JP2016089035A - ポリエステルポリイソシアネート、これを用いる2液型ウレタン系接着剤用硬化剤、2液型ウレタン系接着剤、積層フィルム及び太陽電池のバックシート - Google Patents

ポリエステルポリイソシアネート、これを用いる2液型ウレタン系接着剤用硬化剤、2液型ウレタン系接着剤、積層フィルム及び太陽電池のバックシート Download PDF

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晃生 海野
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康生 山下
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Abstract

【課題】 湿熱条件下での基材接着性及び外観に優れる2液型ウレタン系接着剤、及び当該接着剤用硬化剤として好適に用いることができるポリエステルポリイソシアネート、更に、当該接着剤を用いた積層フィルム及び太陽電池のバックシートを提供すること。
【解決手段】 脂肪族多塩基酸又はそのアルキルエステル(a)、直鎖状多価アルコール(b1)、側鎖にアルキル基を有する分岐型脂肪族多価アルコール(b2)を必須の原料として反応させて得られるポリエステルポリオール(I)に、ジイソシアネート化合物(II)を反応させてなり、イソシアネート含有率が6.0〜10.0質量%であることを特徴とするポリエステルポリイソシアネート、これを硬化剤として用いる2液型ウレタン系接着剤、当該接着剤からなる層を有する積層フィルム及び太陽電池のバックシート。
【選択図】 なし

Description

本発明は、基材接着性及び積層体としたときの外観に優れる2液型ウレタン系接着剤、及び当該接着剤用硬化剤として好適に用いることができるポリエステルポリイソシアネート、更に、当該接着剤を用いた積層フィルム及び太陽電池のバックシートに関する。
近年、石油、石炭をはじめとする化石燃料の枯渇が危ぶまれ、これらの化石燃料により得られる代替エネルギーを確保するための開発が急務とされている。このため原子力発電、水力発電、風力発電、太陽光発電等の種々の方法が研究され、実際の利用に及んでいる。太陽光エネルギーを電気エネルギーに直接変換することが可能な太陽光発電は、半永久的で無公害の新たなエネルギー源として実用化されつつあり、実際に利用される上での価格性能比の向上が目覚しく、クリーンなエネルギー源として非常に期待が高い。
太陽光発電に使用される太陽電池は、太陽光のエネルギーを直接電気エネルギーに変換する太陽光発電システムの心臓部を構成するものであり、シリコンなどに代表される半導体からできている。その構造としては、太陽電池素子を直列、並列に配線し、20年程度の長期間にわたって素子を保護するために種々のパッケージングが施され、ユニット化されている。このパッケージに組み込まれたユニットは太陽電池モジュールと呼ばれ、一般に太陽光が当たる面をガラスで覆い、熱可塑性樹脂からなる充填材で間隙を埋め、裏面を封止シートで保護した構成となっている。熱可塑性樹脂からなる充填材としては、透明性が高く、耐湿性にも優れているという理由でエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(以下、EVA樹脂)が用いられることが多い。一方、裏面保護シートには、ポリエステルフィルムやポリフッ化ビニルフィルム等の異なる特徴を有する種々のフィルムには、機械強度、耐候性、耐熱性、耐湿熱性、耐光性、といった特性が要求され、裏面保護シートを構成する接着剤には、これらの種々のフィルムに対する高い接着性、露天環境下でも長期的に接着性を維持するための耐湿熱性、優れた外観等が求められている。
このようなバックシート用接着剤としては、ネオペンチルグリコール、1,6−へキサンジオール、エチレングリコール、イソフタル酸、及びセバシン酸を反応させてなるポリエステルポリオールと、イソホロンジイソシアネートとを反応させて得られるポリエステルポリウレタンポリオールを主剤とし、イソホロンジイソシアネートの三量体を硬化剤として用いた二液型のポリウレタン系接着剤が知られている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、このように、分岐構造を有しないポリエスエルポリウレタンポリオールを用いた接着剤では、最終硬化物の架橋密度が低くなるため、湿熱条件下では硬化物が膨潤してしまい、接着性が低下する、所謂、湿熱条件下での基材接着性に劣るものであった。
耐湿熱性を向上させるため、本発明者はすでに分岐構造を有するポリエステルポリウレタンポリオールを用いた接着剤を提供している(例えば、特許文献2参照)が、適用する樹脂の分子量が小さい為、主剤と硬化剤とを混合しこれを塗布した初期の硬化時に硬化歪みが発生しやすく、塗膜外観が悪いという現象を抱えており、さらなる改良が必要である。
