JP2016113968A - 車両用制御装置および制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】周期的に実行される処理において、処理が周期を超えて遅延することを未然に回避することが可能な車両用制御装置を提供する。【解決手段】車両用制御装置10は、周期毎に複数の処理を順次実行する演算手段22と、各周期が終了する前に通知を行う通知手段26と、各周期において、前記通知手段26から通知を受けた時に前記複数の処理のうちの未実行の処理を中止させる処理制御手段22とを備える。【選択図】 図1

Description

本発明は、車両に搭載される電子制御装置および車両の制御方法に関する。
従来、車両には多くの電子制御装置(ECU)が搭載されており、エンジン、ブレーキ、トランスミッション等、様々な車両装置がECUによって電子的に制御されている。一般に、ECUが実行する処理には、所定の周期で発生する定期処理と、ECUの外部におけるイベントに起因して不定期に発生する割り込み処理とが含まれる。
特に車両の走行機能に関わるECUにおいては、エンジンの稼働状態や車両の走行状況に応じて処理すべき負荷の量が大きく変動する。例えば、エンジンの回転数が増加すると、クランク角に同期する割り込み処理の発生頻度が増加する。加えて、他のECUからのデータ受信に伴う割り込み処理や、車両の乗員の操作に起因する割り込み処理も不定期に発生する。このようなイベントに起因する割り込み処理の発生によって処理負荷が大幅に増加した場合、定期処理が所定の周期毎に実行できなくなってしまう可能性がある。
特許文献1は、処理負荷異常を検出できる電子制御装置に関する。この装置は、処理負荷を検出する負荷検出手段と、処理負荷が所定の負荷を超えると処理負荷異常と判定する異常判定手段とを備えている。負荷検出手段は、同一の処理の起床が連続して失敗する連続失敗回数を検出し、異常判定手段は、連続失敗回数が所定の回数を超えると処理負荷異常であると判定する。
特許文献2は、車両制御への影響を予測して処理負荷を制御する電子制御装置に関する。この装置は、複数の処理による処理負荷を検出する負荷検出手段と、処理負荷が所定の調整実行値以上の場合、複数の処理のうちの一部の処理の実行頻度を低下または実行を停止させる負荷調整手段とを備えている。負荷検出手段は、アイドルタスク以外のタスクが実行される時間の割合である処理負荷を検出し、負荷調整手段は、優先度に応じて段階的に処理の実行頻度を低下または実行を停止させる。
特許文献3は、マイコンの処理負荷が高い状態にある時に、マイコンが異常であると誤判定されない制御装置に関する。この装置は、マイコンが異常であるか否かを監視する監視手段と、制御対象を制御する出力制御手段とを備えている。高負荷プログラム処理要求があった場合、監視手段は異常監視プログラムを停止させ、かつ出力制御手段はマイコンによる制御対象への制御を禁止する。
特開2012−185671号公報 特開2012−218467号公報 特開2005−250854号公報
特許文献1に記載の装置は、定期処理の起床が所定回数を超えて連続して失敗した場合に、処理負荷異常、すなわち処理負荷が異常に高い状態であると判定する。処理の起床失敗は、定期処理を起床する際に、前の周期における処理が完了しておらず、未だ実行中である場合に発生する。つまり、定期処理が周期を超えて遅延し、次周期以降の処理の起床が失敗してはじめて、処理負荷異常であることを知ることができる。したがって、定期処理が周期を超えて遅延することを未然に回避することは困難である。
特許文献2に記載の装置は、処理負荷が所定の調整実行値以上の場合、定期処理の実行頻度を低下または実行を停止させる。実行頻度の低下または実行の停止は、定期処理の優先度に応じて段階的に行われる。例えば、処理負荷が95%以上である場合、まず一部の定期処理の実行頻度が間引かれる。次の周期においても処理負荷が95%以上である場合、さらに低優先度の定期処理が停止される。その次の周期においても処理負荷が95%以上である場合、低優先度の定期処理に加えて中優先度の定期処理が停止される。しかしながら、このように処理負荷の調整を段階的に行う場合、どの段階において高負荷状態から回復できるかは、処理負荷の調整を実施してみなければ分からない。したがって、処理負荷の調整が実施された場合であっても、現在の周期において高負荷状態から回復できるとは限らず、次以降の周期に渡って定期処理に遅延が生じてしまう可能性がある。
特許文献3に記載の装置は、高負荷時においてマイコンの異常監視を行わない。異常監視が行われていない状態では、マイコンが正しく機能していることを保証することができない。そのため、高負荷時においては、マイコンから出力される制御信号を遮断して、制御対象に誤った制御信号が入力されないようにしている。しかしながら、制御信号を遮断したとしても、制御信号を出力するための定期処理自体は実行されているため、そのような定期処理に周期を超えて遅延が発生してしまう可能性がある。また、制御信号を遮断すると、高負荷時に制御対象を制御できないという新たな問題も生じてしまう。
上述の特許文献1乃至3のいずれにおいても、高負荷時に定期処理が周期を超えて遅延してしまう。本発明はこのような課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、周期的に実行される処理において、処理が周期を超えて遅延することを未然に回避することが可能な車両用制御装置および制御方法を提供することにある。
本発明に係る車両用制御装置は、周期毎に複数の処理を順次実行する演算手段と、各周期が終了する前に通知を行う通知手段と、各周期において、前記通知手段から通知を受けた時に前記複数の処理のうちの未実行の処理を中止させる処理制御手段とを備える。
