JP2016089775A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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健大 藤本
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英孝 柴田
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Abstract

【課題】排気中に燃料を添加して温度を上昇させ、DPF22の機能を回復させる再生制御を行っているときに、車両の減速が行われ、エンジン1が減速運転になったとしても、DPF22において過大な温度差が生じないようにして、その損傷を防止する。
【解決手段】再生制御を行う制御手段(ECU100)は、DPF22の床温が予め設定した設定温度以上であって、かつPMの堆積量が予め設定した設定量よりも多い状態であるときに、DPF22の床温の変化に応じて排気中への燃料の添加量を調整し、DPF22の上流端および下流端の温度差を所定範囲内に維持する(時刻t2〜t3)。
【選択図】図3

Description

本発明は、内燃機関の排気浄化装置に関し、特に、排気中の粒子状物質を捕集するためのフィルタを備え、このフィルタに堆積した粒子状物質の量が多くなれば、フィルタの機能を回復させるための再生制御を行うようにしたものに係る。
従来より、例えば自動車等の車両に搭載されるディーゼルエンジン(以下、単にエンジンという場合もある)の排気浄化装置としては、排気中の粒子状物質(Particulate Matter:以下、PMという)を捕集するフィルタを備えたものが知られている。このようなフィルタは、PMの堆積量が多くなるに連れて排気の流通抵抗が大きくなり、やがては目詰まりすることになる。
そこで、例えば特許文献1に記載されているように排気通路に燃料添加弁を配設して、フィルタにおけるPMの堆積量が所定値を超えれば、排気中に燃料を添加して燃焼させるようにしたものがある(フィルタの再生制御)。この燃焼によって高温になった排気が流入することで、フィルタの床温が上昇し、それが所定温度以上になると、フィルタに堆積しているPMが酸化反応(燃焼)を開始して、除去されることになる。
特開2012−036764号公報
ところで、前記のように排気中に燃料を添加してフィルタの床温を高め、PMを燃焼させるようにした場合、まず、高温の排気が流入するフィルタの上流端からPMの酸化反応が始まり、温度がさらに上昇するとともに、その後、徐々に下流側においても反応が始まるようになる。このため、再生制御の初期においてはフィルタの上流端の床温Tuが高くなって、遅れて上昇する下流端の床温Tdとの間に大きな温度差が生じる(図4を参照)。
そして、そのようにフィルタの内部がPMの燃焼するような高温状態になっていて、しかも未だPMが多く残っている状態で、もしも車両が減速され、エンジンへの燃料供給が停止されると、排気中の酸素濃度が急に高くなることから、フィルタに残っているPMが急激に燃焼することになる。このときには通常、スロットルバルブが閉じられて、排気の流量が急減することも相俟って、前記のようにPMが急激に燃焼する部位において局所的に急激な温度上昇が発生する。
すなわち、図5に一例を示すように、まず、フィルタ上流端の床温Tuが急上昇し、これに遅れてフィルタ中央部の床温Tcが急上昇し、さらに遅れてフィルタ下流端の床温Tdが急上昇する。そして、特に中央部の床温Tcが急上昇したときに(図に破線のハッチを入れて示す範囲で)、下流端床温Tdとの温度差が過大なものとなってしまう。このときDPF22においては、上流側および下流側と比べて中央部の熱膨張が過大なものとなり、大きな熱応力によって亀裂を生じるおそれがある。
かかる新規な知見に基づいて本発明の目的は、フィルタの再生制御を行っているときに車両の減速が行われ、エンジンが減速運転になったとしても、フィルタにおいて過大な温度差が生じないようにして、前記のような損傷の発生を未然に防止することにある。
前記の目的を達成するために本発明は、フィルタの再生制御を行っているときに、もしも車両の減速が行われると、前記のようにPMが急激に燃焼して過大な温度差を生じるような状態を予め特定し、この特定した状態では排気中への燃料の添加量が少なめになるよう、フィルタの床温の変化に応じて調整するようにしたものである。
