JP2016111142A - 半導体チップ、センサー装置および半導体チップの製造方法 - Google Patents

半導体チップ、センサー装置および半導体チップの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】生産性が高く、安価に、低背化を実現できる複数の受光素子を備えた半導体チップ、上記半導体チップを備えたセンサー装置および、複数の受光素子を備えた上記半導体チップの製造方法を提供する。【解決手段】第1フォトダイオード(3)の受光面上には、可視光と紫外光とを通す層間絶縁膜(9)が形成されており、第2フォトダイオード(4)の受光面上には、層間絶縁膜(9)の膜厚の少なくとも一部が除去された開口部が形成されており、上記開口部には、可視光は通すが紫外光は吸収する紫外線吸収膜(13)が設けられている。【選択図】図1

Description

本発明は、複数の受光素子を備えた半導体チップと、上記半導体チップを備えたセンサー装置と、上記半導体チップの製造方法に関するものである。
紫外線(紫外光)は、波長が10〜380nm、即ち可視光線(可視光)より短く軟X線より長い不可視光線の電磁波である。紫外線の内、波長が200〜380nmの光は、近紫外線と呼ばれ太陽光に含まれる。更に、近紫外線は、波長域からUV−A(315〜380nm)、UV−B(280〜315nm)、UV−C(200〜280nm)に分類される。近紫外線の内、UV−AおよびUV−Bはオゾン層を通過し、地表に到達する。UV−Cは、物質による吸収が著しく、通常は大気を通過することができない。地表に到達する紫外線の99%がUV−Aである。
人間が、紫外線に長時間さらされると、皮膚、目、免疫系へ急性もしくは慢性の疾患を引き起こす可能性がある。太陽からの紫外線については、近年、オゾン層の破壊等で、地表に到達する紫外線の量が増加する傾向にある。また、紫外線の用途は、殺菌、半導体リソグラフィーなど産業上の分野に拡大しており、人工の光源による紫外線も多く利用されている。そのため、高精度、安価、小型の紫外線センサーに対する需要が高まっている。
太陽光は紫外線の他に可視光や赤外線を含む。また、人工の光源も紫外線とともに可視光や赤外線を放出したり、可視光や赤外線のある環境下で利用したりする。故に、紫外線センサーは、より高精度に紫外線を選択的に検出することが求められる。
近年、発光ダイオード(LED)やフォトトランジスタなどの光の受光量に応じて感応する受光素子が利用されており、紫外線センサーにもこのような受光素子が利用されている。このような受光素子の分光感度(光の波長毎の照射強度に対する出力電流値)は、用いる材料の物性に依存するが、例えば、汎用のシリコン基板を用いて作製したフォトダイオードの分光感度は、紫外線領域から赤外光領域に渡る。
太陽光や紫外線とともに可視光線や赤外線を放出する人工の光源を利用したり、主に紫外線を放出する人工の光源を可視光線や赤外線のある環境下で利用する場合には、紫外線センサーは、紫外線の他に可視光線や赤外線が含まれた光を受光することとなるので、紫外線センサーには、紫外線を分離して検出することが求められる。紫外線センサーの検出方式は、大きく分けて以下の2つに大別される。
1つ目の方式は、特許文献1に記載されているように、半導体材料の変更あるいは何らかの材料の添加を行うことで、受光素子の物性そのものを変えて、主に紫外線領域の電磁波を検出する分光感度特性を得る方式である。2つ目の方式は、特許文献2および特許文献3に記載されているように、受光素子の受光面の上部に、所定領域の光を遮断するフィルタを置くことで、受光素子の受光面に入射する光の波長分布を制御する方式である。
具体的に、上記特許文献1は、酸化亜鉛(ZnO)などの酸化化合物半導体を使用し作製した、p型半導体層とn型半導体層とをヘテロ接合させたフォトダイオード構造を有し、かつ、紫外線領域の波長に感度を有し、可視光領域の波長には、感度を有しない受光素子について記載している。
また、上記特許文献2は、紫外線領域と可視光領域との光を受光する第1フォトダイオードと、フィルタを備えることにより可視光領域の光を選択的に受光する第2フォトダイオードと、をシリコン基板に形成した構成について記載している。そして、この構成においては、第1フォトダイオードと第2フォトダイオードとが検出した光強度の差分により、紫外線領域の光強度を検出する。この構成では、第1フォトダイオードも第2フォトダイオードも、紫外線領域と可視光領域との両方に対して感度を有するが、第2フォトダイオードの受光面上に紫外線領域の光を遮断するフィルタが設けられている。そして、当該フィルタとして、SOI(Silicon On Insulator)基板の上部シリコン層が用いられている。
特許文献3には、紫外線領域の波長を遮断するフィルタとして、SiO2膜とTiO2膜とを複数回、スパッタ法もしくは蒸着法で積層する手法について記載されている。
特許第5392414号広報(2014年1月22日発行) 特開2010−232509号広報(2010年10月14日公開) 特開2013−197243号広報(2013年9月30日公開)
しかしながら、上記特許文献1〜3に記載されている構成には、以下のような問題点がある。
先ず、上記特許文献1に記載された構成においては、別途フィルタを設ける必要がないという利点を有するが、一つの受光素子を用いるとともに、この一つの受光素子における半導体材料の変更あるいは何らかの材料の添加を行い受光素子の物性そのものを変えて、主に紫外線領域の電磁波を検出する分光感度特性を得る方式であるため、受光素子そのものの紫外線領域での受光感度が低いという根本的な問題がある。この他にも、半導体のヘテロ接合の形成が困難であること、内部電極あるいは裏面電極が必要であることなど、技術面、製造費および生産性という面でも多くの課題を有する構成である。
図11は、上記特許文献2に開示されている従来の紫外線センサーの概略構成を示す図である。
図11(a)および図11(b)に図示されているように、上記特許文献2に開示されている紫外線センサーは、シリコン(Si)からなる支持基板101上に埋込み酸化膜である絶縁層102を挟んで、シリコン半導体層103を形成したSOI基板上に形成されている。シリコン半導体層103には、紫外線領域と可視光領域との光を受光する第1フォトダイオード104が形成されており、シリコン(Si)からなる支持基板101には、第2フォトダイオード105が形成されている。そして、第2フォトダイオード105上には、絶縁層102とシリコン半導体層103とが設けられており、シリコン半導体層103が紫外線領域の光を遮断するフィルタの役割をしている。
このような構成においては、シリコン(Si)からなる支持基板101上に、シリコン半導体層103をさらに形成する必要が生じるので、製造コストが高価になってしまうという問題がある。さらに、第1フォトダイオード104および第2フォトダイオード105は、それぞれ異なる層であるシリコン(Si)からなる支持基板101と、シリコン半導体層103とに形成されるので、製造工程の大幅増加を要する。そして、それぞれ異なる層に形成された第1フォトダイオード104および第2フォトダイオード105上に形成される膜などを考慮すると、紫外線センサーのサイズ、特に高さ面からも大きな問題が生じてしまう。
図12は、上記特許文献3に開示されている従来のフィルタの構成を説明するための図である。
図12(a)に図示されているように、半導体基板201にはフォトダイオード204a・204b・204cが形成されており、半導体基板201上にはパッシベーション層202とフィルタ膜203とが順に積層されている。
図12(b)に図示されているSiO2膜とTiO2膜とが順に繰り返し積層された多層膜からなるフィルタ膜203を形成するためには以下のような問題点がある。SiO2膜とTiO2膜とが順に繰り返し積層するため複数のチャンバーもしくは、装置を交互に渡り歩き、生産効率としては悪くなる問題がある。また、紫外線領域の光のみカットし、可視光領域の光を透過させる光学性能を維持するためには、積層回数を増加させ、さらに各層の膜厚を高精度に管理する必要性があるという問題もある。
また、図12(c)に図示されているように、有機膜(アクリル系樹脂)からなるフィルタ膜203は、半導体基板201の全面に形成されているので、このようなフィルタ膜によっては、同一基板上に設けられた複数の受光素子(フォトダイオード204a・204b・204c)に入射する光の波長を異なるようにすることはできないという問題がある。
