JP2016106869A - Foot pedal type wheelchair with electrical assist - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は,足漕ぎ式車椅子に関する。本発明の足漕ぎ式車椅子は,電動アシスト機能を有している。具体的に説明すると,本発明の足漕ぎ式車椅子は,電動モータによる駆動力を利用して,利用者の踏力による車椅子の走行を補助するものである。本発明の足漕ぎ式車椅子は,街頭などでの移動用としてだけでなく,足に障害を持つ者のリハビリテーション用としても好適に利用することができる。 The present invention relates to a rowing wheelchair. The rowing wheelchair of the present invention has an electric assist function. More specifically, the tow-type wheelchair of the present invention uses the driving force of the electric motor to assist the traveling of the wheelchair by the stepping force of the user. The rowing wheelchair according to the present invention can be suitably used not only for movement on a street or the like, but also for rehabilitation of a person with a foot disability.
従来から,足に障害を持つ者の移動用の車椅子として,電動モータを駆動源とするものが知られている。しかし,利用者が電動式の車椅子に乗車した場合,足の運動が一切行われないため,利用者の足はさらに弱ってしまうという問題があった。 2. Description of the Related Art Conventionally, as a wheelchair for moving a person with a disability in a foot, an electric motor is used as a driving source. However, when a user gets on an electric wheelchair, there is a problem in that the user's legs are further weakened because no movement of the legs is performed.
このため,近年,衰えた脚力でも利用することのできる足漕ぎ式の車椅子の開発が行われている(例えば特許文献1)。足漕ぎ式の車椅子は,利用者による踏力を車体の駆動力として用いるため,身体障害者のリハビリテーションの用途として有用であるとされている。例えば,脳障害で半身が麻痺しているような身体障害者であっても,ペダルに両足首を固定しておけば,両足で車椅子を漕いで進むことが可能となる。また,半身に麻痺がある場合でも,両脚で車椅子を漕ぐことで,麻痺のある方の足の筋肉も反応を示すことが確かめられている。このように,近年,足漕ぎ式車椅子は,脚力の低下を防止するだけでなく,足の麻痺改善にも有効であることが知られてきている。 For this reason, in recent years, the development of a wheelchair-type wheelchair that can be used even with weakened leg strength has been performed (for example, Patent Document 1). The leg-type wheelchair uses the pedaling force of the user as the driving force of the vehicle body, and is therefore useful for the rehabilitation of the physically handicapped. For example, even a physically handicapped person whose body is paralyzed due to a brain disorder, if both ankles are fixed to the pedal, the wheelchair can be moved with both feet. In addition, even when the body is paralyzed, it has been confirmed that the leg muscles of the paralyzed person can respond by rowing the wheelchair with both legs. Thus, in recent years, it has been known that the leg wheelchair is effective not only in preventing the decrease in leg strength but also in improving the paralysis of the foot.
また,例えば特許文献1には,従来の足漕ぎ式の車椅子として,三輪型のものが開示されている。特許文献1の三輪型足漕ぎ式車椅子は,前輪となる一対の駆動車輪と遊動車輪の他,後輪となる操舵車輪とを含んで構成されている。駆動車輪には,ペダルを介して,利用者の足漕ぎによる回転動力が伝達される。遊動車輪は,車椅子の進行に伴って,自由に回転する。操舵車輪は,利用者の手元に設けられた操作レバーと連動しており,操作レバーに対する操作に応じて,回転軸の向きを左右に自由に変えることができるようになっている。このような構成の足漕ぎ式車椅子によれば,簡単な操作で,超信地旋回に近い小旋回が可能になる。その結果,コンパクトで乗り降りがし易く,しかも走行時と旋回時の安全性が高い足漕ぎ式車椅子を提供することができるとされている。
For example,
ただし,屋外には,車椅子用のスロープなどの上り坂や下り坂のように,平坦ではない道が多数存在している。このため,足漕ぎ式車椅子は,脚力の弱い利用者にとって,屋外で利用することが難しい場合も多い。そこで,脚力の弱い利用者であっても屋外で利用することができるようにするために,足漕ぎ式車椅子に電動アシスト機能を設けることが考えられる。 However, there are many roads that are not flat, such as uphill and downhill slopes for wheelchairs. For this reason, leg wheelchairs are often difficult to use outdoors for users with weak leg strength. Therefore, in order to enable users with weak leg strength to use outdoors, it is conceivable to provide an electric assist function for the leg wheelchair.
例えば,特許文献1では,三輪型足漕ぎ式車椅子の駆動車輪に,補助動力を発生させる電動モータを取り付けることが提案されている。このように,駆動車輪に電動モータを取り付けることで,上り坂などを進行する際に,利用者の踏力に加えて,電動モータによる回転動力を車椅子の駆動力として利用することができる。従って,脚力の弱い利用者であっても,比較的簡単に上り坂などを進むことができる。また,駆動車輪に電動モータを取り付けることで,右方向及び左方向のいずれの小旋回時においても,足漕ぎ動作による旋回動作の負担を軽減することができるとされている。
For example,
また,電動モータなどによって,人力による駆動車輪に補助動力を提供する技術は,二輪自転車などの分野においても広く知られている(例えば特許文献2)。特許文献2の電動アシスト機能付き二輪自転車では,まず,人力による駆動力(踏力)と自転車の加速度とに基づいて走行抵抗(外乱)を検出する。そして,人力駆動力による補助動力比率と走行抵抗による補助動力比率から,電動モータによって提供する総合の補助動力比率を決定することとしている。これにより,自転車の走行環境からの走行抵抗を考慮して,電動モータによる補助動力を決定できる。その結果,環境に適応した最適な走行を実現することができるとされている。
In addition, a technique for providing auxiliary power to a driving wheel by human power using an electric motor or the like is widely known in the field of a two-wheeled bicycle or the like (for example, Patent Document 2). In the two-wheeled bicycle with the electric assist function of
上記特許文献2に開示されているように,車両(二輪車,三輪車,及び四輪車など)の駆動車輪に対し電動モータによる駆動力を伝達して車両の走行を補助する技術は,従来からよく知られている。また,現在,車両の駆動車輪に対して最適な補助動力を提供するための理論(アルゴリズム)も,ある程度確立されている。
As disclosed in the above-mentioned
このため,特許文献1に開示されているように,足漕ぎ式車椅子に電動モータを取り付ける場合にも,既に確立された理論を応用して,駆動車輪に電動モータを取り付けることが好ましいとされている。しかしながら,足漕ぎ式車椅子において,人力による駆動車輪に電動モータを取り付けた場合,駆動車輪を外輪とし遊動車輪を内輪とした旋回動作は容易に行うことができるものの,その反対に,駆動車輪を内輪とし遊動車輪を外輪とした旋回動作は非常に困難であることが判明した。例えば,特許文献1の足漕ぎ式車椅子は,前輪となる2つの車輪と,後輪となる1つの操舵輪を備えている。ここで,利用者がペダルを踏む力(踏力)が,2つの前輪のうちの右側の車輪に,チェーンを介してタイヤに伝えられるとする。そして,この駆動輪である右側の車輪に,電動モータによる駆動力を提供したとする。しかし,このような設計では,車椅子を旋回させる際に,左方向への旋回は行い易いものの,右方向への旋回は難しいという問題があった。
For this reason, as disclosed in
また,特許文献1に開示された足漕ぎ式車椅子のように,駆動車輪に電動モータを取り付けた場合,この駆動車輪側の駆動力ばかりが高くなってしまうため,遊動車輪側とのバランスが悪くなるという問題も発生する。そうすると,足漕ぎ式車椅子が遊動車輪側に徐々にそれるように進行するため,この車椅子の操作が難しくなるという問題があった。また,特許文献1のような足漕ぎ式車椅子では,後輪である操舵車輪によって,前輪である駆動車輪の回転のモーメントを吸収する設計になっている。しかし,電動モータによる補助動力が加わって駆動車輪の回転のモーメントが大きくなりすぎると,操舵車輪の故障の原因となる恐れがあった。
In addition, when an electric motor is attached to a drive wheel as in the rowing wheelchair disclosed in
このため,現在では,左右両方向への旋回動作をスムーズに行うことができ,しかも平地及び坂道での直進性に優れた電動アシスト機能付きの足漕ぎ式車椅子が求められている。 For this reason, there is now a need for a wheelchair wheelchair with an electric assist function that can smoothly turn in both the left and right directions, and that is excellent in straightness on flat ground and slopes.
