JP2016098460A - 機能性不織布 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い脱硫特性を有し、かつリン、残留塩素、アンモニアおよび微粒子も吸着して除去できる汎用性の高い機能性不織布を提供する。【解決手段】機能性不織布10を構成する繊維11に、多孔質の無機粉体であるリモナイト粒子14をバインダ13によって付着させる。リモナイト粒子14の表面に微小な凹凸が多数顕在し、化学的作用によりリモナイト粒子14の表面に硫化水素、リン、残留塩素、アンモニア、微粒子等を吸着させる。【選択図】図1

Description

この発明は機能性不織布、詳しくは吸着剤の一種であるリモナイト粒子を不織布に付着させた脱硫機能を有する機能性不織布に関する。
近年、不織布の表面に無機吸着剤の一種であるゼオライト粒子(天然ゼオライトは沸石、人工ゼオライトは結晶性アルミノケイ酸塩)をバインダにより付着し、各種のガス、イオン、微粒子を吸着する機能性不織布が開発されている。例えば、特許文献1の「空気清浄機等のフィルター」などのように、空気中の塵や埃を不織布が捕獲し、それより微細な浮遊細菌、煙、油粒子、臭気成分、化学成分を多孔質材のゼオライト粒子に吸着して除去する。また、このゼオライト型の機能性不織布は浄水フィルタとしても利用され、水に溶解した残留塩素や微粒子(異物)などをゼオライトに吸着する。
特開平5−293317号公報
しかしながら、このような従来の機能性不織布では、ゼオライトが塩基性物質に対して高い吸着特性を有しているものの、酸性物質の吸着能力は低い。そのため、従来の機能性不織布を使用しても、腐卵臭を放って目、皮膚、粘膜を刺激する有毒な硫化水素(HS)を、大気中や水中から十分に除去することができなかった。硫化水素は、火山の噴火口付近や硫黄泉からだけでなく、飲食店などで厨房排水用に設置される分離槽においても、閉店後の水の流動が停止した状態で発生する。また、下水処理場やごみ処理場などは硫黄が嫌気性細菌により還元されて発生する。
そこで、発明者は鋭意研究の結果、脱硫特性に優れた多孔質の無機吸着剤であるリモナイト(褐鉄鉱、黄土)に着目した。このリモナイト粒子を、バインダにより合成繊維からなる不織布に付着させて機能性不織布とすれば、化学反応により硫化水素を多量に吸着できるだけでなく、リン、残留塩素、アンモニアなども吸着除去可能な機能性不織布が得られることを知見し、この発明を完成させた。
すなわち、この発明は、高い脱硫特性を有し、かつリン、残留塩素、アンモニアおよび微粒子も吸着して除去することができる、汎用性の高い機能性不織布を提供することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、繊維が絡み合わされた不織布であって、この繊維にバインダを介してリモナイト粒子が付着された機能性不織布である。
請求項1に記載の発明によれば、不織布を構成する繊維に、多孔質の無機粉体であるリモナイト粒子がバインダにより付着している。そのため、例えば機能性不織布をフィルタとして利用した際には高い脱硫特性が得られるとともに、リン、残留塩素、アンモニアおよび微粒子などもリモナイト粒子に吸着して除去することができる。また、この機能性不織布を、例えば浄水用フィルタとして使用した際には、水中の異物(微粒子)や有害な溶解物を吸着して除去できる。
さらに、リモナイト粒子の表面には微小な凹凸が多数顕在し、機能性不織布を硫化水素ガス用のエアフィルタとして使用したときには、通気後のリモナイト粒子の表面に硫黄の結晶が生成する。リモナイトの主成分はα−FeOOH、γ−FeOOHで、リモナイト粒子と硫化水素とは、以下の反応をするといわれている。
2FeO(OH)+3HS → 2FeS+S+4HO (1)
生成したFeSは酸素と接触してFeとなり、さらにHSと反応する。
4FeS+3O → 2Fe+4S (2)
Fe+3HS → Fe+3HO (3)
Fe+3HS → 2FeS+S+3HO (4)
この機能性不織布は、例えば、各種のフィルタ、各種の脱臭シート、各種のクッション材、各種の断熱材、各種の衣類、各種の寝具、各種の医療・衛生用品、各種の包装材料として使用することができる。
