JP2016114455A - 測定装置 - Google Patents

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栄郎 松村
Shigeo Matsumura
栄郎 松村
秀高 西田
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秀高 西田
啓司 森下
Keiji Morishita
啓司 森下
大輔 荒川
Daisuke Arakawa
大輔 荒川
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Abstract

【課題】配管のクリープ損傷の度合いを、連続的、かつ、定量的に測定することを可能とする測定装置を提供する。【解決手段】配管Pの肉厚を測定する電磁超音波センサT1と、電磁超音波センサT1の測定面が配管Pの外周面と対向するように電磁超音波センサT1が取り付けられ、配管Pの長手方向に沿って移動する移動体Kと、移動体Kが配管Pの長手方向に沿って移動する際に、電磁超音波センサT1と配管Pとの間の距離が一定の距離に保持されるように、電磁超音波センサT1と配管Pとの間に介在して移動体Kを案内する案内部材T102〜T105と、を備えたことを特徴とする測定装置。【選択図】図5

Description

本発明は、測定装置に関する。
火力発電所のボイラー内には、過熱器、再熱器の伝熱管等、蒸気を循環させる細い配管(例えば、直径50mm)が多数通っている。これらの配管は、高温高圧(例えば、580℃、3MPa)の水蒸気等が流入出するとともに、高温環境下におかれるため、クリープ損傷や酸化減肉が生じることがある。これらの配管がクリープ損傷や酸化減肉による強度低下により破断した場合、大事故につながるため、定期的な余寿命検査がなされ、余寿命に応じて交換、修繕がなされている。
しかし、これらの配管の内部及び外部には、蒸気により形成された酸化被膜や、ボイラー内で燃料を燃焼し発生した燃焼ガスに起因する付着物が付着しており、これらに起因して局所的に温度上昇し、クリープ損傷や酸化減肉が進行する場合がある。このようなクリープ損傷や酸化減肉は、損傷箇所を予測するのは困難であるため、現状では、作業員が目視やリング状の治具を用いて、クリープ損傷の度合いを示す指標の一つである配管の膨出の度合いを、長手方向の複数箇所に亘って確認するという作業を行っている。しかし、配管の膨出の度合いを目視や治具を用いて判断するのは限界があり、又、クリープ損傷は一定量を超えてから急激に進行することを考慮すると、判断に誤りのない定量的な測定方法が求められている。加えて、これらの配管は、密集して無数に配置されているため、大型の測定装置は、使用が困難である。
このような背景にあって、ボイラーに用いられる配管のクリープ損傷を連続的に測定する方法について、種々検討がなされており、例えば、特許文献1には、超音波端子を利用して、配管の肉厚を連続的に測定するための装置が記載されている。
特開2007−187593号公報
しかし、特許文献1等では、接触式の超音波センサを用いて配管の肉厚を測定することを前提としているため、配管の表面に付着した酸化被膜や付着物を洗浄により除去した後に測定を行う必要があり、長手方向の複数箇所に亘って連続的に測定するのに適した測定装置とは言えない。
そこで、本発明は、配管のクリープ損傷の度合いを、連続的、かつ、定量的に測定することを可能とする測定装置を提供することを目的とする。
前述した課題を解決する主たる本発明は、配管の肉厚を測定する電磁超音波センサと、前記電磁超音波センサの測定面が前記配管の外周面と対向するように前記電磁超音波センサが取り付けられ、前記配管の長手方向に沿って移動する移動体と、前記移動体が前記配管の長手方向に沿って移動する際に、前記電磁超音波センサと前記配管との間の距離が一定の距離に保持されるように、前記電磁超音波センサと前記配管との間に介在して前記移動体を案内する第1案内部材と、を備えたことを特徴とする測定装置である。本発明の他の特徴については、添付図面及び本明細書の記載により明らかとなる。
本発明に係る測定装置によれば、配管のクリープ損傷や酸化減肉の度合いを、連続的、かつ、定量的に測定することが可能となる。特に、本発明に係る測定装置は、電磁超音波センサの測定面が、配管の長手方向の各地点で、配管の測定位置の表面に対して一定の距離に維持され、かつ、配管の測定位置の表面に対して略平行に対向する構成とすることができるため、配管に洗浄、研磨などの前処理を行うことなく、高い精度で、配管の肉厚を連続測定することが可能となる。
本発明の第1実施形態における測定対象の配管の構成を示す図である。 本発明の第1実施形態における測定装置の構成を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態における測定装置の構成を示す側面図である。 本発明の第1実施形態における測定装置の構成を示す側面図である。 本発明の第1実施形態における測定装置の構成を示す平面図である。 本発明の第1実施形態における測定装置の構成を示す平面図である。 本発明の第1実施形態における測定装置の構成を示す平面図である。 本発明の第1実施形態における肉厚測定部の構成を示す図である。 本発明の第1実施形態における肉厚測定部の構成を示す図である。 本発明の第1実施形態における第1外径測定部の構成を示す図である。 本発明の第1実施形態における第2外径測定部の構成を示す図である。 本発明の第1実施形態における測定装置の構成を示す平面図である。
本明細書および添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
<第1実施形態>
本実施形態では、測定装置を用いて、ボイラーに用いられる配管(以下、単に「配管」と言う)の肉厚及び外径を長手方向に、連続的に測定する態様について説明する。
