JP2016089004A - 油脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、低温下において油脂結晶が析出したとしても、環境温度を上げることにより、析出した油脂結晶が容易に融解する油脂組成物を提供することである。
【解決手段】ヨウ素価が55〜115である油脂組成物であって、以下のトリアシルグリセロールと乳化剤とを含有する油脂組成物である。
<トリアシルグリセロール>
U3 5〜65質量%
SU2 25〜75質量%
S2U 2〜50質量%
S3 0〜 5質量%
<乳化剤>
油脂結晶の析出を促進する乳化剤A 0.0001〜0.1質量%
【選択図】なし

Description

本発明は油脂組成物、特に、析出した油脂結晶の再融解性に優れた油脂組成物に関する。
オリーブ油、綿実油及びパーム油配合油などは、低温下で保存されると、油脂の結晶が析出し、濁りが生じたり、固化したりすることがある。特に冬期において油脂を清澄に保つために、これらの油脂は、ウインタリングもしくは分別という処理が行われ、濁りや固化の原因となる、飽和脂肪酸の多い部分(固体部)が取り除かれることがある。
しかしながら、特にパーム油は、複数回分別を行って固体部を取り除いた液体部(パームオレイン)を使用したとしても、低温下で保存されると、やはり、油脂結晶が析出してくる場合がある。このような低温下における油脂結晶の析出を抑制もしくは遅延するために、各種添加剤を添加する方法が開発されている。例えば、特許文献1には、ソルビタントリステアレートを添加する方法が開示されている。特許文献2には、C12〜C14の脂肪酸のナトリウムもしくはカリウム塩を添加する方法が開示されている。中でもポリグリセリン脂肪酸エステルについては、多くの開発品が開示されている(例えば、特許文献3〜6)。
特開2003−119488号公報 WO2011/089562 特開昭63−63343号公報 特開平9−299027号公報 特開2006−274126号公報 WO2010/010953
確かに上記の各種添加剤を添加すると、油脂結晶の析出は抑制もしくは遅延される。しかしながら、一旦結晶が析出してしまうと、析出した油脂結晶は、環境温度を上げても、融解しにくいという難点があった。
本発明の課題は、低温下において油脂結晶が析出したとしても、環境温度を上げることにより、析出した油脂結晶が容易に融解する油脂組成物を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、特定のトリアシルグリセロールの組成を満たす油脂に、特定の乳化剤を特定量含有させることにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明の態様の1つは、ヨウ素価が55〜115である油脂組成物であって、以下のトリアシルグリセロールと乳化剤とを含有する油脂組成物である。
<トリアシルグリセロール>
U3 5〜65質量%
SU2 25〜75質量%
S2U 2〜50質量%
S3 0〜 5質量%
<乳化剤>
油脂結晶の析出を促進する乳化剤A 0.0001〜0.1質量%

ただし、U、S、U3、SU2、S2U及びS3は、以下のものを意味する。
U :炭素数16以上の不飽和脂肪酸
S :炭素数16以上の飽和脂肪酸
U3 :1分子のグリセロールに3分子のUが結合したトリアシルグリセロール
SU2 :1分子のグリセロールに2分子のUと1分子のSが結合したトリアシルグリセロール
S2U :1分子のグリセロールに1分子のUと2分子のSが結合したトリアシルグリセロール
S3 :1分子のグリセロールに3分子のSが結合したトリアシルグリセロール

また、好ましい態様としては、さらに、油脂結晶の析出を抑制する乳化剤Bを0.001〜1質量%含有する、上記油脂組成物である。
また、好ましい態様としては、上記油脂組成物における、上記乳化剤Bの含有量に対する上記乳化剤Aの含有量の質量比(乳化剤A含有量/乳化剤B含有量)が0.05〜0.9である、油脂組成物である。
また、好ましい態様としては、上記乳化剤Aが、ショ糖脂肪酸エステルである、上記油脂組成物である。
また、好ましい態様としては、上記乳化剤Bが、ポリグリセリン脂肪酸エステルである、上記油脂組成物である。
また、好ましい態様としては、パーム分別軟質油を含む、上記油脂組成物である。