前記処理制御手段は、前記未実行の処理を中止させるとともに、次の周期において前記未実行の処理のみを実行させる。
また、本発明に係る車両用制御方法は、周期毎に複数の処理を順次実行するステップと、各周期が終了する前に通知を行うステップと、各周期において、前記通知を受けた時に前記複数の処理のうちの未実行の処理を中止させるステップとを有する。
本発明によれば、周期が終了するよりも前に通知が行われる。通知が行われた時点において未実行の処理を中止させることにより、周期が終了するまでにその周期における処理を完了することができる。したがって、周期的に実行される処理において、処理が周期を超えて遅延することを未然に回避することが可能となる。
さらに、通知が行われた時点において未実行の処理を中止させた場合には、次の周期において、その未実行の処理のみを実行させることができる。これにより、次の周期における処理負荷を低減するとともに、中止させた処理を早期に実行させることが可能となる。
本発明の第1実施形態に係るエンジンECUの概略構成図である。 本発明の第1実施形態に係るエンジンECUにおける処理の概要を表すタイムチャートである。 本発明の第1実施形態に係るエンジンECUにおけるメイン処理を表すフローチャートである。 本発明の第1実施形態に係るエンジンECUにおけるタイマ割り込みを表すフローチャートである。 本発明の第1実施形態に係るエンジンECUにおける定期処理の実行制御を表すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係るエンジンECUにおける処理の概要を表すタイムチャートである。 本発明の第2実施形態に係るエンジンECUにおけるメイン処理を表すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係るエンジンECUにおけるタイマ割り込みを表すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係るエンジンECUにおける定期処理の実行制御を表すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る定期処理の延期回数と許容延期回数が記憶されたテーブルの模式図である。
以下に、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るエンジンECU10の概略構成図である。エンジンECU10は、車両用制御装置であり、電源回路11、入力回路12、出力回路13、通信回路14、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)15、マイコン20を備えている。
電源回路11は、例えばスイッチング素子等から構成されたDC−DCコンバータであり、バッテリ102の電圧(例えば12V)をマイコン20の動作電圧(例えば5V)に降圧させる。バッテリ102は、車両に搭載された充放電可能な蓄電池であって、イグニッションスイッチ(IGSW)101を介して電源回路11に接続されている。IGSW101は、スイッチのON/OFFに応じて、バッテリ102から電源回路11への電力供給経路を導通/遮断する。すなわち、IGSW101がONとなると、電源回路11からの電力がエンジンECU10の各部へ供給される。
入力回路12は、A/D変換回路、ディジタル入力回路等から構成され、クランク角センサ201、ノックセンサ202、A/Fセンサ203、エアフロセンサ204、水温センサ205、吸気温センサ206等に接続されている。入力回路12は、各センサからのアナログ信号をディジタル信号に変換し、マイコン20に送出する。
クランク角センサ201は、例えばホール素子等から構成される電磁誘導式のセンサであり、クランク角の変化からエンジンの回転数を検出することが可能である。ノックセンサ202は、圧電素子等から構成され、エンジンのノッキング(振動)を検出することが可能である。A/Fセンサ203は、ジルコニア素子等から構成され、起電力の変化によって排気ガス中の酸素濃度を検出することが可能である。エアフロセンサ204は、例えば空気の通過によって抵抗が変化する熱線式のセンサであり、エンジンへの空気吸気量を検出することが可能である。水温センサ205は、サーミスタ等から構成され、エンジン冷却水の温度を検出することが可能である。吸気温センサ206は、サーミスタ等から構成され、エンジンへの吸入空気の温度を検出することが可能である。
出力回路13は、マイコン20から出力された制御信号を所定の電圧に昇圧するとともに、駆動に必要な電流量を確保してインジェクタ301やイグナイタ302等に駆動信号を出力する。この駆動信号に基づいて、インジェクタ301は電磁弁を開閉して燃料を燃焼室内に噴射し、また、イグナイタ302は点火プラグで火花を発生させて、燃焼室内の混合気を燃焼させる。
通信回路14は、CAN(Controller Area Network)等の車載ネットワークによって、車両に搭載された他のECU、例えば、ステアリングECU401、エアコンECU402、トランスミッションECU403等に接続されている。通信回路14は、トランシーバICやノイズフィルタ等から構成され、マイコン20の入出力信号を車載ネットワークの規格に合わせて変換することが可能である。マイコン20は、通信プロトコルに従うことで、通信回路14を介して他のECUと相互に通信を行うことができる。
EEPROM15は、書き込み可能な不揮発性の記録部であり、マイコン20に接続されている。EEPROM15は、IGSW101がOFFにされた場合やバッテリ102が取り外された場合であっても、記録されたデータを保持することが可能である。EEPROM15は、エンジンECU10によるエンジンの制御において何らかの異常が発生した時に、その時のエンジンの稼働状態や車両の走行状況に関する情報を記録する。
