量を100重量%として、通常0.01重量%以上であり、好ましくは0.1重量%以上である。また、通常20重量%以下であり、好ましくは10重量%以下である。
(D)酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤やアミン系酸化防止剤等の公知の酸化防止剤を使用可能である(ただし上記一般式(1)又は(2)で表される化合物を除く。)。本発明の潤滑油組成物に酸化防止剤を含有させる場合、その含有量は、潤滑油組成物全量基準で、通常5.0重量%以下であり、好ましくは3.0重量%以下であり、また好ましくは0.1重量%以上であり、より好ましくは0.5重量%以上である。
(E)上記一般式(1)で表される化合物以外の摩擦調整剤としては、公知の摩擦調整剤を使用可能である。例としては、脂肪酸エステル等の油性剤系摩擦調整剤や、有機モリブデン系摩擦調整剤を挙げることができる。本発明の潤滑油組成物にこれらの摩擦調整剤を含有させる場合、その含有量は、潤滑油組成物全量基準で、通常0.05重量%以上5重量%以下である。
(F)摩耗防止剤または極圧剤としては、公知の摩耗防止剤または極圧剤を使用可能である。例としては、ジチオリン酸亜鉛等のリン化合物や、ジスルフィド類、硫化油脂類等の硫黄含有化合物を挙げることができる(ただし上記一般式(1)で表される化合物を除く。)。本発明の潤滑油組成物にこれらの摩耗防止剤を含有させる場合には、その含有量は、潤滑油組成物全量基準で、通常0.05重量%以上5重量%以下である。
(G)金属系清浄剤としては、公知の金属系清浄剤を使用可能である。例としては、アルカリ金属スルホネート、アルカリ土類金属スルホネート、アルカリ金属フェネート、アルカリ土類金属フェネート、アルカリ金属サリシレート、アルカリ土類金属サリシレート、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。これら金属系清浄剤は過塩基化されていてもよい。本発明の潤滑油組成物に金属系清浄剤を含有させる場合、その含有量は特に制限されない。ただし、自動変速機あるいは無段変速機用の場合、潤滑油組成物全量基準の金属元素換算量で通常、0.01重量%以上1.0重量%以下である。また内燃機関用の場合、潤滑油組成物全量基準の金属元素換算量で通常、0.01重量%以上5.0重量%以下である。
(H)粘度指数向上剤または流動点降下剤としては、公知の粘度指数向上剤または流動点降下剤を使用可能である。粘度指数向上剤の例としては、各種メタクリル酸エステルから選ばれる1種又は2種以上のモノマーの重合体、共重合体、及びそれらの水素添加物等の、いわゆる非分散型粘度指数向上剤;窒素化合物を含む各種メタクリル酸エステルを共重合させた、いわゆる分散型粘度指数向上剤;非分散型又は分散型エチレン−α−オレフィン共重合体及びその水素添加物;ポリイソブチレン及びその水素添加物;スチレン−ジエン共重合体の水素添加物;スチレン−無水マレイン酸エステル共重合体;並びに、ポリアルキルスチレン等を挙げることができる。本発明の潤滑油組成物にこれらの粘度指数向上剤を含有させる場合、その含有量は、潤滑油組成物全量基準で、通常0.1重量%以上20重量%以下である。また流動点降下剤の例としては、ポリメタクリレート系ポリマー等を挙げることができる。本発明の潤滑油組成物に流動点降下剤を含有させる場合、その含有量は、潤滑油組成物全量基準で、通常0.01重量%以上1重量%以下である。
(I)腐食防止剤としては、例えばベンゾトリアゾール系化合物、トリルトリアゾール系化合物、チアジアゾール系化合物、及びイミダゾール系化合物等の公知の腐食防止剤を使用可能である。本発明の潤滑油組成物にこれらの腐食防止剤を含有させる場合、その含有量は、潤滑油組成物全量基準で、通常0.005重量%以上5重量%以下である。
(J)防錆剤としては、例えば石油スルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、ジノニルナフタレンスルホネート、アルケニルコハク酸エステル、及び多価アルコールエステル等の公知の防錆剤を使用可能である。本発明の潤滑油組成物にこれらの防錆剤を含有させる場合、その含有量は、潤滑油組成物全量基準で、通常0.005重量%以上5重量%以下である。
