JP2016094208A - 接着強度に優れた熱封緘蓋材 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、上記問題点を解決するべくなされたものであり、その目的は、生産工程における熱や紫外線照射による接着強度の劣化を防止しつつ、良好な生産性をもった熱接着剤層を積層した熱封緘蓋材を提供することにある。【解決手段】この発明は、ガスバリア層を有する基材層と、アンカーコート剤層と、および熱接着剤層とを順次積層した熱封緘蓋であって、前記アンカーコート剤層及び熱接着剤層にポリウレタン樹脂(A)を含有することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、ガスバリア層を有する基材層と、アンカーコート剤層と、および熱接着剤層とを順次積層することを特徴とする熱封緘蓋材に関する。特に、プリン、ヨーグルト、ゼリー、シロップなどに使用されている熱封緘蓋材であって、合成樹脂製容器に熱封緘した4連ポットパック、3連ポットパック、ポーションパックなどの物品に好ましく用いられる。
例えば、ヨーグルト用4連ポットパックの包装材には、金属蒸着層を有したポリエステルフィルムに、アンカーコート剤層、熱接着剤層を順次積層した熱封緘蓋材および、合成樹脂製容器にはポリスチレン樹脂容器が一般的には使用されており、内容物の保存性(長期保存性)や遠距離流通等のため熱封緘蓋材と合成樹脂製容器を完全密封することが要望され、リングシールが多用されている。
ここでの、熱封緘蓋材と合成樹脂製容器を密封するための手段であるリングシールとは、リング状突起を有する熱板でシールを行い合成樹脂製容器のフランジ部に蓋と共にリング状溝を形成する形態であり、一般的にこれらの熱封緘蓋材の熱接着剤層には脱塩化ビニル樹脂でカルボキシル化ポリプロピレン系熱可塑性変性樹脂やアクリル樹脂からなる熱接着剤が使用されている。
しかしながら、上記包装体の加工時において、熱封緘蓋材を内容物が充填された合成樹脂製容器に密封する工程があるが、蓋材や合成樹脂製容器、内容物を機械に補充する時に、小時間生産ラインが停止される場合がある。その際、加熱されたリング状突起を有する熱板の下や、周辺にある熱封緘される前の蓋材、あるいは熱封緘された包装体が加熱されて、その後、再開された生産ラインにおいてリングシールができないか、出来たとしても密封性の点で十分なものが得られなかった。すなわち、脱塩化ビニル樹脂でカルボキシル化ポリプロピレン系熱可塑性変性樹脂やアクリル樹脂による合成樹脂製容器への化学的相互作用、熱間での凝集力が乏しいことから、接着強度が劣化するか、部分剥離が生じていた。
ほかには、上記熱接着剤層がアクリル/ポリエステル/ポリオレフィングラフトポリマーからなる熱封緘蓋材があり、これらの熱封緘蓋材を使用した包装体は常温では良好な接着強度を得ている。
しかしながら、熱接着剤層がアクリル/ポリエステル/ポリオレフィングラフトポリマーを有することを特徴とする熱封緘蓋材において、熱接着剤層の塗膜を形成させるための排気時間(5〜10分)後に、空気循環炉中で180℃で15秒間程度の焼き付け工程が必要であり、生産性が悪いという欠点があった。また、前記グラフトポリマーは溶液中の分散体として提供されており、前記の焼き付け工程を行わず塗膜形成が不十分である場合、熱接着剤層を強くこすると熱接着剤層がはがれてしまう。すなわち、耐摩擦性が不十分であるという問題があり、食品に触れる蓋材に使用するには致命的な欠点があった。
また、内容物が食品の場合、例えばヨーグルトやプリンなどの場合は、熱接着剤層を有する熱封緘蓋材が紫外線照射によって殺菌される工程がある。しかし、従来の熱接着剤層に使用される上記の熱接着剤においては、紫外線照射後、リングシールができないか、出来たとしても密封性の点で十分なものが得られなかった。すなわち、上記グラフトポリマーや脱塩化ビニル樹脂でカルボキシル化ポリプロピレン系熱可塑性変性樹脂、アクリル樹脂が紫外線によって、構造が破壊され、接着強度が劣化するか、部分剥離が生じていた。
特開2000−007032号公報 特開2004−115089号公報 特表2009−528408号公報
本発明は、上記問題点を解決するべくなされたものであり、その目的は、生産工程における熱や紫外線照射による接着強度の劣化を防止しつつ、良好な生産性をもった熱接着剤層を積層した熱封緘蓋材を提供することにある。
さらに、本発明の他の目的は、熱接着剤層を積層させる際に、特別な焼き付け工程を必要とせず、耐摩擦性の良好な熱接着剤層を有した熱封緘蓋材を提供することにある。
すなわち、本発明は、ガスバリア層を有する基材層と、アンカーコート剤を塗布してなるアンカーコート剤層と、熱接着剤を塗布してなる熱接着剤層とを順次積層した熱封緘蓋材であって、下記(1)および(2)であることを特徴とする熱封緘蓋材に関する。
(1)アンカーコート剤が、ポリウレタン樹脂(A)および塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂(B)を含有する。
(2)熱接着剤が、ポリウレタン樹脂(A)およびアクリル/ポリエステル/ポリオレフィングラフトポリマー(C)を含有する。
また、本発明は、熱接着剤が、更にアクリル/ポリエステル/ポリオレフィングラフトポリマー(C)以外のアクリル樹脂(D)を含有することを特徴とする熱封緘蓋材に関する。
また、本発明は、 ガスバリア層を有する基材層と、アンカーコート剤を塗布してなるアンカーコート剤層と、熱接着剤を塗布してなる熱接着剤層とを順次積層した熱封緘蓋材であって、下記(1)および(2)を特徴とする熱封緘蓋材に関する。
(1)アンカーコート剤固形分100重量部中、ポリウレタン樹脂(A)が40〜70重量部、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂(B)が30〜60重量部である。
(2)熱接着剤固形分100重量部中、ポリウレタン樹脂(A)が15〜35重量部、アクリル/ポリエステル/ポリオレフィングラフトポリマー(C)が15〜35重量部、アクリル樹脂(D)が40〜60重量部である。
また、本発明は、ガスバリア層が、金属蒸着層であることを特徴とする熱封緘蓋材に関する。
また、本発明は、包装体が、熱封緘蓋材と、合成樹脂容器とからなり、合成樹脂容器の開口部が、熱封緘蓋材で熱熱封緘されてなることを特徴とする包装体に関する。
アンカーコート剤層に、ポリウレタン樹脂(A)および塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂(B)を含有するアンカーコート剤を、熱接着剤層に、ポリウレタン樹脂(A)およびアクリル/ポリエステル/ポリオレフィングラフトポリマー(C)を含有する熱接着剤を積層することを特徴とする熱封緘蓋材を用いることにより、熱間や紫外線照射後における接着強度を向上することができる。
さらに、本発明の熱接着剤層は、塗膜形成させるため焼き付け工程が必要なく、生産性を向上させることができる。
このようなことから、本発明によれば、生産工程における熱間や紫外線照射による接着強度を防止しつつ、良好な生産性をもった熱接着剤層を積層した衛生性の高い熱封緘蓋材を提供することができる。
熱封緘蓋材1は、基材層2の一方の面にアンカーコート剤層3、熱接着剤層4、もう一方の面にガスバリア層5を設けたものである。 熱封緘蓋材2は、前述基材層2のもう一方の面にガスバリア層5を設けた側に対し、接着層6を介して紙層7または保護フィルム層8を積層してもよい。
以下、この発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。図1に示すように、熱封緘蓋材1は、基材層2の一方の面にアンカーコート剤層3、熱接着剤層4、もう一方の面にガスバリア層5を設けたものである。
基材層2としては、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン等の合成樹脂フィルムの単体又は複合体が用いられ、コストや成形性、柔軟性、フィルムの強度の点から、その厚みは6〜50μm程度、好ましくは9〜40μmが好ましい。