本発明の目的は、受光素子の受光感度を維持するとともに、生産性が高く、安価に、低背化を実現できる複数の受光素子を備えた半導体チップと、上記半導体チップを備えたセンサー装置および複数の受光素子を備えた半導体チップの製造方法を提供することにある。
本発明の半導体チップは、上記課題を解決するために、第1波長領域の光の受光量および上記第1波長領域とはその波長領域が異なる第2波長領域の光の受光量に応じた電流量が生じる第1受光素子と第2受光素子とを備えた半導体チップであって、上記第1受光素子と上記第2受光素子とは、同一半導体基板の同一層に設けられており、上記第1受光素子の受光面上には、上記第1波長領域の光と上記第2波長領域の光とを通す光透過膜が形成されており、上記第2受光素子の受光面上には、上記光透過膜の膜厚の少なくとも一部が除去された開口部が形成されており、上記開口部には、上記第1波長領域の光を通すが上記第2波長領域の光を吸収する膜が設けられていることを特徴としている。
上記構成によれば、従来のように、一つの受光素子に対して、その半導体材料の変更あるいは何らかの材料の添加を行うことで、受光素子の物性そのものを変えて、分光感度特性を得る方式ではなく、同一半導体基板の同一層に設けられた第1受光素子と第2受光素子とを用いるとともに、第1受光素子の受光面上には、第1波長領域の光と第2波長領域の光とを通す光透過膜が形成され、第2受光素子の受光面上には、上記第1波長領域の光を通すが上記第2波長領域の光を吸収する膜が設けられている構成であるため、受光素子の受光感度を維持することができる。
また、上記構成によれば、上記第2受光素子の受光面上には、上記光透過膜の膜厚の少なくとも一部が除去された開口部が形成されており、上記開口部には、上記第1波長領域の光を通すが上記第2波長領域の光を吸収する膜が設けられている構成であるため、生産性が高く、安価に、低背化を実現できる。
本発明のセンサー装置は、上記課題を解決するために、上記半導体チップと、上記第1受光素子および上記第2受光素子からの各々の出力値の差分から、上記第2波長領域の光の受光量を検出する回路部と、を備えていることを特徴としている。
上記構成によれば、上記センサー装置には、上記半導体チップが備えられているため、受光素子の受光感度を維持するとともに、生産性が高く、安価に、低背化を実現できる。
本発明の半導体チップの製造方法は、上記課題を解決するために、第1波長領域の光の受光量および上記第1波長領域とはその波長領域が異なる第2波長領域の光の受光量に応じた電流量が生じる第1受光素子と第2受光素子とを備えた半導体チップの製造方法であって、上記第1受光素子と上記第2受光素子とを同一半導体基板の同一層に設ける第1工程と、上記第1受光素子および上記第2受光素子の受光面上に、上記第1波長領域の光と上記第2波長領域の光とを通す光透過膜を形成する第2工程と、エッチングまたは、露光および現像により、上記第2受光素子の受光面上に、上記光透過膜の膜厚の少なくとも一部が除去された開口部を形成する第3工程と、上記開口部に、上記第1波長領域の光を通すが上記第2波長領域の光を吸収する膜を形成する第4工程と、を含むことを特徴としている。
上記方法によれば、従来のように、一つの受光素子に対して、その半導体材料の変更あるいは何らかの材料の添加を行うことで、受光素子の物性そのものを変えて、分光感度特性を得る方式ではなく、同一半導体基板の同一層に第1受光素子と第2受光素子とを設けるとともに、第1受光素子の受光面上には、第1波長領域の光と第2波長領域の光とを通す光透過膜を形成し、第2受光素子の受光面上には、上記第1波長領域の光を通すが上記第2波長領域の光を吸収する膜を形成する方法であるため、受光素子の受光感度を維持することができる。
また、上記方法によれば、上記第2受光素子の受光面上には、上記光透過膜の膜厚の少なくとも一部が除去された開口部を形成し、上記開口部には、上記第1波長領域の光を通すが上記第2波長領域の光を吸収する膜を設ける方法であるため、生産性が高く、安価に、低背化を実現できる。
本発明の一態様によれば、受光素子の受光感度を維持するとともに、生産性が高く、安価に、低背化を実現できる複数の受光素子を備えた半導体チップと、上記半導体チップを備えたセンサー装置および複数の受光素子を備えた半導体チップの製造方法を実現できる。
本発明の一実施形態に係る紫外線センサーに備えられた半導体チップの概略構成を示す概念図である。 本発明の一実施形態に係る紫外線センサーの上面図である。 本発明の一実施形態に係る紫外線センサーに備えらえた第1センサーおよび第2センサーの波長毎の分光感度を示す図である。 本発明の一実施形態に係る紫外線センサーの波長毎の分光感度を示す図である。 本発明の一実施形態に係る紫外線センサーに備えられた半導体チップの製造工程の一部を説明するための製造工程図である。 図5に図示した本発明の一実施形態に係る紫外線センサーに備えられた半導体チップの製造工程の後工程を説明するための製造工程図である。 図6に図示した本発明の一実施形態に係る紫外線センサーに備えられた半導体チップの製造工程の後工程を説明するための製造工程図である。 本発明の一実施形態に係る紫外線センサーに備えることができる他の半導体チップの製造工程の一部を説明するための製造工程図である。 本発明の一実施形態に係る紫外線センサーに備えることができるさらに他の半導体チップの製造工程の一部を説明するための製造工程図である。 本発明の一実施形態に係る紫外線センサーに備えることができるさらに他の半導体チップの製造工程の一部を説明するための製造工程図である。 特許文献2に開示されている従来の紫外線センサーの概略構成を示す図である。 特許文献3に開示されている従来のフィルタの構成を説明するための図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成の寸法、材質、形状、相対配置、加工法などはあくまで一実施形態に過ぎず、これらによってこの発明の範囲が限定解釈されるべきではない。さらに図面は模式的なものであり、寸法の比率、形状は現実のものとは異なる。
本発明の実施の形態を図1〜図10に基づいて説明すれば以下のとおりである。
〔実施の形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、図1〜図7に基づいて説明する。
(半導体チップ)
図1は、本発明の一実施形態に係る紫外線センサーに備えられた半導体チップ1の模式的断面図に光線を加えた概念図である。
図示されているように、半導体チップ1は、シリコン基板2と、反射防止膜5と、配線層8と、パッシベーション膜12と、紫外線吸収膜13とを備えている。さらに、シリコン基板2には、第1フォトダイオード3と第2フォトダイオード4とが形成されている。
本実施の形態においては、反射防止膜5として、酸化シリコン膜6と、窒化シリコン膜7とが順に積層された2層積層膜を用いているが、入射光の反射を防止できるとともに、可視光領域および紫外光領域の光を通すことができるのであれば、その材質やその各膜の膜厚や積層膜の積層数などは適宜決めればよい。
なお、配線層8には、層間絶縁膜9と、プラグ10と、配線11とが含まれている。
半導体チップ1は、第1フォトダイオード3を備えた第1センサー14と、第2フォトダイオード4を備えた第2センサー15とを少なくとも含む。第1センサー14は、一つのシリコン基板2の同一面の同一層に形成された第1フォトダイオード3および第2フォトダイオード4のうち、第1フォトダイオード3と、反射防止膜5と、配線層8と、パッシベーション膜12とを備えている。一方、第2センサー15は、一つのシリコン基板2の同一面の同一層に形成された第1フォトダイオード3および第2フォトダイオード4のうち、第2フォトダイオード4と、反射防止膜5と、配線層8と、パッシベーション膜12と、紫外線吸収膜13とを備えている。
図1に図示する領域Aは、第1センサー14の第1フォトダイオード3に入る光が通る経路であって、第1フォトダイオード3の受光面を含む受光部とこの受光面の上側の領域とを示しており、第1フォトダイオード3の受光面の上側の領域には、反射防止膜5の一部と配線層8中の層間絶縁膜9とが含まれている。一方、図1に図示する領域Bは、第2センサー15の第2フォトダイオード4に入る光が通る経路であって、第2フォトダイオード4の受光面を含む受光部とこの受光面の上側の領域とを示しており、第2フォトダイオード4の受光面の上側の領域には、反射防止膜5の一部と紫外線吸収膜13とが含まれている。