(K)金属不活性化剤としては、例えば、イミダゾリン、ピリミジン誘導体、アルキルチアジアゾール、メルカプトベンゾチアゾール、ベンゾトリアゾール及びその誘導体、1,3,4−チアジアゾールポリスルフィド、1,3,4−チアジアゾリル−2,5−ビスジアルキルジチオカーバメート、2−(アルキルジチオ)ベンゾイミダゾール、並びにβ−(o−カルボキシベンジルチオ)プロピオンニトリル等の公知の金属不活性化剤を使用可能である。本発明の潤滑油組成物にこれらの金属不活性化剤を含有させる場合、その含有量は、潤滑油組成物全量基準で、通常0.005重量%以上1重量%以下である。
(L)抗乳化剤としては、例えばポリアルキレングリコール系非イオン系界面活性剤等の公知の抗乳化剤を使用可能である。本発明の潤滑油組成物に抗乳化剤を含有させる場合、その含有量は、潤滑油組成物全量基準で、通常0.005質量%以上5質量%以下である。
(M)消泡剤としては、例えば、シリコーン、フルオロシリコーン、及びフルオロアルキルエーテル等の公知の消泡剤を使用可能である。本発明の潤滑油組成物にこれらの消泡剤を含有させる場合、その含有量は、潤滑油組成物全量基準で、通常0.0005重量%以上1重量%以下である。
(N)着色剤としては、例えばアゾ化合物等の公知の着色剤を使用可能である。
本発明の潤滑油添加剤および潤滑油組成物の形態としては、例えば次の[1]〜[48]の形態を挙げることができる。
[1]一般式(1)で表される1種以上の化合物を含有する潤滑油添加剤。
Figure 2016117789








(一般式(1)において、Rは炭素数6以上の炭化水素含有基であり;
は、単結合、−CONH−基、−NHCO−基、−NH−基、又は、1以上のヘテロ原子を有し該ヘテロ原子に結合した水素原子を有しない炭素数0〜1の結合基であり、Xの該ヘテロ原子は酸素、窒素、及び硫黄からなる群から選ばれ;
は、単結合、又は、1以上のヘテロ原子を有し該ヘテロ原子に結合した水素原子を有しない炭素数0〜1の結合基であり、Xの該ヘテロ原子は酸素、窒素、及び硫黄からなる群から選ばれ;
Zは、−CN基、−COCH基、−OCOCH基、−OCON(CH基、又は、1以上のヘテロ原子及び該ヘテロ原子に結合した水素原子を有する炭素数0〜6の基であり、Zの該ヘテロ原子は酸素、窒素、硫黄、及びリンからなる群から選ばれ;
aは0又は1であり;bは0又は1であり;cは0〜2の整数であり;
cが1以上のとき、Yは−CH−基又は−OCHCH−基であり;
及びRはそれぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、又は炭素数6〜10のアリール基であり;
m及びnはそれぞれ独立に0〜2の整数であり;
Aは−O−基、−CO−基、−S−基、−SO−基、−SO−基、又は−CR−基であり、
及びRはそれぞれ独立に、水素原子、トリフルオロメチル基、炭素数1〜5のアルキル基、又は炭素数6〜10のアリール基であり、R及びRは相互に結合して環構造を形成していてもよい。)
[2]上記[1]において、Rが炭素数6以上の炭化水素基である形態。
[3]上記[1]又は[2]において、Rの炭素数が10以上である形態。
[4]上記[1]〜[3]のいずれかにおいて、Rの炭素数が13以上である形態。
[5]上記[1]〜[4]のいずれかにおいて、Rの炭素数が15以上である形態。
[6]上記[1]〜[5]のいずれかにおいて、Rの炭素数が40以下である形態。
[7]上記[1]〜[6]のいずれかにおいて、Rの炭素数が30以下である形態。
[8]上記[1]〜[7]のいずれかにおいて、Rが脂肪族炭化水素基である形態。
[9]上記[1]〜[8]のいずれかにおいて、Rが直鎖脂肪族炭化水素基である形態。
[10]上記[1]〜[9]のいずれかにおいて、Xが単結合、−CONH−基、−NHCO−基、−NH−基、−O−基、−S−基、−S(O)−基、−S(O)−基、−S(O)O−基、−OS(O)−基、−NCH−基、−C(O)−基、−OC(O)−基、又は−C(O)O−基である形態。
[11]上記[1]〜[10]のいずれかにおいて、Xのヘテロ原子が酸素及び窒素から選ばれ、Xは酸素および窒素以外のヘテロ原子を有しない形態。
[12]上記[1]〜[11]のいずれかにおいて、aが0である形態。
[13]上記[1]〜[12]のいずれかにおいて、aが0であり、Xが単結合、−O−基、又は−C(O)O−基である形態。