そこで,本発明の発明者らは,従来発明の問題を解決する手段について鋭意検討した結果,2つの前輪と少なくとも1つの操舵車輪とを備える足漕ぎ式車椅子において,2つの前輪うちのいずれか一方の車輪にはペダルを介して人による踏力を伝達し,いずれか他方の車輪には電動モータによる駆動力を伝達するという構成を発案した。このように,前輪をなす一方の車輪を踏力によって駆動させ,他方の車輪を電動モータによって駆動させることで,両方の車輪をバランス良く駆動させることができるようになり,その結果,左右両方向への旋回動作をスムーズに行うことができるようになる。さらに,2つの前輪をバランス良く駆動させることで,平地や坂道での直進性を向上させることができる。
そして,本発明者らは,上記知見に基づけば,従来発明の問題を解決できることに想到し,本発明を完成させた。具体的に説明すると,本発明は以下の構成を有する。
Therefore, the inventors of the present invention have conducted intensive studies on means for solving the problems of the conventional invention, and as a result, in a rowing wheelchair having two front wheels and at least one steering wheel, either one of the two front wheels. The wheel was designed to transmit pedaling force by a person via a pedal and to transmit driving force from an electric motor to one of the other wheels. In this way, by driving one wheel that forms the front wheel by pedaling force and driving the other wheel by an electric motor, both wheels can be driven in a well-balanced manner. The turning operation can be performed smoothly. Furthermore, by driving the two front wheels in a well-balanced manner, it is possible to improve straightness on flat ground and slopes.
Then, the present inventors have conceived that the problems of the conventional invention can be solved based on the above knowledge, and have completed the present invention. More specifically, the present invention has the following configuration.
本発明は,電動アシスト機能付きの足漕ぎ式車椅子に関する。
本発明の足漕ぎ式車椅子は,足漕ぎ用のペダル10と,電動モータ20と,左右一対の駆動車輪30,40と,足漕ぎ式車椅子の進行方向を操舵する少なくとも1つの操舵車輪50と,を備えている。
そして,一対の駆動車輪30,40の一方には,ペダル10を介して,人による踏力が伝達される。また,一対の駆動車輪30,40の他方には,電動モータ20による駆動力が伝達される。より明確にいうと,ペダル10を介した人による踏力と電動モータ20による駆動力のうち,一対の駆動車輪30,40の一方には,人による踏力のみが伝達され,一対の駆動車輪30,40の一方には,電動モータ20による駆動力のみが伝達されることが好ましい。
The present invention relates to a leg wheelchair with an electric assist function.
The rowing wheelchair of the present invention includes a
A pedaling force by a person is transmitted to one of the pair of
上記構成のように,本発明では,人による踏力と電動モータ20による駆動力を,それぞれ別々の車輪に伝達することとしている。このため,操舵車輪50を操舵して車椅子を旋回させる際には,左右両方向へスムーズに旋回させることが可能となる。例えば,ペダル10に連結された車輪が内輪となり,電動モータ20に連結された車輪が外輪となる場合には,電動モータ20による駆動力を比較的高くすることで,スムーズに旋回できる。他方,ペダル10に連結された車輪が内輪となり,電動モータ20に連結された車輪が外輪となる場合には,電動モータ20による駆動力を比較的弱くすることで,スムーズに旋回できる。また,車椅子を並進させる際には,人による踏力に応じて電動モータ20による駆動力を調整することで,車体全体の直進性を向上させることができる。
As described above, in the present invention, the pedaling force by the person and the driving force by the
本発明の足漕ぎ式車椅子は,さらに,電動モータ20による駆動力(fm)を制御するための制御装置60を,さらに備えることが好ましい。
ここで,制御装置60は,演算部61と,判断部62と,並進運動オブザーバ63と,回転運動オブザーバ64と,を含むことが好ましい。
演算部61は,足漕ぎ車椅子の旋回半径(ρ)を算出する。
判断部62は,演算部61により算出された旋回半径(ρ)が,所定の閾値以上であるか否かを判断する。
並進運動オブザーバ63は,判断部62による判断の結果,旋回半径(ρ)(絶対値)が所定の閾値以上である場合に,並進アルゴリズムに基づいて,電動モータ20による駆動力(fm)を決定する。
回転運動オブザーバ64は,判断部62による判断の結果,旋回半径(ρ)(絶対値)が所定の閾値未満である場合,並進アルゴリズムとは異なる回転アルゴリズムに基づいて,電動モータ20による駆動力(fm)を決定する。
Foot rowing wheelchair of the present invention, further, the
Here, the
The
The
When the turning radius (ρ) (absolute value) is equal to or larger than a predetermined threshold as a result of the determination by the
If the turning radius (ρ) (absolute value) is less than a predetermined threshold as a result of the determination by the
上記構成のように,本発明の足漕ぎ式車椅子は,車体の旋回半径(ρ)(推測値であってもよい)に基づいて,電動モータ20による駆動力(fm)を決定するためのアルゴリズム(並進アルゴリズム又は回転アルゴリズム)を選択する。並進アルゴリズムは,車椅子が並進する場合において,電動モータ20による駆動力(fm)を決定するのに適したアルゴリズムとすればよい。また,回転アルゴリズムは,車椅子が旋回する場合において,電動モータ20による駆動力(fm)を決定するのに適したアルゴリズムとすればよい。このように,並進時と旋回時のそれぞれに適したアルゴリズムを設け,車体の旋回半径(ρ)に基づいてどちらのアルゴリズムを採用するかを決定することで,並進と旋回のどちらの状態であっても,スムーズに足漕ぎ式車椅子を進行させることができる。
As in the above configuration, the rowing wheelchair of the present invention is for determining the driving force (f m ) by the
また,従来の車両のように,人力による駆動車輪に電動モータを取り付ける場合,並進時においても旋回時においても,単純に直進的に人力を補助するように電動モータを制御すれば済むことから,この電動モータによる駆動力を求めるためのアルゴリズムは1つで十分であった。他方,本発明の足漕ぎ式車椅子のように,人力による駆動車輪とは異なる駆動車輪に電動モータを取り付ける場合,並進時においては単純に直進的に人力を補助すればよいが,旋回時においては,左旋回時と右旋回時とで電動モータによる駆動力を異ならせる必要がある上,直進的な単純な人力の補助だけでなく,少なくとも車椅子の旋回半径を考慮して,電動モータによる駆動力を決定する必要がある。このため,本発明のように,人力による駆動車輪とは異なる駆動車輪に電動モータを取り付けた構成とする場合,並進時に適したアルゴリズムと,旋回時に適したアルゴリズムを設けることが好ましいといえる。さらに付言すると,本発明は,オブザーバとして並進運動オブザーバ63と回転運動オブザーバ64の2種類が存在していても,一つの電動モータ(アクチュエータ)により車椅子の駆動力補助を実現できる点も特徴としている。