図示されているように、第1フォトダイオード3の受光面を含む受光部とこの受光面の上側の領域とを示す領域Aには、プラグ10と配線11とは形成されず、可視光領域および紫外光領域の光を通す反射防止膜5と層間絶縁膜9とが形成されている。一方、第2フォトダイオード4の受光面を含む受光部とこの受光面の上側の領域とを示す領域Bには、プラグ10と配線11とは形成されず、可視光領域および紫外光領域の光を通す反射防止膜5と可視光領域の光を選択的に通す紫外線吸収膜13とが形成されている。
なお、本実施の形態においては、紫外線領域から赤外線領域に渡って良好な分光感度を有する第1フォトダイオード3および第2フォトダイオード4を作製するため、汎用のシリコン基板2を用いたが、良好な分光感度を得たい波長領域に合わせて、適宜、シリコン以外の半導体基板を用いることもできる。
また、本実施の形態においては、第1フォトダイオード3および第2フォトダイオード4の受光面側の上部に複数の配線11を配置・形成し、これらの配線11の周囲を埋める層間絶縁膜9と、層間絶縁膜9に形成された穿孔(開口部)に設けられた紫外線吸収膜13とを用いて、第1フォトダイオード3および第2フォトダイオード4に入射される光の波長を選択する構成であるため、紫外線吸収膜13を含む配線層8の他に別途、第1フォトダイオード3および第2フォトダイオード4に入射される光の波長を選択する層を設ける必要がないので、半導体チップ1の低背化を実現することができる。
なお、本発明は、複数の配線11が第1フォトダイオード3および第2フォトダイオード4の受光面側の上部に配置・形成される場合に限定されず、例えば、配線を第1フォトダイオード3および第2フォトダイオード4の受光面の反対側に配置し、配線層と第1フォトダイオード3および第2フォトダイオード4に入射される光の波長を選択する層とを別々に設ける場合にも、適用可能である。そして、このような場合においても、第1フォトダイオード3および第2フォトダイオード4に入射される光の波長を選択する層が、第1波長領域の光と上記第2波長領域の光とを通す光透過膜と、上記光透過膜の膜厚の少なくとも一部が除去された穿孔(開口部)に形成された上記第1波長領域の光を通し、上記第2波長領域の光を吸収する膜とで形成されているので、第1フォトダイオード3および第2フォトダイオード4に入射される光の波長を選択する層の薄膜化を実現することができることから、半導体チップとしての低背化を実現することができる。
(紫外線センサー)
以下、図2から図4に基づいて紫外線センサー17について説明する。
図2は、紫外線センサー17を受光面側から見た模式的上面図である。
図示されているように、紫外線センサー17は、図1に図示した半導体チップ1と周辺回路部16とを備えている。なお、図1に図示した半導体チップ1は、図2のA―B線の断面図である。
紫外線センサー17に備えられた半導体チップ1は4分割されており、4分割された領域中の対角に配置された2つの領域には、可視光領域および紫外光領域の光に感応する(感度を有する)第1センサー14が形成され、上記4分割された領域中の残りの2つの領域には、紫外線吸収膜13を備え、可視光領域の光に選択的に感応する第2センサー15が形成されている。
本実施の形態においては、第1センサー14と第2センサー15とを2つずつ対角配置した構成を用いているが、これに限定されることはなく、その数は必要に応じて適宜変えることができる。また、その配置も対角配置に限定されることはなく、例えば、1行目または1列目には、第1センサー14および第2センサー15の一方を配置し、2行目または2列目には、第1センサー14および第2センサー15の他方を配置してもよい。
第1センサー14と第2センサー15とで受光した光の受光量に応じて、光電変換により発生した光電流は、周辺回路部16へ出力される。本実施の形態においては、紫外線センサー17を縁どる周辺回路部16は、図1では図示しなかったが、シリコン基板2に形成している。なお、周辺回路部16はシリコン基板2に形成しなくてもよく、例えば、半導体チップ1とは別の基板に制作し、外付けで後から接続してもよい。
本実施の形態においては、周辺回路部16は、第1センサー14と第2センサー15からの光電流の差分を電気信号として出力し、紫外線センサー17の出力値を外部に出力するようになっているが、これに限定されることはなく、周辺回路部16は、第1センサー14と第2センサー15からの光電流をそれぞれ電気信号として外部に出力するのみでもよく、増幅やノイズの除去(フィルタリング)などをしてもよい。
図3は、紫外線センサー17に備えらえた第1センサー14および第2センサー15の波長毎の分光感度を示す図である。
図4は、紫外線センサー17の波長毎の分光感度を示す図である。
図3において、点線で示されている紫外線吸収膜有(a)の分光感度が第2センサー15の分光感度を示しており、実線で示されている紫外線吸収膜無(b)の分光感度が第1センサー14の分光感度を示している。図示されているように、可視光線領域および赤外線領域においては、第1センサー14および第2センサー15の分光感度(ある波長における光電流値)には殆ど差は見られないが、波長380nm未満の紫外線領域においては、第2センサー15に設けられた紫外線吸収膜13の影響により、第2センサー15の分光感度(ある波長における光電流値)は、第1センサー14の分光感度(ある波長における光電流値)より著しく低くなる。
図4において、実線は第1センサー14の分光感度(ある波長における光電流値)と第2センサー15の分光感度(ある波長における光電流値)との差分を示しており、紫外線センサー17の波長毎の分光感度を示す。そして、点線は、紫外線センサー17においての紫外線領域の光の入射有無を判断する閾値を示す。可視光線領域および赤外線領域においては、第1センサー14および第2センサー15の分光感度(ある波長における光電流値)には殆ど差がないので、その差分は常に上記閾値を下回るので、紫外線センサー17は、可視光線領域および赤外線領域の入射光には感応しない。一方、波長380nm未満の紫外線領域においては、第2センサー15に設けられた紫外線吸収膜13の影響により、第2センサー15の分光感度(ある波長における光電流値)は、第1センサー14の分光感度(ある波長における光電流値)より著しく低くなるので、その差分は上記閾値を上回るので、紫外線センサー17は、紫外線領域の入射光に感応するようになっている。
紫外線センサー17に備えられた第1センサー14および第2センサー15は、紫外線領域以外の波長領域での分光感度の差がほぼ一定であることが好ましく、その分光感度の差がほぼ一定であれば、その大小関係は問わない。
このような理由から、本実施の形態においては、第1センサー14に備えられた第1フォトダイオード3と、第2センサー15に備えられた第2フォトダイオード4とを、同一形成工程でその受光部のサイズが同じになるように形成しており、層間絶縁膜9および紫外線吸収膜13がない場合には、その分光特性や受光面積当たりの受光感度は同等である。
そして、可視光線領域および赤外線領域の光に対する透過率は、紫外線吸収膜13より層間絶縁膜9の方が少し高いので、図3に図示されているように、第1センサー14の分光感度が第2センサー15の分光感度より少し大きくなっている。このレベルの分光感度の差は、図4に図示する紫外線センサー17の閾値を下回るレベルであるため、問題にはならない。
もし、第1センサー14の分光感度と第2センサー15の分光感度との差分が図4に図示する紫外線センサー17の閾値を上回る場合には、閾値を適宜変えたり、第1センサー14と第2センサー15との受光部の面積を適宜変えたり、周辺回路部16を用いて第1センサー14および第2センサー15の何れか一方からの信号について適宜増幅などを行ってもよい。
(半導体チップの製造工程)
以下、図5から図7に基づいて、紫外線センサー17に備えられた半導体チップ1の製造工程について説明する。
図5は、シリコン基板2に受光素子としてフォトダイオード3・4や配線層8を形成する各工程を説明するための図である。
第1工程においては、図5(a)に図示されているように、P型のシリコン基板2に受光素子としてのフォトダイオード(第1フォトダイオード3、第2フォトダイオード4)を作製した。本実施の形態においては、受光素子としてフォトダイオードを用いた場合について説明しているが、これに限定されることはなく、受光素子としては、例えば、フォトトランジスタやフォトコンダクタなどの受光素子を用いてもよい。上記第1工程においては、先ず、P型のシリコン基板2にレジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクとし、イオン種31Pを、エネルギー数MeVおよびドーズ量1〜1012ion/cm2の条件で、上記レジストパターンが形成されてないシリコン基板2の全面にイオン注入を行い、Nウェル領域18を形成した。そして、STI(Shallow Trench Isolation)法で素子分離を行い、フィールド領域19を形成した。その後、P領域20とN領域21を形成した。P領域20は、第1フォトダイオード3および第2フォトダイオード4のアノードとなり、N領域21は、第1フォトダイオード3および第2フォトダイオード4のカソードとなる。