ガスバリア層5には、金属または金属蒸着層、から選ばれる少なくとも1種類以上を用いることができる。金属蒸着層には、Al、Ag、Ti、Sn、Al2O3(アルミナ)、SiO2(シリカ)、SnO、TiO2 等を用いることができる。コストや耐透湿性、耐酸素透過性の点から好ましい厚みは300〜1200オングストローム程度である。
基材層2に、あらかじめガスバリア層5を蒸着させた市販の樹脂フィルムを使用することができる。例えばアルミニウム蒸着12μmポリエステルフィルム(尾池工業株式会社製、アルミニウム蒸着層は600オングストローム)、シリカ蒸着12μmポリエステルフィルム(尾池工業株式会社製、シリカ蒸着層は700オングストローム)、アルミナ蒸着12μmポリエステルフィルム(東洋メタライジング株式会社製、アルミナ蒸着層は1000オングストローム)あるいはシリカ蒸着12μmポリエステルフィルム(三菱化学興人パックス株式会社製ハイバリア<テックバリア>)等を使用することができる。
また必要に応じて、図2に示すように、熱封緘蓋材2は、基材層2の外面のガスバリア層5側に接着層6を介して紙層7または保護フィルム層8を積層してもよい。
紙層7には、純白ロール紙、クラフト紙、上質紙、模造紙、洋紙、和紙、各種コート紙等が使用できるが、中でも片面コート紙の使用が最も好ましい。紙層7の外面(蓋材の最外面)には、各種印刷や1μm程度のオーバーコート層等が施してあってもよい。もちろん紙層 の両面に印刷等が施してあっても差し支えない。片面コート紙には例えば「リュウオーコートA 」( 名古屋パルプ株式会社製)が使用できる。ヒートシール時の熱伝導やカール防止の点から紙の厚みは30〜150μmが適当で、好ましくは50〜130μm程度である。また、紙層7の厚みが蓋材2全体の厚みの2分の1以上であるのが好ましく、2分の1以上とすることによって、蓋材2のカールを防止し、蓋材2に適度な剛性を与え、枚葉供給時の事故を低減し、さらに開封時にはデッドホールド性( 開封後の保形性) を付与できるなどの利点を有する。
保護フィルム層8としては、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン等の合成樹脂フィルムの単体又は複合体が用いられ、コストや成形性、柔軟性、フィルムの強度の点から、その厚みは6〜50μm程度、好ましくは9〜40μmである。
また、任意の層に印刷を施すことができる。この場合、紙層7にはエコカラーFシリーズ(いずれも東洋インキ株式会社製)等が使用でき、保護フィルム層8にはファインスターシリーズ(いずれも東洋インキ株式会社製)等が使用でき印刷層の厚みには特に規定はないが、0.1μm〜5μm程度である。
接着層6は特に限定されるものではないが、ドライラミネート用接着剤を使用したドライラミネート法によって積層するのが好ましい。ドライラミネート用接着剤としては、公知のものが採用でき、例えばポリエステルウレタン系、ポリエステル系等のドライラミネート接着剤を用いるのが好ましく、十分な接着強度の保持や経済性の点から、その塗布量は0.5〜10g/m2程度である。
アンカーコート剤層3には、ポリウレタン樹脂(A)および塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂(B)を含有するアンカーコート剤を積層する。アンカーコート剤は、乾燥後樹脂固形分で0.5g/m2〜3.0g/m2程度、基材層2に塗布すればよい。アンカーコート剤は、ポリウレタン樹脂(A)および塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂(B)を公知の方法で有機溶剤中に溶解することにより製造することができる。
ポリウレタン樹脂(A)の合成法は、高分子ポリオールとジイソシアネートを必要に応じイソシアネート基に不活性な溶媒を用い、また、更に必要であればウレタン化触媒を用いて10〜150℃の温度で反応させ、末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを製造し、次いで、このプレポリマーに鎖延長剤、末端停止剤を反応させてポリウレタン樹脂を得るプレポリマー法、あるいは、高分子ポリオールとジイソシアネートと鎖延長剤を一段で反応させてポリウレタン樹脂を得るワンショット法など公知の方法により製造することが出来る。
高分子ポリオールとしては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオールなどがある。本発明においては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールの一種以上を使用することが望ましい。
ポリエステルポリオールは、末端および/または側鎖にヒドロキシル基を含有するポリエステルポリオールのことで、グリコールやポリオールらのヒドロキシル基含有化合物と多価カルボン酸、あるいはこれらの無水物とを脱水縮合または重合させて得られる。本発明において、より具体的にはヒドロキシル基を2個含有する化合物と2価のカルボン酸からなるポリエステルジオールが好ましい。
ポリエステルポリオールの合成に用いる、ヒドロキシル基含有化合物としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、ペンタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、1,9−ノナンンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,4−ブチンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル1,5ペンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジプロピレングリコール等、が挙げられる。またグリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、ソルビトール、ペンタエスリトールなどのヒドロキシル基を3個以上有
する低分子ポリオールも挙げられる。この中で、耐ブロッキング性、皮膜強度などから3−メチル1,5ペンタンジオールが好ましい。
また、高分子量のヒドロキシル基含有化合物として、飽和または不飽和の低分子ジオール類や、酸化エチレン、酸化プロピレン、テトラヒドロフランなどの重合体または共重合体のポリエーテルジオール類等もポリエステルジオールの原料として併用することができる。
更に、ポリエステルポリオールには、アルキル側鎖を有するヒドロキシル基含有化合物をモノマーとして用いることが好ましい。当該ポリエステルポリオールを用いることで、ポリウレタン樹脂の結晶性が大きく下がり、且つアルキル側鎖が炭化水素で疎水的であることから、ポリオレフィンフィルムへの密着性が向上する。さらに、ヒドロキシル基含有化合物がアルキル側鎖を有さない場合に比べ、耐加水分解性が向上する。
ポリエステルジオールの合成に用いる多価カルボン酸モノマーとしては、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマル酸、こはく酸、しゅう酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸などの多価カルボン酸あるいはこれらの無水物が挙げられる。この中で、ノントルエン系溶剤への溶解性などからアジピン酸を用いることが好ましく、多価カルボン酸モノマー全量中、50重量%以上使用することがさらに好ましい。
ポリウレタン樹脂(A)に用いるポリエステルジオールの数平均分子量は、得られるポリウレタン樹脂の溶解性、乾燥性、耐ブロッキング性等を考慮して適宜決定され、通常は700〜100000、溶解性や乾燥性、耐ブロッキング性の点から好ましくは1000〜6000の範囲内とするのがよい。
ポリエステルジオールの酸価は1.0mgKOH/g以下であることが好ましく、インキの経時安定性の点から0.5mgKOH/g以下であることがより好ましい。