In addition, when an electric motor is attached to a driving wheel by human power as in a conventional vehicle, it is only necessary to control the electric motor so as to assist human power in a straight line during both translation and turning. One algorithm is sufficient for obtaining the driving force by the electric motor. On the other hand, when an electric motor is attached to a driving wheel different from a driving wheel driven by human power, such as a rowing wheelchair according to the present invention, human power may be simply assisted straightly during translation, but during turning, It is necessary to vary the driving force by the electric motor when turning left and when turning right, and it is driven by an electric motor in consideration of at least the turning radius of the wheelchair, as well as the assistance of straightforward human power. It is necessary to determine the power. For this reason, when it is set as the structure which attached the electric motor to the driving wheel different from the driving wheel by human power like this invention, it can be said that it is preferable to provide the algorithm suitable at the time of translation, and the algorithm suitable at the time of turning. In addition, the present invention is characterized in that, even if there are two types of observers, ie, a
本発明の足漕ぎ式車椅子において,一対の駆動車輪30,40のトレッド幅(車輪の間の距離)を“l”(小文字のL)とした場合に,上記した所定の閾値は,l/2であることが好ましい。ただし,所定の閾値は,l/2±50%の範囲内であれば,十分に好ましい値であるといえる。
In the rowing wheelchair of the present invention, when the tread width (distance between the wheels) of the pair of
上記のように,車椅子の旋回半径(ρ)と駆動車輪30,40のトレッド幅(l)との関係に基づいて,並進アルゴリズムと回転アルゴリズムのどちらを用いるかを判断することで,適切な判断を行うことができる。特に,“|ρ|≧l/2”の関係を基準に,車椅子が並進しているか旋回しているかを判断することが好ましい。すなわち,“|ρ|≧l/2”であれば,車椅子は直進しているか緩やかな旋回をしているため,並進アルゴリズムを用いて,電動モータ20による駆動力(fm)を決定することが好ましい。他方,“|ρ|<l/2”であれば,車椅子は急な旋回をしているため,回転アルゴリズムを用いて,電動モータ20による駆動力(fm)を決定することが好ましい。
As described above, an appropriate determination can be made by determining whether to use the translation algorithm or the rotation algorithm based on the relationship between the turning radius (ρ) of the wheelchair and the tread width (l) of the
本発明の足漕ぎ式車椅子は,さらに,第1のエンコーダ81と,第2のエンコーダ82と,第3のエンコーダ83と,トルクセンサ84と,を備えることが好ましい。
第1のエンコーダ81は,一対の駆動車輪30,40の一方の動作(回転方向,回転数,回転速度など)を検出する。
第2のエンコーダ82は,一対の駆動車輪30,40の他方又は電動モータ20の動作(回転方向,回転数,回転速度など)を検出する。
第3のエンコーダ83は,操舵車輪50の動作(操舵角度,回転方向,回転数,回転速度など)を検出する。
トルクセンサ84は,人による踏力を検出する。
この場合に,制御装置60は,第1のエンコーダ81,第2のエンコーダ82,第3のエンコーダ83,及びトルクセンサ84によって検出された情報に基づいて,電動モータ20による駆動力(fm)を制御することが好ましい。
The rowing wheelchair according to the present invention preferably further includes a
The
The
The
The
In this case, the
上記構成のように,第1〜第3のエンコーダ81〜83及びトルクセンサ84によって取得した各種の情報に基づいて,電動モータ20による駆動力(fm)を制御することで,回転アルゴリズムに基づいて,正確に駆動力(fm)を算出できる。また,各種センサ81〜84からの情報に基づけば,走行時に発生する各種の抵抗(外乱)を考慮したアルゴリズムに基づいて,駆動力(fm)を算出できる。また,各種センサ81〜84を設けることで,足漕ぎ式車椅子100の速度制御も可能となる。このように,それぞれの車輪30,40,50にエンコーダ81〜83を設け,ペダル10にトルクセンサ84を設けることで,走行環境に適応した最適な走行を実現するとともに,走行時と旋回時の安全性が高い足漕ぎ式車椅子を提供できる。
Based on the rotation algorithm by controlling the driving force (f m ) by the
本発明の足漕ぎ式車椅子において,一対の駆動車輪30,40は,回転軸を共有していることが好ましい。また,ペダル10の回転軸は,一対の駆動車輪30,40の回転軸よりも前方に位置することが好ましい。また,操舵車輪50の回転軸は,一対の駆動車輪30,40の回転軸よりも後方に位置することが好ましい。
In the rowing wheelchair of the present invention, it is preferable that the pair of
上記のように足漕ぎ式車椅子を構成することで,コンパクトで乗り心地が良なるとともに,超信地旋回に近い小旋回を達成することができる。 By constructing a wheelchair-type wheelchair as described above, it is compact and comfortable to ride, and a small turn close to super-revolution can be achieved.
本発明によれば,左右両方向への旋回動作がスムーズであり,平地及び坂道での直進性に優れた電動アシスト機能付きの足漕ぎ式車椅子を提供することができる。 ADVANTAGE OF THE INVENTION According to this invention, the turning operation | movement to the left-right both directions is smooth, and can provide the rowing-type wheelchair with the electric assist function excellent in the straightness on a flat ground and a slope.
以下,図面を用いて本発明を実施するための形態について説明する。本発明は,以下に説明する形態に限定されるものではなく,以下の形態から当業者が自明な範囲で適宜修正したものも含む。 Hereinafter, embodiments for carrying out the present invention will be described with reference to the drawings. The present invention is not limited to the embodiments described below, but includes those appropriately modified by those skilled in the art from the following embodiments.
本願明細書において,左右一対の駆動車輪(30,40)のうち,人による踏力によって駆動する車輪を,便宜的に,「ペダル車輪」(30)という。また,左右一対の駆動車輪(30,40)のうち,電動モータによる駆動力によって駆動する車輪を,便宜的に,「モータ車輪」(40)という。ペダル車輪30とモータ車輪40は,左右どちらの車輪であってもよい。
なお,「踏力」とは,人がペダルを踏むことによって得られる駆動力を意味している。
In the present specification, of the pair of left and right drive wheels (30, 40), a wheel driven by a pedaling force by a person is referred to as a “pedal wheel” (30) for convenience. Of the pair of left and right drive wheels (30, 40), the wheel driven by the drive force of the electric motor is referred to as “motor wheel” (40) for convenience. The
Note that “stepping force” means driving force obtained by a person stepping on a pedal.
