JP2016113467A - タッチパネル用層間充填材料及び積層体 - Google Patents

タッチパネル用層間充填材料及び積層体 Download PDF

Info

Publication number
JP2016113467A
JP2016113467A JP2014250387A JP2014250387A JP2016113467A JP 2016113467 A JP2016113467 A JP 2016113467A JP 2014250387 A JP2014250387 A JP 2014250387A JP 2014250387 A JP2014250387 A JP 2014250387A JP 2016113467 A JP2016113467 A JP 2016113467A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
touch panel
interlayer
filling material
polyvinyl acetal
mol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014250387A
Other languages
English (en)
Inventor
深谷 重一
Juichi Fukaya
重一 深谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP2014250387A priority Critical patent/JP2016113467A/ja
Publication of JP2016113467A publication Critical patent/JP2016113467A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

【課題】層間の充填時(貼合時)の加飾印刷部段差又は配線段差への追従性及び層間の充填時(貼合時)に巻き込まれた気泡又は段差付近に残った気泡の脱泡性に優れ、タッチパネルに形成されているITO膜の劣化を抑制できるタッチパネル用層間充填材料を提供する。
【解決手段】タッチパネル2と他の部材との層間又はタッチパネル2を構成する複数の透明導電フィルムの層間を充填するために用いられるタッチパネル用層間充填材料1であって、ポリビニルアセタールと可塑剤とを含有する可塑化ポリビニルアセタールを含有し、前記可塑剤は、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)、テトラエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(4GO)、トリエチレングリコールジ−ピバレート(3GT)、又は、ジ−(2−ブトキシエチル)アジペート(DBEA)であるタッチパネル用層間充填材料1。
【選択図】図1

