JP2016115531A - 燃料電池システム、固体水素源の炭化防止方法および燃料電池セル活性化方法 - Google Patents

燃料電池システム、固体水素源の炭化防止方法および燃料電池セル活性化方法 Download PDF

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Abstract

【課題】固体水素源の炭化を低減し、また燃料電池セルを活性化させる燃料電池システム、炭化防止方法および燃料電池セル活性化方法を提供する。【解決手段】燃料電池システム20は、水を加圧して排出する加圧容器10と、加圧容器から供給された水と反応して水素を発生させる固体水素源1を収容する燃料容器50と、供給される水素で発電を行う燃料電池30と、燃料容器に接続され、燃料電池に水素を供給する水素供給管15A・15Bと、加圧容器に一端が接続され、他端は固体水素源に挿入され、水を注入する反応液供給管14A・14Bと、燃料容器に連通し、水素の流入を許容する逆止弁2を介して加圧容器に接続された加圧配管13A・13Bと、加圧配管に配置され水圧を検出する第1の圧力検出器13Pと、水素供給管に配置され水素圧を検出する第2の圧力検出器15Pとを備え、水圧と水素圧との差圧を変化させて、水を断続的に注入する。【選択図】図10

Description

本実施形態は、燃料電池システム、固体水素源の炭化防止方法および燃料電池セル活性化方法に関する。
従来、水を供給して水素ガスを発生させる固体水素源としては、鉄、アルミニウム等の金属を主成分とするものや、水素化マグネシウムや水素化カルシウム等の水素化金属化合物を主成分とするものが知られている。
また、水素化カルシウム等を固体水素源として、水との反応で発生した水素を供給して発電する固体高分子型の燃料電池を用いた燃料電池システムも種々提案されている。
特開2003−314792号公報 特開2009−120441号公報 国際特開WO2009/122910号公報 国際特開WO2006/101214号公報
固体水素源に必要に応じて水を注入する水素発生システムにおいて、水の注入制御方法に関して、これまでは水素が足りなくなった段階で水を必要量注入する制御を行っていた。しかし、連続的に水素を必要とする状況では固体水素源と水が過度に反応し、燃料が高温になり炭化する。その際、炭化ガスが発生し、発生した水素に混じることによって、燃料電池セルを劣化させてしまっていた。
一方、これまで燃料電池セルの活性化方法としては、燃料電池セル自体を高温に保つ(100℃以上)方法、パルス状に重負荷を周期的に印加する方法などがある。
前者は高温に保つための装置が必要であり、高温に耐えられるように燃料電池セルの構成及び燃料電池システムを構築する必要があり、コストの増大につながる。
また後者は電極の被毒に対する対処方法であり、短時間(数百ms)の重負荷を印加する方法である。
本実施の形態は、固体水素源の炭化を低減し、また燃料電池セルを活性化させる燃料電池システム、固体水素源の炭化防止方法および燃料電池セル活性化方法を提供する。
本実施の形態の一態様によれば、内部空間の圧力により反応液を加圧して排出する加圧容器と、前記加圧容器から供給された反応液と反応して水素を発生させる固体水素源を気密状態で収容する燃料容器と、水素が供給されるアノードを有し、前記アノードに供給された水素で発電を行う燃料電池と、前記燃料容器に接続され、前記燃料電池に水素を供給する水素供給管と、前記加圧容器に一端が接続され、他端は前記固体水素源に挿入され、反応液を注入する反応液供給管と、前記燃料容器に連通し、水素の流入を許容する逆止弁を介して前記加圧容器に接続された加圧配管と、前記水素供給管に配置された第1の電磁弁と、前記加圧配管に配置され、反応液圧を検出する第1の圧力検出器と、前記水素供給管に配置され、水素圧を検出する第2の圧力検出器とを備え、前記反応液圧と前記水素圧との差圧を変化させて、前記反応液を断続的な注入する燃料電池システムが提供される。
本実施の形態の他の態様によれば、内部空間の圧力により反応液を加圧して排出する加圧容器と、前記加圧容器から供給された反応液と反応して水素を発生させる固体水素源を気密状態で収容する燃料容器と、水素が供給されるアノードを有し、前記アノードに供給された水素で発電を行う燃料電池と、前記燃料容器に接続され、前記燃料電池に水素を供給する水素供給管と、前記加圧容器に一端が接続され、他端は前記固体水素源に挿入され、反応液を注入する反応液供給管と、前記燃料容器に連通し、水素の流入を許容する逆止弁を介して前記加圧容器に接続された加圧配管と、前記水素供給管に配置された第1の電磁弁と、前記加圧配管に配置され、反応液圧を検出する第1の圧力検出器と、前記水素供給管に配置され、水素圧を検出する第2の圧力検出器と、前記燃料電池からの出力が変動した際に、外部への出力を補うことが可能な蓄電手段とを備え、出力が要求する負荷に対して、それよりも重い負荷、軽い負荷を周期的に印加し、その平均出力をとりだすことによって、燃料電池セルの活性化を図る燃料電池システムが提供される。
本実施の形態の他の態様によれば、水素を発生させる固体水素源と、前記水素で発電を行う燃料電池と、前記燃料電池の外部出力を補完するリチウムイオンバッテリとを備える燃料電池システムの固体水素源の炭化防止方法において、前記燃料電池の出力電流を0とし、負荷電流を前記リチウムイオンバッテリ電流で保持するステップと、前記出力電流を徐々に増加させるステップと、前記出力電流が第1の電流値に達したところでその状態を維持するステップと、前記出力電流の時間平均が負荷電流の時間平均に等しくなるか否かを判定し、YESであれば終了し、NOであれば、前記出力電流を徐々に増加させるステップに戻るステップと、水素圧が規定値以下になるか否かを判定し、YESであれば終了し、NOであれば、前記出力電流を徐々に増加させるステップに戻るステップと、前記リチウムイオンバッテリの充電容量が満杯になるか否かを判定し、YESであれば終了し、NOであれば、負荷電流を前記リチウムイオンバッテリ電流で保持するステップに戻るステップとを有する固体水素源の炭化防止方法が提供される。
本実施の形態の他の態様によれば、水素を発生させる固体水素源と、前記水素で発電を行う燃料電池と、前記燃料電池の外部出力を補完するリチウムイオンバッテリとを備える燃料電池システムの燃料電池セル活性化方法において、前記燃料電池の出力電流を第1の電流値とするステップと、前記燃料電池の入出力の関係から活性化状態を判定するステップと、前記燃料電池の出力特性を評価するステップと、前記燃料電池の出力電圧が第1の電圧値以上である場合には、問題なしと判定し、手続き終了するステップと、前記燃料電池の出力電圧が前記第1の電圧値より小である場合には、前記燃料電池の出力電流を0とし、徐々に増加させるステップと、前記燃料電池の出力電流の値が前記第1の電流値に達したところでその状態を維持するステップと、数秒たったところで前記燃料電池の出力電流の値を元に戻し、手続き終了するステップとを有する燃料電池セル活性化方法が提供される。
本実施の形態によれば、固体水素源の炭化を低減し、また燃料電池セルを活性化させる燃料電池システム、固体水素源の炭化防止方法および燃料電池セル活性化方法を提供することができる。