ポリエステルジオールは、他の高分子ポリオールよりも耐ブロッキング性に優れるので、ポリエステルポリオール合計で高分子ポリオール全量中、50重量%以上用いることが好ましい。
高分子ポリオールとしてポリエーテルポリオールを使用することも好ましい。例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリトリメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどが挙げられる。これらは、アルコールへの溶解性が優れるため、ポリエステル系ポリウレタンに別の溶剤溶解性を付与することができるため、多くの用途の場合、併用することが好ましい。これらの特性を発現させ、かつ耐水性などを低下させないために、ポリエーテルポリオール分子量は700〜3000、高分子ポリオール全量中、50重量%以下とすることが好ましい。この中で、ノントルエン系溶剤への溶解性などからポリプロピレングリコールが好ましい。
ポリウレタン樹脂(A)の合成に使用されるジイソシアネートとしては、ポリウレタン樹脂の製造に一般的に用いられる各種公知の芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネートなどが挙げられる。例えば、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4’−ジベンジルイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジメリールジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ビス−クロロメチル−ジフェニルメタン−ジイソシアネート、2,6−ジイソシアネート−ベンジルクロライドやダイマー酸のカルボキシル基をイソシアネート基に転化したダイマージイソシアネート等が挙げられる。これらのジイソシアネート化合物は単独で、または2種以上を混合して用いることができる。この中で、ノントルエン系溶剤への溶解性、皮膜強度などからイソホロンジイソシアネートが好ましい。
ポリウレタン樹脂(A)の合成には鎖伸長剤を使用してもよく、例えば2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールの他、前記飽和または不飽和の低分子ポリオール類、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジアミンなどの他、2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、2−ヒドロキシエチルプロピルジアミン、2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、2−ヒドロキシピロピルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシピロピルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミンなど分子内に水酸基を有するアミン類も用いることが出来る。これらの鎖伸長剤は単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
また、反応停止を目的とした末端停止剤として、一価の活性水素化合物を用いることもできる。かかる化合物としては例えば、1級、2級のアミノ基を有する化合物、ジ−n−ブチルアミン等のジアルキルアミン類や水酸基を有するアミノアルコール類、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類があげられる。更に、特にポリウレタン樹脂中にカルボキシル基を導入したいときには、グリシン、L−アラニン等のアミノ酸を反応停止剤として用いることができる。この中で、1級、2級のアミノ基を有するアミノアルコール類は、末端停止剤として用いる場合、高温での反応を避けて、アミノ基のみ反応するよう制御する必要がある。これらの末端停止剤は単独で、または2種以上を混合して用いることができる。ここで、鎖延長剤にアミノ基を用いる場合、イソシアネート基と反応してウレア結合を形成するため、得られる樹脂はポリウレタン/ウレア樹脂になるが、本発明においては、これらの樹脂もポリウレタン樹脂(A)とする。
さらに本発明においては、水溶性のポリウレタン樹脂を用いることもできる。水溶性のポリウレタン樹脂を合成する場合には、前記高分子ポリオール、ジイソシアネート等に加えて、活性水素基を有するアニオン性基含有化合物や、カチオン性基含有化合物及びノニオン性基有化合物等を用いる。本発明においては、水溶性ポリウレタン樹脂の溶解性、塗膜物性等の観点から、アニオン性基含有化合物を用い、必要に応じてノニオン性基含有化合物を併用することが好ましい。
活性水素基を有するアニオン性基含有化合物としては、カルボキシル基を有する化合物が一般に知られており、2,2’−ジメチロールプロピオン酸、2,2’−ジメチロールブタン酸、2,2’−ジメチロール酪酸、2,2’−ジメチロール吉草酸等のジメチロールアルカン酸、グルタミン、アスパラギン、リジン、ジアミノプロピオン酸、オルニチン、ジアミノ安息香酸、ジアミノベンゼンスルホン酸等のジアミン型アミノ酸類、グリシン、アラニン、グルタミン酸、タウリン、アスパラギン酸、アミノ酪酸、バリン、アミノカプロン酸、アミノ安息香酸、アミノイソフタル酸、スルファミン酸などのモノアミン型アミノ酸類が挙げられる。
ポリウレタン樹脂に組み込まれたアニオン性基は、中和により塩を形成し水に溶解する。その際に使用される中和剤としては、アンモニア、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、モノエタノールアミン等が挙げられるが、乾燥後塗膜中に残存し難く、塗膜物性を損なわないため、アンモニアが好ましい。
活性水素基を有するカチオン性基含有化合物としては、アミノ基、アンモニウム塩基、スルホニウム塩基等を有する化合物が挙げられる。
ノニオン性基有化合物としては、エチレングリコールやポリエチレングリコール等のエチレンオキシド繰り返し単位含有合物を用いることが好ましい。ノニオン性基は水への溶解性に乏しいため、ノニオン性基のみでポリウレタン樹脂を水に溶解させるのは難しいが、樹脂の安定性、塗膜適性等を調整するために、前記のアニオン/カチオン性基含有化合物と併用することが出来る。
ポリウレタン樹脂の中間体であるプレポリマーを製造するに当たり、高分子ポリオールとジイソシアネートとの量は、ジイソシアネートのイソシアネート基のmol数と、高分子ポリオールを含むジオール、ポリオールの水酸基の合計mol数の比であるNCO/OH比を1.1〜3の範囲となるようにすることが好ましい。この比が1.1より小さいときは鎖伸長剤との反応が不十分となため接着強度が低下し、また、3より大きい場合には得られるプレポリマーの溶解性が低下する傾向が認められる。
さらに、このポリウレタン化反応には触媒を用いることもできる。使用できる触媒としては、例えば、トリエチルアミン、ジメチルアニリンなどの3級アミン系の触媒;スズ、亜鉛などの金属系の触媒などが挙げられる。これらの触媒は高分子ポリオールを含む水酸基含有化合物に対して0.001〜1モル%の範囲で使用される。
上記で得られた末端にイソシアネート基を有するプレポリマーと鎖延長剤であるジオール、ジアミン、トリオールなどとを10〜80℃で反応させ、末端に活性水素基を含有するポリウレタン樹脂が得られる。
末端停止剤を用いるときには、末端停止剤と鎖延長剤とを一緒に使用して鎖延長反応を行ってもよく、また鎖延長剤によりある程度鎖延長反応を行った後に末端停止剤を単独に添加して末端停止反応を行ってもよい。一方、末端停止剤を用いなくても分子量のコントロールは可能であるが、この場合には鎖延長剤を含む溶液中にプレポリマーを添加する方法が反応制御という点で好ましい。