−解決手段−
具体的に本発明は、内燃機関の排気通路に、排気中のPMを捕集するフィルタと、その上流側の排気中に燃料を添加する燃料添加弁と、を配設した排気浄化装置を対象とする。そして、前記フィルタに堆積している粒子状物質の量が所定量を超えれば、前記燃料添加弁によって排気中に燃料を添加することにより、前記フィルタの再生制御を行う制御手段を備えており、この制御手段を以下のように構成したものである。
すなわち、前記の制御手段は、フィルタの床温が予め設定した設定温度以上であって、かつ粒子状物質の堆積量が予め設定した設定量よりも多い状態であるときに、フィルタの床温の変化に応じてその上流端および下流端の温度差が所定範囲内に収まるように、排気中への燃料の添加量を調整する構成とした。
かかる構成の排気浄化装置では、フィルタに堆積しているPMの量が所定量を超えて、制御手段により再生制御が行われ、燃料添加弁によって排気中に燃料が添加されると、この燃料の燃焼によってフィルタ床温が上昇する。この際、フィルタ床温の低い状態では、エンジンの減速運転に伴い排気中の酸素濃度が急激に高くなっても、フィルタに堆積しているPMは実質的に燃焼しないので、燃料の添加量を多めにして、速やかにフィルタ床温を上昇させる。
その後、フィルタ床温が設定温度以上になって、堆積しているPMが燃焼を始めるときには、PMの堆積量が設定量以上であるから、予め特定した状態になっているので、このときには燃料の添加量を少なくして、フィルタ床温の上昇度合いを緩やかなものとする。こうすれば、エンジンの減速運転に伴い排気中の酸素濃度が急激に高くなって、PMの燃焼が激しくなったとしても、これによるフィルタの温度上昇を抑制できる。また、PMの激しい燃焼によって局所的な温度上昇が生じても、フィルタ内の温度差が過大なものにはなり難い。よって、フィルタの損傷を防止することができる。
そして、前記のようにフィルタ内に堆積しているPMが燃焼し、その堆積量が減少して設定量以下になれば、今度は堆積しているPMの量が少ないことから、前記のようにエンジンの減速運転に伴い排気中の酸素濃度が急激に高くなっても、PMの燃焼によって過大な温度上昇が引き起こされるおそれはない。そこで、排気中への燃料の添加量を再び増加させて、フィルタ床温を速やかに上昇させる。
つまり、前記構成の排気浄化装置によれば、フィルタに堆積しているPMを再生制御によって速やかに燃焼させて除去することができるとともに、その途中で車両が減速され、エンジンが減速運転になったとしても、フィルタにおいて過大な温度差が生じないようにして、熱応力による損傷を防止することができる。
本発明に係る内燃機関の排気浄化装置によると、フィルタの床温およびPMの堆積量に基づいて、もしも車両の減速が行われると、PMが急激に燃焼して過大な温度差を生じるような状態を特定し、この特定した状態では排気中への燃料の添加量を少なめにして、フィルタの上流端および下流端の温度差を所定範囲内に収めるようにしたので、フィルタの損傷を防止しながら速やかに再生制御を完了して、フィルタの機能を回復させることができる。
実施形態に係るエンジンおよびその制御系の概略構成を示す図である。 実施形態におけるフィルタ再生制御の手順を示すフローチャート図である。 再生制御によってDPFの床温が上昇し、PMの堆積量が減少する様子を示すタイミングチャート図である。 排気中への燃料添加量を調整しない従来例についての図3相当図である。 再生制御の途中でエンジンが減速運転になり、PMの急激な燃焼によってDPF内に過大な温度差が発生する様子を示すタイミングチャート図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は、自動車に搭載されたコモンレール式の多気筒(例えば直列4気筒)ディーゼルエンジン(内燃機関)に本発明を適用した場合について説明する。
−エンジンの構成−
まず、本実施形態に係るディーゼルエンジンの概略構成を、図1を参照して説明すると、このエンジン1は、各気筒1a内におけるピストンの往復動作によって、クランクシャフトが回転されるレシプロエンジンであり、このクランクシャフトの回転数(エンジン回転数)を検出するためのエンジン回転数センサ31を備えている。各気筒1a毎にピストンの冠面に臨んでインジェクタ2が配置されており、これらがコモンレール11に接続されて燃料の供給を受けるようになっている。