[14]上記[1]〜[13]のいずれかにおいて、bが0である形態。
[15]上記[1]〜[14]のいずれかにおいて、cが0である形態。
[16]上記[1]〜[15]のいずれかにおいて、Xが単結合、−O−基、−S−基、−S(O)−基、−S(O)−基、−S(O)O−基、−OS(O)−基、−NCH−基、−C(O)−基、−OC(O)−基、又は−C(O)O−基である形態。
[17]上記[1]〜[16]のいずれかにおいて、Xのヘテロ原子が酸素及び窒素から選ばれ、Xは酸素および窒素以外のヘテロ原子を有しない形態。
[18]上記[1]〜[17]のいずれかにおいて、bが0であり、Xが単結合、−O−基、又は−OC(O)−基である形態。
[19]上記[1]〜[18]のいずれかにおいて、Zが−CN基、−COCH基、−OCOCH基、−OCON(CH基、−OH基、−OCONH基、−OCONHR’基、−COH基、−NH基、−NHR’基、−NHCOR’基、−CONH基、−CONHR’基、−SH基、−SOH基、−S(O)H基、−S(O)OH基、−S(O)H基、−S(O)OH基、−OS(O)H基、−P(OH)基、−P(OR’)OH基、−PH(O)OH基、−P(O)(OH)R’基、−OPH(OH)基、−OP(OH)R’基、−P(O)(OH)基、−P(O)(OR’)OH基、−OP(OH)基、−OP(OR’)OH基、−OPH(O)OH基、−OPH(O)OR’基、−OP(O)(OH)R’基、−OP(O)(OH)基、又は−OP(O)(OR’)OH基であり、R’がヒドロカルビル基であり、Zの炭素数が0〜6である形態。
[20]上記[1]〜[19]のいずれかにおいて、bが0であり、Xが単結合であり、cが0であり、Zが−OCOCH基、−OCON(CH基、−OH基、−OCONH基、−OCONHR’基、−OS(O)H基、−OPH(OH)基、−OP(OH)R’基、−OP(OH)基、−OP(OR’)OH基、−OPH(O)OH基、−OPH(O)OR’基、−OP(O)(OH)R’基、−OP(O)(OH)基、又は−OP(O)(OR’)OH基であり、R’がヒドロカルビル基であり、Zの炭素数が0〜6である形態。
[21]上記[1]〜[20]のいずれかにおいて、Zのヘテロ原子が酸素及び窒素から選ばれ、Zは酸素および窒素以外のヘテロ原子を有しない形態。
[22]上記[1]〜[21]のいずれかにおいて、Zの炭素数が0〜5である形態。
[23]上記[1]〜[22]のいずれかにおいて、Zの炭素数が0〜3である形態。
[24]上記[1]〜[23]のいずれかにおいて、上記一般式(1)で表される化合物が−O−O−結合を有しない形態。
[25]上記[1]〜[24]のいずれかにおいて、R及びRがそれぞれ独立に、炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基、またはフェニル基である形態。
[26]上記[1]〜[25]のいずれかにおいて、R及びRがそれぞれ独立に、炭素数1〜3のアルキル基である形態。
[27]上記[1]〜[26]のいずれかにおいて、m及びnがそれぞれ独立に0又は1である形態。
[28]上記[1]〜[28]のいずれかにおいて、m=n=0である形態。
[29]上記[1]〜[28]のいずれかにおいて、Aが−O−基、−CO−基、−SO−基、又は−CR−基である形態。
[30]上記[1]〜[29]のいずれかにおいて、R及びRがそれぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜5のアルキル基であり、R及びRは相互に結合して環構造を形成していてもよい形態。
[31]上記[1]〜[30]のいずれかにおいて、上記一般式(1)における−(CH−X−(Y)−Z基の芳香環上の置換位置が、Aに対してm−位またはp−位であり、より好ましくはp−位である形態。
[32]上記[1]〜[31]のいずれかにおいて、aが0であり、bが0であり、cが0であり、Xが−C(O)O−基であり、Xが単結合であり、Zが−OH基であり、mが0であり、nが0であり、Aが−O−基、−CO−基、−SO−基、又は−CR−基であり、R及びRがそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜5のアルキル基であり、R及びRは相互に結合して環構造を形成していてもよい形態。