なお、周辺回路部16などをシリコン基板2上に形成する必要がある場合には、製造するデバイスに応じて、シリコン基板2上に、その他の素子を形成してもよい。
そして、第2工程においては、図5(b)に図示されているように、例えば、プラズマCVD法を用いて、シリコン基板2における第1フォトダイオード3および第2フォトダイオード4の受光面が形成される面側(フィールド領域19、P領域20およびN領域21が形成された面側)の全面に反射防止膜5を形成した。本実施の形態においては、反射防止膜5としては、例えば、二酸化珪素SiO2から成る酸化シリコン膜6と、例えば、四窒化三珪素Si3N4やSiNから成る窒化シリコン膜7とが順に積層された2層積層膜を用いているが、入射光の反射を防止できるとともに、可視光領域および紫外光領域の光を通すことができるのであれば、その材質やその各膜の膜厚や積層膜の積層数などは適宜決めればよい。なお、反射防止膜5は、第1フォトダイオード3および第2フォトダイオード4の光学性能の向上を図るためのものであるため、入射光の反射が問題にならない場合などには、反射防止膜5を設けなくてもよい。
次に、第3工程においては、図5(c)に図示されているように、反射防止膜5上に配線層8を形成した。
先ず、例えば、プラズマCVD法を用いて酸化シリコンを成膜し、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法で上記酸化シリコン膜を平坦化し、第1層間絶縁膜9aを形成した。そして、第1層間絶縁膜9a上に所定パターンのレジストパターンをフォトリソグラフィ工程で形成し、このレジストパターンをマスクとしてドライエッチングを行い、このレジストパターンが形成されてない領域に、第1層のプラグ10aを形成するためのコンタクトホール(接続開口)を形成した。その後、Ti/TiN/W層を全面に積層し、第1層間絶縁膜9aのコンタクトホールにのみ上記Ti/TiN/W層が残るまでCMP法で上記Ti/TiN/W層を平坦化し第1層のプラグ10aを形成した。それから、第1層間絶縁膜9aおよび第1層のプラグ10a上にTi/TiN/AlCu層を全面に積層し、上記Ti/TiN/AlCu層上に所定パターンのレジストパターンをフォトリソグラフィ工程で形成し、このレジストパターンをマスクとして上記Ti/TiN/AlCu層をエッチング(ウェットエッチングおよび/またはドライエッチング)することにより、第1層の配線11aを形成した。
その後、同様の工程を繰り返すことにより、第2層間絶縁膜9bと、第2層のプラグ10bと、第2層の配線11bと、第3層間絶縁膜9cと、第3層のプラグ10cと、第3層の配線11cと、第4層間絶縁膜9dと、を形成し、配線層8を形成した。
本実施の形態においては、配線11は、第1層の配線11aと、第2層の配線11bと、第3層の配線11cと、で構成され、層間絶縁膜9は、第1層間絶縁膜9aと、第2層間絶縁膜9bと、第3層間絶縁膜9cと、第4層間絶縁膜9dと、で構成されているが、これに限定されることはなく、配線や層間絶縁膜の層数は必要に応じて、適宜決めることができる。
なお、本実施の形態においては、可視光線領域および赤外線領域の光に対する透過率が良好な酸化シリコン膜であるSiO2膜を、層間絶縁膜9(第1層間絶縁膜9a、第2層間絶縁膜9b、第3層間絶縁膜9c、第4層間絶縁膜9d)として用いたが、可視光線領域および赤外線領域の光に対する透過率が良好であれば特にその材質は限定されない。
また、本実施の形態においては、プラグ10および配線11の材料として、Ti/TiN/W層およびTi/TiN/AlCu層を用いたが、これに限定されることはなく、所定の電気伝導性を有する材料であれば適宜用いることができる。なお、本実施の形態においては、上述したようにプラグ10と配線11とを別々の工程で形成するシングルダマシンプロセスを用いているが、これに限定されず、プラグ10と配線11とを同時に形成するデュアルダマシンプロセスを用いてもよい。
配線層8には、プラグ10と配線11とが含まれており、プラグ10と配線11とは、チタンTi、アルミニウムAl、銅Cuなどの金属およびその窒化物やその合金から構成されるため、紫外線領域から赤外線領域の光を通さない。一方、配線層8中に含まれるプラグ10と配線11の周囲を埋めるように形成された層間絶縁膜9は、絶縁材であるとともに、上述のようにSiO2膜で形成されているため、紫外線領域から赤外線領域の光を通す。
以上から、プラグ10と配線11とは、図中の領域Aおよび領域Bを避けて配置されている。回路の微細化に伴い、配線層8は多層化し、プラグ10と配線11とは高密度化している。この結果、設計の段階で配慮した領域Aおよび領域Bを除く配線層8は、紫外線領域から赤外線領域の光を通さない。よって、第1フォトダイオード3および第2フォトダイオード4の受光面の面積は、領域Aおよび領域Bの図中奥行方向の断面の面積である。そして、紫外線吸収膜13を領域Bに設ける場合には、領域Bに隣接する領域はプラグ10と配線11とによって紫外線領域から赤外線領域の光を通さないので、紫外線吸収膜13は領域Bにのみ形成すれば十分である。また、領域Aおよび領域Bの配線層8には、プラグ10と配線11とは配置されていないので、断線を恐れずに領域Aおよび領域Bの配線層8は除去できる。
次に、第4工程においては、図5(d)に図示されているように、配線層8の上面全体に保護膜として、パッシベーション膜12を形成するとともに、パッド部22を形成した。
先ず、配線層8の上面全体に窒化シリコン膜(例えば、SiNxやSi3N4)をプラズマCVD法で形成し、パッシベーション膜12を形成した。その後、所定パターンのレジストパターンをフォトリソグラフィ工程で形成し、このレジストパターンをマスクとして、パッシベーション膜12の一部除去を行った。領域A、領域Bおよびパッド部22上には、上記レジストパターンが形成されないため、領域A、領域Bおよびパッド部22上のパッシベーション膜12が除去される。
なお、本実施の形態においては、領域A、領域Bおよびパッド部22上のパッシベーション膜12は以下に示す理由から除去している。第1フォトダイオード3および第2フォトダイオード4への入射光の経路上(領域Aおよび領域B)にパッシベーション膜12が残存すると、反射および吸収により入射光が減衰するので、領域A上および領域B上からパッシベーション膜12を完全に除去した。なお、領域A上および領域B上のパッシベーション膜12の除去は、第1フォトダイオード3および第2フォトダイオード4の光学性能の向上を図るものであるため、第1フォトダイオード3および第2フォトダイオード4の光学性能に問題にならない場合などには、パッシベーション膜12は残存させてもよい。一方、パッド部22上のパッシベーション膜12は、下層である配線との接続をとるため除去される必要がある。
なお、本実施の形態においては、パッシベーション膜12として、窒化シリコン膜を用いているが、これに限定されることはなく、外部からの水分や埃などを遮断できるのであれば、例えば、酸化シリコン膜などで形成してもよい。
図6は、図5に図示した半導体チップ1の製造工程の後工程である配線層8に、紫外線吸収膜13を埋設する開口(穿孔)を形成する工程を説明するための図である。
第5工程においては、図6(a)に図示されているように、配線層8およびパッシベーション膜12上の全面に、開口部23aを有する穿孔のレジストパターン(所定パターンのレジストパターン)23をフォトリソグラフィ工程で形成した。開口部23aは、領域Bと平面視において重なるように形成されている。
なお、本実施の形態においては、レジスト膜をスピン塗布により形成し、所定のガラスマスクで露光、現像をして、開口部23aを有する穿孔のレジストパターン23を形成したが、これに限定されることはない。
第6工程においては、図6(b)に図示されているように、開口部23aを有する穿孔のレジストパターン23をマスクとし、配線層8中の領域Bの層間絶縁膜9をドライエッチングし、穿孔のドライエッチング部分24aを形成した。なお、配線層8中の領域Bの層間絶縁膜9は、ドライエッチングによりほとんど除去される。