コモンレール11は、上流側のサプライポンプ10から吐出される高圧の燃料を受け入れて、その吐出圧の変動を緩和し燃圧を好適に維持する蓄圧室としての機能を有しており、こうして蓄圧している高圧の燃料を各インジェクタ2に分配する。インジェクタ2は、気筒1a内に燃料を噴射する電磁駆動式の開閉弁であって、その開閉制御、即ち燃料の噴射量および噴射時期の制御は、制御手段としてのECU(Electronic Control Unit)100によって行われる。
エンジン1には吸気通路3および排気通路4が接続されている。吸気通路3には、吸気の流れの上流側から下流側に向かって順に、吸気を濾過するエアクリーナ9、吸気の流量を検出するエアフローメータ32、吸気を圧縮して過給するターボチャージャ6のコンプレッサ61、圧縮されて高温になった吸気を冷却するインタークーラ8、および、吸気の流量を調整するスロットルバルブ5が配設されている。
スロットルバルブ5は、スロットルモータ51によって動作されるバタフライバルブを備えており、このバタフライバルブによって吸気の流路断面積を変更するものであって、その開度(スロットル開度)はスロットル開度センサ33によって検出される。このスロットルバルブ5の下流側の吸気通路3は、エンジン1の各気筒1aに分かれて吸気の流れを分配する吸気マニホールド3aとされている。
一方、排気通路4は、エンジン1の各気筒1aに繋がる排気マニホールド4aにおいて、複数の気筒1aからの排気の流れを集合させる。この排気マニホールド4aよりも下流側の排気通路4には、ターボチャージャ6のタービン62と排気の後処理装置とが配置されている。後処理装置は、例えば酸化触媒やNOx吸蔵触媒などの触媒コンバータ21と、排気中に含まれる粒子状物質(Particulate Matter:以下、PMと称する)を捕集するフィルタ(Diesel Particulate Filter:以下、DPFと称する)22とからなる。
DPF22は例えば触媒担持型のものであり、多孔質セラミックス構造体において多数のセルのうち、隣り合うセルの上流端部と下流端部とを交互に目封じした構造になっている。DPF22を流通する排気中のPMは、主に隣り合うセルの間の多孔質の壁を通過する際に捕集される。また、DPF22には白金等の貴金属が担持されており、後述する再生制御の際には、堆積したPMの酸化反応を促進する酸化触媒としても機能する。
そして、触媒コンバータ21よりも上流側(排気の流れの上流側)の排気通路4には、排気流量センサ36と排気温センサ37とが配設されており、触媒コンバータ21やDPF22に流入する排気の流量および温度を検出する。また、そうして触媒コンバータ21に流入する排気中に燃料を添加するように、図示しない低圧燃料系統に接続された燃料添加弁38が配設されている。
一方、DPF22よりも下流側(排気の流れの下流側)の排気通路4には、A/Fセンサ39が配置されており、排気中の酸素濃度に対応する信号を出力する。また、DPF22の下流端部における床温を検出するDPF床温センサ40が配設されており、さらに、DPF22の上流側圧力と下流側圧力との差圧を検出する差圧センサ41も配設されている。後述するが、この差圧の検出値に基づいてDPF22におけるPMの堆積量を推定することができる。
なお、本実施形態のエンジン1にはEGR装置7が装備されている。EGR装置7は、排気通路4から吸気通路3に排気の一部を還流させて、各気筒1aの燃焼室へ再循環させるものである。このEGR装置7は、吸気マニホールド3aと排気マニホールド4aとを接続するEGR通路71と、吸気側へ還流される排気を冷却するEGRクーラ73と、その排気の還流量を調整するEGRバルブ72と、を備えている。
−ECU−
ECU100は、図示は省略するが、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびバックアップRAMなどを備えた公知のものである。CPUは、ROMに記憶された各種制御プログラムやマップに基づいて、種々の演算処理を実行する。また、RAMは、CPUでの演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶し、バックアップRAMは、例えばエンジン1の停止時にその保存すべきデータ等を記憶する。