特開2010−43238号公報 国際公開2012/144329号
従って、本発明が解決しようとする課題は、湿熱条件下での基材接着性及び外観に優れる2液型ウレタン系接着剤、及び当該接着剤用硬化剤として好適に用いることができるポリエステルポリイソシアネート、更に、当該接着剤を用いた積層フィルム及び太陽電池のバックシートを提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、脂肪族多塩基酸又はそのアルキルエステル(a)、直鎖状多価アルコール(b1)、側鎖にアルキル基を有する分岐型脂肪族多価アルコール(b2)を必須の原料として反応させて得られるポリエステルポリオール(I)に、ジイソシアネート化合物(II)を反応させてなり、イソシアネート含有率が6.0〜10.0質量%であることを特徴とするポリエステルポリイソシアネートを2液型ウレタン系接着剤の硬化剤として用いることにより、湿熱条件下での基材接着性、得られる塗膜の外観が良好であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、脂肪族多塩基酸又はそのアルキルエステル(a)、直鎖状多価アルコール(b1)、側鎖にアルキル基を有する分岐型脂肪族多価アルコール(b2)を必須の原料として反応させて得られるポリエステルポリオール(I)に、ジイソシアネート化合物(II)を反応させてなり、イソシアネート含有率が6.0〜10.0質量%であることを特徴とするポリエステルポリイソシアネート、及びこれを含有する2液型ウレタン系接着剤用硬化剤を提供するものである。
本発明は、更に、前記硬化剤を使用する2液型ウレタン系接着剤からなる層を有する積層フィルム、及び当該接着剤からなる層を有する太陽電池のバックシートを提供するものである。
本発明によれば、従来の硬化剤を使用する2液型ウレタン系接着剤と比較して、湿熱条件下での基材接着性に優れる2液型ウレタン系接着剤を得ることが出来、当該接着剤層を有する積層体の外観も良好である。
本発明のポリエステルポリイソシアネートは、脂肪族多塩基酸又はそのアルキルエステル(a)、直鎖状多価アルコール(b1)、側鎖にアルキル基を有する分岐型脂肪族多価アルコール(b2)を必須の原料として反応させて得られるポリエステルポリオール(I)に、ジイソシアネート化合物(II)を反応させて得られるものであり、イソシアネート含有率が6.0〜10.0質量%であることを特徴とする。
前記ポリエステルポリイソシアネートは、ジイソシアネート化合物(II)を用いることで、粘度が低く反応性に優れる観点から、塗装作業性に優れると共に、分子量が小さすぎないことで反応時の収縮を効果的に抑制でき、その結果塗膜外観にも優れたものとすることができる。
また、前記ポリエステルポリイソシアネートは、その前駆体ポリエステルポリオール(I)に、脂肪族多塩基酸又はそのアルキルエステル(a)及び直鎖状多価アルコール(b1)由来の構造を有することで、耐湿熱性を優れたものとし、且つ、ポリエステル構造を含有することから、基材接着性に優れたものとすることができる。
更に、前記ポリエステルポリイソシアネートは、その前駆体ポリエステルポリオール(I)に側鎖にアルキル基を有する分岐型脂肪族多価アルコール(b2)由来構造を含有させることによって、硬化収縮を抑えることができ、硬化物の外観を良好とすることが可能となる。
前記ポリエステルポリイソシアネートの重量平均分子量(Mw)は、500〜10,000の範囲であることが好ましく、特に1,000〜5,000の範囲であることが好ましい。重量平均分子量(Mw)が前記範囲内にあることにより、接着剤としたときの粘度が良好で、塗装生産性に優れたものとなる。また、主剤と硬化剤との粘度を同程度にすることが容易であることから、外観に特に優れた積層体を得ることができる。また、粘着付与剤を含む樹脂組成物とした際にも塗工に適した粘度のものとなる。数平均分子量(Mn)としては、1,000〜3,000の範囲であることが、分子量分布が適度にあり、低分子量成分に起因した基材との密着性が向上する効果と、高分子量成分に起因した硬化物が高強度となる効果が同時に発揮されるため、湿熱条件下での基材接着性に優れるものとなる点で、好ましい。
尚、本発明において、重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、下記条件のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される値である。
測定装置 ;東ソー株式会社製 HLC−8220GPC
カラム ;東ソー株式会社製 TSK−GUARDCOLUMN SuperHZ−L
+東ソー株式会社製 TSK−GEL SuperHZM−M×4
検出器 ;RI(示差屈折計)
データ処理;東ソー株式会社製 マルチステーションGPC−8020modelII
測定条件 ;カラム温度 40℃
溶媒 テトラヒドロフラン
流速 0.35ml/分
標準 ;単分散ポリスチレン
