JP2016116421A - 回転電機 - Google Patents

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直弘 本石
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Abstract

【課題】固定子鉄心の角部における絶縁紙あるいはコイル絶縁被膜の損傷を防ぐ。【解決手段】固定子巻線3を構成するコイル10は、スロット14内にティース11をまたいで挿入されるとともにスロット14の外部で固定子巻線3を構成する他のコイル10と接続される端末線15、16を有しており、コイル10には、端末線15、16を接合する側の固定子鉄心2の端部に対向する位置において、周方向におけるコイル10の幅がスロット14内に組み込まれた部分におけるコイル10の周方向の幅よりも小さく形成されたコイル幅狭小部21が設けられている。【選択図】図6

Description

この発明は、回転電機に関するものであり、特に回転電機の固定子に関するものである。
回転電機の固定子巻線には各磁極に集中してコイルを巻線する集中巻方式と、複数の磁極を跨いで巻線する分布巻方式がある。集中巻に対し、分布巻には回転磁界の分布が滑らかになり振動が低減するという利点があるが、コイルエンド部において複数のコイル同士が重なってしまうためコイルエンドが高くなってしまい、回転電機の小型化を図ることができないという欠点がある。
そこで分布巻におけるコイルエンドにおいてのコイル同士の重なりを最適化して、重なり合うコイル間の隙間を最小限にしてコイルエンド高さの低減を図る手段として、1相分の固定子巻線を複数のコイルに分割するという方法がある。分割したそれぞれのコイルのコイルエンドは、コイル同士が重なったときに隙間が最小限になるような形状に成形しておき、それらをコアに組立てることでコイルエンド内における無駄な隙間を減らし、コイルエンド高さの低減を図ることができる。
最適なコイルエンド形状とする一方分割しない一体のコイルに形成すると、コアに組み付けることが極めて困難である。そこで複数のコイルに分割することで最適な形状とし、尚且つ組み立てを容易にしている。このように、複数のコイルに分割することでコイルエンドにおけるコイル同士の重なりを最適化した例としては例えば特許文献1がある。
特開2001−197709号公報
分割したコイル群を固定子鉄心に組み付けた後、固定子巻線として構成するためにコイル同士を電気的に接合する必要がある。このとき用いられる1つの方法として、各コイルの端末線に対し固定子鉄心の軸方向外側で固定子の周方向に曲げ加工を施して他のコイルの端末線と近接させた後、端末線同士を溶接等の方法で接合する方法がある。この方法において、コイルエンドの高さを抑えるためには、端末線の曲げ加工をできるだけ固定子鉄心に近い箇所で実施することが効果的である。しかし、固定子鉄心に近い箇所で曲げ加工を実施すると、固定子鉄心のスロットの積層端面の角部にコイル端末が食い込んでしまう恐れがある。
コイル端末が鉄心の角部に食い込むと、コイルと鉄心との間に配置した絶縁紙やコイルに施してある絶縁被膜が損傷し、コイルと固定子鉄心との間の絶縁が劣化してしまい、製品の機能が損なわれるという問題点がある。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、固定子鉄心の角部における絶縁紙あるいはコイル絶縁被膜の損傷を防ぐことを目的とする。
この発明に係る回転電機は、回転子とこの回転子の外周側に配置された固定子とを備えたものであって、固定子は、固定子鉄心と固定子巻線とを備え、固定子鉄心は周方向に間隔をあけて配置された複数のティースと、周方向に隣り合うティースの間に形成されるスロットを備え、固定子巻線を構成するコイルはスロット内にティースをまたいで挿入されるとともにスロットの外部で固定子巻線を構成する他のコイルと接続される端末線を有しており、
コイルには、端末線を接合する側の固定子鉄心の端部に対向する位置において、周方向におけるコイルの幅がスロット内に組み込まれた部分におけるコイルの周方向の幅よりも小さく形成されたコイル幅狭小部が設けられているものである。