基本技術に係る燃料電池システムの概略構成図。 基本技術に係る燃料電池システムの構成例を示すブロック図。 基本技術に係る燃料電池システムにおいて、制御装置の模式的ブロック構成図。 水素化カルシウムと水との化学反応を模式的に示す説明図。 基本技術に係る燃料電池システムに適用される燃料電池の構成例を示す概略構成図。 比較例に係る燃料電子システムにおいて、連続的な注水のために水圧と水素圧との差圧を略一定に保持させる水圧と水素圧の時間特性。 比較例に係る燃料電子システムにおいて、炭化ガスにより燃料電池の出力電流Ifcに対する燃料電池の出力電圧Vfcが低下し、燃料電池出力特性が劣化する様子を示す実験結果。 比較例に係る燃料電子システムにおいて、高温状態のイオン交換樹脂から窒素化合物と炭素が発生する様子を説明する模式図。 (a)電解質膜(触媒担持体)上に配置されるPt触媒と水素が反応して、水素イオンを発生する様子を説明する模式図、(b)Pt触媒表面に炭素が吸着してPt触媒が不活性化する様子を説明する模式図。 実施の形態に係る燃料電子システムであって、燃料電池と並列にリチウムイオンバッテリ(LIB)を備える模式的ブロック構成図。 実施の形態に係る燃料電子システムにおいて、水圧と水素圧との差圧を変化させて、断続的な注水により燃料の炭化を抑制するための水圧および水素圧の時間特性の様子を説明する模式図。 実施の形態に係る燃料電子システムにおいて、炭化ガスの抑制効果により燃料電池の出力電流Ifcに対する燃料電池の出力電圧Vfcが低下せず、良好な燃料電池出力特性が得られる様子を示す実験結果。 実施の形態に係る燃料電子システムの模式的な動作説明であって、(a)水圧および水素圧の時間変化特性、(b)水圧と水素圧の差圧が相対的に小さい場合の短いパルス幅の電流出力特性、(c)水圧と水素圧の差圧が相対的に大きい場合の長いパルス幅の電流出力特性。 実施の形態に係る燃料電子システムにおいて、実質的に一定のシステム負荷出力パワーを示す模式的な出力特性。 実施の形態に係る燃料電子システムの模式的な連続動作説明であって、(a)水素圧および水圧の時間変化特性、(b)水素圧と水圧の差圧が相対的に小さい場合の連続的に短いパルス幅の電流出力特性、(c)水素圧と水圧の差圧が相対的に大きい場合の連続的に長いパルス幅の電流出力特性。 実施の形態に係る燃料電子システムにおいて、燃料電池の出力電流制御回路の構成例。 比較例に係る燃料電子システムにおいて、外部環境の違い(出力負荷)による内部圧力および温度の時間変化特性例(低出力時)。 比較例に係る燃料電子システムにおいて、外部環境の違い(出力負荷)による内部圧力および温度の時間変化特性例(高出力時)。 実施の形態に係る燃料電子システムにおいて、外部環境の違い(出力負荷)による内部圧力および温度の時間変化特性例(低出力時)。 実施の形態に係る燃料電子システムにおいて、外部環境の違い(出力負荷)による内部圧力および温度の時間変化特性例(高出力時)。 固体高分子(膜)形燃料電池(PE(M)FC:Polymer Electrolyte (Membrane) Fuel Cell)における一般的な温度特性を説明する模式図。 (a)実施の形態に係る燃料電子システムにおいて、出力が要求する負荷に対して、それよりも重い負荷・軽い負荷を周期的(数秒程度)に印加し、その平均出力をとりだすセル活性化方法の説明図であって、水圧および水素圧と時間との関係、(b)図22(a)に対応する負荷電流に対応する電流出力特性例。 実施の形態に係る燃料電子システムにおいて、セル活性化方法を適用前におけるFC出力電圧Vfcと出力電流Ifcとの関係。 実施の形態に係る燃料電子システムにおいて、セル活性化方法を適用後におけるFC出力電圧Vfcと出力電流Ifcとの関係。 実施の形態に係る燃料電池システムにおいて、固体水素源の炭化防止方法を説明するタイムチャートであって、(a)水圧および水素圧と時間との関係、(b)図25(a)に対応する負荷電流特性例。 実施の形態に係る燃料電池システムにおいて、固体水素源の炭化防止方法を説明するフローチャート図。 実施の形態に係る燃料電池システムにおいて、セル活性化方法を説明するタイムチャートであって、(a)水圧および水素圧と時間との関係、(b)図27(a)に対応する負荷電流特性例、(c)図27(a)および図27(b)に対応する出力電圧特性例。 実施の形態に係る燃料電池システムにおいて、セル活性化方法を説明するフローチャート図。
次に、図面を参照して、実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
又、以下に示す実施の形態は、技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この実施の形態は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この実施の形態は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
(燃料電池システム)
基本技術に係る燃料電池システム20Aの概略構成は、図1に示すように表される。また、基本技術に係る燃料電池システム20Aの構成例を示すブロック図は、図2に示すように表される。また、基本技術に係る燃料電池システム20Aにおいて、制御装置26の模式的ブロック構成は、図3に示すように表される。また、水素化カルシウムと水との化学反応を模式的に示す説明図は、図4に示すように表され、基本技術に係る燃料電池システム20Aに適用される燃料電池の構成例を示す概略構成は、図5に示すように表される。
基本技術に係る燃料電池システム20Aは、図1に示すように、ボトル状の燃料容器50A内に水を含む反応液を供給して水素を発生させる水素発生手段21と、発生した水素を供給して発電を行う固体高分子型の燃料電池30と、水素発生手段21で発生した水素を燃料電池30に供給する水素供給管15とを備える。
水で構成される反応液11は、加圧容器10に貯留されている。加圧容器10には、容器内に圧力(水素圧等)を印加する加圧装置12および加圧配管13が設けられている。
加圧容器10内の圧力は、大気圧以上であればよいが、好ましくはゲージ圧として、例えば、約500kPa以下の一定範囲、より好ましくは300kPa以下の一定範囲で制御されていることが望ましい。このような圧力の制御は、系内に設ける安全弁(図示せず)の圧力設定によって制御することができる。
また、加圧によって押し出された反応液11を固体水素源1に供給する反応液供給管14が設けられている。
なお、反応液供給管14には、反応液の流量を制限する流量制限部を設けることが好ましい。これにより、圧力差により供給される反応液の流量を適度に調整することができる。
そして、反応液供給管14の一端は、固体水素源1の上方まで延設され、供給されて来る反応液11aが固体水素源1上に滴下されるように構成されている。
燃料容器50Aには、発生した水素を燃料電池30に供給する水素供給管15が接続されている。
そして、燃料電池30で発電された電気は、例えばスマートフォン等で構成される外部負荷40に給電されるようになっている。
ここで、図2のブロック図を参照して、燃料電池システム20のより具体的な構成について説明する。
基本技術に係る燃料電池システム20Aは、図2に示すように、発電部25と、発電部25から出力されるDC電流Ifcによって供給されるDC電圧のDC/DC変換等を行う電源回路28と、発電部25の発電量の過不足を吸収するリチウムイオンバッテリ(LIB:Lithium Ion Battery)29と、発電部25における水圧、水素圧等に基づいて電源回路28およびLIB29を制御するためのCPU27を備える制御装置26とを備える。
加圧容器10には燃料電池セル(燃料電池)30に接続される加圧配管(水素配管)13が接続され、加圧容器10内を水素によって加圧するようになっている。
電源回路28は、燃料電池セル(燃料電池)30から出力されるDC電流Ifcが供給されるDC/DCコンバータ35および外部からの電流の逆流を阻止するダイオード36を備える。
LIB29は、LIBセル29aを備える。