Description

本発明は、携帯情報端末の製造等においてタッチパネルと他の部材との層間又はタッチパネルを構成する複数の透明導電フィルムの層間を充填するために用いられ、層間の充填時(貼合時)の加飾印刷部段差又は配線段差への追従性及び層間の充填時(貼合時)に巻き込まれた気泡又は段差付近に残った気泡の脱泡性に優れ、タッチパネルに形成されているITO膜の劣化を抑制できるタッチパネル用層間充填材料に関する。また、本発明は、該タッチパネル用層間充填材料を用いて製造された積層体に関する。
タッチパネルは様々な分野で用いられており、例えば、スマートフォン、タブレット等の携帯情報端末においては、ガラス等からなる表面保護パネルの下にタッチパネルが配置されており、続いて、偏光フィルム、ディスプレイがこの順で設けられている。
このような携帯情報端末においては、表面保護パネルとタッチパネルとの層間、及び、タッチパネルと偏光フィルムとの層間を、空気と比較してこれらの部材との屈折率差が小さい充填材料で埋めることにより、表示画面の透明性、輝度、コントラスト等を改善し、視認性を向上させることが行われている。
タッチパネル用層間充填材料としては、透明性、粘着性、塗工性等の観点から、アクリル系粘着剤又は粘着テープが多用されている(例えば、特許文献1)。
しかしながら、充填材料としてアクリル系粘着剤又は粘着テープを貼合した場合、貼合時に気泡の巻き込みが発生し、表面保護パネルと充填材料との間に気泡が残存することがあり、視認性又は耐久性を低下させる問題がある。また、表面保護パネルの裏側にはマスキング等を目的として周縁部に印刷部が形成されており、このような印刷部により形成された段差、又は、タッチパネルに形成されている配線の段差の境界部に気泡が残存し、視認性又は耐久性を低下させることが問題となっている。特に、近年、携帯情報端末の小型化、薄型化又は軽量化に伴って薄い充填材料が望まれており、従来のアクリル系粘着剤又は粘着テープでは、薄さと、段差に充分に追従して気泡を残存させない性質(段差追従性)とを両立することは難しかった。
また、タッチパネルに形成されている配線はITO(indium tin oxide、インジウムスズ酸化物)等の透明導電膜からなっており、高温高湿下に晒された場合に充填材料と接触しているITO膜が劣化することも問題となっている。ITO膜の劣化はタッチパネルの性能低下につながることから、このようなITO膜の劣化を抑制できる充填材料が望まれている。
特開2013−119604号公報
本発明は、携帯情報端末の製造等においてタッチパネルと他の部材との層間又はタッチパネルを構成する複数の透明導電フィルムの層間を充填するために用いられ、層間の充填時(貼合時)の加飾印刷部段差又は配線段差への追従性及び層間の充填時(貼合時)に巻き込まれた気泡又は段差付近に残った気泡の脱泡性に優れ、タッチパネルに形成されているITO膜の劣化を抑制できるタッチパネル用層間充填材料を提供することを目的とする。また、本発明は、該タッチパネル用層間充填材料を用いて製造された積層体を提供することを目的とする。
本発明は、タッチパネルと他の部材との層間又は前記タッチパネルを構成する複数の透明導電フィルムの層間を充填するために用いられるタッチパネル用層間充填材料であって、ポリビニルアセタールと可塑剤とを含有する可塑化ポリビニルアセタールを含有し、前記可塑剤は、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)、テトラエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(4GO)、トリエチレングリコールジ−ピバレート(3GT)、又は、ジ−(2−ブトキシエチル)アジペート(DBEA)であるタッチパネル用層間充填材料である。
以下、本発明を詳述する。
本発明者は、タッチパネルと他の部材との層間又はタッチパネルを構成する複数の透明導電フィルムの層間を充填するために用いられるタッチパネル用層間充填材料において、従来多用されてきたアクリル系粘着剤に代わる材料として、可塑化ポリビニルアセタールが有効であることを見出した。
本発明者は、ポリビニルアセタールと可塑剤とを含有する可塑化ポリビニルアセタールを含有するタッチパネル用層間充填材料は、アクリル系粘着剤に比べて常温(20℃付近)での貯蔵弾性率及び損失弾性率が高い一方、層間の充填時(貼合時)には加熱(70℃付近)することで貯蔵弾性率及び損失弾性率が大きく低下し、たとえ薄い充填材料であっても加飾印刷部段差又は配線段差に充分に追従して、段差の境界部に残存する気泡を除去できることを見出した。更に、本発明者は、特定の可塑剤を配合することにより、タッチパネルに形成されているITO膜の劣化を抑制できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明のタッチパネル用層間充填材料は、タッチパネルと他の部材との層間又は上記タッチパネルを構成する複数の透明導電フィルムの層間を充填するために用いられるものである。
上記他の部材は特に限定されないが、表面保護パネル(例えば、ガラス板、ポリカーボネート板、アクリル板)、偏光フィルムが好ましい。即ち、本発明のタッチパネル用層間充填材料は、表面保護パネルとタッチパネルとの層間、及び/又は、タッチパネルと偏光フィルムとの層間を充填するために用いられることが好ましい。
本発明のタッチパネル用層間充填材料は、可塑化ポリビニルアセタールを含有する。本明細書中、可塑化ポリビニルアセタールとは、ポリビニルアセタールと可塑剤とを含有する樹脂を意味する。
上記可塑化ポリビニルアセタールを含有することにより、本発明のタッチパネル用層間充填材料は、アクリル系粘着剤に比べて常温(20℃付近)での貯蔵弾性率及び損失弾性率が高い一方、層間の充填時(貼合時)には加熱(70℃付近)することで貯蔵弾性率及び損失弾性率が大きく低下し、たとえ薄い充填材料であっても加飾印刷部段差又は配線段差に充分に追従して、段差の境界部に残存する気泡を除去することができる。
