JP2016114570A - 超音波検査方法および装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、正しい位置に収録データの波形強度をマッピングすることで、欠陥位置精度が高い超音波検査を実現することを課題とする。【解決手段】上記課題を解決するために、本発明は、温度分布を有する構造物を対象とした超音波検査方法において、構造物の温度分布データを参照するステップと、構造物を構成する材料を伝搬する音速の温度依存性データを参照するステップと、前記温度分布データ及び温度依存性データから超音波の伝搬経路を解析するステップと、収録した超音波波形強度を前記解析した超音波の伝搬経路から導かれる座標に割り当てるステップを有することを特徴とした。【選択図】図1
Description
本発明は、温度勾配を有する被検体に好適な超音波検査方法および装置に関する。
溶接構造物に対する品質保証や溶接技術向上のため、非破壊的手法による検査は重要である。例えば、溶接部の品質保証のため、X線検査や超音波検査を実施している。また、溶接技術の向上のため、高速度カメラと光学的フィルタを用いて溶接時に溶融表面を観察する技術がある。近年、溶接などの作業工程中、同時に品質保証を実施するインプロセス検査技術や、金属溶融内部状態(溶け込み深さ)を把握するインプロセス評価技術が望まれている。
一方、金属内部の検査を実施するには、超音波かX線による計測が必要となる。X線を用いた検査の場合、作業環境や設備大型化が課題となる。このため、比較的作業環境に依存せず小型の装置で実施可能な超音波を利用することが有効である。超音波による検査技術においては、超音波を発振する振動子を多素子化したアレイセンサを用い、超音波の送受信を制御し、取得した反射波形を処理することで、金属内部を断面的にあるいは立体的に映像化する超音波検査技術が活用されている。
超音波検査技術を、例えば溶接中に実施することを想定すれば、被検体に温度分布や、温度分布の時間変化があるため、超音波の伝搬経路上に音速分布と音速変化が生じ、時間的に変動する。このため、従来の音速が一定で、かつ、直進性を仮定して計測結果を表示する計測方法では、信号強度低下の他、検査結果画像上に歪や位置誤差が生じる恐れがある。
温度分布や温度変化がある対象についての超音波計測の例として特許文献1がある。特許文献1は、超音波の一種である表面波を利用し、測定中に被測定体の表面温度分布や、表面温度分布に時間変化があっても、表面温度分布や変化で生じる音速変化に対する補正を、測定温度の平均温度を求めて自動的に実施し、精度の良い測定値を得る距離測定方法と装置が記載されている。
樹脂材の製造工程で、超音波を用いて樹脂材の厚みを測定する樹脂材の厚み測定方法及び樹脂材の厚み測定装置に関し、特許文献2がある。特許文献2は、材料内部、厚み方向の音速分布を求めることにより、測定対象の樹脂材に液相が含まれるとしても、樹脂材の厚みを高い精度で測定することを目的として成されたものであり、測定対象の樹脂材の厚み方向の温度分布を算出し、音速の温度特性を参照することで、樹脂材の厚み方向の各位置における音速分布を算出、伝搬時間と平均音速とから樹脂材の厚みを算出する方法および装置が記載されている。
距離や厚さなど、2点間の距離を計測することだけを目的とすれば、前述の特許文献1や特許文献2は有効であるが、例えば、金属内部を断面的にあるいは立体的に映像化する超音波検査技術においては、測定中に被測定体の温度分布がある場合、超音波の伝搬経路は歪むため、反射源までの距離が精度良く求まったとしても、正しい場所に反射源を見出すことができない。
加えて、高温で複数の熱源、複雑形状を有する対象の検査を目的とすれば、急な温度勾配や複雑な温度勾配を有するため、公知例のように平均音速を用いると、やはり検査結果に位置誤差や検査結果表示画像に歪が生じることになる。
そこで、本発明は、欠陥位置精度が高い超音波検査を実現することを課題とする。
上記課題を解決するために本発明は、被検体における温度分布を考慮した伝搬解析を予め実施して超音波の伝搬経路を求め、伝搬解析により算出した経路上の座標値と、この座標値に対応する音速を用いて、収録データを補正し、経路上に強度を割り当てることにより、検査結果を描画することを特徴とする。
本発明によれば、正しい位置に収録データの波形強度をマッピングすることで、欠陥位置精度が高い超音波検査が可能となる。