また、CPU27は、DC/DCコンバータ35から出力される電流Ioutが外部負荷要求で決まる負荷電流Iloadより大きい場合には、余剰分の電流をLIBセル29aに充電し、電流Ioutが負荷電流Iloadより少ない場合には、LIBセル29aから不足分の電流(Ilib)を供給するように制御する。
このように、基本技術に係る燃料電池システム20Aによれば、各種装置等からの外部負荷要求に対して、要求を満たす電流を安定して供給することができる。
制御装置26は、図3に示すように、CPU27と、CPU27に接続される表示装置46・温度センサ48・圧力センサ54・電圧モニタ56・バルブセンサ52を備える。また、CPU27は、発電部25・電源回路28・LIB29に接続され,各部を制御可能である。
ここで、固体水素源1を構成する水素化カルシウム(CaH)と、反応液11を構成する水(HO)との化学反応は図4に示すように表される。
この際の化学反応式は、CaH+2HO→Ca(OH)+2Hで表される。
加圧容器10は、内部に収容した反応液11を加圧して排出する構造であればよく、密閉容器内に、直接反応液11を収容する形態でも、内部に設けた別の容器を介して反応液11を収容する形態でもよい。反応液11としては、固体水素源1と反応して水素を発生させるものであればよく、中性の水、酸水溶液、アルカリ水溶液などが用いられる。
加圧容器10内の圧力は、大気圧以上であればよいが、好ましくはゲージ圧として、500kPa以下の一定範囲、より好ましくは300kPa以下の一定範囲で制御されていることが望ましい。
固体水素源1としては、粒状等の水素発生物質を単独で使用する(樹脂包埋せずに使用する)ことも可能であるが、反応液との反応速度を制御する観点から、樹脂の母材中に粒状の水素発生物質を含有するものが好ましい。その際、使用する樹脂としては、反応を適度に調整する観点から、水溶性樹脂以外のものが好ましい。
固体水素源1としては、水素化カルシウム、水素化リチウム、水素化カリウム、水素化リチウムアルミニウム、水素化アルミニウムナトリウム、又は水素化マグネシウムなどの水素化金属、アルミニウム、鉄、マグネシウム、カルシウム等の金属、水素化ホウ素化合物等の金属水素錯化合物などが挙げられる。中でも、水素化金属が好ましく、特に水素化カルシウムが好ましい。水素化金属化合物、金属、金属水素錯化合物は、何れかを複数組み合わせて使用することもでき、また、それぞれを組み合わせて使用することも可能である。
即ち、固体水素源1としては、水溶性樹脂を除く樹脂の母材中に、粒状の水素化カルシウム(CaH2)を含有するものが特に好ましい。この固体水素源1では、粒状の水素化カルシウムが樹脂のマトリックス中に分散又は埋設された状態となり、これにより、水素化カルシウムの反応性が抑制され、水との反応の際の取り扱い性が改善される。また、水素発生物質として水素化カルシウムを使用することで、水等との反応性が高くなり、水等と反応した際に生成する反応物(水酸化カルシウム)の体積膨張率が高くなるため、樹脂母材を崩壊させる作用が大きくなり、水等との反応が自然に内部まで進行し易くなる。
固体水素源1の含有量は、好ましくは固体水素源1中、60重量%以上であるが、保形性を維持しつつ反応の際に樹脂母材を崩壊させる観点から、固体水素源1中、60〜90重量%であることが好ましく、70〜85重量%がより好ましい。
粒状の固体水素源1の平均粒径は、樹脂中への分散性や反応を適度に制御する観点から、1〜100μmが好ましく、6〜30μmがより好ましく、8〜10μmが更に好ましい。
水素化カルシウムに他の水素発生物質を添加する場合、その水素発生物質の含有量は、水素発生剤中、0〜20重量%が好ましく、0〜10重量%がより好ましく、0〜5重量%が更に好ましい。
樹脂としては、好ましくは水溶性樹脂以外のものが使用され、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、耐熱性樹脂などが挙げられるが、熱硬化性樹脂が好ましい。熱硬化性樹脂を使用することで、一般的に樹脂母材がもろくなり易く、反応の際に樹脂母材がより容易に崩壊して、反応が自然に進行し易くなる。
なお、熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリアミドなどが挙げられる。また、耐熱性樹脂としては、芳香族系のポリイミド、ポリアミド、ポリエステルなどが挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、または熱硬化性ポリイミド樹脂等が挙げられる。なかでも、水素発生反応中に樹脂母材が適度な崩壊性を有する観点から、エポキシ樹脂が好ましい。熱硬化性樹脂を硬化させる際には、必要に応じて硬化剤や硬化促進剤などが適宜併用される。
樹脂の含有量は、好ましくは40重量%未満であるが、保形性を維持しつつ反応の際に樹脂母材を崩壊させる観点から、水素発生剤中、5〜35重量%が好ましく、10〜30重量%がより好ましい。
用いられる固体水素源1には、上記の成分以外の任意成分として、触媒、充填材、などのその他の成分を含有してもよい。触媒としては、水素発生剤用の金属触媒の他、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ化合物も有効である。
次に、図5を参照して、燃料電池30の概略構成について説明する。
燃料電池の仕組みは、発生された水素と、空気中の酸素とを電気化学的に反応させて直接発電するものである。
燃料電池30は、水素と酸素が化学反応して、水と電力を得る原理を利用している。ここで、水素は投入原料として用いられ、酸素は酸化剤として用いられている。
燃料電池30は、燃料極(アノード)33と、空気極(カソード)31と、電解質膜(イオン交換樹脂膜等)32とから構成される。
一組の燃料極33、空気極31および電解質膜32とによって一つの発電セル(単セル)が構成される。発電セルは、図5に示すように、電解質膜32を空気極31と燃料極33で挟んだサンドイッチ構造を備える。実際には、このような発電セルが複数個にわたって直並列接続されて燃料電池30を形成する。
燃料極33は、例えば、白金等で形成されるアノード触媒とそれを支えるための多孔質導電性支持層からなり、空気極31は、例えば、カソード触媒と多孔質導電性支持層から構成される。
このように構成された燃料電池30の燃料極(アノード)33には、固体水素源1で発生された水素(H)が供給され、アノード触媒において、水素が電子(e)を放出して水素イオン(プロトン:H)となる。
電子(e)は、負荷(例えば、各種電気回路等)40を経由して空気極(カソード)31に移動する。
一方、水素イオン(H)は電解質膜32中を空気極(カソード)31に向かって移動し、空気極(カソード)31で、酸素(O)と、負荷40を通して移動してくる電子(e)と結合して水(HO)に還元される。
このような各電極における反応を化学式で示すと以下のように表される。
燃料極33での反応:H→2H+2e
空気極31での反応:2H+(1/2)O+2e→H
全体の反応: H+(1/2)O→H
このような反応により、燃料電池30は、固体水素源1から生成した水素(H)を燃料として、電気を出力することができる。
(炭化ガスの発生による燃料電池セル劣化)
比較例に係る燃料電子システムにおいて、連続的な注水のために水圧PH2Oと水素圧PH2との差圧ΔPを略一定に保持させる水圧PH2Oおよび水素圧PH2の時間特性の様子は、模式的に図6に示すように表される。
比較例に係る燃料電子システムにおいては、燃料容器50に対して水を連続的に注入するために、図6に示すように、水素圧PH2と水圧PH2Oの差圧ΔPを略一定に保持させている。このように、差圧ΔPを略一定に保持させることによって、連続的に水を注入する。