また、本発明のタッチパネル用層間充填材料は、層間の充填時(貼合時)には層間に挟んでから70℃付近で加熱圧着すれば容易に層間を充填することができ、取扱い性にも優れる。
上記ポリビニルアセタールは、例えば、ポリ酢酸ビニルを鹸化することにより得られたポリビニルアルコールを、触媒存在下でアルデヒドによりアセタール化することにより調製することができる。上記ポリビニルアルコールの鹸化度は特に限定されないが、一般に70〜99.9モル%の範囲内にあり、鹸化度70〜99.8モル%が好ましく、80〜99.8モル%がより好ましい。
上記ポリビニルアルコールの平均重合度は特に限定されないが、万一落下等の衝撃により携帯情報端末が破損した場合にガラス等の破片の飛散を充分に抑制する(飛散防止性)観点からは分子量の大きなポリビニルアセタールが好適であるため、平均重合度の高いポリビニルアルコールを用いることが好ましい。上記ポリビニルアルコールの平均重合度の好ましい下限は200、好ましい上限は4000である。上記平均重合度が200未満であると、上記可塑化ポリビニルアセタールの機械的強度が低下し、携帯情報端末が破損した場合に破片の飛散を充分に抑制できないことがある。上記平均重合度が4000を超えると、上記ポリビニルアルコールをアセタール化する際に溶液粘度が異常に高くなってアセタール化が困難になることがあり、また、タッチパネル用層間充填材料の成形が困難になることがある。上記平均重合度のより好ましい下限は600、より好ましい上限は3800であり、更に好ましい下限は800、更に好ましい上限は3600である。
上記ポリビニルアルコールを触媒存在下でアルデヒドによりアセタール化する際には、上記ポリビニルアルコールを含む溶液を用いてもよい。上記ポリビニルアルコールを含む溶液に用いられる溶媒として、例えば、水等が挙げられる。
上記アルデヒドは特に限定されないが、一般的には、炭素数が1〜10のアルデヒドが好適に用いられる。
上記炭素数が1〜10のアルデヒドは特に限定されず、直鎖状のアルデヒドであってもよいし、分枝状のアルデヒドであってもよく、例えば、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n−バレルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、n−オクチルアルデヒド、n−ノニルアルデヒド、n−デシルアルデヒド、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等が挙げられる。なかでも、n−ブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、n−バレルアルデヒドが好ましく、n−ブチルアルデヒドがより好ましい。これらのアルデヒドは単独で用いられてもよく、2種以上を併用してもよい。
即ち、上記ポリビニルアセタールは、ポリビニルブチラール(上記アルデヒドがn−ブチルアルデヒドである場合、上記ポリビニルアセタールをポリビニルブチラールという)であることが好ましい。上記ポリビニルブチラールを用いることにより、タッチパネル用層間充填材料のガラスに対する接着力が適切に発現し、耐光性、耐候性等が向上する。また、必要に応じて2種以上のポリビニルアセタールを併用してもよい。
上記ポリビニルアセタールの水酸基の含有率(水酸基量)の好ましい下限は16モル%、好ましい上限は45モル%である。上記水酸基量が16モル%以上であれば、タッチパネル用層間充填材料のガラスに対する接着力が向上する。上記水酸基量が45モル%以下であれば、上記ポリビニルアセタールの柔軟性が高くなって取扱い性が向上し、また、上記ポリビニルアセタールと上記可塑剤との相溶性が高くなり、タッチパネル用層間充填材料の段差追従性が向上する。上記水酸基量のより好ましい下限は18モル%、更に好ましい下限は20モル%、特に好ましい下限は22モル%であり、より好ましい上限は40モル%、更に好ましい上限は38モル%、更により好ましい上限は36モル%、特に好ましい上限は35モル%である。
なお、ポリビニルアセタールの水酸基量は、水酸基が結合しているエチレン基量を、主鎖の全エチレン基量で除算して求めたモル分率を百分率(モル%)で表した値である。水酸基が結合しているエチレン基量は、例えば、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠した方法により求めることができる。
上記ポリビニルアセタールのアセチル化度(アセチル基量)の好ましい下限は0.1モル%、好ましい上限は30モル%である。上記アセチル基量が0.1モル%以上であれば、上記ポリビニルアセタールと上記可塑剤との相溶性が高くなり、タッチパネル用層間充填材料の段差追従性が向上する。上記アセチル基量が30モル%以下であれば、上記ポリビニルアセタールの耐湿性が向上する。また、上記アセチル基量が30モル%を超えると、上記ポリビニルアセタールを製造する際の反応効率が低下することがある。上記アセチル基量のより好ましい下限は0.2モル%、更に好ましい下限は0.3モル%であり、より好ましい上限は24モル%、更に好ましい上限は20モル%、更により好ましい上限は19.5モル%、特に好ましい上限は15モル%である。
なお、ポリビニルアセタールのアセチル基量は、主鎖の全エチレン基量から、アセタール基が結合しているエチレン基量と、水酸基が結合しているエチレン基量とを差し引いた値を、主鎖の全エチレン基量で除算して求めたモル分率を百分率(モル%)で表した値である。アセタール基が結合しているエチレン基量は、例えば、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠して測定できる。