図1に、本実施形態に係る測定対象である配管の一例を示す。ボイラーに用いられる配管は、多数の略平行に伸延する細い配管(例えば、直径50mm)から構成され、夫々の配管同士の間隔も配管の径と同程度で、配管が密集した状態となっている。測定対象の配管Pは、図1で示す密集したボイラーに用いられる配管のいずれか一であり、例えば、低合金鋼等の材料から構成され、クリープ損傷が生じた場合、減肉したり、長手方向と略垂直な方向の断面の径が広がる(以下、「膨出」と言う)という特性を有する。そのため、これらの配管の肉厚や外径を測定することにより、クリープ損傷や酸化減肉を検出することができる。
本実施形態に係る測定装置は、配管Pに洗浄、研磨などの前処理を行うことなく、配管の肉厚の変化を連続的に測定するべく、非接触で超音波を送受信して肉厚の測定を行うことができる電磁超音波センサ(Electro Magnetic Acoustic Transducer:EMAT)を用いるとともに、当該センサを用いた連続測定に適した台車機構を備える。更に、本実施形態に係る測定装置は、配管Pの肉厚に加えて、配管Pの外径も連続的に測定可能とするべく、レーザ寸法測定装置等により構成される外径測定部を備えるものである。
尚、配管の材料、又は、配管への応力のかかり方によっては、肉厚の減肉量、あるいは外径の膨出量のいずれかでしかクリープ損傷が検出できない場合がある。そのため、本実施形態に係る測定装置は、配管Pの長手方向の各地点に亘って肉厚及び外径をともに連続的に測定できる構成として、その測定結果に基づいて、クリープ損傷や酸化減肉の検出を可能としている。
===測定装置の構成===
以下、図2〜図4を参照して、本実施形態に係る測定装置の構成の一例を示す。図2は測定装置の斜視図、図3A〜図3Bは測定装置の側面図、図4A〜図4Cは測定装置の平面図を表す。尚、図4A、図4B、図4Cは、夫々、図3AにおけるA―A’、B―B’、C―C’で切断したときの測定装置の平面図を示す図である。又、図2では、配管Pを省略して測定装置の斜視図を表している。
図2、図3A〜図3B、図4A〜図4Cにおいて、Z軸は、測定対象の配管Pの長手方向に沿う軸である。又、X軸、Y軸は、夫々、測定対象の配管Pの長手方向と垂直な方向を示す軸である(X軸とY軸も垂直な方向を示す関係にある)。以下の説明では、夫々、単に「X方向」、「Y方向」、「Z方向」と表し、矢印の示す方向を+方向、矢印と逆の方向を−方向を表す。又、測定装置は、配管Pに沿って+Z方向に進むものとして、+Z方向を「前側」、−Z方向を「後側」と言う。
本実施形態に係る測定装置は、肉厚測定部T1、第1外径測定部T2、T3、第2外径測定部T4、T5、ミラーM1、M2が配管Pの長手方向に沿って移動する移動体Kに取り付けられて構成される。そして、測定装置は、移動体Kが配管Pの長手方向に沿って移動しながら、肉厚測定部T1により配管Pの肉厚を測定し、第1外径測定部T2、T3、第2外径測定部T4、T5により、配管Pの外径(膨出)を測定する。
肉厚測定部T1は、電磁超音波を配管Pに出力するとともに、配管Pの内部から反射される電磁超音波を検出することにより、配管Pの肉厚を測定する電磁超音波センサである。
第1外径測定部T2、T3は、夫々、出射部T2A、T3Aから配管Pの測定位置に対して一定の幅を有するレーザ平行光線を出射し、配管Pを挟んで対向するように配設された受光部T2B、T3Bが受光したレーザ平行光線に応じて、配管Pの外径を測定するレーザ寸法測定装置である。第1外径測定部T2、T3は、X方向に配管Pを挟んで対向するように出射部T2A、T3Aと受光部T2B、T3Bを配設し、受光部T2B、T3Bが出射部T2A、T3Aから出射されるレーザ平行光線L2、L3を受光することにより、配管PのY方向の幅を測定し、第1外径測定部T2の測定結果と、第1外径測定部T3の測定結果に基づいて、配管PのY方向の外径、即ち膨出量を測定する。尚、図中の矢印L2、L3は、出射部T2A、T3Aから出射するレーザ平行光線を表す。
第2外径測定部T4、T5は、夫々、出射部T4A、T5Aから配管Pの測定位置に対して直線状のレーザ光線を出射し、出射部T4A、T5Aと略同位置に配設された受光部T4B、T5Bが受光した配管Pの表面からの反射レーザに基づいて、対向する位置の配管Pとの距離を測定するレーザ距離測定装置である。そして、第2外径測定部T4と第2外径測定部T5とは、X方向に配管Pを挟んで対向するように配設され、第2外径測定部T4の測定結果と、第2外径測定部T5の測定結果に基づいて、配管PのX方向の外径、即ち膨出量を測定する。尚、図中では、出射部T4A、T5Aと受光部T4B、T5Bはレーザ距離測定装置T4、T5夫々の筐体内に設置されるものとして、出射部と受光部とを区別せずに表している。図中の矢印L4、L5は、出射部T4A、T5Aから出射するレーザ光線を表す。
ミラーM1、M2は、第1外径測定部T2、T3、及び第2外径測定部T4、T5の出射部T2A、T3A、T4A、T5Aが出射するレーザL2、L3、L4、L5を反射して、夫々の受光部T2B、T3B、T4B、T5BにレーザL2、L3、L4、L5を到達させるための構成である。
尚、肉厚測定部T1、第1外径測定部T2、T3、第2外径測定部T4、T5の構成の詳細は後述する。
移動体Kは、測定対象の配管Pの長手方向と略垂直な方向の断面の周囲(以下、「配管の周囲」と言う)を囲むように配設された車輪R1〜R4を介して、その周囲を挟持しながら、配管Pの長手方向(Z方向)に沿って移動する台車である。
詳細には、移動体Kは、第1枠部材K1、第2枠部材K2、連結部材K3、車輪R1〜R4を備えて構成される(図2を参照)。
第1枠部材K1は、配管Pの+X方向の側に配置された、棒状部材が骨組みされてなる枠部材であり、又、第2枠部材K2は、配管Pの−X方向の側に配置された、棒状部材が骨組みされてなる枠部材である。そして、第1枠部材K1と第2枠部材K2が、配管Pを挟んで対向するように配置され、連結部材K3により接続されることにより、配管Pの全周囲を囲む枠体を形成する(以下、単に「枠体K1、K2」とも言う)。そして、枠体K1、K2は、配管Pの周囲に対して一定の間隔を有するように、配管Pの周囲を囲む形状を呈する。尚、第1枠部材K1、第2枠部材K2は、外形が変形しにくい任意の材料により構成される。