以下、実施例について図面を用いて説明する。本実施例によれば、超音波による検査対象に温度分布を有する場合でも、伝搬経路を近似的に求めることができるため、超音波による位置精度の高い欠陥検出が可能となる。またここで用いる検査との文言は計測も含む言葉として使用する。
本実施例は、温度分布を有する試験体内を超音波が伝搬する経路を、温度分布を考慮した伝搬経路解析により予め求めておいて、超音波検査装置により超音波を送受信し、取得した超音波の波形データを、温度に依存する音速特性データならびに前記の伝搬解析データを活用して補正し、検査結果を描画するようにした。
図1は簡単のため、センサ内部に単一の振動子1を有する単一型超音波センサ2を用いた超音波検査を想定し、温度分布を有する被検体3内での超音波の伝搬経路を模式的に示したものである。後ほど、アレイセンサを用いたフェーズドアレイ超音波検査のように、電子的に超音波を走査出来る場合に拡張する。また、振動子1を利用した超音波検査装置以外にも、レーザーを利用した超音波検査装置を用いても良い。ここでは、温度分布を有する原因として、例えば、溶接トーチなどの熱源が被検体3に接触していることを想定した。
一般的に超音波はある程度の広がりをもって特定の方向へ伝搬する。超音波の伝搬経路は、広がりのうち最も強い強度で伝搬する方向となる主音線(主音軸ともいう)を光線(レイ)に見立てたレイモデルで示すことができる。レイモデルの他、有限要素法など詳細な弾性波の伝搬解析を実施し、評価することで、詳細に伝搬経路を解析しても良い。なお、超音波が固体中を伝搬する時、縦波又は横波の振動モードがあるが、本特許では特に区別する必要が無いため、横波音速、縦波音速を含め、音速とする。
レイモデルで伝搬解析を実施する場合、重要であるのがスネルの法則である。図2に示すように、スネルの法則は、媒質inにおける媒質温度をTin、媒質音速の温度依存性をVin(Tin)、入射角をθin、媒質outにおける媒質温度をTout、媒質音速の温度依存性をVout(Tout)、屈折角θoutとすれば、
Vin(Tin)×sin(θout)=Vout(Tout)×sin(θin)
…(式1)
が成立することを示している。
Vin(Tin)×sin(θout)=Vout(Tout)×sin(θin)
…(式1)
が成立することを示している。
図1の状況下における超音波の伝搬経路(解析した主音線4)の算出方法について詳細に説明する。図中、被検体の温度分布が予め解析などにより分かっていれば、等温線5により、被検体領域を区切ることができる。また、熱源6の接している近傍の領域を領域0の平均温度T0であるとして、順次、等温領域を定めることにより、領域1は温度T1、領域2は温度T2、領域3は温度T3、領域4は温度T4、…と離散的に等温線を境界として設定することができる。これらの領域は、温度が異なるため、音速が異なる。音速の温度依存性を模式的に図3に示す。具体例としては、SUS304においては、室温で約5800m/sであるのに対し、1100℃で5000m/sとなる。このような音速の温度依存性データは、計測対象の材料毎に予め保持しておく必要がある。なお、等温領域の設定方法は、温度を基準に等間隔で等温領域とする温度領域決めても良いし、音速を基準に温度領域を設定しても良い。
図中、単一の振動子から発振された超音波の主音線は、素子中心7から発せられる。簡単のため、シュー8内部では温度分布が無視できる程度とすると、振動子−シュー境界面に対して鉛直にシュー内を直進する。シューと被検体境界の入射点B0において、スネルの法則を満たし、被検体内部へ透過する。入射点B0におけるスネルの法則は、入射点における被検体温度をT4とすれば、
Vs(Ts)×sin(θout_B0)=V(T4)×sin(θs)…(式2)
となる。但し、シュー材質の音速も温度依存性があるので、シュー温度をTsとしてVs(Ts)とした。被検体内へ透過した超音波は、B0を起点とし、(式2)から求まるθout_B0の屈折角をもって温度分布を有する被検体内部を伝搬することになる。次に、入射点B0からθout_B0の屈折角をもって温度分布を有する被検体内部を伝搬する主音線は、領域4内で直進する。主音線と領域3、4間の等温線との交点をB1とすれば、B1に接する接線L1に直交する法線M1を見出すことができる。点B0におけるスネルの法則は、(式1)から、当然
V(T4)×sin(θout_3)=V(T3)×sin(θin_4)…(式3)