比較例に係る燃料電子システムにおいて、燃料電池の出力電流Ifcに対する燃料電池の出力電圧Vfcの特性は、図7に示すように表される。比較例に係る燃料電子システムにおいては、連続的な注水により燃料が炭化する。すなわち、比較例に係る燃料電子システムにおいては、炭化ガスにより燃料電池の出力電流Ifcに対する燃料電池の出力電圧Vfcが低下し、図7に示すように、燃料電池出力特性が劣化する。比較例に係る燃料電子システムにおいては、炭化ガスの発生により、燃料電池セルが劣化し、100W常時出力を得ることはできない。
また、比較例に係る燃料電子システムにおいて、高温状態の電解質膜(イオン交換樹脂膜)32から窒素化合物70Nと炭素70Cが発生する様子を説明する模式図は、図8に示すように表される。
また、燃料極(アノード、触媒担持体)33上に配置されるPt触媒と水素が反応して、水素イオンを発生する様子は、図9(a)に示すように模式的に表され、Pt触媒表面に炭素が吸着してPt触媒が不活性化する様子は、図9(b)に示すように模式的に表される。
比較例においては、固体水素源を用いた水素発生システムを備える燃料電池システムにおける固体水素源への水注入を、システムの要求に応じて連続的に行っていたため、連続的に水注入を行うことで燃料が炭化し、発生する炭化ガスにより燃料電池セルを劣化させ、結果出力が低下してしまう。
(固体水素源を用いた燃料電池システム)
実施の形態に係る燃料電子システム20の模式的ブロック構成は、図10に示すように表される。図10においては、燃料電池30と並列にリチウムイオンバッテリ(LIB)29が配置されている。
実施の形態に係る燃料電池システム20は、図10に示すように、内部空間の圧力により反応液(水:H2O)を加圧して排出する加圧容器10と、加圧容器10から供給された反応液(水:H2O)と反応して水素を発生させる固体水素源1を気密状態で収容する燃料容器50と、水素が供給されるアノードを有し、アノードに供給された水素で発電を行う燃料電池30と、燃料容器50に接続され、燃料電池30に水素を供給する水素供給管15A・15Bと、加圧容器10に一端が接続され、他端は固体水素源に挿入され、反応液を注入する反応液供給管14(14A・14B)と、燃料容器50に連通し、水素の流入を許容する逆止弁2を介して加圧容器10に接続された加圧配管13A・13Bと、水素供給管15Aに配置された第1の電磁弁15Sと、加圧配管13Aに配置され、水圧PH2Oを検出する第1の圧力検出器13Pと、水素供給管15Aに配置され、水素圧PH2を検出する第2の圧力検出器15Pとを備える。ここで、水圧PH2Oと水素圧PH2との差圧ΔP=PH2O−PH2を変化させて、断続的な注水により固体水素源1の炭化を抑制することができる。
また、実施の形態に係る燃料電池システム20は、図10に示すように、燃料電池30から出力されるDC電流Ifcが供給されるDC/DCコンバータ35と、DC/DCコンバータ35に接続され、外部からの電流の逆流を阻止するダイオード36とを備えていても良い。
また、実施の形態に係る燃料電池システム20は、図10に示すように、燃料電池30からの出力が変動した際に、外部への出力を補うことが可能な蓄電手段を備えていても良い。
ここで、蓄電手段は、LIB29を備えていても良い。
また、図12では省略されているが、第1の圧力検出器13Pおよび第2の圧力検出器15Pで検出された水圧PH2Oおよび水素圧PH2に基づいて、DC/DCコンバータ35を制御する制御装置(26:図2)を備えていても良い。
また、反応液供給管14A・14Bは、水の流量を制御する第2の電磁弁4を備えていても良い。
また、水素供給管15Aは、水素の流量を制御するレギュレータ15Rを備えていても良い。また、水素供給管15Bは、水素の流量を制御するレギュレータ13Rを備えていても良い。また、レギュレータ15Rの二次側の設定圧力としては、例えば100〜200kPa(特に120kPa)が挙げられる。レギュレータ13Rの設定圧力としては、例えば10〜100kPa(特に30kPa)が挙げられる。
また、実施の形態に係る燃料電池システム20においては、後述するように、出力が要求する負荷に対して、それよりも重い負荷、軽い負荷を周期的に印加し、その平均出力をとりだすことによって、燃料電池セルの活性化を図っても良い。
また、固体水素源1は水素化カルシウムを備え、反応液は水を備えていても良い。
圧力検出器13P・15Pとしては、気体の圧力をダイヤフラム(ステンレスダイヤフラム、シリコンダイヤフラム、など)を介して、感圧素子で計測し、電気信号に変換し出力する圧力センサ等が使用できる。代表的な、圧力センサとしては、半導体ピエゾ抵抗拡散圧力センサ、静電容量形圧力センサなどが挙げられる。
実施の形態に係る燃料電池システムでは、発生した水素から、不純物であるアンモニアを除去するために、水素供給管15A・15Bにアンモニア除去剤を設けてもよい。具体的に、シート状のアンモニア除去剤を容器内に充填したものを使用することができる。このようなアンモニア除去剤は、シート状に形成されたものが市販されているが、粒状の吸着剤等を通気性の袋に収容したものを使用することも可能である。
実施の形態に係る燃料電子システム20において、水圧PH2Oと水素圧PH2との差圧ΔPを変化させて、断続的な注水により燃料の炭化を抑制するための水圧PH2Oおよび水素圧PH2の時間特性の様子は、模式的に図11に示すように表される。
実施の形態に係る燃料電子システム20においては、燃料容器50に対して水を断続的に注入するために、図11に示すように、水圧PH2Oと水素圧PH2の差圧ΔPを断続的に変化させている。このように、差圧ΔPを変化させることによって、断続的に水を注入することができる。
実施の形態に係る燃料電子システム20において、燃料電池の出力電流Ifcに対する燃料電池の出力電圧Vfcの特性は、図12に示すように表される。炭化ガスの抑制効果により、良好な燃料電池出力特性が得られている。実施の形態に係る燃料電子システム20においては、炭化ガス発生を抑え、燃料電池セルの劣化を防止することができ、図12に示すように、100W常時出力も可能である。
実施の形態に係る燃料電池システムは、固体水素源に水を注入する際に、過度な発熱による燃料の炭化を抑制することができる。
実施の形態に係る燃料電池システムでは、水の注入を断続的に行うことで、反応を分散させ過度な温度にならないように制御する。固体水素源に必要に応じて水を注入し、オンデマンドに水素を発生させるシステムにおいては、その要求が連続的であっても水の注入は、断続的に行う。
また、注水が不連続になり、システムからの連続的な水素要求があった場合は、LIB29から電力を補完する、あるいは出力そのものを断続的に止めることで対応しても良い。
実施の形態に係る燃料電子システムにおいては、燃料の炭化を抑制し、炭化ガスが水素に混じることがなくなり、燃料電池セルの高寿命化を図ることができる。
実施の形態に係る燃料電子システにおいては、燃料電池と並列にLIBを配置して、断続的な水素発生により燃料電池の出力が断続的になる場合を補完して、実質的に一定の電力が得ることができる。
―動作説明―
実施の形態に係る燃料電子システム20の模式的な動作説明であって、水圧PH2Oおよび水素圧PH2の時間変化特性は、模式的に図13(a)に示すように表される。図13(a)において、実線は、水圧PH2Oの時間変化特性を示す。また、実線に略平行な破線は、最小の水素圧PH2minの時間変化特性を示す。
また、水圧PH2Oと水素圧PH2の差圧が相対的に小さい場合の出力電流Ioutは、図13(b)の実線に示すように模式的に表され、水圧PH2Oと水素圧PH2の差圧が相対的に大きい場合の出力電流Ioutは、図13(c)に示すように模式的に表される。