連結部材K3は、例えば、第1枠部材K1と第2枠部材K2とを配管Pを挟んで対向するように配置したとき、これらが対向する部分を任意の長さ位置で接続して、螺子固定することが可能な固定部材である。そして、第1枠部材K1と第2枠部材K2とは、配管Pを挟んで対向するように配置したとき、配管Pを挟むその両側(配管Pに対して+Y方向の側と−Y方向の側)で連結部材K3により固定される。又、第1枠部材K1と第2枠部材K2とは、測定装置の前側(+Z方向)と後側(−Z方向)において、連結部材K3により固定される。即ち、YZ平面で見たとき、第1枠部材K1と第2枠部材K2は、夫々、長方形の形状を呈し、その四隅に第1枠部材K1は−X方向に伸延する棒状部材を、第2枠部材K2は+X方向に伸延する棒状部材を有して、それらが連結部材K3により任意の長さ位置で固定される。そして、移動体Kを配管Pに取り付ける際には、第1枠部材K1と第2枠部材K2とが車輪R1〜R4を介して配管Pの周囲を挟持するように、連結部材K3により接続される。尚、「挟持」とは、移動体Kを配管Pの所定の位置に保持し得るように、枠体K1、K2で配管Pの周囲を押圧した状態を意味する。
車輪R1と車輪R2は、枠体K1、K2の前側(+Z方向)の位置に、X方向に配管Pを跨いで対向するように取り付けられ、又、車輪R3と車輪R4は、枠体K1、K2の後側(−Z方向)の位置に、X方向に配管Pを跨いで対向するように取り付けられる。そして、車輪R1〜R4が配管Pの長手方向に沿う方向(Z方向)に回転運動することにより、移動体Kは長手方向(Z方向)に沿って移動する。
車輪R1〜R4は、リム部に配管Pの周囲の外形に沿う湾曲した凹形状を呈する。そして、車輪R1〜R4は、当該配管Pの周囲の外形に沿う形状が、配管Pに当接するように枠体K1、K2に配設され、夫々、枠体K1、K2のY方向に延びる車軸に回転自在に支持されている。又、車輪R1〜R4は、弾性部材、例えば、弾性ゴム材により構成され、配管Pの膨出箇所等において、配管Pの外形に応じて変形する。即ち、移動体Kは、これらの車輪R1〜R4を配管Pに当接した状態で、配管Pを挟持しながら移動することにより、枠体K1、K2の形状が保持された状態で、配管Pの長手方向の中心軸に沿って、X方向及びY方向にずれることなく移動する。尚、車輪R1〜R4は、移動体Kが配管Pの長手方向に沿って移動するように、配管Pの外周面を挟持しながら移動体Kを案内する案内部材(第2案内部材)の一例である。
===肉厚測定部について===
以下、図5、図6、及び上記した図3〜図4を参照して、肉厚測定部T1の構成について説明する。
肉厚測定部T1は、電磁超音波センサであり(以下、「電磁超音波センサT1」とも言う)、電磁超音波送受信部T101、ローラーT102〜T105、付勢バネT106〜T109、制御部T110(図示せず)を備えて構成される。尚、図5中の点線は、電磁超音波センサT1の筐体を表す。
電磁超音波センサT1は、電磁的方法により、配管Pの内周面に対して所定の周波数の超音波を送信するとともに、配管Pの内周面で反射して跳ね返ってきた超音波を受信し、共振が発生するときの周波数を検出することによって配管Pの肉厚を測定するセンサである。
より詳細には、電磁超音波送受信部T101は、送信コイルT101A、受信コイルT101B、永久磁石T101Cを有し、これらを用いて、配管Pの内周面に超音波を送信するとともに、配管Pの内周面で反射して跳ね返ってきた超音波を受信する。送信コイルT101A及び受信コイルT101Bは、導電線を外周方向に巻き回して構成される平面コイルであり、導電線を巻き回して形成される面(以下、「測定面」と言う)が、配管Pの測定位置の表面に対して、一定の間隔を有し、かつ、略平行に対向するように配設される(以下、「送受信コイルT101A、T101B」とも言う)。尚、本実施形態では、送信コイルT101Aと受信コイルT101Bは、同一のコイルを用いる態様を示しているが、別のコイルを用いるものであってもよい。
永久磁石T101Cは、中心の磁石(N極を配管Pの側に向ける磁石)の周囲を、非磁性体を介して、磁極のN極・S極が反対の磁石(S極を配管Pの側に向ける磁石)で囲んで構成される。そして、永久磁石T101Cは、当該磁極のN極・S極が互い違いとなった面が、送受信コイルT101A、T101Bを挟んで配管Pの測定位置の表面に対して、一定の間隔を有し、かつ、略平行に対向するように配設される。
電磁超音波送受信部T101は、制御部T110に制御されて、送信コイルT101Aに交流電流を印加することにより、配管Pの表面に周期的に変動する渦電流を誘起し、当該渦電流と永久磁石T101Cの磁界によるローレンツ力によって配管Pの内周面(深さ方向)に対して縦波の超音波を送信する。一方、電磁超音波送受信部T101は、配管Pの内周面に対して送信した超音波が、配管Pの内周面で反射して生じる配管Pの表面の振動を、送信とは逆の原理により、受信コイルT101Bで起電力として検出する。
制御部T110は、コンピュータプログラムに従って、電磁超音波センサT1を制御するCPUである。制御部T110は、所定の周波数の交流電流を送信コイルT101Aに供給する。又、制御部T110は、受信コイルT101Bを介して検出される起電力を取得する。そして、制御部T110は、送信コイルT101Aに供給する交流電流の周波数を変化させ、共振が発生するときの周波数を検出することによって配管Pの肉厚を測定する。
電磁超音波センサT1は、電磁的方法により、超音波の送受信を行うため、測定対象の配管Pとの間に振動媒体を何ら介在させることなく、配管Pの肉厚を測定することができる点に特徴を有する。即ち、本実施形態では、電磁超音波センサT1を用いることにより、配管Pの表面に付着した付着物や酸化被膜を除去し研磨するなどの前処理を行うことなく、超音波の送受信を行うことが可能とする。一方、送受信コイルT101A、T101Bの測定面と、配管Pの測定位置の表面との位置関係に応じて、その測定精度は不安定なものとなる。