上記ポリビニルアセタールのアセチル基量を上記範囲に調整する方法として、例えば、上記ポリビニルアルコールの鹸化度を調整する方法が挙げられる。即ち、上記ポリビニルアセタールのアセチル基量は、上記ポリビニルアルコールの鹸化度に依存するものであり、鹸化度が低いポリビニルアルコールを用いれば上記ポリビニルアセタールのアセチル基量は大きくなり、鹸化度が高いポリビニルアルコールを用いれば上記ポリビニルアセタールのアセチル基量は小さくなる。
上記ポリビニルアセタールのアセタール化度の好ましい下限は50モル%、好ましい上限は85モル%である。上記アセタール化度が50モル%以上であれば、上記ポリビニルアセタールと上記可塑剤との相溶性が高くなる。上記アセタール化度が85モル%以下であれば、上記ポリビニルアセタールを製造するために必要な反応時間を短縮できる。上記アセタール化度のより好ましい下限は54モル%、更に好ましい下限は58モル%、特に好ましい下限は60モル%である。上記アセタール化度のより好ましい上限は82モル%、更に好ましい上限は79モル%、特に好ましい上限は77モル%である。
なお、ポリビニルアセタールのアセタール化度は、アセタール基が結合しているエチレン基量を、主鎖の全エチレン基量で除算して求めたモル分率を百分率(モル%)で表した値である。アセタール化度は、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠した方法により、アセチル基量とビニルアルコール量(水酸基の含有率)とを測定し、得られた測定結果からモル分率を算出し、次いで、100モル%からアセチル基量とビニルアルコール量とを差し引くことにより算出されうる。
上記ポリビニルアセタールのアセタール化度を調整する方法として、例えば、上記アルデヒドの添加量を調整する方法が挙げられる。上記アルデヒドの添加量を少なくすれば上記ポリビニルアセタールのアセタール化度は低くなり、上記アルデヒドの添加量を多くすれば上記ポリビニルアセタールのアセタール化度は高くなる。
上記可塑剤は、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)、テトラエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(4GO)、トリエチレングリコールジピバレート(3GT)、又は、ジ−(2−ブトキシエチル)アジペート(DBEA)である。
近年、高温高湿下に晒された場合に充填材料と接触しているITO膜が劣化することが問題となっているのに対して、本発明のタッチパネル用層間充填材料は、これらの可塑剤を含有することにより、タッチパネルに形成されているITO膜の劣化を抑制することができる。なお、これらの可塑剤以外の一般的な可塑剤(例えば、一塩基性有機酸エステル、多塩基性有機酸エステル等の有機酸エステル可塑剤、有機リン酸可塑剤、有機亜リン酸可塑剤等のリン酸可塑剤)を用いた場合には、ITO膜の劣化を充分に抑制することは困難である。
上記可塑剤のなかでも、タッチパネル用層間充填材料の段差追従性が優れていることから、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)が特に好ましい。
上記ポリビニルアセタールに対する上記可塑剤の含有量は特に限定されないが、上記ポリビニルアセタール100重量部に対する好ましい下限は5重量部、好ましい上限は75重量部である。上記含有量が上記範囲であれば、層間の充填時(貼合時)に段差に気泡が残存することを抑制することと、タッチパネルに形成されているITO膜の劣化を抑制することとを両立しやすくなる。
上記含有量が5重量部未満であると、タッチパネル用層間充填材料の成形性が低下することがある。上記含有量が75重量部を超えると、タッチパネル用層間充填材料の透明性が低下したり、上記可塑剤がブリードアウトしたりすることがある。上記可塑剤のより好ましい下限は10重量部、更に好ましい下限は15重量部、特に好ましい下限は20重量部であり、より好ましい上限は65重量部、更に好ましい上限は55重量部、特に好ましい上限は45重量部である。
なお、上記ポリビニルアセタールによって凝集力を発生させているため、上記可塑剤の含有量は少ないほうが好ましい。即ち、上記ポリビニルアセタールと上記可塑剤との相溶性を高めて、上記可塑剤の含有量を低下させることが好ましい。これにより、飛散防止性を向上させることができる。
上記ポリビニルアセタールと上記可塑剤との相溶性を高める方法として、例えば、上記ポリビニルアセタールのアセタール化度を大きくする方法、アセチル基量を高くする方法が好ましい。また、上記ポリビニルアセタールの水酸基のブロック性を落とす方法も好ましい。水酸基のブロック化を抑制する方法として、熟成温度を下げる方法が好ましい。
本発明のタッチパネル用層間充填材料中、上記可塑化ポリビニルアセタールの含有量は50重量%以上であることが好ましい。上記含有量が50重量%未満であると、携帯情報端末が破損した場合に破片の飛散を充分に抑制できなかったり、層間の充填時(貼合時)に段差に気泡が残存したりすることがある。上記含有量のより好ましい下限は60重量%、更に好ましい下限は70重量%、更により好ましい下限は80重量%、特に好ましい下限は90重量%である。
上記可塑化ポリビニルアセタールの含有量の上限は特に限定されず、100重量%であってもよい。
本発明のタッチパネル用層間充填材料は、必要に応じて、透明性を損なわず本発明の効果を妨げない範囲内で、接着力調整剤、粘着付与樹脂、可塑剤、乳化剤、軟化剤、微粒子、充填剤、顔料、染料、シランカップリング剤、酸化防止剤、界面活性剤、ワックス等の公知の添加剤を含有してもよい。