上記のように構成された回転電機においては、固定子鉄心のスロットの積層端面角部において固定子巻線を構成するコイルと固定子鉄心との間に隙間があるため、端末線を曲げ加工した場合固定子鉄心角部に端末線が食い込むことがないので、絶縁紙あるいはコイル絶縁被膜の損傷が生じにくくなる。
実施の形態1による回転電機を示す側面断面図である。 実施の形態1による固定子部分を示す平面断面図である。 固定子巻線となる亀甲型のコイルを示す平面図(A)、側面図(B)である。 実施の形態1による固定子巻線の構成方法を示す平面図である。 実施の形態1のコイルが固定子鉄心に組み込まれた後、端末線を曲げる前の状態を示す模式図である。 実施の形態1のコイルが固定子鉄心に組み込まれた後、端末線を曲げた後の状態を示す模式図である。 コイル断面形状を変えるために加工するための金型を示す断面図(A)〜(D)である。 コイル断面形状を変えるために加工するための金型を示す断面図(A)、(B)である。 コイル断面形状を変えるために加工するための金型を示す断面図(A)、(B)である。 実施の形態1のコイルが固定子鉄心に組み込まれた後、端末線を曲げる前の状態を示す模式図である。 実施の形態1のコイルが固定子鉄心に組み込まれた後、端末線を曲げた後の状態を示す模式図である。 凹みを片側のみに設ける場合の成形金型の下型の一例を示す斜視図である。 実施の形態1による端末線を曲げた後のコイル曲げ部近傍を示す拡大図である。 端末線を曲げた後のコイル曲げ部近傍を示す拡大図である。 実施の形態2による固定子部分を示す平面断面図である。 実施の形態2によるコイルを成形する装置を示す模式図(A)、(B)、(C)である。 コイル断面形状を変えるために加工するための金型を示す断面図(A)〜(D)である。 実施の形態2による一体型の金型における下型を示す斜視図である。
実施の形態1.
回転電機は固定子と回転子、およびそれらを保持する固定用のモータフレームで構成される。図1は実施の形態1による回転電機を示す側面断面図、図2は固定子部分を示す平面断面図、図3は固定子巻線となる亀甲型のコイルを示す平面図(A)、側面図(B)である。図において、固定子1は略円筒形状に構成されており、固定子鉄心2と、固定子鉄心2に巻回される固定子巻線3からなる。固定子鉄心2は一般的には鉄系の材料からなる薄板の磁性板を複数枚積層されて構成されている。固定子1は、略円筒形状のモータフレーム4の内周に嵌合固定されている。回転子6は固定子1の内側に配置され、モータフレーム4に対して軸受5によって回転可能に支持されている。そして固定子1と回転子6が組み合わされて回転電機を構成している。
モータフレーム4は固定子1及び回転子6を機械的に保持し、かつ固定子1で発生した熱を放散させるための放熱経路となるものであり、一般的には鉄やアルミニウム等の金属素材が用いられる。回転子6は回転軸7に固定された略円筒形の鉄心8と、鉄心8の外周面に取り付けられた永久磁石9を備えている。固定子鉄心2には複数のティース11が周方向に等間隔に設けられており、固定子巻線3は1つあるいは複数のティース11を跨ぐように1回あるいは複数回巻回されている。固定子巻線3は周方向に沿って波巻きになるように形成してもよいが、例えば図3に示すような亀甲型のコイル22として形成しても良い。
固定子巻線3を構成するコイルとしては銅やアルミのような導電率の高い金属素材による線材が用いられ、絶縁性の樹脂被膜で覆われている。固定子鉄心2の軸方向高さに含まれる範囲においては、コイルは周方向に隣り合うティース11の間に形成されるスロット14内に配置され、固定子鉄心2の軸方向高さよりはみ出た部分がコイルエンドを形成し、コイルエンド部にて他のスロット14に配置されたコイル方向に曲げ加工を施し、端末線同士の接合をおこなう。固定子巻線3は3相あるいはそれ以上の相数の巻線からなり、さらに各相は複数のコイルで構成されている。すなわち複数のコイルを直列あるいは並列に接合し、更には直並列に接合して1相の固定子巻線3が構成されている。