そこで、本実施形態に係る電磁超音波センサT1は、送受信コイルT101A、T101Bの測定面が配管Pの長手方向の各地点で、配管Pの測定位置の表面に対して一定の距離(図5中ではSで表す)で、かつ、配管Pの測定位置の表面に対して略平行に対向するように、移動体Kに取り付けられている。そして、当該構成により、電磁超音波センサT1は、配管Pの肉厚を高い精度で連続測定することが可能としている。
詳細には、電磁超音波センサT1は、配管Pの測定対象の位置の表面の方向に押圧するように付勢バネT106〜T109を介して移動体Kの枠体K1、K2に取り付けられる。そして、電磁超音波センサT1の筐体の配管Pと対向する面には、送受信コイルT101A、T101Bを囲むとともに、配管Pに当接するように、高剛性材料、例えば、ステンレス鋼により形成されるローラーT102〜T105が取り付けられる。送受信コイルT101A、T101Bは、当該付勢バネT106〜T109と当該ローラーT102〜T105とにより、配管Pの長手方向の各地点で、配管Pの測定位置の表面に対して一定の距離となるように維持される。又、移動体Kは、車輪R1〜R4を配管Pに当接した状態で、配管Pを挟持しながら移動することにより、配管Pの長手方向の中心軸に沿って、即ち、X方向及びY方向にずれることなく移動する。そのため、移動体Kに取り付けられた電磁超音波センサT1の送受信コイルT101A、T101Bも、配管Pの測定位置の表面に対して略平行に対向するように移動することになる。尚、ローラーT102〜T105は、電磁超音波センサT1の測定面が、配管Pの測定位置の表面に対して一定の距離となるように維持するため、配管Pに当接させる案内部材(第1案内部材)の一例である。
尚、本実施形態では、配管Pの長手方向の測定位置(Z座標)を把握するため、肉厚測定部T1のローラーT102〜T105のいずれかにロータリーエンコーダが設けられており(図示せず)、電磁超音波センサT1は、当該ロータリーエンコーダの測定データを取得することにより、Z方向の測定位置を検出することができる構成となっている。
===外径測定部について===
以下、図7A、図7B及び上記した図3〜図4を参照して、第1外径測定部T2、T3、第2外径測定部T4、T5の構成について説明する。尚、理解を容易にするため、図7A、図7Bでは、ミラーM1、M2を省略して表す。
=第1外径測定部=
第1外径測定部T2と第1外径測定部T3は、夫々独立したレーザ寸法測定装置であり(以下、「レーザ寸法測定装置T2、T3」とも言う)、夫々、出射部T2A、T3A、受光部T2B、T3B、制御部T2C、T3C(図示せず)を備えて構成される。
出射部T2A、T3Aは、例えば、半導体発光素子、レーザ拡散ユニット、コリメータレンズを含んで構成され、半導体発光素子により発生させたGaNレーザを、レーザ拡散ユニットにより拡散し、コリメータレンズを介してY方向に一定の幅を有するレーザ平行光線L2、L3として、配管Pの長手方向に垂直な方向(+X方向)に対して出射する。又、受光部T2B、T3Bは、例えば、光検出器、テレセントリック光学系を含んで構成され、レーザ平行光線L2、L3のうち配管Pの影になった部分以外のレーザ(通過したレーザ)を、テレセントリック光学系により集光し、光検出器により当該通過したレーザを測定する。又、制御部T2C、T3Cは、夫々、コンピュータプログラムに従って、第1外径測定部T2と第1外径測定部T3を制御するCPUであり、出射部T2A、T3A及び受光部T2B、T3Bの動作を制御するとともに、受光部T2B、T3Bが受光したレーザの幅を算出する。そして、レーザ寸法測定装置T2の測定結果と、レーザ寸法測定装置T3の測定結果とを合成することにより、配管PのY方向の外径Pyが算出される。
より詳細には、レーザ寸法測定装置T2の出射部T2Aと受光部T2Bは、配管Pに対して−Y側の位置において、X方向に配管Pを挟んで対向するように、枠体K1、K2に取り付けられる。又、レーザ寸法測定装置T3の出射部T3Aと受光部T3Bは、枠体K1、K2の配管Pに対して+Y側の位置において、X方向に配管Pを挟んで対向するように取り付けられる。そして、受光部T2Bが出射部T2Aから、配管Pに対して+X方向に出射されるレーザ平行光線L2を受光することにより配管Pの−Y側の寸法を測定し、受光部T3Bが出射部T3Aから、配管Pに対して+X方向に出射されるレーザ平行光線L3を受光することにより配管Pの+Y側の寸法を測定する構成となっている。尚、後述するように、出射部T2A、出射部T3Aは、ミラーM1を介してレーザ平行光線L2、L3の経路を変更して、配管Pに対して−X方向から、Y方向に一定の幅を有するレーザ平行光線L2、L3を出射している。
配管PのY方向の外径Pyの算出は、例えば、レーザ寸法測定装置T2、T3が配管Pの長手方向の各地点で測定を行った後、夫々の測定データ(Z方向の位置、出射部T2A、T3Aの出射したレーザ平行光線L2、L3のY方向の幅、受光部T2B、T3Bの受光したレーザ平行光線L2、L3のY方向の幅)を演算装置(図示せず)に送信して、演算装置により行う。このとき、演算装置は、当該測定データのうちZ方向の位置データに基づいて、レーザ寸法測定装置T2、T3の配管Pの長手方向の同じ地点での測定データを抽出し、出射部T2A、T3Aの出射したレーザ平行光線L2、L3のY方向の幅と、レーザ寸法測定装置T2とレーザ寸法測定装置T3の間の所定の間隔(出射部T2Aと出射部T3Aの間隔、又、受光部T2Bと受光部T3Bの間隔)と、を加算したY方向の幅から、受光部T2B、T3Bの受光したレーザ平行光線L2、L3のY方向の幅を減算することにより、配管Pの長手方向の各地点におけるY方向の外径Pyを算出する。尚、レーザ寸法測定装置T2、T3の夫々は、上記した肉厚測定部T1のローラーT102〜T105のいずれかに設けられたロータリーエンコーダの測定データを取得することにより、Z方向の測定位置を検出することができる構成となっている。