マイコン20は、入出力ポート(I/O)21、CPU22、ROM23、RAM24、タイマ25、割り込みコントローラ26等から構成されている。マイコン20は、I/O21を介して、電源回路11、入力回路12、出力回路13、通信回路14、EEPROM15に接続されている。マイコン20は、エンジンを制御する機能を有しており、例えば、入力回路12、通信回路14から入力されたデータに基づいて最適な燃料噴射量および点火時期を決定し、出力回路13から制御信号を出力させる。出力回路13から出力された制御信号に基づき、インジェクタ301やイグナイタ302が駆動され、エンジンの制御が行われる。また、マイコン20は、燃料噴射量および点火時期の制御以外にも、エンジン冷却装置のようなエンジンに関連する装置の制御、あるいは他のECUの制御を実行する。
CPU22は、演算手段かつ処理制御手段であり、ROM23に格納されている所定の制御プログラムを実行することにより、上述のマイコン20の機能を実現することが可能である。ROM23には、制御プログラムに加えて、制御量を決定するためのマッピング等の各種データが格納されている。マッピングデータは例えば、クランク角、水温、吸気温の各値と燃料噴射量、点火時期との対応関係を表している。RAM24は、CPU22によって実行される制御プログラムの作業用メモリとして使用され、データが一時的に記憶される。
タイマ25は、マイコン20の内部または外部から入力されるクロック信号をカウントし、カウント数が所定の上限値に到達した場合、割り込みコントローラ26に割り込み要求を出力する。タイマ25は、複数の異なるタイマから構成されても良く、例えば、タイマ25は、独立して動作する複数のカウンタを有し、カウンタに応じて異なる種類の割り込み要求を出力する。割り込みコントローラ26は、通知手段であり、タイマ25から割り込み要求を受信すると、CPU22に対して現在実行中のプログラムを中断させ、割り込み要求が指定する割り込み処理を代わりに実行させる(以下タイマ割り込みという)。CPU22は、タイマ割り込みを完了すると、中断していたプログラムの実行を再開する。このように、割り込みコントローラ26は、タイマ25と協働して、クロック信号のカウント開始から任意の時間経過後に所定のプログラムを優先的に実行させることができる。また、割り込みコントローラ26は、特定のイベントが発生すると、CPU22に対して現在実行中のプログラムを中断させ、発生したイベントに対応する割り込み処理を代わりに実行させる(以下イベント割り込みという)。特定のイベントとは、例えば、エンジンのクランクシャフトが所定の角度になった場合、あるいは他のECUからデータを受信した場合等である。CPU22は、イベント割り込みを完了すると、中断していたプログラムの実行を再開する。
なお、割り込みコントローラ26は、タイマ割り込みに限定されることなく、マイコン20の外部に設けられたウォッチドッグ回路等の監視回路から入力されるパルス信号に応じて、CPU22に割り込み処理を実行させるように構成されても良い。また、割り込みコントローラ26は、入力回路12、通信回路14からのデータに付された時刻情報(タイムスタンプ)に基づいて経過時間を計算し、CPU22に割り込み処理を実行させることも可能である。
図2は、本実施形態に係るエンジンECU10における処理の概要を表すタイムチャートである。定期処理1〜5は、所定の制御周期Tで実行され、タイムチャートにおいては、制御周期1から制御周期4が例示されている。定期処理1〜5は、処理番号の順に従って、すなわち定期処理1、2・・・5の順に実行される。定期処理1〜5の各処理は、例えば、エンジン冷却水の温度や吸入空気の温度の取得、排気ガス中の酸素濃度に基づくフィードバック補正、センサが正常に動作していることの安全確認、燃料ポンプや冷却ファン等の装置の制御、他のECUへのデータや制御指令の送信等の処理である。なお、定期処理1〜5はあくまで一例であり、定期処理の個数は任意である。
制御周期Tは、制限時間Taおよび余裕時間αからなる。制限時間Taは、制御周期Tよりも余裕時間αだけ短い時間であり、制限時間Ta経過時において定期処理1〜5の実行を中止するか否かが判断される。余裕時間αは、定期処理1〜5のうちで最も処理負荷の高い定期処理を完了させるために必要な実行時間よりも長く設定される。また、余裕時間αは、発生するであろうイベント割り込みに対応したイベントの時間も想定した上で、設定される。すなわち、制限時間Ta経過時において実行中の定期処理は、定期処理1〜5の何れの定期処理であってイベント割り込みが発生したとしても、余裕時間α内で実行を完了することができる。例えば、定期処理1〜5の制御周期Tが5msの場合、余裕時間αを0.4msとすると、制限時間Taは4.6msに設定される。
図2のタイムチャートを参照しながら定期処理の詳細を説明する。まず、時刻t0において、マイコン20は、制御周期1の開始とともに定期処理1の実行を開始する。マイコン20は、定期処理1の実行を時刻t1において完了する。マイコン20は、定期処理1の実行を完了すると、同時刻t1において引き続き定期処理2の実行を開始する。マイコン20は、定期処理2の実行を時刻t2において完了する。マイコン20は、定期処理2の実行を完了すると、同時刻t2において引き続き定期処理3の実行を開始するはずである。しかしながら、時刻t2においてイベント割り込みが発生する。イベント割り込みが発生した場合、マイコン20は、定期処理1〜5の実行を中断し、代わりにイベント割り込みを実行する。マイコン20は、イベント割り込みを完了した後に、中断していた定期処理1〜5の実行を再開する。タイムチャートにおいては、定期処理1〜5が実行中の時間は斜線部分で示され、定期処理1〜5が中断されている時間は白抜き部分で示される。イベント割り込みが発生したことにより、マイコン20は、定期処理3の実行をイベント割り込みの処理が完了するまで中断する。マイコン20は、時刻t3においてイベント割り込みを完了すると、同時刻t3において定期処理3の実行を遅れて開始する。