第7工程においては、図6(c)に図示されているように、開口部23aを有する穿孔のレジストパターン23をマスクとし、配線層8中の領域Bの層間絶縁膜9において、上記ドライエッチング後に残った膜をウェットエッチングし、穿孔のウェットエッチング部分24bを形成した。上記ウェットエッチング工程においては、反射防止膜5の窒化シリコン膜7上でウェットエッチングを止めることにより、上記ドライエッチング後に残った膜を完全に除去した。
上述したように、第6〜7工程で、配線層8中の領域Bの層間絶縁膜9を完全に除去するのは、層間絶縁膜9と反射防止膜5との境界面、層間絶縁膜9と後述する第9〜11工程で形成する紫外線吸収膜13との境界面での屈折率差による反射を抑えるためである。層間絶縁膜9を完全に除去することで、層間絶縁膜9と反射防止膜5との境界面および層間絶縁膜9と紫外線吸収膜13との境界面の2つの境界面が、反射防止膜5と紫外線吸収膜13との1つの境界面になり、境界面の数を減らすことで、境界反射を減らす効果が得られる。
本実施の形態においては、上述したように、配線層8中の領域Bの層間絶縁膜9をドライウェッチング工程とウェットエッチング工程との2段階工程で除去しているが、これは、反射防止膜5を反射防止膜として機能させるために、窒化シリコン膜7の膜減り量を1nm以下に抑える必要があるからである。一般的に、ドライエッチング工程においては、SiO2膜(層間絶縁膜9)/Si3N4やSiN膜(窒化シリコン膜7)のエッチングレート比は10程度であるため、ドライエッチング工程のみで配線層8中の領域Bの層間絶縁膜9全体を除去しようと試みた場合には、反射防止膜5を反射防止膜として機能させるために削り過ぎないことと、配線層8中の領域Bの層間絶縁膜9を完全に除去するために十分に除去することとを、両立するのは困難である。そこで、本実施の形態においては、ドライエッチング工程とウェットエッチング工程とを併用し、2段階工程でエッチングすることで、反射防止膜5を反射防止膜として機能させるために削り過ぎないことと、配線層8中の領域Bの層間絶縁膜9を完全に除去するために十分に除去することとを、両立させている。
なお、2段階工程でエッチングすることは、配線層8中の領域Bの層間絶縁膜9を完全に除去するためと反射防止膜5を反射防止膜として機能させるためであるため、必須ではない。例えば、配線層8中の領域Bの層間絶縁膜9の一部を残す構成、反射防止膜5を設けない構成、層間絶縁膜9と反射防止膜5との境界面および層間絶縁膜9と紫外線吸収膜13との境界面での反射が問題にならない構成では、1段階工程のエッチングで十分である。
本実施の形態においては、配線層8の膜厚、すなわち、配線層8中の領域Bの層間絶縁膜9の膜厚は約4.0μmであり、ドライエッチング工程で約3.9μmを除去し、弗酸によるウェットエッチング工程で残りの約0.1μmを溶かして窒化シリコン膜7を露出させる。一般に、弗酸は窒化シリコン膜7をエッチングしないので、窒化シリコン膜7上でエッチングが止まり、反射防止膜5が損なわれることなく、配線層8中の領域Bの層間絶縁膜9を完全に除去することができる。
一般に、配線層8ではプラグ10と配線11が錯綜しているために、プラグ10と配線11を損なわずに、配線層8を除去することは難しいが、本実施の形態においては、第2フォトダイオード4への光の入射を妨げないように、プラグ10と配線11とは領域Bを避けて配置されているので、配線層8中の領域Bの層間絶縁膜9を除去してもプラグ10と配線11を損なう恐れがない。
最後に、図示してないが、第8工程においては、穿孔のレジストパターン23を除去し、次のフィルタ形成工程(紫外線吸収膜13の形成工程)に移る。
なお、本実施の形態においては、配線層8中の領域Bの層間絶縁膜9を完全に除去する場合について説明したが、これに限定されることはなく、配線層8中の領域Bの層間絶縁膜9は、配線層8中の領域Bの層間絶縁膜9を除去して形成した穿孔(開口部)に紫外線吸収膜を形成できるように、その膜厚の少なくとも一部が除去されればよい。
図7は、図6に図示した半導体チップ1の製造工程の後工程である配線層8に形成された開口(穿孔)にフィルタ(紫外線吸収膜13)を形成する工程を説明するための図である。
第9工程においては、図7(a)に図示されているように、配線層8中の領域Bの層間絶縁膜9を除去して形成した穿孔(開口部)24に紫外線を遮断する液体状の紫外線吸収剤を含有するメタクリル樹脂25を詰めて、紫外線吸収膜13を形成した。なお、本実施の形態においては、穿孔24が数μmの深さであり、一般的なスピン塗布方式ではストリエーションと呼ばれる塗布むらや穿孔24に空隙が残る欠陥が発生する恐れがあるため、液体状の紫外線吸収剤を含有するメタクリル樹脂25を、インクジェット方式を用いて、穿孔(開口部)24中に詰めて行った。唯、上述した塗布むらや空隙が残る欠陥の問題が解消されれば、一般的なスピン塗布方式を採用することもできる。上述した塗布むらや空隙が残る欠陥の問題を解消するためには、例えば、メタクリル樹脂25の粘度、スピン塗布の溶媒材料およびスピン塗布シーケンスの最適化などが考えられる。
なお、本実施の形態においては、メタクリル樹脂25に混ぜる紫外線吸収剤として、メトキシケイヒ酸オクチルを用いているが、これに限定されることはない、またメタクリル樹脂25は熱硬化性樹脂である。
第10工程においては、図7(b)に図示されているように、第1の型26を用いインプリント方式で、メタクリル樹脂25に圧力をかけながら加熱して圧縮成型を行った。なお、第1の型26は、表面加工精度が高く熱伝導率が高い材料であることが要求されるが、成型する大きさや材料などに応じて適宜選択すればよく、本実施の形態においては、第1の型26は、母材としてシリコンを用いており、ニッケル電解めっきを行っているものを用いた。
そして、第11工程においては、図7(c)に図示されているように、複数の開口部を有する第1の型26を用いて、ステップ・アンド・リピート方式で、シリコン基板2の第2フォトダイオード4の受光面上に、膜厚が5μmの紫外線吸収膜13を形成し、紫外線吸収膜13が配線層8中に埋め込まれた半導体チップ1を完成させた。
また、本実施の形態においては、紫外線吸収膜13は穿孔24に形成され、第2センサー15に部分的に形成される。センサーの全面に光学フィルタを形成する従来技術に比べて、第2センサー15に部分的に紫外線吸収膜13を形成するので、紫外線吸収膜13の材料である紫外線吸収剤を含有するメタクリル樹脂25が節約でき、製造費用の低減を図れる。
なお、本実施の形態においては、図3に図示されているように、紫外線吸収剤を配合したメタクリル樹脂25で形成した紫外線吸収膜13を備えた第2センサー15の380nm未満の波長領域における分光感度が0.02A/W以下となるように、紫外線吸収膜13の膜厚を約5μmで形成したが、これに限定されることはなく、紫外線吸収膜13の膜厚は、紫外線吸収膜13を備えた第2センサー15の紫外線領域における分光感度をどのように設定するかによって、適宜変えることができる。また、紫外線吸収膜13の膜厚は、メタクリル樹脂に混合する紫外線吸収剤の量や種類によっても変わり得るので、メタクリル樹脂に混合する紫外線吸収剤の量や種類を考慮して、最適化することが好ましい。
なお、本実施の形態においては、紫外線吸収膜13を液体状の紫外線吸収剤を含有するメタクリル樹脂(紫外線吸収剤含メタクリル樹脂)25を用いて形成したが、次の3つの性能を満たすのであれば、紫外線吸収膜13を形成する素材は特に限定されない。
第1に、紫外線吸収膜を備えたセンサーにおいては、波長380nm未満の紫外線領域の分光感度が低く、波長380nm以上の可視光線領域の分光感度が高いことが要求される。そして、第2に、センサー使用環境での紫外線に対する耐候性(機械的強度、光学特性の変化、耐薬品性等)が要求される。それから、第3に、数μmの深さの穿孔(開口部)24に形成する必要があるため、埋め込み性、加工の容易さが要求される。このような3つの性能を満足する材料としては、例えば、太陽電池・各種ディスプレイの保護膜として使用されるメタクリル樹脂に紫外線吸収材を添加した材料や後述するPEN(ポリエチレンナフタレート)などが挙げられるが、これに限定されることはない。