図1は,本発明の一実施形態に係る電動アシスト機能付きの足漕ぎ式車椅子100の基本構成を示している。
図1に示されるように,足漕ぎ式車椅子100は,ペダル10と,電動モータ20と,ペダル車輪30と,モータ車輪40と,操舵車輪50とを備えている。また,これらの構成要素10,20,30,40,50は,メインフレーム70に備え付けられることで,一台の足漕ぎ式車椅子100を構成している。
FIG. 1 shows a basic configuration of a
As shown in FIG. 1, the
ここで,足漕ぎ式車椅子100の基本動作を説明する。まず,利用者は,メインフレーム70に設けられた椅子部(図示省略)に着座してペダル10を踏む。利用者がペダル10を踏むことで,ペダル車輪30を回転させる駆動力(すなわち,「踏力」)が発生する。この踏力はペダル車輪30に伝達され,これによりペダル車輪30が回転する。また,メインフレーム70には電動モータ20が搭載されている。電動モータ20は,モータ車輪40を回転させる駆動力を発生させる。電動モータ20による駆動力はモータ車輪40に伝達され,これによりモータ車輪40が回転する。また,操舵車輪50は,足漕ぎ式車椅子100の進行方向を操舵するために設けられた車輪である。操舵車輪50の回転軸は,操作レバーに対する操作に応じて,操舵軸52を中心に左右方向に回動する。例えば,操舵車輪50の回転軸が,ペダル車輪30とモータ車輪40の回転軸と略平行な状態(図1に示した状態)にある場合には,車椅子100は直進する。他方,操舵車輪50の回転軸が左右のどちらかに回動している状態にある場合には,車椅子100は,操舵車輪50の回動方向と操舵角度に応じて,左右のどちらかに旋回する。これにより,足漕ぎ式車椅子100は,利用者がペダル10を漕ぐことによって,電動モータ20による補助動力を受けつつ,利用者による操作に応じた方向に前進又は後退する。
Here, the basic operation of the
また,図1に示されるように,足漕ぎ式車椅子100は,制御装置60と,第1のエンコーダ81と,第2のエンコーダ82と,第3のエンコーダ83と,トルクセンサ84とを備えている。各種センサ81〜84は,それぞれ,制御装置60に接続されている。また,制御装置60は,電動モータ20に接続されている。これにより,制御装置60は,各種センサ81〜84によって検出された情報に基づいて所定の演算を行い,電動モータ20を制御する。
Further, as shown in FIG. 1, the
次に,足漕ぎ式車椅子100を構成する各部材について説明する。
ペダル10は,利用者の踏む力を,駆動力(踏力)に変換して,ペダル車輪30を回転させるための機構である。ペダル10は,クランク11と,クランク11の左右両端に取り付けられた足置き部12とを有する。また,クランク11の回転軸には,チェーン13の一部が巻き掛けられている。また,チェーン13の他部は,シャフト14に巻き掛けられている。さらに,このシャフト14は,ペダル車輪30の回転中心に設けられた軸受け(図示省略)に嵌合している。このため,利用者が,左右の足置き部12を交互に踏んでクランク11を回転させると,チェーン13を介して,シャフト14が回転する。これにより,ペダル車輪30は,シャフト14を回転軸として回転する。このとき,人がペダルを踏むことによって得られる駆動力が踏力(fh)となる。ペダル車輪30は,踏力(fh)に応じた回転力を得て,足漕ぎ式車椅子100を前方又は後方に向かって進行させる。
Next, each member which comprises the
The
電動モータ20は,モータ車輪40を回転させるためのアクチュエータである。電動モータ20は,バッテリ(図示省略)から電力の供給を受けて,制御装置60の制御に従って,モータ車輪40を回転させるための駆動力(fm)を発生させる。電動モータ20は,シャフト21を有する。このシャフト21は,モータ車輪40の回転中心に設けられた軸受け(図示省略)に嵌合している。このため,電動モータ20による駆動力(fm)は,シャフト21を介してモータ車輪40に伝達される。これにより,モータ車輪40は,シャフト21を回転軸として回転する。モータ車輪40は,電動モータ20による駆動力(fm)に応じた回転力を得て,足漕ぎ式車椅子100を前方又は後方に向かって進行させる。
The
また,図1に示されるように,ペダル車輪30とモータ車輪40の回転軸は,一直線状に設けられている。すなわち,ペダル車輪30とモータ車輪40は,回転軸を共有している。また,ペダル車輪30とモータ車輪40の回転方向は,基本的に平行である。これにより,ペダル車輪30とモータ車輪40の回転力が,足漕ぎ式車椅子100の駆動力となる。
Moreover, as FIG. 1 shows, the rotating shaft of the
また,電動モータ20に取り付けられたモータ車輪40は,電動モータ20が駆動している場合にのみ回転するものであり,自由に回転しないものであることが好ましい。つまり,電動モータ20が回転していない場合には,モータ車輪40も回転しないことが好ましい。これにより,電動モータ20が回転していない場合には,モータ車輪40が,足漕ぎ式車椅子100の進行を停止させるブレーキとして機能する。このため,例えば,利用者が坂道において踏力を掛けていない場合であっても,足漕ぎ式車椅子100が勝手に前進したり後退したりすることを防止できる。これにより,足漕ぎ式車椅子100の安全性が高まる。
In addition, the
操舵車輪50は,足漕ぎ式車椅子100の進行方向を制御するための車輪である。本実施形態において,操舵車輪50は,ペダル車輪30とモータ車輪40よりも後方に1つだけ設けられている。従って,図1に示された足漕ぎ式車椅子100は三輪型であるといえる。また,図1に示されるように,足漕ぎ式車椅子100が1つの操舵車輪50を備えるものである場合,この操舵車輪50は,ペダル車輪30とモータ車輪40の間の中央線上に位置していることが好ましい。操舵車輪50は,メインフレーム70に取り付けられた支持フレーム51によって支持されている。また,操舵車輪50は,操舵軸52を中心として,左右方向に回動可能なように,支持フレーム51に取り付けられている。図1には,操舵車輪50が回動可能な方向が両矢印で示されている。操舵車輪50の操作は,利用者の手元に設けられた操作レバー(図示省略)により行われる。図1に示されるように,操舵車輪50の回転軸と,ペダル車輪30及びモータ車輪40の回転軸が平行である場合,足漕ぎ式車椅子100は直進する。他方,操舵車輪50の回転軸とペダル車輪30及びモータ車輪40の回転軸とのなす角(操舵角度)がある程度大きくなると,足漕ぎ式車椅子100は旋回を開始する。これにより,利用者は,操舵車輪50の回転軸の角度(操舵角度)を操作することにより,足漕ぎ式車椅子100を自由な方向へ移動させることができる。
The
なお,本実施形態において,操舵車輪50は後輪となっているが,他の実施形態では,操舵車輪50を前輪とすることも可能である。また,本実施形態において,操舵車輪50は1つのみ設けられているが,操舵車輪50を2つ以上設けることもできる。ただし,本発明の足漕ぎ式車椅子100は,ペダル車輪30とモータ車輪40を前輪とし,1つの操舵車輪50を後輪とした三輪型であることが好ましい。なお,三輪型の足漕ぎ式車椅子100であっても,転倒防止のために,ボール型キャスターや,補助ローラーを設けることもできる。
In this embodiment, the
また,図1は,本発明に係る足漕ぎ式車椅子100の特徴的な基本構成のみを抽出して示している。その他,足漕ぎ式車椅子100の詳細な構成については,例えば特開2012−223527号公報(特許文献1)に示された三輪型足漕ぎ式車椅子の構成を適宜採用することができる。
Further, FIG. 1 shows only the characteristic basic configuration of the towing-
図2は,足漕ぎ式車椅子100に設けられた制御装置60や入出力機器80のシステム構成の例を示したブロック図である。図1及び図2に示されるように,足漕ぎ式車椅子100には,電動モータ20による駆動力(fm)を制御するための制御装置60が設けられる。この制御装置60は,公知のCPU(Central Processing Unit)により構成すればよい。
FIG. 2 is a block diagram illustrating an example of the system configuration of the
図1及び図2に示されるように,足漕ぎ式車椅子100は,第1のエンコーダ81,第2のエンコーダ82,及び第3のエンコーダ83を備えている。各エンコーダ81〜83は,回転体の回転方向や,回転数,回転速度,回転角度,操舵角度などの種々の動作を検出する電子部品である。本実施形態において,第1のエンコーダ81は,ペダル車輪30の動作を検出可能な位置に設けられている。また,第2のエンコーダ82は,電動モータ20の動作を検出可能な位置に設けられている。なお,第2のエンコーダ82は,モータ車輪40の動作を検出な位置に設けられていてもよい。また,第3のエンコーダ83は,操舵車輪50の動作を検出可能な位置に設けられている。各エンコーダ81〜83によって検出された情報(データ)は,カウンタ85を介して,制御装置60に入力される。制御装置60は,各エンコーダ81〜83によって得られた情報を解析することで,電動モータ20の制御に必要な様々な数値を求めることができる。例えば,制御装置60は,ペダル車輪30,モータ車輪40,及び操舵車輪50の動作に関する数値や,これらの各車輪30,40,50の動作に関する情報に基づいて足漕ぎ式車椅子100全体の動作に関する数値を求めることが可能である。