ECU100には、前記のエンジン回転数センサ31、エアフローメータ32、スロットル開度センサ33、排気流量センサ36、排気温センサ37、A/Fセンサ39、DPF床温センサ40、差圧センサ41の他に、自動車の乗員によるアクセルペダルの操作量(アクセル開度)を検出するアクセル開度センサ42も接続されており、これらの各センサからの信号がECU100に入力される。この他、ECU100には、図示はしないが、吸気温センサ、吸気圧センサ、エンジン水温センサなども接続されている。
一方、ECU100には、前記のインジェクタ2、サプライポンプ10、スロットルバルブ5のスロットルモータ51、排気通路4への燃料添加弁38、EGRバルブ72のアクチュエータなどが接続されている。そして、ECU100は、前記の各種センサからの信号などに基づいて種々の制御プログラムを実行することにより、スロットルバルブ5の開度制御、インジェクタ2による燃料の噴射制御、および、排気の還流量の制御等を含むエンジン1の各種制御を実行する。
また、ECU100は、以下に説明するように、DPF22に堆積しているPMの量が或る程度以上、多くなって、通気抵抗が所定以上に大きくなったと判断すれば、燃料添加弁38により排気中に燃料を添加して燃焼させることにより、DPF22の床温を上昇させる。これにより、DPF22に堆積しているPMが燃焼して除去されるようになり、そのフィルタとしての機能が回復する(再生制御)。
−DPFの再生制御−
次に、DPF22の再生制御について詳細に説明する。前記の如くエンジン1の排気通路4に配設されたDPF22は、エンジン1の運転中に排気中に含まれるPMを捕集する。こうして捕集されたPMはセルの壁面に堆積して排気の流れの妨げとなり、徐々に通気抵抗が大きくなってゆく。これに伴ってDPF22の上流側の排気圧力と下流側の排気圧力との差圧が大きくなるので、この差圧からDPF22のPM堆積量を推定することができる。
すなわち、ECU100は、差圧センサ41の出力信号に基づいてマップを参照し、DPF22におけるPMの堆積量を推定する。なお、このPM堆積量の推定に用いるマップは、DPF22前後の差圧とPMの堆積量との相関関係を考慮して、実験・計算等によって適合した値をマップ化したものであって、例えば、ECU100のROMに記憶されている。
ECU100は、推定したPMの堆積量が所定の閾値(所定量)に達すれば、燃料添加弁38によって排気中に燃料を添加することにより、排気温度を上昇させて、DPF22の昇温を図る。エンジン1の排気中には酸素が残存しているので、ここに添加された燃料は排気とともに触媒コンバータ21に流入して燃焼し、その発熱によって高温になった排気がDPF22の床温を上昇させるのである。
そうして上昇するDPF22の床温が、PMの燃焼するような所定温度(例えば590℃)以上になると、DPF22に堆積しているPMが燃焼を始め、この燃焼に伴う発熱によってDPF22の温度がさらに上昇する。このような状態を所定の時間、維持することによって堆積したPMを燃焼させて除去し、排気中のPMを捕集するというDPF22の機能を回復させることができる。
ところで、前記のように高温の排気によってDPF22の床温を上昇させてゆくときには、まず、高温の排気が流入するDPF22の上流端でPMの酸化反応が始まり、温度がさらに上昇するようになる。このため、従来一般的には図4に示すように、再生制御の初期において、まず、DPF22の上流端床温Tuが上昇し、遅れて上昇する下流端床温Tdとの間には一時的に大きな温度差が生じることになる。
図4の例では、時刻t0において再生制御が開始され、DPF22の床温の目標温度(目標床温)が最高床温に設定されることによって、排気中への燃料の添加量がかなり多くなる。このため排気温度が急上昇し、DPF22の上流端床温Tuも急上昇して時刻t1に、PMの燃焼する前記の所定温度に達すると、この上流端部においてPMの酸化反応が始まり、その後、徐々に下流側の部位でもPMの酸化反応が始まるようになる。
そうしてDPF22の床温が急上昇していて、しかも未だPMが多く残っている状態で、もしも自動車が減速され、エンジン1が減速運転になって燃料の供給が停止されると、排気中の酸素濃度が急に高くなることから、残っているPMが急激に燃焼することになる。このときには通常、スロットルバルブ5が閉じられていて、排気の流量が急減しているため、この排気の流れによって持ち去られる熱量が少なく、前記のようにPMが急激に燃焼する部位においては局所的に急激な温度上昇を生じる。