[33](A)潤滑油基油と、(B)上記[1]〜[32]のいずれかにおける上記一般式(1)で表される1種以上の化合物とを含有する、潤滑油組成物。
[34]上記[33]において、(B)成分の含有量が、上記一般式(1)で表される化合物の含有量として、組成物全量基準で0.05〜10重量%である形態。
[35]上記[33]又は[34]において、(B)成分の含有量が、上記一般式(1)で表される化合物の含有量として、組成物全量基準で5重量%以下である形態。
[36]上記[33]〜[35]のいずれかにおいて、(B)成分の含有量が、上記一般式(1)で表される化合物の含有量として、組成物全量基準で0.1重量%以上である形態。
[37]上記[33]〜[36]のいずれかにおいて、(A)潤滑油基油の100℃における動粘度が3.0〜25.0mm/sである形態。
[38]上記[33]〜[37]のいずれかにおいて、内燃機関用潤滑油組成物であって、(A)潤滑油基油の100℃における動粘度が3.0〜16.3mm/sである形態。
[39]上記[33]〜[38]のいずれかにおいて、変速機油組成物であって、(A)潤滑油基油の100℃における動粘度が3.5〜25.0mm/sである形態。
[40]上記[33]〜[39]のいずれかにおいて、無灰分散剤、酸化防止剤、上記一般式(1)で表される化合物以外の摩擦調整剤、摩耗防止剤、極圧剤、金属系清浄剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、腐食防止剤、防錆剤、金属不活性化剤、抗乳化剤、消泡剤及び着色剤から選ばれる1種以上の添加剤をさらに含む形態。
[41]上記[33]〜[40]のいずれかにおいて、無灰分散剤を組成物全量基準で0.01〜20重量%含む形態。
[42]上記[33]〜[41]のいずれかにおいて、酸化防止剤(ただし上記一般式(1)で表される化合物を除く。)を組成物全量基準で0.1〜5.0重量%含む形態。
[43]上記[33]〜[42]のいずれかにおいて、上記一般式(1)で表される化合物以外の摩擦調整剤を組成物全量基準で0.05〜5重量%含む形態。
[44]上記[33]〜[43]のいずれかにおいて、摩耗防止剤または極圧剤(ただし上記一般式(1)で表される化合物を除く。)を組成物全量基準で0.05〜5重量%含む形態。
[45]上記[33]〜[44]のいずれかにおいて、金属系清浄剤を金属元素換算量で潤滑油組成物全量に対して0.01〜1.0重量%含む形態。
[46]上記[45]において、自動変速機または無段変速機の潤滑に用いられる形態。
[47]上記[33]〜[44]のいずれかにおいて、金属系清浄剤を金属元素換算量で潤滑油組成物全量に対して0.01〜5.0重量%含む形態。
[48]上記[47]において、内燃機関の潤滑に用いられる形態。
以下、実施例及び比較例に基づき、本発明についてさらに具体的に説明する。なお以下の実施例は本発明の例示を意図するものであって、本発明を限定することを意図するものではない。
<製造例>
本発明の第1の態様に係るナフタレン系摩擦調整剤L1乃至L5、並びに本発明の範囲外である摩擦調整剤C1及びC2を製造した。
(製造例1)
以下の手順により、上記一般式(1)においてRがcis−8−ヘプタデセン−1−イル基であり、Xが−C(O)O−基であり、Xが単結合であり、Zが−OH基であり、a=0、b=0、c=0、m=0、n=0であり、Aが−CR−基であり、R及びRがいずれも水素原子であり、R−X−(CH−基の第1の芳香環上の置換位置がAに対してp−位であり、−(CH−X−(Y)−Z基の第2の芳香環上の置換位置がAに対してp−位である態様のビスフェノール構造類縁体型摩擦調整剤L1を製造した。
Figure 2016117789
ナスフラスコに4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン(東京化成工業株式会社製)75mmol(15.00g)、ピリジン300mlを加えたのち内部を窒素置換した。滴下漏斗からオレイン酸塩化物(東京化成工業株式会社製)75mmol(22.54g)を室温で攪拌しながら滴下した。滴下後、1時間加熱還流した。その後、生成したピリジン塩酸塩を濾過により除去し、ロータリーエバポレーターで濾液の溶媒を除去した。得られた固体にトルエン200mlを添加し、ロータリーエバポレーターでトルエンとともに残留ピリジンを共沸除去した。ピリジン除去操作を3回繰り返したのち、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し14.53gの目的化合物(上記式(L1))を得た。H−NMRスペクトルで反応の進行を確認した。