マイコン20は、定期処理3の完了後はイベント割り込みが発生していないため、通常通りに残りの定期処理4、5を順次実行する。すなわち、マイコン20は、時刻t4において、定期処理3の実行を完了し、引き続き定期処理4の実行を開始する。同様に、マイコン20は、時刻t5において、定期処理4の実行を完了し、引き続き定期処理5の実行を開始する。マイコン20は、時刻t6において、定期処理5の実行を完了する。このようにして、マイコン20は、定期処理1〜5の全ての定期処理を時刻t6において完了する。
イベント割り込みが発生すると定期処理1〜5の実行は中断されるため、マイコン20が、定期処理1〜5の実行を開始してから完了するまでに要する時間は、制御周期ごとに異なる場合がある。例えば、次に説明する制御周期2においては、通常時よりも大幅にイベント割り込みが増加することにより、定期処理1〜5の実行が中断される時間が長くなる。
続いて、制御周期2における定期処理1〜5を説明する。まず、マイコン20は、時刻t8において、制御周期2の開始とともに定期処理1の実行を開始するはずである。しかしながら、時刻t8においてイベント割り込みが発生する。マイコン20は、このイベント割り込みにより、定期処理1の実行をイベント割り込みの処理が完了するまで中断する。マイコン20は、時刻t9においてイベント割り込みを完了すると、同時刻t9において定期処理1の実行を遅れて開始する。その後、マイコン20は、時刻t10において定期処理1を完了するが、同時刻t10において再度イベント割り込みが発生する。そのため、マイコン20は、時刻t11において定期処理2の実行を遅れて開始し、時刻t12において定期処理2を完了する。同様に、時刻t12においてもイベント割り込みが発生し、マイコン20は、時刻t13において定期処理3の実行を遅れて開始する。
時刻t14においては、制御周期2の開始から制限時間Taが経過する。タイマ25は、制御周期2の開始から制限時間Taが経過した時に割り込み要求を割り込みコントローラ26に送信する。割り込みコントローラ26は、タイマ25から割り込み要求を受信するとタイマ割り込みを発生させる。よって、時刻t14においてタイマ割り込みが発生する。タイマ割り込みが発生した場合、マイコン20は、実行中の定期処理を継続して実行し、未実行の処理を中止する。なぜなら、制限時間Taの経過時において実行中の定期処理は、余裕時間α内に、すなわち現在の制御周期内に完了することが確実であり、制限時間Ta経過時において未だ実行されていない定期処理は仮に実行が開始されたとしても、実行が完了するまでには現在の制御周期を超えて遅延してしまう可能性が高いからである。したがって、マイコン20は、時刻t14において実行中の定期処理3を継続して実行し、時刻t15において定期処理3の実行を完了する。マイコン20は、時刻t15において定期処理4、5の実行を中止する。このようにして、マイコン20は、定期処理1〜5の全ての定期処理を時刻t15において完了する。
続いて、制御周期3における定期処理1〜5を説明する。制御周期3においては、マイコン20は、前の制御周期2において中止した定期処理4、5のみを実行する。つまり、マイコン20は、制御周期3の開始とともに時刻t16において定期処理1〜3の実行を中止し、定期処理4から実行を開始する。しかし、時刻t16においてイベント割り込みが発生しているため、マイコン20は、定期処理4の実行をイベント割り込みが完了するまで中断する。マイコン20は、イベント割り込みを完了すると、定期処理4の実行を遅れて開始し、時刻t17において定期処理4の実行を完了する。時刻t17においてもイベント割り込みが発生するため、マイコン20は、定期処理5の実行を遅れて開始し、時刻t18において定期処理5の実行を完了する。このようにして、マイコン20は、定期処理1〜5の全ての処理を時刻t18において完了する。次の制御周期4においては、制御周期1と同様に、マイコン20は、制御周期4の開始とともに時刻t20において定期処理1の実行を開始し、定期処理2から定期処理5までの処理を順次実行する。
すなわち、制御周期1においては、イベント割り込みによる処理負荷の増加量は小さく、マイコン20は、制限時間Taが経過する前に、定期処理1〜5の全ての定期処理を完了することができる。ところが、制御周期2においては、マイコン20は、イベント割り込みの増加によって定期処理1〜5の実行を中断する時間が長くなり(高負荷状態)、制限時間Taが経過する前に定期処理1〜5の全ての定期処理を完了することができなくなってしまう。そこで、定期処理1〜5が制御周期の期間を超えて遅延してしまうことを回避するために、マイコン20は、制限時間Taの経過時に実行中の定期処理3より後の処理番号である定期処理4および5の実行を中止している。
制御周期3においては、前の制御周期2における定期処理が遅延していないため、マイコン20は、制御周期3の開始からすぐに定期処理1〜5の実行を開始することができる。まず、マイコン20は、制御周期2において実行された定期処理1〜3を中止する。これにより、マイコン20は、制御周期3における処理負荷を低減することができる。次に、マイコン20は、制御周期2において中止した定期処理4および5を実行する。つまり、マイコン20は、制御周期2における定期処理4および5を制御周期3に繰り越し、制御周期3においては繰り越した定期処理4および5のみを実行していることになる。これにより、マイコン20は、定期処理4および5の実行周期がさらに拡大してしまうことを抑制することが可能となる。その後、制御周期3の終了までに高負荷状態が解消され、マイコン20は、制御周期4においては通常通りに定期処理1〜5を順次実行する。