As shown in FIG. 1 and FIG. 2, the
また,足漕ぎ式車椅子100は,トルクセンサ84を備えている。トルクセンサ84は,ペダル10を介してペダル車輪30へと伝達される踏力(fh)を検出可能な位置に設けられる。例えば,トルクセンサ84は,ペダル車輪30の軸受けに嵌合したシャフト14に掛かる回転方向の力(トルク)を計測することで,人による踏力(fh)を検出すればよい。トルクセンサ84によって検出された踏力(fh)に関する情報は,A/D変換器86を介して,制御装置60に入力される。制御装置60は,トルクセンサ84により得られた踏力(fh)に基づいて,電動モータ20による駆動力(fm)を制御する。すなわち,電動アシスト機能付きの足漕ぎ式車椅子は,基本的には,人による踏力(fm)をQ倍に増幅した駆動力によって走行する。この“Q”の値をアシスト率という。このとき,人による踏力(fm)をQ倍にすることができるように,電動モータによる駆動力(fm)が決定される。つまり,電動モータによる駆動力(fm)は,人による踏力(fh)に所定のアシスト率(Q)を掛け合わせる計算に基づいて決定される。このため,制御装置60は,人による踏力(fh)がペダル車輪30に加わったときに,電動モータ20による駆動力(fm)がモータ車輪40に加わるように制御している。なお,現在の日本では,アシスト率(Q)の上限が,法律で定めされている。
The
制御装置60は,各エンコーダ81〜83及びトルクセンサ84から得られた情報に基づいて電動モータ20による駆動力(fm)を決定する。制御装置60は,駆動力(fm)を含む制御信号を,D/A変換器87を介して,モータドライバ88へと出力する。モータドライバ88は,制御装置60から受け取った制御情報に基づいて,電動モータ20を回転駆動させる。
The
また,図2は,制御装置60の機能ブロックを示している。本発明において,制御装置60は,演算部61,判断部62,並進運動オブザーバ63,及び回転運動オブザーバ64を有していることが好ましい。また,必要に応じて,制御装置60は,速度制御部65を有していてもよい。これらの要素61〜65は,制御装置60による処理を機能毎に分けて示したものである。これらの要素61〜65は,ソフトウェアによって実現されるものであってもよいし,ハードウェアによって実現されるものであってもよい。
FIG. 2 shows functional blocks of the
演算部61は,足漕ぎ車椅子100の旋回半径(ρ)を算出する。旋回半径(ρ)は公知の方法により求めることができる。例えば,図1に示された実施形態のように,足漕ぎ車椅子100が三輪型である場合,旋回半径(ρ)は,“ρ=L/tanθ”の式により求めることができる。ここで,例えば後述する図6に示されるように,“ρ”は旋回半径,“L”は駆動車輪30,40の回転軸から操舵車輪50の操舵軸52までの直線距離,“θ”は操舵車輪50の操舵角度を,それぞれ意味している。なお,足漕ぎ式車椅子100が四輪型である場合,旋回半径(ρ)は,例えば,自動車の保安基準の審査事務規程に規定されている最小回転半径の定義に基づいて算出すればよい。
The
判断部62は,演算部61により算出された旋回半径(ρ)が,所定の閾値以上であるか否かを判断する。閾値は,例えば移動用,リハビリテーション用,又はスポーツ用などの足漕ぎ式車椅子100の用途に応じて適宜設定可能である。ただし,閾値は,一対の駆動車輪30,40のトレッド幅(l)(Lの小文字)を考慮して設定された値であることが好ましい。なお,トレッド幅(l)とは,ペダル車輪30とモータ車輪40の接地面(トレッド面)の中心間の距離を意味する。具体的には,閾値は,l/2±50%の範囲内,l/2±10%の範囲内,又はl/2であることが好ましい。さらに具体的には,判断部62は,旋回半径(ρ)が,“|ρ|≧l/2”の関係を満たすか否かを判断することが好ましい。すなわち,旋回半径(ρ)がトレッド幅(l)の半分以上の値である場合,足漕ぎ車椅子100は直進するか緩やかに旋回する。他方,旋回半径(ρ)がトレッド幅(l)の半分以未満の値である場合,足漕ぎ車椅子100は比較的急に旋回する状態にある。このように,トレッド幅(l)を基準とすることで,足漕ぎ車椅子100の進行状態を適切に把握することができる。
The
また,図3には,判断部62による判断処理のフローの一例が示されている。図3に示されるように,判断部62は,演算部61により算出された旋回半径(ρ)の絶対値が,所定の閾値“l/2”以上であるか否かを判断する。判断部62により,旋回半径(ρ)の絶対値が所定の閾値“l/2”以上である(YES)と判断された場合,並進運動オブザーバ63によって,電動モータ20による駆動力(fm)を決定する演算が行われる。他方,判断部62により,旋回半径(ρ)の絶対値が所定の閾値“l/2”以上でない(NO)と判断された場合,回転運動オブザーバ64によって,電動モータ20による駆動力(fm)を決定する演算が行われる。このように,本発明の足漕ぎ車椅子100は,その旋回半径(ρ)に応じて,電動モータ20による駆動力(fm)を求める演算を,異なるオブザーバ63,64によって行う。これにより,本発明の足漕ぎ車椅子100は,並進時と旋回時の両方のどちらの状態であっても,スムーズに進行することができる。また,図3に示されるように,判断部62による判断処理は,例えば“|ρ|≧l/2”の関係を満たすか否かというような比較的単純なものである。従って,並進運動オブザーバ63による制御と回転運動オブザーバ64による制御の切換えに複雑な判断を要しない。このため,制御部60は,車椅子の状態に応じて,電動モータによる駆動力(fm)を求める演算の切換えを高速に行うことができる。従って,車椅子による並進運動から回転運動への移行,又は回転運動から並進運動への移行をスムーズに行うことができる。
FIG. 3 shows an example of a flow of determination processing by the
並進運動オブザーバ63は,足漕ぎ車椅子100の旋回半径(ρ)が所定の閾値以上である場合に,並進アルゴリズムに基づいて,電動モータによる駆動力(fm)を決定する。並進運動オブザーバ63は,ソフトウェアにより実現してもよいし,ハードウェアにより実現してもよい。並進アルゴリズムは,足漕ぎ車椅子100が直進又は緩やかに旋回している状態(単に「並進」ともいう)を想定したアルゴリズムである。このため,並進アルゴリズムは,足漕ぎ車椅子100が並進している場合において,電動モータによる駆動力(fm)を決定するのに適したアルゴリズムとなる。詳しくは後述するが,並進アルゴリズムは,人による踏力(fh)と,電動モータ20によるアシスト率(Q)と,走行時の外乱(走行抵抗ともいう)の推定値(dt^[ハット])を考慮して,電動モータによる駆動力(fm)を求めるものであることが好ましい。例えば,走行時の外乱には,路面の摩擦抵抗力や,向かい風による空気抵抗力,路面の傾斜による重力,重力加速度などが含まれる。並進運動時の外乱の推定値(dt^)は,第1〜第3のエンコーダ81〜83により検出された情報に基づいて,路面の摩擦抵抗力等の外乱を推定した値とすればよい。
The
他方,回転運動オブザーバ64は,足漕ぎ車椅子100の旋回半径(ρ)が所定の閾値未満である場合に,回転アルゴリズムに基づいて,電動モータによる駆動力(fm)を決定する。回転運動オブザーバ64は,ソフトウェアにより実現してもよいし,ハードウェアにより実現してもよい。回転アルゴリズムは,足漕ぎ車椅子100が比較的急な旋回している状態を想定したアルゴリズムである。このため,この回転アルゴリズムは,上述した並進アルゴリズムとは異なるものとなる。すなわち,回転アルゴリズムは,足漕ぎ車椅子100が急旋回している場合において,電動モータによる駆動力(fm)を決定するのに適したアルゴリズムである。詳しくは後述するが,回転アルゴリズムは,人による踏力(fh)と,電動モータ20によるアシスト率(Q)と,旋回運動時の外乱の推定値(dr^)と,足漕ぎ車椅子100の旋回半径(ρ)とを考慮して,電動モータによる駆動力(fm)を求めるものであることが好ましい。さらに,回転アルゴリズムは,駆動車輪30,40のトレッド幅(l)を考慮するものであってよい。
On the other hand, the
上記のように,本発明の足漕ぎ式車椅子100では,車体の旋回半径(ρ)(推測値であってもよい)に基づいて,電動モータによる駆動力(fm)を決定するためのアルゴリズム(並進アルゴリズム又は回転アルゴリズム)を選択する。並進アルゴリズムは,車椅子の並進時に適しており,回転アルゴリズムは,車椅子の旋回時に適している。このように,並進時と旋回時のそれぞれに適したアルゴリズムを設け,車体の旋回半径(ρ)に基づいてどちらのアルゴリズムを採用するかを決定することで,並進時と旋回時の両方のどちらの状態であっても,足漕ぎ式車椅子をスムーズに進行させることが可能となる
As described above, in the