次に固定子巻線3について詳しく説明する。固定子巻線3を構成するコイルとしては例えば図3に示すような亀甲型のコイル22を用いることができる。図4は固定子鉄心2を内周側鉄心12と外周側鉄心13の2つに分割し、尚且つ亀甲型のコイル22を使用した場合の固定子巻線3の構成方法を示す平面図であり、図4(A)はコイルの一方を内周側鉄心12に挿入した状態を示す平面図、図4(B)はコイルの他方を内周側鉄心12に挿入した状態を示す平面図、図4(C)は軸方向から内周側鉄心12に対して外周側鉄心13を嵌合させた状態を示す平面図である。
図2において、内周側鉄心12と外周側鉄心13の2つに鉄心を分割した場合の固定子を示している。この方式では固定子1の鉄心をティース11の最外周で分割し、内周側鉄心12と外周側鉄心13の2つの鉄心とする。内周側鉄心12において各ティース11は固定子最内周で連結されており、ティース11に挟まれるとともに固定子巻線3を構成するコイル10が配置されるスロット14は外周側が開放された形状となっている。ここで内周側鉄心12において各スロット14の開放されている外周側をスロット14の入口、連結されている内周側をスロット14の底とすると、各スロット14の入口からコイル10をスロット14内に挿入し、コイル挿入後に外周側鉄心13を内周側鉄心12の外周に嵌め込むことで固定子1を組み立てることができる。
即ち事前に複数回数巻くとともに多角形状に形成した亀甲型のコイル22をスロット14の個数分作る。その各コイルの一方の辺(図4では2本分)を各スロット14の内周側に同時に挿入する(図4(A))。その後内周側鉄心12を回転させながら、各コイルの他方の辺(図4では2本分)を複数のティース11を跨いだスロット14に全て同時に挿入する(図4(B))。そして最後に外周側鉄心13を内周側鉄心12の外周に嵌め込む(図4(C))。
各コイルを挿入した後、各コイルの両端末を接合し、各相の固定子巻線として構成する。多角形状に形成した各亀甲型のコイル22の両端末は、他のコイルの端末と接合する必要がある。このとき接合される2本の端末は必ず異なるスロット14に配置されており、
それぞれ固定子鉄心2の軸方向外側のコイルエンド部にてお互いが近接するように曲げ加工が施される。
図5はコイルが固定子鉄心に組み込まれた後、端末線を曲げる前の状態を示す展開図であり、図6はコイルが固定子鉄心に組み込まれた後、端末線を曲げた後の状態を示す展開図である。図5、図6は接合される2つのコイルA、Bのみを抜き出して図示したもので、円筒形である固定子を内周側から見た図である。図6においては、コイルAの端末線15とコイルBの端末線16を接合するために曲げ加工を施した状態を示している。
固定子鉄心2に設けられたスロット14Aとスロット14BにコイルAが組み込まれると共に、スロット14Cとスロット14DにコイルBが組み込まれている。コイルAの端末線15とコイルBの端末線16を接合するために、それぞれ固定子鉄心2のスロット14から軸方向に出たところでお互いが近接する方向に曲げられている。図6においては、コイル端末線は横向きに曲げられているが、図6は円筒形の固定子を展開して表わしたものであるので、実際には固定子は円筒形であるからコイル端末線は周方向に曲げられている。その後、両端末線を接合する。
スロット14内に組み込まれたコイルには、端末線を接合する側の固定子鉄心2の端部近傍において、固定子の周方向のコイルの幅がスロット14内に組み込まれた部分におけるコイルの幅よりも小さいコイル幅狭小部21が設けられている。そしてこのコイル幅狭小部21部分において端末線の曲げ加工が施されている。図6においては、コイルBのコイルエンドが手前にあるためコイル幅狭小部21が見えない状態にあるが、端末線16にも同様にコイル幅狭小部21が設けられている。コイル幅狭小部21はコイル成形時に予め加工しておく。加工は金型等を用いて塑性変形によりコイル幅を狭くするもので、コイルを亀甲状に成形した後でも、あるいは成形する前でも加工することができるが、どちらの場合でも固定子鉄心2にコイルを組み付ける前に加工しておく必要がある。