本発明のまた別の態様としては、ヨウ素価が55〜115であり、以下のトリアシルグリセロールを含有する油脂に、以下の乳化剤を含有させる、油脂組成物の製造方法である。
<トリアシルグリセロール>
U3 5〜65質量%
SU2 25〜75質量%
S2U 2〜50質量%
S3 0〜 5質量%
<乳化剤>
油脂結晶の析出を促進する乳化剤A 0.0001〜0.1質量%

ただし、U、S、U3、SU2、S2U及びS3は、以下のものを意味する。
U :炭素数16以上の不飽和脂肪酸
S :炭素数16以上の飽和脂肪酸
U3 :1分子のグリセロールに3分子のUが結合したトリアシルグリセロール
SU2 :1分子のグリセロールに2分子のUと1分子のSが結合したトリアシルグリセロール
S2U :1分子のグリセロールに1分子のUと2分子のSが結合したトリアシルグリセロール
S3 :1分子のグリセロールに3分子のSが結合したトリアシルグリセロール

本発明のまた別の態様としては、ヨウ素価が55〜115であり、以下のトリアシルグリセロールを含有する油脂に、以下の乳化剤を含有させる、油脂から析出した油脂結晶の再融解性を高める方法である。
<トリアシルグリセロール>
U3 5〜65質量%
SU2 25〜75質量%
S2U 2〜50質量%
S3 0〜 5質量%
<乳化剤>
油脂結晶の析出を促進する乳化剤A 0.0001〜0.1質量%