末端停止剤は分子量をコントロールするために用いられる。使用量が多くなると得られるポリウレタン樹脂の分子量は低くなる。これは鎖延長剤と末端停止剤のプレポリマーに対する反応性により変化するが、一般的に、末端停止剤のアミノ基や水酸基のmol数に対する鎖延長剤のアミノ基や水酸基のmol数の比はドライラミネート適性や接着力の点から0.5〜5の範囲が好ましい。
また、プレポリマー中のイソシアネート基の当量に対する鎖延長剤および末端停止剤のアミノ基と水酸基の合計のmol数の比は1.1〜3、好ましくは1.5〜2.0の範囲となるようにして反応させる。この範囲の割合にすることで臭気が残りにくくなる傾向がある。
ポリウレタン樹脂(A)は、耐ブロッキング性及び溶解性の点から重量平均分子量が15000から100000であることが好ましい。
ポリウレタン樹脂(A)の、アミン価は0.5から14.0mgKOH/gであることが好ましく、アミン価は5.0から10.0mgKOH/gであることが更に好ましい。前記範囲内であると、ポリエステル系フィルムへの接着性の確保ができ、イソシアネート系硬化剤を添加した際のインキ安定性や、樹脂の硬さと熱接着性のバランスが良好となり好ましい。
ポリウレタン樹脂(A)に使用される溶剤としては、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどのエステル系溶剤、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール等のアルコール系溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、水などの公知の溶剤を、単独または複数使用できる。
アンカーコート剤に用いる塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂(B)は、塩化ビニルモノマーと酢酸ビニルモノマーを共重合して得られる。また、水酸基を有する塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体は、共重合において更にビニルアルコールを用いたり、酢酸ビニルの一部をケン化することができる。水酸基を有する塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体は、塩化ビニル、酢酸ビニルおよびビニルアルコールのモノマー比率により樹脂被膜
の性質や樹脂溶解挙動が決定される。即ち、塩化ビニルは樹脂被膜の強靭さや硬さを付与し、酢酸ビニルは接着性や柔軟性を付与し、ビニルアルコールは極性溶剤へ溶解性やポリウレタン樹脂との相溶性が良好となるため熱接着時の接着強度が良好となり、またイソシアネート系硬化剤を添加した際に基材への接着強度が向上する。本発明においては、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体は水酸基を持つことが好ましい。
塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂(B)に使用される溶剤としては、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどのエステル系溶剤、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール等のアルコール系溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、水などの公知の溶剤を、単独または複数使用できる。
アンカーコート剤としては、アンカーコート剤固形分100重量部中に対し、ポリウレタン樹脂(A)を40〜70重量部、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂(B)を30〜60重量部有することが好ましい。
ポリウレタン樹脂(A)が40〜70重量部の範囲内であると、常温での接着強度が良好となり、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂(B)が30〜60重量部の範囲内であると、熱間での接着強度が良好となる。
アンカーコート剤に使用される溶剤としては、前記ポリウレタン樹脂(A)及び前記塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂(B)で述べた溶剤を挙げることができる。
アンカーコート剤における、印刷時に使用する希釈溶剤は、粘度を調整して印刷効果や印刷物濃度などを制御するために、使用材料の溶解性や乾燥性を考慮し、前述のアンカーコート剤に使用される溶剤より適宜選択できる。
さらに、アンカーコート剤は、用途や基材に応じて、様々な樹脂を併用することができる。用いられる樹脂の例としては、アクリル樹脂、ニトロセルロース樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ロジン系樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、テルペン樹脂、フェノール変性テルペン樹脂、ケトン樹脂、環化ゴム、塩化ゴム、ブチラール、石油樹脂、およびこれらの変性樹脂などを挙げることができる。これらの樹脂は、単独で、または2種以上を混合して用いることができ、その含有量は、アンカーコート剤の総重量に対して5〜25重量%が好ましい。
アンカーコート剤は、グラビア印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷、コーター塗工などの既知の印刷方式で印刷することができる。好ましくはグラビア印刷である。
アンカーコート剤は、用途や基材、必要な物性に応じて、イソシアネート硬化剤を併用して使用することができる。用いられるイソシアネート硬化剤の例としては、ジイソシアネートがヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)をあげることができる。また、ポリイソシアネートの変性体がアダクト型、2官能プレポリマー型、ビゥレット型をあげられる。これらの硬化剤は単独で、または2種以上を混合して用いることができ、前述のアンカーコート剤100重量部中、1〜10重量部が好ましい。10重量部より大きいと、印刷物における乾燥性の低下により耐ブロッキング性の確保が難しい。また、デザイン印刷層が硬化しすぎて熱接着剤層の熱接着を阻害してしまう。1重量部より小さいと、印刷物における塗膜の硬化が十分に見られないため、良好な接着強度が得られない。
次に、熱接着剤層4には、ポリウレタン樹脂(A)およびアクリル/ポリエステル/ポリオレフィングラフトポリマー(C)を含有する熱接着剤を積層する。
熱接着剤の塗布量は、接着性や作業性、経済性の点から1.5〜15g/m2が好ましい。
熱接着剤に用いるポリウレタン樹脂(A)は、前述のアンカーコート剤に用いるポリウレタン樹脂(A)を使用することができる。
熱接着剤に用いるアクリル/ポリエステル/ポリオレフィングラフトポリマー(C)は、特にアクリル樹脂成分の凝集力が強固であり、常温下での接着強度や熱間での接着強度を保持することができる。また、グラフトされたポリエステル樹脂及びポリオレフィン樹脂成分がアンカーコート剤層へ強固に接着することから更なる常温下での接着強度や熱間での接着強度をより向上することができる。アクリル/ポリエステル/ポリオレフィングラフトポリマー(C)は、公知のものが採用でき具体的には、樹脂の凝集力の確保の点からいずれも重量平均分子量が20000から200000であることが好ましい。
アクリル/ポリエステル/ポリオレフィングラフトポリマー(C)は、一般に、ポリエステルポリマーおよびポリオレフィンポリマーに対して、アクリルポリマーを生じるモノマーを適当な反応条件下でグラフトさせることにより製造される。このアクリル/ポリエステル/ポリオレフィングラフトポリマー(C)は、ポリエステル鎖及びポリオレフィン鎖、ポリ(メタ)アクリラート鎖を有するグラフトポリマーである。