本実施の形態において用いているメタクリル樹脂は、メタクリル樹脂単独では、波長300nm以上の紫外線領域の光の一部と可視光線領域の光とを透過させるので、紫外線吸収膜13に要求される波長380nm未満の紫外線領域の光を遮断できない。そこで、本実施の形態のように、メタクリル樹脂に紫外線吸収剤を配合することにより、波長380nm未満の紫外光の透過率を1%以下に抑えつつ、波長380nm以上の可視光の透過率を90%以上に保つことが可能となる。また、有機樹脂系の場合、耐候性が懸念されるが、メタクリル樹脂の場合には3年間屋外に放置しても光の透過率の減少は2%程度とかなり少ない。さらに、メタクリル樹脂は、希薄酸、アルカリ、無機塩類、脂肪族炭化水素および油脂などには侵されず、耐薬品性も十分に有する。また、メタクリル樹脂は、熱硬化樹脂であり、圧力をかけながら加熱し圧縮成型を行い、容易に所望の形状に形成できる。以上のように、本実施の形態において、用いている紫外線吸収剤を配合したメタクリル樹脂は、紫外線吸収膜13を形成する素材として十分な性能を備えている。
〔実施の形態2〕
次に、図8に基づいて、本発明の実施の形態2について説明する。本実施の形態においては、半導体チップ31の製造工程において、凸凹形状の第2の型27を用いて、光が入射する表面側が凸凹面の紫外線吸収膜29を形成している点において実施の形態1とは異なり、その他については実施の形態1において説明したとおりである。説明の便宜上、実施の形態1の図面に示した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
図8は、半導体チップ31の製造工程の一部を説明するための図である。
図8(a)に図示した工程は、実施の形態1で説明した図7(a)に図示した工程と同じであるため、ここではその説明を省略する。
図8(b)に図示した工程においては、凸凹形状の第2の型27を用いインプリント方式で、紫外線吸収剤含メタクリル樹脂25に圧力をかけながら加熱して圧縮成型を行った。
そして、図8(c)に図示した工程においては、複数の凸凹形状部を有する第2の型27を用いて、ステップ・アンド・リピート方式で、シリコン基板2の第2フォトダイオード4の受光面上に、膜厚が約5μmの凸凹面の紫外線吸収膜29を形成し、紫外線吸収膜29が配線層8中に埋め込まれた半導体チップ31を完成させた。光が入射される表面の形状が凸凹形状である紫外線吸収膜29を形成することにより、この凸凹形状によって入射光の反射を抑え、第2フォトダイオード4を備えた第2センサー33の感度を向上させることができる。
なお、第2の型27は、母材としてシリコンを用い、ニッケル電解メッキで形成し、単結晶ダイヤモンドをプローブとする切削加工機で凸凹形状を形成した。
第2の型27の凸凹形状は、本実施の形態においては、錐体をマトリックス状に並べたものを採用したが、柱体でもよい。さらに、三角形状、四角形状、円弧状などの断面の溝を縞状、格子状、籠目状などに切ってもよい。第2の型27の凸凹形状は、上記形状に限らず、反射を防止することができるのであれば、その高さやピッチなどは特に限定されない。
〔実施の形態3〕
次に、図9に基づいて、本発明の実施の形態3について説明する。本実施の形態においては、半導体チップ32の製造工程において、半球面形状の第3の型28を用いて、光が入射する表面側が半球面の紫外線吸収膜30を形成している点において実施の形態1および2とは異なり、その他については実施の形態1および2において説明したとおりである。説明の便宜上、実施の形態1および2の図面に示した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
図9は、半導体チップ32の製造工程の一部を説明するための図である。
図9(a)に図示した工程は、実施の形態1で説明した図7(a)に図示した工程と同じであるため、ここではその説明を省略する。
図9(b)に図示した工程においては、半球面形状の第3の型28を用いインプリント方式で、紫外線吸収剤含メタクリル樹脂25に圧力をかけながら加熱して圧縮成型を行った。
そして、図9(c)に図示した工程においては、複数の半球面形状部を有する第3の型28を用いて、ステップ・アンド・リピート方式で、シリコン基板2の第2フォトダイオード4の受光面上に、膜厚が約5μmの光が入射する表面側が半球面の紫外線吸収膜30を形成し、紫外線吸収膜30が配線層8中に埋め込まれた半導体チップ32を完成させた。光が入射される表面の形状が半球面である紫外線吸収膜30を形成することにより、この半球面の形状はレンズとして働き、入射光の集光率を高め、第2フォトダイオード4を備えた第2センサー34の感度を向上させることができる。
なお、第3の型28は、母材としてシリコンを用い、ニッケル電解メッキで形成し、単結晶ダイヤモンドをプローブとする切削加工機で半球面の形状に形成した。
第3の型28の半球面の形状は、レンズとして集光するためのものであるから、非球面であってもよく、1つの半球面ではなく、複数の半球面を並べたものであってもよい。
〔実施の形態4〕
次に、図10に基づいて、本発明の実施の形態4について説明する。本実施の形態においては、半導体チップ39の製造工程において、PEN(ポリエチレンナフタレート)を用いて紫外線吸収膜38を形成している点において実施の形態1とは異なり、その他については実施の形態1において説明したとおりである。説明の便宜上、実施の形態1の図面に示した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
図10は、半導体チップ39の製造工程の一部を説明するための図である。
図10(a)に図示した工程は、実施の形態1で説明した図7(a)に図示した工程とほぼ同一であるが、紫外線吸収膜を形成するために用いている材料がPEN(ポリエチレンナフタレート)からなるPENペレット35である点が異なる。図示されているように、穿孔(開口部)24には、PENからなる数μm程度のPENペレット35を充填した。そして、PENは熱可塑性樹脂であるので、シリコン基板2をホットプレート36の上に置き、ホットプレート36の温度を上げ、シリコン基板2を温めることにより、PENペレット35を軟化状態にした。なお、本実施の形態においては、ホットプレート36の温度を200℃〜250℃に設定したが、PENペレット35を軟化状態にできる温度であれば特に限定されない。
図10(b)に図示した工程においては、シリコン基板2をクーリングプレート37の上に置き、シリコン基板2の温度を下げながら第1の型26を用いインプリント方式で、PENペレット35に圧力をかけて圧縮成型を行った。なお、本実施の形態においては、クーリングプレート37の温度を25℃に設定したが、これに限定されることはない。また、クーリングプレート37を用いずに、室温を用いてシリコン基板2をクーリングしてもよい。
そして、図10(c)に図示した工程においては、複数の開口部を有する第1の型26を用いて、ステップ・アンド・リピート方式で、シリコン基板2の第2フォトダイオード4の受光面上に、膜厚が7μmの紫外線吸収膜38を形成し、紫外線吸収膜38が配線層8中に埋め込まれた半導体チップ39を完成させた。
なお、本実施の形態においても、PENからなる紫外線吸収膜38を備えた第2センサー40の380nm未満の波長領域における分光感度が0.02A/W以下となるように、紫外線吸収膜38の膜厚を約7mで形成したが、これに限定されることはなく、紫外線吸収膜38の膜厚は、紫外線吸収膜38を備えた第2センサー40の紫外線領域における分光感度をどのように設定するかによって、適宜変えることができる。
なお、本実施の形態において用いているPEN(ポリエチレンナフタレート)は、PEN単独で、波長380nm未満の紫外線の透過率を1%以下に抑えつつ、波長380nm以上の可視光線の透過率を90%以上に保つことが可能である。また、一般的に、保護膜として使用されていることから分かるように機械的強度や光学特性が優れている。強酸や強アルカリには弱いがその他の薬品には耐性があり、一般生活環境下では十分な耐薬品性がある。また、PENは熱可塑性樹脂であり、ガラス転移温度もしくは融点まで加熱して軟化し、冷却して固化し、容易に所望の形状に形成できる。以上のように、PENは、紫外線吸収膜を形成する素材として十分な性能を備えている。
なお、上述した実施の形態2および3においては、熱硬化性樹脂である紫外線吸収剤含メタクリル樹脂25を用いて紫外線吸収膜を形成する場合について説明したが、上述した実施の形態2および3の場合においても、本実施の形態のように、熱可塑性樹脂であるPEN(ポリエチレンナフタレート)を用いて紫外線吸収膜を形成することもできるのは勿論である。
また、上述した実施の形態1〜4においては、紫外線吸収剤含メタクリル樹脂25およびPEN(ポリエチレンナフタレート)の何れかを用いて紫外線吸収膜を形成する場合について説明したが、これに限定されることはなく、紫外線吸収膜の形成工程を2つに分け、例えば、紫外線吸収剤含メタクリル樹脂25からなる紫外線吸収膜を下層に形成し、PEN(ポリエチレンナフタレート)からなる紫外線吸収膜を上層に形成するなどしてもよい。
