JP2016114825A - 電子写真用トナーの製造方法 - Google Patents
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アルコール成分と、芳香族ジカルボン酸化合物を含有したカルボン酸成分を含む非晶質縮重合系樹脂の原料モノマー、付加重合系樹脂の原料モノマー及び該付加重合系樹脂の原料モノマー100重量部に対して、2〜15重量部の非晶質縮重合系樹脂の原料モノマーと付加重合系樹脂の原料モノマーのいずれとも反応し得る化合物を重合させることにより得られる、非晶質縮重合系樹脂成分と付加重合系樹脂成分とを含む非晶質ハイブリッド樹脂(2-2)
を含有してなる結着樹脂を含有してなる静電荷像現像用トナーであって、前記の結晶性ハイブリッド樹脂(1-2)と非晶質ハイブリッド樹脂(2-2)の重量比(結晶性ハイブリッド樹脂(1-2)/非晶質ハイブリッド樹脂(2-2))が1/99〜40/60である、静電荷像現像用トナーが開示されている。
〔1〕 結晶性複合樹脂Cと非晶質ポリエステルを含む結着樹脂及び着色剤を含有する電子写真用トナーを、
工程1:結晶性複合樹脂Cと着色剤を含み、結晶性複合樹脂Cと着色剤の合計含有量が20質量%以上である原料成分を混練して、着色マスターバッチを製造する工程、
工程2:工程1で得られた着色マスターバッチと非晶質ポリエステルを含むトナー成分を混練する工程、及び
工程3:工程2で得られた混練物を粉砕する工程
を含む方法により製造する方法であって、
前記結晶性複合樹脂Cが炭素数9以上14以下の脂肪族ジオールを含有するアルコール成分と、炭素数9以上14以下の脂肪族ジカルボン酸化合物を含有するカルボン酸成分とを重縮合させて得られる重縮合系樹脂成分と、スチレン系樹脂成分とを含む樹脂である、電子写真用トナーの製造方法、並びに
〔2〕 前記〔1〕記載の製造方法により得られる、電子写真用トナー
に関する。
本発明で用いる結晶性複合樹脂Cは、長鎖脂肪族モノマーを用いた重縮合系樹脂成分と、スチレン系樹脂成分とを含むため、疎水性が高い。従って、結晶性複合樹脂Cは非晶質ポリエステルとの相溶性が低いため、結晶化し易く、低温定着性と保存性に優れると考えられる。
本発明の製造方法では、さらに、疎水性の高い該結晶性複合樹脂Cと着色剤とを、一定以上の配合量で混練する着色マスターバッチ(後述の工程1)を用いることで、画像濃度が向上することを見出した。
これは、前記着色マスターバッチを用いることで、着色剤表面を疎水性の高い結晶性複合樹脂Cによりコーティングすることができ、該着色マスターバッチを非晶質ポリエステル樹脂と混練する工程(後述の工程2)により、結着樹脂中の着色剤の分散性が向上し、画像濃度が向上するものと考えられる。
で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等の芳香族ジオール;グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ソルビトール、1,4−ソルビタン等の3価以上のアルコールが挙げられる。
1/Tg=Σ(Wn/Tgn) (1)
(式中、Tgnは、各単量体成分の単独重合体の絶対温度で表したTgであり、Wnは各単量体成分の質量分率である。)
また、両反応性モノマーの使用量は、低温定着性の観点から、スチレン系樹脂成分の原料モノマーの合計100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上である。また、スチレン系樹脂成分と重縮合系樹脂成分との分散性を高め、トナーの画像濃度及び保存性を向上させる観点から、好ましくは30質量部以下、より好ましくは20質量部以下、さらに好ましくは15質量部以下、さらに好ましくは10質量部以下である。ここで、スチレン系樹脂成分の原料モノマーの合計に重合開始剤は含める。
この方法では、重縮合反応に適した反応温度条件下で工程(A)を行い、反応温度を低下させ、付加重合反応に適した温度条件下で工程(B)を行う。スチレン系樹脂成分の原料モノマー及び両反応性モノマーは、付加重合反応に適した温度で反応系内に添加にすることが好ましい。両反応性モノマーは付加重合反応をすると共に重縮合系樹脂成分とも反応する。
工程(B)の後に、再度反応温度を上昇させ、必要に応じて架橋剤となる3価以上の重縮合系樹脂成分の原料モノマー等を重合系に添加し、工程(A)の重縮合反応や両反応性モノマーとの反応をさらに進めることができる。
この方法では、付加重合反応に適した反応温度条件下で工程(B)を行い、反応温度を上昇させ、重縮合反応に適した温度条件下で、工程(A)の重縮合反応を行う。両反応性モノマーは付加重合反応と共に重縮合反応にも関与する。
重縮合系樹脂成分の原料モノマーは、付加重合反応時に反応系内に存在してもよく、重縮合反応に適した温度条件下で反応系内に添加してもよい。前者の場合は、重縮合反応に適した温度でエステル化触媒を添加することで重縮合反応の進行を調節できる。