が成立する。従って、領域4から領域3へ伝搬する際には、法線B1に対し、θout_3の角度を持って伝搬する。そして、領域3を直進し、領域2,3間の等温線と交点を持ち、先の場合と同様、スネルの法則を満たして領域2中を直進する。
Vs(Ts)×sin(θout_B0)=V(T4)×sin(θs)…(式2)
となる。但し、シュー材質の音速も温度依存性があるので、シュー温度をTsとしてVs(Ts)とした。被検体内へ透過した超音波は、B0を起点とし、(式2)から求まるθout_B0の屈折角をもって温度分布を有する被検体内部を伝搬することになる。次に、入射点B0からθout_B0の屈折角をもって温度分布を有する被検体内部を伝搬する主音線は、領域4内で直進する。主音線と領域3、4間の等温線との交点をB1とすれば、B1に接する接線L1に直交する法線M1を見出すことができる。点B0におけるスネルの法則は、(式1)から、当然
V(T4)×sin(θout_3)=V(T3)×sin(θin_4)…(式3)
が成立する。従って、領域4から領域3へ伝搬する際には、法線B1に対し、θout_3の角度を持って伝搬する。そして、領域3を直進し、領域2,3間の等温線と交点を持ち、先の場合と同様、スネルの法則を満たして領域2中を直進する。
このような伝搬解析を計測前に実施し、座標値を入手しておくことで、従来の図1の点線で示した直線近似では補正できない取得信号の補正を可能にする。
次に、補正の方法について説明する。例えば、図1の状況下で計測を実施し、図4(a)に示す信号データが得られたとする。図4(a)で得られる信号は、一般に、振動子で受けた振動は電気信号(電圧)へと変換され、電圧をサンプリングする際の時間間隔ΔT毎に電圧強度を波形強度としてプロットしたものである。従来は、図1の状況下においては、シュー内を伝搬する時間分をオフセットし、入射点B0から一定音速に設定として、伝搬時間と設定した一定音速を掛けることにより、路程に変換し表示している。
本手法を用いれば、シュー内の路程、B0−B1の路程、B1−B2の路程、B2−B3の路程は分かっているため、各領域に対応する音速をかけることによって超音波の伝搬した距離に変換し、精度の高い位置を算出することができる。図4(b)に示すように図3に示した各領域での音速とシュー内での音速を参照することで、収録波形を補正することができ、欠陥開口部の位置Cと一致する。特に従来と異なる点は、B0からB1まで、B1からB2まで、B2以降を伝搬する時、それぞれの伝搬経路の傾きが異なるため、各経路上での座標を算出できる点にある。すなわち本手法を超音波検査装置に搭載した場合、欠陥開口部Cに相当する信号が出現した際、図4(b)のL3の位置にカーソルを合わせれば、図1のCにカーソルが自動的に表示されるようなシステムを組むことが可能となる。
図5は、このような計測方法を実施するためのフローである。単一型のセンサを用いる場合、S000で超音波計測を開始し、S011で終了する。
S000で超音波計測を開始し、
S001で、被検体の温度分布データを取得する。温度分布データには、温度計測が可能であれば、計測データを用いればよいし、他、周りの温度、入熱量などが分かっている場合、解析データを用いても良い。また、溶接機械の溶接プログラムを参照し、入熱量と時間から温度分布を解析するようにしても良い。
S001で、被検体の温度分布データを取得する。温度分布データには、温度計測が可能であれば、計測データを用いればよいし、他、周りの温度、入熱量などが分かっている場合、解析データを用いても良い。また、溶接機械の溶接プログラムを参照し、入熱量と時間から温度分布を解析するようにしても良い。
S002で、温度分布データを等温領域にグルーピングする。等温領域へグルーピングする際には、機械的に温度をグルーピングしてもよいし、温度による音速変化特性を参照し、音速変化に合わせてグルーピングしても良い。
S003で、超音波センサの設置位置、入射角度などの情報を設定する。
S004で、設定した超音波センサの設置位置、入射角度についてレイトレースなどを用いて伝搬解析し、
S005で、伝搬解析結果を保存し、
S006は、伝搬解析を終了する。
S004で、設定した超音波センサの設置位置、入射角度についてレイトレースなどを用いて伝搬解析し、
S005で、伝搬解析結果を保存し、
S006は、伝搬解析を終了する。
S007で超音波の送受信を開始し、
S008で、超音波の時間―強度データを保存する。