水圧PH2Oと水素圧PH2の差圧が相対的に小さい場合には、図13(a)の太線で示される水素圧PH2となるため、図13(b)に示すように、時刻t1・時刻t2間および時刻t4・時刻t5間の短いパルス幅で波高値I1の出力電流Ioutが得られる。
水圧PH2Oと水素圧PH2の差圧が同程度のままで、水素圧PH2の変化を曲線Bに示すように変更した場合には、図13(b)の破線に示すように、時刻t1・時刻t3間の相対的に長いパルス幅で波高値I1の出力電流Ioutが得られる。
水圧PH2Oと水素圧PH2の差圧を相対的に大きくして水素圧PH2の変化を曲線Aに示すように変更した場合には、図13(c)に示すように、時刻t1・時刻t3間の相対的に長いパルス幅で波高値I2の出力電流Ioutが得られる。ここで、波高値I2は、波高値I1よりも大きい。
実施の形態に係る燃料電子システム20の負荷が重い場合には、図13(a)の曲線Aに示すように、水素圧PH2を下げ、水の供給量を増大している。一方、負荷が軽い場合には、図13(a)の曲線B或いは斜線部分に示すように、水圧PH2Oに対して水素圧PH2が下がりにくくなる。このため、差圧ΔPを変化させることによって、断続的に水を注入することができる。
実施の形態に係る燃料電子システム20において、実質的に一定のシステム負荷PW(W)出力を示す例は、模式的に図14に示すように表される。図14においては、システム負荷PW(W)が負荷が重い場合(120W)を破線で示し、これよりも相対的に負荷が軽い場合(80W)を太い実線で示す。図10に示すようなLIB29と燃料電池30が並列に構成されているシステムにおいては、断続的な水素発生により燃料電池30の出力が断続的になる場合には、LIB29から電力を補助することで、負荷出力では常に一定の電力が得られる。
一方、実施の形態に係る燃料電子システム20において、LIB29がない場合も考えられる。例えば、実施の形態に係る燃料電子システム20を充電用電池への充電動作などにおいて使用する場合には、出力が断続的になることが許容できるため、出力も断続的に行うことで対処可能である。
―連続動作例―
実施の形態に係る燃料電子システム20の模式的な連続動作説明であって、水圧PH2Oおよび水素圧PH2の時間変化特性は、模式的に図15(a)に示すように模式的に表される。また、水圧PH2Oと水素圧PH2の差圧が相対的に小さい場合の連続的に短いパルス幅の出力電流Ioutは、図15(b)に示すように模式的に表され、水圧PH2Oと水素圧PH2の差圧が相対的に大きい場合の連続的に長いパルス幅の出力電流Ioutは、図15(c)に示すように模式的に表される。
水圧PH2Oと水素圧PH2の差圧が相対的に小さい場合には、図15(a)の太線で示される水素圧PH2となるため、図15(b)に示すように、時刻t1・時刻t2間、時刻t3・時刻t4間、時刻t5・時刻t6間、および時刻t7・時刻t8間の短いパルス幅で波高値I3の出力電流Ioutが得られる。
水圧PH2Oと水素圧PH2の差圧を相対的に大きくした場合には、図15(c)に示すように、時刻t1・時刻t21間、時刻t31・時刻t51間、および時刻t61・時刻t71間の相対的に長いパルス幅で波高値I4の出力電流Ioutが得られる。ここで、波高値I4は、波高値I3よりも大きい。
実施の形態に係る燃料電子システム20においては、さまざまな負荷要求に対応して、水素圧PH2と水圧PH2Oの差圧を連続的に変化させて、連続動作を実施可能である。
(燃料電池の出力電流制御回路)
実施の形態に係る燃料電子システム20において、燃料電池30の出力電流制御回路60の構成例は、図16に示すように表される。
実施の形態に係る燃料電子システム20において、燃料電池30の出力電流制御回路60は、図16に示すように、燃料電池30の出力にコレクタが接続されたバイポーラトランジスタQ1と、バイポーラトランジスタQ1のエミッタと接地電位間に接続された抵抗R1からなるエミッタホロワで構成可能である。バイポーラトランジスタQ1のベース電圧VBを可変制御することで、可変定電流制御回路を構成している。ここで、ベース電圧VBの可変制御方式としては、例えば、パルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)制御若しくはパルス数変調(PNM:Pulse Number Modulation)制御などを適用可能である。バイポーラトランジスタQ1のベース電圧VBは、制御装置26内のCPU27(図2)によって制御可能である。
(差圧制御アルゴリズム)
比較例に係る燃料電子システムにおいては、水注入の方法として、ポンプなどを使わずに燃料ボトルと水ボトルの差圧を利用して水を注入する。しかし、この方法では、水素圧の上下動により出力を上下させるため、任意の動作環境(出力や環境温度、使用時間)に対応するものではない。比較例に係る固体水素源型燃料電池システムにおいて、任意の環境下でも安定して水を注入する制御方法がこれまで確立されていない。
圧力差を用いた水注入方法では、単に水素圧の上下に応じて出力を上下させ、安定した水素圧を保つようにするものである。しかしセルユニットの特性や燃料の反応状態は外部環境によって異なる上、出力の変動、特に急峻な変動や内部のLIBの状態などが反映されていないため、環境や出力の変化に追従できずに系が不安定になる。
比較例に係る燃料電子システムにおいて、外部環境の違い(出力負荷)による内部圧力および温度の時間変化特性例(低出力時:30W)は、図17に示すように表される。また、外部環境の違い(出力負荷)による内部圧力および温度の時間変化特性例(高出力時:80W)は、図18に示すように表される。図17・図18において、PH2は水素圧、PH2Oは水圧、BBは燃料容器の底部の温度、BUは燃料容器の上部における温度を表す。TH2は水素温度を示す。
実施の形態に係る燃料電子システムにおいては、ある時間tにおける圧力差を、現在の出力負荷の大きさ(ステップA)、これまでに注入した水の積算値(ステップB)、内部LIBへの依存度(ステップC)、およびこれまでに使用した燃料(ステップD)の4つのパラメータを用いて決定する制御アルゴリズムを実施可能である。
ステップAは、出力の急峻な変動に対応するため、出力負荷が大きく変化した場合は瞬時に大きな差圧を許すことで、水を素早く大量に注入させる工程を有する。
ステップBは、注入した水の量とこれまでに使用した電力量を比べて、水の量が多ければ今後水素圧PH2が上がるだろうと見越して、差圧ΔP(=PH2O−PH2)の最大値を狭めるようにする工程を有する。
ステップCは、は内部LIB29への依存度が大きい場合には、燃料電池30からの電力を増やすために差圧ΔP(=PH2O−PH2)の最大値を広げる工程を有する。
ステップDは、燃料(固体水素源1)を使用すると徐々に水を注入してから水素を発生するまでに時間がかかるようになるため、差圧ΔP(=PH2O−PH2)の最大値を広げて大量に水を注入するようにする工程を有する。
実施の形態に係る燃料電子システムにおいて、外部環境の違い(出力負荷)による内部圧力(PH2、PH2O)および燃料電池・LIBの出力容量(Wh)の時間変化特性例(低出力時:30W)は、図19に示すように表される。また、外部環境の違い(出力負荷)による内部圧力(PH2、PH2O)および燃料電池・LIBの出力容量(Wh)の時間変化特性例(高出力時:80W)は、図20に示すように表される。図19・図20において、PH2は水素圧、PH2Oは水圧、FC・Libは燃料電池・LIBの出力容量(Wh)を示す。
