JP2016094876A - 遠心式ファン - Google Patents

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佑介 浅井
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Abstract

【課題】吸気口の内径が制限された遠心式ファンで、羽根車の回転数を上げることなく、吸気量を確保する。
【解決手段】複数の翼片が回転軸に対して放射状に配置された円筒形状の羽根車をファンケース内に収容し、ファンケースで回転軸の軸方向の一端面を形成する蓋板には、羽根車の内側に空気を導く吸気通路を設ける。この吸気通路は、蓋板からファンケースの外側に突出させて設けると共に、ファンケースの内側に向かって縮径する形状に形成する。こうすれば、ファンケースの外側から空気をスムーズに導くための吸気通路を、羽根車の内側に奥深く入り込ませる必要がなく、吸気通路から流入した空気が羽根車の翼片に向かって流れ易くなるので、羽根車の回転数を上げることなく、羽根車の外側に吹き出す空気の流量(=吸気通路からの吸気量)を増やすことができる。
【選択図】図4

Description

本発明は、燃焼装置などに風を送り込む遠心式ファンに関する。
燃焼装置などに用いられる送風機として、遠心式ファンが知られている(例えば、特許文献1)。遠心式ファンは、複数の翼片が回転軸に対して放射状に配置された円筒形状の羽根車と、羽根車を収容するファンケースとを備えている。このファンケースは、羽根車の回転軸に対する半径が羽根車の回転方向に次第に大きくなる形状に周壁が形成されており、その周壁の半径が大きい側から接線方向に送風路が延設されている。また、ファンケースは、回転軸の軸方向の一端側が蓋板で覆われており、この蓋板には羽根車の内側に向かって縮径するベルマウス形状の吸気口が設けられている。羽根車を回転させると、羽根車の内側から外側に空気が吹き出すので、吸気口から空気を吸い込み、送風路に接続された燃焼装置などに送り込むことができる。
こうした遠心式ファンを用いて燃焼装置などに空気を送り込む場合には、遠心式ファンを含めた装置全体での共鳴による大きな騒音(共鳴音)の発生が問題となることがある。この共鳴音については、遠心式ファンの吸気口の内径(開口面積)を小さく設定することによって抑制できることが経験上分かっている。
特開2005−180179号公報
しかし、共鳴音の抑制のために吸気口の内径が制限されると、遠心式ファン内への空気の吸気量が不足することがあるという問題があった。かといって、吸気量を増やすために羽根車の回転数を上げたのでは、遠心式ファン自体の騒音が大きくなってしまう。また、ベルマウス形状(断面が円弧形状)の吸気口の吸気抵抗を小さくするために円弧形状の曲率半径を大きくすると、吸気口の小径側の先端が羽根車内に奥深く入り込み、吸気口から流入した空気の流れが羽根車の翼片に向き難くなるので、羽根車の外側に吹き出す空気の流量(=吸気量)がかえって減ってしまう。
この発明は、従来の技術が有する上述した課題に対応してなされたものであり、吸気口の内径が制限された遠心式ファンで、羽根車の回転数を上げることなく、吸気量を確保することが可能な技術の提供を目的とする。
上述した課題を解決するために本発明の遠心式ファンは次の構成を採用した。すなわち、
複数の翼片が回転軸に対して放射状に配置された円筒形状の羽根車と、該羽根車を収容するファンケースと、該ファンケースで前記回転軸の軸方向の一端面を形成すると共に、前記羽根車の内側に空気を導く吸気通路が設けられた蓋板と、前記ファンケースに接続された送風路とを備え、前記羽根車を回転させることで、前記吸気通路から吸い込んだ空気を前記送風路に送る遠心式ファンにおいて、
前記吸気通路は、前記蓋板から前記ファンケースの外側に突出させて設けられると共に、前記ファンケースの内側に向かって縮径する形状に形成されている
ことを特徴とする。
このような本発明の遠心式ファンでは、ファンケースの外側から空気を羽根車の内側にスムーズに導くための吸気通路を、ファンケースの外側に突出させたことで、羽根車の内側に入り込ませる必要がない。これにより、吸気通路から流入した空気が羽根車の翼片に向かって流れ易くなるので、羽根車の回転数を上げることなく、羽根車の外側に吹き出す空気の流量(=吸気通路からの吸気量)を増やすことができる。