アクリル/ポリエステル/ポリオレフィングラフトポリマー(C)は、通常の合成温度を上回る沸点を有する、重合条件下で不活性の適当な溶剤中で製造される。溶剤として、例えば酢酸エステル、例えば酢酸エチル、酢酸プロピル又は酢酸ブチル、脂肪族溶剤、例えばイソオクタン、環式脂肪族溶剤、例えばシクロヘキサン及びカルボニル溶剤、例えばブタノンが挙げられる。
このアクリル/ポリエステル/ポリオレフィングラフトポリマー(C)の製造方法は、次に述べるポリエステルポリマー及びポリオレフィンポリマーを溶解させた溶剤中に、アクリルポリマーを形成させるためのモノマーを添加した混合物に、1種又は数種のペルオキシド系ラジカル開始剤の添加下で、−10℃〜100℃の温度で、通常で4〜8時間内で重合させることで得られる。例えば過エステル、例えばtert−ブチルペルオクトエートをラジカル開始剤として使用される。この開始剤濃度は一般に、モノマーに対して0.1質量%〜3質量%使用する。
アクリル/ポリエステル/ポリオレフィングラフトポリマー(C)を製造する場合に使用するポリエステルポリマーを形成する成分として、モノマー構成単位がイタコン酸を特徴とするポリエステルポリマーが使用される。このポリエステルポリマーは、線状又は分枝状の構造を有し、−5〜150mg KOH/g、好ましくは10〜50mgKOH/gのOH価、好ましくは5mgKOH/g以下、より好ましくは2mgKOH/g以下の酸価、700〜25000g/mol、好ましくは2000〜12000g/molの数平均分子量を特徴とする。
ポリエステルポリマー中のイタコン酸の含有量は、使用されたポリカルボン酸の全体量に対して、0.1Mol%〜20Mol%、好ましくは1Mol%〜10Mol%、更に好ましくは2Mol%〜8Mol%の範囲内にある。その他の点で、本発明によるポリエステルポリマーについて使用されるポリカルボン酸の種類はそれ自体任意である。脂肪族及び/又は環式脂肪族及び/ 又は芳香族カルボン酸を含有することができる。ポリカルボン酸とは、好ましくは1つ以上の、より好ましくは2つ以上のカルボキシル基を有する化合物であるとされ、一般的な定義とは異なり、特別な実施態様においてモノカルボン酸ともされる。
短鎖を有する脂肪族ポリカルボン酸の例は、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、オクタデカン二酸である。環式脂肪族ポリカルボン酸の例は、シクロヘキサンジカルボン酸の異性体である。芳香族ポリカルボン酸の例は、ベンゼンジカルボン酸の異性体及びトリメリト酸である。場合により、遊離ポリカルボン酸の代わりに、そのエステル化可能な誘導体、例えば相応する低級アルキルエステル又は環式無水物を使用することもできる。ポリエステルポリマーについて使用されるポリオールの種類はそれ自体任意である。脂肪族及び/ 又は環式脂肪族及び/又は芳香族ポリオールを含有することができる。ポリオールとは、好ましくは1つ以上の、より好ましくは2つ以上のヒドロキシル基を有する化合物であるとされ、一般的な定義とは異なり、特別な実施態様においてモノヒドロキシ化合物であるともされる。
ポリオールの例は、エチレングリコール、プロパンジオール−1,2、プロパンジオール−1,3、ブタンジオール−1,4、ペンタンジオール−1,5、ヘキサンジオール−1,6、ノナンジオール−1,9、ドデカンジオール−1,12、ネオペンチルグリコール、ブチルエチルプロパンジオール−1,3、メチルプロパンジオール−1,3、メチルペンタンジオール、シクロヘキサンジメタノール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスロール及びこれらの混合物である。
芳香族ポリオールとは、芳香族ポリヒドロキシ化合物、例えばヒドロキノン、ビスフェノールA 、ビスフェノールF、ジヒドロキシナフタリン等とエポキシド、例えば酸化エチレン又は酸化プロピレンとの反応生成物である。ポリオールとして、エーテルジオール、つまり例えばエチレングリコール、プロピレングリコール又はブタンジオール1,4をベースとするオリゴマー又はポリマーを含むこともできる。特に、線状の脂肪族グリコールが好ましい。
ポリオール及びジカルボン酸の他に、ラクトンを使用することもできる。
使用したポリカルボン酸の全体量に対して、0 .1Mol%〜20Mol%、好ましくは1Mol% 〜10Mol%、更に好ましくは2Mol%〜8Mol%のイタコン酸含有量を有するポリエステルポリマーは、(重)縮合反応について確立された技術で製造される。
アクリル/ポリエステル/ポリオレフィングラフトポリマー(C)の製造するためのそれぞれの反応前の混合物中で、グラフト反応の前に使用されるポリエステルポリマーの量は10質量%〜90質量% 、好ましくは25質量%〜75質量%、特に好ましくは40質量%〜60質量%である。
アクリル/ポリエステル/ポリオレフィングラフトポリマー(C)に使用できるアクリルポリマーを形成させるためのモノマーの例として、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル及びメタクリル酸イソブチルといった標準メタクリラートが挙げられ、それ以外にも、アクリル酸又はメタクリル酸が挙げられる。また、アクリルポリマー中には、特にスチレン、α−メチルスチレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、ステアリン酸ビニル、ビニルメチルケトン、ビニルイソブチルエーテル、酢酸アリル、塩化アリル、アリルイソブチルエーテル、アリルメチルケトン、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジラウリル、イタコン酸ジブチルが含まれていても良い。
アクリル/ポリエステル/ポリオレフィングラフトポリマー(C)の製造するためのそれぞれの反応前の混合物中で使用されるアクリルポリマーを形成させるモノマーの量は、10質量%〜90質量%、好ましくは25質量%〜75質量%、更に好ましくは40質量%〜60質量%である。
使用すべきポリオレフィンポリマーは自体公知である。これは、第1にエチレン−、プロピレン−、ブチレン− 及び/ 又は5〜20個のC原子を有する他のα−オレフィンから構成された重合体であり、これは既にシール可能な材料として推奨されている。この分子量は、一般に10000〜300000 、好ましくは50000〜150000である。適用されるべきタイプのオレフィンコポリマーは、例えばドイツ国特許公開明細書のDE-OS1644941,DE-OS1769834,DE-OS1939037,DE-OS1963039及びDE-OS2059981に記載されている。
ポリオレフィンポリマーとして、例えばBuna(R)6170(製造元:LanxessAG)を使用することもできる。
エチレン− プロピレン− コポリマーが特に有利に使用可能であり;同様に公知の第三成分、例えばエチリデン− ノルボルネンの添加下でのターポリマー(Macromolecular Reviews,Vol.101975参照)も可能であるが、しかしながら、これは老化過程で架橋する傾向を考えに入れておかなければならない。この分布は、この場合、十分に統計学的であることができるが、有利にエチレンブロックを有する配列ポリマーを使用することもできる。モノマーのエチレン−プロピレンの割合は、この場合、所定の限度の範囲内で可変であり、この範囲は上限としてエチレンについて約95%で及びプロピレンについて約95%で区切ることができる。
本発明におけるアクリル/ポリエステル/ポリオレフィングラフトポリマー(C)の製造するため使用されるポリオレフィンポリマーの量は、5質量%〜60質量%、好ましくは20質量%〜55質量%、特に好ましくは25質量%〜55質量% である。