ただし、U、S、U3、SU2、S2U及びS3は、以下のものを意味する。
U :炭素数16以上の不飽和脂肪酸
S :炭素数16以上の飽和脂肪酸
U3 :1分子のグリセロールに3分子のUが結合したトリアシルグリセロール
SU2 :1分子のグリセロールに2分子のUと1分子のSが結合したトリアシルグリセロール
S2U :1分子のグリセロールに1分子のUと2分子のSが結合したトリアシルグリセロール
S3 :1分子のグリセロールに3分子のSが結合したトリアシルグリセロール
本発明によれば、低温下で析出した油脂結晶が、環境温度を上げることにより、容易に融解する油脂組成物を提供することができる。また、本発明によれば、油脂結晶の析出が抑制された油脂組成物であって、低温下で油脂結晶が析出したとしても、環境温度を上げることにより、析出した油脂結晶が容易に融解する油脂組成物を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の油脂組成物は、ヨウ素価が55〜115である油脂組成物であって、以下のトリアシルグリセロールを含有する。
U3 5〜65質量%
SU2 25〜75質量%
S2U 2〜50質量%
S3 0〜 5質量%
本発明において、U、S、U3、SU2、S2U及びS3は、
U :炭素数16以上の不飽和脂肪酸、
S :炭素数16以上の飽和脂肪酸、
U3 :1分子のグリセロールに3分子のUが結合したトリアシルグリセロール、
SU2 :1分子のグリセロールに2分子のUと1分子のSが結合したトリアシルグリセロール、
S2U :1分子のグリセロールに1分子のUと2分子のSが結合したトリアシルグリセロール、
S3 :1分子のグリセロールに3分子のSが結合したトリアシルグリセロール、
を意味する。
本発明において、S及びUは、炭素数16〜22であることが好ましく、炭素数16〜18であることがより好ましい。
本発明の油脂組成物は、上記のトリアシルグリセロールを含有し、後述の乳化剤Aをさらに含有することにより、低温下で析出した油脂結晶が、環境温度を上げることにより、再融解しやすい特徴を有することになる。
本発明の油脂組成物は、そのヨウ素価が、60〜90であることが好ましく、60〜85であることがより好ましく、62〜75であることが更に好ましい。本発明の油脂組成物は、また、上記U3を、好ましくは5〜50質量%含有するものであり、より好ましくは5〜30質量%含有するものである。本発明の油脂組成物は、また、上記SU2を、好ましくは30〜70質量%含有するものであり、より好ましくは40〜65質量%含有するものである。本発明の油脂組成物は、また、上記S2Uを、好ましくは5〜50質量%含有するものであり、より好ましくは5〜30質量%含有するものである。本発明の油脂組成物は、また、上記S3を、好ましくは0〜2質量%含有するものであり、より好ましくは0〜1質量%含有するものである。
なお、ヨウ素価は、例えば、「社団法人 日本油化学会 基準油脂分析試験法2.3.4.1−1996」の方法に準じて測定できる。トリアシルグリセロールの含有量は、例えば、「AOCS Ce5−86」に準じて、ガスクロマトグラフィー法により測定できる。
本発明の油脂組成物には、ヨウ素価が55〜115であり、且つ、上記トリアシルグリセロールを含有する油脂を使用することが好ましい。本発明の油脂組成物に使用する油脂は、上記トリアシルグリセロールを含有する油脂であれば特に制限なく使用できる。例えば、大豆油、菜種油、綿実油、ヒマワリ種子油、落花生油、米糠油、コーン油、サフラワー油、オリーブ油、ゴマ油、イリッペ脂、カカオ脂、サル脂、シア脂、パーム油、パーム核油、ヤシ油等、並びに、これらに、硬化、分別、エステル交換(油脂と脂肪酸または脂肪酸エステルとのエステル交換も含む)等の加工を加えた加工油脂の中から1種あるいは2種以上を選択して使用できる。特に、オリーブ油、綿実油、パーム油及びその分別油を含む油脂であることが好ましく、パーム分別軟質油を含む油脂であることがより好ましい。パーム分別軟質油は、パーム油あるいはその加工油を分別して得られる液体部であり、パームオレイン、パームスーパーオレイン等として知られている。本発明の油脂組成物の油脂には、上記トリアシルグリセロールを含有する、ヨウ素価が60〜70程度のパーム分別軟質油を単独で使用してもよい。本発明の油脂組成物に使用する油脂は、そのヨウ素価が、60〜90であることが好ましく、60〜85であることがより好ましく、62〜75であることが更に好ましい。本発明の油脂組成物に使用する油脂は、また、その曇点が、20℃以下であることが好ましく、−10〜10℃であることがより好ましく、−7〜7℃であることが更に好ましい。