このようなPMの急激な燃焼は、酸素濃度の高い排気が流入するDPF22の上流端から始まり、徐々に下流側に移動してゆく。すなわち、図5に一例を示すように、時刻t0で再生制御が開始された後に、時刻t*において自動車が減速され、酸素濃度の高い排気がDPF22に流入すると、PMの急激な燃焼によって、まず、上流端床温Tuが急上昇し、遅れて中央部の床温Tcが急上昇し、さらに遅れて下流端床温Tdが急上昇する。
この例では、PMの堆積量が多い中央部や下流端の床温Tc,Tdの上昇度合いが大きくなっており、特に中央部の床温Tcが急上昇したときに(図に破線のハッチを入れて示す範囲で)、下流端床温Tdとの温度差が過大なものとなってしまう。このときDPF22においては、上流側および下流側と比べて中央部の熱膨張が過大なものとなり、大きな熱応力によって亀裂を生じるおそれがあった。
かかる問題点に着目して本実施形態のエンジン1では、DPF22の再生制御を行っているときに自動車の減速が行われ、エンジン1が減速運転になった場合に、前記のようにPMが急激に燃焼して、DPF22に過大な温度差が発生するような状態を予め特定し、この特定した状態において排気中への燃料の添加量を減らすことによって、過大な温度差が生じないようにしたものである。
すなわち、本実施形態では、前記のようにエンジン1の減速運転に伴い、DPF22に過大な温度差が発生するような状態を、再生制御によって上昇しているDPF22の床温が所定以上に高く、PMが燃焼を開始するような状態であって、かつ、DPF22に残存しているPMの堆積量が所定以上に多い状態として特定している。
−具体的な制御手順−
以下、本実施形態の再生制御の具体的な手順について、図2のフローチャートおよび図3のタイミングチャートを参照して説明する。図2のフローチャートに示されている手順は、エンジン1の運転中に所定のタイミングで繰り返し実行される。
まず、図2のフローのステップST1において、予め設定されている再生制御の開始条件が成立しているか否かを判定する。これは、例えば、DPF22におけるPMの堆積量の推定値が所定の閾値(所定量)に達したこととすればよい。PMの堆積量の推定は、前記したようにDPF22の差圧センサ41の出力信号に基づいて、マップを参照して算出すればよいが、これに限らず、前回の再生制御が終了した後のエンジン1の運転履歴からPMの生成量を算出し、これに基づいて堆積量を推定してもよい。
そして、再生制御の開始条件が成立しておらず、ステップST1で否定判定(NO)された場合にはリターンする一方、DPF22におけるPMの堆積量が前記の閾値以上になっていて、ステップST1で肯定判定(YES)された場合にはステップST2に進む。このステップST2では、前記のようなDPF2の再生制御を開始し、まず、DPF22の目標床温をPMの燃焼するような所定温度(例えば590℃)に設定する。
本実施形態では、DPF22の下流端床温Tdと目標床温との偏差に応じて、マップを参照して燃料の添加量を決定する。このマップは、排気の流量および空燃比と、これに添加した燃料の燃焼による発熱量とを考慮して、DPF22の床温(下流端床温Td)を速やかに目標床温に収束させるように、予め実験、計算等によって燃料の添加量を適合した値をマップ化したものであって、例えば、ECU100のROMに記憶されている。
再生制御を開始した直後は、目標床温と実際の床温(下流端床温Td)との偏差が比較的大きいことから、排気中への燃料の添加量は比較的多くなり、この燃料の燃焼による発熱量も比較的多くなる。このため、図3のタイミングチャートに表れているように、時刻t1において再生制御が開始されると、まず、DPF22の上流端床温Tuが速やかに上昇し、遅れて下流端床温Tdも上昇を始める。
このようにDPF22の床温が低い再生制御の初期には、もしも自動車が減速され、エンジン1が減速運転になって、排気中の酸素濃度が急に高くなっても、堆積しているPMが急激に燃焼するおそれはないので、前記のように排気中への燃料の添加量を比較的多くして、速やかに床温を上昇させることができる。
その後、上流端床温Tuおよび下流端床温Tdが目標床温に近づくに連れて、排気中への燃料の添加量が徐々に少なくなり、先に上流端床温Tuの上昇が鈍ることから、遅れて上昇する下流端床温Tdとの温度差が徐々に小さくなってゆく。そして、図2のフローのステップST3では、この温度差が所定値以下になったか否か、および、下流端床温Tdが予め設定した設定温度以上になったか否か、という2つの条件について判定する。