S009で、温度領域毎の音速を参照し、時間―強度データを、路程―強度データ、座標―強度データへ補正・変換する。
S008で、超音波の時間―強度データを保存する。
S009で、温度領域毎の音速を参照し、時間―強度データを、路程―強度データ、座標―強度データへ補正・変換する。
S010で、補正が完了すれば、補正後の波形データや、補正後の波形データの路程が、計測対象中、超音波の入射点からのどの位置を示すかなどの結果を表示し、
S011で、終了する。
S011で、終了する。
上記は、単一型超音波センサ2を被検体3に対して、位置を固定した最も単純な場合について説明したが、単一型の超音波センサを被検体に対して、スキャナなどを用いて位置を変えながら測定する場合や、アレイセンサを用いて、電子的に超音波を走査する場合にも容易に拡張することができる。
本実施例によれば、簡単に伝搬経路を求めることができ、解析した伝搬経路に基づき、伝搬経路上の各点での音速を参照し、正しい位置に収録データの波形強度をマッピングすることで、欠陥位置精度が高い検査が実現可能である。
実施例2について図6を用いて説明する。図6は、超音波センサを機械的に走査すること、また、被検体内に伝搬する超音波を電子走査すること、あるいは、超音波の波形合成することにより、被検体内部の2次元、3次元の計測結果を表示できる装置を用いて実施するためのフローである。S100で超音波計測を開始し、S117で終了する。
S100からS102はS000からS002と同じである。
S103で、超音波センサの全設置位置(入射点位置)と全入射角度パターンなどの情報を設定する。
S104では、設定した超音波センサの設置位置i、全入射角度パターンφiについて入力し、
S105では、S102のグルーピングされた温度分布データと音速の温度依存性を示したデータに基づいて、伝搬解析を実施し、
S106では、全ての設定された入射点位置と入射角度に対する伝搬解析処理が完了したかを判定する。
S103で、超音波センサの全設置位置(入射点位置)と全入射角度パターンなどの情報を設定する。
S104では、設定した超音波センサの設置位置i、全入射角度パターンφiについて入力し、
S105では、S102のグルーピングされた温度分布データと音速の温度依存性を示したデータに基づいて、伝搬解析を実施し、
S106では、全ての設定された入射点位置と入射角度に対する伝搬解析処理が完了したかを判定する。
全ての伝搬経路の算出が完了している場合、
S107で、解析結果を保存し、
S108で、解析を終了する。
S107で、解析結果を保存し、
S108で、解析を終了する。
S109で、S103、S104における入射位置iと角度φiの設定に基づき、超音波の送受信を開始し、
S110で、時間―強度データを保存する。
S111で、S109における全ての入射点位置と角度に対する保存処理が完了したかを判定し、完了した場合は、
S112で、保存した各時間―強度データに対して、S009同様に、温度領域毎の音速を参照し、各時間―強度データを補正する。
S113で、各補正が完了すれば、評価グラフなどの結果を出力する。
S110で、時間―強度データを保存する。
S111で、S109における全ての入射点位置と角度に対する保存処理が完了したかを判定し、完了した場合は、
S112で、保存した各時間―強度データに対して、S009同様に、温度領域毎の音速を参照し、各時間―強度データを補正する。
S113で、各補正が完了すれば、評価グラフなどの結果を出力する。
S114で、座標値―強度データに基づき、2次元あるいは3次元上にマッピングを実施し、
S115で、補完処理を施し、
S116で、強度を色相変換することで、計測結果を描画出力し、
S117で、計測を終了する。
S115で、補完処理を施し、
S116で、強度を色相変換することで、計測結果を描画出力し、
S117で、計測を終了する。
本実施例によれば、簡単に伝搬経路を求めることができ、解析した伝搬経路に基づき、伝搬経路上の各点での音速を参照し、正しい位置に収録データの波形強度をマッピングすることで、欠陥位置精度が良い計測が実現可能である。その際に、被検体内に伝搬する超音波を電子走査すること、あるいは、超音波の波形合成することにより、被検体内部の2次元、3次元の計測結果を取得することが可能となる。
実施例3について図7を用いて説明する。実施例1及び実施例2では超音波検査方法の各実施例について述べてきたが、本実施例では、これらの超音波検査方法を実施するための検査装置を説明する。