実施の形態に係る燃料電子システムにおいては、加圧容器10と燃料容器50との差圧ΔP(=PH2O−PH2)により水の注入を行う場合の上記の4つのパラメータを用いて決定する制御アルゴリズムによって、小出力時および高出力時ともに内部の圧力が安定化可能である。
実施の形態に係る燃料電子システムにおいては、このような差圧制御アルゴリズムにより、任意の動作環境下で安定した電力が燃料電池から得られる。
実施の形態に係る燃料電子システムは、燃料電池から取り出した電力をためておくことのできる二次電池を備えるシステムにおいて有用である。
(セル活性化)
固体高分子(膜)形燃料電池(PE(M)FC:Polymer Electrolyte (Membrane) Fuel Cell)における一般的な温度特性は、模式的に図21に示すように表される。
負荷電流Iloadの出力電力要求に対して、同じ電力を燃料電池30から取り出す燃料電池システムでは、出力電力要求が小さい場合には燃料電池30での反応も少なく、結果として生成される水分量が小さくなる。水分量が少ないと発生する水素イオンH+も少なくなるため、燃料電池30の電解質膜(MEA)の抵抗が高くなり、燃料電池30での反応効率が悪くなり、図21の破線D部分に示されるように、燃料電池の出力(W)が低下してしまう。
一方、負荷電流Iloadの出力電力要求が大きい場合には、燃料電池30での反応も増加し、結果として生成される水分量も多くなる。水分量が多いと燃料電池の電解質膜(MEA)を通過するガスの流量が阻害され、反応効率が悪くなり、図21の破線C部分に示されるように、燃料電池の出力(W)が低下してしまう。
図21において、温度T1〜T2が、ある一定範囲内の温度であれば、水分が燃料電池30内に有る程度存在する状態が、反応性が良好となる。
図21において、破線C部分に示される場合には、例えば、出力負荷が20W〜30W程度と軽く、水分量が多くなる。
図21において、破線D部分に示される場合には、例えば、出力負荷が100W以上と重く、水分量が少なくなる。
実施の形態に係る燃料電子システム20において、出力が要求する負荷に対して、それよりも重い負荷・軽い負荷を周期的(数秒程度)に印加し、その平均出力をとりだすセル活性化の説明図であって、水素圧PH2および水圧PH2Oと時間tとの関係は、図22(a)に示すように表され、図22(a)に対応する出力電流Ioutは、図22(b)に示すように表される。
セル活性化方法とは、FC負荷の変更を実行する方法であり、出力が要求する負荷に対して、それよりも重い負荷・軽い負荷を周期的(数秒程度)に印加し、図22(b)に示すように、平均出力電流IAVEとして、その平均出力をとりだす方法である。
出力が要求する負荷に対して、それよりも重い負荷・軽い負荷を周期的(数秒程度)に印加するために、水圧PH2Oと水素圧PH2との差圧ΔPを図22(a)に示すように変化させる。差圧ΔPがある程度あり、水圧PH2Oに対して、水素圧PH2が低い場合には、軽負荷となる。水圧PH2Oに対して、水素圧PH2が高い場合には、重負荷となる。
図22(b)に示すように、常に燃料電池セルが湿潤する状態を保つために、相対的に長時間(数s)にかけて重負荷をスロープ傾きαを有するスロープ状に印加することで、燃料電池30を活性化させている。
実施の形態に係る燃料電池システム20においては、出力が要求する負荷に対して、それよりも重い負荷・軽い負荷を周期的(数秒程度)に印加し、その平均出力をとりだすことによって、燃料電池セルの活性化を図ることができる。平均化には燃料電池システムが内蔵するLIB29を使用することで、要求負荷より重い負荷を燃料電池30に印加する際には余った電力をLIB29に流し込み、軽い負荷の場合は足りない分をLIB29から補うことで実現する。
実施の形態に係る燃料電池システム20においては、図22(b)に示すように、燃料電池30中の水分量が減少することによるセルの不活性現象に着目し、常に燃料電池セルが湿潤する状態を保つために時刻t1・t2間において、相対的に長時間(数s)にかけてスロープ傾きαを有するスロープ状に負荷を印加することで燃料電池セル中の水分量を保つことで燃料電池30を活性化させ、燃料電池30から効率よく電力を取り出すことができる。
時刻t1において、水素圧PH2が最小の水素圧PH2Ominに等しくなると、出力電流Ioutは、最小の出力値Iminに低下させる。
時刻t1〜t2間において、長時間(数s)にかけて重負荷をスロープ傾きαを有するスロープ状に印加する。
時刻t3において、水素圧PH2が水圧PH2Oよりも高くなった場合には、出力が要求する負荷に対して、それよりも重い負荷を印加して、出力電流Ioutを最大値Imaxに保持する。
(活性化による特性比較)
また、実施の形態に係る燃料電池システムにおいて、セル活性化方法を適用前におけるFC出力特性は、図23に示すように表され、セル活性化方法を適用後におけるFC出力特性は、図24に示すように表される。
実施の形態に係る燃料電池システムにおいて、セル活性化方法を適用前における出力電流Ifcに対するFC出力電圧Vfcは、図23に示すように約10%低下している。
一方、実施の形態に係る燃料電池システムにおいて、セル活性化方法を適用後における出力電流Ifcに対するFC出力電圧Vfcは、図24に示すように約10%増加している。
(炭化防止方法)
LIB29と燃料電池30が並列に構成されている実施の形態に係る燃料電池システム(図10参照)においては、断続的な水素発生により燃料電池30の出力が断続的になる場合には、LIB29から電力を補助することで、負荷出力では常に一定の電力が得られる。
実施の形態に係る燃料電池システム(図10参照)において、固体水素源の炭化防止方法を説明するタイムチャートであって、水圧PH2Oおよび水素圧PH2と時間との関係は図25(a)に示すように表され、図25(a)に対応する電流特性例は、図25(b)に示すように表される。
また、実施の形態に係る燃料電池システムにおいて、図25(a)・図25(b)に対応し、固体水素源の炭化防止方法を説明するフローチャートは、図26に示すように表される。このような固体水素源の炭化防止方法は、常に実施している。
水素を発生させる固体水素源1と、水素で発電を行う燃料電池30と、燃料電池30の外部出力を補完するLIB29とを備える燃料電池システム20の固体水素源の炭化防止方法は、燃料電池30の出力電流Ifcを0とし、負荷電流IloadをLIB電流Ilibで保持するステップと、出力電流Ioutを徐々に増加させるステップと、出力電流Ioutが第1の電流値に達したところでその状態を維持するステップと、出力電流Ioutの時間平均が負荷電流Iloadの時間平均に等しくなるか否かを判定し、YESであれば終了し、NOであれば、出力電流Ioutを徐々に増加させるステップに戻るステップと、水素圧PH2が規定値以下になるか否かを判定し、YESであれば終了し、NOであれば、出力電流Ioutを徐々に増加させるステップに戻るステップと、LIB29の充電容量が満杯になるか否かを判定し、YESであれば終了し、NOであれば、負荷電流IloadをLIB電流Ilibで保持するステップに戻るステップとを有する。以下に、図25(a)・図25(b)および図26を参照して、詳述する。
(a)まず、時刻0〜t1間のステップS21において、出力電流Iout=0とし、負荷電流Iload=Ilibとして、負荷電流IloadをすべてLIB29の出力電流Ilibで保持する。この状態は、外部負荷要求をすべて内部のLIB29で賄っている状態に相当する。
(b)次に、時刻t1〜t2間のステップS22において、出力電流Ioutを徐々に増加させる。例えば、20mA/s程度の傾きである。この時、燃料電池30の出力電流Ifcが増加し、LIB29の出力電流Ilibは減少する。この時、内部水素が消費され、水素圧PH2と水圧PH2Oとの差が広がり、固体水素源1に注入される水の量が徐々に増加する。