=第2外径測定部=
第2外径測定部T4と第2外径測定部T5とは、夫々独立したレーザ距離測定装置であり(以下、「レーザ距離測定装置T4、T5」とも言う)、夫々、出射部T4A、T5A、受光部T4B、T5B、制御部T4C、T5Cを備えて構成される。
出射部T4A、T5Aは、夫々、例えば、変調信号発振器、半導体発光素子を含んで構成され、高周波で強度変調をかけた直線状のHe−Neレーザ光線L4、L5を配管Pの測定位置に向けて出射する。又、受光部T4B、T5Bは、夫々、例えば、光検出器、位相計を含んで構成され、光検出器により配管Pの測定位置から反射されるレーザ光線L4、L5と、内部の参照基準のレーザ光線とを受光し、位相計により、これらの間における変調波の位相差を測定する。又、制御部T4C、T5Cは、夫々、コンピュータプログラムに従って、第2外径測定部T4と第2外径測定部T5を制御するCPUであり、出射部T4A、T5A及び受光部T4B、T5Bの動作を制御するとともに、測定された位相差に基づいて、配管Pのレーザ光線L4、L5を反射した地点とレーザ距離測定装置T4、T5の距離を算出する(位相差方式)。そして、レーザ距離測定装置T4の測定結果と、レーザ距離測定装置T5の測定結果とを合成することにより、配管PのX方向の外径Pxが算出される。
より詳細には、レーザ距離測定装置T4とレーザ距離測定装置T5は、配管Pの長手方向の中心軸の位置を挟んで、X方向に対向するように、枠体K1、K2に取り付けられる。そして、レーザ距離測定装置T4は、受光部T4Bが出射部T4Aから出射されるレーザ光線L4を受光することにより、配管Pの−X側の寸法(距離)を測定し、受光部T5Bが出射部T5Aから出射されるレーザ光線L5を受光することにより、配管Pの+X側の寸法(距離)を測定する。尚、後述するように、出射部T4A、出射部T5Aは、ミラーM1、M2を介してレーザ光線L4、L5の経路を変更して、配管Pに対して±X方向から、直線状のレーザ光線L4、L5を出射している。
配管PのX方向の外径Pxの算出は、例えば、レーザ距離測定装置T4とレーザ距離測定装置T5が配管Pの長手方向の各地点で測定を行った後、夫々の測定データ(Z方向の位置、配管Pのレーザを反射した地点とレーザ距離測定装置T4、T5の距離)を演算装置(図示せず)に送信して、演算装置により行う。このとき、演算装置は、当該測定データのうちZ方向の位置データに基づいて、レーザ距離測定装置T4、T5の配管Pの長手方向の同じ地点での測定データを抽出し、配管Pのレーザを反射した地点とレーザ距離測定装置T4、T5の距離と、配管Pの初期の外径と、を加算した値から、ミラーM1、M2とレーザ距離測定装置T4、T5の間の距離を減算することにより、配管Pの長手方向の各地点におけるX方向の外径Pxを算出する。尚、レーザ距離測定装置T4、T5の夫々は、上記した肉厚測定部T1のローラーT102〜T105のいずれかに設けられたロータリーエンコーダの測定データを取得することにより、Z方向の測定位置を検出することができる構成となっている。
本実施形態に係る移動体Kは、上記したように、車輪R1〜R4を配管Pに当接した状態で、配管Pを挟持しながら移動することにより、枠体K1、K2の形状を保持した状態で、配管Pの長手方向の中心軸に沿って、X方向及びY方向にずれることなく移動する。そのため、第1外径測定部T2、T3、第2外径測定部T4、T5は、夫々、移動の前後で、配管Pの測定位置に対する基準とする座標、及び配管Pの測定位置に対する基準とする方向が一定に維持されるように、移動体Kの枠体K1、K2と一体となって移動する構成となっている。即ち、配管Pの測定位置に対するレーザ寸法測定装置T2、T3のレーザ平行光線L2、L3の出射位置及び出射方向は、移動の前後で、一定に維持される。又、同様に、配管Pの測定位置に対するレーザ距離測定装置T4、T5のレーザ光線L4、L5の出射位置及び出射方向は、移動の前後で、一定に維持される。これにより、レーザ寸法測定装置T2、T3、レーザ距離測定装置T4、T5は、配管Pを長手方向に沿って移動しながら、連続的に測定することが可能となる。尚、電磁超音波センサT1、レーザ寸法測定装置T2、T3、レーザ距離測定装置T4、T5は、夫々、上記したように位置合わせをすることなく測定することが可能であるから、移動体Kを移動しながら肉厚及び外径を連続的に測定することとしてもよいし、一定間隔(例えば、10cm)ごとに測定することとしてもよい。
=外径測定部の配置=
次に、測定装置のX方向及びY方向のサイズの縮小を図るための外径測定部(レーザ寸法測定装置T2、レーザ寸法測定装置T3、レーザ距離測定装置T4、レーザ距離測定装置T5)の配置構成について説明する。図8に、配管と測定装置の位置関係を、図3AにおけるA―A’で切断したときの平面図で示す。ボイラーに用いられる配管は、図1に示したように、多数の略平行に伸延する細い配管(例えば、直径50mm)から構成され、夫々の配管同士の間隔も配管の径と同程度で、配管が密集した状態となっている。特に、当該配管同士の間隔は、Y方向の幅FyがX方向の幅Fxに比して狭小となっている。他方、レーザ寸法測定装置、レーザ距離測定装置は、レーザを出射するための光学系を、その筐体内に格納する必要があるため、レーザの出射方向に一定のサイズを要し、小型のものでも、レーザの出射方向に伸びた形状を呈する。本実施形態に係る測定装置は、これらを考慮して、X方向及びY方向のサイズの縮小化のため、以下に示す構成とする。