上述した本発明の遠心式ファンでは、吸気通路の大径側の端部に、半径方向外側に向けてフランジを設けておいてもよい。
蓋板からファンケースの外側に突出させた吸気通路の入口部分(大径側の端部)では、蓋板側から巻き込む空気の流れが生じることがある。このような蓋板側からの空気の巻き込みは、吸気通路の内面に沿って流入しようとする空気の流れを乱し、吸気通路の内側に空気が流れない領域を生じさせるので、吸気通路の吸気抵抗が大きくなる。そこで、吸気通路の大径側の端部にフランジを設ければ、蓋板側から巻き込む空気の流れを遮断できるので、吸気通路の吸気抵抗の発生を抑制することが可能となる。こうして空気に対する抵抗を減らすことで、吸気量を確保することができる。
こうした本発明の遠心式ファンでは、回転軸を含む平面で切断した吸気通路の断面形状を、所定の曲率半径で湾曲する円弧形状としてもよい。
このような本発明の遠心式ファンでは、吸気通路をファンケースの外側に突出させたことで、吸気通路を羽根車に奥深く入り込ませることなく、ファンケースの内側に向かって縮径する吸気通路の湾曲の曲率半径を大きく確保することができる。そして、曲率半径を大きくすれば、吸気通路に流入した空気をスムーズに羽根車の内側に導いて、吸気通路の内側に空気が流れない領域が生じるのを抑制できる。その結果、共鳴音の抑制の観点から吸気通路の最小径が制限された上に、空気が流れない領域が生じて実際に空気が通過可能な面積が狭められることはなく、吸気通路の最小径を有効に使って吸気量を確保することができる。
また、上述した本発明の遠心式ファンでは、吸気通路の断面形状を、蓋板上に曲率中心を有する円弧形状にすると共に、蓋板から突出した吸気通路の高さを、曲率半径よりも小さくしてもよい。
このようにすれば、吸気通路の断面形状は、所定の曲率半径で湾曲する円弧の大径側の部分を省いた形状となる。この大径側の部分を含めた場合の吸気通路の通路長は、曲率半径が大きくなるのに伴って長くなり、一般に通路長が長くなることによって吸気通路の通路抵抗が増大する傾向にある。そこで、このような大径側の部分を省いた形状とすれば、小径側の部分における流入空気の整流効果を得ながら、吸気通路の通路抵抗を低減することができるので、吸気量を確保し易くなる。
また、このような本発明の遠心式ファンでは、吸気通路の小径側からファンケースの内側に向かって拡径する拡径部を設けてもよい。
このような本発明の遠心式ファンでは、ファンケースの外側から吸気通路に流入した空気の流れが吸気通路の縮径によって徐々に加速される。そして、拡径部では、空気の流れを減速させると共に、流れの向きを羽根車の翼片に向かう方向に変えることができる。このため、吸気通路から流入した空気をスムーズに翼片に導いて、羽根車の外側に吹き出す空気の流量を増加させることができる。
本実施例の遠心式ファン10を分解した状態を示した斜視図である。 回転軸32を含む平面で遠心式ファン10を切断した断面図である。 吸気量の不足が生じる従来例の遠心式ファン10を示した説明図である。 本実施例の遠心式ファン10で吸気量を確保できる理由を示した説明図である。 遠心式ファン10の吸気量を確保するのに、本実施例の吸気通路72が有効であることを示す説明図である。 変形例の遠心式ファン10を示した説明図である。 テーパー形状の吸気通路72を例示した説明図である。 吸気通路72の大径側から接続部78を介して誘導板70に接続する例を示した説明図である。
図1は、本実施例の遠心式ファン10を分解した状態を示した斜視図である。この遠心式ファン10は、例えば、バーナーを内蔵する燃焼装置(図示省略)に接続されて、バーナーに燃焼用空気を送るのに用いられる。図示されるように遠心式ファン10は、回転することで風を発生させる羽根車20や、羽根車20を回転させる駆動モーター30や、羽根車20を収容するファンケース50などを備えている。
本実施例の羽根車20は、いわゆるシロッコファンであり、駆動モーター30の回転軸32の軸方向に細長く形成された複数の翼片24が回転軸32に対して放射状に所定の間隔で配置されて円筒形状になっている。これら翼片24の一端(図中の下端)は、略円形の回転円板22の外縁部分に固定されており、翼片24の他端(図中の上端)は、環状の支持板26に固定されている。回転円板22は、中央で駆動モーター30の回転軸32に固定されており、駆動モーター30の駆動によって羽根車20が回転軸32を中心に回転する。