なお作図の便宜上、イベント割り込みは定期処理と定期処理との間(例えば、定期処理2と定期処理3の間)で発生するように図示されているが、イベント割り込みは各定期処理中で発生する場合もある。また、通常時、すなわちイベント割り込みによって増減する処理負荷が想定の範囲内であれば、マイコン20は、所定の制御周期T内で定期処理1〜5の実行を全て完了することができる。さらに、高負荷時、すなわちイベント割り込みの大幅な増加によってマイコン20の処理能力を超えて処理負荷が増加した状態であっても、マイコン20は、2周期分の制御周期(2T)内で定期処理1〜5の実行を全て完了することができる。
続いて、図3から図5を参照しながら、本実施形態に係るエンジンECU10における処理の手順を説明する。なお、イベント割り込みが発生した場合であっても、実行中の定期処理が余裕時間α内で完了できるように、余裕時間αが十分長く設定されているものとする。
図3は、エンジンECU10におけるメイン処理を示すフローチャートである。車両の乗員によってIGSW101がONにされ、エンジンECU10が起動すると、CPU22は、ROM23から制御プログラムを読み出し、メイン処理の実行を開始する。制御プログラムのメイン処理は、エンジンECU10が起動している間、すなわちIGSW101がONの間に、所定の制御周期Tで繰り返し実行される。
まず、CPU22は、制御プログラムで使用されるパラメータ等の初期設定を行う(ステップS10)、例えば、CPU22は、メイン処理の制御周期Tを5ms、制限時間Taを4.6ms、制御周期の計時時間を5ms(すなわち制御周期の終了時間)、記憶処理番号を0に設定する。また、CPU22は、タイマ割り込みとイベント割り込みを許可するように、設定する。そして、割り込みが発生した時にメイン処理の実行を中断する。
続いて、CPU22は、制御周期Tの期間が経過したか否か、すなわち現在の制御周期が終了したか否かを計時時間に基づいて判定する(ステップS11)。制御周期Tの期間が経過していない場合(ステップS11でNO)には、CPU22は、制御周期Tの期間が経過したか否かを繰り返し判定する(ステップS11)。制御周期Tの期間が経過した場合(ステップS11でYES)には、CPU22は、制御周期の計時に使用しているタイマのカウンタをリセットして、次の制御周期の計時を新たに開始させる(ステップS12)。
続いて、CPU22は、制限時間Taの経過後にタイマ割り込みを発生させるために、タイマ25を設定する。すなわち、CPU22は、制限時間経過フラグをOFFに設定し(ステップS13)、タイマ25のカウンタの上限値を制限時間Taに合わせて設定する(ステップS14)。そして、CPU22は、タイマ25を起動させる(ステップS15)。これにより、タイマ25が起動されてから制限時間Taの経過後に、タイマ割り込みが発生することになる。なお、制限時間経過フラグは、制御周期の開始からの経過時間が制限時間Taを超えたことを示すフラグであり、タイマ割り込みによってONにされる。タイマ割り込みの詳細は、図4のフローチャートを用いて説明する。
タイマ25を起動させた後、CPU22は、定期処理1の実行制御を行う(ステップS16)。すなわち、CPU22は、定期処理1を実行するか、あるいは中止する。続いて、CPU22は、定期処理1と同様に、定期処理2から定期処理Nまでの実行制御を順次行う(ステップS17からステップS19)。これらの実行制御において実行が制御される定期処理1〜Nは、実際のエンジン制御に関連する処理である。例えば、定期処理1はA/Fセンサ203が正常に動作していることを確認する処理であり、定期処理2はA/Fセンサ203から排気ガス中の酸素濃度を取得して、空燃比の補正量を調整する処理である。また、定期処理Nは、エアコンECU402に制御指令を送信する処理である。各定期処理iに与えられた番号i(1〜N)は、定期処理iが実行される順番を示す処理番号であり、1からNまで1ずつ増加している。なお、図2のタイムチャートは、定期処理iの数が5つ(N=5)の場合に対応している。定期処理iの実行制御の詳細は、図5のフローチャートを用いて説明する。
定期処理1〜Nの実行制御を全て完了すると、CPU22は、制限時間経過フラグを確認する(ステップS20)。制限時間経過フラグがOFFである場合(ステップS20でOFF)には、CPU22は、タイマ25のカウントを停止させ(ステップS21)、処理番号として0をRAM24に記憶する(ステップS22)。CPU22は、定期処理1〜Nの実行制御、すなわち定期処理1〜Nを全て完了した後は、もはやタイマ割り込みを発生させる必要がないため、タイマ25のカウントを停止させる。よって、定期処理1〜Nの実行制御が完了した後は、タイマ割り込みは発生しない。さらに、CPU22は、記憶している処理番号を0に初期化することにより、次の制御周期において、最初の処理番号である定期処理1から実行を開始する。
処理番号0を記憶(ステップS22)、または制限時間経過フラグがONであること(ステップS20でON)を確認した後、CPU22は、現在の制御周期が経過したか否かを判定するステップS11に戻り、現在の制御周期が経過した場合(ステップS11でYES)には、次の制御周期として周期計時開始以下の処理(ステップS12からステップS23)を再度実行する。