不織布の繊維としては、例えばポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維などのポリオレフィン系繊維、ポリアミド系繊維、ビニル系繊維、アクリル系繊維、ポリウレタン系繊維、ポリエステル系繊維などを単独または混合して用いることができる。その他、例えば木綿、羊毛などの天然繊維、レーヨンなどの人造繊維およびこれらの混合物などを採用することができる。また、使用する繊維の繊維長および繊度ならびに不織布の厚さは、用途などに応じて適宜選択される。
バインダとしては、例えば、ポリエステル系ラテックス、アクリル系ラテックス、ウレタン系ラテックス、酢ビ系ラテックス、エポキシ系ラテックス、エポキシ系バインダ、SBR系ラテックス、NBR系ラテックス、フェノール系バインダ、PVAなどを採用することができ、これを単独または架橋剤と併用して使用する。
リモナイト(褐鉄鉱、黄土)とは、鉄を含む鉱物の風化生成物として熊本県阿蘇地方などで産出される暗褐色または黒色の団塊状、土状の物質である。化学組成はFeO(OH)・nHOであるものの、赤鉄鉱(Fe)や粘土鉱物、酸化マンガン(II)などを不純物として含有する。リモナイトの機能としては、例えば、4大悪臭と呼ばれる硫化水素、アンモニア、トリメチルアミン、メチルメルカプタなどの吸着除去、水中に溶解した残留塩素、リンなどの吸着除去、不飽和アルデヒドの一種で油臭さ、加齢臭の原因物質の1つとなるノネナールの吸着除去などが挙げられる。
リモナイト粒子の粒径としては、0.01〜500μmである。粒径が0.01μm未満では粒子の凝集性が高まり、バインダに分散させにくくなる。また、粒径が500μmを超えれば、機能性不織布の手触りが悪くなり、硫化水素などの吸着速度が低下する。
リモナイト粒子の比表面積は0.1m/g以上が好ましい。比表面積が0.1m/g未満では吸着効果などの機能が不充分となる。
不織布に付着させるリモナイト粒子の付着量(不織布に対するリモナイト粒子の配合比)は1〜50質量%である。1質量%未満では硫化水素などの十分な吸着効果が得られず、50質量%を超えた場合には繊維分が少なくなり、吸着材の密度が増え、吸着処理速度が遅くなる。
機能性不織布には、リモナイト粒子のほかに、例えば天然または人工のゼオライト粒子(沸石)、活性炭粒子、アルミナ粒子、チタン粒子、木炭粒子などの他の無機粉体を付着させてもよい。また、無機粉体に有機材料を複合化させた材料も使用することができる。
人工ゼオライトは、結晶性アルミノケイ酸塩の総称で、構成元素はアルミニウム、ケイ素、酸素などで、SiOとAlO四面体構造を基本としている。それらが規則正しく繋がることで、ゼオライトの特徴である、直径が数Å〜数十Åの小さな分子とほぼ同じ大きさの細孔が規則的に形成される。この細孔にはカチオンが存在しており、これに基づきゼオライトの各種機能が発現される。すなわち、ゼオライトの細孔には、その直径より小さな分子のみが侵入でき、それより大きい分子を篩分けることができる(モレキュラーシーブ(分子篩))。
リモナイト粒子と人工ゼオライト粒子とを混合した場合には、土壌や水中の重金属吸着効果、土壌に含まれるガスを吸着する効果が得られる。これにより、農業分野、園芸分野、コンクリートブロックなどの建築分野など多種多様の分野で利用することができる。吸着効果としては、酸性物質、アニオンに対して高い吸着能を有する水酸化第二鉄と塩基性物質、カチオンに対して高い吸着能を有するゼオライトを混合することにより、機能性不織布に複合性能を与えることができる。
また、リモナイト粒子と人工ゼオライト粒子が付着した機能性不織布(複合フィルタ)のさらなる効果としては、この複合フィルタを塩水に浸すことにより人工ゼオライトの機能が回復し、その後、真水により濯いで塩分を除去することで、リモナイトの鉄イオン(多価陽イオン)が人工ゼオライトの交換性陽イオンと転換し、吸着速度が増大する。このように、複合フィルタは塩水への浸漬、撹拌、水洗、乾燥を順次行うことにより、3〜10回、その機能を回復することができる。
請求項2に記載の発明は、前記機能性不織布は、フィルタ用、脱臭シート用、クッション材用、断熱材用、衣類用、寝具用、または医療・衛生用品用として使用される請求項1に記載の機能性不織布である。