なお、曇点は、例えば、「社団法人 日本油化学会 基準油脂分析試験法2.2.7−1996」の方法に準じて測定できる。
本発明の油脂組成物は、油脂結晶の析出を促進する乳化剤Aを、0.0001〜0.1質量%含有する。本発明の油脂組成物は、油脂結晶の析出を促進する乳化剤Aを含有することにより、低温下で油脂結晶が析出したとしても、環境温度を上げることにより、析出した油脂結晶が容易に融解する油脂組成物となる。ここで、油脂結晶の析出を促進する乳化剤とは、ヨウ素価が55〜115であり、U3含量が5〜65質量%、SU2含量が25〜75質量%、S2U含量が2〜50質量%及びS3含量が0〜5質量%である油脂に、乳化剤を0.05質量%(500ppm)含有させた時、含有させない場合と比較して、油脂結晶の析出が速くなる乳化剤を意味する。より具体的には、例えば、油脂としてヨウ素価が65であるパームスーパーオレインを使用し、完全に清澄な状態(例えば50℃)から、低温下(例えば5℃)に保持した場合、乳化剤を添加しない場合と比較して、油脂結晶の析出を速める乳化剤が、乳化剤Aとして使用され得る。本発明の油脂組成物における乳化剤Aの含有量は、0.001〜0.08質量%であることが好ましく、0.005〜0.07質量%であることがより好ましい。乳化剤Aとしては、例えば、HLBが0〜4であるショ糖飽和脂肪酸エステルが好ましい。特に、飽和脂肪酸として炭素数14〜22の脂肪酸が結合したものが好ましく、炭素数14〜20の脂肪酸が結合したものがより好ましい。
本発明の油脂組成物は、油脂結晶の析出を抑制する乳化剤Bを、0.001〜1質量%含有してもよい。本発明の油脂組成物は、乳化剤Aと共に油脂結晶の析出を抑制する乳化剤Bを含有することにより、低温下で油脂結晶が析出しにくく、かつ、油脂結晶が析出したとしても、環境温度を上げることにより、析出した油脂結晶が容易に融解する油脂組成物となる。ここで、油脂結晶の析出を抑制する乳化剤とは、ヨウ素価が55〜115であり、U3含量が5〜65質量%、SU2含量が25〜75質量%、S2U含量が2〜50質量%及びS3含量が0〜5質量%である油脂に、乳化剤を0.05質量%(500ppm)含有させた時、含有させない場合と比較して、油脂結晶の析出が遅くなる乳化剤を意味する。より具体的には、例えば、油脂としてヨウ素価が65であるパームスーパーオレインを使用し、完全に清澄な状態(例えば50℃)から、低温下(例えば5℃)に保持した場合、乳化剤を添加しない場合と比較して、油脂結晶の析出を遅くする乳化剤が、乳化剤Bとして使用され得る。本発明の油脂組成物における乳化剤Bの含有量は、0.02〜0.2質量%であることが好ましく、0.04〜0.1質量%であることがより好ましい。乳化剤Bとしては、例えば、ポリグリセリン脂肪酸エステルが好ましい。市販品としては、例えば、サンソフトQMP−5、サンソフトQMP−1(商品名、ともに太陽化学株式会社製)、THL−15、THL−17、THL−44(商品名、いずれも阪本薬品工業株式会社)を用いることができる。
本発明の油脂組成物は、上記乳化剤Bの含有量に対する上記乳化剤Aの含有量の質量比(乳化剤A含有量/乳化剤B含有量)が0.05〜0.9であることが好ましい。乳化剤Bの含有量に対する乳化剤Aの含有量の質量比(乳化剤A含有量/乳化剤B含有量)は、0.05〜0.7であることがより好ましく、0.1〜0.5であることがさらに好ましい。本発明の油脂組成物の、乳化剤Bの含有量に対する乳化剤Aの含有量の質量比(乳化剤A含有量/乳化剤B含有量)が上記範囲程度であると、本発明の油脂組成物は、低温下で油脂結晶が析出しにくく、かつ、油脂結晶が析出したとしても、環境温度を上げることにより、析出した油脂結晶が容易に融解し得る。
本発明の油脂組成物は、通常の油脂組成物の製造方法と同様に製造できる。例えば、加温融解した、ヨウ素価が55〜115であり、U3含量が5〜65質量%、SU2含量が25〜75質量%、S2U含量が2〜50質量%及びS3含量が0〜5質量%である油脂に、乳化剤A(必要に応じて乳化剤B)を所定量添加し、乳化剤Aを攪拌融解させることにより製造できる。
本発明の油脂組成物は、通常の液体油と同様に使用できる。例えば、フライ油あるいは炒め油として、素揚げ、から揚げ、フライ、フリッター、天ぷら等の揚げ物や炒め物等の加熱調理に好適に使用できる。また、本発明の油脂組成物は、例えば、コーティングオイルとして、せんべい、あられ、パン、ビスケット、クラッカー、クッキー、プレッツェル、コーンチップス、コーンパフ、コーンフレークス、ポップコーン、ポテトチップス、ナッツ、バターピーナツ、スナック菓子等に使用できる。また、本発明の油脂組成物は、圧延油、油圧用オイル、潤滑油等にそのまま、あるいは、混合物の基材として使用できる。特に、可食性であることから、食品加工に使用される装置に使用しても安全である。