図4は、エンジンECU10におけるタイマ割り込みを示すフローチャートである。CPU22は、タイマ割り込みが発生した場合、実行中のメイン処理を中断してタイマ割り込みを実行する。まず、CPU22は、制限時間経過フラグをONに設定する(ステップS30)。これにより、現在の制御周期において制限時間Taが経過したことを知ることができる。その後、CPU22は、メイン処理の実行を再開する。
なお、イベント割り込みが発生した場合に、実行中の定期処理が余裕時間α内で完了できるように、余裕時間αが十分長く設定されていないのであれば、イベント割り込みを禁止する必要がある。イベント割り込みの禁止は、タイマ割り込み発生時に実行中の定期処理を余裕時間α内で確実に完了させるために行われる。
図5は、エンジンECU10における定期処理iの実行制御を示すフローチャートである。まず、CPU22は、制限時間経過フラグを確認する(ステップS40)。制限時間Taが経過している、すなわち、図4に示されるタイマ割り込みが発生している場合には、制限時間経過フラグはONである(ステップS40でON)。この場合、CPU22は、以下の処理(ステップS41からステップS43)を行わずに、定期処理iの実行制御を終了する。CPU22は、メイン処理に戻り、次の定期処理i+1の実行制御を行う。つまり、CPU22は、タイマ割り込みの発生より後に実行される定期処理iの実行を中止する。
また、制限時間Taが経過していない、すなわち、図4に示されるタイマ割り込みが発生していない場合には、制限時間経過フラグはOFFである(ステップS40でOFF)。この場合、CPU22は、RAM24に記憶されている処理番号の次の番号(処理番号+1)と、現在実行中の処理番号iとを比較する(ステップS41)。
記憶されている処理番号の次の番号と現在の処理番号iが異なる場合(ステップS41でNO)には、CPU22は、以下の処理(ステップS42からステップS43)を行わずに、定期処理iの実行制御を終了する。CPU22は、メイン処理に戻り、次の定期処理i+1の実行制御を行う。前の制御周期において定期処理k(kは1〜Nの何れか)の実行中にタイマ割り込みが発生した場合、定期処理1から定期処理kまでの実行制御においては、記憶されている処理番号の次の番号(k+1)と現在実行中の処理番号iは異なる。つまり、CPU22は、前の制御周期においてタイマ割り込みが発生した場合、前の制御周期において実行した定期処理1〜kの実行を中止する。
また、記憶されている処理番号の次の番号と現在の処理番号iが等しい場合(ステップS41でYES)には、CPU22は、定期処理iを実行する(ステップS42)。続いて、CPU22は、実行した定期処理iの処理番号iをRAM24に記憶させ(ステップS43)、定期処理iの実行制御を終了する。処理番号iを記憶させた後、CPU22は、メイン処理に戻り、次の定期処理i+1の実行制御を開始する。
前の制御周期においてタイマ割り込みが発生していない場合、記憶されている処理番号の次の番号と現在実行中の処理番号iは常に等しい。また、前の制御周期において定期処理k(kは1〜Nの何れか)の実行中にタイマ割り込みが発生した場合、定期処理k+1からNまでの実行制御においては、記憶されている処理番号の次の番号と現在実行中の処理番号iは等しい。つまり、CPU22は、前の制御周期においてタイマ割り込みが発生していない場合、定期処理1〜Nを実行し、前の制御周期においてタイマ割り込みが発生した場合、前の制御周期において中止した定期処理k+1〜Nを実行する。
このように、本実施形態によれば、割り込みコントローラ26は、現在の制御周期が終了間近であることをタイマ割り込みによってCPU22に事前に通知する。したがって、CPU22は、通知を受けた時に現在の制御周期の定期処理をまだ実行中であれば、定期処理を中止することによって、定期処理に制御周期を超えるような遅延が発生することを回避することができる。その結果、CPU22は、次の制御周期において、制御周期の開始から遅れることなく定期処理を開始することができる。例えば、CPU22は、処理負荷を低減したり、特定の定期処理のみを実行したりして、高負荷状態に早期に対応することが可能となる。
(第2実施形態)
続いて、本発明の第2実施形態に係るエンジンECUを説明する。本実施形態に係るエンジンECUは、タイマ割り込みが発生した場合、定期処理の実行周期に応じて次の制御周期における定期処理の実行を判断する。本実施形態に係るエンジンECUは、第1実施形態に係るエンジンECU10と同様に構成されているため、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
図6(A)、(B)は、本実施形態に係るエンジンECU10における処理の概要を表すタイムチャートである。定期処理1〜3は、所定の制御周期Tで実行され、タイムチャートにおいては、制御周期1から制御周期7が例示されている。定期処理1〜3は、処理番号の順に従って、すなわち定期処理1、2、3の順に実行される。さらに、定期処理1、2の実行周期と定期処理3の実行周期とは異なっている。すなわち、定期処理1、2は1制御周期毎に実行され、定期処理3は3制御周期毎に実行される。定期処理1〜3の処理番号は、実行周期の小さい順に設定されている。
図6(A)は、通常時における定期処理1〜3を示すタイムチャートである。通常時には、イベント割り込みによって定期処理1〜3が中断される時間は短いため、作図の便宜上、イベント割り込みによる定期処理の中断(白抜き部分)は省略されている。マイコン20は、定期処理1、2を全ての制御周期1〜7において実行し、定期処理3を制御周期1、4、7においてのみ実行する。例えば、制御周期1〜7の制御周期Tが5msである場合、マイコン20は、定期処理1、2を5ms毎に実行し、定期処理3を15ms毎に実行する。言い換えれば、定期処理1、2の実行周期はTであり、定期処理3の実行周期は3Tである。なお、定期処理3は、3制御周期毎に実行されることが好ましいが、少なくとも3制御周期の期間内に1回の頻度で(例えば、制御周期1〜3の期間内と制御周期4〜6の期間内でそれぞれ1回ずつ)、実行されれば良い。