フィルタとしては、例えばエアコン用、空気清浄機用、扇風機用、浄水器用、その他の液体ろ過装置用などを採用することができる。脱臭シートとしては、例えば靴の中敷き、ペット用マット、壁掛け脱臭シート、パック容器やトロ箱の吸水シートなどを採用することができる。クッション材としては、例えばヘルメット用クッション体、座布団の充填材、マットの充填材、ベッドやソファの充填材を採用することができる。断熱材としては、建築の内装材用、機械の断熱材用などを採用することができる。衣類としては、例えば下着、上着、チョッキ、ズボン、スカート、マフラーなどを採用することができる。寝具としては、例えばシーツ、布団カバー、枕カバー、枕の充填材、病床に敷いて用いる寝具シートなどを採用することができる。医療・衛生用品としては、例えばマスクなどである。包装材料としては、例えば風呂敷、梱包用緩衝シート、梱包用緩衝ネットなどを採用することができる。
請求項3に記載の発明は、前記機能性不織布は、シンクの水切り袋用に使用される請求項1に記載の機能性不織布である。
台所のシンクの水切り袋に捨てられた生ごみのうち、特に魚や肉は、時間の経過に伴って徐々に腐敗し、それにより動物性のたんぱく質やアミノ酸などが分解され、腐敗臭を放つ有毒な硫化水素やアンモニアなどが生成する。これにより、これらの有毒物質が水切り袋の中に充満し、腐りかけた魚や肉は各有毒物質との接触による影響も受けて、腐敗速度がさらにはやまる。しかしながら、請求項3に記載の発明では、水切り袋がリモナイト粒子を担持した機能性不織布からなるため、リモナイト粒子が水切り袋内で発生した硫化水素やアンモニアと接触し、これらを分解する。その結果、水切り袋に捨てられた生ごみの臭いが抑制されるとともに、使用後の水切り袋のぬめりも低減できる。
水切り袋とは、キッチンに設置されたシンクで利用される使い捨てタイプのごみ袋である。
水切り袋の形状やサイズは任意である。この水切り袋は、排水溝用のものでも、三角コーナー用のものでもよい。
請求項1に記載の発明によれば、不織布の繊維にバインダによりリモナイト粒子が付着しているため、例えば機能性不織布をフィルタとして利用した際には高い脱硫特性が得られるとともに、リン、残留塩素、アンモニアおよび微粒子などもリモナイト粒子に吸着されて除去することができる。また、この機能性不織布を、例えば浄水用フィルタとして使用した際には、水中の異物(微粒子)や有害な溶解物を吸着して除去できる。
また、シンクの水切り袋の中に捨てられた生ごみ、特に魚や肉は、時間の経過に伴い徐々に腐敗していく。その際、これらの動物性のたんぱく質やアミノ酸などが分解され、腐敗臭を放つ有毒な硫化水素やアンモニアなどが生成する。これにより、これらの有毒物質が水切り袋の中に充満し、腐敗途中の魚や肉は各有毒物質との接触による影響も受けて、腐敗速度がさらにはやまる。しかしながら、請求項3に記載の発明では、水切り袋がリモナイト粒子を担持した機能性不織布からなるため、リモナイト粒子が水切り袋内で発生した硫化水素やアンモニアと接触し、これらを分解する。その結果、水切り袋に捨てられた生ごみの臭いを抑えられるとともに、使用後の水切り袋のぬめりも低減される。
この発明の実施例1に係る機能性不織布の拡大断面図である。 この発明の実施例1に係る機能性不織布の製造装置の断面図である。 この発明の実施例2に係る機能性不織布の一部拡大図を含む使用状態の断面図である。 この発明の実施例3に係る機能性不織布の一部拡大図を含む斜視図である。
以下、この発明の実施例を具体的に説明する。
図1において、10はこの発明の実施例1に係る機能性不織布で、この機能性不織布10は、スパンボンド法によりフリースが形成されたポリプロピレン長繊維(ポリプロピレン短繊維でも可能)11を、単位面積当たりの目付が15g/mで絡み合わせた不織布12に、酢酸ビニルを主体としてエチレンを共重合させたエマルジョンタイプのバインダ13を介して、粒径が100μm、比表面積が0.5m/gのリモナイト粒子14を10〜50質量%だけ付着させたものである。
次に、図2を参照して、機能性不織布製造装置15による機能性不織布10の製造方法を説明する。