(製造例2)
以下の手順により、上記一般式(1)においてRがcis−8−ヘプタデセン−1−イル基であり、Xが−C(O)O−基であり、Xが単結合であり、Zが−OH基であり、a=0、b=0、c=0、m=0、n=0であり、Aが−CR−基であり、R及びRがいずれもメチル基であり、R−X−(CH−基の第1の芳香環上の置換位置がAに対してp−位であり、−(CH−X−(Y)−Z基の第2の芳香環上の置換位置がAに対してp−位である態様のビスフェノール構造類縁体型摩擦調整剤L2を製造した。
Figure 2016117789
ナスフラスコに2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(東京化成工業株式会社製)22mmol(5.00g)、ピリジン100mlを加えたのち内部を窒素置換した。滴下漏斗からオレイン酸塩化物(東京化成工業株式会社製)22mmol(6.59g)を室温で攪拌しながら滴下した。滴下後、1時間加熱還流した。その後、生成したピリジン塩酸塩を濾過により除去し、ロータリーエバポレーターで濾液の溶媒を除去した。得られた固体にトルエン200mlを添加し、ロータリーエバポレーターでトルエンとともに残留ピリジンを共沸除去した。ピリジン除去操作を3回繰り返したのち、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し5.39gの目的化合物(上記式(L2))を得た。H−NMRスペクトルで反応の進行を確認した。
(製造例3)
以下の手順により、上記一般式(1)においてRがcis−8−ヘプタデセン−1−イル基であり、Xが−C(O)O−基であり、Xが単結合であり、Zが−OH基であり、a=0、b=0、c=0、m=0、n=0であり、Aが−O−基であり、R−X−(CH−基の第1の芳香環上の置換位置がAに対してp−位であり、−(CH−X−(Y)−Z基の第2の芳香環上の置換位置がAに対してp−位である態様のビスフェノール構造類縁体型摩擦調整剤L3を製造した。
Figure 2016117789
ナスフラスコに4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル(東京化成工業株式会社製)25mmol(5.00g)、ピリジン100mlを加えたのち内部を窒素置換した。滴下漏斗からオレイン酸塩化物(東京化成工業株式会社製)25mmol(7.44g)を室温で攪拌しながら滴下した。滴下後、1時間加熱還流した。その後、生成したピリジン塩酸塩を濾過により除去し、ロータリーエバポレーターで濾液の溶媒を除去した。得られた固体にトルエン200mlを添加し、ロータリーエバポレーターでトルエンとともに残留ピリジンを共沸除去した。ピリジン除去操作を3回繰り返したのち、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し3.23gの目的化合物(上記式(L3))を得た。H−NMRスペクトルで反応の進行を確認した。
(製造例4)
以下の手順により、上記一般式(1)においてRがcis−8−ヘプタデセン−1−イル基であり、Xが−C(O)O−基であり、Xが単結合であり、Zが−OH基であり、a=0、b=0、c=0、m=0、n=0であり、Aが−SO−基であり、R−X−(CH−基の第1の芳香環上の置換位置がAに対してp−位であり、−(CH−X−(Y)−Z基の第2の芳香環上の置換位置がAに対してp−位である態様のビスフェノール構造類縁体型摩擦調整剤L4を製造した。
Figure 2016117789
ナスフラスコにビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン(東京化成工業株式会社製)20mmol(5.00g)、ピリジン100mlを加えたのち内部を窒素置換した。滴下漏斗からオレイン酸塩化物(東京化成工業株式会社製)20mmol(6.01g)を室温で攪拌しながら滴下した。滴下後、1時間加熱還流した。その後、生成したピリジン塩酸塩を濾過により除去し、ロータリーエバポレーターで濾液の溶媒を除去した。得られた固体にトルエン200mlを添加し、ロータリーエバポレーターでトルエンとともに残留ピリジンを共沸除去した。ピリジン除去操作を3回繰り返したのち、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し4.56gの目的化合物(上記式(L4))を得た。H−NMRスペクトルで反応の進行を確認した。