試料 ;樹脂固形分換算で0.2質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(100μl)
また、前記ポリエステルポリイソシアネートの前駆体ポリエステルポリオール(I)の酸価は2.0mgKOH/g以下であることが好ましい。
前記ポリエステルポリイソシアネートは、脂肪族多塩基酸又はそのアルキルエステル(a)、直鎖状多価アルコール(b1)、側鎖にアルキル基を有する分岐型脂肪族多価アルコール(b2)を必須の原料として反応させて得られるポリエステルポリオール(I)に、ジイソシアネート化合物(II)を反応させてなるものである。
前記脂肪族多塩基酸又はそのアルキルエステル(a)としては、例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカンニ酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二酸、ノナデカン二酸、イコサン二酸等の脂肪族二塩基酸;テトラヒドロフタル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸等の脂肪族不飽和二塩基酸及びその無水物、ヘキサヒドロフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族二塩基酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸等の脂肪族三塩基酸などが挙げられる。
これら脂肪族多塩基酸又はそのアルキルエステル(a)はそれぞれ単独で用いても良いし、二種類以上を併用しても良い。中でも、湿熱条件下での基材接着性に優れ、かつ、塗工に適した粘度の硬化剤が得られる点で、特にアジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカンニ酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二酸、ノナデカン二酸、イコサン二酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸等、炭素原子数が6〜20の範囲であるものが好ましい。
また、本発明においては、前記ポリエステルポリオール(I)の分子量や粘度を調整する目的で、前記ポリエステルポリオール(I)の原料としてメタン酸、エタン酸、プロパン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、安息香酸等のモノカルボン酸を併用しても良い。
前記直鎖状多価アルコール(b1)は、脂肪族部分が直鎖状であれば良く、水酸基が末端のみにあるジオール、又は直鎖のアルキル鎖に直接水酸基が結合しているものや、直鎖状のアルキル鎖が酸素原子を介して結合しているものであってもよい。例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ポリオキシエチレングリコール、前記脂肪族ジオールと、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン、エチルグリシジルエーテル、プロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル等の種々の環状エーテル結合含有化合物との開環重合によって得られる変性ポリエーテルジオール等が挙げられ、単独でも、2種以上併用してもよい。これらの中でも、得られるポリエステルポリイソシアネートを接着剤の硬化剤として用いた際の接着層の耐湿熱性に優れる観点より、炭素原子数6〜20の直鎖アルキルジオールを用いることが好ましい。
前記側鎖にアルキル基を有する分岐型脂肪族多価アルコール(b2)としては、例えば、1,2,2−トリメチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−3−イソプロピル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール等の脂肪族ジオール;トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール等の脂肪族ポリオール;前記脂肪族ポリオールと、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン、エチルグリシジルエーテル、プロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル等の種々の環状エーテル結合含有化合物との開環重合によって得られる変性ポリエーテルポリオールなどが挙げられ、単独でも、2種以上を併用して用いてもよい。
これらの側鎖にアルキル基を有する分岐型脂肪族多価アルコール(b2)を用いることで、得られるポリエステルポリイソシアネートの粘度を適切な範囲にすることが簡便となり、塗装作業性に優れたものとなる。