ファンケース50は、駆動モーター30の本体に対して固定される底板52と、羽根車20の外周を囲うように湾曲させた周壁板54と、周壁板54を介して底板52と対向する上板56とを接合して形成される。尚、本実施例の底板52、周壁板54、および上板56は、それぞれ金属平板からプレス加工によって形成されている。また、ファンケース50(周壁板54)は、回転軸32に対する半径が羽根車20の回転方向(図示した例では左回り)に次第に大きくなる形状に形成されたスクロールケーシング50aと、スクロールケーシング50aの半径が大きい側から接線方向に延設された送風路50bとを備えている。送風路50bの末端には吐出口60が設けられており、遠心式ファン10が空気を送り込む図示しない燃焼装置などが接続される。
上板56には、ファンケース50の内側に向かって縮径するベルマウス形状の開口部58が設けられている。また、ファンケース50の上板56の外側(図中の上面側)には誘導板70が重ねて取り付けられ、この誘導板70には、羽根車20の内側に空気を導く吸気通路72が設けられている。本実施例の誘導板70は、ファンケース50とは異なり、PPS(ポリフェニレンサルファイド)などの樹脂材料で形成されている。吸気通路72は、ファンケース50の外側に突出させて設けられており、ファンケース50の内側に向かって縮径する形状になっている。尚、吸気通路72の詳細な形状については別図を用いて後述する。また、本実施例の上板56および誘導板70は、本発明の「蓋板」に相当している。
図2は、回転軸32を含む平面で遠心式ファン10を切断した断面図である。図示されるように上板56に形成された開口部58の中心は回転軸32と同一直線上にあり、開口部58の内径は羽根車20(支持板26)の内径よりも小さくなっている。加えて、ベルマウス形状の開口部58の先端は、支持板26よりも羽根車20の奥側(回転円板22側)に入り込んでいる。
このような上板56に対して密接させて誘導板70が固定されており、ファンケース50の外側に突出させて誘導板70に設けられた吸気通路72の中心軸は回転軸32と同一直線上にある。本実施例の吸気通路72は、ファンケース50の内側に向かって縮径するベルマウス形状に形成されており、図示されるように断面が円弧形状になっている。この吸気通路72の最小径(羽根車20側の端部の内径)は、上板56の開口部58の内径よりも小さくなっている。また、吸気通路72の小径側(羽根車20側)の端部は、開口部58に差し入れられているものの、支持板26よりも羽根車20の奥側には入り込んでいない。一方、吸気通路72の大径側(羽根車20とは反対側)の端部には、外縁から半径方向外側に向けてフランジ74が設けられており、このフランジ74は誘導板70と略平行になっている。
このような遠心式ファン10では、駆動モーター30の駆動によって羽根車20が回転すると、遠心力によって羽根車20の内側から外側に空気が吹き出す流れが生じるので、ファンケース50の外側から空気が吸気通路72を通って羽根車20の内側に吸い込まれる。図中の一点鎖線の矢印は、吸気通路72を通って羽根車20の内側に流入する空気の流れを示している。そして、羽根車20の外側に吹き出した空気は、ファンケース50(周壁板54)のスクロールケーシング50aに沿って進み(図1参照)、送風路50bを通って吐出口60から燃焼装置などに送り込まれる。
こうして遠心式ファン10を用いて燃焼装置などに空気を送り込む場合、遠心式ファン10が燃焼装置などの筐体と共鳴器を形成することで遠心式ファン10を含む装置全体で共鳴音を発して騒音になることがある。この共鳴音は、ファンケース50内に空気を流入させる吸気口の内径(本実施例では吸気通路72の最小径)を大きくすると発生し易くなるため、共鳴音を抑制する観点から吸気口の内径は一定以上に大きくできない。このように吸気口の内径が制限されることで、羽根車20の内側への空気の吸気量(=燃焼装置などへの空気の供給量)が不足することがあり、かといって、吸気量を増やすために羽根車20の回転数を上げたのでは、駆動モーター30の駆動音といった遠心式ファン10自体の騒音が大きくなってしまう。そこで、本実施例の遠心式ファン10では、ファンケース50の外側に突出させて吸気通路72が設けられており、こうすることで、羽根車20の回転数を上げなくても、吸気量を確保することができる。以下では、この点について説明するが、まず準備として、吸気量の不足が生じる従来例の遠心式ファン10について説明する。