図7は、超音波検査装置の全体構成図である。図7の超音波検査装置は、計測対象である被検体3と、超音波を送信及び受信する超音波センサ10と、超音波センサ10を駆動させるための送信及び受信部11と、送信及び受信部に設定した電圧や電圧を付与するタイミングなどの条件に基づき制御するための制御部12と、データベース13に保存された被検体の形状データや熱的な情報に基づき、被検体の温度分布解析を行う温度解析部14や超音波伝搬経路解析を実施する伝搬解析部15を有する解析部16と、制御条件や送受信した波形データや解析データなどを保持しておく記憶部17と、記憶部17にある波形データを解析データに基づき処理する収録波形処理部18とから成る制御及び処理装置19と、記憶部やデータベースに保存されているデータに基づき、超音波の送信及び受信の設定条件に対応する波形、すなわち伝搬経路毎の波形を表示する、伝搬経路毎の波形表示画面20と、伝搬経路の解析結果を表示する伝搬経路解析結果表示画面21と、計測結果をマッピングし、補間処理した結果を表示する計測結果表示画面22を有する表示器23から成る。
次に、それぞれの動作について説明する。入力画面24において、温度分布データを有する被検体形状情報、超音波の入射位置と入射角度の設定条件を入力する。このように入力することで、まず、解析部16は、超音波の伝搬経路を算出する。伝搬経路は座標値を含む情報であり、この算出結果を受け取った記憶部はデータベース13に保存する。
送信及び受信条件や、アレイセンサなどの複数の超音波を送受信できるようなシステムにおいては、遅延条件を制御部が受け取った場合、通常、送信信号は送信増幅器を介して超音波を送信するための駆動電圧を超音波センサ10に印加する。増幅された送信信号を受けた超音波センサ10は、超音波を与えた条件に対応して超音波を送信する。超音波を集束する場合には、各超音波振動素子から集束位置までの幾何学的な距離、つまり各媒質での超音波の音速と境界面での屈折を考慮した距離に対応した遅延条件で各超音波振動素子に電圧を印加し、計測範囲中、所定の位置に超音波を集束して送信する。超音波を受信した際には、超音波センサで受信した超音波に対応して、受信信号を増幅器、アナログ‐デジタル変換器を介して受信信号をデジタル信号に変換する。デジタル信号に変換され、選択された受信信号は、記憶部17に記憶される。超音波送信時と同様に超音波を集束して受信する際には、遅延条件を受信信号に付与して記憶される。
上記の伝搬解析結果と、記憶された受信信号から画像を構成する場合には、正しい位置に欠陥を描画するために、先述のフローの通り、収録波形処理部18において時間―波形データを温度―音速データに基づき補正処理すれば良い。この補正により、正しい座標値と強度データに変換されたものを記憶部に再び戻し、補完処理をすることで2次元あるいは3次元マッピングを実施することができる。またこれらデータはデータベース13へ保存される。保存されたこれらのデータは、表示器23にて表示することができる。
また、本装置構成に、温度センサ25と温度監視部26を加えて、その取得データを温度解析部14にて温度解析時に反映することにより、より精度の高い検査を実現することが可能となる。
本実施例によれば、簡単に伝搬経路を求めることができ、解析した伝搬経路に基づき、伝搬経路上の各点での音速を参照し、正しい位置に収録データの波形強度をマッピングすることで、欠陥位置精度が良い計測が実現可能である。その際に、被検体内に伝搬する超音波を電子走査すること、あるいは、超音波の波形合成することにより、被検体内部の2次元、3次元の計測結果を取得することが可能となる。
実施例4について説明する。図7の装置構成は、アレイセンサを用いた超音波検査をする際、適切な遅延条件を設定することにも応用可能である。すなわち、表示器23の入力画面において、実施例3中で入力した項目以外に、検査したい場所を入力し、その入力した場所を起点に、解析部16で温度分布情報を有した被検体データの下で伝搬解析をすることにより、アレイセンサを構成する各素子までに到達する経路ならびに時間を算出することが可能となる。すなわち、遅延時間を本装置構成で算出することができる。この遅延時間を記憶部17に記憶し、制御部12へ与えることにより、このような温度分布を有する被検体に対しても、超音波を集束することが可能となる。
1:振動子
2:単一型超音波センサ
3:被検体
4:解析した主音線
5:等温線
6:熱源
7:素子中心