また,従来の車両のように,人力による駆動車輪に電動モータを取り付ける場合,並進時においても旋回時においても,単純に直進的に人力を補助するように電動モータを制御すれば済むことから,この電動モータによる駆動力を求めるためのアルゴリズムは1つで十分であった。他方,本発明の足漕ぎ式車椅子100のように,人力による駆動車輪とは異なる駆動車輪に電動モータを取り付ける場合,並進時においては単純に直進的に人力を補助すればよいが,旋回時においては,左旋回時と右旋回時とで電動モータによる駆動力を異ならせる必要がある。また,直進的な単純な人力の補助だけでなく,少なくとも車椅子の旋回半径を考慮して,電動モータによる駆動力を決定する必要がある。このため,本発明のように,人力による駆動車輪とは異なる駆動車輪に電動モータを取り付けた構成とする場合,並進時に適したアルゴリズムと,旋回時に適したアルゴリズムを別々に設けることが好ましいといえる。さらに付言すると,本発明は,オブザーバとして並進運動オブザーバ63と回転運動オブザーバ64の2種類が存在していても,一つの電動モータ(アクチュエータ)により車椅子の駆動力補助を実現できる点も特徴としている。
In addition, when an electric motor is attached to a driving wheel by human power as in a conventional vehicle, it is only necessary to control the electric motor so as to assist human power in a straight line during both translation and turning. One algorithm is sufficient for obtaining the driving force by the electric motor. On the other hand, when the electric motor is attached to a driving wheel different from the driving wheel driven by human power, such as the
続いて,図4及び図5を参照して,並進運動オブザーバ63による演算の一例を説明する。図4は,直進状態にある足漕ぎ式車椅子100を模式的に示している。図4に示されるように,直進状態では,ペダル車輪30とモータ車輪40とからなる駆動車輪の回転軸と,操舵車輪50の回転軸とが略平行となる。図4に示した形態では,操舵車輪50は,ペダル車輪30とモータ車輪40の間の中央線上に位置している。図4では,足漕ぎ式車椅子100の進行方向正の向きを“x”とし,電動モータによる駆動力を“fm”とし,人による踏力を“fh”とし,並進方向の外乱を“dt〜[チルダ]”と表している。また,車椅子の質量を“M”とし,車椅子の粘性抵抗を“D”とし,車椅子の速度“ν”とし,車椅子の加速度“ν・”とする。この場合,車椅子の運動方程式は,下記の式(1)ように表される。
Next, an example of calculation by the
また,図5には,並進運動オブザーバ63により演算される並進アルゴリズムのブロック線図の一例が示されている。図5に示されるように,まず,電動モータを備えていない通常の足漕ぎ式車椅子について考える。図5では,“Cycle”と示された枠内が,通常の足漕ぎ式車椅子を表している。通常の足漕ぎ式車椅子のみを考えると,図の左側から踏力(fh)が入力され,図の右側から速度(ν)が観測される。
FIG. 5 shows an example of a block diagram of a translation algorithm calculated by the
続いて,本発明のように,電動アシスト機能付きの足漕ぎ式車椅子について考える。電動アシスト機能付きの足漕ぎ式車椅子では,人による踏力(fh)をQ倍に増幅する。なお,現在の日本の法律では,Qは2以下(Q≦2)でなければならないと定められている。ここで,図5に示したブロック線図では,踏力(fh)を(Q−1)倍した値を,踏力(fh)に加算する。なお,本願明細書では,“Q”をアシスト率と定義している。 Next, consider a rowing wheelchair with an electric assist function as in the present invention. In a rowing wheelchair with an electric assist function, the pedaling force (f h ) by a person is amplified Q times. The current Japanese law stipulates that Q must be 2 or less (Q ≦ 2). Here, in the block diagram shown in FIG. 5, a value obtained by multiplying the pedaling force (f h ) by (Q−1) is added to the pedaling force (f h ). In the present specification, “Q” is defined as the assist rate.
さらに,足漕ぎ式車椅子の並進運動時における外乱の影響を考える。実際の外乱(dt〜)は直接測定できない。そこで,第1〜第3のエンコーダ81〜83やトルクセンサ84などにより計測可能な情報に基づいて,外乱(dt〜)を推定する。外乱の推定値は,“dt^”で示されている。簡単に説明すると,まず,踏力(fh)と駆動力(fm)の合算値から外乱(dt〜)を減じた値に,質量(M)と粘性抵抗(D)の補償項と逆数を掛けて1倍した値に対し,外乱(dt〜)が入る前の踏力(fh)と駆動力(fm)の合算値を加えることで,理論上の外乱(dt〜)を求めることができる。ただし,この外乱(dt〜)の理論値は加速度の次元であるため,高周波成分のノイズを多く含んでいる。そこで,外乱(dt〜)の理論値をローパスフィルタ(LPF)に入力することによって,ノイズ成分を除去する。なお,LPFにおいて,“s”は微分演算子を表している。これにより,ローパスフィルタ(LPF)からの出力値を,外乱の推定値(dt^)とすることができる。なお,外乱の推定値(dt^)は,その他公知の方法により求めることが可能である。そして,この外乱の推定値(dt^)を考慮すれば,並進運動時における電動モータによる駆動力(fm)を算出できる。例えば,並進運動時において,電動モータによる駆動力(fm)は,下記の式(2)のように表すことができる。
In addition, consider the influence of disturbances during the translational movement of the leg wheelchair. The actual disturbance (d t ˜) cannot be measured directly. Therefore, the disturbance (d t ~) is estimated based on information measurable by the first to
このように,並進運動オブザーバ63は,人による踏力(fh)にアシスト率(Q)を乗じた値に外乱の推定値(dt^)を加えた値を,電動モータによる駆動力(fm)として求める。このように,外乱の推定値(dt^)を考慮して電動モータによる駆動力(fm)を決定することで,平地であっても坂道であっても,人による踏力(fh)はほぼ一定のまま,足漕ぎ式車椅子を進行させることができる。つまり,外乱を考慮せずにアシストした場合,外乱の大きい坂道では,人による踏力(fh)を増加させなければ足漕ぎ式車椅子を進行させることができない。従って,車椅子の駆動力を利用者の脚力に一定のアシスト率を加えたものとすると,脚力の弱い利用者は車椅子で坂道を上ることができなくなる恐れがある。そこで,外乱が生じている場合には,その外乱をキャンセルするための駆動力を電動モータによって提供する。これにより,脚力の弱い利用者であっても,平地とほぼ同程度の踏力(fh)によって,車椅子で坂道を上ることができるようになる。
In this way, the
続いて,図6及び図7を参照して,回転運動オブザーバ64による演算の一例を説明する。図6は,旋回状態にある足漕ぎ式車椅子100を模式的に示している。図6に示されるように,旋回状態では,操舵車輪50の回転軸が,操舵軸52を中心として,左右どちらかの方向に回動している。このため,操舵車輪50の回転軸と,ペダル車輪30とモータ車輪40とからなる駆動車輪の回転軸によって鋭角が形成される。このときの鋭角を操舵角度(θ)とする。また,図6において,“x”は足漕ぎ式車椅子100の進行方向正の向き表し,“fm”は電動モータによる駆動力を表し,“fh”人による踏力を表している。
Next, an example of calculation by the
また,“fr”は車椅子の回転方向の抵抗力を表し,“ωr”は車椅子の角速度を表している。回転方向の抵抗力(fr)は,下記の式(3)により求められる。 “F r ” represents the resistance force in the rotational direction of the wheelchair, and “ω r ” represents the angular velocity of the wheelchair. The resistance force (f r ) in the rotation direction is obtained by the following equation (3).