ここで、前記「設定温度」は、例えば500〜560℃くらいに設定され、DPF22の内部で特に床温の高い上流端において、PMが燃焼を始めるような状態になりつつあることを表している。また、前記温度差の「所定値」というのは、例えば20〜40℃くらいであって、前記のようにPMが燃焼を始めるような状態になりつつある上流端の床温Tuに対して、下流端床温Tdが十分に接近していることを表している。
前記のステップST3において、いずれか一方の条件でも成立していなければ、否定判定(NO)してリターンする一方、両方の条件が成立していれば肯定判定(YES)してステップST4に進む。このときには、DPF22の床温が高くなって、PMが燃焼を始めるような状態であり、かつ、PMの堆積量が或る程度以上に多い状態(特定した状態)であるから、排気中への燃料の添加量を少なくして、DPF22の温度上昇が緩やかになるように調整する。具体的にはDPF22の目標床温を、現在の下流端床温Tdに所定の加算値(例えば20℃)を加えた値とする。
前記したように排気中への燃料添加量は、目標床温と実際の床温(下流端床温Td)との偏差に応じて決定されるので、目標床温を下流端床温Tdプラス加算値とすれば、それらの偏差は結局、加算値に留まるようになり、これに応じて決定される燃料の添加量が少なめになる。これにより、図3の時刻t2〜t3に示すように、下流端床温Tdの緩やかな上昇に連れて目標床温が緩やかに上昇し、上流端床温Tuも緩やかに上昇するようになる。
つまり、DPF22の床温とPMの堆積量とに基づいて予め特定した状態では、排気中への燃料の添加量を少なくして、DPF22の床温の上昇を緩やかにする。こうすれば、エンジン1の減速運転に伴い排気中の酸素濃度が急激に高くなって、PMが急激に燃焼したとしても、これによる温度上昇を抑制できる。
また、そのようにDPF22の床温の上昇を緩やかにすることで、上流端床温Tuと下流端床温Tdとの温度差が小さめの所定範囲内(本実施形態では概ね20℃くらい)に収まるようになるので、この状態で前記のようにPMが激しく燃焼し、局所的に温度上昇が生じたとしても、DPF22内の温度差は過大なものにはなり難い。
こうして、DPF22に過大な温度差を生じることなく、堆積しているPMを燃焼させて除去することができ、図3に表れているようにPMの堆積量が時間の経過とともに減少してゆく。そこで、ECU100は、排気の流量、温度および空燃比から求められるPMの時間当たりの燃焼量を積算して、残存するPMの堆積量を推定し、図2のフローのステップST5において、PMの堆積量が設定量まで減少したか否か判定する。
このPMの堆積量の設定量としては、前記のように排気中の酸素濃度が急激に高くなって、PMが急激に燃焼するようになったとしても、こうして激しく燃焼するPMの量が少ないことから、過大な温度上昇が生じる心配のない程度のものとする。そして、この設定量と比較して、前記の推定したPMの堆積量が多い場合は、ステップST5において否定判定(NO)し、燃料の添加量の調整を継続する。
一方、DPF22に堆積しているPMが減少し、その推定値が前記設定量以下になれば、ステップST5において肯定判定(YES)され、ステップST6に進んでDPF22の目標床温を最高床温(例えば660℃くらい)に設定する。これにより、図3のタイミングチャートの時刻t3〜t4に表れているように目標床温がステップ状に上昇して、実際の床温(下流端床温Td)との温度差が大きくなるので、再び燃料の添加量が増加し、DPF22の床温(上流端床温Tu、下流端床温Td)が速やかに上昇するようになる。
つまり、エンジン1の減速運転に伴い排気中の酸素濃度が急激に高くなったとしても、PMの堆積量が設定量以下にまで減少していれば、その燃焼によって過大な温度上昇が引き起こされるおそれはないので、排気中への燃料の添加量を再び増加させて、床温をより速く上昇させるのである。
そして、図2のフローのステップST7において、DPF22に残存するPMの堆積量が実質的にゼロになったか否か判定し、否定判定(NO)であれば待機する。すなわち、再生制御が継続されてPMの堆積量がさらに減少し、図3のタイミングチャートの時刻t4において、PMの堆積量が実質的にゼロといえる所定値になれば、ステップST7において肯定判定し(YES)、再生制御を終了する(エンド)。