<実施例1〜4、及び比較例1>
表1に示されるように、本発明の潤滑油組成物(実施例1〜4)、比較用の潤滑油組成物(比較例1)をそれぞれ調製した。表1中、単位「wt.%」は重量%を意味する。
Figure 2016117789
(評価方法)
上記調製した潤滑油組成物のそれぞれについて、摩擦特性を評価した。摩擦特性は、シリンダオンディスク式往復動摩擦試験機(Optimol社製SRV)を用いて、荷重700N、面圧(最大ヘルツ圧)0.4GPa、振動数10Hz、振幅1mm、温度100℃、試験時間60分の条件下で摩擦係数を測定し、試験時間の30〜60分の摩擦係数を平均化した平均摩擦係数を算出することにより評価した。なおこの測定条件は、境界潤滑条件に相当する。各潤滑油組成物について、測定された摩擦係数をプロットしたグラフを図1に示す。
図1は、実施例1〜4及び比較例1の試験結果を比較するグラフである。なお比較例1の潤滑油は基油のみからなる。潤滑油組成物の摩擦低減効果は、比較例1の潤滑油が示した摩擦係数に対する比較によって評価される。
図1に示されるように、実施例1〜4の潤滑油組成物は良好な摩擦低減効果を示した。
上記試験結果から、本発明の潤滑油添加剤によれば、摩擦低減効果に優れた無灰の油性剤系摩擦調整剤を提供できることが示された。
本発明の潤滑油添加剤及び潤滑油組成物は、各種機械の潤滑に好適に用いることができ、特に内燃機関や変速機の潤滑に好適に用いることができる。

Claims (3)

  1. 一般式(1)で表される1種以上の化合物を含有することを特徴とする、潤滑油添加剤。
    Figure 2016117789
    (一般式(1)において、Rは炭素数6以上の炭化水素含有基であり;
    は、単結合、−CONH−基、−NHCO−基、−NH−基、又は、1以上のヘテロ原子を有し該ヘテロ原子に結合した水素原子を有しない炭素数0〜1の結合基であり、Xの前記ヘテロ原子は酸素、窒素、及び硫黄からなる群から選ばれ;
    は、単結合、又は、1以上のヘテロ原子を有し該ヘテロ原子に結合した水素原子を有しない炭素数0〜1の結合基であり、Xの前記ヘテロ原子は酸素、窒素、及び硫黄からなる群から選ばれ;
    Zは、−CN基、−COCH基、−OCOCH基、−OCON(CH基、又は、1以上のヘテロ原子及び該ヘテロ原子に結合した水素原子を有する炭素数0〜6の基であり、Zの前記ヘテロ原子は酸素、窒素、硫黄、及びリンからなる群から選ばれ;
    aは0又は1であり;bは0又は1であり;cは0〜2の整数であり;
    cが1以上のとき、Yは−CH−基又は−OCHCH−基であり;
    及びRはそれぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、又は炭素数6〜10のアリール基であり;
    m及びnはそれぞれ独立に0〜2の整数であり;
    Aは−O−基、−CO−基、−S−基、−SO−基、−SO−基、又は−CR−基であり、
    及びRはそれぞれ独立に、水素原子、トリフルオロメチル基、炭素数1〜5のアルキル基、又は炭素数6〜10のアリール基であり、R及びRは相互に結合して環構造を形成していてもよい。)
  2. (A)潤滑油基油と、
    (B)請求項1に記載の潤滑油添加剤と
    を含有することを特徴とする、潤滑油組成物。
  3. 無灰分散剤、酸化防止剤、前記一般式(1)で表される化合物以外の摩擦調整剤、摩耗防止剤、極圧剤、金属系清浄剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、腐食防止剤、防錆剤、金属不活性化剤、抗乳化剤、消泡剤及び着色剤から選ばれる1種以上の添加剤をさらに含む、
    請求項2に記載の潤滑油組成物。
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