上記式(3)において,“Ip”は慣性モーメントであり,Dpは回転方向の粘性抵抗係数である。 In the above formula (3), “I p ” is the moment of inertia and D p is the viscous resistance coefficient in the rotational direction.
また,図6において,“l”はトレッド幅を表し,“L”は駆動車輪30,40の回転軸から操舵車輪50の操舵軸52までの直線距離(O−S間距離)を表している。さらに,“ρ”は車椅子の旋回半径を表している。旋回半径(ρ)は,“ρ=L/tanθ”の式により求めることができる。なお,旋回半径(ρ)の絶対値はl/2未満であることが条件(|ρ|<l/2)となるため,旋回半径(ρ)の定義域は,“−l/2<ρ<l/2”となる。なお,図6において,点Pは,操舵車輪50の回転軸と駆動車輪30,40の回転軸の交点を示している。また,点Oは,ペダル車輪30とモータ車輪40の間の回転軸上の重心(中央点)を示している。また,点Sは,操舵車輪50の操舵軸52である。
In FIG. 6, “l” represents a tread width, and “L” represents a linear distance (OS distance) from the rotation shaft of the
ここで,上記も式(3)により,点P周りの車椅子の運動方程式は,下記の式(4)のように表される。 Here, the equation of motion of the wheelchair around the point P is expressed as the following equation (4) by the equation (3).
また,電動モータによる駆動力(fm)を,人による踏力(fh)にアシスト率Qを乗じた値と外乱の推定値(dr^)との和として補償すると,下記の式(5)のように表される。 Further, when the driving force (f m ) by the electric motor is compensated as a sum of a value obtained by multiplying the stepping force (f h ) by the person by the assist rate Q and an estimated value (d r ^) of the disturbance, the following equation (5) ).
また,上記式(5)に式(4)を代入して,外乱(dt〜)と外乱の推定値(dt^)との関係を下記のように整理すると,下記の式(6)に示される回転運動の関係式が求まる。 Further, by substituting the equation (4) into the equation (5) and arranging the relationship between the disturbance (d t ˜) and the estimated value of the disturbance (d t ^) as follows, the following equation (6) Is obtained.
さらに,上記の式(5)を“fm”について整理すると,下記の式(7)となり,“fm”の関係式が求まる。 Moreover, when organizing the above equation (5) "f m", the following equation (7), and the relationship of "f m" is obtained.
また,図7には,上記“fm”の関係式(7)の力学的現象が,ブロック線図で表されている。 Further, in FIG. 7, the mechanical behavior of the relationship of the "f m" (7) is represented by a block diagram.
上記の式(7)及び図7に示したブロック線図に基づけば,回転運動オブザーバ64は,旋回運動時における電動モータによる駆動力(fm)を求めることができる。上記式(7)に示されるように,旋回運動時おける駆動力(fm)の計算では,人による踏力(fm)と,電動モータによるアシスト率(Q)と,旋回運動時の外乱の推定値(dr^)の他に,足漕ぎ車椅子100の旋回半径(ρ)とトレッド幅(l)とが考慮される。このように,車椅子の旋回運動が開始したときには,並進運動オブザーバ63による制御から回転運動オブザーバ64による制御に切り替えて,上述した回転アルゴリズムにより,電動モータによる駆動力(fm)を決定する。これにより,足漕ぎ車椅子の旋回半径(ρ)を考慮した回転アルゴリズムによって,車椅子の旋回運動を制御できるため,車椅子をスムーズに旋回させることができる。また,旋回時における電動モータの駆動力(fm)を旋回半径(ρ)を考慮して決定することで,どのような旋回半径であっても,人による踏力(fh)をほぼ一定に維持できる。特に,一般的な足漕ぎ式車椅子は,小さい旋回半径で旋回しようとすると大きな踏力(fh)が必要となっていたが,本発明の足漕ぎ式車椅子によれば,脚力の弱いものであっても,一定の踏力(fh)を維持したまま,自由に車椅子を旋回させることができる。
Based on the above equation (7) and the block diagram shown in FIG. 7, the
また,図7のブロック線図に示されるように,車椅子の旋回時に生じる力学的現象を運動方程式で記述し,そこから回転運動オブザーバ64を設計することで,電動モータの駆動力(fm)が,人による踏力(fh)に追従するようになる。従って,例えば,車椅子が上り坂を進行する場合においては,電動モータの駆動力(fm)が向上して,利用者の脚力に対する負荷を減少させることができ,さらには電動モータの駆動力(fm)によって外力を打ち消す力を補償することができる。
In addition, as shown in the block diagram of FIG. 7, a mechanical phenomenon that occurs when the wheelchair turns is described by an equation of motion, and a
次に,図8を参照して,本発明の好ましい形態について説明する。好ましい形態では,操舵角度(θ)とペダル車輪30の速度(νh)とに応じて,モータ車輪40の速度(νm)を制御する。図2のブロック図に示されるように,制御装置60は,速度制御部65を有している。速度制御部65は,操舵角度(θ)とペダル車輪30の速度(νh)とに応じて,モータ車輪40の速度(νm)を決定し,このモータ車輪40の速度(νm)を実現できるように,電動モータの駆動力(fm)を制御する演算を行う。上述したとおり,制御装置60は,演算部61において,足漕ぎ車椅子100の旋回半径(ρ)を算出する。例えば,図8に示されるように,足漕ぎ車椅子100が三輪型である場合,旋回半径(ρ)は,“ρ=L/tanθ”の式により求めることができる。演算部61により算出された旋回半径(ρ)は,速度制御部65へと送出される。速度制御部65は,操舵角度(θ)から求められる旋回半径(ρ)を考慮して,モータ車輪40の速度(νm)を算出する。
Next, a preferred embodiment of the present invention will be described with reference to FIG. In a preferred embodiment, the speed (ν m ) of the
図8には,ペダル車輪30,モータ車輪40,操舵車輪50,及び操舵車輪50による操舵角度(θ)の関係の一例が示されている。図8において,“θ”は操舵角度を示し,“ρ”は車椅子の旋回半径を示している。また,“νm”はモータ車輪40の速度を示し,“νh”はペダル車輪30の速度を示し,“νc”は車椅子の速度(ペダル車輪30とモータ車輪40の間の回転軸上の重心における速度)を示している。また,“l”は駆動車輪30,40のトレッド幅であり,“L”は駆動車輪30,40とモータ車輪40の間の距離である。さらに,“θ・ h”はペダル車輪30の角速度,“θ・ m”はモータ車輪40の角速度,“ωc”は車椅子の角速度を,それぞれ示している。
FIG. 8 shows an example of the relationship between the
ここで,車椅子の速度(νc)は,旋回半径(ρ)と車椅子の角速度(ωc)から,式iとなる
また,操舵角(θ),旋回半径(ρ),及び操舵輪と駆動輪の距離(L)の幾何学的関係から,式iiと表せる。
式iと式iiの関係から,式iiiとなる。
ここで,車椅子の速度(vc)を左右の車輪の速度で表すと,式ivとなる。
また,車椅子の角速度(ωc)を左右の車輪の速度とトレッド幅(l)で表すと,式vとなる。
式ivと式vを式iiiに代入すると,式viとなる。
これを変形すると,式viiとなる。
よって,以下の式viiiから式xの関係を導くことができる。
従って,ペダル車輪30の速度(νh)とモータ車輪40の速度(νm)の比率は,下記の式(8)のように表すことができる。
Here, the wheelchair speed (ν c ) is expressed by the equation i from the turning radius (ρ) and the wheelchair angular velocity (ω c ).
Further, from the geometric relationship between the steering angle (θ), the turning radius (ρ), and the distance (L) between the steering wheel and the drive wheel, it can be expressed as Equation ii.
From the relationship between Formula i and Formula ii, Formula iii is obtained.
Here, when the speed (v c ) of the wheelchair is expressed by the speeds of the left and right wheels, the formula iv is obtained.