本発明のタッチパネル用層間充填材料の形状は特に限定されず、例えば、シート状、フィルム状、液状(分散液状、エマルション状)等が挙げられるが、シート状が好ましい。本発明のタッチパネル用層間充填材料は、たとえ薄い充填材料であっても加飾印刷部段差又は配線段差に充分に追従して、段差の境界部に残存する気泡を除去することができる。
シート状の場合、本発明のタッチパネル用層間充填材料の厚みは特に限定されず、用途によって設定されるが、好ましい下限が5μm、好ましい上限が800μmである。上記厚みが5μm未満であると、層間の充填時(貼合時)に段差に気泡が残存しやすくなることがある。上記厚みのより好ましい下限は10μm、より好ましい上限は400μmであり、更に好ましい下限は25μm、更に好ましい上限は300μmであり、更により好ましい下限は50μm、更により好ましい上限は200μmであり、特に好ましい下限は75μm、特に好ましい上限は100μmである。
本発明のタッチパネル用層間充填材料の製造方法は特に限定されず、シート状の場合、例えば、可塑化ポリビニルアセタール及び必要に応じて配合される添加剤を含有する組成物を、押し出し法、塗工法、キャスティング法、カレンダー法、プレス法等の通常の製膜法によりシート状に製膜する方法が挙げられる。
本発明のタッチパネル用層間充填材料の用途は特に限定されないが、例えば、携帯情報端末(例えば、スマートフォン、タブレット)、LCD、EL、PDP等の画像表示パネルを用いた平面型又はフレキシブル画像表示装置(例えば、電子ペーパー、PDA、TV、ゲーム機)等において、表面保護パネルとタッチパネルとの層間、タッチパネルと偏光フィルムとの層間、及び、タッチパネルを構成する複数の透明導電フィルムの層間からなる群から選択される少なくとも1種の層間に用いられることが好ましい。
本発明のタッチパネル用層間充填材料を層間に挟んでから70℃付近で加熱圧着すれば容易に層間を充填することができる。なお、常圧にて上記透明接着剤と上記偏光板とを積層してから加熱と同時に加圧を行うオートクレーブ(ACV)処理を行ってもよい。また、上記透明接着剤と上記偏光板とを積層して70℃付近に加熱して上記偏光板の表面に上記透明接着剤を付着させた後、更に真空ラミネータにて例えば1気圧にて70℃30分の予備加熱圧着を行ってから、加熱と同時に加圧を行うオートクレーブ(ACV)処理を、85℃、0.5MPa以上で30分行うことで、気泡をより容易に除去することができる。
図1は、本発明のタッチパネル用層間充填材料の使用方法の一例を模式的に示す断面図である。図1においては、表面保護パネル3とタッチパネル2との層間、及び、タッチパネル2と偏光フィルム4との層間が、本発明のタッチパネル用層間充填材料1で充填されている。
図1においては、表面保護パネル3の裏側にはマスキング等を目的として周縁部に加飾印刷部5が形成されているが、本発明のタッチパネル用層間充填材料1は、このような加飾印刷部5により形成された段差にも、タッチパネル2に形成されている配線の段差(図示しない)にも充分に追従して、層間の充填時(貼合時)に段差の境界部に残存する気泡を除去することができる。
表面保護パネルとタッチパネルとの層間、タッチパネルと偏光フィルムとの層間、及び、タッチパネルを構成する複数の透明導電フィルムの層間からなる群から選択される少なくとも1種の層間が、本発明のタッチパネル用層間充填材料で充填されている積層体もまた、本発明の1つである。
上記表面保護パネルは特に限定されず、例えば、ガラス板、ポリカーボネート板、アクリル板等の、携帯情報端末、平面型又はフレキシブル画像表示装置等に通常使用されるものを用いることができる。
上記タッチパネルは特に限定されず、例えば、ITO膜等の複数の層を有するタッチパネル等の、携帯情報端末、平面型又はフレキシブル画像表示装置等に通常使用されるものを用いることができる。上記タッチパネルの構成は特に限定されず、例えば、アウトセル型、インセル型、オンセル型、カバーガラス一体型、カバーシート一体型等が挙げられる。上記タッチパネルの方式も特に限定されず、例えば、抵抗膜式、静電容量式、光学式、超音波式等が挙げられる。
上記偏光フィルムとしても特に限定されず、携帯情報端末、平面型又はフレキシブル画像表示装置等に通常使用されるものを用いることができる。
本発明によれば、携帯情報端末の製造等においてタッチパネルと他の部材との層間又はタッチパネルを構成する複数の透明導電フィルムの層間を充填するために用いられ、層間の充填時(貼合時)の加飾印刷部段差又は配線段差への追従性及び層間の充填時(貼合時)に巻き込まれた気泡又は段差付近に残った気泡の脱泡性に優れ、タッチパネルに形成されているITO膜の劣化を抑制できるタッチパネル用層間充填材料を提供することができる。また、本発明によれば、該タッチパネル用層間充填材料を用いて製造された積層体を提供することができる。
本発明のタッチパネル用層間充填材料の使用方法の一例を模式的に示す断面図である。 実施例及び比較例で得られたシート状層間充填材料の高温高湿下でのITO膜の劣化抑制(ITO劣化性)の試験方法を模式的に示す図である。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(ポリビニルブチラール樹脂(1)の製造)
攪拌装置を備えた反応機に、イオン交換水2700mL、平均重合度1800、鹸化度99.3モル%のポリビニルアルコールを300g投入し、攪拌しながら加熱溶解し、溶液を得た。次に、この溶液に触媒として35重量%塩酸を、塩酸濃度が0.2重量%となるように添加し、温度を15℃に調整した後、攪拌しながらn−ブチルアルデヒド(n−BA)21gを添加した。その後、n−ブチルアルデヒド(n−BA)145gを添加したところ、白色粒子状のポリビニルブチラール樹脂が析出した。析出してから15分後に、35重量%塩酸を、塩酸濃度が1.8重量%になるように添加し、50℃に加熱し、50℃で2時間熟成させた。次いで、溶液を冷却し、中和した後、ポリビニルブチラール樹脂を水洗し、乾燥させることにより、ポリビニルブチラール樹脂(1)を得た。水酸基量は31.0モル%、アセチル基量は0.7モル%、ブチラール化度(Bu化度)は68.3モル%であった。