第一に、本実施形態に係る測定装置は、レーザ寸法測定装置T2とレーザ寸法測定装置T3との2つのレーザ寸法測定装置を用いて配管PのY方向の外径Pyを測定する構成として、出射部T2Aと出射部T3Aの間の領域にレーザ距離測定装置T4を設置するとともに、受光部T2Bと受光部T3Bの間の領域にレーザ距離測定装置T5を設置する構成とする。これにより、移動体Kの枠体K1、K2の±Y側の側面に、配管Pの外径等を測定するための装置を取り付けることなく、二つのレーザ寸法測定装置T2、T3により配管PのY方向の外径Pyの測定を可能とし、又、二つのレーザ距離測定装置T4、T5により配管PのX方向の外径Pxの測定を可能としている。
第二に、本実施形態に係る測定装置は、レーザ寸法測定装置T2、T3、レーザ距離測定装置T4、T5の出射部T2A、T3A、T4A、T5Aのレーザの出射方向を+Z方向に向けるとともに、ミラーM1、M2を用いてレーザL2、L3、L4、L5の経路変更を行い、受光部T2B、T3B、T4B、T5Bのレーザの受光方向を−Z方向に向ける構成とする。
具体的には、レーザ寸法測定装置T2、T3の出射部T2A、T3Aは、夫々、出射方向が配管Pの長手方向に沿うように移動体Kに取り付けられ、受光部T2B、T3Bも、同様に、受光方向が配管Pの長手方向に沿うように(+Z方向)移動体Kに取り付けられる。そして、出射部T2A、T3Aは、配管Pの長手方向に沿う方向(+Z方向)にレーザ平行光線L2、L3を出射し、当該+Z方向に出射されたレーザ平行光線L2、L3は、ミラーM1に反射されて、配管Pの長手方向に直角する+X方向に経路を変えられ、レーザ平行光線L2、L3のうち、配管Pの影になった部分以外のレーザが、ミラーM2に反射されて、−Z方向に経路を変えられる。当該構成により、受光部T2B、T3Bは、ミラーM2から反射されたレーザ平行光線L2、L3のうち、配管Pの影になった部分以外のレーザ平行光線を受光する。又、同様に、レーザ距離測定装置T4、T5の出射部T4A、T5Aは、夫々、出射方向が配管Pの長手方向に沿うように移動体Kに取り付けられ、受光部T4B、T5Bも、受光方向が配管Pの長手方向に沿うように(+Z方向)移動体Kに取り付けられる。そして、出射部T4A、T5Aは、配管Pの長手方向に沿う方向(+Z方向)に直線状のレーザ光線L4、L5を出射し、当該+Z方向に出射されたレーザ光線L4、L5は、夫々、ミラーM1、M2に反射されて、配管Pの長手方向に直角する+X方向、−X方向に経路を変えられる。当該レーザ光線L4、L5は、夫々、配管Pの測定位置の表面に反射された後、再びミラーM1、M2に反射されて、配管Pの長手方向−Z方向に経路を変えられる。当該構成により、受光部T4B、T5Bは、ミラーM1、M2から反射されたレーザ光線L4、L5を受光する。尚、ミラーM1、M2の反射面は、レーザ平行光線L2、L3、レーザ光線L4、L5を上記の経路に変更し得る形状を呈している。
本実施形態では、配管Pの肉厚の減肉量、あるいは外径の膨出量の少なくとも一方に基づいて、配管Pのクリープ損傷や酸化減肉を検出する。一方、配管Pの材料、又は、配管Pへの応力のかかり方によっては、肉厚の減肉量、あるいは外径の膨出量のいずれかでしかクリープ損傷が検出できない場合がある。例えば、配管Pに膨出と同時に酸化減肉が生じると、膨出していても外径は変化しない場合がある。そのため、本実施形態に係る測定装置は、上記したとおり、配管Pの長手方向の各地点に亘って肉厚及び外径をともに連続的に測定できる構成として、それらの測定結果に基づいて、確実にクリープ損傷や酸化減肉の検出を可能としている。
尚、クリープ損傷、又は酸化減肉の一方が支配的に進行していると判断される場合、配管の減肉量、又は配管の外径の膨出量の一方のみに基づいて、余寿命を判断してもよい。その場合、配管の減肉量と余寿命の関係、又は配管の外径の膨出量と余寿命の関係を、測定対象の配管Pと同一種類(例えば、同一の材料、同一の肉厚)の配管Pについて実験を行うことにより算出しておき、クリープ損傷又は酸化減肉の検出結果に基づいて、余寿命評価をしてもよい。一方、クリープ損傷、又は酸化減肉のいずれも進行していると判断される場合、クリープ損傷、又は酸化減肉のいずれか一方のみの値では余寿命を判断することは困難であるため、クリープ損傷や酸化減肉が検出された箇所について、表面を研磨して採取したレプリカについて組織観察を行って、結晶粒変形法により、詳細な余寿命評価を行ってもよい。
そして、クリープ損傷や酸化減肉の検出結果に基づいて、配管Pの交換、修繕の時期を判断する。このとき、基準とする配管の減肉量/膨出量は、夫々、設計規格の配管の肉厚に対して減肉した量、及び外径に対して膨出した量である。又、これに代えて、設計規格の配管の肉厚に対して減肉した度合、設計規格の配管の外径に対する膨出の度合い(比率)であってもよい。尚、配管Pの減肉量/膨出量は、配管Pの肉厚/外径が設計規格上、長さ方向に亘って一定である場合は、上記の配管Pの肉厚/外径の測定結果から当該一定値を減算することにより算出することができる。又、一定でない場合は、配管Pの肉厚/外径を、配管Pに減肉/膨出が生じる前に長さ方向(Z方向)の各地点において予め測定し、当該地点と対応付けて記憶しておき、予め測定した配管Pの当該地点と対応付けられた肉厚/外径と、減肉/膨出後の肉厚/外径とを比較することにより算出することができる。
尚、配管Pの長手方向の各地点における、配管の肉厚/外径の測定結果に基づいて、クリープ損傷や酸化減肉を判断する際、当該演算処理は、第1外径測定部T2、T3、第2外径測定部T4、T5の演算処理と同様に他の演算装置が行ってもよいし、肉厚測定部T1、第1外径測定部T2、T3、第2外径測定部T4、T5、夫々がその機能構成として備えていてもよい。例えば、測定装置は、配管Pの長手方向の各地点で測定を行った後、これら肉厚/外径の測定結果に基づいて、他の演算装置に配管の長手方向の各地点における配管のクリープ損傷や酸化減肉を識別可能に表示する構成を備えていてもよい。