Further, when the angular velocity (ω c ) of the wheelchair is represented by the speed of the left and right wheels and the tread width (l), the equation v is obtained.
Substituting equation iv and equation v into equation iii yields equation vi.
When this is transformed, the formula vii is obtained.
Therefore, the relationship of the equation x can be derived from the following equation viii.
Therefore, the ratio between the speed (ν h ) of the
上記式(8)により求められるペダル車輪30の速度(νh)とモータ車輪40の速度(νm)の比率は,並進運動オブザーバ63又は回転運動オブザーバ64によって電動モータによる駆動力(fm)を制御する際に,追加の情報として考慮することができる。例えば,制御部60は,上記式(8)に示された速度比率を,上限値又は下限値として,電動モータによる駆動力(fm)を制御することができる。これにより,例えば上り坂において,人による踏力(fh)が比較的大きくなっているにも関わらず,ペダル車輪30の速度(νh)が小さいような場合には,上記速度比率を上限値として,電動モータによる駆動力(fm)を制御すればよい。これにより,モータ車輪40がペダル車輪30に適切に追従するようになり,上り坂においても,車椅子の直進性とスムーズな旋回性を発揮できる。他方,例えば下り坂において,人による踏力(fh)が小さいか全く存在しないにも関わらず,ペダル車輪30の速度(νh)が大きいような場合には,上記速度比率を下限値として,電動モータによる駆動力(fm)を制御すればよい。これにより,モータ車輪40がペダル車輪30に適切に追従するようになり,下り坂においても,車椅子の直進性やスムーズな旋回性を発揮できる。上記のように,ペダル車輪30の速度(νh)とモータ車輪40の速度(νm)の比率の規制は,電動モータによる駆動力(fm)を決定する際に考慮することができる。
The ratio of the speed (ν h ) of the
以上,本願明細書では,本発明の内容を表現するために,図面を参照しながら本発明の実施形態の説明を行った。ただし,本発明は,上記実施形態に限定されるものではなく,本願明細書に記載された事項に基づいて当業者が自明な変更形態や改良形態を包含するものである。 As mentioned above, in this specification, in order to express the content of this invention, embodiment of this invention was described, referring drawings. However, the present invention is not limited to the above-described embodiments, but includes modifications and improvements obvious to those skilled in the art based on the matters described in the present specification.
本発明は,電動アシスト機能を有する足漕ぎ式車椅子に関する。本発明の足漕ぎ式車椅子は,街頭などでの移動用としてだけでなく,足などに障害を持つ者のリハビリテーション用としても利用することができる。 The present invention relates to a leg wheelchair having an electric assist function. The rowing wheelchair according to the present invention can be used not only for movement on a street or the like but also for rehabilitation of a person with a disability on a foot or the like.
10…ペダル 11…クランク
12…足置き部 13…チェーン
14…シャフト 20…電動モータ
21…シャフト 30…ペダル車輪(駆動車輪)
40…モータ車輪(駆動車輪) 50…操舵車輪
51…支持フレーム 52…操舵軸
60…制御装置 61…演算部
62…判断部 63…並進運動オブザーバ
64…回転運動オブザーバ 65…速度制御部
70…メインフレーム 80…入出力機器
81…第1のエンコーダ 82…第2のエンコーダ
83…第3のエンコーダ 84…トルクセンサ
85…カウンタ 86…A/D変換器
87…D/A変換器 88…モータドライバ
100…足漕ぎ式車椅子
DESCRIPTION OF
DESCRIPTION OF
Claims (5)
足漕ぎ用のペダル(10)と,
電動モータ(20)と,
左右一対の駆動車輪(30,40)と,
前記足漕ぎ式車椅子の進行方向を操舵する少なくとも1つの操舵車輪(50)と,を備え,
前記一対の駆動車輪(30,40)の一方には,前記ペダル(10)を介して,人による踏力が伝達され,
前記一対の駆動車輪(30,40)の他方には,前記電動モータ(20)による駆動力が伝達される
足漕ぎ式車椅子。 A wheelchair with electric assist function,
A pedal (10) for rowing;
An electric motor (20);
A pair of left and right drive wheels (30, 40);
And at least one steering wheel (50) for steering the traveling direction of the rowing wheelchair,
One of the pair of drive wheels (30, 40) receives a pedaling force by a person via the pedal (10),
A towing wheelchair, to which the driving force of the electric motor (20) is transmitted to the other of the pair of driving wheels (30, 40).
前記制御装置(60)は,
前記足漕ぎ車椅子の旋回半径(ρ)を算出する演算部(61)と,
前記旋回半径(ρ)が所定の閾値以上であるか否かを判断する判断部(62)と,
前記旋回半径(ρ)が前記閾値以上である場合に,並進アルゴリズムに基づいて,前記電動モータ(20)による駆動力(fm)を決定する並進運動オブザーバ(63)と,
前記旋回半径(ρ)が前記閾値未満である場合,前記並進アルゴリズムとは異なる回転アルゴリズムに基づいて,前記電動モータ(20)による駆動力(fm)を決定する回転運動オブザーバ(64)と,を有する
請求項1に記載の足漕ぎ式車椅子。 A control device (60) for controlling the driving force (f m ) by the electric motor (20);
The control device (60)
A calculation unit (61) for calculating a turning radius (ρ) of the rowing wheelchair;
A determination unit (62) for determining whether or not the turning radius (ρ) is equal to or greater than a predetermined threshold;
A translational motion observer (63) for determining a driving force (f m ) by the electric motor (20) based on a translation algorithm when the turning radius (ρ) is equal to or greater than the threshold;
A rotational motion observer (64) for determining a driving force (f m ) by the electric motor (20) based on a rotational algorithm different from the translation algorithm when the turning radius (ρ) is less than the threshold; The leg wheelchair according to claim 1.
前記閾値は,l/2±50%の範囲から選択された値である
請求項2に記載の足漕ぎ式車椅子。 When the tread width of the pair of drive wheels (30, 40) is “l”,
The leg wheelchair according to claim 2, wherein the threshold value is a value selected from a range of l / 2 ± 50%.
前記一対の駆動車輪(30,40)の他方又は前記電動モータ(20)の動作を検出するための第2のエンコーダ(82)と,
前記操舵車輪(50)の動作を検出するための第3のエンコーダ(83)と,
前記人による踏力を検出するためのトルクセンサ(84)と,をさらに備え,
前記制御装置(60)は,前記第1のエンコーダ(81),第2のエンコーダ(82),第3のエンコーダ(83),及び前記トルクセンサ(84)によって検出された情報に基づいて,前記電動モータ(20)による駆動力(fm)を制御する
請求項2又は請求項3に記載の足漕ぎ式車椅子。 A first encoder (81) for detecting one operation of the pair of drive wheels (30, 40);
A second encoder (82) for detecting the other of the pair of drive wheels (30, 40) or the operation of the electric motor (20);
A third encoder (83) for detecting the operation of the steering wheel (50);
A torque sensor (84) for detecting the pedaling force by the person,
Based on information detected by the first encoder (81), the second encoder (82), the third encoder (83), and the torque sensor (84), the control device (60) The leg wheelchair according to claim 2 or 3, wherein the driving force (f m ) by the electric motor (20) is controlled.
前記ペダル(10)の回転軸は,前記一対の駆動車輪(30,40)の回転軸よりも前方に位置し,
前記操舵車輪(50)の回転軸は,前記一対の駆動車輪(30,40)の回転軸よりも後方に位置する
請求項1から請求項4のいずれかに記載の足漕ぎ式車椅子。 The pair of drive wheels (30, 40) share a rotation axis,
The rotating shaft of the pedal (10) is located in front of the rotating shaft of the pair of drive wheels (30, 40),
The leg wheel-type wheelchair according to any one of claims 1 to 4, wherein a rotation shaft of the steering wheel (50) is located rearward of a rotation shaft of the pair of drive wheels (30, 40).
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