図7(A)〜(D)はコイル断面形状を変えるために加工するための金型を示す断面図であり、図7(A)〜(D)においては、断面が略正方形のコイルを長方形断面に塑性変形させるための金型を示している。金型30は所望のコイル断面を成形するための型であり、銅やアルミ素材からなるコイルを変形させる荷重に耐えうる強度をもった工具鋼や超硬合金等の素材を用いて製作されている。金型30は断面が凹状の下型30aと凸状の上型30bに分かれており、両者を組み合わせたときの隙間31の断面形状は、成形後のコイルの断面形状となるように設定されている。
金型30の長さ(図7における紙面に対して垂直方向の寸法)はコイル断面を変形させる箇所の長さと合致させる。下型30aの溝30a1にコイル32を配置し(図7(C))、その上から上型30bでコイル32を押し潰す(図7(D))。コイルに用いている銅やアルミのような素材は展性の高い素材であり、十分な荷重で上型30bを押圧することでコイル断面の形状は金型の隙間31の形状と略同一となる。ここでは凹型の下型30aと凸型の上型30bを組み合わせる例について説明したが、金型の形状はこれに限られるものではなく、他の分割形態であってもよい。例えば図8(A)、(B)に示すように、L字状の断面を有する2つの金型を組合せる装置であってもよい。
上記説明では金型を用いてコイル断面の全周を規制することで所望のコイル断面形状に変形させる例を示したが、図9(A)、(B)に示すように特定の方向のみにコイルを変形させるようにしてもよい。この場合コイル断面の一方向のみ押さえることにより当該方向の断面高さhが所望の値になるように変形させる。しかしこの方法では素材の線径のばらつき等の影響を受けて、断面横方向の幅W3にはばらつきが生じる。断面横方向の幅のばらつきが固定子組立後に大きな影響を及ぼさないような設計であれば、このように特定の方向のみに変形させるだけでよい。
以上のようなコイル断面の成形工程を経てコイル幅狭小部21を設けたコイルを固定子鉄心2に組み込む。そして端末線を曲げる前の状態が図5に示されている。端末線15の固定子鉄心2の端部近傍にコイル幅狭小部21が設けられている。更に端末線を曲げることにより図6で示される状態となる。
上記説明ではコイルに対して、その両側、即ち周方向に対向する2面において凹み部分を設けてコイルの幅を小さくした例を示しているが、片面にのみ凹部を設けるようにしてもよい。図10、図11はコイルの片側に凹部を加工してコイル幅狭小部を設けた場合を示すものであり、図10はコイルが固定子鉄心に組み込まれた後、端末線を曲げる前の状態を示す展開図であり、図11はコイルが固定子鉄心に組み込まれた後、端末線を曲げた後の状態を示す展開図である。コイルA、Bの2本の端末はそれぞれ曲げる方向が決まっている。コイルAを例にすると、端末線22は必ず右側に、もう一方の端末線はコイルBの端末線23と同様に必ず左側に曲げられる。
このとき端末線22に設けたコイル幅狭小部24は端末線22の曲げ部の内側1面に凹部が存在するようにする。図10、11では他のコイルエンドに隠れているが、端末線23にもコイル幅狭小部が設けてあり、その凹部は端末線22のコイル幅狭小部24とは逆に凹部は端末線23の左側に設けられている。即ち端末線23の曲げ部の内側に凹部が存在している。図12は凹みを片側のみに設ける場合の成形金型の下型の一例を示す斜視図である。凹型の下型と凸型の上型の間にコイルを挟んでコイル断面を変形させる方法は図7で説明したものと基本的に同じである。ただし、図12の下型50においては、片側のみに凹みを設けるために、断面狭小部に相当する突起部51が片側の壁から突出するよう形成されてある。突起部51以外の溝幅は素材のコイル幅と同じとなっている。この型を用いてコイル断面形状を変形させると、断面狭小部に相当する突起部51が片側から突出するよう形成されているため、コイル断面狭小部も片側だけ凹んだ形状となる。