(c)次に、時刻t2〜t3間のステップS23において、出力電流Ioutがシステムの最大値Imaxに達したところでその状態を維持する。
(d)次に、時刻t3〜t31間において、以下のいずれかのステップS24・S25・S26の条件を満たしたら、出力電流Iout=0(最小値Imin)にする。
(e)ステップS24においては、出力電流Ioutの時間平均がIloadの時間平均に等しくなるか否かを判定し、YESであれば終了し、NOであれば、ステップS22に戻る。ステップS24において、内部水素圧力が規定値以下になる場合には、システムは均衡状態となる。
(f)ステップS25においては、内部水素圧力が規定値以下になるか否かを判定し、YESであれば終了し、NOであれば、ステップS22に戻る。ここで、規定値は、水素不十分につき負荷印加できない場合であり、最小値PH2minである。ステップS25において、図25(c)に示すように、内部水素圧力が規定値以下になる場合には、水素が不足しているため、水注入量を上げるために、水素圧と水圧の差を広げ、出力電流Ioutを上げ下げして圧力差を保持することを繰り返して水を連続的に注入し、水素発生を促す。
(g)ステップS26においては、LIB29の充電容量が満杯になるか否かを判定し、YESであれば終了し、NOであれば、ステップS21に戻る。LIB29の充電容量が満杯になるのは、電力平均化ができない場合に相当する。ステップS26において、LIB29の充電容量が満杯になる場合には、電力平均化ができないため、出力電流Iout=0に設定し、LIB29からの電力使用を促す。
システムの負荷要求Iload=出力電流Iout+LIBの出力電流Ilibであり、燃料電池の出力電流Ifcは、DC/DCコンバータ35の昇圧倍率で出力電流Ioutを割った値に等しくなるため、図25(b)では図示を省略している。
(セル活性化方法)
実施の形態に係る燃料電池システムにおいて、セル活性化方法を説明するタイムチャートであって、水素圧および水圧と時間との関係は、図27(a)に示すように表され、図27(a)に対応する電流特性例は、図27(b)に示すように表され、図27(a)および図27(b)に対応する出力電圧特性例は、図27(c)に示すように表される。
また、実施の形態に係る燃料電池システムにおいて、図27(a)・図27(b)に対応し、セル活性化方法を説明するフローチャートは、図28に示すように表される。このようなセル活性化方法は、数秒に1回程度定期的に実施可能である。図27(b)において、LIBの出力電流Ilibが0以下の状態は、LIB29へ充電していることを表している。
水素を発生させる固体水素源1と、水素で発電を行う燃料電池30と、燃料電池30の外部出力を補完するLIB29とを備える燃料電池システム20の燃料電池セル活性化方法は、燃料電池30の出力電流を第1の電流値とするステップと、燃料電池30の入出力の関係から活性化状態を判定するステップと、燃料電池30の出力特性を評価するステップと、燃料電池30の出力電圧Vfcが第1の電圧値以上である場合には、問題なしと判定し、手続き終了するステップと、燃料電池30の出力電圧Vfcが第1の電圧値より小である場合には、燃料電池30の出力電流Ifcを0とし、徐々に増加させるステップと、燃料電池30の出力電流Ifcの値が第1の電流値に達したところでその状態を維持するステップと、数秒たったところで燃料電池30の出力電流Ifcの値を元に戻し、手続き終了するステップとを有する。以下に、図27(a)・図27(b)および図28を参照して、詳述する。
(a)まず、時刻0〜t1間のステップS11において、出力電流Iout=Imaxとする。この場合には、動作は、外部負荷によらないで、余った電流はLIB29へ充電される。
(b)次に、時刻0〜t1間のステップS12において、これまでの燃料電池30の出力-燃料電池30の入力の関係から燃料電池30の活性化状態を判定する。
(c)次に、時刻0〜t1間のステップS13において、燃料電池30の出力特性を評価する。具体的には、Ifc−Vfc特性を確認する。
(d)次に、燃料電池30の出力電圧Vfcが最小値Vfcmin以上である場合には、問題なしと判定し、出力電流Ioutが負荷電流Iloadに等しいものとして手続き終了する(ステップS14)。
(e)次に、時刻t1〜t2間のステップS15において、燃料電池30の出力電圧Vfcが最小値Vfcminより小である場合には、出力電流Iout=0とし、出力電流Ioutを徐々に増加させる。例えば、20mA/秒程度の傾きである。同時に、燃料電池30の出力電流Ifcは増加し、LIBの出力電流Ilibは減少する。S15においては、出力電流Ioutを増加できる状態にシステムがあるか判定を行う。判定項目としては、内部水素圧が一定値以上であること、 LIB29の空き容量が十分であることである。空き容量が十分でない場合は、消費回路にて消費させる。
(f)次に、時刻t2〜t3間のステップS16において、燃料電池30の出力電流Ifcの値が上限に達したところでその状態を維持する。
(g)次に、時刻t3〜t4間のステップS17において、数秒たったところで出力電流Ioutの値を元に戻す。
(h)次に、ステップS14において、出力電流Ioutが負荷電流Iloadに等しいものとして手続き終了する。
以上説明したように、本実施の形態によれば、固体水素源の炭化を低減し、また燃料電池セルを活性化させる燃料電池システム、固体水素源の炭化防止方法および燃料電池セル活性化方法を提供することができる。
[その他の実施の形態]
上記のように、実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面は例示的なものであり、この実施の形態を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
このように、本実施の形態はここでは記載していない様々な実施の形態などを含む。
本実施の形態に係る燃料電池システムは、固体水素源を用いた水素発生システムやポータブル型の発電装置等の燃料電池システム全般、特に燃料電池セルから取り出した電力をためておくことのできる二次電池を持つシステムに応用することができる。
1…固体水素源(水素化カルシウム)
2…逆止弁
4、15S…電磁弁
10…加圧容器
11、11a…反応液
12…加圧装置
13、13A、13B…加圧配管(水素配管)
13P、15P…圧力検出器
13R、15R…レギュレータ
14、14A、14B…反応液供給管(水配管)
15…水素供給管
20…燃料電池システム
21…水素発生手段
25…発電部
26…制御装置
27…CPU
28…電源回路
29…リチウムイオンバッテリ(LIB)
29a…リチウムイオンバッテリセル(LIBセル)
30…燃料電池
31…空気極
32…電解質膜
33…燃料極
35…DC/DCコンバータ
36…ダイオード
40…外部負荷
46…表示装置
48…温度センサ
50、50A…燃料容器
52…電磁弁開閉センサ
54…圧力センサ
56…電圧モニタ
60…出力電流制御回路

Claims (19)

  1. 内部空間の圧力により反応液を加圧して排出する加圧容器と、
    前記加圧容器から供給された反応液と反応して水素を発生させる固体水素源を気密状態で収容する燃料容器と、
    水素が供給されるアノードを有し、前記アノードに供給された水素で発電を行う燃料電池と、
    前記燃料容器に接続され、前記燃料電池に水素を供給する水素供給管と、