図3は、吸気量の不足が生じる従来例の遠心式ファン10を示した説明図である。図3には、従来例の遠心式ファン10の上板56および誘導板90が、回転軸32を含む平面で切断した断面図で示されている。図3(a)に示した従来例の遠心式ファン10は、ファンケース50の上板56の外側(図中の上面側)に誘導板90が重ねて取り付けられており、誘導板90には、羽根車20の内側に空気を導く吸気口92が形成されている。この誘導板90は、ファンケース50と同様に、金属平板からプレス加工によって形成されている。吸気口92は、羽根車20の内側に向かって縮径するベルマウス形状になっており、ファンケース50の内側に埋設されている。尚、図中の一点鎖線の矢印は、ファンケース50の外側から空気が吸気口92に流入する流れを示している。
このような従来例の遠心式ファン10では、ベルマウス形状の吸気口92の縮径の湾曲が急である(湾曲の曲率半径Rが小さい)と、吸気口92の内面の傾きが急変するのに対して直進しようとする空気の流れが吸気口92の内面から離れるので、図3(a)に示したように、吸気口92の内側に空気が流れない領域が生じてしまう。前述したように共鳴音を抑制する観点から吸気口92の内径dは制限されており、それに加えて空気が流れない領域が生じることによって、実際に空気が通過可能な面積が狭くなってしまう。そのため、吸気口92の吸気抵抗が大きくなり、吸気量が低下する。
このような吸気口92の内側の空気が流れない領域は、図3(b)に示すように、吸気口92の縮径の湾曲を緩やかにする(湾曲の曲率半径Rを大きくする)ことで、発生を抑制できる。ただし、曲率半径Rを大きくすると、吸気口92の小径側の先端(羽根車20側の端部)が羽根車20の奥側(回転円板22側)に深く入り込んだ状態となる。そのため、吸気口92から流入した空気は、主に翼片24の中央よりも回転円板22側の部分にしか送られず(図2参照)、羽根車20の外側に吹き出す空気の流量(=吸気量)がかえって減ってしまう。また、ファンケース50の外側から空気が流入する吸気口92の入口部分の径(d+2R)は、羽根車20(支持板26)の内径よりも大きくすることが困難である。
図4は、本実施例の遠心式ファン10で吸気量を確保できる理由を示した説明図である。図4には、回転軸32を含む平面で上板56および誘導板70を切断した断面図が示されている。図中の一点鎖線の矢印は、ファンケース50の外側から空気が吸気通路72に流入する流れを示している。図4(a)に示されるように、本実施例の遠心式ファン10では、ファンケース50の外側に突出させて吸気通路72が設けられており、吸気通路72の羽根車20側の端部を羽根車20に奥深く入り込ませることなく、ファンケース50の内側に向かって縮径する吸気通路72の湾曲の曲率半径Rを大きく確保することができる。吸気通路72が羽根車20の内側に入り込まないことで、吸気通路72から流入した空気が翼片24の支持板26側にも流れ易くなるので(図2参照)、羽根車20の外側に吹き出す空気の流量(=吸気量)を増やすことができる。そして、曲率半径Rを大きくすれば、吸気通路72の内面の傾きの変化が緩やかになり、吸気通路72の内側に空気が流れない領域が生じるのを抑制できる。そのため、共鳴音の抑制の観点から吸気通路72の最小径(羽根車20側の端部の内径)dが制限された上に、空気が流れない領域が生じて実際に空気が通過可能な面積が狭められることはなく、吸気通路72の最小径を有効に使って羽根車20の内側に空気を吸い込むことができる。尚、本実施例の吸気通路72では、曲率半径Rは最小径dよりも大きく設定されている。
また、本実施例の吸気通路72は、上板56の表面からの高さHが曲率半径Rよりも小さく設定されており、上板56の表面上に曲率中心を有し曲率半径Rで湾曲する曲面の大径側の部分(図中の破線で示した部分)を省いた形状となっている。この大径側の部分を含めた場合の吸気通路72の通路長は、曲率半径Rが大きくなるのに伴って長くなり、一般に通路長が長くなることによって吸気通路72の通路抵抗が増大する傾向にある。本実施例の吸気通路72では、大径側の部分を省くことによって、小径側の部分における流入空気の整流効果を得ながら、吸気通路72の通路抵抗を低減することができる。尚、図3に示したように吸気口92がファンケース50の内側に埋設された従来例の遠心式ファン10では、吸気口92の大径側の部分と誘導板90とに連続性があるので、大径側の部分を省くことは不可能である。すなわち、本実施例の遠心式ファン10のように吸気通路72をファンケース50の外側に突出させることではじめて、大径側の部分を省くことが可能となる。