図6(B)は、制御周期1から制御周期2にかけて、および制御周期4から制御周期6にかけて高負荷状態になった場合における、定期処理1〜3を示すタイムチャートである。
制御周期1において、マイコン20は、定期処理1〜3を実行する。しかしながら、高負荷状態であるため、制限時間Taが経過した時点においても、マイコン20はまだ定期処理2を実行中である。したがって、マイコン20は、定期処理3の実行を中止する(符号71)。ところが、マイコン20は、中止した定期処理3を制御周期1〜3の間で、すなわち制御周期3の終了までに実行すれば良い。そこでマイコン20は、定期処理3を通常時には実行しない制御周期2に延期する(符号72)。
制御周期2においては、前の制御周期1における定期処理が遅延していないため、マイコン20は、制御周期の開始からすぐに処理を開始することができる。制御周期2において、マイコン20は、定期処理1、2と制御周期1から延期した定期処理3を実行する。制御周期2の途中で自然に高負荷状態が解消されたため、マイコン20は、制御時間Taが経過する前に定期処理1〜3の実行を全て完了する。
制御周期3において、マイコン20は、定期処理1、2を実行する。マイコン20は、定期処理3を3制御周期毎に実行するため、制御周期3においては、通常時と同様に定期処理3を実行しない。
制御周期4において、マイコン20は、定期処理1〜3を実行する。しかしながら、高負荷状態であるため、制御時間Taが経過した時点においても、マイコン20はまだ定期処理2を実行中である。したがって、マイコン20は、定期処理3の実行を中止する(符号73)。ところが、マイコン20は、中止した定期処理3を制御周期4〜6の間で、すなわち制御周期6の終了までに実行すれば良い。そこでマイコン20は、定期処理3を通常時には実行しない制御周期5に延期する(符号74)。
制御周期5においては、前の制御周期4における定期処理が遅延していないため、マイコン20は、制御周期の開始からすぐに処理を開始することができる。制御周期5において、マイコン20は、定期処理1、2と制御周期4から延期した定期処理3を実行する。制御周期5では高負荷状態が続き、制限時間Taが経過した時点においても、マイコン20はまだ定期処理2を実行中である。したがって、マイコン20は、定期処理3の実行を再度中止する(符号74)。ところが、マイコン20は、中止した定期処理3を制御周期6の終了までに実行すれば良いので、定期処理3を通常時には実行しない制御周期6に再度延期する(符号76)。
制御周期6においては、前の制御周期5における定期処理が遅延していないため、マイコン20は、制御周期の開始からすぐに処理を開始することができる。マイコン20は、制御周期4から延期した定期処理3を制御周期6において確実に実行する必要がある。そこでマイコン20は、定期処理1、2の実行を中止し(符号75)、定期処理3のみを実行する。高負荷状態であっても、マイコン20は、定期処理1、2を中止することによって、定期処理3を確実に実行することができる(符号76)。制御周期6において高負荷状態が解消され、制御周期7においては、マイコン20は、通常通りに定期処理1〜3を実行する。
図7は、本実施形態に係るエンジンECU10におけるメイン処理を示すフローチャートである。上述した図6のタイムチャートは、定期処理iの数が3つ(N=3)の場合に対応している。本実施形態に係るメイン処理のフローチャートは、図3に示される第1実施形態に係るメイン処理のフローチャートと同様である。ただし、本実施形態においては、各定期処理iの実行周期が異なるため、CPU22は、周期計時の開始(ステップS52)後に、制御周期毎に各定期処理iを実行するか否かを示す実行フラグを設定する(ステップS53)。すなわち、CPU22は、制御周期1、4、7において定期処理1〜3の実行フラグをONにし、制御周期2、3、5、6において定期処理1、2の実行フラグをONにする。なお、CPU22は、定期処理iの実行フラグをメイン処理の外部のサブルーチンにおいて設定しても良い。
さらに、本実施形態においては、図10に示されるように、CPU22は、定期処理1〜Nの延期回数と許容延期回数をRAM24に記憶する。許容延期回数とは、CPU22が定期処理を制御周期内で実行できない場合に、定期処理を何回まで次の制御周期に延期することができるかを示す値である。例えば、CPU22が定期処理をX制御周期毎に実行する場合、その定期処理の許容延期回数をX−1とすることができる。初期設定において(ステップS50)、CPU22は、ROM23から許容延期回数を読み出してRAM24に記憶し、さらに、延期回数を0に設定する。
図8は、本実施形態に係るエンジンECUにおけるタイマ割り込みを示すフローチャートである。まず、CPU22は、制限時間経過フラグをONに設定する(ステップS70)。続いて、CPU22は、現在実行中の定期処理iが次の制御周期においてもさらに次の制御周期に延期可能であるか否かを判断する。すなわち、CPU22は、定期処理iの延期回数と許容延期回数−1とを比較し、処理iの延長回数が許容延期回数−1よりも小さい場合、現在実行中の処理iは次の制御周期においてもさらに次の制御周期に延期可能であると判断する(ステップS71でYES)。CPU22は、定期処理iが次の制御周期においてもさらに延期可能であると判断すると、記憶している定期処理iの延期回数を1増加させ(ステップS72)、記憶している処理番号を0に初期化する(ステップS73)。続いて、CPU22は、現在のエンジンの稼働状態や車両の走行状況に関する情報をEEPROM15に記録し(ステップS74)、タイマ割り込みを終了する。