この方法では、付加重合反応に適した反応温度条件下で工程(A)と工程(B)とを行い、反応温度を上昇させ、重縮合反応に適した温度条件下で、必要に応じて架橋剤となる3価以上の重縮合系樹脂成分の原料モノマーを重合系に添加し、工程(A)の重縮合反応をさらに行うことが好ましい。その際、重縮合反応に適した温度条件下では、ラジカル重合禁止剤を添加して重縮合反応だけを進めることもできる。両反応性モノマーは付加重合反応と共に重縮合反応にも関与する。
で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。炭素数2以上20以下の2価のアルコールとして、具体的には、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。
で表されるビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物を含むアルコール成分とカルボン酸成分とを重縮合して得られる樹脂であることが好ましい。ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物を用いた重縮合物は、プロピレンオキサイド付加物を用いた重縮合物よりも、反応性が高く、粘度が低いため、同じ軟化点の重縮合物で比較すると、高分子量化し易い。従って、エチレンオキサイド付加物を含むアルコール成分を軟化点が低い方の非晶質ポリエステルに用いることで、軟化点が低い樹脂と高い樹脂の分子量差を少なくすることができ、結着樹脂中、結晶性樹脂をより均一に分散させることができるため、トナーの保存性、画像濃度が向上すると考えられる。式(II)で表されるビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物の含有量は、アルコール成分中、好ましくは55モル%以上、より好ましくは60モル%以上、さらに好ましくは62モル%以上である。また、好ましくは90モル%以下、より好ましくは80モル%以下、さらに好ましくは70モル%以下である。他のアルコール成分としては、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物(前記式(I)において、R1がプロピレン基である化合物)を含有することが好ましい。
工程1:結晶性複合樹脂Cと着色剤を含み、結晶性複合樹脂Cと着色剤の合計含有量が20質量%以上である原料成分を混練して、着色マスターバッチを製造する工程、
工程2:工程1で得られた着色マスターバッチと非晶質ポリエステルを含むトナー成分を混練する工程、及び
工程3:工程2で得られた混練物を粉砕する工程
を含む方法により製造する。
従って、工程1の混練に供する原料成分における結晶性複合樹脂Cと着色剤の合計含有量は、両者の混練性を高め、画像濃度の効果を発揮するためには、20質量%以上であり、好ましくは25質量%以上であり、同様の観点から、好ましくは55質量%以下、より好ましくは50質量%以下、さらに好ましくは45質量%以下、さらに好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは35質量%以下である。
また、工程1の混練に供する原料成分における結晶性複合樹脂Cと着色剤の合計含有量は、保存性の観点から、好ましくは20質量%以上、より好ましくは25質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは35質量%以上であり、同様の観点から、好ましくは55質量%以下、より好ましくは50質量%以下、さらに好ましくは45質量%以下である。
フローテスター「CFT-500D」(株式会社島津製作所社製)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/minで加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出す。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。
示差走査熱量計「Q-100」(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン株式会社製)を用いて、試料0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、室温から降温速度10℃/minで0℃まで冷却し、0℃にて1分間保持する。その後、昇温速度10℃/minで測定する。観測される吸熱ピークのうち、最も高温側にあるピークの温度を吸熱の最高ピーク温度とする。