(ポリビニルブチラール樹脂(2)及び(3)の製造)
表1に示す配合及び条件に基づき、ポリビニルブチラール樹脂(1)と同様にポリビニルブチラール樹脂(2)及び(3)を製造した。
(実施例1〜16、比較例1〜16)
(シート状層間充填材料の製造)
得られたポリビニルブチラール樹脂(1)〜(3)を用いて、表2に示す可塑化ポリビニルアセタール配合にて以下の製膜を実施した。
得られたポリビニルブチラール樹脂(表1に示したブチラール化度(Bu化度)、水酸基量、アセチル基量を有する)100重量部に対して、可塑剤を表2に示す種類及び配合量で添加し、充分に混練し、混練物を得た。得られた混練物をプレス成型機でプレス成型してシート状に製膜し、表2に示す膜厚のシート状層間充填材料を得た。
<評価>
実施例、比較例で得られたシート状層間充填材料について、下記の評価を行った。
(1)脱泡性
実施例1〜4で得られたシート状層間充填材料について、下記の評価を行った。
76mm×52mm、厚み1.0〜1.2mmの白板ガラス(松浪硝子製S9112)に白板ガラスと同サイズにカットしたシート状層間充填材料の片面を貼付し、シート状層間充填材料のもう一方の面を白板ガラスと同サイズにカットしたITO−PETフィルム(ITOをコーティングしたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム)に貼付し、ガラス/シート状層間充填材料/ITO−PETフィルム構成体を作製した。このとき、ガラスとシート状層間充填材料との界面に気泡を封入した。次いで、この構成体を70℃、1atmの真空ラミネータで30分、予備加熱圧着し、次いで70℃、0.5MPaのオートクレーブに入れて30分加熱し、ガラスとITO−PETフィルムとの層間がシート状層間充填材料で充填されている積層体を得た。
得られた積層体をデジタルマイクロスコープ(キーエンス社製)にて観察したところ、実施例1〜4のいずれにおいても気泡は残存していなかった。
(2)段差追従性
実施例1〜4で得られたシート状層間充填材料について、下記の評価を行った。
76mm×52mm、厚み1.0〜1.2mmの白板ガラス(松浪硝子製S9112)に、外枠76mm×52mm、内枠56mm×32mmのロの字型の額縁状の厚み100μmの片面粘着剤を貼付し段差を作製した。
シート状層間充填材料を76mm×52mmにカットし、白板ガラスのロの字型の額縁状段差を貼付している面に貼付し、更に、ITOがコーティングされたポリエチレンテレフタレートフィルム(ITO−PET、積水ナノコートテクノロジー社製)を76mm×52mmにカットし、シート状層間充填材料に貼付した。それぞれ貼合する際にはできる限り気泡が入らない様にした。70℃で30分、1atmで真空ラミネータで圧着してから、70℃、0.5MPaのオートクレーブで30分処理し、30℃以下にしてから解圧して、評価用サンプルを作製した。
デジタルマイクロスコープ(キーエンス社製)にて観察したところ、実施例1〜4のいずれにおいても段差の界面での気泡残存は確認できなかった。
(3)高温高湿下でのITO膜の劣化抑制(ITO劣化性)
実施例1〜16、比較例1〜16で得られたシート状層間充填材料について、下記の評価を行った。
図2は、実施例及び比較例で得られたシート状層間充填材料の高温高湿下でのITO膜の劣化抑制(ITO劣化性)の試験方法を模式的に示す図である。
図2に示すように、まず、表面にITO膜が形成された導電性フィルム(幅25mm、長さ120mm)6の長さ方向の両端15mmに銀ペーストを塗布し、加熱乾燥して銀層(銀電極部)7を形成した。その後、銀層7を形成した導電性フィルム6を、ガラス板8に貼り付けた。次いで、シート状層間充填材料(幅30mm、長さ100mm)9を両方の銀層7に接するように貼付して、70℃、0.5MPaのオートクレーブで30分処理し、評価用サンプルを作製した。
なお、評価用サンプルは、図2に示すように、導電性フィルム6、銀層7、ガラス板8及びシート状層間充填材料9から構成される。
テスター10により評価用サンプルの両方の銀層7間の抵抗値を測定して、これを「ITO抵抗値A」(初期)とした。その後、評価用サンプルを温度100℃、湿度90%の環境に投入し、250時間処理した。処理後、テスター10により評価用サンプルの両方の銀層7間の抵抗値を測定して、これを「ITO抵抗値B」(100℃−90% 250h後)とした。「ITO抵抗値B」/「ITO抵抗値A」の値を求め、15以下の場合を○、15を超える場合を×とした。
Figure 2016113467
Figure 2016113467
本発明によれば、携帯情報端末の製造等においてタッチパネルと他の部材との層間又はタッチパネルを構成する複数の透明導電フィルムの層間を充填するために用いられ、層間の充填時(貼合時)の加飾印刷部段差又は配線段差への追従性及び層間の充填時(貼合時)に巻き込まれた気泡又は段差付近に残った気泡の脱泡性に優れ、タッチパネルに形成されているITO膜の劣化を抑制できるタッチパネル用層間充填材料を提供することができる。また、本発明によれば、該タッチパネル用層間充填材料を用いて製造された積層体を提供することができる。
1 本発明のタッチパネル用層間充填材料
2 タッチパネル
3 表面保護パネル
4 偏光フィルム
5 加飾印刷部
6 導電性フィルム
7 銀層(銀電極部)
8 ガラス板
9 シート状層間充填材料(幅30mm、長さ100mm)
10 テスター