また、CPU22は、定期処理iの延期回数が許容延期回数−1以上である場合、現在実行中の定期処理iは次の制御周期においてさらに次の制御周期に延期することができない、すなわち次の制御周期において処理iを確実に実行する必要があると判断し(ステップS71でNO)、タイマ割り込みを終了する。
図9は、本実施形態に係るエンジンECU10のおける定期処理iの実行制御を示すフローチャートである。まず、CPU22は、定期処理iの延期回数を確認する(ステップS80)。延期回数が0である場合(ステップS80でYES)には、CPU22は、次に定期処理iの実行フラグを確認、すなわち現在の制御周期において定期処理iの実行が予定されているか否かを確認する(ステップS81)。実行フラグがON、すなわち現在の制御周期において定期処理iの実行が予定されている場合(ステップS81でON)には、CPU22は、制限時間経過フラグの確認(ステップS82)以下の処理を実行する。ステップS82からステップS84までの処理は、第1実施形態における処理と同様である。
また、延期回数が0でない、すなわち定期処理iの実行が延期されている場合、(ステップS80でNO)には、CPU22は、定期処理iの実行フラグを確認する処理(ステップS81)を実行しない。よって、CPU22は、現在の制御周期において定期処理iの実行が予定されていない場合であっても、前の制御周期から延期した定期処理iを現在の制御周期において実行する。
CPU22は、定期処理iを実行(ステップS84)した後、定期処理iの延期回数を0に設定し(ステップS85)、定期処理iの実行フラグをOFFにする(ステップS86)。最後に、CPU22は、現在の定期処理の処理番号iをRAM24に記憶して(ステップS87)、定期処理iの実行制御を終了する。
また、実行フラグがOFF、すなわち現在の制御周期において定期処理iの実行が予定されていない場合(ステップS81でOFF)には、CPU22は、単に現在の定期処理の処理番号iを記憶して(ステップS87)、定期処理iの実行制御を終了する。
このように、本実施形態によれば、マイコン20は、定期処理ごとに、実行を延期した回数を記憶する。したがって、マイコン20は、定期処理の実行周期が異なる場合に、定期処理ごとの延期回数と実行周期に応じて、次の制御周期における定期処理の実行を判断することができる。例えば、マイコン20は、定期処理の実行周期の範囲内において、定期処理の実行を次の制御周期に延期することが可能であり、定期処理を延期している間に高負荷状態が自然に解消されることを待つことができる。さらに、マイコン20は、定期処理をさらに次の制御周期に延期しない場合には、現在の周期における他の定期処理を中止して、前の周期から延期した定期処理を現在の制御周期において確実に実行することができる。
また、マイコン20は、タイマ割り込みが発生した場合に、定期処理を実行周期の範囲内で延期するとともに、タイマ割り込み時におけるエンジンの状態をEEPROM15に記録する。EEPROM15に記録されたデータは、車両の点検時に読み出されて制御プログラムの設計者等によって解析される。したがって、実際にエンジンの制御に異常が発生していない場合であっても、制御プログラムの設計者等は、EEPROM15に記録された情報に基づいて、エンジンECU10が過負荷状態になったことを知ることができ、制御プログラムをより適切に変更することができる。
本発明は、上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施可能である。例えば、本発明は、エンジンECUに限定されることなく、ブレーキECU、ボデーECU、ナビゲーションECU、ゲートウェイECU、また、複数の機能が1つに統合されたECU等、ECUの機能の違いに影響されず適用することが可能である。
10 エンジンECU
11 電源回路
12 入力回路
13 出力回路
14 通信回路
15 EEPROM
20 マイコン
21 入出力ポート
22 CPU(演算手段、処理制御手段)
23 ROM
24 RAM
25 タイマ
26 割り込みコントローラ(通知手段)

Claims (6)

  1. 周期毎に複数の処理を順次実行する演算手段と、
    各周期が終了する前に通知を行う通知手段と、
    各周期において、前記通知手段から通知を受けた時に前記複数の処理のうちの未実行の処理を中止させる処理制御手段と、
    を備える車両用制御装置。
  2. 前記処理制御手段は、前記未実行の処理を中止させるとともに、次の周期において前記未実行の処理のみを実行させる、請求項1に記載の車両用制御装置。
  3. 前記複数の処理は、各処理に与えられた番号の順に従って実行され、
    前記処理制御手段は、前記通知手段から通知を受けた時に実行中の処理の前記番号を記憶し、前記実行中の処理の前記番号より後の番号の処理を中止させることによって、前記未実行の処理を中止させる、請求項1又は2に記載の車両用制御装置。
  4. 前記処理制御手段は、次の周期において前記実行中の処理の前記番号以前の番号の処理を中止させることによって、前記未実行の処理のみを実行させる、請求項3に記載の車両用制御装置。
  5. 前記通知手段は、各周期の開始から所定の時間が経過した時にタイマ割り込みによって通知を行う、請求項1乃至4のいずれかに記載の車両用制御装置。
  6. 周期毎に複数の処理を順次実行するステップと、
    各周期が終了する前に通知を行うステップと、
    各周期において、前記通知を受けた時に前記複数の処理のうちの未実行の処理を中止させるステップと、
    を有する車両用制御方法。
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