示差走査熱量計「Q-100」(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製)を用いて、試料0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、200℃まで昇温し、その温度から降温速度100℃/minで-80℃まで冷却する。次に試料をモジュレーティッドモード(温度変調モード)で昇温速度1℃/minで昇温し測定する。吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度をガラス転移温度とする。
示差走査熱量計「Q-100」(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製)を用いて、試料0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/minで0℃まで冷却する。次に試料を昇温速度10℃/minで昇温し測定する。吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度をガラス転移温度とする。
JIS K0070の方法に基づき測定する。ただし、測定溶媒のみJIS K0070の規定のエタノールとエーテルの混合溶媒から、アセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に変更する。
示差走査熱量計「DSC Q20」(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン株式会社製)を用いて、試料0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、昇温速度10℃/minで200℃まで昇温し、その温度から降温速度5℃/minで-10℃まで冷却する。次に試料を昇温速度10℃/minで180℃まで昇温し測定する。そこで得られた融解吸熱カーブから観察される吸熱の最高ピーク温度を離型剤の融点とする。
平均粒子径は、個数平均粒子径を指し、外添剤の走査型電子顕微鏡(SEM)写真から測定した、500個の粒子の粒径の数平均値とする。長径と短径がある場合は長径を指す。
測定機:コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター株式会社製)
アパチャー径:50μm
解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19(ベックマンコールター株式会社製)
電解液:アイソトンII(ベックマンコールター株式会社製)
分散液:電解液にエマルゲン109P(花王株式会社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB(グリフィン):13.6)を溶解して5質量%に調整したもの
分散条件:前記分散液5mlに測定試料10mgを添加し、超音波分散機(機械名:(株)エスエヌディー社製US-1、出力:80W)にて1分間分散させ、その後、前記電解液25mlを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させて、試料分散液を調製する。
測定条件:前記電解液100mlに、3万個の粒子の粒径を20秒間で測定できる濃度となるように、前記試料分散液を加え、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求める。
表1、2に示す両反応性モノマーであるアクリル酸以外の重縮合系樹脂成分の原料モノマーを所定量、窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した10リットル容の四つ口フラスコに入れ160℃に加熱し、溶解させた。表1、2に示すスチレン系樹脂成分の原料モノマー、重合開始剤及びアクリル酸を滴下ロートにより1時間かけて滴下した。160℃に保持したまま1時間攪拌を続けスチレン系樹脂成分の原料モノマー及びアクリル酸を重合させた後、8.3kPaにて1時間攪拌し、スチレン系樹脂成分の未反応モノマーの除去を行った。その後、2-エチルヘキサン酸錫(II)40g及び没食子酸3gを加えて210℃に昇温し8時間反応を行った。さらに8kPaにて1時間反応を行い、結晶性ハイブリッド樹脂を得た。得られた樹脂の物性を表1、2に示す。
表2に示す重縮合系樹脂成分の原料モノマー、2-エチルヘキサン酸錫(II)40g、及び没食子酸2gを、窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した10リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、210℃に昇温して10時間反応させた。さらに8kPaにて1時間反応を行い、結晶性ポリエステルを得た。得られた樹脂の物性を表2に示す。