これらのアルコール成分は、より塗工性に優れる点で、直鎖状多価アルコール(b1)と側鎖にアルキル基を有する分岐型脂肪族多価アルコール(b2)とを、(b1)/(b2)=0.5〜3.0のモル比で併用することが好ましい。
本発明では、前記で得られたポリエステルポリオール(I)にジイソシアネート化合物(II)を、イソシアネート含有率が6.0〜10.0質量%の範囲になるように反応させることを特徴とする。
前記ジイソシアネート化合物(II)としては、例えば、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、等の脂肪族ジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソプロピリデンジシクロヘキシル−4,4’−ジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート等が挙げられ、これらはそれぞれ単独で使用しても良いし、二種類以上を併用しても良い。
また、本発明のポリエステルポリイソシアネートを得る際に、これをウレタン系接着剤の硬化剤としたときの接着性能、特には湿熱時の接着性により優れる観点より、芳香族ジイソシアネートを用いることもできる。
前記芳香族ジイソシアネートとしては、例えば、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4’−ジベンジルジイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられ、単独でも、2種以上を併用してもよい。
前記ポリエステルポリオール(I)を製造する方法は、例えば、脂肪族多塩基酸又はそのアルキルエステル(a)と、前記直鎖状多価アルコール(b1)、側鎖にアルキル基を有する分岐型脂肪族多価アルコール(b2)とを、エステル化触媒の存在下、150〜270℃の温度範囲で反応させてポリエステルポリオールを得る方法が挙げられる。
前記ポリエステルポリオール(I)に前記ジイソシアネート化合物(II)を反応させる方法としては、特に限定されるものではないが、ウレタン化触媒の存在下、50〜100℃の温度範囲で反応させる方法などが挙げられる。また、反応の終点は、反応生成物のイソシアネート含有量を測定することによって判断可能である。
本発明のポリエステルポリイソシアネートは、水酸基を有する樹脂の硬化剤として好適に用いることができ、特に、2液型ウレタン系接着剤用硬化剤として用いることが好ましい。
この時、得られる接着層の耐湿熱性がより良好となる観点より、イソシアヌレート型ポリイソシアネートを併用することが好ましい。併用できるイソシアヌレート型ポリイソシアネートとしては、例えば、ジイソシアネート化合物とモノアルコールおよび/又はジオールとを反応させて得られる。該反応で用いるジイソシアネート化合物は、例えば、前記ジイソシアネート化合物として例示した各種のジイソシアネート化合物が挙げられ、これらはそれぞれ単独で使用しても良いし、二種類以上を併用しても良い。また、該反応で用いるモノアルコールとしては、ヘキサノール、2−エチルヘキサノール、オクタノール、n−デカノール、n−ウンデカノール、n−ドデカノール、n−トリデカノール、n−テトラデカノール、n−ペンタデカノール、n−ヘプタデカノール、n−オクタデカノール、n−ノナデカノール、エイコサノール、5−エチル−2−ノナノール、トリメチルノニルアルコール、2−ヘキシルデカノール、3,9−ジエチル−6−トリデカノール、2−イソヘプチルイソウンデカノール、2−オクチルドデカノール、2−デシルテトラデカノール等が挙げられ、ジオールとしては前記直鎖状多価アルコール(b1)、側鎖にアルキル基を有する分岐型脂肪族多価アルコール(b2)で例示したジオール等が挙げられる。これらモノアルコールやジオールはそれぞれ単独で使用しても良いし、二種類以上を併用しても良い。
2液型ウレタン系接着剤用硬化剤として用いる場合は、本発明のポリエステルポリイソシアネートと、イソシアヌレート型ポリイソシアネートとを、前者/後者の質量比として、99/1〜70/30の範囲で用いると、塗装作業性と接着層の耐湿熱性とのバランスに優れたものとなり好ましい。
本発明のポリエステルポリイソシアネートを2液型ウレタン系接着剤用硬化剤として用いる場合の、主剤としては、水酸基を有する樹脂であれば特に限定されるものではないが、ポリエステルポリイソシアネートと同様のエステル結合を有するものが、得られる接着層及びこれを有する積層フィルムの外観が良好となる点から好ましく、例えば、ポリエステルポリオール又はポリエステルポリウレタンポリオールを含有するものが好ましい。
前記ポリエステルポリオールとしては、本発明のポリエステルポリイソシアネートの前駆体であるポリエステルポリオール(I)等が挙げられ、前記ポリエステルポリウレタンポリオールとしては、前記ポリエステルポリオール(I)中の水酸基に対して少量のイソシアネート化合物を反応させてなるものが挙げられる。