以下、具体的な実施例に基づいて、本発明について詳しく説明する。なお、本発明は、以下に示す実施例の内容に、何ら限定されるものではない。
<分析法>
ヨウ素価は、「社団法人 日本油化学会 基準油脂分析試験法2.3.4.1−1996」の方法に準じて測定した。
曇点は、「社団法人 日本油化学会 基準油脂分析試験法2.2.7−1996」の方法に準じて行った。
トリアシルグリセロールの含有量は、「AOCS Ce5−86」に準じて、ガスクロマトグラフィー法により測定した。
<油脂及び乳化剤>
以下の油脂1及び乳化剤A1〜A4、a1〜a4、B1、B2、b1、b2を使用した。
油脂1:パームスーパーオレイン(ヨウ素価65、U3含有量7.8質量%、SU2含有量56.3質量%、S2U含有量33.2質量%、S3含有量0.3質量%、曇点3.7℃、日清オイリオグループ株式会社製)
乳化剤A1:ショ糖パルミチン酸エステル(HLB1、商品名:P−170、三菱化学フーズ株式会社製)
乳化剤A2:ショ糖ステアリン酸エステル(HLB1、商品名:S−170、三菱化学フーズ株式会社製)
乳化剤A3:ショ糖ステアリン酸エステル(HLB3、商品名:S−370、三菱化学フーズ株式会社製)
乳化剤A4:ショ糖ステアリン酸エステル(HLB1、商品名:F−10、第一工業製薬株式会社製)
乳化剤a1:ショ糖ラウリン酸エステル(HLB1、商品名:L−195、三菱化学フーズ株式会社製)
乳化剤a2:ショ糖脂肪酸エステル(パルミチン酸、ステアリン酸及びオレイン酸混合系、HLB1、商品名:POS−135、三菱化学フーズ株式会社製)
乳化剤a3:ソルビタンステアリン酸エステル(HLB3、商品名:ポエムS65V、理研ビタミン株式会社製)
乳化剤a4:ショ糖ステアリン酸エステル(HLB5、商品名:S−550、三菱化学フーズ株式会社製)
乳化剤B1:ポリグリセリン脂肪酸エステル(商品名:サンソフトQMP−5、太陽化学株式会社製)
乳化剤B2:ポリグリセリン脂肪酸エステル(商品名:THL−44、阪本薬品工業株式会社製)
乳化剤b1:ポリグリセリン脂肪酸エステル(商品名:サンファットPS66、太陽化学株式会社製)
乳化剤b2:ポリグリセリン脂肪酸エステル(商品名:サンファットPS68、太陽化学株式会社製)
<乳化剤の油脂結晶化に与える影響評価>
上記油脂1に、上記乳化剤をそれぞれの含有量が500ppmとなるように添加、加熱融解させる。上記各乳化剤を含有させた油脂100gを、乳化剤を添加しない油脂1を対照として、品温を50℃で保持した後、5℃の空冷環境下(5℃の恒温槽)に保持する。0.5時間毎に観察を行い、対照(油脂1)よりも速く油脂結晶が析出したものを、油脂結晶の析出を促進する乳化剤Aとする。また、対照(油脂1)よりも遅く油脂結晶が析出したものを、油脂結晶の析出を抑制する乳化剤Bとする。
上記乳化剤の油脂結晶化速度を評価した結果を表1に纏めた。
Figure 2016089004
◎:効果あり
−:効果なし、もしくは、類別なし
<乳化剤の油脂結晶の再融解性に与える影響評価>
上記<乳化剤の油脂結晶化に与える影響評価>で、5℃の空冷環境下に保持したものを、24時間継続して保持する。24時間後に20℃の空冷環境下(20℃恒温槽)に保持し直す。0.5時間毎に観察を行い、対照(油脂1)よりも速く油脂結晶が融解したものを、油脂結晶の再融解性に効果ありと評価する。
上記乳化剤の油脂結晶の再融解性を評価した結果を表2に纏めた。
Figure 2016089004
◎:効果あり
−:効果なし、もしくは、類別なし
<乳化剤の油脂結晶化及び油脂結晶の再融解性に与える影響評価>
油脂1に、乳化剤B1を含有量が500ppmとなるように添加、加熱融解させ、油脂1B1を調製する。油脂1B1に、乳化剤A1〜A4及びa1〜a4をそれぞれの含有量が100ppmまたは500ppmとなるように添加、加熱融解させる。上記各乳化剤を含有させた油脂100gを、乳化剤を何も添加しない油脂1を対照として、品温を50℃で保持した後、5℃の空冷環境下(5℃の恒温槽)に保持する。0.5時間毎に観察を行い、対照(油脂1)よりも遅く油脂結晶が析出したものを、油脂結晶の析出抑制に効果ありと評価する。また、5℃の環境下に保持したものを、24時間継続して保持する。24時間後に20℃の空冷環境下(20℃恒温槽)に保持し直す。0.5時間毎に観察を行い、対照(油脂1)よりも速く油脂結晶が融解したものを、油脂結晶の再融解性に効果ありと評価する。
乳化剤の油脂結晶化及び油脂結晶の再融解性を評価した結果を表3に纏めた。
Figure 2016089004
◎:効果あり
−:効果なし