図2に示すように、機能性不織布製造装置15は、原料となる不織布12が巻回された原反ロール16を、一対の支柱17間で軸線を水平にして回転自在に支持する不織布供給部18と、不織布供給部18より下流に配置され、かつリモナイト粒子14が分散されたバインダ13を溜めたバインダ槽19の底部に、不織布12をバインダ13の液面下に引き込むための軸線が水平な引き込みローラ20が配置されるとともに、その直上に軸線が水平な補助ローラ21が配置された粒子付着部22と、粒子付着部22より下流に配置され、かつ乾燥室23の天井部分および床部分に一対のヒータ24が配設されるとともに、乾燥室23の入口部25および出口部26に軸線が水平な2本の折り返しローラ27が配設された乾燥器28と、乾燥器28により下流に配置され、かつ製造された機能性不織布10を、一対の支柱17間に軸線を水平にして回転自在に支持された巻き取りローラ29に巻き取る駆動モータ30付きの巻き取り部31とを備えている。
機能性不織布10の製造時には、まず原料となる不織布12が巻回された原反ロール16を不織布供給部18の一対の支柱17間に回転自在に支持する。次に、原反ロール16から不織布12の先端部を繰り出し、この先端部を粒子付着部22のバインダ槽19の引き込みローラ20および補助ローラ21を介して入口部25から乾燥器28の乾燥室23に導入する。ここで、不織布12を一対の折り返しローラ27によってつづら折り状に折り返した後、不織布12の先端部を乾燥器28の出口部26から導出し、巻き取り部31の巻き取りローラ29の外周面に固定する。
その後、機能性不織布製造装置15を用いて機能性不織布10を製造する際には、駆動モータ30によって巻き取りローラ29を水平回転させる。これにより、原反ロール16から繰り出された不織布12の部分は、順次、バインダ槽19に溜まったバインダ13に浸すことで、その不織布12の繊維11の全域にバインダ13を介してリモナイト粒子14が分散状態で付着される。その後は、乾燥器28を通る間にヒータ24によりバインダ13が乾燥し、不織布12の繊維全体にリモナイト粒子14が固定される。次に、乾燥器28の出口部26から導出された機能性不織布10の部分が、巻き取りローラ29に順次巻き取られていく。
製造された機能性不織布10は、空気清浄機または浄水器のフィルタとして使用される。このとき、空気中または水中に含まれた比較的大きな異物(塵など)は、機能性不織布10の基材としての不織布12により捕獲され、それより微小な異物などはリモナイト粒子14によって吸着除去される。すなわち、不織布12を構成する繊維11に、多孔質の無機粉体であるリモナイト粒子14がバインダ13によって付着しているため、機能性不織布10を空気清浄機用のフィルタとして利用した場合には、高い脱硫特性が得られるとともに、煙、油粒子、アンモニア、メチルメルカプタン、トリメチルアミン、ノネナールおよび空気中を浮遊する微粒子などもリモナイト粒子14に吸着して除去される。
特に、機能性不織布10を硫化水素ガス用の脱硫フィルタとして使用したときには、通気後のリモナイト粒子14の表面に平滑な硫黄の結晶が生成する。リモナイトの主成分はα−FeOOH、γ−FeOOHであるため、リモナイト粒子14と硫化水素とは、以下の1〜4式の反応が行われると推測される。
2FeO(OH)+3HS → 2FeS+S+4HO (1)
生成したFeSは酸素と接触してFeとなり、さらにHSと反応する。
4FeS+3O → 2Fe+4S (2)
Fe+3HS → Fe+3HO (3)
Fe+3HS → 2FeS+S+3HO (4)
また、この機能性不織布10は、フィルタとしての利用の他にも、各種の脱臭シート、各種のクッション材、各種の断熱材、各種の衣類、各種の寝具、各種の医療・衛生用品、各種の包装材料としても利用することができる。
次に、図3を参照し、この発明の実施例2に係る機能性不織布について説明する。
図3に示すように、この実施例2の機能性不織布10Aの特徴は、リモナイト粒子14だけでなく人工ゼオライト粒子32を不織布12に付着させるとともに、この機能性不織布10Aを壁掛け式の空気清浄機33に使用される脱臭フィルタ34として採用した点である。
人工ゼオライト粒子32は、アルミニウム、ケイ素、酸素などで、SiOとAlO四面体構造を基本とし、その表面に細孔が規則的に形成されている。この細孔にはカチオンが存在し、その影響でゼオライトの細孔にはその直径より小さな分子のみが侵入する。