これらの中でも、重量平均分子量(Mw)が10,000〜50,000のポリエステルポリオール、ポリエステルポリウレタンポリオールであることが、本発明のポリエステルポリイソシアネートとの相溶性に優れ、得られる接着層、及びこれを含む積層フィルムの外観が良好となる点から好ましく、特に分子量分布幅(Mw/Mn)が2.5以上の広い分布幅を有するものが、初期接着性と、耐湿熱性とのバランスに優れる観点から好ましいものである。
また、本発明の2液型ウレタン系接着剤において、主剤として用いる樹脂組成物には、水酸基含有エポキシ樹脂や、水酸基含有ポリカーボネートを混合してもよい。
前記水酸基含有エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂等のビフェニル型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン−フェノール付加反応型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、二種類以上を併用しても良い。これらの中でも、湿熱条件下での基材接着性及び初期の接着強度に優れる樹脂組成物が得られる点で、ビスフェノール型のエポキシ樹脂を用いることが好ましい。
前記水酸基含有ポリカーボネートとしては、数平均分子量(Mn)が300〜2,000の範囲である水酸基含有ポリカーボネート樹脂を用いることが好ましい。このようなポリカーボネート樹脂を併用すると、湿熱条件下での基材接着性に優れる接着剤を得ることができる。中でも、硬化剤、及びその他の主剤を構成する他の樹脂との相溶性、及び湿熱条件下での基材接着性により優れる点で、数平均分子量(Mn)が400〜2,000の範囲であるものがより好ましい。
前記水酸基含有ポリカーボネート樹脂は、より硬化性に優れる接着剤が得られる観点から、水酸基価が20〜300mgKOH/gの範囲であることが好ましく、40〜250mgKOH/gの範囲であることがより好ましい。また、湿熱条件下での基材接着性に優れる点で、ポリカーボネートジオールであることが好ましい。
前記水酸基含有ポリカーボネート樹脂は、例えば、多価アルコールとカルボニル化剤とを重縮合反応させる方法により製造することができる。
前記水酸基含有ポリカーボネート樹脂の製造で用いる多価アルコールは、例えば、前記多価アルコールとして例示した各種の多価アルコールが挙げられる。多価アルコールはそれぞれ単独で用いても良いし、二種類以上を併用しても良い。
前記水酸基含有ポリカーボネート樹脂の製造で用いるカルボニル化剤は、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジフェニルカーボネート等を挙げることができる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、二種類以上を併用しても良い。
また、本発明のウレタン系接着剤の主剤には、粘着付与剤を含有させることができる。粘着付与剤を併用することで、初期の接着強度が高まる。
粘着付与剤としては、例えば、ロジン系又はロジンエステル系粘着付与剤、テルペン系又はテルペンフェノール系粘着付与剤、飽和炭化水素樹脂、クマロン系粘着付与剤、クマロンインデン系粘着付与剤、スチレン樹脂系粘着付与剤、キシレン樹脂系粘着付与剤、フェノール樹脂系粘着付与剤、石油樹脂系粘着付与剤などが挙げられ、これらの粘着付与剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、該粘着付与剤は主に分子量により種々の軟化点を有するものが得られるが、主剤を構成する他の樹脂と混合した場合の相溶性、色調や熱安定性などの点から軟化点が80〜160℃、好ましくは90〜110℃のロジン系樹脂及びその水素添加誘導体が特に好ましい。通常、主剤を構成する樹脂の固形分100質量部に対して10〜30質量部(固形分)の範囲で用い、特に10〜20質量部(固形分)の範囲で用いることが好ましい。
ロジン系又はロジンエステル系としては、重合ロジン、不均化ロジン、水素添加ロジン、マレイン化ロジン、フマル化ロジン、及びこれらのグリセリンエステル、ペンタエリスリトールエステル、メチルエステル、エチルエステル、ブチルエステル、エチレングリコールエステル、ジエチレングリコールエステル、トリエチレングリコールエステルなどがあげられる。
テルペン系又はテルペンフェノール系としては、低重合テルペン系、α−ピネン重合体、β−ピネン重合体、テルペンフェノール系、芳香族変性テルペン系、水素添加テルペン系などあげられる。