Claims (5)

  1. タッチパネルと他の部材との層間又は前記タッチパネルを構成する複数の透明導電フィルムの層間を充填するために用いられるタッチパネル用層間充填材料であって、
    ポリビニルアセタールと可塑剤とを含有する可塑化ポリビニルアセタールを含有し、
    前記可塑剤は、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)、テトラエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(4GO)、トリエチレングリコールジ−ピバレート(3GT)、又は、ジ−(2−ブトキシエチル)アジペート(DBEA)である
    ことを特徴とするタッチパネル用層間充填材料。
  2. 可塑化ポリビニルアセタールの含有量が50重量%以上であることを特徴とする請求項1記載のタッチパネル用層間充填材料。
  3. ポリビニルアセタールがポリビニルブチラールであることを特徴とする請求項1又は2記載のタッチパネル用層間充填材料。
  4. 他の部材が表面保護パネル及び/又は偏光フィルムであることを特徴とする請求項1、2又は3記載のタッチパネル用層間充填材料。
  5. 表面保護パネルとタッチパネルとの層間、タッチパネルと偏光フィルムとの層間、及び、タッチパネルを構成する複数の透明導電フィルムの層間からなる群から選択される少なくとも1種の層間が、請求項1、2、3又は4記載のタッチパネル用層間充填材料で充填されていることを特徴とする積層体。
JP2014250387A 2014-12-10 2014-12-10 タッチパネル用層間充填材料及び積層体 Pending JP2016113467A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014250387A JP2016113467A (ja) 2014-12-10 2014-12-10 タッチパネル用層間充填材料及び積層体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014250387A JP2016113467A (ja) 2014-12-10 2014-12-10 タッチパネル用層間充填材料及び積層体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016113467A true JP2016113467A (ja) 2016-06-23