なお、上述した各実施の形態においては、第1フォトダイオード3と第2フォトダイオード4との上、すなわち、第1フォトダイオード3および第2フォトダイオード4の受光面側に複数の配線11が形成され、これらの配線11の周囲を層間絶縁膜9が埋めている場合を一例として挙げているが、本発明はこれに限定されることはなく、第1フォトダイオード3および第2フォトダイオード4の受光面側に配線11が形成されず、層間絶縁膜9の代わりに光透過膜が形成されていてもよいのは勿論である。また、上述した各実施の形態においては、紫外線センサーを例に挙げて説明しているが、本発明は、紫外線センサー以外にも好適に用いることができるのは勿論である。
〔まとめ〕
本発明の態様1における半導体チップは、第1波長領域の光の受光量および上記第1波長領域とはその波長領域が異なる第2波長領域の光の受光量に応じた電流量が生じる第1受光素子と第2受光素子とを備えた半導体チップであって、上記第1受光素子と上記第2受光素子とは、同一半導体基板の同一層に設けられており、上記第1受光素子の受光面上には、上記第1波長領域の光と上記第2波長領域の光とを通す光透過膜が形成されており、上記第2受光素子の受光面上には、上記光透過膜の膜厚の少なくとも一部が除去された開口部が形成されており、上記開口部には、上記第1波長領域の光を通すが上記第2波長領域の光を吸収する膜が設けられていることを特徴としている。
上記構成によれば、従来のように、一つの受光素子に対して、その半導体材料の変更あるいは何らかを材料の添加を行うことで、受光素子の物性そのものを変えて、分光感度特性を得る方式ではなく、同一半導体基板の同一層に設けられた第1受光素子と第2受光素子とを用いるとともに、第1受光素子の受光面上には、第1波長領域の光と第2波長領域の光とを通す光透過膜が形成され、第2受光素子の受光面上には、上記第1波長領域の光を通すが上記第2波長領域の光を吸収する膜が設けられている構成であるため、受光素子の受光感度を維持することができる。
また、上記構成によれば、上記第2受光素子の受光面上には、上記光透過膜の膜厚の少なくとも一部が除去された開口部が形成されており、上記開口部には、上記第1波長領域の光を通すが上記第2波長領域の光を吸収する膜が設けられている構成であるため、生産性が高く、安価に、低背化を実現できる。
本発明の態様2における半導体チップにおいては、上記第1波長領域の光は可視光であり、上記第2波長領域の光は紫外光であってもよい。
上記構成によれば、生産性が高く、安価に、低背化された紫外線センサーを作製することができる。
本発明の態様3における半導体チップは、複数の配線を備えており、上記光透過膜は絶縁膜であり、上記複数の配線は、上記絶縁膜中に、上記第1受光素子の受光面と上記第2受光素子の受光面とは平面視において重ならないように、形成されていることが好ましい。
上記構成によれば、絶縁膜中に形成された開口部に、上記第1波長領域の光を通すが上記第2波長領域の光を吸収する膜を設けることができるので、より生産性が高く、安価に、低背化を実現できる。
本発明の態様4における半導体チップにおいては、上記同一半導体基板はシリコン基板であり、上記第1受光素子と上記第2受光素子とは、上記シリコン基板のシリコン層を用いて形成されたフォトダイオードまたはフォトトランジスタであることが好ましい。
上記構成によれば、汎用のシリコン基板のシリコン層を用いて形成されたフォトダイオードまたはフォトトランジスタを用いることで、生産性が高く、安価に、低背化を実現できる。
本発明の態様5における半導体チップにおいては、上記第2波長領域の光を吸収する膜は、波長380nm未満の紫外光の透過率が1%以下であるとともに、波長380nm以上の可視光の透過率は90%以上であることが好ましい。
上記構成によれば、入射する光の波長領域毎の選択性が高い膜を備えた半導体チップを実現できる。
本発明の態様6における半導体チップにおいては、上記第2波長領域の光を吸収する膜は、熱硬化性樹脂および/または熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。
上記構成によれば、上記開口部に上記第2波長領域の光を吸収する膜を比較的容易に形成することができる。
本発明の態様7における半導体チップにおいては、上記第2波長領域の光を吸収する膜は、ポリエチレンナフタレートを含むことが好ましい。
上記構成によれば、生産性が高く、耐久性を有するとともに、入射する光の波長領域毎の選択性が高い膜を備えた半導体チップを実現できる。
本発明の態様8における半導体チップにおいては、上記第2波長領域の光を吸収する膜は、メタクリル樹脂と紫外光吸収材とを含むことが好ましい。
上記構成によれば、生産性が高く、耐久性を有するとともに、入射する光の波長領域毎の選択性が高い膜を備えた半導体チップを実現できる。
本発明の態様9における半導体チップにおいては、上記第2波長領域の光を吸収する膜における上記第1波長領域の光および上記第2波長領域の光の入射側の表面は、凹凸形状に形成されていることが好ましい。
上記構成によれば、上記凸凹形状は、光の反射を抑え、上記第2波長領域の光を吸収する膜を通じて第2受光素子に入る第2波長領域の光を増やすことのできる半導体チップを実現できる。
本発明の態様10における半導体チップにおいては、上記第2波長領域の光を吸収する膜における上記第1波長領域の光および上記第2波長領域の光の入射側の表面は、半球面形状に形成されていることが好ましい。
上記構成によれば、上記半球面形状は、レンズとして働き、光を集め、上記第2波長領域の光を吸収する膜を通じて第2受光素子に入る第2波長領域の光を増やすことのできる半導体チップを実現できる。
本発明の態様11におけるセンサー装置は、上記半導体チップと、上記第1受光素子および上記第2受光素子からの各々の出力値の差分から、上記第2波長領域の光の受光量を検出する回路部と、を備えていることを特徴としている。
上記構成によれば、上記センサー装置には、上記半導体チップが備えられているため、受光素子の受光感度を維持するとともに、生産性が高く、安価に、低背化を実現できる。
本発明の態様12における半導体チップの製造方法は、第1波長領域の光の受光量および上記第1波長領域とはその波長領域が異なる第2波長領域の光の受光量に応じた電流量が生じる第1受光素子と第2受光素子とを備えた半導体チップの製造方法であって、上記第1受光素子と上記第2受光素子とを同一半導体基板の同一層に設ける第1工程と、上記第1受光素子および上記第2受光素子の受光面上に、上記第1波長領域の光と上記第2波長領域の光とを通す光透過膜を形成する第2工程と、エッチングにより、上記第2受光素子の受光面上に、上記光透過膜の膜厚の少なくとも一部が除去された開口部を形成する第3工程と、上記開口部に、上記第1波長領域の光を通すが上記第2波長領域の光を吸収する膜を形成する第4工程と、を含むことを特徴としている。
上記方法によれば、従来のように、一つの受光素子に対して、その半導体材料の変更あるいは何らかを材料の添加を行うことで、受光素子の物性そのものを変えて、分光感度特性を得る方式ではなく、同一半導体基板の同一層に第1受光素子と第2受光素子とを設けるとともに、第1受光素子の受光面上には、第1波長領域の光と第2波長領域の光とを通す光透過膜を形成し、第2受光素子の受光面上には、上記第1波長領域の光を通すが上記第2波長領域の光を吸収する膜を形成する方法であるため、受光素子の受光感度を維持することができる。
また、上記方法によれば、上記第2受光素子の受光面上には、上記光透過膜の膜厚の少なくとも一部が除去された開口部を形成し、上記開口部には、上記第1波長領域の光を通すが上記第2波長領域の光を吸収する膜を設ける方法であるため、生産性が高く、安価に、低背化を実現できる。
本発明の態様13における半導体チップの製造方法においては、複数の配線を備えており、上記光透過膜は絶縁膜であり、上記第2工程においては、上記絶縁膜を上記複数の配線の周囲を埋めるように形成するとともに、上記複数の配線は、上記第1受光素子の受光面と上記第2受光素子の受光面とは平面視において重ならないように形成することが好ましい。
上記方法によれば、絶縁膜中に形成された開口部に、上記第1波長領域の光を通すが上記第2波長領域の光を吸収する膜を設けることができるので、より生産性が高く、安価に、低背化を実現できる。
本発明の態様14における半導体チップの製造方法においては、上記第1工程と上記第2工程との間には、上記第1受光素子および上記第2受光素子の受光面上に、上記第1波長領域の光と上記第2波長領域の光とを通す反射防止膜を形成する工程が含まれていることが好ましい。