さらに、本実施例の吸気通路72では、空気が流入する入口部分の外縁から半径方向外側に向けてフランジ74を設けている。これは次のような理由による。まず、曲率半径Rで湾曲する曲面の大径側の部分を省いただけでは、図4(b)に示したように、吸気通路72の入口部分で誘導板70側(図中の下方)から巻き込む空気の流れが生じることがある。このような誘導板70側からの空気の巻き込みは、吸気通路72の内面に沿って流入しようとする空気の流れを乱し、吸気通路72の内側に空気が流れない領域を生じさせるので、吸気通路72の吸気抵抗が大きくなってしまう。これに対して、本実施例の吸気通路72では、図4(a)に示すようにフランジ74を設けることによって、誘導板70側から巻き込む空気の流れを遮断できるので、吸気通路72の吸気抵抗の発生を抑制することが可能となる。尚、吸気通路72の半径方向のフランジ74の幅は、4mm〜12mmの範囲であることが望ましい。
図5は、遠心式ファン10の吸気量を確保するのに、本実施例の吸気通路72が有効であることを示す説明図である。図5(a)〜(c)に示した吸気口92および吸気通路72について、最小径dや羽根車20の回転数を同じとして、ファンケース50の外側と内側との圧力差(吸気口92または吸気通路72における圧力損失)を比較した例を図5(d)に示している。
まず、図5(a)には、比較として従来例の吸気口92が示されており、最小径dに対して、縮径する湾曲の曲率半径Rが0.3dに設定されている。図5(a)の吸気口92は、図5(a)〜(c)の3つの中で圧力損失が最も大きくなっている。これは、吸気口92の小径側の先端が羽根車20の内側に入り込んでいたり、曲率半径Rを大きく確保できないために吸気口92の内側に空気の流れない領域が生じたりするので、吸気口92の吸気量が少ないことを示している。
また、図5(b)には、最小径dや曲率半径R(=0.3d)を図5(a)の吸気口92と同様にしつつ、ファンケース50の外側に突出させた吸気通路72が示されている。図5(b)の吸気通路72は、図5(a)の吸気口92に比べて圧力損失が小さくなっており、この結果は、吸気通路72が羽根車20の内側に入り込んでいないことから、吸気通路72から空気が流入し易くなっていることを表している。
さらに、図5(c)には、本実施例の吸気通路72が示されており、曲率半径Rが図5(b)の吸気通路72よりも大きい1.2dに設定されている。図5(c)の吸気通路72は、図5(b)の吸気通路72よりも圧力損失がさらに小さくなっている。この結果は、曲率半径Rを大きくすると共に、フランジ74を設けたことで、吸気通路72の内側に空気が流れない領域が生じるのを抑制できるので、吸気通路72の吸気量が増えることを表している。このように本実施例の吸気通路72では、吸気抵抗を減らすことで、最小径dを大きくせずに吸気量を確保することができる。結果として、羽根車20の回転数を減らせるので、遠心式ファン10自体の低騒音化を図ることもできる。
上述した本実施例の遠心式ファン10には、次のような変形例も存在する。以下では、上述の実施例とは異なる点を中心に変形例について説明する。
図6は、変形例の遠心式ファン10を示した説明図である。図6には、回転軸32を含む平面で変形例の上板56および誘導板70を切断した断面図が示されている。図示されるように変形例の誘導板70には、吸気通路72の最小径の部分(最狭部72d)からファンケース50の内側に向かって拡径する拡径部76が設けられている。
このような変形例の遠心式ファン10では、ファンケース50の外側から吸気通路72に流入した空気の流れが吸気通路72の縮径によって徐々に加速される。そして、最狭部72dで最速となった空気の流れを拡径部76で減速させると共に、図中に一点鎖線の矢印で示すように流れの向きを羽根車20の翼片24に向かう方向に変えることができる。このため、吸気通路72から流入した空気をスムーズに翼片24に導いて、羽根車20の外側に吹き出す空気の流量(=吸気量)を増加させることができる。結果として、羽根車20の回転数を減らせるので、遠心式ファン10自体の低騒音化が可能となる。
尚、図3に示したように吸気口92がファンケース50の内側に埋設された従来例の遠心式ファン10では、吸気口92の最小径側に変形例のような拡径部76を設けようとすると、羽根車20に奥深く入り込ませることになるので、翼片24の回転円板22側の部分にしか空気が送られず、かえって羽根車20の外側に吹き出す空気の流量が減ってしまう。従って、変形例の拡径部76は、吸気通路72をファンケース50の外側に突出させることではじめて、実現することが可能となる。