8:シュー
10:超音波センサ
11:送信及び受信部
12:制御部
13:データベース
14:温度解析部
15:伝搬解析部
16:解析部
17:記憶部
18:収録波形処理部
19:制御及び処理装置
20:伝搬経路毎の波形表示画面
21:伝搬経路解析結果表示画面
23:表示器
24:入力画面
25:温度センサ
26:温度監視部
2:単一型超音波センサ
3:被検体
4:解析した主音線
5:等温線
6:熱源
7:素子中心
8:シュー
10:超音波センサ
11:送信及び受信部
12:制御部
13:データベース
14:温度解析部
15:伝搬解析部
16:解析部
17:記憶部
18:収録波形処理部
19:制御及び処理装置
20:伝搬経路毎の波形表示画面
21:伝搬経路解析結果表示画面
23:表示器
24:入力画面
25:温度センサ
26:温度監視部
Claims (9)
- 温度分布を有する構造物を対象とした超音波検査方法において、
構造物の温度分布データを参照するステップと、
構造物を構成する材料を伝搬する音速の温度依存性データを参照するステップと、
前記温度分布データ及び温度依存性データから超音波の伝搬経路を解析するステップと、
収録した超音波波形情報を前記解析した超音波の伝搬経路から導かれる座標に割り当てるステップを有することを特徴とした超音波検査方法。 - 請求項1の超音波検査方法において、
前記構造物の温度分布データを等温領域にグルーピングするステップと、
前記グルーピングされた等温領域のデータから、等温領域における音速を参照するステップと、
隣り合う等温領域の境界において、入射側の等温領域の音速と入射側の等温領域の音速入射角度と透過側の等温領域の音速からスネルの法則に基づき透過側の等温領域への屈折角を算出することにより、超音波の伝搬経路を解析するステップを有することを特徴とした超音波検査方法。 - 請求項1又は2の超音波検査方法において、
前記温度依存データは、温度センサによる温度計測データであることを特徴とした超音波検査方法。 - 請求項1又は2の超音波検査方法において、
前記温度依存データは、溶接機械の溶接プログラムを参照し、入熱量と時間から温度分布を解析することを特徴とした超音波検査方法。 - 温度分布を有する構造物を対象としたアレイセンサを用いた超音波検査方法において、
超音波の集束予定位置である焦点の場所を入力するステップと、
構造物の温度分布データを参照するステップと、
構造物を構成する材料を伝搬する音速の温度依存性データを参照するステップと、
前記温度分布データ及び温度依存性データからアレイセンサに与える遅延条件を算出するステップを有することを特徴とした超音波検査方法。 - 超音波を送信及び受信する超音波センサと、
前記超音波センサを駆動させるための送信及び受信部と、
送信及び受信部を設定した電圧及び電圧を付与するタイミングの条件に基づき制御するための制御部と、
データベースに保存された被検体の形状データ及び熱的な情報に基づき、被検体の温度分布を解析する温度解析部と
前記温度解析部のデータを用いて超音波の伝搬経路を解析する伝搬解析部と、
制御条件、送信及び受信した波形データ及び解析データを保持する記憶部と、
前記記憶部にある波形データを前記解析した伝搬経路に基づき処理する収録波形処理部と、
前記処理結果を表示する表示器とを有する超音波検査装置。 - 請求項6の超音波検査装置において、
前記表示器は伝搬経路毎の波形を切り替えてあるいは並列して表示する機能を有することを特徴とした超音波検査装置。 - 請求項6の超音波検査装置において、
伝搬経路解析の結果と、伝搬経路に対応する波形の結果において、伝搬経路に対応する波形の路程あるいは時間軸の特定の値をカーソル等で指し示した時に、伝搬経路解析の結果に対応するカーソルが表示される機能を有することを特徴とした超音波検査装置。 - 請求項6の超音波検査装置において、
検査結果を補正した座標に基づきマッピングし、補間処理し、色相変換することにより2次元画像あるいは3次元画像を表示する機能を有することを特徴とした超音波検査装置。
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- 2014-12-18 JP JP2014255711A patent/JP2016114570A/ja active Pending
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