表3に示す原料モノマー、2-エチルヘキサン酸錫40g及び没食子酸2gを、窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した10リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、235℃に昇温して8時間反応させた。さらに8kPaにて軟化点が110℃になるまで反応を行い、非晶質ポリエステルを得た。得られた樹脂の物性を表3に示す。
表3に示す無水トリメリット酸以外の原料モノマー、2-エチルヘキサン酸錫40g、及び没食子酸2gを、窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した10リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、235℃に昇温して8時間反応させた。次に、210℃に温度を下げて常圧(101.3kPa)に戻し、無水トリメリット酸を加えて、210℃、常圧の条件にて1時間反応させた。さらに8kPaにて軟化点が121℃になるまで反応を行い、非晶質ポリエステルを得た。得られた樹脂の物性を表3に示す。
〔工程1〕
表4に示す所定量の結着樹脂と着色剤「ECB-301」(大日精化社製、フタロシアニンブルー(P.B. 15:3))をヘンシェルミキサーにて混合後、以下に示す条件で溶融混練した。
表4に示す所定量の結着樹脂と着色マスターバッチ(着色MB)と、離型剤「カルナウバワックスC1」(加藤洋行社製、融点:83℃)3質量部、及び荷電制御剤「ボントロンE-304」(オリヱント化学工業社製)0.5質量部をヘンシェルミキサーにて混合後、以下に示す条件で溶融混練した。
得られた混練物を冷却し、粉砕機「ロートプレックス」(東亜機械社製)により粗粉砕し、目開きが2mmのふるいを用いて粒径が2mm以下の粗粉砕物を得た。カウンタージェットミル「400AFG」(ホソカワアルピネ社製)にて微粉砕・上限分級(粗粉除去)を行った。さらに、分級機「TTSP」(ホソカワアルピネ社製)にて下限分級(微粉除去)を行い、体積中位粒径が5.5μmのトナー粒子を得た。
工程2において、離型剤として、「カルナウバワックスC1」の代わりに、「HNP-9」(日本精蝋社製、パラフィンワックス、融点:75℃)3質量部を使用した以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。
工程2において、離型剤として、「カルナウバワックスC1」3質量部に加えて、「HNP-9」(日本精蝋社製、パラフィンワックス、融点:75℃)3質量部を使用した以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。
表4に示す所定量の結着樹脂と、着色剤「ECB-301」(大日精化社製、フタロシアニンブルー(P.B. 15:3))5質量部、離型剤「カルナウバワックスC1」(加藤洋行社製、融点:83℃)3質量部、及び荷電制御剤「ボントロンE-304」(オリエント化学社製)0.5質量部をヘンシェルミキサーにて混合後、実施例1の工程2と同様の条件で溶融混練した。
表4に示す所定量の結着樹脂と、着色剤「ECB-301」(大日精化社製、フタロシアニンブルー(P.B. 15:3))5質量部、離型剤「カルナウバワックスC1」(加藤洋行社製、融点:83℃)3質量部、及び荷電制御剤「ボントロンE-304」(オリエント化学社製)0.5質量部をヘンシェルミキサーにて混合後、実施例1の工程2と同様の条件で溶融混練した。
非磁性一成分現像装置「OKI MICROLINE 5400」(沖データ社製)にトナーを実装し、トナー付着量を0.45±0.03mg/cm2に調整して、4.1cm×13.0cmのベタ画像を「J紙」(富士ゼロックスオフィスサプライ社製)に印字した。定着機を通過する前にベタ画像を取り出して未定着画像を得た。得られた未定着画像を「Microline3010」(沖データ社製)の定着機を改造した外部定着機にて、定着ロールの温度を100℃に設定し、240mm/secの定着速度で定着させた。その後、定着ロール温度を105℃に設定し、同様の操作を行った。これを200℃まで5℃ずつ上昇させながら、各温度で未定着画像の定着処理を行い、定着画像を得た。各温度で定着させた画像にメンディングテープ(住友スリーエム社製)を付着させた後、500gの円筒上の重石を載せることにより、十分にテープを定着画像に付着させた。その後、ゆっくりとメンディングテープを定着画像より剥がし、テープ剥離後の画像の光学反射密度を反射濃度計「RD-915」(マクベス社製)を用いて測定した。あらかじめテープを貼る前の画像についても光学反射密度を測定しておき、その値との比([テープ剥離後の反射密度/テープ貼付前の反射密度]×100)が最初に90%を超える定着ロールの温度を最低定着温度とし、低温定着性の指標とした。結果を表5に示す。最低定着温度が低いほど低温定着性に優れることを示し、最低定着温度は、165℃以下が好ましく、160℃以下がより好ましく、158℃以下がさらに好ましい。