石油樹脂系としては、ペンテン、ペンタジエン、イソプレンなどから得られる炭素数5個の石油留分を重合した石油樹脂、インデン、メチルインデン、ビニルトルエン、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレンなどから得られる炭素数9個の石油留分を重合した石油樹脂、前記各種モノマーから得られるC5−C9共重合石油樹脂及びこれらを水素添加した石油樹脂、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエンから得られる石油樹脂;並びにそれらの石油樹脂の水素化物;それらの石油樹脂を無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、(メタ)アクリル酸、フェノールなどで変性した変性石油樹脂などを例示できる。
フェノール樹脂系としては、フェノール類とホルムアルデヒドの縮合物を使用できる。該フェノール類としては、フェノール、m−クレゾール、3,5−キシレノール、p−アルキルフェノール、レゾルシンなどが挙げられ、これらフェノール類とホルムアルデヒドをアルカリ触媒で付加反応させたレゾールや、酸触媒で縮合反応させて得られるノボラックなどが例示できる。また、ロジンにフェノールを酸触媒で付加させ熱重合することにより得られるロジンフェノール樹脂なども例示できる。
これらの中でも、特に軟化点が80〜160℃の水添ロジン系であることが好ましく、酸価が2〜10mgKOH/g、水酸基価が5mgKOH/g以下の水添ロジン系であることがより好ましい。
本発明の接着剤において、前記ポリエステルポリイソシアネートと、必要に応じて併用されるイソシアヌレート型ポリイソシアネートは、主剤を構成するポリエステルポリウレタンポリオール、ポリエステルポリオールや、前記水酸基含有エポキシ樹脂及び前記水酸基含有ポリカーボネート樹脂が含有する水酸基と反応させる硬化剤として働く。
本発明の接着剤は、主剤に含まれる水酸基の合計モル数[OH]と、前記硬化剤に含まれるポリイソシアネートに含まれるイソシアネート基のモル数[NCO]との比[OH]/[NCO]を1/1〜1/5の範囲とすることにより、硬化性に優れる2液型接着剤となる。中でも、[OH]/[NCO]が1/1〜1/3の範囲であることが好ましい。
本発明の接着剤(主剤及び硬化剤)には、更に、各種の溶剤を含有していても良い。前記溶媒は、例えば、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン等のケトン系化合物、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキソラン等の環状エーテル系化合物、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系化合物、トルエン、キシレン等の芳香族系化合物、カルビトール、セロソルブ、メタノール、イソプロパノール、ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのアルコール系化合物が挙げられる。これらは単独で使用しても二種類以上を併用しても良い。
本発明の接着剤(主剤及び硬化剤)は、更に、紫外線吸収剤、酸化防止剤、シリコン系添加剤、フッ素系添加剤、レオロジーコントロール剤、脱泡剤、帯電防止剤、防曇剤等の各種添加剤を含有しても良い。
本発明の接着剤は、種々のプラスチックフィルムを接着する為の2液型接着剤として好適に用いることができる。
前記種々のプラスチックフィルムは、例えば、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリエステル、ポリオレフィン、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、トリアセチルセルロース樹脂、ポリビニルアルコール、ABS樹脂、ノルボルネン系樹脂、環状オレフィン系樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフッ化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂等からなるフィルムが挙げられる。本願発明の2液型接着剤は、上記各種フィルムの中でも特に接着が難しいポリフッ化ビニル樹脂やポリフッ化ビニリデン樹脂からなるフィルムに対しても高い接着性を示す。
前記各種フィルム同士を接着する際、本願発明の2液型接着剤の使用量は、2〜10g/mの範囲であることが好ましい。
本発明の2液型接着剤を用い、複数のフィルムを接着して得られる積層フィルムは、湿熱条件下でも高い接着性を有し、フィルム同士が剥がれ難い特徴がある。従って、本発明の2液型接着剤は、屋外等の厳しい環境下で用いる積層フィルム用途に好適に用いることができ、このような用途としては、例えば、太陽電池のバックシートを製造する際の接着剤などが挙げられる。
以下に本発明を具体的な合成例、実施例を挙げてより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、以下において、「部」、「%」は特に断りのない限り質量基準である。
尚、本願実施例では、数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)は、下記条件のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