以上、説明したように本実施形態に係るエンジン1の排気浄化装置によると、排気通路に設けたDPF22におけるPMの堆積量が所定の閾値を超えれば、燃料添加弁38によって排気中に燃料を添加する。この再生制御により排気の温度が上昇し、DPF22の床温が所定以上に高くなって、堆積しているPMが燃焼して除去されるようになり、DPF22の機能を回復させることができる。
その再生制御の際に、DPF22の床温およびPMの堆積量に基づいて、もしも自動車の減速が行われると、PMが急激に燃焼して過大な温度差を生じるような状態を特定し、この特定した状態では排気中への燃料の添加量を少なくして、DPF22の床温を緩やかに上昇させる。こうすれば、DPF22の上流端および下流端の温度差が所定範囲内に維持されるようになり、前記のようにPMが急激に燃焼しても過大な温度差を生じることがないので、DPF22の損傷を防止することができる。
つまり、再生制御によってDPF22に堆積しているPMを速やかに燃焼させて除去することができるとともに、その途中で自動車が減速され、エンジン1が減速運転になったとしても、DPF22において過大な温度差が生じないようにして、熱応力による損傷を防止することができる。
−他の実施形態−
以上、説明した実施形態では、自動車に搭載されたコモンレール式の筒内直噴型多気筒ディーゼルエンジン1に本発明を適用した場合について説明したが、本発明は、自動車用に限らず、その他の用途に使用されるエンジンにも適用可能である。また、気筒数やエンジン形式(直列型エンジン、V型エンジン、水平対向型エンジン等の別)についても特に限定されるものではなく、燃焼に伴いPMの生成されるおそれがある筒内噴射式のガソリンエンジンに対して適用することも可能である。
また、前記実施形態では、再生制御を開始した後にDPF22の下流端床温Tdが 設定温度以上になり、かつ上流端床温Tuとの温度差が所定値以下になったときに、排気中への燃料の添加量の調整を開始するようにしているが、これに限らず、下流端床温Tdが設定温度以上になれば、添加量の調整を開始するようにしてもよい。また、下流端床温Tdの代わりに例えば上流端床温Tuなど、DPF22の任意の部位の床温を設定温度と比較するようにしてもよい。
また、前記実施形態では、DPF22の下流端床温Tdと目標床温との偏差に応じて、マップを参照して燃料の添加量を決定するようにしており、目標床温を下流端床温Tdプラス加算値(例えば20℃)とすることで、排気中に添加する燃料の量を少な目にして、上流端床温Tuと下流端床温Tdとの温度差を前記加算値まで(所定範囲内)に収めるようにしているが、これにも限定されない。
例えば、上流端床温Tuと下流端床温Tdとの温度差を推定若しくは検出し、この温度差に応じて燃料の添加量を調整するようにしてもよい。この場合に、推定若しくは検出した温度差が所定範囲内において増加するときには、燃料の添加量を減らす一方、温度差が所定範囲内において減少するときには燃料の添加量を増やす、というように調整することで、温度差を所定範囲内に収めることができる。
本発明は、排気通路に設けたフィルタに堆積したPMを効率良く除去しながら、その破損を防止することができるので、特に自動車に搭載されるディーゼルエンジンに適用して有益である。
1 ディーゼルエンジン(内燃機関)
4 排気通路
22 DPF(フィルタ)
38 燃料添加弁
100 ECU(制御手段)

Claims (1)

  1. 内燃機関の排気通路に、排気中の粒子状物質を捕集するフィルタと、その上流側の排気中に燃料を添加する燃料添加弁と、が配設されている内燃機関の排気浄化装置であって、
    前記フィルタに堆積している粒子状物質の量が所定量を超えれば、前記燃料添加弁によって排気中に燃料を添加することにより、前記フィルタの再生制御を行う制御手段を備えており、
    前記制御手段は、フィルタの床温が予め設定した設定温度以上であって、かつ粒子状物質の堆積量が予め設定した設定量よりも多い状態であるときに、フィルタの床温の変化に応じてその上流端および下流端の温度差が所定範囲内に収まるように、排気中への燃料の添加量を調整する構成であることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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