20mLのポリプロピレン製の容器にトナー4gを充填し、温度50℃、相対湿度80%の恒温恒湿槽に入れ、容器の蓋をあけた状態で48時間放置した。放置前後で凝集度を測定し、両者の凝集度の差により保存性を評価した。結果を表5に示す。差の値が小さいほど耐熱保存性に優れることを示し、その値は、3.0以下が好ましく、2.0以下がより好ましく、1.5以下がさらに好ましい。
非磁性一成分現像装置「OKI MICROLINE 5400」(沖データ社製)にトナーを実装し、ベタ画像を20枚印刷した。その画像サンプルの画像濃度を反射濃度計「RD-915」(マクベス社製)を用いて5点測定し、それらの平均値を画像濃度(OD)として評価した。結果を表5に示す。画像濃度が高いほど良好であり、画像濃度は、1.25以上が好ましく、1.30以上がより好ましく、1.35以上がさらに好ましい。
実施例1、5、7の対比において、結着樹脂中の結晶性複合樹脂/非晶質ポリエステルの質量比が10/90である実施例1が、低温定着性、保存性、及び画像濃度のバランスにより優れていることが分かる。
実施例1、8〜10の対比において、結晶性複合樹脂における重縮合系樹脂成分/スチレン系樹脂成分との質量比が90/10である実施例1が、低温定着性、保存性、及び画像濃度のバランスにより優れていることが分かる。
実施例8、11、12の対比において、結晶性複合樹脂の重縮合系樹脂部分のアルコール成分の炭素数が10である実施例8のトナーが、低温定着性、保存性、及び画像濃度のバランスにより優れていることが分かる。
実施例8、13の対比において、結晶性複合樹脂の重縮合系樹脂部分のカルボン酸成分の炭素数が10である実施例8のトナーが、低温定着性、保存性、及び画像濃度により優れていることが分かる。
実施例1、14の対比において、離型剤としてエステルワックスを用いた実施例1のトナーが、低温定着性、保存性、及び画像濃度に優れることが分かる。
比較例4、5は、着色マスターバッチに結晶性複合樹脂を用いておらず、画像濃度が低い。これは、着色剤の分散性が高められなかったためと考えられる。
比較例6は、結晶性複合樹脂の重縮合系樹脂成分のアルコール成分として中鎖の脂肪族ジオール、カルボン酸成分として芳香族ジカルボン酸化合物を用いているため、保存性が低い。
比較例7は、結晶性樹脂としてスチレン系樹脂成分を有していない結晶性ポリエステルを用いているため、画像濃度が低い。
比較例8は、結晶性複合樹脂を用いていないため、低温定着性及び保存性が低い。
Claims (7)
- 結晶性複合樹脂Cと非晶質ポリエステルを含む結着樹脂及び着色剤を含有する電子写真用トナーを、
工程1:結晶性複合樹脂Cと着色剤を含み、結晶性複合樹脂Cと着色剤の合計含有量が20質量%以上である原料成分を混練して、着色マスターバッチを製造する工程、
工程2:工程1で得られた着色マスターバッチと非晶質ポリエステルを含むトナー成分を混練する工程、及び
工程3:工程2で得られた混練物を粉砕する工程
を含む方法により製造する方法であって、
前記結晶性複合樹脂Cが炭素数9以上14以下の脂肪族ジオールを含有するアルコール成分と、炭素数9以上14以下の脂肪族ジカルボン酸化合物を含有するカルボン酸成分とを重縮合させて得られる重縮合系樹脂成分と、スチレン系樹脂成分とを含む樹脂である、電子写真用トナーの製造方法。 - 結晶性複合樹脂Cが、(イ)炭素数9以上14以下の脂肪族ジオールを含有するアルコール成分と炭素数9以上14以下の脂肪族ジカルボン酸化合物を含有するカルボン酸成分とを含む、重縮合系樹脂成分の原料モノマー、(ロ)スチレン系樹脂成分の原料モノマー、及び(ハ)重縮合系樹脂成分の原料モノマー及びスチレン系樹脂成分の原料モノマーのいずれとも反応し得る両反応性モノマーを重合させることにより得られる樹脂である、請求項1記載の製造方法。
- 工程1における結晶性複合樹脂Cと着色剤の質量比(結晶性複合樹脂C/着色剤)が、0.5以上4.0以下である、請求項1又は2記載の製造方法。
- 結晶性複合樹脂Cにおける重縮合系樹脂成分とスチレン系樹脂成分との質量比(重縮合系樹脂成分/スチレン系樹脂成分)が55/45以上95/5以下である、請求項1〜3いずれか記載の製造方法。
- 結着樹脂における結晶性複合樹脂Cと非晶質ポリエステルの質量比(結晶性複合樹脂C/非晶質ポリエステル)が、5/95以上40/60以下である、請求項1〜4いずれか記載の製造方法。
- 工程1及び工程2の混練を、オープンロール型混練機で行う、請求項1〜5いずれか記載の製造方法。
- 請求項1〜6いずれか記載の製造方法により得られる、電子写真用トナー。
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