測定装置 ;東ソー株式会社製 HLC−8220GPC
カラム ;東ソー株式会社製 TSK−GUARDCOLUMN SuperHZ−L
+東ソー株式会社製 TSK−GEL SuperHZM−M×4
検出器 ;RI(示差屈折計)
データ処理;東ソー株式会社製 マルチステーションGPC−8020modelII
測定条件 ;カラム温度 40℃
溶媒 テトラヒドロフラン
流速 0.35ml/分
標準 ;単分散ポリスチレン
試料 ;樹脂固形分換算で0.2%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(100μl)
合成例1〔ポリエステルポリイソシアネート(1)の合成〕
攪拌棒、温度センサー、精留管を有するフラスコに、1,3−ブチレングリコール;110部、ネオペンチルグリコール;214部、1,6−ヘキサンジオール;202部、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール;88部、アジピン酸;560部を仕込み、乾燥窒素をフラスコ内に流入させ攪拌しながら180〜210℃に加熱しエステル化反応を行った。酸価が1.0mgKOH/g以下となったところで反応を停止し、重量平均分子量(Mw)が2,000、分子量分布(Mw/Mn)が2.3、水酸基価が175のポリエステルポリオール(I)を得た。次いで、攪拌棒、温度センサー、コンデンサを有し、窒素置換を施したフラスコに、ヘキサメチレンジイソシアネート;1500部、前記ポリエステルポリオール(I);590部を仕込み、80〜120℃に加熱してウレタン化反応を行った。イソシアネート率が32.5%になったところで反応を停止し、120℃、1torr以下の条件で蒸留精製し、粘度が2720mPa・s(25℃のBM粘度測定値)、イソシアネート率が8.1%のポリエステルポリイソシアネート(1)を得た。
配合例1〔2液型ウレタン系接着剤用硬化剤(1)の調整〕
攪拌棒、温度センサー、コンデンサを有し、窒素置換を施したフラスコに、酢酸エチル:200部、ポリエステルポリイソシアネート(1);270部、スミジュールN−3300(ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体);530部を仕込んで、室温で混合し、粘度;150mPa・s(E型粘度、25℃測定値)、固形分80.0%、イソシアネート率;14.1%である2液型ウレタン系接着剤用硬化剤(1)を得た。
合成例2〔ポリエステルポリイソシアネート(1’)の合成〕
攪拌棒、温度センサー、精留管を有するフラスコに、エチレングリコール;130部、ネオペンチルグリコール;55部、ジエチレングリコール;330部、無水フタル酸;288部、イソフタル酸;322部を仕込み、乾燥窒素をフラスコ内に流入させ攪拌しながら200〜230℃に加熱しエステル化反応を行った。酸価が1.0mgKOH/g以下となったところで反応を停止し、重量平均分子量(Mw)が1,400、分子量分布(Mw/Mn)が2.4、水酸基価が175のポリエステルポリオール(I’)を得た。次いで、攪拌棒、温度センサー、コンデンサを有し、窒素置換を施したフラスコに、ヘキサメチレンジイソシアネート;1500部、前記ポリエステルポリオール(I’);590部を仕込み、80〜120℃に加熱してウレタン化反応を行った。イソシアネート率が34.1%になったところで反応を停止し、120℃、1torr以下の条件で蒸留精製し、粘度が3320mPa・s(25℃のBM粘度測定値)、イソシアネート率が7.6%のポリエステルポリイソシアネート(1’)を得た。
配合例2〔2液型ウレタン系接着剤用硬化剤(1’)の調整〕
攪拌棒、温度センサー、コンデンサを有し、窒素置換を施したフラスコに、酢酸エチル:200部、ポリエステルポリイソシアネート(1’);270部、スミジュールN−3300;530部を仕込んで、室温で混合し、粘度;170mPa・s(E型粘度、25℃測定値)、固形分80.0%、固形分換算イソシアネート率;14.3%である2液型ウレタン系接着剤用硬化剤(1’)を得た。
合成例3〔ポリエステルポリオール(1)の合成〕
攪拌棒、温度センサー、精留管を有するフラスコに、ネオペンチルグリコール836部、イソフタル酸588部、無水フタル酸274部、セバシン酸406部、無水トリメリット酸15.2部及び有機チタン化合物0.02部を仕込み、乾燥窒素をフラスコ内に流入させ攪拌しながら230〜250℃に加熱しエステル化反応を行った。酸価が1.0mgKOH/g以下となったところで反応を停止し、100℃まで冷却後、酢酸エチルで固形分62%に希釈して、重量平均分子量(Mw)が25,000、分子量分布(Mw/Mn)が3.2、水酸基価が10のポリエステルポリオール(1)を得た。
合成例4〔ポリエステルポリウレタンポリオール(1)の合成〕