又、測定装置は、肉厚測定部T1、第1外径測定部T2、T3、第2外径測定部T4、T5の夫々に、クリープ損傷や酸化減肉していること、即ち、交換、修繕の時期を示す閾値となる減肉量/膨出量を設定し、測定対象の位置の減肉量/膨出量が当該閾値となる減肉量/膨出量を超えていると判断した場合、音等により警告を発する機能(警告部)を備えていてもよい。これによって、作業者は、極めて簡易な作業により、交換,修繕の時期を判断することができる。尚、配管のクリープ損傷は、その進行に伴い、進行度合いが速くなり、又、減肉/膨出も急激に増加し破断するに至る。そのため、例えば、進行度合いが速くなる時期の減肉量/膨出量を、警告を発する閾値として設定しておくことにより、配管の破断を確実に防止することができる。
以上、本実施形態に係る測定装置によれば、電磁超音波センサT1の測定面が、配管Pの長手方向の各地点で、配管Pの測定位置の表面に対して一定の距離に維持され、かつ、配管Pの測定位置の表面に対して略平行に対向する構成とすることができる。これによって、配管Pに洗浄や研磨などの前処理を行うことなく、高い精度で、配管Pの肉厚を連続測定することが可能となる。
又、本実施形態に係る測定装置によれば、移動体Kは、配管Pの外周面を取り囲む形状を呈し、配管Pの外周面の周囲を取り囲むように配設した弾性部材により構成される車輪R1〜R4を介して、配管Pの外周面を挟持しながら移動するため、配管Pが膨出する箇所等においても、電磁超音波センサT1が配管Pの肉厚を連続測定することができることに加えて、レーザ寸法測定装置T2、T3の出射部T2A、T3Aが測定位置に対してレーザ平行光線L2、L3を出射する方向、及び出射部T2A、T3Aと受光部T2B、T3Bの距離も一定に維持される構成となっている。又、同様に、レーザ距離測定装置T4、T5の出射部T4A、T5Aが測定位置に対してレーザ光線L4、L5を出射する方向、及びレーザ距離測定装置T4、T5の距離も一定に維持される。そのため、配管Pの長手方向の各地点で、肉厚と外径とをともに連続測定することが可能となり、確実にクリープ損傷している可能性のある部位を検出することができる。
<その他の実施形態>
尚、上記実施形態では、移動体Kに、第1外径測定部T2、T3、第2外径測定部T4、T5を設ける構成としたが、配管Pのクリープ損傷が肉厚の測定のみで確実に検出できる場合等は、これらの構成は不要である。又、配管Pの外径を測定するための構成を設ける場合も、測定対象の配管Pと周囲の配管との離間状態に応じて、ミラーM1、M2等を省略したり、その配置関係を適宜変更することが可能である。又、配管Pの外径を測定するための構成は、レーザ寸法測定装置やレーザ距離測定装置に代えて、デジタルノギス等を用いてもよい。その場合、例えば、ステンレス鋼等により形成される第1の測定部材と第2の測定部材とを、配管Pの長手方向と略垂直な方向に配管Pを挟んで対向するように移動体Kに取り付け、これらを配管Pに当接しながら、移動体Kが移動可能な構成とすればよい。
又、上記実施形態では、枠体K1、K2の形状を維持しつつ、配管Pの長手方向の中心軸に沿うように移動体Kを移動させるべく、移動体Kを配管Pの周囲を囲むように配設された弾性部材(車輪R1〜R4)を介して、その周囲を挟持しながら、配管Pの長手方向に沿って移動する構成とした。しかし、電磁超音波センサT1と配管Pとの間に介在して移動体Kを案内する案内部材(ローラーT102〜T105等)を有していれば、電磁超音波センサT1と配管Pの間の距離が一定の距離に保持されるように、移動体Kは移動することが可能であり、第1外径測定部T2、T3、第2外径測定部T4、T5の構成等に応じて、その態様は、種々変更し得る。例えば、移動体Kが、配管Pの長手方向に沿って敷設されたレールに沿って移動する構成とであってもよい。又、案内部材を、高剛性材料により形成されるローラーT102〜T105に代えて、表面に潤滑油を塗布した高剛性材料、例えば、ステンレス鋼等を用いてもよい。
又、上記実施形態では、配管Pの周囲を囲むように配設された弾性部材として、弾性ゴム材により構成される車輪R1〜R4を用いたが、車輪R1〜R4に代えて、付勢バネや緩衝材を配管Pの周囲を囲むように枠体K1、K2に配設して、配管Pと移動体Kの間にこれらを介在させる構成としてもよい。
又、上記実施形態では、配管の肉厚を測定する電磁超音波センサT1として、ローレンツ力を利用して超音波を送受信する構成としたが、配管Pの材料が鋼等の強磁性体である場合は、磁歪効果を利用して超音波を送受信する構成としてもよい。
上記各実施形態は、以下の記載により特定される発明を開示するものである。
前述した課題を解決する主たる本発明は、配管Pの肉厚を測定する電磁超音波センサT1と、電磁超音波センサT1の測定面T101A、T101Bが配管Pの外周面と対向するように電磁超音波センサT1が取り付けられ、配管Pの長手方向に沿って移動する移動体Kと、移動体Kが配管Pの長手方向に沿って移動する際に、電磁超音波センサT1と配管Pとの間の距離が一定の距離に保持されるように、電磁超音波センサT1と配管Pとの間に介在して移動体Kを案内する第1案内部材T102〜T105と、を備えたことを特徴とする測定装置である。これにより、配管Pに洗浄や研磨などの前処理を行うことなく、高い精度で、配管Pの肉厚を連続測定することが可能となる。
又、測定装置は、移動体Kと電磁超音波センサT1の間に介在し、電磁超音波センサT1を配管Pの外周面の方向に押圧する付勢部材T106〜T109を、更に備えるものであってもよい。
又、第1案内部材T102〜T105は、複数のローラーであってもよい。
又、移動体Kは、配管Pの外周面を取り囲む形状を呈し、移動体Kが配管Pの長手方向に沿って移動するように、配管Pの外周面を挟持しながら移動体Kを案内する第2案内部材R1〜R4を更に備えたものであってもよい。
又、第2案内部材R1〜R4は、配管Pの外周面の周囲を取り囲むように配設された弾性部材により構成されるものであってもよい。これによって、移動体Kは、枠体K1、K2の形状が保持された状態で、配管Pの長手方向の中心軸に沿って移動することが可能となる。即ち、移動の前後で、電磁超音波センサT1を配管Pの測定位置の表面に対して平行に維持することが可能となる。