図13は端末線15を曲げた後のコイル曲げ部近傍を示す拡大図である。固定子鉄心2へのコイル組立後に端末線15に曲げ加工を施して端末線同士を接合する場合において、曲げ部のコイル幅を狭くしたコイル幅狭小部21を設けておくことで、曲げ部内側において固定子鉄心2の角部33にコイルが食い込むことが無くなる。この結果コイルと固定子鉄心2との間に配置された絶縁紙やコイルに施されている絶縁被膜が損傷しにくくなる。尚図13においては、絶縁紙は図示していない。
スロット内に収納されるコイルの断面が全て同一断面である場合、コイルの曲げ部内側で固定子鉄心2の角部にコイルが食い込まないようにするには、図14に示すように端末線の曲げ部35を固定子鉄心2の積層端2Aより離して完全に外側に配置する必要がある。それに対し、本実施形態では図13に示すように曲げ部34の一部を固定子鉄心2の積層内(スロット内)に配置できるため、コイルエンドの高さを低減することができる。
もちろんコイル幅の狭い細線を用いると、コイル幅狭小部を設けることなく上述のような絶縁被膜の損傷防止やコイルエンド高さの抑制といった効果を同様に得ることができる。しかし細線を用いると巻線のインピーダンスが大きくなり、回転電機としての出力が低下したり、あるいは発熱が増大してしまい、性能が低下してしまう。これに対し本実施形態のようにコイルの一部のみにコイル幅狭小部を設けると、断面積が小さくなる部分のコイル長さはスロット部およびコイルエンド部を含めた巻線全体の長さに対してわずかであるため、インピーダンスの増加はごくわずかにとどまり、回転電機の性能低下は極めて軽微に抑えられる。更に端末線15の曲げ加工では、それぞれの端末部において曲げ方向が決まっているので、図10、11に示すようにコイル幅を狭くするための凹み部を曲げの内側のみに施すことができ、コイル幅狭小部を設けることによる絶縁性確保の効果を発揮すると共に、更にコイル断面積の減少を抑え、インピーダンスの増加を抑制することができる。
実施の形態2.
一般的に回転電機においてはスロット内に配置されるコイルの断面積を大きくして占積率を上げ、巻線抵抗値を下げることで、銅損を低減し、更に特性を向上させることができる。一方固定子鉄心は磁束量に対して十分な断面積が確保されればよく、鉄損を減らすために固定子鉄心を小型化することが望ましい。従って図15に示すように、スロット断面形状を台形形状とすればよい。即ち本実施形態においては、周方向に隣り合うティースの間に形成されるスロットは径方向内周側に向かうに従い径方向に直交する幅が小さくなるようなテーパー状に形成される。図15において、スロット内に配置される各コイルの断面形状は異なっており、各コイルの固定子周方向のコイル幅も異なっている。図15においては、スロット内に4本のコイルを配置した例を示しているが、内周側に配置されたコイル10Aの幅W1は4本のコイルの中で最も小さい値であり、逆に最外周に配置されたコイル10Dの幅W2は最も大きな値となる。
このようなコイルを作成する製造装置を図16に示す。最初にコイル線を所定長さに切り出し(図16(A))、次に断面形状が台形となるように金型36でコイル線をプレスする(図16(B))。図17(A)〜(D)はコイル線を台形状に潰す為の金型を示す断面図である。金型36は図7で説明したコイル幅狭小部を形成する金型と同様な構成であり、断面が凹状となっている下型36aと、凸型となっている上型36bとで構成され、両者を組み合わせることにより加工後のコイル断面形状と同じ台形状の隙間37が生じるようになっている(図17(B))。金型36の長さは潰し加工が必要な部分の長さとなっており、即ちスロットの軸方向長さ、固定子鉄心の軸方向長さと略同一である。
下型36aにコイル線38を入れ(図17(C))、その上から上型36bをプレス機等で押し込むことにより(図17(D))、コイル断面形状を所望の形状に変形させることができる。図16(B)においては、E〜Hの4箇所でコイル断面を変形させているが、それぞれの断面形状は異なっているので、その形状に応じた金型をそれぞれ用意する。コイルの巻き方によって順序は異なるが、例えばEの箇所が図15に示される最も幅の狭いコイル断面形状、Fの箇所が内周側から3番目の断面形状、Gの箇所が内周側から2番目の断面形状、Hの箇所が最外周のコイル断面形状となるように金型を形成することができる。