熱接着剤層4に塗布する熱接着剤には、ポリウレタン樹脂(A)およびアクリル/ポリエステル/ポリオレフィングラフトポリマー(C)以外にも、用途や基材、必要な物性に応じて様々な樹脂を併用することができる。例えば、アクリル/ポリエステル/ポリオレフィングラフトポリマー(C)以外のアクリル樹脂(D)、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、スチレン成分を持つ樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、単独で、または2種以上を混合して用いることができる。スチレン成分を持つ樹脂としては、具体的には、スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロックポリマー(SEBS)、スチレン/ブタジエンブロック共重合体(S−B:ジブロック)、(S−B−S:トリブロック)、スチレン/イソプレンブロック共重合体(S−I:ジブロック)、(S−I−S:トリブロック)またはスチレン/ブタジエン−イソプレンブロック共重合体(S−B・I:ジブロック)、(S−B/I−B:トリブロック)、これらの水添物(例えば、スチレン/ブタジエン/スチレンブロック共重合体(SBS)の水添物、スチレン/イソプレン/スチレンブロック共重合体の水添物(SEPS))、あるいは、これらのカルボン酸変性物等が挙げられる。なお、スチレンブロックを構成するスチレンの一部が、α−メチルスチレンのような芳香族系ビニル化合物で置き換えられていてもよい。他にもスチレン/アクリル共重合体およびスチレン/レジン共重合体、スチレン/ゴム共重合体樹脂やこれらの変性樹脂なども挙げることができる。
特に、熱接着剤層4に塗布する熱接着剤には、アクリル樹脂(D)は接着強度の向上のために用いることが好ましい。アクリル樹脂は凝集力が強固であり、常温下での接着強度や熱間での接着強度を保持することができる。また、コスト面からも安価であるため採用しやすい。アクリル樹脂(D)は、公知のものが採用できる。溶剤への溶解性及び、樹脂の凝集力の点から重量平均分子量が20000から300000であることが好ましい。また、熱間における接着強度の確保の点からガラス転移温度が10℃から200℃であることが好ましい。インキのハンドリング性の点から酸価は0から100であることが好ましい。具体的にはアクリル変性ウレタン、アクリル(メタクリル酸)とビニルブチラールのブレンド樹脂、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリメタクリル酸メチル、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸メチル共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体、アイオノマー等から選ばれる少なくとも1種が使用でき、2種類の樹脂を併用してもよい。
熱接着剤は、熱接着剤固形分100重量部中に対し、ポリウレタン樹脂(A)を15〜35重量部、アクリル/ポリエステル/ポリオレフィングラフトポリマー(C)を15〜35重量部、アクリル樹脂(D)を40〜60重量部有することが好ましい。
ポリウレタン樹脂(A)が15〜35重量部の範囲内であると、紫外線照射後の接着強度が良好となり、アクリル/ポリエステル/ポリオレフィングラフトポリマー(C)が15〜35重量部の範囲内であると、耐摩擦性が良好となる。さらに、アクリル樹脂(D)を40〜60重量部であると、常温における接着強度が好ましい。
熱接着剤剤は、グラビア印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷、コーター塗工などの既知の印刷方式で印刷することができる。好ましくはグラビア印刷である。
本発明においては、アンカーコート剤、熱接着剤共にポリウレタン樹脂(A)を用いる。密接するアンカーコート剤層3と、熱接着剤層4にポリウレタン樹脂(A)を使用することによって、熱接着時における層間の密着を強固なものにする効果がある。よって、アンカーコート剤層3と熱接着剤層4に使用されるポリウレタン樹脂(A)は同じであることが好ましい。
この熱封緘蓋材を用いて熱封緘させる包装体としては、カップ型やボトル型、パック型、筒型、チューブ型、トレー型の合成樹脂容器などが挙げられるが、中でも4連ポットパックの合成樹脂製の容器が適しており、例えばポリスチレン、ポリプロピレン、PET等の材質で、これらの容器の開口部にはヒートシール用のフランジ部を有するのが望ましい。なお、各樹脂容器の材質によって、それに適する熱接着剤層4を適宜使い分けるのが好ましく、特にポリスチレン製の容器に対しては上記ポリウレタン樹脂(A)およびアクリル/ポリエステル/ポリオレフィングラフトポリマー(C)を熱接着剤層4として用いるのが好ましい。ヒートシールの条件は樹脂の種類や厚みにもよるが、通常140〜240℃ で0.3〜5秒程度である。またこの発明の熱封緘蓋材は、特にリングシール( 蓋材を合成樹脂製容器のフランジ部に、断面凹形または凸形にヒートシールすること) する容器に適しており、凹部または凸部の幅0.3〜3mm、凹部の深さまたは凸部の高さ0.1〜5mmが好ましい。なお、凹部の底面や壁面は完全な直線状でなくとも、緩やかなカーブや傾斜していてもよく、また角部は完全な角でなくとも丸味を帯びていても良い。このようなリングシールを施すことにより、いっそう密封性が改善される。
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、本発明における部および%は、特に注釈の無い場合、重量部および重量%を表す。
<アミン価の測定方法>
試料を0.5〜2g精秤する。(試料量:Sg)精秤した試料に中性エタノール(BDG中性)30mLを加え溶解させる。得られた溶液を0.2mol/lエタノール性塩酸溶液(力価:f)で滴定を行なう。溶液の色が緑から黄に変化した点を終点とし、この時の滴定量(AmL)を用い次の(式1)によりアミン価を求めた。
(式1) アミン価=(A×f×0.2×56.108)/S
<数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)>
数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)の測定は、昭和電工社製GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)「ShodexGPC System−21」を用いた。GPCは溶媒に溶解した物質をその分子サイズの差によって分離定量する液体クロマトグラフィーであり、溶媒としてはテトロヒドロフラン、重量平均分子量(Mn)の決定はポリスチレン換算で行った。
<水酸基価(OHV)>
共栓三角フラスコ中に試料、約1gを精密に量り採り、トルエン/エタノール(容量比:トルエン/エタノール=2/1)混合液100mlを加えて溶解する。更にアセチル化剤(無水酢酸25gをピリジンで溶解し、容量100mlとした溶液)を正確に5ml加え、約1時間攪拌した。これに、フェノールフタレイン試液を指示薬として加え、30秒間持続する。その後、溶液が淡紅色を呈するまで0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液で滴定する。
水酸基価は次の(式2)により求めた。水酸基価は樹脂の乾燥状態の数値とした(単位:mgKOH/g)。
(式2) 水酸基価(mgKOH/g)=[{(b−a)×F×28.25}/S]/(不揮発分濃度/100)+D
ただし、S:試料の採取量(g)
a:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
b:空実験の0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
F:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の力価
D:酸価(mgKOH/g)
<酸価(AV)>
共栓三角フラスコ中に試料化合物(B)を、約1gを精密に量り採り、トルエン/エタノール(容積比:トルエン/エタノール=2/1)混合液100mlを加えて溶解した。これに、フェノールフタレイン試液を指示薬として加え、30秒間保持した後、溶液が淡紅色を呈するまで0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液で滴定した。乾燥状態の樹脂の値として、酸価(mgKOH/g)を次の(式3)により求めた。