Claims (8)

  1. ヨウ素価が55〜115である油脂組成物であって、以下のトリアシルグリセロールと乳化剤とを含有する油脂組成物。
    <トリアシルグリセロール>
    U3 5〜65質量%
    SU2 25〜75質量%
    S2U 2〜50質量%
    S3 0〜 5質量%
    <乳化剤>
    油脂結晶の析出を促進する乳化剤A 0.0001〜0.1質量%

    ただし、U、S、U3、SU2、S2U及びS3は、以下のものを意味する。
    U :炭素数16以上の不飽和脂肪酸
    S :炭素数16以上の飽和脂肪酸
    U3 :1分子のグリセロールに3分子のUが結合したトリアシルグリセロール
    SU2 :1分子のグリセロールに2分子のUと1分子のSが結合したトリアシルグリセロール
    S2U :1分子のグリセロールに1分子のUと2分子のSが結合したトリアシルグリセロール
    S3 :1分子のグリセロールに3分子のSが結合したトリアシルグリセロール
  2. さらに、油脂結晶の析出を抑制する乳化剤Bを0.001〜1質量%含有する、請求項1に記載の油脂組成物
  3. 前記油脂組成物における、前記乳化剤Bの含有量に対する前記乳化剤Aの含有量の質量比(乳化剤A含有量/乳化剤B含有量)が0.05〜0.9である、請求項1または2に記載の油脂組成物。
  4. 前記乳化剤Aが、ショ糖脂肪酸エステルである、請求項1〜3の何れか一項に記載の油脂組成物。
  5. 前記乳化剤Bが、ポリグリセリン脂肪酸エステルである、請求項1〜4の何れか一項に記載の油脂組成物。
  6. パーム分別軟質油を含む、請求項1〜4の何れか一項に記載の油脂組成物。
  7. ヨウ素価が55〜115であり、以下のトリアシルグリセロールを含有する油脂に、以下の乳化剤を含有させる、油脂組成物の製造方法。
    <トリアシルグリセロール>
    U3 5〜65質量%
    SU2 25〜75質量%
    S2U 2〜50質量%
    S3 0〜 5質量%
    <乳化剤>
    油脂結晶の析出を促進する乳化剤A 0.0001〜0.1質量%

    ただし、U、S、U3、SU2、S2U及びS3は、以下のものを意味する。
    U :炭素数16以上の不飽和脂肪酸
    S :炭素数16以上の飽和脂肪酸
    U3 :1分子のグリセロールに3分子のUが結合したトリアシルグリセロール
    SU2 :1分子のグリセロールに2分子のUと1分子のSが結合したトリアシルグリセロール
    S2U :1分子のグリセロールに1分子のUと2分子のSが結合したトリアシルグリセロール
    S3 :1分子のグリセロールに3分子のSが結合したトリアシルグリセロール
  8. ヨウ素価が55〜115であり、以下のトリアシルグリセロールを含有する油脂に、以下の乳化剤を含有させる、油脂から析出した油脂結晶の再融解性を高める方法。
    <トリアシルグリセロール>
    U3 5〜65質量%
    SU2 25〜75質量%
    S2U 2〜50質量%
    S3 0〜 5質量%
    <乳化剤>
    油脂結晶の析出を促進する乳化剤A 0.0001〜0.1質量%

    ただし、U、S、U3、SU2、S2U及びS3は、以下のものを意味する。
    U :炭素数16以上の不飽和脂肪酸
    S :炭素数16以上の飽和脂肪酸
    U3 :1分子のグリセロールに3分子のUが結合したトリアシルグリセロール
    SU2 :1分子のグリセロールに2分子のUと1分子のSが結合したトリアシルグリセロール
    S2U :1分子のグリセロールに1分子のUと2分子のSが結合したトリアシルグリセロール
    S3 :1分子のグリセロールに3分子のSが結合したトリアシルグリセロール
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