上記方法によれば、上記反射防止膜により、第1受光素子および第2受光素子に入射する光の反射を抑え、第1受光素子および第2受光素子に実際に入射する光の量を増すことができる。
本発明の態様15における半導体チップの製造方法は、上記第3工程においては、ドライエッチエッチング工程とウェットエッチング工程とにより、上記開口部が形成されることが好ましい。
上記方法によれば、光透過膜以外の膜を損なうことなく、光透過膜を完全に除去することができる。
本発明の態様16における半導体チップの製造方法は、上記第4工程においては、上記開口部に、液体の熱硬化樹脂または、液体の熱可塑性樹脂を入れ、硬化させることにより、上記第2波長領域の光を吸収する膜を形成することが好ましい。
上記方法によれば、上記開口部に上記第2波長領域の光を吸収する膜を比較的容易に形成することができる。
本発明の態様17における半導体チップの製造方法は、上記第4工程においては、上記開口部に、固体の熱可塑性樹脂を入れ、加熱および冷却することにより、上記第2波長領域の光を吸収する膜を形成することが好ましい。
上記方法によれば、上記開口部に上記第2波長領域の光を吸収する膜を比較的容易に形成することができる。
本発明の態様18における半導体チップの製造方法においては、上記第4工程には、上記液体の熱硬化樹脂または、上記液体の熱可塑性樹脂を硬化させながら、型を用いて、上記第2波長領域の光を吸収する膜における上記第1波長領域の光および上記第2波長領域の光の入射側の表面に、凹凸形状または半球面形状を形成する工程が含まれていることが好ましい。
上記方法によれば、上記第2波長領域の光を吸収する膜における上記第1波長領域の光および上記第2波長領域の光の入射側の表面に、上記凸凹形状を形成できるので、光の反射を抑え、上記第2波長領域の光を吸収する膜を通じて第2受光素子に入る第2波長領域の光を増やすことができる。
また、上記方法によれば、上記第2波長領域の光を吸収する膜における上記第1波長領域の光および上記第2波長領域の光の入射側の表面に、上記半球面形状を形成でき、上記半球面形状は、レンズとして働き、光を集め、上記第2波長領域の光を吸収する膜を通じて第2受光素子に入る第2波長領域の光を増やすことができる。
本発明の態様19における半導体チップの製造方法においては、上記第4工程には、上記固体の熱可塑性樹脂を冷却しながら、型を用いて、上記第2波長領域の光を吸収する膜における上記第1波長領域の光および上記第2波長領域の光の入射側の表面に、凹凸形状または半球面形状を形成する工程が含まれていることが好ましい。
上記方法によれば、上記第2波長領域の光を吸収する膜における上記第1波長領域の光および上記第2波長領域の光の入射側の表面に、上記凸凹形状を形成できるので、光の反射を抑え、上記第2波長領域の光を吸収する膜を通じて第2受光素子に入る第2波長領域の光を増やすことができる。
また、上記方法によれば、上記第2波長領域の光を吸収する膜における上記第1波長領域の光および上記第2波長領域の光の入射側の表面に、上記半球面形状を形成でき、上記半球面形状は、レンズとして働き、光を集め、上記第2波長領域の光を吸収する膜を通じて第2受光素子に入る第2波長領域の光を増やすことができる。
尚、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、例えば、紫外線センサーなどの各種センサー装置に好適に用いることができる。
1 半導体チップ(半導体チップ)
2 シリコン基板(半導体基板)
3 第1フォトダイオード(第1受光素子)
4 第2フォトダイオード(第2受光素子)
5 反射防止膜(反射防止膜)
6 酸化シリコン膜
7 窒化シリコン膜
8 配線層
9 層間絶縁膜(光透過膜)
9a 第1層間絶縁膜(光透過膜)
9b 第2層間絶縁膜(光透過膜)
9c 第3層間絶縁膜(光透過膜)
9d 第4層間絶縁膜(光透過膜)
10 プラグ(配線)
10a 第1層のプラグ(配線)
10b 第2層のプラグ(配線)
10c 第3層のプラグ(配線)
11 配線(配線)
11a 第1層の配線(配線)
11b 第2層の配線(配線)
11c 第3層の配線(配線)
12 パッシベーション膜
13 紫外線吸収膜(第2波長領域の光を吸収する膜)
14 第1センサー
15 第2センサー
16 周辺回路部(回路部)
17 紫外線センサー(センサー装置)
18 Nウェル領域
19 フィールド領域
20 P領域
21 N領域
22 パッド部
23 穿孔のレジストパターン
24 穿孔(光透過膜の開口部)
25 紫外線吸収剤含メタクリル樹脂(熱硬化樹脂)
26 第1の型
27 第2の型
28 第3の型
29 紫外線吸収膜(第2波長領域の光を吸収する膜)
30 紫外線吸収膜(第2波長領域の光を吸収する膜)
31 半導体チップ
32 半導体チップ
33 第2センサー
34 第2センサー
35 PENからなるペレット(熱可塑性樹脂)
36 ホットプレート
37 クーリングプレート
38 紫外線吸収膜(第2波長領域の光を吸収する膜)
39 半導体チップ
40 第2センサー
領域A 第1フォトダイオードに入る光が通る経路
領域B 第2フォトダイオードに入る光が通る経路

Claims (8)

  1. 第1波長領域の光の受光量および上記第1波長領域とはその波長領域が異なる第2波長領域の光の受光量に応じた電流量が生じる第1受光素子と第2受光素子とを備えた半導体チップであって、
    上記第1受光素子と上記第2受光素子とは、同一半導体基板の同一層に設けられており、
    上記第1受光素子の受光面上には、上記第1波長領域の光と上記第2波長領域の光とを通す光透過膜が形成されており、
    上記第2受光素子の受光面上には、上記光透過膜の膜厚の少なくとも一部が除去された開口部が形成されており、
    上記開口部には、上記第1波長領域の光を通すが上記第2波長領域の光を吸収する膜が設けられていることを特徴とする半導体チップ。
  2. 上記第1波長領域の光は可視光であり、上記第2波長領域の光は紫外光であることを特徴とする請求項1に記載の半導体チップ。
  3. 上記第2波長領域の光を吸収する膜は、波長380nm未満の紫外光の透過率が1%以下であるとともに、波長380nm以上の可視光の透過率は90%以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体チップ。
  4. 上記第2波長領域の光を吸収する膜は、熱硬化性樹脂および/または熱可塑性樹脂を含むことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の半導体チップ。
  5. 請求項1から4の何れか1項に記載の半導体チップと、
    上記第1受光素子および上記第2受光素子からの各々の出力値の差分から、上記第2波長領域の光の受光量を検出する回路部と、を備えていることを特徴とするセンサー装置。
  6. 第1波長領域の光の受光量および上記第1波長領域とはその波長領域が異なる第2波長領域の光の受光量に応じた電流量が生じる第1受光素子と第2受光素子とを備えた半導体チップの製造方法であって、
    上記第1受光素子と上記第2受光素子とを同一半導体基板の同一層に設ける第1工程と、
    上記第1受光素子および上記第2受光素子の受光面上に、上記第1波長領域の光と上記第2波長領域の光とを通す光透過膜を形成する第2工程と、
    エッチングにより、上記第2受光素子の受光面上に、上記光透過膜の膜厚の少なくとも一部が除去された開口部を形成する第3工程と、
    上記開口部に、上記第1波長領域の光を通すが上記第2波長領域の光を吸収する膜を形成する第4工程と、を含むことを特徴とする半導体チップの製造方法。
  7. 上記第4工程においては、上記開口部に、液体の熱硬化樹脂または、液体の熱可塑性樹脂を入れ、硬化させることにより、上記第2波長領域の光を吸収する膜を形成することを特徴とする請求項6に記載の半導体チップの製造方法。
  8. 上記第4工程においては、上記開口部に、固体の熱可塑性樹脂を入れ、加熱および冷却することにより、上記第2波長領域の光を吸収する膜を形成することを特徴とする請求項6に記載の半導体チップの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018163968A (ja) * 2017-03-24 2018-10-18 エイブリック株式会社 紫外線受光素子を有する半導体装置およびその製造方法

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