(式3) 酸価(mgKOH/g)={(5.611×a×F)/S}/(不揮発分濃度/100)
ただし、S:試料の採取量(g)
a:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
F:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の力価
(ポリエステルジオールの合成例)
攪拌機、温度計、分水器および窒素ガス導入管を備えた丸底フラスコに、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール(以下BEPGと略す)56.846部、アジピン酸43.152部、テトラブチルチタネート0.002部を仕込み、窒素気流下に230℃で縮合により生じる水を除去しながらエステル化を8時間行った。ポリエステルの酸価が15以下になったことを確認後、真空ポンプにより徐々に真空度を上げ反応を終了した。これにより水酸基価56.1mgKOH/g(水酸基価から算出される数平均分子量2000)、酸価0.3mgKOH/gのポリエステルジオ−ルを得た。
(ポリウレタン樹脂ワニス(A1)の合成例)
攪拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、先述のポリエステルジオ−ル22.226部、イソホロンジイソシアネート5.434部、酢酸エチル7.500部を仕込み、窒素気流下に120℃で6時間反応させ、酢酸エチル7.500部を加え冷却し、末端イソシアネートプレポリマーの溶液42.663部を得た。次いでイソホロンジアミン2.203部、ジn−ブチルアミン0.138部、酢酸エチル20.000部およびエタノール20.000部を混合したものへ、得られた末端イソシアネートプレポリマーの溶剤溶液42.663部を室温で徐々に添加し、次に50℃で1時間反応させ、エタノール15.000部を添加し、固形分30.0%、重量平均分子量24000、アミン価4.0mgKOH/樹脂1gのポリウレタン樹脂ワニス(A1)を得た。
(ポリウレタン樹脂ワニス(A2)の合成例)
ウレタン系樹脂1の合成例と同様にして先述のポリエステルジオ−ル22.226部、イソホロンジイソシアネート5.434部、酢酸エチル7.500部を仕込み、窒素気流下に120℃で6時間反応させ、酢酸エチル7.500部を加え冷却し、末端イソシアネートプレポリマーの溶液42.663部を得た。次いでイソホロンジアミン4.406部、ジn−ブチルアミン0.138部、酢酸エチル20.000部およびエタノール20.000部を混合したものへ、得られた末端イソシアネートプレポリマーの溶剤溶液42.663部を室温で徐々に添加し、次に50℃で1時間反応させ、エタノール15.000部を添加し、固形分30.0%、重量平均分子量24000、アミン価8.0mgKOH/樹脂1gのポリウレタン樹脂ワニス(A2)を得た。
(ポリウレタン樹脂ワニス(A3)の合成例)
ウレタン系樹脂1の合成例と同様にして先述のポリエステルジオ−ル22.226部、イソホロンジイソシアネート5.434部、酢酸エチル7.500部を仕込み、窒素気流下に120℃で6時間反応させ、酢酸エチル7.500部を加え冷却し、末端イソシアネートプレポリマーの溶液42.663部を得た。次いでイソホロンジアミン8.812部、ジn−ブチルアミン0.138部、酢酸エチル20.000部およびエタノール20.000部を混合したものへ、得られた末端イソシアネートプレポリマーの溶剤溶液42.663部を室温で徐々に添加し、次に50℃で1時間反応させ、エタノール15.000部を添加し、固形分30.0%、重量平均分子量24000、アミン価13.0mgKOH/樹脂1gのポリウレタン樹脂ワニス(A3)を得た。
(塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂ワニス(B1)の調製)
塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂(ソルバインTAO:日信化学工業(株)製)30部を、酢酸エチル70部に混合溶解させて、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂ワニス(B1)を得た。なお、ソルバインTAOは、軟化点78℃、数平均分子量15,000、塩化ビニル:酢酸ビニル:ビニルアルコールのモノマー比率は91:2:7である。
(塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂ワニス(B2)の調製)
塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂(VINNOL E15/45:日信化学工業(株)製)30部を、酢酸エチル70部に混合溶解させて、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂ワニス(B2)を得た。なお、VINNOL E15/45は、軟化点75℃、数平均分子量13,000、塩化ビニル:酢酸ビニル:ビニルアルコールのモノマー比率は85:15:0である。
<アンカーコート剤の製造例>
(製造例1)
ポリウレタン樹脂ワニス(A2)23.3部、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂ワニス(B1)54.3部、酢酸エチル12.5部、エタノール10部を撹拌混合した後、アンカーコート剤a1を得た。アンカーコート剤a1を100部に対し、酢酸エチル/エタノール混合溶剤(重量比50/50)50部を希釈溶剤として、デュラネートD101(旭化成株式会社製)5部をポリイソシアネート硬化剤として添加混合し、希釈アンカーコート剤a1を得た。
(製造例2〜10)
表1に示す樹脂および配合にて、製造例1と同様の操作でアンカーコート剤a2〜a10を得た。さらに製造例1と同様の操作で希釈アンカーコート剤a2〜a10も得た。
Figure 2016094208
(グラフトポリマー分散体(C)の合成例)
グラフトポリマー分散体(C)に使用されるポリエステルポリマーは下記の方法で合成した。
イタコン酸(286g、2.2モル)イソフタル酸(282g、1.7モル)、テレフタル酸(132g、0.8モル)、モノエチレングリコール(120g、1.9モル)、ネオペンチルグリコール(129g、1.2モル)及びヘキサンジオール−1,6(211g、1.8モル)を、2Lのカラム及び蒸留取り付け具を有するフラスコ中で、窒素流中で溶融させた。170℃ の温度に達した際に、水を留去することを開始した。2時間のうちに、この温度は、240℃へと次第に向上した。この温度での約4時間、更に反応させた。150mgのチタンテトラブトキシドを添加し、かつ減圧下で、更に処理した。最終的にイタコン酸2Mol%を有しかつ重量平均分子量13400、水酸基価35mgKOH/樹脂1g、酸価1.2mgKOH/樹脂1gのポリエステルポリマーを得た。
次に、撹拌槽中で、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン−ゴムを有するポリオレフィンポリマー、Buna EP6170)42.9g及び前記ポリエステルポリマー20gを、酢酸プロピル50g、酢酸エチル20g及びイソオクタン10gからなる混合物中に90℃で分散させる。この混合物に、最初にtert−ブチルペルベンゾアート2gを添加し、引き続きn−ブチルメタクリラート18.5g及びメタクリル酸メチル18.5gからなる混合物を90分の期間にわたり供給する。引き続き、120分の期間にわたり90℃で重合させる。引き続き、tert−ブチルペルベンゾアート0.5gを後開始のために添加し、更に90℃で90分撹拌する。ポリマーの割合は約45質量%であり、溶剤の割合は約55質量%である.