壁掛け式の空気清浄機33は、正面視して矩形状で、かつ表板38aの中央部に矩形状の吸気口35が形成されるとともに、4つの側板36の底部分に複数の排気口37が形成されたケーシング38を有している。このケーシング38には、その内部空間を表裏方向へ2分割する矩形状の脱臭フィルタ34が収納されている。また、ケーシング38の吸気口35には電動ファン39が嵌入され、さらにケーシング38の表面全体を被うように、矩形枠状の表板38aの外面全域には造花40が固着されている。
空気清浄機33の使用時には、電動ファン39を作動させることで、外気が造花40の隙間から電動ファン39を通してケーシング38の内部空間に吸い込まれ、ここで外気は機能性不織布10Aからなる脱臭フィルタ34を強制的に通過する。このとき、酸性物質の吸着性能に富んだリモナイト粒子14による硫化水素、アンモニア、メチルメルカプタン、トリメチルアミン、ノネナールなどが吸着除去される。その他にも、塩基性物質の吸着性能に富んだ人工ゼオライト粒子32によって、リモナイト粒子14に比べて多量の残留塩素などが吸着除去される。
また、実施例2の機能性不織布10Aを浄水用フィルタとして利用した場合には、リモナイト粒子14および人工ゼオライト粒子32の吸着効果により、水中に溶解したヒ素、セレン、鉛、カドミウム、フッ素、ホウ素などの様々な重金属を吸着除去することができる。
さらに、このようにリモナイト粒子14と人工ゼオライト粒子32とを混合した場合、土壌や水中の重金属吸着効果、土壌に含まれるガスを吸着する効果が得られる。この吸着効果としては、酸性物質、アニオンに対して高い吸着能を有する酸化第二鉄と塩基性物質、カチオンに対して高い吸着性能を有するゼオライトを混合することにより、機能性不織布10Aに複合性能を与えることができる。これにより、機能性不織布10Aは農業分野、園芸分野、建築分野などの分野で利用することができる。
また、使用済みの機能性不織布10Aに対してその機能を回復させる際には、塩水に機能性不織布10Aを浸すことで人工ゼオライトの機能が回復し、その後、真水による濯ぎで塩分を除去することにより、リモナイトの鉄イオン(多価陽イオン)が人工ゼオライトの交換性陽イオンと転換し、吸着速度が増大する。このような操作を行うことで、機能性不織布10Aは3〜10回、その機能を回復することができる。
その他の構成、作用および効果は、実施例1から推測可能な範囲であるため説明を省略する。
次に、図4を参照して、この発明の実施例3に係る機能性不織布について説明する。
図4に示すように、この実施例3の機能性不織布10Cの特徴は、シンクの水切り袋60の原材料に機能性不織布10Cを採用した点である。
水切り袋60とは、料理中に発生した生ごみを、いったんシンクの排水溝や三角コーナーに捨てるための使い捨て方式のごみ袋である。
水切り袋60に捨てられた生ごみのうち、特に魚や肉は、時間の経過に伴って徐々に腐敗し、それにより動物性のたんぱく質やアミノ酸などが分解され、腐敗臭を放つ有毒な硫化水素やアンモニアなどが生成する。これにより、これらの有毒物質が水切り袋60の中に充満し、腐りかけた魚や肉はこれらの有毒物質との接触による影響を受けて、腐敗速度がさらにはやまる。しかしながら、ここでは水切り袋60がリモナイト粒子14を繊維11を介して担持した機能性不織布10Cからなるため、リモナイト粒子14が水切り袋60内で発生した硫化水素やアンモニアと接触し、これらを分解する。その結果、水切り袋60に捨てられた生ごみの臭いを抑制できるとともに、使用後の水切り袋60のぬめりも低減することができる。
その他の構成、作用および効果は、実施例1から推測可能な範囲であるため説明を省略する。
この発明は、硫化水素やアンモニアなどに対する吸着特性が高い機能性不織布を提供する技術として有用である。
10,10A〜10C 機能性不織布、
11 繊維、
12 不織布、
13 バインダ、
14 リモナイト粒子、
60 水切り袋。

Claims (3)

  1. 繊維が絡み合わされた不織布であって、この繊維にバインダを介してリモナイト粒子が付着された機能性不織布。
  2. 前記機能性不織布は、フィルタ用、脱臭シート用、クッション材用、断熱材用、衣類用、寝具用、または医療・衛生用品用として使用される請求項1に記載の機能性不織布。
  3. 前記機能性不織布は、シンクの水切り袋用に使用される請求項1に記載の機能性不織布。
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