Family

ID=56140968

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014250387A Pending JP2016113467A (ja) 2014-12-10 2014-12-10 タッチパネル用層間充填材料及び積層体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016113467A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016190402A1 (ja) * 2015-05-28 2016-12-01 積水化学工業株式会社 タッチパネル用層間充填材料及び積層体
US20180299980A1 (en) * 2015-10-07 2018-10-18 Sekisui Chemical Co., Ltd. Interlayer filler material for touch panels, and touch panel laminate
KR20200001990A (ko) 2018-06-28 2020-01-07 닛토덴코 가부시키가이샤 점착제 조성물, 점착 시트, 및 광학 부재

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11323055A (ja) * 1998-05-18 1999-11-26 Sekisui Chem Co Ltd 可塑剤
WO2001040923A1 (en) * 1999-12-03 2001-06-07 Touch Panel Systems K.K. Touch panel and information input device using the same

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11323055A (ja) * 1998-05-18 1999-11-26 Sekisui Chem Co Ltd 可塑剤
WO2001040923A1 (en) * 1999-12-03 2001-06-07 Touch Panel Systems K.K. Touch panel and information input device using the same

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016190402A1 (ja) * 2015-05-28 2016-12-01 積水化学工業株式会社 タッチパネル用層間充填材料及び積層体
JP6116764B1 (ja) * 2015-05-28 2017-04-19 積水化学工業株式会社 タッチパネル用層間充填材料及び積層体
US11981835B2 (en) 2015-05-28 2024-05-14 Sekisui Chemical Co., Ltd. Interlayer filler material for touch panels, and laminate
US20180299980A1 (en) * 2015-10-07 2018-10-18 Sekisui Chemical Co., Ltd. Interlayer filler material for touch panels, and touch panel laminate
KR20200001990A (ko) 2018-06-28 2020-01-07 닛토덴코 가부시키가이샤 점착제 조성물, 점착 시트, 및 광학 부재

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6046811B2 (ja) タッチパネル用層間充填材料及び積層体
US11981835B2 (en) Interlayer filler material for touch panels, and laminate
JP6815868B2 (ja) タッチパネル用層間充填材料及び積層体
JP6116772B1 (ja) タッチパネル用層間充填材料及びタッチパネル積層体
KR20170095180A (ko) 투명 접착제 부착 편광판 및 터치 패널
JP6116773B1 (ja) タッチパネル用層間充填材料及びタッチパネル積層体
JP2016113467A (ja) タッチパネル用層間充填材料及び積層体
JP2017021527A (ja) タッチパネル用層間充填材料キット、積層体、及び、積層体の製造方法
JP2016194019A (ja) タッチパネル用層間充填材料及びタッチパネル
JP2016197301A (ja) タッチパネル用層間充填材料及び積層体
JP2018197314A (ja) 充填接合材、光学デバイス用積層体及び光学デバイス
JP2018176543A (ja) 光学デバイス用保護層付き充填接合材、及び、光学デバイス用保護層付き充填接合材の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171205

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180806

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180925

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20190326