又、配管Pの長手方向と略垂直な方向に対して一定の幅を有するレーザ平行光線L2、L3を出射する出射部T2A、T3Aと、レーザ平行光線L2、L3を受光する受光部T2B、T3Bとが、配管Pの長手方向と略垂直な方向に配管Pを挟んで対向するように移動体Kに取り付けられ、出射部T2A、T3Aが出射したレーザ平行光線L2、L3のうち、受光部T2B、T3Bが受光しなかったレーザ平行光線L2、L3に基づいて、配管Pの外径を測定するレーザ寸法測定装置T2、T3を、更に備えたものであってもよい。これによって、配管の肉厚と外径をともに連続測定することが可能となる。
又、測定装置は、配管Pの長手方向の各地点で測定された配管Pの肉厚及び外径の測定結果に基づいてクリープ損傷や酸化減肉していることを示す警告を発する警告部を、更に備えるものであってもよい。これによって、作業者は、極めて簡易な作業により、クリープ損傷や酸化減肉を判断することができる。
又、測定対象の配管は、ボイラーに用いられる配管Pであってもよい。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
P 配管
K 移動体
T1 肉厚測定部
T2、T3 第1外径測定部
T4、T5 第2外径測定部
M1、M2 ミラー
前述した課題を解決する主たる本発明は、配管の肉厚を測定する電磁超音波センサと、前記配管の外径を測定するレーザ寸法測定装置と、前記電磁超音波センサの測定面が前記配管の外周面と対向するように前記電磁超音波センサが取り付けられ、前記配管の外周面を取り囲む形状を呈すると共に、前記配管の長手方向に沿って移動する移動体と、前記移動体が前記配管の長手方向に沿って移動する際に、前記電磁超音波センサと前記配管との間の距離が一定の距離に保持されるように、前記電磁超音波センサと前記配管との間に介在して前記移動体を案内する第1案内部材と、前記移動体が前記配管の長手方向に沿って移動する際に、前記配管の外周面を挟持しながら前記移動体を案内すると共に、前記配管の外周面の周囲を取り囲むように配設された弾性部材により構成される第2案内部材と、を備え、前記レーザ寸法測定装置は、前記配管の長手方向と略垂直な断面方向に一定の幅を有する第1レーザ平行光線を、出射する第1出射部と、前記第1レーザ平行光線を受光する第1受光部と、前記配管の前記断面方向に一定の幅を有する第2レーザ平行光線を、前記第1レーザ平行光線の出射方向に平行に出射する第2出射部と、前記第2レーザ平行光線を受光する第2受光部と、前記配管の外径を算出する制御部と、を有し、前記第1出射部及び前記第2出射部は、前記配管の前記断面方向に互いに離間すると共に、前記第1レーザ平行光線の一部及び前記第2レーザ平行光線の一部がそれぞれ前記配管に遮られるように配置され、前記第1受光部及び前記第2受光部は、前記配管を挟んで前記第1出射部及び前記第2出射部と対向するように配置され、前記制御部は、前記第1出射部から出射された前記第1レーザ平行光線のうちの前記第1受光部によって受光された部分の幅と、前記第2出射部から出射された前記第2レーザ平行光線のうちの前記第2受光部によって受光された部分の幅と、に基づいて、前記配管の外径を算出することを特徴とする測定装置である。本発明の他の特徴については、添付図面及び本明細書の記載により明らかとなる。

Claims (8)

  1. 配管の肉厚を測定する電磁超音波センサと、
    前記電磁超音波センサの測定面が前記配管の外周面と対向するように前記電磁超音波センサが取り付けられ、前記配管の長手方向に沿って移動する移動体と、
    前記移動体が前記配管の長手方向に沿って移動する際に、前記電磁超音波センサと前記配管との間の距離が一定の距離に保持されるように、前記電磁超音波センサと前記配管との間に介在して前記移動体を案内する第1案内部材と、
    を備えたことを特徴とする測定装置。
  2. 前記第1案内部材を前記配管の外周面の方向に押圧する付勢部材を、更に備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の測定装置。
  3. 前記第1案内部材は、複数のローラーである
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の測定装置。
  4. 前記移動体は、前記配管の外周面を取り囲む形状を呈し、
    前記移動体が前記配管の長手方向に沿って移動するように、前記配管の外周面を挟持しながら前記移動体を案内する第2案内部材、を更に備えた
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の測定装置。
  5. 前記第2案内部材は、前記配管の外周面の周囲を取り囲むように配設された弾性部材により構成される
    ことを特徴とする請求項4に記載の測定装置。
  6. 前記配管の長手方向と略垂直な方向に対して一定の幅を有するレーザ平行光線を出射する出射部と、前記レーザ平行光線を受光する受光部とが、前記配管の長手方向と略垂直な方向に前記配管を挟んで対向するように前記移動体に取り付けられ、
    前記出射部が出射したレーザ平行光線のうち、前記受光部が受光しなかったレーザ平行光線に基づいて、前記配管の外径を測定するレーザ寸法測定装置を、更に備えた
    ことを特徴とする請求項5に記載の測定装置。
  7. 前記測定装置は、前記配管の長手方向の各地点で測定された前記配管の肉厚及び外径の測定結果に基づいてクリープ損傷や酸化減肉していることを示す警告を発する警告部を、更に備えた
    ことを特徴とする請求項6に記載の測定装置。
  8. 前記配管は、ボイラーに用いられる配管である
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の測定装置。
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