全体で150分の反応時間の後に前記ポリマー溶液を冷却し、溶液の濃度低下のために酢酸プロピル13.5gで希釈し、グラフトポリマー分(C)を得た。
グラフトポリマー(C)はアクリル/ポリエステル/ポリオレフィングラフトポリマーを主成分とし、その他2元共重合体、単独重合のアクリルポリマー等も含まれる。
(アクリル樹脂(D))
アクリル樹脂(D)には、DEGALAN P24(Evonik Industries AG製)を用いた。
<熱接着剤の製造例>
(製造例11)
ポリウレタン樹脂ワニス(A2)50.0部、グラフトポリマー(C)33.3部、酢酸エチル16.7部を撹拌混合した後、熱接着剤b1を得た。
(製造例12〜22)
表2に示す樹脂および配合にて、製造例11と同様の操作で熱接着剤b2〜b12を得た。
Figure 2016094208
(実施例1)
次の印刷条件の下で、ガスバリア層を有した基材層であるポリエステルフィルムのガスバリア層の反対面に希釈アンカーコート剤a1、熱接着剤b1を順次印刷を行い、アンカーコート剤層と、熱接着剤層とを順次積層した蓋材1を得た。
[印刷条件]
印刷機:富士機械工業株式会社製グラビア印刷機
印刷フィルム:ハイバリア<テックバリア>(三菱化学興人パックス株式会社製)
圧胴:ゴム硬度80HsのNBR(ニトリルブタジエンゴム)製
ドクター:刃先の厚みが60μmのセラミックメッキドクターブレード(母材の厚み40μm、片側セラミック層の厚み10μm)
版:東洋プリプレス株式会社製のクロム硬度1050Hvの電子彫刻版(スタイラス角度130度、アンカーコート剤用:175線/inch、熱接着剤用:100線/inch)
印圧:2kg/cm2
ドクター圧:2kg/cm2
印刷速度:60m/分
乾燥温度:F100℃
(実施例2〜16)
希釈アンカーコート剤a1〜a8、熱接着剤b1〜b9を、表3に記載された通りに、実施例1同様の方法で印刷、積層し、蓋材2〜16を得た。
(比較例1〜5)
希釈アンカーコート剤a3及びa9〜a10、熱接着剤b4及びb10〜b12を、表4に記載された通りに、実施例1同様の方法で印刷、積層し、蓋材17〜21を得た。
尚、実施例1〜16及び比較例1〜5において用いた基材は同じである。
評価は常温下の強度試験、100℃10分間放置後の接着強度試験、紫外線照射後の接着強度、耐摩擦性試験の4点を行った。結果を表3および4に示す。
<常温下の接着強度試験>
各蓋材から15mm×60mmの短冊状に打ち抜き、15mm×30mmの短冊状のポリスチレン製のシートに蓋材の熱接着剤層を合わせ単動式ヒートシーラーにより次の条件で熱接着し、熱接着部分の強度をオートグラフ(島津製作所株式会社製)によって、剥離角度:180度、剥離速度300mm/分で測定した。
熱接着条件 熱接着温度:200℃
熱接着条件 :1.0秒
熱接着圧力 :2kg/cm2
◎:10N/15mm以上
○:7N/15mm以上10N/15mm未満
△:5N/15mm以上7N/15mm未満(実用レベル以上)
×:5N/15mm未満
<100℃10分間放置後の接着強度試験>
各蓋材から15mm×60mmの短冊状に打ち抜き、15mm×30mmの短冊状のポリスチレン製のシートに蓋材の熱接着剤層を合わせ単動式ヒートシーラーにより次の条件で熱接着し、100℃のオーブンの中で10分放置後、熱接着部分の強度をオートグラフ(島津製作所株式会社製)によって、剥離角度:180度、剥離速度300mm/分で測定した。
◎:5N/15mm以上(実用レベル以上)
×:5N/15mm未満
<紫外線照射後の接着強度>
各蓋材から15mm×60mmの短冊状に打ち抜き、コンベア付きの紫外線殺菌装置によって1,000,000μw・秒/mm2相当の紫外線量を照射したあと、15mm×30mmの短冊状のポリスチレン製のシートに蓋材の熱接着剤層を合わせ単動式ヒートシーラーにより次の条件で熱接着し、熱接着部分の強度をオートグラフ(島津製作所株式会社製)によって、剥離角度:180度、剥離速度300mm/分で測定した。
熱接着条件 熱接着温度:200℃
熱接着条件 :1.0秒
熱接着圧力 :2kg/cm2
◎:10N/15mm以上
○:7N/15mm以上10N/15mm未満
△:5N/15mm以上7N/15mm未満(実用レベル以上)
×:5N/15mm未満
<耐摩擦性試験>
学振型耐摩擦試験機を用いて、各蓋材原反対上質紙で、荷重200g、100回擦った際の熱接着剤の取られを以下の評価基準に基づいて評価した。
◎:熱接着剤層の取られは発生しなかった。
○:熱接着剤層の取られはほとんど発生しなかった。(10%未満)
△:熱接着剤層の取られが発生したが、実用レベルであった。(10%以上30%未満)
×:熱接着剤層の取られが発生し、実用レベルに達しなかった。(30%以上)
Figure 2016094208
Figure 2016094208
実施例1〜16はアンカーコート剤が、ポリウレタン樹脂(A)および塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂(B)を含有し、熱接着剤が、ポリウレタン樹脂(A)およびアクリル/ポリエステル/ポリオレフィングラフトポリマー(C)を含有することによって耐摩擦性を劣化させること無く、常温下の接着強度を有することができた。さらに、熱間接着強度や紫外線照射後強度も優れていた。また、熱接着剤に、さらにアクリル樹脂(D)を使用することにより、常温下の接着強度や紫外線照射後強度が向上した。
これに対して、比較例は1〜3は実施例に比べて、常温下の接着強度または熱間接着強度、紫外線照射後の接着強度が不十分であった。従来の方法で用いられていた熱接着剤を使用した、比較例4は耐摩擦性が大きく低下し、比較例5は熱間接着強度及び紫外線照射後の接着強度が低下した。

Claims (5)

  1. ガスバリア層を有する基材層と、アンカーコート剤を塗布してなるアンカーコート剤層と、熱接着剤を塗布してなる熱接着剤層とを順次積層した熱封緘蓋材であって、下記(1)および(2)であることを特徴とする熱封緘蓋材。
    (1)アンカーコート剤が、ポリウレタン樹脂(A)および塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂(B)を含有する。
    (2)熱接着剤が、ポリウレタン樹脂(A)およびアクリル/ポリエステル/ポリオレフィングラフトポリマー(C)を含有する。
  2. 熱接着剤が、更にアクリル/ポリエステル/ポリオレフィングラフトポリマー(C)以外のアクリル樹脂(D)を含有することを特徴とする請求項1記載の熱封緘蓋材。
  3. ガスバリア層を有する基材層と、アンカーコート剤を塗布してなるアンカーコート剤層と、熱接着剤を塗布してなる熱接着剤層とを順次積層した熱封緘蓋材であって、下記(1)および(2)を特徴とする熱封緘蓋材。
    (1)アンカーコート剤固形分100重量部中、ポリウレタン樹脂(A)が40〜70重量部、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂(B)が30〜60重量部である。
    (2)熱接着剤固形分100重量部中、ポリウレタン樹脂(A)が15〜35重量部、アクリル/ポリエステル/ポリオレフィングラフトポリマー(C)が15〜35重量部、アクリル樹脂(D)が40〜60重量部である。
  4. ガスバリア層が、金属蒸着層であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の熱封緘蓋材。
  5. 包装体が、請求項1〜4いずれか記載の熱封緘蓋材と、合成樹脂容器とからなり、合成樹脂容器の開口部が、熱封緘蓋材で熱熱封緘されてなることを特徴とする包装体。
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