以上、本実施例および変形例の遠心式ファン10について説明したが、本発明は上記の実施例および変形例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。
例えば、前述した実施例および変形例では、吸気通路72がファンケース50の内側に向かって縮径するベルマウス形状(断面が円弧形状)に形成されていた。しかし、吸気通路72の形状は、ベルマウス形状に限られず、図7に示すようにファンケース50の内側に向かって縮径するテーパー形状(断面が直線)であってもよい。このようなテーパー形状の吸気通路72であっても、ファンケース50の外側に突出させることで、羽根車20の内側に吸気通路72を入り込ませる必要がないので、吸気通路72から空気が流入し易くなる。また、誘導板70の表面に対するテーパーの傾斜角度θを適切に設定しておくことで、縮径による吸気抵抗の発生を抑制することができる。さらに、吸気通路72の入口部分の外縁から半径方向外側に向けてフランジ74を設けることで、誘導板70側から巻き込む空気の流れを遮断して、空気の巻き込みによる吸気抵抗の発生を抑制することができる。
また、前述した実施例の吸気通路72では、縮径する湾曲の曲率中心を上板56の表面上に設定していたが、これに限らず、曲率中心をファンケース50よりも外側に設定してもよいし、ファンケース50よりも内側に設定してもよい。尚、曲率中心を実施例のように上板56の表面上に設定しておけば、上板56の位置で吸気通路72の径を最小にすることができる。
また、前述した実施例の吸気通路72は、小径側で誘導板70に接続されていた。しかし、吸気通路72がファンケース50の外側に突出していれば、これに限られず、図8に示すように吸気通路72の大径側から上板56に向かって湾曲する接続部78を設けて、この接続部78を介して誘導板70に接続される形状としてもよい。このような形状の誘導板70は、金属平板からプレス加工によって形成することができる。
10…遠心式ファン、 20…羽根車、 22…回転円板、
24…翼片、 26…支持板、 30…駆動モーター、
32…回転軸、 50…ファンケース、 50a…スクロールケーシング、
50b…送風路、 52…底板、 54…周壁板
56…上板、 58…開口部、 60…吐出口、
70…誘導板、 72…吸気通路、 72d…最狭部、
74…フランジ、 76…拡径部、 90…誘導板、
92…吸気口。

Claims (5)

  1. 複数の翼片が回転軸に対して放射状に配置された円筒形状の羽根車と、該羽根車を収容するファンケースと、該ファンケースで前記回転軸の軸方向の一端面を形成すると共に、前記羽根車の内側に空気を導く吸気通路が設けられた蓋板と、前記ファンケースに接続された送風路とを備え、前記羽根車を回転させることで、前記吸気通路から吸い込んだ空気を前記送風路に送る遠心式ファンにおいて、
    前記吸気通路は、前記蓋板から前記ファンケースの外側に突出させて設けられると共に、前記ファンケースの内側に向かって縮径する形状に形成されている
    ことを特徴とする遠心式ファン。
  2. 請求項1に記載の遠心式ファンにおいて、
    前記吸気通路の大径側の端部には、半径方向外側に向けてフランジが設けられている
    ことを特徴とする遠心式ファン。
  3. 請求項1または請求項2に記載の遠心式ファンにおいて、
    前記回転軸を含む平面で切断した前記吸気通路の断面形状は、所定の曲率半径で湾曲する円弧形状である
    ことを特徴とする遠心式ファン。
  4. 請求項3に記載の遠心式ファンにおいて、
    前記回転軸を含む平面で切断した前記吸気通路の断面形状は、前記蓋板上に曲率中心を有する円弧形状であり、
    前記蓋板から突出した前記吸気通路の高さは、前記曲率半径よりも小さくなっている
    ことを特徴とする遠心式ファン。
  5. 請求項1ないし請求項4の何れか一項に記載の遠心式ファンにおいて、
    前記吸気通路の小径側の端部から前記ファンケースの内側に向かって拡径する拡径部が設けられている
    ことを特徴とする遠心式ファン。
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