コイルが直線の状態でE〜Hの4箇所のコイル断面をそれぞれの金型で成形する。その後コイルに曲げ加工を施すことで各スロット部のコイル断面形状が異なる亀甲状コイルが成形できる(図16(C))。なお上記説明では成形前のコイルの断面が正方形状のものを用いているが、断面形状はこれに限るものではなく、長方形断面や円形断面でも同様に成形可能である。スロット内におけるコイルの径方向位置は同じコイルの2つの端末部において異なっているため、スロット部毎にコイル断面形状を変えた場合には2つの端末部のコイル断面形状は異なることになる。
本実施形態におけるコイルにおいても実施の形態1と同様に各端末線の曲げ部となる箇所にコイル幅狭小部を設けておく。このとき端末線によってスロット部断面形状は異なるが、スロット部の幅が広い端末線のコイル幅狭小部における周方向のコイル幅をスロット部の幅が狭い端末線のコイル幅狭小部における周方向のコイル幅よりも大きくしておく。そしてコイル幅狭小部を設けるためには、実施の形態1で説明したようなコイル幅狭小部を成形するための専用の金型を用いてもよいが、図17で説明したスロット部のコイルを成形する金型と一体に形成した金型を用いてもよい。図18は一体型の金型における下型を示す斜視図である。図18において、下型40に設けられた溝の両端部に溝幅狭小部39が設けられている。この溝幅狭小部39において、コイル幅狭小部が形成される。
図15に示すように、スロット断面形状を台形状にし、占積率を向上させるためにコイルの断面形状もスロット断面形状に合わせた場合、1つのコイルの2つの端末線の断面形状は異なることになる。このとき各断面形状に応じてコイル幅狭小部のコイル幅を設定することにより、コイル幅狭小部におけるコイル断面積を必要以上に減少させることが無く、巻線インピーダンスの増大を最小限にするとともに、絶縁紙やコイルに施されている絶縁被膜も損傷し難くなる。
尚本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。
1 固定子、2 固定子鉄心、3 固定子巻線、6 回転子、10 コイル、
11 ティース、14 スロット、15,16 端末線、21 コイル幅狭小部。

Claims (4)

  1. 回転子とこの回転子の外周側に配置された固定子とを備えた回転電機であって、
    上記固定子は、固定子鉄心と固定子巻線とを備え、
    上記固定子鉄心は、周方向に間隔をあけて配置された複数のティースと、周方向に隣り合う上記ティースの間に形成されるスロットを備え、
    上記固定子巻線を構成するコイルは、上記スロット内に上記ティースをまたいで挿入されるとともに上記スロットの外部で上記固定子巻線を構成する他のコイルと接続される端末線を有しており、
    上記コイルには、上記端末線を接合する側の上記固定子鉄心の端部に対向する位置において、周方向における上記コイルの幅が上記スロット内に組み込まれた部分における上記コイルの周方向の幅よりも小さく形成されたコイル幅狭小部が設けられていることを特徴とする回転電機。
  2. 上記コイル幅狭小部は上記コイルの周方向に対向する2面において凹部を設けることにより形成したことを特徴とする請求項1記載の回転電機。
  3. 上記コイル幅狭小部は上記コイルの曲げ部における内側1面において凹部を設けることにより形成したことを特徴とする請求項1記載の回転電機。
  4. 上記スロットは径方向内周側に向かうに従い径方向に直交する幅が小さくなるようなテーパー状に形成されるとともに上記スロット内に配置される上記コイルの断面形状を台形状に形成し、
    幅が広い上記スロットに収納された上記コイルの上記端末線の上記コイル幅狭小部における周方向の幅を、幅が狭い上記スロットに収納された上記コイルの上記端末線の上記コイル幅狭小部における周方向の幅よりも大きくなるよう形成したことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の回転電機。
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