    前記加圧容器に一端が接続され、他端は前記固体水素源に挿入され、反応液を注入する反応液供給管と、
    前記燃料容器に連通し、水素の流入を許容する逆止弁を介して前記加圧容器に接続された加圧配管と、
    前記水素供給管に配置された第1の電磁弁と、
    前記加圧配管に配置され、反応液圧を検出する第1の圧力検出器と、
    前記水素供給管に配置され、水素圧を検出する第2の圧力検出器と
    を備え、
    前記反応液圧と前記水素圧との差圧を変化させて、前記反応液を断続的に注入することを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記燃料電池から出力されるDC電流が供給されるDC/DCコンバータと、
    前記DC/DCコンバータに接続され、外部からの電流の逆流を阻止するダイオードと
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記燃料電池からの出力が変動した際に、外部への出力を補うことが可能な蓄電手段を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記蓄電手段は、リチウムイオンバッテリを備えることを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システム。
  5. 前記第1の圧力検出器で検出された反応液圧および前記第2の圧力検出器で検出された水素圧に基づいて、前記DC/DCコンバータを制御する制御装置を備えることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
  6. 前記反応液供給管は、前記反応液の流量を制御する第2の電磁弁を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  7. 前記固体水素源に必要に応じて前記反応液を注入し、オンデマンドに水素を発生させると共に、その要求が連続的であっても前記反応液の注入は、断続的に行うことを特徴とする請求項6に記載の燃料電池システム。
  8. 前記反応液の注入が不連続になり、連続的な水素要求があった場合は、前記リチウムイオンバッテリから電力を補完する、あるいは出力そのものを断続的に止めることを特徴とする請求項4に記載の燃料電池システム。
  9. 断続的な水素発生により燃料電池の出力が断続的になる場合を補完して、前記リチウムイオンバッテリから電力を供給し、実質的に一定の出力電力を得ることを特徴とする請求項4に記載の燃料電池システム。
  10. 出力が要求する負荷に対して、それよりも重い負荷、軽い負荷を周期的に印加し、その平均出力をとりだすことによって、燃料電池セルの活性化を図ることを請求項1〜9のいずれか1項に記載の特徴とする燃料電池システム。
  11. 前記固体水素源は水素化カルシウムを備え、前記反応液は水を備えることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  12. 内部空間の圧力により反応液を加圧して排出する加圧容器と、
    前記加圧容器から供給された反応液と反応して水素を発生させる固体水素源を気密状態で収容する燃料容器と、
    水素が供給されるアノードを有し、前記アノードに供給された水素で発電を行う燃料電池と、
    前記燃料容器に接続され、前記燃料電池に水素を供給する水素供給管と、
    前記加圧容器に一端が接続され、他端は前記固体水素源に挿入され、反応液を注入する反応液供給管と、
    前記燃料容器に連通し、水素の流入を許容する逆止弁を介して前記加圧容器に接続された加圧配管と、
    前記水素供給管に配置された第1の電磁弁と、
    前記加圧配管に配置され、反応液圧を検出する第1の圧力検出器と、
    前記水素供給管に配置され、水素圧を検出する第2の圧力検出器と、
    前記燃料電池からの出力が変動した際に、外部への出力を補うことが可能な蓄電手段と
    を備え、
    出力が要求する負荷に対して、それよりも重い負荷、軽い負荷を周期的に印加し、その平均出力をとりだすことによって、燃料電池セルの活性化を図ることを特徴とする燃料電池システム。
  13. 前記反応液圧と前記水素圧との差圧を変化させて、前記反応液を断続的に注入することを特徴とする請求項12に記載の燃料電池システム。
  14. 前記蓄電手段は、リチウムイオンバッテリを備えることを特徴とする請求項12または13に記載の燃料電池システム。
  15. 前記燃料電池から出力されるDC電流が供給されるDC/DCコンバータと、
    前記DC/DCコンバータに接続され、外部からの電流の逆流を阻止するダイオードと
    を備えることを特徴とする請求項12〜14のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  16. 要求負荷より重い負荷を前記燃料電池に印加する際には余った電力を前記リチウムイオンバッテリに蓄電し、軽い負荷の場合は足りない電力を前記リチウムイオンバッテリから補うことを特徴とする請求項14に記載の燃料電池システム。
  17. ある時間における前記反応液圧と前記水素圧との差圧を、現在の出力負荷の大きさと、これまでに注入した水の積算値と、前記リチウムイオンバッテリへの依存度と、これまでに使用した前記固体水素源の4つのパラメータを用いて決定することを特徴とする請求項14に記載の燃料電池システム。
  18. 水素を発生させる固体水素源と、前記水素で発電を行う燃料電池と、前記燃料電池の外部出力を補完するリチウムイオンバッテリとを備える燃料電池システムの固体水素源の炭化防止方法において、
    前記燃料電池の出力電流を0とし、負荷電流を前記リチウムイオンバッテリ電流で保持するステップと、
    前記出力電流を徐々に増加させるステップと、
    前記出力電流が第1の電流値に達したところでその状態を維持するステップと、
    前記出力電流の時間平均が負荷電流の時間平均に等しくなるか否かを判定し、YESであれば終了し、NOであれば、前記出力電流を徐々に増加させるステップに戻るステップと、
    水素圧が規定値以下になるか否かを判定し、YESであれば終了し、NOであれば、前記出力電流を徐々に増加させるステップに戻るステップと、
    前記リチウムイオンバッテリの充電容量が満杯になるか否かを判定し、YESであれば終了し、NOであれば、負荷電流を前記リチウムイオンバッテリ電流で保持するステップに戻るステップと
    を有することを特徴とする固体水素源の炭化防止方法。
  19. 水素を発生させる固体水素源と、前記水素で発電を行う燃料電池と、前記燃料電池の外部出力を補完するリチウムイオンバッテリとを備える燃料電池システムの燃料電池セル活性化方法において、
    前記燃料電池の出力電流を第1の電流値とするステップと、
    前記燃料電池の入出力の関係から活性化状態を判定するステップと、
    前記燃料電池の出力特性を評価するステップと、
    前記燃料電池の出力電圧が第1の電圧値以上である場合には、問題なしと判定し、手続き終了するステップと、
    前記燃料電池の出力電圧が前記第1の電圧値より小である場合には、前記燃料電池の出力電流を0とし、徐々に増加させるステップと、
    前記燃料電池の出力電流の値が前記第1の電流値に達したところでその状態を維持するステップと、
    数秒たったところで前記燃料電池の出力電流の値を元に戻し、手続き終了するステップと
    を有することを特徴とする燃料電池セル活性化方法。

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