攪拌棒、温度センサー、精留管を有するフラスコに、ネオペンチルグリコール1131部、イソフタル酸737部、無水フタル酸342部、セバシン酸534部、無水トリメリット酸20部及び有機チタン化合物1.3部を仕込み、乾燥窒素をフラスコ内にフローさせ攪拌しながら230〜250℃に加熱しエステル化反応を行った。酸価が1.0mgKOH/g以下となったところで反応を停止し、100℃まで冷却後、酢酸エチルで固形分80%に希釈した。次いで、ヘキサメチレンジイソシアヌレートのイソシアヌレート変性体(スミジュール N−3300;住化バイエルウレタン株式会社製)124部、ヘキサメチレンジイソシアネート25部を仕込み、乾燥窒素をフラスコ内にフローさせ攪拌しながら70〜80℃に加熱しウレタン化反応を行った。イソシアネート含有率0.3%以下となったところで反応を停止し、数平均分子量が5700、重量平均分子量が35000で、水酸基価が10のポリエステルポリウレタンポリオールを得た。これを酢酸エチルで希釈して得られた固形分62%の樹脂溶液をポリエステルポリウレタンポリオール(1)とする。
表1,表2に示す配合で、主剤、硬化剤を一括混合して、実施例1〜2の接着剤及び、比較例1〜2の接着剤を調製した。尚、表中の配合量は固形分質量部であり、硬化剤の配合量は、主剤100質量部に対する配合量である。
(評価サンプルの調製)
原反として125μm厚のPETフィルム(東レ(株)X10S)を用い、上記の各接着剤組成物を5〜6g/m(乾燥質量)に塗装して、貼合用フィルムとして25μm厚のフッ素フィルム(旭硝子(株)アフレックス25PW)を用い、評価サンプルを得た。評価サンプルは、50℃、72時間、エージングした後、評価に供した。
(評価方法)
接着力:前記した評価サンプルにて、引っ張り試験機(SHIMADZU社製;AGS500NG)で、剥離速度スピード300mm/minでの強度(N/15mm、T型剥離)を接着力として評価した。初期(エージング後)、及び、121℃℃100%環境下の25時間、50時間、75時間暴露後の接着力に測定した。
外観:前記した評価サンプルにて、フッ素フィルム側よりラミネート外観を目視評価。 ○:フィルム表面が平滑 フィルム表面に若干のクレーターが存在
×:フィルム表面に多数のクレーター(凹み)が存在
初期強度:初期の接着力を以下に従って評価した。
○:6.0 N/15mm以上、
△:5.0〜6.0 N/15mm、
×:5.0 N/15mm未満。
湿熱性:初期の接着力に対する121℃100%75時間後の接着力の保持率を以下に従って評価した。
○:60%以上、
△:60〜40%、
×:40%未満。
Figure 2016089035
Figure 2016089035
スミジュールN3300:ヌレートタイプのヘキサメチレンジイソシアネート(住友バイエルウレタン社製)

Claims (10)

  1. 脂肪族多塩基酸又はそのアルキルエステル(a)、直鎖状多価アルコール(b1)、側鎖にアルキル基を有する分岐型脂肪族多価アルコール(b2)を必須の原料として反応させて得られるポリエステルポリオール(I)に、ジイソシアネート化合物(II)を反応させてなり、イソシアネート含有率が6.0〜10.0質量%であることを特徴とするポリエステルポリイソシアネート。
  2. 重量平均分子量が500〜10,000の範囲である請求項1記載のポリエステルポリイソシアネート。
  3. 前記脂肪族多塩基酸又はそのアルキルエステル(a)が、炭素原子数6〜20の長鎖脂肪族ジカルボン酸又はそのアルキルエステルである請求項1又は2記載のポリエステルポリイソシアネート。
  4. 前記直鎖状多価アルコール(b1)が炭素原子数6〜20の直鎖アルキルジオールである請求項1〜3の何れか1項記載のポリエステルポリイソシアネート。
  5. ジイソシアネート化合物(II)が、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート又は4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートである請求項1〜4の何れか1項記載のポリエステルポリイソシアネート。
  6. 請求項1〜5の何れか1項記載のポリエステルポリイソシアネートを含有することを特徴とする2液型ウレタン系接着剤用硬化剤。
  7. 更にイソシアヌレート型ポリイソシアネートを含有する請求項6記載の2液型ウレタン系接着剤用硬化剤。
  8. 請求項6又は7記載の硬化剤と、ポリエステルポリオール又はポリエステルウレタンとを含有する主剤とからなる2液型ウレタン系接着剤。
  9. ポリエステルフィルム、フッ素フィルム、ポリオレフィンフィルム、金属箔からなる群から選ばれる1種類以上のフィルムと、請求項8記載の接着剤からなる接着層とを有する積層フィルム。
  10. 請求項8記載の接着剤からなる接着層を有する太陽電池のバックシート。
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